JP7261620B2 - 炭酸感が向上したco2含有氷 - Google Patents

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Description

本発明は、3重量%以上のCOを含有する氷(以下、「CO高含有氷」とも表示する。)であって、氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷等に関する。
二酸化炭素(CO)を含有する氷(以下、「CO含有氷」とも表示する。)として、COを溶解させた状態で凍結させた氷や、COハイドレートを含む氷が知られている。COハイドレートとは、水分子の結晶体の空寸に二酸化炭素分子を閉じ込めた包接化合物をいう。結晶体を形成する水分子は「ホスト分子」、水分子の結晶体の空寸に閉じ込められている分子は「ゲスト分子」または「ゲスト物質」と呼ばれる。COハイドレートは、融解するとCO(二酸化炭素)と水に分解するため、融解時にCOを発生させる。COハイドレートは、COと水を、低温、かつ、高圧のCO分圧という条件にすることにより製造することができ、例えば、ある温度であること、及び、その温度におけるCOハイドレートの平衡圧力よりもCO分圧が高いことを含む条件(以下、「COハイドレート生成条件」とも表示する。)において製造することができる。COハイドレートのCO含有率は、COハイドレートの製法にもよるが、約3~28重量%程度とすることができ、炭酸水のCO含有率(約0.5重量%程度)と比較して顕著に高い。
CO含有氷は、新しい食品素材として活用が期待されており、喫食すると単なる氷とは異なる炭酸の刺激、食感を楽しむことができる。CO含有氷は、砕いてそのまま喫食することもできるし、他の飲食品と共に喫食することもできる。
CO含有氷の1種であるCOハイドレートの飲食品に関する用途として、COハイドレートを飲料に添加、混合することが知られている。例えば特許文献1には、COハイドレートを飲料に混合することにより、その飲料に炭酸を付与して、炭酸飲料を製造することが、特許文献2には、COハイドレートを氷で覆って形成した炭酸補充媒体を飲料に添加することによって、ぬるくなった飲料を冷却すると共に、気が抜けた飲料に炭酸ガスを補充することが開示されている。
また、COハイドレートの用途として、COハイドレートを、カキ氷、アイスクリーム等の冷菓に混入することも知られている。例えば特許文献3には、COハイドレートを、カキ氷、アイスクリーム等の冷菓に混入することにより、該冷菓を喫食した者の口腔内でCOハイドレートが融解することとなり、その結果、該冷菓において、炭酸特有のシュワシュワ感の他、口中で冷菓が弾けるような刺激的な食感を発生させられることが開示されている。また、特許文献4には、アイススラリーと、氷の粒と、二酸化炭素-水抱接化合物含有粒子とを混合してウォーターアイスを製造すると、6ヶ月間冷凍貯蔵した後であっても、冷凍庫から取り出した後すぐにスプーンですくうことが可能なウォーターアイスが得られることが開示されている。また、特許文献5には、水、甘味料、香味料、NOハイドレート粒子(又はNOハイドレート・COハイドレート混合粒)、及び必要に応じて安定化剤、乳化剤、タンパク質を含み、公知のものと異なる食味特性(例えば味覚)を有する冷凍菓子製品が開示されている。
CO含有氷の特徴である炭酸感を増強する方法としては、CO含有氷のCO濃度を上げる方法や、喫食するCO含有氷の量を増やす方法などが考えられる。しかし、前者の方法には、製造コストの増加という問題があり、後者の方法には、1度に口に入れることのできるCO含有氷量が限定されている等の問題があった。また、特許文献6には、高濃度のショ糖等を含む冷菓ミックスと、COハイドレートを混合した冷菓において、冷菓ミックスに酸味料を含有させると、冷菓の喫食時におけるCO高含有氷由来の冷涼感、炭酸感が向上し、かつ、CO高含有氷由来の後味のガス臭さが抑制されることが開示されている。
また、CO高含有氷等のCO含有氷の炭酸感を向上させるに際して、CO含有氷そのものの香味に一定程度以上の影響を与えるような添加物を添加すると、そのCO含有氷の使用方法が限定されてしまうという問題があった。そこで、氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、CO含有氷の炭酸感を向上させる方法が求められていた。
特開2005-224146号公報 特許4969683公報 特許4716921号公報 特許4169165号公報 特許2781822号公報 国際公開第2018/101117号パンフレット
本発明の課題は、氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷等を提供することにある。
前述したような背景技術の状況下、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、3重量%以上のCOを含有する氷(すなわち、CO含有率が3重量%以上の氷)に0.0001~0.005重量%の酸味料を含有させることによって、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有することを特徴とする氷;
(2)COハイドレートであることを特徴とする上記(1)に記載の氷;
(3)酸味料が、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の氷;
(4)ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しないことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の氷;
(5)3重量%以上のCOを含有する氷と、酸味料を含有する氷とを含む組成物であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記COを含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である、前記組成物;
(6)COを含有する氷がCOハイドレートであることを特徴とする上記(5)に記載の組成物;
(7)酸味料が、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の組成物;
(8)ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しないことを特徴とする上記(5)~(7)のいずれかに記載の組成物;又は、
(9)3重量%以上のCOを含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含むことを特徴とする、3重量%以上のCOを含有する氷における炭酸感の向上方法;
(A)0.0001~0.005重量%の酸味料を、3重量%以上のCOを含有する氷に含有させる工程;
(B)3重量%以上のCOを含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCOを含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
に関する。
本発明によれば、氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷等を提供することができる。そのため、本発明の氷や本発明の組成物を他の飲食品に添加した場合、かかる飲食品の香味をほとんど妨げることなく、その飲食品に炭酸感を付与することができ、その結果、飲食する者は炭酸感を楽しむことができる。
本発明は、
[1]3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有することを特徴とする氷(以下、「本発明の氷」とも表示する。);や、
[2]3重量%以上のCOを含有する氷と、酸味料を含有する氷とを含む組成物であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記COを含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である、前記組成物(以下、「本発明の組成物」とも表示する。);や、
[3]3重量%以上のCOを含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含むことを特徴とする、3重量%以上のCOを含有する氷における炭酸感の向上方法(以下、「本発明の向上方法」とも表示する。);
(A)0.0001~0.005重量%の酸味料を、3重量%以上のCOを含有する氷に含有させる工程;
(B)3重量%以上のCOを含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCOを含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
などの実施態様を含んでいる。
<本発明の氷>
本発明の氷としては、3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有している限り特に制限されない。すなわち、本発明の氷(CO高含有氷)は、0.0001~0.005重量%の酸味料を含有するCO高含有氷(以下、「特定濃度の酸味料を含有するCO高含有氷」とも表示する。)である。本発明の氷は、炭酸感が向上したCO高含有氷である。本発明の氷としては、COハイドレートではないCO高含有氷であってもよいが、COハイドレートであることが好ましい。すなわち、本発明の氷としては、特定濃度の酸味料を含有する、COハイドレートではないCO高含有氷であってもよいが、特定濃度の酸味料を含有するCOハイドレートであることが好ましい。なお、COハイドレートは、通常、氷状の結晶体であり、例えば標準気圧条件下で、かつ、氷が融解するような温度条件下に置くと、融解しながらCOを放出する。
また、本発明の氷は、「特定濃度の酸味料を含有する、COハイドレートではないCO高含有氷」、「特定濃度の酸味料を含有するCOハイドレート」のいずれか、又はその両方を併用してもよい。なお、COハイドレートは、水分子の結晶体の空寸に二酸化炭素分子を閉じ込めた固体の包接化合物である。
(本発明の氷のCO含有率)
本発明の氷のCO含有率としては、3重量%以上である限り特に制限されず、本発明の氷の用途等に応じて適宜設定することができるが、一般に好ましい程度の発泡感を得る観点から、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは6重量%以上であることが挙げられ、CO含有率の上限として例えば、28重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下であることが挙げられる。本発明の氷のCO含有率として、より具体的には、3~28重量%、4~28重量%、5~28重量%、6~28重量%、3~20重量%、4~20重量%、5~20重量%、6~20重量%、3~15重量%、4~15重量%、5~15重量%、6~15重量%、3~10重量%、4~10重量%、5~10重量%、6~10重量%などが好ましく挙げられる。
本発明の氷のCO含有率は、本発明の氷を製造する際の「CO分圧の高低」などにより調整することができ、例えばCO分圧を高くすると、本発明の氷のCO含有率を高くすることができる。また、本発明の氷がCOハイドレートである場合は、COハイドレートを製造する際の「CO分圧の高低」、「脱水処理の程度」、「圧縮処理を行うか否か」、「圧縮処理する場合の圧縮の圧力の高低」などにより調整することができる。例えば、COハイドレートを製造する際の「CO分圧を高くし」、「脱水処理の程度を上げ」、「圧縮処理を行い」、「圧縮処理する場合の圧縮の圧力を高くする」と、COハイドレートのCO含有率を高くすることができる。なお、本発明の氷が融解すると、それに含まれていたCOが放出され、放出されたCOの分の重量が減少する。したがって、本発明の氷のCO含有率は、例えば、本発明の氷を常温で融解させた際の重量変化から、下記式を用いて算出する事ができる。
(CO含有率)=(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)/融解前のサンプル重量)
(酸味料)
本発明で使用する「酸味料」(以下、「本発明における酸味料」とも表示する。)としては、CO高含有氷の炭酸感を向上させることができる有機酸又は無機酸又はそれらの塩(以下、あわせて「酸等」とも表示する。)である限り特に制限されず、「食品添加物における酸味料」の他、「食品添加物における酸味料」には該当しない酸等も、便宜上、本明細書における「酸味料」に含まれる。本明細書における「酸味料」としては、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が好ましく挙げられ、炭酸感をより高く向上させる観点から、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がさらに好ましく挙げられ、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましく挙げられ、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がさらに好ましく挙げられ、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましく挙げられ、アスコルビン酸及び/又はその塩がさらに好ましく挙げられる。これらの酸等は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書における「酸味料」としては、「食品添加物における酸味料」である酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、リン酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸や、それらの塩が好ましく挙げられ、また、アスコルビン酸とその塩も好ましく挙げられる。
酸味料である上記の酸等において、立体異性体が存在する場合は、D体、L体、DL体(D体とL体の混合物)、メソ体などいずれであってもよく、入手の容易性やコスト等を考慮して適宜選択することができる。入手の容易性やコスト等を考慮して、アスコルビン酸としては、L-アスコルビン酸又はその塩、酒石酸としては、L-酒石酸又はその塩、リンゴ酸としては、DL-リンゴ酸又はその塩が好ましく挙げられる。
酸味料である上記の酸等としては、無水物であっても、水和物であってもよい。酸等が水和物である場合、本発明の氷や組成物における酸味料の含有量(濃度)は、無水物の酸等に換算した値を用いて算出する。
酸味料である上記の酸等としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく挙げられ、ナトリウム塩がより好ましく挙げられる。
酸味料である上記酸等が塩である場合、本発明の氷や組成物における酸味料の含有量(濃度)は、対応する遊離酸の含有量(濃度)に換算した数値を意味する。
本発明で使用する好適な酸味料として、具体的には、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、アジピン酸、グルコノラクトン、フィチン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、塩酸、イタコン酸、安息香酸など、あるいはこれらの塩などが好ましく挙げられる。
(本発明の氷の必須成分、任意成分)
本発明の氷の必須成分は、3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料と、氷である。本発明の氷は、3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料をのみを添加した水を冷凍させてなる氷(すなわち、任意成分を含有しない本発明の氷)であってもよいが、本発明の氷の用途に応じた任意成分をさらに含有した氷であってもよい。かかる任意成分としては、甘味成分などが挙げられる。ただし、ヒトが他の飲食品と共に本発明の氷を摂取する際に、その飲食品の炭酸感を向上させること以外は、他の飲食品の香味をできるだけ妨げない観点から、本発明の氷は、甘味成分を含有しないか、あるいは、甘味成分を含有する場合はショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下であることが好ましく、中でも、甘味成分を含有しないこと(無糖)がより好ましい。
(甘味成分)
本発明における「甘味成分」とは、飲食品に甘味を付与し得る成分を意味し、例えば相対甘味度0.05以上の甘味成分が好ましく含まれる。本発明における「甘味成分」には、飲食品の添加物として通常用いられている甘味成分のほか、果汁や果実片や野菜汁や野菜片等に由来する甘味成分(ショ糖、ぶどう糖、果糖等)も包含される。飲食品の添加物として通常用いられている甘味成分としては、例えば、果糖、ブドウ糖、タガトース、アラビノース等の単糖、乳糖、トレハロース、麦芽糖、ショ糖等の二糖、粉末水あめ等の多糖といった結晶性糖類や、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖、水あめ、異性化液糖(例えば果糖ぶどう糖液糖)等の非結晶性糖類を挙げることができる。また、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコールを挙げることができる。また、スクラロース、ステビア、甘草抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK等の高甘味度甘味成分(高甘味度甘味料)を挙げることができる。
本発明における「ショ糖換算の甘味度(重量%)」とは、以下の数式により算出される数値を意味する。
(数式)
甘味度=甘味成分含有量(g/100g)×その甘味成分の相対甘味度
上記の「甘味成分含有量(g/100g)」とは、本発明の氷100g当たりに含まれる甘味成分(g)の濃度(g/100g)を表し、上記の相対甘味度とは、20℃でのショ糖の甘さを1とした場合の、ある特定の種類の甘味成分の相対的な甘みの強さを意味する。したがって、本発明における上記「甘味度」は、ショ糖換算した甘味成分の濃度(g/100g)を表しており、本発明の氷を摂取した者が感じる感覚としての甘味の程度を反映したものである。本発明の氷に2種類以上の甘味成分が含まれている場合は、甘味成分の種類ごとに「甘味成分含有量(g/100g)×相対甘味度」の値を算出し、算出した各数値の総和をその本発明の氷の甘味度とする。本発明の氷における甘味成分の含有量は、本発明の氷を融解して液体とした後、その液体について例えばHPLC法、GC-MS法、LC-MS法などの公知の方法を適用することにより測定することができる。
各種甘味成分の相対甘味度は公知であるが、以下に例を挙げる。
ぶどう糖(0.7)、果糖(0.6)、マルトース(0.4)、ソルビトール(0.7)、マルチトール(0.8)、ステビア(150)、グリチルリチン(170)、アセスルファムK(200)、アスパルテーム(200)、サッカリン(300)、スクラロース(600)、アリテーム(2000)、ソーマチン(3000)。
本発明の甘味度の算出例として、0.001gのぶどう糖(相対甘味度0.7)と、0.00001gのスクラロース(相対甘味度600)とを含む本発明の氷の甘味度を求める。この場合、本発明における甘味度は、0.001×0.7で算出される数値(「0.0007」)と、0.000001×600で算出される数値(「0.0006」)の総和で導かれ、0.0013重量%となる。
(本発明の氷の製造方法)
本発明の氷の製造方法としては、3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有する氷を製造できる限り特に制限されない。本発明の氷が、特定濃度の酸味料を含有する、COハイドレートではないCO高含有氷である場合、かかる氷の製造方法としては、COハイドレート生成条件を充たさない条件下で、特定濃度の酸味料を含有する原料水中にCOを吹き込みながら該原料水を冷凍する方法が挙げられる。また、本発明の氷が、特定濃度の酸味料を含有するCOハイドレートである場合、かかる氷の製造方法としては、COハイドレート生成条件を充たす条件下で、特定濃度の酸味料を含有する原料水中にCOを吹き込みながら原料水を攪拌する気液攪拌方式や、COハイドレート生成条件を充たす条件下で、特定濃度の酸味料を含有する原料水をCO中にスプレーする水スプレー方式等の常法を用いることができる。これらの方式で生成されるCOハイドレートは、通常、COハイドレートの微粒子が、未反応の水と混合しているスラリー状であるため、COハイドレートの濃度を高めるために、脱水処理を行うことが好ましい。脱水処理によって含水率が比較的低くなったCOハイドレート(すなわち、CO含有率が比較的高いCOハイドレート)は、ペレット成型機で一定の形状(例えば球状や直方体状)に圧縮成型することが好ましい。圧縮成型したCOハイドレートは、そのまま本発明に用いてもよいし、必要に応じてさらに破砕等したものを用いてもよい。なお、COハイドレートの製造方法としては、前述のように、原料水を用いる方法が比較的広く用いられているが、水(原料水)の代わりに微細な氷(原料氷)をCOと、低温、かつ、低圧のCO分圧という条件下で反応させてCOハイドレートを製造する方法を用いることもできる。
上記の「COハイドレート生成条件」とは、ある温度であること、及び、その温度におけるCOハイドレートの平衡圧力よりCO分圧(CO圧力)が高いことを含む条件である。上記の「COハイドレートの平衡圧力よりもCO分圧が高い条件」は、J. Chem. Eng. Data (1991) 36, 68-71のFigure2.や、J. Chem. Eng. Data (2008), 53, 2182-2188のFigure 7.やFigure 15.に開示されているCOハイドレートの平衡圧力曲線(例えば縦軸がCO圧力、横軸が温度を表す)において、かかる曲線の高圧側(COハイドレートの平衡圧力曲線において、例えば縦軸がCO圧力、横軸が温度を表す場合は、該曲線の上方)の領域内のCO圧力と温度の組合せの条件として表される。COハイドレート生成条件の具体例として、「-20~4℃の範囲内」と「二酸化炭素圧力1.8~4MPaの範囲内」の組合せの条件や、「-20~-4℃の範囲内」と「二酸化炭素圧力1.3~1.8MPaの範囲内」の組合せの条件が挙げられる。
<本発明の組成物>
本発明の組成物としては、3重量%以上のCOを含有する氷(CO高含有氷)と、酸味料を含有する氷とを含む組成物であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記COを含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である限り特に制限されない。本発明の組成物におけるCO高含有氷は、炭酸感が向上したCO高含有氷である。
(本発明の組成物における3重量%以上のCOを含有する氷)
本発明の組成物における「3重量%以上のCOを含有する氷」(以下、「本発明の組成物におけるCO高含有氷」とも表示する。)としては、COハイドレートではないCO高含有氷であってもよいが、COハイドレートであることが好ましい。また、本発明の組成物におけるCO高含有氷は、COハイドレートではないCO高含有氷、COハイドレートのいずれか、又はその両方を併用してもよい。
(本発明の組成物におけるCO高含有氷のCO含有率)
本発明の組成物におけるCO高含有氷のCO含有率としては、3重量%以上である限り特に制限されず、本発明の組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、一般に好ましい程度の発泡感を得る観点から、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは6重量%以上であることが挙げられ、CO含有率の上限として例えば、28重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下であることが挙げられる。本発明の氷のCO含有率として、より具体的には、3~28重量%、4~28重量%、5~28重量%、6~28重量%、3~20重量%、4~20重量%、5~20重量%、6~20重量%、3~15重量%、4~15重量%、5~15重量%、6~15重量%、3~10重量%、4~10重量%、5~10重量%、6~10重量%などが好ましく挙げられる。
本発明の組成物におけるCO高含有氷のCO含有率の調整法や、CO含有率の測定法は、本発明の氷についてのCO含有率の調整法や測定法と同様の方法を用いることができる。
(本発明の組成物におけるCO高含有氷の必須成分、任意成分)
本発明の組成物におけるCO高含有氷の必須成分は、3重量%以上のCOと、氷である。本発明の組成物におけるCO高含有氷は、3重量%以上のCOを含む水を冷凍させてなる氷(すなわち、「任意成分を含有しない、本発明の組成物におけるCO高含有氷」)であってもよいが、本発明の組成物の用途に応じた任意成分をさらに含有したCO高含有氷であってもよい。かかる任意成分としては、甘味成分、酸味料などが挙げられる。ただし、ヒトが他の飲食品と共に本発明の組成物を摂取する際に、その飲食品の炭酸感を向上させること以外は、他の飲食品の香味をできるだけ妨げない観点から、本発明の組成物におけるCO高含有氷は甘味成分を含有しないか、あるいは、甘味成分を含有する場合はショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下であることが好ましく、中でも、甘味成分を含有しないこと(無糖)がより好ましい。また、本発明の組成物におけるCO高含有氷は、酸味料を含有していてもよいが、含有していなくてもよいが、本発明の氷との区別の明確性の観点から、酸味料を含有していないことが好ましい。
(本発明の組成物におけるCO高含有氷の製造方法)
本発明の組成物におけるCO高含有氷の製造方法としては、3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有する氷を製造できる限り特に制限されず、前述の本発明の氷の製造方法を参考にして適宜設定することができる。本発明の組成物におけるCO高含有氷が酸味料を含有しない場合の具体的な製造方法としては、前述の本発明の氷の製造方法において、酸味料を含有する原料水に代えて、酸味料を含有しない原料水を用いる方法が挙げられる。
(本発明の組成物における酸味料を含有する氷)
本発明の組成物における「酸味料を含有する氷」(以下、「本発明の組成物における酸味料含有氷」とも表示する。)としては、COを含有する氷と酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%の酸味料を含有している限り特に制限されず、例えば、CO含有率も特に制限されない。本発明の組成物における酸味料含有氷のCO含有率としては、例えば0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.1重量%以上又は0.3重量%以上であってもよいが、3重量%未満、0.1重量%未満、0.01重量%未満、0.001重量未満であってもよい。したがって、本発明の組成物における酸味料含有氷は、COハイドレートではないCO高含有氷であってもよいし、COハイドレートであってもよいが、これらのいずれでもない酸味料含有氷であってもよい。
(本発明の組成物における酸味料含有氷の必須成分、任意成分)
本発明の組成物における酸味料含有氷の必須成分は、酸味料と氷である。本発明の組成物における酸味料含有氷は、酸味料を含む水を冷凍させてなる氷(以下、「任意成分を含有しない、本発明の組成物における酸味料含有氷とも表示する。)であってもよいが、本発明の組成物の用途に応じた任意成分をさらに含有した酸味料含有氷であってもよい。かかる任意成分としては、甘味成分などが挙げられる。ただし、ヒトが他の飲食品と共に本発明の組成物を摂取する際に、その飲食品の炭酸感を向上させること以外は、他の飲食品の香味をできるだけ妨げない観点から、本発明の組成物における酸味料含有氷は甘味成分を含有しないか、あるいは、甘味成分を含有する場合はショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下であることが好ましく、中でも、甘味成分を含有しないこと(無糖)がより好ましい。また、本発明の組成物における酸味料含有氷のCO含有率としては、例えば例えば0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.1重量%以上又は0.3重量%以上であってもよいが、本発明の氷との区別の明確性の観点から、3重量%未満、0.1重量%未満、0.01重量%未満、0.001重量未満であることが好ましい。
(本発明の組成物における酸味料含有氷の製造方法)
本発明の組成物における酸味料含有氷の製造方法としては、本発明の組成物におけるCO高含有氷と本発明の組成物における酸味料含有氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%の酸味料を含有する氷を製造できる限り特に制限されない。かかる酸味料含有氷の製造方法としては、所定の濃度の酸味料を含有する水を冷凍させる方法が挙げられる。
(本発明の組成物の製造方法)
本発明の組成物の製造方法としては、本発明の組成物における酸味料含有氷と、本発明の組成物における酸味料含有氷とを混合する方法が挙げられる。
(本発明の氷等の形状)
本発明の氷や、本発明の組成物におけるCO高含有氷や、本発明の組成物における酸味料含有氷(これら3種の氷をまとめて「本発明の氷等」とも表示する。)の形状としては、本発明の氷や本発明の組成物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、略球状;略楕円体状;略直方体形状等の略多面体形状;あるいは、これらの形状にさらに凹凸を備えた形状;などが挙げられ、また、特定濃度の酸味料を含有するCO高含有氷の塊を適宜破砕して得られる様々な形状の破砕片(塊)であってもよい。
(本発明の氷等の大きさ)
本発明の氷等の大きさとしては、本発明の氷や本発明の組成物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、本発明の氷等の最大長の下限として、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上が挙げられ、最大長の上限として150mm以下、90mm以下、50mm以下、25mm以下が挙げられ、より具体的には3mm以上150mm以下、3mm以上90mm以下、3mm以上50mm以下、3mm以上25mm以下や、5mm以上150mm以下、5mm以上90mm以下、5mm以上50mm以下、5mm以上25mm以下、5mm以上15mm以下などが挙げられる。
本明細書において「本発明の氷等の最大長」とは、本発明の氷等の塊の表面の2点を結び、かつ、その塊の重心を通る線分のうち、最も長い線分の長さを意味する。なお、本発明の氷等が例えば略楕円体状である場合は、前記最大長は長径(最も長い直径)を表し、略球状である場合は、前記最大長は直径を表し、略直方体形状である場合は、対角線の中で最も長い対角線の長さを表す。また、本明細書において「本発明の氷等の最小長」とは、本発明の氷等の塊の表面の2点を結び、かつ、その塊の重心を通る線分のうち、最も短い線分の長さを意味する。かかる最大長や最小長は、市販の画像解析式粒度分布測定装置などを用いて測定することもできるし、本発明の氷等の塊に定規をあてて測定することもできる。
本発明の氷等の好適な態様として、アスペクト比(最大長/最小長)が好ましくは1~5の範囲内、より好ましくは1~4の範囲内、さらに好ましくは1~3の範囲内である本発明の氷等が挙げられる。
(本発明の氷や本発明の組成物の用途)
本発明の氷や組成物は、本発明の氷のみ、又は、本発明の組成物のみをそのまま喫食してもよいし、本発明の氷を削って得られた氷片のみ、又は、本発明の組成物を削って得られた氷片のみをそのまま喫食してもよい。また、本発明の氷、本発明の組成物、本発明の氷を削って得られた氷片、及び、本発明の組成物を削って得られた氷片からなる群から選択される1種又は2種以上を、他の飲食品に添加して飲食してもよい。他の飲食品に添加する態様としては特に制限されず、飲料に添加する態様、食品(サラダ、スープ、ジュレ、菓子等)の上から振りかける態様、食品(サラダ、スープ、ジュレ、菓子等)と混合する態様が挙げられる。上記飲料としては、サワー、ハイボール、チューハイ、ワイン等のアルコール飲料;清涼飲料水等の非アルコール飲料;が挙げられる。本発明の氷や組成物は、飲料に添加して用いる飲料添加用氷又は飲料添加用組成物として好ましく用いることができる。
(容器)
本発明の氷や、本発明の組成物は、容器に収容されていなくてもよいが、容器に収容されていてもよい。容器の形状や材質は特に制限されないが、容器の形状としては、略直方体状、略立方体状、略円柱形状、袋状などが挙げられ、容器の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などが好ましく挙げられる。
(保存条件)
本発明の氷や、本発明の組成物を保存する際には、該氷等の凍結状態を保持することが好ましい。保存温度の上限温度としては、好ましくは0℃以下、より好ましくは-5℃以下、さらに好ましくは-10℃以下、より好ましくは-15℃以下、さらに好ましくは-20℃、より好ましくは-25℃が挙げられ、下限温度としては、-273℃以上、-80℃以上、-50℃以上、-40℃以上、-30℃以上などが挙げられる。
(炭酸感の向上)
本明細書において「炭酸感が向上したCO高含有氷」とは、0.0001重量%以上の酸味料と併用しないこと(好ましくは、酸味料を添加しないこと)以外は同種の原料を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造したCO高含有氷(以下、「コントロールCO高含有氷」とも表示する。)と比較して、炭酸感が向上したCO高含有氷を意味する。本発明の氷のコントロールCO高含有氷として、具体的には、0.0001重量%以上の酸味料を含有しないこと(好ましくは、酸味料を含有しないこと)以外は同種の原料を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造したCO高含有氷が挙げられる。また、本発明の組成物のコントロールCO高含有氷として、具体的には、その本発明の組成物におけるCO高含有氷が挙げられる。なお、本発明における炭酸感とは、CO高含有氷をヒトの口腔内に入れたときの炭酸の刺激感を意味する。
あるCO高含有氷の炭酸感がコントロールCO高含有氷と比較してどのようであるか(例えば、向上しているかどうか)は、訓練されたパネラーであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネラー間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができる。CO高含有氷の炭酸感を評価するパネラーの人数は1名であってもよいが、客観性がより高い評価を得る観点から、パネラーの人数の下限を、例えば2名以上、好ましくは3名以上とすることができ、また、評価試験をより簡便に実施する観点から、パネラーの人数の上限を、例えば20名以下、10名以下とすることができる。パネラーが2名以上の場合のCO高含有氷の炭酸感の評価は、そのCO高含有氷の炭酸感についてのパネラー全員の評価の平均を採用してもよい。各評価基準に整数の評価点が付与されている場合、パネラー全員の評価点の平均値をそのCO高含有氷の炭酸感の評価として採用してもよい。前述のように、評価点の平均値を採用する場合は、その平均値の小数第1位又は第2位(好ましくは小数第2位)を四捨五入した値を採用してもよい。なお、パネラーが2名以上である場合には、各パネラーの評価のばらつきを低減するために、実際の官能評価試験を行う前に、各パネラーの評価基準ができるだけ揃うように評価基準を共通化する作業を行っておくことが好ましい。かかる共通化作業としては、炭酸感の程度が既知の複数種のCO高含有氷の炭酸感を各パネラーで評価した後、その評価点を比較し、各パネラーの評価基準に大きな解離が生じないように確認することが挙げられる。また、このような評価基準に関する事前の共通化作業により、各パネラーによる炭酸感の評価の標準偏差が0.8以内となるようにしておくことが好ましい。
あるCO高含有氷の炭酸感が、コントロールCO高含有氷と比較してどのようであるか(例えば、向上しているかどうか)、例えば、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表1)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表1)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、コントロールCO高含有氷における炭酸感を、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表1)を用いて評価した評価点と比較して、炭酸感に関する評価点が向上しているCO高含有氷は、炭酸感が向上したCO高含有氷に含まれる。
(氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷)
本明細書において「氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷」とは、炭酸感が向上したCO高含有氷であって、かつ、CO高含有氷中の酸味料濃度が0.005重量%以下であるCO高含有氷を意味する。「氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷」として好ましくは、炭酸感が向上したCO高含有氷であって、かつ、CO高含有氷中の酸味料濃度が0.005重量%以下であり、かつ、ショ糖換算甘味度が0.05重量%以下であるCO高含有氷が挙げられる。
<本発明の炭酸感の向上方法>
本発明の炭酸感の向上方法としては、3重量%以上のCOを含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含む限り特に制限されない。
(A)0.0001~0.005重量%の酸味料を前記3重量%以上のCOを含有する氷に含有させる工程;
(B)3重量%以上のCOを含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCOを含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
(工程A)
上記工程Aとしては、0.0001~0.005重量%の酸味料をCO高含有氷に含有させる工程である限り特に制限されず、好ましくは、0.0001~0.005重量%の酸味料を含む原料水を冷凍させる方法が好ましく挙げられる。かかる方法として、具体的には、前述したような本発明の氷の製造方法を用いることができる。
(工程B)
上記工程Bとしては、CO高含有氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記CO高含有氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程である限り特に制限されない。工程Bとしては、CO高含有氷と酸味料を含有する氷の両方に酸味料を含有させてもよいが、工程Aとの区別の明確性の観点から、酸味料を含有する氷のみに酸味料を含有させることが好ましい。
工程Bの具体的な方法として、具体的には、前述したような本発明の組成物の製造方法を用いることができる。
<本発明のその他の態様>
本発明の態様には、「炭酸感が向上したCO高含有氷を製造するための、CO高含有氷及び酸味料の使用」が含まれ、中でも、「氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷を製造するための、CO高含有氷及び酸味料の使用」が好ましく含まれる。
以下に、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験1.[酸味料含有COハイドレート等の調製]
(1)酸味料含有COハイドレートの調製
4Lの水に、所定の種類の酸味料を所定の濃度となるように添加して酸味料含有水を得た。かかる酸味料含有水にCOガスを3MPaとなるように吹き込み、撹拌をしながら1℃でハイドレート生成反応を進行させ、酸味料含有COハイドレートを含むシャーベット状のスラリーを作製した。このシャーベット状のスラリーを、-20℃まで冷却した後、酸味料含有COハイドレートとして回収し、液体窒素上で1粒の直径が5~15mmとなるよう調製した。なお、これらの酸味料含有COハイドレートのCO含有率は7%であった。
(2)コントロールCOハイドレートの調製
4Lの水にCOガスを3MPaとなるように吹き込み、撹拌をしながら1℃でハイドレート生成反応を進行させ、COハイドレートを含むシャーベット状のスラリーを作製した。このシャーベット状のスラリーを、-20℃まで冷却した後、COハイドレートとして回収し、液体窒素上で1粒の直径が5~15mmとなるよう調製した。酸味料を含有しないこれらのCOハイドレートをコントロールCOハイドレートとした。なお、かかるコントロールCOハイドレートのCO含有率は7%であった。
試験2.[酸味料含有COハイドレート等の炭酸感の評価]
甘味成分を含まないCOハイドレートに酸味料を含有させることが、かかるCOハイドレートの炭酸感にどのような影響を与えるかを調べるために以下の実験を行った。
試験1の(1)で調製した各酸味料含有COハイドレートにおける酸味料の種類と濃度を後述の表2~表6にそれぞれ示す。これらの酸味料含有COハイドレートの炭酸感について、訓練されたパネラー3名により官能評価を実施した。官能評価は、以下の表1に示す基準に基づき、酸味料無添加のCOハイドレート(コントロールCOハイドレート)の炭酸感を「3」として、酸味料含有COハイドレートの炭酸感を5段階で相対評価した。炭酸感としては、COハイドレートを口内に入れたときの炭酸の刺激感を評価対象とした。
なお、各パネラーの評価のばらつきを低減するために、炭酸感の程度が既知の複数種のCOハイドレートの炭酸感を各パネラーで評価した後、その評価点を比較し、各パネラーの評価基準に大きな解離が生じないように確認し、また、各パネラーの評価点の標準偏差が0.8以内であることも確認した。
Figure 0007261620000001
後述の表2~表6に記載の酸味料含有COハイドレートについて炭酸感の官能評価を行った結果を表2~表6に示す。
Figure 0007261620000002
Figure 0007261620000003
Figure 0007261620000004
Figure 0007261620000005
Figure 0007261620000006
表2~表6の結果から、甘味成分を含まないCOハイドレートに、0.0001~0.005重量%の酸味料を含有させると炭酸感が向上することが示された。かかる炭酸感の向上効果は、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸のいずれの酸味料でも得られたため、酸味料として少なくともアスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸が好ましく、炭酸感の向上効果が高い点で、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸がより好ましいことが示された。
試験3.[酸味料含有COハイドレート等の炭酸感への、甘味成分の影響]
酸味料含有COハイドレートに甘味成分を含有させると、その酸味料含有COハイドレートの炭酸感にどのような影響が生じるかを調べるために以下の実験を行った。
(1)酸味料及び甘味成分を含有するCOハイドレートの調製
後述の表7及び表8に記載されているような、リンゴ酸の濃度と甘味成分(ショ糖又はスクラロース)の濃度となるような酸味料含有水を用いること以外は、上記試験1(1)に記載の調製法と同じ調製法で、酸味料及び甘味成分を含有するCOハイドレートを調製した。
(2)酸味料及び甘味成分を含有するCOハイドレートの炭酸感の評価
酸味料及び甘味成分を含有するCOハイドレートの炭酸感について、上記試験2に記載されているのと同じ方法により官能評価を実施した。それらの結果を表7及び表8に示す。
Figure 0007261620000007
Figure 0007261620000008
表7及び表8から分かるように、ショ糖換算甘味度が0.3%や0.5%である場合は、リンゴ酸濃度が0.0001%であっても、炭酸感はむしろ低下した。一方、ショ糖換算甘味度が低く、0.05%や0.03%である場合は、炭酸感が向上した。これらの結果から、甘みは、COハイドレート等のCO高含有氷における炭酸感を低下させる作用を有することが示された。また、表2~表8から、炭酸感が向上した本発明の氷等は、甘味成分を含まないか、又は、甘味成分を含むとしてもそのショ糖換算甘味度が0.05重量%以下であることが好ましいことが示された。
本発明によれば、氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO高含有氷等を提供することができる。そのため、本発明の氷や本発明の組成物を他の飲食品に添加した場合、かかる飲食品の香味をほとんど妨げることなく、その飲食品に炭酸感を付与することができ、その結果、飲食する者は炭酸感を楽しむことができる。

Claims (4)

  1. 3重量%以上のCOと、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有し、かつ、
    ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しないことを特徴とする氷。
  2. COハイドレートであることを特徴とする請求項1に記載の氷。
  3. 酸味料が、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の氷。
  4. 3重量%以上のCO を含有する氷における炭酸感の向上方法であって、
    前記向上方法は、3重量%以上のCOを含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含むことを特徴と
    前記氷は、ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しない、前記向上方法。
    (A)0.0001~0.005重量%の酸味料を、3重量%以上のCOを含有する氷に含有させる工程;
    (B)3重量%以上のCOを含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCOを含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
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