JP7258038B6 - B7-h4抗体の投薬計画 - Google Patents

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Description

1.本開示は一般に、がんのような疾患の治療のために、ヒトB7-H4に特異的に結合する抗体を投与する方法に関する。有利な投薬計画が提供されている。
2.B7-H4(B7x、B7-S1、及びVTCN1としても知られる)は、PD-L1を含む他のB7ファミリーメンバーと相同性を共有する免疫調節分子である。それは、IgVとIgC双方の細胞外ドメインで構成されるI型の膜貫通タンパク質である。健康な組織におけるB7-H4の発現はタンパク質レベルでは比較的限定されている一方で、B7-H4は乳房、卵巣、子宮内膜の婦人科がんのようないくつかの固形腫瘍にて発現する。腫瘍におけるB7-H4の発現は予後不良と相関する傾向がある。B7-H4の受容体は不明であるが、T細胞に発現していると考えられている。B7-H4はT細胞活性を直接阻害すると考えられている。
B7-H4の発現及び機能を考慮して、B7-H4活性の調節を含む治療法、例えば、がんの治療のために、B7-H4に特異的に結合する抗体が開発されている。したがって、そのような抗体の効果的な投与のための投薬計画に対するニーズがある。
3.本明細書では、治療的に有効な投薬計画を用いて、B7-H4抗体及びその抗原結合断片を投与する方法が提供される。
特定の態様では、ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法は、ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ20502抗体の重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2、VH CDR3及び軽鎖可変領域(VL)CDR1、VL CDR2及びVL CDR3の配列を含む抗体またはその抗原結合断片を約0.005~約20mg/kg対象に投与することを含む。
特定の態様では、ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法は、(i)抗体またはその抗原結合断片がヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ20502抗体の重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2、VH CDR3及び軽鎖可変領域(VL)CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3の配列を含む抗体またはその抗原結合断片と、(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を対象に投与することを含み、その際、組成物における抗体またはその抗原結合断片の少なくとも95%が非フコシル化されており、約0.005~約20mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が投与される。
特定の態様では、CDRは、Kabatが定義したCDR、Chothiaが定義したCDR、またはAbMの定義のCDRである。特定の態様では、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びCDR3の配列は、それぞれ配列番号5~10で示されるアミノ酸配列を含む。
特定の態様では、約20mg/kgまたは20mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約10mg/kgまたは10mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約3mg/kgまたは3mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約1mg/kgまたは1mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約0.3mg/kgまたは0.3mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約0.1mg/kgまたは0.1mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約0.03mg/kgまたは0.03mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約0.01mg/kgまたは0.01mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。特定の態様では、約0.005mg/kgまたは0.005mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与される。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片はほぼ3週ごとに1回投与される。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片は静脈内に投与される。
特定の態様では、B7-H4は投与に先立って免疫組織化学(IHC)を用いて固形腫瘍で検出されている。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片は配列番号11で示されるアミノ酸配列を含むVH、及び/または配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLを含む。特定の態様では、抗体または抗原結合断片は重鎖定常領域及び/または軽鎖定常領域を含む。特定の態様では、重鎖定常領域は、ヒト免疫グロブリンIgG重鎖定常領域であり、及び/または軽鎖定常領域は、ヒト免疫グロブリンIgGκ軽鎖定常領域である。特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号25で示されるアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、及び/または配列番号23で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む。特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む重鎖、及び/または配列番号22で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片はヒト抗体またはその抗原結合断片である。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片は非フコシル化される。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片は完全長の抗体である。特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片は抗原結合断片である。特定の態様では、抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、単鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合Fv、V-NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’)、テトラボディ、トリアボディ、ジアボディ、単一ドメイン抗体、DVD-Ig、Fcab、mAb、(scFv)、もしくはscFv-Fcを含む、またはそれである。
特定の態様では、フコシル化は組成物では検出できない。
特定の態様では、固形腫瘍はB7-H4を発現する。
特定の態様では、固形腫瘍は、切除不能、局所進行性、または転移性である。
特定の態様では、固形腫瘍は、乳癌、乳管癌、子宮内膜癌、卵巣癌、尿路上皮癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、腎臓癌、及び膀胱癌から成る群から選択される。特定の態様では、固形腫瘍は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌である。特定の態様では、乳癌は進行性乳癌である。特定の態様では、乳癌はHER2陰性である。特定の態様では、乳癌はトリプルネガティブ乳癌である。特定の態様では、乳癌はホルモン受容体(HR)陽性乳癌である。特定の態様では非小細胞肺癌は扁平上皮癌である。特定の実施形態では、対象はPD-1/PD-L1アンタゴニストによる前治療を受けたことがない。
特定の態様では、方法はさらに、腫瘍にて免疫細胞の数をモニターすることを含む。特定の態様では、方法はさらに、腫瘍にてナチュラルキラー(NK)細胞、CD4+細胞及び/またはCD8+細胞の数をモニターすることを含む。特定の態様では、方法はさらに、対象にてサイトカインのレベルをモニターすることを含む。特定の態様では、方法はさらに、対象にてIL-2、IL-6、IL-10、TNF及び/またはインターフェロンガンマ(IFNγ)のレベルをモニターすることを含む。
特定の態様では、ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法は、ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号11で示されるアミノ酸配列を含むVHと配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLとを含むその抗体を約20mg/kgでほぼ3週ごとに1回対象に静脈内投与することを含む。
特定の態様では、ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法は、(i)ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号11で示されるアミノ酸配列を含むVH及び配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を対象に投与することを含み、その際、組成物における抗体またはその抗原結合断片の少なくとも95%が非フコシル化されており、約20mg/kgの抗体またはその抗原結合断片がほぼ3週ごとに1回静脈内投与される。
特定の態様では、抗体は配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号22で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。特定の態様では、固形腫瘍は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌である。
4.
さまざまなB7-H4発現レベルの細胞に対するフコシル化及び非フコシル化B7-H4抗体のADCC活性を示す図である。(実施例3を参照) B7-H4を発現するように操作されたCT26がん細胞から生じる腫瘍を持つマウスにおける腫瘍増殖阻害に対するB7-H4抗体の効果を示す図である。(実施例4を参照) フェーズ1a及び1bの試験スキームを示す図である。CNS=中枢神経系;DLT=用量制限毒性;IV=静脈内;LTFU=長期経過観察;MTD=最大耐量;PD=進行性疾患;Q3W=3週に1回;TNBC=トリプルネガティブ乳癌;RD=推奨用量。(実施例7及び8を参照)
5.本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合する抗体(例えば、モノクローナル抗体)及びその抗原結合断片を投与する方法である。抗B7-H4抗体及びその抗原結合断片は、例えば、対象にて固形腫瘍を治療するために投与することができる。特定の実施形態では、約20mg/kg、約10mg/kg、約3mg/kg、約1mg/kg、約0.3mg/kg、約0.1mg/kg、約0.03mg/kg、約0.01mg/kg、または約0.005mg/kgの抗体またはその抗原結合断片が対象に投与され、例えば、投与は約3週間ごとに発生する。
5.1 用語
本明細書で使用されるとき、「B7-H4」という用語は、ネイティブのB7-H4ポリペプチド及びB7-H4ポリペプチドのアイソフォームを含むがこれらに限定されない哺乳動物B7-H4ポリペプチドを指す。「B7-H4」は完全長、未処理のB7-H4ポリペプチド、と同様に細胞内の処理から生じるB7-H4ポリペプチドの形態を包含する。本明細書中で使用されるとき、「ヒトB7-H4」という用語は配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。「B7-H4ポリヌクレオチド」、「B7-H4ヌクレオチド」または「B7-H4核酸」はB7-H4をコードするポリヌクレオチドを指す。
「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介して、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、または前述の組み合わせのような標的を認識しこれに特異的に結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書で使用されるとき、「抗体」という用語は、インタクトのポリクローナル抗体、インタクトのモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体を含む融合タンパク質、及び当該抗体が所望の生物活性を示す限り任意の他の修飾された免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、及びミューと呼ばれる重鎖定常ドメインの独自性に基づいて5つの主な免疫グロブリンのクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、またはそれらのサブクラス(アイソタイプ)(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)のいずれかであることができる。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なる周知のサブユニット構造及び三次元構造を有する。抗体は裸であることができ、毒素、放射性同位元素等のような他の分子に結合することができる。
「抗体断片」という用語は、インタクトな抗体の一部を指す。「抗原結合断片」、「抗原結合ドメイン」、または「抗原結合領域」は、抗原に結合するインタクトな抗体の一部を指す。抗原結合断片は、インタクトな抗体の抗原認識部位(例えば、抗原を特異的に結合するのに十分な相補性決定領域(CDR))を含有することができる。抗体の抗原結合断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、線状抗体、及び単鎖抗体が挙げられるが、これらに限定されない。抗体の抗原結合断片は、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、またはハムスター)及びヒトのような任意の動物種に由来することができ、または人工的に作製することができる。
「抗B7-H4抗体」、「B7-H4抗体」及び「B7-H4に結合する抗体」という用語は、抗体がB7-H4を標的とすることにおいて診断薬及び/または治療薬として有用であるように、十分な親和性でB7-H4を特異的に結合することができる抗体を指す。本明細書で使用されるとき、「特異的に結合する」、「免疫特異的に結合する」、「免疫特異的に認識する」、及び「特異的に認識する」という用語は、抗体またはその抗原結合断片の文脈において類似の用語である。これらの用語は、抗体またはその抗原結合断片がその抗原結合ドメインを介してエピトープに結合すること、及び結合が抗原結合ドメインとエピトープの間にある程度の相補性を伴うことを示す。したがって、ヒトB7-H4(配列番号1)に「特異的に結合する」抗体は、他の種(例えば、カニクイザル、マウス及び/またはラットのB7-H4)及び/または他のヒト対立遺伝子から産生されたB7-H4タンパク質にも結合してもよく、ただし関連のない非B7-H4タンパク質(例えば、PD-L1のような他のB7タンパク質ファミリーメンバー)への結合の程度は、例えば放射性免疫アッセイ(RIA)により測定されたときB7-H4に対する抗体の結合の約10%未満である。具体的な実施形態では、本明細書で提供されるのはヒト、カニクイザル、マウス、及びラットのB7-H4に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。
「モノクローナル」抗体またはその抗原結合断片は、単一の抗原決定基またはエピトープの特異性の高い結合に関与する均質な抗体または抗原結合断片の集団を指す。これは、通常は異なる抗原決定基に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体とは対照的である。「モノクローナル」抗体またはその抗原結合断片という用語は、インタクトな且つ完全長のモノクローナル抗体と同様に、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、単鎖(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾された免疫グロブリン分子を包含する。さらに、「モノクローナル」抗体またはその抗原結合断片は、ハイブリドーマ、ファージ選択、組み換え発現、及びトランスジェニック動物を含むが、これらに限定されないあらゆる方法で作製されるそのような抗体及びその抗原結合断片を指す。
本明細書で使用されるとき、「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は相互交換可能に使用され、当該技術分野で一般的である。可変領域は通常、抗体の一部、一般に軽鎖または重鎖の一部を指し、通常、成熟重鎖のアミノ末端約110~120アミノ酸または110~125アミノ酸及び成熟した軽鎖の約90~115アミノ酸を指し、それらは抗体間で配列が異なり、特定の抗体の特定の抗原に対する結合と特異性に使用される。配列の変動性は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる領域に集中している一方で、可変ドメインにおけるさらに高度に保存された領域はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。特定のメカニズムまたは理論に束縛されることを望まないが、軽鎖及び重鎖のCDRは、抗体の抗原との相互作用及び特異性に主として関与すると考えられている。特定の実施形態では、可変領域はヒト可変領域である。特定の実施形態では、可変領域は、げっ歯類またはマウスのCDR及びヒトのフレームワーク領域(FR)を含む。特定の実施形態では、可変領域は霊長類(例えば、非ヒト霊長類)の可変領域である。特定の実施形態では、可変領域は、げっ歯類またはマウスのCDR及び霊長類(例えば、非ヒト霊長類)のフレームワーク領域(FR)を含む。
「VL」及び「VLドメイン」という用語は、抗体の軽鎖可変領域を指すために相互交換可能に使用される。
「VH」及び「VHドメイン」という用語は、抗体の重鎖可変領域を指すために相互交換可能に使用される。
「Kabat番号付け」という用語及び同様の用語は、当該技術分野で認識されており、抗体またはその抗原結合断片の重鎖及び軽鎖可変領域におけるアミノ酸残基の番号付けの方式を指す。特定の態様では、CDRは、Kabat番号付け方式に従って決定することができる(例えば、Kabat EA & Wu TT,(1971),Ann.NY.Acad.Sci.190:382-391及びKabat,EA.et al.,(1991),Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,US Department of Health and Human Services,NIH Publication,No.91-3242を参照のこと)。Kabat番号付け方式を用いて、抗体重鎖分子内のCDRは通常、35に続く1または2の追加のアミノ酸を任意で含めることができる(Kabatの番号付けスキームでは35A及び35Bと呼ばれる)アミノ酸の31~35位(CDR1)、アミノ酸の50~65位(CDR2)、及びアミノ酸の95~102位(CDR3)に存在する。Kabat番号付け方式を用いて、抗体軽鎖分子内のCDRは通常、アミノ酸の24~34位(CDR1)、アミノ酸の50~56位(CDR2)、及びアミノ酸の89~97位(CDR3)に存在する。具体的な実施形態では、本明細書に記載されている抗体のCDRはKabat番号付けスキームに従って決定されている。
Cothiaは代わりに構造ループの位置を参照する(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。Kabat番号付け規則を用いて番号付けした場合、ChothiaのCDR-H1ループの末端は、ループの長さに応じてH32とH34の間で異なる(これは、Kabat番号付けスキームがH35AとH35Bに挿入を置くためであり、35Aも35Bも存在しない場合、このループは32で終わり、35Aのみが存在する場合、このループは33で終わり、35A及び35Bの双方が存在する場合、このループは34で終わる)。AbMの超可変領域は、KabatのCDR及びChothiaの構造ループとの間の妥協を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデル化ソフトウェアによって使用されている。
Figure 0007258038000001
本明細書で使用されるとき、「定常領域」及び「定常ドメイン」という用語は相互交換可能であり、当該技術分野でのそれらの共通の意味を有する。定常領域は、抗体の一部であり、例えば、抗体の抗原への結合には直接関与しないが、Fc受容体との相互作用のような、さまざまなエフェクター機能を発揮できる軽鎖及び/または重鎖のカルボキシル末端部分である。免疫グロブリン分子の定常領域は一般に、免疫グロブリン可変ドメインと比べてさらに保存されたアミノ酸配列を有する。特定の態様では、抗体または抗原結合断片は、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)に十分である定常領域またはその一部を含む。
本明細書で使用されるとき、抗体に関して使用される場合の「重鎖」という用語は、任意の異なる種類、例えば、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいてアルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、及びミュー(μ)を指すことができ、それらは、IgG、IgG、IgG、及びIgGのようなIgGのサブクラスを含む、それぞれIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMのクラスの抗体を生じる。重鎖アミノ酸配列は当該技術分野で周知である。具体的な実施形態では、重鎖はヒト重鎖である。
本明細書で使用されるとき、抗体に関して使用される場合の「軽鎖」という用語は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づく、例えばカッパ(κ)またはラムダ(λ)のような異なる種類を指すことができる。軽鎖アミノ酸配列は当技術分野で周知である。具体的な実施形態では、軽鎖はヒト軽鎖である。
「キメラ」抗体という用語またはその抗原結合断片は、アミノ酸配列が2以上の種に由来する抗体またはその抗原結合断片を指す。通常、軽鎖及び重鎖双方の可変領域は、所望の特異性、親和性、及び機能を持つ哺乳類の一種(例えば、マウス、ラット、ウサギ等)に由来する抗体またはその抗原結合断片の可変領域に対応する一方で、その定常領域は、別の種(通常はヒト)に由来する抗体またはその抗原結合断の配列に対して相同であり、その種での免疫反応の誘発を回避する。
「ヒト化」抗体という用語またはその抗原結合断片は、最小限の非ヒト(例えば、マウス)配列を含有する特定の免疫グロブリン鎖、キメラ免疫グロブリン、またはそれらの断片である非ヒト(例えば、マウス)抗体または抗原結合断片の形態を指す。通常、ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、ヒト免疫グロブリンであって、その相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性、及び機能を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター)のCDR由来の残基で置き換えられている(「CDRグラフト」)(Jones et al.,Nature,321:522-525,(1986);Riechmann et al.,Nature,332:323-327,(1988);Verhoeyen et al.,Science,239:1534-1536,(1988))。場合によっては、ヒト免疫グロブリンの特定のFvフレームワーク領域(FR)は、所望の特異性、親和性、及び機能を有する非ヒト種由来の抗体または断片における対応する残基で置き換えられる。ヒト化抗体またはその抗原結合断片を、Fvフレームワーク領域にて及び/または非ヒトCDR残基内にてさらなる残基の置換によってさらに修飾し、抗体またはその抗原結合断片の特異性、親和性、及び/または機能を改良する及び最適化することができる。一般に、ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、非ヒト免疫グロブリンに対応するCDR領域のすべてまたは実質的にすべてを含有する可変ドメインを含むのに対して、FR領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、通常はヒト免疫グロブリンのものである免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部も含むことができる。ヒト化抗体を生成するのに使用される方法の例は、米国特許第5,225,539号、Roguska et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,91(3):969-973(1994)、及びRoguska et al.,Protein Eng.9(10):895-904(1996)に記載されている。いくつかの実施形態では、「ヒト化抗体」は再表面化抗体である。
「ヒト」抗体という用語またはその抗原結合断片は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座に由来するアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合断片を意味し、そのような抗体または抗原結合断片は当該技術分野で既知の任意の技法を用いて作製される。ヒト抗体またはその抗原結合断片のこの定義には、インタクトなまたは完全長の抗体及びその断片が含まれる。
「非フコシル化」抗体またはその抗原結合断片または「フコースを欠く」抗体またはその抗原結合断片は、その定常領域のグリコシル化においてフコースを欠くIgG1またはIgG3のアイソタイプ抗体またはその抗原結合断片を指す。ヒトIgG1またはIgG3のグリコシル化は、最大2つのGal残基で終わるコアのフコシル化二分岐複合オリゴ糖のグリコシル化としてAsn297にて起こる。いくつかの実施形態では、非フコシル化抗体はAsn297でフコースを欠いている。これらの構造は、末端のGal残基の量に応じてG0、G1(1、6、または1、3)、またはG2グリカン残基と呼ばれる。例えば、Raju,T.S.,BioProcess Int.1:44-53(2003)を参照のこと。抗体FcのCHO型グリコシル化は、例えば、Routier,F.FL,Glycoconjugate J.14:201-207(1997)に記載されている。
フコースを測定する方法には当該技術分野で既知の任意の方法が挙げられる。本明細書の目的のために、フコースは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれるWO2015/017600の実施例1に記載されている方法により検出される。手短には、グリカン分析は、抗体からグリカンを遊離し(例えば、酵素的遊離によって)、グリカンをアントラニル酸(2-AA)で標識し、次いで標識されたグリカンを精製することによって実施される。蛍光検出を備えた順相HPLCを用いて、グリカンを分離し、抗体における各グリカンの相対量を測定する。質量分光分析によってグリカンはフコースを欠いているまたは含んでいると確実に同定されてもよい。いくつかの実施形態では、フコースは、複数の非フコシル化された抗体またはその抗原結合断片を含む組成物では検出できない。いくつかの実施形態では、非フコシル化された抗体またはその抗原結合断片はFcガンマRIIIAに対して増強された親和性を有する。いくつかの実施形態では、非フコシル化された抗体またはその抗原結合断片は、FcγRIIIA(V158)に対して増強された親和性を有する。いくつかの実施形態では、非フコシル化された抗体またはその抗原結合断片は、FcガンマRIIIA(F158)に対して増強された親和性を有する。
「結合親和性」は、一般に、分子(例えば、抗体またはその抗原結合断片)の単一結合部位とその結合相手(例えば、抗原)との間の非共有結合相互作用の合計の強度を指す。特に指示されない限り、本明細書で使用されるとき、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体またはその抗原結合断及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する、本来の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は一般に、解離定数(KD)によって表すことができる。平衡解離定数(K)及び平衡会合定数(K)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の多数の方法で親和性を測定することができ、及び/または表現することができる。Kはkoff/konの商から計算されるのに対して、Kはkon/koffの商から計算される。konは、例えば、抗体またはその抗原結合断片の抗原への会合速度定数を指し、koffは、例えば、抗体またはその抗原結合断片の抗原からの解離を指す。kon及びkoffは、BIAcore(登録商標)またはKinExAのような当業者に既知の技法によって決定することができる。
本明細書で使用されるとき、「エピトープ」は、当該技術分野における用語であり、抗体またはその抗原結合断片が特異的に結合することができる抗原の局在領域を指す。エピトープは、例えば、ポリペプチドの隣接アミノ酸(線状または隣接エピトープ)であることができ、またはエピトープは、例えば、ポリペプチド(単数)またはポリペプチド(複数)の2以上の非隣接領域から集まることができる(立体構造的、非線状、不連続、または非隣接のエピトープ)。特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片が特異的に結合するエピトープは、例えば、NMR分光法、X線回折結晶学研究、ELISAアッセイ、質量分析(例、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析)と併せた水素/重水素交換、アレイ系のオリゴペプチド走査アッセイ、及び/または変異誘発マッピング(例:部位特異的変異誘発マッピング)によって決定することができる。X線結晶学については、結晶化は当該技術分野で既知の方法のいずれかを用いて達成されてもよい(例えば、GiegeR et al.,(1994)Acta.Crystallogr.D.Biol.Crystallogr.50(Pt4):339-350;McPherson,A.(1990),Eur.J.Biochem.189:1-23;Chayen,NE.(1997)Structure,5:1269-1274;McPherson,A.(1976)J.Biol.Chem.251:6300-6303)。抗体/その抗原結合断片:抗原の結晶は、周知のX線回折技術を用いて研究することができ、X-PLORのようなコンピューターソフトウェアを用いて改良することができる(Yale University,1992,distributed by Molecular Simulations,Inc.;see,e.g.,Meth.Enzymol(1985),volume 114&115,eds Wyckoff HW et al.,;U.S.2004/0014194),and BUSTER(Bricogne G,(1993),Acta.Crystallogr.D.Biol.Crystallogr.49(Pt1):37-60;Bricogne G,(1997),Meth.Enzymol.276A:361-423,ed Carter CW;Roversi,P.et al.,(2000),Acta.Crystallogr.D.Biol.Crystallogr.56,(Pt10):1316-1323)。変異誘発マッピング研究は、当業者に既知の任意の方法を用いて達成することができる。アラニン走査突然変異誘発技法を含む突然変異誘発技法の説明については、例えば、Champe,M.et al.,(1995),J.Biol.Chem.270:1388-1394及びCunningham,BC & Wells JA,(1989),Science,244:1081-1085)を参照のこと。
「プログラム細胞死タンパク質1」及び「PD-1」という用語は、CD28ファミリーに属する免疫抑制受容体を指す。PD-1は、生体内で以前に活性化されたT細胞に主として発現し、2つのリガンドPD-L1とPD-L2に結合する。本明細書で使用されるとき、「PD-1」という用語は、ヒトPD-1(hPD-1)、hPD-1の天然に存在する変異体及びアイソフォーム、ならびにhPD-1の種ホモログを含む。hPD-1の配列は
MQIPQAPWPVVWAVLQLGWRPGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNTSESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQLPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLRAELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQTLVVGVVGGLLGSLVLLVWVLAVICSRAARGTIGARRTGQPLKEDPSAVPVFSVDYGELDFQWREKTPEPPVPCVPEQTEYATIVFPSGMGTSSPARRGSADGPRSAQPLRPEDGHCSWPL(配列番号30)である。
「プログラム細胞死1リガンド1」及び「PD-L1」という用語は、PD-1に結合した際のT細胞の活性化とサイトカイン分泌を下方調節する、PD-1の2つの細胞表面糖タンパク質リガンドのうちの一方を指す(他方はPD-L2)。本明細書で使用されるとき、「PD-L1」という用語は、ヒトPD-L1(hPD-L1)、hPD-1の天然に存在する変異体及びアイソフォーム、ならびにhPD-L1の種ホモログを含む。hPD-L1の配列は
MRIFAVFIFMTYWHLLNAFTVTVPKDLYVVEYGSNMTIECKFPVEKQLDLAALIVYWEMEDKNIIQFVHGEEDLKVQHSSYRQRARLLKDQLSLGNAALQITDVKLQDAGVYRCMISYGGADYKRITVKVNAPYNKINQRILVVDPVTSEHELTCQAEGYPKAEVIWTSSDHQVLSGKTTTTNSKREEKLFNVTSTLRINTTTNEIFYCTFRRLDPEENHTAELVIPELPLAHPPNERTHLVILGAILLCLGVALTFIFRLRKGRMMDVKKCGIQDTNSKKQSDTHLEET(配列番号31)である。
「PD-1/PD-L1アンタゴニスト」という用語は、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路を破壊する部分を指す。いくつかの実施形態では、アンタゴニストは、PD-1及び/またはPD-L1への結合によってPD-1/PD-L1のシグナル伝達経路を阻害する。いくつかの実施形態では、PD-1/PD-L1アンタゴニストはPD-L2にも結合する。いくつかの実施形態では、PD-1/PD-L1アンタゴニストは、PD-1のPD-L1及び任意でPD-L2への結合を遮断する。非限定の例示的なPD-1/PD-L1アンタゴニストには、PD-1に結合する抗体のようなPD-1アンタゴニスト、例えば、ニボルマブ(OPDIVO)及びペンブロリズマブ(KEYTRUDA);PD-L1に結合する抗体のようなPD-L1アンタゴニスト(例えば、アテゾリズマブ(TECENTRIQ)、デュルバルマブ及びアベルマブ);AMP-224のような融合タンパク質及びAUR-012のようなペプチドが挙げられる。
「単離される」ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、自然界には見られない形態であるポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物である。単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物には、もはやそれらが自然界で見られる形態ではない程度まで精製されたものが含まれる。いくつかの実施形態では、単離されている抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、実質的に純粋である。本明細書で使用されるとき、「実質的に純粋」は、少なくとも50%純粋(すなわち、混入物質を含まない)、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも98%純粋、または少なくとも99%である材料を指す。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は本明細書では、相互交換可能に使用されて、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。該ポリマーは、直鎖状であっても分岐状であってもよく、修飾アミノ酸を含むことができ、非アミノ酸によって中断され得る。これらの用語は、自然に、または介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、もしくは任意の他の操作または修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲーションにより修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。その定義内に含まれるのはまた、例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸等を含む)の1以上の類似体を含有するポリペプチド、と同様に当該技術分野で既知の他の修飾である。本発明のポリペプチドは抗体に基づいているので、特定の実施形態では、該ポリペプチドは一本鎖または結合鎖として存在し得ることが理解される。
本明細書中で使用されるとき、「宿主細胞」という用語は、任意の種類の細胞、例えば、初代細胞、培養中の細胞、または細胞株由来の細胞であることができる。具体的な実施形態では、「宿主細胞」という用語は、核酸分子で形質移入された細胞及びそのような細胞の子孫または潜在的な子孫を指す。そのような細胞の子孫は、例えば、次の世代または宿主細胞ゲノムへの核酸分子の組み込みにおいて起こり得る突然変異または環境の影響に起因して、核酸分子で形質移入された親細胞と同一ではなくてもよい。
「薬学的製剤」という用語は、活性成分の生物学的活性が有効になるような形態であり、かつ製剤が投与される対象に許容できない程度に毒性のさらなる成分を含有しない調製物を指す。製剤は無菌であることができる。
本明細書で使用されるとき、「投与する」、「投与すること」、「投与」等の用語は、生物作用の所望の部位への薬剤、例えば、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片の送達を可能にするのに使用されてもよい方法(例えば、静脈内投与)を指す。本明細書に記載されている作用剤及び方法とともに採用することができる投与技法は、例えば、Goodman及びGilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,current edition,Pergamon;ならびにRemington’s,Pharmaceutical Sciences,current edition,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.にて見いだされる。
本明細書で使用されるとき、「対象」及び「患者」という用語は相互交換可能に使用される。対象は動物であることができる。いくつかの実施形態では、対象は非ヒト動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、マウス、サルまたは他の霊長類等)のような哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象はカニクイザルである。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
「治療上有効な量」という用語は、対象における疾患または障害を治療するのに有効な薬剤、例えば、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片の量を指す。がんの場合、治療上有効な量の薬剤はがん細胞の数を減らすことができ;腫瘍のサイズまたは負担を軽減することができ;末梢臓器へのがん細胞の浸潤をある程度阻害することができ;ある程度、腫瘍転移を阻害することができ;ある程度、腫瘍の成長を阻害することができ;がんに関連する症状の1以上をある程度緩和することができ;及び/または無増悪生存期間(PFS)、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、場合によっては安定した疾患(SD)、進行性疾患の減少(PD)、進行までの時間の短縮(TTP)、またはそれらの任意の組み合わせのような良好な反応をもたらすことができる。薬剤が既存のがん細胞の成長の防ぎ及び/またはそれらの殺傷する範囲で、薬剤は細胞増殖抑制性及び/または細胞傷害性であることができる。
「治療すること」、「治療」、「治療すること」、「緩和すること」、及び「緩和すること」のような用語は、病的状態または障害を治癒させ、その症状を減速し、軽減する及び/またはその進行を止める治療手段を指す。したがって、治療を必要とするものには、すでにその障害があると診断された、またはその疑いがあるものが含まれる。特定の実施形態では、患者が以下:がん細胞の数の減少または完全な非存在;腫瘍サイズの低下;例えば、軟組織及び骨へのがんの広がりを含む、末梢器官へのがん細胞浸潤の阻害または非存在;腫瘍転移の阻害または非存在;腫瘍増殖の阻害または非存在;特定のがんに関連する1以上の症状の緩和;罹患率と死亡率の低下;生活の質の改善;腫瘍の腫瘍形成性、腫瘍形成頻度、または腫瘍形成能の低下;腫瘍におけるがん幹細胞の数または頻度の低下;腫瘍原性細胞の非腫瘍原性状態への分化;増加した無増悪生存期間(PFS)、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定した疾患(SD)、進行性疾患(PD)の減少、進行時間の短縮(TTP)、またはその任意の組み合わせの1以上を示す場合、対象は、本発明の方法に従ってがんについて首尾よく「治療」されている。
「がん」及び「がん性」という用語は、細胞の集団が制御されていない細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指す、または記載する。がんの例には、婦人科癌(例えば、乳癌(トリプルネガティブ乳癌を含む)、乳管癌、卵巣癌、及び子宮内膜癌)、非小細胞肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)及び膀胱癌(例えば、尿路上皮細胞癌)が挙げられるが、これらに限定されない。がんは、「B7-H4を発現するがん」または「B7-H4を発現しているがん」であることができる。そのような用語は、B7-H4を発現している細胞を含むがんを指す。がんはB7-H4を発現する固形腫瘍であることができる。がんは原発腫瘍であってもよいし、または進行がんまたは転移がんであってもよい。
「不応性」がんとは、化学療法剤のような抗腫瘍治療ががん患者に投与されているにもかかわらず進行するがんである。
「再発性」がんとは、初期療法に応答した後に、初期の部位または遠位部位で再増殖しているがんである。
本開示及びクレームで使用されるとき、単数形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
実施形態が本明細書で「comprising(含む)」という言葉で説明される場合は常に、そうでなければ「consisting of(から成る)」及び/または 「consisting essentially of(から本質的に成る)」という用語で説明される類似の実施形態も提供されることが理解される。本開示では、「comprises(含む)」、「comprising(含むこと)」、「containing(含有すること)」、及び「having(有すること)」等は、米国特許法においてそれらに帰せられる意味を有することができ、「includes(含む)」及び「including(含むこと)」等を意味することができ;「consisting essentially of(から本質的に成る)」または「consisting essentially(本質的に成る)」は同様に、米国特許法において帰せられる意味を有し、用語は制限がなく、引用されるものの基本的または新規の特徴が引用されるもの以上のものの存在によって変化しない限り、引用されるもの以上のものの存在を許容するが、先行技術の実施形態は除外する。
具体的に述べられるか、文脈から明らかでない限り、本明細書で使用されるとき、「または」という用語は包括的であることが理解される。「及び/または」という用語は、本明細書で「A及び/またはB」のような表現で使用されるとき、「A及びB」、「AまたはB」、「A」及び「B」の双方を含むことが意図される。同様に、「及び/または」という用語は「A、B、及び/またはC」のような表現で使用されるとき、以下の各実施形態:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AとC;AとB;BとC;A(単独);B(単独);及びC(単独)のそれぞれを包含することが意図される。
本明細書で使用されるとき、「約」及び「およそ」という用語は、数値または数値範囲を変更するために使用される場合、値または範囲の5%~10%を上回る及び5%~10%を下回る逸脱は引用された値または範囲の意図された意味の範囲内にとどまることを示す。
本明細書で提供される任意の組成物または方法は、本明細書で提供される他の組成物及び方法のいずれかの1以上と組み合わせることができる。
5.2 がんの治療方法
一態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、ヒト対象にてがんを治療する方法である。
一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約0.005~約20mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。
一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約0.005mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含み、その際、約0.01mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約0.03mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約0.1mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約0.3mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約1mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約3mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約10mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、約20mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、ほぼ3週ごとに1回投与される。
一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、0.005mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、0.01mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、0.03mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、0.1mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、0.3mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、1mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、3mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象のがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、10mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。一態様では、ヒト対象にてがんを治療する方法は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または本明細書に記載されているようなその医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含み、その際、20mg/kgの抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片が、例えば、3週ごとに1回投与される。
本明細書で提供されている方法によれば、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片、または抗B7-H4抗体もしくはその抗原結合断片を含む医薬組成物は静脈内に投与することができる。
特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、乳癌(例えば、進行性乳癌、トリプルネガティブ乳癌、または乳管癌)、子宮内膜癌腫、卵巣癌、尿路上皮癌、非小細胞肺癌(例えば、扁平上皮癌)、膵臓癌、甲状腺癌、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)、及び膀胱癌(例えば、尿路上皮細胞癌)から成る群から選択されるがんを治療する方法である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、進行性の乳癌(トリプルネガティブ乳癌を含む)、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌を治療する方法である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは乳癌を治療する方法である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのはホルモン受容体(HR)陽性乳癌を治療する方法である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは卵巣癌を治療する方法である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは子宮内膜癌を治療する方法である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは尿路上皮癌を治療する方法である。本明細書で提供される特定の実施形態では、対象はPD-1/PD-L1アンタゴニストによる前治療を受けたことがない。特定の実施形態では、そのような方法は、本明細書で提供されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片、または本明細書で提供されている抗B7-H4抗体もしくはその抗原結合断片を含む医薬組成物をそれを必要とする患者(例えば、ヒト患者)に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、がんはB7-H4を発現しているがんである。特定の実施形態では、がんは、B7-H4を発現している固形腫瘍である。特定の実施形態では、B7-H4は対象から得られた生体試料にて(例えば、免疫組織化学(IHC)を用いて)検出されている。
生体試料は、対象、細胞株、組織、またはB7-H4を潜在的に発現する細胞の他の供給源から得られる任意の生体試料であってもよい。ヒトから組織生検及び体液を得る方法は当該技術分野で周知である。生体試料には末梢単核血球が含まれる。生体試料はまた、血液試料であってもよく、その中で循環腫瘍細胞(または「CTC」)は、B7-H4を発現してもよく、且つ検出されてもよい。
B7-H4タンパク質の発現レベルをアッセイすることには、直接(例えば、絶対タンパク質レベルを決定するまたは推定することによって)または相対的に(例えば、第2の生体試料のタンパク質レベルと比較することによって)第1の生体試料におけるB7-H4タンパク質のレベルを定性的にまたは定量的に測定することまたは推定することを含むように意図される。第1の生体試料におけるB7-H4ポリペプチドの発現レベルを測定または推定し、標準のB7-H4タンパク質レベルと比較することができ、標準は、罹患していない第2の生体試料から決定され、または罹患していない試料の集団に由来する平均レベルから決定される。当該技術分野で十分に理解されるように、いったん「標準」のB7-H4ポリペプチドレベルが知られると、それを比較のための標準として繰り返し使用することができる。
別の実施形態では、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片、または医薬組成物はがんと診断された患者(例えば、ヒト患者)に投与されて、患者にてT細胞、CD4T細胞、またはCD8Tの増殖を増やす。別の実施形態では、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片、または医薬組成物はがんと診断された患者(例えば、ヒト患者)に投与されて、患者にてインターフェロン-ガンマ(IFNγ)産生を増加させる。別の実施形態では、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片、または医薬組成物はがんと診断された患者(例えば、ヒト患者)に投与されて、患者にてT細胞に対するB7-H4の阻害活性を遮断する。別の実施形態では、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片、または医薬組成物は、患者にてB7-H4発現がん細胞を枯渇させるために、がんと診断された患者(例えば、ヒト患者)に投与される。
いくつかの実施形態では、本発明は、薬物として使用するための本明細書で提供されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物に関するものであり、その際、薬物は約0.005mg/kg~約20mg/kg(例えば、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、または約20mg/kg)の抗体またはその抗原結合断片の投与のためのものである。いくつかの態様では、本発明は、がんの治療のための方法で使用するための本明細書で提供されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物に関するものであり、その際、薬物は約0.005mg/kg~約20mg/kg(例えば、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kg、または約20mg/kg)の 抗体またはその抗原結合断片が投与される。いくつかの態様では、本発明は、約0.005mg/kg~約20mg/kg(例えば、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kgまたは約20mg/kg)の本明細書で提供されている抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物を対象に投与することを含む、対象にてがんの治療方法で使用するための、本明細書で提供されている抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、薬物として使用するための本明細書で提供されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物に関するものであり、薬物は約0.005mg/kg~約20mg/kg(例えば、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kgまたは約20mg/kg)の抗体またはその抗原結合断片の投与のためのものである。いくつかの態様では、本発明は、がんを治療方法で使用するための、本明細書で提供されている抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物に関するものであり、約0.005mg/kg~約20mg/kg(例えば、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kgまたは約20mg/kg)の抗体またはその抗原結合断片が投与される。いくつかの態様では、本発明は、約0.005mg/kg~約20mg/kg(例えば、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約10mg/kgまたは約20mg/kg)の本明細書で提供されている抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物を対象に投与することを含む、対象にてがんの治療方法に使用するための、本明細書に提供されている抗体またはその抗原結合断片または医薬組成物に関する。
5.3 B7-H4抗体及びその抗原結合断片
本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合する抗体(例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体のようなモノクローナル抗体)及びその抗原結合断片を対象に投与することを含む、ヒト対象にてがんを治療する方法である。本明細書で提供されている方法で使用することができる例示的なB7-H4抗体及びその抗原結合断片は当該技術分野で既知である。ヒト、カニクイザル、マウス、及びラットのB7-H4のアミノ酸配列は当該技術分野で既知であり、それぞれ配列番号1~4によって表されるように本明細書でも提供されている。
ヒトB7-H4:
MASLGQILFWSIISIIIILAGAIALIIGFGISGRHSITVTTVASAGNIGEDGILSCTFEPDIKLSDIVIQWLKEGVLGLVHEFKEGKDELSEQDEMFRGRTAVFADQVIVGNASLRLKNVQLTDAGTYKCYIITSKGKGNANLEYKTGAFSMPEVNVDYNASSETLRCEAPRWFPQPTVVWASQVDQGANFSEVSNTSFELNSENVTMKVVSVLYNVTINNTYSCMIENDIAKATGDIKVTESEIKRRSHLQLLNSKASLCVSSFFAISWALLPLSPYLMLK(配列番号1)
カニクイザルB7-H4:
MASLGQILFWSIISIIFILAGAIALIIGFGISGRHSITVTTVASAGNIGEDGILSCTFEPDIKLSDIVIQWLKEGVIGLVHEFKEGKDELSEQDEMFRGRTAVFADQVIVGNASLRLKNVQLTDAGTYKCYIITSKGKGNANLEYKTGAFSMPEVNVDYNASSETLRCEAPRWFPQPTVVWASQVDQGANFSEVSNTSFELNSENVTMKVVSVLYNVTINNTYSCMIENDIAKATGDIKVTESEIKRRSHLQLLNSKASLCVSSFLAISWALLPLAPYLMLK(配列番号2)
マウスB7-H4
MASLGQIIFWSIINIIIILAGAIALIIGFGISGKHFITVTTFTSAGNIGEDGTLSCTFEPDIKLNGIVIQWLKEGIKGLVHEFKEGKDDLSQQHEMFRGRTAVFADQVVVGNASLRLKNVQLTDAGTYTCYIRTSKGKGNANLEYKTGAFSMPEINVDYNASSESLRCEAPRWFPQPTVAWASQVDQGANFSEVSNTSFELNSENVTMKVVSVLYNVTINNTYSCMIENDIAKATGDIKVTDSEVKRRSQLQLLNSGPSPCVFSSAFVAGWALLSLSCCLMLR(配列番号3)
ラットB7-H4
MASLGQIIFWSIINVIIILAGAIVLIIGFGISGKHFITVTTFTSAGNIGEDGTLSCTFEPDIKLNGIVIQWLKEGIKGLVHEFKEGKDDLSQQHEMFRGRTAVFADQVVVGNASLRLKNVQLTDAGTYTCYIHTSKGKGNANLEYKTGAFSMPEINVDYNASSESLRCEAPRWFPQPTVAWASQVDQGANFSEVSNTSFELNSENVTMKVVSVLYNVTINNTYSCMIENDIAKATGDIKVTDSEVKRRSQLELLNSGPSPCVSSVSAAGWALLSLSCCLMLR(配列番号4)
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合する。特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒト及びカニクイザルのB7-H4に特異的に結合する。特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒト、マウス、及びラットのB7-H4に特異的に結合する。特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片は、ヒト、カニクイザル、マウス、及びラットのB7-H4に特異的に結合する。
B7-H4は、IgC細胞外ドメイン(配列番号1のアミノ酸153-241)及びIgV細胞外ドメイン(配列番号1のアミノ酸35-146)を含有する。特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片は、ヒトB7-H4のIgVドメインに特異的に結合する。したがって、本明細書で提供されるのは、配列番号1のアミノ酸35~146から成るポリペプチドに特異的に結合する抗体及びその抗原結合断片を投与する方法である。
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表1及び2に提供されているようにリストにされている20502抗体の6つのCDRを含む。「20502」は本明細書に記載されている20502抗体を指す。
Figure 0007258038000002
Figure 0007258038000003
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片は、ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表3でリストされている20502抗体のVHを含む。
Figure 0007258038000004
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片は、ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表4でリストにされている20502のVLを含む。
Figure 0007258038000005
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表3及び4でリストにされている20502抗体のVH及びVLを含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表5でリストにされている20502抗体のVHフレームワーク領域を含む。
Figure 0007258038000006
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片は、ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表6でリストにされている20502抗体のVLフレームワーク領域を含む。
Figure 0007258038000007
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表5及び6でリストにされている20502抗体の4つのVHフレームワーク領域及び4つのVLフレームワーク領域を含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表7でリストにされている20502抗体の重鎖配列を含む。
Figure 0007258038000008
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表8でリストにされている20502抗体の軽鎖配列を含む。
Figure 0007258038000009
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体または抗原結合断片はヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ表7及び8でリストにされている20502抗体の重鎖配列及び軽鎖配列を含む。
特定の態様では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片は、そのVLドメインのみ、またはそのVHドメインのみによって、またはその3つのVL CDRのみ、またはその3つのVH CDRのみによって記載される。例えば、ヒト軽鎖または重鎖のライブラリーからそれぞれ相補性の軽鎖または重鎖を同定し、元の抗体の親和性と同じかそれより高い親和性を有するヒト化抗体変異体を生じることによってマウス抗αvβ3抗体のヒト化を説明している、参照によってその全体が本明細書に組み込まれるRader C et al.,(1998)PNAS95:8910-8915を参照のこと。特定のVLドメイン(またはVHドメイン)を使用し,相補性VHドメインまたは(VLドメイン)についてライブラリーをスクリーニングすることによって特定の抗原を特異的に結合する抗体を作製する方法を説明している、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Clackson T.,(1991),Nature,352:624-628も参照のこと。このスクリーニングは、ELISAで判定したところ、特定のVHドメインについて14の新しいパートナーと特定のVLドメインについて13の新しいパートナーを生じ、それらは強力なバインダーだった。特定のVHドメインを使用し、相補性VLドメインについてライブラリー(例えば、ヒトVLライブラリー)をスクリーニングすることによって特定の抗原を特異的に結合する抗体を作製する方法を説明している、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Kim,SJ及びHong,HJ,(2007),J.Microbiol.45:572-577も参照のこと;選択されたVLドメインを次に用いて追加の相補性(例えば、ヒト)VHドメインの選択を導き得る。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片のCDRは、免疫グロブリンの構造ループの位置を指すChothia番号付けスキームに従って決定することができる(例えば、Chothia,C及びLesk,AM,(1987),J.Mol.Biol.196:901-917;Al-Lazikani,B.et al.,(1997),J.Mol.Biol.273:927-948;Chothia,C.et al.,(1992),J.Mol.Biol.227:799-817;Tramontano,A.et al.,(1990),J.Mol.Biol.215(1):175-82;ならびに米国特許第7,709,226号を参照のこと)。通常、Kabat番号付け規則を使用する場合、ChothiaのCDR-H1ループは重鎖アミノ酸26~32、33、または34に存在し、ChothiaのCDR-H2ループは重鎖アミノ酸52~56に存在し、ChothiaのCDR-H3ループは重鎖アミノ酸95~102に存在する一方で、ChothiaのCDR-L1ループは軽鎖アミノ酸24~34に存在し、ChothiaのCDR-L2ループは軽鎖アミノ酸50~56に存在し、ChothiaのCDR-L3ループは軽鎖アミノ酸89~97に存在する。Kabat番号付け規則を用いて番号付けした場合、ChothiaのCDR-H1ループの末端は、ループの長さに応じてH32とH34の間で異なる(これは、Kabat番号付けスキームがH35AとH35Bに挿入を置くためであり、35Aも35Bも存在しない場合、このループは32で終わり、35Aのみが存在する場合、このループは33で終わり、35A及び35Bの双方が存在する場合、このループは34で終わる)。
特定の態様では、本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合し、且つ表3及び4でリストにされた20502抗体のChothiaのVH及びVLのCDRを含む抗体及びその抗原結合断片を投与する方法である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合し、且つ1以上のCDRを含む抗体またはその抗原結合断片を投与する方法であり、その際、Chothia及びKabatのCDRは同じアミノ酸配列を有する。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合し、且つKabatのCDR及びChothiaのCDRの組み合わせを含む抗体及びその抗原結合断片を投与する方法である。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片のCDRは、Lefranc,M-P,(1999),The Immunologist,7:132-136及びLefranc,M-P,et al.,(1999),Nucleic Acids Res.27:209-212に記載されているようなIMGT番号付け方式に従って決定することができる。IMGT番号付けスキームによれば、VH-CDR1は、26~35位であり、VH-CDR2は51~57位であり、VH-CDR3は93~102位であり、VL-CDR1は27~32位であり、VL-CDR2は50~52位であり、VL-CDR3は89~97位である。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合し、且つ表3及び4でリストにされた、例えば、Lefranc,MP(1999)上記及びLefranc,MP.et al.,(1999)上記に記載されているような20502抗体のIMGTのVH及びVLのCDRを含む抗体及びその抗原結合断片を投与する方法である。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片のCDRは、MacCallum,RM.et al.,(1996),J.Mol.Biol.262:732-745に従って決定することができる。例えば、Martin,A.”Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains,”in Antibody Engineering,Kontermann及びDubel,eds.,Chapter 31,pp.422-439,Springer-Verlag,Berlin(2001)も参照のこと。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合し、且つMacCallum,RM.et al.,の方法によって判定されたように表3及び4でリストにされた20502抗体のVH及びVLのCDRを含む抗体またはその抗原結合断片を投与する方法である。
特定の態様では、抗体またはその抗原結合断片のCDRは、AbM番号付けスキームに従って決定することができ、それは、KabatのCDRとChothiaの構造ループとの折衷物を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(OxfoRD Molecular Group,Inc.)によって使用されているAbMの超可変領域を参照する。特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に特異的に結合し、且つAbM番号付けスキームによって決定されたように表3及び4でリストにされた20502抗体のVH及びVLのCDRを含む抗体またはその抗原結合断片を投与する方法である。
特定の態様では、本明細書で提供されるのは、重鎖及び軽鎖を含む抗体を投与する方法である。
軽鎖に関して、具体的な実施形態では、本明細書に記載されている抗体の軽鎖はカッパ軽鎖である。ヒトカッパ軽鎖の定常領域は以下のアミノ酸配列を含むことができる:
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号23)。
ヒトカッパ軽鎖の定常領域は以下のヌクレオチド配列によってコードされ得る。
CGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT(配列番号24)。
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための、B7-H4ポリペプチド(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する抗体は、VLドメインのアミノ酸配列が表4で示される配列を含み、軽鎖の定常領域がヒトカッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する抗体は、VHドメインのアミノ酸配列が表3で示されるアミノ酸配列を含み、重鎖の定常領域がヒトガンマ(γ)重鎖定常領域のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ヒトIgG重鎖の定常領域は以下のアミノ酸配列を含むことができる:
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号25)。
ヒトIgG重鎖の定常領域は以下のヌクレオチド配列によってコードされ得る。
GCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGGGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA.(配列番号26)
具体的な実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載されている任意のVH及びVLドメインのアミノ酸配列を含むVHドメイン及びVLドメインを含み、その際、定常領域はIgG(例えば、ヒトIgG)免疫グロブリン分子の定常領域のアミノ酸配列を含む。別の具体的な実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載されている任意のVH及びVLドメインのアミノ酸配列を含む及びVHドメインのVLドメインを含み、その際、定常領域は、IgG(例えば、ヒトIgG)免疫グロブリン分子の定常領域のアミノ酸配列を含む。
フコース含量が低下した抗体は、例えば、FcγRIIIAのようなFc受容体に対する親和性が増加すると報告されている。したがって、特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用するための抗体またはその抗原結合断片は、フコース含量が低下しているか、またはフコースを欠いている(すなわち、「非フコシル化されている」)。そのような抗体またはその抗原結合断片は、当業者に既知の技法を用いて作り出すことができる。例えば、それらは、フコシル化する能力を欠損するまたは欠如する細胞において発現させることができる。特定の例では、α1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子(FUT8)の双方の対立遺伝子をノックアウトした細胞株を用いて、フコース含量が低下した抗体またはその抗原結合断片を作り出すことができる。Potelligent(登録商標)システム(Lonza)は、フコース含量が低下した抗体及びその抗原結合断片を作り出すために使用できるそのようなシステムの例である。あるいは、フコース含量が低下した、またはフコース含量が存在しない抗体またはその抗原結合断片は、例えば、(i)フコシル化を防止するまたは低下させる条件下で細胞を培養すること;(ii)フコースの翻訳後の除去(例えば、フコシダーゼ酵素による);(iii)例えば、非グリコシル化糖タンパク質の組換え発現後の、所望の炭水化物の翻訳後付加;または(iv)フコシル化されていない抗体またはその抗原結合断片を選択するための糖タンパク質の精製によって作り出すことができる。フコース含量を含まないか、またはフコース含量が低下したその抗体を産生させる方法については、例えば、Longmore,GD.& Schachter,H.(1982),Carbohydr.Res.100:365-92及びImai-Nishiya,H.et al.,(2007),BMC Biotechnol.7:84を参照のこと。
いくつかの実施形態では、非フコシル化されたB7-H4抗体またはその抗原結合断片は、同じアミノ酸配列を有するフコシル化されたB7-H4抗体またはその抗原結合断片と比べて試験管内でのADCC活性が増強されている。いくつかの実施形態では、非フコシル化されたB7-H4抗体またはその抗原結合断片は、フコシル化B7-H4抗体による特異的溶解より少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、または少なくとも75パーセントポイント高い特異的溶解を引き起こす。特異的溶解は本明細書の実施例2に記載されるように決定されてもよい。
いくつかの実施形態では、B7-H4抗体またはその抗原結合断片は、同じアミノ酸配列を有するフコシル化されたB7-H4抗体またはその抗原結合断片と比べてFcガンマRIIIAに対する親和性が増強されている。いくつかの実施形態では、非フコシル化されたB7-H4抗体またはその抗原結合断片はフコシル化されたB7-H4抗体またはその抗原結合断片よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも12倍、少なくとも15倍、少なくとも17倍、または少なくとも20倍高い親和性でFcガンマRIIIAに結合する。いくつかの実施形態では、FcガンマRIIIAに対する親和性は表面プラズモン共鳴を用いて決定される。いくつかの実施形態では、FcガンマRIIIAは、FcガンマRIIIA(V158)及びFcガンマRIIIA(F158)から選択される。いくつかの実施形態では、FcガンマRIIIAは、FcガンマRIIIA(V158)である。
いくつかの実施形態では、フコースの存在は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、キャピラリー電気泳動、またはMALDI-TOF質量分析を含む方法によって決定することができる。
具体的な実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、(i)20502のCDR配列、20502のVH及びVLの配列、または20502の重鎖及び軽鎖の配列を含み、(ii)非フコシル化される。
具体的な実施形態では、組成物は、(i)20502のCDR配列、20502のVH及びVL配列、または20502の重鎖及び軽鎖の配列を含み、且つ(ii)非フコシル化される抗体またはその抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも95%が非フコシル化されているか、または組成物にてフコシル化が検出できない。
操作された糖型は、エフェクター機能を増強することまたは低減することを含むがこれらに限定されない、様々な目的に有用であってもよい。本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片において操作された糖型を生成する方法には、例えば、Umana,P.et al.,(1999),Nat.Biotechnol.17:176-180;Davies,J.et al.,(2001),Biotechnol.Bioeng.74:288-294;Shields,RL.et al.,(2002),J.Biol.Chem.277:26733-26740;Shinkawa,T.et al.,(2003),J.Biol.Chem.278:3466-3473;Niwa,R.et al.,(2004),Clin.Cancer Res.1:6248-6255;Presta,LG.et al.,(2002),Biochem.Soc.Trans.30:487-490;Kanda,Y.et al.,(2007),Glycobiology,17:104-118;米国特許第6,602,684号;同第6,946,292号;及び同第7,214,775号;米国特許公開番号US2007/0248600;2007/0178551;2008/0060092;及び2006/0253928;国際公開番号WO00/61739;WO01/292246;WO02/311140;及びWO02/30954;Potelligent(商標)technology(Biowa,Inc.Princeton,N.J.);並びにGlycoMAb(登録商標)グリコシル化操作技術(Glycart biotechnology AG,Zurich,Switzerland)にて開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Ferrara,C.et al.,(2006),Biotechnol.Bioeng.93:851-861;国際公開番号WO07/039818;WO12/130831;WO99/054342;WO03/011878;及びWO04/065540も参照のこと。
特定の実施形態では、本明細書に記載されている定常領域の変異または修飾のいずれかを、2つの重鎖定常領域を有する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片の一方または双方の重鎖定常領域に導入することができる。
別の特定の実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、(i)重鎖が表1でリストにされている20502抗体のVH CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3のアミノ酸配列を含むVHドメインを含み;(ii)軽鎖が表2でリストにされている20502抗体のVL CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、(iii)重鎖がさらに、ヒトIgG重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常重鎖ドメインを含み;(iv)軽鎖がさらに、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常軽鎖ドメインを含む、重鎖及び軽鎖を含む。
別の特定の実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、(i)重鎖が表3でリストにされている20502抗体のVHドメインのアミノ酸配列を含むVHドメインを含み;(ii)軽鎖が表4でリストにされている20502抗体のVLドメインのアミノ酸配列を含むVLドメインを含み;(iii)重鎖がさらに、ヒトIgG重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常重鎖ドメインを含み;(iv)軽鎖がさらに、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常軽鎖ドメインを含む、重鎖及び軽鎖を含む。
具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、T細胞チェックポイント遮断活性を示す。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、T細胞におけるインターフェロン-ガンマ(IFNγ)の産生を増加させる。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、T細胞増殖を増加させる。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、CD4+T細胞増殖を増加させる。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、CD8+T細胞増殖を増加させる。
具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示す。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも300,000の細胞表面B7-H4分子を伴う細胞株(例えば、SK-BR-3細胞)に対して抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示す。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも100,000の細胞表面B7-H4分子を伴う細胞株(例えば、HCC1569細胞)に対して抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示す。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも50,000の細胞表面B7-H4分子を伴う細胞株(例えば、ZR-75-1細胞)において抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示す。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも30,000の細胞表面B7-H4分子を伴う細胞株(例えば、MDA-MB-468細胞)に対して抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示す 。具体的な実施形態では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも15,000の細胞表面B7-H4分子を伴う細胞株(例えば、HCC1964細胞)に対して抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示す。
具体的な態様では、B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する本明細書に記載されている抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)及びscFvから成る群から選択され、その際、Fab、Fab’、F(ab’)、またはscFvは、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片の重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む。Fab、Fab’、F(ab’)2、またはscFvは、当業者に既知の任意の技法によって生成することができる。特定の実施形態では、Fab、Fab’、F(ab’)、またはscFvは生体内での抗体の半減期を延長する部分をさらに含む。その部分は「半減期延長部分」とも呼ばれる。生体内でのFab、Fab’、F(ab’)2、またはscFvの半減期を延長するために当業者に既知の任意の部分を使用することができる。例えば、半減期延長部分は、Fc領域、ポリマー、アルブミン、またはアルブミン結合タンパク質または化合物を含むことができる。ポリマーには、天然または合成の、任意で置換された直鎖または分岐鎖のポリアルキレン、ポリアルケニレン、ポリオキシアルキレン、多糖類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、メトキシポリエチレングリコール、ラクトース、アミロース、デキストラン、グリコーゲン、またはそれらの誘導体を挙げることができる。置換基には、1以上のヒドロキシ基、メチル基、またはメトキシ基を挙げることができる。特定の実施形態では、Fab、Fab’、F(ab’)、またはscFvは、半減期延長部分の取付のために1以上のC末端アミノ酸の付加によって修飾することができる。特定の実施形態では、半減期延長部分はポリエチレングリコールまたはヒト血清アルブミンである。特定の実施形態では、Fab、Fab’、F(ab’)、またはscFvはFc領域に融合される。
5.4 医薬組成物
本明細書で提供されるのは、生理学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences,(1990),Mack Publishing,Co.,Easton,PA)にて所望の純度を有する抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片を含む組成物を投与する方法である。許容される担体、賦形剤、または安定剤は、採用される投与量及び濃度でレシピエントに無毒である。(例えば、Gennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus,20th ed.(2003);Ansel,et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th ed.,Lippencott Williams and Wilkins(2004);Kibbe,et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照のこと)。生体内投与に使用される組成物は無菌であることができる。これは、例えば、無菌濾過膜を介した濾過によって容易に達成される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は、非フコシル化された抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片と薬学的に許容される担体とを含む。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも80%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも85%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも90%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも95%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも96%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも97%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも98%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、例えば、組成物における抗体の少なくとも99%が非フコシル化される。具体的な実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は非フコシル化された抗B7-H4抗体または抗原結合断片を含み、フコースは組成物にて検出できない。
いくつかの実施形態では、医薬組成物を投与する方法が提供され、医薬組成物は、(i)(a)それぞれ配列番号5~10の重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2、VH CDR3及び軽鎖可変領域(VL)CDR1、CDR2、及びCDR3の配列と、(b)配列番号11のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域及び配列番号12のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域、または(c)配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、ヒトB7-H4に特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合断片と(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む。
本明細書で提供されるのはまた、医薬組成物を投与する方法であり、医薬組成物は、(i)ヒトB7-H4に特異的に結合し、それぞれ配列番号5~10の重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2、VH CDR3 及び軽鎖可変領域(VL)CDR1、CDR2、及びCDR3の配列を含む抗体またはその抗原結合断片と、(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含み、その際、組成物における抗体またはその抗原結合断片の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%が非フコシル化される。一実施形態では、(i)抗体もしくはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含むか、または(ii)抗体は、配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
5.5 抗体の生産及びポリヌクレオチド
B7-H4(例えば、ヒトB7-H4)に免疫特異的に結合する抗体及びその抗原結合断片は、抗体及びその抗原結合断片の合成について当該技術分野で既知の任意の方法によって、例えば、化学合成によってまたは組換え発現技術によって作り出すことができる。本明細書に記載されている方法は、特に指示されない限り、分子生物学、微生物学、遺伝子分析、組換えDNA、有機化学、生化学、PCR、オリゴヌクレオチドの合成及び修飾、核酸のハイブリッド形成、及び当該技術の範囲内の関連分野における従来の技法を採用する。これらの技法は、例えば、本明細書に引用される参考文献に記載されており、文献で完全に説明されている。例えば、Sambrook,J.et al.,(2001),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;Ausubel,FM.et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987 and annual updates);Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons(1987 and annual updates)Gait(ed.)(1984),Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press;Eckstein(ed.)(1991),Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,IRL Press;Birren,B.et al.,(eds.)(1999),Genome Analysis:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと。
特定の態様では、本明細書で提供されるのは、抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片またはそのような抗体もしくは断片を含む医薬組成物を投与する方法であり、その際、抗体または断片は、宿主細胞におけるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドの組換え発現によって生成される。
特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、表9に示されるヌクレオチド配列(すなわち、配列番号27)を含むポリヌクレオチドによってコードされる重鎖可変領域を含む。特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、表9に示されるヌクレオチド配列(すなわち、配列番号27)を含むポリヌクレオチドによってコードされる重鎖可変領域と、ヒトガンマ(γ)重鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列とを含む。特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、表9に示されるヌクレオチド配列(すなわち、配列番号27)を含むポリヌクレオチドによってコードされる重鎖可変領域と、配列番号26のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる重鎖定常ドメインとを含む。
Figure 0007258038000010
特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、表10に示されるヌクレオチド配列(すなわち、配列番号28)を含むポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖可変領域を含む。特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、表10に示されるヌクレオチド配列(すなわち、配列番号28)を含むポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖可変領域と、ヒトラムダ軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列とを含む。特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、表10に示されるヌクレオチド配列(すなわち、配列番号28)を含むポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖可変領域と、配列番号24のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖定常ドメインとを含む。
Figure 0007258038000011
特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、表9に示される可変重鎖をコードするヌクレオチド配列(すなわち、配列番号27)を含むポリヌクレオチドによってコードされる可変重鎖と、表10に示される可変軽鎖をコードするヌクレオチド配列(すなわち、配列番号28)を含むポリヌクレオチドによってコードされる可変軽鎖とを含む。
特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、(i)表9に示される可変重鎖をコードするヌクレオチド配列(すなわち、配列番号27)及びヒトガンマ(γ)重鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる重鎖と、(ii)表10に示される可変軽鎖をコードするヌクレオチド配列(すなわち、配列番号28)及びヒトラムダ軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖とを含む。
特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、(i)表9に示される可変重鎖をコードするヌクレオチド配列(すなわち、配列番号27)及び配列番号26の重鎖定常ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる重鎖と、(ii)表10に示される可変軽鎖をコードするヌクレオチド配列(すなわち、配列番号28)及び配列番号24の軽鎖定常ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖とを含む。
特定の態様では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体または抗原結合断片は、例えば、コドン/RNAの最適化、異種シグナル配列による置換、及びmRNA不安定要素の排除によって最適化されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片またはそのドメインをコードするポリヌクレオチドによってコードされる。コドンの変化(例えば、遺伝子コードの縮重に起因して同じアミノ酸をコードするコドンの変化)を導入することによって及び/またはmRNAにおける阻害性領域を排除することによってB7-H4抗体またはその抗原結合断片またはそのドメイン(例えば、重鎖、軽鎖、VHドメイン、またはVLドメイン)をコードする、組換え発現のために最適化された核酸を生成する方法は、例えば、適切に米国特許第5,965,726号;同第6,174,666号;同第6,291,664号;同第6,414,132号;及び同第6,794,498号に記載されている最適化方法を適合させることによって実施することができる。
ポリヌクレオチドは、例えば、RNAの形態またはDNAの形態であることができる。DNAにはcDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAが挙げられる。DNAは一本鎖または二本鎖であることができる。一本鎖の場合、DNAはコード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であることができる。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは1以上のイントロンを欠くcDNAまたはDNAである。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは天然に存在しないポリヌクレオチドである。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは組換えにより産生される。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは単離される。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは実質的に純粋である。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは天然成分から精製される。
特定の態様では、ベクター(例えば、発現ベクター)は、宿主細胞、好ましくは哺乳動物細胞における組換え発現のために抗B7-H4抗体及びその抗原結合断片またはそのドメインをコードするヌクレオチド配列を含む。特定の態様では、細胞、例えば宿主細胞は、本明細書に記載されている抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片(例えば、ヒト抗体またはヒト化抗体またはその抗原結合断片)を組換え発現するためのそのようなベクターを含む。したがって、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片を作製する方法は、宿主細胞でそのような抗体またはその抗原結合断片を発現させることを含むことができる。
発現ベクターは、従来の技法によって細胞(例えば、宿主細胞)に移すことができ、次いで得られた細胞を従来の技法によって培養して、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片(例えば、20502の抗体または6つのCDR、VH、VL、VHとVL、重鎖、軽鎖、または重鎖と軽鎖を含む抗原結合断片)またはそのドメイン(例えば、20502のVH、VL、VHとVL、重鎖、または軽鎖)を産生させることができる。
特定の実施形態では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片(例えば、20502のCDRを含む抗体またはその抗原結合断片)は、Potelligent(登録商標)のCHOK1SV細胞にて産生される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗B7-H4抗体またはその抗原結合断片(例えば、20502のCDRを含む抗体またはその抗原結合断片)は、機能的なアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子(FUT8)の遺伝子を欠く宿主細胞で産生される。いくつかの実施形態では、宿主細胞はCHO細胞である。
具体的な実施形態では、本明細書で提供されている方法に従って投与される抗体またはその抗原結合断片は単離されるまたは精製される。一般に、単離された抗体またはその抗原結合断片は、単離された抗体またはその抗原結合断片とは異なる抗原特異性を持つ他の抗体またはその抗原結合断片を実質的に含まないものである。例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合断片の調製物は、細胞性物質及び/または化学前駆物質を実質的に含まない。
下記の実施例は、例示を目的として提供されるのであって、限定を目的とするものではない。
6.このセクション(すなわち、セクション6)における実施例は、例示を目的として提供されるのであって、限定を目的とするものではない。
6.1 実施例1:複数の適応症におけるB7-H4発現の蔓延の評価
B7-H4マウスモノクローナル抗体A57.1(ATCCカタログ番号PTA-5180)を用いて、保存試料、全切片の混合物、及び腫瘍マイクロアレイにてB7-H4の存在を検出した。試料を一次抗体で処理し、DAB(Ventana Medical Systems)に連結されたポリマー検出システムを用いて検出した。
B7-H4は、浸潤性乳管癌、トリプルネガティブ乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、及び子宮内膜癌を含むさまざまながん患者から採取した腫瘍組織の膜と細胞質で容易に検出された。さらに、表11でリストにされている適応症でも発現頻度が高かった。
Figure 0007258038000012
B7-H4は、乳癌、腎臓癌(例、腎細胞癌)、膀胱癌(例えば、尿路上皮細胞癌)、膵臓癌、甲状腺癌のような他のがんで発現している。例えば、Zhu,J.,et al.,Asian Pacific J.Cancer Prev.14:3011-3015(2011),Krambeck A,et al.,PNAS,103:10391-10396(2006),Fan,M.et al.,Int.J.Clin.Exp.Pathol.7:6768-6775(2014),Xu,H.,et al.,Oncology Letters,11:1841-1846(2016),及びLiu,W.,et al.,Oncology Letters,8:2527-2534(2014)を参照のこと。
6.2 実施例2:非フコシル化された及びフコシル化された20502抗体
グリカン部分のフコース含量が低下したFc領域を持つ抗体は、完全フコシル化抗体と比べてさらに高いADCC活性を示してもよい(Niwa R.et al.,Clinical Cancer Research,11(6):2327-36(2005))。B7-H4抗体は、通常フコシル化抗体を産生するCHO-x細胞(Yamane-Ohnuki N,et al.Biotechnology and Bioengineering,87(5):614-22(2004))及び非フコシル化抗体を産生するように操作されたCHO細胞株(CHO-y細胞)において生成された(上記)。
フコシル化された及び非フコシル化された20502抗体は表面プラズモン共鳴(SPR)によって特徴付けられた。手短には、抗ヒトFab抗体をカルボキシル誘導体化SPRチップ表面に不動化し、抗B7-H4抗体を5ug/mlで30秒間、得られた表面に捕捉した。次いで、さまざまな濃度(0nM、3.7nM、11.1nM、33.3nM、100nM、及び300nM)のB7-H4 IgV-huIgG1を表面に流し、会合相の間に抗B7-H4抗体に結合させた後、解離相の間での緩衝液の洗浄が続いた。
B7-H4 IgV-huIgG1:
MASLGQILFWSIISIIIILAGAIALIIGFGISGRHSITVTTVASAGNIGEDGILSCTFEPDIKLSDIVIQWLKEGVLGLVHEFKEGKDELSEQDEMFRGRTAVFADQVIVGNASLRLKNVQLTDAGTYKCYIITSKGKGNANLEYKTGAFSGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号29)
データは1:1結合モデルを用いて適合させ、フコシル化及び非フコシル化された20502は、ヒトB7-H4タンパク質への同様の結合を示した。したがって、結合に対するグリコシル化の影響はない。
FcγRIIIa(V158)に対するフコシル化20502(Ab-F)及び非フコシル化20502(Ab-A)のFc領域の結合親和性も表面プラズモン共鳴(SPR)によって特徴付けられた。手短には、プロテインAは、ブロッキング試薬としての100mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.0)中の100mMエチレンジアミンによるアミンカップリングキットを用いてデキストランチップに共有結合された。Ab-AまたはAb-Fは、別々のフローセルにて2つの密度で捕捉され、プロテインA誘導体化の流れが参照対照として役立った。FcガンマRIIIA(V158)をHBS-P+ランニング緩衝液で希釈し、6つの濃度(0nM、1.37nM、12.3nM、37nM、111nM、333nM、及び1000nM)にて2つ組で注入した。Ab-A結合についての会合定数、解離定数、及び親和性は、Biacore T200評価ソフトウェア1:1結合モデルを用いて算出した。Ab-A及びAb-Fの結合についての親和性定数は、Biacore T200評価ソフトウェア定常状態親和性モデルを用いて決定した。非フコシル化B7-H4抗体は、フコシル化Fc(Ab-F)を持つ同じ抗体よりもFcガンマ受容体IIIA(V158)に対して140倍高い親和性を有する(表12)。
Figure 0007258038000013
フコシル化及び非フコシル化された20502抗体のT細胞チェックポイント遮断活性も特徴付けた。これらの実験では、製造元の指示書に基づいてEasySep(商標)ヒトT細胞濃縮キットを用いて、初代ヒトT細胞をPBMCから濃縮した。濃縮されたT細胞を2×10個の細胞/mLで抗CD3/抗CD28Dynabeadsと共に細胞当たりビーズ1つの比率で37℃にてインキュベートした。6日後、ビーズを磁気的に除去し、T細胞を洗浄して1×10個の細胞/mLで10U/mLのIL-2と共に37℃でインキュベートした。4日後、T細胞を洗浄し、B7-H4抗体の用量設定の存在下で1×10個の細胞/mLで2×10個の細胞/mLの濃度での人工抗原提示細胞(aAPC)とともに37℃でインキュベートした。aAPCは37℃にて1時間マイトマイシンCで処理し、次いで、T細胞共培養物に添加する前に十分に洗浄した。T細胞、aAPC、及びB7-H4抗体の共培養の72時間後、プレートを遠心分離し、上清を回収し、ELISAによってIFNγの産生について評価した。IFNγの産生を抗体濃度に対してプロットし、EC50効力は非線形回帰曲線適合(GraphPad Prism)を用いて算出した。
B7-H4抗体は、IFNγ産生の増加によって測定されたように強力なT細胞チェックポイント遮断活性を示した。さらに、非フコシル化抗体とフコシル化抗体の間で効力に明白な差異はなかった(表13)。
Figure 0007258038000014
追加の実験では、フコシル化及び非フコシル化された20502抗体のADCC活性もB7-H4発現標的細胞株に対して特徴付けた。具体的には、初代ヒトPBMC細胞を1×10個の細胞/mLにて200IU/mLのIL-2によって37℃でサイトカイン活性化した。翌日、細胞を洗浄し、カルセイン-AMで標識したSK-BR-3標的細胞とともに40:1のエフェクター:標的の比率でインキュベートした。インキュベートの4時間後、蛍光光度計を用いて標的細胞溶解を定量した。Triton/X処理した試料を最大溶解対照試料として役立てたのに対して、培地のみで処理した試料はバックグラウンド溶解対照試料として役立てた。パーセント(%)特異的溶解は以下のように算出した:[1-((試料-培地対照)/(最大溶解-培地対照))]×100パーセント(%)特異的溶解を抗体濃度に対してプロットし、非線形回帰曲線適合(GraphPad Prism)を用いてEC50効力を算出した。
B7-H4抗体は、内在性B7-H4発現乳房細胞株SK-BR-3に対して強力な用量依存性のADCC活性を示した。さらに、非フコシル化抗体はフコシル化抗体と比べて有意に強力なADCC活性を示した(表14)。
Figure 0007258038000015
6.3 実施例3:ADCC活性の受容体密度との相関
B7-H4密度はSK-BR-3、HCC1569、ZR-75-1、MDA-MB-48、及びHCC1964細胞の表面にて製造元の仕様に従ってFACSによって定量した。具体的には、1×10個の細胞を15μg/mLのB7-H4抗体と共に氷上で25分間インキュベートした。並行して、1滴のQuantum(商標)Simply Cellular(QSC)ミクロスフェア(濃度を増加させた抗マウスIgG捕捉抗体で予めコーティングされた)も15ug/mLのB7-H4抗体と共に氷上で25分間インキュベートした。インキュベートの後、細胞とQSCミクロスフェアをペレット化して洗浄し、フローサイトメーターで試料を取得した。FlowJoソフトウェアを用いてデータを分析した。平均蛍光強度(MFI)を算出し、QuickCal(登録商標)スプレッドシートに入力した。各ビーズの蛍光チャネル値を、事前に割り当てられた抗体結合容量(ABC)値に関連付ける回帰が自動的に算出されるであろう。標識した細胞のMFI値もテンプレートに追加されると、ABC値が割り当てられた。
B7-H4抗体は、B7-H4の細胞表面密度のレベルが異なるB7-H4発現標的細胞株に対するADCC活性について評価した。具体的には、1×10のSK-BR-3、HCC1569、ZR-75-1、MDA-MB-468、またはHCC1964標的細胞は、B7-H4抗体の用量設定と4℃にて共インキュベートした。25分後、PromegaのJurkat-huCD16レポーター細胞の使い捨てバイアルを解凍し、7.5×10個の細胞を標的細胞/B7-H4 抗体混合物に加え、37℃でインキュベートした。24時間後、試料を室温(RT)にして、Bio-Glo緩衝液と共にインキュベートした。EnVisionマルチラベルリーダーで基質と発光を定量化した。データを発光として抗体濃度に対してプロットし、非線形回帰曲線適合(GraphPad Prism)を用いてEC50効力を算出した。
B7-H4抗体のADCC活性はB7-H4の細胞表面密度に依存し:細胞表面分子の数が低下するにつれて、最大ADCC活性の量も低下した。さらに、非フコシル化抗体は、特にB7-H4の細胞表面密度のレベルが低い標的細胞に対して、フコシル化抗体と比べて改善されたADCC活性を示した(図1)。
6.4 実施例4:生体内の抗腫瘍有効性
ヒトの腫瘍とは異なり、マウスモデルは高レベルのB7-H4タンパク質を内在性には発現しない。マウスにて非フコシル化された20502を調べるために、B7-H4タンパク質を発現するように操作されたマウス腫瘍細胞株を用いた同系マウスがんモデルを使用した。7週齢のメスBALB/cマウスはCharles River Laboratories(Hollister、CA)から購入し、試験開始前の最大3週間、順化した。マウス結腸直腸癌細胞株CT26を、マウスB7-H4の細胞外ドメインとマウスB7H3の膜貫通ドメインからなるキメラタンパク質を発現するように操作した。これらの腫瘍細胞を1.0×10個の細胞/200μL/マウスでマウスの右側腹部に皮下移植した。播種に先立って、細胞は10%熱非働化ウシ胎児血清(FBS)、2mMのL-グルタミンで補完したRPMI1640培地にて3継代を超えずに培養した。細胞は、5%COの加湿された雰囲気で37℃にて増殖させた。80~85%の集密度に達したら、細胞を回収し、無血清RPMI1640とマトリゲルの1:1混合液にミリリットルあたり5×10個の細胞で再浮遊させた。
腫瘍の成長について細胞移植後、マウスを週に2回モニターした。腫瘍の測定については、キャリパーを用いて各腫瘍の長さと幅を測定し、体積を式:腫瘍体積(mm)=(幅(mm)×長さ(mm)/2に従って算出した。治療開始日に、すべての腫瘍を測定し、外れ値を除外し、マウスを無作為に処理群に割り当てた。抗B7-H4処理のために、非フコシル化された20502抗体を投与した。対照として、マウスにポリクローナルヒトIgG(Bio X Cell、BE0092)またはマウスIgG2a(Bio X Cell、BE0085)を投与した。抗体は、播種後4日目または5日目に開始して週2回、静脈内(i.v.)注射によって4回投与された。
腫瘍体積が動物の体重の10%、または約2000mmを超えるまで、腫瘍を少なくとも週に2回測定し続けた。腫瘍サイズの変化は、動物にCT26細胞を播種した日と比べて個々の腫瘍をグラフ化することによって示す。P値は、試験のそれぞれの日に算出された腫瘍体積の対応のない両側t検定分析を用いて計算した。
B7-H4タンパク質を発現している操作されたCT26モデルは、1~30mg/kgの用量範囲での5つの用量レベルにて有意な用量依存性腫瘍増殖抑制を示した(図2)。個々の動物における最も一般的な影響は腫瘍の増殖抑制だった。しかしながら、非フコシル化された20502処理は、30mg/kg群にて15匹のうち7匹のマウスで、20mg/kg群にて15匹のうち6匹のマウスで、10mg/kg群にて15匹のうち5匹マウスで完全な腫瘍退縮を生じた。(図2)。3mg/kg以下で投与された非フコシル化された20502は陰性対照処理群(ヒトIgG)と比べて最低限の抗腫瘍活性を引き出した。
6.5 実施例5:非臨床での薬物動態
マウス、ラット、及びカニクイザルにおける単回の及び/または反復の毎週の静脈内(IV)投与に続いて非フコシル化された20502の薬物動態(PK)及び毒物動態(TK)を評価した。観察されたPK特性は試験すべてで一貫していた。すべての種で、非フコシル化された20502は、漸増用量への曝露において線形PK及び用量に比例した増加(血清濃度-時間の曲線下面積[AUC])を示した。最初の投与と最後の投与の間で20502を毎週4回投与した後、毎週の曝露(AUC0~7日)で約2倍の増加があった。しかしながら、定常状態は達成されなかった。血清の非フコシル化20502濃度-時間プロファイルでは、実質的な性差は明らかではなかった。カニクイザル(2つの異なる試験にまたがる)では、回復期の動物から推定される半減期は約8.8日から12日の範囲で、用量レベルは1~100mg/kgの範囲だった。40mg/kgでの単回IV点滴投与後のラットの推定半減期はおよそ13.2日だった。動物における非フコシル化された20502のPK特性は、3週ごとに1回(Q3W)の投薬計画でのヒトにおけるIV点滴を支持する。
6.6 実施例6:毒物学
非フコシル化された20502による毒性学試験をラット及びカニクイザルで実施した。試験には、ラットにおける単回用量薬物動態(PK)/忍容性の予備試験、カニクイザルにおける反復用量毒性の予備試験、及びラットとカニクイザルにおける治験薬(IND)を有効にする適正試験所規範(GLP)反復用量毒性試験、と同様にヒト、ラット及びカニクイザルの組織とのGLP組織交差性試験が含まれた。
ラットにおける単回用量忍容性予備試験では、動物は40mg/kgまでの用量を30分の静脈内(IV)注入として受け取った。非フコシル化20502は、臨床観察、体重、摂食量、臨床病理学(血清化学または血液学)評価、肉眼観察、臓器重量、または組織病理学評価に影響を有さなかった。
反復投与毒性予備試験では、カニクイザルは最大100mg/kgの非フコシル化された20502の毎週のIV投与を30分間のIV注入として4回受けた。用量はすべてカニクイザルによって十分に忍容された。臨床観察、体重、臨床病理学、剖検、臓器重量、または組織病理学パラメーターの評価の間にて、非フコシル化された20502の投与に起因する、論文に関連する予定外の死亡または変化はなかった。
反復投与GLP毒性試験では、非フコシル化された20502を、1、10、及び100mg/kg/投与の用量レベルでIVによってラット及びカニクイザル双方に毎週投与で4回投与した。最終投与後の6週間の回復期間中に毒性の可逆性を評価した。評価用のパラメーターには、眼科検査、臨床観察、体温、体重、摂食量、血液学、凝固、臨床化学、尿検査、臓器重量、肉眼的及び顕微鏡的評価が含まれた。カニクイザルの試験では、潜在的な心臓毒性を評価するために心電図(ECG)も評価した。
GLPラット試験の評価の間に、非フコシル化20502は一般的に忍容性が高く、非フコシル化20502に起因する毒性作用はなかった。Sprague Dawleyラットにおける無毒性量(NOAEL)は100mg/kg/投与であると見なされた。
GLPカニクイザル試験では、非フコシル化20502は一般的に忍容性が高く、評価されたパラメーターのいずれかで観察された非フコシル化20502に起因する有害事象(AE)はなかった。試験中、高用量群の投与フェーズの終了時に高い下痢の発生率が観察された。中用量及び高用量での影響を受けた動物の発生率が高いため、及び投与期間の後期に発症するため、非フコシル化された20502暴露との関連性があり得る。下痢の動物を含む、非フコシル化された20502で処理された動物の腸管に微視的な変化はなかった;したがって、この所見は有害ではないと見なされたが、おそらく被験物質に関連した。試験では死亡例が1件あった。中用量回復群の動物1匹が、最終投与の14日後の試験35日目に死亡しているのが見いだされた。臨床観察、肉眼的及び顕微鏡的評価は、腸捻転の診断と一致した。腸捻転はカニクイザルで時々発生し、これはこの動物では自然発生的な状態であると考えられ、被験物質に関連するものではなかった。カニクイザルにおけるNOAELは100mg/kg/投与であると見なされた。
生体内毒性試験に加えて、GLP準拠の組織交差反応性試験が行われ、非フコシル化された20502のラット、カニクイザル、及びヒトの36組織のパネルとの結合を比較した。結果は、非フコシル化された20502の結合パターンが3つの種間で類似しており、乳腺上皮に限定されていることを示した。
したがって、非フコシル化された20502は、カニクイザル及びラットにて十分に忍容された。双方の種におけるNOAELは、毎週のIV投与4回として与えられた場合に調べた最高用量である100mg/kg/投与であると見なされた。
6.7 実施例7:フェーズ1aの非フコシル化された20502の用量漸増及び用量探索
フェーズ1a非盲検多施設試験は、非フコシル化20502を用いて、進行性固形腫瘍の患者最大34名で実施される。
(A)試験設計
フェーズ1aには、用量漸増フェーズ及び用量探索フェーズが含まれる。フェーズ1aの試験スキームを図3に示す。用量漸増フェーズと用量探索フェーズの双方では、非フコシル化20502は、各21日サイクルの1日目に3週ごと(Q3W)の60分間の静脈内(IV)点滴として投与される。非フコシル化された20502の用量は、サイクル1の1日目の体重に基づく。サイクル1の後、患者の体重がサイクル1の1日目から>10%変化した場合にのみ、点滴来診のたびに用量が再計算される。
フェーズ1a用量漸増には、初期の加速用量設定設計とそれに続く最大耐量(MTD)まで1mg/kg以上の用量レベルでの標準3+3の用量漸増設計が含まれ、及び/またはフェーズ1bの推奨用量(RD)が決定される。最大16~48人の患者が用量漸増に参加する。0.01(または0.005)から20mg/kgまでの用量が表15に概説されているコホート当たりに投与され、患者の2回目の投与は最初の投与のち少なくとも21日でなければならない。
Figure 0007258038000016
フェーズ1aの用量漸増の間、用量制限毒性(DLT)の評価は点滴開始時の治療の初日に始まり、21日間続く。DLTは属性に関係なく、次のいずれかとして定義される(根本的な疾患または無関係な原因に明瞭に起因する事象を除いて):(i)治療の最初の21日間で発生するグレード3以上の非血液毒性(グレード3の悪心、嘔吐及び下痢以外)、(ii)治療の最初の21日間に発生する、最適な支持療法にもかかわらず、少なくとも72時間持続するグレード3の吐き気、嘔吐及び下痢、(iii)発熱性好中球減少症及び/または絶対好中球数(ANC)が1Lあたり1.0×10未満である記録されている感染、7日超えて続くグレード4の好中球減少症、グレード4の血小板減少症(Lあたり25.0×10未満)、または治療の最初の21日以内に出血を伴うグレード3の血小板減少症(50.0~25.0×10/L未満)、(iv)がんとの肝臓の関与とは関係なく正常の上限(ULN)の3倍を超えるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/アラニントランスアミナーゼ(AST/ALT)、及び同時に起きるULNの2倍を超える総ビリルビン、(v)72時間以内に解決しない臨床的有意性ではない他のグレード3の臨床検査値、または(vi)臨床的続発症に関係なく、グレード4の臨床検査値。
各用量レベルで少なくとも1人の患者を登録する加速用量設定設計は、用量レベル0.01、0.03、0.1及び0.3mg/kgについて実施される。次の用量レベルへの用量漸増は、少なくとも1人の患者が21日間の評価間隔を完了した後に進行する。21日間の評価間隔中に1人の患者がDLTを経験するか、または少なくとも2人の患者が中程度のAE(任意の用量レベル)を経験する場合、追加の患者が現在の用量レベルで登録され、標準3+3用量漸増基準はそのコホート及びその後のすべての投薬コホートに適用される。中程度のAEは、属性に関係なく、グレード2のAE以上として定義される(根本的な疾患や無関係の原因に明らかに起因する事象を除く)。グレード2の臨床検査値は、臨床的続発症を伴わない限り、この目的では中程度のAEとは見なされない。
1mg/kg未満の用量レベルで登録された患者では、患者内の用量漸増が許可される:(i)患者はDLTを経験しなかった;(ii)他のすべてのAEは用量漸増前にグレード1以下に回復している;(iii)患者は、21日ごとに最大1用量レベルまでしか用量漸増しなくてもよい。(iv)以下に記載されているような標準3+3の用量漸増設計従って用量レベルがクリアされていない限り、患者は1mg/kgを超えて用量漸増することができない。
以下の表16Aに概説されているアルゴリズムは、すべての標準3+3用量漸増に使用される。
Figure 0007258038000017
フェーズ1a用の非フコシル化20502のMTD及び/またはRDは、全体的な安全性、忍容性、薬力学、薬物動態、及び予備的有効性の評価に基づいて特定される。RDは、DLT評価期間中及びそれ以降に観察された毒性、ならびにDLT基準を満たしていない毒性による投薬の減少及び中止を考慮に入れるであろう。したがって、RDは特定されたMTDと同じであってもよいし、または同じでなくてもよい。たとえば、MTDに達していない場合、またはフェーズ1aの後続の治療サイクルからのデータが安全性プロファイルに関する追加の洞察を提供する場合、RDはMTDより高くはないが、異なる用量であってもよい。MTDは、わずか1/6の患者がDLTを報告した用量レベルであろう。RDもわずか1/6の患者がDLTを報告した用量であろうが、それはMTDよりも低くてもよい。いくつかの実施形態では、MTDはわずか1/3、1/4、または1/5の患者がDLTを報告した用量レベルであろう。RDもわずか1/3、1/4、または1/5の患者がDLTを報告した用量であろうが、それはMTDよりも低くてもよい。
フェーズ1aの用量探索コホートは3人を超える(すべての用量レベルで最大10人の追加患者)患者を登録する。保存腫瘍組織の事前スクリーニング(または保存組織が利用できない場合は新鮮な生検)を用いて、フェーズ1aの用量探索の間にすべての患者について免疫組織化学(IHC)によってB7-H4の発現レベルを調べる。保存腫瘍組織(または新鮮な生検)は、本明細書のようにバイオマーカー分析に使用することができる。加えて、新鮮な生検は拡大された薬力学解析のためにスクリーニング中及び治療後に使用される。
一実施形態では、フェーズ1aの単剤療法の用量探索について提案された用量コホートを表16Bに示す。
Figure 0007258038000018
一実施形態では、推奨用量は20mg/kgである。
(B)対象
合計12~24人の患者が以下の選択基準及び除外基準に基づいて特定される。
フェーズ1aの患者は以下の選択基準のすべてを満たす。
原発性中枢神経系(CNS)腫瘍を除く組織学的に確認された固形腫瘍;
切除不能、局所進行性、または転移性である疾患;
患者の状態に臨床的利益を提供することが知られている既存の治療法に対して不応性または不耐性;及び
RECIST v1.1(固形腫瘍の反応評価基準1.1)に基づく、ベースラインでの少なくとも1つの測定可能な病変;以前に照射された領域、または他の局所療法を受けた領域にある腫瘍部位は、病変の進行が証明されていない限り、測定可能とは見なされない。
除外基準:フェーズ1aの患者は、以前の生物製剤に対する抗薬物抗体(ADA)、重度のアレルギー反応、アナフィラキシー反応、またはその他の輸液関連反応の病歴を有さず、且つ非フコシル化20502製剤における任意の成分に対する既知の過敏症を有さない。
(C)結果
グレード3及びグレード4の有害事象の発生率と、用量制限毒性として定義された臨床検査異常を評価して、非フコシル化された20502が進行性固形腫瘍の患者に安全で且つ忍容性があることを示す。有害事象、臨床検査異常及びECG異常の発生率を評価して、非フコシル化20502の最大耐量及び/または推奨用量を決定する。
進行性固形腫瘍患者における薬物動態パラメーター(AUC(血清濃度時間曲線下面積)、Cmax(最大血清濃度)、Cmin(最小血清濃度)、クリアランス(CL)、t1/2(終末相半減期)、Vss(定常状態での分布量)、及びCトラフ(投与間隔終了時のトラフ血清濃度)を、非コンパートメント分析を用いて血清非フコシル化20502濃度-時間のデータから決定する。血清非フコシル化20502濃度は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)法を用いて決定する。非フコシル化20502曝露に対する進行性固形腫瘍患者の免疫原性(すなわち、非フコシル化20502に対する抗薬物抗体免疫応答)の影響は、すべての患者からの抗非フコシル化20502抗体全体を測定することによって評価する。
進行性固形腫瘍患者における非フコシル化20502の臨床的利益も実証される。腫瘍の評価には、臨床検査と画像診断(例えば、RECIST v1.1ごとに適切な切片厚のコンピューター断層撮影(CT)スキャンまたは磁気共鳴画像解析(MRI))が含まれる。腫瘍はスクリーニング時、最初の12ヵ月は9週ごと、その後12週ごと(+/-2週間)に評価して、腫瘍増殖の阻害及び腫瘍退縮(例えば、完全な腫瘍退縮)を示す。
全体的な奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、及び無増悪生存期間(PFS)も有効性の測定値として決定される。ORRは、応答が確認された患者の総数(RECIST v.1.1ごとの完全応答(CR)または部分応答(PR)のいずれか)を、応答について評価可能な患者の総数で割ったものとして定義される。DORは、応答の開始(CRまたはPR)が確認されてから、進行性の疾患または何らかの原因による死亡が最初に観察されるまでの時間として定義される。PFSは、患者の最初の投与から、進行性の疾患または何らかの原因による死亡が最初に観察されるまでの時間として定義される。
薬力学的バイオマーカーも観察される。治療前及び治療中の腫瘍生検における免疫細胞浸潤の分析を行うことができる。例えば、腫瘍免疫浸潤のマーカー(ナチュラルキラー細胞(NK)、CD4、CD8、及び/または他の選択された免疫バイオマーカーを含むが、これらに限定されない)の変化はIHC及び/またはリボ核酸(RNA)分析によって評価される。加えて、サイトカイン(例えば、IL-2、IL-6、IL-10、TNF、及び/またはインターフェロンガンマ(IFNγ))のレベルの変化は、多重分析によって評価される。
患者は用量レベルの範囲にわたって非フコシル化20502を受け取った。B7-H4について未選択であり進行性固形腫瘍がある且つ3つの前治療の中央値を持つ24人の患者を非フコシル化20502抗体で治療した。用量漸増コホートでは、18人の患者が加速用量設定とその後の3+3設計にて3週ごとに(Q3W)0.01mg/kg~20mg/kgの用量レベルを受け取った。患者は、3(範囲=1~11)用量の中央値の非フコシル化された20502で治療された。ほとんどが3mg/kg(n=8または10mg/kg(n=6)の非フコシル化20502を受け取った。用量漸増コホートの患者のうち7人は、B7-H4陽性と遡及的に同定された。別の用量探索コホートでは、6人のB7-H4陽性患者(合計24人の患者のうち)が強制的な治療前及び治療中の生検と共に3mg/kgまたは10mg/kgのQ3Wで治療された。24人の患者で用量減量の必要はなく、用量制限毒性または治療関連の重篤な有害事象(SAE)は観察されなかった。したがって、非フコシル化された20502は好ましい安全性プロファイルを示し、データは20mg/kgが推奨用量として選択され得ることを示唆している。
6.8 実施例8:フェーズ1b非フコシル化20502用量拡大
フェーズ1bの非盲検多施設試験は、免疫組織化学(IHC)によって決定されるB7-H4発現レベルを伴う特定の固形腫瘍型の210人までの患者にて非フコシル化された20502を用いて実施される。特定の固形腫瘍型は、B7-H4発現の高い蔓延、及び切除不能や転移性の状況での効果的な治療法の限定的な利用性に基づいて特定された。
(A)試験設計
フェーズ1bは試験の用量拡大部分である。フェーズ1bの試験スキームを図3に提供する。フェーズ1b用量拡大への登録はフェーズ1aにおける最大耐量(MTD)及び/または推奨用量(RD)の特定後に開始する。
フェーズ1bには表17に示すように、それぞれ最大30人の患者の腫瘍特異的コホートが含まれる。フェーズ1b試験は、表17に示すよりも多いまたは少ないコホートを有してもよいが、7コホートを超えない。
Figure 0007258038000019
保存腫瘍組織(または保存組織が利用できない場合は新鮮な生検)を用いて、すべての患者の事前スクリーニングとバイオマーカー分析のために免疫組織化学(IHC)によってB7-H4発現レベルを調べる。加えて、スクリーニング中及び治療後に採取された新鮮な生検は、患者のサブセット(30人の患者コホート当たり10人の患者)からの拡大された薬力学的分析に使用される。
非フコシル化された20502は、各21日サイクルの1日目に3週ごと(Q3W)に60分間の静脈内(IV)投与として投与される。非フコシル化された20502の用量は、サイクル1の1日目の体重に基づく。サイクル1の後、患者の体重がサイクル1の1日目から>10%変化した場合にのみ、点滴来診のたびに用量が再計算されるであろう。
(B)対象
乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌の患者が最大30人参加するであろう。それぞれ最大30人の患者の追加の腫瘍型固有のコホートも参加してもよい。
フェーズ1bの患者は以下の選択基準のすべてを満たす。
フェーズ1aのすべての選択基準(原発性中枢神経系(CNS)腫瘍を除く、組織学的に確認された固形腫瘍);
免疫組織化学(IHC)アッセイによって評価されるような、保存または新鮮な腫瘍試料におけるB7-H4発現が陽性;
コホート1b1について-乳癌
o 組織学的または細胞学的に確認された転移性乳癌;
o アントラサイクリン及びタキサンの化学療法以降のまたは忍容性が認められない進行性疾患;
o 転移性の環境で少なくとも1回の全身性化学療法におけるまたはそれ以降の進行性疾患;
o エストロゲン受容体(ER)及び/またはプロゲステロン受容体(PR)陽性の疾患(ER及び/またはPR>1%として定義)を有する患者はホルモン不応性(3回の連続した内分泌療法の後に進行した)であるか、または症状のある内臓疾患を有する必要がある;ならびに
o 患者はHER2陰性疾患を有する;
コホート1b1におけるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者について:
o 組織学的または細胞学的に確認された転移性TNBC;及び
o 少なくとも1つは転移性の環境で投与されている全身化学療法の少なくとも2つ以前の選択;
コホート1b1におけるホルモン受容体陽性(HR+)の乳癌患者について:
o 組織学的または細胞学的に確認された転移性HR+乳癌;
o 患者は以前に少なくとも2つの選択でホルモン療法を受けたことがある;及び
o 患者は少なくとも1つの以前の選択で全身化学療法を受けたことがある(アジュバントまたは転移の設定で)
コホート1b2について-卵巣癌
o 臨床的利益をもたらすことが知られている既存の治療法に不応性である再発性の上皮性卵巣癌、原発性腹膜癌、または卵管癌の組織学的または細胞学的に確認された診断;及び
o 少なくとも1つのプラチナ含有投薬計画を含む少なくとも2つの以前の投薬計画の治療におけるもしくはそれ以降の、または追加の化学療法を忍容できない進行性疾患;
コホート1b3について-子宮内膜癌
o 治癒的治療または確立された治療に不応性である組織学的または細胞学的に確認された再発性または持続性の子宮内膜癌;及び
o 全身性化学療法の少なくとも1つの以前の投薬計画におけるもしくはそれ以降の、または全身性化学療法を忍容できない進行性疾患;
コホート1b4について-尿路上皮癌
o 組織学的または細胞学的に確認された尿路上皮癌;及び
o プラチナ含有投薬計画及びPD-1/PD-L1指向性薬剤におけるもしくはそれ以降の、またはそれを忍容できない進行性疾患。
フェーズ1bの患者は、以前の生物製剤に対する抗薬物抗体(ADA)、重度のアレルギー、アナフィラキシー、またはその他の輸液関連反応の病歴を有さず、且つ非フコシル化された20502製剤の成分に対する既知の過敏症を有さない。
(C)結果
有害事象、臨床検査異常及びECG異常の発生率を評価して、B7-H4陽性進行性固形腫瘍の患者における非フコシル化20502の安全性と忍容性を実証する。
B7-H4陽性進行固形腫瘍患者における薬物動態パラメーター(AUC、Cmax、Cmin、CL、t1/2、Vss(定常状態での分布量))を、非コンパートメント分析を用いて血清非フコシル化20502濃度-時間のデータから決定する。血清非フコシル化20502濃度は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)法を用いて決定する。
薬力学的バイオマーカーも観察される。例えば、腫瘍免疫浸潤のマーカー(ナチュラルキラー細胞(NK)、CD4、CD8、及び/または他の選択された免疫バイオマーカーを含むが、これらに限定されない)の変化はIHC及び/またはリボ核酸(RNA)分析によって評価される。加えて、サイトカイン(例えば、IL-2、IL-6、IL-10、TNF、及び/またはインターフェロンガンマ(IFNγ))のレベルの変化は、多重分析によって評価される。
非フコシル化20502曝露に対するB7-H4陽性進行性固形腫瘍患者の免疫原性(すなわち、非フコシル化20502に対する抗薬物抗体免疫応答)の影響は、すべての患者からの総抗非フコシル化20502抗体を測定することによって評価する。
非フコシル化20502の臨床的利益も実証される。腫瘍の評価には、臨床検査と画像処理(例えば、RECIST v1.1ごとに適切な切片厚のコンピューター断層撮影(CT)スキャンまたは磁気共鳴画像解析(MRI))が含まれる。腫瘍はスクリーニング時、最初の12か月は9週ごと、その後12週ごと(+/-2週)に評価され、腫瘍増殖の阻害及び腫瘍退縮(例えば、完全な腫瘍退縮)を示す。
患者の最初の投与から何らかの原因による死亡までの時間として定義される全生存期間も有効性の尺度として判定される。全体的な生存率は、B7-H4陽性進行性固形腫瘍の患者における非フコシル化された20502の臨床的利益を実証している。
本発明は、本明細書に記載されている特定の実施形態によって範囲を限定されるものではない。実際、記載されているものに加えて、本発明の様々な修飾が、上記の説明及び添付の図面から当業者に明らかとなるだろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
本明細書で引用されている全ての参考文献(例えば、出版物または特許または特許出願)は、各個々の参考文献(例えば、出版物または特許または特許出願)が、あらゆる目的でその全体が参照によって組み込まれるように具体的かつ個別に指示されたかのような同じ程度に、あらゆる目的でその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
他の実施形態は以下のクレームの範囲内である。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法であって、前記方法が、ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号5のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1、配列番号6のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号7のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)CDR1、配列番号9のアミノ酸配列を含むVL CDR2、及び配列番号10のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む約0.005~約20mg/kgの抗体またはその抗原結合断片を前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目2)
ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法であって、前記方法が(i)抗体またはその抗原結合断片がヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号5のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号7のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号8のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号9のアミノ酸配列を含むVL CDR2、及び配列番号10のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む抗体またはその抗原結合断片と(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を前記対象に投与することを含み、
前記組成物における前記抗体またはその抗原結合断片の少なくとも95%が非フコシル化され、
約0.005~約20mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が投与される、前記方法。
(項目3)
約20mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
約10mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される。項目1または2に記載の方法。
(項目5)
約3mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目6)
約1mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される項目1または2に記載の方法。
(項目7)
約0.3mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目8)
約0.1mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目9)
約0.03mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目10)
約0.01mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目11)
約0.005mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片が前記対象に投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目12)
前記抗体またはその抗原結合断片がほぼ3週ごとに1回投与される、項目1~11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記抗体またはその抗原結合断片が静脈内に投与される、項目1~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
B7-H4が、前記投与に先立って免疫組織化学(IHC)を用いて固形腫瘍にて検出されている、項目1~13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号11で示されるアミノ酸配列を含むVH及び/または配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLを含む項目1~14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記抗体または抗原結合断片が重鎖定常領域及び/または軽鎖定常領域を含む、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記重鎖定常領域がヒト免疫グロブリンIgG の重鎖定常領域である、及び/または前記軽鎖定常領域がヒト免疫グロブリンIgGκ軽鎖定常領域である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号25で示されるアミノ酸配列を含む重鎖定常領域及び/または配列番号23で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、項目1~17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び/または配列番号22で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目1~18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記抗体またはその抗原結合断片がヒト抗体またはその抗原結合断片である、項目1~19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記抗体またはその抗原結合断片が非フコシル化される、項目1及び3~19のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記抗体またはその抗原結合断片が完全長抗体である、項目1~21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記抗体またはその抗原結合断片が抗原結合断片である、項目1~21のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記抗原結合断片が、Fab、Fab’、F(ab’) 、単鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合Fv、V-NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’) 、テトラボディ、トリアボディ、ジアボディ、単一ドメイン抗体、DVD-Ig、Fcab、mAb 、(scFv) 、またはscFv-Fcを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記組成物においてフコシル化が検出できない、項目2~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記固形腫瘍がB7-H4を発現する、項目1~25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記固形腫瘍が、切除不能、局所進行性、または転移性である、項目1~26のいずれかに記載の方法。
(項目28)
前記固形腫瘍が、乳癌、乳管癌、子宮内膜癌、卵巣癌、尿路上皮癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、腎臓癌及び膀胱癌から成る群から選択される、項目1~27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記固形腫瘍が乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌である、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記乳癌が進行性乳癌である、項目28または29に記載の方法。
(項目31)
前記乳癌がHER2陰性である、項目28~30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記乳癌がトリプルネガティブ乳癌である、項目28~31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
前記乳癌がホルモン受容体(HR)陽性乳癌である、項目28~31のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記非小細胞肺癌が扁平上皮癌である、項目28に記載の方法。
(項目35)
前記対象がPD-1/PD-L1アンタゴニストによる前治療を受けたことがない、項目1~34のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
前記方法がさらに、腫瘍における免疫細胞の数をモニタリングすることを含む、項目1~35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記方法がさらに、腫瘍におけるナチュラルキラー(NK)細胞、CD4+細胞、及び/またはCD8+細胞の数をモニタリングすることを含む、項目1~35のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記方法がさらに、前記対象におけるサイトカインレベルをモニターすることを含む、項目1~37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記方法がさらに、前記対象にてIL-2、IL-6、IL-10、TNF及び/またはインターフェロンガンマ(IFNγ)のレベルをモニターすることを含む、項目1~37のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法であって、前記方法がヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVHと配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLとを含むその抗体の約20mg/kgをほぼ3週ごとに1回前記対象に静脈内投与することを含む、前記方法。
(項目41)
ヒト対象にて固形腫瘍を治療する方法であって、前記方法が(i)ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号11で示されるアミノ酸配列を含むVHと配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLとを含む抗体と(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を前記対象に投与することを含み、
前記組成物における前記抗体またはその抗原結合断片の少なくとも95%が非フコシル化され、
約20mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片がほぼ3週ごとに1回静脈内投与される、前記方法。
(項目42)
前記抗体が、配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号22で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、項目40または41に記載の方法。
(項目43)
前記固形腫瘍が乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌である、項目40~42のいずれか1項に記載の方法。

Claims (25)

  1. ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号5のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1、配列番号6のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号7のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)CDR1、配列番号9のアミノ酸配列を含むVL CDR2、及び配列番号10のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む抗体またはその抗原結合断片を含む、ヒト対象にて固形腫瘍を治療するための組成物であって、前記対象に、約0.005~約20mg/kgの抗体またはその抗原結合断片で投与されることを特徴とする、組成物。
  2. (i)抗体またはその抗原結合断片がヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号5のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号7のアミノ酸配列を含むVH CDR3、配列番号8のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号9のアミノ酸配列を含むVL CDR2、及び配列番号10のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む抗体またはその抗原結合断片と(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む、ヒト対象にて固形腫瘍を治療するための医薬組成物であって、
    前記医薬組成物における前記抗体またはその抗原結合断片の少なくとも95%が非フコシル化され、
    約0.005~約20mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片で投与されることを特徴とする、医薬組成物。
  3. 約20mg/kg、10mg/kg、3mg/kg、1mg/kg、0.3mg/kg、0.1mg/kg、0.03mg/kg、0.01mg/kgまたは0.005mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片で前記対象に投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物または請求項2に記載の医薬組成物。
  4. ほぼ3週ごとに1回投与されることを特徴とする、請求項1もしくは3に記載の組成物、または請求項2に記載の医薬組成物。
  5. 静脈内に投与されることを特徴とする、請求項1、3もしくは4のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2もしくは4に記載の医薬組成物。
  6. 前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号11で示されるアミノ酸配列を含むVH及び/または配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項1及び3~5のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記抗体または抗原結合断片が重鎖定常領域及び/または軽鎖定常領域を含む、請求項1及び3~6のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号25で示されるアミノ酸配列を含む重鎖定常領域及び/または配列番号23で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、請求項1及び3~7のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び/または配列番号22で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1及び3~8のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  10. 前記抗体またはその抗原結合断片がヒト抗体またはその抗原結合断片である、請求項1及び3~9のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  11. 前記抗体またはその抗原結合断片が非フコシル化される、請求項1及び3~9のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  12. 前記抗体またはその抗原結合断片が完全長抗体である、請求項1及び3~11のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. 前記抗体またはその抗原結合断片が抗原結合断片である、請求項1及び3~11のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  14. 前記組成物においてフコシル化が検出できない、請求項3~13のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  15. 前記固形腫瘍が、(i)B7-H4を発現する、且つ/または(ii)切除不能、局所進行性、且つ/もしくは転移性である、請求項1及び3~14のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  16. 前記固形腫瘍が、乳癌、乳管癌、子宮内膜癌、卵巣癌、尿路上皮癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、腎臓癌及び膀胱癌から成る群から選択される、請求項1及び3~15のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  17. 前記固形腫瘍が乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌である、請求項16に記載の組成物または医薬組成物。
  18. 前記乳癌が進行性乳癌である、請求項16または17に記載の組成物または医薬組成物。
  19. 前記乳癌が、HER2陰性乳癌、トリプルネガティブ乳癌、ホルモン受容体(HR)陽性乳癌、またはHER2陰性/HR陽性乳癌である、請求項16~18のいずれか1項に記載の組成物または医薬組成物。
  20. 前記対象がPD-1/PD-L1アンタゴニストによる前治療を受けたことがない、請求項1及び3~19のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~19のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  21. (i)腫瘍における免疫細胞の数が、さらにモニターされる、且つ/または(ii)前記対象におけるサイトカインレベルが、さらにモニターされる、請求項1及び3~20のいずれか1項に記載の組成物、または請求項2~20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  22. ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVHと配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLとを含む抗体を含む、ヒト対象にて固形腫瘍を治療するための組成物であって、約20mg/kgの前記抗体でほぼ3週ごとに1回前記対象に静脈内投与されることを特徴とする、組成物。
  23. (i)ヒトB7-H4に特異的に結合し、且つ配列番号11で示されるアミノ酸配列を含むVHと配列番号12で示されるアミノ酸配列を含むVLとを含む抗体と(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む、ヒト対象にて固形腫瘍を治療するための医薬組成物であって、
    前記医薬組成物における前記抗体またはその抗原結合断片の少なくとも95%が非フコシル化され、
    約20mg/kgの前記抗体またはその抗原結合断片でほぼ3週ごとに1回静脈内投与されることを特徴とする、医薬組成物。
  24. 前記抗体が、配列番号21で示されるアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号22で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項22に記載の組成物または請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 前記固形腫瘍が乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または尿路上皮癌である、請求項22もしくは24に記載の組成物、または請求項23もしくは24に記載の医薬組成物。
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