以下、本発明の第1実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と正対して遊技を行う遊技状態の遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方(手前側)とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
(パチンコ遊技機の主要構成)
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出レバー6と、スピーカ8,8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図2)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(図2)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図2)及び賞球払出装置400(図2)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
演出ボタン9は、例えば、プッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9は、打球供給皿24の上方を覆おうカバーに設けられている。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(図3)が内蔵されている。パチンコ遊技機1は、演出ボタン9に対する操作入力に応じた演出を行う。
また、前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。遊技者は、演出レバー6を握って操作することで、演出レバー6を回動させたり、前後に移動させたりできる。パチンコ遊技機1は、演出レバー6に対する操作入力に応じた演出を行う。また、前面枠18のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。また、スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7と、演出装置15とを備える。遊技盤2は、例えば、内枠(図示せず)の前面部分に設けられ、つまり、遊技状態の遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。例えば、遊技盤2は、前方から見た場合に、演出表示装置7を取り囲む形状をなしている。遊技盤2の中央には、演出表示装置7の前方の位置に合わせて形成された貫通孔が形成されている。演出表示装置7の画面は、この遊技盤2の貫通孔から前面へ露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置40と、ゲート12と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、誘導部材17とを備える。
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、遊技盤2の複数箇所には、盤ランプ2a(図3)が設けられている。また、遊技盤2は、例えば、透明の樹脂等により形成されており、後面側に配置された演出表示装置7や後述する演出装置15等を前面から視認可能となっている。尚、図1は、図面が煩雑となるのを避けるため、透明の遊技盤2を白く塗りつぶして図示し、演出装置15を破線で図示している。また、遊技盤2は、その一部又は全部が不透明の部材でも良い。
演出装置15は、遊技盤2の後方に設けられている。例えば、内枠(図示せず)の裏側には、箱形形状の箱部材(図示略)が設けられ、この箱部材に演出装置15や演出表示装置7が取り付けられている。演出装置15は、例えば、前後方向における遊技盤2と演出表示装置7の間に配置され、レール部材131と、可動役物132を備えている。レール部材131は、例えば、演出表示装置7の周囲を囲むように配置された環状をなしている。可動役物132は、この環状のレール部材131を移動可能となっている。演出装置15の詳細については、後述する。
尚、上記した演出装置15の取り付け位置は、一例である。演出装置15を、演出表示装置7の前に設けても良い。また、例えば、レール部材131を、遊技領域3の外周を取り囲むように設けても良い。また、演出装置15を、パチンコ遊技機1に対して右側や上側に偏った位置に設けても良い。また、演出装置15を、例えば、遊技機枠16の外側となる位置(例えば、内枠の上にはみ出した位置)に設けても良い。
また、固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20の可動部材21は、回動可能に構成されており、第2始動口22を開閉する。第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置40は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置40は、第2大入賞口42を開閉する第2開閉部材41を備える。第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(図示せず)及び非特定領域(図示せず)が形成されている。また、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材(図示せず)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド42d(図2)とが設けられている。
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器と、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器と、普通図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器とを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器及び第2特別図柄表示器に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
本実施形態では、表示器類50の第1及び第2特別図柄表示器は、複数(例えば、8個)のLEDを点灯又は消灯させ特別図柄を表示する。また、普通図柄表示器は、複数(例えば、2個)のLEDを点灯又は消灯させ普通図柄を表示する。遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
また、遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定が実行され、第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示する。第1特別図柄表示器は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器によって表示される。以下、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定が実行され、表示器類50の第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材41が開閉し、第2大入賞口42が開閉する。第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器によって表示される。以下、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。また、最初のラウンドから最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、開閉する大入賞口(第1大入賞口32及び第2大入賞口42の一方または両方)、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常確率と、通常確率よりも高い高確率とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に第2大入賞口42に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)すると、大当たり遊技が終了した後の遊技状態が高確率状態に移行する。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆるV確機と呼ばれる機種である。
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。誘導部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。誘導部材17は、発射装置90(図2)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像及び静止画像を表示する。演出表示装置7は、演出画像として、演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、例えば、1~9の算用数字を表した図柄である。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
本実施形態の各演出図柄の主な変動パターンは、例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。演出表示装置7は、例えば、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄及び他の画像などから成る画像を変動演出パターンという。変動演出パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第1特図保留数を知ることができるとともに、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第2特図保留数を知ることができる。
(パチンコ遊技機の主な電気的構成)
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について図2及び図3を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図2)と、払出制御基板73(図2)と、サブ制御基板100(図3)と、画像制御基板200(図3)とを備えている。図2に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラムの他に、大当たり判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル、大当たり種別判定テーブルなどの各種のテーブルTA1が記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。RAM64には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などはRAM64に記憶される。同様に、RAM64には、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。また、RAM64には、遊技球がゲート12(図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。表示器類50の普通図柄表示器が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数はRAM64に記憶される。
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板などとの間でデータの送信又は受信を行う。また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120(図3)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ42aと、特定領域センサ42bと、非特定領域センサ42cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド40aと、振分部材ソレノイド42dとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ42aは、第2大入賞口42(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口42に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ42bは、第2大入賞口42(図1)の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ42cは、第2大入賞口42(図1)の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
また、図3に示すように、サブ制御基板100には、アウト口センサ19aが電気的に接続されている。アウト口センサ19aは、アウト口19(図1)の直下に設けられており、遊技球がアウト口19に入球したことを示す信号をサブ制御基板100へ出力する。これにより、サブ制御基板100(演出制御用マイコン101)は、アウト口センサ19aから出力される信号に基づいて、アウト口19に入球して消費された遊技球の数を計測できる。
図2に戻り、電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(図1)を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31(図1)を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド40aは、第2大入賞装置40の第2開閉部材41(図1)を開閉駆動する。振分部材ソレノイド42dは、第2大入賞装置40の内部に設けられた振分部材を駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93と、発射口センサ94を備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。発射口センサ94は、誘導部材17(図1)に設けられている。発射口センサ94は、誘導部材17から遊技領域3へ遊技球が入球されたこと、即ち、発射装置90によって発射された遊技球が遊技領域3内に入ったことを示す信号を主制御基板60へ出力する。これにより、主制御基板60は、発射口センサ94から出力される信号に基づいて、発射装置90により発射され遊技領域3内で消費された遊技球の数を計測できる。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。また、電源基板70は、サブ制御基板100に対して電力を供給する(図2、図3の「B」)。電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64やサブ制御基板100のRTC124などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。バックアップ電源回路71としては、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
また、主制御基板60は、サブ制御基板100(図3)に対して各種コマンドを送信する(図2、図3の「A」)。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図3に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他に、変動演出パターン選択テーブルなどの各種のテーブルTA4が記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。
RAM120は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。また、RAM120は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
図3に示すように、サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP(Video Display Processor)201と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像及び予告演出画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が画像を表示するための画像データ(演出画像などの画像データ)が記憶されている。VDP201は、例えば、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
また、サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、盤ランプ2a、演出ボタンランプ9cが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー検出スイッチ6j、操作ボタン検出スイッチ6kが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出レバー検出スイッチ6jは、演出レバー6が押込操作された、あるいは回動操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。操作ボタン検出スイッチ6kは、打球供給皿24に設けられた操作ボタン(図示せず)を操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、サブ制御基板100には、演出レバー駆動モータ6dが電気的に接続されている。演出レバー駆動モータ6dは、演出レバー6を振動、回動、スライド移動等させる部材である。演出制御用マイコン101は、演出に合わせて演出レバー6を回動等させる。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときにはその電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。
また、サブ制御基板100には、演出装置15が接続されている。図3に示すように、演出装置15は、モータ135、4つの位置センサ137,138,139,140を備えている。サブ制御基板100は、演出装置15のモータ135と、モータ制御基板141を介して接続され、モータ135を制御可能となっている。サブ制御基板100は、モータ135の回転動作を制御することで、可動役物132の位置や可動方向を変更することができる。サブ制御基板100は、遊技状態(演出の内容)に応じて可動役物132の位置を変更する。
(第1実施形態の演出装置15の構成)
次に、演出装置15の構成について説明する。図1、図3、及び図4に示すように、演出装置15のレール部材131は、演出表示装置7の表示部分を取り囲む円環状をなしている。可動役物132は、円環状のレール部材131に沿って可動可能となっている。可動役物132には、例えば、パチンコ遊技機1に関連するキャラクタ、文字、絵等が設けられている。尚、可動役物132にランプ等の演出部材を設けても良い。
モータ135は、例えば、電磁モータであり、可動役物132に取り付けられており、出力軸にギア機構143が取り付けられている。ギア機構143は、レール部材131のレール部分に取り付けられたギア(図示略)と噛み合っている。これにより、可動役物132は、モータ135を回転させギア機構143を回転させることで、レール部材131に沿って図4における時計回り方向又は反時計回り方向(本願の可動方向の一例)へ可動する。本実施形態の可動役物132は、図4に示す第1検出位置145から第2検出位置146までの範囲を移動する。以下、レール部材131の位置を説明する場合に、時計の時刻を使用する場合がある。
レール部材131には、12時の位置に収容部材148が取り付けられている。収容部材148は、レール部材131のレールの位置に合せて開口(図示略)が形成され、可動役物132が入出可能となっている。収容部材148は、例えば、可動役物132の全体を覆う大きさで形成され、第1検出位置145及び第2検出位置146に配置された可動役物132を格納して、パチンコ遊技機1の前に座る遊技者から可動役物132を見えにくい状態にする(図1)。
位置センサ137は、第1及び第2検出位置145,146の何れかに配置された可動役物132を検出可能となっている。例えば、位置センサ137の検出領域は、反時計回り方向(本願の第1回転方向の一例)へ移動して第1検出位置145に到達した可動役物132と、時計回り方向(本願の第2回転方向の一例)へ移動して第2検出位置146に到達した可動役物132の両方を検出可能な大きさで設定されている(図4の位置センサ137の破線の四角参照)。換言すれば、第1及び第2検出位置145,146の何れかに配置された可動役物132の一部又は全体は、位置センサ137の検出領域内に進入した状態となる。
また、第1及び第2検出位置145,146は、可動役物132が移動する環状の経路上において、隣接した位置に設定されている。具体的には、第1検出位置145は、時計の12時の位置付近において、第2検出位置146に比べレール部材131の周方向において若干だけズレた位置となっている。位置センサ137は、この2つのずれた位置の可動役物132を検出可能となっている。
また、レール部材131には、3つの位置センサ138,139,140が取り付けられている。位置センサ138,139,140は、例えば、円環状のレール部材131において、周方向に等間隔に配置されている。位置センサ138,139,140は、この順に、3時の検出位置151、6時の検出位置152。9時の検出位置153のそれぞれに配置されている。即ち、位置センサ138,139,140は、可動役物132の可動経路の途中に配置されている。
位置センサ137~140は、例えば、フォトセンサであり、各位置(第1検出位置145や検出位置151)に配置された可動役物132を検出する。例えば、位置センサ137は、第1及び第2検出位置145,146の検出領域内に可動役物132が配置されていない状態では、ローレベルの信号の位置センサ情報CI1(図3参照)を出力し、第1検出位置145等の検出領域内に可動役物132が配置された状態ではハイレベルの信号の位置センサ情報CI1を出力する。また、位置センサ138,139,140は、例えば、検出位置151等の検出領域に可動役物132が配置されていない状態では、ローレベルの信号の位置センサ情報CI2(図3参照)を出力し、検出領域に可動役物132が配置された状態ではハイレベルの信号の位置センサ情報CI2を出力する。尚、位置センサ137~140の出力信号は、上記したローレベルやハイレベルの信号に限らず、例えば、多段階の信号でも良く、2値の数値でも良く、所定の周期を持った信号でも良い。
例えば、位置センサ137は、他の位置センサ138~140に比べて検出領域が広くなっている。具体的には、位置センサ137としては、例えば、発光部の発光領域や受光部の受光領域が広い構成、発光の出力が高い(大きい)構成、受光感度が高い構成等を採用できる。尚、位置センサ137は、他の位置センサ138~140と同一構成のフォトセンサでも良い。また、本開示の検出手段は、フォトセンサに限らず、可動役物132を検出可能な様々な検出手段を採用できる。例えば、検出手段は、磁気センサ、超音波センサなどの光を用いない検出手段でも良い。また、検出手段は、リレースイッチなどメカニカルな検出手段でも良い。また、検出手段は、エンコーダなどの位置情報の数値等を出力する検出手段でも良い。
図3に示すように、サブ制御基板100は、位置センサ137の位置センサ情報CI1を入力する1つの入力ポート155を備えている。演出制御用マイコン101は、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力ポート155に入力した場合に、入力前の可動役物132の可動方向(本実施例では回転方向)に基づいて、可動役物132が第1検出位置145及び第2検出位置146のどちらに配置されているのかを検出する。尚、判定方法の詳細については後述する。
また、図3に示すように、サブ制御基板100は、位置センサ138~140の位置センサ情報CI2を入力するポートとして、1つの入力ポート156を備えている。換言すれば、3つの位置センサ138~140は、共通の1つの入力ポート156へ位置センサ情報CI2を出力する。演出制御用マイコン101は、位置センサ138~140の何れかから入力ポート156にハイレベルの位置センサ情報CI2が入力された場合に、可動役物132の可動方向(本実施例では回転方向)に基づいて、位置センサ138~140の何れから入力ポート156へ位置センサ情報CI2が入力されたのかを検出する。尚、入力ポート156に接続される位置センサ138~140の数は2つでも良く、4つ以上の複数個でも良い。
(位置の検出処理)
次に、位置センサ137~140を用いた可動役物132の位置の検出について説明する。説明を分かり易くするため、先ず、位置センサ137を用いた処理について説明し、次に、位置センサ138~140を用いた処理について説明する。図5は、第1及び第2検出位置145,146に配置した可動役物132を破線で図示している。
例えば、可動役物132は、初期位置として第1検出位置145に格納された状態で配置されている。可動役物132は、収容部材148に収容され遊技者から見えにくい状態となる。演出制御用マイコン101は、演出等の遊技状態に応じてモータ135を制御して可動役物132を可動させる。演出制御用マイコン101は、第1検出位置145から時計回り方向へ可動役物132を移動させる。可動役物132が位置センサ137の検出領域から出ると、位置センサ137は、位置センサ情報CI1をハイレベルの信号からローレベルの信号に変更する。可動役物132は、レール部材131に沿って環状に移動し第2検出位置146に到達する。位置センサ137は、位置センサ情報CI1をローレベルの信号からハイレベルの信号に変更する。サブ制御基板100は、ハイレベルの位置センサ情報CI1を位置センサ137から入力すると、可動役物132を停止させる。サブ制御基板100は、位置センサ情報CI1の信号がローレベルからハイレベルに変更される前の可動役物132の可動方向(この場合は時計回り方向)に基づいて、位置センサ137が第2検出位置146に到達したことを検出できる。これにより、演出表示装置7の表示等と併せて可動役物132を円環状に移動させることで、従来にない演出を実行することができる。
サブ制御基板100は、可動役物132の可動方向を、例えば、モータ制御基板141を介してモータ135を回転させた回転方向(CW:正転、CCW:逆転)に基づいて判定することができる。即ち、サブ制御基板100は、モータ135の制御内容に基づいて、可動役物132の可動方向を判定できる。尚、可動役物132の可動方向を判定する方法は、モータ135の回転方向(制御内容)を用いる方向に限らない。パチンコ遊技機1は、可動役物132の可動方向を検出するセンサを位置センサ137とは別に備えても良い。例えば、パチンコ遊技機1は、モータ135やギア機構143の回転方向を検出するセンサを備えても良い。また、パチンコ遊技機1は、残りの位置センサ138~140を用いて可動役物132の可動方向を検出しても良い。
ここで、例えば、モータ135へ電力を供給する電源ケーブルなどの接続ケーブルの配線状態から、可動役物132を360度以上回転できない場合がある。このような接続ケーブルの制約がある場合に、第1検出位置145と第2検出位置146のそれぞれについて、別の位置センサ137を用いることも可能であるが、位置センサ137の数が増え、サブ制御基板100に必要な入力ポート155の数も増える虞がある。そこで、演出制御用マイコン101は、1つの位置センサ137を用いて、可動役物132が2つの位置(第1及び第2検出位置145,146)の何れに配置されたのかを、検出前の可動方向に基づいて判定することができる。これにより、センサ数や入力ポート数を減らすことができ、サブ制御基板100の小型化やパチンコ遊技機1の製造コストの低減を図ることができる。
次に、位置センサ138~140を用いた処理について説明する。演出制御用マイコン101は、位置センサ138~140の何れかから入力ポート156に、ハイレベルの位置センサ情報CI2が入力された場合に、可動役物132の可動方向に基づいて、位置センサ138~140の何れから入力ポート156へ位置センサ情報CI2が入力されたのかを判定する。
詳述すると、図3に示すように、演出制御用マイコン101は、例えば、可動役物132の直近の検出位置を示す位置情報159を、例えば、RAM120に記憶する。演出制御用マイコン101は、例えば、4つの位置センサ137~140について、この順に1、2、3、4の識別番号を付与する。演出制御用マイコン101は、位置センサ137~140の何れかで可動役物132を検出すると(ハイレベルの信号を入力すると)、検出した位置センサ137~140の番号で位置情報159を更新する。位置情報159には、例えば、初期値として、位置センサ137を示す「1」の数字が記憶されている。第1検出位置145から時計回り方向へ可動役物132が移動すると、演出制御用マイコン101は、位置情報159を、1、2、3、4の順に更新する。
また、ROM110には、図6に示す検出テーブル161が記憶されている。演出制御用マイコン101は、位置センサ138~140を用いた制御を実行する場合、検出テーブル161を参照して制御を実行する。図6に示すように、検出テーブル161には、出発地点、到達地点、可動方向、検出条件が関連付けられ1つのレコードとして記憶されている。出発地点は、可動役物132を可動させる際の移動前の位置であり、現状で位置情報159が示す値の情報である。到達地点は、可動役物132の移動先の位置であり、可動役物132を移動させた後に位置情報159に設定する値の情報である。可動方向は、可動役物132を可動させる方向である。検出条件は、位置センサ138~140からハイレベルの位置センサ情報CI2を入力した検出回数である。尚、到達地点として、第1検出位置145や第2検出位置146へ可動役物132を移動させる場合には、上記したように、演出制御用マイコン101は、位置センサ137の位置センサ情報CI1の入力と、入力前の可動方向に基づいて、可動役物132の到達した位置を検出できる。
可動役物132を第1検出位置145に配置した状態では、位置センサ138~140の全てが、ローレベルの位置センサ情報CI2をサブ制御基板100に出力する。例えば、可動役物132を第1検出位置145(出発地点「1」)から検出位置151(到達地点「2」)に移動させる演出を実行する場合、演出制御用マイコン101は、検出テーブル161に基づいて、可動役物132を第1検出位置145から時計回り方向へ移動させた後、入力ポート156からハイレベルの位置センサ情報CI2を1回(最初に)入力した段階で、可動役物132を停止させる(図6参照)。演出制御用マイコン101は、位置センサ138の位置センサ情報CI2に基づいて、可動役物132が検出位置151に到達したことを検出できる。即ち、演出制御用マイコン101は、ハイレベルの位置センサ情報CI2を入力した場合に、可動役物132の可動方向に基づいて、可動役物132の位置を検出でき、位置センサ138~140の何れかからハイレベルの位置センサ情報CI2を入力したのかを検出することができる。演出制御用マイコン101は、可動役物132を検出位置151で停止させた後、位置情報159を、位置センサ138を示す「2」に更新する。
また、例えば、第1検出位置145(出発地点「1」)から検出位置152(到達地点「3」)まで可動役物132を移動させる演出を実行する場合、演出制御用マイコン101は、第1検出位置145から可動役物132を移動させた後、入力ポート156にハイレベルの位置センサ情報CI2を最初に入力した段階では、位置情報159の更新のみを実行する。演出制御用マイコン101は、位置情報159を位置センサ138に対応する「2」に更新する。演出制御用マイコン101は、可動役物132を停止させずに、時計回り方向へ移動させ続ける。演出制御用マイコン101は、2回目のハイレベルの位置センサ情報CI2を入力ポート156に入力した段階で可動役物132を停止させる(図6参照)。演出制御用マイコン101は、位置センサ139の位置センサ情報CI2に基づいて、可動役物132が検出位置152に到達したことを検出できる。演出制御用マイコン101は、位置情報159を、位置センサ138を示す「3」に更新する。尚、演出制御用マイコン101は、通過地点の検出位置151で位置情報159を更新せず、最終的な到達地点(検出位置152)のみで位置情報159を更新しも良い。
同様に、演出制御用マイコン101は、反時計回りの場合においても位置センサ情報CI2に基づいて可動役物132を制御できる。例えば、検出位置153(出発地点「4」)から検出位置151(到達地点「2」)まで可動役物132を移動させる演出を実行する場合、演出制御用マイコン101は、可動方向と、位置センサ138~140の位置センサ情報CI2に基づいて、可動役物132が検出位置151に到達したことを検出できる。上記したように、位置センサ138~140は、共通の1つの入力ポート156に接続され、位置センサ情報CI2をサブ制御基板100に出力する。これに対し、演出制御用マイコン101は、ハイレベルの位置センサ情報CI2を入力した場合に、可動役物132の可動方向や出発位置に基づいて可動役物132の到達地点を検出できる。従って、演出制御用マイコン101は、位置センサ138~140の何れかから入力ポート156にハイレベルの位置センサ情報CI2が入力された場合に、可動役物132の可動方向と可動前の可動役物132の位置に基づいて、位置センサ138~140の何れから入力ポート156へ位置センサ情報CI2が入力されたのかを検出できる。これにより、位置センサ138~140の各々に1対1で対応させて入力ポート156を3つ設けるような構成に比べて、サブ制御基板100に設ける入力ポートの数を減らすことができる。また、共通の1つの入力ポート156に入力した同じ信号であっても、どの位置センサ138~140から入力したのかを検出することができる。
(第2実施形態)
尚、上記した第1実施形態の演出装置15の構成は、一例である。演出装置15は、例えば、位置センサ137(1つのセンサで2つの位置を検出できるセンサ)を備えなくとも良い。図7は、第2実施形態の演出装置15Aの構成を示している。尚、以下の第2実施形態以降の説明では、上記した第1実施形態と同一構成について同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
図7に示すように、演出装置15Aは、レール部材163に、2つの位置センサ138,139が設けられている。レール部材163は、第1実施形態のレール部材131とは異なり直線形状のレールを構成している。可動役物132は、図7に矢印で示すように、レール部材163を直線的に往復して可動する。
2つの位置センサ138,139は、1つの入力ポート156に接続され、位置センサ情報CI2をサブ制御基板100に出力する(図3参照)。即ち、第2実施形態では、1つの入力ポート156に2つの位置センサ138,139が接続されている。収容部材148は、図1の収容部材148と同一位置のものでも良く、異なる位置のものでも良い。収容部材148は、検出位置151に配置された可動役物132を、遊技者から見えにくい状態に格納する。検出位置151は、例えば、可動役物132の移動開始位置であり、可動役物132を収容部材148に格納する位置である。検出位置152は、レール部材163の先端の位置に設定されている。検出位置152は、例えば、遊技者から可動役物132を見える状態にして、可動役物132を用いた演出を行なう演出位置である。尚、検出位置151に収容部材148を設けなくとも良く、検出位置152に収容部材148を設けても良く、検出位置151,152の間に収容部材148を設けても良い。
演出制御用マイコン101は、可動役物132を、検出位置151と検出位置152との間で移動させる(図7の矢印参照)。第2実施形態では、演出制御用マイコン101は、例えば、第1実施形態の検出テーブル161を用いずに、位置センサ138,139の位置センサ情報CI2と、可動方向だけで、可動役物132の位置を検出することができる。即ち、第2実施形態の演出制御用マイコン101は、移動前の可動役物132の位置や位置センサ情報CI2の検出回数を用いずに、可動役物132の位置を検出する。
演出制御用マイコン101は、例えば、ハイレベルの位置センサ情報CI2を入力ポート156に入力した際に、可動役物132が図7における右方向へ移動している場合、可動役物132が検出位置152に到達したことを検出できる。また、演出制御用マイコン101は、ハイレベルの位置センサ情報CI2を入力ポート156に入力した際に、可動役物132が図7における左方向へ移動している場合、可動役物132が検出位置151に到達したことを検出できる。即ち、出現方向(右方向)へ移動中に位置センサ139で検出した場合と、格納方向(左方向)に移動中に位置センサ138で検出した場合で違った位置として判定することができる。これにより、可動方向と、位置センサ情報CI2だけで、可動役物132を所望の位置まで移動させることができる。各位置に応じた演出を実行することができる。また、2つの位置センサ138,139を1つの入力ポート156に接続することで、入力ポートの数を減らすことができる。
また、演出制御用マイコン101は、モータ135の回転方向(正転又は逆転)に基づいて可動役物132の可動方向を検出でき、位置センサ138,139のどちらから入力ポート156へ位置センサ情報CI2が入力されたのかを判定することができる。例えば、モータ135を正転させて可動役物132を右方向へ移動させる場合、演出制御用マイコン101は、モータ135が正転であることと、ハイレベルの位置センサ情報CI2を入力したことに基づいて、可動役物132が検出位置152に到達したことを検出できる。
尚、図7に示す可動役物132をスライドさせる構成において、図7に破線で示すように、位置センサ137を配置して、位置センサ138,139と併用して可動役物132の制御に用いても良い。位置センサ137は、位置センサ138,139と別の入力ポート155に接続されている。
位置センサ137を、例えば、検出位置151,152の間となる第1及び第2検出位置145,146を検出領域に含むように配置しても良い。この場合、演出制御用マイコン101は、例えば、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力した際に、入力前に可動役物132を左方向へ移動させていた場合には可動役物132が第1検出位置145に到達したことを、入力前に右方向へ可動役物132を移動させていた場合には可動役物132が第2検出位置146に到達したことを検出できる。これにより、1つの位置センサ137によって、検出位置151,152の間の2つの位置に配置した可動役物132を検出できる。
あるいは、位置センサ137を、例えば、検出位置152よりも右側にさらに進んだ位置に設定した第1及び第2検出位置145,146を検出領域に含むように配置しても良い。この場合も、演出制御用マイコン101は、1つの位置センサ137によって、検出位置152よりも右側(外側)の2つの位置に配置した可動役物132を検出できる。
また、図7に示す第2実施形態の演出装置15Aの構成において、レール部材163を、図4に示す第1実施形態のレール部材131のように、円弧状(例えば、半円形状)に湾曲した形状に変更しても良い。そして、例えば、半円形状のレール部材163の一端に検出位置151を設定し、他端に検出位置152を設定しても良い。即ち、位置センサ138,139だけを使用する構成において、レール部材163は、直線形状に限らない。
(第3実施形態)
また、本願の可動体を可動させる可動方向は、可動体を別の位置へ移動させる方向に限らない。例えば、図8の第3実施形態の演出装置15Bに示すように、可動役物132を自転させるような構成でも良い。演出装置15Bは、可動役物132を先端に取り付けた支持部材165を備えている。演出装置15Bは、モータ135(図3参照)を回転させて支持部材165を回転させる。可動役物132は、支持部材165とともに、モータ135の回転に応じて図8に示す矢印の方向へ回転する。
また、支持部材165には、被検出部材167が設けられている。被検出部材167は、例えば、棒形状をなしている支持部材165の半径方向に沿って外側に突出している。被検出部材167が回転する範囲内には、位置センサ138,139が設けられている。位置センサ138,139は、例えば、検出領域内に被検出部材167が進入すると、ハイレベルの位置センサ情報CI2を入力ポート156に出力する。位置センサ138,139は、1つの入力ポート156に接続されている。可動役物132は、例えば、位置センサ139によって被検出部材167を検出される検出位置152(図8の左側の位置)から、位置センサ138によって被検出部材167を検出される検出位置151(図8の右側の位置)まで自転する。このような構成であっても、演出制御用マイコン101は、可動役物132の自転方向(本願の可動方向の一例)に基づいて、1つの入力ポート156にハイレベルの位置センサ情報CI2を入力した場合に、どちらの位置センサ138,139から入力されたのかを検出することができる。
尚、図8に示す第3実施形態の演出装置15Bにおいて、被検出部材167の回転軌道上に第1及び第2検出位置145,146を設定し、位置センサ137による可動役物132の回転位置の検出を実行しても良い。例えば、可動役物132を略360度自転させる構成とし、可動役物132が360度自転する際の被検出部材167の軌道上に、第1及び第2検出位置145,146を隣接する2つの位置に設定しても良い。この場合、演出制御用マイコン101は、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力する前の可動役物132の可動方向(自転の方向)に基づいて、可動役物132(被検出部材167)が第1及び第2検出位置145,146のどちらに到達したのかを検出しても良い。
(第4実施形態)
また、可動役物132を可動させる駆動源となる装置は、モータ135に限らない。例えば、図9の第4実施形態の演出装置15Cは、演出制御用マイコン101の制御に基づいて可動役物132を可動させるスライド駆動源169を備えている。スライド駆動源169は、例えば、コイルに電流を流されることで金属部材を直線移動させるソレノイドである。スライド駆動源169の出力軸には、可動役物132が取り付けられている。スライド駆動源169は、演出制御用マイコン101の制御に基づいて、可動役物132を、検出位置151と検出位置152にスライド移動させる。
位置センサ138,139は、1つの入力ポート156に接続され、スライド駆動源169(可動役物132)のスライドする範囲内に設けられている。例えば、位置センサ138は、可動役物132の移動開始位置であり、可動役物132を収容部材148に格納する検出位置151に設けられている。また、位置センサ139は、例えば、遊技者から可動役物132を見える状態にして、可動役物132を用いた演出を行なう検出位置152に設けられている。
このような構成の演出装置15Cにおいても、演出制御用マイコン101は、スライド駆動源169のスライド方向(図9の左右方向)に基づいて、位置センサ138,139のどちらから入力ポート156へハイレベルの位置センサ情報CI2が入力されたのかを検出することができる。具体的には、演出制御用マイコン101は、例えば、ハイレベルの位置センサ情報CI2を入力ポート156に入力した際に、可動役物132が図9における右方向へスライド移動している場合、可動役物132が検出位置152に到達したことを検出できる。演出制御用マイコン101は、スライド方向を、例えば、スライド駆動源169のコイルに流した電流の向きに基づいて検出することができる。
尚、可動役物132を可動させる駆動源となる装置は、モータ135のような回転駆動源や上記したソレノイドのようなスライド駆動源に限らない。例えば、空気圧、油圧、ガス、磁力、熱等を用いた駆動源でも良い。また、回転する力を利用した回転駆動源は、モータ135に限らず、風力や熱によって回転力を生み出す駆動源でも良い。また、スライド駆動源は、圧力や熱によって可動体をスライド移動させる駆動源でもよい。
また、図9に示すように、可動役物132を、位置センサ139等の位置センサを設けた検出位置152で停止させなくとも良い。例えば、演出制御用マイコン101は、位置センサ139の位置センサ情報CI2を検出したタイミングから、演出が所定の段階まで進んだ後(ステップアップした後など)に、可動役物132を停止させても良い。この場合、可動役物132の停止位置は、検出位置152よりも右側に進んだ位置となる。
(第5実施形態)
また、上記した第1実施形態の構成において、演出装置15は、1つの入力ポート156に接続される位置センサ138~140を備えない構成でも良い。即ち、演出装置15は、第1検出位置145及び第2検出位置146の何れかに可動役物132を配置した状態ではハイレベルの位置センサ情報CI1を出力する位置センサ137だけを備える構成でも良い。そして、演出制御用マイコン101は、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力した場合に、入力前の可動役物132の可動方向(時計回り方向又は反時計回り)に基づいて、可動役物132が第1及び第2検出位置145,146のどちらに配置されているのかを検出しても良い。この場合、演出制御用マイコン101は、1つの位置センサ137の位置センサ情報CI1と、可動方向に基づいて、2つの位置(第1及び第2検出位置145,146)のどちらに可動役物132が配置されたのかを検出できる。これにより、第1及び第2検出位置145,146のそれぞれに位置センサ137を設けるような構成に比べて、パチンコ遊技機1に必要な位置センサの数を減らすことができる。また、演出制御用マイコン101は、位置情報159(可動役物132の前の位置情報)を用いずに、可動役物132の位置の検出できる。
(第6実施形態)
また、上記した第5実施形態の位置センサ137だけを用いた構成について、第1及び第2検出位置145,146は、隣接した位置でなくとも良い。図10に示す第6実施形態の演出装置15Dは、位置センサとして位置センサ137だけを備え、可動役物132を、第1検出位置145と、第2検出位置146の間の範囲内でスライド移動させる。演出装置15Dは、スライド部材171と、回転部材173を備えている。
スライド部材171は、細長い棒形状をなし、先端部に可動役物132が取り付けられている。スライド部材171は、可動役物132の移動に合せて、図10における左右方向へスライド移動する。回転部材173は、例えば、歯車である。スライド部材171は、回転部材173と接触する部分に回転部材173と噛み合う歯(図示略)が形成されている。回転部材173は、スライド部材171のスライド移動に合せて回転する。スライド部材171をスライド移動させる駆動源は、モータ135などの回転駆動源でも良く、図9に示すスライド駆動源169でも良い。また、回転部材173によってスライド部材171をスライド移動させても良い。
回転部材173は、回転方向の所定位置に被検出部材173Aが設けられている。回転部材173は、例えば、回転部材173の周方向において所定の幅を有し、回転部材173の半径方向に沿って回転部材173から外側へ突出した形状をなしている。被検出部材173Aは、可動役物132が第1及び第2検出位置145,146の何れかに配置された場合に、位置センサ137の検出領域内に配置され、位置センサ137に検出される。位置センサ137は、例えば、第1実施形態と同様にフォトセンサでも良く、距離センサなどでも良い。
例えば、位置センサ137及び被検出部材173Aは、回転部材173の軸方向(図10の紙面直交方向)において、スライド部材171とはズレた位置に配置されている。被検出部材173Aは、回転によってスライド部材171と干渉しない位置となっている。また、回転部材173は、第1及び第2検出位置145,146の何れかに可動役物132に配置した際の回転位置では、被検出部材173Aを、図10における上方へと突き出した状態となる。この状態では、被検出部材173Aは、位置センサ137の検出領域内に配置される。また、回転部材173は、第1及び第2検出位置145,146以外の位置に可動役物132に配置した際の回転位置では、位置センサ137の検出領域内になにも配置しない状態となる。
このような構成の演出装置15Dであっても、演出制御用マイコン101は、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力した場合に、入力前の可動役物132の可動方向(図10における右方向又は左方向)に基づいて、可動役物132が第1及び第2検出位置145,146のどちらに配置されているのかを検出できる。具体的には、演出制御用マイコン101は、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力する前に可動役物132を右方向へ移動させていた場合(回転部材173を反時計回りに回転させた場合)、可動役物132を第2検出位置146に配置したことを検出できる。また、演出制御用マイコン101は、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力する前に可動役物132を左方向へ移動させていた場合(回転部材173を時計回りに回転させた場合)、可動役物132を第2検出位置145(収容部材148に収容した位置)に配置したことを検出できる。これにより、1つの位置センサ137の位置センサ情報CI1に基づいて、可動役物132の2つの位置を検出できる。また、パチンコ遊技機1に必要な位置センサの数を減らすことができる。
可動役物132の移動方向は、例えば、モータ135を駆動源として用いた場合は、モータ135の回転方向で、スライド駆動源169を駆動源として用いた場合はコイルの電流の向きで、回転部材173を駆動源として用いた場合は、回転部材173の回転方向に基づいて検出できる。また、図9に示す検出位置152のように、図10の第1及び第2検出位置145,146についても、可動役物132の移動開始位置、移動終了位置、格納位置でなく、可動役物132の移動経路の途中の位置でも良い。
尚、図10に示す可動役物132をスライドさせる構成において、図10に破線で示すように、1つの入力ポート156に接続される複数(例えば、2つ)の位置センサ138,139を配置して、位置センサ137と併用して可動役物132の制御に用いても良い。
位置センサ138,139の各々を、例えば、第1及び第2検出位置145,146の間の検出位置151,152のそれぞれを検出領域に含むように配置しても良い。この構成では、例えば、検出前に第1検出位置145に配置された可動役物132を右方向へ移動させた後、演出制御用マイコン101は、ハイレベルの位置センサ情報CI2を1回検出した場合、可動役物132が検出位置151に到達したことを、2回検出した場合、可動役物132が検出位置152に到達したことを検出できる。これにより、1つの入力ポート156を用いて、複数の位置に配置された可動役物132を検出できる。また、図10に示す検出位置153の位置センサ140のように、第1及び第2検出位置145,146の間以外の位置に、入力ポート156に接続された位置センサ140を配置し、可動役物132を検出位置153までスライド移動させて位置センサ140で検出しても良い。
(第7実施形態)
また、上記した第6実施形態では、第1及び第2検出位置145,146の何れかに可動役物132を配置した場合に、被検出部材173Aが位置センサ137によって検出される構成であった。これに対し図11に示す第7実施形態の演出装置15Eでは、被検出部材175が、第1及び第2検出位置145,146の何れかに可動役物132を配置した場合に、位置センサ137によって検出されない構成となっている。
詳述すると、被検出部材175は、例えば、スライド部材171の位置センサ137側の上面(図11の上方側の面)に形成されている。被検出部材175は、スライド部材171のスライド方向(図11の左右方向)に沿って形成され、且つ第1及び第2検出位置145,146の間の距離177に応じた所定の幅179でスライド方向に延びて形成されている。被検出部材175は、スライド部材171の上面から図11における上方に向かって突出し、上下方向において所定の厚みをもって形成されている。幅179は、スライド方向に沿った被検出部材175の幅であり、例えば、第1及び第2検出位置145,146の距離177に比べて若干だけ短い長さとなっている。幅179は、例えば、距離177に比べて位置センサ137の検出領域に応じた距離だけ短くなっている。より具体的には、第1検出位置145に配置した可動役物132を検出する際に被検出部材175が位置センサ137の検出領域外となる位置から、第2検出位置146に配置した可動役物132を検出する際に被検出部材175が位置センサ137の検出領域外となる位置まで、被検出部材175が形成されている。
従って、被検出部材175は、位置センサ137の検出領域に応じた位置に配置され、可動役物132を第1及び第2検出位置145,146の何れかに配置した状態では、位置センサ137の検出領域外に配置される。また、被検出部材175は、可動役物132を第1及び第2検出位置145,146の間の位置に配置した状態では、その一部を位置センサ137の検出領域内に配置する。位置センサ137は、第1及び第2検出位置145,146の何れかに可動役物132を配置した状態と、それ以外の位置に可動役物132を配置した状態では、異なる信号レベルの位置センサ情報CI1を出力する。このため、演出制御用マイコン101は、1つの位置センサ137の位置センサ情報CI1に基づいて、可動役物132の2つの位置を検出することができる。
尚、第1及び第2検出位置145,146は、可動役物132の移動開始位置、移動終了位置、格納位置でなく、可動役物132の移動経路の途中の位置でも良い。また、上記した第7実施形態では、1つの位置センサ137を用いて第1及び第2検出位置145,146の2つの位置を検出したが、これに限らない。図12に示すように、例えば、第1及び第2検出位置145,146の間の複数の第3検出位置181を検出可能な構成としても良い。図12に示す被検出部材175は、スライド方向において、所定の間隔毎に貫通孔175Aが形成されている。この貫通孔175Aは、例えば、位置センサ137の検出方向(フォトセンサの光の方向)に沿って形成されている。被検出部材175は、位置センサ137の検出領域に貫通孔175Aを配置した状態では、位置センサ137に対して非検出の状態となる。
複数の貫通孔175Aは、複数の第3検出位置181に応じた間隔で形成されている。このような構成では、演出制御用マイコン101は、スライド方向と、位置センサ137の位置センサ情報CI1に基づいて、第1及び第2検出位置145,146だけでなく、複数の第3検出位置181に配置された可動役物132を検出できる。例えば、演出制御用マイコン101は、可動役物132を第1検出位置145に配置した状態から、ハイレベルの位置センサ情報CI1が入力されるごとに、可動役物132が第3検出位置181を1つずつ進んでいることを検出できる。
(演出の一態様)
次に、第1実施形態の可動役物132を用いた演出の一態様について説明する。図13は、演出図柄の変動表示中における演出表示装置7の表示画面7Aに表示される複数の場面を示している。図13は、例えば、リーチ演出が実行される際の表示画面7Aを示している。まず、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて左演出図柄9L、中演出図柄9C、右演出図柄9Rの変動が開始される(図13(a))。
演出図柄の変動開始時において、例えば、演出制御用マイコン101は、演出装置15の可動役物132を第1検出位置145から検出位置151まで移動させる演出など、可動役物132を移動させるリーチ予告の演出を実行しても良い。演出制御用マイコン101は、大当たりの信頼度に応じて、可動役物132の移動量を増やしても良く、移動位置を変更しても良い。例えば、図13(a)に示すように、演出制御用マイコン101は、左演出図柄9L等を変動させる単位遊技の保留を表す保留アイコン500を表示画面7Aに表示する。演出制御用マイコン101は、通常の保留アイコン500として、例えば、白丸のアイコンを表示する。演出制御用マイコン101は、保留アイコン500を用いたリーチ予告の演出として、例えば、可動役物132のリーチ演出・大当たり演出等を実行する単位遊技に対応する保留アイコン501を、他の保留アイコン502(例えば、通常の保留アイコン500)とは異なる保留アイコン500にする。演出制御用マイコン101は、例えば、可動役物132と同じ形や絵の保留アイコン501を表示画面7Aに表示する。これにより、単位遊技を開始する前に、可動役物132を用いたリーチ演出が行なわれること、あるいはリーチ演出が行なわれる可能性が高いことを遊技者に示唆できる。
演出制御用マイコン101は、予告の保留アイコン501を消化して、左演出図柄9L等の変動を開始した後、予告演出として、大当たりの信頼度が高いことを示す画像、例えば、「チャンス」の文字を示す画像を表示画面7Aに表示する(図13(b))。次に、演出制御用マイコン101は、例えば、左演出図柄9Lと右演出図柄9Rとに「7」の演出図柄を停止させ、演出図柄がリーチ状態であること(リーチが確定したこと)を表示画面7Aに表示させる(図13(c))。
例えば、リーチ確定時の演出を実行する場合、演出制御用マイコン101は、可動役物132を可動させるタイミングに合せて「チャンス」の文字を表示し(図13(b))、文字を消去した後、図13(c)のリーチ確定画面を表示画面7Aに表示させる。演出制御用マイコン101は、例えば、大当たり確率が高いリーチを実行する前に、上記した演出を実行する。
従って、本実施形態のパチンコ遊技機1は、可動役物132の演出等と、表示画面7Aの表示などを合せてリーチの確定を通知しても良い。これにより、演出図柄の変動表示の結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が高いこと遊技者に示唆することができる。遊技者は、大当たりに対する期待感を高めることとなる。なお、信頼度の高さを示唆する文字は、「チャンス」に限らず、「激アツ」などの他の文字でも良い。
また、図13(c)に示すように、演出制御用マイコン101は、リーチが確定した後、可動役物132と連動して動く模擬アイコン503を表示画面7Aに表示しても良い。演出制御用マイコン101は、例えば、模擬アイコン503として剣を模擬したアイコンを表示し、後述するように、可動役物132の可動と連動させて剣を回転等させる。演出制御用マイコン101は、例えば、大当たりが確定する信頼度がより高いリーチ演出へ発展させる場合に、模擬アイコン503を用いた演出を実行する。尚、演出制御用マイコン101は、可動役物132を所定の位置(例えば、上記した検出位置151)まで可動等させて、可動役物132を動かしたリーチ演出を実施しても良い。また、演出制御用マイコン101は、所定の確率に基づいて、可動役物132を第1検出位置145(収容部材148内に)戻し、リーチ演出を発展させずに大当たりの判定がハズレであることを報知しても良い。これにより、模擬アイコン503を表示し、可動役物132を可動等させることで、リーチ演出の発展を遊技者に期待させることができ、遊技の趣向性を向上できる。
次に、図13(d)に示すように、演出制御用マイコン101は、リーチ演出の所定のタイミングに合わせて演出ボタン9を押すべき旨の画像である演出ボタン画像505を表示画面7Aに表示する。また、図13(d)に示すように、演出制御用マイコン101は、演出図柄(左演出図柄9L等)を、表示画面7Aの隅(例えば、左上の隅)に表示させ、演出ボタン画像505の画像と重ならないように表示しても良い。この際に、演出制御用マイコン101は、例えば、可動役物132の12時の方向(第1検出位置145、収容部材148の方向)を示すように配置した模擬アイコン503が今にも可動しそうな状態で表示画面7Aに表示しても良い。そして、演出ボタン9の押下に合せて模擬アイコン503を時計回り方向へ可動(はずれの場合は表示を消す)等させても良い。演出制御用マイコン101は、例えば、演出ボタン9の押圧を検出するのに応じて、可動役物132を時計回り方向へ可動させ、且つ、図13(e)に示すように、可動役物132の回転位置に剣先を合せるように模擬アイコン503を時計回り方向へ回転させても良い。また、演出制御用マイコン101は、模擬アイコン503の剣によって可動役物132を切るような演出、リーチ演出に登場させた敵を切るような演出、切る効果音を出す演出などを実行しても良い。これにより、可動役物132の動作、表示画面7Aの表示、演出ボタン9の押下を組み合わせた演出という、従来のパチンコ遊技機1では味わうことができない新鮮味のある演出を楽しむことができる。尚、演出ボタン9を押下する前の可動役物132の位置は、第1検出位置145ではなく、検出位置151等の他の位置でも良い。また、演出制御用マイコン101は、可動役物132を反時計回り方向に一時的に戻すなどの演出を実行しても良い。また、模擬アイコン503は、剣に限らず、時計の針のようなもの、可動役物132を投げる人の手のようなものなど可動する可動役物132と連動可能な様々なアイコンを採用でき、可動役物132そのものを模擬したアイコンでも良い。
そして、図13(e)を表示した後、図13(f)に示すように、演出制御用マイコン101は、中演出図柄9Cを「7」の演出図柄で停止させる。大当たり演出図柄を確定表示させ、大当たりが付与された旨を報知し、大当たり遊技が開始される。尚、上記した図13に示す演出は、一例である。演出制御用マイコン101は、大当たり遊技中(V入賞の確定など)の他のタイミングで可動役物132や模擬アイコン503を用いた演出を実行しても良い。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6の操作等に合せて可動役物132の演出等を実行しても良い。
因みに、可動役物132は、可動体の一例である。位置センサ137は、検出手段の一例である。第1及び第2検出位置145,146は、第1位置、第2位置の一例である。サブ制御基板100、演出制御用マイコン101は、可動体制御手段の一例である。位置センサ情報CI1は、検出情報の一例である。
(実施形態の効果)
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技状態に応じて可動する可動役物132と、第1及び第2検出位置145,146の何れかに可動役物132を可動させる演出制御用マイコン101と、可動役物132の位置に応じて位置センサ情報CI1を出力する位置センサ137と、を備えている。位置センサ137は、第1及び第2検出位置145,146の何れかに可動役物132を配置した状態ではハイレベルの位置センサ情報CI1を出力する。演出制御用マイコン101は、位置センサ137からハイレベルの位置センサ情報CI1を入力した場合に、入力前の可動役物132の可動方向(図4であれば回転方向、図10であればスライド方向)に基づいて、可動役物132が第1及び第2検出位置145,146のどちらに配置されているのかを検出する。
これによれば、演出制御用マイコン101は、位置センサ情報CI1の入力前の可動方向に基づいて、1つの位置センサ137の位置センサ情報CI1を用いて、2つの異なる位置(第1及び第2検出位置145,146)のどちらに可動役物132が配置されているのかを検出することができる。これにより、第1及び第2検出位置145,146のそれぞれに位置センサ137を設けるような構成に比べて、可動役物132の位置を検出する位置センサの数を削減することができる。パチンコ遊技機1の製造コストの抑制や構造の簡略化を図りながら、パチンコ遊技機1の趣向性を向上できる。
(2)また、図4に示すように、例えば、可動役物132は、第1検出位置145へ可動する場合には、反時計回り方向(本願の第1方向の一例)に可動し、第2検出位置146へ可動する場合には、時計回り方向(本願の第2方向の一例)に可動する。
これによれば、第1検出位置145へ向かう方向と、第2検出位置146へ向かう方向とを逆方向(異なる方向)にすることで、1つの位置センサ137によって、第1及び第2検出位置145,146のどちらに可動役物132が配置されたのかを、より精度良く検出できる。
(3)また、第1実施形態の可動役物132は、レール部材131に沿って環状に移動する。第1及び第2検出位置145,146は、その可動役物132が移動する環状の経路上において隣接した位置に設定されている。
これによれば、検出領域の狭い位置センサ137であっても、可動役物132を配置する第1及び第2検出位置145,146を検出領域内に含めることができる。環状に可動する可動役物132が、どちらの方向に回転して第1及び第2検出位置145,146のどちらに配置されたのかを検出できる。環状に可動する場合、可動役物132に接続するケーブルの取り回しなどの制約から、可動役物132を360度以上回転させられない問題が生じる場合がある。これに対し、第1実施形態では、1つの位置センサ137によって、環状に可動する可動役物132が、第1及び第2検出位置145,146のどちらに到達したのかを検出できる。第1及び第2検出位置145,146に到達した可動役物132を、その後、誤った方向に可動させないことで、ケーブルの脱落や破損等の発生を抑制することができる。
(4)また、第1実施形態の可動役物132は、反時計回り方向(本願の第1回転方向の一例)と、時計回り方向(本願の第2回転方向の一例)へ移動する。位置センサ137の検出領域は、反時計回り方向へ移動して第1検出位置145に到達した可動役物132と、時計回り方向へ移動して第2検出位置146に到達した可動役物132の両方を検出可能な大きさで設定されている。
これによれば、隣接した位置に設定された第1及び第2検出位置145,146の両方を含む範囲を、位置センサ137の検出領域として設定することで、第1及び第2検出位置145,146の何れかに配置された可動役物132を、位置センサ137によって好適に検出することができる。可動役物132の位置を検出する位置センサの数を、より確実に削減し、可動役物132の可動を安定的に制御できる。
(5)また、図10の第6実施形態の演出装置15Dや図11の第7実施形態の演出装置15Eでは、可動役物132が、第1検出位置145と、第2検出位置146との間でスライド移動する構成となっている。
これによれば、演出制御用マイコン101は、位置センサ情報CI1の入力前のスライド方向に基づいて、2つの異なるスライド位置のどちらに可動役物132が配置されたのかを検出することができる。可動役物132のスライド位置を検出する位置センサの数を削減することができる。
(6)また、第6実施形態の演出装置15Dは、スライド部材171と、回転部材173とを備えている。スライド部材171は、可動役物132に取り付けられ、可動役物132の可動に合せてスライド移動する。回転部材173は、スライド部材171と歯合して、スライド部材171のスライド移動に合せて回転する。被検出部材173Aは、回転部材173の回転方向の所定位置に設けられ、可動役物132が第1及び第2検出位置145,146の何れかに配置された場合に、位置センサ137に検出される位置に設けられている。
これによれば、第1及び第2検出位置145,146が、仮に離れた位置であったとしても、被検出部材173Aを位置センサ137で検出することで、1つの位置センサ137の位置センサ情報CI1を用いて、可動役物132が、2つの異なるスライド位置の何れに配置されたのかを検出することができる。
(7)また、第7実施形態の演出装置15Eのスライド部材171には、被検出部材175が設けられている。被検出部材175は、スライド部材171のスライド方向に沿って形成され、且つ第1検出位置145と第2検出位置146の間の距離177に応じた所定の幅179でスライド方向に形成され、位置センサ137の検出領域に応じた位置に配置されている。
これによれば、第1及び第2検出位置145,146が、仮に離れた位置であったとしても、位置センサ137による被検出部材175の検出又は非検出に基づいて、1つの位置センサ137の位置センサ情報CI1を用いて、可動役物132が、2つの異なるスライド位置の何れに配置されたのかを検出することができる。
(8)また、図10、図11に示すように、第1検出位置145は、例えば、可動役物132を遊技者から見えにくい位置に格納する格納位置であり、第2検出位置146は、可動役物132を遊技者に見せて演出を行なう演出位置となっている。
これによれば、格納位置と演出位置とに可動役物132を移動させるパチンコ遊技機1において、位置センサの数を減らすことができる。パチンコ遊技機1の構造の簡略化を図りながら、格納位置から演出位置へ飛び出す、あるいは演出位置から格納位置へ格納される可動役物132の演出を実行できる。
(9)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技状態に応じて可動する可動役物132と、検出位置151,152,153の何れかに可動役物132を可動させる演出制御用マイコン101とを備える。また、位置センサ138~140の各々は、検出位置151,152,153の何れかに配置された可動役物132を検出可能である。サブ制御基板100は、位置センサ138~140の全てに接続される入力ポート156を有する。演出制御用マイコン101は、位置センサ138~140の何れかから入力ポート156にハイレベルの位置センサ情報CI2が入力された場合に、可動役物132の可動方向に基づいて、位置センサ138~140の何れから位置センサ情報CI2が入力されたのかを検出する。
これによれば、1つの入力ポート156に接続した複数の位置センサ138~140の位置センサ情報CI2と、可動役物132の可動方向とに基づいて、可動役物132が複数の検出位置151,152,153のどこに配置されたのかを検出することができる。さらに、位置センサ138~140の各々に1対1で対応させて入力ポート156を3つ設けるような構成に比べて、位置センサ138~140とサブ制御基板100とを接続する入力ポートの数を減らすことができる。パチンコ遊技機1の製造コストの抑制や構造の簡略化を図りながら、パチンコ遊技機1の趣向性を向上できる。
(10)また、パチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン101の制御に基づいて可動役物132を可動させるモータ135を備える。演出制御用マイコン101は、可動方向として、モータ135の回転方向に基づいて、位置センサ138~140何れから位置センサ情報CI2が入力されたのかを検出する。
これによれば、演出制御用マイコン101は、モータ135の回転方向(正転又は逆転)に基づいて、位置センサ情報CI2を出力した位置センサ138~140を検出できる。即ち、演出制御用マイコン101は、モータ135の回転方向に基づいて、可動役物132の位置を検出できる。
(11)また、図9に示す第4実施形態では、演出装置15Cは、演出制御用マイコン101の制御に基づいて可動役物132を可動させるスライド駆動源169を備える。演出制御用マイコン101は、スライド駆動源169のスライド方向に基づいて、位置センサ138,139のどちらから位置センサ情報CI2が入力されたのかを検出する。
これによれば、演出制御用マイコン101は、スライド駆動源169のスライド方向(例えば、ソレノイドの電流の向き)に基づいて、位置センサ情報CI2を出力した位置センサ138,139を検出できる。即ち、演出制御用マイコン101は、スライド駆動源169のスライド方向に基づいて、可動役物132の位置を検出できる。
(12)また、上記各実施形態の可動体は、遊技状態に応じて可動する可動役物132である。検出位置151~153としては、可動役物132を遊技者から見えにくい位置に格納する格納位置を採用できる(図9の検出位置151)。また、検出位置151~153としては、可動役物132を遊技者に見せて演出を行なう演出位置を採用できる(図9の検出位置152)。
これによれば、格納位置と演出位置とに移動する可動役物132を制御するサブ制御基板100において、必要な入力ポートの数を減らすことができる。パチンコ遊技機1の構造の簡略化を図りながら、格納位置から演出位置へ飛び出す、あるいは演出位置から格納位置へ格納される可動役物132の演出を実行できる。
(13)また、図7、図8、図9に示すように、検出位置151と検出位置152の間の範囲内で可動役物132を可動させても良い。これによれば、2つの位置を移動する可動役物132を制御するサブ制御基板100において、必要な入力ポートの数を減らすことができる。
(14)また、第1実施形態では、パチンコ遊技機1は、1つの入力ポート156に接続される3つの位置センサ138~140を備える。演出制御用マイコン101は、位置センサ138~140の何れかから位置センサ情報CI2が入力された場合に、可動役物132の可動方向と、可動前の可動役物132の位置(位置情報159の情報)に基づいて、位置センサ138~140の何れから位置センサ情報CI2が入力されたのかを検出する(図6参照)。
これによれば、位置情報159や検出テーブル161を用いることで、1つの入力ポート156に接続した3以上の複数の位置センサ138~140を使い分けることができ、複数の位置に配置された可動役物132を、1つの入力ポート156に入力する位置センサ情報CI2から検出できる。換言すれば、可動前の可動役物132の位置情報159を用いることで、可動役物132が3以上の位置の何れに配置されたのかを検出できる。
〈他の実施形態〉
上記実施形態では、本願の可動体として、可動役物132を採用した。しかしながら、本願の可動体は、可動役物132に限らない。本願の可動体は、例えば、ハンドル4、演出レバー6、演出ボタン9などの部材でも良い。
また、位置センサ137~140に基づく可動役物132の制御を、サブ制御基板100以外の装置、例えば、主制御基板60が実行しても良い。
位置センサ137~140は、可動役物132の検出時に、ローレベルの位置センサ情報CI1や位置センサ情報CI2を出力しても良い。
本発明の遊技機は、所謂、V確機に限らない。例えば、本発明は、大当たり抽選のときに、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態に移行することが約束された大当たり(いわゆる確変大当たり)であるか、あるいは、確変遊技状態に移行しない大当たり(いわゆる通常大当たり)であるかを抽選するパチンコ遊技機にも適用することができる。また、本発明は、ST(スペシャルタイム)の期間、高確率状態に制御される所謂「ST機」でも良い。
本発明は、スロットマシン(パチスロ遊技機)などにも適用することができる。