以下、本発明の実施の形態に係るキャッシュアウトシステムについて図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下の実施の形態において、店舗としてコンビニエンスストアを想定し、現金決済端末にはレジ端末を想定して説明している。ただし、特にこれらに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムは、金融機関カードを管理する金融機関システムにネットワーク3を介して接続されるカード決済端末2と、カード決済端末2に接続された現金決済端末1と、キャッシュアウトする払出金額の入力を取得し、払出金額を特定するための課金識別子を生成して出力する課金管理装置4と、課金識別子を読み取るリーダ5とで構成されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムのカード決済端末2の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態1に係るカード決済端末2は、少なくとも金融機関カードを読み取る読取部21、金融機関システムとのデータ通信を行う通信部22、及び暗証番号の入力を受け付ける入力部23とを備えている。金融機関カードの暗証番号の入力を受け付けることで、金融機関の口座からキャッシュアウトに相当する金額を引き落とすことができる。
読取部21では、実カードを読み取ることはもちろん、例えばスマートフォンのウォレット内のカードを読み取っても良い。また、金融機関カードとしては、銀行キャッシュカード、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード等、金融機関に管理されているカードであれば特に限定されるものではない。
図3は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの現金決済端末1の構成を示す模式図である。図3に示すように、本実施の形態1に係る現金決済端末1は、通常のレジ端末と同様に、CPU、IC、マイコン、FPGA等で構成される演算を行う制御部(中央演算装置)11、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するメモリ12、ハードディスク等の記憶装置13、I/Oインタフェース14、可搬型ディスクドライブ15、通信インタフェース16及び上述したハードウェアを接続する内部バス17で構成されている。
制御部11は、内部バス17を介して現金決済端末1の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ12は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
記憶装置13は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD-ROM、USBメモリ等の可搬型記録媒体90から、可搬型ディスクドライブ15によりダウンロードされ、実行時には記憶装置13からメモリ12へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース16を介して、接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
通信インタフェース16は内部バス17に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、カード決済端末2、課金管理装置4、リーダ5等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
I/Oインタフェース14は、入力装置18と接続され、データの入力を受け付ける。また、I/Oインタフェース14は、CRTモニタ、LCD等の表示装置19とも接続され、所定の画像を表示する。
リーダ5は、例えば光学読取装置で構成されており、課金管理装置4で生成された、払出金額を特定するための課金識別子、例えばQRコード(登録商標)、バーコード等を読み取る。本実施の形態1では、課金識別子がバーコードであり、課金管理装置4から印字出力される場合について説明する。この場合、リーダ5にバーコードをかざすことにより、現金決済端末1は必要な情報を取得することができる。
図4は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの課金管理装置4を、CPUを用いた場合の構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施の形態1に係る課金管理装置4は、演算を行う演算部を構成するCPU(中央演算装置)41、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するメモリ42、記憶装置43、I/Oインタフェース44、通信インタフェース45及び上述したハードウェアを接続する内部バス46で構成されている。
CPU41は、内部バス46を介して課金管理装置4の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置43に記憶しているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ42は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラムの実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
記憶装置43は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置43に記憶しているコンピュータプログラムは、プログラム及びデータ等の情報として、通信インタフェース45を介して、接続されている外部のコンピュータからダウンロードされる。実行時には記憶装置43からメモリ42へ展開して実行される。
通信インタフェース45は内部バス46に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、現金決済端末1、あるいは外部の(携帯型)端末装置、例えばスマートフォン6等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
I/Oインタフェース44は、入力装置と表示装置とを兼ね備えたタッチディスプレイ47等に接続され、所定の画像を表示するとともに、データの入力を受け付ける。
以下、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの機能ブロック図である。
図5に示すように、現金決済端末1のキャッシュアウト情報生成部101は、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報を生成する。この時点で実際に店舗において払い出すことが可能な現金に合わせてキャッシュアウト情報を生成することができ、支払うための現金が過少になることを未然に防ぐことができる。
現金決済端末1の現金払出可能金額提供部102は、生成されたキャッシュアウト情報に対応付けられた現金払出可能金額を課金管理装置4へ送信(提供)する。現金払出可能金額とは、現金払出が可能な金額であり、キャッシュアウト情報に含まれる金額そのものであっても良いし、現金払出が可能な金額として修正を受付けた金額であっても良い。また、払出処理の手数料を含んでも良いし、含まなくても良い。後述する現金払出可能金額提供部442も同様とする。現金をキャッシュアウトしたいユーザは、金融機関システム7とリンクしているカード、例えばキャッシュカード、デビットカード等をカード決済端末2のカード読取部201で読み取らせて、暗証番号取得部202で暗証番号を入力する。
暗証番号の正否は、照合部203が金融機関システム7とデータ通信することで照合する。照合部203で暗証番号が正しいと判断された場合には、課金管理装置4へその旨を示す情報を送信し、このタイミングで課金管理装置4のタッチディスプレイ47に現金払出可能金額表示部401が現金払出可能金額を含めた必要な情報を表示する。
すなわち、課金管理装置4の現金払出可能金額表示部401は、現金決済端末1から受信して記憶してある現金払出可能金額をタッチディスプレイ47に表示し、払出金額入力受付部402は、ユーザから払出金額の入力を受け付ける。図6は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの課金管理装置4の払出可能金額の表示画面の例示図である。
図6に示すように、課金管理装置4のタッチディスプレイ47では、現金決済端末1のキャッシュアウト情報生成部101で生成されたキャッシュアウト情報を、現金の券種ごとに表示する。図6の例では、1万円札が20枚、千円札が100枚、キャッシュアウト用に現金決済端末1に準備されていることを表示している。
ユーザは、キャッシュアウトしたい現金を券種を含めて指定することができる。図7は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの課金管理装置4の払出金額入力画面の例示図である。
図7に示すように、図6に示す画面の払出金額入力ボタン70が選択された場合、課金管理装置4のタッチディスプレイ47に払出金額入力画面が表示される。図7において、金額指定ボタン72を選択して、払出金額を表示領域71に表示させる。
払出金額が確定した時点で、確認ボタン73を選択することで払出金額が確定する。払い出しの手数料は、確定した払出金額に対して決定する。この状態でOKボタン77を選択した場合、券種は特に指定されずにキャッシュアウトされる。
OKボタン77を選択せずに、キャッシュアウトする券種を指定することもできる。この場合、指定することが可能な券種は、券種残表示領域74に表示されている。設定ボタン75で、払い出す券種とその枚数の指定を受け付け、総計表示領域76で確認する。最後に、OKボタン77が選択された場合、指定を受け付けた券種によるキャッシュアウト指示として払出金額に関する情報が現金決済端末1へと送信され、キャッシュアウトが実行される。引落依頼部204は、所定の口座から引き落とすと同時に、店舗の口座に入金する旨を依頼する。手数料を含めた金額を引き落し、同じ金額を店舗の口座に入金しても良い。あるいはキャッシュアウトサービスの運営会社の口座に手数料を入金しても良い。
図5に戻って、課金識別子生成部403は、入力を受け付けた払出金額に関する情報に対応した課金識別子を生成する。課金識別子としては、バーコード、QRコード(登録商標)等、現金決済端末1に接続されているリーダ5を介して読み取り可能なコードであれば、特に限定されるものではない。
課金識別子が生成された時点で、払出金額に関する情報が現金決済端末1へ送信される。なお、払出金額に関する情報には、店舗が定める所定の手数料も含まれる。現金決済端末1の払出金額送信部103は、受信した払出金額に関する情報をカード決済端末2へ転送することで、読み取った金融機関カードに対応する金融機関システム7の指定口座からの引き落とし処理を依頼する。金融機関システム7は、払出金額と手数料との合計金額を所定の口座から引き落とす。
カード決済端末2の引落依頼部204は、現金決済端末1からの依頼を受け付けた時点で、金融機関システム7へ所定の口座からの引き落とし処理を依頼する。金融機関システム7は、所定の口座の暗証番号を照合して、正しければ引き落とし処理を実行して、引落完了通知をカード決済端末2へ送信する。暗証番号が正しくない場合、あるいは引き落とし金額以上の口座残高がない場合には、引き落とし処理はなされずに、その旨を課金管理装置4へ送信して、タッチディスプレイ47に表示する。
引落依頼部204は、金融機関システム7へ所定の口座から引き落とし処理を依頼する代わりに、店舗の口座に入金するよう依頼しても良い。この場合、金融機関システム7は、手数料を含めた金額を所定の口座から引き落とし、同金額を店舗の口座に入金することになる。併せて、キャッシュアウトサービスの運営会社の口座に対して手数料を入金しても良い。
カード決済端末2の引落完了通知受信部205は、金融機関システム7からの引落完了通知を受信し、課金管理装置4の印字出力部404へ課金識別子出力指示を送信する。印字出力部404は、現金決済端末1に接続されているリーダ5が読み取り可能なコード、例えばバーコード、QRコード(登録商標)として、既に生成されている課金識別子を印字出力する。もちろん、紙媒体への印字出力に限定されるものではなく、例えば何度も再利用が可能であってリーダ5が読み取り可能なカード媒体に出力しても良い。
ユーザは、一定時間が経過する前に、印字出力された課金識別子をリーダ5に読み取らせる。すなわち、現金決済端末1の課金識別子読取部104は、印字出力された課金識別子を読み取って、払出情報を取得する。現金決済端末1の現金払出部105は、取得した払出情報を確認し、払い出し指示を表示装置19へ表示する。これにより、店舗の店員は、現金をキャッシュアウトすることが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態1に係るキャッシュアウトシステムの現金決済端末1の制御部11の処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、現金決済端末1の制御部11は、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報を生成する(ステップS801)。この時点で実際に店舗において払い出すことが可能な現金に合わせてキャッシュアウト情報を生成することができ、支払うための現金が過少になることを未然に防ぐことができる。
制御部11は、生成されたキャッシュアウト情報に対応付けられた現金払出可能金額を課金管理装置4へ送信(提供)する(ステップS802)。現金をキャッシュアウトしたいユーザは、金融機関システム7とリンクしているカード、例えばキャッシュカード、デビットカード等をカード決済端末2で読み取らせて、暗証番号を入力する。
暗証番号が正しいと判断された場合には、課金管理装置4へその旨を示す情報を送信し、このタイミングで課金管理装置4のタッチディスプレイ47に現金払出可能金額表示部401が現金払出可能金額を含めた必要な情報を表示する。
制御部11は、受信した払出金額に関する情報をカード決済端末2へ転送して(ステップS803)、読み取った金融機関カードに対応する金融機関システム7の指定口座からの引き落とし処理を依頼する。なお、払出金額に関する情報には、店舗が定める所定の手数料も含まれる。
制御部11は、印字出力された課金識別子をリーダ5により読み取り(ステップS804)、払出情報を取得する。制御部11は、取得した払出情報を確認し、払い出し指示を表示装置19へ表示する(ステップS805)。これにより、店舗の店員は、現金をキャッシュアウトすることが可能となる。
以上のように本実施の形態1によれば、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報に基づいた課金識別子を印字出力し、一定時間内に印字出力された課金識別子を読み取るので、キャッシュアウトする現金が不足することなくキャッシュアウトサービスを提供することができる。また、現金払出可能金額を課金管理装置が把握することができるので、キャッシュアウトすることが可能な金額を、現金を引き出す前に確認する手段を設けることができ、第三者がどの程度の現金が店舗に存在するかを判断することができるので、防犯上無意味な犯罪を抑制することが可能となる。
なお、現金決済端末1は、課金識別子を取得してから一定時間経過するまで、リーダ5が取得した課金識別子とは異なる他の課金識別子を取得しないよう設定しても良い。これにより、取得した課金識別子に関するキャッシュアウト処理が完了するまで他のキャッシュアウト処理を一定時間行わないよう制御することができるので、店舗においてキャッシュアウトするための現金が不足する事態が生じるのを未然に回避することが可能となる。
この場合、例えばメッセージとして、「ただいまお取り扱いを停止しています。」、あるいは「しばらくしてからお取引を開始してください。」との表示を、課金管理装置4のタッチディスプレイ47に表示することが好ましい。これにより、ユーザはしばらくの間キャッシュアウト処理を控えることができる。
また、現金決済端末1は、課金識別子を取得してから一定時間経過するまでキャッシュアウト処理が行われなかった場合、課金識別子を無効にしても良い。例えば20分以内にレジ端末において課金識別子を読み取らなかった場合等に相当する。
この場合、キャッシュアウトに使用しなかった現金を新たにキャッシュアウト処理用の原資として再利用できるので、必要となる現金を無駄に店舗が保管する必要がなくなり、より防犯上の安全性を増すことができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムの構成は、基本的に実施の形態1と同様である。しかし、本実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムは、払出金額を特定するための課金識別子を生成する課金管理装置4の他に、キャッシュアウト情報を表示し、キャッシュアウトする払出金額の入力を受け付ける外部の端末装置として、図4に示すようにスマートフォン6を備える点で実施の形態1と相違する。なお、外部の端末装置としてスマートフォン6を用いる場合について説明するが、ユーザが用いる携帯型の端末装置であれば特にこれに限定されるものではない。
図9は、本発明の実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムのスマートフォン(外部の端末装置)6の構成を示すブロック図である。図9に示すように、本実施の形態2に係るスマートフォン6は、少なくとも画面を表示する表示部とデータ入力を受け付ける入力部とを兼務したタッチディスプレイ61を備えている。タッチディスプレイ61に表示された課金識別子をリーダ5で読み取ることにより、キャッシュアウトを行うことができる。
現金決済端末1、カード決済端末2、課金管理装置4、リーダ5の構成は実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
以下、本発明の実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムの動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムの機能ブロック図である。
図10に示すように、現金決済端末1のキャッシュアウト情報生成部101は、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報を生成する。この時点で実際に店舗において払い出すことが可能な現金に合わせてキャッシュアウト情報を生成することができ、支払うための現金が過少になることを未然に防ぐことができる。
現金決済端末1の現金払出可能金額提供部102は、生成されたキャッシュアウト情報に対応付けられた現金払出可能金額を少なくともスマートフォン6へ送信(提供)する。(課金管理装置4へ送信しても良いが、スマートフォン6に送信している限り必須ではない。)なお、受信したスマートフォン6等ではこの時点で現金払出可能金額を表示することはないので、送信先を特定することなく近距離通信で送信しても良い。現金をキャッシュアウトしたいユーザは、金融機関システム7とリンクしているカード、例えばキャッシュカード、デビットカード等をカード決済端末2のカード読取部201で読み取らせて、暗証番号取得部202で暗証番号を入力する。
暗証番号の正否は、照合部203が金融機関システム7とデータ通信することで照合する。照合部203で暗証番号が正しいと判断された場合には、少なくともカード読み取り時に取得した識別子を有するスマートフォン6へその旨を示す情報を送信する。もちろん、スマートフォン6をカード決済端末2にかざして送信しても良い。このタイミングでスマートフォン6のタッチディスプレイ61に現金払出可能金額表示部601が現金払出可能金額を含めた必要な情報を表示する。
すなわち、スマートフォン6の現金払出可能金額表示部601は、現金決済端末1から受信して記憶してある現金払出可能金額をタッチディスプレイ61に表示し、払出金額入力受付部602は、ユーザから払出金額の入力を受け付ける。図11は、本発明の実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムのスマートフォン6の払出可能金額の表示画面の例示図である。
図11に示すように、スマートフォン6のタッチディスプレイ61では、現金決済端末1のキャッシュアウト情報生成部101で生成されたキャッシュアウト情報を、現金の券種ごとに表示する。図11の例では、払出金額の表示領域111に1万円札が20枚、千円札が100枚、キャッシュアウト用に現金決済端末1に準備されていることを表示している。
ユーザは、キャッシュアウトしたい現金を券種を含めて指定することができる。図12は、本発明の実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムのスマートフォン6の払出金額入力画面の例示図である。
図12に示すように、図11に示す画面の払出金額入力ボタン112が選択された場合、スマートフォン6のタッチディスプレイ61に払出金額入力画面が表示される。図12において、金額指定ボタン122を選択して、払出金額を表示領域121に表示させる。
払出金額が確定した時点で、確認ボタン123を選択することで払出金額が確定する。この状態でOKボタン127を選択した場合、券種は特に指定されずにキャッシュアウトされる。
OKボタン127を選択せずに、キャッシュアウトする券種を指定することもできる。この場合、指定することが可能な券種は、券種残表示領域124に表示されている。設定ボタン125で、払い出す券種とその枚数の指定を受け付け、総計表示領域126で確認する。最後に、OKボタン127が選択された場合、指定を受け付けた券種によるキャッシュアウト指示として払出金額に関する情報が現金決済端末1へと送信され、キャッシュアウトが実行される。なお、払出金額に関する情報には、店舗が定める所定の手数料も含まれる。
図10に戻って、図12のOKボタン127が選択された時点で、払出金額に関する情報は課金管理装置4へも送信される。払出金額に関する情報を受信した課金管理装置4の課金識別子生成部403は、入力を受け付けた払出金額に関する情報に含まれる払出金額及び券種に対応した課金識別子を生成する。課金識別子としては、バーコード、QRコード(登録商標)等、現金決済端末1に接続されているリーダ5を介して読み取り可能なコードであれば、特に限定されるものではない。
現金決済端末1の払出金額送信部103は、受信した払出金額に関する情報をカード決済端末2へ転送することで、読み取った金融機関カードに対応する金融機関システム7の指定口座からの引き落とし処理を依頼する。金融機関システム7は、払出金額と手数料との合計金額を所定の口座から引き落とす。
カード決済端末2の引落依頼部204は、現金決済端末1からの依頼を受け付けた時点で、金融機関システム7へ所定の口座からの引き落とし処理を依頼する。金融機関システム7は、所定の口座の暗証番号を照合して、正しければ引き落とし処理を実行して、引落完了通知をカード決済端末2へ送信する。暗証番号が正しくない場合、あるいは引き落とし金額以上の口座残高がない場合には、引き落とし処理はなされずに、その旨を課金管理装置4へ送信して、タッチディスプレイ47に表示する。
カード決済端末2の引落完了通知受信部205は、金融機関システム7からの引落完了通知を受信し、課金管理装置4へ転送する。課金管理装置4は、引落完了通知を受信した場合、課金識別子送信部405がスマートフォン6へ転送する。課金管理装置4は、例えばカード決済端末2がカードを読み取った時に取得した識別子を有するスマートフォン6に対して、課金識別子を送信しても良い。スマートフォン6の課金識別子表示部603は、タッチディスプレイ61上に、リーダ5が読み取り可能なコード、例えばバーコード、QRコード(登録商標)として、既に生成されている課金識別子を表示出力する。
ユーザは、一定時間が経過する前に、表示出力された課金識別子をリーダ5に読み取らせる。すなわち、現金決済端末1の課金識別子読取部104は、表示出力された課金識別子を読み取って、払出情報を取得する。現金決済端末1の現金払出部105は、取得した払出情報を確認し、払出指示を表示装置19へ表示する。これにより、店舗の店員は、現金をキャッシュアウトすることが可能となる。
本実施の形態2に係るキャッシュアウトシステムの現金決済端末1の制御部11の処理手順については、実施の形態1と同様であることから、詳細な説明を省略する。
以上のように本実施の形態2によれば、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報に基づいた課金識別子をスマートフォン上に表示出力し、一定時間内に表示出力された課金識別子を読み取るので、キャッシュアウトする現金が不足することなくキャッシュアウトサービスを提供することができる。また、現金払出可能金額を課金管理装置が把握することができるので、キャッシュアウトすることが可能な金額を、現金を引き出す前に確認する手段を設けることができ、第三者がどの程度の現金が店舗に存在するかを判断することができるので、防犯上無意味な犯罪を抑制することが可能となる。
なお、現金決済端末1は、課金識別子を取得してから一定時間経過するまで、リーダ5が取得した課金識別子とは異なる他の課金識別子を取得しないよう設定しても良い。これにより、取得した課金識別子に関するキャッシュアウト処理が完了するまで他のキャッシュアウト処理を一定時間行わないよう制御することができるので、店舗においてキャッシュアウトするための現金が不足する事態が生じるのを未然に回避することが可能となる。
この場合、例えばメッセージとして、「ただいまお取り扱いを停止しています。」、あるいは「しばらくしてからお取引を開始してください。」との表示を、スマートフォン6のタッチディスプレイ61に表示することが好ましい。これにより、ユーザはしばらくの間キャッシュアウト処理を控えることができる。
また、現金決済端末1は、課金識別子を取得してから一定時間経過するまでキャッシュアウト処理が行われなかった場合、課金識別子を無効にしても良い。例えば20分以内にレジ端末において課金識別子を読み取らなかった場合等に相当する。
この場合、キャッシュアウトに使用しなかった現金を新たにキャッシュアウト処理用の原資として再利用できるので、必要となる現金を無駄に店舗が保管する必要がなくなり、より防犯上の安全性を増すことができる。
ユーザがキャッシュアウト処理を忘れないようにするべく、スマートフォン6のタッチディスプレイ61に、例えば取引が可能となる残時間を表示しても良いし、メッセージとして「お早めにレジまでお越しください。」との表示をしても良い。また、キャッシュアウト可能な一定時間を経過した場合には、例えば「手続きを最初からやり直してください。」、さらに「ご希望される金額を出金できない場合がございます。」等のメッセージをスマートフォン6のタッチディスプレイ61に表示することが好ましい。無用な混乱を避けるためである。
なお、スマートフォン6を用いる場合には、専用のアプリをダウンロードすることができる。したがって、ダウンロードされた専用のアプリに決済方法に関する情報を事前に登録しておくことにより、カード決済端末2と金融機関システム7とのデータ通信を最小限にすることができ、ユーザの利便性が向上する。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るキャッシュアウトシステムの構成、及び構成要素であるカード決済端末2、現金決済端末1、課金管理装置4、リーダ5の構成は、本実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。本実施の形態3は、通常の商品と同様の商品札を用いてキャッシュアウトする点で、実施の形態1及び2とは相違する。
以下、本発明の実施の形態3に係るキャッシュアウトシステムの動作について説明する。図13は、本発明の実施の形態3に係るキャッシュアウトシステムの機能ブロック図である。
図13に示すように、現金決済端末1のキャッシュアウト情報生成部101は、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報を生成する。この時点で実際に店舗において払い出すことが可能な現金に合わせてキャッシュアウト情報を生成することができ、支払うための現金が過少になることを未然に防ぐことができる。
現金決済端末1の現金払出可能金額提供部102は、生成されたキャッシュアウト情報に対応付けられた現金払出可能金額を課金管理装置4へ送信(提供)する。現金払出可能金額表示部401は、受信した現金払出可能金額を課金管理装置4のタッチディスプレイ47に表示し、課金識別子生成部403は、キャッシュアウトできる金額分だけ現金払出可能金額に対応した課金識別子を生成する。課金識別子としては、バーコード、QRコード(登録商標)等、現金決済端末1に接続されているリーダ5を介して読み取り可能なコードであれば、特に限定されるものではない。なお、払出金額に関する情報には、店舗が定める所定の手数料も含まれる。
つまり、実施の形態1及び2では、課金管理装置4はキャッシュアウトサービスを利用するユーザが使用するのに対して、実施の形態3では、店舗の管理者が使用する点で用途が相違する。図14は、本発明の実施の形態3に係るキャッシュアウトシステムの課金管理装置4の払出可能金額の設定画面の例示図である。
図14に示すように、課金管理装置4のタッチディスプレイ47では、現金決済端末1のキャッシュアウト情報生成部101で生成されたキャッシュアウト情報に対して、払い出す現金の準備額である払出準備額の指定を、金額指定ボタン142を選択することにより払出準備額表示領域141に表示する。図14の例では、キャッシュアウト情報の満額である30万円と指定されている。30万円を超える金額を指定する場合には、キャッシュアウト用の現金をそれに合わせて増額しておく必要がある。
払出準備額が確定した時点で、確認ボタン143を選択することで払出準備額が確定する。この状態でOKボタン147を選択した場合、券種は特に指定されない。
OKボタン147を選択せずに、キャッシュアウトすることが可能な券種を指定する場合、券種表示領域144を見ながら、券種を指定することが可能な設定ボタン145を選択して、キャッシュアウトする券種を設定する。設定ボタン145で、払い出す券種とその枚数の指定を受け付け、総計表示領域146で払出準備額と一致しているか確認しながら設定する。最後に、OKボタン147が選択された場合、指定を受け付けた券種による、図13に示す商品札8が印刷される。
印刷出力部406は、商品札8に券種別に課金識別子を印刷する。印刷時には、店舗ごとの手数料を付加した金額分の課金識別子を印刷する。例えば10000円のキャッシュアウトに対して手数料216円を付加した10216円の商品札81を印刷する。同様に1000円のキャッシュアウトに対して手数料108円を付加した10108円の商品札82を印刷する。
印刷された商品札8(81、82)は、通常の商品と同様に商品棚に陳列される。したがって、陳列されている分だけの現金が準備されていることを示しており、陳列するか否かで、店舗ごとにキャッシュアウト可能な金額を調整することができる。
現金をキャッシュアウトしたいユーザは、まずキャッシュアウトしたい金額分の商品札8(81、82)を現金決済端末1へ持ち込んで、課金識別子を読み取らせる。そして、金融機関システム7とリンクしているカード、例えばキャッシュカード、デビットカード等をカード決済端末2のカード読取部201で読み取らせて、暗証番号取得部202で暗証番号を入力する。
暗証番号の正否は、照合部203が金融機関システム7とデータ通信することで照合する。照合部203で暗証番号が正しいと判断された場合には、現金決済端末1へその旨を示す情報を送信する。暗証番号が正しい旨を示す情報を受信した現金決済端末1は、リーダ5による商品札8の読み取り可能状態とする。
現金決済端末1の課金識別子読取部104は、商品札8に印刷された課金識別子を読み取って、払出金額に関する情報を取得する。現金決済端末1の払出金額送信部103は、受信した払出金額に関する情報をカード決済端末2へ転送することで、読み取った金融機関カードに対応する金融機関システム7の指定口座からの引き落とし処理を依頼する。金融機関システム7は、払出金額と手数料との合計金額を所定の口座から引き落とす。
カード決済端末2の引落依頼部204は、現金決済端末1からの依頼を受け付けた時点で、金融機関システム7へ所定の口座からの引き落とし処理を依頼する。金融機関システム7は、所定の口座の暗証番号を照合して、正しければ引き落とし処理を実行して、引落完了通知をカード決済端末2へ送信する。暗証番号が正しくない場合、あるいは引き落とし金額以上の口座残高がない場合には、引き落とし処理はなされずに、その旨を課金管理装置4へ送信して、タッチディスプレイ47に表示する。
カード決済端末2の引落完了通知受信部205は、金融機関システム7からの引落完了通知を受信し、現金決済端末1の現金払出部105へ転送する。現金払出部105は、払い出し指示を表示装置19へ表示する。これにより、店舗の店員は、現金をキャッシュアウトすることが可能となる。
図15は、本発明の実施の形態3に係るキャッシュアウトシステムの現金決済端末1の制御部11の処理手順を示すフローチャートである。図15に示すように、現金決済端末1の制御部11は、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報を生成する(ステップS1501)。この時点で実際に店舗において払い出すことが可能な現金に合わせてキャッシュアウト情報を生成することができ、支払うための現金が過少になることを未然に防ぐことができる。
制御部11は、生成されたキャッシュアウト情報に対応付けられた現金払出可能金額を課金管理装置4へ送信(提供)する(ステップS1502)。現金をキャッシュアウトしたい、商品札8の課金識別子を読み取らせたユーザは、金融機関システム7とリンクしているカード、例えばキャッシュカード、デビットカード等をカード決済端末2で読み取らせて、暗証番号を入力する。
暗証番号が正しいと判断された場合には、現金決済端末1へその旨を示す情報を送信し、制御部11は、このタイミングで商品札8に印刷された課金識別子を読み取る(ステップS1503)。
制御部11は、カード決済端末2からの引落完了通知を受信して(ステップS1504)、読み取った金融機関カードに対応する金融機関システム7の指定口座からの引き落とし処理を依頼する。なお、払出金額に関する情報には、店舗が定める所定の手数料も含まれる。
制御部11は、取得した払出情報を確認し、払い出し指示を表示装置19へ表示する(ステップS1505)。これにより、店舗の店員は、現金をキャッシュアウトすることが可能となる。
以上のように本実施の形態3によれば、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報に基づいた課金識別子を商品札に印刷し、通常の商品と同等の処理でキャッシュアウトすることができるので、キャッシュアウトにより現金が不足することなくキャッシュアウトサービスを提供することができる。また、現金払出可能金額は商品棚に陳列されている商品札の枚数で把握することができるので、キャッシュアウトすることが可能な金額を、現金を引き出す前に確認することができ、第三者がどの程度の現金が店舗に存在するかを判断することができるので、防犯上無意味な犯罪を抑制することが可能となる。
なお、現金決済端末1は、課金識別子を読み取ってから一定時間経過するまで、リーダ5が読み取った課金識別子とは異なる他の課金識別子を読み取ることができないよう設定しても良い。これにより、読み取られた課金識別子に関するキャッシュアウト処理が完了するまで他のキャッシュアウト処理を一定時間行わないよう制御することができるので、店舗においてキャッシュアウトするための現金が不足する事態が生じるのを未然に回避することが可能となる。
また、現金決済端末1は、課金識別子を読み取ってから一定時間経過するまでキャッシュアウト処理が行われなかった場合、課金識別子を無効にしても良い。例えば20分以内にレジ端末において課金識別子を読み取らなかった場合等に相当する。
この場合、キャッシュアウトに使用しなかった現金を新たにキャッシュアウト処理用の原資として再利用できるので、必要となる現金を無駄に店舗が保管する必要がなくなり、より防犯上の安全性を増すことができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムの構成は、基本的に実施の形態1と同様である。しかし、本実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムは、カード決済をすべて外部の端末装置、例えばスマートフォン6で行うため、カード決済端末2が存在せず、現金決済端末(レジ端末)1を現状のままのシステムとして使用する(特段のコンピュータプログラムを別個に導入しない)点で実施の形態1とは相違する。外部の端末装置としてスマートフォン6を用いる場合について説明するが、ユーザが用いる携帯型の端末装置であれば特にこれに限定されるものではない。
本発明の実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムのスマートフォン(外部の端末装置)6の構成は、実施の形態2と同様であることから、同一の符号を付することにより、詳細な説明を省略する。本実施の形態4に係るスマートフォン6は、少なくともネットワーク3を介して金融機関システム7にログインすることができるよう設定されていることを前提とする。
以下、本発明の実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムの動作について説明する。図16は、本発明の実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムの機能ブロック図である。
図16に示すように、課金管理装置4のキャッシュアウト情報生成部441は、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報を生成する。この時点で実際に店舗において払い出すことが可能な現金に合わせてキャッシュアウト情報を生成することができ、支払うための現金が過少になることを未然に防ぐことができる。
なお、スマートフォン6は、インターネットバンキング等で金融機関システム7にすでにログインしている状態では、インターネットバンキングのサービスメニューとして現金払出可能金額を表示しても良い。ログインしている身元のはっきりしているユーザにのみキャッシュアウト情報を表示することでセキュリティを容易に確保することができるからである。
また、現金払出可能金額を表示する時点で、金融機関システム7から取得したユーザの銀行口座残高に応じた金額を表示するようにしても良い。例えば、店舗の現金払出可能金額が20万円であるのに対して、キャッシュアウトを希望するユーザの銀行口座残高が5万円だった場合、額の少ない方である5万円を現金払出可能金額として表示することが好ましい。
課金管理装置4の現金払出可能金額送信部442は、生成されたキャッシュアウト情報に対応付けられた現金払出可能金額を少なくともスマートフォン6へ送信する。
なお、課金管理装置4は、現金払出可能金額をスマートフォン6に送信した時点で送信履歴を残すようにしても良い。ユーザからのアクセスに対して履歴を残しておくことにより不正使用に対する牽制効果があるからである。また、後述する現金払出部105が現金を払出した時点で履歴を削除するようにしても良い。このようにすることで、単に現金払出金額の情報を取得したユーザの履歴のみが残るので、不正使用に対する牽制効果が高まることが期待できる。
すなわち、スマートフォン6の現金払出可能金額表示部641は、課金管理装置4から受信して記憶してある現金払出可能金額をタッチディスプレイ61に表示し、払出金額入力受付部642は、ユーザから払出金額の入力を受け付ける。図17は、本発明の実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムのスマートフォン6の払出可能金額の表示画面の例示図である。
図17に示すように、スマートフォン6のタッチディスプレイ61では、課金管理装置4のキャッシュアウト情報生成部441で生成されたキャッシュアウト情報を、現金の券種ごとに表示する。図17の例では、払出金額の表示領域171に1万円札が20枚、千円札が100枚、キャッシュアウト用に現金決済端末1に準備されていることを表示している。
ユーザは、キャッシュアウトしたい現金を券種を含めて、払出金額を入力する。図18は、本発明の実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムのスマートフォン6の払出金額入力画面の例示図である。
図18に示すように、図17に示す画面の払出金額入力ボタン172が選択された場合、スマートフォン6のタッチディスプレイ61に払出金額入力画面が表示される。図18において、金額指定ボタン182を選択して、払出金額を表示領域181に表示させる。
払出金額が確定した時点で、確認ボタン183を選択することで払出金額が確定する。この状態でOKボタン187を選択した場合、券種は特に指定されずにキャッシュアウトされる。
OKボタン187を選択せずに、キャッシュアウトする券種を指定することもできる。この場合、指定することが可能な券種は、券種残表示領域184に表示されている。設定ボタン185で、払い出す券種とその枚数の指定を受け付け、総計表示領域186で確認する。最後に、OKボタン187が選択された場合、指定を受け付けた券種によるキャッシュアウト指示として払出金額に関する情報が、引落依頼部643により金融機関システム7へと送信される。なお、払出金額に関する情報には、店舗が定める所定の手数料も含まれる。金融機関システム7は、後述するログイン処理に成功した場合には、出金額と手数料との合計金額を所定の口座から引き落とす。
OKボタン187が選択された時点で、金融機関システム7からログイン要求が通知される。キャッシュアウトしたいユーザは、ログイン部644により、金融機関システム7へログインするためのID及び暗証番号を入力する。
暗証番号の正否は、照合部645が金融機関システム7とデータ通信することで照合する。照合部645で暗証番号が正しいと判断された場合には、少なくとも金融機関システム7で認証されたユーザのスマートフォン6であると認識し、出金額と手数料との合計金額を所定の口座から引き落とす。引落完了通知受信部646は、金融機関システム7から、引き落とし処理が完了した旨の引落完了通知を受信する。
図16に戻って、図18のOKボタン187が選択された時点で、課金識別子生成部647は、入力を受け付けた払出金額に関する情報に含まれる払出金額及び券種に対応した課金識別子を生成する。課金識別子としては、バーコード、QRコード(登録商標)等、現金決済端末1に接続されているリーダ5を介して読み取り可能なコードであれば、特に限定されるものではない。スマートフォン6の課金識別子表示部648は、タッチディスプレイ61上に、リーダ5を介して読み取り可能なコード、例えばバーコード、QRコード(登録商標)として、既に生成されている課金識別子を表示出力する。
ユーザは、一定時間が経過する前に、表示出力された課金識別子をリーダ5に読み取らせる。すなわち、現金決済端末1の課金識別子読取部104は、表示出力された課金識別子を読み取って、払出情報を取得する。現金決済端末1の現金払出部105は、取得した払出情報を確認し、払出指示を表示装置19へ表示する。これにより、店舗の店員は、現金をキャッシュアウトすることが可能となる。
図19は、本発明の実施の形態4に係るキャッシュアウトシステムのスマートフォン6の処理手順を示すフローチャートである。なお、スマートフォン6には、スマートフォン6の動作を制御し、ダウンロードされて内蔵されている各種プログラムを実行する、CPU等の演算処理の実行部が備えられている。
図19に示すように、スマートフォン6は、課金管理装置4から受信して記憶してある現金払出可能金額をタッチディスプレイ61に表示し(ステップS1901)、ユーザから払出金額の入力を受け付ける(ステップS1902)。スマートフォン6の制御部は、入力を受け付けた払出金額の引き落とし処理を金融機関システム7へ依頼する(ステップS1903)。
スマートフォン6は、金融機関システム7から通知されたログイン要求に応じてログイン処理を実行する(ステップS1904)。具体的には、金融機関システム7へログインするためのID及び暗証番号を入力する。
スマートフォン6は、入力されたIDに対応する暗証番号を金融機関システム7とデータ通信することで照合して、ログイン処理に成功したか否かを判断する(ステップS1905)。スマートフォン6が、ログイン処理に失敗したと判断した場合(ステップS1905:NO)、スマートフォン6は、処理をステップS1904に戻して上述した処理を繰り返す。
スマートフォン6が、ログイン処理に成功したと判断した場合(ステップS1905:YES)、スマートフォン6は、金融機関システム7から、引き落とし処理が完了した旨を示す引落完了通知を受信する(ステップS1906)。
スマートフォン6は、入力を受け付けた払出金額に関する情報に含まれる払出金額及び券種に対応した課金識別子を生成する(ステップS1907)。課金識別子としては、バーコード、QRコード(登録商標)等、現金決済端末1に接続されているリーダ5を介して読み取り可能なコードであれば、特に限定されるものではない。スマートフォン6は、タッチディスプレイ61上に、リーダ5で読み取り可能なコード、例えばバーコード、QRコード(登録商標)として、既に生成されている課金識別子を表示出力する(ステップS1908)。
ユーザは、一定時間が経過する前に、表示出力された課金識別子をリーダ5に読み取らせる。すなわち、現金決済端末1の課金識別子読取部104は、表示出力された課金識別子を読み取って、払出情報を取得する。現金決済端末1の現金払出部105は、取得した払出情報を確認し、払出指示を表示装置19へ表示する。これにより、店舗の店員は、現金をキャッシュアウトすることが可能となる。
以上のように本実施の形態4によれば、キャッシュアウトすることが可能な金額と対応付けたキャッシュアウト情報に基づいた課金識別子をスマートフォン上に表示出力し、一定時間内に表示出力された課金識別子を読み取るので、キャッシュアウトする現金が不足することなくキャッシュアウトサービスを提供することができる。また、現金払出可能金額を課金管理装置が把握することができるので、キャッシュアウトすることが可能な金額を、現金を引き出す前に確認する手段を設けることができ、第三者がどの程度の現金が店舗に存在するかを判断することができるので、防犯上無意味な犯罪を抑制することが可能となる。
なお、課金管理装置4は、店舗ごとに設置する構成であっても良いし、スマートフォン6とデータ通信することが可能な外部サーバであっても良い。店舗ごとに課金管理装置4を設置している場合、スマートフォン6により、その店舗の現金払出可能金額等を直接把握できるようにしても良い。
また、外部サーバを用いる場合、複数の店舗のキャッシュアウト情報を一元管理することもできる。一元管理している場合には、ユーザは、スマートフォン6を店舗内の例えば現金決済端末1のタッチパネルにかざすことにより、その店舗の現金払出可能金額等を現金決済端末1が外部サーバから取得して、スマートフォン6へ転送するようにしても良い。
また、外部サーバを用いる場合であっても、各店舗の端末、例えば現金決済端末1に対して、キャッシュアウトできる状態であるか否かに関する情報を送信できることが好ましい。例えば店舗ごとの現金決済端末1のタッチパネル等に「キャッシュアウトサービス中」等のメッセージが表示されている場合にのみ、キャッシュアウトサービスを実施することができるからである。特に、夜間のサービス停止に効力を発揮する。もちろん、スマートフォン6へ直接メッセージとして配信しても良いことは言うまでもない。
その他、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能である。例えば、上記実施例では、金融機関カードとしてデビットカードを用いて決済を行なっているが、特にこれに限定されるものではなく、クレジットカード等を用いて決済を行なっても良い。
また、上記実施例では、現金決済端末(レジ端末)1には、カード決済端末2としてのデビットカード端末が接続され、デビットカードサービスを利用してカード決済処理を行っているが、カード決済方法は特にこれに限定されるものではない。例えば、公知の銀行POS端末を利用しても良く、この場合、銀行POS端末は、カード発行銀行のホストシステムに直接、接続される。
さらに上記実施例では、現金決済端末(レジ端末)1と、カード決済端末(デビットカード端末)2とをデータ通信することが可能に接続して利用しているが、特に別個に設けることに限定されるものではなく、一つの筐体に格納しても良い。
また、カード決済端末、現金決済端末、課金管理装置については、それぞれの機能を合体した装置であっても良い。例えば、カード決済端末と現金決済端末とが合体した装置、現金決済端末と課金管理装置とが合体した装置、カード決済端末と現金決済端末と課金管理装置とが合体した装置であっても良い。