JP7259554B2 - 鋳造物及び鋳物の製造方法 - Google Patents
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Description
この鋳物の製造方法においては、ハンガー部を鋳型ばらし、鋳造物の搬送等に利用でき、各製造工程において、作業の効率を図ることができる。
またパレット等に積まれた各鋳物の姿勢が一定ではないため、ロボットへのティーチングに多くの時間を費やすことがあり、ティーチング作業の効率を低下させていた。
図1から図7は、本発明の第1の実施形態を示す図である。図1から図5は、鋳造物19Fを示す図であって、図1は平面図、図2は正面図、図3は、図1のB-B線視図、図4は側面図(図1のC-C線視図)である。
これらの図に示すように鋳造物19Fは、最終的に製品となる4つの鋳物100と、これら鋳物100を連結する連結部101(堰)と、連結部101に連設された2つの全体吊下用ハンガー部102と、2つの全体吊下用ハンガー部102を連結する連結部103(湯道)と、連結部103に連設された注湯部104(湯口)と、連結部101、103の接続部に設けられた突部105と、連結部101の鋳物100の近傍に設けられた4つの鋳物収納用ハンガー部106とを備えている。
鋳造物19Fは、後述するようにハンガーフックにより吊り下げられるが、この際全体吊下用ハンガー部102が使用される。すなわち全体吊下用ハンガー部102は、鋳造物19F全体を吊り下げるための係止部となるものであり、この全体吊下用ハンガー部102が前記ハンガーフックに吊り下げられる。
突部105は、鋳造物19Fをロボットで移送する際に、ロボットにより把持する部分である。
この図で示すように、鋳造物19Fは、基準線X-Xとこの基準線X-Xに直交する2つの基準線Y1-Y1、Y2-Y2を設定したときに、基準線X-Xを中に挟んで基準線Y1-Y1、Y2-Y2上に各2つずつの鋳物100が配置されたものである。
全体吊下用ハンガー部102は、2つの棒状部102a、102bがT字形に接合されたものであり、2つの全体吊下用ハンガー部102は棒状部102a、102bを基準線X-X上に位置させて配置され、棒状部102a、102a間が前記連結部103となっている。
一方の2つ1組の鋳物収納用ハンガー部106は、棒状部106aを基準線Y1-Y1上に位置させ、棒状部106a、106aを対向させて配置されている。
同様に他方の2つ1組の鋳物収納用ハンガー部106は、基準線Y2-Y2上に配置されている。
2つの全体吊下用ハンガー部102の棒状部102aは、それぞれ連結部101に連設されている。
図6は、鋳造設備1を示す模式的な平面図であり、鋳造設備1は、造型設備2、中子設置設備3、冷却搬送設備4、注湯設備7、後処理設備8、及び砂処理設備10を備えている。
各鋳物100は、機械加工設備86において、その必要箇所に異物の除去、切削、研削および研磨等の機械加工が行われて製品となる。
図7は、鋳型ばらし装置65により鋳型ばらしを行う状態を示す説明図である。
図7において、符号110は内部に鋳造物19Fが形成されている鋳型、111は鋳型110の搬送路、112は搬送路111に交差する方向に設けられたハンガーフック113を有する懸吊装置、114は搬送路111上に設けられたプッシャーである。また、115は搬送路111に連結して設けられたテーブルであり、一端115aが回転自在に支持され、常態においては搬送路111と同一の高さに支持されているが、図示しない駆動機構によって支持が解放されて矢印R1方向へ回動するようになっている。
搬送路111上を搬送されてきた鋳型110は、プッシャー114に押されてテーブル115上に載置される。このとき、懸吊装置112のハンガーフック113は、図示しない駆動機構により、予め図7に示す位置に移動されており、鋳型110は、プッシャー114の駆動により、鋳型110内の鋳造物19Fの全体吊下用ハンガー部102がハンガーフック113に掛かる位置まで移動される。
かくして、鋳造物19Fは、全体吊下用ハンガー部102を設けたことにより、鋳型ばらしをスムーズに行うことができて、鋳型ばらしに際して鋳造物19Fに打こん等の傷が生じることを防止することができる。
このとき、各鋳物100を切離す際の切断箇所は、図5に示す鋳物収納用ハンガー部106と連結部101との境界部分107であり、鋳物収納用ハンガー部106は各鋳物100に残された状態である。
このときの切断箇所は、予め鋳型の型データに入力しておき、この型データに基づいて加工機械により切断を行う。
図8、図9は、鋳物100を収納体に搭載した状態を示す図であり、これらの図において符号120は収納体である。収納体120は、C字状の断面形状をもって一方向に延びる部材であって、主壁部120a、側壁部120b、120b、下壁部120c、120cを有し、収納体に複数の鋳物100が吊り下げられるように設けられる。
鋳物100を、収納体120に搭載する際は、鋳物収納用ハンガー部106の棒状部106aをロボットにより把持して、収納体120に搭載する。
この際、鋳物100は、収納体120からロボットにより鋳物収納用ハンガー部106の棒状部106aを把持されて加工機に供給されるが、鋳物100が一定の姿勢で収納体120に吊り下げられているので、ロボットによるピッキングを容易かつ確実に行うことができ、ピッキングに失敗して鋳物100を落下させる等の不都合を防止することができる。
また、次工程でのロボットによる鋳物100のピッキングについて自動化を図る場合にも、収納体120に搭載された鋳物100はすべて一定の姿勢で収納されているので、ロボットに対して作業者の高度なティーチングが不要となる利点がある。
また、ロボットによる鋳物100のピッキングがほぼ100パーセントの確率で成功するように構成できるので、ピッキング工程の無人化を実現することができる。
また、鋳物を収納体に順番に搭載することになるため、製品への刻印等の識別子がなくともトレーサビリティ性を確保することができる。
また、収納体(パレット)へばらばらに積まれることがないため、製品に打こん等の傷をつけることがない。
図10から図14は本発明の第2の実施形態を示す図である。
この実施形態が前述した第1の実施形態と異なる点は、鋳物100に設けられる鋳物収納用ハンガー部の形状である。
この実施形態において鋳物収納用ハンガー部106Aは、図10に示すように、鋳物100から第1の実施形態における鋳物収納用ハンガー部106の棒状部106bの長さ寸法に対応する幅寸法t1をもって突出させた突出部であり、かつこの突出部が連結部102aに直接接合されていることである。
なお、この実施形態において鋳物100を吊り下げる収納体120Aは、図14に示すように下壁部120c、120cの内面を、鋳物収納用ハンガー部106Aの側面130a、130bが掛止できるように、側面130a、130bに対応させた傾斜面に形成する。
この実施形態の構成によれば、鋳物100と鋳物収納用ハンガー部106Aとの接合面積を大きくとることができ、鋳物100の重量が大きい場合にも無理なく吊り下げが可能となる利点がある。
なお、この実施形態において、各鋳物100を切り離す箇所は図10に示すように連結部103及び全体吊下用ハンガー部102の棒状部102aと鋳物収納用ハンガー部106Aとの境界部131である。
また上記の2つの実施形態では、鋳物100は、鋳物収納用ハンガー部106、106Aにより収納体120、120A内に、吊り下げられるように収納したが、これに限定されない。収納体120、120AはC字状の断面形状をもって一方向に延びる部材であるが、収納体120、120Aを、その延びる方向の軸を地面に対して垂直に位置させ、鋳物100を鋳物収納用ハンガー部106、106Aにより収納体120、120A内に係止し、鋳物100を積み上げるように収納してもよい。
また、上記の第1、第2の実施形態においては、鋳造物19Fが複数の鋳物100を有する場合について説明したが、本発明において鋳物100の数は1個でもよく、本発明は1以上の鋳物が設けられた鋳造物に適用することができる。
101、103 連結部
102 全体吊下用ハンガー部
102a、102b、106a、106b 棒状部
106、106A 鋳物収納用ハンガー部
110 鋳型
113 ハンガーフック
120、120A 収納体
130a、130b 側面
19F 鋳造物
Claims (5)
- 1以上の鋳物が設けられた鋳造物であって、前記鋳物の近傍の堰部を構成する部分に、該鋳物を収納するための鋳物収納用ハンガー部が設けられ、
前記鋳物収納用ハンガー部は、前記鋳物から突出する突出部であって、1の側面と該1の側面と反対側の側面とが突出方向へ向けて互いに離間する方向に傾斜する掛止面とされていることを特徴とする鋳造物。 - 前記鋳造物には、鋳造物全体を吊下するための全体吊下用ハンガー部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の鋳造物。
- 前記全体吊下用ハンガー部と前記鋳物とは連結部により連結され、該連結部であって、前記鋳物の近傍の前記堰部を構成する部分に前記鋳物収納用ハンガー部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の鋳造物。
- 鋳型に注湯し、これを冷却して鋳物近傍の堰部を構成する部分に鋳物収納用ハンガー部が設けられた鋳造物を製造すること、
該鋳造物の鋳型ばらしを行うこと、
該鋳型ばらし後の鋳造物について前記鋳物を、前記鋳物収納用ハンガー部を該鋳物に残してその他の部分と分離すること、
分離した後の前記鋳物について前記鋳物収納用ハンガー部を収納体に収納して次工程へ搬送すること、
前記鋳物収納用ハンガー部は、前記鋳物から突出する突出部であって、1の側面と該1の側面と反対側の側面とが突出方向へ向けて互いに離間する方向に傾斜する掛止面とされていること、
を特徴とする鋳物の製造方法。 - 鋳型に注湯し、これを冷却して前記鋳造物を製造する際に、該鋳造物に全体吊下用ハンガー部を設けておき、前記鋳型ばらしを行う際に、前記全体吊下用ハンガー部にハンガーフックを掛けて前記鋳造物を回動落下させることにより鋳型ばらしを行うようにしたことを特徴とする、請求項4に記載の鋳物の製造方法。
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