JP7260040B2 - 鑑査支援装置、鑑査支援方法、鑑査支援システム - Google Patents

鑑査支援装置、鑑査支援方法、鑑査支援システム Download PDF

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Description

本発明は、処方データに基づいて調剤された薬品を鑑査する薬剤師等の業務を支援するために用いられる鑑査支援装置、及び鑑査支援方法に関する。
一般に、処方データに基づいて薬品が調剤された薬品を鑑査する薬剤師等の業務を支援するために用いられる鑑査支援装置が知られている。例えば、複数の秤量部に載置される薬品の総量に基づいて調剤内容の適否が判定される調剤鑑査システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2013-42795号公報
ところで、複数の薬品が収容されているPTPシート又はヒートシールのような第1包装材が複数まとめてアルミ包装材又は薬箱などのような第2包装材に収容された状態で患者に提供されることがある。この場合、前述の調剤鑑査システムを利用して鑑査作業を行うためには、例えば第2包装材から第1包装材を取り出して鑑査を行った後、再び第1包装材を第2包装材に収容するという作業が必要になる。
本発明の目的は、複数の薬品が収容されている第1包装材が複数まとめて第2包装材に収容されている状態でその薬品を鑑査する鑑査作業を支援することのできる鑑査支援装置及び鑑査支援方法を提供することにある。
本発明に係る鑑査支援装置は、秤量部と、前記秤量部による秤量対象の薬品を選択する選択処理部と、前記選択処理部で選択された前記薬品が複数収容されている第1包装材が複数収容されている第2包装材における前記薬品の数と前記複数の第1包装材が収容されている前記第2包装材の総重量とを取得する取得処理部と、前記秤量部による秤量結果と処方データとを照合する照合処理部と、を備える。そして、前記照合処理部が、前記取得処理部によって取得された前記薬品の数と前記第2包装材の総重量とに基づいて、前記第2包装材の総重量の整数倍の重量のうち前記秤量部の秤量値に最も近い近似重量と前記秤量部の秤量値との差が予め設定された許容範囲内である場合に前記整数倍に対応する数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数を秤量結果として前記処方データと照合可能である。
また、本発明に係る鑑査支援方法は、秤量部を備える鑑査支援装置における鑑査支援方法であって、前記秤量部による秤量対象の薬品を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択された前記薬品が複数収容されている第1包装材が複数収容されている第2包装材における前記薬品の数と前記複数の第1包装材が収容されている前記第2包装材の総重量とを取得する取得ステップと、前記秤量部による秤量結果と処方データとを照合する照合ステップとを含む。そして、前記照合ステップでは、前記取得ステップによって取得された前記薬品の数と前記第2包装材の総重量とに基づいて、前記第2包装材の総重量の整数倍の重量のうち前記秤量部の秤量値に最も近い近似重量と前記秤量部の秤量値との差が予め設定された許容範囲内である場合に前記整数倍に対応する数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数が秤量結果として前記処方データと照合される鑑査支援方法である。
また、本発明に係る鑑査支援システムは、複数の前記鑑査支援装置と前記鑑査支援装置各々と通信可能な情報処理装置とを備える。そして、前記鑑査支援装置各々は、前記照合処理部による照合で用いられる前記第1包装材又は前記第2包装材の重量の情報を予め定められたタイミングで前記情報処理装置に送信する送信処理部を備える。また、前記情報処理装置は、前記鑑査支援装置各々から取得される前記重量の情報に基づいて前記薬品ごとの前記重量の基準値を設定する重量設定処理部を備える。そして、前記鑑査支援装置各々は、前記情報処理装置から前記重量の基準値を取得可能である。
また、本発明に係る鑑査支援方法は、秤量部を備える鑑査支援装置における鑑査支援方法であって、前記秤量部による秤量対象の薬品を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択された前記薬品が複数収容されている第1包装材が複数収容されている第2包装材における前記薬品の数と前記複数の第1包装材が収容されている前記第2包装材の総重量とを取得する取得ステップと、前記秤量部による秤量結果と処方データとを照合する照合ステップと、を含み、前記照合ステップでは、前記取得ステップによって取得された前記薬品の数と前記第2包装材の総重量とに基づいて、前記第2包装材の総重量の整数倍の重量のうち前記秤量部の秤量値に最も近い近似重量と前記秤量部の秤量値との差が予め設定された許容範囲内である場合に前記整数倍に対応する数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数が秤量結果として前記処方データと照合される鑑査支援方法である。
また、本発明に係る鑑査支援装置は、秤量部と、前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値とを照合する照合処理部と、前記照合処理部による照合結果が不一致である場合にエラーを報知する報知処理部と、を備える。そして、前記報知処理部は、前記照合処理部による照合結果が予め設定された条件を満たす場合は、前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値との差が前記薬品ごとに予め設定された誤差範囲内である場合に前記エラーを報知せず、前記誤差範囲を超える場合にエラーを報知する。
本発明によれば、複数の薬品が収容されている第1包装材が複数まとめて第2包装材に収容されている状態でその薬品を鑑査する鑑査作業を支援することのできる鑑査支援装置及び鑑査支援方法が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の構成を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の構成を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の構成を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の構成を示す図である。 図6は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の構成を示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置で実行される鑑査支援処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図9は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図10は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置で実行される秤量鑑査処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図14は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置のマスターメンテナンス画面の一例を示す図である。 図15は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図16は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図17は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図18は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図19は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図20は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図21は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図22は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図23は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図24は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図25は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図26は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図27は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図28は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図29は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置で実行されるマスター更新処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図30は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置で実行される事前鑑査制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図31は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置で実行される事前鑑査制御処理における印刷結果の一例を示す図である。 図32は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置で実行される事前鑑査適用処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図33は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図34は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。 図35は、本発明の実施形態に係る鑑査支援装置の表示画面の一例を示す図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[医療システム1]
図1に示すように、医療システム1は、鑑査支援装置100、調剤支援システム200及びレセプトシステム300などを備える。前記鑑査支援装置100、前記調剤支援システム200、及び前記レセプトシステム300は、LAN又はインターネット等のネットワークN1を介して通信可能に接続される。なお、前記医療システム1には、前記鑑査支援装置100が複数接続可能である。
[調剤支援システム200]
前記調剤支援システム200は、電子カルテシステム又は処方オーダーシステムなどの上位システムから処方データを受信する。前記処方データには、例えば患者ID、患者氏名、性別、年齢、病棟、担当医師、担当薬剤師などの基本情報、及び患者に処方する薬品の種類(薬品名称、薬品ID、YJコード、GS1コードなど)、用量、用法、服用開始日、服用期間、及び服用終了日などの薬品情報が含まれる。そして、前記調剤支援システム200は、前記処方データに基づいて、錠剤分包機及び散薬分包機などの調剤機器で使用される調剤データを生成し、前記調剤機器に送信する。前記錠剤分包機は、1種類又は複数種類の錠剤を服用時期ごとに分包紙に分包することが可能であり、前記散薬分包機は、1種類又は複数種類の散薬を服用時期ごとに分包紙に分包することが可能である。また、錠剤及び散薬を同一の分包紙に分包することが可能な前記錠剤分包機又は前記散薬分包機も知られている。なお、分包紙は透明又は半透明な材料で形成されており、前記分包紙の内部に収容された薬品は外部から視認可能である。また、前記錠剤分包機又は前記散薬分包機は、前記分包紙に患者名、服用時期、及び薬品名などを記載する分包プリンターなども備える。
ここで、前記調剤支援システム200は、前記処方データを予め設定された記憶装置に共有可能な状態で記憶する。これにより、前記鑑査支援装置100は、前記調剤支援システム200の前記記憶装置から前記処方データを取得することが可能である。また、前記調剤支援システム200から前記鑑査支援装置100に能動的に前記処方データが送信されることも考えられる。前記調剤支援システム200から取得される前記処方データは、例えば前記調剤支援システムで編集されたオリジナルフォーマット形式のデータであってもよい。なお、前記鑑査支援装置100が取得する前記処方データは、前記調剤支援システム200が前記上位システムから取得した処方データに限らず、前記調剤支援システム200において前記処方データに基づいて生成された前記調剤データであってもよい。
[レセプトシステム300]
前記レセプトシステム300は、電子カルテシステム又は処方オーダーシステムなどの上位システムから診療内容及び処方データなどの診療データを受信する。そして、前記レセプトシステム300は、前記診療データに基づく医療費の計算及び請求書の発行などのレセプト業務を支援するために用いられる。
ここで、前記レセプトシステム300は、前記処方データを予め設定された記憶装置に共有可能な状態で記憶する。これにより、前記鑑査支援装置100は、前記レセプトシステム300の前記記憶装置から前記処方データを取得することが可能である。また、前記レセプトシステム300から前記鑑査支援装置100に能動的に前記処方データが送信されることも考えられる。前記レセプトシステム300から取得される前記処方データは、例えばNSIPS仕様で定められたテキストファイルフォーマットである。
[鑑査支援装置100]
図1及び図2に示すように、前記鑑査支援装置100は、制御部10、表示部20、操作部30、記憶部40、秤量装置50、情報読取部60、及び撮影部70などを備える。前記鑑査支援装置100は、病院、老健施設、又は薬局などの医療機関において、前記処方データに基づいて調剤された薬品の最終鑑査を行う薬剤師等の医療従事者の業務を支援するために用いられる。なお、前記秤量装置50、前記情報読取部60、及び前記撮影部70は、例えばUSB、RS232C、又はBluetooth(登録商標)などの通信規格に従って前記制御部10と通信可能に接続される。
本実施形態において、前記鑑査支援装置100は、前記制御部10、前記表示部20、前記操作部30、及び前記記憶部40を含むタブレット端末80を備える。これにより、前記鑑査支援装置100の小型化を図ることができる。なお、前記鑑査支援装置100が、前記制御部10、前記表示部20、前記操作部30、及び前記記憶部40を個別に備える構成も他の実施形態として考えられる。
前記鑑査支援装置100は、不図示の電源コードにより商用交流電源に接続され、前記商用交流電源から供給される電力によって稼働する。また、前記タブレット端末80には、二次電池が内蔵されており、前記商用交流電源で充電される。そのため、前記商用交流電源が遮断された場合でも前記タブレット端末80は前記二次電池により一定時間稼働可能であり、例えば停電時のデータバックアップなどが可能である。
前記制御部10は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などを備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ及び不揮発性メモリである。
前記表示部20及び前記操作部30は、前記制御部10によって制御されることにより、ユーザーに情報を表示すると共に、ユーザーの操作を受け付けるユーザインターフェースである。前記表示部20は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどを有しており、前記操作部30は、前記表示部20に配置されるタッチパネルなどを有する。具体的に、前記鑑査支援装置100において、前記制御部10は、前記表示部20に各種の操作キーを表示させ、前記操作キーの操作を前記操作部30が有する前記タッチパネルで検出することによりユーザー操作を受け付ける。なお、前記操作部30は、マウス又はキーボードなどを含むものであってもよい。さらに、前記操作部30は、音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声操作入力部を有するものであってもよい。
また、前記鑑査支援装置100は、図2及び図3に示すように、前記鑑査支援装置100に対して開閉可能なカバー部材90を備える。具体的に、前記カバー部材90は、前記秤量装置50の一端において回動支持部91によって回動可能に支持されることにより、前記鑑査支援装置100に対して開閉可能である。そして、前記カバー部材90には、前記タブレット端末80が配置されている。このように、前記鑑査支援装置100では、前記カバー部材90に前記タブレット端末80が配置されることにより、前記鑑査支援装置100の小型化が図られている。
ここで、前記タブレット端末80は、前記表示部20の表示面が前記カバー部材90の内面側に露出する姿勢で前記カバー部材90によって支持されている。特に、前記タブレット端末80は、図3に示す前記カバー部材90の閉鎖時に、前記表示部20の表示面が前記秤量装置50に設けられている後述の秤量部51~54に対向する姿勢で前記カバー部材90によって支持されている。これにより、図2に示すように、前記カバー部材90が開かれている場合には、前記表示部20及び前記操作部30が、前記秤量装置50の秤量部51~54と対峙した状態となる。そのため、ユーザーは、前記表示部20及び前記操作部30と前記秤量装置50の秤量部51~54とを一度に見渡すことができる状態で視線を大きく動かすことなく鑑査作業を行うことができる。
前記記憶部40は、前記制御部10によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータが記憶されるソリッドステートドライブ又はフラッシュメモリ等の記憶装置である。なお、前記記憶部40は、前記制御部10に外部接続されるハードディスクドライブ等であってもよい。
前記記憶部40には、前記制御部10によって前記調剤支援システム200又は前記レセプトシステム300等から取得された前記処方データが記憶される。例えば、前記制御部10は、予め定められたタイミングで前記調剤支援システム200又は前記レセプトシステム300等の記憶装置内の共有フォルダを参照し、前記共有フォルダに未取得の処方データが存在する場合にその処方データを取得する。
また、前記記憶部40には、医薬品マスター及び患者マスター等の各種データベースが記憶されている。前記医薬品マスター及び前記患者マスターは、前記調剤支援システム200又は前記レセプトシステム300等との連動によって更新可能である。前記医薬品マスターには、薬品コード、規格量、ホストコード、薬品名称、薬品一般名称、JANコード、RSSコード、YJコード(個別医薬品コード)、GS1コード、薬瓶コード、剤形コード(散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、形態コード、劇薬・管理薬品種類(向精神薬、麻薬)、管理(車高、金庫、冷所など)、及び単位(調剤単位)などの情報が含まれる。また、前記医薬品マスターには、単位量(単一)当たりの重量(裸錠)、PTPシート1枚当たりの重量、PTP上部1錠分の耳付き重量、PTP上部1錠分の耳なし重量、PTPシート1枚当たりの個数、及び薬品画像(裸薬、包装品)のファイル名称などの情報も含まれる。なお、PTPシートは、複数の錠剤又は複数のカプセルが個別に収容される包装材である。本実施形態では、PTPシートを例に挙げて説明するが、例えば所定量の錠剤又は粉薬が予め収容されたヒートシールも包装材の一例である。一方、前記患者マスターには、患者各々の患者コード、患者氏名、生年月日、及び性別などの情報が含まれる。
なお、図14は、前記医薬品マスターを参照又は編集するためのマスターメンテナンス画面D13の一例を示す図である。前記制御部10は、ユーザー操作に応じて前記マスターメンテナンス画面D13を前記表示部20に表示させることが可能である。図14は、前記マスターメンテナンス画面D13に前記医薬品マスターが表示された状態を示している。また、前記制御部10は、ユーザー操作に応じて前記医薬品マスター及び前記患者マスターなどの内容を変更することも可能である。ところで、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の電源投入時又は省電力モードからの復帰時などに、前記表示部20及び前記操作部30を用いて入力されるユーザーID及びパスワードなどに基づいてユーザー認証を実行することにより前記鑑査支援装置100の使用者を特定することが可能である。また、前記鑑査支援装置100において、前記制御部10は、ユーザー操作などに応じて予めユーザーごとの使用権限を設定することが可能である。例えば、ユーザーごとに、「一般」、「管理者」、「保守管理者」、「応援」、「研修」、及び「テクニシャン」などの権限種類を設定することが考えられる。そして、前記制御部10は、前記使用者として特定されたユーザーに対応する前記権限種類に応じて、前記鑑査支援装置100で実行可能な処理を変更することが考えられる。例えば、前記医薬品マスターの編集を行うマスターメンテナンス、日次更新の操作、鑑査履歴の照会操作などは、前記権限種類のうち「一般」、「管理者」、又は「保守管理者」のみによって実行可能である。また、ソフトウェアの設定、ハードウェアの設定、及びマザーマスター定期更新などは、前記権限種類のうち「管理者」又は「保守管理者」のみによって実行可能である。なお、前記マザーマスターは、例えば前記鑑査支援装置100のメーカー等から提供される薬品のデータベースである。また、前記権限種類によって各処理の一部のみを実行可能とすることも考えられる。例えば、前記ハードウェアの設定について、前記権限種類のうち「管理者」は天秤校正のみが使用可能であると設定されることが考えられる。また、前記制御部10が、前記権限種類ごとではなくユーザーごとに実行可能な処理を設定可能な構成も考えられる。
さらに、前記記憶部40には、前記制御部10によって実行される鑑査支援プログラムが記憶されている。前記鑑査支援プログラムは、例えば前記ネットワークN1を介してダウンロードされ、又はディスクドライブによって記録メディアから読み出されて前記記憶部40にインストールされる。そして、前記制御部10は、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、秤量特定部11、単位重量取得部12、単位換算処理部13、照合処理部14、目視鑑査処理部15、鑑査完了通知部16、表示処理部17、及び撮影処理部18として機能する。また、前記制御部10の一部又は全部は、ASIC等の電子回路であってもよい。なお、前記制御部10が有する各処理部の動作については後段のフローチャートと共に説明する。
前記秤量装置50は、4つの秤量部51~54を備え、薬品の重量を秤量するために用いられる。前記秤量部51~54による秤量結果は、前記制御部10に入力される。以下、本実施形態では、説明の便宜上、不特定の前記秤量部51~54を示す場合に「秤量部5N」と称することがある。なお、本実施形態では、前記秤量装置50が、4つの秤量部51~54を備える構成を例に挙げて説明するが、前記秤量装置50は、少なくとも2つ以上の秤量部を備えるものであればよい。
図2、図4及び図5に示すように、前記秤量部5Nは、秤量皿55、ロードセル56、及び載置部57を備える。なお、図4は、前記秤量皿55を取り外した状態を示す図、図5は、前記秤量皿55、前記載置部57、及び前記秤量装置50の上面501を取り外した状態を示す図である。
前記秤量皿55は、前記載置部57に載置して用いられ、前記秤量皿55には、秤量対象の薬品が載置される。なお、前記秤量皿55各々は、図2に示すように、一方の対角線上の角部551と他方の対角線上の角部552との丸みの半径が異なる。具体的に、一対の前記角部551は、前記角部552に比べて半径が小さく、例えば一方の前記角部551はユーザーにより前記秤量皿55が持ち上げられる際に把持され、他方の前記角部551は前記秤量皿55上の薬品を薬袋に収容する際に前記薬袋に差し込まれる。なお、前記秤量皿55は、前記角部551及び前記角部552が同一半径の丸みを有する構成であってもよい。
また、前記秤量皿55の底面と前記載置部57の上面とのいずれか一方又は両方に、前記秤量皿55の底面と前記載置部57の上面との摩擦抵抗を高めるための滑り止め部材が設けられていることが考えられる。これにより、前記鑑査支援装置100では、前記載置部57に載置された前記秤量皿55の揺れが抑制され、前記秤量皿55を用いた秤量を安定して行うことができる。なお、前記秤量皿55に前記滑り止め部材が設けられる場合は、前記滑り止め部材は、前記秤量皿55の底面の一部又は全部に設けられる。同じく、前記載置部57に前記滑り止め部材が設けられる場合は、前記滑り止め部材は、前記載置部57の上面の一部又は全部に設けられる。さらに、前記滑り止め部材は、粘着性を有するシートであることが考えられる。これにより、前記滑り止め部材により前記秤量皿55と前記載置部57とが仮固定され、前記秤量皿55の揺れが更に抑制されるため、例えば前記秤量部5Nによる秤量が安定しない等の状況が回避される。なお、前記滑り止め部材は、後述の大皿58に設けられてもよい。
前記ロードセル56は、前記載置部57を支持しており、前記載置部57に載置される秤量対象物の重量を測定する荷重変換器である。前記鑑査支援装置100では、前記秤量皿55が前記載置部57に載置されることにより、前記秤量皿55に載置された薬品の重量が前記ロードセル56によって秤量される。前記ロードセル56としては、例えば定格容量が300g又は500gのように小さく秤量精度が高いロードセルが用いられる。なお、前記秤量皿55及び前記載置部57が一体に構成されていることも他の実施形態として考えられる。
前記載置部57は、前記ロードセル56によって支持されており、上面に前記秤量皿55が載置される。また、前記載置部57の上面には前記秤量皿55の底面を安定して載置するための凹部が形成されている。ところで、前記秤量装置50の上面501の下方において前記ロードセル56と前記載置部57とが連結され、前記載置部57に対応する大きなサイズの開口が前記上面501に形成されることも考えられる。しかしながら、この場合には、前記上面501と前記載置部57との間に幅の広い隙間が生じ、その隙間から内部に塵埃などが入りやすいという問題が生じる。これに対し、前記秤量装置50では、前記上面501の上方において前記ロードセル56と前記載置部57とが連結されており、前記上面501にはその連結箇所に対応する小さな開口が形成されている。これにより、前記秤量装置50では、前記上面501の開口から内部に塵埃などが入りにくい構造が実現される。
なお、前記秤量装置50では、前記ロードセル56による秤量結果に前記秤量皿55及び前記載置部57の重量が含まれる。そのため、前記制御部10は、前記ロードセル56を用いた秤量時に風袋引を実行し、前記ロードセル56の秤量結果から前記秤量皿55及び前記載置部57などの風袋重量を引いた値を前記秤量皿55に載置された薬品の秤量結果として取得する。なお、前記風袋重量は、前記鑑査支援装置100の出荷時に初期設定されているが、前記鑑査支援装置100でも任意のタイミングで前記風袋重量を再設定することが可能である。また、前述したように前記秤量皿55及び前記載置部57のいずれか一方又は両方に前記滑り止め部材が設けられる場合には、前記滑り止め部材の重量も前記風袋重量に含まれる。
また、図6に示すように、前記秤量装置50では、複数の前記秤量皿55に代えて前記秤量皿55よりもサイズの大きい大皿58(拡張載置部の一例)を用いて薬品の秤量を行うことが可能である。前記大皿58は、複数の前記秤量部51~54に亘って載置可能である。具体的に、前記大皿58の底面には複数の前記秤量部51~54の前記載置部57に対応する位置に凸部581が設けられている。そして、前記秤量装置50では、図4に示すように前記秤量皿55が取り外された後、図6に示すように前記大皿58の前記凸部581各々が複数の前記秤量部51~54の前記載置部57各々に載置される。これにより、例えば前記秤量部51~54の前記ロードセル56の定格容量が500gである場合、前記秤量装置50では、前記大皿58を用いることによって合計2.0kgまでの秤量が可能になる。また、前記大皿58は、複数の前記秤量皿55に代えて複数の前記秤量部51~54の前記載置部57に載置される利用形態に限らず、複数の前記秤量皿55が前記載置部57に載置されたままの状態で複数の前記秤量皿55に亘って載置されることも考えられる。これにより、ユーザーが前記秤量皿55各々を着脱する必要がないため利便性が向上する。なお、前記大皿58の前記凸部581と前記載置部57及び前記秤量皿55とは、前記大皿58が4つの前記秤量部51~54の前記載置部57又は前記秤量皿55に載置された状態で安定する形状を有する。
さらに、前記大皿58内には、前記大皿58の中心位置を示す十字部582が形成されている。これにより、前記十字部582が、前記大皿58の中心に薬品をセットするための指標になり、ユーザーに対して前記大皿58の中心に薬品をセットすることを促すことができる。さらに、前記大皿58の中心に薬品が載置されていない場合には、前記大皿58から前記秤量部51~54に作用する荷重が偏り、前記秤量部51~54のいずれかの秤量値だけが定格容量を超えることが考えられる。例えば、前記秤量部51~54各々の定格容量が200gである場合に、前記大皿58に500gの薬品が載置された場合に、前記秤量部51~54のいずれか一つ又は複数の秤量値が定格容量である200gを超えるおそれがある。そのため、前記制御部10が、前記大皿58が使用される場合には、前記秤量部51~54各々による秤量値の差が予め定められた範囲を超えた場合、即ち荷重が均等に作用していない場合には、「中心に寄せてください」のような注意メッセージを表示させることが考えられる。
また、前記十字部582が、前記秤量部51~54に均等に荷重が作用するように前記秤量部51~54の中心に前記大皿58をセットするための指標になり、ユーザーが前記大皿58を前記秤量部51~54の中心にセットしやすくなることも考えられる。なお、例えば前記秤量部51~54の中心位置を判断するための指標部が前記上面501に形成されていることも考えられ、この場合には、前記十字部582と前記指標部とを参照しつつ、前記大皿58を前記秤量部51~54の中心にセットすることがより容易となる。また、前記大皿58の内壁面には、前記大皿58の平面視における縦方向の中心位置及び横方向の中心位置を示す凹部583が形成されている。そのため、前記十字部582が前記大皿58内の薬品で隠れた場合であっても、前記凹部583を参照して前記大皿58の中心位置を推測することができ、ユーザーが前記大皿58を前記秤量部51~54の中心にセットしやすくなる。さらに、前記制御部10が、前記撮影部70によって前記大皿58が撮影された場合に、その撮影画像に含まれる前記十字部582又は前記凹部583の位置及び形状に基づいて前記大皿58の中心位置を検出することが可能である。例えば、前記制御部10は、前記大皿58の中心位置が予め定められた範囲から外れている場合に前記表示部20に警告表示を行うことが考えられる。
前記情報読取部60は、バーコード(JAN、GS1)等の一次元コード又はQRコード(登録商標)等の二次元コードのような識別情報を読取可能であり、読み取られた前記識別情報を前記制御部10に入力するバーコードリーダーである。
具体的に、前記情報読取部60は、処方データを識別するために薬袋に記載されている識別情報(以下「処方識別情報」と称する)を読み取る際に用いられる。前記処方識別情報は、前記調剤支援システム200によって前記薬袋に印刷される。例えば、前記処方識別情報には、前記処方データ及び前記処方データに含まれる同一の前記薬袋に収容されるべき同一用法単位の処方データ(以下、Rpデータと称する)を識別するための処方番号及びRp番号などが含まれる。なお、前記処方識別情報は、前記処方データ及び前記Rpデータを識別することが可能な情報であればオーダー情報などの他の情報であってもよい。
また、前記情報読取部60は、薬品を識別するために分包紙又はPTPシートなどの薬品の包装材に記載されている識別情報(以下「薬品識別情報」と称する)を読み取るためにも用いられる。前記薬品識別情報は、例えばJANコード、RSSコード、YJコード、又はGS1コードなどである。
そして、前記制御部10は、前記処方識別情報が前記薬袋から前記情報読取部60によって読み取られた場合に、前記処方識別情報に対応する処方データを前記記憶部40から取得することが可能である。また、前記制御部10は、前記薬品識別情報が前記包装材から前記情報読取部60によって読み取られた場合に、前記薬品識別情報に対応する薬品の種類を前記医薬品マスターに基づいて特定することが可能である。さらに、前記制御部10は、作業者による後述の処方表示領域A15(図8参照)における薬品の選択操作に応じて、前記医薬品マスターに予め登録されている薬品のいずれかを選択することも可能である。なお、薬品の種類には、規格量が異なる同一薬品も異なる種類の薬品として含まれる。例えば、「メマリー錠5mg」、「メマリー錠10mg」、及び「メマリー錠20mg」は、薬品名が同じであるが規格量が異なるため、それぞれ異なる種類の薬品として扱われる。
前記撮影部70は、図2に示すように、カメラ本体部710と前記カメラ本体部710を保持する保持部材720とを備える。前記カメラ本体部710は、被写体の静止画又は動画を撮影するために用いられるデジタルカメラである。前記鑑査支援装置100では、前記制御部10からの制御指示に従って前記撮影部70による画像撮影が行われ、撮影画像が前記撮影部70から前記制御部10に送信される。なお、前記撮影部70で捉えられる撮影範囲の動画情報が前記制御部10に入力され、前記制御部10によって前記動画情報から静止画が取得されることも考えられる。この場合には、前記制御部10では、前記撮影部70の撮影範囲内の状況を前記動画情報に基づいて随時判断することができる。
ここで、前記撮影部70は、前記秤量装置50の前記秤量部51~54と前記表示部20とを同時に撮影可能な位置及び向きで配置されていることが考えられる。ところで、前記撮影部70では、前記カメラ本体部710に設けられた連結部711が前記保持部材720で保持されることにより、前記カメラ本体部710が前記保持部材720で保持されている。このとき、前記保持部材720は、前記カメラ本体部710による撮影範囲を予め定められた所定範囲(例えば1mm程度)で調整可能な状態で前記カメラ本体部710を保持している。例えば、前記保持部材720は、前記カメラ本体部710の連結部711を保持する保持部を所定幅の範囲で揺動可能な揺動機構を有する。これにより、前記鑑査支援装置100では、前記保持部材720で保持されている前記カメラ本体部710の向きを微調整することにより前記撮影部70で撮影される撮影範囲を容易に調整することが可能である。また、前記撮影部70は、少なくとも前記秤量部51~54を撮影可能であればよく、前記表示部20が撮影範囲に含まれないことも他の実施形態として考えられる。さらに、前記撮影部70は、前記カバー部材90に固定されていてもよい。
なお、図2に示すように、前記撮影部70は、前記保持部材720が支持アーム71に固定されることによって前記支持アーム71に支持されており、前記支持アーム71は回動支持部72を介して支持アーム73に回動可能に連結されている。これにより、ユーザーは、前記支持アーム71を回動させて前記撮影部70の撮影範囲を微調整することも可能である。一方、前記支持アーム73は前記秤量装置50に固定されている。また、前記支持アーム73が前記秤量装置50に回動可能に支持されており、前記カバー部材90を閉じる際に前記支持アーム73を回動させてコンパクトに折り畳み可能な構成も他の実施形態として考えられる。
[鑑査支援処理]
以下、図7のフローチャートを参照しつつ、前記鑑査支援装置100において、前記制御部10が前記鑑査支援プログラムに従って実行する鑑査支援処理の手順の一例について説明する。具体的に、前記鑑査支援処理は、前記鑑査支援装置100の電源投入、又は省電力モードからの復帰により前記制御部10によって開始される。また、前記鑑査支援処理は、前記鑑査支援装置100がシャットダウンされる際、又は所定時間以上操作がなく省電力モードに移行する際に終了する。なお、前記鑑査支援装置100の電源投入時又は省電力モードからの復帰時、前記制御部10は、前記表示部20及び前記操作部30を用いたユーザーID及びパスワードなどの入力によるユーザー認証を実行することにより前記鑑査支援装置100の使用者を特定する。
<ステップS11>
まず、ステップS11において、前記制御部10は、前記表示部20に予め定められた処方鑑査画面D10を表示させる。ここに、図8は、前記処方鑑査画面D10の一例を示す図である。図8に示すように、前記処方鑑査画面D10には、未処理情報キーK11、分包紙選択キーK12、目視鑑査キーK13、大皿使用キーK14、風袋引キーK15、メニューキーK16、鑑査完了キーK17、撮影キーK18、及び画像表示キーK19などの操作キーが表示される。また、前記処方鑑査画面D10には、秤量表示領域A11~A14及び処方表示領域A15が表示される。なお、前記処方鑑査画面D10には、前記ユーザー認証によって認証されたユーザーの名称も認証者として表示される。また、前記制御部10は、例えばユーザーの名称の近傍が操作された場合に、前記ユーザー認証を再度行うための認証画面を表示させ、その後のユーザーID及びパスワードなどの入力に応じて認証者を切り替えることが可能である。
前記未処理情報キーK11は、前記処方鑑査画面D10に鑑査が完了していない未処理の処方データの一覧を表示させるための操作キーである。前記制御部10は、前記未処理情報キーK11の操作に応じて、図9に示すように、未処理の処方データの一覧が示される未処理表示領域A21を前記処方鑑査画面D10に表示させる。前記未処理表示領域A21には、未処理の処方データを識別するための情報として、処方日、患者名、総Rp数、及び引換券番号などの情報が一覧表示される。
なお、前記未処理表示領域A21には、検索操作領域A22及び詳細表示キーK21が表示されている。前記制御部10は、前記検索操作領域A22で選択された項目及び前記検索操作領域A22で入力された入力文字に応じて前記処方データを検索し、検索結果を表示させる。例えば、図9は、前記検索操作領域A22で「日付」の項目が選択され、「20131130」の文字が入力されている場合の表示例を示しており、前記未処理表示領域A21には、処方日が2013年11月30日の処方データの一覧が検索結果として表示されている。一方、前記制御部10は、前記詳細表示キーK21が操作されると、前記詳細表示キーK21が表示されている箇所の処方データについて詳細情報を表示させる。前記詳細情報には、例えば処方データに含まれる一又は複数の同一用法単位のRpデータのそれぞれの内容(薬品名称、用法、1日量など)が含まれる。なお、前記Rpデータ各々には、用法が同一であって同一の薬袋に収容される1種類又は複数種類の処方薬品の情報が含まれる。
図8に戻り、前記分包紙選択キーK12は、前記情報読取部60によって分包紙から薬品識別情報が読み取られたとき、前記薬品識別情報に予め設定された特定情報が含まれていない場合に、分包紙の秤量の際に使用する前記分包紙の種類を指定するための操作キーである。例えば、前記分包紙の種類には、セロポリ及びグラシンごとに60mm、70mm、76mm、80mm、90mmなどの10種類がある。前記制御部10は、前記分包紙選択キーK12の操作に応じて、予め登録された複数の分包紙を選択候補として表示させ、その中から選択された分包紙に対応して予め設定された重量を後述の秤量鑑査処理で使用する分包紙の重量として設定する。なお、前記特定情報は、例えば前記分包紙を用いた分包処理が実行される錠剤分包機又は散薬分包機などの調剤機器において、前記分包紙の重量が既知であり、前記薬品識別情報に含まれる分包紙1包当たりの重量又は全ての分包紙の総重量に分包紙の重量が含まれているか否かを判断するための情報である。例えば、前記特定情報は、前記錠剤分包機又は前記散薬分包機のメーカーを特定するための情報である。
前記目視鑑査キーK13は、前記処方表示領域A15に表示されている前記処方データについて目視鑑査処理を実行するための操作キーである。前記制御部10は、前記処方データに含まれる一又は複数の薬品が選択された状態で前記目視鑑査キーK13が操作された場合に、図10に示すように、前記処方表示領域A15で選択されている前記薬品各々について目視鑑査を実行するための目視鑑査画面D11を前記表示部20に表示させる。図10に示すように、前記目視鑑査画面D11には、前記薬品ごとに対応して薬品情報表示領域A31、薬品画像表示領域A32、目標値表示領域A33、及び鑑査時入力領域A34が表示されている。
具体的に、前記制御部10は、前記処方表示画面D10で選択されていた目視鑑査対象薬品の薬品名称などを処方データ又はRpデータから読み出して前記薬品情報表示領域31に表示する。また、前記制御部10は、前記目視鑑査対象薬品の薬品画像を前記医薬品マスターから読み出して前記薬品画像表示領域A32に表示する。さらに、前記制御部10は、前記目視鑑査対象薬品の目標値を処方データ又はRpデータから読み出して表示する。なお、前記制御部10は、前記鑑査時入力領域A34に入力される数値を前記目視鑑査対象薬品に対応付けて鑑査履歴として前記記憶部40に記憶させる。ここで、前記鑑査時入力領域A34に表示される「錠」、「g」、「包」、「カプセル」などの単位は、前記医薬品マスターで薬品ごとに予め設定された単位である。なお、前記目視鑑査画面D11に全ての前記目視鑑査対象薬品が表示できない場合、前記制御部10は、前記目視鑑査画面D11における左右のフリック操作、又は矢印キーの操作に応じて、前記目視鑑査対象薬品の表示をスクロールして表示させる。
そして、前記目視鑑査画面D11において、確認キーK31が操作されると、前記制御部10は、前記目視鑑査画面D11に表示中の前記目視鑑査対象薬品の目視鑑査が終了したものとして処理し、前記記憶部40に鑑査履歴として記憶する。このように、前記目視鑑査処理では、前記目視鑑査対象薬品の薬品名称、薬品画像及び目標値などの情報が前記目視鑑査画面D11に表示されるため、ユーザーは前記目視鑑査画面D11を参照して前記目視鑑査対象薬品の目視鑑査を容易に行うことができる。
また、図8に戻り、前記大皿使用キーK14は、前記大皿58を用いて前記秤量鑑査処理を実行するための操作キーである。前記制御部10は、前記大皿使用キーK14の操作に応じて、図11に示すように、前記秤量表示領域A11~A14に代えて、1つの秤量表示領域A41を前記処方鑑査画面D10に表示させる。なお、前記制御部10は、例えば前記秤量表示領域A11~A14をグレーアウトすること又は非表示にすることが考えられる。前記秤量表示領域A41には、前記秤量部51~54の全ての秤量値の合計が秤量結果として表示される。また、前記秤量表示領域A41には、後述の秤量鑑査処理において、前記大皿58を用いたときの秤量結果と前記処方データとの照合結果が表示される。これにより、前記鑑査支援装置100では、前記秤量皿55各々で秤量が困難な多量の薬品又はサイズが大きい薬品でも、前記大皿58を用いて秤量鑑査を実行することが可能である。
前記風袋引キーK15は、前記秤量装置50における前記秤量部51~54各々に対応する風袋引の風袋重量の設定値を更新する風袋引処理の開始操作に用いられる。例えば、ユーザーは、前記大皿58を使用する際に、前記大皿58を前記秤量部51~54に載置してから前記風袋引キーK15を操作する。これにより、前記制御部10は、前記秤量部51~54各々の現在の秤量値を前記秤量部51~54各々の風袋重量として設定する。従って、前記制御部10は、前記秤量部51~54で秤量される秤量値から前記風袋重量を引くことにより、前記秤量皿58に載置された薬品の重量を秤量することが可能になる。このとき、前記秤量皿55各々の上に重ねて前記大皿58が載置される場合には、風袋重量に4つの前記秤量皿55の重量も含まれることになる。なお、前記大皿58から前記秤量皿55に変更される場合にも前記風袋引キーK15が操作されて前記秤量皿55に対応する風袋重量が設定される。
前記メニューキーK16は、前記鑑査支援装置100の各種機能のメニューを表示させるための操作キーである。前記制御部10は、前記メニューキーK16の操作に応じて、初期設定、マスター登録、環境設定、ソフトウェアのバージョン更新、又は履歴照会などの操作を行うためのメニュー画面を表示させる。
前記鑑査完了キーK17は、前記鑑査支援装置100において、前記処方鑑査画面D10に現在表示されているRpデータのうち鑑査が完了していない薬品について、後述の目視鑑査処理又は秤量鑑査処理を実行することなく鑑査を終了させる際に操作される。前記制御部10は、前記鑑査完了キーK17の操作に応じて、前記処方鑑査画面D10に現在表示されているRpデータのうち鑑査が完了していない薬品についても鑑査を完了とし、その履歴を前記記憶部40に記憶した後、前記Rpデータの鑑査を終了する。これにより、薬剤師が目視により適正であると判断可能な未鑑査の薬品が残っている場合でも、前記鑑査完了キーK17を操作して表示中の前記Rpデータの鑑査を完了させることにより、鑑査業務の迅速化を図ることが可能である。なお、前記鑑査完了キーK17が操作されることにより鑑査が強制的に完了とされた場合、前記制御部10は、前記表示部20に鑑査が完了した旨を示す鑑査完了画面を表示させることが考えられる。前記鑑査完了画面では、前記Rpデータのうち後述の秤量鑑査処理で鑑査された秤量鑑査済み薬品には予め定められた第1色のチェックマークが付され、後述の目視鑑査処理で鑑査された目視鑑査済み薬品には前記第1色とは異なる予め定められ第2色のチェックマークが付される。また、前記Rpデータのうち前記秤量鑑査処理又は前記目視鑑査処理で鑑査されていない未鑑査薬品については、前記秤量鑑査済み薬品及び前記目視鑑査済み薬品と区別可能な態様(例えばチェックマークなし)で表示される。なお、前記鑑査完了画面では、前記鑑査完了画面で前記秤量鑑査済み薬品、前記目視鑑査済み、及び前記未鑑査薬品を区別することができればよく、例えば各々の背景色が異なるものであってもよい。
前記撮影キーK18は、前記撮影部70による撮影画像を記録するための操作キーである。前記制御部10は、前記撮影キーK18の操作に応じて前記撮影部70に画像の撮影を実行させる。そして、前記制御部10は、撮影画像を前記処方鑑査画面D10に現在表示されているRpデータが属する処方データに関連付けて鑑査履歴として前記記憶部40に記録する。これにより、前記制御部10は、前記記憶部40に記憶された前記撮影画像を前記処方データごとに表示させることが可能である。なお、前記制御部10が、前記撮影画像をRpデータごとに関連付けて前記記憶部40に記憶させることも他の実施形態として考えられる。また、他の使用方法として、前記鑑査支援装置100を用いた薬品の鑑査が完了した後に、ユーザーにより、その鑑査の対象であった処方データに対応する処方箋、薬袋、及び薬品が、前記秤量装置50の上面501のような前記撮影部70の撮影範囲内に載置されてから前記撮影キーK18が操作されることが考えられる。これにより、前記撮影部70により前記処方箋、前記薬袋、及び前記薬品が撮影され、その撮影画像が前記処方データに関連付けて鑑査履歴として前記記憶部40に記録されることになる。
ここに、図12は、前記鑑査支援装置100における鑑査履歴を参照するための鑑査履歴照会画面D12の一例を示す図である。前記鑑査履歴照会画面D12には、前記記憶部40に記憶されている鑑査履歴を抽出するための条件が入力可能な抽出条件表示領域A51、抽出結果を表示する一覧表示領域A52、及び前記一覧表示領域A52で選択された鑑査履歴の内容が表示される履歴内容表示領域A53が表示されている。具体的に、前記抽出条件表示領域A51では、鑑査期間(鑑査日時)、処方日、患者名、薬品名、薬剤師名、及び黄色判定有無の入力が可能である。そして、前記制御部10は、前記抽出条件表示領域A51で入力された条件に合致する鑑査履歴を前記記憶部40から読み出して前記鑑査履歴照会画面D12に一覧表示する。なお、前記履歴内容表示領域A53において、目標欄には、処方データに対応する薬品の目標値(錠、カプセル、枚などの値)が表示され、鑑査欄には、前記鑑査支援装置100で秤量された薬品の秤量値を薬品の単位に換算した換算値(錠、カプセル、枚などの値)が表示される。但し、処方薬品のうち後述の目視鑑査処理で鑑査が行われた薬品の鑑査欄には「目視」の文字が表示される。また、前記鑑査履歴照会画面D12では、前記一覧表示領域A52で選択された処方データの鑑査履歴として前記記憶部40に記憶された前記撮影部70による撮影画像のサムネイル画像が前記処方鑑査画面D10と同様に前記画像表示キーK19として表示されている。なお、前記撮影部70により前記処方箋、前記薬袋、及び前記薬品が撮影されていた場合には、その撮影画像のサムネイル画像も前記画像表示キーK19として表示される。前記制御部10は、前記画像表示キーK19の操作に応じて、前記画像表示キーK19に対応する前記撮影画像を前記鑑査履歴照会画面D12上に拡大表示させる。
また、図8に戻り、前記画像表示キーK19は、前記処方表示領域A15に表示されている処方データの鑑査履歴として前記記憶部40に記憶される前記撮影部70による撮影画像のサムネイル画像である。なお、図8及び図12では、前記画像表示キーK19の下にサムネイル画像の名称として「画像1」~「画像4」が表示されているが、サムネイル画像の名称として「Rp番号」及び「連番」が用いられることも考えられる。例えば、Rp番号が「01」である場合、一つ目の画像の名称は「01-1」、二つ目の画像の名称は「01-2」となる。また、前記制御部10は、前記画像表示キーK19の操作に応じて、前記画像表示キーK19に対応するサムネイル画像を拡大して表示させる。
前記秤量表示領域A11~A14は、前記秤量部51~54にそれぞれ対応する表示領域であり、前記秤量表示領域A11~A14には、前記秤量部51~54による秤量結果が表示される。ここで、前記表示部20において、前記秤量表示領域A11~A14は、前記秤量部51~54と同じ配列で前記表示部20に表示されている。例えば、前記秤量部51に対応する前記秤量表示領域A11は、前記秤量部51と同じく左上に配置され、前記秤量部52に対応する前記秤量表示領域A12は、前記秤量部52と同じく右上に配置されている。このように、前記制御部10は、前記秤量部51~54各々に対応する前記秤量表示領域A11~A14を前記秤量部51~54各々と同じ配列で前記表示部20に表示させる。係る表示処理は、前記制御部10の前記表示処理部17によって実行される。以下、本実施形態では、説明の便宜上、不特定の前記秤量表示領域A11~A14を示す場合に「秤量表示領域A1M」と称することがある。
前記処方表示領域A15は、患者名及び患者コードと共に、表示対象のRpデータに含まれる処方薬品の薬品名称及び薬品画像の一覧が表示される表示領域である。なお、前記医薬品マスターに薬品画像が登録されていない薬品については薬品画像に代えて「画像なし」の文字が表示される。また、前記処方表示領域A15では、前記Rpデータに含まれる処方薬品が鑑査対象として選択可能であり、選択された一又は複数の処方薬品はチェックマークが付されて選択状態となる。また、前記情報読取部60によって薬品識別情報が読み取られた場合にも、その薬品識別情報に対応する処方薬品はチェックマークが付されて鑑査対象として選択された状態となる。なお、前記処方表示領域A15に表示されている前記処方薬品のうち後述の目視鑑査処理で既に鑑査が行われた薬品は背景色が他の薬品とは異なる色で表示される。
<ステップS12~S13>
次に、ステップS12~S13において、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100における鑑査対象となる処方データを特定するための操作が実行されたか否かを判断する。具体的に、前記ステップS12において、前記制御部10は、薬袋に記載されている前記処方識別情報が前記情報読取部60によって読み取られたか否かを判断する。また、前記ステップS13において、前記制御部10は、未処理一覧から処方データを選択する操作が行われたか否かを判断する。そして、前記制御部10は、前記処方データが特定されると(S12又はS13:Yes側)、処理をステップS14に移行させる。
<ステップS14>
ステップS14において、前記制御部10は、前記ステップS12又は前記ステップS13で特定された処方データを読み出す。具体的に、前記ステップS12で薬袋から前記処方識別情報が読み取られた場合、前記制御部10は、前記処方識別情報に対応する前記Rpデータを前記記憶部40から読み出す。即ち、前記制御部10は、前記情報読取部60で読み取られる薬袋の前記処方識別情報に基づいて鑑査対象の前記処方データを取得することができる。ここに、係る処理は、前記制御部10の前記照合処理部14によって実行される。なお、前記制御部10は、前記未処理表示領域A21の前記詳細表示キーK21の操作に応じて表示される前記詳細情報においてRpデータが選択された場合に、そのRpデータを鑑査対象として特定することも考えられる。
また、前記ステップS13で未処理の処方データが選択された場合、前記制御部10は、その選択された処方データを前記記憶部40から読み出す。即ち、前記制御部10は、ユーザー操作に応じて複数の前記処方データから鑑査対象の前記処方データを選択することが可能である。ここに、係る処理は前記制御部10の照合処理部14によって実行される。
なお、図8は、前記ステップS13で未処理の処方データが選択された場合の前記処方鑑査画面D10の表示例である。前記ステップS13で処方データが選択された場合には、前記処方データに複数のRpデータが含まれている場合でも鑑査対象のRpデータが特定されない。そのため、図8に示すように、前記処方表示領域A15には、前記処方データに含まれているRpデータのうち現在表示対象のRpデータを示すための指定RpNo.「1/3」が表示されている。
例えば、前記指定RpNo.「1/3」は、前記処方データに3つのRpデータが含まれており、現在1つ目のRpデータが表示されている状態を示している。そして、前記制御部10は、前記処方表示領域A15に表示されている「+」及び「-」の操作、又は数値の直接入力操作によって前記指定RpNo.を変更し、変更後の前記指定RpNo.に対応するRpデータを前記処方表示領域A15に表示させる。また、前記制御部10は、前記情報読取部60によって薬品の包装材から前記薬品識別情報が読み取られた場合に、前記処方表示領域A15に表示されている処方データから、前記薬品識別情報に対応する薬品を含むRpデータを検索し、そのRpデータを前記処方表示領域A15に表示させる。
一方、前記ステップS12で薬袋から前記処方識別情報が読み取られた場合には、前記処方識別情報により鑑査対象となるRpデータが特定可能である。そのため、前記ステップS12で薬袋から前記処方識別情報が読み取られた場合、前記処方鑑査画面D10では、前記処方識別情報に対応するRpデータが表示され、前記処方表示領域A15における前記指定RpNo.の表示は省略される。
<ステップS15>
続いて、ステップS15において、前記制御部10は、前記処方データ又は前記Rpデータに予め目視鑑査処理で鑑査を行う薬品として設定された目視鑑査設定薬品が存在する場合に(S15:Yes側)、処理をステップS151に移行させ、後述の目視鑑査処理を実行する。この場合、前記目視鑑査設定薬品が目視鑑査の対象となる目視鑑査対象薬品として特定される。前記目視鑑査設定薬品は、例えば薬品の包装材にバーコードが付されていない薬品、又は、水物及び練り物などが混合調剤された薬品などである。なお、前記処方データ又は前記Rpデータに前記目視鑑査対象薬品として扱う薬品が存在しない場合(S15:No側)、処理はステップS16に移行する。また、前記ステップS15が省略されることも他の実施形態として考えられる。
<ステップS16>
ステップS16において、前記制御部10は、目視鑑査を開始するための操作が行われると(S16:Yes側)、処理をステップS151に移行させ、目視鑑査を開始するための操作が行われていなければ(S16:No側)、処理をステップS17に移行させる。具体的に、前記制御部10は、前記処方鑑査画面D10に表示されている一又は複数の処方薬品が選択された状態で前記目視鑑査キーK13が操作された場合に、前記目視鑑査を開始するための操作が行われたと判断する。この場合、前記処方鑑査画面D10で選択された一又は複数の処方薬品が目視鑑査対象薬品として特定される。
<ステップS17>
ステップS17において、前記制御部10は、薬品の包装材である分包紙から前記薬品識別情報が読み取られた場合(S17:Yes側)、処理をステップS171に移行させ、後述の目視鑑査処理を実行する。なお、例えば前記分包紙には、前記分包紙で一包化された薬品に対応する前記薬品識別情報がQRコード(登録商標)などのコードによって記録されている。また、前記制御部10は、分包紙から前記薬品識別情報が読み取られていない場合(S17:No側)、処理をステップS18に移行させる。
<ステップS18>
ステップS18において、前記制御部10は、薬品の包装材であるPTPシートから前記薬品識別情報が読み取られた場合(S18:Yes側)、前記薬品識別情報に対応する処方薬品を秤量鑑査対象薬品として特定し、処理をステップS19に移行させて後述の秤量鑑査処理を実行する。また、前記制御部10は、PTPシートから前記薬品識別情報が読み取られていない場合(S18:No側)、処理を前記ステップS16に戻す。なお、前記薬品識別情報が読み取られた場合であっても、前記薬品識別情報に対応する薬品が秤量鑑査処理を行わない薬品として予め登録されている場合、又は前記薬品識別情報に対応する薬品の単位量当たりの重量が前記医薬品マスターに記憶されていない場合には、前記制御部10が処理をステップS151に移行させることも他の実施形態として考えられる。
また、前記制御部10は、前記薬品識別情報が読み取られていない場合(S18:No側)であっても、前記処方鑑査画面D10に表示されている薬品が1つだけ選択され、予め定められた秤量鑑査処理の開始操作が行われた場合に、処理をステップS19に移行させてその薬品を対象として秤量鑑査処理を実行することも可能である。例えば、前記秤量鑑査処理の開始操作は、前記薬品の表示領域の長押し操作、又は前記処方鑑査画面D10に表示される秤量鑑査キー(不図示)の操作などである。一方、前記秤量鑑査処理の開始操作も行われない場合、処理は前記ステップS16に戻される。なお、前記秤量鑑査処理の開始操作が任意に行われる対象薬品は、例えば前記薬品識別情報が包装材に付されていない薬品、複数のシートが1つの包装体となっている薬品、及び錠剤分包機で一包化された分包後の薬品などである。
<ステップS151、S171>
ステップS151又はステップS171において、前記制御部10は、前記目視鑑査対象薬品についてユーザーが薬品画像を目視で確認するための業務を支援する目視鑑査処理を実行する。ここに、前記目視鑑査処理は、前記制御部10の前記目視鑑査処理部15によって実行される。
前記目視鑑査処理において、前記制御部10は、まず前記表示部20に前記目視鑑査画面D11(図10参照)を表示させる。前記制御部10は、前記ステップS15~S17で特定された一又は複数の処方薬品を前記目視鑑査対象薬品として、前記目視鑑査画面D11に表示させる。具体的に、前記制御部10は、前記ステップS17で分包紙の前記薬品識別情報が読み取られた場合には、前記薬品識別情報に基づいて前記分包紙に収容されている一又は複数の薬品を前記目視鑑査対象薬品として特定する。そして、前記制御部10は、前記目視鑑査対象薬品の薬品名称、薬品画像(裸錠画像)、及び目標値などを、前記処方データ、前記Rpデータ、又は前記医薬品マスターから読み出して前記目視鑑査画面D11に表示する。その後、前記目視鑑査画面D11の前記確認キーK31が操作されると、前記制御部10は、前記目視鑑査画面D11に表示中の前記目視鑑査対象薬品の目視鑑査が終了したものとして処理し、前記記憶部40に鑑査履歴として記憶する。また、前記制御部10が、前記目視鑑査画面D11の表示後、予め設定された所定時間が経過した場合に目視鑑査が終了したものと判断して前記目視鑑査画面D11を自動で消すことも考えられる。さらに、前記制御部10が、前記目視鑑査画面D11を表示させた後、自動的に前記薬品画像各々の拡大画面を順にポップアップ表示させて所定時間後に消すことも考えられる。
ところで、前記制御部10が、前記目視鑑査画面D11の表示中に前記情報読取部60によってPTPシートから前記薬品識別情報が読み取られた場合に、前記目視鑑査画面D11に表示されている薬品のうち前記薬品識別情報に対応する薬品について、前記薬品識別情報による照合が行われた旨を鑑査履歴として前記記憶部40に記憶させることが考えられる。これにより、例えばPTPシートから除包された薬品が錠剤分包機又は散薬分包機などで前記分包紙に分包された場合に、その除包後のPTPシートからGS1コードなどを前記情報読取部60によって読み取ることにより、前記分包紙で分包されている薬品のうち少なくとも一部の薬品についての目視鑑査の手間が軽減される。例えば、このように前記目視鑑査における前記薬品識別情報の照合処理の結果は、図12における前記履歴表示領域A53の「バーコード確認」の結果に反映される。
なお、前記ステップS17で分包紙の前記薬品識別情報が読み取られた場合には、前記目視鑑査処理において、ユーザーが分包紙内の薬品と前記目視鑑査画面D11とを参照して鑑査を行う必要がある。これに対し、例えば前記錠剤分包機又は前記散薬分包機のような調剤機器において前記分包紙に印刷される前記薬品識別情報に、前記分包紙に収容される全薬品の薬品名、剤形、調剤量(重量又は数量)、及び患者情報などの内容に関する分包情報が含まれていることが考えられる。そこで、前記制御部10は、前記ステップS17で分包紙の前記薬品識別情報が読み取られた場合に、前記薬品識別情報に含まれる前記分包情報と前記処方データとを照合し、その照合結果が一致した場合には、目視鑑査処理及び秤量鑑査処理を実行することなく、前記分包紙に収容されている薬品各々の鑑査を完了とすることが考えられる。これにより、前記調剤機器で分包紙に分包された薬品についての目視鑑査の手間を軽減することができる。
<ステップS172>
前記ステップS171の実行後、ステップS172において、前記制御部10は、秤量鑑査設定がONに設定されているか否かを判断し、前記秤量鑑査設定がONに設定されている場合は(S172:Yes側)、処理をステップS19に移行させる。一方、前記秤量鑑査設定がOFFに設定されている場合(S172:No側)、前記制御部10は処理をステップS20に移行させる。前記秤量鑑査設定は、前記ステップS17で分包紙から前記薬品識別情報が読み取られた場合に、前記目視鑑査処理と共に前記秤量装置50を用いる秤量鑑査処理を実行するか否かに関する設定である。前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の環境設定時などにおけるユーザー操作に応じて前記秤量鑑査設定の内容を任意に変更可能である。また、前記制御部10は、前記ステップS17で分包紙から前記薬品識別情報が読み取られた場合に、その後のユーザー操作に応じて前記秤量鑑査処理を実行するか否かを切り替えることも考えられる。さらに、前記秤量鑑査設定は、前記分包紙から前記薬品識別情報が読み取られた場合に限らず、前記鑑査支援装置100で秤量可能な薬品として予め定められた薬品についても有効となることが考えられる。
<ステップS19>
そして、ステップS19において、前記制御部10は、前記秤量部5Nによる秤量結果と前記処方データとを照合する照合処理を含む秤量鑑査処理を実行する。ここに、係る処理は、照合ステップの一例であって、前記照合処理部14によって実行される。具体的に、前記ステップS19において、前記制御部10は、前記薬品識別情報に対応する新たな前記秤量鑑査処理を起動した後、処理をステップS20に移行させる。即ち、前記制御部10は、前記ステップS18で前記薬品識別情報が読み取られるごとに、前記薬品識別情報に対応する前記秤量鑑査処理を個別に開始させる。従って、複数のPTPシートから前記薬品識別情報が順次読み取られた場合には、前記制御部10によって複数の前記秤量鑑査処理が起動され、それらの前記秤量鑑査処理が並列して実行されることになる。また、前記秤量鑑査設定がONである場合には、前記分包紙から前記薬品識別情報が読み取られる場合にも、その都度前記秤量鑑査処理が個別に開始されることになる。
ところで、前記分包紙の前記薬品識別情報に前記分包紙の重量込みの1包分の重量又は全ての前記分包紙の総重量が含まれている場合には、前記分包紙から前記薬品識別情報が読み取られた場合に実行される前記ステップS19の前記秤量鑑査処理では、前記秤量部5Nによる秤量結果を、前記薬品識別情報に含まれている前記分包紙の重量込みの1包分の重量又は全ての前記分包紙の総重量と照合することが考えられる。なお、このように前記処方データに基づいて実行された調剤時の調剤データ又は分包データなども前記処方データの一例である。また、前記分包紙の前記薬品識別情報に前記分包紙の重量込みの1包分の重量又は全ての前記分包紙の総重量が含まれていない場合、前記制御部10は、前記分包紙選択キーK12の操作後に選択された分包紙の種類又は初期設定された分包紙の種類に応じて秤量鑑査対象薬品の分包数及び検薬用の分包紙に対応する重量を目標値に加算して前記秤量鑑査処理を実行することが考えられる。さらに、前記分包紙の前記薬品識別情報に前記分包紙の重量込みの1包分の重量又は全ての前記分包紙の総重量が含まれていない場合、前記制御部10は、前記分包紙に分包さている薬品名、YJコード、分数などに基づいて総重量を算出し、その値と前記秤量部5Nによる秤量結果とを照合することも考えられる。
<ステップS20>
その後、ステップS20において、前記制御部10は、前記ステップS12で特定された前記Rpデータ、又は前記ステップS13で特定された前記処方データに含まれている処方薬品の全てについて鑑査が完了したか否かを判断する。具体的に、前記制御部10は、前記Rpデータ又は前記処方データに含まれる全ての薬品について前記目視鑑査処理及び前記秤量鑑査処理のいずれかよる鑑査が完了したか否かを判断する。ここで、前記制御部10は、前記処方薬品の全てについて鑑査が完了したと判断すると(S20:Yes側)、処理をステップS21に移行させる。また、前記制御部10は、鑑査が完了していない処方薬品が残存していると判断すると(S20:No側)、処理を前記ステップS16に戻す。
<ステップS21>
ステップS21において、前記制御部10は、前記Rpデータ又は前記処方データについての鑑査が完了した旨の鑑査完了通知を前記表示部20に表示させ、処理を前記ステップS11に戻す。ここに、係る処理は、前記制御部10の前記鑑査完了通知部16によって実行される。これにより、ユーザーは、前記表示部20の表示を参照することにより、前記Rpデータ又は前記処方データの鑑査が完了した旨を明確に把握することができる。また、前記鑑査支援装置100が、前記ネットワークN1を介してプリンターに接続されていることも考えられる。この場合、前記制御部10は、前記ステップS21において、前記鑑査が完了した前記Rpデータ又は前記処方データについての鑑査の実施記録を、前記プリンターを用いて印刷可能であることが考えられる。前記鑑査の実施記録には、例えば患者情報(患者氏名、患者ID、年齢、性別など)、用法、薬品、鑑査結果(秤量結果、目標値、照合結果など)などが含まれる。具体的に、前記制御部10は、前記ステップS21において鑑査の実施記録を自動的に印刷すること、又は前記鑑査完了通知が表示されている画面におけるユーザー操作に応じて鑑査の実施記録を印刷することが考えられる。なお、前記制御部10は、鑑査の実施記録を自動的に印刷するか否かを予めユーザー操作に応じて設定することも可能である。また、前記制御部10は、前記プリンターを用いて前記Rpデータ又は前記処方データに基づいて薬袋が印刷可能であることも考えられる。
なお、前記制御部10が、前記ステップS13で前記処方データが特定された場合に、前記処方データに含まれるRpデータについての鑑査が完了するごとに鑑査完了通知を前記表示部20に表示させることも考えられる。これにより、前記Rpデータの単位で鑑査が行われることになり、同一の薬袋に収容するべき処方薬品ごとに纏めて鑑査を行うことが可能となる。
[秤量鑑査処理]
続いて、図13を参照しつつ、前記ステップS19で開始される秤量鑑査処理について説明する。
<ステップS30>
まず、ステップS30において、前記制御部10は、前記PTPシート又は前記分包紙から読み取られた前記薬品識別情報に対応する薬品が、前記処方表示領域A15に表示されている鑑査対象の処方データ又はRpデータに含まれているか否かを判断する。ここで、前記薬品識別情報に対応する薬品が鑑査対象の処方データ又はRpデータに含まれていると判断されると(S30:Yes側)、処理はステップS31に移行する。一方、前記薬品識別情報に対応する薬品が鑑査対象の処方データ又はRpデータに含まれていないと判断されると(S30:No側)、前記制御部10は、処理をステップS301に移行する。なお、鑑査対象が処方データである場合であっても、予めRpデータごとに鑑査を実行する旨の設定が行われている場合には、前記制御部10が、前記ステップS30で読み取られた前記薬品識別情報に対応する薬品が前記処方表示領域A15に現在表示中のRpデータに含まれているか否かを判断することが考えられる。
<ステップS301>
ステップS301において、前記制御部10は、エラーメッセージを前記表示部20に表示させた後、前記秤量鑑査処理を終了させる。例えば前記エラーメッセージには、前記情報読取部60で読み取られた前記薬品識別情報が前記処方データ又は前記Rpデータと一致しない旨の警告が含まれる。
<ステップS31>
ステップS31において、前記制御部10は、前記ステップS17又は前記ステップS18で読み取られた前記薬品識別情報に対応する薬品の単位量当たりの重量(以下「単位重量」という)を前記記憶部40に記憶されている前記医薬品マスターから取得する。ここに、係る処理は、前記制御部10の前記単位重量取得部12によって実行される。なお、前記制御部10は、外部の記憶装置から前記薬品の単位重量を取得するものであってもよい。例えば、前記薬品識別情報が錠剤である場合には、前記錠剤の単位量当たりの重量が前記医薬品マスターから読み出される。
ところで、前記単位重量が1.6g未満である場合には誤差の影響が大きくなる。そこで、前記制御部10は、前記ステップS31で取得した単位重量が1.6gのような所定値未満である場合に、前記秤量表示領域A11~A14の背景色を予め定められた薄い黄色などに変更することが考えられる。これにより、ユーザーは、前記単位重量が小さいことに注意を払いつつ鑑査業務を行うことができる。また、前記処方データ又は前記Rpデータに服用量又は用法が異なる同一薬品が含まれることが考えられる。この場合、前記制御部10は、例えば初回は前記薬品識別情報に対応する同一薬品のうち前記処方表示領域A15に表示されている最上位の薬品を秤量鑑査対象薬品として特定し、次以降は鑑査が未完了の薬品のうち前記処方表示領域A15に表示されている最上位の薬品を秤量鑑査対象薬品として特定する。また、他の実施形態として、前記制御部10は、前記ステップS31で取得した単位重量が予め設定された許容最大値以上である場合にも同様に、前記秤量表示領域A11~A14の背景色を予め定められた薄い黄色などに変更することが考えられる。
<ステップS32>
次に、ステップS32において、前記制御部10は、前記秤量部5Nのいずれかの秤量値が0から増加したか否かを判断する。ここで、前記制御部10は、前記秤量部51~54のいずれかの秤量部5Nの秤量値が0から増加したと判断した場合(S32:Yes側)、処理をステップS33に移行させる。一方、前記制御部10は、前記秤量部51~54の秤量値が0から変化していないと判断した場合(S32:No側)、処理をステップS35に移行させる。
<ステップS33>
ステップS33において、前記制御部10は、前記ステップS32で秤量値が0から増加した前記秤量部5Nを前記ステップS17又はS18で特定された前記薬品識別情報に対応付ける秤量部として特定する。即ち、前記制御部10は、前記情報読取部60による前記薬品識別情報の読み取り後に秤量値が0から増加した一又は複数の前記秤量部5Nを前記薬品識別情報に対応付ける秤量部として特定する。ここに、係る特定処理は、秤量特定ステップの一例であって、前記制御部10の前記秤量特定部11によって実行される。例えば、前記薬品識別情報が読み取られた後、次に前記薬品識別情報が読み取られるまでの間に複数の前記秤量部5Nの秤量値が0から増加した場合には、その複数の前記秤量部5Nが先に読み取られていた前記薬品識別情報に対応付けられる。これにより、ユーザーは、同種の薬品の束を複数に分けて前記秤量部5Nに載置させることが可能である。
このように構成された前記鑑査支援装置100では、前記制御部10が、前記秤量部5Nのうち秤量値が0よりも大きい値から増加した秤量部が存在する場合には(S32:No側)、その秤量部を前記薬品識別情報に対応付ける秤量部として特定しない。従って、前記制御部10は、一つ前に読み取られた前記薬品識別情報に対応付けるべき前記秤量部5Nによる秤量と、次に読み取られた前記薬品識別情報に対応付けるべき前記秤量部5Nによる秤量とが同時に進行する場合であっても、それらの秤量部5Nを区別して前記薬品識別情報に対応付けることが可能である。
また、前記制御部10は、前記ステップS33で前記薬品識別情報に対応する前記秤量部5Nが特定された後、後述のステップS35又S36で前記薬品識別情報に対応する前記秤量部5Nが確定するまでの間に前記秤量部5Nの秤量値が0に戻った場合には、前記秤量部5Nと前記薬品識別情報との対応付けを解除する。この場合、前記制御部10は、前記秤量部5Nに対応する前記秤量表示領域A1Mにおける表示もリセットする。
<ステップS34>
ステップS34において、前記制御部10は、前記ステップS33で特定された前記秤量部5Nによる秤量値に応じた薬品量の表示を開始する。具体的に、前記制御部10は、前記秤量部5Nの秤量結果を予め定められた単位に換算し、前記秤量部5Nに対応する前記秤量表示領域A1Mに表示させる。その後、前記秤量部5Nの秤量結果は継続的に更新されて前記秤量表示領域A1Mに表示される。なお、前記秤量結果の表示のリアルタイム更新は、前記秤量部5Nの秤量結果が安定して確定するまで実行される。ここに、前記秤量部5Nによる秤量結果を前記ステップS31で取得された前記単位重量に基づいて予め定められた単位に換算する処理は、前記制御部10の前記単位換算処理部13によって実行される。また、予め定められた単位に換算された前記秤量部5Nによる秤量結果を前記秤量表示領域A1Mに表示させる処理は、前記制御部10の前記表示処理部17によって実行される。なお、前記秤量結果の換算後の薬品の単位(錠、カプセル、包、枚、gなど)は、例えば前記処方データで用いられる薬品の単位(錠、カプセル、包、枚、gなど)と同じである。
ところで、前記鑑査支援装置100では、前記秤量部5Nによる秤量の精度(レンジ)が切り替え可能であることが考えられる。具体的に、前記秤量部5Nは、前記ロードセル56を用いて秤量される秤量値を前記制御部10に入力する秤量制御部を備えることが考えられる。なお、前記秤量制御部は、例えばASIC又はMPUなどの制御部である。そして、前記秤量制御部は、前記制御部10からの制御指示に応じて、前記秤量部5Nの前記ロードセル56の秤量結果として前記制御部10に入力する秤量値の小数点の桁数を変更することが考えられる。例えば、前記秤量制御部は、前記制御部10からの制御指示に応じて、小数点第一位までの精度で秤量値を前記制御部10に入力する第1レンジモードと、小数点第二位までの精度で秤量値を前記制御部10に入力する第2レンジモードとを切り替えて実行可能であることが考えられる。
このような構成では、前記制御部10が、前記秤量制御部の動作モードを、状況に応じて前記第1レンジモード又は前記第2レンジモードに切り替えることが可能である。例えば、前記制御部10は、通常は、前記秤量部5Nの前記秤量制御部を前記第2レンジモードで動作させることにより、前記秤量部5Nから小数点第二位までの精度で秤量値を取得する。一方、前記鑑査支援装置100の使用環境として、例えば風又は振動などの影響により前記秤量部5Nの秤量値の小数点第二位の値が安定しづらい環境も想定される。そこで、前記制御部10は、予め設定された所定時間が経過しても前記秤量部5Nの秤量値の小数点第二位の値が安定しない場合には、前記秤量部5Nの前記秤量制御部を前記第1レンジモードで動作させることにより、前記秤量部5Nから小数点第一位までの精度で秤量値を取得することが考えられる。この場合、前記制御部10は、前記秤量部5Nの秤量値の小数点第一位が安定した場合に、その秤量値を秤量結果として取得することになる。また、前記制御部10は、前記秤量部5Nの秤量値の小数点第二位の値が前記所定時間経過後も安定しない状況が、所定期間の間に所定回数繰り返し発生した場合には、前記秤量部5Nの前記秤量制御部の通常時の初期動作モードを前記第2レンジモードから前記第1レンジモードに変更することも考えられる。
<ステップS35>
ステップS35において、前記制御部10は、前記情報読取部60によって他の薬品に対応する前記薬品識別情報が読み取られたか否かを判断する。ここで、前記制御部10は、他の薬品に対応する前記薬品識別情報が読み取られたと判断すると(S35:Yes側)、処理をステップS351に移行させる。
また、前記制御部10は、他の薬品に対応する前記薬品識別情報が読み取られていないと判断すると(S35:No側)、処理をステップS36に移行させる。これにより、前記秤量鑑査処理において、前記制御部10は、前記情報読取部60による前記薬品識別情報の読み取り後、前記情報読取部60により異なる前記薬品識別情報が読み取られるまでの間に(S35:Yes側)、秤量値が0から増加した一又は複数の前記秤量部5Nを前記薬品識別情報に対応する秤量部として特定することになる(S33)。ここに、係る処理は前記制御部10の前記秤量特定部11によって実行される。
<ステップS36>
ステップS36において、前記制御部10は、前記ステップS33で前記薬品識別情報に対応する前記秤量部5Nが特定されてから予め設定された所定時間が経過したか否かを判断する。ここで、前記制御部10は、前記所定時間が経過したと判断すると(S36:Yes側)、処理をステップS351に移行させ、前記所定時間が経過するまでの間は(S36:No側)、処理を前記ステップS32に戻す。
なお、本実施形態では、前記所定時間が経過した場合にも前記秤量鑑査対象薬品に前記秤量部5Nを割り当てるための処理(S33)が実行されなくなり、前記秤量鑑査対象薬品に対応する前記秤量部5Nが確定する場合について説明するが、これに限らない。例えば、前記制御部10が、所定の確定キーなどの操作に応じて前記秤量鑑査対象薬品に対応する前記秤量部5Nを確定可能な構成も考えられる。また、前記制御部10が、前記ステップS37における後述の照合処理を前記ステップS33以後から随時実行し、前記秤量鑑査対象薬品に対応する前記秤量部5Nの秤量結果が前記処方データに一致したことを条件に前記秤量鑑査対象薬品に対応する前記秤量部5Nを確定可能な構成も考えられる。
<ステップS351>
ステップS351において、前記制御部10は、前記ステップS33で前記薬品識別情報に対応する秤量部として特定された一又は複数の前記秤量部5Nの全ての秤量値が確定したか否かを判断する。なお、前記秤量部5Nの秤量値は、例えば前記秤量部5Nの秤量値が所定時間変動せず安定していた場合に確定する。ここで、前記制御部10は、全ての前記秤量部の秤量値が確定したと判断すると(S351:Yes側)、処理をステップS37に移行させ、全ての前記秤量部5Nの秤量値が確定するまでの間は(S351:No側)、前記ステップS351の判断を繰り返し実行する。
<ステップS37>
ステップS37において、前記制御部10は、前記ステップS33で同一の薬品に対応する秤量部として特定された一又は複数の前記秤量部5Nによる秤量結果の合計を算出し、その合計値と前記処方データとを照合する。具体的に、前記制御部10は、前記ステップS34で予め定められた単位に換算された前記秤量部5N各々の秤量結果の合計が前記処方データで示された目標値である処方数量と一致するか否かを判断する。
例えば、前記処方データに示されている前記秤量鑑査対象薬品の目標値が9錠である場合であって、前記秤量鑑査対象薬品の単位重量が2.2gである場合、前記秤量部5Nによる秤量値が19.8gである場合に前記秤量部5Nに載置されている薬品数量が9錠となる。これに対し、前記制御部10は、前記秤量部5Nによる秤量値と前記単位重量とに基づいて算出される薬品数量が8.5錠以上9.4錠以下である場合には照合結果が一致であると判断し、8.4錠以下又は9.5錠以上である場合には照合結果が不一致であると判断することが考えられる。即ち、前記制御部10は、前記薬品数量の小数点第一位を四捨五入して照合を行うことが考えられる。なお、前記制御部10が前記照合処理において許容する誤差は予め設定することが可能であり、前記小数点第一位の四捨五入はその一例に過ぎない。例えば、前記制御部10が、前記秤量結果が目標値±0.1錠又は目標値±0.2錠などである場合に照合結果が一致であると判断することが考えられる。
また、前記秤量鑑査対象薬品に対応付けられた前記秤量部5Nが複数存在する場合、前記制御部10は、前記処方データ又は前記Rpデータにおける前記秤量鑑査対象薬品の総錠数と、複数の前記秤量部5Nの秤量値が換算された錠数の合計とを照合する。これにより、ユーザーは、1つの前記秤量鑑査対象薬品について複数の前記秤量部5Nを用いる場合でも、特別な操作を必要とすることなく、1つの前記秤量部5Nを用いる場合と同様の手順で任意の数の前記秤量部5Nに前記秤量鑑査対象薬品を載置して簡単に秤量鑑査を行うことができる。なお、前記秤量鑑査対象薬品に対応付けられた前記秤量部5Nが複数存在する場合の照合手法として、前記制御部10は、前記処方データ又は前記Rpデータにおける前記秤量鑑査対象薬品の総錠数を前記秤量鑑査対象薬品に対応するPTPシート1枚当たりの個数で除算することにより求められたPTPシートの枚数にPTPシート1枚当たりの重量を乗算した総重量値と、複数の前記秤量部5Nの秤量値の合計との差が予め定められた許容誤差未満であるか否かを判断することも考えられる。
ところで、前記秤量鑑査対象薬品が錠剤又はカプセルである場合、前記制御部10は、前記秤量鑑査対象薬品に対応して前記医薬品マスターに記憶されている前記PTPシート1枚当たりの個数と前記処方データ又は前記Rpデータとに基づいて前記秤量鑑査対象薬品のPTPシートの枚数及び1枚に満たない端数の有無を算出することが考えられる。そして、前記制御部10は、前記PTPシートの枚数と端数の有無とに応じて、前記PTPシートの耳の重量として予め設定された所定値を前記目標値に加算することが考えられる。
例えば、前記制御部10は、前記端数が存在する場合には耳ありと判断して耳の重量を加算することが考えられる。これにより、前記目標値が前記PTPシートの耳の重量を考慮した値に近似し、前記照合が高い精度で実行される。なお、PTPシートの端数が存在する場合に、耳あり又は耳なしのいずれで計算するかが予め選択可能な構成も考えられる。また、前記制御部10は、前記PTPシートの端数について、常に耳ありで前記目標値への加算値を変更し、照合結果が一致でない場合に、「端数に耳が存在しますか」のように耳ありの設定が行われているために照合結果が不一致である可能性を示唆するメッセージを表示させることも考えられる。
また、前記鑑査支援装置100では、前記制御部10により、前記表示部20に端数のPTPシートにおける耳の有無の状態を入力するための「耳なし」及び「耳あり」の操作キーが表示されることが考えられる。そして、「耳なし」の操作キーの操作が前記操作部30で検出された場合には、前記制御部10が、端数が生じているPTPシートに耳が存在しないものとし、「耳あり」の操作キーの操作が前記操作部30で検出された場合には、前記制御部10が、端数が生じているPTPシートに耳が存在するものとして秤量値と目標値との照合を行うことが考えられる。
さらに、前記制御部10は、前記PTPシートの枚数に応じて、予め輪ゴムの重量として設定された所定値を前記目標値に加算することが考えられる。例えば、前記PTPシートの枚数が0枚以上2枚以下である場合は予め定められた小サイズの輪ゴムの重量、記PTPシートの枚数が3枚以上5枚以下である場合は予め定められた中サイズの輪ゴムの重量、記PTPシートの枚数が6枚以上10枚以下である場合は予め定められた大サイズの輪ゴムの重量を前記所定値として前記目標値に加算することが考えられる。これにより、前記目標値が前記PTPシートを束ねる輪ゴムの重量を考慮した値に近似し、前記照合が高い精度で実行される。例えば、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の初期設定として、「耳の重量(0-99.99)」、「輪ゴム(大)の重量(0-99.99)」、「輪ゴム(中)の重量(0-99.99)」、「輪ゴム(小)の重量(0-99.99)」、「輪ゴム適用シート数(小:0.0-2.0、中:3.0-5.0、大:6.0-10.0など)」、「1包化の重量鑑査(行う、行わないなど)」、「QR重量データ(1日当り、1包当りなど)」、「鑑査単位(RP単位、処方単位など)」、「g表示時の小数第3位の扱い(四捨五入、切り捨てなど)」、「分包品QR読込時の輪ゴム重量(加算する、加算しないなど)」などをユーザー操作に応じて設定可能である。また、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の初期設定として、前記秤量部51~前記秤量部54各々による秤量時の輪ゴムの初期選択状態を示す「秤1輪ゴム選択デフォルト値」、「秤2輪ゴム選択デフォルト値」、「秤3輪ゴム選択デフォルト値」、「秤4輪ゴム選択デフォルト値」、前記大皿58を使用する秤量時の輪ゴムの初期選択状態を示す「大皿輪ゴム選択デフォルト値」、前記秤量部51~前記秤量部54各々による秤量時の端数の有無の初期選択状態を示す「秤1端数有無選択デフォルト値」、「秤2端数有無選択デフォルト値」、「秤3端数有無選択デフォルト値」、「秤4端数有無選択デフォルト値」、薬品の単位量(単一)当りの値を計測するときに秤量される薬品の個数を示す「薬品単一当りの計測時の秤量個数(0-999)」などをユーザー操作に応じて設定可能である。
また、前記鑑査支援装置100では、前記制御部10により、前記表示部20にPTPシートを束ねる輪ゴムの大きさ又は種類などを入力するための「ゴム大」、「ゴム中」、「ゴム小」、「ゴムなし」などの操作キーが表示されることが考えられる。この場合、「ゴム大」、「ゴム中」、「ゴム小」、「ゴムなし」などの操作キーの操作に応じて、前記制御部10がPTPシートに使用されている輪ゴムの大きさを切り替えることが考えられる。これにより、PTPシートと共に前記秤量部5Nに載置された輪ゴムの重量を考慮して秤量値と目標値との照合を行うことができる。特に、PTPシートを束ねる際に使用する輪ゴムの大きさ又は種類は、PTPシートの枚数だけではなく、PTPシートの大きさに応じて異なることも考えられる。そのため、PTPシートの枚数だけで輪ゴムの大きさ又は種類などが一義的に定まらない場合がある。これに対し、前述したように「ゴム大」、「ゴム中」、「ゴム小」、「ゴムなし」などの操作キーの操作に応じて輪ゴムの大きさ又は種類を任意に選択可能な構成では、ユーザーが実際のPTPシートに使用されている輪ゴムを見て輪ゴムの大きさ又は種類などを設定することができる。また、例えば複数のPTPシートを輪ゴムで束ねている場合に、そのPTPシートの束を複数に分けて複数の前記秤量部5Nに載置させる場合には、いずれかの秤量部5Nだけに輪ゴムが載置されることが考えられる。特に、輪ゴムを必要としない枚数のPTPシートが載置される前記秤量部5Nに輪ゴムが載置されることが考えられる。また、PTPシートの枚数が「ゴム小」に対応するものであっても、そのPTPシートが「ゴム大」の輪ゴムと共に前記秤量部5Nに載置されることが考えられる。この場合でも、前述したように「ゴム大」、「ゴム中」、「ゴム小」、「ゴムなし」などの操作キーの操作に応じて輪ゴムの大きさ又は種類を任意に選択可能な構成では、ユーザーが実際のPTPシートと共に輪ゴムが載置されているか否かに応じて前記秤量部5N各々に対応する輪ゴムの有無、大きさ又は種類などを設定することができる。
なお、前記PTPシートの耳の重量の前記目標値に対する反映方法(計算方法)、及び前記輪ゴムの重量の前記目標値に対する反映方法(計算方法)は、薬局又は医療機関ごとに異なるため、これらの反映方法が予め設定可能であることが考えられる。例えば、前記PTPシートの耳の重量の前記目標値の反映方法として耳付きに対応する第1内規に基づく第1演算式と、耳なしに対応する第2内規に基づく第2演算式とが設定されており、前記制御部10が、前記PTPシートの耳付きが選択された場合は前記第1内規に対応する前記第1演算式に基づいて前記目標値又は秤量値を補正し、前記PTPシートの耳なしが選択された場合は前記第2内規に対応する前記第2演算式に基づいて前記目標値又は秤量値を補正することが考えられる。また、前記PTPシートの調剤方法として、例えば「1錠の場合には耳を残す」のように耳の残し方が規定されていることがある。そのため、前記PTPシートの耳の残し方に従って秤量値と目標値との照合を行った結果、適正でなかった場合には、耳の残し方が適正でない可能性を前記表示部20への表示などによって報知することが考えられる。例えば、処方データに基づいて調剤するべきPTPシートの枚数に1錠分の端数が生じている場合には、その1錠分のPTPシートには耳が残っているはずであるため、1錠分のPTPシートに耳が存在するものとして秤量値と目標値との照合を行うことが考えられる。これにより、前記PTPシートの耳の残し方が遵守されていない可能性がある旨をユーザーに伝えることができ、教育的機能を実現することができる。
<ステップS38>
ステップS38において、前記制御部10は、前記ステップS37における照合結果が一致である場合には(S38:Yes側)、処理をステップS39に移行させ、前記ステップS37における照合結果が一致しない場合には(S38:No側)、処理をステップS381に移行させる。
<ステップS381>
ステップS381において、前記制御部10は、前記ステップS33で同一の薬品に対応する秤量部として特定された一又は複数の秤量部5N各々に対応する前記秤量表示領域A1Mにエラーメッセージを表示させる。例えば、前記エラーメッセージは、「鑑査対象薬品の実測値が、上限値又は下限値を超過(又は不足)しています。鑑査を承認する場合はOKキーを押して下さい。再秤量を行う場合は、キャンセルキーを押して下さい」などである。また、前記制御部10は、前記エラーメッセージと共に、OKキー及びキャンセルキーを前記表示部20に表示させる。そして、前記制御部10は、前記OKキーが操作された場合には、前記秤量鑑査対象薬品の鑑査が完了したと判断する。一方、前記キャンセルキーが操作された場合、前記制御部10は、「鑑査対象薬品を取り出し、再度秤量して下さい」のようなメッセージを表示させ、処理を前記ステップS31に移行させる。
<ステップS39>
ステップS39において、前記制御部10は、前記ステップS33で同一の薬品に対応する秤量部として特定された一又は複数の前記秤量部5N各々に対応する前記秤量表示領域A1Mに、秤量値確定後の前記秤量部5Nに対応する秤量結果を予め定められた単位に換算した数量を表示させると共に、照合結果が一致である旨を表示させる。このように、前記秤量部5Nによる秤量結果及び前記ステップS38による照合結果を前記秤量表示領域A1Mに表示させる処理は前記制御部10の前記表示処理部17によって実行される。なお、前記大皿58を用いている場合、前記制御部10は、前記秤量表示領域A41(図11参照)に前記照合結果を表示させる。また、前記ステップS39において、前記制御部10は、前記秤量部5Nの秤量結果である秤量値、及びその秤量値を薬品の単位に換算した換算値(錠、カプセル、枚などの単位の値)のいずれか一方又は両方を前記処方データと共に鑑査履歴として前記記憶部40に記憶する。これにより、前記制御部10は、前記鑑査履歴照会画面D12に前記鑑査履歴を表示させる際に、前記処方データの内容と共に前記秤量値又は前記換算値などを表示させることが可能である。
ところで、前記鑑査支援装置100に、USB、RS232C、又はBluetooth(登録商標)などの通信規格に従ってプリンターが接続されることも考えられる。この場合、前記制御部10は、前記ステップS39又はステップS381において、前記プリンターに前記ステップS37による秤量結果を印字出力させることが考えられる。なお、前記印字出力で出力されるジャーナルには、例えば、鑑査開始日時、処方番号、引換券番号、患者ID、患者氏名、診療科、鑑査者、処方データ、及びRpデータが印字される。また、前記ジャーナルでは、前記処方データ又は前記Rpデータに含まれる薬品識別情報としてJANコードが印刷されることが考えられる。なお、前記制御部10が、GS1コードをJANコードに変換して印字出力可能な構成も考えられる。
<ステップS40>
続いて、ステップS40において、前記制御部10は、前記撮影部70による撮影画像の記録タイミングを待ち受ける(S40:No側)。具体的に、前記制御部10は、4つの前記秤量部51~54の全ての秤量値が確定した場合、或いは、前記処方データ又は前記Rpデータに処方薬として含まれる全ての薬品について前記秤量鑑査処理が終了した場合(前記処方データ又は前記Rpデータに他の薬品が鑑査対象として残っていない場合)に、前記撮影部70による撮影画像を記録すると判断し(S40:Yes側)、処理をステップS41に移行させる。前記処方データ又は前記Rpデータに処方薬として含まれる全ての薬品について前記秤量鑑査処理が終了した場合とは、例えば前記Rpデータに6種類の処方薬が含まれる場合であって、まず4つの前記秤量部51~54を用いて4種類の処方薬についての秤量が行われた後、残りの2種類の処方薬について2つの前記秤量部5Nを用いた秤量が行われた場合である。なお、全ての前記秤量部51~54の照合処理が完了した後に代えて、全ての前記秤量部51~54の秤量値が安定した時点で前記撮影部70による撮影が行われることも考えられる。
<ステップS41>
ステップS41において、前記制御部10は、前記撮影部70による撮影画像を記録し、前記撮影画像を前記処方鑑査画面D10に表示されている前記処方データ又は前記Rpデータに対応付けて前記鑑査履歴として前記記憶部40に記憶させる。なお、前記撮影部70は、全ての前記秤量部51~54の前記秤量皿55を同時に撮影する。また、前記秤量部51~54に前記大皿58が載置されている場合には、前記大皿58が撮影される。ここに、係る処理は前記制御部10の前記撮影処理部18によって実行される。これにより、前述したように、前記鑑査履歴照会画面D12などによって前記鑑査履歴を参照する際に前記撮影画像を確認することが可能である。ところで、前記制御部10は、前記ステップS40で前記記録タイミングが到来したと判断した場合、前記表示部20に「撮影を開始します」のような撮影開始の旨を表示させた後、予め定められた待機時間(例えば2秒程度)が経過してから前記撮影部70に前記秤量部51~54を撮影させることが考えられる。これにより、ユーザーが手などを前記撮影部70による撮影範囲の外に退避させることが期待され、無駄な撮影を抑制することができる。なお、前記秤量鑑査処理は前記秤量部5N各々について個別に実行されるが、前記ステップS41の撮影処理は共通の処理として実行される。このように全ての前記秤量部51~54の秤量値が安定した後に全ての前記秤量部51~54が同時に撮影されるため、前記鑑査支援装置100による鑑査の証拠として有効な撮影画像が記憶される。即ち、前記記録タイミングが到来した時点では1度の撮影のみが実行される。なお、前記秤量鑑査処理ごとに個別のタイミングで前記撮影部70による撮影が行われることも他の実施形態として考えられる。この場合には、前記秤量部51~54各々と前記薬品識別情報との対応付けが個別に解除される。例えば、前記秤量部5Nの秤量値が確定して前記照合処理が終了した後、前記秤量部5Nの秤量値が減少した場合に、前記秤量部5Nと前記薬品識別情報との対応付けが解除されることが考えられる。さらに、前記秤量部5Nの秤量値が安定した後に前記撮影キーK18が操作されるタイミングで前記撮影部70による撮影が行われると共に、前記秤量部5Nの前記薬品識別情報との対応付けが解除されることも考えられる。
また、前記制御部10は、前記撮影部70による撮影画像を記録した後、前記撮影画像から前記秤量部51~54各々に対応して予め定められた領域の画像を抽出することも他の実施形態として考えられる。この場合、前記制御部10は、前記秤量表示領域A11~A14各々に対応して予め定められた領域各々の画像も抽出する。そして、前記秤量部51~54各々に対応する画像及び前記秤量表示領域A11~A14各々に対応する画像を個別の画像データとして前記記憶部40に記憶させる。なお、前記制御部10は、前記撮影部70から受信する動画情報を鑑査履歴として前記処方データに対応付けて前記記憶部40に記憶させることも考えられる。
また、前記照合処理の終了後、前記ステップS40において、前記処方鑑査画面D10に表示されている前記撮影キーK18が操作されたと判断された場合に、前記制御部10が、前記撮影部70による撮影画像を記録することが考えられる。なお、前記薬品識別情報に対応する前記秤量部5Nの秤量結果の処方データとの照合が終了したことを条件に前記撮影部70による撮影画像が記録されることも考えられる。
さらに、前記鑑査支援装置100を使用するユーザーが薬品を薬袋に入れるための作業を行う範囲が前記撮影部70の撮影範囲に含まれており、前記記録タイミングの事象の発生から所定時間経過後に前記撮影部70による撮影画像が記録されることも考えられる。これにより、前記鑑査支援装置100で鑑査した後の薬品を薬袋に投入する作業を前記撮影部70で撮影することが可能である。
<ステップS42>
その後、ステップS42において、前記制御部10は、前記ステップS33において行われた全ての前記薬品識別情報と前記秤量部5Nとの対応付けを解除する。これにより、前記制御部10は、前記薬品識別情報との対応付けが解除された前記秤量部5Nを用いて、次の薬品についての秤量鑑査処理を実行することが可能となる。なお、前記制御部10は、前記薬品識別情報との対応付けが解除された前記秤量部5Nに対応する前記秤量表示領域A1Mの表示をリセット(消去)する。
以上説明したように、前記鑑査支援装置100を用いれば、薬品のPTPシートなどの包装材から薬品識別情報が読み取られるごとに前記秤量鑑査処理(S19)が開始され、前記処方データ又は前記Rpデータに含まれる処方薬品の鑑査を連続且つ並列で行うことが可能である。そのため、例えば前記処方薬品各々の鑑査作業及び前記処方薬品各々の薬袋への収容作業を効率的且つ正確に行うことが可能となる。
また、前記秤量鑑査処理では、薬品の包装材から前記薬品識別情報が読み取られた後、異なる薬品の包装材から前記薬品識別情報が読み取られるまでの間に秤量値が0から増加した前記秤量部が前記秤量鑑査対象薬品に対応する秤量部として特定される。そのため、一の前記薬品識別情報に対応する前記秤量部5Nの秤量値が安定する前に、他の前記薬品識別情報を前記情報読取部60で読み取らせて他の前記秤量部5Nによる秤量を開始させることが可能である。従って、ユーザーは、前記処方データ又は前記Rpデータに含まれる複数種類の薬品についての鑑査を効率的且つ正確に実行することができる。
具体的に、前記鑑査支援装置100は、4つの前記秤量部51~54を備える構成であるが、前記秤量部51~54を用いる前記秤量鑑査処理が個別に実行される。例えば、前記Rpデータに4種類の錠剤が処方薬として含まれている場合、ユーザーは、1つ目の錠剤のPTPシートの前記薬品識別情報を前記情報読取部60で読み取って前記秤量部5NにPTPシートを載置する。その後、ユーザーは、2つ目の錠剤のPTPシートの前記薬品識別情報を前記情報読取部60で読み取って前記秤量部5NにPTPシートを載置する。このとき、2つ目の錠剤のPTPシートの前記薬品識別情報の読み取りは、1つ目の秤量部5Nの秤量値が安定する前であってもよい。そして、前記薬品識別情報各々について開始された前記秤量鑑査処理各々では、前記秤量部5Nによる秤量結果に基づく鑑査結果が前記秤量表示領域A1Mに表示される。また、ユーザーは、その後も続けて3つ目の錠剤のPTPシートの前記薬品識別情報を前記情報読取部60で読み取って前記秤量部5NにPTPシートを載置し、4つ目の錠剤のPTPシートの前記薬品識別情報を前記情報読取部60で読み取って前記秤量部5NにPTPシートを載置する。このとき、前記秤量部5N各々による秤量結果と前記処方データ又は前記Rpデータとの照合は、前記薬品識別情報が読み取られたときに個別に開始される。そのため、前記秤量部5N各々による照合処理が順次終了することになる。従って、4種類全ての錠剤のPTPシートを前記秤量部5Nに載置してから全ての前記秤量部5Nによる秤量結果の照合を行う場合に比べて、最後(4番目)のPTPシートを前記秤量部5Nに載置させてから前記鑑査支援装置100による秤量鑑査処理が終了するまでの時間を短縮することができる。
一方、前記鑑査支援装置100は、4つの前記秤量部51~54を備えるものであるため、そのままでは5種類の薬品が前記Rpデータに含まれる場合に、5つ目の薬品のPTPシートの前記薬品識別情報を前記情報読取部60で読み取ってもそのPTPシートを載置することができない。そこで、前記制御部10が、前記秤量部5Nによる秤量結果と前記処方データ又は前記Rpデータとの照合が終了するごとに前記秤量部5Nと前記薬品識別情報との対応付けを解除することが他の実施形態として考えられる。これにより、前記鑑査支援装置100が有する前記秤量部51~54の数より多い5種類以上の薬品が前記Rpデータに含まれる場合であっても、前記秤量部51~54を繰り返し使用することにより5種類以上の薬品の秤量鑑査を並行して順次実行することが可能である。即ち、ユーザーは、1つ目~4つ目のいずれかの薬品に対応する前記秤量鑑査処理が終了した時点で5つ目の薬品の前記薬品識別情報を前記情報読取部60で読み取って前記秤量部5NにPTPシートを載置することができ、先に鑑査が終了した薬品については先に薬袋に収容していくことが可能である。従って、ユーザーは、前記秤量部5Nの数よりも多い種類の前記PTPシートの鑑査を効率的且つ正確に実行することができる。但し、この場合には、前記ステップS40~S41における撮影を行うことができない。そのため、この種の構成は、例えば前記鑑査支援装置100が前記撮影部70による撮影画像の記録機能を有していない場合、前記記録機能が無効に設定されている場合、前記撮影画像の記録タイミングが前記撮影キーK18の操作である場合、又は前記撮影画像の記録タイミングが前記秤量部5Nの秤量結果の処方データとの照合が終了することである場合などに好適である。
[他の機能]
以下、前記鑑査支援装置100が備える他の機能について説明する。なお、前記鑑査支援装置100は、下記の複数の機能のうち一又は複数の機能を備えるものであればよい。
[包装鑑査機能]
前記鑑査支援装置100では、薬品が複数収容されているPTP(press through pack)シート又はヒートシールのような第1包装材で収容された状態で前記秤量鑑査処理を実行することが可能である。一方、前記秤量鑑査処理の対象が、複数の前記第1包装材がアルミ包装材又は薬箱のような第2包装材に収容されている薬品であることも考えられる。この場合、薬剤師などの作業者は、前記鑑査支援装置100を用いた鑑査作業において、前記第2包装材から前記第1包装材を取り出すことになる。
これに対し、前記鑑査支援装置100が、複数の前記第1包装材が前記第2包装材に収容された状態のままで前記秤量鑑査処理を実行可能な包装鑑査機能を備えることが考えられる。具体的には、前記制御部10が、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記包装鑑査機能を具現する。なお、以下の説明で用いる「第1包装材」の単語は前記第1包装材のみではなく前記第1包装材に複数の薬品が収容されている状態を意味するものであり、「第2包装材」の単語は前記第2包装材のみではなく前記第2包装材に複数の前記第1包装材が収容されている状態を意味する。
まず、前記第1包装材及び前記第2包装材には、例えば同一のGS1コードのような前記薬品識別情報が付与されている。そのため、前記制御部10は、前記鑑査支援処理ステップS18において、前記第1包装材又は前記第2包装材から前記薬品識別情報が読み取られた場合に、前記薬品識別情報に対応する処方薬品を秤量鑑査対象薬品として選択することが可能である。また、前記制御部10は、前記表示部20及び前記操作部30を用いたユーザー操作に応じて前記秤量鑑査対象薬品を選択することも可能である。このように、前記秤量部5Nによる秤量対象の薬品である前記秤量対象薬品を選択するための処理を実行するときの前記制御部10が選択処理部の一例である。
そして、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100における初期設定時又は秤量鑑査開始時に、前記表示部20及び前記操作部30を用いたユーザーの操作入力に応じて、前記秤量部51~54ごとに前記包装鑑査機能の有効及び無効を切り換えることが可能である。以下、前記包装鑑査機能が有効な状態を包装鑑査モードと称し、前記包装鑑査機能が無効な状態を通常モードと称する。
例えば、図15に示されるように、前記処方鑑査画面D10の前記秤量表示領域A11~A14に「包装有り」及び「包装無し」を切り換えるための操作キーK51が表示されている。そして、前記制御部10は、前記秤量表示領域A11~A14各々における前記操作キーK51の操作に応じて、前記秤量部51~54ごとの前記包装鑑査機能の有効及び無効を交互に切り換える。
一方、前記医薬品マスターでは、薬品ごとに対応する情報として、前記第2包装材の単位重量(総重量)を示す包装重量、及び前記第2包装材に収容されている薬品の数を示す包装内個数が記憶されている。ここに、図16は、前記医薬品マスターにおけるバーコード情報を登録するための登録画面D14の一例を示す図である。具体的に、前記制御部10は、前記マスターメンテナンス画面D13(図14参照)においてバーコード情報の登録を開始するための操作キーが操作された場合に前記登録画面D14を表示する。なお、図16では、マグラックス錠330mgの薬品について3つのバーコード情報が登録されている状態が示されている。前記バーコード情報には、バーコードの種別、バーコードの内容、規格、単位、PTP内個数、単一重量、包装内個数、包装重量、画像、及び区分の各項目の情報が薬品の個別情報として含まれている。
例えば、図16に示されている前記登録画面D14の1レコード目では、一つの前記第1包装材に収容されている薬品の数を示すPTP内個数が「10.00」に設定されており、一つの前記第1包装材の重量を示す単一重量が「5.72g」に設定されている。また、同じく前記1レコード目では、一つの前記第2包装材に収容されている薬品の数を示す包装内個数が「100」に設定されており、一つの前記第2包装材の重量を示す包装重量が「62.20g」に設定されている。
前記制御部10は、前記登録画面D14におけるユーザー操作に応じて、前記PTP内個数、前記単一重量、前記包装内個数、及び前記包装重量などを設定可能である。例えば、前記PTP内個数、前記単一重量、前記包装内個数、及び前記包装重量などは、ユーザーによる数値入力操作に応じて設定され、又は予め指定されるマザーマスターの情報に基づいて更新されてもよい。
なお、前記包装内個数に代えて一つの前記第2包装材に収容されている前記第1包装材の数が設定されていてもよい。この場合、前記制御部10は、一つの前記第2包装材に収容されている前記第1包装材の数と、前記PTP内個数とに基づいて一つの前記第2包装材に収容されている薬品の数を算出することが可能である。
また、前記鑑査支援装置100では、前記秤量部5Nを用いて前記第1包装材の前記単一重量及び前記第2包装材の前記包装重量などを設定することが可能である。具体的に、前記登録画面D14では、前記第1包装材の前記単一重量の設定を開始するための操作キーK141、及び前記第2包装材の前記包装重量の設定を開始するための操作キーK142が各レコードに対応して表示されている。前記登録画面D14に示される例では、各レコードに対応する前記単一重量及び前記包装重量各々のセルが前記操作キーK141、K142として機能する。
そして、前記制御部10は、前記登録画面D14において、前記操作キーK141が操作されると、図17に示されるように、前記操作キーK141に対応するレコードの薬品の前記第1包装材を二つだけ前記秤量部5Nに乗せることを促すメッセージを含む報知画面D141が表示される。これにより、作業者によって前記第1包装材が二つだけ前記秤量部5Nに載置される。その後、前記制御部10は、前記秤量部5Nの秤量結果が確定すると、その秤量結果を二で割ることにより前記第1包装材の単一当たりの重量を算出し、前記単一重量として設定する。なお、前記制御部10は、前記単一重量の設定時に秤量する前記第1包装材の数は二つに限らず、前記登録画面D14におけるユーザー操作に応じて予め任意に設定可能である。また、前記制御部10は、前記単一重量を日常の前記鑑査支援装置100による前記秤量部51~54の秤量結果に基づいて更新する学習機能を有していてもよい。例えば、前記制御部10は、前記秤量部51~54を用いて秤量される薬品各々の秤量結果から算出される単一重量を薬品ごとに平均化した値を前記単一重量として前記バーコード情報に登録することが考えられる。
同じく、前記制御部10は、前記登録画面D14において、前記操作キーK142が操作されると、図18に示されるように、前記操作キーK142に対応するレコードの薬品の前記第2包装材を一つだけ前記秤量部5Nに乗せることを促すメッセージを含む報知画面D142が表示される。これにより、作業者によって前記第2包装材が一つだけ前記秤量部5Nに載置される。その後、前記制御部10は、前記秤量部5Nの秤量結果が確定すると、その秤量結果を前記第2包装材の前記包装重量として設定する。また、前記制御部10は、前記包装重量を日常の前記鑑査支援装置100による前記秤量部51~54の秤量結果に基づいて更新する学習機能を有していてもよい。例えば、前記制御部10は、前記秤量部51~54を用いて秤量される薬品各々の秤量結果から算出される包装重量を薬品ごとに平均化した値を前記包装重量として前記バーコード情報に登録することが考えられる。
<通常モード>
そして、前記通常モードでは、前記秤量鑑査処理(図13参照)の前記ステップS31において、前記制御部10が、前記薬品識別情報に対応する薬品の前記単一重量及び前記PTP内個数を前記医薬品マスターから取得する。そして、前記ステップS34において、前記制御部10は、前記ステップS33で特定された前記秤量部5Nによる秤量値と前記単一重量及び前記PTP内個数とに応じた薬品量の表示を開始する。例えば、前記制御部10は、図15の前記秤量表示部A14に示されているように、前記通常モードに設定されている前記秤量部54の秤量結果として「35錠」を表示する。そして、前記制御部10は、前記ステップS37において、前記秤量部54の秤量結果と前記Rpデータとを照合する。
<包装鑑査モード>
一方、前記包装鑑査モードでは、前記秤量鑑査処理(図13参照)の前記ステップS31において、前記制御部10が、前記薬品識別情報に対応する薬品の前記包装内個数及び前記包装重量を前記医薬品マスターから取得する。ここに、係る取得処理を実行するときの前記制御部10が取得処理部の一例である。
そして、前記ステップS34において、前記制御部10は、前記ステップS33で特定された前記秤量部5Nによる秤量結果と前前記包装内個数及び前記包装重量とに応じた薬品量の表示を開始する。なお、前記表示処理は、前記制御部10の前記表示処理部17によって実行される。具体的に、前記制御部10は、前記秤量部5Nによる秤量値と前記第2包装材の総重量である前記包装重量のn倍(nは1以上の整数)の重量のうち前記秤量部5Nによる秤量値に最も近い近似重量との差が予め設定された許容範囲内であるか否かを判断する。
なお、前記許容範囲は、前記第2包装材の総重量のn倍の重量に対する比率で設定されていることが考えられる。例えば、前記許容範囲は、前記第2包装材の総重量のn倍の重量に対して±10%の範囲として設定されていることが考えられる。即ち、前記許容範囲の下限許容値は前記近似重量に対して-10%の値、上限許容値は前記近似重量に対して+10%の値である。ここで、前記許容範囲である±10%は、一般に製薬メーカーが保証する一つの前記第2包装材の重量誤差が±5%であることに鑑みて予め設定された値であり、具体的には、その重量誤差である±5%に、前記秤量部5Nによる秤量結果に生じる誤差として許容する値である±5%を加算した値である。また、製薬メーカー又は薬品ごとに保証されている前記第2包装材の重量誤差が異なる場合には、製薬メーカー又は薬品ごとに前記許容範囲が設定されていてもよい。なお、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の初期設定時又は前記鑑査支援処理の開始時などにおけるユーザー操作に応じて前記許容範囲を任意に設定することも可能である。ここに、係る設定処理を実行するときの前記制御部10が設定処理部の一例である。
図15の前記秤量表示部A13に示されているように、前記制御部10は、前記秤量部53による秤量値と前記近似重量との差が前記許容範囲内である場合には、前記包装鑑査モードに設定されている前記秤量部53の秤量結果として、前記包装内個数のn倍の薬品量が表示される。一方、前記秤量部53の秤量値が前記近似重量より小さく、前記秤量部5Nによる秤量値と前記近似重量との差が前記許容範囲外である場合には、そのn倍に対応するnの数よりも一つ少ない数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数が前記秤量部53の秤量結果として表示される。また、前記秤量部53の秤量値が前記近似重量より大きく、前記近似重量と前記秤量部53の秤量値との差が前記許容範囲外である場合は、そのn倍に対応するnの数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数が前記秤量結果として表示される。
例えば、前述したように前記包装内個数が100錠である場合(図16参照)の秤量結果の表示例について考える。まず、前記近似重量が前記包装重量の1倍の重量である場合であって、前記秤量部53の秤量結果が前記近似重量より小さく、前記秤量部53の秤量結果と前記近似重量との差が前記近似重量の10%を超えている場合には、前記秤量表示部A13に前記秤量部53の秤量結果として前記包装内個数の0倍(nである1より一つ少ない数)である「0錠」が表示される。また、前記近似重量が前記包装重量の2倍の重量である場合であって、前記秤量部53の秤量結果が前記近似重量より小さく、前記秤量部53の秤量結果と前記近似重量との差が前記近似重量の10%を超えている場合には、前記秤量表示部A13に前記秤量部53の秤量結果として前記包装内個数の1倍(nである2より一つ少ない数)である「100錠」が表示される。
また、前記近似重量が前記包装重量の1倍の重量である場合であって、前記秤量部53の秤量結果が前記近似重量より大きく、前記秤量部53の秤量結果と前記近似重量との差が前記近似重量の10%を超えている場合には、前記秤量表示部A13に前記秤量部53の秤量結果として「100錠」が表示される。また、前記近似重量が前記包装重量の2倍の重量である場合であって、前記秤量部53の秤量結果が前記近似重量より大きく、前記秤量部53の秤量結果と前記近似重量との差が前記近似重量の10%を超えている場合には、前記秤量表示部A13に前記秤量部53の秤量結果として「200錠」が表示される。
その後、前記ステップS37において、前記制御部10は、一又は複数の前記秤量部5Nによる秤量結果と前記処方データとを照合する際には、前記ステップS34で秤量結果として表示される前記薬品の総数と前記処方データとを照合する。即ち、前記制御部10は、前記包装内個数と前記包装重量とに基づいて、前記近似重量と前記秤量部5Nの秤量値との差が予め設定された許容範囲内である場合には、前記整数倍に対応する数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数を秤量結果として前記処方データと照合することになる。一方、前記近似重量と前記秤量部の秤量値との差が前記許容範囲外である場合には、前記秤量部5Nの秤量値が前記近似重量より小さい場合は前記整数倍に対応する数よりも一つ少ない数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数が前記秤量結果として前記処方データと照合され、前記秤量部5Nの秤量値が前記近似重量より大きい場合は前記整数倍に対応する数の前記第2包装材に収容されている前記薬品の総数が前記秤量結果として前記処方データと照合される。
そして、前記ステップS37において、前記制御部10は、前記薬品の総数と前記処方データのRpデータにおける前記薬品の目標値(処方量)とが一致する場合に照合結果が一致であると判断する。また、前記薬品の総数と前記目標値とが一致しない場合には照合結果が不一致であると判断する。但し、前記ステップS37において、前記制御部10は、前記照合結果が一致であると判断した場合であっても、前記秤量部5Nの秤量結果の重量が前記許容範囲外である場合には、予め設定された警告メッセージを前記表示部20に表示して作業者に報知する。
なお、図15にも示されるように、複数の前記秤量部5Nを用いて秤量が行われる場合には、複数の前記秤量部5Nによる秤量結果に対応する薬品数の合計が前記Rpデータにおける前記薬品の目標値と一致する場合に照合結果が一致となる。例えば、前記Rpデータにおける前記薬品の目標値が135錠であり、前記薬品の単一重量が5.72g、PTP内個数が10錠、包装重量が24.45g、包装内個数が100錠であって、二つの前記秤量部53及び前記秤量部54を用いて鑑査作業が行われる場合を考える。また、前記秤量部53は前記包装鑑査モードに設定され、前記秤量部54は前記通常モードに設定されているとする。この場合、前記秤量部53による秤量値が23.98gである場合、前記制御部10は、前記包装重量の24.45の+10%の重量である26.895を上限許容値として算出し、-10%の重量である22.005gを下限許容値として算出する。そして、前記制御部10は、前記秤量部53による秤量値である23.98gが前記上限許容値及び前記下限許容値の間に収まるため(22.005<23.98<26.895)、前記薬品の前記包装内個数である100錠を前記秤量部53による秤量結果として特定する。一方、前記制御部10は、前記秤量部54による秤量値が20.02gである場合には、20.02g(秤量値)/5.72g(単一重量)×10(PTP内個数)の演算結果である35錠を前記秤量部54による秤量結果として特定する。そして、前記制御部10は、前記秤量部53及び前記秤量部54の秤量結果の合計である135錠を算出し、前記Rpデータにおける前記薬品の目標値である135と一致するか否かの照合処理を実行する。即ち、ここで説明した例では、前記照合結果として一致と判断されることになる。これに対し、前記秤量部53による秤量値が前記上限許容値及び前記下限許容値の間に収まっていなければ、前記秤量部53による秤量結果が0錠になるため、前記秤量部53及び前記秤量部54の秤量結果の合計が35錠となり、前記Rpデータにおける前記薬品の目標値である135錠と一致せず、前記照合結果として不一致と判断される。もちろん、前記秤量部54による秤量結果が35錠でない場合にも、前記Rpデータにおける前記薬品の目標値である135錠と一致しないため、前記照合結果として不一致と判断されることになる。
以上説明したように、前記鑑査支援装置100では、複数の薬品が収容されている前記第1包装材が複数まとめて前記第2包装材に収容されている状態でその薬品を鑑査する鑑査作業を支援することが可能である。従って、作業者は、前記第2包装材から前記第1包装材を取り出す必要がなく鑑査作業の手間が軽減される。
[処方単位鑑査機能]
前記鑑査支援装置100では、前記処方データに複数の前記Rpデータが含まれる場合、前記処方表示領域A15に表示されている「+」及び「-」の操作キーの操作、又は数値の直接入力操作によって前記指定RpNo.が変更され、変更後の前記指定RpNo.に対応するRpデータが前記処方表示領域A15に表示される。そして、選択されている前記Rpデータの鑑査が終了すると、次の前記Rpデータが選択されて同様に鑑査が行われることになる。例えば、前記処方データに10の前記Rpデータが含まれる場合には、前記Rpデータの鑑査が終了するごとに「+」の操作キーを操作する必要があり、「+」の操作キーを少なくとも9回操作することになる。
これに対し、前記鑑査支援装置100が、前記処方データに複数の前記Rpデータが含まれる場合であっても、前記処方データ単位で鑑査を行うことが可能な処方単位鑑査機能を有することが考えられる。具体的には、前記制御部10が、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記処方単位鑑査機能が具現される。
なお、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100における初期設定時又は秤量鑑査開始時に、前記表示部20及び前記操作部30を用いたユーザーの操作入力に応じて、前記処方単位鑑査機能の有効及び無効を切り換えることが可能である。
そして、前記制御部10は、前記処方単位鑑査機能が有効である場合には、前記鑑査支援処理(図7参照)及び前記秤量鑑査処理(図13参照)において下記の処理を実行する。なお、ここでは前記鑑査支援処理(図7参照)及び前記秤量鑑査処理(図13参照)と異なる点についてのみ説明する。
<鑑査支援処理の他の例>
前記制御部10は、前記ステップS12又は前記ステップS13で前記処方データが特定された場合に、前記ステップS14において、前記処方データに含まれる全ての前記Rpデータ内の薬品を鑑査対象として選択する。具体的に、前記制御部10は、前記処方データに含まれる全ての前記Rpデータ内の薬品の情報を前記処方表示領域A15に一覧表示させる。即ち、前記Rpデータ各々に含まれる薬品が前記処方データ単位で一覧表示される。係る処理は、前記制御部10の前記照合処理部14によって実行される。なお、前記薬品各々の情報が前記処方表示領域A15内に一度に表示できない場合には、前記処方表示領域A15にスクロールバー等が表示され、前記スクロールバー等の操作により前記薬品各々の情報がスクロール表示される。
<秤量鑑査処理の他の例>
そして、前記ステップS40において、前記制御部10は、4つの前記秤量部51~54の全ての秤量値が確定した場合、或いは、前記処方データに処方薬として含まれる全ての薬品について前記秤量鑑査処理が終了した場合に、前記撮影部70による撮影画像の記録タイミングであると判断し、前記撮影部70で前記秤量部51~54を撮影する。即ち、前記Rpデータに含まれる全ての薬品について前記秤量鑑査処理が終了しただけでは撮影画像の記録タイミングであると判断されない。そのため、前記撮影部70によって撮影される撮影画像には、一つの前記Rpデータに対応する薬品の画像に限らず、複数の前記Rpデータに亘った薬品の画像が含まれることがある。
以上説明したように、前記処方単位鑑査機能によれば、前記Rpデータの単位で前記秤量鑑査処理が実行されていた場合に比べて、作業者が前記Rpデータを順に選択する操作が不要となり、作業者の作業負担が軽減される。また、作業者は、4つの前記秤量部51~54の全ての秤量値が確定した場合、或いは、前記処方データに処方薬として含まれる全ての薬品について前記秤量鑑査処理が終了した場合に、前記秤量部51~54上の薬品をまとめて取り出すことになる。従って、前記Rpデータ単位で前記秤量鑑査処理が実行される場合に比べて前記秤量部51~54上の薬品を取り出す工程の実行回数が減少する。さらに、前記制御部10は、4つの前記秤量部51~54の全ての秤量値が確定した場合、或いは、前記処方データに処方薬として含まれる全ての薬品について前記秤量鑑査処理が終了した場合に、前記撮影部70による撮影を実行する。そのため、前記Rpデータの単位で前記撮影部70による撮影が実行されていた場合に比べて前記鑑査支援処理の所要時間も短縮される。
例えば、前記処方データに3つのRpデータが含まれており、そのRpデータ各々に一つの薬品が含まれる場合について考える。まず、前記処方単位鑑査機能が無効であり、前記Rpデータ単位で前記秤量鑑査処理が実行される場合には、図19に示されるように、前記Rpデータごとに前記秤量鑑査処理が実行されるため、前記Rpデータ各々に対応する薬品が前記Rpデータ単位で前記処方表示領域A15に順次表示されることになる。この場合、前記秤量部51~54から薬品を取り出す作業、前記Rpデータの切り替え操作、前記撮影部70による撮影がそれぞれ2回行われる。
これに対し、前記処方単位鑑査機能が有効であり、前記処方データ単位で前記秤量鑑査処理が実行される場合には、図20に示されるように、3つの前記Rpデータに対応する薬品が前記処方データ単位で前記処方表示領域A15に同時に表示される。そのため、薬品を前記秤量部51~54から取り出す作業、及び前記撮影部70による撮影は1回だけ実行され、前記Rpデータの切り替え操作は不要である。なお、前記処方データにおける3つの前記Rpデータに合計で4つ以上の薬品が含まれる場合には、4つ分の薬品の前記秤量鑑査処理の終了タイミングで前記秤量部51~54から薬品を取り出す作業、前記Rpデータの切り替え操作、前記撮影部70による撮影が実行されるが、その回数は、前記Rpデータ単位で前記秤量鑑査処理が実行される場合に比べて少なくなる。
[鑑査保留機能]
薬剤師は、前記鑑査支援装置100を用いて前記処方データについての鑑査作業を開始した後、前記処方データに含まれる薬品に欠品などが生じていた場合には、前記処方データについての前記鑑査支援処理を中止した後、前記処方データに対応する薬品が揃った時点で、前記処方データについて再度、前記鑑査支援処理を開始することが考えられる。しかしながら、この場合には、最初に実行していた前記鑑査支援処理が中止されるため、前記処方データに含まれる一部の薬品についての前記鑑査支援処理が終了している場合でも、最初から前記処方データについての前記鑑査支援処理を実行する必要が生じる。
これに対し、前記鑑査支援装置100が、前記鑑査支援処理を中断して保留し、前記鑑査支援処理を途中から再開することが可能な鑑査保留機能を備えることが考えられる。具体的には、前記制御部10が、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記鑑査保留機能が具現される。
ここに、図21は、前記処方鑑査画面D10の他の例を示す図である。図21に示されるように、前記処方鑑査画面D10では、鑑査保留キーK41が表示されている。そして、前記制御部10は、前記鑑査保留キーK41の操作により保留要求が行われたと判断した場合、図22に示されるように、現在実行中の前記鑑査支援処理の対象になっている処方データを保留にするか否かを確認するための操作画面D61が表示される。
前記操作画面D61には、操作キーK61~K63が表示されている。前記操作キーK61は、前記撮影部70による撮影後に前記処方データの前記鑑査支援処理を中断する際に操作される。前記操作キーK62は、前記撮影部70による撮影を実行せずに前記処方データの前記鑑査支援処理を中断する際に操作される。前記操作キーK63は、前記処方データ前記鑑査支援処理の中断をキャンセルする際に操作される。
そして、前記制御部10は、前記操作キーK61が操作された場合、前記撮影部70により前記秤量部51~54を撮影し、その撮影画像を前記処方データと対応付けて前記記憶部40に記憶する。ここに、係る撮影処理は、前記制御部10の撮影処理部18によって実行される。また、前記制御部10は、前記処方データの前記鑑査支援処理の実行中の情報を前記記憶部40に保留情報として記憶し、前記処方データの処理状態を保留状態に設定する。前記鑑査支援処理の実行中の情報には、現時点までに実行された一部の薬品についての前記秤量鑑査処理の実行結果などが含まれる。これにより、前記制御部10は、他の前記処方データについての前記鑑査支援処理を実行することが可能となる。なお、前記操作キーK62が操作された場合、前記制御部10は、前記撮影部70による撮影を行うことなく、前記処方データの前記鑑査支援処理の実行中の情報を前記記憶部40に保留情報として記憶し、前記処方データの処理状態を保留状態に設定する。
そして、前記制御部10は、前記未処理表示領域A21が表示される際には、図23に示されるように、前記鑑査保留機能によって保留状態に設定されている前記処方データを他の処方データと識別可能な表示態様(背景色又は文字色など)で表示する。また、前記未処理表示領域A21では、表示対象の処方データを前記保留状態の処方データに限定するための保留選択キーK42が表示されている。前記制御部10は、前記保留選択キーK42が操作されると、前記保留状態であった前記処方データ一覧を前記未処理表示領域A21に表示する。なお、前記未処理表示領域A21において保留状態の前記Rpデータは他の前記Rpデータと識別可能な表示態様で表示される。
その後、前記未処理表示領域A21において前記保留状態の処方データの選択操作が行われると、前記制御部10は、前記記憶部40に記憶されている前記処方データに関する前記処理状態に基づいて前記鑑査支援処理を再開させる。このとき、前記制御部10は、前記処方データの中断時に撮影されている撮影画像が存在する場合には、図24に示されるように、前記撮影画像に対応する前記画像表示キーK19を表示させる。そして、前記制御部10は、前記画像表示キーK19が操作されると、前記画像表示キーK19に対応する前記撮影画像を前記表示部20に拡大して表示させる。これにより、作業者は、前記処方データについての前記鑑査支援処理の保留状況を容易に把握することが可能である。
以上説明したように、前記鑑査支援装置100では、前記鑑査保留機能により一の処方データについての前記鑑査支援処理を中断して他の一又は複数の処方データの前記鑑査支援処理を実行した後で、前記一の処方データについての前記鑑査支援処理を途中から再開することが可能であり、鑑査作業の効率化を図ることが可能である。
[規格選択機能]
前記鑑査支援装置100では、前記情報読取部60によって前記PTPシートのような包装材からバーコードのような前記薬品識別情報が読み取られることによって鑑査対象の薬品が選択される。一方、前記PTPシートのような包装材に前記薬品識別情報が付されていないことがある。この場合、作業者は、前記鑑査支援処理の実行に際して、前記処方表示領域A15に表示されている薬品を選択するための操作を行うことになる。一方、前記医薬品マスターにおいて、一つの薬品について複数の前記薬品識別情報が登録されると共に、その複数の前記薬品識別情報のいずれかが代表の薬品識別情報として設定されることがある。そして、前記制御部10は、前記鑑査支援処理の実行に際して、前記処方表示領域A15に表示されている薬品が選択され、その選択された薬品に対応する前記薬品識別情報が前記医薬品マスターにおいて複数登録されている場合には、前記代表の薬品識別情報を選択し、前記鑑査支援処理を実行することが考えられる。
しかしながら、前記代表の薬品識別情報が予め設定される構成では、例えば同一の薬品について複数の規格が存在する場合にも、予め設定された一つの前記代表の薬品識別情報が選択されることになる。そこで、前記鑑査支援装置100が、前記鑑査支援処理の実行に際して、前記処方表示領域A15に表示されている薬品が選択され、その選択された薬品について複数の前記薬品識別情報が前記医薬品マスターに登録されている場合には、ユーザー操作に応じて、その複数の前記薬品識別情報のいずれかを前記照合処理で使用される情報として任意に選択可能な規格選択機能を備えることが考えられる。具体的には、前記制御部10が、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記規格選択機能が具現される。
例えば、前記制御部10は、前記医薬品マスターにおいて、一つの薬品の前記薬品識別情報として複数の薬品識別情報が登録される場合でも、前記代表の薬品識別情報を設定しないことが可能である。そして、前記制御部10は、前記鑑査支援処理の実行に際して、前記処方表示領域A15に表示されている薬品が選択され、その選択された薬品に対応する前記薬品識別情報が前記医薬品マスターにおいて複数登録されている場合には、その複数の前記薬品識別情報のいずれかを選択するための操作画面D62を前記表示部20に表示させる。
ここに、図25は、前記操作画面D62の一例を示す図である。図25に示されるように、前記操作画面D62には、複数の前記薬品識別情報に対応する複数の規格が表示される。そして、前記制御部10は、前記操作画面D62における前記複数の規格のいずれかを選択するための操作を受け付け、その選択された規格に対応する前記薬品識別情報を前記鑑査支援処理の対象となる薬品の前記薬品識別情報として選択する。これにより、前記秤量鑑査処理では、前記ステップS33において、前記制御部10が、前記ステップS32で秤量値が0から増加した前記秤量部5Nを前記特定された前記薬品識別情報に対応付ける秤量部として特定する。
以上説明したように、前記鑑査支援装置100では、前記規格選択機能により、例えば同一の薬品について複数の規格が存在しており、複数の前記薬品識別情報が前記医薬品マスターに登録されている場合に、その複数の規格から適正な規格を選択することが可能となり、前記鑑査支援処理を適切に実行することが可能になる。
[排他制御機能]
ところで、図1にも示されるように、前記医療システム1には、複数の前記鑑査支援装置100が接続されることがある。このように構成された前記医療システム1では、前記鑑査支援装置100各々で個別に前記鑑査支援処理が実行されることも考えられるが、その場合には、異なる前記鑑査支援装置100を用いて同一の前記処方データについての前記鑑査支援処理が実行されるおそれがあり作業効率が低下するおそれがある。
これに対し、前記鑑査支援装置100の各々において、自機がメイン装置であるかサブ装置であるかの設定が可能であることが考えられる。なお、任意の前記鑑査支援装置100において、前記鑑査支援装置100各々がメイン装置又はサブ装置のいずれであるかの設定が可能であり、その設定内容が前記鑑査支援装置100各々に送信されてもよい。以下、前記メイン装置として設定された前記鑑査支援装置100をメイン鑑査支援装置100Aと称し、前記サブ装置として設定された前記鑑査支援装置100をサブ鑑査支援装置100Bと称する。
なお、例えば前記鑑査支援装置100各々では、前記制御部10が、前記メイン装置としての登録操作が行われた場合に、前記医療システム1に既に前記メイン装置が登録されているか否かを前記鑑査支援装置100各々に問い合せることが考えられる。そして、前記制御部10は、前記メイン装置が登録されていない場合にのみ自機を前記メイン装置として設定することを許可する。これにより、前記メイン装置の重複登録が防止される。
そして、前記メイン鑑査支援装置100Aは、前記処方データを前記調剤支援システム200及び前記レセプトシステム300から取得して前記記憶部40に記憶させる。一方、前記サブ鑑査支援装置100Bの前記制御部10は、前記メイン鑑査支援装置100Aの前記記憶部40にアクセスし、前記記憶部40に記憶される前記処方データを対象とする前記鑑査支援処理又は前記処方データの削除処理などを実行することが可能である。即ち、前記サブ鑑査支援装置100B各々は、前記処方データを前記調剤支援システム200及び前記レセプトシステム300から取得しないことが考えられる。
但し、この場合でも、前記メイン鑑査支援装置100A及び前記サブ鑑査支援装置100Bなどの複数の端末から同一の前記処方データについての鑑査作業が並行して実行されるおそれがある。そこで、前記医療システム1は、同一の前記処方データに対する複数の前記鑑査支援装置100からのアクセスを排他的に制御する排他制御機能を備えることが考えられる。例えば、前記制御部10が、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記排他制御機能が具現される。
具体的に、前記メイン鑑査支援装置100Aの前記記憶部40に処理中フォルダ及び処理済フォルダが設けられることが考えられる。そして、前記鑑査支援装置100各々の前記制御部10は、前記鑑査支援処理又は前記削除処理などの処理対象として前記処方データが選択された場合に、その選択された前記処方データを示す前記処方識別情報を前記処理中フォルダに記憶する。
これにより、前記鑑査支援装置100各々の前記制御部10は、前記処理中フォルダ内の前記処方識別情報に基づいて前記処方データが処理中であると判断することが可能である。従って、前記鑑査支援装置100各々では、前記制御部10が、前記処方鑑査画面D10(図9参照)に未処理の処方データの一覧を表示させる場合、他の端末からアクセスされている処方データを表示させないことが可能である。
即ち、前記制御部10は、処理対象となる前記処方データを示す前記処方識別情報が前記処理中フォルダ内に記憶されている場合には、その処方データについての前記鑑査支援処理又は前記削除処理などを実行することができない。また、前記制御部10は、処理対象となる前記処方データを示す前記処方識別情報が前記処理中フォルダ内に記憶されていない場合には、その処方データについての前記鑑査支援処理又は前記削除処理などを実行することが可能である。
そして、前記制御部10各々は、前記処方データについての前記鑑査支援処理又は前記削除処理などが終了すると、前記処方データを示す前記処方識別情報を前記処理中フォルダから前記処理済フォルダに移動させる。また、前記制御部10各々は、前記処方データについての前記鑑査支援処理又は前記削除処理などが終了すると、前記処方データに対する処理内容及び処理結果などを前記鑑査履歴として前記メイン鑑査支援装置100Aの前記記憶部40に記憶させる。
以上説明したように、前記医療システム1では、前記排他制御機能により、前記メイン鑑査支援装置100Aの前記記憶部40に記憶されている前記処方データについて排他制御が実行されるため、複数の前記鑑査支援装置100を用いて同一の前記処方データに対する処理が並行して実行されることが防止される。
なお、他の実施形態として、前記メイン鑑査支援装置100Aの前記制御部10が、前記医療システム1に接続された前記鑑査支援装置100各々による前記処方データへのアクセスの有無を管理することも考えられる。この場合、前記メイン鑑査支援装置100Aの前記制御部10は、いずれか一つの前記鑑査支援装置100が前記処方データにアクセスした場合には、その処方データへの端末からのアクセスを制限する。これにより、前記鑑査支援装置100各々では、前記制御部10が、前記処方鑑査画面D10(図9参照)に未処理の処方データの一覧を表示させる場合、他の端末からアクセスされている処方データを表示させないことが可能である。
[大皿分割機能]
前述したように、前記鑑査支援装置100では、前記大皿58を用いることにより前記秤量部5Nの定格容量を超える重量の薬品について鑑査作業を行うことが可能である。しかしながら、前記大皿58を用いた場合であっても、4つの前記秤量部5Nの定格容量の合計を超える超過重量の薬品についての鑑査作業を行うことはできない。特に、前記大皿58を用いて前記秤量鑑査処理が実行可能な最大重量(以下、「大皿最大重量」と称する)としては、4つの前記秤量部5Nの定格容量の合計未満の予め定められた値が用いられる。例えば、前記秤量部5Nの定格容量が200gである場合、4つの前記秤量皿5Nの定格容量の合計は800gであるが、それに対して前記大皿最大重量は600g程度に設定されることが考えられる。
これに対し、前記鑑査支援装置100が、前記大皿58を利用して前記大皿最大重量を超える薬品について前記秤量鑑査処理を実行可能な大皿分割機能を備えることが考えられる。具体的には、前記制御部10が、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記大皿分割機能を具現する。なお、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の初期設定などにおけるユーザー操作に応じて、前記大皿分割秤量機能の有効及び無効を設定可能である。また、前記制御部10が、前記秤量鑑査処理の実行中に前記大皿分割秤量機能の有効及び無効をユーザー操作に応じて切り換えてもよい。
具体的に、前記大皿分割秤量機能が有効である場合、前記制御部10は、前記秤量鑑査処理の対象として選択された前記Rpデータに基づいて、前記大皿最大重量を超える薬品(以下、「重量超過薬品」と称する)が処方薬品として含まれているか否かを判断する。そして、前記制御部10は、前記重量超過薬品が処方薬品として含まれている場合、前記重量超過薬品についての前記秤量鑑査処理の実行モードを大皿分割秤量モードに設定する。
そして、前記大皿分割秤量モードにおいて、前記制御部10は、前記重量超過薬品が前記大皿58に載置されて前記秤量部51~54による秤量結果が確定するごとに、その秤量結果に対応する薬品量を前記秤量表示領域A41に表示させる。また、前記制御部10は、前記秤量部51~54による秤量結果に対応する前記薬品量を前記Rpデータにおける前記重量超過薬品の目標値から累積して引いた残りの薬品量を算出して表示させる。
ここに、図26~図28は、前記大皿分割秤量モードにおいて前記処方鑑査画面D10に順に表示される前記秤量表示領域A41の表示例を示す図である。
図26に示されるように、前記制御部10は、前記重量超過薬品に対応する重量を前記重量超過薬品の単位に換算した薬品量を算出し、その薬品量を秤量結果として前記表示部20の前記処方鑑査画面D10の秤量表示領域A41に表示させる。さらに、図27、図28に示されるように、前記制御部10は、前記秤量部51~54による秤量結果が確定するごとに、前記Rpデータにおける前記重量超過薬品の目標値から前記秤量結果の薬品量を累積して引いた後の残りの薬品量を、目標数量として前記秤量表示領域A41に表示させる。なお、図26~図28に示されるように、前記制御部10が、前記大皿58を用いて秤量可能な最大の薬品数を算出し、その薬品数を分割最大数として前記秤量表示領域A41に表示させることも考えられる。
そして、前記制御部10は、前記重量超過薬品について前記大皿58を用いた秤量が繰り返し実行されて前記残りの薬品量が0に達したか否かを判断し、前記秤量部5Nによる秤量結果と前記処方データとの照合結果が一致したと判断する。なお、前記制御部10は、前記照合結果が一致であると判断するとその旨を前記表示部20に表示させた後、前記大皿分割秤量モードを終了し、前記照合結果が不一致であると判断している間は前記大皿58を用いた前記秤量部5Nによる秤量を繰り返す。即ち、前記制御部10は、前記大皿58が載置された複数の前記秤量部51~54による複数回の秤量結果と前記処方データとを照合することが可能である。
以上説明したように、前記鑑査支援装置100では、前記大皿分割機能により、前記大皿最大重量を超える前記重量超過薬品についても前記大皿58を用いて前記秤量鑑査処理を実行することが可能となる。また、前記制御部10は、前記処方鑑査画面D10の前記秤量表示領域A41に、前記重量超過薬品の目標値に対する残りの薬品量が表示されるため、薬剤師は、前記重量超過薬品についての鑑査作業を容易に行うことが可能である。
なお、前記秤量鑑査処理において、前記制御部10が、前記重量超過薬品について、一回当たりの秤量目標値が前記大皿最大重量以下となるように、前記重量超過薬品のデータを分割することも考えられる。例えば、前記重量超過薬品が単位重量160g(1袋10枚)で払出量が60枚であり、前記大皿最大重量が600gである場合について考える。この場合、前記重量超過薬品に対応する重量は960g(160g×6袋)となる。この場合、前記制御部10は、前記大皿最大重量である600gと残りの360gとを二回の秤量目標値として設定することが考えられる。また、前記制御部10は、前記大皿最大重量である600g未満であって前記最小払出単位の整数倍である480g(3袋)と残りの480g(3袋)とを二回の秤量目標値として均等に分割することも考えられる。
また、本実施形態では、複数の前記秤量部5Nに亘って載置される前記大皿58を用いる場合を例に挙げて説明した。一方、一つの前記秤量部5Nに前記秤量皿55又は前記大皿58が載置される場合に、前記制御部10が、その一つの前記秤量部5Nによる複数回の秤量結果と前記処方データとを照合可能であることも他の実施形態として考えられる。
[マスター更新機能]
前記秤量鑑査処理の前記ステップS31では、薬品の単位重量が取得されるが、前記医薬品マスターに前記薬品の単位重量が登録されていないことが考えられる。例えば、新薬についての単位重量の情報が未登録であることがある。これに対し、前記鑑査支援装置100が、前記医薬品マスターを更新するマスター更新機能を備えることが考えられる。具体的に、前記マスター更新機能は、前記制御部10が前記ステップS31において後述のマスター更新処理(図29参照)を実行することによって実現される。ここで、図29を参照しつつ前記マスター更新処理について説明する。なお、前記マスター更新処理は、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品各々について個別に実行される処理である。
<ステップS51>
ステップS51において、前記制御部10は、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品の情報が前記医薬品マスターに記憶されているか否かを判断する。なお、前記ステップS51では、前記薬品について、例えば前記秤量鑑査処理で用いる前記薬品の単位重量、PTPシート1枚当たりの重量、PTPシート1枚当たりの個数などの情報が前記医薬品マスターに記憶されているか否かが判断される。ここで、前記薬品の情報が前記医薬品マスターに記憶されていると判断されると(S51:Yes)、処理がステップS55に移行し、前記薬品の情報が前記医薬品マスターに記憶されていないと判断されると(S51:No)、処理がステップS52に移行する。
<ステップS52>
ステップS52において、前記制御部10は、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品について、前記医薬品マスター(第1マスターの一例)と予め設定される参照先に記憶されているマザーマスター(第2マスターの一例)とに差が生じているか否かを判断する。前記マザーマスターは、前記医薬品マスターと同種の情報を含み、例えばWebサイトから予めダウンロードされ、又はCDなどの記録媒体から読み取られて前記記憶部40に記憶される。また、前記マザーマスターは、前記調剤支援システム200又は前記レセプトシステム300などに記憶されていてもよい。なお、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の初期設定又は秤量鑑査処理の開始時などにおけるユーザー操作に応じて、予め前記マザーマスターの参照先を設定することが可能である。例えば、前記鑑査支援装置100の前記記憶部40、前記調剤支援システム200、又は前記レセプトシステム300などが前記参照先として設定される。さらに、前記マザーマスターは、前記鑑査支援装置100のメーカー又は薬品メーカーなどが有するサーバー装置400(図1参照)から定期的に又は任意のタイミングで前記通信網N1を介して前記鑑査支援装置100に自動配信されて前記記憶部40に記憶されてもよい。
例えば、前記制御部10は、前記医薬品マスターについて、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品のYJコードなどの薬品の識別情報に薬品の個別情報として対応付けられたバーコード情報の数を抽出する。また、前記制御部10は、前記マザーマスターについても、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品の識別情報に対応付けられた前記バーコード情報の数を抽出する。そして、前記制御部10は、前記医薬品マスター及び前記マザーマスター各々における前記バーコード情報の数が一致しない場合に差が生じていると判断する。例えばある薬品のYJコードに対応付けられた前記バーコード情報が、前記医薬品マスターでは3つあり、前記マザーマスターでは5つある場合には、その差である2つの前記バーコード情報が前記医薬品マスターに不足していることになる。また、前記制御部10は、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品のYJコードなどの薬品の識別情報に対応する前記バーコード情報が、前記医薬品マスターには登録されておらず、前記マザーマスターに登録されている場合にも差が生じていると判断する。なお、前記制御部10は、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとの間で、前記薬品に対応する前記バーコード情報の内容(包装重量又は包装内個数など)について差が生じている場合にも差が生じていると判断する。
ここで、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとに差が生じていると判断されると(S52:Yes)、処理がステップS53に移行し、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとに差が生じていないと判断されると(S52:No)、処理がステップS55に移行する。なお、前記ステップS52は、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとに差が生じているか否かに代えて、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品の情報が前記マザーマスターに登録されているか否かを判断する簡素な処理であってもよい。
<ステップS53>
ステップS53において、前記制御部10は、前記マザーマスターに基づいて前記医薬品マスターを更新するか否かを判断する。具体的に、前記制御部10は、前記表示部20に、前記薬品マスターの更新の有無の問い合せを表示させ、前記問い合せに対するユーザー操作に応じて前記薬品マスターの更新の有無を判断する。ここで、前記医薬品マスターを更新すると判断されると(S53:Yes)、処理がステップS54に移行し、前記医薬品マスターを更新しないと判断されると(S53:No)、処理がステップS55に移行する。
<ステップS54>
ステップS54において、前記制御部10は、前記マザーマスターに基づいて前記医薬品マスターを更新する。具体的に、前記制御部10は、前記医薬品マスターにおいて、前記マザーマスターとの間に差が生じている項目の情報を前記マザーマスターの情報に更新することにより、前記医薬品マスターを前記マザーマスターと同期させる。即ち、前記制御部10は、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとの間の差分を抽出する。そして、前記制御部10は、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとの間で前記薬品に対応付けて登録された前記バーコード情報の数が異なる場合には、前記医薬品マスターに不足している前記バーコード情報を前記マザーマスターから読み出して前記医薬品マスターに登録する。また、前記制御部10は、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品のYJコードなどの薬品の識別情報に対応する前記バーコード情報が、前記医薬品マスターには登録されておらず前記マザーマスターに登録されている場合には、前記マザーマスターから前記バーコード情報を読み出して前記医薬品マスターに登録する。また、前記制御部10は、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとの間で、前記薬品に対応する前記バーコード情報の内容(包装重量又は包装内個数など)について差が生じている場合に、前記マザーマスターにおける前記バーコード情報の内容を採用して前記医薬品マスターにおける前記バーコード情報の内容を更新することも考えられる。なお、前記制御部10は、前記ステップS53~S54において、前記マザーマスターと前記医薬品マスターとの間に差が生じている薬品ごとにユーザー操作に応じて個別の有無を変更可能であってもよい。さらに、前記制御部10は、ユーザー操作に応じて任意に選択された薬品のみについて前記医薬品マスター内の情報を前記マザーマスター内の情報に更新すること、又は前記医薬品マスター内の情報を任意に編集することが可能であってもよい。
なお、前記マザーマスターに基づいて前記医薬品マスターが更新された場合、前記制御部10は、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品について、前記医薬品マスターにおいて前記薬品識別情報に対応付けられているYJコード又は名称等の情報が、前記処方データに含まれる薬品のYJコード又は名称などの情報と一致するか否かの照合処理を実行することが考えられる。これにより、前記マザーマスターに基づく前記医薬品マスターの更新によって前記医薬品マスターにおける前記薬品識別情報と薬品との対応関係に誤りが生じた場合でも、その誤りを前記鑑査支援処理において発見することが可能である。
<ステップS55>
その後、ステップS55において、前記制御部10は、前記医薬品マスターから前記薬品の単位重量を取得する。なお、前記薬品マスター及び前記マザーマスターのいずれにも前記薬品の単位重量が記憶されていない場合には、予め設定されたエラーメッセージ等が表示される。例えば、前記制御部10は、前記秤量鑑査処理で鑑査対象となる薬品について前記バーコード情報が前記医薬品マスター及び前記マザーマスターのいずれにも登録されていない場合には、前記バーコード情報を手動で登録する旨を促す警告を前記表示部20に表示させてもよい。この場合、前記制御部10は、続いて前記登録画面D14を表示させることにより、前記操作部30のユーザー操作に応じて前記バーコード情報の登録処理を開始してもよい。
このように、前記マスター更新処理では、前記医薬品マスターに前記薬品の単位重量などの情報が記憶されていない場合には、前記医薬品マスターを前記マザーマスターに基づいて更新することが可能である。従って、前記秤量鑑査処理を中断することなく前記薬品の単位重量などの情報を更新することが可能であり、前記秤量鑑査処理を継続することが可能である。
なお、前記ステップS51が省略されて、前記秤量鑑査処理の度に前記医薬品マスターと前記マザーマスターとの差の有無が判断されることも考えられる。また、前記ステップS53が省略されて、前記秤量鑑査処理の途中におけるユーザー操作なしに前記医薬品マスターが自動的に更新されてもよい。さらに、前記医薬品マスターと前記マザーマスターとの比較及び前記マザーマスターに基づく前記医薬品マスターの更新が予め設定された期間ごとに自動的に実行されることも他の実施形態として考えられる。
[事前秤量鑑査機能]
病院又は薬局等の医療関連施設では、過去に患者に処方された薬品と同一の薬品が患者に処方されることがある(Do処方)。このような場合、薬剤師などの作業者は、前記鑑査支援装置100に前記処方データが入力される前に、患者の来院予定(予約)又は来院頻度などに基づいて薬品の調剤作業及び鑑査作業を実行することがある。しかしながら、前記鑑査支援装置100に前記処方データが入力されていなければ前記鑑査作業に前記鑑査支援装置100を用いることができない。
そこで、前記鑑査支援装置100は、新たに前記処方データが発行される前に、過去の前記処方データに基づいて前記鑑査支援処理を実行可能な事前秤量鑑査機能を備えることが考えられる。具体的には、前記制御部10が、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記事前秤量鑑査機能を具現する。以下、図30を参照しつつ、前記事前秤量鑑査機能を具現するために前記制御部10によって実行される事前鑑査制御処理及び事前照合適用処理の手順の一例について説明する。なお、前記事前鑑査制御処理は、例えば患者の診察前などのように新規の処方データが登録される前に実行される処理であり、過去の処方データに基づいて事前に調剤した結果を鑑査するための処理である。また、前記事前照合適合処理は、前記秤量部5Nを用いた秤量を要することなく過去の処方データと新規の処方データとを照合して、前記事前鑑査制御処理で事前に鑑査された結果を新規の処方データの鑑査結果として採用するための処理である。
<ステップS61>
まず、ステップS61において、前記制御部10は、前記鑑査支援処理における鑑査対象となっていた処方データについて鑑査が完了したか否かを判断し、前記鑑査が完了した場合に(S61:Yes)、処理をステップS62に移行させる。即ち、前記処方データについての前記鑑査支援処理が終了するごとに前記ステップS62の処理が実行される。また、前記鑑査が完了していない場合は(S61:No)、処理をステップS63に移行させる。
<ステップS62>
ステップS62において、前記制御部10は、前記処方データにおける一部又は全部の情報を、前記秤量支援処理を実行するためのデータ(以下「事前照合用データ」と称する)として前記記憶部40に記憶する。即ち、前記事前照合用データは、前記処方データに基づいて生成される前記処方データの一部のデータ、又は前記処方データ自体である。例えば、前記事前照合用データには、前記処方データに対応する処方ID、患者ID(患者氏名)、薬品の種類、用法、用量(総量)などの情報が含まれる。
なお、前記制御部10が、前記鑑査支援処理における鑑査対象となった処方データのうち予め設定された条件を満たす処方データのみについて、前記事前照合用データの記憶の有無を判断することも考えられる。例えば、前記条件は、予め設定された患者であること、予め設定された薬品が含まれていないこと、前記処方データの種類が予め設定された種類(定期又は臨時など)であること、などが考えられる。なお、前記制御部10は、前記事前照合用データの記憶日時から予め設定された所定期間の経過後に前記事前照合用データを自動的に消去することが考えられる。これにより、前記記憶部40のデータ容量を有効利用することができると共に、古い前記事前照合用データの使用を禁止することが可能である。
<ステップS63>
ステップS63において、前記制御部10は、前記事前秤量鑑査機能を使用するためのユーザー操作が行われたか否かを判断する。例えば、前記処方鑑査画面D10に予め定められた事前秤量鑑査キーが表示されており、前記制御部10が、前記事前秤量鑑査キーが操作された場合に、前記事前秤量鑑査機能を使用するためのユーザー操作が行われたと判断する。ここで、前記ユーザー操作が行われたと判断されると(S63:Yes)、処理がステップS64に移行し、前記ユーザー操作が行われていないと判断されると(S63:No)、処理が前記ステップS61に戻る。
<ステップS64>
ステップS64において、前記制御部10は、前記記憶部40に記憶されている前記事前照合用データの一覧を前記表示部20の前記処方鑑査画面D10上に表示させる。前記事前照合用データの一覧には、前記事前照合用データ各々に対応する患者ID、前記事前照合用データの元の前記処方データの処方IDなどが表示される。また、前記ステップS64において、前記制御部10は、前記事前照合用データの一覧から任意の前記事前照合用データを選択する操作を受け付ける。
<ステップS65>
ステップS65において、前記制御部10は、前記事前照合用データが選択されたか否かを判断する。ここで、前記事前照合用データが選択されたと判断すると(S65:Yes)、処理がステップS66に移行し、前記事前照合用データが選択されるまでの間は(S65:No)、処理がステップS65で待機する。
<ステップS66>
ステップS66において、前記制御部10は、前記ステップS65で選択されたと判断された前記事前照合用データに基づく前記鑑査支援処理を開始する。具体的に、前記制御部10は、前記事前照合用データが鑑査対象として選択されたと判断し、前記鑑査支援処理(図7参照)における前記ステップS15から処理を開始する。
<ステップS67>
ステップS67において、前記制御部10は、前記事前照合用データについての前記鑑査支援処理が終了したか否かを判断し、前記鑑査支援処理が終了したと判断すると(S67:Yes)、処理をステップS68に移行させ、前記鑑査支援処理が終了するまでの間は(S67:No)、処理を前記ステップS67で待機させる。
<ステップS68>
ステップS68において、前記制御部10は、前記事前照合用データについての前記鑑査支援処理の結果を事前鑑査結果として前記記憶部40に記憶させる。これにより、前記制御部10は、前記事前鑑査結果を後で参照することが可能である。例えば、前記事前鑑査結果には、前記事前照合用データにおける処方ID、患者ID(患者氏名)、薬品の種類、用法、用量(総量)、秤量値、秤量結果(数量)、照合結果(一致、不一致)などの情報が含まれる。
<ステップS69>
ステップS69において、前記制御部10は、前記事前鑑査結果を識別可能な情報を前記プリンターによって印刷する。ここに、図31は、前記ステップS69における印刷結果の一例を示す図である。例えば、図31に示されるように、前記制御部10は、前記事前鑑査結果の識別情報として、前記事前鑑査結果に連番で付される事前鑑査記録番号をバーコードB1として印刷する。また、図31に示されるように、前記ステップS69における印刷結果には、患者ID(患者名)、用法、日数、各薬品の総量などの情報も印刷される。
そして、前記制御部10は、前記鑑査支援処理において、前記ステップS14の後段で前記事前照合適用処理を実行する。以下、図32を参照しつつ、前記事前照合適用処理の手順の一例について説明する。
<ステップS71>
ステップS71において、前記制御部10は、前記事前鑑査記録番号が読み取られたか否かを判断する。具体的に、前記制御部10は、前記情報読取部60によって前記バーコードB1が読み取られた場合に前記事前鑑査記録番号が読み取られたと判断する。前記事前鑑査記録番号が読み取られた場合(S71:Yes)、処理をステップS72に移行し、前記事前鑑査記録番号が読み取られていない場合は(S71:No)、当該事前鑑査処理が終了する。
<ステップS72>
ステップS72において、前記制御部10は、前記事前鑑査記録番号に対応する前記事前鑑査結果を前記記憶部40から読み出す。なお、前記制御部10は、前記ステップS71~S72に代えて、前記事前鑑査結果の一覧を表示し、任意の前記事前鑑査結果の選択操作を受け付け、前記事前鑑査結果を読み出すことも他の実施形態として考えられる。
<ステップS73>
ステップS73において、前記制御部10は、前記鑑査支援処理の対象となっている前記処方データの内容と前記事前鑑査結果に含まれる前記事前照合用データの内容とが全て一致するか否かを照合する。具体的に、前記制御部10は、前記処方データ及び前記事前照合用データにおける患者ID(患者氏名)などの患者の情報と、薬品情報(YJコードなど)、用法、用量(総量)などの薬品の情報とが全て一致するか否かを判断する。なお、前記照合処理における照合項目は予め設定された一又は複数の項目であればよい。また、例えば、前記制御部10は、前記事前照合用データに対応する患者と前記処方データに対応する患者が一致するか否かを判断した後、前記患者が一致する場合にのみ薬品の情報が一致するか否かを判断し、前記患者が一致しない場合には薬品の情報の一致を判断することなく照合結果が不一致であると判断してもよい。
<ステップS74>
ステップS74において、前記制御部10は、前記ステップS73による前記処方データ及び前記事前照合用データの照合結果が一致であると判断すると(S74:Yes)、処理がステップS75に移行し、前記照合結果が不一致であると判断すると(S74:No)、処理がステップS76に移行する。
<ステップS75>
ステップS75において、前記制御部10は、前記事前鑑査制御処理で実行された前記事前鑑査結果を前記事前鑑査制御処理の実行後に前記鑑査支援処理の対象(照合対象)となる前記処方データの鑑査結果として前記記憶部40に記憶させ、処理を前記ステップS21に移行させる。即ち、前記処方データについての前記秤量鑑査処理などが省略され、前記事前照合用データに基づいて行われた前記事前鑑査制御処理における前記事前鑑査結果が前記処方データの鑑査結果として採用されることになる。
<ステップS76>
ステップS76において、前記制御部10は、前記事前鑑査結果と前記処方データとの照合結果が不一致である旨のワーニングを前記表示部20に表示させる。例えば、「患者違い」、「薬品違い」、「用法違い」、「用量違い」などのメッセージが表示される。この場合、前記事前照合処理が終了し、処理は前記ステップS15に移行する。即ち、この場合には、前記事前鑑査結果が採用されず、当該処方データを対象とする前記鑑査支援処理が通常通り実行され、前記秤量鑑査処理において前記秤量部5Nと前記処方データとが照合されることになる。
以上説明したように、前記事前秤量鑑査機能によれば、前記事前照合用データについて事前に前記鑑査支援処理が実行可能であり、予め前記処方データについての調剤作業及び鑑査作業などを行うことが可能であり、薬剤師などの作業者は時間を有効に利用することが可能になる。また、前記処方データと前記事前照合用データとにおける薬品の情報が一致する部分だけについて前記事前照合結果が採用されることも考えられるが、前述したように、前記鑑査支援装置100では、前記処方データと前記事前照合用データとにおける薬品の情報が全て一致した場合にのみ前記事前照合結果が採用されるため安全性の高い鑑査が実現される。
特に、例えば前記事前照合用データにおける複数種類の薬品の総重量と前記秤量部5Nによる秤量結果とだけを照合した後、前記事前照合用データと次の処方データとにおける複数種類の薬品の総重量が一致している場合に、前記事前秤量鑑査機能による鑑査結果が前記処方データについての鑑査結果として採用される手法も比較例として考えられる。しかしながら、薬品の総重量が同じであっても薬品の種類又は数が異なる場合があるため、このような手法では信頼性が低くなる。これに対し、前記鑑査支援装置100では、前記事前照合用データにおける複数種類の薬品についての秤量鑑査処理が複数の前記秤量部5Nを用いて薬品ごとに個別に実行される。そして、前記事前照合用データと前記処方データとにおける全ての薬品の情報が一致している場合にのみ前記事前照合結果が採用される。従って、前記鑑査支援装置100では、信頼性の高い鑑査が実現される。
なお、前記制御部10は、前記事前秤量鑑査機能により前記鑑査支援処理が実行される場合には、前記鑑査保留機能の利用を制限することが考えられる。例えば、前記制御部10は、前記処方鑑査画面D10における前記鑑査保留キーK41の表示をグレーアウト表示することが考えられる。
[マザーマスター更新機能]
前述したように、前記マザーマスターは、前記マスター更新機能において前記医薬品マスター及び前記バーコード情報の更新などに用いられる。ここで、前記マザーマスターが、前記サーバー装置400から前記鑑査支援装置100各々に配信される場合には、前記サーバー装置400で設定される前記マザーマスターの信頼性が高いものである必要がある。これに対し、前記医療システム1が、前記サーバー装置400と、前記サーバー装置400に前記通信網N1を介して接続される複数の前記鑑査支援装置100とを含む構成であって、前記鑑査支援装置100各々から収集される情報に基づいて前記マザーマスターを更新するマザーマスター更新機能を有することが考えられる。なお、前記医療システム1が本発明に係る鑑査支援システムの一例である。また、前記サーバー装置400は、前記調剤支援システム200又は前記レセプトシステム300であってもよい。
前述したように、前記鑑査支援装置100では、前記制御部10が、前記バーコード情報における前記単一重量及び前記包装重量のように、前記秤量部51~54を用いて実際に測定される実測値に基づいて算出可能な値を、その実測値に基づいて設定することが可能である。そして、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100の起動時又はシャットダウン時などの予め定められたタイミングで、各薬品の前記バーコード情報をCSV形式などの予め定められた形式のデータとして出力し、自己の前記鑑査支援装置100を識別可能なMACアドレスなどの識別情報と共に、前記通信網N1を介して前記サーバー装置400に送信する。なお、係る送信処理を実行するときの前記制御部10が送信処理部の一例である。これにより、前記サーバー装置400には、複数の前記鑑査支援装置100から各薬品に対応する複数の前記バーコード情報が自動的に収集されることになる。なお、前記バーコード情報を含む前記医薬品マスターが前記鑑査支援装置100各々から前記サーバー装置400に送信されること、又は前記単一重量又は前記包装重量の情報のみが前記鑑査支援装置100各々から前記サーバー装置400に送信されることも他の実施形態として考えられる。
一方、前記サーバー装置400は、CPU、RAM、及びROMなどを含む制御部401と、ハードディスク又はSSDのような不揮発性の記憶部402とを備える。前記記憶部402には、前記マザーマスター、及び前記鑑査支援装置100各々から取得する前記バーコード情報などが記憶される。そして、前記制御部401は、複数の前記鑑査支援装置100から取得した複数の前記バーコード情報に基づいて、各薬品の前記単一重量及び前記包装重量を算出し、前記マザーマスターにおける各薬品の前記単一重量及び前記包装重量として設定する。ここに、係る設定処理を実行するときの前記制御部401が重量設定処理部の一例である。
これにより、前記鑑査支援装置100各々は、前記サーバー装置400から更新後の前記マザーマスターを取得することにより、前記鑑査支援装置100各々から取得した情報に基づいて設定された前記単一重量及び前記包装重量の情報を取得可能である。具体的には、前記サーバー装置400が、予め設定されたタイミングで前記マザーマスターを前記鑑査支援装置100各々に自動配信し、又は、前記鑑査支援装置100各々が、予め設定されたタイミングで前記サーバー装置400から前記マザーマスターを自動的に取得することが考えられる。即ち、前記医療システム1では、前記鑑査支援装置100各々と前記サーバー装置400との間において、ユーザー操作を介することなく自動的に前記バーコード情報、及び前記マザーマスターの送受信が実行される所謂M2M(Machine to Machine)が実現されている。なお、前記鑑査支援装置100各々が取得する情報は、前記マザーマスターのうち前記バーコード情報に対応する情報のみ、又は前記マザーマスターのうち前記単一重量又は前記包装重量の情報のみであってもよい。
ここで、前記制御部401による前記単一重量の算出手法の一例について説明する。なお、前記包装重量については、前記単一重量と同様に算出すればよいため、ここでは説明を省略する。
まず、前記制御部401は、薬品ごとに、前記鑑査支援装置100各々から取得した複数の単一重量と前記マザーマスターで現在登録されている単一重量とを合わせた複数の単一重量における中央値を基準単一重量として抽出する。なお、他の実施形態として、前記マザーマスターで現在登録されている単一重量が抽出されないことも考えられる。
ここで、前記単一重量の母数が奇数である場合、前記中央値は、前記単一重量を昇順に並べた場合に中央に位置する値であり、前記単一重量の数が偶数である場合、前記中央値は、前記単一重量を昇順に並べた場合に中央に位置する二つの値のうち小さい方の値である。なお、前記単一重量の数が偶数である場合の前記中央値は、前記単一重量を昇順に並べた場合に中央に位置する二つの値の平均値であってもよい。
次に、前記制御部401は、薬品ごとに、前記基準単一重量について予め定められた許容範囲を算出する。前記許容範囲は、前記マザーマスターにおいて前記単一重量が誤って大きく変動しないように制限するための値である。例えば、前記許容範囲は、前記中央値の±10%以内である。
そして、前記制御部401は、薬品ごとに、複数の前記鑑査支援装置100から取得した前記単一重量のうち前記許容範囲内に属する単一重量を抽出する。その後、前記制御部401は、前記許容範囲内の前記単一重量の合計をデータ数で除して平均化した平均単一重量を算出し、前記マザーマスターにおける前記単一重量として設定する。
このように、前記マザーマスター更新機能によれば、前記マザーマスターにおける薬品各々の前記単一重量を、複数の前記鑑査支援装置100から収集された情報に応じて更新することが可能であり、前記単一重量の精度を高めることが可能である。
例えば、3つの前記鑑査支援装置100から、ある特定の薬品の単一重量として、2.43g、2.40g、2.80gの3つの値が取得され、前記マザーマスターに現在登録中の前記単一重量が2.42gである場合は、その4つの値のうち中央値である2.42gが基準単一重量として抽出される。この場合、前記許容範囲は、前記基準単一重量である2.42gの±10%の2.18g以上2.66g以内である。そして、2.43g、2.40g、2.42g、2.80gのうち、前記許容範囲外の2.80gが除外されて前記許容範囲内の2.43g、2.40g、2.42gが抽出され、その3つの値の合計をデータ数の3で除して平均化した値((2.43+2.40+2.42)/3≒2.42)である2.42gが算出され、前記マザーマスターにおける前記特定の薬品の単一重量(重量の基準値)として設定される。
なお、前記医療システム1において、前記サーバー装置400に収集される薬品の前記単一重量の母数が少ない場合には、前記マザーマスターにおける前記単一重量の設定精度が低くなるおそれがある。そこで、前記制御部401は、前記鑑査支援装置100各々から取得した前記単一重量の母数が予め設定された閾値未満である場合には、それらの単一重量に基づく前記マザーマスターの更新を実行しないことが考えられる。
具体的に、前記制御部401は、前記鑑査支援装置100各々から取得される薬品の前記単一重量を前記鑑査支援装置100の前記識別情報及び取得日時と共に前記記憶部402に記憶する。なお、同一の前記鑑査支援装置100から取得された同一の薬品についての前記単一重量は上書き保存される。その後、前記制御部401は、前記鑑査支援装置100から前記単一重量を取得した場合に、例えば現在から過去の7日間のような予め設定された特定期間において同種の薬品について取得した前記単一重量の母数が前記閾値以上であるか否かを判断する。そして、前記単一重量の数が前記閾値以上である場合には、前述したようにそれらの単一重量に基づいて前記マザーマスターにおける前記単一重量を更新する。一方、前記単一重量の数が前記閾値未満である場合には、それらの単一重量に基づく前記マザーマスターの更新を実行しない。これにより、母数が少なく信頼性が低い状態で前記単一重量が更新されることが防止される。
ところで、前記制御部401は、前記サーバー装置400に収集される薬品の前記単一重量及び前記包装重量を更新する際に、前記YJコード及び前記GS1コードなどの薬品識別情報が同一の前記バーコード情報ごとに平均化することが考えられる。しかしながら、メーカーから販売される薬品について、前記薬品識別情報が変更されることなく、当該薬品が収容されるPTPシート、ヒートシール、又は薬箱などの包装の仕様だけが変更され、薬品の単位重量又は包装重量などの個別情報が変化することがある。このように前記個別情報が変化すると、前記鑑査支援装置100から前記サーバー装置400に収集される前記バーコード情報の中に、前記鑑査支援装置100で包装の仕様の変更前の薬品についての鑑査結果に基づいて更新された前記バーコード情報と、前記鑑査支援装置100で包装の仕様の変更後の薬品についての鑑査結果に基づいて更新された前記バーコード情報とが含まれることになる。そのため、前記マザーマスターに設定される前記バーコード情報ごとの前記単一重量及び前記包装重量の信頼性が低くなるおそれがある。そこで、前記医療システム1では、前記マザーマスターに設定される前記バーコード情報ごとの前記単一重量及び前記包装重量の信頼性を高めることが望ましい。なお、以下では、前記単一重量及び前記包装重量を前記個別情報の一例として説明する。
まず、前記医薬品マスターでは、前記バーコード情報ごとに、当該バーコード情報に対応する薬品について、複数種類の包装材で包装された状態が撮影された外観撮影画像、又はその状態が描かれたイラスト画像などの包装状態画像が当該包装状態画像を識別するためのファイル名などの包装識別情報と共に登録可能である。前記包装状態画像及び前記包装識別情報は、例えば前記マザーマスターに予め登録されており、前記マザーマスターから前記医薬品マスターに取り込まれる。具体的に、前記鑑査支援装置100の前記制御部10は、予め設定されたタイミングで、前記マザーマスターに登録されている前記包装状態画像及び前記包装識別情報を前記医薬品マスターに自動的に登録することが考えられる。即ち、薬品の包装の仕様が変更され、前記マザーマスターに当該薬品の前記包装状態画像及び前記包装識別情報が新たに登録された場合には、その後に前記鑑査支援装置100で使用される前記マザーマスター及び前記医薬品マスターも最新の状態に更新されることになる。
そして、前記鑑査支援装置100では、前記制御部10が、前記鑑査支援装置100で表示される前記処方鑑査画面D10又は前記マスターメンテナンス画面D13などにおいて、前記バーコード情報各々に対応する前記包装状態画像及び前記包装識別情報を任意に選択するためのユーザー操作を受付可能である。具体的に、前記制御部10は、前記マスターメンテナンス画面D13(図14参照)の「バーコード」に対応する操作キーが操作されると、前記登録画面D14を表示させる。続いて、前記制御部10は、前記登録画面D14が表示された状態で、包装の仕様が新しくなった薬品の前記バーコード情報が前記情報読取部60で読み取られると、当該バーコード情報に対応する薬品情報を操作対象として登録処理を開始する。具体的に、前記制御部10は、前記登録画面D14において、読み取られた前記バーコード情報に対応する表示欄を予め設定された配色などの表示態様で識別可能に表示させる。
その後、読み取られた前記バーコード情報に対応する表示欄において、「画像」の欄が操作されると、前記制御部10は、当該バーコード情報に対応付けて登録されている前記包装状態画像の一覧を示す画像一覧画面D143を前記表示部20に表示させる。ここに、図33は、前記画像一覧画面D143の一例を示す図である。なお、操作対象の前記バーコード情報の選択は前記操作部30に対するユーザー操作に応じて行われてもよい。次に、前記制御部10は、前記表示部20に表示された画像の一覧から任意の画像が選択されて確定操作が行われると、その画像の選択状態を一時的に記憶したまま、前記画像一覧画面D143を閉じて前記登録画面D14を前記表示部20に表示させる。その後、前記登録画面D14において確定操作が行われると、前記制御部10は、前記バーコード情報について前記画像一覧画面D143で選択されていた前記包装状態画像に対応する前記包装識別情報を当該バーコード情報に記憶する。
これにより、前記医療システム1では、前記サーバー装置400が前記鑑査支援装置100から収集する前記バーコード情報に、当該バーコード情報に対応付けて記憶された前記包装識別情報が含まれることになる。そのため、前記サーバー装置400では、前記制御部401が、前記YJコード及び前記GS1コードなどの薬品識別情報と前記包装識別情報とが同じ前記バーコード情報ごとに、前記単一重量及び前記包装重量各々の平均値を算出することが可能である。そして、前記制御部401は、前記単一重量及び前記包装重量の平均値を、前記マザーマスターの前記バーコード情報に対応する前記包装識別情報ごとの前記単一重量及び前記包装重量として設定する。即ち、前記制御部401は、前記鑑査支援装置100各々から取得される前記単一重量及び前記包装重量のうち前記包装識別情報が同一である前記単一重量及び前記包装重量に基づいて当該包装識別情報に対応する前記単一重量及び前記包装重量の基準値を設定する。なお、前記制御部401は、前記マザーマスターにおいて前記バーコード情報に対応付けられた前記包装識別情報のうち最新の包装識別情報を前記バーコード情報に対応する前記単一重量及び前記包装重量として設定することも考えられる。
このように構成された前記医療システム1では、前記マザーマスターにおける前記バーコード情報に対応する前記単一重量及び前記包装重量などの個別情報が、当該バーコード情報に対応する薬品の包装の仕様ごとに更新される。これにより、前記マザーマスターに設定される前記バーコード情報ごとの前記単一重量及び前記包装重量の信頼性が高まり、結果的に、当該バーコード情報が使用される前記鑑査支援装置100における鑑査精度を高めることが可能である。なお、前記マザーマスターにおいて、前記バーコード情報ごとに複数の前記包装識別情報に対応する複数の前記個別情報が記憶されている場合、前記鑑査支援装置100の前記制御部10が、前記バーコード情報に対応する前記包装識別情報を選択するユーザー操作に応じて、当該バーコード情報に対応する前記個別情報を切り替えることが考えられる。
[履歴保護機能]
ところで、前記鑑査支援装置100において、前記制御部10は、前記秤量部51~54の秤量結果に基づく鑑査履歴を前記記憶部40に記憶する。ここで、前記制御部10は、前記記憶部40に記憶される前記鑑査履歴を予め設定された削除条件に従って自動的に古いものから順に削除することが考えられる。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部10が記憶処理部の一例である。
具体的に、前記削除条件は、前記鑑査履歴の記憶日時から予め設定された日時が経過したタイミングが到来したこと、又は、前記記憶部40の記憶可能容量が下限値以下に達したこと等である。但し、この場合には、ユーザーが重要と思っている鑑査履歴が存在する場合であっても古いものから順に削除されてしまうことになる。
そこで、前記鑑査支援装置100において、前記制御部10は、前記鑑査履歴を保護することが可能な履歴保護機能を有することが考えられる。ここに、前記履歴保護機能を具現するための処理を実行するときの前記制御部10が保護処理部の一例である。具体的に、前記制御部10は、前記鑑査履歴の一覧を表示させ、その一覧が表示された状態で任意のユーザーによる選択操作を受け付ける。例えば、前記制御部10は、ユーザー操作に応じて、前記鑑査履歴を、処方ごとに選択することも可能であるが、前記鑑査履歴を、患者ごと、日付ごと、薬品ごと、担当薬剤師ごとに一括して選択することも可能である。そして、前記鑑査履歴には、保護の有無を示す保護情報として保護フラグが含まれており、ユーザー操作に応じて選択された前記鑑査履歴では保護フラグがONに設定される。また、ユーザーによって患者、日付、薬品、担当薬剤師などの条件が事前に選択されている場合には、その後にその条件に該当する前記鑑査履歴が生じた場合にも当該鑑査履歴における前記保護フラグがONに設定される。
そして、前記制御部10は、前記削除条件に従って前記鑑査履歴を削除する際、ユーザー操作に応じて予め選択されて前記保護フラグがONに設定されている前記鑑査履歴を消去対象から除外する。これにより、ユーザーは、前記鑑査支援装置100で前記履歴照会の操作を行うことにより、いつでも前記保護フラグがONに設定された前記鑑査履歴を参照することが可能である。なお、前記制御部10は、前記鑑査履歴の保護の設定と同様の処理で前記保護フラグがOFFに設定され、その後、前記鑑査履歴は前記削除タイミングで順に削除されることになる。
なお、多数の前記鑑査履歴について前記保護フラグがONに設定されると、前記記憶部40の記憶容量が飽和するおそれがある。そこで、前記制御部10は、前記保護フラグをONに設定可能な前記鑑査履歴の数が予め設定された上限数を超える場合には前記保護フラグをONに設定しないことが考えられる。そのため、ユーザーは、前記鑑査履歴の保護を設定する際に、前記上限数を意識しつつ前記保護フラグをONに設定する対象を選択することになる。また、前記制御部10は、前記保護フラグがONに設定された前記鑑査履歴についても、通常よりは長い期間経過後に消去することが考えられる。例えば、前記保護フラグがOFFの前記鑑査履歴が90日後に消去される場合、前記保護フラグがONの前記鑑査履歴は、1年経過後に自動的に消去すること、又は1年経過後にユーザーに報知して確認操作を受け付けた後に消去することが考えられる。
[連続秤量機能]
ところで、前記鑑査支援装置100において4つの前記秤量部51~54を用いて5種類以上の薬品についての鑑査を実施する場合には、先に前記秤量部51~54のいずれか一つ又は複数に載置されている薬品を取り出して、新たに薬品を載置する必要がある。これに対し、前記鑑査支援装置100において、前記制御部10が、4つの前記秤量部51~54を用いて5種類以上の薬品についての鑑査を実施する場合に、先に前記秤量部51~54に載置された薬品を取り出すことなく、次の鑑査対象の薬品を前記秤量部51~54に上乗せしても鑑査を実施することが可能な連続秤量機能を備えることが考えられる。
具体的に、前記制御部10は、前記連続秤量機能が有効になる連続モードを有しており、ユーザー操作に応じて前記連続秤量機能が無効になる通常モードと前記連続モードとを切り替える。そして、前記制御部10は、前記連続モードである場合、前記秤量鑑査処理の前記ステップS42において撮影画像が記録されるタイミングなどの予め定められたタイミングで、前記秤量部51~54各々による現在の秤量値を0に調整する所謂風袋引きを行うための風袋引き設定処理を実行する。ここに、前記風袋引き設定処理を実行するときの前記制御部10が風袋引き設定処理部の一例である。
例えば、前記風袋引き設定処理において、前記制御部10は、現在の実際の秤量値を例外風袋引き値として設定する。そして、前記制御部10は、その後の秤量時には実際の秤量結果から前記例外風袋引き値を引いた値を秤量結果として出力する。これにより、前記秤量鑑査処理において、前記秤量部51~54に薬品が載せられた状態であっても、前記撮影画像が記録される際に秤量値が0に調整されるため、その後に前記秤量部51~54に新たに載置される薬品の重量に基づいて続けて鑑査を行うことが可能である。なお、前記制御部10は、前記Rpデータ又は前記処方データに含まれる薬品についての鑑査が完了し、次の前記Rpデータ又は前記処方データについての鑑査が開始されるタイミングで前記風袋引き設定処理を再実行する。
従って、前記連続秤量機能によれば、5種類以上の薬品が鑑査の対象である場合であっても、前記秤量部51~54に載置された4種類の薬品を取り除くことなく次の薬品を載置することが可能であり、ユーザー作業の効率化が実現される。
なお、前記風袋引き設定処理は、前記ステップS42に限らず、例えば前記秤量部51~54の秤量値が確定したタイミング(ステップS351)、前記秤量部51~54の秤量値が照合されるタイミング(ステップS37)、前記秤量部51~54の秤量値の照合が正常であると判定されたタイミング(ステップS38:Yes)などの予め定められたタイミングで実行されてもよい。また、前記連続モードにおいて、前記制御部10は、前記ステップS42の実行後に、前記秤量部51~54のうち現在の秤量値が予め設定された上限値以上である場合、前記風袋引き設定処理を実行させずに、「薬品を取り出してください」などの予め設定されたメッセージを表示することも考えられる。
[緩和鑑査機能]
ところで、前記鑑査支援装置100で秤量される薬品には、1錠又は0.1シートなどの単位量当たりの重量に誤差が生じやすい薬品が存在することが考えられる。この場合、前記秤量部51~54による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値との照合結果が不一致である場合にその都度エラーが報知される構成では、エラーが頻繁に発生して鑑査作業の効率が低下するおそれがある。これに対し、前記鑑査支援装置100が、単位量当たりの重量に誤差が生じやすい薬品についての鑑査精度を緩和することで鑑査作業の効率を向上させることが可能な緩和鑑査機能を備えることが考えられる。以下、前記緩和鑑査機能について説明する。
まず、前記鑑査支援装置100では、前記医薬品マスターにおいて、前記緩和鑑査機能の有効及び無効を示す注意フラグ(ON:有効、OFF:無効)が薬品ごとに対応付けて記憶可能である。また、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100における薬品各々の鑑査履歴に基づいて前記薬品各々の前記注意フラグを自動的に設定することが考えられる。例えば、前記制御部10は、前記鑑査支援装置100において実行される前記鑑査支援処理における前記秤量鑑査処理(図13参照)のステップS381において、照合結果が一致しない旨のエラーメッセージが表示された後、ユーザーが鑑査を承認するための鑑査承認操作(OKキーの操作)が行われた場合に、当該薬品について条件付承認が行われた旨、及びそのときの誤差を鑑査履歴として記憶する。そして、前記制御部10は、予め設定された特定期間(例えば3ヶ月)に予め設定された特定回数以上、前記条件付承認が行われた場合に、前記注意フラグを自動的にONに設定することが考えられる。なお、前記制御部10は、前記特定期間内に前記特定回数以上の前記条件付承認が行われた時点でユーザーに前記注意フラグをONに設定するか否かを選択させるための操作画面を表示させ、ユーザー操作に応じて前記注意フラグをONに設定してもよい。また、前記制御部10は、ユーザー操作に応じて任意に前記注意フラグを設定することが可能であってもよい。
さらに、前記医薬品マスターには、薬品ごとに対応付けて、目標値下限個数換算、目標値上限個数換算、目標値下限シート換算、及び目標値上限シート換算が記憶可能である。前記目標値下限個数換算及び前記目標値上限個数換算は、薬品の量を個数単位で照合する場合に誤差として許容する範囲を定める値である。前記目標値下限シート換算及び前記目標値上限シート換算は、薬品の量をシート単位で照合する場合に誤差として許容する範囲を定める値である。なお、前記目標値下限個数換算、前記目標値上限個数換算、前記目標値下限シート換算、前記目標値上限シート換算の初期値は例えば0であってもよい。
前記鑑査支援装置100では、前記制御部10が、前記医薬品マスターにおける前記目標値下限個数換算、前記目標値上限個数換算、前記目標値下限シート換算、前記目標値上限シート換算をユーザー操作に応じて任意に設定可能である。但し、前記鑑査支援装置100では、全ての薬品に共通して、前記目標値下限個数換算及び前記目標値上限個数換算の設定可能最大個数が設定可能であり、前記制御部10は、各薬品の前記目標値下限個数換算及び前記目標値上限個数換算の値の設定を前記設定可能最大個数以下に制限することが考えられる。同様に、前記鑑査支援装置100では、全ての薬品に共通して、前記目標値下限シート換算及び前記目標値上限シート換算の設定可能最大シート数が設定されており、前記制御部10は、各薬品の前記目標値下限シート換算及び前記目標値上限シート換算の値の設定を前記設定可能最大シート数以下に制限することが考えられる。
ここに、図34は、前記マスターメンテナンス画面D13の表示例を示す図である。図34に示されるように、前記マスターメンテナンス画面D13では、前記目標値下限個数換算、前記目標値上限個数換算、前記目標値下限シート換算、前記目標値上限シート換算の各値を入力可能である。また、前記マスターメンテナンス画面D13には、前記マスターメンテナンス画面D13で選択されている薬品についての鑑査履歴を表示させるための操作キーK33~K36が表示されている。具体的に、前記制御部10は、前記操作キーK33、K34が操作されると、鑑査単位が個数であって前記条件付承認が行われた場合に生じていた個数の誤差とその誤差の発生割合とを表示させる。また、前記制御部10は、前記操作キーK35、K36が操作されると、鑑査単位がシート数であって前記条件付承認が行われた場合に生じていたシート数の誤差とその誤差の発生割合とを表示させる。
例えば、「A薬品」について、前記特定期間内に、前記条件付承認が行われた回数が15件であり、そのときの誤差の個数が-1錠である場合が80%、-2錠である場合が20%である場合には、これらの情報が、前記操作キーK33の操作に応じて、図34に示されるようなポップアップ画面D33で表示される。また、「A薬品」について、前記特定期間内に、前記条件付承認が行われた回数が15件であり、そのときの誤差の個数が+1錠である場合が80%、+2錠である場合が20%である場合には、これらの情報が、前記操作キーK34の操作に応じて表示される。同様に、「B薬品」について、前記特定期間内に、前記条件付承認が行われた回数が15件であり、そのときの誤差のシート数が-0.1シートである場合が100%である場合には、これらの情報が、前記操作キーK35の操作に応じて表示される。
また、「B薬品」について、前記特定期間内に、前記条件付承認が行われた回数が15件であり、そのときの誤差のシート数が+0.1シートである場合が100%である場合には、これらの情報が、前記操作キーK36の操作に応じて表示される。なお、前記制御部10は、前記誤差の個数及び前記誤差のシート数の割合を不足及び超過を含む絶対値で算出して表示することも考えられる。例えば、上述の例の場合、前記操作キーK33又はK34が操作された場合には、前記条件付承認が行われた回数として30件が表示され、誤差の個数が1錠である場合が80%、2錠である場合20%である旨が表示される。同様に、前記操作キーK35又はK36が操作された場合には、前記条件付承認が行われた回数として30件が表示され、誤差のシート数が0.1シートである場合が100%である旨が表示される。
なお、前記制御部10は、前記鑑査履歴に基づいて、前記条件付承認が行われた割合が最も高い薬品の個数又はシート数を、前記目標値下限個数換算、前記目標値上限個数換算、前記目標値下限シート換算、前記目標値上限シート換算の各値として自動的に設定することも考えられる。
そして、前記制御部10は、前記鑑査支援処理における前記秤量鑑査処理(図13参照)のステップS37において、鑑査対象の薬品について前記医薬品マスターで前記注意フラグがONである場合には、秤量結果の誤差が予め設定された誤差範囲内である場合に照合結果が一致であると判断する。具体的に、前記制御部10は、前記鑑査対象の薬品の鑑査単位が個数である場合には、前記秤量部5Nによる秤量結果に基づいて算出される薬品の個数と前記処方データにおける目標値との差が、前記医薬品マスターで設定された前記目標値下限個数換算以上であり前記目標値上限個数換算以下である場合に、照合結果が一致であると判断する。また、前記制御部10は、前記鑑査対象の薬品の鑑査単位がシート数である場合には、前記秤量部5Nによる秤量結果に基づいて算出される薬品のシート数と前記処方データにおける目標値との差が、前記医薬品マスターで設定された前記目標値下限シート換算以上であり前記目標値上限シート換算以下である場合に、照合結果が一致であると判断する。即ち、前記制御部10は、前記秤量部5Nによる秤量結果に基づいて算出された前記薬品の量と前記処方データにおける当該薬品の目標値の差が前記薬品ごとに予め設定された誤差範囲内である場合に(S38:Yes)、前記エラーを報知せず、前記誤差範囲を超える場合に(S38:No)、前記エラーを報知する(S381)。
これにより、前記鑑査支援装置100では、単位量当たりの重量に誤差が生じやすい薬品についての鑑査誤差が許容され、エラーの報知頻度が少なくなるため、鑑査作業の効率を向上させることが可能である。なお、ここでは、前記秤量結果と前記目標値との誤差が前記誤差範囲内である場合に照合結果が一致であると判断される場合を例に挙げて説明した。一方、前記秤量結果と前記目標値との誤差が前記誤差範囲内である場合に前記照合結果が不一致と判断されるが、前記ステップS371におけるエラーの報知のみが実行されずに処理が前記ステップS40に移行することも他の実施形態として考えられる。
また、前記制御部10は、前記処方鑑査画面D10において、前記注意フラグがオンの薬品については、誤差が生じやすい薬品である旨を認識するために予め定められた注意表示態様で表示することが考えられる。例えば、前記注意表示態様は、予め設定された文字色で表示すること、予め設定された背景色で表示すること、予め設定された「!」、「*」、「注意」などの記号又は文字を薬品名などに付して表示すること等が考えられる。これにより、ユーザーは、前記注意表示態様で表示された薬品について注意して鑑査を行うことが可能となる。
[撮影画像の他の表示例]
ところで、前記鑑査履歴照会画面D12等において、前記秤量部51~54が同時に撮影された撮影画像が鑑査履歴として表示される場合には、前記撮影画像に含まれる薬品各々の種類を把握することが困難である。例えば、ユーザーは、前記撮影画像内に含まれる薬品各々の包装材で薬品の種別を判断する必要がある。これに対し、前記撮影画像に含まれる薬品各々を容易に識別可能な前記撮影画像の表示例について説明する。
まず、前記制御部10は、前記鑑査支援処理において、鑑査対象の薬品ごとに、前記撮影部70による撮影画像を識別するためのファイル名などの画像識別情報と、当該薬品が載置された前記秤量部5Nを識別するための秤量部番号などの秤量部識別情報とを対応付けて鑑査履歴として前記記憶部40に記憶する。その後、前記制御部10は、前記鑑査履歴照会画面D12等(図12参照)で前記鑑査履歴を表示する際、前記履歴内容表示領域A53における任意の薬品の表示欄の選択操作に応じて、少なくとも当該薬品に対応する前記画像識別情報の撮影画像が表示される画像表示画面D121を前記表示部20に表示させる。ここに、図35は、前記画像表示画面D121の一例を示す図である。図35に示されるように、前記画像表示画面D121では、選択された薬品の撮影画像が前記操作キーK19のサムネイル画像よりも拡大して表示される。なお、前記鑑査履歴照会画面D12に前記操作キーK19が表示されておらず、前記制御部10が、前記履歴内容表示領域A53における任意の薬品の表示欄の選択操作に応じて前記画像表示画面D121を表示させる場合も考えられる。また、前記操作キーK19が操作された場合に、前記画像表示画面D121によって前記撮影画像が拡大して表示されてもよい。
なお、前述したように、図12で表示される前記履歴内容表示領域A53には、前記抽出条件表示領域A51で入力される薬品名などの情報に基づいて抽出されて前記一覧表示領域A52に表示された患者一覧のうち、任意に選択された患者の鑑査履歴の内容が表示される。即ち、前記制御部10は、任意に入力される薬品名をキーワードとして、当該薬品が撮影された撮影画像を検索することが可能である。
また、前記制御部10は、前記画像表示画面D121において、図35に示す一点鎖線で区切られた操作領域A121~A124各々の操作を受け付けることが可能である。前記操作領域A121~A124各々は、前記秤量部51~54各々に位置対応する領域である。そして、前記制御部10は、前記操作領域A121~A124のいずれかの操作に応じて、前記秤量部51~54のうち操作された前記操作領域A121~A124のいずれかに対応する秤量部で秤量された薬品を識別可能な薬品名などの情報と、前記秤量結果に基づいて算出された薬品の量(錠数、シート数など)を示す情報とを含む薬品の個別情報を、前記鑑査履歴に基づいて表示させる。なお、係る表示処理は前記制御部10の表示処理部17によって実行される。また、前記制御部10は、前記操作領域A121~A124が再度操作されると、前記薬品の個別情報の表示を終了する。なお、図35では、前記操作領域A121が操作され、前記秤量部51で秤量された薬品の名称及び錠数(シート数)がポップアップ画面D122で表示されている。また、前記操作領域A121が操作された場合に、前記秤量部51の撮影画像の拡大画像と前記薬品の個別情報とがポップアップ画面D123で表示されてもよい。なお、前記秤量部51で秤量された薬品の名称及び錠数(シート数)が前記画像表示画面D121から別画面に遷移して表示されてもよい。
10 制御部
20 表示部
30 操作部
40 記憶部
50 秤量装置
51~54 秤量部
55 秤量皿
56 ロードセル
60 情報読取部
70 撮影部
80 タブレット端末
90 カバー部材
100 鑑査支援装置

Claims (5)

  1. 秤量部と、
    前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値とを照合する照合処理部と、
    前記照合処理部による照合結果が不一致である場合にエラーを報知する報知処理部と、
    誤差を許容する機能の有効及び無効を薬品ごとに設定可能な処理部と、
    を備え、
    前記報知処理部は、
    前記処理部により前記機能が有効に設定された薬品である場合は、前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値との差が前記薬品ごとに予め設定された誤差範囲内である場合に前記エラーを報知せず、前記誤差範囲を超える場合にエラーを報知する、
    鑑査支援装置であって、
    前記照合処理部は、前記エラーが表示された後に前記薬品についての鑑査を承認する旨のユーザー操作が行われた場合に、その旨を鑑査履歴として記憶し、
    前記処理部は、予め設定された特定期間に予め設定された特定回数以上、前記薬品についてユーザー操作による鑑査の承認が行われた場合に、自動的に前記誤差を許容する機能を有効に設定する、
    鑑査支援装置。
  2. 前記誤差を許容する機能が有効に設定されている前記薬品を予め定められた注意表示態様で表示させる制御部を備える、
    請求項1に記載の鑑査支援装置。
  3. 前記報知処理部は、前記薬品の鑑査単位が個数である場合には前記誤差範囲として予め設定された上限個数及び下限個数に基づいて前記エラーの報知の有無を判断し、前記薬品の鑑査単位がシート数である場合には前記誤差範囲として予め設定された上限シート数及び下限シート数に基づいて前記エラーの報知の有無を判断する、
    請求項1又は2に記載の鑑査支援装置。
  4. 秤量部を備える鑑査支援装置に搭載されるプロセッサーが、
    前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値とを照合する照合ステップと、
    前記照合ステップによる照合結果が不一致である場合にエラーを報知する報知ステップと、
    誤差を許容する機能の有効及び無効を薬品ごとに設定する処理ステップと、
    を実行する鑑査支援方法であって、
    前記報知ステップは、前記処理ステップにより前記機能が有効に設定された薬品である場合は、前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値との差が前記薬品ごとに予め設定された誤差範囲内である場合に前記エラーを報知せず、前記誤差範囲を超える場合にエラーを報知し、
    前記照合ステップは、前記エラーが表示された後に前記薬品についての鑑査を承認する旨のユーザー操作が行われた場合に、その旨を鑑査履歴として記憶し、
    前記処理ステップは、予め設定された特定期間に予め設定された特定回数以上、前記薬品についてユーザー操作による鑑査の承認が行われた場合に、自動的に前記誤差を許容する機能を有効に設定する、
    鑑査支援方法。
  5. 秤量部を備える鑑査支援装置に搭載されるプロセッサーに、
    前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値とを照合する照合ステップと、
    前記照合ステップによる照合結果が不一致である場合にエラーを報知する報知ステップと、
    誤差を許容する機能の有効及び無効を薬品ごとに設定する処理ステップと、
    を実行させるための鑑査支援プログラムであって、
    前記報知ステップは、前記処理ステップにより前記機能が有効に設定された薬品である場合は、前記秤量部による秤量結果に基づいて算出される薬品の量と処方データにおける当該薬品の目標値との差が前記薬品ごとに予め設定された誤差範囲内である場合に前記エラーを報知せず、前記誤差範囲を超える場合にエラーを報知し、
    前記照合ステップは、前記エラーが表示された後に前記薬品についての鑑査を承認する旨のユーザー操作が行われた場合に、その旨を鑑査履歴として記憶し、
    前記処理ステップは、予め設定された特定期間に予め設定された特定回数以上、前記薬品についてユーザー操作による鑑査の承認が行われた場合に、自動的に前記誤差を許容する機能を有効に設定する、
    鑑査支援プログラム。
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