JP2004034599A - サーマルヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】低階調の記録を行う場合には1つのドットを小さく記録し高階調の記録を行う場合には1つのドットを大きく記録することにより、記録可能な出力階調の幅を広くし、良好なグラディエーションの画像の記録を得る。
【解決手段】複数の共通電極を、各共通電極6の一端部が整列配置された複数の個別電極5の一端部に対向するように整列配置し、各個別電極5と各共通電極6との間に発熱素子4を形成し、各発熱素子4の表面に、それぞれ突起部7を形成した。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の共通電極を、各共通電極6の一端部が整列配置された複数の個別電極5の一端部に対向するように整列配置し、各個別電極5と各共通電極6との間に発熱素子4を形成し、各発熱素子4の表面に、それぞれ突起部7を形成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はサーマルヘッドに係り、特に多階調の記録を行うプリンタに配設されたサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、サーマルヘッドに配設された各発熱素子を、記録データに基づいて選択的に発熱させることによりインクリボンのインクを転写して、記録媒体上に所望の文字等の画像の記録を行う熱転写プリンタが、高印字品質、低騒音、低コスト、メンテナンスの容易性等の理由により、コンピュータ、ワードプロセッサ等の出力装置として多用されている。
【0003】
前記熱転写プリンタに配設されているサーマルヘッドの基板の表面には、保温層が形成されており、この保温層の表面には、抵抗体層が形成されている。また、前記基板の表面には、複数の個別電極が前記抵抗体層に至るように並列して配設されている。さらに、前記各個別電極に対向する位置には、複数の共通電極が並列して配設されており、前記抵抗体層における前記対向する各個別電極および各共通電極の間には、それぞれ発熱素子が形成されている。
【0004】
前記サーマルヘッドによって多階調の記録を行う場合、まず、各発熱素子をインクリボンを介して記録媒体に圧接し、続いて記録データに基づいて前記各個別電極に電圧を印加することにより、前記電圧が印加された各個別電極とこれらの個別電極に対向する各共通電極の間に相当する位置の各発熱素子が加熱される。これにより、インクリボンのインクを溶融させて記録媒体に転写させ、1つのドットを記録するようになっており、そして、1つのドットの大きさによって1画素をあらわすことにより、多階調の記録を行っている。
【0005】
このようなサーマルヘッドを用いて良好な文字等の画像の記録を得るためには、低階調の記録を行う場合1つのドットを小さく、高階調の記録を行う場合1つのドットを大きく記録して、良好なグラデーションを得る必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のサーマルヘッドによって記録を行う場合、各発熱素子に加えられた熱が発熱素子が圧接される部分のインクに及んでしまう結果、各発熱素子の圧接部分のみならずその周辺部分のインクを溶融してしまうおそれがある。このような場合には、低階調の記録を行うときに1つのドットが大きく記録されてしまうので、記録データに基づく入力階調よりも実際に記録媒体上に記録された出力階調の方が高くなり、かつ低階調の記録を行うことができなくなってしまう。
【0007】
また、前述の問題を解決するため、前記各個別電極に印加する電圧を低く設定することが考えられるが、過度に低く設定した場合にはインクが十分に溶融されず、記録媒体に正確に転写されない場合が生じてしまう。
【0008】
このため、低階調の記録を行うときに1つのドットを適当な小さいサイズによって記録することが困難であり、この結果、グラデーションの良好な画像を得ることができないという問題を有していた。
【0009】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、低階調の記録を行う場合には1つのドットを小さく記録し、高階調の記録を行う場合には1つのドットを大きく記録することにより、記録可能な出力階調の幅を広くし、良好なグラデーションの画像の記録を得ることができるサーマルヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るサーマルヘッドは、複数の共通電極を、これらの各共通電極の一端部が整列配置された複数の個別電極の一端部に対向するように整列配置し、前記各個別電極と前記各共通電極との間に発熱素子を形成し、前記各発熱素子の表面に、それぞれ突起部を形成したことを特徴とする。
【0011】
この本発明に係るサーマルヘッドによれば、低階調の記録を行う場合に各個別電極に低い電圧を印加すれば、各発熱素子は低い温度に加熱されるので、インクリボンにおいて発熱素子のうち最も強く圧接されている突起部に相当する部分のインクのみが溶融され、発熱素子のうち弱く圧接される突起部の周辺に相当する部分のインクは溶融されない。このため、突起部に相当する部分のインクのみを記録媒体に付着させることができ、低階調の記録を行う場合に小さいドットによって記録を行うことができる。一方、高階調の記録を行う場合に各個別電極に高い電圧を印加すれば、各発熱素子は高い温度に加熱されるので、インクリボンにおいて発熱素子が強く圧接される突起部に相当する部分のみならず、弱く圧接される突起部の周辺に相当する部分のインクも溶融される。このため、前記インクリボンに圧接される各発熱素子の全体部分のインクを記録媒体に付着させることができ、高階調の記録を行う場合に大きいドットによって記録を行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る他のサーマルヘッドは、前記各突起部を、前記各発熱素子の幅方向における中央部分に形成したことを特徴とする。
【0013】
この本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、各突起部は、各発熱素子の幅方向における中央部分に形成されているので、低階調の記録を行うにあたり隣接するドットが異なる画素を構成しこの隣接する画素が高階調の記録を行った場合であっても、前記隣接するドットに重なり合うことを防止することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る他のサーマルヘッドは、前記各個別電極の一端部を、前記各突起部の方向に平面形状が尖端形状となるように突設し、前記各共通電極の一端部を、前記各個別電極の尖形形状に形成された先端部に対向し前記各突起部の方向に突出する平面形状が尖形形状となるように形成したことを特徴とする。
【0015】
この本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、各個別電極に印加した低い電圧を各発熱素子の幅方向における中央部分に集中させることができるので、前記各発熱素子の中央部分に形成された各突起部を周辺部分と比較して集中的に高い温度に加熱することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサーマルヘッドの実施形態を図1から図7を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るサーマルヘッドの一実施形態を示す概略平面図であり、図2は、図1に示すサーマルヘッドを示す概略断面図である。
【0018】
図1および図2に示すように、前記サーマルヘッド1は、セラミック等により構成された基板2を有し、前記基板2の表面の一部分には、断面形状が略半円形状の保温層3が直線状に形成されている。この保温層3は、その略半円形状の中央部分が前記保温層3の形成領域に沿って突出するように形成され、また前記保温層3の突出部分の表面には、平面形状が円形状となる複数の突起が前記保温層3の形成領域に沿って直線状に並列して形成されている。
【0019】
また、前記保護層3の表面の突出部分の全体には、抵抗体層9が形成されており、前記抵抗体層9における前記保温層3に形成された各突起の位置に相当する部分は、各突起部7とされている。
【0020】
さらに、前記基板2の表面には、前記各突起部7に対応するように複数の個別電極5が所定の間隔をもって並列配置されている。これら各電極5は、それらの一端部が前記保温層3の表面に位置して前記抵抗体層9に至るように配設されており、また前記各個別電極5の一端部は、前記各突起部7の方向に向かって平面形状が尖端形状となるように突設されている。
【0021】
また、前記基板2の表面であって前記各個別電極5に対応する位置には、複数の共通電極6が前記各個別電極5に対して対称となるように並列配置されている。これら各共通電極6は、それらの一端部がそれぞれ前記各電極5の一端部に対向し前記抵抗体層9に至るように前記保温層3の表面に配設されており、また、前記各共通電極6の一端部は、前記各突起部7の方向に向かって平面形状が尖端形状となるように突設されている。
【0022】
そして、前記抵抗体層7における前記各個別電極5と前記各共通電極6との間に相当する部分には、それぞれ発熱素子4が形成されている。
【0023】
さらに、前記各発熱素子4と前記各個別電極5と前記各共通電極6との表面には、前記各発熱素子4等を保護するための保護膜8が形成されている。
【0024】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0025】
まず、前記サーマルヘッド1を用いて低階調の記録を行う場合について説明する。
【0026】
まず、図示しないプリンタに記録データが入力されると、前記記録データに基づいて、所定の各個別電極5に低い電圧が印加される。すると、前記各個別電極5の尖端部から前記各共通電極6の尖端部に電圧が加わり、それらの尖端形状により、前記発熱素子4において各突起部7が形成されている前記各個別電極5と各共通電極6との両尖端部の間に集中的に電圧が加えられる。これにより、前記各突起部7が低い温度に加熱されるとともに、前記発熱素子4における前記各突起部7の周辺部分も同様に低い温度に加熱される。そして、この発熱素子4をインクリボンを介して記録媒体に圧接することにより、1つのドットを記録する。
【0027】
このとき、前記発熱素子4の全体は低い温度に加熱されているので、インクリボンにおいて発熱素子4のうち最も強く圧接されかつ周辺と比較して高い温度によって加熱されている各突起部7に相当する部分のインクのみが溶融され、発熱素子4のうち弱く圧接される突起部7の周辺に相当する部分のインクは溶融されない。このため、突起部7に相当する部分のインクのみを記録媒体に付着させることができ、低階調の記録を行う場合において小さいドットによって記録を行うことができる。
【0028】
次に、前記サーマルヘッド1を用いて高階調の記録を行う場合について説明する。
【0029】
まず、記録データに基づいて所定の各個別電極5に高い電圧が印加される。すると、前記発熱素子4には高い電圧が加わるので、これにより前記発熱素子4の全体が高い温度に加熱される。そして、この発熱素子4をインクリボンを介して記録媒体に圧接することにより、1つのドットを記録する。
【0030】
このとき、前記発熱素子4は高い温度に加熱されているので、インクリボンにおいて発熱素子4が強く圧接される各突起部7に相当する部分のみならず、弱く圧接される各突起部7の周辺に相当する部分のインクも溶融される。このため、前記インクリボンに圧接される発熱素子4の全体部分のインクを記録媒体に付着させることができ、高階調の記録を行う場合において大きいドットによって記録を行うことができる。
【0031】
このように、本実施形態によれば低階調の記録を行う場合には小さいドットによって記録を行い、一方高階調の記録を行う場合には大きいドットによって記録を行うことができる。
【0032】
また、各突起部7は、各発熱素子4の中央部分に形成されているので、低階調の記録を行うにあたり隣接するドットが異なる画素を構成しこの隣接する画素が高階調の記録を行った場合であっても、前記隣接するドットに重なり合うことを防止することができる。
【0033】
さらに、本実施形態によれば、各個別電極5および各共通電極6の先端部は尖形形状に形成され、各突起部7は、前記各個別電極5と各共通電極6との先端部の間である各発熱素子4の中央部分に形成されており、これにより各個別電極5に印加した低い電圧を各発熱素子4の中央部分に集中させることができる。このため、前記各発熱素子4の中央部分に形成された各突起部7を周辺部分と比較して集中的に高い温度に加熱することができる。
【0034】
したがって、低階調の記録を行う場合に1つのドットを小さく記録することができるので、より低階調の記録を入力階調に近い階調をもって記録することができるとともに、高階調の記録を行う場合に1つのドットを大きく記録することにより、記録可能な出力階調の幅をすることができ、これにより、良好なグラデーションの画像の記録を得ることができる。
【0035】
また、低階調の記録を行うにあたり、隣接するドットに重なり合うことを防止できるので、より良好なグラデーションの記録を得ることができる。
【0036】
さらに、各突起部7を周辺部分と比較して高い温度に加熱することができるので、低階調の記録を行う場合において1つのドットを小さく記録することができ、より良好なグラデーションの画像の記録を得ることができる。
【0037】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0038】
例えば、本実施形態においては、各電極3および各共通電極4の一端部は、尖形形状に形成されているがこれに限定されるものではない。例えば、前記各個別電極5および各共通電極6の一端部は、前記各突起部7の方向に突出する半円形状に形成されてもよく、また、前記各突起部7の方向に突出しない直線形状に形成されてもよい。
【0039】
また、前記前記各突起部7の平面形状は、円形形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、三角形状や四角形状等他の形状であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るサーマルヘッドによれば、低階調の記録を行う場合に1つのドットを小さく記録することができるので、より低階調の記録を入力階調に近い階調をもって記録することができるとともに、高階調の記録を行う場合に1つのドットを大きく記録することにより、記録可能な出力階調の幅をすることができ、これにより、良好なグラディエーションの画像の記録を得ることができる。
【0041】
また、本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、低階調の記録を行うにあたり、隣接するドットに重なり合うことを防止できるので、より良好なグラディエーションの記録を得ることができる。
【0042】
さらに、本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、各突起部を周辺部分と比較して高い温度に加熱することができるので、低階調の記録を行う場合において1つのドットを小さく記録することができ、より良好なグラデーションの画像の記録を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサーマルヘッドの一実施形態を示す概略平面図
【図2】図1に示すサーマルヘッドを示す概略断面図
【符号の説明】
1 サーマルヘッド
2 基板
3 保温層
4 発熱素子
5 個別電極
6 共通電極
7 突起部
【発明の属する技術分野】
本発明はサーマルヘッドに係り、特に多階調の記録を行うプリンタに配設されたサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、サーマルヘッドに配設された各発熱素子を、記録データに基づいて選択的に発熱させることによりインクリボンのインクを転写して、記録媒体上に所望の文字等の画像の記録を行う熱転写プリンタが、高印字品質、低騒音、低コスト、メンテナンスの容易性等の理由により、コンピュータ、ワードプロセッサ等の出力装置として多用されている。
【0003】
前記熱転写プリンタに配設されているサーマルヘッドの基板の表面には、保温層が形成されており、この保温層の表面には、抵抗体層が形成されている。また、前記基板の表面には、複数の個別電極が前記抵抗体層に至るように並列して配設されている。さらに、前記各個別電極に対向する位置には、複数の共通電極が並列して配設されており、前記抵抗体層における前記対向する各個別電極および各共通電極の間には、それぞれ発熱素子が形成されている。
【0004】
前記サーマルヘッドによって多階調の記録を行う場合、まず、各発熱素子をインクリボンを介して記録媒体に圧接し、続いて記録データに基づいて前記各個別電極に電圧を印加することにより、前記電圧が印加された各個別電極とこれらの個別電極に対向する各共通電極の間に相当する位置の各発熱素子が加熱される。これにより、インクリボンのインクを溶融させて記録媒体に転写させ、1つのドットを記録するようになっており、そして、1つのドットの大きさによって1画素をあらわすことにより、多階調の記録を行っている。
【0005】
このようなサーマルヘッドを用いて良好な文字等の画像の記録を得るためには、低階調の記録を行う場合1つのドットを小さく、高階調の記録を行う場合1つのドットを大きく記録して、良好なグラデーションを得る必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のサーマルヘッドによって記録を行う場合、各発熱素子に加えられた熱が発熱素子が圧接される部分のインクに及んでしまう結果、各発熱素子の圧接部分のみならずその周辺部分のインクを溶融してしまうおそれがある。このような場合には、低階調の記録を行うときに1つのドットが大きく記録されてしまうので、記録データに基づく入力階調よりも実際に記録媒体上に記録された出力階調の方が高くなり、かつ低階調の記録を行うことができなくなってしまう。
【0007】
また、前述の問題を解決するため、前記各個別電極に印加する電圧を低く設定することが考えられるが、過度に低く設定した場合にはインクが十分に溶融されず、記録媒体に正確に転写されない場合が生じてしまう。
【0008】
このため、低階調の記録を行うときに1つのドットを適当な小さいサイズによって記録することが困難であり、この結果、グラデーションの良好な画像を得ることができないという問題を有していた。
【0009】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、低階調の記録を行う場合には1つのドットを小さく記録し、高階調の記録を行う場合には1つのドットを大きく記録することにより、記録可能な出力階調の幅を広くし、良好なグラデーションの画像の記録を得ることができるサーマルヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るサーマルヘッドは、複数の共通電極を、これらの各共通電極の一端部が整列配置された複数の個別電極の一端部に対向するように整列配置し、前記各個別電極と前記各共通電極との間に発熱素子を形成し、前記各発熱素子の表面に、それぞれ突起部を形成したことを特徴とする。
【0011】
この本発明に係るサーマルヘッドによれば、低階調の記録を行う場合に各個別電極に低い電圧を印加すれば、各発熱素子は低い温度に加熱されるので、インクリボンにおいて発熱素子のうち最も強く圧接されている突起部に相当する部分のインクのみが溶融され、発熱素子のうち弱く圧接される突起部の周辺に相当する部分のインクは溶融されない。このため、突起部に相当する部分のインクのみを記録媒体に付着させることができ、低階調の記録を行う場合に小さいドットによって記録を行うことができる。一方、高階調の記録を行う場合に各個別電極に高い電圧を印加すれば、各発熱素子は高い温度に加熱されるので、インクリボンにおいて発熱素子が強く圧接される突起部に相当する部分のみならず、弱く圧接される突起部の周辺に相当する部分のインクも溶融される。このため、前記インクリボンに圧接される各発熱素子の全体部分のインクを記録媒体に付着させることができ、高階調の記録を行う場合に大きいドットによって記録を行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る他のサーマルヘッドは、前記各突起部を、前記各発熱素子の幅方向における中央部分に形成したことを特徴とする。
【0013】
この本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、各突起部は、各発熱素子の幅方向における中央部分に形成されているので、低階調の記録を行うにあたり隣接するドットが異なる画素を構成しこの隣接する画素が高階調の記録を行った場合であっても、前記隣接するドットに重なり合うことを防止することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る他のサーマルヘッドは、前記各個別電極の一端部を、前記各突起部の方向に平面形状が尖端形状となるように突設し、前記各共通電極の一端部を、前記各個別電極の尖形形状に形成された先端部に対向し前記各突起部の方向に突出する平面形状が尖形形状となるように形成したことを特徴とする。
【0015】
この本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、各個別電極に印加した低い電圧を各発熱素子の幅方向における中央部分に集中させることができるので、前記各発熱素子の中央部分に形成された各突起部を周辺部分と比較して集中的に高い温度に加熱することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサーマルヘッドの実施形態を図1から図7を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るサーマルヘッドの一実施形態を示す概略平面図であり、図2は、図1に示すサーマルヘッドを示す概略断面図である。
【0018】
図1および図2に示すように、前記サーマルヘッド1は、セラミック等により構成された基板2を有し、前記基板2の表面の一部分には、断面形状が略半円形状の保温層3が直線状に形成されている。この保温層3は、その略半円形状の中央部分が前記保温層3の形成領域に沿って突出するように形成され、また前記保温層3の突出部分の表面には、平面形状が円形状となる複数の突起が前記保温層3の形成領域に沿って直線状に並列して形成されている。
【0019】
また、前記保護層3の表面の突出部分の全体には、抵抗体層9が形成されており、前記抵抗体層9における前記保温層3に形成された各突起の位置に相当する部分は、各突起部7とされている。
【0020】
さらに、前記基板2の表面には、前記各突起部7に対応するように複数の個別電極5が所定の間隔をもって並列配置されている。これら各電極5は、それらの一端部が前記保温層3の表面に位置して前記抵抗体層9に至るように配設されており、また前記各個別電極5の一端部は、前記各突起部7の方向に向かって平面形状が尖端形状となるように突設されている。
【0021】
また、前記基板2の表面であって前記各個別電極5に対応する位置には、複数の共通電極6が前記各個別電極5に対して対称となるように並列配置されている。これら各共通電極6は、それらの一端部がそれぞれ前記各電極5の一端部に対向し前記抵抗体層9に至るように前記保温層3の表面に配設されており、また、前記各共通電極6の一端部は、前記各突起部7の方向に向かって平面形状が尖端形状となるように突設されている。
【0022】
そして、前記抵抗体層7における前記各個別電極5と前記各共通電極6との間に相当する部分には、それぞれ発熱素子4が形成されている。
【0023】
さらに、前記各発熱素子4と前記各個別電極5と前記各共通電極6との表面には、前記各発熱素子4等を保護するための保護膜8が形成されている。
【0024】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0025】
まず、前記サーマルヘッド1を用いて低階調の記録を行う場合について説明する。
【0026】
まず、図示しないプリンタに記録データが入力されると、前記記録データに基づいて、所定の各個別電極5に低い電圧が印加される。すると、前記各個別電極5の尖端部から前記各共通電極6の尖端部に電圧が加わり、それらの尖端形状により、前記発熱素子4において各突起部7が形成されている前記各個別電極5と各共通電極6との両尖端部の間に集中的に電圧が加えられる。これにより、前記各突起部7が低い温度に加熱されるとともに、前記発熱素子4における前記各突起部7の周辺部分も同様に低い温度に加熱される。そして、この発熱素子4をインクリボンを介して記録媒体に圧接することにより、1つのドットを記録する。
【0027】
このとき、前記発熱素子4の全体は低い温度に加熱されているので、インクリボンにおいて発熱素子4のうち最も強く圧接されかつ周辺と比較して高い温度によって加熱されている各突起部7に相当する部分のインクのみが溶融され、発熱素子4のうち弱く圧接される突起部7の周辺に相当する部分のインクは溶融されない。このため、突起部7に相当する部分のインクのみを記録媒体に付着させることができ、低階調の記録を行う場合において小さいドットによって記録を行うことができる。
【0028】
次に、前記サーマルヘッド1を用いて高階調の記録を行う場合について説明する。
【0029】
まず、記録データに基づいて所定の各個別電極5に高い電圧が印加される。すると、前記発熱素子4には高い電圧が加わるので、これにより前記発熱素子4の全体が高い温度に加熱される。そして、この発熱素子4をインクリボンを介して記録媒体に圧接することにより、1つのドットを記録する。
【0030】
このとき、前記発熱素子4は高い温度に加熱されているので、インクリボンにおいて発熱素子4が強く圧接される各突起部7に相当する部分のみならず、弱く圧接される各突起部7の周辺に相当する部分のインクも溶融される。このため、前記インクリボンに圧接される発熱素子4の全体部分のインクを記録媒体に付着させることができ、高階調の記録を行う場合において大きいドットによって記録を行うことができる。
【0031】
このように、本実施形態によれば低階調の記録を行う場合には小さいドットによって記録を行い、一方高階調の記録を行う場合には大きいドットによって記録を行うことができる。
【0032】
また、各突起部7は、各発熱素子4の中央部分に形成されているので、低階調の記録を行うにあたり隣接するドットが異なる画素を構成しこの隣接する画素が高階調の記録を行った場合であっても、前記隣接するドットに重なり合うことを防止することができる。
【0033】
さらに、本実施形態によれば、各個別電極5および各共通電極6の先端部は尖形形状に形成され、各突起部7は、前記各個別電極5と各共通電極6との先端部の間である各発熱素子4の中央部分に形成されており、これにより各個別電極5に印加した低い電圧を各発熱素子4の中央部分に集中させることができる。このため、前記各発熱素子4の中央部分に形成された各突起部7を周辺部分と比較して集中的に高い温度に加熱することができる。
【0034】
したがって、低階調の記録を行う場合に1つのドットを小さく記録することができるので、より低階調の記録を入力階調に近い階調をもって記録することができるとともに、高階調の記録を行う場合に1つのドットを大きく記録することにより、記録可能な出力階調の幅をすることができ、これにより、良好なグラデーションの画像の記録を得ることができる。
【0035】
また、低階調の記録を行うにあたり、隣接するドットに重なり合うことを防止できるので、より良好なグラデーションの記録を得ることができる。
【0036】
さらに、各突起部7を周辺部分と比較して高い温度に加熱することができるので、低階調の記録を行う場合において1つのドットを小さく記録することができ、より良好なグラデーションの画像の記録を得ることができる。
【0037】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0038】
例えば、本実施形態においては、各電極3および各共通電極4の一端部は、尖形形状に形成されているがこれに限定されるものではない。例えば、前記各個別電極5および各共通電極6の一端部は、前記各突起部7の方向に突出する半円形状に形成されてもよく、また、前記各突起部7の方向に突出しない直線形状に形成されてもよい。
【0039】
また、前記前記各突起部7の平面形状は、円形形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、三角形状や四角形状等他の形状であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るサーマルヘッドによれば、低階調の記録を行う場合に1つのドットを小さく記録することができるので、より低階調の記録を入力階調に近い階調をもって記録することができるとともに、高階調の記録を行う場合に1つのドットを大きく記録することにより、記録可能な出力階調の幅をすることができ、これにより、良好なグラディエーションの画像の記録を得ることができる。
【0041】
また、本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、低階調の記録を行うにあたり、隣接するドットに重なり合うことを防止できるので、より良好なグラディエーションの記録を得ることができる。
【0042】
さらに、本発明に係る他のサーマルヘッドによれば、各突起部を周辺部分と比較して高い温度に加熱することができるので、低階調の記録を行う場合において1つのドットを小さく記録することができ、より良好なグラデーションの画像の記録を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサーマルヘッドの一実施形態を示す概略平面図
【図2】図1に示すサーマルヘッドを示す概略断面図
【符号の説明】
1 サーマルヘッド
2 基板
3 保温層
4 発熱素子
5 個別電極
6 共通電極
7 突起部
Claims (3)
- 複数の共通電極を、これらの各共通電極の一端部が整列配置された複数の個別電極の一端部に対向するように整列配置し、前記各個別電極と前記各共通電極との間に発熱素子を形成し、前記各発熱素子の表面に、それぞれ突起部を形成したことを特徴とするサーマルヘッド。
- 前記各突起部を、前記各発熱素子幅方向における中央部分に形成したことを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
- 前記各個別電極の一端部を、前記各突起部の方向に平面形状が尖端形状となるように突設し、前記各共通電極の一端部を、前記各電極の先端部に対向し前記各突起部の方向に突出し平面形状が尖形形状となるように形成したことを特徴とする請求項2に記載のサーマルヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002197386A JP2004034599A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | サーマルヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002197386A JP2004034599A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | サーマルヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004034599A true JP2004034599A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31705175
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002197386A Withdrawn JP2004034599A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | サーマルヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004034599A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020196211A (ja) * | 2019-06-04 | 2020-12-10 | ローム株式会社 | サーマルプリントヘッド |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197386A patent/JP2004034599A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020196211A (ja) * | 2019-06-04 | 2020-12-10 | ローム株式会社 | サーマルプリントヘッド |
JP7261660B2 (ja) | 2019-06-04 | 2023-04-20 | ローム株式会社 | サーマルプリントヘッド |
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