JP7261620B2 - 炭酸感が向上したco2含有氷 - Google Patents
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(1)3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有することを特徴とする氷;
(2)CO2ハイドレートであることを特徴とする上記(1)に記載の氷;
(3)酸味料が、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の氷;
(4)ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しないことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の氷;
(5)3重量%以上のCO2を含有する氷と、酸味料を含有する氷とを含む組成物であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記CO2を含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である、前記組成物;
(6)CO2を含有する氷がCO2ハイドレートであることを特徴とする上記(5)に記載の組成物;
(7)酸味料が、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の組成物;
(8)ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しないことを特徴とする上記(5)~(7)のいずれかに記載の組成物;又は、
(9)3重量%以上のCO2を含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含むことを特徴とする、3重量%以上のCO2を含有する氷における炭酸感の向上方法;
(A)0.0001~0.005重量%の酸味料を、3重量%以上のCO2を含有する氷に含有させる工程;
(B)3重量%以上のCO2を含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCO2を含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
に関する。
[1]3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有することを特徴とする氷(以下、「本発明の氷」とも表示する。);や、
[2]3重量%以上のCO2を含有する氷と、酸味料を含有する氷とを含む組成物であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記CO2を含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である、前記組成物(以下、「本発明の組成物」とも表示する。);や、
[3]3重量%以上のCO2を含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含むことを特徴とする、3重量%以上のCO2を含有する氷における炭酸感の向上方法(以下、「本発明の向上方法」とも表示する。);
(A)0.0001~0.005重量%の酸味料を、3重量%以上のCO2を含有する氷に含有させる工程;
(B)3重量%以上のCO2を含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCO2を含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
などの実施態様を含んでいる。
本発明の氷としては、3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有している限り特に制限されない。すなわち、本発明の氷(CO2高含有氷)は、0.0001~0.005重量%の酸味料を含有するCO2高含有氷(以下、「特定濃度の酸味料を含有するCO2高含有氷」とも表示する。)である。本発明の氷は、炭酸感が向上したCO2高含有氷である。本発明の氷としては、CO2ハイドレートではないCO2高含有氷であってもよいが、CO2ハイドレートであることが好ましい。すなわち、本発明の氷としては、特定濃度の酸味料を含有する、CO2ハイドレートではないCO2高含有氷であってもよいが、特定濃度の酸味料を含有するCO2ハイドレートであることが好ましい。なお、CO2ハイドレートは、通常、氷状の結晶体であり、例えば標準気圧条件下で、かつ、氷が融解するような温度条件下に置くと、融解しながらCO2を放出する。
本発明の氷のCO2含有率としては、3重量%以上である限り特に制限されず、本発明の氷の用途等に応じて適宜設定することができるが、一般に好ましい程度の発泡感を得る観点から、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは6重量%以上であることが挙げられ、CO2含有率の上限として例えば、28重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下であることが挙げられる。本発明の氷のCO2含有率として、より具体的には、3~28重量%、4~28重量%、5~28重量%、6~28重量%、3~20重量%、4~20重量%、5~20重量%、6~20重量%、3~15重量%、4~15重量%、5~15重量%、6~15重量%、3~10重量%、4~10重量%、5~10重量%、6~10重量%などが好ましく挙げられる。
(CO2含有率)=(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)/融解前のサンプル重量)
本発明で使用する「酸味料」(以下、「本発明における酸味料」とも表示する。)としては、CO2高含有氷の炭酸感を向上させることができる有機酸又は無機酸又はそれらの塩(以下、あわせて「酸等」とも表示する。)である限り特に制限されず、「食品添加物における酸味料」の他、「食品添加物における酸味料」には該当しない酸等も、便宜上、本明細書における「酸味料」に含まれる。本明細書における「酸味料」としては、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が好ましく挙げられ、炭酸感をより高く向上させる観点から、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がさらに好ましく挙げられ、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましく挙げられ、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がさらに好ましく挙げられ、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましく挙げられ、アスコルビン酸及び/又はその塩がさらに好ましく挙げられる。これらの酸等は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書における「酸味料」としては、「食品添加物における酸味料」である酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、リン酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸や、それらの塩が好ましく挙げられ、また、アスコルビン酸とその塩も好ましく挙げられる。
本発明の氷の必須成分は、3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料と、氷である。本発明の氷は、3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料をのみを添加した水を冷凍させてなる氷(すなわち、任意成分を含有しない本発明の氷)であってもよいが、本発明の氷の用途に応じた任意成分をさらに含有した氷であってもよい。かかる任意成分としては、甘味成分などが挙げられる。ただし、ヒトが他の飲食品と共に本発明の氷を摂取する際に、その飲食品の炭酸感を向上させること以外は、他の飲食品の香味をできるだけ妨げない観点から、本発明の氷は、甘味成分を含有しないか、あるいは、甘味成分を含有する場合はショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下であることが好ましく、中でも、甘味成分を含有しないこと(無糖)がより好ましい。
本発明における「甘味成分」とは、飲食品に甘味を付与し得る成分を意味し、例えば相対甘味度0.05以上の甘味成分が好ましく含まれる。本発明における「甘味成分」には、飲食品の添加物として通常用いられている甘味成分のほか、果汁や果実片や野菜汁や野菜片等に由来する甘味成分(ショ糖、ぶどう糖、果糖等)も包含される。飲食品の添加物として通常用いられている甘味成分としては、例えば、果糖、ブドウ糖、タガトース、アラビノース等の単糖、乳糖、トレハロース、麦芽糖、ショ糖等の二糖、粉末水あめ等の多糖といった結晶性糖類や、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖、水あめ、異性化液糖(例えば果糖ぶどう糖液糖)等の非結晶性糖類を挙げることができる。また、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコールを挙げることができる。また、スクラロース、ステビア、甘草抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK等の高甘味度甘味成分(高甘味度甘味料)を挙げることができる。
甘味度=甘味成分含有量(g/100g)×その甘味成分の相対甘味度
ぶどう糖(0.7)、果糖(0.6)、マルトース(0.4)、ソルビトール(0.7)、マルチトール(0.8)、ステビア(150)、グリチルリチン(170)、アセスルファムK(200)、アスパルテーム(200)、サッカリン(300)、スクラロース(600)、アリテーム(2000)、ソーマチン(3000)。
本発明の氷の製造方法としては、3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有する氷を製造できる限り特に制限されない。本発明の氷が、特定濃度の酸味料を含有する、CO2ハイドレートではないCO2高含有氷である場合、かかる氷の製造方法としては、CO2ハイドレート生成条件を充たさない条件下で、特定濃度の酸味料を含有する原料水中にCO2を吹き込みながら該原料水を冷凍する方法が挙げられる。また、本発明の氷が、特定濃度の酸味料を含有するCO2ハイドレートである場合、かかる氷の製造方法としては、CO2ハイドレート生成条件を充たす条件下で、特定濃度の酸味料を含有する原料水中にCO2を吹き込みながら原料水を攪拌する気液攪拌方式や、CO2ハイドレート生成条件を充たす条件下で、特定濃度の酸味料を含有する原料水をCO2中にスプレーする水スプレー方式等の常法を用いることができる。これらの方式で生成されるCO2ハイドレートは、通常、CO2ハイドレートの微粒子が、未反応の水と混合しているスラリー状であるため、CO2ハイドレートの濃度を高めるために、脱水処理を行うことが好ましい。脱水処理によって含水率が比較的低くなったCO2ハイドレート(すなわち、CO2含有率が比較的高いCO2ハイドレート)は、ペレット成型機で一定の形状(例えば球状や直方体状)に圧縮成型することが好ましい。圧縮成型したCO2ハイドレートは、そのまま本発明に用いてもよいし、必要に応じてさらに破砕等したものを用いてもよい。なお、CO2ハイドレートの製造方法としては、前述のように、原料水を用いる方法が比較的広く用いられているが、水(原料水)の代わりに微細な氷(原料氷)をCO2と、低温、かつ、低圧のCO2分圧という条件下で反応させてCO2ハイドレートを製造する方法を用いることもできる。
本発明の組成物としては、3重量%以上のCO2を含有する氷(CO2高含有氷)と、酸味料を含有する氷とを含む組成物であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記CO2を含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である限り特に制限されない。本発明の組成物におけるCO2高含有氷は、炭酸感が向上したCO2高含有氷である。
本発明の組成物における「3重量%以上のCO2を含有する氷」(以下、「本発明の組成物におけるCO2高含有氷」とも表示する。)としては、CO2ハイドレートではないCO2高含有氷であってもよいが、CO2ハイドレートであることが好ましい。また、本発明の組成物におけるCO2高含有氷は、CO2ハイドレートではないCO2高含有氷、CO2ハイドレートのいずれか、又はその両方を併用してもよい。
本発明の組成物におけるCO2高含有氷のCO2含有率としては、3重量%以上である限り特に制限されず、本発明の組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、一般に好ましい程度の発泡感を得る観点から、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは6重量%以上であることが挙げられ、CO2含有率の上限として例えば、28重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下であることが挙げられる。本発明の氷のCO2含有率として、より具体的には、3~28重量%、4~28重量%、5~28重量%、6~28重量%、3~20重量%、4~20重量%、5~20重量%、6~20重量%、3~15重量%、4~15重量%、5~15重量%、6~15重量%、3~10重量%、4~10重量%、5~10重量%、6~10重量%などが好ましく挙げられる。
本発明の組成物におけるCO2高含有氷の必須成分は、3重量%以上のCO2と、氷である。本発明の組成物におけるCO2高含有氷は、3重量%以上のCO2を含む水を冷凍させてなる氷(すなわち、「任意成分を含有しない、本発明の組成物におけるCO2高含有氷」)であってもよいが、本発明の組成物の用途に応じた任意成分をさらに含有したCO2高含有氷であってもよい。かかる任意成分としては、甘味成分、酸味料などが挙げられる。ただし、ヒトが他の飲食品と共に本発明の組成物を摂取する際に、その飲食品の炭酸感を向上させること以外は、他の飲食品の香味をできるだけ妨げない観点から、本発明の組成物におけるCO2高含有氷は甘味成分を含有しないか、あるいは、甘味成分を含有する場合はショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下であることが好ましく、中でも、甘味成分を含有しないこと(無糖)がより好ましい。また、本発明の組成物におけるCO2高含有氷は、酸味料を含有していてもよいが、含有していなくてもよいが、本発明の氷との区別の明確性の観点から、酸味料を含有していないことが好ましい。
本発明の組成物におけるCO2高含有氷の製造方法としては、3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有する氷を製造できる限り特に制限されず、前述の本発明の氷の製造方法を参考にして適宜設定することができる。本発明の組成物におけるCO2高含有氷が酸味料を含有しない場合の具体的な製造方法としては、前述の本発明の氷の製造方法において、酸味料を含有する原料水に代えて、酸味料を含有しない原料水を用いる方法が挙げられる。
本発明の組成物における「酸味料を含有する氷」(以下、「本発明の組成物における酸味料含有氷」とも表示する。)としては、CO2を含有する氷と酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%の酸味料を含有している限り特に制限されず、例えば、CO2含有率も特に制限されない。本発明の組成物における酸味料含有氷のCO2含有率としては、例えば0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.1重量%以上又は0.3重量%以上であってもよいが、3重量%未満、0.1重量%未満、0.01重量%未満、0.001重量未満であってもよい。したがって、本発明の組成物における酸味料含有氷は、CO2ハイドレートではないCO2高含有氷であってもよいし、CO2ハイドレートであってもよいが、これらのいずれでもない酸味料含有氷であってもよい。
本発明の組成物における酸味料含有氷の必須成分は、酸味料と氷である。本発明の組成物における酸味料含有氷は、酸味料を含む水を冷凍させてなる氷(以下、「任意成分を含有しない、本発明の組成物における酸味料含有氷とも表示する。)であってもよいが、本発明の組成物の用途に応じた任意成分をさらに含有した酸味料含有氷であってもよい。かかる任意成分としては、甘味成分などが挙げられる。ただし、ヒトが他の飲食品と共に本発明の組成物を摂取する際に、その飲食品の炭酸感を向上させること以外は、他の飲食品の香味をできるだけ妨げない観点から、本発明の組成物における酸味料含有氷は甘味成分を含有しないか、あるいは、甘味成分を含有する場合はショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下であることが好ましく、中でも、甘味成分を含有しないこと(無糖)がより好ましい。また、本発明の組成物における酸味料含有氷のCO2含有率としては、例えば例えば0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.1重量%以上又は0.3重量%以上であってもよいが、本発明の氷との区別の明確性の観点から、3重量%未満、0.1重量%未満、0.01重量%未満、0.001重量未満であることが好ましい。
本発明の組成物における酸味料含有氷の製造方法としては、本発明の組成物におけるCO2高含有氷と本発明の組成物における酸味料含有氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%の酸味料を含有する氷を製造できる限り特に制限されない。かかる酸味料含有氷の製造方法としては、所定の濃度の酸味料を含有する水を冷凍させる方法が挙げられる。
本発明の組成物の製造方法としては、本発明の組成物における酸味料含有氷と、本発明の組成物における酸味料含有氷とを混合する方法が挙げられる。
本発明の氷や、本発明の組成物におけるCO2高含有氷や、本発明の組成物における酸味料含有氷(これら3種の氷をまとめて「本発明の氷等」とも表示する。)の形状としては、本発明の氷や本発明の組成物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、略球状;略楕円体状;略直方体形状等の略多面体形状;あるいは、これらの形状にさらに凹凸を備えた形状;などが挙げられ、また、特定濃度の酸味料を含有するCO2高含有氷の塊を適宜破砕して得られる様々な形状の破砕片(塊)であってもよい。
本発明の氷等の大きさとしては、本発明の氷や本発明の組成物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、本発明の氷等の最大長の下限として、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上が挙げられ、最大長の上限として150mm以下、90mm以下、50mm以下、25mm以下が挙げられ、より具体的には3mm以上150mm以下、3mm以上90mm以下、3mm以上50mm以下、3mm以上25mm以下や、5mm以上150mm以下、5mm以上90mm以下、5mm以上50mm以下、5mm以上25mm以下、5mm以上15mm以下などが挙げられる。
本発明の氷や組成物は、本発明の氷のみ、又は、本発明の組成物のみをそのまま喫食してもよいし、本発明の氷を削って得られた氷片のみ、又は、本発明の組成物を削って得られた氷片のみをそのまま喫食してもよい。また、本発明の氷、本発明の組成物、本発明の氷を削って得られた氷片、及び、本発明の組成物を削って得られた氷片からなる群から選択される1種又は2種以上を、他の飲食品に添加して飲食してもよい。他の飲食品に添加する態様としては特に制限されず、飲料に添加する態様、食品(サラダ、スープ、ジュレ、菓子等)の上から振りかける態様、食品(サラダ、スープ、ジュレ、菓子等)と混合する態様が挙げられる。上記飲料としては、サワー、ハイボール、チューハイ、ワイン等のアルコール飲料;清涼飲料水等の非アルコール飲料;が挙げられる。本発明の氷や組成物は、飲料に添加して用いる飲料添加用氷又は飲料添加用組成物として好ましく用いることができる。
本発明の氷や、本発明の組成物は、容器に収容されていなくてもよいが、容器に収容されていてもよい。容器の形状や材質は特に制限されないが、容器の形状としては、略直方体状、略立方体状、略円柱形状、袋状などが挙げられ、容器の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などが好ましく挙げられる。
本発明の氷や、本発明の組成物を保存する際には、該氷等の凍結状態を保持することが好ましい。保存温度の上限温度としては、好ましくは0℃以下、より好ましくは-5℃以下、さらに好ましくは-10℃以下、より好ましくは-15℃以下、さらに好ましくは-20℃、より好ましくは-25℃が挙げられ、下限温度としては、-273℃以上、-80℃以上、-50℃以上、-40℃以上、-30℃以上などが挙げられる。
本明細書において「炭酸感が向上したCO2高含有氷」とは、0.0001重量%以上の酸味料と併用しないこと(好ましくは、酸味料を添加しないこと)以外は同種の原料を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造したCO2高含有氷(以下、「コントロールCO2高含有氷」とも表示する。)と比較して、炭酸感が向上したCO2高含有氷を意味する。本発明の氷のコントロールCO2高含有氷として、具体的には、0.0001重量%以上の酸味料を含有しないこと(好ましくは、酸味料を含有しないこと)以外は同種の原料を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造したCO2高含有氷が挙げられる。また、本発明の組成物のコントロールCO2高含有氷として、具体的には、その本発明の組成物におけるCO2高含有氷が挙げられる。なお、本発明における炭酸感とは、CO2高含有氷をヒトの口腔内に入れたときの炭酸の刺激感を意味する。
本明細書において「氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO2高含有氷」とは、炭酸感が向上したCO2高含有氷であって、かつ、CO2高含有氷中の酸味料濃度が0.005重量%以下であるCO2高含有氷を意味する。「氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO2高含有氷」として好ましくは、炭酸感が向上したCO2高含有氷であって、かつ、CO2高含有氷中の酸味料濃度が0.005重量%以下であり、かつ、ショ糖換算甘味度が0.05重量%以下であるCO2高含有氷が挙げられる。
本発明の炭酸感の向上方法としては、3重量%以上のCO2を含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含む限り特に制限されない。
(A)0.0001~0.005重量%の酸味料を前記3重量%以上のCO2を含有する氷に含有させる工程;
(B)3重量%以上のCO2を含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCO2を含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
上記工程Aとしては、0.0001~0.005重量%の酸味料をCO2高含有氷に含有させる工程である限り特に制限されず、好ましくは、0.0001~0.005重量%の酸味料を含む原料水を冷凍させる方法が好ましく挙げられる。かかる方法として、具体的には、前述したような本発明の氷の製造方法を用いることができる。
上記工程Bとしては、CO2高含有氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記CO2高含有氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程である限り特に制限されない。工程Bとしては、CO2高含有氷と酸味料を含有する氷の両方に酸味料を含有させてもよいが、工程Aとの区別の明確性の観点から、酸味料を含有する氷のみに酸味料を含有させることが好ましい。
本発明の態様には、「炭酸感が向上したCO2高含有氷を製造するための、CO2高含有氷及び酸味料の使用」が含まれ、中でも、「氷そのものの香味に影響をほとんど与えることなく、炭酸感が向上したCO2高含有氷を製造するための、CO2高含有氷及び酸味料の使用」が好ましく含まれる。
(1)酸味料含有CO2ハイドレートの調製
4Lの水に、所定の種類の酸味料を所定の濃度となるように添加して酸味料含有水を得た。かかる酸味料含有水にCO2ガスを3MPaとなるように吹き込み、撹拌をしながら1℃でハイドレート生成反応を進行させ、酸味料含有CO2ハイドレートを含むシャーベット状のスラリーを作製した。このシャーベット状のスラリーを、-20℃まで冷却した後、酸味料含有CO2ハイドレートとして回収し、液体窒素上で1粒の直径が5~15mmとなるよう調製した。なお、これらの酸味料含有CO2ハイドレートのCO2含有率は7%であった。
4Lの水にCO2ガスを3MPaとなるように吹き込み、撹拌をしながら1℃でハイドレート生成反応を進行させ、CO2ハイドレートを含むシャーベット状のスラリーを作製した。このシャーベット状のスラリーを、-20℃まで冷却した後、CO2ハイドレートとして回収し、液体窒素上で1粒の直径が5~15mmとなるよう調製した。酸味料を含有しないこれらのCO2ハイドレートをコントロールCO2ハイドレートとした。なお、かかるコントロールCO2ハイドレートのCO2含有率は7%であった。
甘味成分を含まないCO2ハイドレートに酸味料を含有させることが、かかるCO2ハイドレートの炭酸感にどのような影響を与えるかを調べるために以下の実験を行った。
なお、各パネラーの評価のばらつきを低減するために、炭酸感の程度が既知の複数種のCO2ハイドレートの炭酸感を各パネラーで評価した後、その評価点を比較し、各パネラーの評価基準に大きな解離が生じないように確認し、また、各パネラーの評価点の標準偏差が0.8以内であることも確認した。
酸味料含有CO2ハイドレートに甘味成分を含有させると、その酸味料含有CO2ハイドレートの炭酸感にどのような影響が生じるかを調べるために以下の実験を行った。
後述の表7及び表8に記載されているような、リンゴ酸の濃度と甘味成分(ショ糖又はスクラロース)の濃度となるような酸味料含有水を用いること以外は、上記試験1(1)に記載の調製法と同じ調製法で、酸味料及び甘味成分を含有するCO2ハイドレートを調製した。
酸味料及び甘味成分を含有するCO2ハイドレートの炭酸感について、上記試験2に記載されているのと同じ方法により官能評価を実施した。それらの結果を表7及び表8に示す。
Claims (4)
- 3重量%以上のCO2と、0.0001~0.005重量%の酸味料とを含有し、かつ、
ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しないことを特徴とする氷。 - CO2ハイドレートであることを特徴とする請求項1に記載の氷。
- 酸味料が、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の氷。
- 3重量%以上のCO 2 を含有する氷における炭酸感の向上方法であって、
前記向上方法は、3重量%以上のCO2を含有する氷の製造において、以下の工程A又は工程Bを含むことを特徴とし、
前記氷は、ショ糖換算の甘味度で0.05重量%以下の甘味成分を含有するか、又は、甘味成分を含有しない、前記向上方法。
(A)0.0001~0.005重量%の酸味料を、3重量%以上のCO2を含有する氷に含有させる工程;
(B)3重量%以上のCO2を含有する氷に、酸味料を含有する氷を添加する工程であって、前記酸味料を含有する氷における酸味料の含有量が、前記3重量%以上のCO2を含有する氷と前記酸味料を含有する氷の合計量に対して0.0001~0.005重量%である工程;
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