JP7260351B2 - 貯湯システム - Google Patents

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本発明は、貯湯システムに関するものである。
従来、貯湯システムが知られている(例えば特許文献1参照)。この貯湯システムは、熱源装置と、貯湯タンクと、湯水混合装置と、制御装置と、を備える。熱源装置は、熱を発生する装置であり、熱と電気とを併せて発生する熱電併給装置を有する。貯湯タンクは、熱源装置の排熱を回収した湯水を、内部で温度成層を形成するように貯湯する。貯湯タンクには、その貯湯タンクに貯えられている湯水を熱源装置に通流させた後で貯湯タンクに帰還させる湯水循環路が接続されている。熱電併給装置を運転させている間、熱電併給装置と貯湯タンクとの間に湯水を循環させる。貯湯タンクに貯えられている湯水は、出湯路より出湯され、給湯や風呂等の熱消費装置に消費される(特許文献1の段落[0024]~[0030]等参照)。
特開2015-175572号公報
上述した特許文献1が開示する貯湯システムにあっては、熱消費装置として給湯や風呂が想定されているが、暖房用熱媒流路に設けられる床暖房等の端末の利用が想定されていなかった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みたものであって、暖房用熱媒流路に設けられる端末において、発熱装置で回収した熱を利用可能な貯湯システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る貯湯システムは、発熱装置と、主熱媒回路と、熱回収用熱交換器と、貯湯部と、暖房用熱媒流路と、を備える。前記発熱装置は、熱を発生する。前記主熱媒回路には、主熱媒が循環する。前記熱回収用熱交換器は、前記発熱装置で発生した熱を前記主熱媒が回収するための熱交換器である。前記貯湯部は、前記主熱媒回路に設けられ回収した熱を湯として貯留する。前記暖房用熱媒流路は、暖房用熱媒が循環する。
前記貯湯システムは、バイパス流路と、熱交換器と、三方弁と、を更に備える。前記バイパス流路は、前記主熱媒回路において前記貯湯部と並列に接続される。前記熱交換器は、前記バイパス流路を通流する前記主熱媒と前記暖房用熱媒流路を通流する前記暖房用熱媒とが熱交換する。前記三方弁は、前記バイパス流路の一端と前記主熱媒回路との接続部に設けられる。
更に、請求項1に係る発明において、前記貯湯システムは、戻り温度検知部と、入温度検知部と、出温度検知部と、を更に備える。前記戻り温度検知部は、前記主熱媒回路を通流する前記主熱媒の前記発熱装置への戻り温度を検知する。前記入温度検知部は、前記暖房用熱媒流路を通流する前記暖房用熱媒の前記熱交換器への入温度を検知する。前記出温度検知部は、前記暖房用熱媒流路を通流する前記暖房用熱媒の前記熱交換器からの出温度を検知する。
更に、請求項に係る発明において、前記貯湯システムは、制御部を更に備える。前記制御部は、前記戻り温度、前記入温度及び前記出温度に基づいて、前記戻り温度が発熱装置の排熱の温度よりも低い温度となるように前記三方弁の開度を調整する。
請求項1に係る発明にあっては、発熱装置で発生した熱を回収した主熱媒を、貯湯部に通流させずにバイパス流路に通流させて、熱交換器にて主熱媒と暖房用熱媒との間で熱交換をさせることができる。これにより、発熱装置で発生した熱を、貯湯部を介さずに暖房用熱媒に直接的に付与することができることになり、端末において発熱装置で回収した熱を利用可能な貯湯システムとすることができる。
更に、請求項に係る発明にあっては、主熱媒の発熱装置への戻り温度と、暖房用熱媒の熱交換器への入温度と、暖房用熱媒の熱交換器からの出温度を検知することができる。
更に、請求項に係る発明にあっては、主熱媒の戻り温度を、発熱装置の排熱の温度よりも低い温度として、発熱装置における熱の回収を確実に行うことが可能となる。
図1は、本発明の貯湯システムの一実施形態の全体構成図である。 図2は、同上の貯湯システムの制御系を示すブロック図である。
本開示は、貯湯システムに関し、更に詳しくは、発熱装置と、貯湯部と、暖房用熱媒流路と、を備える貯湯システムに関するものである。以下、本開示に係る貯湯システムの一実施形態について、図1及び図2に基づいて説明する。なお、本開示に係る貯湯システムの実施形態は、下記実施形態に限定されるものではなく、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
貯湯システム1は、発熱装置2と、主熱媒回路3と、熱回収用熱交換器4と、貯湯部5と、暖房用熱媒流路6と、を備える。
発熱装置2は、電気及び熱を発生する発電装置であり、本実施形態では、固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell、略してPEFCとする)により発熱装置2が構成される。なお、発熱装置2としては、他の種類の燃料電池であってもよいし、原動機駆動式の発電装置であってもよく、また、発電装置でなくても熱を発生する装置であれば特に限定されない。発熱装置2に発電装置を用いることで、いわゆるコージェネレーションシステムとなる。
主熱媒回路3は、発熱装置2で発生した熱を回収する熱媒(これを主熱媒とする)が循環する回路である。主熱媒回路3の途中には、ポンプ等からなる主熱媒搬送装置31と、主熱媒調整弁32とが設けられる。主熱媒回路3においては、主熱媒搬送装置31により、主熱媒の通流の実行及び停止が切り替え可能であると共に、主熱媒調整弁32により、主熱媒の通流量が調整可能である。主熱媒回路3の途中には、熱回収用熱交換器4が接続される。
熱回収用熱交換器4は、発熱装置2で発生した熱を主熱媒が回収するためのものである。熱回収用熱交換器4は、発熱装置2からの熱が可能となるように主に発熱装置2の内部又は発熱装置2に隣接して配置される。なお、熱回収用熱交換器4の設置箇所は特に限定されない。また、熱回収用熱交換器4は、主熱媒と、発熱装置2の内部を通流する別の熱媒との間で熱交換を行わせるものであってもよい。
貯湯部5は、主熱媒回路3に設けられ回収した熱を湯水として貯留する。貯湯部5は、主熱媒の湯水を給湯用の湯水として貯留する密閉型のタンクである。なお、貯湯部5において、主熱媒を給湯用の湯水として直接貯留するのではなく、主熱媒と貯留している湯水とを熱交換器(不図示)を介して熱交換させることにより、貯留している湯水を給湯用の湯水として利用するものであってもよい。
貯湯部5には、湯水供給部51が設けられる。湯水供給部51は、貯湯部5に湯水を供給するもので、本実施形態では、給水管511及び給水管511に設けられる給水弁512により構成される。給水管511の上流端は、水道等の給水源(不図示)に接続されており、給水管511の下流端は、貯湯部5の下部(下端部)に接続されている。湯水供給部51は、貯湯部5への給水の実行及び停止を切り替え可能であると共に、給水量を調整可能である。なお、湯水供給部51は、このような給水源に接続される給水管511及び給水弁512に限定されない。
また、貯湯部5には、出湯流路52が接続される。出湯流路52の上流端は、貯湯部5の上部(上端部)に接続されている。貯湯部5より出湯流路52を介して出湯された湯水は、給湯を行ったり風呂の湯張りを行ったりするのに用いられる。
図2に示すように、貯湯システム1は、貯湯制御部11を備えている。貯湯制御部11は、例えばマイクロコンピュータを有し、ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することで、各要素の動作を制御する。貯湯制御部11は、発熱装置2を制御して、発熱装置2における単位時間当たりの発熱量を調整することができる。また、貯湯制御部11は、主熱媒回路3に設けられた主熱媒搬送装置31及び主熱媒調整弁32を制御して、主熱媒回路3を通流する主熱媒の通流の実行及び停止、主熱媒の通流量を調整する。また、貯湯制御部11は、湯水供給部51の給水弁512を制御して、貯湯部5への給水の実行及び停止、給水量を調整する。
図1に示すように、暖房用熱媒流路6は、暖房用熱媒が通流する流路である。暖房用熱媒としては、温水(湯水)が利用される。暖房用熱媒流路6には、温水床暖房装置等の温水を利用する端末8が接続される。本実施形態では、暖房用熱媒流路6のうち温水が端末8へ向けて通流する往き流路601の下流端に、往きヘッダ61が設けられる。また、暖房用熱媒流路6のうちの温水が端末8から出て通流する戻り流路602の上流端に、戻りヘッダ62が設けられる。端末8は、温水が通流する内部流路80を有している。端末8の内部流路80の入端部と往きヘッダ61との間に、端末用往き流路81が接続され、端末8の内部流路80の出端部と戻りヘッダ62との間に、端末用戻り流路82が接続される。暖房用熱媒流路6、往きヘッダ61、端末用往き流路81、端末8の内部流路80、端末用戻り流路82及び戻りヘッダ62により、暖房用熱媒が循環する暖房用熱媒回路が構成される。
暖房用熱媒流路6の途中には、暖房タンク63が設けられる。暖房タンク63は、暖房用熱媒を貯留する大気開放型のタンクであり、暖房用熱媒の熱膨張を吸収するバッファとして機能する。暖房タンク63に、水道等の給水源に接続される給水管(不図示)が接続されてもよい。
暖房用熱媒流路6の途中には、ポンプ等からなる暖房用熱媒搬送装置64と、暖房用熱媒調整弁65とが設けられる。暖房用熱媒流路6においては、暖房用熱媒搬送装置64により、暖房用熱媒の通流の実行及び停止が切り替え可能であると共に、暖房用熱媒調整弁65により、暖房用熱媒の通流量が調整可能である。
暖房用熱媒流路6の途中には、補助熱源66が設けられる。補助熱源66は、本実施形態では都市ガスやプロパンガス等を燃料とするガスバーナにより構成される。なお、補助熱源66としては、他の燃焼機器や電気ヒーター等、熱を発生するものであれば特に限定されない。
図2に示すように、貯湯システム1は、暖房操作部13を備えている。暖房操作部13が操作されて、端末8の動作、停止及び各種設定を行う。暖房操作部13より入力された情報は、暖房制御部12に受信される。
貯湯システム1は、暖房制御部12を備えている。暖房制御部12は、例えばマイクロコンピュータを有し、ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することで、各要素の動作を制御する。暖房制御部12は、暖房用熱媒流路6に設けられた暖房用熱媒搬送装置64及び暖房用熱媒調整弁65を制御して、暖房用熱媒流路6を通流する暖房用熱媒の通流の実行及び停止、暖房用熱媒の通流量を調整する。また、暖房制御部12は、補助熱源66を制御して、補助熱源66における発熱量を調整する。
貯湯システム1は、貯湯制御部11と暖房制御部12との間で通信を行う通信装置(不図示)を更に備える。通信装置により、貯湯制御部11と暖房制御部12とは、無線又は有線により相互に送受信を行うことができる。このような通信装置は、従来知られている様々なものが適宜利用可能であり、特に限定されない。本実施形態では、貯湯制御部11と暖房制御部12とにより、貯湯システム1の全体の制御部10が構成される。なお、貯湯システム1が単一の制御部10を備え、単一の制御部10が貯湯システム1の全体を制御してもよい。
図1に示すように、貯湯システム1は、バイパス流路7を備える。バイパス流路7は、主熱媒回路3において貯湯部5と並列に接続される。すなわち、バイパス流路7は、主熱媒回路3のうち、主熱媒が発熱装置2から貯湯部5に向けて通流する往き流路301と、主熱媒が貯湯部5から発熱装置2に向けて通流する戻り流路302との間に跨るように接続される。
また、バイパス流路7の一端と主熱媒回路3との接続部に、三方弁72が設けられる。本実施形態では、三方弁72は、主熱媒回路3の往き流路301とバイパス流路7との接続部に設けられる。
三方弁72においては、主熱媒回路3の往き流路301を通流してきた主熱媒が、貯湯部5に向けて往き流路301の下流側を通流する流路と、バイパス流路7を通流する流路と、に切り替え可能である。また、三方弁72の開度を調整することにより、主熱媒回路3の往き流路301を通流してきた主熱媒を、往き流路301の下流側とバイパス流路7の両方に任意の比率で分流させることが可能である。三方弁72は、貯湯制御部11に制御されるが、暖房制御部12に制御されてもよく、貯湯システム1の全体の制御部10に制御されればよい。
バイパス流路7の途中には、熱交換器71が設けられる。熱交換器71は、バイパス流路7を通流する主熱媒と、暖房用熱媒流路6を通流する暖房用熱媒とが熱交換するための熱交換器である。
貯湯システム1は、戻り温度検知部14を備える。戻り温度検知部14は、主熱媒回路3の戻り流路302のうち、バイパス流路7と接続されている接続部の下流側の部分に設けられる。戻り温度検知部14は、主熱媒回路3を通流する主熱媒の発熱装置2への戻り温度を検知する。戻り温度検知部14に検知された情報は、貯湯制御部11に受信される。
貯湯システム1は、入温度検知部15を備える。入温度検知部15は、暖房用熱媒流路6における熱交換器71の上流側の部分に設けられる。入温度検知部15は、暖房用熱媒流路6を通流する暖房用熱媒の熱交換器71への入温度を検知する。入温度検知部15に検知された情報は、暖房制御部12に受信される。
貯湯システム1は、出温度検知部16を備える。出温度検知部16は、暖房用熱媒流路6における熱交換器71の下流側の部分に設けられる。出温度検知部16は、暖房用熱媒流路6を通流する暖房用熱媒の熱交換器71からの出温度を検知する。出温度検知部16に検知された情報は、暖房制御部12に受信される。
貯湯システム1の運転について説明する。使用者は、暖房操作部13を操作して、温水床暖房装置等の端末8の利用を開始する。制御部10は、発熱装置2が動作していない場合は、発熱装置2を動作させるが、発熱装置2は常に動作していることが多い。また、発熱装置2の動作に伴って、主熱媒搬送装置31及び主熱媒調整弁32も動作している。
制御部10は、暖房用熱媒搬送装置64及び暖房用熱媒調整弁65を動作させて、暖房用熱媒を暖房用熱媒流路6(暖房用熱媒回路)に通流させる。端末8の内部流路80を暖房用熱媒が通流することにより、暖房が開始される。
制御部10は、戻り温度検知部14に検知された戻り温度、入温度検知部15に検知された入温度及び出温度検知部16に検知された出温度に基づいて、戻り温度が所定範囲となるように三方弁72の開度を調整する。本実施形態では、発熱装置2がPEFCであり、排熱の温度、すなわち、主熱媒が熱を付与される対象の温度が40~60℃である。このため、戻り温度は、この40~60℃の熱の温度よりも低い温度にする必要がある。そこで、三方弁72の開度を調整する。また、制御部10は、端末8に所定の温度の暖房用熱媒が通流されるように、適宜、補助熱源66を動作させる。
上述したように、貯湯システム1は、バイパス流路7、熱交換器71及び三方弁72を備えている。これにより、発熱装置2で発生した熱を回収した主熱媒を、貯湯部5に通流させずにバイパス流路7に通流させて、熱交換器71にて主熱媒と暖房用熱媒との間で熱交換をさせることができる。この結果、発熱装置2で発生した熱を、貯湯部5を介さずに暖房用熱媒に直接的に付与することができることになり、端末8において発熱装置2で回収した熱を利用可能な貯湯システム1とすることができる。
また、制御部10が、戻り温度、入温度及び出温度に基づいて、戻り温度が所定範囲となるように三方弁72の開度を調整する。このため、主熱媒の戻り温度を、発熱装置2の排熱の温度よりも低い温度とすることができ、発熱装置2における熱の回収を確実に行うことが可能となる。
1 貯湯システム
10 制御部
14 戻り温度検知部
15 入温度検知部
16 出温度検知部
2 発熱装置
3 主熱媒回路
4 熱回収用熱交換器
5 貯湯部
6 暖房用熱媒流路
7 バイパス流路
71 熱交換器
72 三方弁

Claims (1)

  1. 熱を発生する発熱装置と、
    主熱媒が循環する主熱媒回路と、
    前記発熱装置で発生した熱を前記主熱媒が回収するための熱回収用熱交換器と、
    前記主熱媒回路に設けられ回収した熱を湯として貯留する貯湯部と、
    暖房用熱媒が循環する暖房用熱媒流路と、を備える貯湯システムであって、
    前記主熱媒回路において前記貯湯部と並列に接続されるバイパス流路と、
    前記バイパス流路を通流する前記主熱媒と前記暖房用熱媒流路を通流する前記暖房用熱媒とが熱交換する熱交換器と、
    前記バイパス流路の一端と前記主熱媒回路との接続部に設けられる三方弁と、
    前記主熱媒回路を通流する前記主熱媒の前記発熱装置への戻り温度を検知する戻り温度検知部と、
    前記暖房用熱媒流路を通流する前記暖房用熱媒の前記熱交換器への入温度を検知する入温度検知部と、
    前記暖房用熱媒流路を通流する前記暖房用熱媒の前記熱交換器からの出温度を検知する出温度検知部と、
    制御部と、を更に備え
    前記制御部は、前記戻り温度、前記入温度及び前記出温度に基づいて、前記戻り温度が前記発熱装置の排熱の温度よりも低い温度となるように前記三方弁の開度を調整す
    貯湯システム
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