JP2012111048A - サーマルプリントヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 個別電極およびワイヤの剥離を抑制することが可能なサーマルプリントヘッドを提供すること。
【解決手段】 セラミック基板11と、基板11に支持されており、複数のボンディング部336を有する電極層3と、電極層3に導通する抵抗体層と、上記抵抗体層を部分的に通電させる駆動IC7と、複数のボンディング部336と駆動IC7とに接続された複数のワイヤ81と、を備えるサーマルプリントヘッド101であって、電極層3は、通常厚部321と、この通常厚部321よりも厚く、かつ複数のボンディング部336を含む厚肉部323と、を有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、サーマルプリントヘッドに関する。
図37は、従来のサーマルプリントヘッドの一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示されたサーマルプリントヘッド900は、セラミック基板91および配線基板92を有している。セラミック基板91には、グレーズ層93が形成されている。グレーズ層93は、たとえばガラスからなり、主走査方向と直角である断面形状が円弧状とされている。また、セラミック基板91には、電極層94が形成されている。電極層94は、たとえばAuを主成分としており、複数の個別電極941と共通電極942とを有している。電極層94上には、抵抗体層95および保護層96が積層されている。抵抗体層95は、個別電極941と共通電極942とをまたぐように形成されている。保護層96は、電極層94および抵抗体層95を保護するためのものであり、たとえばガラスからなる。セラミック基板91の副走査方向一端寄り部分には、駆動IC97が実装されている。駆動IC97は、複数の個別電極941を介して抵抗体層95に部分的に通電する機能を果たす。駆動IC97と複数の個別電極941および配線基板92とは、ワイヤ98によって接続されている。
しかしながら、個別電極941とワイヤ98との接合力が十分でないと、ワイヤ98が個別電極941からはがれてしまうおそれがある。一方、個別電極941のうちボンディングされている部分は、ワイヤ98をボンディングする際に高い圧力が加えられる。また、ワイヤ98から個別電極941に引っ張り力が作用することもある。このため、個別電極941と基板91との接合力が弱いと、個別電極941が基板91からはがれてしまうという問題が生じる。
再表2005−120841号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、個別電極およびワイヤの剥離を抑制することが可能なサーマルプリントヘッドを提供することをその課題とする。
本発明によって提供されるサーマルプリントヘッドは、基板と、上記基板に支持されており、複数のボンディング部を有する電極層と、上記電極層に導通する抵抗体層と、上記抵抗体層を部分的に通電させる駆動ICと、上記複数のボンディング部と上記駆動ICとに接続された複数のワイヤと、を備えるサーマルプリントヘッドであって、上記電極層は、通常厚部と、この通常厚部よりも厚く、かつ上記複数のボンディング部を含む厚肉部と、を有することを特徴としている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記電極層は、上記通常厚部を構成する本体Au層と、上記本体Au層上に積層されており、かつ上記本体Au層とともに上記厚肉部を構成する補助Au層と、からなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記補助Au層は、Auにガラスが混入された材料からなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記補助Au層は、上記本体Au層よりもAu比率が高い。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記本体Au層は、下層およびこの下層上に積層された上層からなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記下層、上記上層、および上記補助Au層は、いずれもAuを含むペーストを印刷した後に、これを焼成することによって形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗体層は、TaSiO2またはTaNを含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗体層は、スパッタ法またはCVD法によって形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板上に形成されており、主走査方向に対して直角である断面形状が円弧状とされた主走査方向に延びる発熱抵抗体支持部、および副走査方向において上記発熱抵抗体支持部と離間したIC電極支持部、を有するグレーズ層をさらに備えており、上記複数のボンディング部と上記基板との間には、上記IC電極支持部が介在している。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記電極層は、各々が一端が上記発熱抵抗体支持部上に形成された帯状部および上記ボンディング部を有する複数の個別電極と、これらの複数の個別電極とは上記抵抗体層を挟んで電気的に逆極性とされた共通電極と、を含んでおり、上記共通電極は、上記IC電極支持部に形成された基幹部を有しており、上記基幹部は、上記厚肉部によって構成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記電極層は、上記発熱抵抗体支持部上において各々が副走査方向に互いに離間した1対の帯状部からなり、かつ主走査方向に配列された複数対の帯状部を有するとともに、主走査方向において隣り合う上記2対の帯状部のうち副走査方向において同じ側に位置する2つの上記帯状部、およびこの帯状部どうしを連結する連結部を有する複数の中継電極と、各々が上記各中継電極の一方の帯状部と上記1対の帯状部を構成する上記帯状部を有する上記複数の個別電極と、各々が上記複数の中継電極の他方の帯状部と上記1対の帯状部を構成する複数の上記帯状部を有する上記共通電極と、を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記共通電極は、主走査方向に隣り合う2つの上記帯状部と、これらの帯状部に繋がる分岐部と、を有しており、上記共通電極の上記2つの帯状部は、2つの上記中継電極の上記帯状部と各別に上記1対の帯状部を構成している。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記電極層は、上記発熱抵抗体支持部上において各々が副走査方向に互いに離間した1対の帯状部からなり、かつ主走査方向に配列された複数対の帯状部を有するとともに、各々が上記1対の帯状部の一方を有する上記複数の個別電極と、これらの個別電極の上記帯状部と上記複数対の帯状部を構成する複数の帯状部、およびこれらの帯状部を繋ぐ連結部を有する上記共通電極と、を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記連結部に重なるAg層と、上記Ag層を覆うAg保護層と、をさらに備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記Ag保護層は、ガラスからなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基幹部は、副走査方向において上記複数のボンディング部よりも上記発熱抵抗体支持部から離間した位置に設けられている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記駆動ICは、上記基幹部によって支持されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記駆動ICと上記基幹部との間には、樹脂層が介在している。
本発明の好ましい実施の形態においては、副走査方向において上記基板に隣接する配線基板をさらに備えており、上記基幹部と上記配線基板とがワイヤによって接続されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板は、セラミックからなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板が取り付けられた、金属からなる放熱板をさらに備える。
このような構成によれば、上記ボンディング部に、上記ワイヤをボンディングする際の圧力が負荷されても、これによって上記ボンディング部が損傷を受ける可能性が低い。また、上記ワイヤを介して上記ボンディング部に引っ張り力が作用した場合に、上記ワイヤと上記ボンディング部との接合部に生じる応力集中を弱める機能を果たす。これにより、上記ワイヤおよび上記ボンディング部のはがれを抑制することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態に基づくサーマルプリントヘッドを示す平面図である。 図1のサーマルプリントヘッドを示す要部平面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図2のIII−III線に沿う要部断面図である。 図2のIII−III線に沿う要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において基板にグレーズ層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において基板にグレーズ層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例においてガラス層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層の下層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層の下層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層の上層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層の上層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において補助Au層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において補助Au層を形成した状態を示す要部平面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層および補助Au層に対してエッチングを施した状態を示す要部平面図である。 図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。 図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において帯状部を沈降させた状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において抵抗体層を形成した状態を示す要部平面図である。 図19のXX−XX線に沿う断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において抵抗体層にエッチングを施した状態を示す要部平面図である。 図21のXXII−XXII線に沿う断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において保護層の下層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において保護層の上層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において樹脂層を形成した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において駆動ICを実装した状態を示す要部断面図である。 本発明の第1実施形態に基づくサーマルプリントヘッドの変形例を示す要部断面図である。 図27のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層の下層を形成した状態を示す要部断面図である。 図27のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層の上層を形成した状態を示す要部断面図である。 図27のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層および補助Au層に対してエッチングを施した状態を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において帯状部を沈降させた状態を示す要部断面図である。 本発明の第2実施形態に基づくサーマルプリントヘッドを示す要部平面図である。 図32のXXXIII−XXXIII線に沿う断面図である。 図31のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例において本体Au層および補助Au層に対してエッチングを施した状態を示す要部断面図である。 図31のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例においてAg層を形成した状態を示す要部断面図である。 図31のサーマルプリントヘッドの製造方法の一例においてAg保護層を形成した状態を示す要部断面図である。 従来のサーマルプリントヘッドの一例を示す要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態に基づくサーマルプリントヘッドを示している。本実施形態のサーマルプリントヘッド101は、支持部1、グレーズ層2、電極層3、抵抗体層4、保護層5、樹脂層6、駆動IC7、および封止樹脂82を備えている。サーマルプリントヘッド101は、たとえばバーコードシートやレシートを作成するために感熱紙に対する印刷を施すプリンタに組み込まれるものである。なお、理解の便宜上、図1においては、保護層5および樹脂層6を省略しており、図2においては、樹脂層6の一部および封止樹脂82を省略するとともに、保護層5を二点鎖線によって示している。
支持部1は、サーマルプリントヘッド101の土台となっている部位であり、セラミック基板11、配線基板12、および放熱板13によって構成されている。セラミック基板11は、たとえばAl23などのセラミックからなり、たとえばその厚さが0.6〜1.0mm程度とされている。図1に示すように、セラミック基板11は、主走査方向xに長く延びる長矩形状とされている。配線基板12は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材層とCuなどからなる配線層とが積層された構造を有する。図3に示すように、配線基板12には、サーマルプリントヘッド101をプリンタに接続するためのコネクタ83が取り付けられている。放熱板13は、セラミック基板11からの熱を放散させるためのものであり、たとえばAlなどの金属からなる。
グレーズ層2は、セラミック基板11上に形成されており、たとえば非晶質ガラスなどのガラス材料からなる。このガラス材料の軟化点は、たとえば800〜850℃である。グレーズ層2は、発熱抵抗体支持部21とIC電極支持部22とを有している。発熱抵抗体支持部21は、図2に示すように主走査方向xに長く延びており、図3および図4に示すように、副走査方向yおよび厚さ方向zを含むyz平面の断面形状が円弧状とされている。発熱抵抗体支持部21のサイズは、副走査方向yにおける寸法がたとえば700μm程度、厚さ方向zにおける寸法がたとえば18〜50μm程度である。発熱抵抗体支持部21は、抵抗体層4のうち発熱する部分を印刷対象である感熱紙などに押し当てるために設けられている。IC電極支持部22は、発熱抵抗体支持部21に対して副走査方向yに離間した位置に設けられており、電極層3の一部や駆動IC7を支持している。IC電極支持部22の厚さは、たとえば1.7〜1.8μm程度である。
セラミック基板11のうち発熱抵抗体支持部21とIC電極支持部22とに挟まれた領域は、ガラス層25によって覆われている。ガラス層25は、軟化点がたとえば680℃程度と、グレーズ層2を形成するガラスよりも軟化点が低いガラスからなる。ガラス層25の厚さは、たとえば2.0μm程度である。図3および図4に示すように、セラミック基板11のうち発熱抵抗体支持部21の図中左方領域の一部は、ガラス層26によって覆われている。ガラス層26は、ガラス層25と同様の材質および厚さである。
電極層3は、抵抗体層4に通電するための経路を構成するためのものであり、本実施形態においては、本体Au層301および補助Au層304からなる。本体Au層301は、たとえばAu比率が97%程度のレジネートAuからなり、添加元素としてたとえばロジウム、バナジウム、ビスマス、シリコンなどが添加されている。本実施形態においては、本体Au層301は、下層302および上層303によって構成されている。下層302および上層303は、それぞれの厚さがたとえば0.3μm程度である。補助Au層304は、本体Au層301上に積層されており、たとえばAu比率が99.7%程度のレジネートAuからなる。補助Au層304は、その厚さが0.3μm程度である。なお、補助Au層304は、上述した材質のほかに、たとえばAu比率が60%程度であり、かつガラスフリットが混入された材質でもよい。この場合、補助Au層304の厚さは、1.1μm程度である。
電極層3は、複数の個別電極33、複数の中継電極37、および共通電極35を有している。
複数の個別電極33は、抵抗体層4に対して部分的に通電するためのものである。各個別電極33は、帯状部331、屈曲部333、直行部334、斜行部335、およびボンディング部336を有している。帯状部331は、副走査方向yに沿って延びる帯状であり、発熱抵抗体支持部21上に位置する。帯状部331の対向縁332は、主走査方向xに沿っている。屈曲部333は、帯状部331につながる部分であり、主走査方向xおよび副走査方向yのいずれに対しても傾斜した部分を有している。本実施形態においては、屈曲部333は、発熱抵抗体支持部21上に形成されている。直行部334は、副走査方向yに平行にまっすぐ延びている。直行部334は、その大部分がガラス層25上に形成されており、一端側部分が発熱抵抗体支持部21に、他端側部分がIC電極支持部22に重なっている。斜行部335は、主走査方向xおよび副走査方向yのいずれに対しても傾斜した方向に延びており、IC電極支持部22上に形成されている。ボンディング部336は、ワイヤ81がボンディングされる部分であり、IC電極支持部22上に形成されている。本実施形態においては、帯状部331、屈曲部333、直行部334、および斜行部335の幅が、たとえば47.5μm程度とされており、ボンディング部336の幅がたとえば80μm程度とされている。
共通電極35は、複数の個別電極33に対して電気的に逆極性となる部位であり、複数の帯状部351、複数の分岐部353、複数の直行部354、複数の斜行部355、複数の延出部356、および基幹部357を有している。複数の帯状部351は、それぞれが副走査方向yに延びる帯状であり、発熱抵抗体支持部21上に位置する。帯状部351の対向縁352は、主走査方向xに沿っている。本実施形態においては、互いに隣接した2つずつの帯状部351が、2つの帯状部331に挟まれた配置とされている。分岐部353は、2つの帯状部351と1つの直行部354をつなぐ部分であり、Y字状とされている。分岐部353は、発熱抵抗体支持部21上に形成されている。直行部354は、副走査方向yに平行にまっすぐ延びている。直行部354は、その大部分がガラス層25上に形成されており、一端側部分が発熱抵抗体支持部21に、他端側部分がIC電極支持部22に重なっている。斜行部355は、主走査方向xおよび副走査方向yのいずれに対しても傾斜した方向に延びており、IC電極支持部22上に形成されている。延出部356は、斜行部355につながる部分であり、副走査方向yに沿って延びている。基幹部357は、主走査方向xに延びる帯状であり、複数の延出部356がつながっている。本実施形態においては、帯状部351、直行部354、斜行部355、および延出部356の幅が、たとえば47.5μm程度とされている。
複数の中継電極37は、複数の個別電極33と共通電極35との間に電気的に介在するものである。各中継電極37は、2つの帯状部371と連結部373とを有する。帯状部371は、副走査方向yに延びる帯状であり、発熱抵抗体支持部21上に形成されている。帯状部371の対向縁372は、主走査方向xに沿っている。連結部373は、2つの帯状部371を連結する部分であり、主走査方向xに沿って延びている。
複数の帯状部331,351は、主走査方向xに配列されている。複数の帯状部371は、発熱抵抗体支持部21上において複数の帯状部331,351とは副走査方向yにおいて反対側に配置されている。隣り合う帯状部351の対向縁352と隣り合う中継電極37の隣り合う帯状部371の対向縁372とが副走査方向yに隙間を隔てて互いに対向している。また、隣り合う中継電極37の残りの2つの帯状部371の対向縁372と2つの帯状部331の対向縁332とが副走査方向yに隙間を隔てて互いに対向している。副走査方向yにおいて対向しあう帯状部331と帯状部371とが本発明で言う1対の帯状部を構成している。また、副走査方向yにおいて対向しあう帯状部351と帯状部371とが、本発明で言う1対の帯状部を構成している。そして、主走査方向xに配列されたこれらの帯状部331,351,371が、本発明で言う複数対の帯状部を構成している。
図4および図5に示すように、電極層3は、通常厚部321、薄肉部322、および厚肉部323に区分されている。通常厚部321は、本体Au層301によって構成されており、電極層3の大部分を占めている。薄肉部322は、下層302によって構成されており、複数の帯状部331,351,371の対向縁332,352,372側部分がこれに該当する。厚肉部323は、本体Au層301と補助Au層304とが重なった部分であり、ボンディング部336、延出部356、および基幹部357がこれに相当する。本実施形態においては、通常厚部321の厚さが0.6μm程度、薄肉部322の厚さが0.3μm程度、厚肉部323の厚さが0.9μm程度である。なお、補助Au層304が上述したガラスフリットが混入された材質からなる場合、厚肉部323の厚さは、1.7μm程度である。
図3に示すように、帯状部331,371(帯状部351も同様)は、先端寄りの部分が発熱抵抗体支持部21に対して沈降している。この沈降は、帯状部331,351,371の先端より部分の上面が、発熱抵抗体支持部21と面一となるかこれよりも若干上位に位置する程度である。
抵抗体層4は、電極層3によって部分的に通電されることにより発熱する部位であり、この発熱によって印字ドットが形成される。抵抗体層4は、たとえばTaSiO2またはTaNからなり、その厚さが300〜2000Å程度である。抵抗体層4は、複数の発熱部41および複数の電極被覆部42に区分されている。各発熱部41は、発熱抵抗体支持部21上において、対向縁331,351と対向縁371とに挟まれた隙間を覆う部分であり、通電によって発熱する。電極被覆部42は、電極層3と保護層5との間に介在するように形成されている。本実施形態においては、電極被覆部42は、すべての中継電極37と、すべての帯状部331,351と、すべての屈曲部333と、すべての分岐部353と、すべての直行部334,354と、を覆っている。電極被覆部42は、帯状部331,351,371などのから幅方向において4μm程度はみ出した格好となっている。
保護層5は、電極層3および抵抗体層4を保護するためのものであり、本実施形態においては、互いに積層された下層51および上層52からなる。下層51は、たとえばSiO2からなり、その厚さが2μm程度である。上層52は、たとえばSiCを含む材料からなり、その厚さが6μm程度である。保護層5は、セラミック基板11の副走査方向yにおける一端付近から直行部334,354のうちIC電極支持部22上に形成された部分にわたる領域に形成されている。保護層5と電極層3との間には抵抗体層4の電極被覆部42が介在している。これにより、保護層5と電極層3とは接していない。
樹脂層6は、絶縁性の樹脂からなり、電極部61およびIC部62を有している。電極部61は、斜行部335,355や延出部356を覆っている。IC部62は、共通電極35の基幹部357上に形成されており、駆動IC7を支持している。樹脂層6の材質としては、たとえば透明なエポキシ樹脂が挙げられる。
駆動IC7は、複数の個別電極33を介して抵抗体層4の発熱部41を選択的に通電させるものである。駆動IC7は、樹脂層6のIC部62に搭載されている。駆動IC7の上面には、複数のパッド71が2列に形成されている。これらのパッド71のうち副走査方向yにおいて個別電極33に近い側の列に含まれるものは、ワイヤ81を介してボンディング部336に接続されている。複数のパッド71のうち副走査方向yにおいて個別電極33に対して遠い側の列に含まれるものは、ワイヤ81を介して配線基板12に形成された配線パターンに接続されている。この配線パターンは、コネクタ83と駆動IC7とを導通させる。また、共通電極35の基幹部357と配線基板12の上記配線パターンとは、ワイヤ81によって接続されている。
封止樹脂82は、たとえば黒色の樹脂からなり、駆動IC7、およびワイヤ81を保護している。本実施形態においては、封止樹脂82の副走査方向yにおける一端が樹脂層6の電極部61に重なっている。また、封止樹脂82の副走査方向yにおける他端は、配線基板12におよんでいる。
次に、サーマルプリントヘッド101の製造方法について、図6〜図26を参照しつつ以下に説明する。
まず、図6および図7に示すように、セラミック基板材料10を用意する。セラミック基板材料10は、セラミック基板11を複数個取り可能な板状材料であり、たとえばAl23などのセラミックからなり、たとえばその厚さが0.6〜1.0mm程度とされている。このセラミック基板材料10に対して、グレーズ層2を形成する。グレーズ層2の形成は、たとえばガラスを含むペーストを発熱抵抗体支持部21およびIC電極支持部22に相当する部分に厚膜印刷した後に、これを焼成することによって行う。本実施形態においては、発熱抵抗体支持部21を、副走査方向yにおける寸法がたとえば700μm程度、厚さ方向zにおける寸法がたとえば18〜50μm程度となるように仕上げる。
次いで、図8に示すようにガラス層25,26を形成する。ガラス層25,26の形成は、たとえばガラスを含むペーストを発熱抵抗体支持部21とIC電極支持部22との間の領域および発熱抵抗体支持部21の図中左方領域に厚膜印刷し、これを焼成することによって行う。このときの焼成温度は、たとえば790〜800℃である。また、印刷および焼成は、ガラス層25の厚さが2.0μm程度となるように行う。
次いで、図9および図10に示すように、下層312を形成する。下層312の形成は、たとえばレジネートAuペーストをセラミック基板材料10の全面に厚膜印刷した後に、これを焼成することによって行う。このときの焼成温度は、たとえば790℃程度である。下層312は、その厚さがたとえば0.3μm程度であり、Au比率が97%程度である。
次いで、図11および図12に示すように、上層313を形成する。上層313の形成は、下層312上にたとえばレジネートAuペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することによって行う。この厚膜印刷においては、図11に示すように、下層312のうち発熱抵抗体支持部21を覆う部分のほとんどを露出させる。このときの焼成温度は、たとえば790℃である。上層313は、その厚さがたとえば0.3μm程度であり、Au比率が97%程度である。下層312および上層313を形成することにより本体Au層311が得られる。
次いで、図13に示すように、補助Au層314を形成する。補助Au層314の形成は、本体Au層311の一部を覆うようにたとえばレジネートAuペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することによって行う。補助Au層314は、その厚さがたとえば0.3μm程度であり、Au比率が99.7%程度である。本体Au層311および補助Au層314を形成することにより、図14に示すAu層30が得られる。なお、補助Au層314の形成は、粒状のガラスとAuとを含むペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することによって行ってもよい。この場合に得られる補助Au層314は、その厚さが1.1μm程度であり、Au比率が60%程度である。なお、本図に示す切断領域15は、後の工程においてセラミック基板材料10を切断することにより複数のセラミック基板11を得る際に削除される領域である。
次いで、Au層30に対してパターニングを施す。このパターニングは、Au層30上にフォトリソグラフの手法を用いた感光処理によってマスクを形成し、このマスクを利用したエッチングを施すことによって行う。このパターニングにより、図15〜図17に示すように、下層302および上層303からなる本体Au層301と補助Au層304とを含む電極層3が得られる。電極層3は、上述した通常厚部321、薄肉部322、および厚肉部323を有している。また、電極層3は、上述した複数の個別電極33、複数の中継電極37、および共通電極35に区分けされている。
次いで、上述した各要素が形成されたセラミック基板材料10に対して加熱処理を施す。この加熱処理は、たとえばセラミック基板材料10全体を830℃に昇温する工程をたとえば2回程度繰り返す。この加熱処理によって、グレーズ層2の発熱抵抗体支持部21が軟化する。そして、図18に示すように、複数の帯状部331,351,371が発熱抵抗体支持部21に対して若干沈降する。本実施形態においては、発熱抵抗体支持部21の厚さが18〜50μm程度と比較的薄い。このため、複数の帯状部331,351,371の先端寄り部分は、その上面が発熱抵抗体支持部21の上面とほぼ面一となる程度に沈降するが、これらの根元寄り部分は、発熱抵抗体支持部21に対してほとんど沈降しない。
次いで、図19および図20に示すように、抵抗体層40を形成する。抵抗体層40の形成は、たとえばセラミック基板材料10の全面を覆うように、たとえばTaSiO2またはTaNを材料としたスパッタを施すことによって行う。抵抗体層40は、その厚さがたとえば300〜2000Åμm程度である。
次いで、抵抗体層40に対してパターニングを施す。このパターニングは、抵抗体層40上にフォトリソグラフの手法を用いた感光処理によってマスクを形成し、このマスクを利用したエッチングを施すことによって行う。このパターニングにより、図21および図22に示すように、複数の発熱部41および複数の電極被覆部42を有する抵抗体層4が得られる。
次いで、図23に示すように、下層51を形成する。下層51の形成は、所望の領域を露出させるマスクを形成した後に、たとえばSiO2を用いたスパッタ法またはCVD法を施すことによって行う。下層51は、その厚さがたとえば2.0μm程度である。下層51と電極層3との間には、抵抗体層4の電極被覆部42が介在している。
次いで、図24に示すように、上層52を形成する。上層52の形成は、下層51と重なるように、たとえばSiCを用いたスパッタ法またはCVD法を施すことによって行う。上層52は、その厚さがたとえば6.0μm程度である。下層51および上層52を形成することにより、厚さがたとえば8.0μm程度の保護層5が得られる。
次いで、図25に示すように、樹脂層6を形成する。樹脂層6は、たとえば透明な樹脂材料を電極部61およびIC部62に相当する領域に塗布することによって行う。
次いで、図26に示すように、IC部62に駆動IC7を搭載する。次いで、セラミック基板材料10を図13に示した要領で切断することにより複数のセラミック基板10に分割する。さらに、セラミック基板11とコネクタ83を取り付けた配線基板12とを放熱板13に取り付ける。そして、複数のワイヤ81をボンディングする。こののちは、封止樹脂82の形成を行う。以上の工程を経ることにより、サーマルプリントヘッド101が完成する。
次に、サーマルプリントヘッド101の作用について説明する。
本実施形態によれば、ボンディング部336は、厚肉部323によって構成されている。厚肉部323は、通常厚部321の厚さが0.6μm程度であるのに対し、厚さが0.9μm程度(あるいは、1.7μm程度)と厚い。これにより、ワイヤ81をボンディングする際の圧力が負荷されても、これによって損傷を受ける可能性が低い。また、ワイヤ81を介してボンディング部336に引っ張り力が作用した場合に、ワイヤ81とボンディング部336との接合部に生じる応力集中を弱める機能を果たす。これにより、ワイヤ81およびボンディング部336のはがれを抑制することができる。
厚肉部323は、本体Au層301と補助Au層304からなる。補助Au層304は、本体Au層301よりもAu比率が高いため、Auからなるワイヤ81との接合力を高めるのに適している。また、補助Au層304がAuおよびガラスが混入された材料からなる場合、補助Au層304の表面が比較的凹凸が多い形状となりやすい。これにより、ボンディング部336とワイヤ81との接触面積を増大させることが可能である。これによっても、ワイヤ81とボンディング部336との接合力を高めることができる。
本体Au層301には、添加元素としてロジウム、バナジウム、ビスマス、シリコンなどが添加されている。これらの添加元素は、特にガラスからなるグレーズ層2のIC電極支持部22との接合力を高める効果を発揮する。これにより、ボンディング部336の剥離を好適に防止することができる。
本実施形態においては、共通電極35の基幹部357も厚肉部323によって構成されている。この厚肉部323には、樹脂層6のIC部62を介して駆動IC7が実装されている。このような構成は、基幹部357のうち駆動IC7が実装された領域に不当な応力集中が生じることを回避するのに適している。また、基幹部357には、配線基板12に繋がるワイヤ81がボンディングされている。基幹部357が厚肉部323によって構成されていることは、ワイヤ81との接合力、およびグレーズ層2のIC電極支持部22との接合力の双方を高めるのに適しており、このワイヤ81および基幹部357の剥離を抑制するのに有利である。
また、本実施形態によれば、帯状部331,351,371の先端寄り部分は、薄肉部322によって構成されている。これにより、帯状部331,351,371の先端縁332,352,372が顕著な段差となることを抑制することが可能である。これは、抵抗体層4が顕著な段差を覆う構成となることを避けるものであり、抵抗体層4の損傷を回避するのに適している。
帯状部331,351,371の根元側部分や、電極層3のうちこれらにつながる部分は、通常厚部321によって構成されている。これにより、電極層3の電気抵抗値が不当に大きくなってしまうことを防止することができる。
帯状部331,351,371の先端寄り部分をグレーズ層2の発熱抵抗体支持部21に対して沈降させることにより、発熱抵抗体支持部21と帯状部331,351,371との境界に段差が生じることをさらに抑制することができる。帯状部331,351,371の先端寄り部分と発熱抵抗体支持部21とを面一とすれば段差の解消に好適である。
通常厚部321を下層302および上層303からなる本体Au層301によって構成し、薄肉部322を下層302のみによって構成することにより、通常厚部321と薄肉部322との境界を所望の場所に設けるのに都合がよい。この境界の位置は、厚膜印刷によって規定できるため、相応の精度を確保することができる。
また、本実施形態によれば、保護層5には、電極層3と直接接する部分がない。Auを主成分とする電極層3とスパッタ法を用いてガラスによって形成された保護層5とは、比較的結合力が弱い。一方、たとえばTaSiO2またはTaNからなる抵抗体層4は、保護層5との結合力が比較的強い。したがって、保護層5の剥離を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、電極層3のうち発熱抵抗体支持部21とIC電極支持部22との間にある部分は、ガラス層25上に形成されている。これらの部分は細かい帯状とされているため、下地が粗いと断線などの不具合を生じやすい。ガラス層25は、たとえばグレーズ層2を形成するガラスよりも軟化点が低いガラスからなるため、その表面を平滑に仕上げやすい。これにより、電極層3の断線を回避することができる。また、電極層3のうちガラス層25上に位置するのは、直行部334,354のみである。直行部334,354は、直線状であるため、たとえば屈曲部に生じやすい偏った応力が作用するおそれがない。したがって、直行部334,354が不当にずれたり曲がったりすることを防止することができる。
複数の直行部334,354は、互いに平行であり、かつ副走査方向yに沿っている。これにより、同数の直行部334,354を配置する場合に、互いのピッチを最大化することが可能である。これは、直行部334,354どうしが接触してしまうと言った不具合を防止するのに適している。
また、本実施形態においては、直行部334,354を抵抗体層4の電極被覆部42が覆っている。電極被覆部42の当該部分は細い帯状とされている。直行部334,354がずれたり曲がったりしにくいため、電極被覆部42の当該部分どうしが接触してしまうことを回避することができる。
図27〜図36は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図27は、サーマルプリントヘッド101の変形例を示している。同図に示されたサーマルプリントヘッド101は、電極層3の構成が上述したサーマルプリントヘッド101と異なっている。この変形例においては、薄肉部322が、本体Au層301の上層303によって構成されている。下層302は、発熱抵抗体支持部21の副走査方向yにおける中心から退避した位置に形成されている。
図28〜図31は、サーマルプリントヘッド101の変形例の製造方法を示している。まず、セラミック基板11にグレーズ層2およびガラス層25を形成した後に、下層312を形成する。このとき、発熱抵抗体支持部21の大部分を露出させるように、下層312を形成する。次いで、セラミック基板材料10のほぼ全面を覆うように、上層313を形成する。さらに、補助Au層314を形成する。そして、Au層30に対してパターニングを施すことにより、図30に示すように、本体Au層301を有する電極層3を形成する。そして、セラミック基板材料10全体を加熱する処理を施すことにより、図31に示すように帯状部331,351,371の先端寄り部分が発熱抵抗体支持部21に対して沈降する。こののちは、図19〜図26を参照して説明した工程を経ることによりサーマルプリントヘッド101の変形例が完成する。
このような変形例によっても、抵抗体層4の損傷を抑制しつつ、電極層3の電気抵抗値が不当に大きくなってしまうことを回避することができる。
図32および図33は、本発明の第2実施形態に基づくサーマルプリントヘッドを示している。本実施形態のサーマルプリントヘッド102は、電極層3の構成と、Ag層361およびAg保護層53を備える点とが、上述した実施形態と異なっている。
図32に示すように、電極層3は、複数の個別電極33および共通電極35を有する。各個別電極33は、サーマルプリントヘッド101の個別電極33と類似の構成である。共通電極35は、複数の帯状部351、連結部358、迂回部359、および基幹部357を有している。複数の帯状部351は、それぞれが副走査方向yに沿って延びており、主走査方向xに配列されている。各帯状部351の対向縁352は、個別電極33の帯状部331の対向縁332と対向している。連結部358は、基板11の副走査方向y一端寄り部分に形成されており、主走査方向xに長く延びている。連結部358は、複数の帯状部351を連結している。迂回部359は、セラミック基板11の主走査方向x一端寄り部分に形成されており、連結部358と基幹部357とを繋いでいる。
本実施形態においては、帯状部331,351の幅が27.3μm程度、主走査方向xにおける隙間が15μm程度とされている。また、ボンディング部336の主走査方向xにおける寸法が55μm程度とされている。
Ag層361は、共通電極35の連結部358および迂回部359に重なる帯状であり、Agによって形成されている。Ag層361の厚さは、たとえば16μm程度である。
Ag保護層53は、Ag層361を保護するためのものであり、Ag層361のすべてを覆う帯状とされている。Ag保護層53は、たとえばガラスからなり、その厚さが4〜10μm程度とされている。
次に、サーマルプリントヘッド102の製造方法の一例について、図34〜36を参照しつつ、以下に説明する。
まず、図6〜図17を参照して説明した工程と類似の工程を経ることにより、図34に示すように、セラミック基板材料10上にグレーズ層2、ガラス層25,26、および電極層3を形成する。同図に示された状態においては、帯状部331,351は、いまだ発熱抵抗体支持部21に対して沈降していない。
次いで、図35に示すようにAg層361を形成する。Ag層361の形成は、たとえばAgを含むペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することによって行う。このときの焼成工程において、発熱抵抗体支持部21が加熱される。これにより、帯状部331,351が発熱抵抗体支持部21に対して沈降する。
次いで、Ag保護層53を形成する。Ag保護層53の形成は、たとえばガラスペーストを印刷した後に、これを焼成することによって行う。このときの焼成工程において、発熱抵抗体支持部21が再び加熱される。これにより、帯状部331,351の発熱体支持部21に対する沈降が促進される。こののちは、図19〜図26を参照して説明した工程と類似の工程を経ることにより、サーマルプリントヘッド102が完成する。
このような実施形態によれば、共通電極35の連結部358および迂回部359を流れるべき電流が、Ag層361にも流れることとなる。このため、共通電極35の電気抵抗値を低減させることが可能である。また、Ag層361は、ガラスからなるAg保護層53によって、そのすべてが覆われている。サーマルプリントヘッド102の製造工程において、抵抗体層40を形成するときには、Ag層361は、Ag保護層53によってすでに覆われている格好となっている。このため、たとえばスパッタ法やCVD法などを用いて抵抗体層40を形成するときに発生するCF4ガスやO2によってAg層361が変質してしまうことを防止することができる。
また、Ag層361およびAg保護層53の製造工程と、帯状部331,351の先端寄り部分を沈降させる工程とを兼ねることが可能である。これにより、サーマルプリントヘッド102の製造効率を高めることができる。
本発明に係るサーマルプリントヘッドは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るサーマルプリントヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
101,102 サーマルプリントヘッド
1 支持部
10 セラミック基板材料
11 セラミック基板(基板)
12 配線基板
13 放熱板
2 グレーズ層
21 発熱抵抗体支持部
22 IC電極支持部
25,26 ガラス層
3 電極層
301 本体層
302 下層
303 上層
304 補助層
30 Au層
311 本体Au層
312 下層
313 上層
314 補助Au層
321 通常厚部
322 薄肉部
323 厚肉部
33 個別電極
331 帯状部
332 対向縁
333 屈曲部
334 直行部
335 斜行部
336 ボンディング部
35 共通電極
351 帯状部
352 対向縁
353 分岐部
354 直行部
355 斜行部
356 延出部
357 基幹部
358 連結部
359 迂回部
361 Ag層
37 中継電極
371 帯状部
372 対向縁
373 連結部
4 抵抗体層
40 抵抗体層
41 発熱部
42 電極被覆部
5 保護層
51 下層
52 上層
53 Ag保護層
6 樹脂層
61 電極部
62 IC部
7 駆動IC
71 パッド
81 ワイヤ
82 封止樹脂
83 コネクタ
x 主走査方向
y 副走査方向
z 厚さ方向

Claims (21)

  1. 基板と、
    上記基板に支持されており、複数のボンディング部を有する電極層と、
    上記電極層に導通する抵抗体層と、
    上記抵抗体層を部分的に通電させる駆動ICと、
    上記複数のボンディング部と上記駆動ICとに接続された複数のワイヤと、
    を備えるサーマルプリントヘッドであって、
    上記電極層は、通常厚部と、この通常厚部よりも厚く、かつ上記複数のボンディング部を含む厚肉部と、を有することを特徴とする、サーマルプリントヘッド。
  2. 上記電極層は、上記通常厚部を構成する本体Au層と、上記本体Au層上に積層されており、かつ上記本体Au層とともに上記厚肉部を構成する補助Au層と、からなる、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 上記補助Au層は、Auにガラスが混入された材料からなる、請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 上記補助Au層は、上記本体Au層よりもAu比率が高い、請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  5. 上記本体Au層は、下層およびこの下層上に積層された上層からなる、請求項2ないし4のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  6. 上記下層、上記上層、および上記補助Au層は、いずれもAuを含むペーストを印刷した後に、これを焼成することによって形成されている、請求項5に記載のサーマルプリントヘッド。
  7. 上記抵抗体層は、TaSiO2またはTaNを含む、請求項1ないし6のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  8. 上記抵抗体層は、スパッタ法またはCVD法によって形成されている、請求項7に記載のサーマルプリントヘッド。
  9. 上記基板上に形成されており、主走査方向に対して直角である断面形状が円弧状とされた主走査方向に延びる発熱抵抗体支持部、および副走査方向において上記発熱抵抗体支持部と離間したIC電極支持部、を有するグレーズ層をさらに備えており、
    上記複数のボンディング部と上記基板との間には、上記IC電極支持部が介在している、請求項1ないし8のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  10. 上記電極層は、各々が一端が上記発熱抵抗体支持部上に形成された帯状部および上記ボンディング部を有する複数の個別電極と、これらの複数の個別電極とは上記抵抗体層を挟んで電気的に逆極性とされた共通電極と、を含んでおり、
    上記共通電極は、上記IC電極支持部に形成された基幹部を有しており、
    上記基幹部は、上記厚肉部によって構成されている、請求項9に記載のサーマルプリントヘッド。
  11. 上記電極層は、上記発熱抵抗体支持部上において各々が副走査方向に互いに離間した1対の帯状部からなり、かつ主走査方向に配列された複数対の帯状部を有するとともに、主走査方向において隣り合う上記2対の帯状部のうち副走査方向において同じ側に位置する2つの上記帯状部、およびこの帯状部どうしを連結する連結部を有する複数の中継電極と、各々が上記各中継電極の一方の帯状部と上記1対の帯状部を構成する上記帯状部を有する上記複数の個別電極と、各々が上記複数の中継電極の他方の帯状部と上記1対の帯状部を構成する複数の上記帯状部を有する上記共通電極と、を有する、請求項10に記載のサーマルプリントヘッド。
  12. 上記共通電極は、主走査方向に隣り合う2つの上記帯状部と、これらの帯状部に繋がる分岐部と、を有しており、
    上記共通電極の上記2つの帯状部は、2つの上記中継電極の上記帯状部と各別に上記1対の帯状部を構成している、請求項11に記載のサーマルプリントヘッド。
  13. 上記電極層は、上記発熱抵抗体支持部上において各々が副走査方向に互いに離間した1対の帯状部からなり、かつ主走査方向に配列された複数対の帯状部を有するとともに、各々が上記1対の帯状部の一方を有する上記複数の個別電極と、これらの個別電極の上記帯状部と上記複数対の帯状部を構成する複数の帯状部、およびこれらの帯状部を繋ぐ連結部を有する上記共通電極と、を有する、請求項10に記載のサーマルプリントヘッド。
  14. 上記連結部に重なるAg層と、
    上記Ag層を覆うAg保護層と、をさらに備える、請求項13に記載のサーマルプリントヘッド。
  15. 上記Ag保護層は、ガラスからなる、請求項14に記載のサーマルプリントヘッド。
  16. 上記基幹部は、副走査方向において上記複数のボンディング部よりも上記発熱抵抗体支持部から離間した位置に設けられている、請求項10ないし15のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  17. 上記駆動ICは、上記基幹部によって支持されている、請求項10ないし16のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  18. 上記駆動ICと上記基幹部との間には、樹脂層が介在している、請求項17に記載のサーマルプリントヘッド。
  19. 副走査方向において上記基板に隣接する配線基板をさらに備えており、
    上記基幹部と上記配線基板とがワイヤによって接続されている、請求項10ないし18のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  20. 上記基板は、セラミックからなる、請求項1ないし19のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  21. 上記基板が取り付けられた、金属からなる放熱板をさらに備える、請求項20に記載のサーマルプリントヘッド。
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