JP7256376B2 - 空気調和システム - Google Patents

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複数の冷媒系統を有する空気調和システム
例えば特許文献1(特開2016-219983号公報)に記載されているように、複数の利用ユニットと複数の熱源ユニットとを備える空気調和システムが、従来からビルなどの建物に設定されている。このような空気調和システムは、1または複数の熱源ユニットと複数の利用ユニットとを接続して、1または複数の熱源ユニットと複数の利用ユニットとの間に冷媒を循環させている。熱源ユニットは、建物の外部の空気と冷媒との間で熱エネルギーを移動させ、利用ユニットは、建物の内部の空気と冷媒との間で熱エネルギーを移動させる。このように構成された空気調和システムでは、建物の内部の空気調和を適正に行うために、熱源ユニットと複数の利用ユニットが、データを送受信している。
建物が大きくなると、冷媒を循環させる系統が複数必要になる場合がある。例えば、第1冷媒系統には第1冷媒が循環し、第2冷媒系統には第2冷媒が循環する。このように構成された空気調和システムでは、第1冷媒が第2冷媒系統には流れず、第2冷媒が第1冷媒系統には流れない。
このように複数の冷媒系統が存在すると、複数の利用ユニットと複数の熱源ユニットがどの冷媒系統に属するかを、空気調和システムが認識する必要が生じる。このような冷媒系統への利用ユニットと熱源ユニットの帰属の認識以外に、空気調和システムの中での冷媒系統による制約を受けないデータの送受信が必要になる場合がある。冷媒系統による制約を受けないデータの送受信には、例えば、系統外の熱源ユニットと利用ユニットの通信、系統外の熱源ユニット同士の通信、系統外の利用ユニット同士の通信、並びに他の機器と熱源ユニット及び/または利用ユニットとの通信がある。
このような複数の冷媒系統を有する空気調和システムには、各冷媒系統に帰属する利用ユニットと熱源ユニットの認識と、冷媒系統による制約を受けないデータの送受信とを容易に行えるようにするという課題がある。
第1観点の空気調和システムは、第1冷媒系統の中で第1冷媒が循環し、第2冷媒系統の中で第2冷媒が循環し、第1冷媒が第2冷媒系統に流れず且つ第2冷媒が第1冷媒系統に流れないように構成され、第1冷媒及び第2冷媒を使って空気調和を行う。空気調和システムは、複数の第1機器と、複数の第2機器と、通信回線とを備えている。各第1機器には、第1冷媒系統の第1冷媒が流れる。各第2機器には、第2冷媒系統の第2冷媒が流れる。通信回線は、複数の第1機器及び複数の第2機器を繋ぐ。通信回線は、通信信号によって複数の第1機器及び複数の第2機器の間で通信でき、第1系統確認信号によって複数の第1機器の間で通信でき且つ複数の第1機器と複数の第2機器の間では通信できず、第2系統確認信号によって複数の第2機器の間で通信でき且つ複数の第1機器と複数の第2機器の間では通信できないように敷設されている。
第1観点の空気調和システムは、第1系統確認信号と第2系統確認信号を使って、複数の第1機器を第1冷媒系統に属すると認識し、複数の第2機器を第2冷媒系統に属すると認識できる。第1観点の空気調和システムは、第1冷媒系統と第2冷媒系統の両方で使用する情報も、第1系統確認信号と第2系統確認信号の通信に用いる通信回線で、通信信号を使って、複数の第1機器及び複数の第2機器の全体で送受信できる。
第2観点の空気調和システムは、第1観点のシステムであって、通信回線は、通信信号を通過させ、第1系統確認信号及び第2系統確認信号を遮断するフィルタを複数の第1機器と複数の第2機器との間に配置して敷設されている。
第2観点の空気調和システムの通信回線は、通信可能な第1機器と第2機器の範囲を通信信号と第1系統確認信号と第2系統確認信号について異ならせる敷設を、フィルタを使って簡単に実現することができる。
第3観点の空気調和システムは、第2観点のシステムであって、通信信号は、高周波信号である。第1系統確認信号及び第2系統確認信号は、低周波信号である。フィルタは、高周波信号を通過させ、低周波信号を遮断するハイパスフィルタである。
第3観点の空気調和システムの通信回線は、通信可能な第1機器と第2機器の範囲を通信信号と第1系統確認信号と第2系統確認信号について異ならせる敷設を、ハイパスフィルタを使って簡単に実現する。
第4観点の空気調和システムは、第1観点から第3観点のいずれかのシステムであって、複数の第1機器は、第1系統確認信号を使って通信できる機器を複数の第1機器として認識する認識用機器を含む。
第4観点の空気調和システムの認識用機器は、複数の第1機器を第1冷媒系統に属する機器として認識することで、第1冷媒系統の第1冷媒に係わる動作を複数の第1機器に協働して行なわせ易くする。
第5観点の空気調和システムは、第4観点のシステムであって、認識用機器は、第1層認識用機器と中間認識用機器とを含む。第1層認識用機器は、複数の第1機器の中から第1層グループに属する機器と中間認識用機器とを認識する。中間認識用機器は、複数の第1機器の中から第1層グループに属さず且つ第2層グループに属する機器を認識する。
第5観点の空気調和システムの認識用機器は、第2層グループの複数の第1機器を認識することで、第1冷媒系統の第2層グループの第1冷媒に係わる動作を複数の第1機器に協働して行なわせ易くする。
第6観点の空気調和システムは、第1観点から第5観点のいずれかのシステムであって、通信回線は、通信信号及び第1系統確認信号を伝送する共通の信号線を有する。
第6観点の空気調和システムでは、伝送線が通信信号及び第1系統確認信号について共通化されることで、通信回線の敷設が簡素化される。
第1実施形態に係る空気調和システムの一構成例の概要を示す回路図。 空気調和システムにおける系統認識のための通信を説明するためのフローチャート。 第2実施形態に係る空気調和システムの一構成例の概要を示す回路図。 第3実施形態に係る空気調和システムの一構成例の概要を示す回路図。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1に示されている空気調和システム1は、第1実施形態に係るシステムである。図1に示されている空気調和システム1は、例えば、1つの建物10に設置されている。以下の説明において、空調対象空間CSは、内気が存在する空間であり、例えば、建物10の中の部屋の中の空間である。非空調対象空間NSは、外気が存在する空間であり、例えば、屋外空間である。言い換えると、建物10の中に空調対象空間CSがあり、建物10の外に非空調対象空間NSがある。ここでは、空気調和システム1が1つの建物10に設置されている場合について説明するが、空気調和システム1は、複数の建物に対して設置される場合もある。空気調和システム1は、第1冷媒系統100と第2冷媒系統200を有している。第1冷媒系統100の中では、第1冷媒が循環している。第2冷媒系統200の中では、第2冷媒が循環している。第1冷媒が第2冷媒系統200には流れず、第2冷媒が第1冷媒系統100には流れないように、空気調和システム1が構成されている。
空気調和システム1は、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220とを備えている。第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120には、第1冷媒が流れている。言い換えると、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120が、第1冷媒の流れる複数の第1機器である。第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220には、第2冷媒が流れている。言い換えると、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220が、第2冷媒の流れる複数の第2機器である。
空気調和システム1は、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220とを接続する通信回線300を備えている。言い換えると、通信回線300は、複数の第1機器及び複数の第2機器を繋ぐものである。
通信回線300は、通信信号によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220との間で通信できるように敷設されている。言い換えると、通信回線300は、通信信号によって、複数の第1機器及び複数の第2機器の間で通信できるように敷設されている。
通信回線300は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120との間で通信できるように敷設されている。しかし、通信回線300は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220との間で通信できないように敷設されている。言い換えると、通信回線300は、第1系統確認信号によって、複数の第1機器の間で通信でき且つ複数の第1機器と複数の第2機器の間では通信できないように敷設されているということである。
通信回線300は、第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220との間で通信できるように敷設されている。しかし、通信回線300は、第2系統確認信号によって、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220との間で通信できないように敷設されている。言い換えると、通信回線300は、第2系統確認信号によって、複数の第2機器の間で通信でき且つ複数の第1機器と複数の第2機器の間では通信できないように敷設されているということである。
例えば、通信回線300は、敷設されていることによって、通信回線300以外から制御信号が与えられなくても、第1系統確認信号及び第2系統確認信号では複数の第1機器と複数の第2機器の間では通信できない状態を保ち、通信信号では複数の第1機器と複数の第2機器の間で通信できる状態を保つ。従って、敷設されている通信回線300では、通信信号を用いる通信においては複数の第1機器と複数の第2機器とが常時接続されており、第1系統確認信号及び第2系統確認信号を用いる通信においては複数の第1機器と複数の第2機器とが常時遮断されている。
図1に示されている空気調和システム1では、通信回線300が物理的な伝送線301、物理的な伝送線302及び物理的な伝送線303を有している。これら物理的に分離された3つの伝送線301,302,303の敷設が、通信回線300の敷設である。
物理的な伝送線301に、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120が接続されている。この伝送線301を通って送られる第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120とは、互いに通信することができる。しかし、この伝送線301に接続されていない第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120と通信することができない。
物理的な伝送線302に、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220が接続されている。この伝送線302を通って送られる第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220とは、互いに通信することができる。しかし、この伝送線302に接続されていない第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120は、第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220と通信することができない。
物理的な伝送線303によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220が接続されている。この伝送線303を通って送られる通信信号によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220とは、互いに通信することができる。
従って、第1実施形態の空気調和システム1は、第1系統確認信号を使うことにより、第1冷媒系統100に属する機器として、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120を認識することができる。空気調和システム1は、第2系統確認信号を使うことにより、第2冷媒系統200に属する機器として、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220を認識することができる。なお、第1熱源ユニット110は、第1系統確認信号を送信するので、当然に、自身が第1冷媒系統100に属する機器であることは認識できる。同様に、第2熱源ユニット210は、第2系統確認信号を送信するので、当然に、自身が第2冷媒系統200に属する機器であることは認識できる。
(2)詳細構成
(2-1)第1冷媒系統100、第2冷媒系統200
第1冷媒系統100は、第1冷媒を循環させるための冷媒管131,132で接続されている第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120を含んで構成されている。冷媒管131,132の中を第1冷媒が流れている。第2冷媒系統200は、第2冷媒を循環させるための冷媒管231,232で接続されている第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220を含んで構成されている。冷媒管231,232の中を第2冷媒が流れている。空気調和システム1において、第1冷媒系統100では第1冷媒を用いて蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われ、第2冷媒系統200では第2冷媒を用いて蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。第1冷媒系統100で行われる蒸気圧縮式冷凍サイクルと、第2冷媒系統200で行われる蒸気圧縮式冷凍サイクルとは、互いに独立して行われる。しかし、第1冷媒系統100と第2冷媒系統200で行われる蒸気圧縮式冷凍サイクルが関連するように構成されてもよい。
なお、空気調和システム1の制御のために、例えば、空調対象空間CSの内気の温度、各所における第1冷媒の温度及び圧力、並びに各所における第2冷媒の温度及び圧力が検出されるが、それらの検出のためのセンサなどの記載は省略する。
(2-1-1)第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210
第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210は、それぞれ、圧縮機51と、四方弁52と、熱源側熱交換器53と、熱源側膨張弁54と、熱源側コントローラ55とを備えている。熱源側コントローラ55は、圧縮機51、四方弁52及び熱源側膨張弁54を制御する。熱源側コントローラ55は、マイクロコントローラユニット(MCU)55aと、送信機55bと、送受信機55cとを備えている。第1熱源ユニット110の送信機55bは、伝送線301に接続されている。第2熱源ユニット210の送信機55bは、伝送線302に接続されている。第1熱源ユニット110及び第2熱源ユニット210の送受信機55cは、伝送線303に接続されている。
MCUは、例えば、制御演算装置と、記憶装置(メモリ)とを備えるものである。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
第1熱源ユニット110の圧縮機51と四方弁52と熱源側熱交換器53と熱源側膨張弁54とには、第1冷媒が流れる。第2熱源ユニット210の圧縮機51と四方弁52と熱源側熱交換器53と熱源側膨張弁54とには、第2冷媒が流れる。
圧縮機51は、低圧ガス状の冷媒を吸入し、冷媒を圧縮して、高圧ガス状の冷媒を吐出する機器である。四方弁52は、第1ポート、第2ポート、第3ポート及び第4ポートの4つのポートを持ち、ポート間の接続状態を切り換えられるように構成された機器である。熱源側熱交換器53は、冷媒と外気との間で熱交換を行わせる機器である。熱源側膨張弁54は、ガス状態の冷媒を減圧する機器である。四方弁52の第1ポートに圧縮機51の吐出口が接続され、第2ポートに熱源側熱交換器53の一方の出入口が接続され、第3ポートに圧縮機51の吸入口が接続され、第4ポートに冷媒管132または冷媒管232が接続されている。四方弁52は、第1ポートと第2ポートの間を冷媒が流れ且つ第3ポートと第4ポートの間を冷媒が流れる状態と、第1ポートと第4ポートの間を冷媒が流れ且つ第2ポートと第3ポートの間を冷媒が流れる状態とを切り換える。熱源側熱交換器53の他方の出入口には、熱源側膨張弁54の一方の出入口が接続されている。熱源側膨張弁54の他方の出入口には、冷媒管131または冷媒管231が接続されている。
(2-1-2)第1利用ユニット120と第2利用ユニット220
各第1利用ユニット120と各第2利用ユニット220は、それぞれ、利用側熱交換器61と、利用側膨張弁62と利用側コントローラ63とを備えている。各利用側コントローラ63は、マイクロコントローラユニット(MCU)63aと、受信機63bと、送受信機63cとを備えている。各第1利用ユニット120の受信機63bは、伝送線301に接続されている。各第2利用ユニット220の受信機63bは、伝送線302に接続されている。複数の第1利用ユニット120及び複数の第2利用ユニット220の各送受信機63cは、伝送線303に接続されている。
各第1利用ユニット120の利用側膨張弁62と利用側熱交換器61には、第1冷媒が流れる。各第2利用ユニット220の利用側膨張弁62と利用側熱交換器61には、第2冷媒が流れる。
利用側熱交換器61は、冷媒と内気との間で熱交換を行わせる機器である。利用側膨張弁62は、ガス状態の冷媒を減圧するまたは冷媒の流量を調節する機器である。利用側膨張弁62の一方の出入口が冷媒管131または冷媒管231に接続されている。利用側膨張弁62の他方の出入口が利用側熱交換器61の一方の出入口に接続されている。利用側熱交換器61の他方の出入口が冷媒管132または冷媒管232に接続されている。
(2-1-3)冷房運転
冷房運転では、各利用側熱交換器61が蒸発器として機能することで、空調対象空間CSの空気の温度を低下させる。
圧縮機51は、四方弁52の第1ポートと第2ポートを繋ぐ経路を経由して熱源側熱交換器53に、高圧ガス状体の冷媒を吐出する。熱源側熱交換器53は、高圧ガス状の冷媒と外気との間で熱交換を行わせて、冷媒を凝縮させる。熱源側コントローラ55は、例えば、熱源側膨張弁54の開度を開いた状態で固定している。熱源側熱交換器53で凝縮された高圧液体状の冷媒は、熱源側膨張弁54と冷媒管131または231とを経由して送られる。
各利用側膨張弁62は、冷媒管131または231を経由して送られてきた高圧液体状の冷媒を減圧する。各利用側熱交換器61は、各利用側膨張弁62から送られてきた低圧液体状の冷媒と外気との間で熱交換を行わせて、冷媒を蒸発させる。各利用側コントローラ63は、例えば、各利用側熱交換器61の他方の出入口における冷媒の過熱度が過熱度目標値になるように、各利用側膨張弁62の開度を調節する。各利用側熱交換器61において蒸発して低圧ガス状になった冷媒は、冷媒管132または232と四方弁52の第4ポートと第3ポートを繋ぐ経路とを経由して圧縮機51に吸入される。
(2-1-4)暖房運転
暖房運転では、各利用側熱交換器61が凝縮器として機能することで、空調対象空間CSの空気の温度を上昇させる。
圧縮機51は、四方弁52の第1ポートと第4ポートを繋ぐ経路及び冷媒管132または232を経由して各利用側熱交換器61に、高圧ガス状体の冷媒を吐出する。各利用側熱交換器61は、高圧ガス状の冷媒と内気との間で熱交換を行わせて、冷媒を凝縮させる。各利用側膨張弁62は、各利用側熱交換器61で凝縮された高圧液体状の冷媒の流量を調整する。各利用側コントローラ63は、例えば、各利用側熱交換器61の他方の出入口における冷媒の過冷却度が過冷却度目標値になるように、各利用側膨張弁62の開度を調節する。各利用側膨張弁62を出た高圧液体状の冷媒は、冷媒管131または231を経由して熱源側膨張弁54に送られる。
熱源側膨張弁54は、冷媒管131または231を経由して送られてきた高圧液体状の冷媒を減圧する。熱源側熱交換器53は、熱源側膨張弁54から送られてきた低圧液体状の冷媒と外気との間で熱交換を行わせて、冷媒を蒸発させる。熱源側熱交換器53において蒸発して低圧ガス状になった冷媒は、四方弁52の第2ポートと第3ポートを繋ぐ経路とを経由して圧縮機51に吸入される。熱源側コントローラ55は、例えば、圧縮機51に吸入される冷媒の過熱度が過熱度目標値になるように、熱源側膨張弁54の開度を調節する。
(3)空気調和システム1における通信
(3-1)系統認識のための通信
系統認識を行うときの空気調和システム1の通信について、図2を用いて説明する。ここで説明する系統認識のための通信は、第1冷媒系統100に属している複数の第1利用ユニット120を第1熱源ユニット110が認識し、第2冷媒系統200に属している第2利用ユニット220を第2熱源ユニット210が認識するための通信である。従って、系統認識のための通信が行われる前は、第1熱源ユニット110が複数の第1利用ユニット120が第1冷媒系統100に属していることを認識していない。同様に、系統認識のための通信が行われる前は、第2熱源ユニット210が複数の第2利用ユニット220が第1冷媒系統100に属していることを認識していない。
系統認識のための通信を行うのに、空気調和システム1の電源が投入される(ステップST1)。
伝送線303に接続されている複数の熱源側コントローラ55及び複数の利用側コントローラ63が、ネットワークを確立する(ステップST2)。例えば、第1熱源ユニット110の熱源側コントローラ55が、送受信機55cを使い、第2熱源ユニット210の送受信機55c並びに複数の第1利用ユニット120の送受信機63c及び複数の第2利用ユニット220の送受信機63cに対して、通信信号の送受信を行うことにより、ネットワークの確立を行う。
ネットワークを確立した後、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220は、それぞれ、通信アドレスを取得する(ステップST3)。複数の熱源側コントローラ55の各MCU55a及び複数の利用側コントローラ63の各MCU63aは、例えば、自動的に通信アドレスを取得する機能を備えている。この機能を使って、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220は、互いに重複しない通信アドレスを取得することができる。
第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210は、送受信機55cを使った通信により協調し、ネットワーク上の1台の熱源ユニットを選出する(ステップST4)。なお、ここでは、第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210の2台の熱源ユニットのみがネットワーク上に存在している。そのため、ステップST4では、熱源ユニットの選出は、第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210のいずれかを選択する。しかし、ネットワーク上には3台以上の熱源ユニットが存在してもよい。ネットワーク上には3台以上の熱源ユニットが存在する場合には、3台以上の熱源ユニットの中から1台の熱源ユニットが選出される。
選出された熱源ユニットは、送信機55bを使って、熱源ユニットが属する冷媒系統の複数の利用ユニットに、系統確認信号を送信する(ステップST5)。例えば、第1熱源ユニット110が選出された場合、第1熱源ユニット110は、送信機55bを使って伝送線301に第1系統確認信号を送信する。第1熱源ユニット110は、第1系統確認信号の送信と同時に、または第1系統確認信号の送信と前後して、自己の通信アドレスを、送受信機55cを使って送信する。伝送線301を通して受信機63bで第1系統確認信号を受信し、且つ伝送線303を通して送受信機63cで通信アドレスを受信した複数の第1利用ユニット120は、それぞれのMCU63aのメモリに、受信した通信アドレスを記憶する。
冷媒系統認識信号と熱源ユニットの通信アドレスを受信した利用ユニットは、自己の通信アドレスを、熱源ユニットの通信アドレス宛に送信する(ステップST6)。第1熱源ユニット110が選出された場合、複数の第1利用ユニット120が自己の通信アドレスを、第1熱源ユニット110の通信アドレス宛に送受信機63cを使って伝送線303を通して送信する。
選出された熱源ユニットは、送られてきた利用ユニットの通信アドレスを、同一冷媒系統の利用ユニットを登録する同一系統リストに登録する(ステップST7)。第1熱源ユニット110は、伝送線303を通して自己の通信アドレスに宛てて送られてきた第1利用ユニット120の通信アドレスを同一系統リストに順次追加していく。例えば、第1熱源ユニット110のMCU55aのメモリに、同一系統リストの記憶領域があるので、第1熱源ユニット110のMCU55aは、伝送線303を通して送られてくる複数の第1利用ユニット120の通信アドレスを、同一系統リストの記憶領域に順次記憶していく。第1熱源ユニット110は、同一系統リストを保持するということが、自己が第1冷媒系統100に属しているという認識に相当する。
選出された熱源ユニットは、自己が属する冷媒系統の全ての利用ユニットの登録を完了すると、自己が属する冷媒系統の系統認識が完了したことをネットワーク全体に通知する(ステップST8)。第1熱源ユニット110が選出された場合、第1冷媒系統100の全ての第1利用ユニット120の登録を完了すると、第1熱源ユニット110は、送受信機55cを使って伝送線303を通して、第1冷媒系統100の系統認識が完了したことをネットワーク全体に通知する。
系統認識がまだ完了していない熱源ユニットがあるか否かを判断する(ステップST8)。先に、第1熱源ユニット110が選出された場合、第1熱源ユニット110による第1冷媒系統100の系統認識が完了しても、第2熱源ユニット210による第2冷媒系統200の系統認識が完了していない(ステップST9のYes)。このような場合には、第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210は、送受信機55cを使った通信により協調し、第2熱源ユニット210を選出する(ステップST4)。
第2熱源ユニット210が選出された場合、上述の第1熱源ユニット110が選出された場合と同様に、ステップST5からステップST8までの動作が繰り返される。
第1熱源ユニット110及び第2熱源ユニット210による第1冷媒系統100及び第2冷媒系統200の系統認識が終了すると、系統認識が完了していない熱源ユニットが無くなるので(ステップST9のNo)、系統認識のための通信を終了する。
上述の系統認識のための通信の例では、送受信機55c,63cによる伝送線303を通した通信において、通信アドレスを使って通信先及び/または通信元を特定する場合について説明した。しかし、通信先及び/または通信元の特定は、通信アドレスを使った特定に限られるものではない。例えば、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220のそれぞれが有している固有のIDを使って、空気調和システム1は、送受信機55c,63cによる伝送線303を通した通信において、通信先及び/または通信元を特定するように構成されてもよい。
(3-2)系統認識後の通信
系統認識が完了すると、第1熱源ユニット110のMCU55aの同一系統リストに、伝送線301に接続されている全ての第1利用ユニット120の通信アドレスが登録される。系統認識が完了すると、第2熱源ユニット210のMCU55aの同一系統リストに、伝送線302に接続されている全ての第2利用ユニット220の通信アドレスが登録される。
第1熱源ユニット110は、MCU55aに記憶されている同一系統リストを使って、第1冷媒系統100に属する複数の第1利用ユニット120を特定して、通信回線300を通して、第1冷媒系統100の蒸気圧縮式冷凍サイクルを制御することができる。第2熱源ユニット210は、MCU55aに記憶されている同一系統リストを使って、第2冷媒系統200に属する複数の第2利用ユニット220を特定して、第2冷媒系統200の蒸気圧縮式冷凍サイクルを制御することができる。
例えば、第1熱源ユニット110の圧縮機51の吐出温度が異常に高くなったときに、第1熱源ユニット110は、同一系統リストに登録されている全ての第1利用ユニット120に対して、送受信機55cを使い、伝送線303を通して、圧縮機51の吐出温度異常に対応するように指示することができる。第1熱源ユニット110は、同一系統リストに登録されている一部の第1利用ユニット120に対して、送受信機55cを使い、伝送線303を通して、例えば、利用側膨張弁62の開度、過熱度目標値、過冷却度目標値などを変更するように要求することもできる。第1熱源ユニット110は、同一系統リストに登録されている一部の第1利用ユニット120に対して、送受信機55cを使い、伝送線303を通して、各第1利用ユニット120が有している情報を第1熱源ユニット110に送信するように要求することもできる。
第1熱源ユニット110も第2熱源ユニット210も、送受信機55cを使い、伝送線303を通して、全ての第1利用ユニット120及び全ての第2利用ユニット220と通信することができる。例えば、第1熱源ユニット110が建物10の外の管理装置と公衆回線で通信できるときに、全ての第1利用ユニット120及び全ての第2利用ユニット220の情報を第1熱源ユニット110が送受信機55cを使って伝送線303を通して収集し、当該情報を第1熱源ユニット110が管理装置に送信することができる。
<第2実施形態>
(4)全体構成
図3に示されている空気調和システム1は、第2実施形態に係るシステムである。図3に示されている第2実施形態の空気調和システム1は、図1に示されている第1実施形態の空気調和システム1に対して、通信回線400の構成を違えている。また、第2実施形態の空気調和システム1は、第1実施形態の空気調和システム1に対して、通信回線400を使って、通信信号の送受信を行う機器、第1系統確認信号の送受信を行う機器及び第2系統確認信号の送受信を行う機器の構成を違えている。
第2実施形態においても、空気調和システム1と建物10との関係、空気調和システム1と空調対象空間CSとの関係、及び空気調和システム1と非空調対象空間NSとの関係については第1実施形態と同様の場合を例に説明するので、ここでは、これらの関係の説明を省略する。
第2実施形態においては、空気調和システム1の構成について、通信回線400の構成及び通信回線400を使って送受信する機器の構成を除いて、第1実施形態と同様の場合を例に説明する。そのため、第2実施形態では、空気調和システム1の構成のうち第1実施形態で説明した箇所の説明を省略する。
空気調和システム1は、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220とを接続する通信回線400を備えている。通信回線400は、通信信号によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220との間で通信できるように敷設されている。通信回線400は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120との間で通信できるように敷設されている。しかし、通信回線400は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220との間で通信できないように敷設されている。通信回線400は、第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220との間で通信できるように敷設されている。しかし、通信回線400は、第2系統確認信号によって、第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210の間、第1熱源ユニット110と複数の第2利用ユニット220との間、複数の第1利用ユニット120と第2熱源ユニット210との間、及び複数の第1利用ユニット120と複数の第2利用ユニット220との間で通信できないように敷設されている。
図3に示されている空気調和システム1では、通信回線400が物理的な伝送線401,402及びフィルタ403を有している。伝送線401と伝送線402は、フィルタ403を介して接続されている。これら物理的に分離された2つの伝送線401,402の敷設及びフィルタ403による伝送線401,402の接続が、通信回線400の敷設である。
物理的な伝送線401に、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120が接続されている。この伝送線401を通って送られる第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120とは、互いに通信することができる。第1系統確認信号は、フィルタ403によって遮断されて、伝送線401から伝送線402へは伝送されない。そのため、この伝送線401に接続されていない第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120と通信することができない。
物理的な伝送線402に、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220が接続されている。この伝送線402を通って送られる第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220とは、互いに通信することができる。第2系統確認信号は、フィルタ403によって遮断されて、伝送線402から伝送線401へは伝送されない。そのため、この伝送線402に接続されていない第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120は、第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220と通信することができない。
通信信号は、フィルタ403を通過することができる。そのため、通信回線400は、物理的な伝送線401から伝送線402に通信信号を伝送させることができ、物理的な伝送線402から伝送線401に通信信号を伝送させることができる。これら伝送線401,402を通って送られる通信信号によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220とは、互いに通信することができる。
従って、第2実施形態の空気調和システム1は、第1系統確認信号を使うことにより、第1冷媒系統100に属する機器として、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120を認識することができる。空気調和システム1は、第2系統確認信号を使うことにより、第2冷媒系統200に属する機器として、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220を認識することができる。
(5)詳細構成
(5-1)第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210
第2実施形態の第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210がそれぞれ備えている送信機55bと送受信機55cの機能に特徴がある。第1熱源ユニット110の送信機55b及び送受信機55cは、いずれも伝送線401に接続されている。第2熱源ユニット210の送信機55b及び送受信機55cは、いずれも伝送線402に接続されている。第2実施形態の送信機55bが送信する第1系統確認信号及び第2系統確認信号は、低周波信号である。本開示においては、低周波信号は、周波数が10KHz以下の信号と定義する。低周波信号には、直流(周波数が0Hzの信号)も含まれる。第2実施形態の送受信機55cが送信する通信信号は、高周波信号である。本開示においては、高周波信号は、周波数が100KHz以上の信号と定義する。第2実施形態において、第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210が上述のように構成されている場合、フィルタ403は、低周波信号を遮断し、高周波信号を通過させるように構成される。フィルタ403は、第1系統確認信号及び第2系統確認信号の周波数と、通信信号の周波数との間に遮断周波数を持っている。このようなフィルタ403としては、例えば、ハイパスフィルタがある。
送受信機55cは、後述する送受信機63cと高周波の通信信号によって通信を行う。送信機55bは、後述する受信機63bと低周波の、第1系統確認信号または第2系統確認信号によって通信を行う。
(5-2)第1利用ユニット120と第2利用ユニット220
第2実施形態の第1利用ユニット120と第2利用ユニット220がそれぞれ備えている受信機63bと送受信機63cの機能に特徴がある。第1利用ユニット120の受信機63b及び送受信機63cは、いずれも伝送線401に接続されている。第2利用ユニット220の受信機63b及び送受信機63cは、いずれも伝送線402に接続されている。第2実施形態の受信機63bが受信する第1系統確認信号及び第2系統確認信号は、低周波信号である。第2実施形態の送受信機63cが送信する通信信号は、高周波信号である。
(5-3)フィルタ403
フィルタ403は、高周波信号を通過させ、低周波信号を遮断する機器である。受動的に、高周波信号を通過させ、低周波信号を遮断するフィルタとしては、例えば、コンデンサ、低周波信号を減衰させる減衰器がある。例えば、高周波信号を通過させ、直流信号を遮断する誘導型カプラもフィルタ403として用いることができる。フィルタ403として使用するフィルタは、能動素子を用いたアクティブフィルタでもよい。また、高周波信号を通過させ、低周波信号を遮断するフィルタとして、例えば、伝送線401,402の低周波信号を検知して、伝送線401,402の接続と非接続を切り替えるスイッチング装置がある。スイッチング装置は、伝送線401,402を低周波信号が伝送するときに、伝送線401,402を非接続とする装置である。スイッチング装置において伝送線401,402の接続と非接続を切り替えるために、例えば、リレーを用いることができる。
(6)空気調和システム1における通信
(6-1)系統認識のための通信
第2実施形態の系統認識のための通信も第1実施形態の系統認識のための通信と同様に、図2を用いて説明することができる。まず、系統認識のための通信を行うのに、空気調和システム1の電源が投入される(ステップST1)。伝送線401,402に接続されている複数の熱源側コントローラ55及び複数の利用側コントローラ63が、ネットワークを確立する(ステップST2)。ネットワークを確立した後、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220は、それぞれ、通信アドレスを取得する(ステップST3)。
第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210は、送受信機55cを使った通信により協調し、ネットワーク上の1台の熱源ユニットを選出する(ステップST4)。選出された熱源ユニットは、送信機55bを使って、熱源ユニットが属する冷媒系統の複数の利用ユニットに、系統確認信号を送信する(ステップST5)。例えば、第1熱源ユニット110が選出された場合、第1熱源ユニット110は、送信機55bを使って伝送線401に第1系統確認信号を送信する。第1系統確認信号が低周波信号であるため、フィルタ403で遮断されて、第1系統確認信号は、伝送線402には伝送されない。第1熱源ユニット110は、第1系統確認信号の送信と同時に、または第1系統確認信号の送信と前後して、自己の通信アドレスを、送受信機55cを使って送信する。この場合、第1熱源ユニット110は、通信アドレスを、周波数が0以外の低周波信号で送るように構成されてもよく、または高周波信号で送るように構成されてもよい。伝送線401を通して受信機63bで第1系統確認信号を受信し、且つ送受信機63cまたは受信機63bで通信アドレスを受信した複数の第1利用ユニット120は、それぞれのMCU63aのメモリに、受信した通信アドレスを記憶する。
冷媒系統認識信号と熱源ユニットの通信アドレスを受信した利用ユニットは、自己の通信アドレスを、熱源ユニットの通信アドレス宛に送信する(ステップST6)。第1熱源ユニット110が選出された場合、複数の第1利用ユニット120が自己の通信アドレスを、第1熱源ユニット110の通信アドレス宛に送受信機63cを使って伝送線303を通して送信する。
選出された熱源ユニットは、送られてきた利用ユニットの通信アドレスを、同一冷媒系統の利用ユニットを登録する同一系統リストに登録する(ステップST7)。第1熱源ユニット110が選出された場合、複数の第1利用ユニット120が、自己の通信アドレスを、送受信機63cを使って伝送線303を通して第1熱源ユニット110の通信アドレスに宛てて送る。第1熱源ユニット110は、伝送線401を通して自己の通信アドレスに宛てて送られてきた第1利用ユニット120の通信アドレスを同一系統リストに順次追加していく。第1熱源ユニット110は、同一系統リストを保持するということが、自己が第1冷媒系統100に属しているという認識に相当する。
選出された熱源ユニットは、自己が属する冷媒系統の全ての利用ユニットの登録を完了すると、自己が属する冷媒系統の系統認識が完了したことをネットワーク全体に通知する(ステップST8)。第1熱源ユニット110が選出された場合、第1冷媒系統100の全ての第1利用ユニット120の登録を完了すると、第1熱源ユニット110は、送受信機55cを使って伝送線401,402を通して、第1冷媒系統100の系統認識が完了したことをネットワーク全体に通知する。
系統認識が完了していない熱源ユニットがあるか否かを判断する(ステップST8)。先に、第1熱源ユニット110が選出された場合、第1熱源ユニット110による第1冷媒系統100の系統認識が完了しても、第2熱源ユニット210による第2冷媒系統200の系統認識が完了していない(ステップST9のYes)。このような場合には、第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210は、送受信機55cを使った通信により協調し、第2熱源ユニット210を選出する(ステップST4)。
第2熱源ユニット210が選出された場合、上述の第1熱源ユニット110が選出された場合と同様に、ステップST5からステップST8までの動作が繰り返される。
第1熱源ユニット110及び第2熱源ユニット210による第1冷媒系統100及び第2冷媒系統200の系統認識が終了すると、系統認識が完了していない熱源ユニットが無くなるので(ステップST9のNo)、系統認識のための通信を終了する。
上述の系統認識のための通信の例では、送受信機55c,63cによる伝送線401を通した通信において、通信アドレスを使って通信先及び/または通信元を特定する場合について説明した。しかし、通信先及び/または通信元の特定は、通信アドレスを使った特定に限られるものではない。例えば、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120、第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220のそれぞれが有している固有のIDを使って、空気調和システム1は、送受信機55c,63cによる伝送線401を通した通信において、通信先及び/または通信元を特定するように構成されてもよい。
(6-2)系統認識後の通信
第2実施形態による系統認識後の通信は、通信回線400を用いるとともに高周波信号である通信信号を用いる点が、第1実施形態による系統認識後の通信と異なる。しかし、その他の点については、第2実施形態による系統認識後の通信が第1実施形態による系統認識後の通信と同様に行えるので、第2実施形態による系統認識後の通信の説明を省略する。
<第3実施形態>
(7)全体構成
図4に示されている空気調和システム1は、第3実施形態に係るシステムである。空気調和システム1は、第1冷媒系統100と第2冷媒系統200を有している。第1冷媒系統100の中では、第1冷媒が循環している。第2冷媒系統200の中では、第2冷媒が循環している。第1冷媒が第2冷媒系統200には流れず、第2冷媒が第1冷媒系統100には流れないように、空気調和システム1が構成されている。
空気調和システム1は、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第1中間ユニット150と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220と、第2中間ユニット250とを備えている。第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120と第1中間ユニット150とには、第1冷媒が流れている。言い換えると、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120と第1中間ユニット150とが、第1冷媒の流れる複数の第1機器である。第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220と第2中間ユニット250には、第2冷媒が流れている。言い換えると、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220と第2中間ユニット250が、第2冷媒の流れる複数の第2機器である。
空気調和システム1は、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220と、第1中間ユニット150と、第2中間ユニット250とを接続する通信回線500を備えている。言い換えると、通信回線500は、複数の第1機器及び複数の第2機器を繋ぐものである。
通信回線500は、通信信号によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220と、第1中間ユニット150と、第2中間ユニット250との間で通信できるように敷設されている。言い換えると、通信回線500は、通信信号によって、複数の第1機器及び複数の第2機器の間で通信できるように敷設されている。
通信回線500は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120と第1中間ユニット150との間で通信できるように敷設されている。しかし、通信回線500は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150と、第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250との間で通信できないように敷設されている。言い換えると、通信回線500は、第1系統確認信号によって、複数の第1機器の間で通信でき且つ複数の第1機器と複数の第2機器の間では通信できないように敷設されているということである。
通信回線500は、第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220と第2中間ユニット250との間で通信できるように敷設されている。しかし、通信回線300は、第2系統確認信号によって、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150と、第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250との間で通信できないように敷設されている。言い換えると、通信回線300は、第2系統確認信号によって、複数の第2機器の間で通信でき且つ複数の第1機器と複数の第2機器の間では通信できないように敷設されているということである。
図4に示されている空気調和システム1では、通信回線500が物理的な伝送線501,502,503,504及びフィルタ505,506,507を有している。伝送線501と伝送線503は、フィルタ505を介して接続されている。伝送線501と伝送線502は、フィルタ506を介して接続されている。伝送線503と伝送線504は、フィルタ507を介して接続されている。これら物理的に分離された4つの伝送線501,502,503,504の敷設、フィルタ505による伝送線501,503の接続、フィルタ506による伝送線501,502の接続及びフィルタ507による伝送線503,504の接続が、通信回線500の敷設である。
物理的な伝送線501に、第1熱源ユニット110と1台の第1利用ユニット120と第1中間ユニット150が接続されている。物理的な伝送線502に、第1中間ユニット150と複数台の第1利用ユニット120が接続されている。ここでは、伝送線501に1台の第1利用ユニット120が接続されている場合を例に挙げて説明するが、伝送線501に接続される第1利用ユニット120は複数台であってもよい。また、伝送線502に複数の第1利用ユニット120が接続されている場合を例に挙げて説明するが、伝送線502に接続される第1利用ユニット120は1台でもよい。第1系統確認信号は、フィルタ506を通過することができ、伝送線501から伝送線502に伝送される。そのため、これら伝送線501,502を通って送られる第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110と複数の第1利用ユニット120と第1中間ユニット150は、互いに通信することができる。第1系統確認信号は、フィルタ505によって遮断されて、伝送線501から伝送線503へは伝送されない。そのため、これら伝送線501,502に接続されていない第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250は、第1系統確認信号によって、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150と通信することができない。
物理的な伝送線503に、第2熱源ユニット210と1台の第2利用ユニット220と第2中間ユニット250が接続されている。物理的な伝送線504に、第2中間ユニット250と複数の第2利用ユニット220が接続されている。ここでは、伝送線503に1台の第2利用ユニット220が接続されている場合を例に挙げて説明するが、伝送線503に接続される第2利用ユニット220は複数台であってもよい。また、伝送線504に複数の第2利用ユニット220が接続されている場合を例に挙げて説明するが、伝送線504に接続される第2利用ユニット20は1台でもよい。第2系統確認信号は、フィルタ507を通過することができ、伝送線503から伝送線504に伝送される。そのため、これら伝送線503,504を通って送られる第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210と複数の第2利用ユニット220と第2中間ユニット250は、互いに通信することができる。第2系統確認信号は、フィルタ505によって遮断されて、伝送線503から伝送線501へは伝送されない。そのため、これら伝送線503,504に接続されていない第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150は、第2系統確認信号によって、第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250と通信することができない。このようなフィルタ505としては、例えば、通信信号を高周波信号とし、第1系統確認信号と第2系統確認信号を低周波信号とする場合、ハイパスフィルタを用いることができる。
物理的な伝送線501,502,503,504によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第1中間ユニット150と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220と、第2中間ユニット250が接続されている。これら伝送線501,502,503,504を通って送られる通信信号によって、第1熱源ユニット110と、複数の第1利用ユニット120と、第1中間ユニット150と、第2熱源ユニット210と、複数の第2利用ユニット220と、第2中間ユニット250とは、互いに通信することができる。
従って、第3実施形態の空気調和システム1は、第1系統確認信号を使うことにより、第1冷媒系統100に属する機器として、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150を認識することができる。空気調和システム1は、第2系統確認信号を使うことにより、第2冷媒系統200に属する機器として、第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250を認識することができる。
第1中間ユニット150は、伝送線502を通して、フィルタ506で遮断される第3系統確認信号を送ることができる。伝送線502に接続されている複数の第1利用ユニット120は、第3系統確認信号を受信することができるように構成されている。第1中間ユニット150は、第3系統確認信号を使って、第1中間ユニット150との間で第1冷媒を授受する複数の第1利用ユニット120を認識することができる。ここで、伝送線502に接続されている複数の第1利用ユニット120が第2層グループに属する機器である。それに対して、伝送線501に接続されている第1熱源ユニット110、1台の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150が第1層グループに属する機器である。
第2中間ユニット250は、伝送線504を通して、フィルタ507で遮断される第4系統確認信号を送ることができる。伝送線504に接続されている複数の第2利用ユニット220は、第4系統確認信号を受信することができるように構成されている。第2中間ユニット250は、第4系統確認信号を使って、第2中間ユニット250との間で第2冷媒を授受する複数の第2利用ユニット220を認識することができる。ここで、伝送線504に接続されている複数の第2利用ユニット220が第2層グループに属する機器である。それに対して、伝送線503に接続されている第2熱源ユニット210、1台の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250が第1層グループに属する機器である。
(8)詳細構成
(8-1)第1冷媒系統100、第2冷媒系統200
第1冷媒系統100は、第1冷媒を循環させるための冷媒管141,142,143に接続されている第1熱源ユニット110と、1台の第1利用ユニット120と、第1中間ユニット150とを含んで構成されている。また、第1冷媒系統100は、第1中間ユニット150と冷媒管144,145で接続されている複数の第1利用ユニット120も含んで構成されている。冷媒管141,142,143,144,145の中を第1冷媒が流れている。
第2冷媒系統200は、第2冷媒を循環させるための冷媒管241,242,243に接続されている第2熱源ユニット210と、1台の第2利用ユニット220と、第2中間ユニット250とを含んで構成されている。また、第2冷媒系統200は、第2中間ユニット250と冷媒管244,245で接続されている複数の第2利用ユニット220も含んで構成されている。冷媒管241,242,243,244,245の中を第1冷媒が流れている。
空気調和システム1において、第1冷媒系統100では第1冷媒を用いて蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われ、第2冷媒系統200では第2冷媒を用いて蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。第1冷媒系統100で行われる蒸気圧縮式冷凍サイクルと、第2冷媒系統200で行われる蒸気圧縮式冷凍サイクルとは、互いに独立して行われる。
なお、空気調和システム1の制御のために、例えば、空調対象空間CSの内気の温度、各所における第1冷媒の温度及び圧力、並びに各所における第2冷媒の温度及び圧力が検出されるが、それらの検出のためのセンサなどの記載は省略する。
(8-1-1)第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210
第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210は、それぞれ、圧縮機と、四方弁と、熱交換器と、膨張弁と、熱源側コントローラとを備えて構成されるが、ここでは、これらの機器の図示を省く。第1熱源ユニット110は、冷媒管143に流れるガス状の第1冷媒を吸入して、冷媒管141に流れる低温且つ液体状の第1冷媒及び、冷媒管142に流れる高温且つガス状の第1冷媒を供給する。第2熱源ユニット210は、冷媒管243に流れるガス状の第2冷媒を吸入して、冷媒管241に流れる低温且つ液体状の第2冷媒及び、冷媒管242に流れる高温且つガス状の第2冷媒を供給する。第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210が備える熱源側コントローラは、第2実施形態と同様のものを用いることができる。
(8-1-2)第1利用ユニット120と第2利用ユニット220
各第1利用ユニット120と各第2利用ユニット220は、それぞれ、熱交換器と、膨張弁と利用側コントローラとを備えているが、ここでは、これらの機器の図示を省く。各第1利用ユニット120は、低温の第1冷媒を使って冷房を行い、あるいは高温の第1冷媒を使って暖房を行う。各第2利用ユニット220は、低温の第2冷媒を使って冷房を行い、あるいは高温の第2冷媒を使って暖房を行う。
(8-1-3)第1中間ユニット150と第2中間ユニット250
第1中間ユニット150は、第1中間ユニット150に接続されている複数の第1利用ユニット120に流す第1冷媒の流れを切り換えるなど、複数の第1利用ユニット120に流す第1冷媒を調整する機器である。第2中間ユニット250は、第2中間ユニット250に接続されている複数の第2利用ユニット220に流す第2冷媒の流れを切り換えるなど、複数の第2利用ユニット220に流す第2冷媒を調整する機器である。第1中間ユニット150及び第2中間ユニット250は、それぞれ、中間コントローラ70を備えている。
中間コントローラ70は、マイクロコントローラユニット(MCU)70aと、受信機70bと、送受信機70cと、送信機70dとを備えている。第1中間ユニット150の受信機70bと送受信機70cは、伝送線501に接続されている。第1中間ユニット150の送信機70dは、伝送線502に接続されている。送受信機70cは、高周波の通信信号により、送受信機55c,63cと通信する。受信機70bは、低周波の第1系統確認信号または第4系統確認信号により送信機55bと通信する。受信機70bは、低周波の第3系統確認信号または第4系統確認信号により受信機63bと通信する。
(9)空気調和システム1における通信
第3実施形態において、第1冷媒系統100及び第2冷媒系統200の系統認識を行うときの空気調和システム1の通信は、第1中間ユニット150と第2中間ユニット250とを除き、第2実施形態と同様に行われる。第1中間ユニット150は、受信機70bを、第1利用ユニット120の受信機63bと同様に用いることができる。第1中間ユニット150は、受信機70bを用いることで、第1利用ユニット120と同様に、第1熱源ユニット110によって第1冷媒系統100に属する機器であることを認識させることができる。このとき、第1層認識用機器である第1熱源ユニット110の熱源側コントローラ55は、中間認識用機器である第1中間ユニット150の中間コントローラ70を認識する。第2中間ユニット250は、受信機70bを、第2利用ユニット220の受信機63bと同様に用いることができる。第2中間ユニット250は、受信機70bを用いることで、第2利用ユニット220と同様に、第2熱源ユニット210によって第2冷媒系統200に属する機器であることを認識させることができる。このとき、第1層認識用機器である第2熱源ユニット210の熱源側コントローラ55は、中間認識用機器である第2中間ユニット250の中間コントローラ70を認識する。
第1熱源ユニット110及び第2熱源ユニット210の送信機55bは、第1系統確認信号及び第2系統確認信号として、例えば、10KHzの低周波信号を用いる。これら10KHzの第1系統確認信号及び第2系統確認信号は、フィルタ506,507を通過する。このように構成された空気調和システム1では、第1中間ユニット150に冷媒管144,145で接続されている複数の第1利用ユニット120に、第1熱源ユニット110が、第1系統確認信号を直接送信することができる。同様に、第2中間ユニット250に冷媒管244,245で接続されている複数の第2利用ユニット220に、第2熱源ユニット210が、第2系統確認信号を直接送信することができる。
第1中間ユニット150は、第1系統確認信号よりも周波数の低い第3系統確認信号を、送信機70dにより伝送線502を通して伝送させるように構成される。第3系統確認信号としては、例えば、1KHzの低周波信号を用いる。この1KHzの第3系統確認信号は、フィルタ506で遮断される。第3系統確認信号を受信した第1利用ユニット120は、例えば、第2実施形態で説明したように、第1中間ユニット150の中間コントローラ70は通信アドレスを取得し、自己の通信アドレスを第1中間ユニット150に送信する。その結果、第1中間ユニット150は、伝送線502に接続されている複数の第1利用ユニット120を、第1層グループに属さず且つ第2層グループに属する機器として認識することができる。第1中間ユニット150のMCU70は、同一系統リストに取得した複数の第1利用ユニット120の通信アドレスを登録する。第1中間ユニット150の中間コントローラ70は、中間認識用機器である。第3系統確認信号がフィルタ506で遮断されるので、第1中間ユニット150は、伝送線501に接続されている第1利用ユニット120を第2層グループに属する機器として認識することはない。第1中間ユニット150は、第2層グループに属する機器として認識した複数の第1利用ユニット120の通信アドレスを第1熱源ユニット110に伝送線501を通して送信する。その結果、第1熱源ユニット110の熱源側コントローラ55は、第2層グループに属する複数の第1利用ユニット120を認識することができる。第1冷媒系統に属する機器の認識と第2層グループに属する機器の認識の結果さらに、第1熱源ユニット110の熱源側コントローラ55は、第1熱源ユニット110、1台の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150が、第1層グループに属することを認識することができる。
なお、第2中間ユニット250も、第1中間ユニット150と同様にして、第4系統確認信号を使い、伝送線504に接続されている複数の第2利用ユニット220を、第1層グループに属さず且つ第2層グループに属する機器として認識することができる。
(10)変形例
(10-1)変形例1A,2A,3A
上記第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態では、第1系統確認信号と第2系統確認信号の送信と受信に、送信機55b,70dと受信機63b,70bを用いる場合について説明したが、送信機55b,70dと受信機63b,70bの代わりに送受信機を用いることができる。
(10-2)変形例1B,2B,3B
第1実施形態及び第2実施形態では、第1熱源ユニット110と第2熱源ユニット210の熱源側コントローラ55が、それぞれ、第1冷媒系統100に属する第1機器を認識し、第2冷媒系統200に属する第2機器を認識する場合について説明した。また、第3実施形態では、熱源側コントローラ55と中間コントローラ70が、第1冷媒系統100に属する第1機器を認識し、第2冷媒系統200に属する第2機器を認識する場合について説明した。しかし、第1冷媒系統100に属する第1機器を認識し、第2冷媒系統200に属する第2機器を認識する認識用機器は、熱源側コントローラ55と中間コントローラ70には限られない。
例えば、伝送線303に接続された集中コントローラ、伝送線401と伝送線402に接続された集中コントローラ、または伝送線501と伝送線502に接続された集中コントローラが認識用機器を備えていてもよい。集中コントローラは、空気調和システム1の全体的な制御を行う装置である。これらの場合、集中コントローラが、熱源側コントローラ55または中間コントローラ70に相当する機器を備える。
(10-3)変形例3C
上記第3実施形態では、第1系統確認信号がフィルタ506を通過し、第2系統確認信号がフィルタ507を通過する構成とする場合を例に挙げて説明した。しかし、空気調和システム1は、第1系統確認信号がフィルタ506で遮断され、第2系統確認信号がフィルタ507で遮断される構成にすることもできる。その場合には、例えば、第1中間ユニット150が、伝送線502に接続されている複数の第1利用ユニット120の通信アドレスを収集して、収集した通信アドレスを第1冷媒系統100に属する機器の通信アドレスとして第1熱源ユニット110に送信するように構成すればよい。同様に、第2中間ユニット250が、伝送線504に接続されている複数の第2利用ユニット220の通信アドレスを収集して、収集した通信アドレスを第2冷媒系統200に属する機器の通信アドレスとして第2熱源ユニット210に送信するように構成すればよい。
(11)特徴
(11-1)
上述の空気調和システム1は、第1系統確認信号を使って、第1機器である第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120、あるいは第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120、第1中間ユニット150を第1冷媒系統100に属すると認識することができる。空気調和システム1は、第2系統確認信号を使って、第2機器である第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220、あるいは第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250を第2冷媒系統200に属すると認識することができる。さらに、空気調和システム1は、第1冷媒系統100と第2冷媒系統200の両方で使用する情報も、通信回線300,400または500で、通信信号を使って、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150並びに、第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250の全体で送受信できる。
(11-2)
第2実施形態の空気調和システム1では、通信回線400は、通信信号を通過させ、第1系統確認信号及び第2系統確認信号を遮断するフィルタ403を、第1熱源ユニット110及び複数の第1利用ユニット120と第2熱源ユニット210及び複数の第2利用ユニット220との間に配置して敷設されている。第3実施形態の空気調和システム1では、通信回線500は、通信信号を通過させ、第1系統確認信号及び第2系統確認信号を遮断するフィルタ505を、第1熱源ユニット110、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150と、第2熱源ユニット210、複数の第2利用ユニット220及び第2中間ユニット250との間に配置して敷設されている。その結果、空気調和システム1の通信回線400,500は、通信可能な範囲を通信信号と第1系統確認信号と第2系統確認信号について異ならせる敷設を、フィルタ403,505を使って簡単に実現することができる。
(11-3)
上述の空気調和システム1では、通信回線400,500にハイパスフィルタを用いると、通信可能な範囲を通信信号と第1系統確認信号と第2系統確認信号について異ならせる通信回線400,500の敷設を簡単に実現することができる。
(11-4)
第1実施形態、第2実施形態または第3実施形態の空気調和システム1では、第1熱源ユニット110の熱源側コントローラ55は、第1系統確認信号を使って通信できる機器を複数の第1機器として認識する認識用機器として機能している。第1熱源ユニット110の熱源側コントローラ55が、複数の第1利用ユニット120または、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150が第1冷媒系統100に属する機器として第1熱源ユニット110に認識させる。その結果、第1冷媒系統100の第1冷媒に係わる動作を、第1熱源ユニット110が、複数の第1利用ユニット120または、複数の第1利用ユニット120及び第1中間ユニット150と協働して行ない易くなる。
(11-5)
第3実施形態の空気調和システム1では、第1熱源ユニット110の熱源側コントローラ550は、複数の第1機器の中から第1層グループに属する機器と中間認識用機器とを認識する第1層認識用機器として機能している。そして、中間認識用機器である第1中間ユニット150の中間コントローラ70により、伝送線502に接続している複数の第1利用ユニット120が、第1層グループに属さず且つ第2層グループの複数の第1機器として認識される。そして、これら中間認識用機器が、伝送線502に接続している複数の第1利用ユニット120を、第1層グループに属さず且つ第2層グループの複数の第1機器として、第1熱源ユニット110に認識させる。その結果、第1冷媒系統100の第2層グループの第1冷媒に係わる動作を、第1熱源ユニット110、第1中間ユニット150、及び第1中間ユニット150に接続している複数の第1利用ユニット120が、協働して行ない易くなる。
(11-6)
第2実施形態では、伝送線401が、通信信号及び第1系統確認信号について共通化されている信号線である。第3実施形態では、伝送線501,502が、通信信号及び第1系統確認信号について共通化されている信号線である。信号線が共通化されることで、通信回線400,500の敷設が簡素化される。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 空気調和システム
55 熱源側コントローラ (認識用機器、第1層認識用機器の例)
63 利用側コントローラ
70 中間コントローラ (認識用機器、中間認識用機器の例)
100 第1冷媒系統
110 第1熱源ユニット (第1機器の例)
120 第1利用ユニット (第1機器の例)
150 第1中間ユニット (第1機器の例)
200 第2冷媒系統
210 第2熱源ユニット (第2機器の例)
220 第2利用ユニット (第2機器の例)
250 第2中間ユニット (第2機器の例)
300,400,500 通信回線
403,505 フィルタ
506,507 フィルタ
特開2016-219983号公報

Claims (5)

  1. 第1冷媒系統(100)の中で第1冷媒が循環し、第2冷媒系統(200)の中で第2冷媒が循環し、前記第1冷媒が前記第2冷媒系統に流れず且つ前記第2冷媒が前記第1冷媒系統に流れないように構成され、前記第1冷媒及び前記第2冷媒を使って空気調和を行う空気調和システム(1)であって、
    前記第1冷媒系統の前記第1冷媒が流れる複数の第1機器(110,120,150)と、
    前記第2冷媒系統の前記第2冷媒が流れる複数の第2機器(210,220,250)と、
    前記複数の第1機器及び前記複数の第2機器を繋ぐ通信回線(300,400,500)と、
    を備え、
    前記通信回線は、通信信号によって前記複数の第1機器及び前記複数の第2機器の間で通信でき、第1系統確認信号によって前記複数の第1機器の間で通信でき且つ前記複数の第1機器と前記複数の第2機器の間では通信できず、第2系統確認信号によって前記複数の第2機器の間で通信でき且つ前記複数の第1機器と前記複数の第2機器の間では通信できないように敷設され、
    前記通信回線は、前記通信信号を通過させ、前記第1系統確認信号及び前記第2系統確認信号を遮断するフィルタ(403,505)を前記複数の第1機器と前記複数の第2機器との間に配置して敷設されている、空気調和システム(1)。
  2. 前記通信信号は、高周波信号であり、
    前記第1系統確認信号及び前記第2系統確認信号は、低周波信号であり、
    前記フィルタは、高周波信号を通過させ、低周波信号を遮断するハイパスフィルタである、
    請求項1に記載の空気調和システム(1)。
  3. 第1冷媒系統(100)の中で第1冷媒が循環し、第2冷媒系統(200)の中で第2冷媒が循環し、前記第1冷媒が前記第2冷媒系統に流れず且つ前記第2冷媒が前記第1冷媒系統に流れないように構成され、前記第1冷媒及び前記第2冷媒を使って空気調和を行う空気調和システム(1)であって、
    前記第1冷媒系統の前記第1冷媒が流れる複数の第1機器(110,120,150)と、
    前記第2冷媒系統の前記第2冷媒が流れる複数の第2機器(210,220,250)と、
    前記複数の第1機器及び前記複数の第2機器を繋ぐ通信回線(300,400,500)と、
    を備え、
    前記通信回線は、通信信号によって前記複数の第1機器及び前記複数の第2機器の間で通信でき、第1系統確認信号によって前記複数の第1機器の間で通信でき且つ前記複数の第1機器と前記複数の第2機器の間では通信できず、第2系統確認信号によって前記複数の第2機器の間で通信でき且つ前記複数の第1機器と前記複数の第2機器の間では通信できないように敷設され、
    前記複数の第1機器は、前記第1系統確認信号を使って通信できる機器を前記複数の第1機器として認識する認識用機器(55,70)を含む、空気調和システム(1)。
  4. 前記認識用機器は、第1層認識用機器(55)と中間認識用機器(70)とを含み、
    前記第1層認識用機器は、前記複数の第1機器の中から第1層グループに属する機器と前記中間認識用機器とを認識し、
    前記中間認識用機器は、前記複数の第1機器の中から前記第1層グループに属さず且つ第2層グループに属する機器を認識する、
    請求項3に記載の空気調和システム(1)。
  5. 前記通信回線は、前記通信信号及び前記第1系統確認信号を伝送する共通の信号線を有する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和システム(1)。
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