JP7257577B1 - 磁気ギア、および、磁気ギアード電気機械 - Google Patents

磁気ギア、および、磁気ギアード電気機械 Download PDF

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Abstract

【課題】磁極片に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギア、および、磁気ギアード電気機械を提供する。【解決手段】磁気ギアは、周方向に並ぶ複数の第1磁石、周方向に並ぶ複数の第2磁石、および、周方向に並ぶ複数の磁極片を備える。各々の磁極片は、第1磁石と対向する第1対向面と、第2磁石と対向する第2対向面とを有する。第1対向面の周方向における長さをL1、第2対向面における周方向における長さをL2とした場合に、複数の磁極片の少なくとも1つは、L1>L2の関係を満たす。【選択図】図3A

Description

本開示は、磁気ギア、および、磁気ギアード電気機械に関する。
磁気ギアード電気機械は、磁気トルクを伝達するための磁気ギアユニットを備える。特許文献1で例示される磁気ギアユニットは径方向外側から順に、外側ロータ、磁極片モジュール、及び、内側ロータを備える。外側ロータは、周方向に並ぶ複数の外側磁石を含み、内側ロータは、周方向に並ぶ複数の内側磁石を含む。複数の外側磁石及び複数の内側磁石は、永久磁石である。
特許6202354号公報
上記磁気ギアユニットの伝達トルクには、上記永久磁石に起因する起磁力の回転方向における変化量(勾配)が寄与する。上記磁気ギアユニットにおいて、外側ロータおよび内側ロータの少なくとも一方には、磁極片に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部が設けられていることが好ましい。なぜなら、この場合、伝達トルクが、歯部と磁極片とを回転方向において互いに近づけるための磁気抵抗トルクをさらに含むからである。このような構成において伝達トルクがさらに向上することが望まれる。
本開示は、磁極片に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギア、および、磁気ギアード電気機械を提供することである。
本開示の少なくとも一実施形態に係る磁気ギアは、
周方向に並ぶ複数の第1磁石、および、前記複数の第1磁石を支持する第1継鉄を含む第1継鉄ユニットと、
前記第1継鉄ユニットの外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニットであって、前記周方向に並ぶ複数の第2磁石、および、前記複数の第2磁石を支持する第2継鉄を含む第2継鉄ユニットと、
前記第1継鉄ユニットと前記第2継鉄ユニットとの間において、前記複数の第1磁石および前記複数の第2磁石のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片を含む磁極片ユニットと、
を備え、
前記第1継鉄は、前記複数の第1磁石を支持する内周面または外周面を有する第1本体部を含み、
前記第2継鉄は、前記複数の第2磁石に対向する外周面または内周面を有する第2本体部と、前記第2本体部の前記外周面または前記内周面から前記磁極片に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石を支持する少なくとも1つの第2歯部と、を含み、
各々の前記磁極片は、
前記第1磁石と対向する第1対向面と、
前記第2磁石と対向する第2対向面と、
を有し、
前記第1対向面の前記周方向における長さをL1、前記第2対向面における前記周方向における長さをL2とした場合に、
前記複数の磁極片の少なくとも1つは、L1>L2の関係を満たす。
本開示の少なくとも一実施形態に係る磁気ギアは、
周方向に並ぶ複数の第1磁石、および、前記複数の第1磁石を支持する第1継鉄を含む第1継鉄ユニットと、
前記第1継鉄ユニットの外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニットであって、前記周方向に並ぶとともに前記第1磁石の前記周方向における長さよりも短い長さを有する複数の第2磁石、および、前記複数の第2磁石を支持する第2継鉄を含む第2継鉄ユニットと、
前記第1継鉄ユニットと前記第2継鉄ユニットとの間において、前記複数の第1磁石および前記複数の第2磁石のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片を含む磁極片ユニットと、
を備え、
前記第2継鉄は、前記複数の第2磁石に対向する外周面または内周面を有する第2本体部と、前記第2本体部の前記外周面または前記内周面から前記磁極片に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石を支持する少なくとも1つの第2歯部と、を含み、
各々の前記磁極片は、前記第2磁石と対向する第2対向面を有し、
前記第2対向面は、
前記周方向における一方側の端である第3端と、
前記周方向における他方側の端である第4端と、
を有し、
前記複数の磁極片の前記少なくとも1つは、
本体部と、
前記本体部から前記周方向における一方側に突出する第3鍔部であって前記第2対向面の前記第3端を有する第3鍔部と、
前記本体部から前記周方向における他方側に突出する第4鍔部であって前記第2対向面の前記第4端を有する第4鍔部と、
を有し、
前記第2対向面における前記周方向における長さをL2、前記磁極片の前記周方向における平均長さをL3、前記第2磁石の前記周方向における長さをNとした場合に、
前記複数の磁極片の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。
本開示の少なくとも一実施形態に係る磁気ギアは、
周方向に並ぶ複数の第1磁石、および、前記複数の第1磁石を支持する第1継鉄を含む第1継鉄ユニットと、
前記第1継鉄ユニットの外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニットであって、前記周方向に並ぶ複数の第2磁石、および、前記複数の第2磁石を支持する第2継鉄を含む第2継鉄ユニットと、
前記第1継鉄ユニットと前記第2継鉄ユニットとの間において、前記複数の第1磁石および前記複数の第2磁石のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片を含む磁極片ユニットと、
を備え、
前記第2継鉄は、前記複数の第2磁石に対向する外周面または内周面を有する第2本体部と、前記第2本体部の前記外周面または前記内周面から前記磁極片に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石を支持する周方向に並んだ複数の第2歯部と、を含み、
各々の前記磁極片は、前記第2磁石と対向する第2対向面を有し、
前記第2対向面における前記周方向における長さをL2、前記磁極片の前記周方向における平均長さをL3、前記複数の第2歯部に含まれる前記周方向に隣接する2つの前記第2歯部の隣接距離をMとした場合に、
前記複数の磁極片の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。
本開示の一実施形態に係る磁気ギアード電気機械は、
上記のいずれかの磁気ギアと、
前記第2歯部または前記磁極片に巻かれたコイルと、
を備える。
本開示によれば、磁極片に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギア、および、磁気ギアード電気機械を提供できる。
一実施形態に係る磁気ギア(磁気ギアード発電機)の概略図。 他の実施形態に係る磁気ギア(磁気ギアード発電機)の概略図。 一実施形態に係る磁気ギアの第1内部構造を示す概略図。 一実施形態に係る磁気ギアの第2内部構造を示す概略図。 一実施形態に係る磁気ギアの第3内部構造を示す概略図。 一実施形態に係る磁気ギアの第4内部構造を示す概略図。 第1の例示に係る磁極片の第1の概念図。 第1の例示に係る磁極片の第2の概念図。 第1の例示に係る磁極片の第3の概念図。 第1の例示に係る磁極片の第4の概念図。 一実施形態に係る磁極片の概念的な斜視図。 一実施形態に係る第1電磁鋼板の概念図。 一実施形態に係る第2電磁鋼板の概念図。 第1の例示に係る磁極片の概略図。 第2の例示に係る磁極片の第1の概念図。 第2の例示に係る磁極片の第2の概念図。 第2の例示に係る磁極片の第3の概念図。 第2の例示に係る磁極片の概略図。 第3の例示に係る磁極片の概念図。 一実施形態に係る第3内部構造を示す概略図。 他の実施形態に係る第3内部構造を示す概略図。 一実施形態に係る第1内部構造における電磁力とパーミアンスを示す概念図。 周長が互いに異なる複数の磁極片の周方向位置に応じた各種パラメータを示す概念的なグラフ。 一実施形態に係る第3内部構造を示す概略図。 一実施形態に係る磁気ギアード電気機械(磁気ギアード発電機)の概略図。 他の実施形態に係る磁気ギアード電気機械(磁気ギアード発電機)の概略図。 一実施形態に係る磁気ギアード電気機械(磁気ギアードモータ)の概略図。 他の実施形態に係る磁気ギアード電気機械(磁気ギアードモータ)の概略図。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
<1.磁気ギア5の概要>
図1A、図1Bは、本開示の幾つかの実施形態に係る磁気ギア5の概略図である。以下の説明においては、「軸方向」は磁気ギア5の回転軸(第1回転軸A1または第2回転軸A2)に平行な方向であり、「径方向」は磁気ギア5の回転軸と直交する方向であり、「周方向」は、磁気ギア5の回転軸を基準とした周方向である。また、以下の説明では、磁気ギア5の構成要素の周方向の長さを、当該構成要素の周長と簡略的に称す場合がある。
図1A、図1Bで例示される磁気ギア5はいずれも、径方向の一方側から順に、第1継鉄ユニット10、第2継鉄ユニット20、および、磁極片ユニット30を備える。これら3つのユニットはいずれも軸方向に延在する。第1継鉄ユニット10は、周方向に並ぶ複数の第1磁石19、および、複数の第1磁石19を支持する第1継鉄15を含む。第2継鉄ユニット20は、周方向に並ぶ複数の第2磁石29、および、複数の第2磁石29を支持する第2継鉄25を含む。そして、磁極片ユニット30は周方向に並ぶ複数の磁極片50を含み、複数の磁極片50は、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20との間において、複数の第1磁石19および複数の第2磁石29のそれぞれと隙間G1、G2(例えば図2A参照)を空けて対向する。第1継鉄ユニット10、第2継鉄ユニット20、または、磁極片ユニット30のいずれか1つは固定子として機能し、残る2つは回転子として機能する。第2磁石29の個数は磁極片50の個数よりも多く、磁極片50の個数は第1磁石19の個数よりも多い。第1磁石19の周長は、第2磁石29の周長よりも長い。
図1A、図1Bの例では、第2継鉄ユニット20は第1継鉄ユニット10の外周側に配置されており、即ち、磁気ギア5は径方向の内側(内周側)から順に、第1継鉄ユニット10、磁極片ユニット30、および、第2継鉄ユニット20を備える。他の例では、第2継鉄ユニット20は第1継鉄ユニット10の内周側に配置されてもよく、即ち、磁気ギア5は径方向の外側(外周側)から順に、第1継鉄ユニット10、磁極片ユニット30、および、第2継鉄ユニット20を備えてもよい(図2B、図2D参照)。
<1-1.一実施形態に係る磁気ギア5A(5)>
図1Aで例示される磁気ギア5A(5)は、ベース101に設置されてもよいハウジング98を備える。同図の例では、第2継鉄ユニット20が固定子として機能する。ハウジング98は、入力軸として機能してもよい第1回転軸A1を、ベアリングを介して回転可能に支持する。磁極片ユニット30の軸方向の両端はそれぞれ一対のエンドプレート97に連結される。そして、一方のエンドプレート97は第1回転軸A1に連結されており、他方のエンドプレート97は、第1回転軸A1と同軸となるように配置される第2回転軸A2にベアリングを介して連結される。従って、同図で例示される磁極片ユニット30は、第1回転軸A1と共に回転する回転子として機能する。出力軸として機能してもよい本例の第2回転軸A2は、一対のエンドプレート97の間に配置される第1継鉄ユニット10を支持する。従って、同図で例示される第1継鉄ユニット10は、第2回転軸A2と共に回転する回転子として機能する。第2回転軸A2は、ベアリングを介してハウジング98によって回転可能に支持される。第2回転軸A2の一端部はベアリングを介して第1回転軸A1に連結されてもよいし、第1回転軸A1とは非連結であってもよい。
磁気ギア5Aは例えば以下のように作動する。入力軸としての第1回転軸A1が磁極片ユニット30と共に回転すると、複数の磁極片50は、複数の第1磁石19および複数の第2磁石29に対して相対的に回転する。これにより、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間において磁極片ユニット30を介して流れる磁束が変化し、第1磁石19の磁束の大きさが増える方向に第1継鉄ユニット10が回転する。これにより、出力軸としての第2回転軸A2は回転する。
上記の磁気ギア5Aにおいては、第2回転軸A2が入力軸として機能し、第1回転軸A1が出力軸として機能してもよい。この場合であっても、第1継鉄ユニット10が第2回転軸A2と共に回転すると、複数の磁極片50は、複数の第1磁石19に対して相対的に回転する。これにより、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間において磁極片ユニット30を介して流れる磁束が変化し、磁極片ユニット30を流れる磁束の大きさが増える方向に磁極片ユニット30が回転する。これにより、出力軸としての第1回転軸A1は回転する。
上記の磁気ギア5Aでは、磁極片ユニット30に対する第1継鉄ユニット10の回転数の比は、第1磁石19の極対数NHに対する磁極片50の磁極数NLの比(=NL/NH)で表される。本例では、NL/NHが1よりも大きく、第1継鉄ユニット10は高速ロータとして機能し、磁極片ユニット30は低速ロータとして機能する。なお、磁極片50の磁極数NLは、第2磁石29の磁極数NSよりも少ない。
<1-2.他の実施形態に係る磁気ギア5B(5)>
図1Bで例示される他の実施形態に係る磁気ギア5B(5)では、磁極片ユニット30が固定子として機能し、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20が回転子として機能する。磁気ギア5Bは、ベース101に設置されてもよいハウジング96を備え、ハウジング96によって磁極片ユニット30は支持される。ハウジング96はベアリングを介して、出力軸として機能してもよい第2回転軸A2を回転可能に支持する。また、第2回転軸A2と同軸となるように配置される、入力軸として機能してもよい第1回転軸A1は、図示外の支持ユニットによって回転可能に支持されると共に、連結部材95を介して第2継鉄ユニット20に連結される。第2継鉄ユニット20は磁極片ユニット30にベアリングを介して連結されてもよい。なお、第2回転軸A2は第1回転軸A1にベアリングを介して連結されてもよいし、第1回転軸A1とは非連結であってもよい。
磁気ギア5Bは、例えば以下のように作動する。入力軸としての第1回転軸A1が第2継鉄ユニット20と共に回転すると、複数の磁極片50は、複数の第2磁石29に対して相対的に回転する。これにより、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間において磁極片ユニット30を介して流れる磁束が変化し、第1磁石19を流れる磁束の大きさが大きくなる方向に第1継鉄ユニット10が回転する。これにより、出力軸としての第2回転軸A2は回転する。
上記の磁気ギア5Bにおいては、第2回転軸A2が入力軸として機能し、第1回転軸A1が出力軸として機能してもよい。この場合であっても、第1継鉄ユニット10が第2回転軸A2と共に回転すると、複数の磁極片50は、複数の第1磁石19に対して相対的に回転する。これにより、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間において磁極片ユニット30を介して流れる磁束が変化し、第2磁石29を流れる磁束の大きさが大きくなる方向に第2継鉄ユニット20が回転する。これにより、出力軸としての第1回転軸A1は回転する。
<1-3.磁気ギア5の補足>
図1A、図1Bで例示される磁気ギア5は、例えば磁気ギアード発電機2または磁気ギアードモータ3であってもよい後述の磁気ギアード電気機械1に組み込まれることも可能である(図11A~図11D参照)。磁気ギアード電気機械1が磁気ギアード発電機2である場合、出力軸として機能する第1回転軸A1または第2回転軸A2は設けられなくてもよい。また、磁気ギアード電気機械1が磁気ギアードモータ3である場合、入力軸として機能する第1回転軸A1または第2回転軸A2は設けられなくてもよい。さらに、磁気ギアード電気機械1が磁気ギアード発電機2または磁気ギアードモータ3のいずれであっても、第1回転軸A1と第2回転軸A2は単一の回転軸によって構成されてもよい。詳細な図示は省略するが当該実施形態に係る磁気ギア5では、1本の回転軸がハウジング98(図1A参照)により回転可能に支持されると共に、第1継鉄ユニット10に回転可能に連結されてもよく、該回転軸の外周部に一対のエンドプレート97がそれぞれ固定されてもよい。この場合、第1継鉄ユニット10と磁極片ユニット30が回転子として機能し、第2継鉄ユニット20が固定子として機能する。
<2.磁気ギア5の内部構造の例示>
図2A~図2Dは、本開示の幾つかの実施形態に係る磁気ギア5の内部構造を示す概念図である。概略図としての図2A~図2Dでは、周方向を直線的に図示している。軸方向に延在する各磁極片50は、隙間G1を空けて複数の第1磁石19のいずれか1以上と対向し、隙間G2を空けて複数の第2磁石29のいずれか1以上と対向する。複数の第1磁石19は、周方向に交互に配置される磁極の異なる磁石(N極磁石およびS極磁石)によって構成される。同様に複数の第2磁石29は、周方向に交互に配置される磁極の異なる磁石(N極磁石およびS極磁石)によって構成される。各々の磁極片50のうちで第1磁石19と対向する面は第1対向面31であり、第2磁石29と対向する面は第2対向面32である。磁極片50は、一例として複数の電磁鋼板150(図4A参照)が軸方向に積層された構造を有する。なお、磁極片50の外周側表面または内周側表面の少なくとも一方がカバー(図示外)によって覆われてもよく、この場合、第1対向面31は、隙間G1およびカバーを空けて第1磁石19と対向してもよいし、第2対向面32は、隙間G2およびカバーを空けて第2磁石29と対向してもよい。
磁極片ユニット30は、複数の磁極片50を保持するためのホルダ(図示外)を含む。一例として非磁性材料からなるホルダは、単一のリング状部材であってもよいし、複数の磁極片50と周方向に交互に並ぶ複数の棒状部材を含んでもよい。複数の磁極片50とホルダとによってリング状に構成される磁極片ユニット30の軸方向の両端は、上述した一対のエンドプレート97にそれぞれ連結されてもよいし(図1A参照)、上述したハウジング96に固定されてもよい(図1B参照)
図2A~図2Dで例示されるように、磁極片ユニット30の外周側または内周側のいずれか一方側に第1継鉄ユニット10が配置され、他方側に第2継鉄ユニット20が配置される。また、第1継鉄ユニット10または第2継鉄ユニット20の少なくとも一方の継鉄ユニットには、磁極片ユニット30に向けて突出する歯部が設けられ、該歯部が磁石(第1磁石19または第2磁石29)を支持する。磁気ギア5の内部構造に関するこれらのバリエーションは、第1内部構造、第2内部構造、第3内部構造、第4内部構造、第5内部構造、および、第6内部構造を含む。
<2-1.第1内部構造>
図2Aで例示される第1内部構造では、磁極片ユニット30の内周側に第1継鉄ユニット10が配置され、外周側に第2継鉄ユニット20が配置される。また、第1継鉄ユニット10には歯部が設けられず、第2継鉄ユニット20には歯部が設けられる。より詳細な構造は以下の通りである。
第1継鉄15は、軟磁性材料によって形成されるコアであってもよい第1本体部11を含む。図2Aで例示される第1本体部11は、周方向に並ぶ複数の第1磁石19を支持する外周面11Bを有する。外周面11Bは、磁気ギア5の周方向の全長に亘って形成される湾曲面である。第2継鉄25は、軟磁性材料によって形成されるコアであってもよい第2本体部21と、少なくとも1つの第2歯部21Tとを含む。図2Aの例では、第2本体部21は複数の第2磁石29に対向する内周面21Aを有し、第2歯部21Tは内周面21Aから磁極片50に向かって突出すると共に1以上の第2磁石29を支持する。第2歯部21Tは、軟磁性材料によって形成されており、第2本体部21と一体的に形成されてもよい。また、第2歯部21Tは、同図で示されるように、磁極片50に近づくに従い周長が長くなるように構成される先端部を有してもよい。他の例では、第2歯部21Tは、径方向位置に関わらず同じ周長を有してもよい(図8参照)。
<2-2.第2内部構造>
図2Bで例示される第2内部構造では、磁極片ユニット30の内周側に第2継鉄ユニット20が配置され、外周側に第1継鉄ユニット10が配置される。また第1内部構造と同様、第1継鉄ユニット10には歯部が設けられず、第2継鉄ユニット20には歯部が設けられる。より詳細な構造は以下の通りである。
第1継鉄15は、軟磁性材料によって形成されるコアであってもよい第1本体部11を含む。図2Bで例示される第1本体部11は、周方向に並ぶ複数の第1磁石19を支持する内周面11Aを有する。内周面11Aは、磁気ギア5の周方向の全長に亘って形成される湾曲面である。第2継鉄25は、軟磁性材料によって形成されるコアであってもよい第2本体部21と、少なくとも1つの第2歯部21Tとを含む。図2Bの例では、第2本体部21は複数の第2磁石29に対向する外周面21Bを有し、第2歯部21Tは外周面21Bから磁極片50に向かって突出すると共に1以上の第2磁石29を支持する。第2歯部21Tの形状・材質については、第1内部構造と同様であるので詳説を割愛する。
<2-3.第3内部構造>
図2Cで例示される第3内部構造では、第1内部構造と同様、磁極片ユニット30の内周側に第1継鉄ユニット10が配置され、外周側に第2継鉄ユニット20が配置される。一方で、第3内部構造は、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の双方に歯部が設けられる点において、第1内部構造とは異なる。より詳細な構造は以下の通りである。
図2Cの例で例示される第1継鉄ユニット10は、軟磁性材料によって形成されるコアであってもよい第1本体部11と、少なくとも1つの第1歯部11Tとを含む。図2Cの例では、第1本体部11は複数の第1磁石19と対向する外周面11Bを有し、第1歯部11Tは外周面11Bから磁極片50に向かって突出すると共に複数の第1磁石19を支持する。外周面11Bは、磁気ギア5の周方向の全長に亘って形成される湾曲面である。第1歯部11Tは、軟磁性材料によって形成されており、第1本体部11と一体的に形成されてもよい。同図で示される第2継鉄ユニット20は、第1内部構造の第2継鉄ユニット20と同じ構成を有するので、詳説を割愛する。
<2-4.第4内部構造>
図2Dで例示される第4内部構造では、第2内部構造と同様、磁極片ユニット30の内周側に第2継鉄ユニット20が配置され、外周側に第1継鉄ユニット10が配置される。一方で、第4内部構造は、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の双方に歯部が設けられる点において、第2内部構造とは異なる。より詳細な構造は以下の通りである。
図2Dの例で例示される第1継鉄ユニット10は、軟磁性材料によって形成されるコアであってもよい第1本体部11と、少なくとも1つの第1歯部11Tとを含む。図2Dの例では、第1本体部11は複数の第1磁石19と対向する内周面11Aを有し、第1歯部11Tは内周面11Aから磁極片50に向かって突出すると共に複数の第1磁石19を支持する。内周面11Aは、磁気ギア5の周方向の全長に亘って形成される湾曲面である。第1歯部11Tは、軟磁性材料によって形成されており、第1本体部11と一体的に形成されてもよい。同図で示される第2継鉄ユニット20は、第2内部構造の第2継鉄ユニット20と同じ構成を有するので、詳説を割愛する。
<2-5.第5内部構造、および、第6内部構造>
第5内部構造は、第3内部構造における第2継鉄25が第2歯部21Tを有さない構造を有する。第6内部構造は、第4内部構造における第2継鉄25が第2歯部21Tを有さない構造を有する。つまり、第5内部構造および第6内部構造においては、第2本体部21の内周面21Aまたは外周面21Bが第2磁石29を支持する構成が採用される。これら内部構造についての詳細な図示は省略する。
<3.磁極片50の形状の詳細>
図3A~図6を参照し、上述の内部構造に適用される磁極片50の具体例を、第1の例示に係る磁極片51(50)、第2の例示に係る磁極片52(50)、および、第3の例示に係る磁極片53(50)として順に以下説明する。
<3-1.第1の例示に係る磁極片51(50)>
図3A~図4Cを参照して、第1の例示に係る磁極片51(50)を説明する。磁極片51は、第1継鉄ユニット10または第2継鉄ユニット20のいずれか一方のみに歯部が設けられる内部構造に適用される。即ち、磁極片51が適用可能な内部構造は、第1内部構造、第2内部構造、第5内部構造、および、第6内部構造を含む。以下では磁極片51が第1内部構造に適用される実施形態を説明し、他の内部構造に適用される実施形態の説明を割愛する。
図3A~図3Dは、第1の例示に係る磁極片51の概念図である。図3A~図3Dで例示される磁極片511~514(51)はいずれも、第1磁石19と対向する第1対向面31A~31D(31)と、第2磁石29と対向する第2対向面32A~32D(32)とを有する。そして、第1対向面31の周長をL1、第2対向面32の周長をL2とした場合に、磁極片511~514(51)は、L1>L2の関係を満たす。なお、同図で例示されるL2は、第1磁石19の周長より短く、且つ、第2磁石29の周長よりも長い。他の例では、L2は第2磁石29の周長よりも短くてもよい。
発明者の知見によれば、L1>L2の関係を満たす磁極片51(50)が採用されると、伝達トルクが向上する(具体的な理由については、<5.L1>L2の関係を満たす磁極片51(50)について>で後述する)。よって、上記構成によれば、磁極片51に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクが向上した磁気ギアード電気機械1が実現される。
なお、図3Aでは、複数の磁極片511が周方向に配置されており、少なくとも1つの磁極片511がL1>L2の関係を満たせば、上記利点は得られる。図3Bでも同様に、複数の磁極片512の少なくとも1つがL1>L2の関係を満たせばよい。図3C、図3Dで例示される複数の磁極片513、514についても同様である。
図3A~図3Cを参照し、磁極片511~513(51)の形状の詳説を続ける。第1対向面31A~31C(31)は、周方向における一方側の端である第1端311A~311C(311)と、周方向における他方側の端である第2端312A~312C(312)とを有する。また、磁極片511~513は、本体部60A~60C(60)を有する。本体部60は、径方向位置に関わらず同じ周長を有する(例えば図3Cでは、本体部60Cの周方向の両端を二点鎖線Uによって図示する)。磁極片511~513(51)は、本体部60から周方向における一方側に突出する第1鍔部61A~61C(61)と、本体部60から周方向における他方側に突出する第2鍔部62A~62C(62)とを有する。同図の例では、第1鍔部61と第2鍔部62は周方向において互いに対称な形状を有する。しかし、第1鍔部61と第2鍔部62は周方向において互いに非対称な形状であってもよい。また、第1鍔部61A~61C(61)は、第1対向面31の第1端311A~311C(311)を有し、第2鍔部62A~62C(62)は、第2対向面32の第2端312A~312C(312)を有する。
上記構成によれば、第1鍔部61および第2鍔部62を有することにより、磁極片51(50)は、第1対向面31の周長(L1)が増加する。これは、磁極片51(50)と第1継鉄ユニット10との間の磁気抵抗を減じ、さらに、磁極片51(50)を通って第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間を流れる磁束を増すことにつながる。よって、伝達トルクはさらに向上する。
なお図3Aの例では、複数の磁極片511の少なくとも1つが第1鍔部61Aと第2鍔部62Aを有すれば、上記利点は得られる。図3Bでも同様に、複数の磁極片512の少なくとも1つが第1鍔部61Bと第2鍔部62Bを有すればよい。図3Cで例示される複数の磁極片513についても同様である。
図3A、図3Bを参照し、磁極片511、512(51)の形状の詳説を続ける。第1鍔部61A、61B(61)は、一方側に向かうに従い径方向における長さが短くなるように構成される。同様に、第2鍔部62A、62B(62)は、他方側に向かうに従い径方向における長さが短くなるように構成される。第1鍔部61は第1対向面31に対して傾斜する第1テーパ面701A、701B(701)を有し、第2鍔部62は第1対向面31に対して傾斜する第2テーパ面702A、702B(702)を有する。第1テーパ面701と第2テーパ面702は、図3Aで示すような平面であってもよいし、図3Bで示すような湾曲面であってもよい。図3A、図3Bの例では、第1テーパ面701と第2テーパ面702はいずれも第1対向面31に直接的に接続される。他の例では、第1鍔部61と第2鍔部62は面取りされていてもよく、即ち、第1テーパ面701と第2テーパ面702はそれぞれ、別の面を介して第1対向面31と接続されてもよい(図4C参照)。別の面は平面または湾曲面のいずれであってもよい。
上記構成によれば、第1鍔部61と第2鍔部62は先端においてのみ、隣接する磁極片51(50)と近接する。つまり、第1鍔部61と第2鍔部62は、隣接する磁極片51から部分的に離隔する。これにより、互いに隣接する2つの磁極片51の間で磁束が行き交う磁束が抑制される。即ち、漏れ磁束が抑制される。よって、磁束の漏れによる伝達トルクの低下を抑制することができる。
図3Aを参照し、磁極片511(51)の形状の詳説を続ける。第2対向面32A(32)は、周方向における一方側の端である第3端323と、周方向における他方側の端である第4端324とを有する。また、第1鍔部61Aのうちで径方向における第2対向面32A側の端は、端611であり、第2鍔部62Aのうちで径方向における第2対向面32側の端は、端621である。
磁極片511(51)は、第1接続面71と第2接続面72とを有する。第1接続面71と第2接続面72は径方向に沿って延在する平面である。第1接続面71は、第1鍔部61Aの端611と第2対向面32Aの第3端323とを接続し、第2接続面72は、第2鍔部62Aの端621と第2対向面32Aの第4端324とを接続する。径方向に沿って延在する第1接続面71は、径方向に平行であっても、実質的に径方向に平行であってもよい、例えば、第1接続面71が径方向に対してなす鋭角が5°以下であるなら、第1接続面71は実質的に径方向に平行であると了解される。径方向に沿って延在する第2接続面72についても同様のことが了解される。
上記構成によれば、第1接続面71と第2接続面72が、第2対向面32A側に向かうに従い互いに近づくテーパ形状を有する場合に比べて、磁極片51の形状が単純化され、製造が容易である。
図3A~図3Dを参照し、磁極片511~514(51)の形状の詳説を続ける。図3A~図3Dでは、磁極片511~514(51)の周方向の磁気抵抗的な平均長さをL3によって示す。磁極片の径方向の長さをH,磁極片において径方向位置hにおいて磁極片の周方向の長さをLhと記すと,磁極片の磁気抵抗的な平均長さL3は式(A)で表される。L3は、磁極片50の周方向における平均長さであると了解される。
Figure 0007257577000002
同図の例では、第2継鉄ユニット20の少なくとも1つの第2歯部21Tは、周方向に並ぶ複数の第2歯部21Tを有する。複数の第2歯部21Tに含まれる周方向に隣接する2つの第2歯部21Tの隣接距離(最短距離)をMとした場合、磁極片511~514(51)は、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。ここで、min{L2,L3}はL2とL3の小さいほうの値であり,max{L2,L3}はL2とL3の大きいほうの値である。またより好ましくは、磁極片511~514(51)は、0.95×min{L2,L3}≦M≦1.05×max{L2,L3}の関係を満たす。さらに好ましくは、磁極片511~514(51)は、1.0×min{L2,L3}≦M≦1.0×max{L2,L3}の関係を満たす。
特定の磁極片51を通過する磁束が、隣接する磁極片51に漏れることなく、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間を径方向に行き交えば、伝達トルクが増大する。ところが、隣接する2つの第2歯部21Tの隣接距離(M)が短すぎると、磁束が第2歯部21Tから別の第2歯部21Tへ磁極片51を経由して漏れ、径方向に流れる磁束が低下する。この点、上記構成によって、2つの第2歯部21Tの隣接距離が短くなり過ぎるのを抑制できるので、第2歯部21Tから別の第2歯部21Tへ磁極片51(50)を経由して磁束が漏れるのを抑制できる。よって、伝達トルクを向上できる。
なお、図3Aでは、複数の磁極片511が周方向に配置されており、少なくとも1つの磁極片511が0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦M≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦M≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たせば、上記利点は得られる。図3Bでも同様に、複数の磁極片512の少なくとも1つが0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦M≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦M≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たせばよい。図3C、図3Dで例示される複数の磁極片513、514についても同様である。
図4Aは、本開示の一実施形態に係る磁極片511(51)の概念的な斜視図である。図4Bは、本開示の一実施形態に係る第1電磁鋼板151の概念図である。図4Cは、本開示の一実施形態に係る第2電磁鋼板152の概念図である。図4Dは、本開示の一実施形態に係る磁極片51(50)の概念図であり、同図では周方向が直線的に図示されている。
第1鍔部61は、磁極片511のうちで周方向において最も一方側に位置する部位である第1縁部81と、第1縁部81から周方向において他方側に凹む第1凹部91とを有する。第1縁部81は軸方向に延在しており、第1凹部91は径方向に開放されている。本例の第2縁部82は周方向において第1縁部81と対称な形状を有しもよい。より具体的には、第2鍔部62は、磁極片511のうちで周方向において最も他方側に位置する部位である第2縁部82と、第2縁部82から周方向において一方側に凹む第2凹部92とを有してもよい。第2縁部82は軸方向に延在しており、第2凹部92は径方向に開放されている。第1鍔部61に設けられる第1凹部91の個数は複数であってもよい。この場合、複数の第1凹部91は軸方向に間隔を空けて配置される。同様に、第2鍔部62は、軸方向に間隔を空けて配置された複数の第2凹部92を有してもよい。また、複数の磁極片511は、周方向において互いに隣接する第1隣接磁極片1511および第2隣接磁極片1512を含む。同図では第2隣接磁極片1512は第1隣接磁極片1511よりも周方向の一方側に位置する。第1隣接磁極片1511の第1鍔部61は、第2隣接磁極片1512の第2鍔部62と隙間を空けて周方向に対向してもよい。他の例では、第1隣接磁極片1511の第1鍔部61は、第2隣接磁極片1512の第2鍔部62に接触してもよい。なお、接触は結合を含む概念である。
磁極片51の磁束を隣接する磁極片51に漏らすことなく、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間を径方向に行き交う磁束とすれば、伝達トルクが増大する。ところが、隣接する2つの磁極片511の距離が短すぎると、磁束が隣接する磁極片511に漏れ、伝達トルクが低下する。この点、上記構成によれば、第1凹部91と第2凹部92が設けられることで、第1隣接磁極片1511の第1鍔部61および第2隣接磁極片1512の第2鍔部62は、部分的に周方向に離隔する。これにより、隣接する2つの磁極片511の間で磁束が行き交う磁束を抑制できる。即ち磁束漏れを抑制できる。よって、伝達トルクはさらに向上する。
なお、図4Aで例示した第1鍔部61と第2鍔部62の構成は、磁極片512、513のいずれにも適用されてよいし、その他の磁極片51に適用されてもよい。この場合であっても、上記した利点は得られる。
図4Aで例示されるように、第1隣接磁極片1511の第1凹部91は、第2隣接磁極片1512の第2凹部92の少なくとも一部と、軸方向において重なるように配置してもよいし、あるいは第1凹部91は第2凹部92と軸方向において全く重なることなく配置してもよい。本例では第1凹部91と第2凹部92は互いに同一の形状を有し、第1隣接磁極片1511の第1凹部91と、第2隣接磁極片1512の第2凹部92は軸方向において互いに一致するように配置される。また本例では、これら2つの磁極片511がいずれも、複数の第1凹部91と複数の第2凹部92を含んでおり、複数の第1凹部91がそれぞれ複数の第2凹部92と軸方向において互いに一致するように配置される。
上記構成によれば、第1隣接磁極片1511の第1凹部91と、第2隣接磁極片1512の第2凹部92との間の隙間を大きくできるので、第1隣接磁極片1511と第2隣接磁極片1512との間で磁束が行き交うことをより効果的に抑制できる。即ち、漏れ磁束を効果的に抑制できる。
なお、上記した第1鍔部61と第2鍔部62の構成は、磁極片512、513に適用されてもよいし、その他の磁極片51に適用されてもよい。この場合であっても、上記した利点は得られる。
図4Aで例示される軸方向に延在する各磁極片511では、第1凹部91と第2凹部92は、軸方向において互いに同じ位置に配置される。磁極片511(51)は、軸方向において積層される複数の電磁鋼板150を有する。磁極片511(51)においては、第1縁部81と第2縁部82が形成される軸方向範囲と、第1凹部91と第2凹部92が形成される軸方向範囲とがある。そのため、複数の電磁鋼板150は、形状が互いに異なる第1電磁鋼板151と第2電磁鋼板152とを有する。第1電磁鋼板151は、第1縁部81と第2縁部82を形成する。より具体的には、第1電磁鋼板151の周方向の両端がそれぞれ第1縁部81と第2縁部82を形成する。第2電磁鋼板152は第1凹部91と第2凹部92のそれぞれの底面を形成する。第2電磁鋼板152の周長(最大周長)は、第1電磁鋼板151の周長(最大周長)よりも短い。なお、前者の周長は図4Cの寸法P2に該当し、後者の周長は図4Bの寸法P1に該当する。
図4Aの例では、第2電磁鋼板152の軸方向の一方側に複数の第1電磁鋼板151が配置され、第2電磁鋼板152の軸方向の他方側にも複数の第1電磁鋼板151が配置される。一実施形態に係る第1凹部91と第2凹部92は、複数の電磁鋼板150の積層工程よりも前に製作されてもよい。他の実施形態では、複数の電磁鋼板150が積層された後に、第1凹部91と第2凹部92を形成するための規定の加工が実行されてもよい。規定の加工は、例えば穴あけ加工である。
上記構成によれば、複数の電磁鋼板150に含まれる第2電磁鋼板152によって、第1凹部91と第2凹部92のそれぞれの底面が形成されるので、第1凹部91と第2凹部92の構成を簡易化できる。
なお、上記した第1鍔部61と第2鍔部62の構成は、磁極片512、513に適用されてもよいし、その他の磁極片51に適用されてもよい。この場合であっても、上記した利点は得られる。
図4Bで例示されるように、第1電磁鋼板151は、磁極片511の本体部60を形成する第1基部151Aと、第1縁部81を形成する第1角部151Bと、第2縁部82を形成する第2角部151Cとを有する。第1基部151Aは、軸方向視において、本体部60と同一の形状を有する。第1角部151Bは、第1電磁鋼板151のうちで周方向において最も一方側に位置する部位であり、第2角部151Cは、第1電磁鋼板151のうちで周方向において最も他方側に位置する部位である。第1角部151Bと第2角部151Cは周方向において互いに対称であってもよい。
図4Cで例示されるように、第2電磁鋼板152は、磁極片511の本体部60を形成する第2基部152Aと、第1凹部91の底面を形成する第1突部152Bと、第2凹部92の底面を形成する第2突部152Cとを有する。第2基部152Aは第1基部151Aと同一の形状を有する。第1突部152Bは、第2基部152Aから周方向における一方側へ突出し、第2突部152Cは、第2基部152Aから周方向における他方側へ突出する。第1突部152Bと第2突部152Cは、周方向において互いに対称であってもよい。第1凹部91の底面は、第1突部152Bの先端によって形成され、第2凹部92の底面は、第2突部152Cの先端によって形成される。
図4Dで例示されるように、周方向に並ぶ複数の磁極片51(50)は、周方向において互いに隣接する第1規定磁極片2511および第2規定磁極片2522を含んでもよい。第1規定磁極片2511および第2規定磁極片2522は各々、本体部60、第1鍔部61、および、第2鍔部62を有する。そして、第1規定磁極片2511の第1鍔部61と、第2規定磁極片2522の第2鍔部62は接触する。図4Dの例では、複数の第1規定磁極片2511と、複数の第2規定磁極片2522は周方向に交互に配置される。従って、任意の第1規定磁極片2511の第1鍔部61は、一方側にある第2規定磁極片2522の第2鍔部62に接触すると共に、該第1規定磁極片2511の第2鍔部62は、他方側にある第2規定磁極片2522の第1鍔部61に接触する。接触は例えば溶接などによる結合であってもよい。この場合、周方向に交互に並ぶ複数の第1規定磁極片2511および複数の第2規定磁極片2522は互いに一体的に構成される。上記構成によれば、複数の磁極片51の補強効果を向上できる。
<3-2.第2の例示に係る磁極片52(50)>
図5A~図5Dを参照し、第2の例示に係る磁極片52(50)を説明する。図5A~図5Cは、第2の例示に係る磁極片52の概念図である。図5Dは複数の磁極片52(50)の概念図であり、同図では周方向が直線的に図示されている。第2の例示に係る磁極片52は、第1継鉄ユニット10または第2継鉄ユニット20のうち少なくとも第2継鉄ユニット20に歯部が設けられる内部構造に適用される。即ち、磁極片52に適用可能な内部構造は、第1内部構造、第2内部構造、第3内部構造、および、第4内部構造を含む。以下では磁極片52が第3内部構造に適用される実施形態を説明し、他の内部構造に適用される実施形態の説明を割愛する。
図5A~図5Cで示される磁極片521~523(52)はいずれも、第1磁石19と対向する第1対向面310A~310C(31)と、第2磁石29と対向する第2対向面320A~320C(32)とを有する。第2対向面320A~320Cは、周方向における一方側の端である第3端1323A~1323C(323)と、周方向における他方側の端である第4端1324A~1324C(324)とを有する。第2対向面32の周長をL2、磁極片52の周方向における平均長さをL3、各々の第2磁石29の周長をNとした場合に、磁極片521~523(52)は、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。より好ましくは、磁極片521~523(52)は、0.95×min{L2,L3}≦N≦1.05×max{L2,L3}の関係を満たす。さらに好ましくは、磁極片521~523(52)は、1.0×min{L2,L3}≦N≦1.0×max{L2,L3}の関係を満たす。
また、磁極片521~523(52)は、本体部160A~160C(60)と、本体部60から周方向における一方側に突出する第3鍔部63A~63C(63)と、本体部60から周方向における他方側に突出する第4鍔部64A~64C(64)とを有する。本例では、磁極片52の本体部60の形状は、第1の例示に係る本体部60と同一の形状を有する。また、同図の例では、第1鍔部61と第2鍔部62は周方向において互いに対称な形状を有するが、非対称であってもよい。第3鍔部63A~63Cは、第2対向面32の第3端1323A~1323Cを有し、第4鍔部64A~64Cは、第2対向面32の第4端1324A~1324Cを有する。
上記構成によれば、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦N≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦N≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たす磁極片52は、磁気ギア5の作動に伴って磁極片52と第2継鉄25との位置関係が周方向に相対変化する過程において、連続的な磁気抵抗トルクを得ることができる(理由は<6.0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす磁極片50>で詳説する)。よって、上記構成によれば、磁極片52に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギア5が実現される。また、発明者の知見によれば、隣接する2つの第2磁石29の境目を跨ぐように磁極片52が相対移動するとき、起磁力の正負が切り替わる。この点、上記構成によれば、磁極片52が第3鍔部63と第4鍔部64を有することで、正負が切り替わる起磁力を部分的に短絡させることができ、起磁力の正負の切り替わりを緩やかにすることができる。これにより、磁気ギア5はスムーズに回転を継続することができる。
なお、図5Aでは、複数の磁極片521が周方向に配置されており、少なくとも1つの磁極片521が0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦N≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦N≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たせば、上記利点は得られる。図5Bでも同様に、複数の磁極片522の少なくとも1つが0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦N≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦N≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たせばよい。図5Cで例示される複数の磁極片523についても同様である。
図5A、図5Bを参照し、磁極片521、522(52)の形状の詳説を続ける。第3鍔部63A、63B(63)は、一方側に向かうに従い径方向における長さが短くなるように構成される。同様に、第4鍔部64A、64B(64)は、他方側に向かうに従い径方向における長さが短くなるように構成される。第3鍔部63は第2対向面32に対して傾斜する第3テーパ面703A、703B(703)を有し、第2鍔部62は第2対向面32に対して傾斜する第4テーパ面704A、704B(704)を有する。第3テーパ面703と第4テーパ面704は、図5Aで示すような平面であってもよいし、図5Bで示すような湾曲面であってもよい。図5A、図5Bの例では、第3テーパ面703と第4テーパ面704はいずれも第2対向面32に直接的に接続される。他の例では、第3鍔部63と第4鍔部64は面取りされていてもよく、即ち、第3テーパ面703と第4テーパ面704はそれぞれ、別の面を介して第2対向面32と接続されてもよい。別の面は平面または湾曲面のいずれであってもよい。
上記構成によれば、磁極片52の第2対向面32は第2磁石29を周方向に過不足なく覆うことができ、第2磁石29の起磁力に起因して、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の間を径方向に行き交う磁束が最大化されるので、伝達トルクはさらに向上する。
磁極片50の第2対向面32の周長(L2)が第2磁石29の周長(N)より小さければ、第2磁石29の周長Nは磁極片50の周長に対して余り、第2磁石29の起磁力のうち前記余りの部分は磁極片50に伝わらず無駄になる。一方、第2磁石29の周長(N)が磁極片50の周長が磁極片50の第2対向面32の周長(L2)より大きければ、磁極片50の第2対向面32は第2磁石29の周長(N)に対して余り、磁極片50の第2対向面32の前記余りの部分は隣接する第2磁石29から逆向きの起磁力を受けるので、磁極片50の第2対向面32は全体として受ける起磁力が弱まる。このように、磁極片50の第2対向面32は第2磁石29を周方向に過不足なく覆うことは有効である。
なお図5Aの例では、複数の磁極片521の少なくとも1つが第3鍔部63Aと第4鍔部64Aを有すれば、上記利点は得られる。図5Bでも同様に、複数の磁極片522の少なくとも1つが第3鍔部63Bと第4鍔部64Bを有すればよい。
図5Aを参照し、磁極片521(52)の形状の詳説を続ける。第1対向面310Aは、周方向における一方側の端である第1端1311(311)と、周方向における他方側の端である第2端1312(312)とを有する。また、第3鍔部63Aのうちで径方向における第1対向面31側の端は、端1611であり、第4鍔部64Aのうちで径方向における第1対向面31側の端は、端1621である。
磁極片521(52)は、第3接続面73および第4接続面74を有する。第3接続面73と第4接続面74は径方向に沿って延在する平面である。第3接続面73は、第3鍔部63の端1611と第2対向面32の第3端1323Aとを接続し、第4接続面74は、第4鍔部64の端1621と第2対向面32の第4端1324Aとを接続する。径方向に沿って延在する第3接続面73は、径方向に平行であっても、実質的に径方向に平行であってもよい、例えば、第3接続面73が径方向に対してなす鋭角が5°以下であるなら、第3接続面73は実質的に径方向に平行であると了解される。径方向に沿って延在する第4接続面74についても同様のことが了解される。上記構成によれば、第3接続面73と第4接続面74が径方向に沿って延在することで、磁極片52(50)の形状が単純化され、製造を容易にできる。
図5A~図5Cを参照し、磁極片521~523(52)の形状の詳説を続ける。同図の例では、第2継鉄ユニット20の少なくとも1つの第2歯部21Tは、周方向に並ぶ複数の第2歯部21Tを有する。複数の第2歯部21Tに含まれる周方向に隣接する2つの第2歯部21Tの隣接距離(最短距離)を、第1の例示と同様にMとした場合、磁極片521~523(52)は、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。より好ましくは、磁極片521~523(52)は、0.95×min{L2,L3}≦M≦1.05×max{L2,L3}の関係を満たす。さらに好ましくは、磁極片521~523(52)は、1.0×min{L2,L3}≦M≦1.0×max{L2,L3}の関係を満たす。
既述の通り、隣接する2つの第2歯部21Tの隣接距離が短すぎると、磁束が第2歯部21Tから別の第2歯部21Tへ磁極片52(50)を経由して漏れ、径方向に流れる磁束が低下する。この点、上記構成によれば、2つの第2歯部21Tの隣接距離が短くなり過ぎるのを抑制できるので、第2歯部21Tから別の第2歯部21Tへ磁極片52を経由して磁束が流れるのを抑制できる。即ち、漏れ磁束を抑制できる。よって、伝達トルクを向上できる。
なお、図5Aでは、複数の磁極片521が周方向に配置されており、少なくとも1つの磁極片521が0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦M≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦M≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たせば、上記利点は得られる。図5Bでも同様に、複数の磁極片522の少なくとも1つが0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦M≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦M≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たせばよい。図5Cで例示される複数の磁極片523についても同様である。
図5Dで例示されるように、周方向に並ぶ複数の磁極片52(50)は、周方向において互いに隣接する第1規定磁極片3511および第2規定磁極片3522を含んでもよい。第1規定磁極片3511および第2規定磁極片3522は各々、本体部60、第3鍔部63、および、第4鍔部64を有する。そして、第1規定磁極片3511の第3鍔部63と、第2規定磁極片3522の第4鍔部64は接触する。図4Dの例では、複数の第1規定磁極片3511と、複数の第2規定磁極片3522は周方向に交互に配置される。従って、任意の第1規定磁極片3511の第3鍔部63は、一方側にある第2規定磁極片3522の第4鍔部64に接触すると共に、該第1規定磁極片3511の第4鍔部64は、他方側にある第2規定磁極片3522の第3鍔部63に接触する。接触は例えば溶接などによる結合であってもよい。この場合、周方向に交互に並ぶ複数の第1規定磁極片3511および複数の第2規定磁極片3522は互いに一体的に構成される。上記構成によれば、複数の磁極片52(50)の補強効果を向上できる。
<3-3.第3の例示に係る磁極片53(50)>
図6は、第3の例示に係る磁極片53(50)の概念図である。磁極片53は、第1継鉄ユニット10または第2継鉄ユニット20のうち少なくとも第2継鉄ユニット20に歯部が設けられる内部構造に適用される。即ち、磁極片53に適用可能な内部構造は、第1内部構造、第2内部構造、第3内部構造、および、第4内部構造を含む。以下では磁極片53が第3内部構造に適用される実施形態を説明し、他の内部構造に適用される実施形態の説明を割愛する。
既述の通り磁極片53(50)は、第1磁石19と対向する第1対向面31、および、第2磁石29と対向する第2対向面32を含む。また、第2継鉄25の少なくとも1つの第2歯部21Tは、周方向に並んだ複数の第2歯部21Tを有する。また同図の例では、第1継鉄15は、周方向に並んだ複数の第1歯部11Tを有する。
第2の例示と同様に、第2対向面32の周長をL2とし、磁極片53の周方向における平均長さをL3とし、複数の第2歯部21Tに含まれる隣接する2つの第2歯部21Tの隣接距離をMとした場合に、複数の磁極片53の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係(より好ましくは0.95×min{L2,L3}≦M≦1.05×max{L2,L3}の関係、さらに好ましくは1.0×min{L2,L3}≦M≦1.0×max{L2,L3}の関係)を満たす。なお、図6で例示される磁極片53(50)の形状は一例に過ぎない。例えば、第1の例示に係る磁極片511~514(51)、または、第2の例示に係る磁極片521~523(52)のいずれかの形状が磁極片53に適用されても何ら問題ない。
既述の通り、隣接する2つの第2歯部21Tの隣接距離が短すぎると、磁束が第2歯部21Tから隣接する第2歯部21Tへ磁極片53を経由して流れ、径方向に流れる磁束が低下する。この点、上記構成によれば、2つの第2歯部21Tの隣接距離が短くなり過ぎるのを抑制できるので、第2歯部21Tから隣接する第2歯部21Tへ磁極片53を経由して磁束が流れるのを抑制できる。即ち、漏れ磁束を抑制できる。よって、磁極片53に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギア5が実現される。
<4.磁極片52、53(50)が適用される内部構造の追加説明>
既述の通り、磁極片52、53(50)に適用可能な内部構造は、第3内部構造および第4内部構造を含む。これらの内部構造における追加的な構成を、第3内部構造を示す図7A、図7Bを用いて説明する。なお、説明の重複を避けるため、第4内部構造についての同様の説明は割愛する。図7Aは、一実施形態に係る第3内部構造を示す概略図であり、図7Bは、他の実施形態に係る第3内部構造を示す概略図である。両図においては、少なくとも1つの第1歯部11Tは周方向に並ぶ複数の第1歯部11Tを含み、少なくとも1つの第2歯部21Tは周方向に並ぶ複数の第2歯部21Tを含む。
図7A、図7Bで示される実施形態ではいずれも、複数の第1歯部11Tの個数(h1)に対する複数の第1磁石19の個数(p1)は、複数の第2歯部21Tの個数(h2)に対する複数の第2磁石29の個数(p2)の比と等しい。即ち、以下の式(B)が成立する。
p1:h1=p2:h2 式(B)
なお、p1は複数の第1磁石19の極数であり、p2は複数の第2磁石29の極数である。
既述の通り、複数の第1磁石19は、周方向に交互に配置されるN極磁石およびS極磁石により構成され、複数の第2磁石29も同様の構成を有する。上記構成によれば、式(B)が成立することにより、磁気ギア5の作動時、磁極片52(50)と対向する第1磁石19がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わる周期と、磁極片52(50)と対向する第2磁石29がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わる周期とが互いに一致する。以下の説明では、これらの互いに同じ2つの周期を規定周期という場合がある。
図7Aで示される複数の第1磁石19は第1規定磁石191を有する。周方向において、第1規定磁石191の中心は、第1規定磁石191を支持する第1歯部11Tの中心と一致する。図7Aで例示される両中心は、径方向に平行な二点鎖線C1上にある。本例では、第1規定磁石191を支持する第1歯部11Tと隣り合う別の第1歯部11Tでは、第1歯部11Tの中心と第1磁石19の中心は周方向において一致はしない。別の例では、複数の第1歯部11Tの各々において上述の第1規定磁石191が配置されることがあってもよい。なお、第1規定磁石191の中心と第1歯部11Tの中心との周方向における最短距離が、第1規定磁石191の周長の10%未満であるならば、両中心は互いに一致すると了解される。
さらに、複数の第2磁石29は周方向において互いに隣り合う第2隣接磁石295を有する。周方向において、2つの第2隣接磁石295の中間点のいずれか一つは、2つの第2隣接磁石295を支持する単一の第2歯部21Tの中心と一致する。該中間点と該中心は、図7Aの例において径方向に平行な二点鎖線C2上にある。本例では、2つの第2隣接磁石295が設けられる第2歯部21Tと隣り合う別の第2歯部21Tにおいては、第2歯部21Tの中心と、2つの隣接し合う第2磁石29の中間点とは周方向において一致はしない。別の例では複数の第2歯部21Tの各々において2つの第2隣接磁石295が配置されることがあってもよい。なお、2つの第2隣接磁石295の中間点と単一の第2歯部21Tの中心との周方向における最短距離が、第2磁石29の周長の10%未満であるならば、該中間点と該中心は互いに一致すると了解される。
発明者の知見によれば、第2歯部21Tと第2隣接磁石295との位相関係と、第1歯部11Tと第1隣接磁石195との位相関係を180度離すことが伝達トルクの向上に有効である(理由は<7.歯部の位置、磁石の位置、および伝達トルクの関係>で詳述する)。この点、上記構成によれば、磁極片50と対向する第1磁石19がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングと、磁極片50と対向する第2磁石29がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングとが、上述した規定周期の半分、すなわち規定周期において180度、互いにずれる。これにより、第2歯部21Tにおいて第2磁石29がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングと、第1歯部11Tにおいて第1磁石19がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングが、規定周期において180度ずれて等間隔で発生し、発生するトルクが時間的に均一化する。さらに、図7Aでは、第1磁石19が磁極片50に対して及ぼす起磁力は最大となるが、第2磁石29についてはN磁極とS磁極が相殺し,磁極片50には第2磁石からの起磁力は作用しない。これにより、磁束飽和によって磁気ギア5の伝達トルクが減少することを回避できる。
図7Bで示される他の実施形態において、複数の第1磁石19は、周方向において互いに隣り合う2つ第1隣接磁石195を有する。周方向において、2つの第1隣接磁石195の中間点は、2つの第1隣接磁石195を支持する単一の第1歯部11Tの中心と一致する。該中間点と該中心は、径方向に平行な二点鎖線C3上にある。本例では、2つの第1隣接磁石195が設けられる第1歯部11Tと隣り合う別の第1歯部11Tにおいては、第1歯部11Tの中心と、2つの隣接し合う第1磁石19の中間点とは周方向において一致はしない。別の例では、複数の第1歯部11Tの各々において2つの第1隣接磁石195が配置されることがあってもよい。なお、2つの第1隣接磁石195の中間点と単一の第1歯部11Tの中心との周方向における最短距離が、第1磁石19の周長の10%未満であるならば、該中間点と該中心は互いに一致すると了解される。
さらに、複数の第2磁石29は第2規定磁石291を有する。周方向において、第2規定磁石291の中心は、第2規定磁石291を支持する単一の第2歯部21Tの中心と一致する。図7Bで例示される両中心は、径方向に平行な二点鎖線C4上にある。本例では、第2規定磁石291を支持する第2歯部21Tと隣り合う別の第2歯部21Tでは、第2歯部21Tの中心と、第2磁石29の中心は周方向において一致はしない。別の例では、複数の第2歯部21Tの各々において上述の第2規定磁石291が配置されることがあってもよい。なお、第2規定磁石291の中心と第2歯部21Tの中心との周方向における最短距離が、第2規定磁石291の周長の10%未満であるならば、両中心は互いに一致すると了解される。
図7Bの例では、二点鎖線C3、C4は周方向において一致する。即ち、2つの第1隣接磁石195の中間点、第1歯部11Tの中心、第2規定磁石291の中心、および、第2歯部21Tの中心は周方向において互いに一致する。これらの中心または中間点のうち周方向の両端となる2点間の周方向における最短距離が第2磁石29の周長の3%未満であるなら、これら中心および中間点は周方向において互いに一致すると了解される。
上記構成によれば、磁極片50と対向する第1磁石19がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングと、磁極片50と対向する第2磁石29がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングとが、上述した規定周期の半分、互いにずれる。これにより、磁気ギア5は伝達トルクを向上できる。
<5.L1>L2の関係を満たす磁極片51(50)について>
L1>L2の関係が満たされることに伴い伝達トルクが向上する理由は、磁極片51(50)の第1対向面31の周長が長くなることで、磁極片50の内部を通過する磁束を増やすことができ、漏れ磁束を低減できるからであると感覚的には了解される。以下ではこのことを数式を用いて説明する。図8は、第1内部構造における電磁力とパーミアンスを示す概念図である。
物体または空間(以下、対象という場合がある)の単位体積の磁気モーメントをM、対象の透磁率をμと記すと、対象の単位体積の磁界のエネルギーは次の式(1)で表される。
W=μM/2 (1)
式(1)を、同図で示される第1内部構造に適用して検討をする。同図の第1内部構造では、第2継鉄ユニット20は固定子であり、第1継鉄ユニット10と磁極片ユニット30はいずれも回転子である。以下では、第1継鉄15と第2継鉄25の間の磁束のうちで磁極片50を通過しない磁束を0とみなす。
また、以下の説明では、磁気ギア5の回転中心(以下、単に軸心ともいう)から、第1本体部11の外周面11B(第1磁石19の一端面)のまでの距離をR1とする。軸心から、磁極片50と対向する第2磁石29の一端面までの距離をR2とする。軸心から、第2磁石29の他端面(第2歯部21Tの先端)までの距離をR3とする。第1磁石19、磁極片50、および、第2磁石29の径方向長さをそれぞれ、t、t、tとする。隙間G1(図2A参照)と隙間G2(図2A参照)の径方向長さをそれぞれ、t12、t23とする。
磁極片50と第2歯部21Tとの間の磁束を考える。磁気ギア5の周方向における位置をθで表す。磁極片50と第2歯部21TはθLT≦θ≦θRTとなる区間において径方向に並ぶ。同図の二点鎖線J1によって示す長方形が、磁極片50と第2歯部21Tが並ぶ領域である。磁極片50と第2歯部21Tのパーミアンスgは、t+t<<Rであるならば、第2歯部21Tの軸方向長さをLとして、次の式(2)で表される。
Figure 0007257577000003
第2歯部21Tと磁極片50とに作用する起磁力Fは、位置θにおける第2磁石29の磁気モーメントをM3θと記して、次の式(3)で近似できる。M3θの値はθに応じて+Mまたは-Mである。
Figure 0007257577000004
磁極片50の磁位をFとすると、第2歯部21Tと磁極片50の間の磁束φは次の式(4)で表される。第2歯部21Tと磁極片50の間の磁束φの向きは、磁極片50から第2歯部21Tへの方向を正とする。
φ=g(F-F) (4)
次に、磁極片50と第1継鉄15との間の磁束について考える。同図の例では、第1継鉄15には歯部が設けられておらず、第1継鉄15に対し磁極片50は全体として径方向に並ぶ。同図の二点鎖線J2によって示す長方形で囲んだ領域がそれに相当する。磁極片50と第1継鉄15のパーミアンスgは、t+t<<Rであるならば、第1歯部11Tの軸方向の長さをLと記すと次の式(5)で表される。
Figure 0007257577000005
磁極片50と第1継鉄15とに作用する起磁力Fは、位置θにおける第1継鉄15の磁極の磁気モーメントをM1θと記すと、次の式(6)で表される。M1θの値はθに応じて+Mまたは-Mである。
Figure 0007257577000006
磁極片50と第1継鉄15の間の磁束φは次の式(8)で表される。第1継鉄15と磁極片50の間の磁束φTの向きは、第1継鉄15から磁極片50の方向を正とする。
φ=g(F-F) (7)
明らかにφ=φだから、式(4)と式(7)からを次の式(8)を得る。
Figure 0007257577000007
第1継鉄15と第2継鉄25の間のパーミアンスを式gTBとすると、gTBは次の式(9)で表される。
Figure 0007257577000008
式(8)は式(8A)で表すことができる。
φ=gTB(F-F) 式(8A)
式(1)、式(8A)から、第1継鉄15と第2継鉄25の間の磁界のエネルギーWTBは式(10)で表される。
Figure 0007257577000009
第1継鉄15と磁極片50に発生するトルクは第1継鉄15と第2継鉄25の間の磁束のエネルギーをそれぞれの位置で偏微分することにより得られる。磁極片50を通る磁束φにより第1継鉄15に発生するトルクTは、第1継鉄15の位置をθとすると次の式(11)で表される。
Figure 0007257577000010
同様に、磁束φにより磁極片50に発生するトルクTは、磁極片50の位置をθとすると次の式(12)で表される。
Figure 0007257577000011
磁極片50に発生するトルクTを大きくすることを考える。トルクTは、式(12)に示すように、右辺第1項のパーミアンスの勾配∂gTB/∂θ2に比例する項と、右辺第2項の起磁力の勾配∂FTB/∂θ2+∂FB/∂θ2に比例する項の和である。パーミアンスの勾配に比例する項は、磁石が磁極片50を吸引する力であり、磁気抵抗トルク(リラクタンストルク)である。起磁力の勾配に比例する項は磁石同士に作用する斥力・吸引力であり磁石トルクである。磁気抵抗トルクについて、パーミアンスの勾配は第1継鉄15の位置によって式(13)のように変化する。式(13)は、第1歯部11Tと磁極片50の間のパーミアンスgのみが第1継鉄15の影響を受け、第1継鉄15と磁極片50の間のパーミアンスgは磁極片50と無関係であることを利用して簡単化している。
Figure 0007257577000012
式(13)からgを大きくすることにより、式(12)の第1項の値が増大し、磁極片ユニット30に発生するトルクも増えることが分かる。gを大きくするためには、例えば、第1対向面31周長を長くすればよい。つまり、L1>L2とすることで伝達トルクが向上することが了解される。磁極片50の数が第1継鉄15の磁極の数より少ないならば、互いに隣接する2つの磁極片50が接触する程度に、L1を長くしてもよい。
なお、同図で示される第1内部構造において、磁極片ユニット30が固定子であり、且つ、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20が回転子である場合も、同様の結論が得られる。また、第2内部構造、第5内部構造、および第6内部構造が採用される場合においても、同様の結論が得られる。
<6.0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす磁極片50>
図9を参照し、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}を満たす磁極片50が採用されると伝達トルクが向上する理由を説明する。この理由は感覚的には以下のように了解される。即ち、磁極片50の周長が短すぎると(1.1×max{L2,L3}<N)、1つの磁極片50が特定の第2磁石29(N極磁石またはS極磁石)と周方向の全長に対して対向することができない。磁極片50と対向しない該第2磁石29の一部は、該磁極片50に起磁力に影響を及ぼすことができない余剰部位となってしまい、無駄が生じる。他方で、磁極片50の周長が長すぎると(0.9×min{L2,L3}>N)、1つの磁極片50は、隣接する2つの第2磁石29と常に対向する。2つの第2磁石29にそれぞれ起因する2つの起磁力は互いに逆向きであるため、磁極片50に作用する起磁力は全体として弱まる。
以下では、このことを数式を用いて詳説する。図9は、周長が互いに異なる複数の磁極片50の周方向位置に応じた各種パラメータを示す概念的なグラフである。
磁極片50と第2歯部21Tとに作用する起磁力Fは式(3)で表されることは既に述べた。同図(A)は、周方向位置に応じた第2磁石29の磁気モーメントM3θを示す。同図(A)に示すように、第2磁石29(即ちN極磁石とS極磁石)は、第2磁石29の磁気モーメントの極性を-M、+M、…のように反転させるように周方向に配置されている。第2磁石29が第2歯部21Tの弧の内側に覆われる場合を考えると、磁極片50に作用する起磁力Fは、磁極片50のうちで第2歯部21Tと径方向に並ぶ部位の磁気モーメントの平均値に比例する。同図において、(B)は磁極片50の周長が第2磁石29の周長の半分の場合の起磁力(F1/2を示し、(C)は磁極片50の周長が第2磁石29の周長と等しい場合の起磁力(F2/2、(D)は磁極片50の周長が第2磁石29の周長の1.5倍の場合の起磁力(F3/2を表している。以下では,磁極片50の周長が第2歯部21Tの磁極の周長の半分の場合を第1のケース、両者が等しい場合を第2のケース、磁極片50の周長が第2歯部21Tの磁極の周長に対して1.5倍である場合を第3のケースと呼ぶ。同図の(E)はθに応じたgを示しており、同図の(F)は、θに応じたg・∂F/∂θを示す。θは磁極片50の周方向中心の周方向位置である。
第1のケースの(F1/2の起磁力の勾配∂F/∂θは三者で最も大きいが、勾配がゼロとなる区間がある。第1のケースのトルク(g・∂F/∂θ1/2は、勾配がゼロの区間において起磁力の勾配によるトルクがゼロとなり、トルクが断続的になることが欠点である。これに対し、第2のケースでは、トルク(g・∂F/∂θ2/2が間断なく得られる特長がある。これは、振動の低減などに有利である。この特長は,磁極片50の周長(L2)が、第2磁石29の周長(N)と等しい、または、第2磁石29の周長(N)よりも長いことにより得られる。
第3のケースでは、磁極片50が、正負両側の2つの第2磁石29(N極磁石およびS極磁石)に対向するので、磁気モーメントの相殺が起きる。このため、同図(D)に示すように第3のケースの起磁力(F3/2のピークは、他の二つより小さい。トルクは、起磁力の勾配×(起磁力×パーミアンス)に比例する。同図(E)に示すように、第3のケースの(起磁力×パーミアンス)g・∂F/∂θでは、起磁力(F3/2の低下が、磁極片50の周長が長いことによってパーミアンスgが増加したことで補われている。しかし、それでも、3者で最小である。つまり、磁極片50の周長(L2)が、第2磁石29の周長(N)の1.5倍以上になると、トルクの低下が起こることが判る。
3者を比較すると,連続的に大きなトルクが得られる第2のケースが最良である。この比較結果からも判る通り,磁極片50の周長L2は、Nに一致させることが理想状態である。しかし,L2とNの値が近ければ,近似的に理想状態が達成される。発明者の知見では,両者の差は10%程度を超えない範囲であれば近似的な理想状態であるとみなせる(当然、両者の差はできるだけ小さい方が良い。例えば両者の差を5%以内とすれば、近似的な理想状態がより好ましく達成され、誤差が0%とみなせるのであれば、理想状態がさらに好ましく達成される。)。さらに,磁極片50の周長L2は,磁極片50のうちで第2磁石29に対向する第2対向面32の数値(即ち,磁極片50の極所的な部位の数値)である。そして,磁極片50の一例として挙げた磁極片512(図3A参照)のように第2対向面32Aの周長L2を延長する,または,磁極片50の一例として挙げた磁極片514(図3D参照)のように第2対向面32Dの周長L2を短縮することができる。つまり,L2とNの2つだけの関係が本開示の技術の本質を必ずしも表すわけではない(即ち、これら2つのパラメータだけでもって伝達トルクの大小が決まるとは限らない)。そこで,磁極片50の周長の代表値として,式(A)で定める磁極片50の磁気抵抗的な平均周長としてのL3を補助的に用いて、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす磁極片50が採用されれば、伝達トルクの更なる向上が期待されると発明者は主張する。不等式中の0.9と1.1は、前述した理想状態との差10%の,それぞれ,下限値と上限値に相当する。これは本願の説明に共通である。また、上記の通り、近似的な理想状態がより好ましく達成されるためには、0.95×min{L2,L3}≦N≦1.05×max{L2,L3}の関係を満たす磁極片50が採用されることが好ましい。近似的な理想状態がさらに好ましく達成されるためには、1.0×min{L2,L3}≦N≦1.0×max{L2,L3}の関係を満たす磁極片50が採用されることが好ましい。
なお、上記では、磁極片50が回転子である実施形態を前提に説明したが、磁極片50が固定子である実施形態であっても同様の結果が得られる。伝達トルクは、第1継鉄ユニット10、第2継鉄ユニット20、および磁極片ユニット30のそ周方向における位置関係が相対的に変化することで生じるからである。
<7.歯部の位置、磁石の位置、および伝達トルクの関係>
図10を参照し、複数の第1歯部11Tと複数の第2歯部21Tのいずれに対してもずれる周方向位置にある磁極片50における伝達トルクが低下する理由を説明する。図10は、一実施形態に係る第3内部構造を示す概略図である。
1つの磁極片50が第1継鉄15に及ぼすトルクTと、当該磁極片50が第2継鉄25に及ぼすトルクTは、既述の通り、式(11)と式(12)で表される。式(11)、式(12)の右辺の第1項の磁気抵抗トルクには第2歯部21Tが強く影響する。gTBは第1継鉄15と第2継鉄25の間のパーミアンスであり、既述の通り式(9)で表される。gは、第1継鉄15と磁極片50のパーミアンスである。
磁極片50の少なくとも一部が第2歯部21Tと径方向に並ぶときの磁気抵抗トルクについて、2つのケースを考える。まず、図10の(A)は、磁極片50の全体が第1継鉄15の第1歯部11Tと径方向に並ぶ状態を示す。図10の(B)は、磁極片50が第1歯部11Tに対して周方向にずれる状態を示す。
磁極片50は第2歯部21Tと同図の(A)の二点鎖線Q1で示す領域において径方向に並んでおり、該領域における磁極片50と第2歯部21Tのパーミアンスをgと記す。磁極片50は、第1歯部11Tと同図の(A)の二点鎖線Q2で示す領域において径方向に並んでおり、該領域における磁極片50と第1歯部11Tのパーミアンスをgと記す。g<<gなので第1継鉄15と第2継鉄25の間のパーミアンスgTBは、次の式(14)のとおり、gとして近似されてよい。
Figure 0007257577000013
よって、パーミアンスの勾配は次の式(15)となる。式(15)は、第2磁石29の一端面のうち磁極片50と対向する面の面積(即ち、該面積は磁極片50の第2対向面32のうち第2磁石29と対向する面の面積と近似できる)に比例して,磁気抵抗トルクが得られることを示している。
Figure 0007257577000014
従って,同図の(A)であれば第2継鉄25には式(12)の右辺の第1項の磁気抵抗トルクと,第2項の磁石トルクの両方が作用する。この状況は伝達トルクが向上し好ましい。
次に,同図の(B)のように,磁極片50が第1歯部11Tと径方向に並んでいない場合、g≒0であるので、第1継鉄15と第2継鉄25の間のパーミアンスgTBは、次の式(16)で示される通り、0で一定である。
Figure 0007257577000015
従って、パーミアンスの勾配もゼロであり、磁気抵抗トルクは次の式(17)で示される通り、発生しない。
Figure 0007257577000016
従って、下図の(B)であれば第1継鉄ユニット10には式(12)の右辺の第1項の磁気抵抗トルクも,第2項の磁石トルクも,どちらも作用しない。この状況は好ましくない。伝達トルクを増大するには,下図の(A)の状況の頻繁に発生させ、下図の(B)の状況の発生頻度を減らすことが有効である。つまり、磁気ギア5の作働時、第2歯部21Tと径方向に並ぶ磁極片50が、複数の第1歯部11Tに対して周方向にずれた位置にある場合、伝達トルクは低下することが了解される。
<8.磁気ギア5が組み込まれる磁気ギアード電気機械1>
図11A~図11Dを参照して、磁気ギア5が組み込まれる磁気ギアード電気機械1を例示する。図11A、図11Bで例示される磁気ギアード電気機械1A、1B(1)は、原動機9からの入力によって駆動されて発電するように構成された磁気ギアード発電機2A、2B(2)である。磁気ギアード発電機2は、発電により生成された電力Pを例えば電力系統であってもよい電力供給先4に向けて供給するように構成される。図11C、図11Dで例示される磁気ギアード電気機械1C、1D(1)は、例えば電力系統であってもよい電力供給源6からの電力Pの供給を受けて、回転機械8を駆動するように構成される磁気ギアードモータ3A、3B(3)である。回転機械8は、例えば磁気ギアードモータ3の駆動によって走行する電動車両であってもよい。この場合、磁気ギアードモータ3は、回転機械8の構成要素となる、電動車両のドライブシャフトに連結されてもよい。図11A、図11Cで例示される磁気ギアード電気機械1A、1Cには磁気ギア5A(図1A参照)が組み込まれ、図11B、図11Dで例示される磁気ギアード電気機械1B、1Dには磁気ギア5B(図1B参照)が組み込まれている。
<8-1.磁気ギアード発電機2A、2B(2)>
磁気ギアード発電機2A、2B(2)は、磁気ギア5と、第2歯部21Tまたは磁極片50に巻かれたコイル99とを備える。コイル99は、電力供給先4と導通可能なコイル99が設けられる。固定子巻線(電気子巻線)として機能するコイル99は、図11Aでは複数の第2歯部21Tに設けられ、図11Bでは複数の磁極片50に設けられる。
図11Aで例示される磁気ギアード発電機2Aは、例えば以下のように作動する。同図で入力軸として機能する第1回転軸A1に連結される原動機9が駆動すると、既述の原理により、第1継鉄ユニット10が回転する。結果、磁極片ユニット30と第1継鉄ユニット10の回転に伴って起こる電磁誘導によってコイル99に電流が発生する。これにより、磁気ギアード発電機2Aは発電することができる。なお、コイル99における電流の発生に伴い生じる回転磁界により、第1継鉄ユニット10は回転方向に付勢される。
図11Bで例示される磁気ギアード発電機2Bの作動原理は、磁気ギアード発電機2Aと類似する。同図で入力軸として機能する第2回転軸A2に連結される原動機9が駆動すると、第1継鉄ユニット10が回転し、既述の原理により、第2継鉄ユニット20が回転する、結果、第1継鉄ユニット10と第2継鉄ユニット20の回転に伴って起こる電磁誘導によってコイル99に電流が発生する。これにより、磁気ギアード発電機2Bは発電することができる。なお、コイル99における電流の発生に伴い生じる回転磁界により、第2継鉄ユニット20は回転方向に付勢される。
<8-2.磁気ギアードモータ3A、3B(3)>
磁気ギアードモータ3A、3B(3)は、磁気ギア5と、第2歯部21Tまたは磁極片50に巻かれたコイル99とを備える。コイル99は、電力供給源6と導通可能なコイル99が設けられる。固定子巻線(電気子巻線)として機能するコイル99は、図11Cでは複数の第2歯部21Tに設けられ、図11Dでは複数の磁極片50に設けられる。
図11Cで例示される磁気ギアードモータ3Aは、例えば以下のように作動する。コイル99の通電によって発生する回転磁界によって、第1継鉄ユニット10は付勢される。第1継鉄ユニット10が第2回転軸A2と共に回転すると、既述の原理により、磁極片ユニット30が回転する。同図の例において出力軸として機能する第1回転軸A1が回転機械8を駆動する。
図11Dで例示される磁気ギアードモータ3Bの作動原理は、磁気ギアードモータ3Aと類似する。コイル99の通電によって発生する回転磁界によって、第2継鉄ユニット20は付勢される。第2継鉄ユニット20が第1回転軸A1と共に回転すると、既述の原理により、第1継鉄ユニット10が回転する。同図の例において出力軸として機能する第2回転軸A2が回転機械8を駆動する。
上記構成によれば、コイル(99)を通電することで発生する磁界に起因したトルクが得られるので、磁気ギアード電気機械(1)は伝達トルクを向上できる。なお、既述した通り、磁気ギアード発電機2は、出力軸として機能する第1回転軸A1または第2回転軸A2を備えなくてもよく、磁気ギアードモータ3は、入力軸として機能する第1回転軸A1または第2回転軸A2を備えなくてもよい。この場合であっても上記利点は得られる。
<9.まとめ>
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態に係る磁気ギア(5)は、
周方向に並ぶ複数の第1磁石(19)、および、前記複数の第1磁石(19)を支持する第1継鉄(15)を含む第1継鉄ユニット(10)と、
前記第1継鉄ユニット(10)の外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニット(20)であって、前記周方向に並ぶ複数の第2磁石(29)、および、前記複数の第2磁石(29)を支持する第2継鉄(25)を含む第2継鉄ユニット(20)と、
前記第1継鉄ユニット(10)と前記第2継鉄ユニット(20)との間において、前記複数の第1磁石(19)および前記複数の第2磁石(29)のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片(50)を含む磁極片ユニット(30)と、
を備え、
前記第1継鉄(15)は、前記複数の第1磁石(19)を支持する内周面(11A)または外周面(11B)を有する第1本体部(11)を含み、
前記第2継鉄(25)は、前記複数の第2磁石(29)に対向する外周面(21B)または内周面(21A)を有する第2本体部(21)と、前記第2本体部(21)の前記外周面(21B)または前記内周面(21A)から前記磁極片(50)に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石(29)を支持する少なくとも1つの第2歯部(21T)と、を含み、
各々の前記磁極片(50)は、
前記第1磁石(19)と対向する第1対向面(31)と、
前記第2磁石(29)と対向する第2対向面(32)と、
を有し、
前記第1対向面(31)の前記周方向における長さをL1、前記第2対向面(32)における前記周方向における長さをL2とした場合に、
前記複数の磁極片(50)の少なくとも1つは、L1>L2の関係を満たす。
発明者の知見によれば、L1>L2の関係を満たす磁極片(50)が採用されると伝達トルクが向上する。よって、上記1)の構成によれば、磁極片(50)に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクが向上した磁気ギア(5)が実現される。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記第1対向面(31)は、
前記周方向における一方側の端である第1端(311)と、
前記周方向における他方側の端である第2端(312)と、
を有し、
前記複数の磁極片(50)の前記少なくとも1つは、
本体部(60)と、
前記本体部(60)から前記周方向における前記一方側に突出する第1鍔部(61)であって、前記第1対向面(31)の前記第1端(311)を有する第1鍔部(61)と、
前記本体部(60)から前記周方向における前記他方側に突出する第2鍔部(62)であって、前記第1対向面(31)の前記第2端(312)を有する第2鍔部(62)と、
を有する。
上記2)の構成によれば、磁極片(50)が第1鍔部(61)および第2鍔部(62)を有することにより、第1対向面(31)の周方向における長さが増加する。これは、磁極片(50)と第1継鉄ユニット(10)との間の磁気抵抗を減じ、さらに、磁極片(50)を通って第1継鉄ユニット(10)と第2継鉄ユニット(20)の間を流れる磁束を増すことにつながる。よって、伝達トルクはさらに向上する。
3)幾つかの実施形態では、上記2)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記第1鍔部(61)は、前記一方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成され、
前記第2鍔部(62)は、前記他方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成される。
上記3)の構成によれば、第1鍔部(61)と第2鍔部(62)は先端においてのみ、隣接する磁極片(50)と近接する。つまり、第1鍔部(61)と第2鍔部(62)は、隣接する磁極片(50)から部分的に離隔する。これにより、互いに隣接する2つの磁極片(50)の間で磁束が行き交うことを抑制できる。即ち、漏れ磁束が抑制される。よって、磁束の漏れによる伝達トルクの低下を抑制することができる。
4)幾つかの実施形態では、上記3)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記複数の磁極片(50)は、前記周方向において互いに隣接する第1規定磁極片(2511)および第2規定磁極片(2522)を含み、
前記第1規定磁極片(2511)および前記第2規定磁極片(2512)は各々、前記本体部(60)、前記第1鍔部(61)、および、前記第2鍔部(62)を有し、
前記第1規定磁極片(2511)の前記第1鍔部(61)と、前記第2規定磁極片(2512)の前記第2鍔部(62)は、互いに接触する。
上記4)の構成によれば、複数の磁極片(50)の補強効果を向上できる。
5)幾つかの実施形態では、上記2)乃至4の何れかに記載の磁気ギア(5)であって、
前記第2対向面(32)は、
前記周方向における一方側の端である第3端(323)と、
前記周方向における他方側の端である第4端(324)と、
を有し、
前記複数の磁極片(50)の前記少なくとも1つは、
前記第1鍔部(61)のうちで前記径方向における前記第2対向面(32)側の端(611)と、前記第2対向面(32)の前記第3端(323)とを接続する、前記径方向に沿って延在する第1接続面(71)と、
前記第2鍔部(62)のうちで前記径方向における前記第2対向面(32)側の端(612)と、前記第2対向面(32)の前記第4端(324)とを接続する、前記径方向に沿って延在する第2接続面(72)と、
を含む。
上記5)の構成によれば、第1接続面(71)と第2接続面(72)がいずれも径方向に沿って延在することで、磁極片(50)の形状が単純化され、磁極片(50)の製造を容易にできる。
6)幾つかの実施形態では、上記3)乃至5)の何れかに記載の磁気ギア(5)であって、
前記第1鍔部(61)は、
前記磁極片(50)のうちで前記周方向において最も前記一方側に位置する部位であって、前記磁気ギアの軸方向に延在する第1縁部(81)と、
前記第1縁部(81)から前記周方向において前記他方側に凹むと共に、前記径方向に開放される第1凹部(91)と、
を有し、
前記第2鍔部(62)は、
前記磁極片(50)のうちで前記周方向において最も前記他方側に位置する部位であって、前記軸方向に延在する第2縁部(82)と、
前記第2縁部(82)から前記周方向において前記一方側に凹むと共に、前記径方向に開放される第2凹部(92)と、
を含む。
磁極片(50)の磁束を隣接する磁極片(50)に漏らすことなく、第1継鉄ユニット(10)と第2継鉄ユニット(20)の間を径方向に行き交う磁束とすれば、伝達トルクが増大する。ところが、隣接する2つの磁極片(50)の距離が短すぎると、磁束が2つの磁極片(50)の間で行き交い、伝達トルクが低下する。この点、上記6)の構成によれば、第1凹部(91)と第2凹部(92)が設けられることで、第1鍔部(61)および第2鍔部(62)は、隣接する磁極片(50)から部分的に周方向に離隔する。これにより、隣接する2つの磁極片(50)の間で行き交う磁束を抑制できる。即ち漏れ磁束を抑制できる。よって、伝達トルクはさらに向上する。
7)幾つかの実施形態では、上記6)の磁気ギア(5)であって、
前記複数の磁極片(50)は、前記周方向において互いに隣接する第1隣接磁極片(1511)および第2隣接磁極片(1512)を含み、
前記第1隣接磁極片(1511)の前記第1凹部(91)は、前記第2隣接磁極片(1512)の前記第2凹部(92)の少なくとも一部と前記軸方向において重なるように配置される。
上記7)の構成によれば、第1隣接磁極片(1511)の第1凹部(91)と、第2隣接磁極片(1512)の第2凹部(92)との間の隙間を大きくできるので、第1隣接磁極片(1511)と第2隣接磁極片(1512)との間で磁束が行き交うことをより効果的に抑制できる。
8)幾つかの実施形態では、上記7)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記複数の磁極片(50)の前記少なくとも1つは、前記磁気ギア(5)の軸方向に積層される複数の電磁鋼板(150)を有し、
前記複数の電磁鋼板(150)は、
前記第1縁部(81)および前記第2縁部(82)を形成する少なくとも1つの第1電磁鋼板(151)と、
前記第1電磁鋼板(151)の前記周方向における長さよりも短い長さを有する少なくとも1つの第2電磁鋼板(152)であって、前記第1凹部(91)および前記第2凹部(92)のそれぞれの底面を形成する少なくとも1つの第2電磁鋼板(152)と、
を有する。
上記8)の構成によれば、複数の電磁鋼板に含まれる第2電磁鋼板(152)によって、第1凹部(91)と第2凹部(92)のそれぞれの底面が形成されるので、第1凹部(91)と第2凹部(92)の構成を簡易化できる。
9)幾つかの実施形態では、上記1)から8)のいずれかに記載の磁気ギア(5)であって、
少なくとも1つの第2歯部(21T)は、前記周方向に並ぶ複数の前記第2歯部(21T)を有し、
前記磁極片(50)の前記周方向における平均長さをL3とし、前記複数の第2歯部(21T)に含まれる前記周方向に隣接する2つの前記第2歯部(21T)の隣接距離をMとした場合に、
前記複数の磁極片(50)の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。
特定の磁極片(50)を通過する磁束が、隣接する磁極片(50)に漏れることなく、第1継鉄ユニット(10)と第2継鉄ユニット(20)の間を径方向に行き交えば、伝達トルクが増大する。ところが、隣接する2つの第2歯部(21T)の隣接距離が短すぎると、磁束が第2歯部(21T)から別の第2歯部(21T)へ磁極片(50)を経由して流れ、径方向に流れる磁束が低下する。この点、上記8)の構成によれば、2つの第2歯部(21T)の隣接距離が短くなり過ぎるのを抑制できるので、第2歯部(21T)から別の第2歯部(21T)へ磁極片(50)を経由して磁束が流れるのを抑制できる。よって、伝達トルクを向上できる。
10)本開示の少なくとも一実施形態に係る磁気ギア(5)は、
周方向に並ぶ複数の第1磁石(19)、および、前記複数の第1磁石(19)を支持する第1継鉄(15)を含む第1継鉄ユニット(10)と、
前記第1継鉄ユニット(10)の外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニット(20)であって、前記周方向に並ぶとともに前記第1磁石(19)の前記周方向における長さよりも短い長さを有する複数の第2磁石(29)、および、前記複数の第2磁石(29)を支持する第2継鉄(25)を含む第2継鉄ユニット(20)と、
前記第1継鉄ユニット(10)と前記第2継鉄ユニット(20)との間において、前記複数の第1磁石(19)および前記複数の第2磁石(29)のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片(50)を含む磁極片ユニット(30)と、
を備え、
前記第2継鉄(25)は、前記複数の第2磁石(29)に対向する外周面(21B)または内周面(21A)を有する第2本体部(21)と、前記第2本体部(21)の前記外周面(21B)または前記内周面(21A)から前記磁極片(50)に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石(29)を支持する少なくとも1つの第2歯部(21T)と、を含み、
各々の前記磁極片(50)は、前記第2磁石(29)と対向する第2対向面(32)を有し、
前記第2対向面(32)は、
前記周方向における一方側の端である第3端(323)と、
前記周方向における他方側の端である第4端(324)と、
を有し、
前記複数の磁極片(50)の前記少なくとも1つは、
本体部(60)と、
前記本体部(60)から前記周方向における一方側に突出する第3鍔部(63)であって前記第2対向面(32)の前記第3端(323)を有する第3鍔部(63)と、
前記本体部(60)から前記周方向における他方側に突出する第4鍔部(64)であって前記第2対向面(32)の前記第4端(324)を有する第4鍔部(64)と、
を有する、
前記第2対向面(32)における前記周方向における長さをL2、前記磁極片の前記周方向における平均長さをL3、前記第2磁石(29)の前記周方向における長さをNとした場合に、
前記複数の磁極片(50)の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。
発明者の知見によれば、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす磁極片(50)は、磁気ギア(5)の作動に伴って磁極片(50)と第2継鉄(25)との位置関係が周方向に相対変化する過程において、連続的な磁気抵抗トルクを得ることができる。よって、上記10)の構成によれば、磁極片(50)に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギア(5)が実現される。また、発明者の知見によれば、隣接する2つの第2磁石(29)の境目を跨ぐように磁極片(50)が相対移動するとき、起磁力の正負が切り替わる。この点、上記10)の構成によれば、磁極片(50)が第3鍔部(63)と第4鍔部(64)を有することで、正負が切り替わる起磁力を部分的に短絡させることができ、起磁力の正負の切り替わりを緩やかにすることができる。これにより、磁気ギア(5)はスムーズに回転を継続することができる。
11)幾つかの実施形態では、上記10)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記第3鍔部(63)は、前記一方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成され、
前記第4鍔部(64)は、前記他方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成される。
上記11)の構成によれば、磁極片(50)の第2対向面(32)は第2磁石(29)を周方向に過不足なく覆うことができ、第2磁石(29)の起磁力に起因して、第1継鉄ユニット(10)と第2継鉄ユニット(20)の間を径方向に行き交う磁束が最大化されるので、伝達トルクはさらに向上する。
12)幾つかの実施形態では、上記10)または11)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記複数の磁極片(50)は、前記周方向において互いに隣接する第1規定磁極片(3511)および第2規定磁極片(3522)を含み、
前記第1規定磁極片(3511)および前記第2規定磁極片(3512)は各々、前記本体部(60)、前記第3鍔部(63)、および、前記第4鍔部(64)を有し、
前記第1規定磁極片(3511)の前記第3鍔部(63)と、前記第2規定磁極片(3512)の前記第4鍔部(64)は、互いに接触する。
上記12)の構成によれば、複数の磁極片(50)の補強効果を向上できる。
13)幾つかの実施形態では、上記10)乃至12の何れかに記載の磁気ギア(5)であって、
各々の前記磁極片(50)は、前記第1磁石(19)と対向する第1対向面(31)を有し、
前記第1対向面(31)は、
前記周方向における一方側の端である第1端(311)と、
前記周方向における他方側の端である第2端(312)と、
を有し、
前記複数の磁極片(50)の前記少なくとも1つは、
前記第3鍔部(63)のうちで前記径方向における前記第1対向面(31)側の端(1611)と、前記第1対向面(31)の前記第1端(311)とを接続する、前記径方向に沿って延在する第3接続面(73)と、
前記第4鍔部(64)のうちで前記径方向における前記第1対向面(31)側の端(1621)と、前記第1対向面(31)の前記第2端(312)とを接続する、前記径方向に沿って延在する第4接続面(74)と、
を含む。
上記13)の構成によれば、第3接続面(73)と第4接続面(74)がいずれも径方向に沿って延在することで、磁極片(50)の形状が単純化され、製造を容易にできる。
14)幾つかの実施形態では、上記10)から13)のいずれかに記載の磁気ギア(5)であって、
前記少なくとも1つの第2歯部(21T)は、前記周方向に並んだ複数の第2歯部(21T)を有し、
前記複数の第2歯部(21T)に含まれる前記周方向に隣接する2つの前記第2歯部(21T)の隣接距離をMとした場合に、
前記複数の磁極片(50)の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。
上記14)の構成によれば、上記9)と同様の利点が得られる。
15)幾つかの実施形態では、上記10)から14)のいずれかに記載の磁気ギア(5)であって、
前記第1継鉄(15)は、前記複数の第1磁石(19)と対向する内周面(11A)または外周面(11B)を有する第1本体部(11)と、前記第1本体部(11)の前記内周面(11A)または前記外周面(11B)から前記磁極片(50)に向かって前記径方向に突出すると共に前記複数の第1磁石(19)を支持する複数の第1歯部(11T)と、を含み、
前記少なくとも1つの前記第2歯部(21T)は、複数の前記第2歯部(21T)を有し、
前記複数の第1歯部(11T)の個数に対する前記複数の第1磁石(19)の個数の比は、前記複数の第2歯部(21T)の個数に対する前記複数の第2磁石(29)の個数の比と等しい。
上記15)の構成によれば、磁気ギア(5)の作動時、磁極片(50)と対向する第1磁石(19)がN極磁石からS極磁石に切り替わる周期と、磁極片(50)と対向する第2磁石(29)がN極磁石からS極磁石に切り替わる周期とが互いに一致することができる。
16)幾つかの実施形態では、上記15)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記複数の第1磁石(19)は、第1規定磁石(191)を有し、
前記周方向において、前記第1規定磁石(191)の中心は、前記第1規定磁石(191)を支持する前記第1歯部(11T)の中心と一致し、
前記複数の第2磁石(29)は、互いに隣り合う2つの第2隣接磁石(295)を有し、
前記周方向において、前記2つの第2隣接磁石(295)の中間点は、前記2つの第2隣接磁石(295)を支持する単一の前記第2歯部(21T)の中心と一致する。
この点、上記16)の構成によれば、磁極片(50)と対向する第1磁石(19)がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングと、磁極片(50)と対向する第2磁石(29)がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングとが、上記15)の周期の半分、即ち、上記周期において180度、互いにずれる。これにより、第2歯部(21T)において第2磁石(29)がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングと、第1歯部(11T)において第1磁石(19)がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングが、上記周期において180度ずれて等間隔で発生し、発生するトルクが時間的に均一化する。これにより、磁束飽和によって磁気ギア5の伝達トルクが減少することを回避できる。
17)幾つかの実施形態では、上記15)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記複数の第1磁石(19)は、互いに隣り合う2つの第1隣接磁石(195)を有し、
前記周方向において、前記2つの第1隣接磁石(195)の中間点は、前記2つの第1隣接磁石(195)を支持する単一の前記第1歯部(11T)の中心と一致し、
前記複数の第2磁石(29)は、第2規定磁石(291)を有し、
前記周方向において、前記第2規定磁石(291)の中心は、前記第2規定磁石(291)を支持する単一の前記第2歯部(21T)の中心と一致する。
上記17)の構成によれば、磁極片(50)と対向する第1磁石(19)がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングと、磁極片(50)と対向する第2磁石(29)がN極磁石またはS極磁石のいずれか一方から他方に切り替わるタイミングとが、上記20)の周期の半分、互いにずれる。これにより、第2歯部(21T)と径方向に並ぶ磁極片(50)が、複数の第1歯部(11T)に対して周方向にずれた状態となる時間帯を低減することができるので、磁気ギア(5)は伝達トルクを向上できる。
18)本開示の少なくとも一実施形態に係る磁気ギア(5)は、
周方向に並ぶ複数の第1磁石(19)、および、前記複数の第1磁石(19)を支持する第1継鉄(15)を含む第1継鉄ユニット(10)と、
前記第1継鉄ユニット(10)の外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニット(20)であって、前記周方向に並ぶ複数の第2磁石(29)、および、前記複数の第2磁石(29)を支持する第2継鉄(25)を含む第2継鉄ユニット(20)と、
前記第1継鉄ユニット(10)と前記第2継鉄ユニット(20)との間において、前記複数の第1磁石(19)および前記複数の第2磁石(29)のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片(50)を含む磁極片ユニット(30)と、
を備え、
前記第2継鉄(25)は、前記複数の第2磁石(29)に対向する外周面または内周面を有する第2本体部(21)と、前記第2本体部(21)の前記外周面または前記内周面から前記磁極片(50)に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石(29)を支持する前記周方向に並んだ複数の第2歯部(21T)と、を含み、
各々の前記磁極片(50)は、前記第2磁石(29)と対向する第2対向面(32)を有し、
前記第2対向面(32)における前記周方向における長さをL2、前記磁極片の前記周方向における平均長さをL3、前記複数の第2歯部(21T)に含まれる前記周方向に隣接する2つの前記第2歯部(21T)の隣接距離をMとした場合に、
前記複数の磁極片(50)の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす。
第1継鉄ユニット(10)と第2継鉄ユニット(20)の間で発生する磁束が径方向に流れるほど、磁極片(50)の相対的な回転に対する磁束の勾配が増大し、伝達トルクが増大する。ところが、隣接する2つの第2歯部(21T)の隣接距離が短すぎると、磁束が第2歯部(21T)Tから隣接する第2歯部(21T)へ磁極片(50)を経由して流れ、径方向に流れる磁束が低下する。この点、上記18)の構成によれば、2つの第2歯部(21T)の隣接距離が短くなり過ぎるのを抑制できるので、第2歯部(21T)から隣接する第2歯部(21T)へ磁極片(50)を経由して磁束が流れるのを抑制できる。よって、磁極片(50)に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギア(5)が実現される。
19)幾つかの実施形態では、上記18)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記第1継鉄(15)は、前記複数の第1磁石(19)と対向する内周面または外周面を有する第1本体部(11)と、前記第1本体部(11)の前記内周面または前記外周面から前記磁極片(50)に向かって前記径方向に突出すると共に前記複数の第1磁石(19)を支持する複数の第1歯部(11T)と、を含み、
前記第1歯部(11T)の個数と前記複数の第1磁石(19)の個数との比は、前記第2歯部(21T)の個数と前記複数の第2磁石(29)の個数との比と等しい。
上記19)の構成によれば、上記15)と同様の利点が得られる。
20)幾つかの実施形態では、上記19)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記複数の第1磁石(19)は、第1規定磁石(191)を有し、
前記周方向において、前記第1規定磁石(191)の中心は、前記第1規定磁石(191)を支持する前記第1歯部(11T)の中心と一致し、
前記複数の第2磁石(29)は、互いに隣り合う2つの第2隣接磁石(295)を有し、
前記周方向において、前記2つの第2隣接磁石(295)の中間点は、前記2つの第2隣接磁石(295)を支持する単一の前記第2歯部(21T)の中心と一致する。
上記21)の構成によれば、上記16)と同様の利点が得られる。
21)幾つかの実施形態では、上記19)に記載の磁気ギア(5)であって、
前記複数の第1磁石(19)は、互いに隣り合う2つの第1隣接磁石(195)を有し、
前記周方向において、前記2つの第1隣接磁石(195)の中間点は、前記2つの第1隣接磁石(195)を支持する単一の前記第1歯部(11T)の中心と一致し、
前記複数の第2磁石(29)は、第2規定磁石(291)を有し、
前記周方向において、前記第2規定磁石(291)の中心は、前記第2規定磁石(291)を支持する単一の前記第2歯部(21T)の中心と一致する。
上記21)の構成によれば、上記17)と同様の利点が得られる。
22)本開示の少なくとも一実施形態に係る磁気ギアード電気機械(1)は、
上記1)~21)のいずれかに記載の磁気ギア(5)と、
前記第2歯部(21T)または前記磁極片(50)に巻かれたコイル(99)と、
を備える。
上記22)の構成によれば、上記1)、10)、および18)と同様の理由により、磁極片に向かって突出すると共に磁石を支持する歯部を有し、伝達トルクを向上させた磁気ギアード電気機械(1)が実現される。また、コイル(99)を通電することで発生する磁界に起因したトルクが得られるので、磁気ギアード電気機械(1)は伝達トルクを向上できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 :磁気ギアード電気機械
5 :磁気ギア
10 :第1継鉄ユニット
11 :第1本体部
11A :内周面
11B :外周面
11T :第1歯部
15 :第1継鉄
19 :第1磁石
20 :第2継鉄ユニット
21 :第2本体部
21A :内周面
21B :外周面
21T :第2歯部
25 :第2継鉄
29 :第2磁石
30 :磁極片ユニット
31 :第1対向面
32 :第2対向面
50 :磁極片
60 :本体部
61 :第1鍔部
62 :第2鍔部
63 :第3鍔部
64 :第4鍔部
71 :第1接続面
72 :第2接続面
73 :第3接続面
74 :第4接続面
81 :第1縁部
82 :第2縁部
91 :第1凹部
92 :第2凹部
99 :コイル
150 :電磁鋼板
151 :第1電磁鋼板
151B :第1角部
151C :第2角部
152 :第2電磁鋼板
160 :本体部
191 :第1規定磁石
195 :第1隣接磁石
291 :第2規定磁石
295 :第2隣接磁石
311、1311 :第1端
312、1312 :第2端
323、1323 :第3端
324、1324 :第4端
1511 :第1隣接磁極片
1512 :第2隣接磁極片
1611、1621 :端
G1、G2 :隙間

Claims (22)

  1. 周方向に並ぶ複数の第1磁石、および、前記複数の第1磁石を支持する第1継鉄を含む第1継鉄ユニットと、
    前記第1継鉄ユニットの外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニットであって、前記周方向に並ぶ複数の第2磁石、および、前記複数の第2磁石を支持する第2継鉄を含む第2継鉄ユニットと、
    前記第1継鉄ユニットと前記第2継鉄ユニットとの間において、前記複数の第1磁石および前記複数の第2磁石のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片を含む磁極片ユニットと、
    を備え、
    前記第1継鉄は、前記複数の第1磁石を支持する内周面または外周面を有する第1本体部を含み、
    前記第2継鉄は、前記複数の第2磁石に対向する外周面または内周面を有する第2本体部と、前記第2本体部の前記外周面または前記内周面から前記磁極片に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石を支持する少なくとも1つの第2歯部と、を含み、
    各々の前記磁極片は、
    前記第1磁石と対向する第1対向面と、
    前記第2磁石と対向する第2対向面と、
    を有し、
    前記第1対向面の前記周方向における長さをL1、前記第2対向面における前記周方向における長さをL2とした場合に、
    前記複数の磁極片の少なくとも1つは、L1>L2の関係を満たす、
    磁気ギア。
  2. 前記第1対向面は、
    前記周方向における一方側の端である第1端と、
    前記周方向における他方側の端である第2端と、
    を有し、
    前記複数の磁極片の前記少なくとも1つは、
    本体部と、
    前記本体部から前記周方向における前記一方側に突出する第1鍔部であって、前記第1対向面の前記第1端を有する第1鍔部と、
    前記本体部から前記周方向における前記他方側に突出する第2鍔部であって、前記第1対向面の前記第2端を有する第2鍔部と、
    を有する、
    請求項1に記載の磁気ギア。
  3. 前記第1鍔部は、前記一方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成され、
    前記第2鍔部は、前記他方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成された、
    請求項2に記載の磁気ギア。
  4. 前記複数の磁極片は、前記周方向において互いに隣接する第1規定磁極片および第2規定磁極片を含み、
    前記第1規定磁極片および前記第2規定磁極片は各々、前記本体部、前記第1鍔部、および、前記第2鍔部を有し、
    前記第1規定磁極片の前記第1鍔部と、前記第2規定磁極片の前記第2鍔部は、互いに接触する、
    請求項3に記載の磁気ギア。
  5. 前記第2対向面は、
    前記周方向における一方側の端である第3端と、
    前記周方向における他方側の端である第4端と、
    を有し、
    前記複数の磁極片の前記少なくとも1つは、
    前記第1鍔部のうちで前記径方向における前記第2対向面側の端と、前記第2対向面の前記第3端とを接続する、前記径方向に沿って延在する第1接続面と、
    前記第2鍔部のうちで前記径方向における前記第2対向面側の端と、前記第2対向面の前記第4端とを接続する、前記径方向に沿って延在する第2接続面と、
    を含む、
    請求項2乃至4の何れか1項に記載の磁気ギア。
  6. 前記第1鍔部は、
    前記磁極片のうちで前記周方向において最も前記一方側に位置する部位であって、前記磁気ギアの軸方向に延在する第1縁部と、
    前記第1縁部から前記周方向において前記他方側に凹むと共に、前記径方向に開放される第1凹部と、
    を有し、
    前記第2鍔部は、
    前記磁極片のうちで前記周方向において最も前記他方側に位置する部位であって、前記軸方向に延在する第2縁部と、
    前記第2縁部から前記周方向において前記一方側に凹むと共に、前記径方向に開放される第2凹部と、
    を含む、
    請求項3に記載の磁気ギア。
  7. 前記複数の磁極片は、前記周方向において互いに隣接する第1隣接磁極片および第2隣接磁極片を含み、
    前記第1隣接磁極片の前記第1凹部は、前記第2隣接磁極片の前記第2凹部の少なくとも一部と前記軸方向において重なるように配置される、
    請求項6に記載の磁気ギア。
  8. 前記複数の磁極片の前記少なくとも1つは、前記磁気ギアの軸方向に積層される複数の電磁鋼板を有し、
    前記複数の電磁鋼板は、
    前記第1縁部および前記第2縁部を形成する少なくとも1つの第1電磁鋼板と、
    前記第1電磁鋼板の前記周方向における長さよりも短い長さを有する少なくとも1つの第2電磁鋼板であって、前記第1凹部および前記第2凹部のそれぞれの底面を形成する少なくとも1つの第2電磁鋼板と、
    を有する、
    請求項7に記載の磁気ギア。
  9. 少なくとも1つの第2歯部は、前記周方向に並ぶ複数の前記第2歯部を有し、
    前記磁極片の前記周方向における平均長さをL3とし、前記複数の第2歯部に含まれる前記周方向に隣接する2つの前記第2歯部の隣接距離をMとした場合に、
    前記複数の磁極片の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす、
    請求項7または8に記載の磁気ギア。
  10. 周方向に並ぶ複数の第1磁石、および、前記複数の第1磁石を支持する第1継鉄を含む第1継鉄ユニットと、
    前記第1継鉄ユニットの外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニットであって、前記周方向に並ぶとともに前記第1磁石の前記周方向における長さよりも短い長さを有する複数の第2磁石、および、前記複数の第2磁石を支持する第2継鉄を含む第2継鉄ユニットと、
    前記第1継鉄ユニットと前記第2継鉄ユニットとの間において、前記複数の第1磁石および前記複数の第2磁石のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片を含む磁極片ユニットと、
    を備え、
    前記第2継鉄は、前記複数の第2磁石に対向する外周面または内周面を有する第2本体部と、前記第2本体部の前記外周面または前記内周面から前記磁極片に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石を支持する少なくとも1つの第2歯部と、を含み、
    各々の前記磁極片は、前記第2磁石と対向する第2対向面を有し、
    前記第2対向面は、
    前記周方向における一方側の端である第3端と、
    前記周方向における他方側の端である第4端と、
    を有し、
    前記複数の磁極片の前記少なくとも1つは、
    本体部と、
    前記本体部から前記周方向における一方側に突出する第3鍔部であって前記第2対向面の前記第3端を有する第3鍔部と、
    前記本体部から前記周方向における他方側に突出する第4鍔部であって前記第2対向面の前記第4端を有する第4鍔部と、
    を有し、
    前記第2対向面における前記周方向における長さをL2、前記磁極片の前記周方向における平均長さをL3、前記第2磁石の前記周方向における長さをNとした場合に、
    前記複数の磁極片の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦N≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす、
    磁気ギア。
  11. 前記第3鍔部は、前記一方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成され、
    前記第4鍔部は、前記他方側に向かうに従い前記径方向における長さが短くなるように構成された、
    請求項10に記載の磁気ギア。
  12. 前記複数の磁極片は、前記周方向において互いに隣接する第1規定磁極片および第2規定磁極片を含み、
    前記第1規定磁極片および前記第2規定磁極片は各々、前記本体部、前記第3鍔部、および、前記第4鍔部を有し、
    前記第1規定磁極片の前記第3鍔部と、前記第2規定磁極片の前記第4鍔部は、互いに接触する、
    請求項11に記載の磁気ギア。
  13. 各々の前記磁極片は、前記第1磁石と対向する第1対向面を有し、
    前記第1対向面は、
    前記周方向における一方側の端である第1端と、
    前記周方向における他方側の端である第2端と、
    を有し、
    前記複数の磁極片の前記少なくとも1つは、
    前記第3鍔部のうちで前記径方向における前記第1対向面側の端と、前記第1対向面の前記第1端とを接続する、前記径方向に沿って延在する第3接続面と、
    前記第4鍔部のうちで前記径方向における前記第1対向面側の端と、前記第1対向面の前記第2端とを接続する、前記径方向に沿って延在する第4接続面と、
    を含む、
    請求項10乃至12の何れか1項に記載の磁気ギア。
  14. 前記少なくとも1つの第2歯部は、前記周方向に並んだ複数の第2歯部を有し、
    前記複数の第2歯部に含まれる前記周方向に隣接する2つの前記第2歯部の隣接距離をMとした場合に、
    前記複数の磁極片の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす、
    請求項13に記載の磁気ギア。
  15. 前記第1継鉄は、前記複数の第1磁石と対向する内周面または外周面を有する第1本体部と、前記第1本体部の前記内周面または前記外周面から前記磁極片に向かって前記径方向に突出すると共に前記複数の第1磁石を支持する複数の第1歯部と、を含み、
    前記少なくとも1つの前記第2歯部は、複数の前記第2歯部を有し、
    前記複数の第1歯部の個数に対する前記複数の第1磁石の個数の比は、前記複数の第2歯部の個数に対する前記複数の第2磁石の個数の比と等しい、
    請求項10または11に記載の磁気ギア。
  16. 前記複数の第1磁石は、第1規定磁石を有し、
    前記周方向において、前記第1規定磁石の中心は、前記第1規定磁石を支持する前記第1歯部の中心と一致し、
    前記複数の第2磁石は、互いに隣り合う2つの第2隣接磁石を有し、
    前記周方向において、前記2つの第2隣接磁石の中間点は、前記2つの第2隣接磁石を支持する単一の前記第2歯部の中心と一致する、
    請求項15に記載の磁気ギア。
  17. 前記複数の第1磁石は、互いに隣り合う2つの第1隣接磁石を有し、
    前記周方向において、前記2つの第1隣接磁石の中間点は、前記2つの第1隣接磁石を支持する単一の前記第1歯部の中心と一致し、
    前記複数の第2磁石は、第2規定磁石を有し、
    前記周方向において、前記第2規定磁石の中心は、前記第2規定磁石を支持する単一の前記第2歯部の中心と一致する、
    請求項15に記載の磁気ギア。
  18. 周方向に並ぶ複数の第1磁石、および、前記複数の第1磁石を支持する第1継鉄を含む第1継鉄ユニットと、
    前記第1継鉄ユニットの外周側または内周側に配置された第2継鉄ユニットであって、前記周方向に並ぶ複数の第2磁石、および、前記複数の第2磁石を支持する第2継鉄を含む第2継鉄ユニットと、
    前記第1継鉄ユニットと前記第2継鉄ユニットとの間において、前記複数の第1磁石および前記複数の第2磁石のそれぞれと隙間を空けて対向するように前記周方向に並ぶ複数の磁極片を含む磁極片ユニットと、
    を備え、
    前記第2継鉄は、前記複数の第2磁石に対向する外周面または内周面を有する第2本体部と、前記第2本体部の前記外周面または前記内周面から前記磁極片に向かって径方向に突出すると共に前記第2磁石を支持する前記周方向に並んだ複数の第2歯部と、を含み、
    各々の前記磁極片は、前記第2磁石と対向する第2対向面を有し、
    前記第2対向面における前記周方向における長さをL2、前記磁極片の前記周方向における平均長さをL3、前記複数の第2歯部に含まれる前記周方向に隣接する2つの前記第2歯部の隣接距離をMとした場合に、
    前記複数の磁極片の少なくとも1つは、0.9×min{L2,L3}≦M≦1.1×max{L2,L3}の関係を満たす、
    磁気ギア。
  19. 前記第1継鉄は、前記複数の第1磁石と対向する内周面または外周面を有する第1本体部と、前記第1本体部の前記内周面または前記外周面から前記磁極片に向かって前記径方向に突出すると共に前記複数の第1磁石を支持する複数の第1歯部と、を含み、
    前記第1歯部の個数と前記複数の第1磁石の個数との比は、前記第2歯部の個数と前記複数の第2磁石の個数との比と等しい、
    請求項18に記載の磁気ギア。
  20. 前記複数の第1磁石は、第1規定磁石を有し、
    前記周方向において、前記第1規定磁石の中心は、前記第1規定磁石を支持する前記第1歯部の中心と一致し、
    前記複数の第2磁石は、互いに隣り合う2つの第2隣接磁石を有し、
    前記周方向において、前記2つの第2隣接磁石の中間点は、前記2つの第2隣接磁石を支持する単一の前記第2歯部の中心と一致する、
    請求項19に記載の磁気ギア。
  21. 前記複数の第1磁石は、互いに隣り合う2つの第1隣接磁石を有し、
    前記周方向において、前記2つの第1隣接磁石の中間点は、前記2つの第1隣接磁石を支持する単一の前記第1歯部の中心と一致し、
    前記複数の第2磁石は、第2規定磁石を有し、
    前記周方向において、前記第2規定磁石の中心は、前記第2規定磁石を支持する単一の前記第2歯部の中心と一致する、
    請求項19に記載の磁気ギア。
  22. 請求項1、10、または18に記載の磁気ギアと、
    前記第2歯部または前記磁極片に巻かれたコイルと、
    を備える磁気ギアード電気機械。

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