JP7260305B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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本発明は、印刷装置および印刷方法に関する。さらに詳細には、本発明は、メディア(印刷媒体)に対して加飾した印刷を行う際に用いて好適な印刷装置および印刷方法に関する。
なお、本明細書ならびに本特許請求の範囲において、「メディア」には、普通紙などの紙類よりなる各種の記録媒体は勿論のこと、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)やポリエチレンテレフタラート(PET:polyethylene terephthalate)などの樹脂材料、アクリル樹脂製やABS樹脂製の板材、織物、布、アルミ、鉄あるいは木材などのような各種材料などからなる種々の媒体が含まれるものとする。
従来より、印刷装置として、インクジェット方式によりインクヘッド(インクジェットヘッド)からメディアに対してインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。
なお、本明細書および本特許請求の範囲において、「インクジェット方式」は、二値偏向方式あるいは連続偏向方式などの各種の連続方式や、サーマル方式あるいは圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む、従来より公知の各種の手法によるインクジェット技術を用いた印刷方法を意味するものとする。
ところで、こうしたインクジェットプリンタによりメディアに対して加飾した印刷を行おうとしても、一般に、加飾に用いるラメ材料や蓄光材料は粒子径が大きいため、これらをインクに混入してインクジェットヘッドからインクとともに吐出することは難しいという問題点があった。
このため、例えば、特開2015-51422号公報に開示された印刷方法のように、ラメ材料や蓄光材料などの加飾材料を用いた印刷を行うための各種の手法が種々提案されている。
この特開2015-51422号公報に開示された印刷方法は、以下のような手順により加飾した印刷を行うものである。
即ち、まず、メディアにおける印刷面の全領域にスプレーなどを用いて蓄光塗料を塗布した後に、蓄光塗料が塗布された印刷面の全領域における所定の位置にのみ、蓄光塗料の上からインクジェットプリンタなど用いてクリアーインクを塗布して硬化させる。それから、蓄光塗料が溶解し且つ硬化後のクリアーインクが溶解しないアルコール系溶剤などをメディアにかけて洗い流すなどして、クリアーインクが塗布されていない蓄光塗料を除去するというものである。
こうした特開2015-51422号公報に開示された印刷方法によれば、メディアにおける印刷面上の所望の位置に選択的に蓄光塗料によって発光する箇所を形成して加飾した印刷を行うことができるようになる。
しかしながら、上記した特開2015-51422号公報に開示された従来の印刷方法については、以下のような問題点が指摘されていた。
問題点1:メディアに蓄光塗料(加飾材料)を供給する際に、メディアにおける印刷面の形状によっては、印刷面の全領域に均一に蓄光塗料(加飾材料)を塗布することが容易ではなく作業性に劣る。
問題点2:メディアにおける印刷面の全領域に蓄光塗料(加飾材料)を塗布するために、加飾に用いられことなく廃棄されることになる蓄光塗料(加飾材料)の無駄な消費が増大する。
問題点3:メディアにおける印刷面に対して直接に蓄光塗料が塗布されるため、印刷面の状態によっては蓄光塗料(加飾材料)の定着性に劣る。
問題点4:スプレーやインクジェットプリンタなどを用いる必要があり、さらには、アルコール系溶剤などによる洗い流す処理など行う必要があるので、単一の装置内において加飾した印刷処理を完結することが困難であって作業性に劣る。
問題点5:インクが弾かれてしまって浸透しにくいような加飾材料を加飾に用いた場合には、こうした加飾材料をメディアに確実に定着することが困難である。
特開2015-51422号公報
本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、メディアに加飾材料を供給する際の作業性を向上させた印刷装置および印刷方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、加飾材料の無駄な消費を抑制することができる印刷装置および印刷方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、メディアに対する加飾材料の定着性を向上することができるようにした印刷装置および印刷方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、単一の装置内において加飾した印刷処理を完結することができるようにして作業性を向上させた印刷装置および印刷方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、インクが弾かれてしまって浸透しにくいような加飾材料を加飾に用いた場合でも、こうした加飾材料をメディアに確実に定着させることができるようにした印刷装置および印刷方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明による印刷装置および印刷方法は、加飾材料として粉末状にした加飾材料である加飾粉末を用い、メディア上の所定の位置にインクを塗布してから当該インクの定着前に当該メディア上に加飾粉末を供給し、その後に当該インクを定着させて、当該インクとともに当該加飾粉末を当該メディア上に定着するようにしたものである。
従って、本発明による印刷装置および印刷方法によれば、メディア上のインクを塗布された所定の位置にのみ加飾粉末が定着することになるので、メディア上に加飾粉末を供給する際の均一性をあまり考慮する必要がなく、メディアに加飾材料(加飾粉末)を供給する際の作業性が向上する。
また、本発明による印刷装置および印刷方法によれば、メディア上のインクを塗布された所定の位置にのみ加飾粉末が定着することになるので、メディア上に供給されて当該メディアに定着していない加飾粉末を容易に回収することができて、回収した加飾粉末は再利用することが可能となるため、加飾に用いられことなく廃棄されることになる加飾材料(加飾粉末)の無駄な消費を大幅に抑制することができる。
また、本発明による印刷装置および印刷方法によれば、加飾粉末をインクとともにメディアに定着させるため、メディアに対する加飾材料(加飾粉末)の定着性が向上する。
また、本発明による印刷装置および印刷方法によれば、自然落下などにより加飾粉末をメディア上に容易に供給することができるので、例えば、メディアに対してインクを供給るインクヘッドなどのインク供給手段と自然落下などにより加飾粉末をメディア上に供給する加飾粉末供給手段とを単一の装置内において容易に設けることができるので、単一の装置内において加飾した印刷処理を完結することが可能となり作業性が向上する。
即ち、本発明による印刷装置は、メディアとの位置関係を相対的に変化可能であるとともに、上記メディアへ向けてインクを吐出するインク吐出手段と、上記メディアとの位置関係を相対的に変化可能であるとともに、上記メディアへ向けて加飾粉末を供給する加飾粉末供給手段と、上記メディア上における加飾をする所定の位置に、上記インク吐出手段から上記インクを吐出するように制御するインク吐出制御手段と、上記インク吐出制御手段により上記インクを上記メディア上に吐出した後に、上記メディア上の上記所定の位置を含む領域に、上記加飾粉末供給手段から上記加飾粉末を供給するように制御する加飾粉末供給制御手段とを有し、上記メディア上における上記所定の位置に吐出された上記インクに上記加飾粉末を付着させてから上記インクを定着するようにしたものである。
また、本発明による印刷装置は、上記した本発明による印刷装置において、さらに、上記メディア上における上記所定の位置に吐出された上記インクに付着しなかった上記加飾粉末を回収する回収手段とを有するようにしたものである。
また、本発明による印刷装置は、上記した本発明による印刷装置において、さらに、上記紫外線を照射する紫外線照射手段とを有し、上記インクは紫外線硬化型のインクであり、上記メディア上における上記所定の位置に吐出された上記インクに上記加飾粉末を付着させて、上記紫外線照射手段により上記紫外線を照射して上記インクを硬化するようにしたものである。
また、本発明による印刷装置は、上記した本発明による印刷装置において、上記インクはクリアーインクであるようにしたものである。
また、本発明による印刷方法は、メディア上における加飾をする所定の位置にインクを塗布する第1の工程と、上記メディア上における上記所定の位置を含む領域に加飾粉末を供給する第2の工程と、上記加飾粉末を付着した上記インクを定着する第3の工程とを有するようにしたものである。
また、本発明による印刷方法は、上記した本発明による印刷方法において、さらに、上記加飾粉末を付着して定着した上記インクの上に、さらに上記インクを塗布する第4の工程とを有するようにしたものである。
また、本発明による印刷方法は、上記した本発明による印刷方法において、さらに、上記インクに付着しなかった上記加飾粉末を回収する第5の工程とを有するようにしたものである。
また、本発明による印刷方法は、上記した本発明による印刷方法において、上記インクは紫外線硬化型のインクであり、紫外線を照射して上記インクを硬化するようにしたものである。
また、本発明による印刷方法は、上記した本発明による印刷方法において、上記インクはクリアーインクであるようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、メディアに加飾材料を供給する際の作業性を向上することができるという優れた効果を奏するものである。
また、本発明は、加飾材料の無駄な消費を抑制することができるという優れた効果を奏するものである。
また、本発明は、メディアに対する加飾材料の定着性を向上することができるという優れた効果を奏するものである。
また、本発明は、単一の装置内において加飾した印刷処理を完結することができるようになり作業性を向上させることができるという優れた効果を奏するものである。
また、本発明は、インクが弾かれてしまって浸透しにくいような加飾材料を加飾に用いた場合でも、そうした加飾材料をメディアに確実に定着させることができるという優れた効果を奏するものである。
図1は、本発明の実施の形態の一例による印刷装置としてのインクジェットプリンタの構成を模式的に示す概略構成斜視説明図である。 図2は、図1に示すインクジェットプリンタのフロントカバー部材を開けた状態における構成を模式的に示すA矢視概略構成説明図である。 図3は、図1に示すインクジェットプリンタの本体部における要部の構成を模式的に示す概略構成斜視説明図である。 図4は、キャリッジ内部の構成を透視的かつ簡略化して模式的に示す概略構成斜視説明図である。 図5(a)(b)は、加飾材料供給装置の構成を模式的に示す説明図である。図5(a)は、加飾材料供給装置の全体の構成を示す斜視説明図である。図5(b)は、加飾材料供給装置におけるシャッター機構の構成および動作を示すB矢視説明図である。 図6は、本発明の実施に関連するマイクロコンピューターの機能的構成をあらわすブロック構成説明図である。 図7は、本発明の実施に関連してマイクロコンピューターが実行する印刷処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態の一例による印刷方法を模式的に示す説明図である。 図9は、本発明の実施の形態の一例による印刷方法を模式的に示す説明図である。 図10は、本発明の実施の形態の一例による印刷方法を模式的に示す説明図である。 図11は、本発明の実施の形態の一例による印刷方法を模式的に示す説明図である。 図12は、本発明の実施の形態の一例による印刷方法を模式的に示す説明図である。 図13は、本発明の実施の形態の一例による印刷方法を模式的に示す説明図である。 図14は、本発明の実施の形態の一例による印刷方法を模式的に示す説明図である。 図15は、本発明に適用可能な加飾粉末の種類と粒径の一例を示す図表である。 図16は、キャリッジの構成の他の例を透視的かつ簡略化して模式的に示す概略構成斜視説明図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による印刷装置および印刷方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
ここで、図1には、本発明の実施の形態の一例による印刷装置としてのインクジェットプリンタの構成を模式的に示す概略構成斜視説明図があらわされている。
また、図2には、図1に示すインクジェットプリンタのフロントカバー部材を開けた状態における構成を模式的に示すA矢視概略構成説明図があらわされている。
さらに、図3には、図1に示すインクジェットプリンタの本体部における要部の構成を模式的に示す概略構成斜視説明図があらわされている。
この図1乃至図3に示す本発明の実施の形態の一例による印刷装置としてのインクジェットプリンタ10は、テーブル12上に載置されたメディア14に対して、パーソナルコンピューターなどのホストコンピューター(図示せず。)から出力された画像データの信号に応じて、マイクロコンピュータ16の通常印刷制御部16b(後述する。)の制御により通常印刷(本明細書ならびに本特許請求の範囲において、「通常印刷」とは、加飾を行わない従来より周知の印刷を意味する。)を行うとともに、マイクロコンピュータ16の加飾印刷制御部16c(後述する。)の制御により加飾印刷(本明細書ならびに本特許請求の範囲において、「加飾印刷」とは、通常印刷とは異なり加飾を行う印刷を意味する。)を行う。
ここで、加飾印刷に用いる画像データも、従来より周知の通常印刷に用いる公知のフォーマットの画像データを用いることができるものであるが、本実施の形態においては、メディア14における加飾をする領域(所定の位置)にクリアーインク(クリアーインクとは、透明なインクである。後述するように、クリアーインクは加飾粉末をメディア14上に定着させるための接着剤として機能する。)を吐出するように設定されている。
こうしたインクジェットプリンタ10は、前面に開閉自在なフロントカバー部材18を備えた筐体20内に、上記したテーブル12を含む各種の機構よりなる本体部22を配設している。
また、インクジェットプリンタ10における筐体の20の一方の端部には、操作パネル24が設けられている。
本体部22は、キャリッジ26を第1の方向である主走査方向(図1ならびに図2において矢印Xで示す方向である左右方向である。)に移動させる際のガイドとなる直動レール28を備えている。
なお、図4を参照しながら後に詳述するように、キャリッジ26には、カラーインクとして紫外線硬化型インクであるシアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクおよび透明なクリアーインク(後述するように、クリアーインクは、本発明における接着剤としても機能する。)とをそれぞれ吐出するインクジェットヘッド100と、インクジェットヘッド100から吐出された紫外線硬化型インクへ紫外線を照射して硬化(定着)を促進させる紫外線照射装置102と、粉末状に形成した加飾材料である加飾粉末をメディア14上へ供給する加飾粉末供給装置104とが搭載されている。
なお、本実施の形態においては、シアンインク、マゼンダインク、イエローインクならびにブラックインクを総称して「プロセスカラーインク」と適宜に称する。
キャリッジ26は、主走査方向に延長する直動レール28に沿って、モーター(図示せず。)の駆動によってワイヤーを介して移動される。
また、本体部22においては、直動レール28の下方側位置に隣接して、直動レール28と平行に延長した空気排出口30aを備えた送風機30が配設されている。
メディア14を載置するテーブル12は、主走査方向と直交する第2の方向である副走査方向(図1において矢印Yで示す前後方向である。)に移動自在に配設された脚部32上に固定されており、脚部32はモーター(図示せず。)の駆動により副走査方向に移動される。
本体部22においては、キャリッジ26が主走査方向に移動するとともに、テーブル12が副走査方向に移動することにより、インクジェットヘッド100と紫外線照射装置102と加飾粉末供給装置104とメディア14との相対的な位置関係が変化する。
また、本体部22の底部には、加飾印刷において使用されなかった加飾粉末を回収するための回収槽34が配設されている。回収槽34の上部は、外部に開放された開口部34aとして形成されている。
さらに、本体部22の左方下部には、インクジェットヘッド100へ供給する紫外線硬化型インクを貯留したインクカートリッジ36が配設されている。
インクカートリッジ36は、シアンインクを貯留したシアンインクカートリッジ36a、マゼンダインクを貯留したマゼンダインクカートリッジ36b、イエローインクを貯留したイエローインクカートリッジ36c、ブラックインクを貯留したブラックインクカートリッジ36d、ホワイトインクを貯留したホワイトインクカートリッジ36eおよびクリアーインクを貯留したクリアーインクカートリッジ36fにより構成されている。
操作パネル24には、操作状態を表示する表示部24aの他に、動作モードとして通常印刷モードと加飾印刷モードとのいずれか一方を選択するための動作モード選択操作子24bを含む各種の動作の指示を行うための操作子などが設けられている。
こうしたインクジェットプリンタ10には、動作モード選択操作子24bなどの各種の操作子による指示に応じた動作を行なうために、インクジェットプリンタ10の全体の動作を制御するマイクロコンピューター16が搭載されている。
ここで、図4には、キャリッジ26内部の構成を透視的かつ簡略化して模式的に示す概略構成斜視説明図があらわされている。
また、図5(a)(b)には、加飾材料供給装置104の構成を模式的に示す説明図があらわされている。なお、図5(a)には加飾材料供給装置104の全体の構成を示す斜視説明図があらわされおり、図5(b)には加飾材料供給装置104におけるシャッター機構の構成および動作を示すB矢視説明図があらわされている。
上記したように、キャリッジ26内には、インクジェットヘッド100と、紫外線照射装置102と、加飾粉末供給装置104とが搭載されている。
インクジェットヘッド100は、左方側から右方側に向けて、シアンインクカートリッジ36aから供給されたシアンインクを吐出するシアンインクジェットヘッド100aと、マゼンダインクカートリッジ36bから供給されたマゼンダインクを吐出するマゼンダインクジェットヘッド100bと、イエローインクカートリッジ36cから供給されたイエローインクを吐出するイエローインクジェットヘッド100cと、ブラックインクカートリッジ36dから供給されたブラックインクを吐出するブラックインクジェットヘッド100dと、ホワイトインクカートリッジ36eから供給されたホワイトインクを吐出するホワイトインクジェットヘッド100eと、クリアーインクカートリッジ36fから供給されたクリアーインクを吐出するクリアーインクジェットヘッド100fとを順次配置して構成されている。
紫外線照射装置102は、インクジェットヘッド100の左端部側、即ち、シアンインクジェットヘッド100aに隣接して配置されている。この紫外線照射装置102により、メディア14上に吐出された紫外線硬化型インクに対し紫外線を照射することにより、紫外線硬化型インクの硬化を促進することができる。
加飾材料供給装置104は、紫外線照射装置102の左端部側に隣接して配置されている。この加飾材料供給装置104は、全体が略円筒形状を備えた本体部104aと、本体部104aの底部に配設されたシャッター機構104bとを有して構成されている。
シャッター機構104bは、図5(b)に示すように、本体部104aの底部に位置する開口部104cの大きさを予め設定された大きさに変化することができる。具体的には、シャッター機構104bは、開口部104cが最大に開口した状態(図5(b)の(i))と、開口部104cが最大に開口した状態から予め設定された任意の大きさに閉じられた状態(図5(b)の(ii))と、開口部104cが完全に閉じられた状態(図5(b)の(iii))との状態遷移の間において、開口部104cの開口を任意の大きさに変化することができる。
また、シャッター機構104bは、本体部104aの底部と接する外径部位に縁部104dを備えている。
本実施の形態においては、加飾粉末はカートリッジに貯留されており、この加飾粉末を貯留したカートリッジたる加飾粉末カートリッジ200を本体部104a内に挿入すると、加飾粉末カートリッジ200が縁部104dと当接して本体部104a内に位置決めされて配置されるように、加飾材料供給装置104と加飾粉末カートリッジ200とが寸法設定されている。
加飾粉末カートリッジ200が本体部104aに挿入されて、加飾粉末カートリッジ200が加飾材料供給装置104に位置決めされて配置されると、加飾粉末カートリッジ200の下端部が開放され、加飾粉末カートリッジ200内の加飾粉末が加飾材料供給装置104のシャッター機構104b側へ供給されるように構成されている。
ここで、図15には、本発明に適用可能な加飾粉末の種類と粒径の一例を示す図表があらわされている。
加飾粉末カートリッジ200には、この図15に示すような加飾粉末を適宜に選択して貯留する。そして、加飾材料供給装置104においては、加飾粉末カートリッジ200に貯留されている加飾粉末の粒径に応じてシャッター機構104bを作動して開口部104cの大きさを調整し、加飾粉末カートリッジ200に貯留されている加飾粉末が開口部104cから自然落下できるように設定する。
次に、図6には、本発明の実施に関連するマイクロコンピューター16の機能的構成をあらわすブロック構成説明図があらわされている。
マイクロコンピューター16は、本発明の実施に関連する機能的構成として、動作モード判定部16aと、通常印刷制御部16b、加飾印刷制御部16cとを有して構築されている。
動作モード判定部16aは、操作パネル24の動作モード選択操作子24bにより、動作モードとして通常印刷モードと加飾印刷モードとのいずれが選択されたかを判定する。
通常印刷制御部16bは、動作モード判定部16aにより通常印刷モードが選択されたと判定された場合に、画像データの信号に応じて加飾を行わない画像の印刷を行うように本体部22を制御する。
なお、画像データの信号に応じて加飾を行わない画像を印刷する処理自体については、従来より公知の技術を適用して、画像データの信号に応じて、インクジェットヘッド100を主走査方向に移動し、また、テーブル12を幅走査方向に移動することにより、インクジェットヘッド100とメディア14との相対的な位置関係を変化させながら、インクジェットヘッド100からメディア14上に紫外線硬化型インクを吐出し、メディア14上に吐出した紫外線硬化型インクに対して紫外線照射装置102により紫外線を照射し、それにより当該紫外線硬化型インクを硬化させればよいので、その詳細な説明は省略する。
加飾印刷制御部16cは、動作モード判定部16aにより加飾印刷モードが選択されたと判定された場合に、画像データの信号に応じて加飾印刷を行うように本体部22を制御する。
即ち、加飾印刷制御部16cは、後述するように、上記した通常印刷に加えて、通常印刷により印刷された画像に加飾する印刷を行うように本体部22を制御する。
以上の構成において、図7に示すフローチャートを参照しながら、本発明の実施に関連するインクジェットプリンタ10の動作について説明する。
ここで、図7には、本発明の実施に関連してマイクロコンピューターが実行する印刷処理の処理ルーチンを示すフローチャートがあらわされている。
インクジェットプリンタ10に電源が投入されると、図7のフローチャートに示す処理ルーチンが起動し、ステップS702の処理において、動作モード判定部16aにより動作モード選択操作子24bの操作状態が監視され、動作モードとして通常印刷モードと加飾印刷モードとのいずれが選択されたかが判定される。
ステップS702の判定処理において、動作モードとして通常印刷モードが選択されたと判定された場合には、ステップS704の処理へ進み、通常印刷制御部16bにより本体部22を制御して、画像データの信号に応じて加飾を行わない画像の印刷たる通常印刷を行い、当該印刷を完了するとステップS702の処理へ戻る。
より詳細には、ステップS704の処理における通常印刷処理においては、画像データの信号に応じて、インクジェットヘッド100を主走査方向に移動し、また、テーブル12を幅走査方向に移動することにより、インクジェットヘッド100とメディア14との相対的な位置関係を変化させながら、インクジェットヘッド100を構成する各色のインクジェットヘッド、即ち、シアンインクジェットヘッド100a、マゼンダインクジェットヘッド100b、イエローインクジェットヘッド100c、ブラックインクジェットヘッド100d、ホワイトインクジェットヘッド100eならびにクリアーインクジェットヘッド100fから、画像データの信号に応じてメディア14上にプロセスカラーインク、ホワイトインクあるいはクリアーインクの紫外線硬化型インクを吐出するとともに、メディア14上に吐出したプロセスカラーインク、ホワイトインクあるいはクリアーインクの紫外線硬化型インクに対して紫外線照射装置102により紫外線を照射して、それによりプロセスカラーインク、ホワイトインクあるいはクリアーインクの紫外線硬化型インクを硬化させて塗膜を形成する動作を繰り返し行って、画像データの信号に応じた画像の塗膜を形成する。
なお、上記した通常印刷処理においては、加飾材料供給装置104の開口部104cは、シャッター機構104bにより完全に閉じられた状態とされている(図5(b)の(iii)を参照する。)。
一方、ステップS702の判定処理において、動作モードとして加飾印刷モードが選択されたと判定された場合には、ステップS706の処理へ進み、加飾印刷制御部16cにより本体部22を制御して、通常印刷を行った後に当該通常印刷により印刷された画像に加飾する印刷を行い、当該印刷を完了するとステップS702の処理へ戻る。
ここで、図8乃至図14には、ステップS706における加飾印刷処理において実行される印刷方法を模式的に示す説明図があらわされている。この図8乃至図14を参照しながら、ステップS702における加飾印刷処理の印刷方法について詳細に説明する。
ステップS702における加飾印刷処理においては、まず、図8乃至図9に示すように、メディア14に対して通常印刷処理と同様な処理を行う。
即ち、画像データの信号に応じて、インクジェットヘッド100を主走査方向に移動し、また、テーブル12を幅走査方向に移動することにより、インクジェットヘッド100とメディア14との相対的な位置関係を変化させながら、インクジェットヘッド100を構成する各色のインクジェットヘッド、即ち、シアンインクジェットヘッド100a、マゼンダインクジェットヘッド100b、イエローインクジェットヘッド100c、ブラックインクジェットヘッド100d、ホワイトインクジェットヘッド100eならびにクリアーインクジェットヘッド100fから、画像データの信号に応じてメディア14上にプロセスカラーインク、ホワイトインクあるいはクリアーインクの紫外線硬化型インクPを吐出するとともに(図8を参照する。)、メディア14上に吐出したプロセスカラーインク、ホワイトインクあるいはクリアーインクの紫外線硬化型インクPに対して紫外線照射装置102により紫外線UVを照射して(図9を参照する。)、それによりプロセスカラーインク、ホワイトインクあるいはクリアーインクの紫外線硬化型インクPを硬化させて塗膜を形成する動作を繰り返し行って、画像データの信号に応じた画像の塗膜300を形成する。
次に、図10に示すように、画像データの信号に応じて、インクジェットヘッド100を主走査方向に移動し、また、テーブル12を幅走査方向に移動することにより、インクジェットヘッド100とメディア14との相対的な位置関係を変化させながら、画像データの信号に従ったメディア14(塗膜300)上における加飾をする領域(所定の位置)に、クリアーインクジェットヘッド100fからクリアーインクCLを吐出するように制御する。
なお、上記において図8乃至図10を参照しながら説明した処理の際には、加飾材料供給装置104の開口部104cは、シャッター機構104bにより完全に閉じられた状態とされている(図5(b)の(iii)を参照する。)。
次に、図11に示すように、加飾粉末カートリッジ200に貯留されている加飾粉末の粒径に応じてシャッター機構104bを作動して、加飾材料供給装置104の開口部104cの大きさを予め設定された大きさに開き(図5(b)の(i)(ii)を参照する。)、インクジェットヘッド100を主走査方向に移動し、また、テーブル12を幅走査方向に移動することにより、インクジェットヘッド100とメディア14との相対的な位置関係を変化させることにより、加飾材料供給装置104の開口部104cがクリアーインクCLを吐出したメディア14(塗膜300)上における加飾をする領域(所定の位置)を含む領域上を通過するように制御する。
これにより、加飾材料供給装置104の開口部104cから、クリアーインクCLを吐出したメディア14(塗膜300)上における加飾をする領域(所定の位置)を含む領域に、加飾粉末カートリッジ200に貯留されている加飾粉末Dが自然落下して供給され、硬化してないクリアーインクCLの上に加飾粉末Dが付着する。
次に、図12に示すように、シャッター機構104bにより加飾材料供給装置104の開口部104cを完全に閉じた状態にして(図5(b)の(iii)を参照する。)、インクジェットヘッド100を主走査方向に移動し、また、テーブル12を幅走査方向に移動することにより、インクジェットヘッド100とメディア14との相対的な位置関係を変化させながら、紫外線照射装置102により紫外線UVを照射して、それによりクリアーインクCLを硬化させ、加飾粉末DをクリアーインクCLに定着させる。
即ち、クリーアインクCL上に加飾粉末Dを自然落下させた後に、紫外線UVでクリアーインクCLを硬化すると、加飾粉末DはクリアーインクCLごと塗膜300上に定着することになる。従って、クリアーインクCLは、加飾粉末Dを塗膜300上に定着させるための接着剤として機能する。
その後に、図13に示すように、送風機30を作動させて空気排出口30aから空気を吹き出し、クリアーインクCLに付着しなかった加飾粉末Dを開口部34aから回収槽34内に収容して回収する。回収槽34内に回収した加飾粉末は、加飾印刷処理に再利用することができる。
上記した加飾印刷処理により、単一の装置たるインクジェットプリンタ10のみを用いて加飾した印刷処理を完結することができ、メディア14に対して加飾した印刷を行った結果としての成果物が得られる。
ここで、図14に示すように、クリアーインクCLにより塗膜300上に定着した加飾粉末Dを保護するために、加飾粉末Dを定着させたクリアーインクCL上に、さらにクリアーインクCLを塗布するようにしてもよい。このようにすると、作業者などが誤って加飾粉末Dを定着させたクリアーインクCLを擦ってしまったような場合でも、加飾粉末Dが剥離することを抑止することができる。
なお、上記した加飾粉末Dを保護するためのクリアーインクCLは、加飾粉末Dを定着させたクリアーインクCLの全ての領域に塗布してもよいし、その一部にのみ塗布してもよい。また、加飾粉末Dを定着させたクリアーインクCL以外の領域、即ち、塗膜300が露出している領域に塗布して、塗膜300を保護するようにしてもよいことは勿論である。
以上において説明したように、本発明の実施の形態の一例による印刷装置としてのインクジェットプリンタ10によれば、加飾したい位置にのみ加飾粉末を供給する必要がなく、また、印刷面の全体に均一に加飾粉末を供給する必要もないので、加飾粉末の供給の際の作業性を向上することができる。
また、インクジェットプリンタ10によれば、加飾印刷に用いられなかった加飾粉末を回収して再利用することができ、加飾粉末の無駄な消費を抑制することができる。
さらに、インクジェットプリンタ10によれば、クリアーインクにより加飾粉末を定着させるため、加飾粉末の定着性を向上することができる。
さらにまた、インクジェットプリンタ10によれば、単一の装置内において加飾印刷処理を完結することができるので、加飾印刷処理の作業性を著しく向上することができる。
ここで、インクジェットプリンタ10においては、シャッター機構104bにより加飾材料供給装置104の開口部104cの大きさを適宜に、例えば、30μmよりも大きく設定することにより、インクジェットヘッドでは扱うことができない、ラメなどの粒径30μmを超えるような粒径の大きな加飾粉末(図15を参照する。)を用いて加飾した印刷を行うことができる。
また、加飾材料供給装置104の開口部104cの開口径を、例えば、5mm程度の大口径に設定すれば、図15の図表に示すように、シェルやフェルトなどの加飾粉末を用いて加飾した印刷を行うことができる。
一方、加飾材料供給装置104の開口部104cは開口径が、例えば、1mm程度の大きさであれば、図15の図表に示すように、ラメやホログラムなどの加飾粉末を用いるて加飾した印刷を行うことができる。
こうしたことから、開口部104cの径は開口径が、好ましくは3μm~15mm、より好ましくは10μm~5mm、さらに好ましくは10μm~3mm程度の範囲で可変可能とすることが使用上好都合である。
さらに、インクジェットプリンタ10によれば、加飾材料として加飾粉末をそのまま用いているので、インクや塗料のように溶媒と加飾材料(加飾粉末)とを混ぜる必要がないので、溶媒中において加飾材料(加飾粉末)が均一に分散しているか否かを確認する作業の必要がない。
また、インクジェットプリンタ10によれば、加飾粉末を定着させるために用いる接着剤として、従来より公知の通常印刷で用いたクリアーインクを利用することができるので作業性がよい。
また、インクジェットプリンタ10によれば、加飾材料としてインクが弾かれてしまって浸透しにくいような加飾粉末Dを加飾に用いた場合でも、加飾粉末Dの上からクリアーインクCLを塗布して当該加飾粉末Dをメディア14へ定着させるので、インクが弾かれてしまって浸透しにくいような加飾粉末Dをメディア14に確実に定着させることができる。
なお、上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(16)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、図4に示すように、キャリッジ26内にインクジェットヘッド100と紫外線照射装置102と加飾粉末供給装置104とを右から左に順番に搭載した場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、図16に示すように、インクジェットヘッド100の左右両側に紫外線照射装置102をそれぞれ配設するようにしてもよく、紫外線照射装置102は任意の数を適宜の箇所に配設してよい。また、インクジェットヘッド100と紫外線照射装置102と加飾粉末供給装置104とを配置する順番についても、図4に示す例に限られるものではなく、例えば、図16に示すように、インクジェットヘッド100と紫外線照射装置102と間に加飾粉末供給装置104を配置するようにしてもよい。また、加飾粉末供給装置104の形状についても、図5に示した略円筒形状に限られるものではなく、例えば、図16に示すように、箱形形状(中空の長方体形状)を備えるようにしてもよく、加飾粉末供給装置104の形状は任意の形状を選択してよい。
(2)上記した実施の形態においては、加飾粉末供給装置104を1個配設した場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、加飾粉末供給装置104は任意の数を配設するようにしてよい。加飾粉末供給装置104を複数配設した場合に、それぞれの加飾粉末供給装置104にそれぞれ異なる種類の加飾粉末を供給するようにすれば、加飾粉末供給装置104に供給する加飾粉末の種類を代えることなく、複数の種類の加飾粉末による加飾印刷を行うことができる。
(3)上記した実施の形態においては、インクジェットヘッド100からシアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクおよびクリアーインク吐出するように構成したが、これに限られるものではないことは勿論である。インクジェットヘッド100から吐出するインクの色は適宜に選択するようにしてよく、カラー印刷でなく単色印刷を行うように構成してもよい。
(4)上記した実施の形態においては、インクジェットヘッド100、紫外線照射装置102および加飾粉末供給装置104をキャリッジ26に配置して、キャリッジ26の移動に伴いインクジェットヘッド100、紫外線照射装置102および加飾粉末供給装置104が一体的に移動するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、インクジェットヘッド100と紫外線照射装置102と加飾粉末供給装置104とのいずれか、あるいは、それら全てをそれぞれ分離して配設し、分離して配設したものをそれぞれ個々に別々に移動可能にしてもよい。
(5)上記した実施の形態においては、加飾粉末供給装置104に加飾粉末を供給するに際して、加飾粉末カートリッジ200によるカートリッジ方式を採用した場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、加飾粉末供給装置104へ加飾粉末を直接充填することにより、加飾粉末供給装置104に加飾粉末を供給するようにしてもよい。
(6)上記した実施の形態においては、加飾粉末供給装置104のシャッター機構104bの構成の詳細な説明は省略したが、シャッター機構104bとしては、開口径を可変することのできる従来より公知の種々のシャッター機構の構成を用いることができる。
(7)上記した実施の形態において、加飾粉末供給装置104からメディア14側への加飾粉末の供給中ならびに当該供給した加飾粉末が付着したクリアーインクの紫外線による硬化中には、加飾粉末供給装置104ならびに紫外線照射装置102とテーブル12とのZ軸方向における間隔(高さ方向距離)を、インクジェットヘッド100から紫外線硬化インクを吐出する際のZ軸方向における間隔よりも拡げるようにしてもよい。例えば、インクジェットヘッド100から紫外線硬化インクを吐出する際のテーブル12の高さよりも、テーブル12の高さを下げることにより、加飾粉末供給装置104ならびに紫外線照射装置102とテーブル12とのZ軸方向における間隔(高さ方向距離)を拡げることができる。これにより、粒径の大きな加飾粉末が、インクジェットヘッド100の下面に位置するインクジェットノズルを擦ることを確実に防止することができる。例えば、粒径が1mmの加飾粉末を用いる場合には、接着剤として機能するクリアーインクの吐出後にテーブル12を1mmほど下げ、それから加飾粉末を供給して、さらに紫外線の照射により接着剤として機能するクリアーインクを硬化させる。ここで、インクジェットプリンタ10において、加飾粉末供給装置104に供給されている加飾粉末の粒径を最初に設定しておくと、その設定した粒径に応じてシャッター機構104bが開口部104cの大きさを自動的に設定し、かつ、加飾粉末の供給中および紫外線の照射による接着剤として機能するクリアーインクの硬化中は、テーブル12が自動的に下方へ移動するようにしてもよい。なお、加飾粉末の保護のためにクリアーインクを塗布する際にも(図14を参照する。)、テーブル12を下方へ移動した状態とする。
(8)上記した実施の形態においては、加飾印刷処理として、通常印刷と同様な印刷(図8および図9を参照する。)を行った後に、加飾のための印刷(図10乃至図12を参照する。)を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、インクジェットプリンタ10とは別の印刷装置により印刷されたメディアに対して、加飾のための印刷(図10乃至図12を参照する。)のみを行うようにしてもよいし、あるいは、何も印刷されていないメディアに対して、加飾のための印刷(図10乃至図12を参照する。)のみを行うようにしてもよい。
(9)上記した実施の形態においては、接着剤として機能するインクとしてクリアーインクを用いたが、これに限られるものではないことは勿論である。接着剤として機能するインクとしては、例えば、プロセスカラーインクでもよいし、あるいは、ホワイトインクでもよく、任意の色のインクを用いればよい。なお、画像などが印刷された状態のメディアに加飾する場合には、メディアのに印刷された画像などの色彩に影響を及ぼさないようにするために、クリアーインクを用いることが好ましい。
(10)上記した実施の形態においては、インクジェットヘッド100から吐出するインクとして紫外線硬化型インクを用いたが、これに限られるものではないことは勿論である。インクジェットヘッド100から吐出するインクとしては、例えば、溶剤インクや水性インクなどを用いてもよい。インクジェットヘッド100から吐出するインクとして、紫外線硬化型インクを用いずに溶剤インクや水性インクなどを用いた場合には、インクジェットヘッド100に紫外線照射装置102を設ける必要はなく、自然乾燥や温熱乾燥などにより溶剤インクや水性インクなどを定着させればよい。
(11)上記した実施の形態においては、本発明による印刷装置として、メディアをテーブル上で移動することなく印刷を行う、所謂、フラットベッド型のインクジェットプリンタについて説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。本発明による印刷装置は、メディアを移動しながら印刷を行う、所謂、ペーパームーブ型のインクジェットプリンタとして構成してもよい。
(12)上記した実施の形態においては、加飾粉末供給装置104がシャッター機構104bを備え、シャッター機構104bの開閉動作により加飾粉末を自然落下するように構成したが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、加飾粉末供給装置がスプレーノズルを備えた噴霧器のように構成し、加飾粉末をスプレーノズルにより空気流とともに吹き付けるようにしてもよい。このスプレーノズルの開口径は、例えば、30μmよりも大きいことが好ましい。
(13)上記した実施の形態においては、加飾粉末供給装置104のシャッター機構104bが内径側に閉じるように構成したが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、シャッター機構を外径側から開くようにして構成してもよいし、あるいは、開口部を遮蔽可能なスライド部材を設け、このスライド部材の位置により開口部の大きさを可変するようにしてもよい。
(14)上記した実施の形態においては、送風機30からの空気流により不要な加飾粉末を回収槽34内に収容するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、送風機30に代えて吸引機を配設し、この吸引機の吸引力により不要な加飾粉末を回収槽に回収するようにしてもよい。あるいは、テーブル12が傾くことにより、不要な加飾粉末を回収槽内に自然落下するようにしてもよいし、また、テーブル上を移動自在なブラシ装置を配設し、このブラシ装置により不要な加飾粉末を回収槽に掃き入れるようにしてもよい。
(15)上記した実施の形態においては、接着剤として機能するクリアーインクを塗布した後に加飾粉末を供給し、接着剤として機能するクリアーインクを硬化させた後に、加飾粉末を保護するためのクリアーインクを塗布して硬化させるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、接着剤として機能するクリアーインクを塗布した後に加飾粉末を供給し、その後に加飾粉末を保護するためのクリアーインクを塗布し、それから接着剤として機能するクリアーインクと加飾粉末を保護するためのクリアーインクとを一気に硬化するようにしてもよい。
(16)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(15)に示す各種の変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。
本発明は、各種の加飾材料を用いて印刷によりメディアを加飾する際に利用することができる。
10 インクジェットプリンタ
12 テーブル
14 メディア
16 マイクロコンピュータ(インク吐出制御手段、加飾粉末供給制御手段)
16a 動作モード判定部
16b 通常印刷制御部
16c 加飾印刷制御部(インク吐出制御手段、加飾粉末供給制御手段)
18 フロントカバー部材
20 筐体
22 本体部
24 操作パネル
24a 表示部
24b 動作モード選択操作子
26 キャリッジ
28 直動レール
30 送風機(回収手段)
30a 空気排出口(回収手段)
32 脚部
34 回収槽(回収手段)
34a 開口部(回収手段)
36 インクカートリッジ
36a シアンインクカートリッジ
36b マゼンダインクカートリッジ
36c イエローインクカートリッジ
36d ブラックインクカートリッジ
36e ホワイトインクカートリッジ
36f クリアーインクカートリッジ
100 インクジェットヘッド(インク吐出手段)
100a シアンインクジェットヘッド
100b マゼンダインクジェットヘッド
100c イエローインクジェットヘッド
100d ブラックインクジェットヘッド
100e ホワイトインクジェットヘッド
100f クリアーインクジェットヘッド(インク吐出手段)
102 紫外線照射装置(紫外線照射手段)
104 加飾粉末供給装置(加飾粉末供給手段)
104a 本体部(加飾粉末供給手段)
104b シャッター機構(加飾粉末供給手段)
104c 開口部(加飾粉末供給手段)
104d 縁部(加飾粉末供給手段)
200 加飾粉末カートリッジ(加飾粉末供給手段)
300 画像の塗膜
UV 紫外線
CL クリアーインク
D 加飾粉末

Claims (7)

  1. メディアとの位置関係を相対的に変化可能であるとともに、前記メディアへ向けてインクジェットインクを吐出するインク吐出手段と、
    前記メディアとの位置関係を相対的に変化可能であるとともに、前記メディアへ向けて加飾粉末を供給するための開閉可能なシャッター部を備えた加飾粉末供給手段と、
    前記メディア上における加飾をする所定の位置に、前記インク吐出手段から前記インクジェットインクを吐出するように制御するインク吐出制御手段と、
    前記インク吐出制御手段により前記インクジェットインクを前記メディア上に吐出した後に、前記メディア上の前記所定の位置を含む領域に、前記加飾粉末供給手段の前記シャッター部を開閉させることで前記加飾粉末を供給するように制御する加飾粉末供給制御手段と
    を有し、
    前記メディア上における前記所定の位置に吐出された前記インクジェットインクに前記加飾粉末を付着させてから前記インクジェットインクを定着する
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、さらに、
    前記メディア上における前記所定の位置に吐出された前記インクジェットインクに付着しなかった前記加飾粉末を回収する回収手段と
    を有することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記インクジェットインクは紫外線硬化型のインクジェットインクであり、紫外線を照射して前記インクジェットインクを硬化する紫外線照射手段と
    を有することを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1、2または3のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記インクジェットインクはクリアーインクである
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. メディア上を移動するキャリッジに搭載されたインクジェットヘッドにより、前記メディア上における加飾をする所定の位置にインクジェットインクを塗布する第1の工程と、
    前記メディア上における前記所定の位置を含む領域に、前記キャリッジに搭載されるとともに前記メディアへ向けて加飾粉末を供給するための開閉可能なシャッター部を備えた加飾粉末供給手段から前記加飾粉末を供給する第2の工程と、
    前記加飾粉末を付着した前記インクジェットインクを定着する第3の工程と、
    前記加飾粉末を付着して定着した前記インクジェットインクの上に、さらに前記インクジェットインクを塗布する第4の工程と、
    前記インクジェットインクに付着しなかった前記加飾粉末を回収する第5の工程と
    を有することを特徴とする印刷方法。
  6. 請求項に記載の印刷方法において、
    前記インクジェットインクは紫外線硬化型のインクジェットインクであり、紫外線を照射して前記インクジェットインクを硬化する
    ことを特徴とする印刷方法。
  7. 請求項5または6のいずれか1項に記載の印刷方法において、
    前記インクジェットインクはクリアーインクである
    ことを特徴とする印刷方法。
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