JP5668936B2 - 全窒素の定量方法 - Google Patents
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Description
(1)JIS法の前処理における窒素化合物の酸化分解工程では、ペルオキソ二硫酸カリウムを添加した検査水を120℃程度の高温、高圧下で加熱処理する必要があるため、その操作において蒸気滅菌装置やオートクレーブのような耐圧反応器を用いる必要がある。このため、JIS法は、自動化を想定したとき、自動化装置の複雑化を招くことになる。また、この酸化分解工程は、検査水の加熱温度を120℃より低い温度にすると、未反応のペルオキソ二硫酸カリウムが検査水に残留することがあり、この残留したペルオキソ二硫酸カリウムが紫外吸光光度法での吸光度の測定や硝酸イオンの還元を阻害することで全窒素の測定結果に影響することがある。このため、この酸化分解工程では、検査水を長時間加熱し、余剰のペルオキソ二硫酸カリウムを分解するのが好ましいが、この場合は前処理に長時間を要することから、検査水の全窒素濃度を短時間で効率的に測定するのが困難になる。
以下の実施例等で用いた試薬および分光光度計は次のものである。
亜硝酸性窒素標準液(イオンクロマトグラフ用):和光純薬工業株式会社 コード147−06341
10重量%塩酸:和光純薬工業株式会社 コード085−07535
1mol/L塩酸:和光純薬工業株式会社 コード083−01095
10w/v%水酸化ナトリウム溶液:和光純薬工業株式会社 コード191−11555
1mol/L水酸化ナトリウム溶液:和光純薬工業株式会社 コード192−02175
0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液:上記の1mol/L水酸化ナトリウム溶液を蒸留水で5倍に希釈したもの。
0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液:上記の1mol/L水酸化ナトリウム溶液を蒸留水で10倍に希釈したもの。
1mol/L硫酸:和光純薬工業株式会社 コード198−09595
1mol/L塩化ナトリウム水溶液:和光純薬工業株式会社製の塩化ナトリウム(コード191−01665)を蒸留水に溶解して濃度調整したもの。
塩化バナジウム(III):シグマアルドリッチジャパン株式会社 コード208272
L−グルタミン酸:和光純薬工業株式会社 コード074−00505
硫酸アンモニウム:和光純薬工業株式会社 コード019−03435
ペルオキソ二硫酸カリウム:和光純薬工業株式会社 コード169−11891
水酸化ナトリウム−ペルオキソ二硫酸カリウム溶液:日本工業規格 JIS K0102「工場排水試験方法(2008)」の45.2「紫外吸光光度法」、a)試薬、4)の記載に従って調製したもの。ここで用いた水酸化ナトリウムは、和光純薬工業株式会社製の窒素測定用(コード 191−08625)であり、また、ペルオキソ二硫酸カリウムは上記のものである。
亜りん酸水素二ナトリウム五水和物:和光純薬工業株式会社 コード191−02905
次亜りん酸ナトリウム一水和物:和光純薬工業株式会社 コード193−02225
1−プロパノール:和光純薬工業株式会社 コード162−04816
ジメチルスルホキシド(試薬特級):和光純薬工業株式会社 コード043−07216
1−アミノアントラキノン:東京化成工業株式会社 コードA0590
2−ニトロアニリン:東京化成工業株式会社 コードN0118
p−ニトロアニリン:東京化成工業株式会社 コードN0119
4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム:東京化成工業株式会社 コードA0375
2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノン:東京化成工業株式会社 コードA0315
1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム:東京化成工業株式会社 コードA0279
スルファニルアミド(試薬特級):和光純薬工業株式会社 コード191−04502
ナフチルエチレンジアミン(窒素酸化物測定用):和光純薬工業株式会社 コード147−04141
分光光度計:株式会社島津製作所の商品名「UV−1600PC」
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0および12.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を用意した。亜硝酸イオン濃度が0mg[N]/Lの亜硝酸イオン溶液は蒸留水をそのまま用い、また、他の亜硝酸イオン溶液は亜硝酸性窒素標準液を蒸留水で希釈することで亜硝酸イオン濃度を調整した。
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.5mLに対し、1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液(濃度0.5g/L)1.0mL、10重量%塩酸1.15mLおよび蒸留水0.5mLを添加し、pHを0.2に設定した。ここで蒸留水を添加したのは、亜硝酸イオン溶液の量を後記する評価において吸光度を測定する検査水試料の量と一致させるためである。この亜硝酸イオン溶液を93℃で10分間加熱した後、反応液の360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図1に示す。
日本工業規格 JIS K0808 水質監視用全窒素自動計測器(2008)の6.2.4に記載された、L−グルタミン酸および硫酸アンモニウムを窒素換算濃度(mg[N]/L)で同量ずつ含む標準試料原液を調製し、これを希釈することで全窒素濃度が6.0および12.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を用意した。
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0および6.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対し、2−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.5mL、1mol/L塩酸0.4mLおよび蒸留水0.4mLを添加し、pHを0.9に設定した。ここで蒸留水を添加したのは、亜硝酸イオン溶液の量を後記する評価において吸光度を測定する検査水試料の量と一致させるためである。この亜硝酸イオン溶液を97℃で10分間加熱した後、反応液の315〜515nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図3に示す。
全窒素濃度が2.0および6.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を実施例1と同様の方法で用意した。
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0および6.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対し、p−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.4mL、1mol/L塩酸0.3mL、1mol/L硫酸と1mol/L塩化ナトリウム水溶液とを同量ずつ混合した溶媒0.3mLおよび蒸留水0.4mLを添加し、pHを0.8に設定した。ここで、硫酸と塩化ナトリウム水溶液との混合溶媒および蒸留水を添加したのは、亜硝酸イオン溶液の量を後記する評価において吸光度を測定する検査水試料の量と一致させるためである。この亜硝酸イオン溶液を93℃で10分間加熱した後、反応液の280〜480nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図5に示す。
全窒素濃度が2.0および6.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を実施例1と同様にして用意した。
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0および12.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.5mLに対し、1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.5g/L)1.0mL、塩化バナジウム(III)の10重量%塩酸溶液(塩化バナジウム(III)濃度10.0g/L)0.15mL、次亜りん酸ナトリウム一水和物の10重量%塩酸溶液(水分子を含めた次亜りん酸ナトリウム一水和物濃度5g/L)1.0mLおよび蒸留水0.5mLを添加し、pHを0.2に設定した。pHが上記のように設定された亜硝酸イオン溶液を95℃で10分間加熱した後、反応液の350〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図7に示す。
全窒素濃度が4.0および12.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を実施例1と同様にして用意した。
[参考例2A]
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0、6.0、8.0、10.0および12.0mg[N]/Lの7種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した7種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対して1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液(濃度0.2g/L)2.0mLを添加し、さらに10重量%塩酸0.5mLを添加してpHを0.6に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で15分間放置して反応させた後、反応液の282〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図9に示す。
pHを0.6に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で15分間放置して反応させた後、反応液に10w/v%水酸化ナトリウム溶液0.6mLをさらに加えてpHを12.4に調整してから吸光スペクトルを測定した点を除いて参考例2Aと同様に操作し、検量線を作成した。吸光スペクトルの測定結果を図11に示し、検量線を図12に示す。図12によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜12.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0および6.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対して2−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.5mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.2mLを添加してpHを1.2に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、反応液の240〜500nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図13に示す。
pHを1.2に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.4mLをさらに加えてpHを12.7に調整してから吸光スペクトルを測定した点を除いて参考例2Cと同様に操作し、検量線を作成した。吸光スペクトルの測定結果を図15に示し、検量線を図16に示す。図16によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜6.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、0.5、1.0、1.5および2.0mg[N]/Lの5種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した5種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対して4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウムの水溶液(濃度0.6g/L)0.2mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.2mLを添加してpHを1.1に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、この反応液について4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウムによる発色波長である370nmの吸光度を測定し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図17示す。図17によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜2.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
pHを1.1に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.4mLをさらに加えてpHを12.9に調整してから4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウムによる発色波長である370nmの吸光度を測定した点を除いて参考例2Eと同様に操作し、検量線を作成した。結果を図18に示す。図18によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜2.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、1.0、2.0、3.0、4.0および5.0mg[N]/Lの6種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した6種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対してp−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.33g/L)0.3mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.5mLを添加してpHを0.7に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、この反応液についてp−ニトロアニリンによる発色波長である380nmの吸光度を測定し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図19に示す。図19によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜5.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
pHを0.7に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.7mLをさらに加えてpHを12.8に調整してからp−ニトロアニリンによる発色波長である380nmの吸光度を測定した点を除いて参考例2Gと同様に操作し、検量線を作成した。結果を図20に示す。図20によると、この検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜5.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0、12.0および16.0mg[N]/Lの5種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
用意した5種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.5mLに対して2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.5g/L)1.5mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.2mLを添加してpHを1.3に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、この反応液について2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンによる発色波長である520nmの吸光度を測定し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図21に示す。図21によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜16.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
pHを1.3に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.5mLをさらに加えてpHを12.8に調整してから2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンによる発色波長である560nmの吸光度を測定した点を除いて参考例2Iと同様に操作し、検量線を作成した。結果を図22に示す。図22によると、作成した検量線は、いずれも、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜16.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
亜硝酸イオン濃度が0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9および1.0mg[N]/Lの11種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。そして、各亜硝酸イオン溶液に対して日本工業規格 JIS K 0102、工場排水試験方法(2008)43.1.1(非特許文献1)に規定されたナフチルエチレンジアミン吸光光度法を適用し、540nmの吸光度と亜硝酸イオン濃度との関係を調べた。結果を図23に示す。
[参考例3A]
実施例1と同様にして亜硝酸イオン濃度が12.0mg[N]/Lの亜硝酸イオン溶液を調製した。調製した亜硝酸イオン溶液を3本の試験管A、BおよびCのそれぞれに2.5mLずつ入れ、各試験管の亜硝酸イオン溶液へ1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.5g/L)1.0mLを加えた。また、10重量%塩酸を0.5mLずつ添加し、pHを0.5に設定した。そして、ブロックヒーターを用いて各試験管を下記の条件で加熱した後、360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図24に示す。なお、図24には、試験管Aについて、1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液を添加直後であって加熱前に同様の吸光スペクトルを測定した結果(ブランク)を併せて示している。
試験管B:95℃で30分間
試験管C:85℃で10分間
1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液を1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液(濃度0.5g/L)に変更した点を除いて参考例3Aと同様に操作し、360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図25に示す。なお、図25には、試験管Aについて、1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液を添加直後であって加熱前に同様の吸光スペクトルを測定した結果(ブランク)を併せて示している。
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0および12.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で調製した。調製した4種類の亜硝酸イオン溶液2.0mLを個別の試験管に入れ、各試験管を90℃のブロックヒーターに装着した。そして、各試験管へ1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムの水溶液(濃度1.0g/L)0.8mL、10重量%塩酸水溶液0.5mLおよび蒸留水0.5mLを添加し、pHを0.5に設定した。ブロックヒーターによる亜硝酸イオン溶液の加熱温度を95℃に変更して15分間反応させた後、反応液の360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図26に示す。
蒸留水0.5mLに替えて水分子を含めた次亜りん酸ナトリウム一水和物濃度を10g/Lに設定した次亜りん酸ナトリウム一水和物水溶液0.5mLを試験管へ加えた点を除いて参考例3Cと同様に操作し、反応液の360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図27に示す。
[参考例4A]
蒸留水2.5mL対してジアゾ化試薬であるp−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.15mLを添加したジアゾ化試薬水溶液を4つ用意し、このうちの3つのそれぞれに1mol/L塩酸を0.03mL、0.06mLおよび0.09mL添加することで水素イオン濃度を0.011mol/L、0.022mol/Lおよび0.033mol/Lに調整した3種類の溶液を調製した。これらの溶液を25℃で5分間放置した後、290〜480nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図28に示す。図28には、1mol/L塩酸を添加していないジアゾ化試薬水溶液のみについて同様の吸光スペクトルを測定した結果を併せて示している。
参考例4Aで用意したものと同様のジアゾ化試薬水溶液を4つ用意し、このうちの3つのそれぞれに1mol/L塩酸に替えて1mol/L水酸化ナトリウム溶液を0.03mL、0.06mLおよび0.09mL添加することでpHを7以上に調整した3種類の溶液を調整した。これらの溶液について、参考例4Aと同様の条件で放置した後に吸光スペクトルを測定した。結果を図29に示す。図29には、1mol/L水酸化ナトリウム溶液を添加していないジアゾ化試薬水溶液のみについて同様の吸光スペクトルを測定した結果を併せて示している。
参考例4Aと同様にして水素イオン濃度を調整した3種類の溶液を調製し、これらの溶液を25℃で5分間放置した。その後、それぞれの溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.15mLを添加し、pHをそれぞれ12.6、12.5および12.3に調整した3種類の溶液を調製した。これらの溶液について、参考例4Aと同様に吸光スペクトルを測定した結果を図30に示す。図30には、参考例4Aで用意したものと同じジアゾ化試薬水溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.15mLのみを添加することでpHを12.7に調整した溶液について、同様の吸光スペクトルを測定した結果を併せて示している。
参考例4Aに関する図28は、吸光スペクトルを測定した溶液の水素イオン濃度が異なることで、ジアゾ化試薬であるp−ニトロアニリンの濃度が同じであっても極大吸収波長の吸光度が異なることを示している。より具体的には、溶液の水素イオン濃度が0.011mol/L増加する毎に、極大吸収波長の吸光度は約5%低下することを示している。これに対し、参考例4Bに関する図29は、ジアゾ化試薬水溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを7以上に設定すれば、p−ニトロアニリンの濃度が同じ溶液において極大吸収波長の吸光度に大きな変化が生じないことを示している。そして、参考例4Cに関する図30は、1mol/L塩酸を添加することで水素イオン濃度を高めた溶液は、1mol/L水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを7以上に調整してから吸収スペクトルを測定すると、極大吸収波長の吸光度に殆ど変化が生じないことを示している。
濃度が6g/Lのペルオキソ二硫酸カリウム水溶液を調製し、これを3本の試験管A、BおよびCのそれぞれに2.5mLずつ取り分けた。試験管Aの水溶液は、1mol/L硫酸を1.0mL添加することでpHを1に調整した。試験管Bの水溶液は、蒸留水を1.0mL添加することでpHを7に調整した。試験管Cの水溶液は、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を1.0mL添加することでpHを12に調整した。このようにpH調整された各試験管の水溶液について、220nmの吸光度(吸光度A)を測定した。
Claims (7)
- 検査水の全窒素を定量するための方法であって、
前記検査水へペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下において加熱する工程1と、
工程1を経た前記検査水へ亜りん酸およびその塩並びに次亜りん酸およびその塩のうちの少なくとも1種を添加し、ハロゲン化物イオンが存在する酸性下において加熱する工程2と、
工程2を経た検査水に対し、塩化バナジウム(III)と、亜硝酸イオンとの反応によりジアゾニウム塩を生成可能なジアゾ化試薬とを添加し、酸性下において加熱する工程3と、
工程3を経た前記検査水について、前記ジアゾ化試薬による着色の吸光度を測定することで亜硝酸イオン濃度を測定する工程4とを含み、
前記ジアゾ化試薬として、オルト位若しくはパラ位にケトン基若しくはニトロ基を有する芳香族第一級アミン化合物を用いる、
全窒素の定量方法。 - 工程1において、前記検査水を90℃から沸騰温度までの温度で加熱する、請求項1に記載の全窒素の定量方法。
- 工程4の前に、工程3を経た前記検査水のpHが7より大きくなるよう調整する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の全窒素の定量方法。
- 工程3において、前記塩化バナジウム(III)および前記ジアゾ化試薬とともに、前記検査水に対してアルコール系化合物並びに次亜りん酸およびその塩からなる化合物群から選択された少なくとも1種の化合物をさらに添加する、請求項1から3のいずれかに記載の全窒素の定量方法。
- 前記芳香族第一級アミン化合物が1−アミノアントラキノン、2−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム、p−ニトロアニリン、2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンおよび1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムのうちの1つである、請求項1から4のいずれかに記載の全窒素の定量方法。
- 検査水の全窒素を定量するための、前記検査水の前処理方法であって、
前記検査水へペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下において加熱する工程1と、
工程1を経た前記検査水へ亜りん酸およびその塩並びに次亜りん酸およびその塩のうちの少なくとも1種を添加し、ハロゲン化物イオンが存在する酸性下において加熱する工程2と、
を含む全窒素定量のための検査水の前処理方法。 - 工程1において、前記検査水を90℃から沸騰温度までの温度で加熱する、請求項6に記載の検査水の前処理方法。
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