JP7255657B1 - サイドシルの内部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突時に衝突エネルギーを吸収するサイドシルの内部構造を提供する。【解決手段】本発明に係るサイドシルの内部構造1は、ハット断面形状のアウター部材110とインナー部材120が接合されて閉断面構造が形成されたサイドシル100の内部構造であって、車体上方側のフランジ部115a及びフランジ部125aと車体下方側のフランジ部115b及びフランジ部125bとを連結する連結部材10と、アウター部材110に入力した衝突荷重をインナー部材120側に伝達しつつ衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー吸収部材20と、を備え、衝突エネルギー吸収部材20は、インナー部材120の角部127又は角部127近傍に向かって傾斜した直線状の荷重伝達経路を形成する第一衝突エネルギー吸収部材21と、インナー部材120と連結部材10とを繋ぐように配設された第二衝突エネルギー吸収部材23と、を有するものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車車体の車幅方向車外側から衝突荷重が入力した際に衝突エネルギーを吸収するサイドシルの内部構造に関する。
世界の自動車販売に占めるバッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)等の大容量バッテリーを積載した自動車(以降、電気自動車と称す)の割合は、今後急速に高まることが予想される。エンジン車やハイブリッド車(HEV)と大きく異なる電気自動車の車体構造の一つが、大容量バッテリー搭載と、その保護構造である。図18に示すように、サイドシル100の車体幅方向車外側からポール210が衝突する側面衝突試験は、多くの衝突アセスメントにおいて乗員傷害を評価する項目であるが、ポール210からサイドシル100に入力する荷重が集中荷重であることと、衝突位置からバッテリーまでの距離が近いことから、バッテリー保護の観点でも特に厳しい衝突モードであると言える。
図19に示すように、外部からの衝突エネルギーよりバッテリーケース140内部のバッテリー141を保護する電気自動車用車体構造には、車体幅方向外側から衝突荷重が入力した際に衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材(EA部材)であるサイドシル100と、サイドシル100からの大荷重がバッテリーケース140に入力することを防ぐために変形が許容されない複数の耐荷重部材(非EA部材)、例えば図19のフロアクロスメンバー130やバッテリーケース140の下部とサイドシル100とを接続するバッテリー下クロスメンバー150、が設けられる。
これら複数の耐荷重部材はサイドシル100に当接し、衝突荷重をサイドシル100の衝突部から耐荷重部材へ分散させる荷重伝達経路が形成されるが、バッテリーケース140の変形を防ぐためには、この荷重伝達経路の途中に単数または複数の衝突エネルギー吸収部材(EA部材)が配置されていることが要件となる。この衝突エネルギー吸収部材は、車外側からの衝突エネルギーを十分に吸収できる程度の高強度な構造でなければならない一方で、非EA部材への荷重伝達をそれらの部材の耐荷重以下とする必要がある。この条件を満たすためには、サイドシル100を含めた衝突エネルギー吸収部材(EA部材)から耐荷重部材(非EA部材)への伝達荷重配分が重要となる。
側面衝突から車体を守る車両下部構造としては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許第6734709号公報 特許第6757291号公報
特許文献1に記載の車体の下部構造は、ハット断面形状の衝撃吸収部材を用いるものであるが、衝突エネルギー吸収能力が不足するといった課題があった。また、当該構造を構成するためには部品点数が多くなるため、製造コスト面の課題も抱える。
また、特許文献2に記載の車体下部構造は、衝撃吸収部材がバッテリーと同じ高さに配置されていることから、バッテリーケースへの入力荷重が過大となることが懸念される。さらには、特許文献1に記載の構造と同様、部品点数が多くなるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、十分な衝突エネルギーの吸収能力を備えつつ、サイドシルからバッテリーケース等の特定の部品への入力荷重が過大になることを抑制し、部品点数と製造コストの増加を抑えることができるサイドシルの内部構造を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るサイドシルの内部構造は、車体前後方向に延在し、車体幅方向の車内側に向かって開口するハット断面形状のアウター部材と、車体幅方向の車外側に向かって開口するハット断面形状のインナー部材とを備え、前記アウター部材と前記インナー部材は互いの開口側を向い合わせて車体上方側の端部と車体下方側の端部がそれぞれ接合されて閉断面構造が形成されたサイドシルの内部構造であって、
前記アウター部材及び前記インナー部材の前記車体上方側の端部と前記車体下方側の端部とを連結するように配設された連結部材と、前記アウター部材に入力した衝突荷重を前記インナー部材側に伝達しつつ衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー吸収部材とを備え、
前記衝突エネルギー吸収部材は、
前記アウター部材に入力した衝突荷重を前記インナー部材の車体上方向と車体下方向双方の角部又は該角部近傍に向かって伝達させるために車体水平面に対して傾斜した直線状の荷重伝達経路を形成し、かつ衝突エネルギーを吸収する一対の第一衝突エネルギー吸収部材と、
前記第一衝突エネルギー吸収部材の車体上方側と車体下方側のそれぞれに配置され、かつ前記インナー部材と前記連結部材又は前記端部とを繋ぐように配設され、衝突エネルギーを吸収する第二衝突エネルギー吸収部材と、を有することを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、
前記衝突エネルギー吸収部材は、一枚の板部材から屈曲形成されたものであり、前記第一衝突エネルギー吸収部材と前記第二衝突エネルギー吸収部材とが一体化されたものであることを特徴とするものである。
(3)上記(1)に記載のものにおいて、
前記第一衝突エネルギー吸収部材は、車体幅方向の車内側に向かって開口したハット断面形状であり、車体水平面に対して傾斜した一対の縦壁部を有することを特徴とするものである。
(4)上記(1)に記載のものにおいて、
前記第二衝突エネルギー吸収部材は、車体幅方向の車外側に向かって開口するハット断面形状の二つの部材が車体上下方向に並んで配設されてなり、該二つのハット断面形状の部材の縦壁部のうち車体上下方向中央側の二つの縦壁部が前記第一衝突エネルギー吸収部材の一部を形成し、前記二つのハット断面部材の縦壁部のうち車体上方向側及び車体下方向の二つの縦壁部が前記第二衝突エネルギー吸収部材を形成することを特徴とするものである。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、
前記連結部材は、一枚の板部材からなり、前記第一衝突エネルギー吸収部材と接合されて前記荷重伝達経路を前記アウター部材側と前記インナー部材側とに分断することを特徴とするものである。
(6)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、
前記連結部材は、車体上下方向に延在する複数の短冊状の板部材からなり、前記第一衝突エネルギー吸収部材と前記第二衝突エネルギー吸収部材とを貫通するように配設されていることを特徴とするものである。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のものにおいて、
前記第一衝突エネルギー吸収部材は、前記荷重伝達経路に沿って形成された溝形状部を有することを特徴とするものである。
本発明においては、サイドシルのアウター部材及びインナー部材の車体上方側の端部と前記車体下方側の端部とを連結するように配設された連結部材と、前記アウター部材に入力した衝突荷重を前記インナー部材側に伝達しつつ衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー吸収部材とを備え、前記衝突エネルギー吸収部材は、前記アウター部材に入力した衝突荷重を前記インナー部材の車体上方向と車体下方向双方の角部又は該角部近傍に向かって伝達させるために車体水平面に対して傾斜した直線状の荷重伝達経路を形成し、かつ衝突エネルギーを吸収する一対の第一衝突エネルギー吸収部材と、前記第一衝突エネルギー吸収部材の車体上方側と車体下方側のそれぞれに配置し、かつ前記インナー部材と前記連結部材又は前記端部とを繋ぐように配設され、衝突エネルギーを吸収する第二衝突エネルギー吸収部材と、を有することにより、アウター部材に入力した衝突荷重が車体のフロアクロスメンバーやバッテリーケース等の耐荷重部材に配分されて伝達されるとともに、荷重伝達経路を形成する第一衝突エネルギー吸収部材及び第二衝突エネルギー吸収部材が効率的に圧壊されて、衝突エネルギーの吸収効率を高めることができる。このとき、第一衝突エネルギー吸収部材及び第二衝突エネルギー吸収部材が圧壊して折れ曲がった後も、第一衝突エネルギー部材と第二衝突エネルギー吸収部材がインナー部材の車体上方向と車体下方向双方の角部により支持されることによって、上記効果が最大限に発現する。また、上記構成により、部品個数を抑えた簡易な構造であっても、高い衝突エネルギー吸収性能を確保しつつ、軽量化を達成できる。
さらに、衝突エネルギー吸収部材の第一衝突エネルギー吸収部材が連結部材と交差するように配設されてサイドシルのアウター部材側とインナー部材側とに分断され、サイドシル内部に複数の閉断面構造が形成される構造をとることで、衝突エネルギー吸収量をより高めることができる。
本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造の構成を説明する断面図である(その1)。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造の構成を説明する断面図である(その2)。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造において、衝突エネルギー吸収部材と連結部材との接合方法を説明する図である。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造において、側面衝突時の変形状態の一例を示す図である((a)斜視図、(b)車体前後方向からの正対図)。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造の他の態様を示す図である(その1)。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造の他の態様を示す図である(その2)((a)斜視図、(b)A-A断面図、(c)B-B断面図)。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造の他の態様において、側面衝突時の変形状態の一例を示す図である(その1)((a)斜視図、(b)車体前後方向からの正対図)。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造の他の態様を示す図である(その3)。 本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造の他の態様において、側面衝突時の変形状態の一例を示す図である(その2)。 実施例において、発明例に係るサイドシルの内部構造の構成を示す斜視図である((a)発明例1、(b)発明例2)。 実施例において、発明例に係るサイドシルの内部構造の構成を示す断面図である((a)発明例1、(b)発明例2、(c)発明例3)。 実施例において、サイドシルに側面衝突するポールのサイドシル側への最大衝突ストロークを説明する図である。 実施例において、比較対象とした比較例に係るサイドシルの内部構造の構成を示す斜視図である((a)比較例1、(b)比較例2、(c)比較例3)。 実施例において、比較対象とした比較例に係るサイドシルの内部構造の構成を示す断面図である((a)比較例1、(b)比較例2、(c)比較例3)。 実施例において、比較対象とした比較例に係るサイドシルの内部構造の構成を示す断面図である((a)比較例4、(b)比較例5、(c)比較例6)。 実施例において、比較対象とした比較例に係るサイドシルの内部構造の構成を示す断面図である((a)比較例7、(b)比較例8、(c)比較例9)。 実施例において、発明例1~発明例3及び比較例1~比較例9に係るサイドシルの衝突性能を示すグラフである((a)衝突エネルギー吸収量と衝突ストロークの関係、(b)衝突エネルギー吸収量とサイドシルの内部構造の重量の関係、(c)衝突エネルギー吸収量とサイドシルの内部構造を構成する部材個数の関係)。 自動車車体のサイドシルを対象とする側面衝突試験を説明する図である。 従来のサイドシル及びその近傍の構成を説明する図である。
本発明の実施の形態について説明するに先立ち、本発明で対象とするサイドシルの構成について説明する。
なお、以下の説明において、車体前後方向、車体幅方向、車体上下方向、車体外側、車体内側等、方向や配置についての語句は、自動車の車体に取り付けた状態での位置関係を表すものである。
また、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
さらに、本願の図面において、X方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ、車体前後方向、車体幅方向及び車体上下方向を示す。
<本発明で対象とするサイドシルについて>
本発明で対象とするサイドシル100は、前述した図18に示すように、車体前後方向に延在し、車体幅方向の車内側に向かって開口するハット断面形状のアウター部材110と、車体幅方向の車外側に向かって開口するハット断面形状のインナー部材120とを備えてなるものである。
アウター部材110は、図1に示すように、天板部111と縦壁部113とフランジ部115とを有してなるハット断面形状である。
インナー部材120は、図1に示すように、天板部121(第一天板部121a及び第二天板部121b)と縦壁部123とフランジ部125とを有してなるハット断面形状であり、天板部121と縦壁部123とは角部127を介して接続されている。
そして、アウター部材110とインナー部材120とは、車体上方側の端部であるフランジ部115a及びフランジ部125aと、車体下方側の端部であるフランジ部115b及びフランジ部125bと、によりそれぞれ接合され、閉断面構造を形成している。
さらに、サイドシル100のインナー部材120における車体上方側にはフロアクロスメンバー130が接続し、車体上下方向の下方側においてはバッテリー下クロスメンバー150を介してバッテリーケース140が接続している。
フロアクロスメンバー130、バッテリーケース140及びバッテリーケース140に連結されたバッテリー下クロスメンバー150は、サイドシル100の車体幅方向側面に衝突荷重が入力する側面衝突においても、所定の耐荷重を有して変形しないようにすることが要求される。
<サイドシルの内部構造>
本発明の実施の形態に係るサイドシルの内部構造1は、図1に一例として示すように、アウター部材110とインナー部材120とを備えたサイドシル100の内部構造であって、連結部材10と、衝突エネルギー吸収部材20と、を備えたものである。
連結部材10は、図1に示すように、アウター部材110とインナー部材120とが接合された車体上方側の端部であるフランジ部115a及びフランジ部125aと、車体下方側の端部であるフランジ部115b及びフランジ部125bと、を連結するように配設されたものであり、一枚の板部材(金属板)から形成されている。また、連結部材10は、図2に示すように、アウター部材110とインナー部材120により形成されるサイドシル100の閉断面構造を内外に二分し、アウター部材110との間でアウター側サイドシル閉断面構造31、インナー部材120との間でインナー側サイドシル閉断面構造33が形成されている。
衝突エネルギー吸収部材20は、図1に示すように、第一衝突エネルギー吸収部材21と、第二衝突エネルギー吸収部材23と、を有する。
第一衝突エネルギー吸収部材21は、アウター部材110に入力した衝突荷重をインナー部材120の車体上方向と車体下方向双方の角部127近傍に向かって伝達するために車体水平面に対して傾斜した直線状の荷重伝達経路を形成し、かつ衝突エネルギーを吸収する一対の部材である。
第二衝突エネルギー吸収部材23は、第一衝突エネルギー吸収部材21の車体上方側と車体下方側のそれぞれに配置し、かつインナー部材120と、フランジ部115及びフランジ部125と、を繋ぐように配設され、衝突エネルギーを吸収する部材である。なお、第二衝突エネルギー吸収部材23は、インナー部材120と連結部材10を繋ぐように配設してもよい。
本実施の形態において、衝突エネルギー吸収部材20は、一枚の板部材から屈曲形成され、第一衝突エネルギー吸収部材21と第二衝突エネルギー吸収部材23とが一体化されたものである。すなわち、一対の第一衝突エネルギー吸収部材21は、それぞれのアウター部材110側の端部が天板部111近傍に位置する荷重受け持ち部25により接続され、インナー部材120側の端部が第二衝突エネルギー吸収部材23のインナー部材120側の端部とインナー部材120の上下中央よりも車体上方側と車体下方側のそれぞれに配置される荷重伝達部27を介して接続されている。
これにより、衝突エネルギー吸収部材20は、荷重受け持ち部25と、一対の第一衝突エネルギー吸収部材21と、荷重伝達部27と、第二衝突エネルギー吸収部材23と、により全体として略M字断面形状になっている。
さらに、連結部材10は、図2に示すように、衝突エネルギー吸収部材20と第一衝突エネルギー吸収部材21において交差するように配設され、衝突エネルギー吸収部材20との間には、アウター部材110側のアウター側EA部材閉断面構造35と、インナー部材120側のインナー側EA部材閉断面構造37と、が形成されている。
そして、サイドシル100の車体幅方向の車外側は、アウター側サイドシル閉断面構造31の内部にアウター側EA部材閉断面構造35を有する二重閉断面構造を構成し、サイドシル100の車内側は、インナー側サイドシル閉断面構造33の内部にインナー側EA部材閉断面構造37を有する二重閉断面構造を構成している。
本実施の形態において、衝突エネルギー吸収部材20と連結部材10とは、例えば図3に示すように、それぞれに切り込み20a及び切り込み10aを設けて差し込み、アーク溶接等で接合されている。
本実施の形態において、荷重受け持ち部25は、樹脂接着剤41を介してアウター部材110の天板部111の内面と接合され、アウター部材110及び樹脂接着剤41を介して衝突荷重を受ける部位である。
また、荷重伝達部27は、樹脂接着剤43を介してインナー部材120の天板部121の内面と接合され、アウター部材110に入力して荷重受け持ち部25及び第一衝突エネルギー吸収部材21を介して伝達した衝突荷重をフロアクロスメンバー130やバッテリーケース140、バッテリー下クロスメンバー150等といった耐荷重部材(非EA部材)に伝達する部位である。
なお、樹脂接着剤41及び樹脂接着剤43は、20mm以内の厚みのものであることが好ましい。もっとも、荷重受け持ち部25は、アウター部材110の天板部111と直接接合されたものであってもよい。同様に、荷重伝達部27は、インナー部材120の天板部121と直接接合されたものであってもよい。
本実施の形態に係るサイドシルの内部構造1の作用効果について、図4に基づいて以下に説明する。なお、図4は、車体幅方向における車外側からポール210が側面衝突してサイドシル100に衝突荷重が入力する場合における衝突エネルギー吸収部材20及び連結部材10の変形の様子を示したものである。
車体幅方向の車体外側からサイドシル100に衝突荷重が与えられると、第一衝突エネルギー吸収部材21により車体水平面に対して傾斜して直線状に形成された荷重伝達経路を通じて、車体内側のフロアクロスメンバー130やバッテリーケース140等の耐荷重部材(非EA部材)へと衝突荷重が上下に分配されて伝達される。
このとき、図4に示すように、衝突エネルギー吸収部材20の上部がフロアクロスメンバー130若しくはバッテリーケース140の上方にて支えられ、衝突エネルギー吸収部材20の下部がバッテリーケース140の下部又はバッテリー下クロスメンバー150に支えられながら、アウター部材110側の荷重伝達経路を形成する第一衝突エネルギー吸収部材21が圧壊して衝突エネルギーを吸収する。サイドシル100の車体幅方向の車外側は、アウター側サイドシル閉断面構造31の内部にアウター側EA部材閉断面構造35を有する二重閉断面構造(図2参照)により、衝突エネルギー吸収量を高めることができる。
その後、インナー部材120側の第一衝突エネルギー吸収部材21及び第二衝突エネルギー吸収部材23は、フロアクロスメンバー130やバッテリーケース140に支えられながら圧壊し、衝突エネルギーがさらに吸収される。サイドシル100の車内側は、インナー側サイドシル閉断面構造33の内部にインナー側EA部材閉断面構造37を有する二重閉断面構造(図2参照)により、衝突エネルギー吸収量を高めることができる。
第一衝突エネルギー吸収部材21及び第二衝突エネルギー吸収部材23が圧壊して折れ曲がった後も、インナー部材120の天板部121の内面との接合が外れた荷重伝達部27は車体上方側及び車体下方側のそれぞれにずれてインナー部材120における天板部121の車体上方側と車体下方側の角部127又は角部127の近傍に当接し、第一衝突エネルギー吸収部材21と第二衝突エネルギー吸収部材23とが突っ張り車体幅方向の衝突変形に対する抵抗力を維持するので、第一衝突エネルギー吸収部材21及び第二衝突エネルギー吸収部材23は、衝突エネルギー吸収能力を保持し続ける。そして、インナー部材120は、折れ曲がった第一衝突エネルギー吸収部材21及び第二衝突エネルギー吸収部材23により角部127又はその近傍が支持されるので、完全に押しつぶされずにハット断面形状を維持し続ける。この変形状態は、第一衝突エネルギー吸収部材21が車体水平面に対して傾斜を持ち、荷重受け持ち部25から角部127近傍へと向かって接続される構造によって実現される。
その際、連結部材10に衝突エネルギー吸収部材20の車体上方側の端部と車体下方側の端部が接合されていることにより、衝突エネルギー吸収部材20の略M字断面形状の曲げ稜線が進展することを防止し、直線形状の第一衝突エネルギー吸収部材21及び第二衝突エネルギー吸収部材23を圧壊させエネルギー吸収効率を高める。
このように、第一衝突エネルギー吸収部材21は、荷重受け持ち部25から荷重伝達部27に向かって直線状の荷重伝達経路を形成する。これにより、アウター部材110に入力した衝突荷重がフロアクロスメンバー130やバッテリーケース140等の耐荷重部材に効率的に伝達され、第一衝突エネルギー吸収部材21の圧壊が促進されて、衝突エネルギーの吸収効率を高めることができる。
また、連結部材10は、車体上下方向における端部11(11a、11b)が、サイドシル100の車体上方側のフランジ部115a及びフランジ部125aと、車体下方側のフランジ部115b及びフランジ部125bと、に接続されていることにより、車体の側面衝突時にサイドシル100の断面が上下に開いて崩壊するのを抑制(断面崩壊抑制)して耐力を高めている。
これにより、サイドシル100の断面崩壊による衝突エネルギー吸収効率の低下を抑制することができる。
さらに、連結部材10によって第一衝突エネルギー吸収部材21がアウター部材110側とインナー部材120側とに分断され、サイドシル100の内部に2つの閉断面構造(アウター側EA部材閉断面構造35、インナー側EA部材閉断面構造37、図2参照)が形成されていることで、第一衝突エネルギー吸収部材21の座屈波長を短くすることができる。これにより、第一衝突エネルギー吸収部材21の耐力が上昇し、より大きな荷重を伝達できるようになる。
さらに、本実施の形態に係るサイドシルの内部構造1においては、連結部材10と衝突エネルギー吸収部材20とによる簡易な構造で部品点数の削減でき、軽量化を達成できる。
なお、角部127近傍とは、衝突エネルギー吸収部材20の荷重伝達部27がインナー部材120の内面に直接又は樹脂接着剤43を介して当接する箇所であって、インナー部材120の車体側に自動車車体の骨格構造部材であるフロアクロスメンバー130やバッテリーケース140が接続している箇所である。
本実施の形態においては、図1に示すように、インナー部材120の車体上方側の天板部121から角部127aに及ぶ領域と車体下方側の天板部121から角部127bに及ぶ領域を指す。
もっとも、角部127近傍は、天板部121から角部127に及ぶ領域に限らず、角部127から縦壁部123に及ぶ領域であってもよい。
また、荷重伝達部27は衝突荷重を耐荷重部材(非EA部材)に伝達する部位であり、荷重伝達部27の車体上下方向の長さは、サイドシル100のインナー部材120に接続される耐荷重部材(非EA部材)の車体上下方向の長さを上限とし、少なくとも耐荷重部材(非EA部材)の車体上下方向の長さの1/3程度とするのが好ましい。
上記の説明において、衝突エネルギー吸収部材20は、一枚の板部材から屈曲形成されたものであり、第一衝突エネルギー吸収部材21は、第二衝突エネルギー吸収部材23と一体化されたものであった。もっとも、本発明に係る衝突エネルギー吸収部材は、図5に例示するように、アウター部材110側のハット断面部材51と、インナー部材120側に車体上下方向に並んで配設された二つのハット断面部材53と、のように別の板部材から形成された衝突エネルギー吸収部材50であってもよい。
ハット断面部材51は、図5に示すように、車体幅方向の車内側に向かって開口したハット断面形状であり、樹脂接着剤41を介してアウター部材110の天板部111の内面と接合する天板部51aと、車体水平面に対して傾斜した一対の縦壁部51bと、連結部材10と接合するフランジ部51cと、を有する。
また、ハット断面部材53は、図5に例示するように、車体幅方向の車外側に向かって開口するハット断面形状であり、樹脂接着剤43を介してインナー部材120の天板部121の内面と接合する天板部53aと、車体水平面に対して傾斜した縦壁部53bと、連結部材10と接合するフランジ部53cを有する。
そして、ハット断面部材51の縦壁部51bと、二つのハット断面部材53の車体上下方向中央側の二つの縦壁部53bと、が第一衝突エネルギー吸収部材21を形成し、二つのハット断面部材53の車体上方側及び車体下方側の二つの縦壁部53bが第二衝突エネルギー吸収部材23を形成する。
なお、図5に示す二つのハット断面部材53は、一枚の板部材から屈曲形成されて一体化されたものであってもよい。
また、本実施の形態に係るサイドシルの内部構造1は、連結部材10が一枚の板部材から形成されてなり、第一衝突エネルギー吸収部材21と接合されて荷重伝達経路をアウター部材110側とインナー部材120側とに分断するものであった。
もっとも、図6に例示するように、本発明に係る連結部材15は、車体上下方向に延在する複数の短冊状の板部材からなり、第一衝突エネルギー吸収部材21を貫通するように配設されているものであってもよい。
短冊状の板部材からなる連結部材15であっても、図7に示すように、サイドシル100の閉断面が上下に開くのを防ぐことができ、第一衝突エネルギー吸収部材21を効率的に軸圧壊させ、衝突エネルギーの吸収の抑制を防ぐことができる。
さらに、図8に例示するように、第一衝突エネルギー吸収部材21においては、荷重伝達経路に沿って溝形状部(例えばビード部29)が形成されたものであることが好ましい。
第一衝突エネルギー吸収部材21による荷重の伝達と衝突エネルギーの吸収を向上させるためには、第一衝突エネルギー吸収部材21の変形エネルギー(変形抵抗)を大きくする必要がある。そのために、第一衝突エネルギー吸収部材21にビード部29を設けることで、図9に示すように、第一衝突エネルギー吸収部材21の変形抵抗が大きくなるために変形エネルギーが大きくなり、第一衝突エネルギー吸収部材21における耐力を底上げし、衝突エネルギーの吸収量を向上させることが可能となる。
図6に示すような短冊状の連結部材15を有するサイドシルの内部構造1においても、第一衝突エネルギー吸収部材21にビード部29を形成することで、衝突荷重及び衝突エネルギー吸収量の向上が可能となる。この場合においても、ビード部29は、荷重伝達経路に沿った方向において分断されたものであってもよい。このように、ビード部を分断して荷重伝達経路に沿った方向におけるビード部の長さを調整することで、座屈波長を制御することができる。
なお、上記の説明は、サイドシル100のインナー部材120に耐荷重部材であるバッテリーケース140が接続している電気自動車を想定したものであったが、本発明は、電気自動車のサイドシルの内部構造に限定されるものではなく、サイドシルのインナー部材における車体上方側と車体下方側とにフロアクロスメンバー等といった耐荷重部材が接続しているものに好ましく適用できる。
本発明に係るサイドシルの内部構造の作用効果について検証するための具体的な試験を行ったので、その結果について以下に説明する。
本実施例では、図10及び図11に示すように、連結部材10と衝突エネルギー吸収部材20とを備えてなるサイドシルの内部構造1を備えたサイドシル100と、サイドシル100に接続するフロアクロスメンバー130とバッテリーケース140と、を有する車体部分モデル200に対して車体幅方向外側からポール210が衝突する側面衝突試験を行い、衝突性能を評価した。
サイドシル100は、本発明の実施の形態で説明したように、ハット断面形状のアウター部材110と、ハット断面形状のインナー部材120と、が開口側を互いに向かい合わせて車体上方側及び車体下方側それぞれのフランジ部115及びフランジ部125が接合されて閉断面構造が形成されている。
本実施例では、図10及び図11に示すように、本発明の構成要件を満たすサイドシルの内部構造1を備えた車体部分モデル200を発明例1~発明例3とした。
発明例1は、図10(a)及び図11(a)に示すように、一体形成された連結部材10と、一枚の板部材から略M字断面形状に一体形成された衝突エネルギー吸収部材20と、を備えたものである。
発明例2は、図10(b)及び図11(b)に示すように、一体形成された連結部材10と、一枚の板部材から略M字断面形状に一体形成された衝突エネルギー吸収部材20と、を備え、衝突エネルギー吸収部材20の第一衝突エネルギー吸収部材21に、連結部材10により分断されたビード部29が形成されたものである。
発明例3は、図11(c)に示すように、一体形成された連結部材10と、一枚の板部材から略M字断面形状に一体形成された衝突エネルギー吸収部材20と、を備え、衝突エネルギー吸収部材20の第一衝突エネルギー吸収部材21に、連結部材10により分断されずにアウター部材110側からインナー部材120側まで延在するビード部29が形成されたものである。
ここで、発明例1~発明例3の衝突エネルギー吸収部材20は、アウター部材110の天板部111の内面に樹脂接着剤41を介して当接する一つの荷重受け持ち部25を有し、インナー部材120の天板部121の内面に樹脂接着剤43を介して当接する二つの荷重伝達部27を有する。
なお、発明例1~発明例3において、サイドシル100、連結部材10及び衝突エネルギー吸収部材20はいずれも板厚1.6mmの1.5GPa級高張力鋼板を用いて作製されたものである。
本実施例において、フロアクロスメンバー130の長手方向の延長上かつサイドシル100のアウター部材110側に直径250mmのポール210が側面衝突する際のポール210のサイドシル100への侵入量(衝突ストローク)と、ポール210の側面衝突時の衝突エネルギー吸収量と、求めた。
そして、ポール210の侵入量については、図12に示す最大衝突ストロークLmax以下であるか否かを評価した。ここで、最大衝突ストロークLmaxとは、車体幅方向におけるアウター部材110の天板部111からバッテリー下クロスメンバー150までの水平方向距離である。
なお、実際のポール210の側面衝突試験は、自動車の車体が運動エネルギーを持ったまま固定されたポール210へと衝突させて行うものであるが、本実施例での車体部分モデル200を用いた側面衝突試験では、所定の運動エネルギーを有するポール210をサイドシル100に衝突させる事象に置き換えている。ここで、ポール210の有する運動エネルギーを22kJとした。
また、比較対象として、図13~図16に示すように、本発明の範囲外のサイドシルの内部構造を有する車体部分モデル300を比較例とし、発明例と比較検討した。
比較例1は、図13(a)及び図14(a)に示すように、サイドシル100の内部に本発明に係る連結部材10及び衝突エネルギー吸収部材20(図10及び図11参照)のいずれも配置しない場合である。
比較例2及び比較例3は、図13(b)、図14(b)及び図13(c)、図14(c)に示すように、サイドシル100の内部に二つの略M字断面形状の衝突エネルギー吸収部材61及び衝突エネルギー吸収部材63を配置したものである。そして、比較例2及び比較例3においては、アウター部材110の天板部111の内面に当接する2つの荷重受け持ち部65が設けられ、インナー部材120の天板部121の内面に当接する2つの荷重伝達部67が設けられている。
さらに、比較例3においては、発明例2及び発明例3と同様、衝突エネルギー吸収部材61及び衝突エネルギー吸収部材63の上面側に車幅方向に沿って延在するビード部69を付与したものである。
比較例4~比較例6は、図15に示すように、発明例1に係る連結部材10又は衝突エネルギー吸収部材20の一部を配設した場合である。
比較例4は、図15(a)に示すように、発明例1の連結部材10のみを配設したものである。
比較例5は、図15(b)に示すように、発明例1の衝突エネルギー吸収部材20のみを配設したものである。
比較例6は、図15(c)に示すように、発明例1の連結部材10のうち車体上方側と車体下方側の第一衝突エネルギー吸収部材21の間のみに連結部材71として残存させ、発明例1におけるインナー側EA部材閉断面構造37を除去したものである。
ここで、比較例5及び比較例6においては、発明例1と同様、アウター部材110の天板部111の内面に当接する一つの荷重受け持ち部25が設けられ、インナー部材120の天板部121の内面に当接する二つの荷重伝達部27が設けられている。
比較例7~比較例9は、図16に示すように、略M字断面形状の衝突エネルギー吸収部材20の代わりに、天板部81と縦壁部83とフランジ部85とを有してなるハット断面形状の衝突エネルギー吸収部材80を用い、アウター部材110からインナー部材120への荷重伝達経路である縦壁部83が車体水平面に対して平行であって傾斜していないものである。
比較例7は、図16(a)に示すように、連結部材10を用いず、1つのハット断面形状の衝突エネルギー吸収部材80を配置したものであり、衝突エネルギー吸収部材80の天板部81が一つの荷重受け持ち部としてアウター部材110の天板部111の内面に接合し、一対のフランジ部85が荷重伝達部としてインナー部材120の第一天板部121aの内面に接合し、一対の縦壁部83を荷重伝達経路としている。
比較例8は、図16(b)に示すように、連結部材10により仕切られたサイドシル100内の閉断面内に、アウター部材110側とインナー部材120側とにそれぞれ一つのハット断面形状の衝突エネルギー吸収部材80を配置したものである。インナー部材120側の衝突エネルギー吸収部材80の天板部81が一つの荷重伝達部としてインナー部材120の天板部121の内面に接合している。
比較例9は、図16(b)に示すように、連結部材10により仕切られたサイドシル100内の閉断面内に、アウター部材110側に一つ、インナー部材120側に二つの合計3の衝突エネルギー吸収部材80を配置したものである。そして、インナー部材120側の二つの衝突エネルギー吸収部材80の天板部81が二つの荷重伝達部としてインナー部材120の天板部121の内面に接合している。
また、比較例7~比較例9においては、アウター部材110側の衝突エネルギー吸収部材80の天板部81が一つの荷重受け持ち部としてアウター部材110の天板部111の内面に当接している。
発明例1~発明例3及び比較例1~比較例9における衝突エネルギー吸収部材及び連結部材の構造との関係を表1に、衝突評価の結果を表2に示す。
Figure 0007255657000002
Figure 0007255657000003
表2より、発明例1~発明例3においては、いずれも、衝突ストロークは最大衝突ストロークLmax(=105mm)未満であり、アウター部材110に入力した衝突荷重をインナー部材120側に効率よく伝達できたことがわかる。
これに対し、比較例1~比較例9においては、いずれも衝突ストロークが最大衝突ストロークLmax(=105mm)に達しており、衝突エネルギーが十分に吸収しきれておらず、フロアクロスメンバー130やバッテリーケース140に対してそれぞれの耐荷重以上の衝突荷重が作用して崩壊してしまうことが懸念される(表2中の「バッテリー保護」を参照)。
図17(a)に、表2に示した側面衝突試験の結果のうち、衝突エネルギー吸収量と衝突ストロークの関係を示す。
比較例1~比較例9においては、いずれも最大衝突ストローク(Lmax=105mm)に達しており、衝突エネルギー吸収量は9.5~15.2kJ(平均11.9kJ)であった。
これに対し、発明例1~発明例3において、衝突エネルギー吸収部材20は、ポール210の衝突ストロークが最大衝突ストロークLmax(=105mm)に達する前にポール210の有する衝突エネルギー(=22kJ)を吸収しており、衝突エネルギーの吸収量は18.8~19.3kJ(平均19.0kJ)であり、比較例1(サイドシル内に衝突エネルギー吸収部材を配置しない場合、9.5kJ)の2倍、比較例2~9(平均12.2kJ)の約1.6倍に向上した。なお、発明例1~発明例3は、いずれも、規定の衝突ストローク以下であるので、衝突エネルギーの吸収能力はこれらの値よりも高くなると考えられる。
図17(b)に、表2に示した側面衝突試験の結果のうち、衝突エネルギーの吸収量とサイドシル100の内部に設置した連結部材及び衝突エネルギー吸収部材の重量の関係を示す。
図17(b)に示す結果によると、比較例1~比較例9においては、衝突エネルギー吸収部材及び/又は連結部材の重量が増加するに従って衝突エネルギーの吸収量も増加していることがわかる。
発明例1~発明例3における衝突エネルギー吸収部材及び連結部材の重量(5.8~6.0kg)と同程度の重量(=6kg前後)である比較例2、比較例3、比較例8及び比較例9と発明例1~発明例3の結果を比較すると、発明例1~発明例3の衝突エネルギー吸収量は平均で19.0kJ(18.8~19.3kJ)であり、比較例2、比較例3、比較例8及び比較例9の衝突エネルギー吸収量の平均13.2kJ(12.1~15.2kJ)よりも44%向上し、連結部材及び衝突エネルギー吸収部材の単位重量当たりの衝突エネルギー吸収量(質量効率)が高い結果が得られた。これは、発明例1~発明例3においては、サイドシル100内に配置した衝突エネルギー吸収部材20が側面衝突時に効率的に圧壊されるため、衝突エネルギーの吸収効率が高まったためである。
図17(c)に、表2に示した側面衝突試験の結果のうち、衝突エネルギー吸収量とサイドシルの内部構造に係る部品点数の関係を示す。図17(c)に示す結果より、発明例1~発明例3においては、サイドシル100の内部に配置する衝突エネルギー吸収部材及び連結部材の個数の削減した簡易な構造であるものの、高い衝突エネルギー吸収量を確保しつつ、軽量化を達成できることが示された。
以上、本発明に係るサイドシルの内部構造によれば、部品個数を抑えた簡易な構造であっても、高い衝突エネルギー吸収性能を確保しつつ、軽量化を達成できることが示された。
1 サイドシルの内部構造
10 連結部材
10a 切り込み
11 端部
15 連結部材
20 衝突エネルギー吸収部材
20a 切り込み
21 第一衝突エネルギー吸収部材
23 第二衝突エネルギー吸収部材
25 荷重受け持ち部
27 荷重伝達部
29 ビード部
31 アウター側サイドシル閉断面構造
33 インナー側サイドシル閉断面構造
35 アウター側EA部材閉断面構造
37 インナー側EA部材閉断面構造
41 樹脂接着剤
43 樹脂接着剤
50 衝突エネルギー吸収部材
51 ハット断面部材
51a 天板部
51b 縦壁部
51c フランジ部
53 ハット断面部材
53a 天板部
53b 縦壁部
53c フランジ部
61 衝突エネルギー吸収部材
63 衝突エネルギー吸収部材
65 荷重受け持ち部
67 荷重伝達部
69 ビード部
71 連結部材
80 衝突エネルギー吸収部材
81 天板部
83 縦壁部
85 フランジ部
100 サイドシル
110 アウター部材
111 天板部
113 縦壁部
115 フランジ部
115a フランジ部
115b フランジ部
120 インナー部材
121 天板部
121a 第一天板部
121b 第二天板部
123 縦壁部
125 フランジ部
125a フランジ部
125b フランジ部
127 角部
127a 角部
127b 角部
130 フロアクロスメンバー
140 バッテリーケース
150 バッテリー下クロスメンバー
200 車体部分モデル(発明例)
210 ポール
300 車体部分モデル(比較例)

Claims (4)

  1. 車体前後方向に延在し、車体幅方向の車内側に向かって開口するハット断面形状のアウター部材と、車体幅方向の車外側に向かって開口するハット断面形状のインナー部材とを備え、前記アウター部材と前記インナー部材は互いの開口側を向い合わせて車体上方側の端部と車体下方側の端部がそれぞれ接合されて閉断面構造が形成されたサイドシルの内部構造であって、
    前記アウター部材及び前記インナー部材の前記車体上方側の端部と前記車体下方側の端部とを連結するように配設された連結部材と、前記アウター部材に入力した衝突荷重を前記インナー部材側に伝達しつつ衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー吸収部材とを備え、
    前記衝突エネルギー吸収部材は、
    前記アウター部材に入力した衝突荷重を前記インナー部材の車体上方向と車体下方向双方の角部又は該角部近傍に向かって伝達させるために車体水平面に対して傾斜した直線状の荷重伝達経路を形成し、かつ衝突エネルギーを吸収する一対の第一衝突エネルギー吸収部材と、
    前記第一衝突エネルギー吸収部材の車体上方側と車体下方側のそれぞれに配置され、かつ前記インナー部材と前記連結部材又は前記端部とを繋ぐように配設され、衝突エネルギーを吸収する第二衝突エネルギー吸収部材と、を有し、
    前記衝突エネルギー吸収部材は、一枚の板部材から屈曲形成されたものであり、前記第一衝突エネルギー吸収部材と前記第二衝突エネルギー吸収部材とが一体化されたものであり、
    前記第一衝突エネルギー吸収部材は、車体幅方向の車内側に向かって開口したハット断面形状であり、車体水平面に対して傾斜した一対の縦壁部を有し、前記アウター部材の上下中央と前記インナー部材の車体上方向と車体下方向双方の角部又は該角部近傍に接合されていることを特徴とするサイドシルの内部構造。
  2. 前記連結部材は、一枚の板部材からなり、前記第一衝突エネルギー吸収部材と接合されて前記荷重伝達経路を前記アウター部材側と前記インナー部材側とに分断することを特徴とする請求項1に記載のサイドシルの内部構造。
  3. 前記連結部材は、車体上下方向に延在する複数の短冊状の板部材からなり、前記第一衝突エネルギー吸収部材を貫通するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のサイドシルの内部構造。
  4. 前記第一衝突エネルギー吸収部材は、前記荷重伝達経路に沿って形成された溝形状部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサイドシルの内部構造。
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