JP7260843B2 - 検水のpH測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検水のpH測定方法、特に、検水のpHを所定範囲において測定するための方法に関する。
ボイラへの給水や冷却塔の循環冷却水などの各種の用水は、薬剤の添加によりpH(水素イオン指数)を調整することがある。この場合、薬剤を添加した後の用水のpHを測定し、用水のpHが目標範囲に調整されていることの確認が必要である。
用水や溶液のpHを測定するための一般的な方法として、特許文献1は、滴定法およびガラス電極を用いる測定法を掲げている。しかし、滴定法は、特許文献1に記載のように、試料、すなわち検水が多量の金属分を含む場合に滴定が進むにつれて沈でん物の生成することがあり、当該沈でん物の影響を回避するための処理をすると滴定終点の検出が困難なうえに操作が複雑となり、しかも多量の試料を必要とするという問題がある。また、ガラス電極を用いる方法は、pHの測定範囲が広いものの、測定値に対する自己診断機能を有していないことから測定値の信頼性を担保するために頻繁な点検および校正が必要になる。
そこで、特許文献1は、滴定法およびガラス電極を用いる測定法の欠点を除去可能な代替法として、検水にpH指示薬を添加し、検水の変色に伴う吸光度の変化から試料の水素イオン濃度を測定する方法を開示している。しかし、pH指示薬は変色域が一定範囲に限られていることから、上記代替法により測定可能なpHの幅は、せいぜい1~2程度であり、狭小である。
特開昭58-204343号公報
本発明は、pHの変動により吸光度が変動し得る発色試薬を用い、検水のpHを比較的に広範囲で測定できるようにするものである。
本発明は、検水のpHを所定範囲において測定するための方法に関するものである。この測定方法は、検水に対し、前記所定範囲でのpHの変動により一段階で酸解離して紫外可視領域の吸光度が変動し得る第1発色試薬と、前記所定範囲でのpHの変動により一段階で酸解離して紫外可視領域の吸光度が変動し得る、第1発色試薬よりも酸解離定数(pKa)が大きい第2発色試薬と、前記所定範囲でのpHの変動により一段階で酸解離して紫外可視領域の吸光度が変動し得る、酸解離定数(pKa)が第1発色試薬と第2発色試薬との間にある少なくとも一種類の第3発色試薬とを含みかつ第1発色試薬、第2発色試薬および第3発色試薬のいずれもが前記所定範囲での紫外可視領域の吸光度が0を超えるものである試薬組成物を添加する工程1と、試薬組成物が添加された検水について、紫外可視領域の任意の波長の吸光度を測定する工程2と、工程2において測定した吸光度に基づいて検水のpHを判定する工程3とを含む。
本発明の測定方法の一形態では、工程2において互いに異なる複数種類の波長でのそれぞれの吸光度を測定し、工程3において複数種類の前記波長のそれぞれの吸光度と検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って検水のpHを判定する。
本発明の測定方法の他の形態では、工程2において互いに異なる少なくとも三種類の複数の波長でのそれぞれの吸光度を測定し、複数種類の前記波長のうち検水のpHの変動によって吸光度が最も変化しにくい波長についての吸光度を分母とするとともに他の前記波長のそれぞれについての吸光度を個別に分子とする吸光度比と検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って工程3において検水のpHを判定する。
上記他の形態の測定方法の一変形例では、前記吸光度比のそれぞれ一つと検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って工程3において検水のpHを前記吸光度比毎に個別に仮判定し、前記吸光度比の一つに基づいて仮判定した検水のpHと前記吸光度比の他の一つに基づいて仮判定した検水のpHとの差が所定値を超える場合は工程3を中止する。
本発明の測定方法の一変形例は、工程1から工程3を少なくとも1回繰返すことにより、各工程3において判定した検水のpH(y)と、その判定時における検水に対する試薬組成物の累積添加量(x)とを変数とする関数(y=Fx)を設定し、当該関数(y=Fx)において添加量(x)が0のときのpH(y)を検水のpHとして終局的に判定する工程4をさらに含む。
この変形例では、関数(y=Fx)に基づき検水の緩衝能を併せて判定する。そして、検水について判定した緩衝能が所定値よりも高いとき、工程1において検水に添加する試薬組成物としてアミノ酸を含むものを用いるのが好ましい。
本発明の測定方法の一例における検水のpHの所定範囲は4~9である。この例では、工程1において、酸解離定数(pKa)が4.1~6.0の範囲のものから選ばれた第1発色試薬、酸解離定数(pKa)が6.5~8.5の範囲のものから選ばれた第2発色試薬、酸解離定数(pKa)が5.5~7.5の範囲のものから選ばれた一種類の第3発色試薬を含む前記試薬組成物を用い、工程2において、410~430nmの範囲から選択した波長、515~535nmの範囲から選択した波長および580~600nmの範囲から選択した波長の三種類の波長の吸光度を測定する。
本発明の測定方法の他の例における検水のpHの所定範囲は4~12である。この例では、工程1において、酸解離定数(pKa)が4.1~6.0の範囲のものから選ばれた第1発色試薬、酸解離定数(pKa)が8.5~11.5の範囲のものから選ばれた第2発色試薬、酸解離定数(pKa)が5.5~7.5の範囲のものから選ばれた第1種の発色試薬および酸解離定数(pKa)が7.0~9.5の範囲のものから選ばれかつ酸解離定数(pKa)が第1種の発色試薬よりも大きい第2種の発色試薬の合計二種類の第3発色試薬を含む前記試薬組成物を用い、工程2において、410~430nmの範囲から選択した波長、450~470nmの範囲から選択した波長、515~535nmの範囲から選択した波長および580~600nmの範囲から選択した波長の四種類の波長の吸光度を測定する。
本発明に係る検水のpH測定方法は、pHの変動により一段階で酸解離して吸光度が変動し得る、酸解離定数(pKa)が互いに異なる少なくとも三種類の発色試薬を含む試薬組成物を検水に添加してその紫外可視領域の任意の波長の吸光度を測定し、その吸光度に基づいて検水のpHを判定していることから、検水のpHを比較的広範囲において測定することができる。
メチルレッドの吸収スペクトル。 フェノールレッドの吸収スペクトル。 ブロモクレゾールパープルの吸収スペクトル。 第1形態例の具体例に係る試薬組成物に含まれる各発色試薬の変色pH領域を示したグラフ。 ブロモフェノールブルーの吸収スペクトル。 アリザリンイエローの吸収スペクトル。 第2形態例の具体例に係る試薬組成物に含まれる各発色試薬の変色pH領域を示したグラフ。 本発明に係る測定方法の工程1から工程3を繰り返した場合における、検水への試薬組成物の添加量の変化と検水のpHとの関係を表す模式的グラフ。 実施例において作成したpH判定用グラフ。
本発明のpH測定方法は、ボイラへの給水や冷却塔の循環冷却水などの種々の用水や種々の水溶液から採取した検水について、そのpHをある程度の限定的な範囲(「所定範囲」ということがある。)において測定するための方法であり、以下の工程1から3を含む。
工程1:
本工程では、検水に対して所定の試薬組成物を添加する。試薬組成物を添加した検水は、添加した試薬組成物が均質に分散するよう適宜攪拌するのが好ましい。
ここで用いられる試薬組成物は、第1発色試薬、第2発色試薬および第3発色試薬を含むものである。ここで用いられる各発色試薬は、その存在環境のpHによって酸解離の度合い、すなわち、酸解離していない塩基型(HIn)のものと酸解離した酸型(In)のものとの存在割合が変化し、それによって存在環境についての紫外可視領域の吸光度を変化させるものである。この種の発色試薬を検水に添加すると、当該検水のpHが発色試薬の酸解離し得るpH範囲にある場合、検水について紫外可視領域の任意の波長の吸光度を測定することで検水中における発色試薬の塩基型(HIn)に対する酸型(In)の存在割合を求めることができ、当該存在割合と発色試薬の酸解離定数(pKa)とから次のヘンダーソン・ハッセルバルヒの式に基づいて検水のpHを計算することができる。ここで、pKaは、25℃での値である。
Figure 0007260843000001
試薬組成物において用いられる各発色試薬は、いずれも、所定範囲内でのpHの変動により一段階で酸解離して紫外可視領域の吸光度が変動し得るものであり、かつ、所定範囲内での紫外可視領域の吸光度が0を超えるもの、すなわち、所定範囲において紫外可視領域の吸収がなくならないものである。
発色試薬は、上記ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式に照らすと明らかなように、そのpKaによって酸解離し得るpH領域が異なる。そこで、測定可能なpHの所定範囲としてある程度の幅を確保するために、試薬組成物において用いる第1発色試薬、第2発色試薬および第3発色試薬として、pKaが互いに異なるものを用いる。すなわち、第2発色試薬としては、第1発色試薬よりもpKaが大きいものを選択する。また、第3発色試薬としては、pKaが第1発色試薬と第2発色試薬との間にあるものを選択する。第3発色試薬は、一種類のみの発色試薬からなるものであってもよいし、二種類以上の発色試薬からなるものであってもよい。第3発色試薬として一種類の発色試薬を用いる場合、その発色試薬は、pKaが第1発色試薬のpKaと第2発色試薬のpKaとの略中央値にあるものが好ましい。第3発色試薬として二種類以上の発色試薬を用いる場合、その各発色試薬は、pKaが互いに異なるものを選択する。この場合、第3発色試薬における各発色試薬は、それぞれのpKaが第1発色試薬のpKaと第2発色試薬のpKaとの間において、略均等間隔の値になるものが好ましい。
試薬組成物の形態例として、下記の第1形態例および第2形態例を挙げることができる。
各形態例の具体例において選択された発色試薬の個々の吸収スペクトルは、発色試薬の濃度が1.00g/kgになるよう調整した試薬を希釈用水(例えば、蒸留水。)で150倍に希釈した溶液(以下、このように調製した溶液における発色試薬の濃度を「単位発色試薬濃度」ということがある。)について測定したものである。吸収スペクトルの測定では、日立ハイテクサイエンス株式会社の分光光度計(型番:U-2910型)を用い、光路長10mmのセルを使用して測定波長範囲を350nm~800nmに設定した。各発色試薬について、塩基型は酸解離前の状態のものを意味し、酸型は酸解離後の状態のものを意味する。フェノールレッドの強酸型は、後記する二段階目の酸解離後の状態のものを意味する。
下記の第1形態例および第2形態例並びにそれぞれの具体例は、本発明の測定方法において用いられる試薬組成物を限定するものではない。
<第1形態例>
本形態例は、検水のpHを概ね4~9の範囲(この範囲は炭酸の緩衝pH領域の全体を含む。)において測定可能なものであり、次の発色試薬を含む。
◎第1発色試薬
pKaが4.1~6.0の範囲にある発色試薬から選択したものである。例えば、メチルレッド(pKa:5.1)、ブロモフェノールブルー(pKa:4.2)およびブロモクレゾールグリーン(pKa:4.7)の群から選択することができる。
◎第2発色試薬
pKaが6.5~8.5の範囲にある発色試薬から選択したものである。例えば、フェノールレッド(pKa:1.2および7.7)、ニュートラルレッド(pKa:6.7および7.4)およびクレゾールレッド(pKa:1.0および8.0)の群から選択することができる。
◎第3発色試薬
pKaが5.5~7.5の範囲にある発色試薬から選択したものである。例えば、ブロモクレゾールパープル(pKa:6.3)およびブロモチモールブルー(pKa:7.1)の群から選択することができる。
本形態例の具体例として、次の各発色試薬を含む試薬組成物を挙げることができる。
◎第1発色試薬
メチルレッド
pKa:5.1
吸収スペクトル:図1
◎第2発色試薬
フェノールレッド
pKa:1.2および7.7
吸収スペクトル:図2
◎第3発色試薬
ブロモクレゾールパープル
pKa:6.3
吸収スペクトル:図3
上記具体例の試薬組成物に含まれる各発色試薬について、上記ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式に基づいてpKaから求めた変色pH領域を図4に示す。図4によると、第1発色試薬であるメチルレッドはpHが概ね4~6の範囲、第2発色試薬であるフェノールレッドはpHが概ね7~9の範囲、第3発色試薬であるブロモクレゾールパープルはpHが概ね5.5~7の範囲でそれぞれ変色し得るものであることから、上記具体例の試薬組成物は、検水のpHを概ね4~9の所定範囲において測定可能である。
なお、フェノールレッドは、その存在環境のpHにより二段階で酸解離することから二つのpKaを有するものであるが、一方のpKa(7.7)が第1発色試薬として用いられるメチルレッドのpKa(5.1)および第3発色試薬として用いられるブロモクレゾールパープルのpKa(6.3)よりも大きいものであり、pHが4~9の所定範囲内での酸解離は一段階であることから、第2発色試薬として用いることができる。
<第2形態例>
本形態例は、検水のpHを概ね4~12の範囲(この範囲も炭酸の緩衝pH領域の全体を含む。)において測定可能なものであり、次の発色試薬を含む。
◎第1発色試薬
pKaが4.1~6.0の範囲にある発色試薬から選択したものである。例えば、メチルレッド(pKa:5.1)、ブロモフェノールブルー(pKa:4.2)およびブロモクレゾールグリーン(pKa:4.7)の群から選択することができる。
◎第2発色試薬
pKaが8.5~11.5の範囲にある発色試薬から選択したものである。例えば、アリザリンイエロー(pKa:11.06)およびチモールブルー(pKa:1.7および8.9)の群から選択することができる。
◎第3発色試薬
pKaが5.5~7.5の範囲にある発色試薬から選択した発色試薬Aと、pKaが7.0~9.5の範囲にある発色試薬から選択した発色試薬Bとの二種類である。但し、発色試薬Bは、発色試薬AよりもpKaが大きいものを選択する。発色試薬Aは、例えば、ブロモクレゾールパープル(pKa:6.3)およびブロモチモールブルー(pKa:7.1)の群から選択することができる。また、発色試薬Bは、例えば、フェノールレッド(pKa:1.2および7.7)、ニュートラルレッド(pKa:6.7および7.4)およびクレゾールレッド(pKa:1.0および8.0)の群から選択することができる。
本形態例の具体例として、次の各発色試薬を含む試薬組成物を挙げることができる。
◎第1発色試薬
ブロモフェノールブルー
pKa:4.2
吸収スペクトル:図5
◎第2発色試薬
アリザリンイエロー
pKa:11.06
吸収スペクトル:図6
◎第3発色試薬:次の発色試薬Aおよび発色試薬Bの二種類
発色試薬A
ブロモクレゾールパープル
pKa:6.3
吸収スペクトル:図3
発色試薬B
フェノールレッド
pKa:1.2および7.7
吸収スペクトル:図2
上記具体例の試薬組成物に含まれる各発色試薬について、上記ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式に基づいてpKaから求めた変色pH領域を図7に示す。図7によると、第1発色試薬であるブロモフェノールブルーはpHが概ね3~5の範囲、第2発色試薬であるアリザリンイエローはpHが概ね9~12の範囲でそれぞれ変色し得、また、第3発色試薬のうち発色試薬AであるブロモクレゾールパープルはpHが概ね5~7の範囲、発色試薬BであるフェノールレッドはpHが概ね7~9の範囲でそれぞれ変色し得るものであることから、上記具体例の試薬組成物は、検水のpHを概ね4~12の所定範囲において測定可能である。
なお、フェノールレッドは、既述のように二つのpKaを有するものであるが、一方のpKa(7.7)が第1発色試薬として用いられるブロモフェノールブルーのpKa(4.2)よりも大きくかつ第2発色試薬として用いられるアリザリンイエローのpKa(11.06)よりも小さいものであり、pHが4~12の所定範囲内での酸解離は一段階であることから、第3発色試薬の一つとして用いることができる。pKaを二つ有する他の発色試薬(例えば、チモールブルー、ニュートラルレッドおよびクレゾールレッド。)についても、一方のpKaが第1発色試薬、第2発色試薬または第3発色試薬としての条件を充足するものであれば、所要の発色試薬として用いることができる。
試薬組成物において、各発色試薬の配合割合は、基本的に等モルになるように設定するのが好ましいが、分解能(判定精度)を高めたいpHに近いpKaの発色試薬を多めに設定することもできる。
試薬組成物は、通常、溶媒に所要の発色試薬を溶解したものである。溶媒としては、検水に添加したときにそれ自体が発色試薬の吸光度に影響しにくいものであれば種々のものを用いることができる。例えば、蒸留水や純水などの精製水、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびプロパンジオールなどのジオール類を用いることができる。試薬組成物は、次の工程2において用いる吸光度測定用のセルに付着する汚れを抑えるために、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の各種のものを用いることができるが、非イオン性のものが好ましい。
本工程において、検水に対する試薬組成物の添加量は、予め定めた所定量に設定する。この所定量は、各発色試薬の合計量を基準とするものであり、以下、「基準添加量」ということがある。
工程2:
本工程では、工程1において試薬組成物が添加された検水について、紫外可視領域から任意に選択した特定の波長(以下、「特定波長」ということがある。)の吸光度を測定する。ここでは、特定波長の光を検水に対して照射し、検水を透過した当該光を受光することで所要の吸光度を測定する。この場合、吸光度を測定するための光源として入手が容易なものを用いることができる。例えば、発光色が異なる種々の発光ダイオード(LED)の群から特定波長の光を発色するLEDを選択して用いることができる。また、吸光度の測定では、分光光度計を用いて検水に対して紫外可視光領域の波長、通常は100nm~800nmの波長の光を照射することで吸収スペクトルを測定し、この吸収スペクトルから特定波長の吸光度を求めることもできる。
特定波長は、特に限定されるものではないが、測定対象による吸収が強い一方で波長が多少ずれても吸収が安定していること、測定対象の吸光度の変化が大きすぎるとpHの測定レンジが狭くなりやすい一方で当該変化が小さすぎるとpHの測定精度が低下しやすいことを考慮し、吸光度の変化を観測しやすい波長とするのが好ましい。
本工程では、一つの特定波長の吸光度を測定してもよいし、複数の互いに異なる特定波長の吸光度を測定してもよい。
工程3:
本工程では、工程2において測定した特定波長の吸光度に基づき、検水のpHを判定する。
工程1で試薬組成物を添加した検水についての特定波長の吸光度は、理論上、工程1で検水に添加した試薬組成物に含まれる各発色試薬について特定波長の吸光度を合算したものとして現われる。すなわち、試薬組成物を添加した検水についての特定波長の吸光度は、試薬組成物に含まれる各発色試薬の塩基型および酸型のそれぞれの特定波長の吸光度を濃度毎に積算したものになる。したがって、第1発色試薬、第2発色試薬および一種類の発色試薬からなる第3発色試薬の三種類の発色試薬を含み、各発色試薬の配合割合が判明している試薬組成物を用いると、理論上、当該試薬組成物を添加した検水についての特定波長における吸光度は、次の関係式により計算することができる。関係式における各記号の意味は表1、2に記載のとおりである。
Figure 0007260843000002
Figure 0007260843000003
表1の各吸光度は、単位発色試薬濃度に調整された該当する発色試薬の溶液についての特定波長の吸光度と試薬組成物中の該当する発色試薬の配合割合との関係(吸光度×配合割合)により定まるものである。
Figure 0007260843000004
ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式によると各発色試薬の塩基型の存在割合は検水のpHにより変動することから、各発色試薬の配合割合が判明している試薬組成物の基準添加量を検水に対して注入したときの当該検水における特定波長の吸光度は、上記関係式に基づいて検水のpH毎に予測することができる。そこで、工程1で用いる試薬組成物に応じて検水のpH毎における特定波長の吸光度を予測しておくと、その予測結果と工程2において実際に測定した特定波長の吸光度とを照合することで、検水のpHを判定することができる。
工程2において複数の互いに異なる特定波長、例えば、二種類から五種類の吸光度を測定した場合、試薬組成物を添加した検水のpHと各特定波長の吸光度との相関関係を上記関係式およびヘンダーソン・ハッセルバルヒの式に照らして予め分析しておくと、本工程において検水のpHをより高精度に判定することができる。例えば、第1形態例に係る試薬組成物、すなわち、第1発色試薬、第2発色試薬および一種類の発色試薬からなる第3発色試薬の三種類の発色試薬を含み、各発色試薬の配合割合が判明している試薬組成物を用いる場合、当該試薬組成物を添加した検水についての三種類の特定波長の吸光度、すなわちλ1、λ2およびλ3の三種類の特定波長(但し、λ1<λ2<λ3。)の吸光度は、先の関係式に照らし、検水中における各発色試薬の塩基型および酸型の存在割合との間に次の式(1)、式(2)および式(3)の三種類の関係式が成立する。式(1)~(3)における各記号の意味は表3、4に記載のとおりである。
Figure 0007260843000005
Figure 0007260843000006
表3の各吸光度は、単位発色試薬濃度に調整された該当する発色試薬の溶液についての該当する特定波長の吸光度と試薬組成物中の該当する発色試薬の配合割合との関係(吸光度×配合割合)により定まるものである。
Figure 0007260843000007
この例では、式(1)、(2)および(3)並びにヘンダーソン・ハッセルバルヒの式に照らしてλ1、λ2およびλ3の三種類の特定波長と試薬組成物を添加した検水のpHとの相関関係を予め分析しておくと、その分析結果に従い、工程2におけるλ1、λ2およびλ3の三種類の波長の吸光度の測定結果に基づいて検水のpHを判定することができる。
特に、この例のように三種類以上の複数種類の特定波長の吸光度を測定する場合においては、一つの特定波長の吸光度を分母とするとともに他の特定波長のそれぞれについての吸光度を個別に分子とする吸光度比を求め、これらの吸光度比と検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って検水のpHを判定することができる。この場合、工程1での検水に対する試薬組成物の添加量が基準添加量から変動しても、本工程において検水のpHについての信頼性の高い判定結果を得ることができる。
例えば、上記例のように三種類の特定波長λ1、λ2およびλ3の吸光度を測定する場合、特定波長λ1、λ2およびλ3のうち検水のpHの変動によって吸光度が最も変化しにくい特定波長(仮にλ1とする。)の吸光度を分母とするとともに他の特定波長(仮にλ2およびλ3とする。)のそれぞれについての吸光度を個別に分子とする吸光度比、すなわち、Aλ2/Aλ1(吸光度比Aという)およびAλ3/Aλ1(吸光度比Bという)と検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って検水のpHを判定する。
上述のような吸光度比を採用した相関分析結果に従って検水のpHを判定する場合、判定結果の信頼性をさらに高めることもできる。ここでは、吸光度比のそれぞれと検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って工程2での吸光度の測定結果から検水のpHを仮判定する。そして、各吸光度比に基づいて仮判定した検水のpHを比較し、吸光度比の一つに基づいて仮判定した検水のpHと他の吸光度比に基づいて仮判定した検水のpHとの差が所定値を超える場合、工程1で検水に添加した試薬組成物に調合上の不具合若しくは試薬組成物に劣化変敗が生じている可能性または試薬組成物による検水の発色に何らかの異常が生じている可能性があることから、工程3を中止する。例えば、上述の例においては、吸光度比Aと検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って工程2での吸光度の測定結果から検水のpHを仮判定するとともに、吸光度比Bと検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って工程2での吸光度の測定結果から検水のpHを仮判定し、吸光度比Aに基づいて仮判定した検水のpHと、吸光度比Bに基づいて仮判定した検水のpHとの差が所定値(例えば0.5)を超える場合は工程3を中止する。なお、pHの差の上記所定値は、期待する測定精度に応じて任意に設定可能である。
工程1において検水に添加する試薬組成物が四種類以上の発色試薬を含み、工程2において複数の特定波長の吸光度を測定する場合、上記例に倣い、各特定波長の吸光度に関わる複数種類の関係式とヘンダーソン・ハッセルバルヒの式とに照らして複数種類の特定波長の吸光度と試薬組成物を添加した検水のpHとの相関関係を予め分析しておくと、その分析結果に従い、工程2における各波長の吸光度の測定結果に基づいて検水のpHを判定することができる。
この場合、上記例に倣って吸光度比を用いて検水のpHを判定することもできる。また、吸光度比を利用することで工程3の中止の要否を判断する場合、吸光度比として三種類以上が得られることから、例えば、これらの吸光度比から二種類の吸光度比を任意に選択し、そのそれぞれに基づいて仮判定した検水のpHの差が所定値を超える場合において工程3を中止する。
本発明の測定方法は、次の工程4をさらに含むものであってもよい。
工程4:
本発明の測定方法は、検水に対して試薬組成物を添加するものであることから、検水そのもののpHを測定できるものではなく、添加された試薬組成物を含む検水のpHを測定することになる。試薬組成物に含まれる各発色試薬は、酸解離により発色するものであることから、検水中へ放出するプロトンにより検水のpHを低下方向へ変動させるよう作用し、検水の本来のpH値を変動させる可能性がある。検水のpHに対する試薬組成物の影響の程度は、検水の緩衝能により変動する。すなわち、検水は、緩衝能が高い場合(典型的には炭酸塩のような緩衝成分を含む場合。)は試薬組成物の影響によるpHの変動が生じにくいが、緩衝能が低い場合は試薬組成物の影響によりpHが変動しやすい。そこで、本発明の測定方法においては、試薬組成物の影響によるpHの変動を取り除くよう測定結果を補正するのが好ましい。
測定結果の補正では、工程1から工程3までの一連の操作を少なくとも1回繰返し(すなわち、工程1から工程3までの一連の操作を2回以上繰り返し)、各繰返し操作の工程3において検水のpHを判定する。各工程1において添加する試薬組成物は、上述のように検水のpHを低下させる方向に作用することから、各繰返し操作の工程3において判定される検水のpHは、試薬組成物が段階的に添加されることで段階的に低下する。例えば、図8に模式的に示すように、検水のpHは、工程1において試薬組成物の添加量をaに設定したとき、最初の工程3において判定される値Vよりも第2回目の工程3において判定される値Vが低くなり、第3回目の工程3において判定される値Vは値Vよりもさらに低くなる。
そこで、各繰返し操作の工程3において判定した検水のpH(y)と、その判定時における検水に対する試薬組成物の累積添加量(x)とを変数とする関数(y=Fx)を設定し、当該関数(y=Fx)において添加量(x)が0のときのpH(y)を前記検水のpHとして終局的に判定する。例えば、関数(y=Fx)が図8に点線で示すような線形である場合、添加量(x)が0のときのpH値であるVcを検水そのもののpH値と判定する。
検水の緩衝能は、上記補正操作において、各繰返し操作時の工程3で判定した検水のpHの変化状況に照らして評価することができる。この変化状況は、上記関数(y=Fx)に照らして定量的に判定可能である。ここで、検水の緩衝能が小さいと判断される場合、検水のpHは工程3毎の変動が比較的顕著であることから、上記関数(y=Fx)による補正が容易であるが、検水の緩衝能が大きいと判断される場合、検水のpHは工程3毎の変動が隠微であることから、上記関数(y=Fx)による適正な補正が困難になる可能性がある。
そこで、検水の緩衝能が大きいと判断される場合、特に、上記関数(y=Fx)に照らして判断される緩衝能が任意に設定した所定値よりも大きい場合、工程1において検水に添加する試薬組成物としてアミノ酸を含むものを用いるのが好ましい。アミノ酸は、試薬組成物中の発色試薬の緩衝能を高めることができ、それによって試薬組成物を添加した検水のpH変化を助長することができる。
具体的には、検水のpHが酸性側(pHが低い)の場合、アミノ酸はそのアミノ基(-NH)にプロトン(水素イオン)が配位することで-NH に変化することから、試薬組成物を添加した検水のpHを中性方向へ高めやすくなる。一方、検水のpHがアルカリ性側(pHが高い)の場合、アミノ酸はカルボキシル基(-COOH)から放出されるプロトン(水素イオン)のために、試薬組成物を添加した検水のpHを中性方向へ低下させやすくなる。例えば、検水が炭酸(HCO)の含有により低pHの場合、炭酸から解離発生する水素イオンの一部がアミノ酸のアミノ基に配位することから、試薬組成物の添加に従って検水のpHは上昇して中性方向へ変化しやすくなる。また、検水がアンモニア(NH)の含有により高pHの場合、アンモニアが検水中で電離することで発生する水酸基イオン(OH)の一部をアミノ酸のカルボキシル基から放出されるプロトン(水素イオン)が中和することから、試薬組成物の添加に従って検水のpHは低下して中性方向へ変化しやすくなる。
利用可能なアミノ酸は、特に限定されるものではないが、通常は安価で入手が容易なグリシン、プロリンまたはアラニンを用いるのが好ましい。
工程1において検水に添加する試薬組成物は検水中で酸解離する発色試薬を含むものであることからpHが低いものであるが、発色試薬は一般に酸性下において不安定であることから、保存・保管中に分解が進行する可能性がある。そこで、試薬組成物は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機強塩基の添加により、そのpHが中性付近になるよう調整されているのが好ましい。試薬組成物は、無機強塩基の添加によりpHが中性付近に調整されると発色試薬の分解が抑えられ、検水のpHの測定結果の信頼性を高めることができる。
表5に示す組成の試薬組成物を500g調製した。この試薬組成物は、第1形態例の試薬組成物の具体例として挙げたものに相当する。
Figure 0007260843000008
試薬組成物0.75gを添加した検水100mLに対して420nm、525nmおよび590nmの波長の可視光を照射した場合を想定し、その場合に予測される各波長の可視光の吸光度を先述の式(1)、式(2)および式(3)並びにヘンダーソン・ハッセルバルヒの式に照らして算出した。ここでは、0.1刻みで1~10の範囲においてpHが異なる検水について、上記各波長の可視光の吸光度を算出した。
算出した各波長の吸光度から、検水のpH値と吸光度比(525nm/420nm)との関係、および、検水のpH値と吸光度比(590nm/420nm)との関係を求めた。結果を表6-1~表6-4に示す。また、両吸光度比と検水のpH値との関係をプロットすることで検水のpH判定用グラフを作成した。結果を図9に示す。
Figure 0007260843000009
Figure 0007260843000010
Figure 0007260843000011
Figure 0007260843000012
表7に示すpH値に調整された検証用水を調製した。各検証用水のpHは、株式会社堀場製作所製のガラス電極(型番:9625-10D)を用いて確認したものである。各検証用水100mLのそれぞれについて、試薬組成物0.75gを添加して攪拌した後、420nm、525nmおよび590nmの波長の可視光の吸光度を測定した。そして、各検証用水について、吸光度比(525nm/420nm)および吸光度比(590nm/420nm)を求め、各吸光度比を図9のグラフに適用することでpHを判定した。結果を表7に示す。
Figure 0007260843000013

Claims (6)

  1. 検水のpHを所定範囲において測定するための方法であって、
    前記検水に対し、前記所定範囲でのpHの変動により一段階で酸解離して紫外可視領域の吸光度が変動し得る第1発色試薬と、前記所定範囲でのpHの変動により一段階で酸解離して紫外可視領域の吸光度が変動し得る、第1発色試薬よりも酸解離定数(pKa)が大きい第2発色試薬と、前記所定範囲でのpHの変動により一段階で酸解離して紫外可視領域の吸光度が変動し得る、酸解離定数(pKa)が第1発色試薬と第2発色試薬との間にある少なくとも一種類の第3発色試薬とを含みかつ第1発色試薬、第2発色試薬および第3発色試薬のいずれもが前記所定範囲での紫外可視領域の吸光度が0を超えるものである試薬組成物を添加する工程1と、
    前記試薬組成物が添加された前記検水について、紫外可視領域の任意の波長の吸光度を測定する工程2と、
    工程2において測定した吸光度に基づいて前記検水のpHを判定する工程3と、
    工程1から工程3を少なくとも1回繰返すことにより、各工程3において判定した前記検水のpH(y)と、その判定時における前記検水に対する前記試薬組成物の累積添加量(x)とを変数とする関数(y=Fx)を設定し、当該関数(y=Fx)において添加量(x)が0のときのpH(y)を前記検水のpHとして終局的に判定する工程4と、
    を含み、
    工程2において互いに異なる少なくとも三種類の複数の波長でのそれぞれの前記吸光度を測定し、複数の前記波長のうち前記検水のpHの変動によって吸光度が最も変化しにくい波長についての前記吸光度を分母とするとともに他の前記波長のそれぞれについての前記吸光度を個別に分子とする吸光度比と前記検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って工程3において前記検水のpHを判定する、
    検水のpH測定方法。
  2. 前記吸光度比のそれぞれ一つと前記検水のpHとを変数として予め求めた相関分析結果に従って工程3において前記検水のpHを前記吸光度比毎に個別に仮判定し、前記吸光度比の一つに基づいて仮判定した前記検水のpHと前記吸光度比の他の一つに基づいて仮判定した前記検水のpHとの差が所定値を超える場合は工程3を中止する、請求項1に記載の検水のpH測定方法。
  3. 前記関数(y=Fx)に基づき前記検水の緩衝能を併せて判定する、請求項1または2に記載の検水のpH測定方法。
  4. 前記検水について判定した緩衝能が所定値よりも高いとき、工程1において前記検水に添加する試薬組成物としてアミノ酸を含むものを用いる、請求項に記載の検水のpH測定方法。
  5. pHの前記所定範囲が4~9であって、
    工程1において、酸解離定数(pKa)が4.1~6.0の範囲のものから選ばれた第1発色試薬、酸解離定数(pKa)が6.5~8.5の範囲のものから選ばれた第2発色試薬、酸解離定数(pKa)が5.5~7.5の範囲のものから選ばれた一種類の第3発色試薬を含む前記試薬組成物を用い、
    工程2において、410~430nmの範囲から選択した波長、515~535nmの範囲から選択した波長および580~600nmの範囲から選択した波長の三種類の波長の吸光度を測定する、
    請求項1から4のいずれかに記載の検水のpHの測定方法。
  6. pHの前記所定範囲が4~12であって、
    工程1において、酸解離定数(pKa)が4.1~6.0の範囲のものから選ばれた第1発色試薬、酸解離定数(pKa)が8.5~11.5の範囲のものから選ばれた第2発色試薬、酸解離定数(pKa)が5.5~7.5の範囲のものから選ばれた第1種の発色試薬および酸解離定数(pKa)が7.0~9.5の範囲のものから選ばれかつ酸解離定数(pKa)が第1種の発色試薬よりも大きい第2種の発色試薬の合計二種類の第3発色試薬を含む前記試薬組成物を用い、
    工程2において、410~430nmの範囲から選択した波長、450~470nmの範囲から選択した波長、515~535nmの範囲から選択した波長および580~600nmの範囲から選択した波長の四種類の波長の吸光度を測定する、
    請求項1から4のいずれかに記載の検水のpHの測定方法。
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