添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、係る実施形態も本発明の範囲に含まれる。
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る送金システムの構成例を示す。送金システム1は、送金サーバ10、企業端末20、銀行サーバ30、顧客端末40、現金自動預払装置(以下、ATMという。)50、POS60を備える。送金サーバ10は、企業端末20、銀行サーバ30、顧客端末40、ATM50及びPOS60とネットワークNを介して通信を行うよう構成されている。
送金サーバ10は、企業端末20を介して送金企業から送金データを受信し、送金データに関連付けられる確認コードを生成する。送金サーバ10は、確認コードを含む、資金の受け取りに必要な受取データを顧客端末40に送信する。なお、本明細書におけるコードは、漢字、ひらがな、カタカナ、英数字、記号等の1又は複数からなる情報である。
銀行サーバ30は、送金企業が送金資金を振り込む送金実口座を備える。銀行サーバ30は、企業端末20を使用したインターネットバンキング、紙媒体を使用した銀行の店頭窓口での受付等、種々の手法を通じた送金実口座への振込又は入金データを受信して、処理を実行する。銀行サーバ30は、送金実口座への入金処理が完了すると、入金額を含む資金入金情報を送金サーバ10に送信する。送金サーバ10は、資金入金情報に基づいてアクティブな送金取引を決定してもよい。
顧客端末40の顧客は店舗Sに来店し、店舗S内に設置されたATM50を操作して、受取データにより特定される資金を受け取ることができる。資金の受け取りに際し、顧客は、紙幣分をATM50において受け取ることができる。また、硬貨分については、顧客が受取方法を選択することができる。本実施形態では、硬貨分について、顧客は、POS60での現金受け取り、ATM50での電子マネー受け取り、及び社会貢献活動団体への募金を含む受取方法から所望の受取方法を選択することができる。
ATM50において顧客がPOSでの現金受け取りを選択すると、ATM50は、送金取引を一意に識別可能な情報に基づいて生成したバーコード付きの硬貨受取票を発行する。顧客から硬貨受取票を提示されたPOS担当者が、POS60の読み取り機を用いてバーコードを読み取ることで、顧客は、バーコードに関連付けられた資金を現金として受け取ることができる。
一方、ATM50において顧客がATM50での電子マネー受け取りを選択し、顧客が所持するICカードをATM50のICカードリーダライタにかざすと、ATM50は、硬貨分の額に応じて発行された電子マネーをICカードにチャージすることができる。
一方、ATM50において顧客が募金を選択すると、ATM50は、送金サーバ10に硬貨分の額を社会貢献活動団体の指定口座に振り込む指示を送信し、送金サーバ10は、指示に基づいて指定口座への振込を実行することができる。
(送金サーバ構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る送金サーバ10の構成を示す。なお、図2では、単一の送金サーバ10を想定し、必要な機能構成だけを示しているが、送金サーバ10を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
送金サーバ10は、ネットワークNを介して企業端末20、銀行サーバ30、顧客端末40、ATM50及びPOS60と通信する機能を備えたサーバ装置である。図2に示すように、送金サーバ10は、入力部11、制御部12、記憶部13及び通信部14を備えている。
入力部11は、送金サーバ10に対する各種入力を受信する。
制御部12は、CPUやMPU等の演算処理部121及びRAM等のメモリ122を備えている。演算処理部121は、各種入力に基づき、記憶部13に記憶されているプログラムを実行することで、各種機能部を動作させるものである。このプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記憶され、若しくはネットワークNを介して配布され、コンピュータにインストールされるものであってもよい。メモリ122は、送金サーバ用プログラムにおいて処理の実行中、演算等に必要な各種データを、一時的に記憶するためのものである。
記憶部13は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部12における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。本実施形態では、記憶部13は、送金契約データベース(DB)131、送金明細DB132及び論理入出金DB133を有していることが望ましい。
送金契約DB131には、送金サービスを管理するための情報が保存されている。一実施形態では、送金契約DB131には、送金企業コード、送金企業名、論理口座番号、信用フラグ等が登録されていることが望ましい。論理口座番号は、後述する論理入出金DB133を識別可能な情報である。信用フラグは、送金企業からの入金を待たずに送金取引をアクティブにするか否かを示し、例えば、資金入金情報に基づいて送金取引をアクティブにする場合は「0」、一方、入金を待たずに送金取引をアクティブにする場合は「1」を設定することができる。
送金明細DB132には、企業端末20から送信される送金データに基づいて、送金を実行するための情報が保存されている。一実施形態では、図6に示されるように、送金明細DB132には、取引コード、送金企業コード、顧客コード、確認コード、送金紙幣額、送金硬貨額、ステータス、顧客連絡先等が登録されていることが望ましい。取引コードには、送金取引を一意に識別する情報が設定される。顧客コードは、送金データに含まれる、顧客に関連付けられた情報である。例えば、送金システム1は、送金企業が提供するサービスで利用している顧客ID、顧客の電話番号等、送金企業と顧客との間で共有している情報のうち、当該顧客のみが知り得る情報を顧客コードとして用いることが望ましい。
確認コードは、少なくとも同一顧客に対する複数の取引を識別するために用いる情報である。本実施形態では、送金サーバ10が確認コードを生成するが、代替の実施形態では、送金企業が確認コードを生成して送金データに含めてもよい。送金紙幣額及び送金硬貨額には、送金データに含まれる送金額が分割して設定される。ステータスは、当該送金取引に関するステータスを示し、例えば、送金取引開始前のアクティブでない状態を示す「0」、送金取引開始可能なアクティブな状態を示す「1」、硬貨分の受取要求を待っている状態を示す「2」、送金取引が完了した状態を示す「3」等が設定される。顧客連絡先は、メールアドレスや携帯端末電話番号等、受取データを顧客端末40に送信するために用いる情報である。
論理入出金DB133には、送金企業毎の入出金を管理する情報が保存されている。本実施形態では、送金サーバ10は、論理口座番号によって送金企業に関連付けられた論理入出金DB133を特定することができる。一実施形態では、論理入出金DB133には、取引日、出金額、入金額、取引情報、残高等が登録されていることが望ましい。一実施形態では、取引情報に、出金額に関連付けられた受取方法を示す情報を保存してもよい。
通信部14は、送金サーバ10をネットワークNに接続するように構成される。例えば、通信部14は、LANカード、アナログモデム、ISDNモデム等、及びこれらをシステムバス等の伝送路を介して処理部と接続するためのインタフェースから実現することができる。
さらに、図2に示すように、演算処理部121は、機能部として、送金データ受付部123、受取データ送信部124、資金入金情報受付部125、取引認証部126、受取結果受付部127、硬貨受取要求受付部128及び請求データ生成部129を備えている。
送金データ受付部123は、企業端末20において作成された送金データを受け付けて、送金明細レコードを送金明細DB132に登録する。一実施形態では、送金データには、送金企業コード、顧客コード、送金額、顧客連絡先等が含まれる。送金データ受付部123は、送金明細レコード登録時に確認コードを生成して保存する。前述したように、確認コードは、少なくとも同一顧客に対する複数の取引を識別するために用いる情報であり、送金企業コード及び顧客コードと組み合わせることで取引を一意に識別し得る。送金明細レコードの取引コードは、送金企業コード、顧客コード及び確認コードを組み合わせたものとしてもよいし、別途、送金取引を一意に識別する情報を付与してもよい。
また、送金データ受付部123は、送金契約DB131を参照して、送金企業コードに関連付けられた信用フラグを確認し、信用フラグに「1」が設定されている場合、送金明細レコードのステータスに「1」を設定してもよい。一方、信用フラグに「0」が設定されている場合、送金データ受付部123は、送金明細レコードのステータスに初期値として「0」を設定する。
受取データ送信部124は、送金明細DB132に基づいて、資金の受け取りに必要な受取データを顧客端末40に送信する。本実施形態では、受取データには、送金企業コード及び確認コードが含まれる。受取データに顧客コードを含めないことで、顧客コードを知る正当な顧客のみが送金取引を開始することを可能とし得る。一実施形態では、受取データ送信部124は、送金明細DB132に含まれる送金明細レコードのうち、送金取引がアクティブであることを示す「1」がステータスに設定されている送金明細レコードについて、受取データを顧客連絡先に送信することができる。代替の実施形態では、受取データ送信部124は、ステータスに関わらず、他の任意のタイミングで受取データを顧客連絡先に送信してもよい。
資金入金情報受付部125は、銀行サーバ30から資金入金情報を受け付けて、論理入出金DB133に入金レコードを登録する。本実施形態では、資金入金情報には送金企業コード及び入金額が含まれ、資金入金情報受付部125は、資金入金情報の送金企業コードに関連付けられた論理口座番号により特定される論理入出金DB133に、入金レコードを登録する。
また、資金入金情報受付部125は、受け付けた資金入金情報の入金額に基づいて、送金明細DB132の送金明細レコードのステータスを更新する。本実施形態では、資金入金情報受付部125は、送金明細DB132の登録順に従って、入金額の範囲内で送金明細レコードのステータスを「0」から「1」に更新するが、代替の実施形態では、送金明細レコードに優先順位に関する情報を付与し、優先順位に従ってステータスを更新してもよい。なお、前述したように、送金契約DB131の信用フラグに「1」が設定されている送金企業については既に送金明細レコードのステータスに「1」が設定されているので、資金入金情報受付部125は送金明細レコードの更新処理を省略することができる。
取引認証部126は、ATM50から認証要求を受信して、送金取引の認証を行う。本実施形態では、認証要求には、送金企業コード、顧客コード、及び確認コードが含まれる。取引認証部126は、認証要求で特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定される送金明細レコードのステータスに「1」が設定されているか否かを判定する。認証要求で特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定された送金明細レコードのステータスに「1」が設定されている場合、取引認証部126は、特定された送金明細レコードの送金紙幣額及び送金硬貨額をATM50に送信する。
一方、認証要求で特定される送金明細レコードが存在しない場合、又は特定された送金明細レコードのステータスに「1」以外が設定されている場合、取引認証部126は、送金取引処理を開始できない原因情報をATM50に送信する。
受取結果受付部127は、ATM50から受取結果を受信して、受信した受取結果に対応する送金明細レコードを送金明細DB132で特定して、論理入出金DB133に出金レコードを登録する。一実施形態では、受取結果には、送金企業コード、顧客コード、確認コード、硬貨受取方法が含まれる。他の実施形態では、受取結果は、硬貨受取方法に加えて又は硬貨受取方法に替えて、口座受け取りを示し得る情報を含んでもよい。本実施形態では、硬貨受取方法には、POSでの現金受け取り、ATMでの電子マネー受け取り、及び社会貢献活動団体への募金を含む受取方法のいずれかを識別可能な情報が含まれる。
一実施形態では、口座受け取りを示し得る情報を含まない受取結果を受信して、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの送金紙幣額に基づいて、出金レコードを登録する。また、受取結果受付部127は、特定した送金明細レコードの送金紙幣額を初期化して「0」を設定する。
続いて、硬貨受取方法がPOSでの現金受け取りを示す場合、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの取引コードをATM50に送信し、送金明細レコードのステータスを「2」に更新する。ここで、受取結果により特定される送金明細レコードの送金硬貨額が「0」である場合は、受取結果受付部127は、取引コードを送信しないことが望ましい。一方、硬貨受取方法がATMでの電子マネー受け取りを示す場合、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの送金硬貨額に基づいて、論理入出金DB133に出金レコードを登録する。一実施形態では、出金レコードの登録に際し、硬貨受取方法に基づいて取引情報を設定してもよい。
一方、硬貨受取方法が社会貢献活動団体への募金を示す場合、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの送金硬貨額を社会貢献活動団体の指定口座に振り込むための振込データを作成し、銀行サーバ30に送信する。さらに、受取結果受付部127は、送金硬貨額に基づいて、論理入出金DB133に出金レコードを登録する。この場合も、出金レコードの登録に際し、硬貨受取方法に基づいて取引情報を設定してもよい。なお、本実施形態では、送金硬貨額に基づいて出金レコードを登録すると、受取結果受付部127は、送金明細レコードの送金硬貨額を初期化して「0」を設定し、送金明細レコードのステータスを「3」に更新するが、代替の実施形態では、送金明細DB132から対象のレコードを削除してもよい。
別の実施形態では、口座受け取りを示し得る情報を含む受取結果を受信して、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの送金紙幣額及び送金硬貨額に基づいて、出金レコードを登録する。この場合も、出金レコードの登録に際し、口座受け取りを示し得る情報に基づいて取引情報を設定してもよい。なお、本実施形態では、送金硬貨額に対応する出金レコードを登録すると、受取結果受付部127は、送金明細レコードの送金硬貨額を初期化して「0」を設定し、送金明細レコードのステータスを「3」に更新するが、代替の実施形態では、送金明細DB132から対象のレコードを削除してもよい。
硬貨受取要求受付部128は、POS60から取引コードを受信して、硬貨受取処理の認証を行う。硬貨受取要求受付部128は、取引コードで特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定される送金明細レコードのステータスに「2」が設定されているか否かを判定する。取引コードで特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定された送金明細レコードのステータスに「2」が設定されている場合、硬貨受取要求受付部128は、特定された送金明細レコードの送金硬貨額をPOS60に送信する。続いて、硬貨受取要求受付部128は、送金硬貨額に基づいて、論理入出金DB133に出金レコードを登録する。前述したように、出金レコードの登録に際し、硬貨受取方法に基づいて取引情報を設定してもよい。さらに、本実施形態では、送金硬貨額に基づく出金レコードを登録すると、硬貨受取要求受付部128は、送金明細レコードの送金硬貨額を初期化して「0」を設定し、送金明細レコードのステータスを「3」に更新するが、代替の実施形態では、送金明細DB132から対象のレコードを削除してもよい。
一方、取引コードで特定される送金明細レコードが存在しない場合、又は特定された送金明細レコードのステータスに「2」以外が設定されている場合、硬貨受取要求受付部128は、硬貨受取処理を実行できない原因情報をPOS60に送信する。
請求データ生成部129は、論理入出金DB133に基づいて請求データを生成する。本実施形態では、送金企業からの入金を待たずに送金取引をアクティブにすることを示す「1」が送金契約DBの信用フラグに設定されている送金企業に対して、所定のタイミングで請求データを生成する。一実施形態では、請求データには、請求額、入金先口座情報等が含まれる。
(企業端末構成)
企業端末20は、ネットワークNを介して送金サーバ10及び銀行サーバ30と通信する機能を備えた情報処理端末である。具体的には、PC、PDA、タブレット、携帯電話やスマートフォン等が挙げられるが、これに限られない。図3に示すように、企業端末20は、ユーザからの操作を受け付けるキーボードやマウス等の入力部21、ディスプレイ等の表示部22、CPU及びメモリを含む制御部23、記憶部24、ネットワークNと接続するための通信部25等を備えている。制御部23は、記憶部24に記憶されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、送金データ送信部231として機能する。
送金データ送信部231は、送金データを送金サーバ10に送信する。一実施形態では、送金データには、送金企業コード、顧客コード、送金額、顧客連絡先等が含まれる。
(銀行サーバ構成)
銀行サーバ30は、ネットワークNを介して送金サーバ10及びATM50と通信する機能を備えたサーバ装置である。図3に示すように、銀行サーバ30は、入力部31、CPU及びメモリを含む制御部32、記憶部33、ネットワークNと接続するための通信部34等を備えている。
制御部32は、記憶部33に記憶されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、振込・入金実行部321及び資金入金情報送信部322として機能する。また、記憶部33は、送金実口座DB331を有していることが望ましい。
振込・入金実行部321は、振込又は入金データを受信して、処理を実行する。本実施形態では、振込データには、振込元口座情報、振込金額、振込先口座情報等が含まれる。また、入金データには、入金金額、入金先口座情報等が含まれる。
資金入金情報送信部322は、送金実口座DB331への入金処理が完了すると、資金入金情報を送金サーバ10に送信する。上述したように、本実施形態では、資金入金情報には送金企業コード及び入金額が含まれる。
(顧客端末構成)
顧客端末40は、ネットワークNを介して送金サーバ10と通信する機能を備えた情報処理端末である。具体的には、携帯電話やスマートフォン、PC、PDA、タブレット等が挙げられるが、これに限られない。図3に示すように、顧客端末40は、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル等の入力部41、ディスプレイ等の表示部42、CPU及びメモリを含む制御部43、記憶部44、ネットワークNと接続するための通信部45等を備えている。制御部43は、記憶部44に記憶されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、受取データ受信部431として機能する。
受取データ受信部431は、送金サーバ10から受取データを受信して、受取データに含まれる各種情報を表示部42に表示する。本実施形態では、受取データには、送金企業コード及び確認コードが含まれる。
(ATM構成)
図4は、本発明の一実施形態に係るATM50の構成を示す。ATM50は、ネットワークNを介して送金サーバ10及び銀行サーバ30と通信する機能を備えた情報処理装置である。ATM50は、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル等の入力部51、ディスプレイ等の表示部52、CPU及びメモリを含む制御部53、記憶部54、現金の受取並びに引き渡しを行うための入出金装置である入出金部55、ネットワークNと接続するための通信部56、プリンタ57、ICカードリーダライタ58及びキャッシュカードリーダ59を備えている。
制御部53は、記憶部54に記憶されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、フロー制御部531、認証要求送信部532、紙幣放出部533、受取結果送信部534、バーコード生成部535、ICカード識別部536、電子マネー更新部537、キャッシュカード識別部538及び振込・入金データ送信部539として機能する。
フロー制御部531は、送金取引のフローを制御し、フローに応じた画面を表示部52に表示する。フロー制御部531は、入力部51を介してユーザから資金受取処理開始指示を受信することに応答して、送金企業コード、顧客コード及び確認コードを取得するための資金受取処理開始画面を生成して表示部52に表示する。
後述する認証要求送信部532からの認証要求の送信の応答として送金紙幣額及び送金硬貨額を受信すると、フロー制御部531は、送金紙幣額と送金硬貨額とを合計した送金額を提示すると共に、硬貨受取方法を選択するための硬貨受取方法選択画面を生成して表示部52に表示する。一実施形態では、フロー制御部531は、送金紙幣額と送金硬貨額とを合計した送金額を提示すると共に、硬貨受取方法に加えて又は硬貨受取方法に替えて、口座受け取りを選択し得る受取方法選択画面を生成して表示部52に表示してもよい。なお、送金硬貨額が「0」の場合、フロー制御部531は、紙幣分の受け取りに関する指示を提供し得る画面を生成して表示部52に表示することが望ましい。
認証要求送信部532は、送金サーバ10に認証要求を送信する。本実施形態では、上述したように、認証要求には、送金企業コード、顧客コード、及び確認コードが含まれる。認証要求送信部532は、入力部51を介してユーザから受け付けた入力に基づいて、送金企業コード、顧客コード、及び確認コードを含む認証要求を生成して、送金サーバ10に送信する。
紙幣放出部533は、紙幣放出指示を受信して、入出金部55から紙幣を放出する。紙幣放出指示は、硬貨受取方法の選択を含んでもよいし、硬貨受取方法の選択を含まなくてもよい。紙幣放出部533は、紙幣放出処理の完了を後述の受取結果送信部534に通知する。
受取結果送信部534は、紙幣放出部533から紙幣放出処理の完了通知を受け取ると、後述の電子マネー更新部537から電子マネー更新処理の完了通知を受け取ると、又は、後述の振込データ・入金送信部539から処理要求の完了通知を受け取ると、受取結果を送金サーバ10に送信する。前述したように、一実施形態では、受取結果には、送金企業コード、顧客コード、確認コード、硬貨受取方法が含まれる。他の実施形態では、受取結果は、硬貨受取方法に加えて又は硬貨受取方法に替えて、口座受け取りを示し得る情報を含んでもよい。
本実施形態では、紙幣放出部533から紙幣放出処理の完了通知を受け取った際に硬貨受取方法としてATM50での電子マネー受け取りが選択される場合、硬貨受取方法を初期化して「指定なし」を示す情報を設定して受取結果を生成する。このようにすることで、後述するように、ATM50での電子マネー受け通りが完了した後に、硬貨分の受取に関する論理入出金DB133への登録等を実行することができる。
バーコード生成部535は、受取結果送信部534からの受取結果の送信の応答として取引コードを受信すると、取引コードに基づいてバーコードを生成し、バーコード付きの硬貨受取票の発行をプリンタ57に指示する。
ICカード識別部536は、硬貨受取方法としてATM50での電子マネー受け取りが選択される場合に、ICカードリーダライタ58を有効化して、ICカードリーダライタ58からICカードに記憶されたICカード識別情報を受信する。ICカード識別部536は、受信したICカード識別情報が当該ATM50で取扱い可能であるか否かを判定する。
電子マネー更新部537は、ICカード識別情報が当該ATM50で取扱い可能であると判定される場合、ICカードに記憶された電子マネーを、送金硬貨額を加算した額で更新する。電子マネー更新部537は、電子マネー更新処理の完了を受取結果送信部534に通知する。
キャッシュカード識別部538は、受取方法として口座受け取りが選択される場合に、キャッシュカードリーダ59を有効化して、キャッシュカードリーダ59からキャッシュカード識別情報を受信する。キャッシュカード識別部538は、受信したキャッシュカード識別情報が当該ATM50で取扱い可能であるか否かを判定する。
振込・入金データ送信部539は、所定の口座に、送金紙幣額と送金硬貨額とを合計した送金額を入金するための振込又は入金データを作成し、銀行サーバ30に送信する。振込・入金データ送信部539は、処理要求の完了を受取結果送信部534に通知する。
(POS構成)
図5は、本発明の一実施形態に係るPOS60の構成を示す。POS60は、ネットワークNを介して送金サーバ10と通信する機能を備えた情報処理装置である。POS60は、ユーザからの入力を受け付けるように構成されたタッチパネル、キーボード等の入力部61、ディスプレイ等の表示部62、CPU及びメモリを含む制御部63、記憶部64、硬貨及び紙幣を収納するキャッシュドロア65、ネットワークNと接続するための通信部66、プリンタ67及びコードを光学的に読み取るコードスキャナ68を備えている。
制御部63は、記憶部64に記憶されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、硬貨受取要求送信部631として機能する。
硬貨受取要求送信部631は、コードスキャナ68によって読み取られた取引コードを送金サーバ10に送信する。応答として送金硬貨額を受信すると、硬貨受取要求送信部631は、送金硬貨額を表示部62に表示して、キャッシュドロア65を開ける。
(第1実施形態)
図7〜図9を参照して、本発明の一実施形態に係る送金処理の一例を示す。まず、図7を参照して、送金企業による送金の依頼から、資金の受け取りに必要な受取データを顧客に通知するまでに送金サーバ10によって実行される処理について説明する。次に、図8及び図9を参照して、店舗Sに来店した顧客が資金を受け取るまでに送金システム1によって実行される処理について説明する。本実施形態では、送金サービスを利用する顧客が、ATM50で紙幣を受け取った後、硬貨分をPOS60で現金として受け取る例を示す。送金企業1は、送金サービスを提供する事業者2との間で契約を結び、送金契約DB131には、送金企業コード「001」、送金企業名「送金企業1」、論理口座番号「1234567」、信用フラグ「0」を含む送金契約レコードが登録されているものとする。
(送金依頼から顧客への受取データ通知まで)
送金企業の担当者が送金データを生成し、企業端末20の送金データ送信部231が、送金データを送信する。送金サーバ10が送金データを受信すると(S701)、送金サーバ10の送金データ受付部123は、確認コードを生成し(S702)、送金データに基づいて、送金明細レコードを送金明細DB132に登録する(S703)。本実施形態では、図6(A)に示される送金明細レコードが登録されたものとする。前述したように、本実施形態の送金企業(送金企業コード:001)の信用フラグは「0」が設定されているため、送金明細レコードの登録時において、ステータスは送金取引がアクティブでないことを示す「0」が設定されている。
銀行サーバ30は、送金企業から送金実口座331への振込又は入金データを受信して、処理を実行する。送金実口座331への入金処理が完了すると、銀行サーバ30の資金入金情報送信部322は、送金企業コード及び入金額を含む、資金入金情報を送金サーバ10に送信する。本実施形態では、送金企業コード「001」及び入金額「100,000円」を含む資金入金情報が送信されたものとする。
送金サーバ10が資金入金情報を受信すると(S704)、送金サーバ10の資金入金情報受付部125は、資金入金情報に基づいて、論理入出金DB133に入金レコードを登録する(S705)。本実施形態では、資金入金情報には送金企業コード「001」及び入金額「100,000円」が含まれ、資金入金情報受付部125は、資金入金情報の送金企業コードに関連付けられた論理口座番号「1234567」により特定される論理入出金DB133に、入金レコードを登録する。
次に、資金入金情報受付部125は、送金契約DB131の信用フラグを参照し、資金入金情報に基づいて送金取引をアクティブにするか否かを判定する(S706)。信用フラグが資金入金情報に基づいて送金取引をアクティブにすることを示す場合(S706:Yes)、資金入金情報受付部125は、受け付けた資金入金情報の入金額に基づいて、送金明細DB132の送金明細レコードのステータスを更新する(S707)。一方、信用フラグが入金を待たずに送金取引をアクティブにすることを示す場合(S706:No)、処理は終了する。本実施形態では、信用フラグに資金入金情報に基づいて送金取引をアクティブにすることを示す「0」が設定されているので、資金入金情報受付部125は、送金明細DB132の登録順に従って、入金額の範囲内で送金明細レコードのステータスを「0」から送金取引がアクティブであることを示す「1」に更新する。更新後の送金明細DB132を、図6(B)に示す。
S708において、送金サーバ10の受取データ送信部124は、送金明細DB132に基づいて、資金の受け取りに必要な受取データを顧客端末40に送信する。本実施形態では、送金明細DB132に含まれる送金明細レコードのうち、送金取引がアクティブであることを示す「1」がステータスに設定されている送金明細レコードについて、受取データ送信部124は、受取データを顧客連絡先に送信する。本実施形態では、受取データ送信部124は、送金明細DB132に基づいて、取引コード「XXXXXX1」、「XXXXXX2」を含む複数の送金明細レコードについて、送金企業コード及び確認コードを含む受取データを、顧客連絡先に送信する。
(ATM50での紙幣受け取り)
図8は、本発明の一実施形態に係る送金サーバ10とATM50との処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、受取データを顧客端末40で受信した顧客A(顧客コード:AAA)が店舗Sに来店し、ATM50を操作して資金受取処理を開始したものとする。
ATM50がユーザから資金受取処理開始指示を受信すると、ATM50のフロー制御部531は、送金企業コード、顧客コード及び確認コードを取得するための資金受取処理開始画面を生成して表示部52に表示する(S801)。顧客Aが、画面に沿って送金企業コード、顧客コード及び確認コードを入力すると、ATM50の認証要求送信部532は、送金サーバ10に認証要求を送信する(S802)。本実施形態では、送金企業コード「001」、顧客コード「AAA」、及び確認コード「111」を含む認証要求が送信されたものとする。
送金サーバ10が認証要求を受信すると(S803)、送金サーバ10の取引認証部126は、送金取引の認証を行う(S804)。本実施形態では、取引認証部126は、送金明細DB132を参照して、認証要求で特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定される送金明細レコードのステータスに「1」が設定されているか否かを判定する。
認証要求で特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定された送金明細レコードのステータスに「1」が設定されている場合、取引認証部126は、特定された送金明細レコードの送金紙幣額及び送金硬貨額をATM50に送信する(S805)。一方、認証要求で特定される送金明細レコードが存在しない場合、又は特定された送金明細レコードのステータスに「1」以外が設定されている場合、取引認証部126は、送金取引処理を開始できない原因情報をATM50に送信する。
本実施形態では、認証要求で特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定された送金明細レコードのステータスに「1」が設定されているので、処理はS805に進み、取引認証部126は、送金紙幣額「3,000」及び送金硬貨額「500」をATM50に送信する。
ATM50が送金紙幣額及び送金硬貨額を受信すると(S806)、フロー制御部531は、送金紙幣額と送金硬貨額とを合計した送金額を提示すると共に、硬貨受取方法を選択するための硬貨受取方法選択画面を生成して表示部52に表示する(S807)。本実施形態では、顧客Aは、硬貨受取方法「POSでの現金受け取り」を含む紙幣放出指示を、入力部51を介して送信したものとする。
ATM50が紙幣放出指示を受信すると(S808)、ATM50の紙幣放出部533は、入出金部55から紙幣を放出し(S809)、紙幣放出処理の完了をATM50の受取結果送信部534に通知する。
次に、受取結果送信部534は、受取結果を送金サーバ10に送信する(S810)。本実施形態では、送金企業コード「001」、顧客コード「AAA」、確認コード「111」、硬貨受取方法「POSでの現金受け取り」を含む受取結果が送信されたものとする。
送金サーバ10が受取結果を受信すると(S811)、送金サーバ10の受取結果受付部127は、受信した受取結果に対応する送金明細レコードを送金明細DB132で特定して、特定した送金明細レコードの送金紙幣額に基づいて論理入出金DB133に出金レコードを登録する(S812)。続いて、本実施形態では、受取結果受付部127は、特定した送金明細レコードの送金紙幣額を初期化して「0」を設定する。
次に、受取結果受付部127は、受取結果に含まれる硬貨受取方法を特定する(S813)。硬貨受取方法がPOSでの現金受け取りを示す場合、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの取引コードをATM50に送信し、送金明細レコードのステータスを硬貨分の受取要求を待っていることを示す「2」に更新する(S814)。
本実施形態では、硬貨受取方法に「POSでの現金受け取り」が設定されているので、処理はS814に進み、取引コード「XXXXXX1」がATM50に送信されたものとする。更新後の送金明細DB132を、図6(C)に示す。
ATM50が取引コードを受信すると(S815)、ATM50のバーコード生成部535は、取引コードに基づいてバーコードを生成し、バーコード付きの硬貨受取票の発行をプリンタ57に指示する(S816)。
(POS60での現金受け取り)
図9は、本発明の一実施形態に係る送金サーバ10の処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、顧客AがATM50から発行されたバーコード付きの硬貨受取票をPOS担当者に提示し、硬貨受取処理を開始したものとする。POS担当者が、POS60のコードスキャナ68を用いてバーコードを読み取ると、POS60の硬貨受取要求送信部631は、バーコードから読み取られた取引コードを送金サーバ10に送信する。
送金サーバ10が取引コードを受信すると(S901)、送金サーバ10の硬貨受取要求受付部128は、硬貨受取処理の認証を行う(S902)。本実施形態では、硬貨受取要求受付部128は、取引コードで特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定される送金明細レコードのステータスに「2」が設定されているか否かを判定する。
取引コードで特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定された送金明細レコードのステータスに「2」が設定されている場合(S902:Yes)、硬貨受取要求受付部128は、特定された送金明細レコードの送金硬貨額をPOS60に送信する(S903)。続いて、硬貨受取要求受付部128は、送金硬貨額に基づいて、論理入出金DB133に出金レコードを登録する(S904)。なお、本実施形態では、送金硬貨額に基づく出金レコードを登録すると、硬貨受取要求受付部128は、送金明細レコードのステータスを、送金取引が完了したことを示す「3」に更新する。
一方、取引コードで特定される送金明細レコードが存在しない場合、又は特定された送金明細レコードのステータスに「2」以外が設定されている場合(S902:No)、硬貨受取要求受付部128は、硬貨受取処理を実行できない原因情報をPOS60に送信する(S905)。
本実施形態では、取引コードで特定される送金明細レコードが存在し、かつ、特定された送金明細レコードのステータスに「2」が設定されているので、処理はS903に進み、硬貨受取要求受付部128は、送金硬貨額「500」をPOS60に送信する。
POS60が送金硬貨額を受信すると、硬貨受取要求送信部631は、送金硬貨額を表示部62に表示して、キャッシュドロア65を開ける。
(ATMでの電子マネー受け取り)
図10は、本発明の一実施形態に係る送金処理の一例を示す。本実施形態では、送金サービスを利用する顧客が、ATM50で現金として紙幣を受け取った後、硬貨分をATM50で電子マネーとして受け取る例を示す。
図10のS801からS812は、図8のS801からS812と同じ処理であるので、これらの処理の詳細な説明は省略する。ただし、本実施形態では、S808において硬貨受取方法「ATMでの電子マネー受け取り」を含む紙幣放出指示が受信され、S810において、受取結果送信部534は、硬貨受取方法を初期化して「指定なし」を示す情報を設定して受取結果を送信したものとする。この硬貨受取方法の初期化は、S810の時点では硬貨分の受取処理が完了していないので行うものである。
S813において、受取結果受付部127は、受取結果に含まれる硬貨受取方法を特定する。本実施形態では、硬貨受取方法に「指定なし」が設定されているので、送金サーバ10は、後続の入力を待機する。
S808において硬貨受取方法「ATMでの電子マネー受け取り」を含む紙幣放出指示が受信されているので、S1001において、ATM50のICカード識別部536は、ICカードリーダライタ58を有効化して、ICカードリーダライタ58からICカードに記憶されたICカード識別情報を受信する。続いて、ICカード識別部536は、受信したICカード識別情報が当該ATM50で取扱い可能であるか否かを判定する(S1002)。
ICカード識別情報が当該ATM50で取扱い可能であると判定される場合(S1002:Yes)、電子マネー更新部537は、ICカードに記憶された電子マネーを、送金硬貨額を加算した額で更新する(S1003)。さらに、電子マネー更新部537は、電子マネー更新処理の完了を受取結果送信部534に通知する。
電子マネー更新部537からの電子マネー更新処理の完了通知を受けると、取結果送信部534は、受取結果を送金サーバ10に送信する(S1004)。本実施形態では、送金企業コード「001」、顧客コード「AAA」、確認コード「111」、硬貨受取方法「ATMでの電子マネー受け取り」を含む受取結果が送信されたものとする。
送金サーバ10が受取結果を受信すると(S1005)、受取結果受付部127は、受信した受取結果に対応する送金明細レコードを送金明細DB132で特定する。ここで、図6(C)に示されるように、特定した送金明細レコードの送金紙幣額には、S812の初期化処理によって「0」が設定されているので、紙幣分の出金レコード登録処理は行われない。
続いて、受取結果受付部127は、受取結果に含まれる硬貨受取方法を特定する(S1006)。硬貨受取方法がATMでの電子マネー受け取りを示す場合、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの送金硬貨額に基づいて論理入出金DB133に出金レコードを登録する(S1007)。なお、本実施形態では、送金硬貨額に基づく出金レコードを登録すると、受取結果受付部127は、送金明細レコードの送金硬貨額を初期化して「0」を設定し、送金明細レコードのステータスを「3」に更新する。
本実施形態では、硬貨受取方法に「ATMでの電子マネー受け取り」が設定されているので、処理はS1007に進み、送金硬貨額に基づいて出金レコードが登録され、送金明細レコードの送金硬貨額を初期化して「0」を設定し、送金明細レコードのステータスは「3」に更新される。更新後の送金明細DB132を、図6(D)に示す。
(社会貢献活動団体への募金)
図11は、本発明の一実施形態に係る送金処理の一例を示す。本実施形態では、送金サービスを利用する顧客が、ATM50で現金として紙幣を受け取った後、硬貨分を社会貢献活動団体に募金する例を示す。
図11のS801からS812は、図8のS801からS812と同じ処理であるので、これらの処理の詳細な説明は省略する。ただし、本実施形態では、S808において硬貨受取方法「社会貢献活動団体への募金」を含む紙幣放出指示が受信されたものとする。
S813において、受取結果受付部127は、受取結果に含まれる硬貨受取方法を特定する。本実施形態では、硬貨受取方法に「社会貢献活動団体への募金」が設定されているので、受取結果受付部127は、受取結果により特定される送金明細レコードの送金硬貨額を社会貢献活動団体の指定口座に振り込むための振込データを作成し、銀行サーバ30に送信する(S1101)。さらに、受取結果受付部127は、送金硬貨額に基づいて論理入出金DB133に出金レコードを登録する(S1102)。なお、本実施形態では、送金硬貨額に基づく出金レコードを登録すると、受取結果受付部127は、送金明細レコードの送金硬貨額を初期化して「0」を設定し、送金明細レコードのステータスを「3」に更新する。
銀行サーバ30が振込データを受信すると(S1103)、銀行サーバ30の振込・入金実行部321は、振込処理を実行する(S1104)。
以上、本発明によれば、紙幣の受け取りに適したATMと、硬貨の受け取りに適したPOSとを用いて、顧客は、少額から高額の広範囲に渡る金額を安定的に受け取ることができる。また、硬貨分の受取方法を選択可能としたことで、顧客は、受け取り金額や受け取り時の状況に合わせた受取方法を容易に選択することができる。
(第2実施形態)
図12は、本発明の一実施形態に係る送金処理の一例を示す。本実施形態では、送金サービスを利用する顧客が、送金紙幣額と送金硬貨額とを合計した送金額を顧客の口座で受け取る例を示す。図12のS801からS806は、図8のS801からS806と同じ処理であるので、これらの処理の詳細な説明は省略する。
ATM50が送金紙幣額及び送金硬貨額を受信すると(S806)、フロー制御部531は、送金紙幣額と送金硬貨額とを合計した送金額を提示すると共に、硬貨受取方法に加えて又は硬貨受取方法に替えて、口座受け取りを選択し得る受取方法選択画面を生成して表示部52に表示する(S1201)。本実施形態では、顧客Aは、送金額を口座で受け取る口座受け取り指示を、入力部51を介して送信したものとする。
ATM50が口座受け取り指示を受信すると(S1202)、ATM50のキャッシュカード識別部538は、キャッシュカードリーダ59を有効化して、キャッシュカードリーダ59からキャッシュカード識別情報を受信する(S1203)。続いて、キャッシュカード識別部538は、受信したキャッシュカード識別情報が当該ATM50で取扱い可能であるか否かを判定する(S1204)。
キャッシュカード識別情報が当該ATM50で取扱い可能であると判定される場合(S1204:Yes)、振込・入金データ送信部539は、キャッシュカード識別情報で特定される口座に送金額を入金するための入金データを作成し、銀行サーバ30に送信する(S1205)。さらに、振込・入金データ送信部539は、処理要求の完了を受取結果送信部534に通知する。
銀行サーバ30が入金データを受信すると(S1206)、銀行サーバ30の振込・入金実行部321は、入金処理を実行する(S1207)。
次に、受取結果送信部534は、受取結果を送金サーバ10に送信する(S1208)。本実施形態では、送金企業コード「001」、顧客コード「AAA」、確認コード「111」、硬貨受取方法「指定なし」、口座受け取り「する」を含む受取結果が送信されたものとする。
送金サーバ10が受取結果を受信すると(S1209)、本実施形態では、口座受け取りを示し得る情報を含む受取結果を受信したので、送金サーバ10の受取結果受付部127は、受信した受取結果により特定される送金明細レコードの送金紙幣額及び送金硬貨額に基づいて、論理入出金DB133に出金レコードを登録する(S1210)。続いて、本実施形態では、受取結果受付部127は、送金明細レコードの送金紙幣額及び送金硬貨額を初期化して「0」を設定し、送金明細レコードのステータスを「3」に更新する。
なお、本実施形態では、振込・入金データ送信部539は、キャッシュカードリーダ59から受信したキャッシュカード識別情報で特定される口座に送金額を入金するための入金データを作成する例について説明したが、代替の実施形態では、入力部51を介して指定された口座に送金額を振り込むための振込データを作成してもよい。本発明の実施形態は、振込や入金に限らず、資金を移動する任意の処理に適用可能である。
以上、本発明によれば、顧客は資金の受け取り時に、煩雑な入力操作を必要とすることなく口座への振込又は入金を指定することができる。資金の受け取り時に口座への振込又は入金や現金としての受け取りを選択可能としたことで、顧客は、受け取り金額や受け取り時の状況に合わせた受取方法を容易に選択することができる。
なお、上記した実施形態では、送金額が1000円を超える例を用いて説明したが、送金額が1000円未満の場合にも適用し得ることは、当業者には理解される。