JP2014007787A - 回転電機及び回転電機駆動システム - Google Patents

回転電機及び回転電機駆動システム Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機において、ロータトルクを大きくすることである。
【解決手段】ステータ12は、ティース19に巻かれた複数のステータ巻線20u,20v,20wを含む。ロータ14は、ロータコア24と、ロータ14の複数の突極26に巻かれた複数のロータ巻線28nと、ロータ巻線28nに発生する誘導起電力によって複数の突極26に生じる磁気特性を周方向で異ならせる磁気特性調整部であるダイオード38とを含む。ロータ14は、各突極26の内部に設けられ、ステータ12とロータ14との対向方向に対し直交する軸である支持軸44を中心とする回転可能に配置された永久磁石50を有する磁石部材42を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、ステータとロータとが対向配置された回転電機及び回転電機を含む回転電機駆動システムに関する。
従来から、特許文献1、特許文献2に記載されているように、ロータの複数の突極にロータ巻線が巻装され、各ロータ巻線がダイオードにより選択された極性で短絡される回転電機が知られている。すなわち、この回転電機では、ステータとロータとが対向配置され、ロータの周方向複数個所に設けられた突極に互いに分断されるロータ巻線が巻装され、各ロータ巻線ごとにダイオードが接続されている。各ダイオードは、各ロータ巻線に流れる電流を整流し、ロータの周方向に隣り合う突極同士で磁化方向が逆になる。ステータは、ステータコアの周方向複数個所にティースが設けられる。複数のティースに複数相のステータ巻線が集中巻きで巻装される。複数相のステータ巻線に複数相の交流電流を流すことでステータに、周方向に回転する回転磁界が生成される。そして、ステータで発生した起磁力分布に生じる高調波成分である空間高調波によりロータ巻線に誘導電流を生じさせている。この結果、複数の突極において、ロータの周方向に関して交互にN極とS極とが形成され、ロータにトルクが発生する。このとき、各ダイオードで整流された電流が各ロータ巻線に流れることで、各突極が磁化して所望のロータ磁極が得られる。
このような回転電機では、突極がステータの回転磁界と相互作用してロータにトルクが作用する。また、ステータにより形成される磁界の高調波成分を利用してロータに作用するトルクを増大させることができる。また、特許文献1、特許文献2には、ロータの周方向複数個所の磁極部に永久磁石が配置され、各磁極部の周囲に、ダイオードで短絡されたロータ巻線が巻装された構成が記載されている。また、特許文献1、特許文献2には、円筒面状のロータ外周面の複数個所に永久磁石が配置され、永久磁石の周囲にダイオードで短絡されたロータ巻線が巻装された構成も記載されている。これらの構成では、ロータ巻線とダイオードによる磁化方向と、対応する永久磁石の磁化方向とが一致している。
また、特許文献3には、ロータコアの複数のティースにロータ巻線が巻装されており、ロータコアの径方向内側の周方向連続部の複数個所に永久磁石が配置された回転電機が記載されている。ステータ側に配置された1次コイルとロータ側に配置された2次コイルとによる非接触給電によりロータ巻線が給電され、給電時に永久磁石はロータ巻線による磁気回路に沿った磁界が形成されている。また、非給電時に周方向連続部に回転する磁気回路が形成されるとされている。
特開2011−41433号公報 特開2009−142120号公報 特開2010−166787号公報
上記の特許文献1,2に記載のように、ロータの各突極にロータ巻線が巻装され、複数の突極に生じる磁気特性を周方向に交互に異ならせる磁気特性調整部であるダイオードを備える回転電機において、さらなるトルクの増大を図ることが望まれている。これに対して、特許文献1、2に記載された別の構成のようにロータに永久磁石を固定することも考えられる。ただし、ロータに永久磁石が固定されていると、永久磁石の磁化方向が変化しないので、ステータとロータとの磁気的吸引力を効果的に利用してロータトルクを大きくする面から改良の余地がある。
本発明の目的は、回転電機において、ロータの各突極に巻かれたロータ巻線と、複数の突極に生じる磁気特性を周方向に交互に異ならせる磁気特性調整部とを備える構成において、ロータトルクを大きくすることである。
本発明に係る回転電機は、上記の目的を達成するために以下の手段を採用する。
本発明に係る回転電機は、回転磁界を生成する複数相のステータ巻線を含むステータと、ロータコアと、前記ロータコアの周方向複数個所に配置された突極と、前記各突極に巻かれた複数のロータ巻線と、前記各ロータ巻線に発生する誘導起電力によって前記複数の突極に生じる磁気特性を周方向に交互に異ならせる磁気特性調整部とを含み、前記ステータに対向配置されるロータとを備える回転電機であって、前記ロータは、前記各突極の内部に設けられ、前記ステータと前記ロータとの対向方向に対し直交する軸を中心とする回転可能に配置された永久磁石を有する磁石部材を含むことを特徴とする回転電機である。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、前記磁石部材は、前記各突極に設けられた円孔内に配置される円柱部を含む。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、前記ロータは、前記ステータの径方向内側に対向配置され、前記磁石部材は、前記永久磁石と、前記永久磁石の中心部を支持する支持軸とを含み、前記支持軸の両端部は、前記ロータの軸方向両端部で回転可能に支持されている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、前記ロータは、前記ロータコアを両側から挟む一対のエンドプレートを含み、前記支持軸の両端部は、前記一対のエンドプレートに回転可能に支持されている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、前記支持軸の両端部は、前記各エンドプレートに設けられた支持孔内に配置されている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、前記支持軸は、両端部において、外側に向かうほど外径が大きくなる軸側テーパ面を有し、前記各軸側テーパ面は、前記支持孔に設けられ、外側に向かうほど内径が大きくなる孔側テーパ面の内側に配置されている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアの周方向複数個所に配置されたティースとを含み、前記複数相のステータ巻線は前記ティースに巻かれている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、前記ステータは、前記ステータコアの周方向複数個所に配置されたティースに集中巻きで巻かれた前記複数相のステータ巻線を含む。
また、本発明に係る回転電機駆動システムは、上記の本発明に係る回転電機と、前記回転電機の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ロータ巻線に誘導電流が発生した場合に前記突極の先端に形成される磁極と、前記突極に対向し前記ステータに設けられるティースに形成される磁極とが逆になる場合に前記ロータ巻線に誘導電流が発生するように、前記ステータ巻線に流れるステータ電流にパルス電流を重畳させるパルス重畳部を有することを特徴とする回転電機駆動システムである。
また、本発明に係る回転電機駆動システムにおいて、好ましくは、前記パルス重畳部は、前記ロータ巻線に誘導電流が発生した場合に前記突極先端に形成される磁極と、前記突極に対向し前記ステータに設けられるティースに形成される磁極とが同じになる場合に前記ロータ巻線に誘導電流を発生させないように、前記ステータ巻線に流れるステータ電流にパルス電流を重畳させない。
本発明の回転電機及び回転電機駆動システムによれば、ロータの低速回転領域または中低速回転領域で、ステータにおいて、ステータによる磁気またはロータ巻線の誘導電流による磁気等によりロータの各突極内を流れる磁束の向きに応じて永久磁石が回転する。これにより、ステータからロータの突極に入り、別の突極からステータに戻る主磁束の流れに対してロータ巻線の誘導電流により生じる突極の磁気方向が正向きでも逆向きでも、永久磁石によりトルクに寄与する力を発揮させることができる。そして、各永久磁石によりステータの磁極とロータの突極との引き合う力を大きくできる。このため、ステータとロータとの磁気的吸引力を効果的に利用してロータトルクを大きくできる。したがって、ロータの各突極に巻かれたロータ巻線と、複数の突極に生じる磁気特性を周方向に交互に異ならせる磁気特性調整部とを備える回転電機でロータトルクを大きくできる。
本発明の実施形態の回転電機において、ロータの回転軸方向に見たステータ及びロータの概略構成を示す図である。 図1の回転電機において、ステータの概略構成を示す図である。 図1の回転電機において、ロータの概略構成を示す図である。 ロータの中低速回転領域において、突極と対向するステータのティースにS極が形成される様子を示す、図1のA部拡大対応図である。 図4のB−B断面図である。 図5のC部拡大図である。 本発明の実施形態の回転電機駆動システムを示す回路図である。 ロータの中低速回転領域において、突極と対向するステータのティースにN極が形成される様子を示す、図4に対応する図である。 ロータの高速回転時の磁石の向きの1例を示す、図4に対応する図である。 磁石部材の回転支持部の別例を示す、図6に対応する図である。 本発明の実施形態の別例の第1例の回転電機を示す、図5に対応する図である。 本発明の実施形態の別例の第2例の回転電機を示す、図5に対応する図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下では、回転電機を構成するステータコアとロータコアとを、それぞれ電磁鋼板を積層して形成されるものとして説明するが、これは例示であって、電磁鋼板以外の板材を積層したものでもよい。また、これ以外のステータコア及びロータコアであってもよい。たとえば、板材の積層型ではなく、鋼材を加工した一体型コアでも、磁性粉末の圧粉加工により形成されるコアでもよい。また、各コアは、周方向に分割される複数の要素を環状に連結してなる分割型コアとしてもよい。
以下で述べるステータのティースの数、ロータの突極の数等は説明のための例示であって、適宜変更可能である。また、以下ではすべての図面において同様の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略化する。また、本文中の説明では、必要に応じてそれ以前に述べた符号を使用する場合がある。
図1は、モータまたは発電機として使用される本発明の実施形態の回転電機において、そのロータの回転軸方向に見たステータ及びロータの概略構成を示す図である。図2は、図1の回転電機において、ステータの概略構成を示す図である。図3は、図1の回転電機において、ロータの概略構成を示す図である。
回転電機10は、図示しないケーシングに固定されたステータ12と、ステータ12と所定の空隙をあけて径方向内側に対向配置され、ステータ12に対し回転可能なロータ14とを備える。なお、単に「径方向」という場合、ロータ14の回転中心軸に対し直交する放射方向をいう(本明細書全体及び特許請求の範囲で同じである。)。ロータ14は、回転軸16に固定され回転軸16と一体に回転する。
また、ステータ12は、ステータコア18(図2)と、ステータコア18の周方向複数個所の等間隔位置に配置されたティース19と、各ティース19に巻かれた複数相(より具体的にはu相、v相、w相の3相)のステータ巻線20u,20v,20wとを含む。すなわち、ステータコア18の内周面には、径方向内側へ(ロータ14へ向けて)突出する複数のティース19がステータ12の周方向に沿って互いに間隔をおいて配列されている。各ティース19間にスロット22が形成されている。ステータコア18及び複数のティース19は、磁性鋼板を複数積層した積層体等の磁性材により、一体に形成されている。
各相のステータ巻線20u,20v,20wは、スロット22を通ってティース19に短節集中巻で巻装されている。このように、ティース19にステータ巻線20u,20v,20wが巻装されることで磁極が構成される。そして、複数相のステータ巻線20u,20v,20wに複数相の交流電流を流すことで、周方向に複数配置されたティース19が磁化し、周方向に回転する回転磁界をステータ12に生成する。すなわち、複数相のステータ巻線20u,20v,20wは、ステータ12に回転磁界を生成する。なお、ステータ巻線は、このようにステータ12のティース19に巻線する構成に限定するものではない。例えばティース19から外れたステータコア18の環状部分の周方向複数個所に複数相のステータ巻線を巻線するトロイダル巻きとし、ステータ12に回転磁界を生じさせることもできる。
ティース19に形成された回転磁界は、その先端面からロータ14に作用する。図2に示す例では、3相(u相、v相、w相)のステータ巻線20u,20v,20wがそれぞれ巻装された3つのティース19により1つの極対が構成されている。
一方、ロータ14は、円筒状のロータヨークであるロータコア24(図3)と、ロータコア24の外周面の周方向の等間隔複数個所に、径方向外側に向けて(ステータ12に向けて)突出して配置された突部である突極26と、複数のロータ巻線28n、28sとを含む。なお、単に「周方向」という場合、ロータ14の回転中心軸を中心として描かれる円形に沿う方向をいう(本明細書全体及び特許請求の範囲で同じである。)。ロータコア24及び複数の突極26は、磁性鋼板を複数積層した積層体等の磁性材により、一体に形成されている。より詳しくは、ロータ14の周方向に関して1つおきの突極26に複数の第1ロータ巻線28nがそれぞれ集中巻きで巻かれて、第1ロータ巻線28nが巻かれた突極26と隣り合う別の突極26であって、周方向1つおきの突極26に、複数の第2ロータ巻線28sがそれぞれ集中巻きで巻かれている。また、各第1ロータ巻線28nを短絡するように磁気特性調整部である第1ダイオード38が接続され、各第2ロータ巻線28sを短絡するように磁気特性調整部である第2ダイオード40が接続されている。
このような構成では、第1ロータ巻線28n及び第2ロータ巻線28sに整流された電流が流れることで突極26が磁化し、磁極部として機能する。ステータ巻線20u,20v,20wに交流電流を流すことで、ステータ12が回転磁界を生成するが、この回転磁界は、基本波成分の磁界だけでなく、基本波よりも高い次数の高調波成分の磁界を含んでいる。
より詳しくは、ステータ12に回転磁界を発生させる起磁力の分布は、各相のステータ巻線20u,20v,20wの配置や、ティース19及びスロット22によるステータコア18の形状に起因して、(基本波のみの)正弦波分布にはならず、高調波成分を含むものとなる。特に、集中巻においては、各相のステータ巻線20u,20v,20wが互いに重なり合わないため、ステータ12の起磁力分布に生じる高調波成分の振幅レベルが増大する。例えばステータ巻線20u,20v,20wが3相集中巻の場合は、高調波成分として、入力電気周波数の時間的3次成分である、空間的な2次成分の振幅レベルが増大する。このようにステータ巻線20u,20v,20wの配置やステータコア18の形状に起因して起磁力に生じる高調波成分は空間高調波と呼ばれている。
ステータ12からロータ14に、この空間高調波成分を含む回転磁界が作用すると、空間高調波の磁束変動により、ロータ14の突極26間の空間に漏れ出す漏れ磁束の変動が発生し、その変動が十分に大きい場合には各ロータ巻線28n,28sの少なくともいずれかのロータ巻線28n(または28s)に誘導起電力が発生する。
そして、各ロータ巻線28n,28sに誘導起電力が発生すると、各ロータ巻線28n,28sに対応するダイオード38,40の整流方向に応じた直流電流が流れ、ロータ巻線28n、28sが巻装された突極26が磁化する。このため、この突極26が所望の極性の磁極部として機能する。すなわち、ロータ巻線28n,28sを流れる誘導電流により生成される磁束が突極26を流れることで突極26に起磁力が発生し、磁極が形成される。また、誘導電流によって突極26に生じる起磁力を巻線起磁力と呼ぶことにすると、巻線起磁力の方向は誘導電流の方向で決まる。この巻線起磁力は、回転電機10のトルクの向上に寄与する。また、巻線起磁力の方向を、対応するダイオード38,40の整流方向により、ロータ14の周方向に関して交互に異ならせる。図3の例では、各ロータ巻線28n,28sに誘導電流が流れると仮定した場合に、第1ロータ巻線28nが巻装された突極26の先端にN極が生成され、第2ロータ巻線28sが巻装された突極26の先端にS極が生成される。図3では、各ロータ巻線28n,28sに誘導電流が流れると仮定した場合に、各突極26の先端に形成される磁極を各突極26の外径側のN,Sにより示している。この場合、ロータ14の周方向においてN極とS極とが交互に配置される。このように、各ダイオード38,40(図3)は、各ロータ巻線28n、28sに発生する誘導起電力によって複数の突極26に生じる磁気特性を、周方向に交互に異ならせている。
また、図3に示すように、ロータ14の周方向に関する各ロータ巻線28n,28sの幅θは、ロータ14の電気角で180°に相当する幅よりも短く設定している。より好ましくは、ロータ14の周方向に関する各ロータ巻線28n,28sの幅θは、ロータ14の電気角で90°に相当する幅に等しく、あるいはほぼ等しくしている。ここでの各ロータ巻線28n,28sの幅θについては、各ロータ巻線28n,28sの断面積を考慮して、各ロータ巻線28n,28sの断面の中心幅で表すことができる。
本実施形態の回転電機10の場合、ロータ14は、各突極26の内部に設けられ、回転可能な永久磁石50を有する磁石部材42を含んでいる。図4は、ロータの中低速回転領域において、突極と対向するステータのティースにS極が形成される様子を示す、図1のA部拡大対応図である。図5は、図4のB−B断面図である。図6は、図5のC部拡大図である。図4から図6に示すように、磁石部材42は、各突極26の内部において、支持軸44の中心軸O1(図6)を中心として回転可能に配置されている。支持軸44の中心軸O1は、ステータ12とロータ14との対向方向である径方向(図4の上下方向)に対し直交する方向である、回転軸16(図3)の方向に対し平行な軸である。すなわち、各突極26の周方向中央部に軸方向に貫通するように断面円形の円孔46が設けられている。各円孔46は、回転軸16の中心軸を中心とする同一円周上に位置する。例えば、各円孔46は、各突極26の根元部から外周部への(図4の上下方向)中間部に設けることができる。
磁石部材42は、断面円形の円柱部48により形成されるフェライト磁石等からなる永久磁石50と、永久磁石50の中心部に固定された支持軸44とを含んでいる。すなわち、支持軸44は永久磁石50の中心部を支持している。永久磁石50は、径方向片側の断面半円部分にN極が形成され、径方向他側の断面半円部分にS極が形成されている。支持軸44は、永久磁石50を軸方向に貫通するように設けられ、永久磁石50の軸方向両端面から両端部を突出させ、その両端部に係止部52(図5、図6)がそれぞれ形成されている。各係止部52は、2つの円錐部を突き合わせたような形状を有し、支持軸44の中間部の直径よりも大きな最大外径を有する。各係止部52において、支持軸44の中央に近い側に第1軸側テーパ面54が形成され、支持軸44の外側に第2軸側テーパ面56が形成されている。第1軸側テーパ面54は、軸方向の外側に向かうほど外径が大きくなっている。第2軸側テーパ面56は、軸方向の外側に向かうほど外径が小さくなっている。
このような一対の係止部52は、ロータ14の軸方向両端部で回転可能に支持されている。すなわち、ロータ14は、ロータコア24を軸方向両側から挟み、回転軸16(図1、図3)の外径側に固定される一対のエンドプレート58を含んでいる。各エンドプレート58は、非磁性材で形成される。この場合、ロータコア24は、回転軸16の外径側に外嵌されるが回転軸16との間に隙間を形成することができる。このようにすることで軸方向寸法が大きいロータコア24を回転軸16に組み付ける作業を容易に行える。回転軸16にロータコア24を組み付けた後、ロータコア24よりも軸方向寸法が十分に小さい各エンドプレート58を圧入等により回転軸16に組み付け、一対のエンドプレート58でロータコア24を挟むことでロータ14を回転軸16に固定できる。
磁石部材42の永久磁石50はロータコア24の円孔46の内側に配置されている。この場合、円柱状の永久磁石50の外周面と円孔46の内周面との間に円筒隙間60が形成されている。また、各エンドプレート58に支持軸44の端部を通す支持孔62が形成され、この支持孔62は、エンドプレート58において、永久磁石50と反対側の外側面(図6の左側面)側に設けられた孔側テーパ面64を含む。孔側テーパ面64は、エンドプレート58の外側面に向かうほど内径が大きくなっている。支持軸44の両端部は、対応する支持孔62の内側に挿入されている。また、支持軸44の第1軸側テーパ面54は、孔側テーパ面64の内側に配置され、支持軸44の両端部は、各エンドプレート58の支持孔62内に隙間66を持たせて配置している。また、この隙間66には注油可能である。このようにして、支持軸44の両端部は、一対のエンドプレート58に回転可能に支持されている。なお、支持軸44の両側の係止部52のうち、いずれか片側の係止部52を、支持軸44の残りの部分と別体に形成し、ねじ結合によりこの残りの部分に結合することもできる。
このような回転電機10は、図7の回転電機駆動システム68により駆動される。図7は、図1の回転電機10を駆動する回転電機駆動システム68の概略構成を示す図である。回転電機駆動システム68は、回転電機10と、回転電機10を駆動する駆動部であるインバータ70と、インバータ70を制御する制御装置72と、電源である蓄電装置74とを備え、回転電機10を駆動する。
蓄電装置74は、直流電源として設けられ、充放電可能であり、例えば二次電池により構成する。インバータ70は、U相、V相、W相の3相のアームAu,Av,Awを備える。各相アームAu,Av,Awは、それぞれ2個のスイッチング素子Swを直列に接続している。スイッチング素子Swは、トランジスタ、IGBT等である。各スイッチング素子Swに逆並列にダイオードDiを接続している。各アームAu,Av,Awの中点は、回転電機10を構成する対応する相のステータ巻線20u,20v,20wの一端側に接続されている。ステータ巻線20u,20v,20wはステータ12の各ティースにおいて、同じ相のステータ巻線同士が互いに直列に接続されている。ステータ巻線20u,20v,20wの他端は中性点で接続されている。
蓄電装置74の正極側及び負極側は、インバータ70の正極側と負極側とにそれぞれ接続されており、蓄電装置74とインバータ70との間にコンデンサ76が、インバータ70に対し並列に接続されている。制御装置72は、例えば本発明の回転電機が車両の駆動モータとして利用された場合、車両のアクセルペダルセンサ(図示せず)等から入力される加速指令信号に応じて回転電機10のトルク目標を算出し、トルク目標等に応じた電流指令値に応じて各スイッチング素子Swのスイッチング動作を制御する。制御装置72には、3相のうち、少なくとも2相のステータ巻線(例えば20v、20w)側に設けられた電流センサ78で検出された電流値を表す信号と、レゾルバ等の回転角度検出部(図示せず)で検出された回転電機10のロータ14の回転角度を表す信号とがそれぞれ入力される。制御装置72は、CPU,メモリ等を有するマイクロコンピュータを含むもので、インバータ70のスイッチング素子Swのスイッチングを制御することにより、回転電機10のトルク、回転数等を制御する。すなわち、制御装置72は、回転電機10の駆動を制御する。制御装置72は、機能ごとに分割された複数の制御装置により構成することもできる。
このような制御装置72は、インバータ70を構成する各スイッチング素子Swのスイッチング動作により蓄電装置74からの直流電力を、u相、v相、w相の3相の交流電力に変換して、ステータ巻線20u,20v,20wの各相に対応する相の電力を供給することを可能とする。また、制御装置72は、ステータ巻線20u,20v,20wに流れるステータ電流にパルス電流を重畳させるパルス重畳部80を有するが、これについては後述する。
また、図7の回転電機駆動システム68は、例えば、車両用走行動力発生装置として、エンジンと走行用モータとを駆動源として備えるハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車等に搭載して使用される。また、蓄電装置74とインバータ70との間に電圧変換部であるDC/DCコンバータを接続して、蓄電装置74の電圧を昇圧してインバータ70に供給可能とすることもできる。
次に、回転電機駆動システム68により駆動される回転電機10の基本的な動作を説明する。3相のステータ巻線20u、20v、20wに3相の交流電流が流れることでステータ12に形成された回転磁界(基本波成分)がロータ14に作用し、これに応じて、ロータ14の磁気抵抗が小さくなるように、突極26がステータ12のティース19に吸引される。これによって、ロータ14にトルク(リラクタンストルク)が作用する。
また、ステータ12に形成された空間高調波を含む回転磁界がロータ14の各ロータ巻線28n、28sに鎖交すると、各ロータ巻線28n、28sには、空間高調波に起因するロータ14の回転周波数(回転磁界の基本波成分)と異なる周波数の磁束変動によって、各ロータ巻線28n、28sに誘導起電力が発生する。この誘導起電力の発生に伴って各ロータ巻線28n、28sに流れる電流は、各ダイオード38,40により整流されることで所定の一方向となる。そして、各ダイオード38,40で整流された電流が各ロータ巻線28n、28sに流れるのに応じて各突極26が磁化し、各突極26が磁極が(N極かS極のいずれか一方に)固定された磁石として機能する。この場合、ダイオード38,40の整流方向の違いにより、各突極26の巻線起磁力による磁極として、周方向においてN極とS極とが交互に配置されたものとなる。
そして、各突極26(磁極が固定された磁石)の磁界がステータ12により生成される回転磁界(基本波成分)と相互作用して、後述するように吸引作用が生じる。このステータ12により生成される回転磁界(基本波成分)と突極26(磁石)の磁界との電磁気相互作用(吸引作用)によっても、ロータ14にトルク(磁石トルクに相当するトルク)を作用させることができ、ロータ14がステータ12で生成される回転磁界(基本波成分)に同期して回転駆動する。このように回転電機10は、ステータ巻線20u,20v,20wへの供給電力を利用してロータ14に動力(機械的動力)を発生させる電動機として機能させることができる。
また、制御装置72は上記のパルス重畳部80を有する。回転電機10では、ロータ巻線28n、28sに誘導電流が発生した場合に突極26の先端に形成される磁極と、突極26に対向し、ステータ12に設けられるティース19に形成される磁極とが逆になる場合がある。パルス重畳部80は、この場合に突極26にティース19が対向する直前も含めて対向時に、対応するロータ巻線28n、28sに誘導電流が発生するように、ステータ巻線20u、20v、20wに流れるステータ電流にパルス電流を重畳させる。例えば、図4に示すように、ステータ12の1つのティース19とロータ14の1つの突極26とが径方向に対向する場合に、そのティース19の先端に、ステータ電流によりS極が形成される場合を考える。この場合、突極26に巻かれた第1ロータ巻線28nに誘導電流が流れたとすると、第1ダイオード38の整流方向により突極26の先端にはN極が形成される。この場合、パルス重畳部80(図7)は、その突極26に巻かれた第1ロータ巻線28nに誘導電流が発生するように、ステータ電流にパルス電流を重畳させる。例えば、制御装置72(図7)は、ステータ電流をdq軸座標系に変換してd軸電流成分及びq軸電流成分とし、フィードバック制御を含むベクトル制御により、目標トルクに対応して各相のステータ電流が得られるようにインバータ70を制御する。そして制御装置72のパルス重畳部80により、q軸電流に電気的1周期の中の適切なタイミングで、または周期的にパルス電流を重畳させる。パルス電流は、例えば、電流値が急激に減少した後、急激に増大するいわゆる減少パルス電流、または、電流値が急激に増大した後、急激に減少するいわゆる増大パルス電流とすることができる。
この結果、パルス電流の重畳により空間高調波のレベルが増大して、第1ロータ巻線28nに誘導起電力が発生し、図4の例では突極26の先端にN極が形成されるように突極26に磁束が流れる。これに伴って磁石部材42の永久磁石50は、円孔46内で回転し、図4の向きとなる。この場合、図4のように、永久磁石50において、突極26の先端側がN極で、突極26の根元側がS極となる。すなわち、永久磁石50による起磁力の方向が、第1ロータ巻線28nに流れる誘導電流による巻線起磁力の方向(図4の矢印α方向)と同じ向きになる。この結果、先端にS極が形成されるティース19と、先端にN極が形成される突極26とが引き合う力が強くなる。なお、図4では、ティース19の先端にS極が形成される場合を説明した。ただし、先端にN極が形成されるティース19と、第2ダイオード40(図3)の向きが図4の場合と逆になり、先端にS極が形成される突極26とが対向する場合もある。この場合、突極26内の永久磁石50が図4の向きと逆になるように回転し、永久磁石50において、突極26の先端側がS極で、突極26の根元側がN極となる。この結果、永久磁石50の起磁力により回転電機10のトルクがアシストされ増大する。
一方、回転電機10では、ロータ巻線28n、28sに誘導電流が発生した場合に突極26の先端に形成される磁極と、突極26に対向し、ステータ12に設けられるティース19に形成される磁極とが同じになる場合もある。パルス重畳部80(図7)は、この場合に、突極26にティース19が対向する直前も含めて対向時に、ロータ巻線28n、28sに誘導電流を発生させないように、ステータ巻線20u、20v、20wに流れるステータ電流にパルス電流を重畳させないようにする。これについて、図8を用いて説明する。図8は、ロータの中低速回転領域において、突極と対向するステータのティースにN極が形成される様子を示す、図4に対応する図である。例えば、図8に示すように、ステータ12の1つのティース19とロータ14の1つの突極26とが径方向に対向する場合にそのティース19の先端に、ステータ電流によりN極が形成される場合を考える。この場合も、図4の場合と同様に、突極26に巻かれた第1第1ロータ巻線28nに誘導電流が流れたとすると、第1ダイオード38の整流方向により突極28の先端にはN極が形成される。図8では、仮に誘導電流が第1ロータ巻線28nに流れた場合に突極26の先端にN極が形成されることを、(N)で表している。この場合、パルス重畳部80は、その突極26に巻かれた第1ロータ巻線28nに誘導電流が発生しないように、ステータ電流にパルス電流を重畳させない。このため、空間高調波のレベルが低下して、第1ロータ巻線28nに誘導起電力が発生しない。すなわち、ステータ電流へのパルス電流の重畳の有無に応じて第1ロータ巻線28nの誘導起電力の発生の有無を切り換えられる。このため、突極26内の永久磁石50は、図8に示すように、ティース19の磁極であるN極に引き付けられる方向に回転し、永久磁石50において、突極26の先端側がS極で、突極26の根元側がN極となる。この結果、先端にN極が形成されるティース19に突極26が引き付けられる。なお、図8では、ティース19の先端にN極が形成される場合を説明したが、先端にS極が形成されるティース19と、第2ダイオード40(図3)の向きが図8の場合と逆になり、第2ロータ巻線28sに誘導電流が流れた場合に先端にS極が形成される突極26とが対向する場合もある。この場合、突極26内の永久磁石50が図8の向きと逆になるように回転し、永久磁石50において、突極26の先端側がN極で、突極26の根元側がS極となり、回転電機10のトルクが永久磁石50によりアシストされ、増大する。
さらに、図9は、ロータの高速回転時の磁石の向きの1例を示す、図4に対応する図である。図9のように、ロータの高速回転時には、ティース19の磁極の切替が早くなるため、永久磁石50の回転がティース19の磁極の切替に追従しにくい。このため、突極26がティース19と対向しても、突極26内で永久磁石50の起磁力の方向が径方向(図9の上下方向)とならず、図9のように周方向に向くように回転した状態で安定してしまう。なお、図9は1例であり、N極とS極との位置関係が図9の場合と逆になる場合もある。このため、ティース19が突極26に対向する場合でも、永久磁石50の磁束は突極26内で周方向にループしやすくなる。一般的に、ロータの高速回転時には、ロータに永久磁石が固定されていると逆起電圧の発生により引き摺り損失が大きくなることが分かっている。これに対して、本実施形態では、高速回転時に永久磁石50の磁力の影響がステータ12に及ぶのを抑制して、回転電機10の高速回転時のトルク低下を抑制できる。
なお、このような高速回転時、すなわちロータ14の所定速度以上で、パルス重畳部80は、ステータ電流へのパルス電流の重畳を常に行わない構成とすることもできる。
このように、上記の回転電機10では、ロータ14は、各突極26の内部に設けられ、ステータ12とロータ14との対向方向に対し直交する方向である回転軸16に対し平行な軸を中心とする回転可能に配置された永久磁石50を有する磁石部材42を含んでいる。このため、ロータ14の低速回転領域または中低速回転領域で、ステータ12による磁気またはロータ巻線28n,28sの誘導電流による磁気等によりロータ14の各突極26内を流れる磁束の向きに応じて永久磁石50が回転する。これにより、ステータ12からロータ14の突極26に入り、別の突極26からステータ12に戻る主磁束の流れに対してロータ巻線28n,28sの誘導電流により生じる突極26の磁気方向が正向き(同じ向き)でも逆向きでも、永久磁石50によりトルクに寄与する力を発揮させることができる。そして、ティース19の磁極の磁化方向にかかわらず、各永久磁石50によりティース19の磁極と突極26との引き合う力を大きくできる。このため、ステータ12とロータ14との磁気的吸引力を効果的に利用してロータトルクを大きくできる。したがって、ロータ14の各突極26に巻かれたロータ巻線28n、28sと、複数の突極26に生じる磁気特性を周方向に交互に異ならせるダイオード38,40とを備える回転電機10でロータトルクを大きくできる。なお、「中低速回転領域」とは、低速回転領域及び中速回転領域の両方を含む領域をいう(本明細書全体で同じである。)。
また、永久磁石50は、突極26内での磁束の量を多くするのに寄与すればよく、過度に大きいものを使用する必要がない。このため、永久磁石50を有する磁石部材42の回転支持部に大きな力が作用せず、簡易な構成で回転支持部を構成できる。また、永久磁石50を小さくできるので、その分、突極26のうち、磁束通過部分の面積を大きくでき、突極26に流れる磁束量を多くしてその面からもロータトルクを大きくできる。
また上記のようにロータ巻線28n、28sに励磁することにより、励磁に応じた突極26の磁化方向と同じ向きに永久磁石50を向けることができ、トルク向上のための最適な制御を実現しやすい。
このような実施形態の回転電機10に対して、上記の特許文献1、2には、ロータに永久磁石が固定された構成が記載されている。ただし、この構成では、上記で説明したように、永久磁石の磁化方向が変化しないので、ステータとロータとの磁気的吸引力を効果的に利用してロータトルクを大きくする面から改良の余地がある。また、永久磁石はステータとロータとの間のギャップを通過させる磁束を形成するためのものであるため、大きくなり、磁極部のすべてまたは多くの部分が永久磁石により占められる可能性がある。このような構成では、永久磁石の磁束密度以上の多くの磁束を発生させることが難しい。また、磁極部のほとんどが永久磁石で占められると、逆方向の磁束が磁極部の永久磁石以外の狭い部分を通過しようとしてもすぐに磁気飽和を生じて通過することができない。このため、この場合には上記の磁気的吸引力を発生させることができない可能性がある。また、上記の特許文献3には、ロータコアの径方向内側の周方向連結部に永久磁石が配置されている。このため、永久磁石の磁束は磁気抵抗の低い部分に流れようとするので、ステータとロータとの間のギャップを通過する磁束の形成に寄与しない。このように特許文献1〜3に記載された構成では、ロータのトルクを大きくする面から改良の余地がある。これに対して、本実施形態の回転電機10によれば、このような不都合を生じず、トルク向上を図れる。
また、磁石部材42は、各突極26に設けられた円孔46内に配置される円柱部48を含むので、各突極26内で磁石部材42の配置に必要な空間を小さくできる。このため、各突極26が過度に大きくなることを防止できる。
また、ロータ14は、ステータ12の径方向内側に対向配置され、磁石部材42は、永久磁石50と、永久磁石50の中心部に支持された軸である支持軸44とを含む。また、支持軸44の両端部は、ロータ14の軸方向両端部で回転可能に支持され、円柱部48と円孔46との間に円筒隙間60が形成されている。このため、磁石部材42を円滑に回転させることができる。
また、ロータ14は、ロータコア24を軸方向両側から挟み、回転軸16の外径側に固定される一対のエンドプレート58を含み、支持軸44の両端部は、一対のエンドプレート58に回転可能に支持されている。各エンドプレート58の軸方向長さは、通常ロータコア24の軸方向長さよりも十分に小さいので、支持軸44の回転支持部での摺動部の面積を小さくでき、回転支持部での回転抵抗を小さくできるとともに、ロータコア24の加工作業を容易に行える。
また、支持軸44の両端部は、各エンドプレート58に設けられた支持孔62内に隙間66を持たせて配置され、隙間66に注油可能としている。このため、支持軸44の回転支持部での回転抵抗をより小さくできるとともに、耐久性の向上を図れる。
また、支持軸44は、両端部において、外側に向かうほど外径が大きくなる第1軸側テーパ面54を有し、第1軸側テーパ面54は、支持孔62に設けられ、外側に向かうほど内径が大きくなる孔側テーパ面64の内側に配置されている。このため、孔側テーパ面64に第1軸側テーパ面54が対向することで、エンドプレート58に対する支持軸44の軸方向の変位を規制できる。
また、上記の回転電機駆動システム68によれば、ロータ巻線28n、28sに必要なタイミングで誘導電流を発生させることができ、より有効に回転電機10のトルクの向上を図れる。
なお、上記の実施形態では、パルス重畳部80は、図8のようにロータ巻線28n(または28s)に誘導電流が流れた場合に、突極26と、これに対向するステータ12のティース19とが同じ磁極となる場合にロータ巻線28n(または28s)に誘導電流が流れないようにステータ電流にパルス電流を重畳させないようにしている。ただし、別の実施形態として、パルス重畳部80は、突極26とティース19とが引き付け合った後で、対応するロータ巻線28n(または28s)に誘導電流が流れるように、ステータ電流にパルス電流を重畳させる構成とすることもできる。この構成によれば、ティース19と突極26との磁気的吸引力と磁気的反発力とを利用して回転電機10のトルクを大きくできる。
なお、上記の回転電機10の構成において、ロータに設けられた各突極26において、周方向の片側面または両側面から先端に向かうほど径方向外側になるように傾斜または湾曲させた磁性材製の補助突極を突出させることもできる。この構成によれば、ステータ12で発生する回転磁界の起磁力成分に含まれ、突極26同士の間の空間に漏れ出す空間高調波の磁束を効果的に突極26に導くことができる。このため、突極26に巻かれたロータ巻線28n,28sに誘導電流をより効果的に流すことができ、回転電機10のトルクを向上できる。
また、上記の図1から図9に示した実施形態において、磁石部材の回転支持部の構成として別の構成を採用することもできる。図10は、磁石部材の回転支持部の別例を示す、図6に対応する図である。図10の別例では、上記の図6の場合と異なり、磁石部材42を構成する支持軸44の両端部に係止部として円板部108を連結している。また、ロータコア24(図5参照)の両側に配置される一対のエンドプレート58に支持孔62を形成している。各支持孔62は、段付円筒状であり、大径円筒部と小径円筒部とを、軸方向に対し直交する段差面110で連結している。各支持孔62に支持軸44の両端部を配置し、円板部108を段差面110に軸方向に対向させている。このような構成でも磁石部材42の回転支持部を形成できる。
また、図11は、本発明の実施形態の別例の第1例の回転電機を示す、図5に対応する図である。図11に示す別例では、上記の図1から図9に示した実施形態において、磁石部材42に設けられた支持軸44を単なる直線状に形成して、支持軸44の両端部を一対のエンドプレート58の単なる円孔状の支持孔62に挿入し、回転可能に支持している。このような構成では、上記の図1から図9に示した実施形態及び上記の図10の別例の場合と異なり、支持軸44の両端部で、エンドプレート58に対する軸方向の変位が規制されない。ただし、回転電機の構造を簡略化でき、コスト低減を図れる。
また、図12は、本発明の実施形態の別例の第2例の回転電機を示す、図5に対応する図である。図12に示す別例では、上記の図1から図9に示した実施形態において、磁石部材42を単に円柱状の永久磁石50により形成する。また、ロータコア24に設けられ、永久磁石50を内側に配置する円孔46の軸方向両端部に直径を軸方向中間部の直径よりも小さくした小径部112を形成し、各小径部112で永久磁石50を、永久磁石50の中心軸O2を中心とする回転可能に支持している。また、ロータコア24の両側に配置した各エンドプレート58の内側面に永久磁石50の軸方向端面を対向させている。このような構成では、磁石部材42から支持軸44(図5参照)を省略できるため、コストを低減できる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば、上記では、ステータの径方向内側にロータが対向配置された場合を説明したが、ステータの径方向外側にロータが対向配置された構成でも本発明を実施できる。また、ステータとロータとが径方向に対向配置されるいわゆるラジアル型の回転電機を説明したが、ステータとロータとが軸方向に対向配置されるいわゆるアキシャル型の回転電機でも本発明を実施できる。この場合、ロータの周方向複数個所に設けられ、軸方向に突出する複数の突極は、内部に設けられ、ステータとロータとの対向方向である軸方向に対し直交する軸、すなわち周方向の接線方向を中心とする回転可能に配置された永久磁石を有する磁石部材を含む。
また、ステータ巻線はステータに集中巻きで巻線する場合を説明したが、例えばステータで空間高調波を含む回転磁界を生成できるのであればステータにステータ巻線を分布巻きで巻線する構成でも本発明を実施できる。また、上記の各実施形態では、磁気特性調整部をダイオードとした場合を説明したが、ロータ巻線に発生する誘導起電力によって前記複数の主突極に生じる磁気特性を周方向で異ならせる機能を有するものであれば、他の構成を採用することもできる。
さらに、上記では、ロータの各突極にロータ巻線が巻装され、複数の突極に生じる磁気特性を周方向に交互に異ならせる磁気特性調整部であるダイオードを備える回転電機を説明した。ただし、その他の回転電機でも、ロータコアの周方向複数個所に配置された突極を備える構成で、上記の実施形態と同様に、回転可能な磁石部材を各突極の内部に設けるようにすることもできる。例えば、ステータの径方向内側にロータが配置された構成で、ロータの周方向複数個所に突極が突出形成される場合に、ロータは、各突極の内部に設けられ、ステータとロータとの対向方向に対し直交する回転軸と平行な軸を中心とする回転可能に配置された永久磁石を有する磁石部材を含む構成とすることもできる。その場合も、ロータの低速回転領域または中低速回転領域で、ステータによる磁気によりロータの各突極内を流れる磁束の向きに応じて永久磁石が回転する。このため、永久磁石の磁力によりステータと突極との引き合う力が大きくなり、ステータとロータとの磁気的吸引力を効果的に利用してロータトルクを大きくできる効果を得られる。
10 回転電機、12 ステータ、14 ロータ、16 回転軸、18 ステータコア、19 ティース、20u,20v,20w ステータ巻線、22 スロット、24 ロータコア、26 突極、28n 第1ロータ巻線、28s 第2ロータ巻線、38 第1ダイオード、40 第2ダイオード、42 磁石部材、44 支持軸、46 円孔、48 円柱部、50 永久磁石、52 係止部、54 第1軸側テーパ面、56 第2軸側テーパ面、58 エンドプレート、60 円筒隙間、62 支持孔、64 孔側テーパ面、66 隙間、68 回転電機駆動システム、70 インバータ、72 制御装置、74 蓄電装置、76 コンデンサ、78 電流センサ、80 パルス重畳部。

Claims (8)

  1. 回転磁界を生成する複数相のステータ巻線を含むステータと、
    ロータコアと、前記ロータコアの周方向複数個所に配置された突極と、前記各突極に巻かれた複数のロータ巻線と、前記各ロータ巻線に発生する誘導起電力によって前記複数の突極に生じる磁気特性を周方向に交互に異ならせる磁気特性調整部とを含み、前記ステータに対向配置されるロータとを備える回転電機であって、
    前記ロータは、前記各突極の内部に設けられ、前記ステータと前記ロータとの対向方向に対し直交する軸を中心とする回転可能に配置された永久磁石を有する磁石部材を含むことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記磁石部材は、前記各突極に設けられた円孔内に配置される円柱部を含むことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記ロータは、前記ステータの径方向内側に対向配置され、
    前記磁石部材は、前記永久磁石と、前記永久磁石の中心部を支持する支持軸とを含み、
    前記支持軸の両端部は、前記ロータの軸方向両端部で回転可能に支持されていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項3に記載の回転電機において、
    前記ロータは、前記ロータコアを両側から挟む一対のエンドプレートを含み、
    前記支持軸の両端部は、前記一対のエンドプレートに回転可能に支持されていることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機において、
    前記支持軸の両端部は、前記各エンドプレートに設けられた支持孔内に配置されていることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項5に記載の回転電機において、
    前記支持軸は、両端部において、外側に向かうほど外径が大きくなる軸側テーパ面を有し、
    前記各軸側テーパ面は、前記支持孔に設けられ、外側に向かうほど内径が大きくなる孔側テーパ面の内側に配置されていることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1に記載の回転電機と、
    前記回転電機の駆動を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記ロータ巻線に誘導電流が発生した場合に前記突極の先端に形成される磁極と、前記突極に対向し前記ステータに設けられるティースに形成される磁極とが逆になる場合に前記ロータ巻線に誘導電流が発生するように、前記ステータ巻線に流れるステータ電流にパルス電流を重畳させるパルス重畳部を有することを特徴とする回転電機駆動システム。
  8. 請求項7に記載の回転電機駆動システムにおいて、
    前記パルス重畳部は、前記ロータ巻線に誘導電流が発生した場合に前記突極の先端に形成される磁極と、前記突極に対向し前記ステータに設けられるティースに形成される磁極とが同じになる場合に前記ロータ巻線に誘導電流を発生させないように、前記ステータ巻線に流れるステータ電流にパルス電流を重畳させないことを特徴とする回転電機駆動システム。
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