JP7258014B2 - 金属カーボン積層前駆体及び金属カーボン積層前駆体の製造方法 - Google Patents
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Description
この発明は、加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体及びその製造方法に係り、特に限定するものではないが、燃料電池用セパレータを得るのに好適な金属カーボン積層前駆体及びその製造方法に関する。
近年、100℃以下の低温で作動可能な固体高分子形燃料電池が注目され、車両用駆動電源や定置型発電装置として開発や実用化が進められている。一般的な固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導性の電解質膜を挟んでその両外側にそれぞれアノード及びカソードとなる触媒層が配置された膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)と、この膜電極接合体を挟んでそれぞれ触媒層の外側に配置されたガス拡散層と、更にこれらガス拡散層の外側に配置されたセパレータとからなる構造を基本構造(単位セル)とし、通常は、所望の出力を達成するために必要な数の単位セルをスタックすることにより構成されている。
そして、このような固体高分子形燃料電池の単位セルにおいては、アノード側とカソード側にそれぞれ配されたセパレータのガス流路から、カソード側には酸素や空気等の酸化性ガスを、また、アノード側には水素等の燃料ガスをそれぞれ供給し、これら供給された酸化性ガス及び燃料ガス(以下、これらを「反応ガス」ということがある。)を、それぞれガス拡散層を介して触媒層まで供給し、アノードの触媒層で起こる化学反応とカソードの触媒層で起こる化学反応との間のエネルギー差(電位差)を利用して仕事を電力の形で取り出している。例えば、燃料ガスとして水素ガスが、また、酸化性ガスとして酸素ガスが使用される場合には、アノードの触媒層で起こる化学反応〔酸化反応:H2→2H++2e-(E0=0V)〕と、カソードの触媒層で起こる化学反応〔還元反応:O2+4H++4e-→2H2O(E0=1.23V)〕とのエネルギー差(電位差)を仕事として取り出している。
そのため、固体高分子形燃料電池の単位セルを構成するセパレータは、各単位セル間を仕切るという機能だけでなく、酸化性ガスをMEAの触媒層に供給する流路及び燃料ガスを触媒層に供給するガス流路を形成してこれら反応ガスを触媒層まで完全に分離した状態で一様に供給する機能、各単位セルの触媒層で発生した電子(電流)を集める集電の機能、MEAで発生した熱を外部に放出する放熱の機能等をも果たしており、従って、このセパレータには、反応ガスを透過させないガス不透過性、及び集電のための優れた導電性が求められるほか、使用環境が強酸雰囲気になるために高い耐食性が求められている。
固体高分子形燃料電池用セパレータとして、従来は、導電性に優れて集電機能に有利であるカーボン製セパレータが用いられてきたが、可撓性や柔軟性に乏しく、割れ易いことから、ステンレス鋼やチタン等の金属製セパレータへの置き換えが検討されている。しかしながら、例えばステンレス鋼には不動態皮膜が形成されて電気抵抗が大きくなってしまう問題があり、また、総じて、金属製セパレータは燃料電池の使用環境下で腐食し易い問題がある。更には、反応ガスを流すガス流路や冷媒を流す冷媒流路のような流路をなす微細な溝(凹部)を高精度で形成するには、金属製セパレータは不向きである。
一方で、黒鉛粉末とバインダー樹脂とを含んで成型されたカーボン層を金属薄板からなる金属基材上に備えた複合型のセパレータが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。このような複合型のセパレータは、ガス不透過性及び導電性に優れているだけでなく、柔軟性や耐食性にも優れており、固体高分子形燃料電池用セパレータとして好適であると考えられる。また、カーボン層を得る際に、黒鉛粉末とバインダー樹脂とを含んだ混合材料を所定の金型を用いて圧縮成型することで、カーボン層に対して溝形成を同時に行うこともできる。しかしながら、精密な溝形成のためには樹脂の流動が必要となることから、成型に長い時間を要してしまう問題がある。また、そもそも、溝形成のための金型形状に対して混合材料が十分に充填されずに、微細な溝形状の角部が正確に再現され難いといった問題もある。
固体高分子形燃料電池のなかでも、特に自動車用燃料電池ではスタックサイズを小さくすることが実用上重要である。具体的には、セパレータの総厚みを1mm以下にするなどの検討が進められている。その場合のガス流通のための溝形状は、溝深さ、流路幅ともに、0.1mmから0.5mm程度であり、したがって加工精度として少なくとも0.01mm程度の精度が求められることになる。このような要請に応えるには、複合型のセパレータの場合、カーボン層を形成する黒鉛粉末のサイズを小さくする必要があるが、粒子サイズを小さくすると、加熱加圧時の材料の流動性が低下する虞を生じ、0.01mmの精度を満たすのが困難になる。また、粒子径を小さくすると、接触抵抗の大きい粒子間の接点が多くなり、バインダー樹脂を含んで成型されるカーボン層を貫通する電気抵抗が大きくなってしまう。このように、ガス流路や冷媒流路のような流路をなす微細な溝を圧縮成型(加圧下で加熱する加熱加圧処理)によって得るにあたり、実際に0.01mm程度の加工精度を維持しつつ、しかも、電気伝導性を高く担保するのは極めて難しい。
そこで、本発明者らは、金属基材上にカーボン層を備えた複合型の燃料電池用セパレータにおける上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カーボン層を形成するバインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用い、この熱硬化性樹脂を予備硬化させて所定の硬化度を有すると共に所定の空隙率を有した多孔質の炭素樹脂混合層を備えたセパレータ前駆体を予め作製し、併せて、この炭素樹脂混合層を形成する黒鉛粉末にカーボンブラックを配合することで、圧縮成型時の流動性を確保しつつ、導電性の改善も同時に可能となることを見出し、本発明を完成させた。
なお、後述するように、本発明における金属カーボン積層前駆体(ここで言うセパレータ前駆体)は、加熱加圧処理することで、金属カーボン積層部材(ここで言う燃料電池用セパレータ)を得ることができる。つまり、金属カーボン積層前駆体における熱硬化性樹脂の硬化の程度は、最終的に金属カーボン積層部材としたときの熱硬化性樹脂に比べて硬化反応が進んでいない状態にある。そのため、これらの違いを表す場合、本明細書においては、予備硬化(金属カーボン積層前駆体の場合)と本硬化(金属カーボン積層部材の場合)を使い分けている。
なお、後述するように、本発明における金属カーボン積層前駆体(ここで言うセパレータ前駆体)は、加熱加圧処理することで、金属カーボン積層部材(ここで言う燃料電池用セパレータ)を得ることができる。つまり、金属カーボン積層前駆体における熱硬化性樹脂の硬化の程度は、最終的に金属カーボン積層部材としたときの熱硬化性樹脂に比べて硬化反応が進んでいない状態にある。そのため、これらの違いを表す場合、本明細書においては、予備硬化(金属カーボン積層前駆体の場合)と本硬化(金属カーボン積層部材の場合)を使い分けている。
したがって、本発明の目的は、燃料電池用セパレータにおけるガス流路等のような微細な溝形状を加熱加圧処理により高精度で形成することができ、しかも、加熱加圧処理後の金属カーボン積層部材の積層方向の貫通電気抵抗を小さく保つことができる金属カーボン積層前駆体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記金属カーボン積層前駆体の製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記金属カーボン積層前駆体の製造方法を提供することにある。
なお、本発明に係る金属カーボン積層前駆体は、上述の高精度の成形性と熱伝導性を活用して、燃料電池用セパレータ以外の用途でも用いることができる。例えば、スマートフォンやタブレット、ノートパソコン等の小型電子機器では、CPUやドライバIC、メモリー等のLSIチップから発生する熱を逃がすために、これらの発熱体と放熱部品との間に挟み込んで放熱効果を高める放熱シートが用いられているところ、本発明の金属カーボン積層前駆体であれば、加熱加圧処理により微細な形状加工が可能であり、また、加圧方向の熱伝導性にも優れることから、放熱シート用の金属カーボン積層前駆体としても好適である。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体であって、
金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ炭素樹脂混合層が積層されており、該炭素樹脂混合層は、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%であり、加熱加圧処理により炭素樹脂混合層中のバインダー樹脂を本硬化させて、金属基材上にカーボン層が積層した金属カーボン積層部材を得ることができることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体。
(2)前記炭素樹脂混合層中のバインダー樹脂と混合炭素粉との質量比が5:95~40:60であり、且つ、混合炭素粉における黒鉛粉末とカーボンブラックとの質量比が99:1~90:10である(1)に記載の金属カーボン積層前駆体。
(3)前記カーボンブラックが、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、及び高結晶性のカーボンブラックからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である(1)又は(2)に記載の金属カーボン積層前駆体。
(4)前記カーボンブラックの粉末X線回折によるC軸方向の結晶子サイズLcが、2nm以上10nm以下である(1)~(3)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。(5)前記カーボンブラックが、水銀圧入法による細孔容積測定において、細孔直径が10nm~500nmの水銀圧入量VHgが、1.5mL/g以上3.0mL/g以下である(1)~(4)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。
(6)前記金属カーボン積層部材が、燃料電池用のセパレータである(1)~(5)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。
(1)加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体であって、
金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ炭素樹脂混合層が積層されており、該炭素樹脂混合層は、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%であり、加熱加圧処理により炭素樹脂混合層中のバインダー樹脂を本硬化させて、金属基材上にカーボン層が積層した金属カーボン積層部材を得ることができることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体。
(2)前記炭素樹脂混合層中のバインダー樹脂と混合炭素粉との質量比が5:95~40:60であり、且つ、混合炭素粉における黒鉛粉末とカーボンブラックとの質量比が99:1~90:10である(1)に記載の金属カーボン積層前駆体。
(3)前記カーボンブラックが、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、及び高結晶性のカーボンブラックからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である(1)又は(2)に記載の金属カーボン積層前駆体。
(4)前記カーボンブラックの粉末X線回折によるC軸方向の結晶子サイズLcが、2nm以上10nm以下である(1)~(3)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。(5)前記カーボンブラックが、水銀圧入法による細孔容積測定において、細孔直径が10nm~500nmの水銀圧入量VHgが、1.5mL/g以上3.0mL/g以下である(1)~(4)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。
(6)前記金属カーボン積層部材が、燃料電池用のセパレータである(1)~(5)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。
(7)加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体を製造する方法であって、
黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂、及び溶媒を含んだスラリー状の混合材料を金属薄板からなる金属基材の表面に配し、熱処理して、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させることで、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に積層させることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(8)加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体を製造する方法であって、
黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ粉体状の混合材料からシート体を形成する第一の熱処理と、該シート体を金属薄板からなる金属基材の表面に配して行う第二の熱処理とを有して、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させることで、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に積層させることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(9)前記混合材料中のバインダー樹脂と混合炭素粉との質量比が5:95~40:60であり、且つ、混合炭素粉における黒鉛粉末とカーボンブラックとの質量比が99:1~90:10である(7)又は(8)に記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(10)前記カーボンブラックが、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、及び高結晶性のカーボンブラックからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である(7)~(9)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(11)前記カーボンブラックの粉末X線回折によるC軸方向の結晶子サイズLcが、2nm以上10nm以下である(7)~(10)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(12)前記カーボンブラックが、水銀圧入法による細孔容積測定において、細孔直径が10nm~500nmの水銀圧入量VHgが、1.5mL/g以上3.0mL/g以下である(7)~(11)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(13)前記金属カーボン積層部材が、燃料電池用のセパレータである(7)~(12)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂、及び溶媒を含んだスラリー状の混合材料を金属薄板からなる金属基材の表面に配し、熱処理して、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させることで、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に積層させることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(8)加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体を製造する方法であって、
黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ粉体状の混合材料からシート体を形成する第一の熱処理と、該シート体を金属薄板からなる金属基材の表面に配して行う第二の熱処理とを有して、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させることで、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に積層させることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(9)前記混合材料中のバインダー樹脂と混合炭素粉との質量比が5:95~40:60であり、且つ、混合炭素粉における黒鉛粉末とカーボンブラックとの質量比が99:1~90:10である(7)又は(8)に記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(10)前記カーボンブラックが、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、及び高結晶性のカーボンブラックからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である(7)~(9)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(11)前記カーボンブラックの粉末X線回折によるC軸方向の結晶子サイズLcが、2nm以上10nm以下である(7)~(10)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(12)前記カーボンブラックが、水銀圧入法による細孔容積測定において、細孔直径が10nm~500nmの水銀圧入量VHgが、1.5mL/g以上3.0mL/g以下である(7)~(11)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
(13)前記金属カーボン積層部材が、燃料電池用のセパレータである(7)~(12)のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
本発明に係る金属カーボン積層前駆体によれば、加熱加圧処理により微細な溝形状を高精度で形成することができ、しかも、加熱加圧処理後の金属カーボン積層部材の積層方向の貫通電気抵抗を小さく保つことができる。そのため、本発明の金属カーボン積層前駆体は、例えば、黒鉛粉末とカーボンブラックとバインダー樹脂とを含んで成型されたカーボン層を金属基材上に備えた複合型の燃料電池用セパレータを得るのに好適に用いられる。すなわち、ガス流路の加工精度が高いために、圧力損失を小さくでき、また、発電時にセパレータのオーム抵抗による電圧低下を小さくすることが可能となる。
また、本発明の金属カーボン積層前駆体は、燃料電池用セパレータ以外の用途でも用いることができ、例えば、スマートフォンやタブレット等のような小型電子機器において、CPUやドライバIC等のチップから発生する熱を逃がすための放熱シートを得る上でも好適である。すなわち、本発明の金属カーボン積層前駆体であれば、加熱加圧処理により微細な形状加工が可能であって形状追従性に優れ、また、加圧方向の熱伝導性にも優れることから、チップのような発熱体と金属筐体のような放熱部品との間に挟み込まれる放熱シートとしたときに、放熱効果をより高めることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明における金属カーボン積層前駆体は、図1に示したように、金属薄板からなる金属基材1の少なくとも片面に、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ炭素樹脂混合層2が積層されたものであり、金型等を用いた加熱加圧処理(ホットプレス)により、図2に示したような金属基材1とカーボン層11との金属カーボン積層部材Yを得ることができるものである。なお、図1は、金属基材1の両面に炭素樹脂混合層2を備えた金属カーボン積層前駆体Xの例であり、図2は、このような金属カーボン積層前駆体Xを加熱加圧処理して得られた金属カーボン積層部材Yの例である。
本発明における金属カーボン積層前駆体は、図1に示したように、金属薄板からなる金属基材1の少なくとも片面に、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ炭素樹脂混合層2が積層されたものであり、金型等を用いた加熱加圧処理(ホットプレス)により、図2に示したような金属基材1とカーボン層11との金属カーボン積層部材Yを得ることができるものである。なお、図1は、金属基材1の両面に炭素樹脂混合層2を備えた金属カーボン積層前駆体Xの例であり、図2は、このような金属カーボン積層前駆体Xを加熱加圧処理して得られた金属カーボン積層部材Yの例である。
ここで、上述した本発明における課題解決のために本質的に重要な技術的ポイントのひとつは、加熱加圧処理時に、0.01mmオーダーの金型精度に追従することにあり、本発明では、加熱加圧処理の経過時間内で、炭素樹脂混合層を構成するバインダー樹脂と黒鉛粉末とが流動して金型の形状に正確に追従した後に、バインダー樹脂の硬化によりその形状が固定化されるようにしている。すなわち、この流動性の確保のための工夫が本発明の技術的骨格であり、少なくとも、(i)予備成型体である金属カーボン積層前駆体の空隙率の最適化、(ii)同じく金属カーボン積層前駆体の硬化度(詳しくは、バインダー樹脂として用いる熱硬化性樹脂の硬化度)の最適化、及び(iii)カーボンブラックの配合、を同時に満たすようにする。これにより、上記のような金型精度を達成できる流動性の確保と共に、得られた金属カーボン積層部材の電気抵抗の低減が可能となることを見出して、本発明を完成させた。
具体的には、先ず、本発明の金属カーボン積層前駆体Xにおける炭素樹脂混合層は、空隙率が40~80体積%、好ましくは50~70体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度(以下、単に硬化度という)が10~50%、好ましくは20~40%である。空隙率が40体積%未満であると、例えば、図2に示したような金属カーボン積層部材Yを燃料電池のセパレータとするような場合に、加熱加圧処理での炭素樹脂混合層の金型追従性が不十分となり、流路をなす溝形成のための金型形状に対して、炭素樹脂混合層を形成する混合炭素粉とバインダー樹脂が十分に充填されずに、微細な溝形状、特に溝の角部が正確に再現されないおそれがある。溝の角部が丸みを帯びると、MEAと接触する接触面積が少なくなり、発電効率が低下してしまう。一方で、空隙率が80体積%を超えると、炭素樹脂混合層の強度が不足して耐久性やハンドリング性等で問題が生じるほか、低密度であることに起因して導電性が不十分になってしまうおそれがある。
また、炭素樹脂混合層の硬化度については、硬化度が10%未満ではバインダー樹脂の予備硬化が十分でなく、炭素樹脂混合層の強度が不足して、ハンドリングの際などでの耐久性が問題となるおそれがある。反対に硬化度が50%を超えると、バインダー樹脂の予備硬化が進み過ぎてしまい、燃料電池のセパレータを得るような場合における炭素樹脂混合層の金型追従性が不十分となり、加熱加圧処理による微細な溝形状の再現性が劣ってしまう。
ここで、本発明における空隙率は、以下の方法により測定されるものである。すなわち、例えば、金属基材の片側に炭素樹脂混合層を形成して1cm四方の正方形に切り出し、その厚みを測定することにより、炭素樹脂混合層の体積を定量する。その薄片をサンプルとして水銀圧入測定を行い、400MPaまで圧入した時の水銀圧入量(積算した値)(単位:mL)を炭素樹脂混合層の空隙と定義し、前述の炭素樹脂混合層の体積に対するこの空隙の割合を空隙率として定義する。
また、硬化度は、熱硬化樹脂の全官能基のうち、既に反応(架橋)した官能基の割合を示すものであり、本発明において具体的な測定には、示差走査熱量測定(DSC)を用い、バインダー樹脂に用いる熱硬化性樹脂の全反応熱量に対する所定のプロセス後の生成熱量の比率を100分率で表したものである。詳しくは、後述する実施例に記載する方法により求めることができる。
炭素樹脂混合層を形成するバインダー樹脂については、例えば、最終的に得られる金属カーボン積層部材Yを燃料電池のセパレータとして使用するような場合を想定し、その燃料電池を自動車等に搭載したときの動作環境下での耐久性等を考慮して熱硬化性樹脂を使用する。この熱硬化性樹脂としては特に制限はなく、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも好ましくは、耐久性に優れるレゾール型フェノール樹脂、又はエポキシ樹脂を用いるのがよい。また、硬化時間を短縮して時間当たりの生産効率を高める目的には、樹脂の硬化時間を短縮させるための既存技術を適用することが可能である。例えば、硬化促進剤を樹脂に混合して本発明に用いるようにしてもよい。
また、本発明のバインダー樹脂としては、金属カーボン積層前駆体Xを得るにあたり、常温で粉末状のものを用いてもよく、液状のものを用いるようにしてもよい。粉末を用いる場合には、樹脂粒子の凝集を抑えたり、金属カーボン積層部材を得るための加熱加圧処理での樹脂流れを悪化させないためなどから、後述する黒鉛粉末と同程度か、或いは、黒鉛粉末よりも小さいものを用いるのがよく、具体的には、黒鉛粉末の平均粒子直径に対して樹脂粉末の平均粒子直径が、好ましくは1/100~5倍の範囲であるのがよく、より好ましくは1/100~3倍が適当である。また、一方で、樹脂粉末の絶対的な平均粒子直径としては1~200μm程度のものを用いるのがよく、好ましくは1~100μm程度のものが適当である。
次に、炭素樹脂混合層を形成する混合炭素粉について、本発明では、上述したようにカーボンブラックを配合して、黒鉛粉末とカーボンブラックとを混合したものを用いるようにする。すなわち、加熱加圧処理時の流動性と金属カーボン積層部材としたときの電気抵抗の低減を両立するために、黒鉛粉末にカーボンブラックを混合するのが本発明の課題解決において本質的に重要な技術のひとつである。カーボンブラックとしては、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、高結晶性のカーボンブラック、オイルファーネスブラック等を挙げることができるが、好ましくは、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、又は高結晶性のカーボンブラックであるのがよく、これらの1種又は2種以上を用いるようにしてもよい。これらのカーボンブラックについて、本発明では、上記のような流動性の改善と、同時に、成型後の電気抵抗の低減を目的として、カーボンブラックの(イ)粒子径、(ロ)樹状構造、及び(ハ)結晶性について検討した。
そして、これらの最適化を図ることで、本発明の効果をより一層高めることができることを見出した。すなわち、カーボンブラックの樹脂に対する親和性を低下させて流動性を増すことが重要であることに想到し、親和性を支配するカーボンブラックの物性として、カーボンブラックの結晶性に着目した。その結果、結晶性を高めて表面官能基を減らすことによりバインダー樹脂との親和性が低下し、加熱加圧処理時の流動性を極限まで高められ、溝形状の加工精度の向上に一層効果的であることを見出した。ここで、カーボンブラックの結晶性はX線回折による黒鉛結晶子の大きさ、具体的には、黒鉛の六角網面の積層方向の結晶子サイズが、流動性を制御する物性として最適であり、好適な範囲を規定することができる。
一方で、導電性を確保するためには、黒鉛粒子同士の接触抵抗を低減させることが重要であることに想到し、且つ、導電助剤となるカーボンブラック自体の電気抵抗は黒鉛に比較して大きいため、カーボンブラック同士の接点が増えることを抑制する目的で、カーボンブラックの混合量は少なく保つことが重要であると考えた。そこで、鋭意検討の結果、カーボンブラックのいわゆるアグリゲート構造(樹状構造とも言う)を発達させることで、少量の添加量で金属カーボン積層部材の貫通抵抗を低減させることに成功した。カーボンブラックの特性について、以下で説明する。
先ず、(イ)カーボンブラックの粒子径については、黒鉛粉末と混合したときに流動性を増すための最適なサイズが存在すると推定した。カーボンブラックがいわゆる潤滑剤として機能し、黒鉛粉末の粒子間の摩擦を低減するというものである。その指針に則ると、黒鉛粒子の大きさに対し、同等のサイズの粉末を混合しても流動性は変化せず、もちろん改善もしない。小さすぎても黒鉛粒子同士の摩擦を改善ができないので、やはり流動性には寄与できない。なお、ここでいう粒子径とは、カーボンブラックの一次粒子径ではなく、一次粒子が凝集してなるアグリゲート径に相当するものである。
カーボンブラックの粒子径について、具体的には、後述する黒鉛粉末の粒子径に対し、その平均直径の1/1000~1/5であることが好ましく、且つ、絶対的な平均粒子径としては0.05~0.2μmが好ましい。カーボンブラックの一次粒子径は特に制限はないが、例示するならば、10~100nmのものを用いることができ、好ましくは10~70nmであるのがよい。このような一次粒子径であれば、炭素樹脂混合層を成型してカーボン層を得る際に破壊してしまうようなおそれがなく、流動性の確保や電気抵抗の低減効果を確実に発現させることができる。
また、(ロ)カーボンブラックが樹状構造であることは、少量の添加で黒鉛粉末の粒子同士の接触機会を増やし、いわゆるパーコレーション効果による導電性の向上を期待するものである。ちなみに、樹状構造を表す物性として、カーボンブラック工業会では、ジブチルフタレート(DBP)吸油量と呼ばれる指標が一般的であるが、表面の細かな凹凸や多孔質のカーボンブラックの場合には、樹状構造以外の影響を受けることが知られている。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、水銀圧入法による水銀吸収量が表面の凹凸や細孔構造(多孔質)の影響を受けず、本発明で言うようなカーボンブラックの樹状構造の定量評価に好適であることを見出した。
すなわち、アグリゲートの発達を規定する物性として、一般にはDBPの吸収量を工業的カーボンブラックのコロイダル物性として用いるが、比表面積が500m2/gを超えるような多孔質カーボンブラックのDBP値は、細孔内に侵入したDBP量も含むためアグリゲートの発達の程度を反映しなくなる。そのため、多孔質の有無にかかわらず樹状構造の発達度合いを定量的に表す物性値として、水銀圧入法による10nm~500nmの細孔直径範囲の水銀吸収量を用いて、その最適範囲を規定することで、得られる金属カーボン積層部材の貫通抵抗を制御可能にしている。
好適なカーボンブラックとして、具体的には、水銀圧入法による細孔容積測定において、細孔直径が10~500nmの水銀圧入量VHgが1.5~3.0mL/gであるのが好ましく、より好ましくは1.5~2.5mL/gであるのがよい。この水銀圧入量VH
gが1.5mL/gよりも小さいと、樹状構造の発達が不十分で導電性の改善効果が僅かになることがあり、他方、3.0mL/gを超えると、樹状構造が発達しすぎるために、成型過程で枝が破壊し、結果として得られる金属カーボン積層部材に含まれるカーボンブラックの樹状構造が低下してしまい、やはり、導電性の改善が不十分となるおそれがある。なお、水銀圧入法を用いてカーボンブラックを測定するときには、測定値のばらつきの低減のために、水の中に解砕・分散したものを濾過し乾燥後、10MPaで成形したペレット状にした状態のカーボンブラックを試験に供することが本質的に重要である。粉体をそのまま水銀圧入法の測定に用いると、ミクロンサイズ以上の空隙が検出されてしまう可能性があるためである。後述の実施例に具体的な方法を示す。
また、多孔質でないカーボンブラックの場合には、従来のDBP吸油量により水銀圧入法による規定を補助する指標として本発明に適用することが可能である。すなわち、DBP吸油量が80~220mL/100gカーボンが好ましいカーボンブラックである。より好ましくは100~200mL/100gカーボンである。DBP吸油量が80mL/100gカーボンよりも少ないと、樹状構造の発達が十分でないために貫通抵抗を小さくする効果が僅かになることがある。一方、DBP吸油量が220mL/100gカーボンよりも多いと樹状構造が発達しすぎるために、成型過程で枝が破壊して、結果として得られる金属カーボン積層部材に含まれるカーボンブラックの樹状構造が低下し、やはり、導電性の改善が不十分となるおそれがある。
また、(ハ)カーボンブラックの結晶性については、樹脂とカーボンブラックの相互作用を小さく、即ち親和性を小さくして、流動性を高める作用をもたらすものである。そのための指標として、X線回折によるC軸方向の結晶子サイズLcが本発明に適する指標であることを見出した。ここで、Lcは表面官能基の量を間接的に評価する指標であろうと推察され、Lcを通じて表面官能基量を制御していると考えられる。具体的には、Lcが2~10nmであれば、流動性が改善され、加工精度が高められることを見出した。Lcが2nmよりも小さいと結晶性の発達が不十分で、炭素六角網面の大きさが小さいためにエッジ面積が大きく、そこに付属する官能基が多いためにバインダー樹脂との親和性が高くなる。その結果、流動性を高める効果を十分に得ることができないおそれがある。反対にLcが10nmを超えると、親和性は低下しすぎるために、かえってバインダー樹脂に対する分散が悪くなり、成型精度の向上効果が十分に得られなくなるおそれがある。
一方で、黒鉛粉末としては、例えば、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、膨張黒鉛粉末、膨張化黒鉛粉末、鱗片状黒鉛粉末、球状化黒鉛粉末等のほか、炭素繊維のような繊維状炭素を粉砕したものであってもよい。このような繊維状炭素として、具体的には、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維のミルドファイバー等を挙げることができる。黒鉛粉末は、これらの1種又は2種以上を混合して用いるようにしてもよい。
ここで、黒鉛粉末に関して、膨張化黒鉛とそれ以外の黒鉛粉末を分けて、その最適な粒子径を併記して以下に記述する。
これら黒鉛粉末(以下、カッコ内を膨張化黒鉛の数値とする)は、一般的には、1~100μm(5~500μm)程度の平均粒子径を有するが、最終的に得られる金属カーボン積層部材Yにおいて、より平滑なカーボン樹脂層を得る目的や、バインダー樹脂との接着性を良好にするなどの観点から、好ましくは平均粒子径が1~50μm(5~400μm)のものを用いるのがよい。さらに具体的には、成型の加工精度に応じて最適な粒子径を選定することが可能である。例えば、溝形状を加工するにあたって0.01mmの精度を求めるのであれば、10μm(300μm)以下の平均粒子直径を有する黒鉛粉末であるのが好ましい。一方で、1μm(5μm)よりも平均粒子直径が小さい粒子では、加熱加圧処理での黒鉛粉末の流動性が低下するために、かえって加工精度が低下してしまうおそれがある。ただし、膨張化黒鉛や球状化黒鉛は、加圧過程で容易に変形し得るため、0.01mmの加工精度に対しては、各々、100~300μm、20~30μmの平均粒子直径の粒子であっても適用可能である。また、ミルドファイバーの大きさについては、粉砕後の平均直径が1~30μmであり、かつ、長さは、アスペクト比が1~100であるのが好ましい。なお、上述したバインダー樹脂、カーボンブラックの場合と共に、黒鉛粉末の平均粒子径は、それぞれレーザー回折・散乱法を適応したレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。本発明においては、体積累積粒度分布曲線の累積値が全体の50%となる粒子径(D50)、いわゆるメジアン径を平均粒子直径として表すこととする。また、アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)の画像から、無作為に100点抽出した際の繊維直径とその長さの比の平均値とする。
これら黒鉛粉末(以下、カッコ内を膨張化黒鉛の数値とする)は、一般的には、1~100μm(5~500μm)程度の平均粒子径を有するが、最終的に得られる金属カーボン積層部材Yにおいて、より平滑なカーボン樹脂層を得る目的や、バインダー樹脂との接着性を良好にするなどの観点から、好ましくは平均粒子径が1~50μm(5~400μm)のものを用いるのがよい。さらに具体的には、成型の加工精度に応じて最適な粒子径を選定することが可能である。例えば、溝形状を加工するにあたって0.01mmの精度を求めるのであれば、10μm(300μm)以下の平均粒子直径を有する黒鉛粉末であるのが好ましい。一方で、1μm(5μm)よりも平均粒子直径が小さい粒子では、加熱加圧処理での黒鉛粉末の流動性が低下するために、かえって加工精度が低下してしまうおそれがある。ただし、膨張化黒鉛や球状化黒鉛は、加圧過程で容易に変形し得るため、0.01mmの加工精度に対しては、各々、100~300μm、20~30μmの平均粒子直径の粒子であっても適用可能である。また、ミルドファイバーの大きさについては、粉砕後の平均直径が1~30μmであり、かつ、長さは、アスペクト比が1~100であるのが好ましい。なお、上述したバインダー樹脂、カーボンブラックの場合と共に、黒鉛粉末の平均粒子径は、それぞれレーザー回折・散乱法を適応したレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。本発明においては、体積累積粒度分布曲線の累積値が全体の50%となる粒子径(D50)、いわゆるメジアン径を平均粒子直径として表すこととする。また、アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)の画像から、無作為に100点抽出した際の繊維直径とその長さの比の平均値とする。
また、黒鉛粉末の粒子径分布に関しては特に制限はないが、流動性は粒子同士の摩擦する面積が小さい方が高いため、粒度分布はシャープで粒子間の接触面積が小さい方が好ましい。さらに、粒子の形状も重要な因子であり、球状であれば粒子間の接触面積が小さく、且つ、高い流動性が期待されるため本発明には好適である。球状化黒鉛は、一方で、内部に最大数10%に及ぶ体積分率の空隙を有するため、通常の加圧処理過程において容易に変形し得る観点からも本発明に好適である。変形しやすいという観点では、膨張化黒鉛も同様に本発明で用いる黒鉛粉末として好適である。
本発明では、カーボンブラックが黒鉛粉末の粒子に対し、表面に一様に分散していることが、カーボンブラックの混合効果を高める上では重要である。前述のように、カーボンブラックの凝集体の大きさであるレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定されるメジアン径が黒鉛粉末の粒子径に対し、その平均直径の1/1000~1/5であるため、特に工夫した混練方法を用いる必要がある。
具体的には、ミキサー食用のミキサー(たとえば、株式会社エフ・エム・アイ社製ロボクープブリクサーBLIXER-3D)を用いて、少なくとも5分以上の混練時間を必要とする。また、いわゆる遊星ボールミルも好適に用いることができる、例えば、フリッチュ・ジャパン社製P-5を用い、回転数300rpmで、1mmΦのボールを用いて、乾式で10分ごとに反転させ30分間以上の処理が好ましい。特に、水を溶媒とした湿式で、上述と同じ条件で分散することで、電気抵抗の低減効果が最も高かった。
なお、カーボンブラックが凝集せずに黒鉛粉末に対して均一に分散しているかどうかの実際的な観察は、例えば、本発明の金属カーボン積層前駆体を、アルゴンイオン照射等により金属基材に垂直な面を切り出して、その断面のSEM観察で識別することが可能である。すなわち、カーボンブラックの粒子径が数10~100nm程度の球形であるのに対し、黒鉛粉末はサイズがミクロン以上と大きく、しかも、その形状は鱗片状薄片を最小基本構成単位とすることにより、両者を区別することができる。
具体的には、ミキサー食用のミキサー(たとえば、株式会社エフ・エム・アイ社製ロボクープブリクサーBLIXER-3D)を用いて、少なくとも5分以上の混練時間を必要とする。また、いわゆる遊星ボールミルも好適に用いることができる、例えば、フリッチュ・ジャパン社製P-5を用い、回転数300rpmで、1mmΦのボールを用いて、乾式で10分ごとに反転させ30分間以上の処理が好ましい。特に、水を溶媒とした湿式で、上述と同じ条件で分散することで、電気抵抗の低減効果が最も高かった。
なお、カーボンブラックが凝集せずに黒鉛粉末に対して均一に分散しているかどうかの実際的な観察は、例えば、本発明の金属カーボン積層前駆体を、アルゴンイオン照射等により金属基材に垂直な面を切り出して、その断面のSEM観察で識別することが可能である。すなわち、カーボンブラックの粒子径が数10~100nm程度の球形であるのに対し、黒鉛粉末はサイズがミクロン以上と大きく、しかも、その形状は鱗片状薄片を最小基本構成単位とすることにより、両者を区別することができる。
本発明において、炭素樹脂混合層におけるバインダー樹脂と混合炭素粉との割合については、金属カーボン積層前駆体Xの炭素樹脂混合層が所定の空隙率を有するようにすると共に、金属カーボン積層前駆体Xを加熱加圧処理して得られる金属カーボン積層部材Yでのカーボン層の導電性や強度等を考慮すると、好ましくはバインダー樹脂と混合炭素粉との質量比が5:95~40:60であるのがよく、より好ましくは10:90~35:65であるのがよい。また、混合炭素粉における黒鉛粉末とカーボンブラックとの割合については、カーボンブラックを添加したことによる流動性改善効果をより確実にする観点から、好ましくは黒鉛粉末とカーボンブラックとの質量比が99:1~90:10であるのがよく、より好ましくは98:2~92:8であるのがよい。なお、混合炭素粉におけるカーボンブラックの割合が高くなり過ぎた場合、嵩高いため秤量、混合等のハンドリングが困難であることなどが考えられることから、混合炭素粉におけるカーボンブラックの割合の上限は上記質量比のとおりの質量%としている。
また、金属基材については、金属薄板からなるものを用いることができ、例えば、ステンレススチール、チタン、チタン合金、アルミニウム合金等の金属箔を挙げることができる。この金属基材の厚みについては特に制限はなく、本発明に係る金属カーボン積層前駆体Xを加熱加圧処理して得られる金属カーボン積層部材Yの用途やその種類等によっても異なるが、例えば、固体高分子形燃料電池のセパレータに使用する場合、金属基材の厚みは10~200μmであるのがよい。このうち、家庭等で使用される定置型用途のセパレータでは、好ましくは50~200μmの厚みを有する金属基材を用いるのがよく、また、自動車用燃料電池のような薄肉化が求められる用途では好ましくは10~100μmの厚みを有する金属基材を用いるのがよい。
次に、本発明における金属カーボン積層前駆体Xを製造する方法について説明する。その製造方法については特に制限はないが、好適には、使用する材料の形態に応じて、以下のような方法を用いることができる。
先ずは、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂、及び溶媒を含んだスラリー状の混合材料を用いる場合、このスラリー状の混合材料を金属薄板からなる金属基材の表面に配し、次いで、熱処理することで、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させ、図3に示したように、混合炭素粉の黒鉛粉末やカーボンブラックの粒子間をバインダー樹脂で結着させて、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属基材の少なくとも片面に積層させる。
先ずは、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂、及び溶媒を含んだスラリー状の混合材料を用いる場合、このスラリー状の混合材料を金属薄板からなる金属基材の表面に配し、次いで、熱処理することで、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させ、図3に示したように、混合炭素粉の黒鉛粉末やカーボンブラックの粒子間をバインダー樹脂で結着させて、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属基材の少なくとも片面に積層させる。
このようなスラリー状の混合材料において使用する溶媒としては特に制限はなく、アルコール類やエーテル類等を挙げることができるが、バインダー樹脂や混合炭素粉の均一分散を考慮すると、好ましくは、1-ブチルアルコールやエチレングリコールモノブチルエーテル等を用いるのがよい。また、スラリー状の混合材料を金属薄板からなる金属基材の表面に配する手段としては、一般に用いられる印刷法や塗布法、塗工法等を挙げることができる。
また、このときの熱処理での温度や時間については、使用するバインダー樹脂の種類や混合材料の配合等によっても異なるが、金属基材上に積層される炭素樹脂混合層が所定の硬化度や空隙率を有するように決めることができる。例えば、フェノール樹脂の場合には80~110℃の温度で3~30分程度の熱処理を行うのがよく、また、エポキシ樹脂の場合にも同程度の熱処理を行うのがよい。なお、この熱処理は、金属基材の表面に配したスラリー状の混合材料から溶媒を除去する溶媒乾燥処理を兼ねたものとなる。
一方、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ粉体状の混合材料を用いる場合には、先ずは、この粉体状の混合材料からシート体を形成する第一の熱処理を行い、次いで、このシート体を金属薄板からなる金属基材の表面に配して、第二の熱処理を行うことで、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させて、先のスラリー状の混合材料の場合と同様、図3に示したように、混合炭素粉の黒鉛粉末やカーボンブラックの粒子間をバインダー樹脂で結着させ、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属基材の少なくとも片面に積層させる。
このとき、第一の熱処理と第二の熱処理によって、いずれもバインダー樹脂は予備硬化するが、第一の熱処理では、少なくとも粉体状の混合材料からシート体を形成する必要があることから、好ましくは、粉体状の混合材料を0.1~2MPa程度の加圧下で熱処理するのがよい。また、第二の熱処理では、シート体を金属基材上に積層させる必要があることから、やはり0.1~2MPa程度の加圧下で熱処理するのが好ましい。第一、第二の熱処理における温度や時間については、スラリー状の混合材料を用いる場合と同様であり、使用するバインダー樹脂の種類や混合材料の配合等によっても異なるが、例えば、フェノール樹脂の場合には、第一、第二の熱処理ともに、それぞれ80~110℃の温度で3~30分程度の熱処理を行うのがよく、エポキシ樹脂の場合にも同程度の熱処理を行うのがよい。
また、粉体状の混合材料からシート体を形成せずに、例えば、金型等を用いて金属基材の片面又は両面に粉体状の混合材料を配して、0.1~2MPa程度の加圧下で熱処理することで、バインダー樹脂を予備硬化させて、炭素樹脂混合層を金属基材に積層させるようにしてもよい。このときの熱処理は、シート体を形成するときのように第一、第二の熱処理に工程を分ける必要がなく、熱処理温度は、上述した第一、第二の熱処理での場合と同様であるが、熱処理時間については、炭素樹脂混合層の硬化度が主に熱処理の温度と時間によって決まることから、先の第一、第二の熱処理時間を合計した時間となるようにするのがよい。
本発明において金属カーボン積層前駆体Xを製造するにあたり、金属基材上に配する混合材料として粉体状のものを用いるか、スラリー状のものを用いるかについては、金属基材上に形成する炭素樹脂混合層の厚みに応じて使い分けるようにしてもよい。すなわち、スラリー状の混合材料は比較的厚みの薄い炭素樹脂混合層を形成するのに適しており、粉体状の混合材料は比較的厚みの厚い炭素樹脂混合層を形成するのに適している。
例えば、本発明に係る金属カーボン積層前駆体Xを加熱加圧処理して得られる金属カーボン積層部材Yを燃料電池のセパレータに使用する場合、自動車用燃料電池のような薄肉化が求められる用途では、好ましくはスラリー状の混合材料を用いて、厚さ30~750μm程度の炭素樹脂混合層を形成することができる。一方で、家庭等で使用される定置型燃料電池のセパレータの用途では、好ましくは粉体状の混合材料を用いて、厚さ200~6000μm程度の炭素樹脂混合層を形成することができる。なお、これらは金属基材の片側に積層された炭素樹脂混合層の厚みを表す。また、炭素樹脂混合層の厚みは、金属カーボン積層部材Yの用途によっても変わり、任意に設定することができる。更には、スラリー状の混合材料を複数回塗布、塗工して比較的厚い炭素樹脂混合層を形成したり、逆に粉体状の混合材料から極力薄いシート体を得て、比較的薄い炭素樹脂混合層を形成するようにしてもよく、ここで述べた例に制限されない。
また、金属基材の表面にスラリー状や粉体状の混合材料を配する場合や、シート体を配するに際して、予め金属基材の表面に接着剤を塗布するようにしてもよい。この接着剤については特に制限されないが、好ましくは、金属基材上に形成する炭素樹脂混合層のバインダー樹脂と同じ種類の樹脂をアルコール等の溶媒で希釈したものを接着剤として用いるようにするのがよい。
本発明における金属カーボン積層前駆体Xは、金属薄板からなる金属基材上に所定の空隙率を有する炭素樹脂混合層が積層されており、可撓性や柔軟性にも優れることから、長尺状の金属カーボン積層前駆体として製造し、巻取体に連続して巻き取るようにしてもよい。すなわち、巻取体に連続して巻き取られた長尺状の金属カーボン積層前駆体とすることで、輸送性や取扱い性などの面で有利である。
また、本発明によって得られた金属カーボン積層前駆体Xは、加熱加圧処理により炭素樹脂混合層中のバインダー樹脂を本硬化させることで、図2に示したような、金属基材1上にカーボン層11が積層した金属カーボン積層部材Yを製造することができる。その際、例えば、金属カーボン積層部材Yを燃料電池用セパレータとして使用する場合には、図4に示したように、反応ガスを流すガス流路や冷媒を流す冷媒流路のような流路をなす微細な溝(凹部)を形成できる金型20を用いることで、加熱加圧処理により、流路12を備えたカーボン層11を得ることができる。
このときの加熱加圧処理は、金属カーボン積層前駆体Xの炭素樹脂混合層2において予備硬化したバインダー樹脂の硬化反応を進めるようにすればよい。例えば、金属カーボン積層部材Yを燃料電池用セパレータとする場合、好適には、示差走査熱量計により測定される硬化度が60~100%のカーボン層11が得られるようにするのがよい。加熱加圧処理の具体的な処理条件として、例えば、バインダー樹脂がフェノール樹脂の場合には、160~220℃、20~60MPaの加熱加圧条件下で、1秒~20分程度の加熱加圧処理を行うのがよく、エポキシ樹脂の場合にも、同程度の加熱加圧処理を行って、バインダー樹脂を本硬化させればよい。燃料電池用セパレータを得る場合には、加熱加圧処理後のカーボン層11がある程度の空隙率を有するようにするのがよく、このような条件での加熱加圧処理によれば、得られる金属カーボン積層部材Yのカーボン層は空隙率が5~30体積%程度になる。
なお、図5には、金属カーボン積層部材Yを燃料電池用セパレータとした場合の例が示されており、反応ガス等を流す流路12のほかに、反応ガスを供給する開口部13と、MEAを積層するための固定穴14とを有する。但し、燃料電池用セパレータは、このような形状のものに制限されない。また、図2は、この図5に示したセパレータのA-A’断面を表したものである。
また、本発明に係る金属カーボン積層前駆体Xを加熱加圧処理した金属カーボン積層部材Yは、導電性やガス不透過性に優れているだけでなく、柔軟性や耐食性にも優れることから、上記のような燃料電池用セパレータ以外にも利用することができ、例えば、放熱シート、集電体、ガスケット、各種シール材等としても好適である。
以下、実験例に基づいて、本発明の金属カーボン積層前駆体について、より具体的に説明する。但し、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。また、この実験例で使用した各種材料とその略称、及び、諸物性値の測定(評価)方法は下記のとおりである。
<黒鉛粉末>
G1:伊藤黒鉛工業(株)製 球状黒鉛粉末SG-BH8(平均粒子径8μm)
G2:伊藤黒鉛工業(株)製 膨張化黒鉛粉末SG―BH(平均粒子径20μm)
<カーボンブラック>
典型的な導電助剤として、下記の4種類C1~C10を準備した。
C1:デンカ(株)製 デンカアセチレンブラックLi435(平均一次粒子径23nm)
C2:デンカ(株)製 デンカブラック(粉状)(平均一次粒子径35nm)
C3:ライオン・スペシャリティー・ケミカルズ製 ケッチェンブラック ケッチェンブラックEC600JD(平均一次粒子径35nm)
C4:東海カーボン社製導電性グレードカーボンブラック#4500
C5:東海カーボン社製黒鉛化カーボンブラック#3855
C6:C3のEC600JDを、東京真空社製黒鉛化炉を用い、アルゴン流通下、10℃毎分で昇温し、1800℃1時間加熱処理したもの。
C7:C6と同じ方法により2000℃で1時間加熱処理したもの。
C8:C6と同じ方法により2200℃で1時間加熱処理したもの。
C9:C1のLi435をC6と同じ方法により1500℃で1時間加熱処理したもの。
C10:C9と同じ方法により1800℃で1時間加熱処理したもの。
<バインダー樹脂>
R1:リグナイト社製 レゾール型フェノール樹脂 AH1305(液状タイプ、固形分60%)
R2:リグナイト社製 レゾール型フェノール樹脂 AH1148(粉末タイプ)
<溶媒>
E1:東京化成社製 エチレングリコールモノブチルエーテル
<金属基材>
M1:新日鐵住金株式会社製 純チタン1種(厚み50μm)
G1:伊藤黒鉛工業(株)製 球状黒鉛粉末SG-BH8(平均粒子径8μm)
G2:伊藤黒鉛工業(株)製 膨張化黒鉛粉末SG―BH(平均粒子径20μm)
<カーボンブラック>
典型的な導電助剤として、下記の4種類C1~C10を準備した。
C1:デンカ(株)製 デンカアセチレンブラックLi435(平均一次粒子径23nm)
C2:デンカ(株)製 デンカブラック(粉状)(平均一次粒子径35nm)
C3:ライオン・スペシャリティー・ケミカルズ製 ケッチェンブラック ケッチェンブラックEC600JD(平均一次粒子径35nm)
C4:東海カーボン社製導電性グレードカーボンブラック#4500
C5:東海カーボン社製黒鉛化カーボンブラック#3855
C6:C3のEC600JDを、東京真空社製黒鉛化炉を用い、アルゴン流通下、10℃毎分で昇温し、1800℃1時間加熱処理したもの。
C7:C6と同じ方法により2000℃で1時間加熱処理したもの。
C8:C6と同じ方法により2200℃で1時間加熱処理したもの。
C9:C1のLi435をC6と同じ方法により1500℃で1時間加熱処理したもの。
C10:C9と同じ方法により1800℃で1時間加熱処理したもの。
<バインダー樹脂>
R1:リグナイト社製 レゾール型フェノール樹脂 AH1305(液状タイプ、固形分60%)
R2:リグナイト社製 レゾール型フェノール樹脂 AH1148(粉末タイプ)
<溶媒>
E1:東京化成社製 エチレングリコールモノブチルエーテル
<金属基材>
M1:新日鐵住金株式会社製 純チタン1種(厚み50μm)
〔空隙率の測定〕
島津製作所社製自動水銀ポロシメータ(オートポアIV 9520)を用いて、水銀圧入データを測定した。測定に際しては、得られた金属カーボン積層前駆体の炭素樹脂混合層から一辺10mmの正方形に切り出したシート状サンプルを5枚用意し、専用のサンプル容器に入れて測定した。400MPaまで圧入した時の水銀圧入量(積算した値)(単位:mL)を炭素樹脂混合層の空隙とし、サンプル形状と厚みから算出した炭素樹脂混合層の体積に対するこの空隙の割合を空隙率として定義する。
島津製作所社製自動水銀ポロシメータ(オートポアIV 9520)を用いて、水銀圧入データを測定した。測定に際しては、得られた金属カーボン積層前駆体の炭素樹脂混合層から一辺10mmの正方形に切り出したシート状サンプルを5枚用意し、専用のサンプル容器に入れて測定した。400MPaまで圧入した時の水銀圧入量(積算した値)(単位:mL)を炭素樹脂混合層の空隙とし、サンプル形状と厚みから算出した炭素樹脂混合層の体積に対するこの空隙の割合を空隙率として定義する。
〔硬化度の測定〕
示差走査熱量計(DSCと略記)(NETZSCH社 DSC 214 Polyma)を用いて、測定対象サンプル(金属カーボン積層前駆体の炭素樹脂混合層)のDSCデータを測定した。測定条件は昇温速度10℃/分として、装置に付属のソフトにより発熱ピークから総発熱量を算出し、使用した混合材料の総発熱量を同様にして算出して、下記式から硬化度(DSC:%)を算出した。
硬化度(%)=100-〔(炭素樹脂混合層の総発熱量/混合材料の総発熱量)×100〕
示差走査熱量計(DSCと略記)(NETZSCH社 DSC 214 Polyma)を用いて、測定対象サンプル(金属カーボン積層前駆体の炭素樹脂混合層)のDSCデータを測定した。測定条件は昇温速度10℃/分として、装置に付属のソフトにより発熱ピークから総発熱量を算出し、使用した混合材料の総発熱量を同様にして算出して、下記式から硬化度(DSC:%)を算出した。
硬化度(%)=100-〔(炭素樹脂混合層の総発熱量/混合材料の総発熱量)×100〕
〔X線回折法によるLcの測定〕
CuKα線をX線源に用い、いわゆる粉末X線回折法のよりカーボンブラックのX線回折パターンを測定した。装置のスリット条件は、発散スリット1°、受光スリット0.15mm、散乱スリット1°に設定した。測定にはリガク社製SmartLabを用いた。26°近傍に観測される黒鉛結晶の(002)面回折線のピーク位置、半値幅から、Scherrerの式を用いて、002回折線による結晶子サイズの大きさ、即ち、C軸方向の結晶子の大きさLcを算出した。なお、Scherrer式のK値は、1.05としてLcを算出した。
CuKα線をX線源に用い、いわゆる粉末X線回折法のよりカーボンブラックのX線回折パターンを測定した。装置のスリット条件は、発散スリット1°、受光スリット0.15mm、散乱スリット1°に設定した。測定にはリガク社製SmartLabを用いた。26°近傍に観測される黒鉛結晶の(002)面回折線のピーク位置、半値幅から、Scherrerの式を用いて、002回折線による結晶子サイズの大きさ、即ち、C軸方向の結晶子の大きさLcを算出した。なお、Scherrer式のK値は、1.05としてLcを算出した。
〔水銀圧入法による水銀吸収量の測定〕
カーボンブラックを0.5~2.0g計り取り、50mLのガラス製のサンプル瓶に入れ、更に、直径1mmのガラスビーズを10~20g、水を15g入れ密栓し、粒子同士の凝集を解砕し充分に分散させる目的で、ロッキングミル(株式会社セイワ技研社製RM-01)を用いてスラリーを調製した。処理条件は、300rpmで10分間処理とした。調製したスラリーを減圧濾過したのち、100℃で数時間真空乾燥し、その粉末を、直径10mmの円柱状のペレット成型用の金型を用い、10MPaで圧密し、直径10mm厚さ数mmのペレット状にしたものを、水銀圧入用の試料とした。このようにして成形された試料を測定装置(島津製作所株式会社製オートポアIV9520)のサンプル容器内に装填し、導入初期圧力5kPa及び最高圧入圧力は400MPaの条件で水銀を圧入し、水銀圧力と水銀吸収量を測定した。測定した結果から、水銀圧力を細孔直径(μm)に換算したものを横軸にし、縦軸に水銀吸収量(cc/g)としてこれらの関係を求め、細孔直径10nm~500nmの間の水銀吸収量(水銀圧入量)VHgを算出した。なお、細孔直径への換算は装置に付属の解析ソフトによって行った。
カーボンブラックを0.5~2.0g計り取り、50mLのガラス製のサンプル瓶に入れ、更に、直径1mmのガラスビーズを10~20g、水を15g入れ密栓し、粒子同士の凝集を解砕し充分に分散させる目的で、ロッキングミル(株式会社セイワ技研社製RM-01)を用いてスラリーを調製した。処理条件は、300rpmで10分間処理とした。調製したスラリーを減圧濾過したのち、100℃で数時間真空乾燥し、その粉末を、直径10mmの円柱状のペレット成型用の金型を用い、10MPaで圧密し、直径10mm厚さ数mmのペレット状にしたものを、水銀圧入用の試料とした。このようにして成形された試料を測定装置(島津製作所株式会社製オートポアIV9520)のサンプル容器内に装填し、導入初期圧力5kPa及び最高圧入圧力は400MPaの条件で水銀を圧入し、水銀圧力と水銀吸収量を測定した。測定した結果から、水銀圧力を細孔直径(μm)に換算したものを横軸にし、縦軸に水銀吸収量(cc/g)としてこれらの関係を求め、細孔直径10nm~500nmの間の水銀吸収量(水銀圧入量)VHgを算出した。なお、細孔直径への換算は装置に付属の解析ソフトによって行った。
〔金型成型による溝形状評価〕
図6(a)に示したように、凹部の幅a=0.4mm、凹部の間隔b=0.4mm、凹部の深さc=0.4mm、及び凹部の長さ(図示外)=100mmの矩形溝42を合計100本有する試験金型41を用いて、実験例で得られた金属カーボン積層前駆体を温度200℃、圧力40MPaの加熱加圧条件で、10秒間の加熱加圧処理を行った。得られた金属カーボン積層部材について、そのカーボン層31(金属カーボン積層前駆体の炭素樹脂混合層が加熱加圧処理されたもの)に形成された溝形状を評価した。なお、この試験金型41の凹部はR=0.02で加工されたものである。
図6(a)に示したように、凹部の幅a=0.4mm、凹部の間隔b=0.4mm、凹部の深さc=0.4mm、及び凹部の長さ(図示外)=100mmの矩形溝42を合計100本有する試験金型41を用いて、実験例で得られた金属カーボン積層前駆体を温度200℃、圧力40MPaの加熱加圧条件で、10秒間の加熱加圧処理を行った。得られた金属カーボン積層部材について、そのカーボン層31(金属カーボン積層前駆体の炭素樹脂混合層が加熱加圧処理されたもの)に形成された溝形状を評価した。なお、この試験金型41の凹部はR=0.02で加工されたものである。
具体的には、キーエンス社製マクロスコープVR-3000を用いて、試験金型41における複数の矩形溝42をそれぞれ幅方向に横切る方向(図6中の破線矢印方向)に測定を行い、各矩形溝42の底面を形成する直線Dの合計を求めた。また、カーボン層31について、同じく上記マクロスコープを用いて、試験金型41により形成された複数の突条凸部32をそれぞれ幅方向に横切る方向(図6中の破線矢印方向)に測定を行い、各突条凸部32の頂部を形成する直線D’の合計を求めて、下記式より成型精度係数を算出した。なお、図6(b)には、矩形溝42の底面を形成する直線Dと突条凸部32の頂部を形成する直線D’について、拡大して表したものである。また、本実験例における金属カーボン積層前駆体は、金属基材の表裏両面に炭素樹脂混合層を形成し、各炭素樹脂混合層に対してそれぞれ試験金型41を用いて加熱加圧処理しているが、この溝形状評価では、得られた金属カーボン積層部材の一方のカーボン層について評価して、成型精度係数を算出した。
成型精度係数(%)=〔(直線D’の合計)/(直線Dの合計)〕×100
成型精度係数(%)=〔(直線D’の合計)/(直線Dの合計)〕×100
〔貫通抵抗の評価〕
上記〔金型成型による溝形状評価〕で得られた加熱加圧処理後の金属カーボン積層部材について、次のようにして貫通抵抗を測定した。
先ず、金(Au)からなる一辺が1cmの正方形の板を電極として上下に配置し、これらの間に測定対象のサンプル(金属カーボン積層部材)を挟んで5MPaの圧力を加えた状態で、10mAの直流電流を流して、そのときの上下の電極間の電圧を測定し、抵抗値を算出した。
上記〔金型成型による溝形状評価〕で得られた加熱加圧処理後の金属カーボン積層部材について、次のようにして貫通抵抗を測定した。
先ず、金(Au)からなる一辺が1cmの正方形の板を電極として上下に配置し、これらの間に測定対象のサンプル(金属カーボン積層部材)を挟んで5MPaの圧力を加えた状態で、10mAの直流電流を流して、そのときの上下の電極間の電圧を測定し、抵抗値を算出した。
(実験例1:熱処理による空隙率と硬化度の制御)
先ず、黒鉛粉末としてG1の球状黒鉛粉末を9.5質量部、及びカーボンブラックとしてC1のLi435を0.5質量部用意し、これらを業務用のカッターミキサー(株式会社エフ・エム・アイ社製ロボクープブリクサーR-3D)に入れ、30分間処理することで、黒鉛粉末とカーボンブラック粉末とが十分に混合した混合炭素粉を準備した。次に、得られた混合炭素粉と共に、バインダー樹脂としてR1のレゾール型フェノール樹脂を2質量部、及び、溶媒としてE1のエチレングリコールモノブチルエーテル7質量部を容器に封入し、シンキー(THINKY)社製のPlanetary Vacuum Mixerを用いて300回転/分で1分間混練し、その後1000回転/分で2分混練して、スラリー状の混合材料を得た。
先ず、黒鉛粉末としてG1の球状黒鉛粉末を9.5質量部、及びカーボンブラックとしてC1のLi435を0.5質量部用意し、これらを業務用のカッターミキサー(株式会社エフ・エム・アイ社製ロボクープブリクサーR-3D)に入れ、30分間処理することで、黒鉛粉末とカーボンブラック粉末とが十分に混合した混合炭素粉を準備した。次に、得られた混合炭素粉と共に、バインダー樹脂としてR1のレゾール型フェノール樹脂を2質量部、及び、溶媒としてE1のエチレングリコールモノブチルエーテル7質量部を容器に封入し、シンキー(THINKY)社製のPlanetary Vacuum Mixerを用いて300回転/分で1分間混練し、その後1000回転/分で2分混練して、スラリー状の混合材料を得た。
次いで、250mm×400mm×厚さ50μmのチタン箔(M1:純チタン1種)の表面を予めアセトンで十分に洗浄した上で、その片面に上記で得られたスラリー状の混合材料を塗工した。塗工の際には、ドクターブレードで熱処理後に所定の厚みになるようにギャップを調整し、自動塗工機(BEVS社製 Adjustable Applicator)を用いて、アプリケータの移動速度を20mm/分として塗工した。塗工面積は15cm×35cmとした。
次に、80℃に設定した温風乾燥器にチタン箔ごと入れて、5分間の溶媒乾燥処理を行った上で、予め90℃に保温したホットプレス機を用いて、0.8MPaの加圧下で1分間の熱処理を行った。次いで、チタン箔のもう片面に対しても上記と同様にしてスラリー状の混合材料を塗工し、溶媒を乾燥させた上で、同じ条件で熱処理を行った。このようにして、チタン箔の両面にそれぞれ厚さ30μmの炭素樹脂混合層を備えて、総厚みが約110μmである実験No.1-1に係る金属カーボン積層前駆体を得た。また、混合材料の配合や熱処理条件を表1に示したように変更した以外は実験No.1-1と同様にして、実験No.1-2~1-24に係る金属カーボン積層前駆体を得た。
上記実験例1で得られた各実験No.の金属カーボン積層前駆体について、上述した方法で炭素樹脂混合層の空隙率と硬化度を測定した。また、先の〔金型成型による溝形状評価〕、〔貫通抵抗の評価〕に記載した方法によって、これら金属カーボン積層前駆体の加熱加圧処理を行い、得られた金属カーボン積層部材の貫通抵抗、及びカーボン層の成型精度係数を求めた。結果を表2に示す。更には、使用したカーボンブラックについて、先の〔X線回折法によるLcの測定〕と〔水銀圧入法による水銀吸収量の測定〕に従って求めたLcとVHgを算出し、結果を表2にまとめて示す。
(実験例2:混合炭素粉の調製方法の効果)
実験例1における混合炭素粉の調製方法を変えて、黒鉛とカーボンブラックの分散の効果を検討した。実験例1で使用したカッターミキサー装置(装置Aと記す)において、混合処理時間を表3に示したように変更した。また、混合炭素粉の分散状態をより良好にする目的で、表3に示したように、遊星ボールミル(フリッチュ・ジャパン社製遊星ボールミルP-5、装置Bと記す)による混合を行った。なお、この装置Bで用いた容器・ボールはジルコニア製で、ボールサイズは1mmφとした。80mL容器を用い、混合炭素粉25mL、ボール25mLを容器に入れ、表3に示す回転数、時間で処理した。
実験例1における混合炭素粉の調製方法を変えて、黒鉛とカーボンブラックの分散の効果を検討した。実験例1で使用したカッターミキサー装置(装置Aと記す)において、混合処理時間を表3に示したように変更した。また、混合炭素粉の分散状態をより良好にする目的で、表3に示したように、遊星ボールミル(フリッチュ・ジャパン社製遊星ボールミルP-5、装置Bと記す)による混合を行った。なお、この装置Bで用いた容器・ボールはジルコニア製で、ボールサイズは1mmφとした。80mL容器を用い、混合炭素粉25mL、ボール25mLを容器に入れ、表3に示す回転数、時間で処理した。
得られたスラリー状の混合材料は、実験例1と同様にして片面ずつチタン箔M1に塗工し、80℃で5分間の溶媒乾燥処理を行った上で、予め90℃に保温したホットプレス機を用いて、0.8MPaの加圧下で1.7分間の熱処理を行い、チタン箔の両面にそれぞれ厚さ30μmの炭素樹脂混合層を備えて、総厚みが約110μmである実験No.2の各金属カーボン積層前駆体を得た。得られた金属カーボン積層前駆体について、実験例1と同じように、炭素樹脂混合層の空隙率や硬化度をはじめ、貫通抵抗、及びカーボン層の成型精度係数を求めた。結果を表4にまとめて示す。
(実験例3:粉体状の混合材料の使用)
黒鉛粉末としてG1の球状黒鉛粉末を6.65質量部、カーボンブラックとしてC1のアセチレンブラックLi435を0.5質量部各々用意し、先ず、G1とC1とを実験例1と同じ方法・条件で十分に混練した後、更に、バインダー樹脂としてR2のレゾール型フェノール樹脂を2質量部用意して、このR2を加えて、同じ装置で、処理時間を5分にして分散を目的とした処理を施した。ちなみに、本実験例で用いたカッターミキサーでは、処理時間は5分程度が最適であり、10分を超えると、R2などの熱硬化性樹脂がカッターミキサー工程で加熱され、カーター刃への融着や分散不良を生じ、最終的に得られる金属カーボン積層部材の貫通抵抗は2.9mΩ・cm2で良好であるが、金属カーボン積層前駆体における炭素樹脂混合層の空隙率の低下(31%)や、加熱加圧処理による成型加工精度の低下(82%)に至り、本発明には適用できなかった。
黒鉛粉末としてG1の球状黒鉛粉末を6.65質量部、カーボンブラックとしてC1のアセチレンブラックLi435を0.5質量部各々用意し、先ず、G1とC1とを実験例1と同じ方法・条件で十分に混練した後、更に、バインダー樹脂としてR2のレゾール型フェノール樹脂を2質量部用意して、このR2を加えて、同じ装置で、処理時間を5分にして分散を目的とした処理を施した。ちなみに、本実験例で用いたカッターミキサーでは、処理時間は5分程度が最適であり、10分を超えると、R2などの熱硬化性樹脂がカッターミキサー工程で加熱され、カーター刃への融着や分散不良を生じ、最終的に得られる金属カーボン積層部材の貫通抵抗は2.9mΩ・cm2で良好であるが、金属カーボン積層前駆体における炭素樹脂混合層の空隙率の低下(31%)や、加熱加圧処理による成型加工精度の低下(82%)に至り、本発明には適用できなかった。
このようにして準備して充分に分散した混合炭素粉と樹脂粉R2の混合体について、更に、膨張化黒鉛であるG2を2.85質量部用意して、これらを愛知電機社製ロッキングミキサーRM-10により30回転/分で1分間混合し、粉体からなる混合材料を調製した。膨張化黒鉛であるG2は強いシェアをかけると材料が剥離して、かえって凝集を高める結果になるため、シェアのかけ方に注意を要するため、上記の条件を選定した。
上記で得られた粉体からなる混合材料を所定の厚みとなるように内寸50mm角の金型内で、49.7mm角×10mm厚みのプレートで挟み込み、圧力2MPa、温度90℃で10分間のホットプレス(第一の熱処理)を行い、50mm×50mm×厚さ約3mmのシート体を得た。同様にして合計2枚のシート体を準備し、50mm×50mm×厚さ50μmのチタン箔(M1:純チタン1種)の表裏両面にシート体を重ねて合せて、前述の内寸50mm角の金型を用いて、圧力2MPa、温度90℃で10分間のホットプレスを行った(第二の熱処理)。このようにして、チタン箔の表裏両面にそれぞれ厚さ約3mmの炭素樹脂混合層を備えて、総厚みが約6mmである実験No.3-1の金属カーボン積層前駆体を得た。
また、混合材料の配合、及び熱処理の条件を表5に示したように変更した以外は実験No.3-1の場合と同様にして、実験No.3-2の金属カーボン積層前駆体を得た。得られた金属カーボン積層前駆体について、実験例1と同じように、炭素樹脂混合層の空隙率や硬化度をはじめ、貫通抵抗、及びカーボン層の成型精度係数を求めた。結果を表6にまとめて示す。
更に、上記と同様にして実験No.3-1の金属カーボン積層前駆体と実験No.3-2の金属カーボン積層前駆体とをそれぞれ用意して、温度200℃、圧力の40MPaの加熱加圧条件で、20分間のプレス成型(加熱加圧処理)を行った。このようにして得られた金属カーボン積層部材について、熱拡散率・熱伝導率測定装置(アイフェイズ社製アイフェイズ・モバイル 1u)を用いて、厚み方向(加圧方向)の熱伝導率を測定したところ、実験No.3-1に係る金属カーボン積層部材では26.0W/m・Kであり、実験No.3-2に係る金属カーボン積層部材では16.0W/m・Kであった。ちなみに、スマートフォンやタブレット等の小型電子機器のCPU等の発熱体から熱を拡散(放熱)するのに用いられている放熱シートのうち、市販されている厚みが同程度のカーボングラファイト製放熱シートでは、厚み方向の熱伝導率は4~7W/m・K程度である(例えば、アイルドリーム社製カーボングラファイトMHMのカタログhttp://www004.upp.so-net.ne.jp/ill-dream/361161651.pdfを参照)。つまり、本発明に係る金属カーボン積層前駆体を用いれば、熱伝導性に優れた放熱シートを得ることができる。しかも、本発明の金属カーボン積層前駆体は、金属基材によって補強されて柔軟性や可撓性に優れながら、加熱加圧処理後のカーボン層が優れた成型精度を有するため、発熱体への密着性に富むほか、凹凸形状を付して放熱効果を高めるようなことも可能であり、例えば、上記のように小型電子機器に搭載されるCPU等のチップの放熱シートに加えて、大型ディスプレーやLED照明等の裏面に装着して、発生する熱を伝熱放熱するような場合にも好適に利用することができる。
(実験例4:カーボンブラック種と混合量の効果)
表7に示したように、カーボンブラックの種類を変更した以外は先の実験例No.1-6の場合と同様にした実験例No.4-1~4-9と、更に、実験例No.4-9におけるG1とC10との混合割合を変えた実験例No.4-10~4-17とを行った。その際、実験例No.4-17では、混合炭素粉の調整方法として、実験例No.1-6の場合におけるカッターミキサー(装置A)のかわりに遊星ボールミル(装置B)を使用して、回転数200rpmで20分の処理を行った。これら以外は実験例1と同様にし、実験No.4の各金属カーボン積層前駆体を得た。得られた金属カーボン積層前駆体について、実験例1と同じように、炭素樹脂混合層の空隙率や硬化度をはじめ、貫通抵抗、及びカーボン層の成型精度係数を求めた。結果を表8にまとめて示す。
表7に示したように、カーボンブラックの種類を変更した以外は先の実験例No.1-6の場合と同様にした実験例No.4-1~4-9と、更に、実験例No.4-9におけるG1とC10との混合割合を変えた実験例No.4-10~4-17とを行った。その際、実験例No.4-17では、混合炭素粉の調整方法として、実験例No.1-6の場合におけるカッターミキサー(装置A)のかわりに遊星ボールミル(装置B)を使用して、回転数200rpmで20分の処理を行った。これら以外は実験例1と同様にし、実験No.4の各金属カーボン積層前駆体を得た。得られた金属カーボン積層前駆体について、実験例1と同じように、炭素樹脂混合層の空隙率や硬化度をはじめ、貫通抵抗、及びカーボン層の成型精度係数を求めた。結果を表8にまとめて示す。
上記実験例1~4の各実験結果から分かるように、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉を用いながら、空隙率が40~80体積%であると共に、DSC硬化度が10~50%の炭素樹脂混合層を備えた金属カーボン積層前駆体であれば、それ以外の金属カーボン積層前駆体に比べて、金型を用いた加熱加圧処理において優れた成型精度を示しながら、得られる金属カーボン積層部材の貫通抵抗の低減効果を確実に発現させることができるものであった。
1:金属基材、2:炭素樹脂混合層、3:黒鉛粉末、4:カーボンブラック、5:バインダー樹脂、11:カーボン層、12:流路、13:開口部、14:固定穴、20:金型、31:カーボン層、32:突条凸部、41:試験金型、42:矩形溝。
Claims (13)
- 加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体であって、
金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に、黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ炭素樹脂混合層が積層されており、該炭素樹脂混合層は、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%であり、加熱加圧処理により炭素樹脂混合層中のバインダー樹脂を本硬化させて、金属基材上にカーボン層が積層した金属カーボン積層部材を得ることができることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体。 - 前記炭素樹脂混合層中のバインダー樹脂と混合炭素粉との質量比が5:95~40:60であり、且つ、混合炭素粉における黒鉛粉末とカーボンブラックとの質量比が99:1~90:10である請求項1に記載の金属カーボン積層前駆体。
- 前記カーボンブラックが、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、及び高結晶性のカーボンブラックからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の金属カーボン積層前駆体。
- 前記カーボンブラックの粉末X線回折によるC軸方向の結晶子サイズLcが、2nm以上10nm以下である請求項1~3のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。
- 前記カーボンブラックが、水銀圧入法による細孔容積測定において、細孔直径が10nm~500nmの水銀圧入量VHgが、1.5mL/g以上3.0mL/g以下である請求項1~4のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。
- 前記金属カーボン積層部材が、燃料電池用のセパレータである請求項1~5のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体。
- 加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体を製造する方法であって、
黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂、及び溶媒を含んだスラリー状の混合材料を金属薄板からなる金属基材の表面に配し、熱処理して、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させることで、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に積層させることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体の製造方法。 - 加圧下で加熱する加熱加圧処理により金属基材とカーボン層との金属カーボン積層部材を得ることができる金属カーボン積層前駆体を製造する方法であって、
黒鉛粉末とカーボンブラックとの混合炭素粉、及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ粉体状の混合材料からシート体を形成する第一の熱処理と、該シート体を金属薄板からなる金属基材の表面に配して行う第二の熱処理とを有して、混合材料中のバインダー樹脂を予備硬化させることで、空隙率が40~80体積%であると共に、示差走査熱量計により測定される硬化度が10~50%である炭素樹脂混合層を金属薄板からなる金属基材の少なくとも片面に積層させることを特徴とする、金属カーボン積層前駆体の製造方法。 - 前記混合材料中のバインダー樹脂と混合炭素粉との質量比が5:95~40:60であり、且つ、混合炭素粉における黒鉛粉末とカーボンブラックとの質量比が99:1~90:10である請求項7又は8に記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
- 前記カーボンブラックが、多孔質カーボンブラック、アセチレンブラック、及び高結晶性のカーボンブラックからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である請求項7~9のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
- 前記カーボンブラックの粉末X線回折によるC軸方向の結晶子サイズLcが、2nm以上10nm以下である請求項7~10のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
- 前記カーボンブラックが、水銀圧入法による細孔容積測定において、細孔直径が10nm~500nmの水銀圧入量VHgが、1.5mL/g以上3.0mL/g以下である請求項7~11のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
- 前記金属カーボン積層部材が、燃料電池用のセパレータである請求項7~12のいずれかに記載の金属カーボン積層前駆体の製造方法。
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