JP7255327B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ウエット路面での操縦安定性を良好に維持しながらトレッド部のセンター偏摩耗を抑制すると共に、操縦安定性のリニアリティを改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、一般に、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えると共に、一対のビード部間に装架されたカーカス層と、トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径方向外側に配置された複数層のベルト層とを備えた構造を有している。
このような空気入りタイヤにおいては、特に新車向け乗用車用タイヤの場合、恒久的な課題として、操縦安定性のリニアリティを改善することが求められている(例えば、特許文献1参照)。例えば、ハンドル操舵初期に車両の動き(舵の効き)に遅れが生じる一方で、操舵中盤から後半にかけてコーナリングパワーが増大して車両の動きが過敏になるような走行状態は、操縦安定性のリニアリティ(線形感)が良好ではない。そのため、操縦安定性のリニアリティが良好になるようなチューニングが求められている。
これに対して、低荷重域のコーナリングパワーを高めることで操縦安定性を改善することが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。しかしながら、低荷重域のコーナリングパワーを高めるだけでは、操縦安定性のリニアリティの改善要求に対して十分に応えることができないのが現状である。
特開2016-141268号公報 特開2011-230737号公報 特開2012-17001号公報
本発明の目的は、ウエット路面での操縦安定性を良好に維持しながらトレッド部のセンター偏摩耗を抑制すると共に、操縦安定性のリニアリティを改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝が形成され、これら主溝により複数列の陸部が区画された空気入りタイヤにおいて、
規格にて定められた最大負荷能力の40%,75%,100%に対応する荷重をそれぞれW40,W75,W100(kN)とし、前記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、前記荷重W40,W75,W100を負荷した条件にて測定されるコーナリングパワーをそれぞれCP40,CP75,CP100(kN/°)とし、前記空気入りタイヤの偏平比をRとし、その外径をD(mm)とし、その断面幅の呼びをA(mm)としたとき、前記荷重W40,W75,W100及び前記コーナリングパワーCP40,CP75,CP100が0.05≦(R×D/2A)2×[(CP100-CP75)/(W100-W75)]/[(CP75-CP40)/(W75-W40)]≦0.50の関係を満足し、
前記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、前記荷重W75を負荷した条件にて接地した際のタイヤ幅方向の最大接地幅をWB1とし、前記トレッド部を、タイヤ赤道を中心として最大接地幅WB1の53%に相当する幅を持つセンター領域と最大接地幅WB1内で前記センター領域よりもタイヤ幅方向外側となるショルダー領域とに区分したとき、前記センター領域に含まれる少なくとも1列の陸部に複数本のサイプが形成されており、該サイプがそのエッジに面取り部を有し、前記サイプの最大深さx(mm)と前記面取り部の最大深さy(mm)がx×0.1≦y≦x×0.3+1.0の関係を満足することを特徴とするものである。
本発明では、センター領域に含まれる少なくとも1列の陸部に複数本のサイプが形成されており、該サイプがそのエッジに面取り部を有し、サイプの最大深さx(mm)と面取り部の最大深さy(mm)がx×0.1≦y≦x×0.3+1.0の関係を満足することにより、これら面取り部を有するサイプに基づいてウエット路面での操縦安定性を確保しながら、トレッド部のセンター領域での剛性を確保してセンター偏摩耗を抑制することができる。また、面取り部を有するサイプの採用によりトレッド部のセンター領域での剛性を増大させることで、低荷重域から高いコーナリングパワーを確保することができる。しかも、荷重W40,W75,W100及びコーナリングパワーCP40,CP75,CP100が0.05≦(R×D/2A)2×[(CP100-CP75)/(W100-W75)]/[(CP75-CP40)/(W75-W40)]≦0.50の関係を満足することにより、高荷重域のコーナリングパワーの過度の増大を抑制することができる。これにより、ハンドル操舵初期から遅延なくタイヤが動き、荷重の増大に伴って適度なコーナリングパワーが発揮されるので、操縦安定性のリニアリティを改善することができる。特に、タイヤサイズによりコーナリングパワーの出易さが異なるため、上記関係式は(R×D/2A)2の値により補正されている。つまり、偏平比が低く、外径が小さいタイヤほど高荷重側のコーナリングパワーの寄与を低下させるのである。
本発明において、面取り部の最大幅wがサイプのサイプ幅tに対してt×0.8≦w≦t×5の関係を満足することが好ましい。このように面取り部の最大幅wをサイプ幅tに対して適度に設定することにより、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域での耐偏摩耗性をより高い次元で両立することができる。
サイプはタイヤ周方向に対して傾斜していることが好ましい。このようにサイプを傾斜させることにより、パターン剛性が増大するので、センター領域での耐偏摩耗性を改善することができる。
サイプのタイヤ周方向に対する鋭角側の傾斜角度θは40°~80°の範囲にあることが好ましい。サイプの傾斜角度θを上記範囲に設定することにより、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域での耐偏摩耗性をより高い次元で両立することができる。
サイプの少なくとも一部は平面視において湾曲或いは屈曲していることが好ましい。このようにサイプの少なくとも一部が平面視において湾曲或いは屈曲していることにより、各サイプにおけるエッジの総量が増大し、ウエット路面での操縦安定性を更に改善することができる。
サイプの少なくとも一方の端部は主溝に開口していることが好ましい。これにより、ウエット路面での操縦安定性を更に改善することができる。
サイプと直交する断面における面取り部の輪郭の少なくとも一部を湾曲或いは屈曲させることで、該面取り部の輪郭を直線とした場合の該面取り部の仮想断面積よりも該面取り部の実断面積を大きくすることが好ましい。この場合、面取り部の実断面積を大きくすることにより、ウエット路面での操縦安定性を更に改善することができる。
或いは、サイプと直交する断面における面取り部の輪郭の少なくとも一部を湾曲或いは屈曲させることで、該面取り部の輪郭を直線とした場合の該面取り部の仮想断面積よりも該面取り部の実断面積を小さくすることが好ましい。この場合、面取り部の実断面積を小さくすることにより、センター領域での耐偏摩耗性を更に改善することができる。
面取り部はサイプと平行に延在することが好ましい。これにより、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域での耐偏摩耗性を更に改善することができる。
最大接地幅WB1により規定されるトレッド部の接地領域において、面取り部を含めた溝面積Smと面取り部を含めない溝面積Saが1.01≦Sm/Sa≦1.50の関係を満足することが好ましい。比Sm/Saを上記範囲に設定することにより、面取り部の総量を十分に確保し、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域での耐偏摩耗性をより高い次元で両立することができる。
センター領域における面取り部を含めない溝面積の比率Sarは5%~30%の範囲にあることが好ましい。センター領域における面取り部を含めない溝面積の比率Sarを上記範囲に規定し、通常のラグ溝に依存するトレッドパターンに比べて溝面積の比率Sarを相対的に小さくすることにより、センター領域での耐偏摩耗性を十分に改善することができる。
本発明において、空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、規格にて定められた最大負荷能力のそれぞれ40%,75%,100%の荷重を負荷した条件にて接地した際のタイヤ周方向の最大接地長をそれぞれLA1,LB1,LC1とし、タイヤ幅方向の最大接地幅をそれぞれWA1,WB1,WC1とし、タイヤ中心位置からタイヤ幅方向外側に向かって最大接地幅WA1,WB1,WC1の40%の位置におけるタイヤ周方向の外部接地長をそれぞれLA2,LB2,LC2としたとき、最大接地長LA1,LB1,LC1及び前記外部接地長LA2,LB2,LC2が1.02≦(LB2/LB1)/(LA2/LA1)≦1.25、1.00≦(LC2/LC1)/(LB2/LB1)≦1.20、0.75≦LB2/LB1≦1.00の関係を満足することが好ましい。このように接地形状の荷重依存性をコントロールすることにより、操縦安定性のリニアリティを更に改善することができる。
本発明において、トレッド部に、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本のベルトコードを含み、層間でベルトコードが互いに交差する複数層のベルト層が埋設される場合、ベルトコードのタイヤ中心位置でのタイヤ周方向に対する傾斜角度αが21°≦α≦30°の関係を満足することが好ましい。ベルトコードのタイヤ中心位置での傾斜角度αを極度に低角度化しないことにより、ベルト層の剛性の増大を抑えてコーナリングパワーの荷重依存性をコントロールし、操縦安定性のリニアリティを更に改善することができる。
本発明において、コーナリングパワーは、タイヤを正規リムにリム組みして所定の空気圧を充填した状態で所定の荷重を負荷した条件にて、キャンバー角度を0°とし、速度を10km/hとし、スリップ角度を変化させながらコーナリングフォースを測定し、スリップ角度が0°~1°となる範囲におけるコーナリングフォースに基づいて算出される。トレッド部の接地形状は、タイヤを正規リムにリム組みして所定の空気圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて所定の荷重を負荷した条件にて測定される。空気入りタイヤの外径は、タイヤを正規リムにリム組みして所定の空気圧を充填した状態でタイヤ中心位置において測定される。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。空気圧は230kPaとする。また、所定の荷重は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている最大負荷能力の40%,75%又は100%の荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 図1の空気入りタイヤの接地形状(40%荷重)を示す平面図である。 図1の空気入りタイヤの接地形状(75%荷重)を示す平面図である。 図1の空気入りタイヤの接地形状(100%荷重)を示す平面図である。 面取り部を有するサイプの一例を示す平面図である。 図6のVII-VII矢視断面である。 (a),(b)はそれぞれ面取り部を有するサイプの変形例を示す平面図である。 (a)~(h)はそれぞれ面取り部を有するサイプの更なる変形例を示す平面図である。 面取り部を有するサイプの傾斜角度を示す平面図である。 面取り部を有するサイプの更なる変形例を示す断面図である。 面取り部を有するサイプの更なる変形例を示す断面図である。 は本発明の空気入りタイヤを構成するベルト層を示す展開図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。図2において、CLはタイヤ中心位置であり、Tcはタイヤ周方向であり、Twはタイヤ幅方向である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本のベルトコードを含み、かつ層間でベルトコードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7を構成するベルトコードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、タイヤ周方向に配向する複数本のバンドコードを含む少なくとも1層のベルト補強層8が配置されている。ベルト補強層8は少なくとも1本のバンドコードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。ベルト補強層8を構成するバンドコードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
図2に示すように、トレッド部1には、タイヤ中心位置CLの両側の位置でタイヤ周方向に延びる一対の中央主溝11,11と、該中央主溝11,11よりもタイヤ幅方向外側の位置でタイヤ周方向に延びる一対の外側主溝12,12とが形成されている。中央主溝11及び外側主溝12は、ストレート形状を有していても良く、或いは、ジグザグ形状を有していても良い。これにより、中央主溝11,11の相互間には陸部20が区画され、中央主溝11と外側主溝12との間には陸部30が区画され、外側主溝12の外側には陸部40が区画されている。これら陸部20,30,40は、タイヤ周方向に沿って連続的に延在するリブであっても良く、或いは、タイヤ周方向に配列された複数個のブロックからなるブロック列であっても良い。
陸部30の各々には、タイヤ幅方向に延びる複数本のサイプ31が形成されている。サイプ31は溝幅が2.0mm未満であり、少なくとも一方のエッジに面取り部32を有している(図6及び図7参照)。面取り部32は必ずしも全てのサイプ31に設ける必要はなく、例えば、面取り部32を持つサイプ31と面取り部32を持たないサイプ31とをタイヤ周方向に沿って交互に配置しても良い。また、一対の陸部30の一方には、タイヤ周方向に沿って延びていてジグザグ形状を有する周方向細溝33が形成されている。
陸部40の各々には、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝41が形成されている。ラグ溝41は溝幅が2.0mm~9.5mmの範囲にある。一対の陸部40の一方には、タイヤ幅方向に延びる複数本のサイプ42が形成されている。サイプ42は溝幅が2.0mm未満である。このようなサイプ42は一対の陸部40の他方にも形成することができる。両者が混在する場合、ラグ溝41及びサイプ42はタイヤ周方向に沿って交互に配置されていると良い。
上記空気入りタイヤにおいて、規格にて定められた最大負荷能力の40%,75%,100%に対応する荷重をそれぞれW40,W75,W100(kN)とし、空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、荷重W40,W75,W100を負荷した条件にて測定されるコーナリングパワーをそれぞれCP40,CP75,CP100(kN/°)とし、空気入りタイヤの偏平比をRとし、その外径をD(mm)とし、その断面幅の呼びをA(mm)とする。
ここで、荷重W40,W75,W100及びコーナリングパワーCP40,CP75,CP100は、0.05≦(R×D/2A)2×[(CP100-CP75)/(W100-W75)]/[(CP75-CP40)/(W75-W40)]≦0.50の関係を満足する。
図3~図5はそれぞれ図1の空気入りタイヤの接地形状(40%荷重、75%荷重、100%荷重)を示すものである。上記空気入りタイヤにおいて、該空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、規格にて定められた最大負荷能力のそれぞれ40%,75%,100%の荷重を負荷した条件にて接地した際のタイヤ周方向の最大接地長をそれぞれLA1,LB1,LC1(mm)とし、タイヤ幅方向の最大接地幅をそれぞれWA1,WB1,WC1(mm)とし、タイヤ中心位置からタイヤ幅方向外側に向かって最大接地幅WA1,WB1,WC1の40%の位置におけるタイヤ周方向の外部接地長をそれぞれLA2,LB2,LC2(mm)とする。
つまり、図3に示すように、上記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、規格にて定められた最大負荷能力の40%の荷重を負荷した条件にて接地した際のタイヤ周方向の最大接地長をLA1とし、タイヤ幅方向の最大接地幅をWA1とし、タイヤ中心位置CLからタイヤ幅方向外側に向かって最大接地幅WA1の40%の位置におけるタイヤ周方向の外部接地長をLA2とする。外部接地長LA2はタイヤ中心位置CLの両側における測定値の平均値である。
また、図4に示すように、上記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、規格にて定められた最大負荷能力の75%の荷重を負荷した条件にて接地した際のタイヤ周方向の最大接地長をLB1とし、タイヤ幅方向の最大接地幅をWB1とし、タイヤ中心位置CLからタイヤ幅方向外側に向かって最大接地幅WB1の40%の位置におけるタイヤ周方向の外部接地長をLB2とする。外部接地長LB2はタイヤ中心位置CLの両側における測定値の平均値である。
更に、図5に示すように、上記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、規格にて定められた最大負荷能力の100%の荷重を負荷した条件にて接地した際のタイヤ周方向の最大接地長をLC1とし、タイヤ幅方向の最大接地幅をWC1とし、タイヤ中心位置CLからタイヤ幅方向外側に向かって最大接地幅WC1の40%の位置におけるタイヤ周方向の外部接地長をLC2とする。外部接地長LC2はタイヤ中心位置CLの両側における測定値の平均値である。
ここで、トレッド部1を、タイヤ赤道(即ち、タイヤ中心位置CL)を中心として最大接地幅WB1の53%に相当する幅を持つセンター領域Xcと最大接地幅WB1内でセンター領域Xcよりもタイヤ幅方向外側となるショルダー領域Xsとに区分したとき、センター領域Xcに含まれる少なくとも1列の陸部、即ち、陸部30には、前述した面取り部32を有する複数本のサイプ31が形成されており、図7に示すように、サイプ31の最大深さx(mm)と面取り部32の最大深さy(mm)がx×0.1≦y≦x×0.3+1.0の関係を満足している。なお、面取り部32を有するサイプ31はセンター領域Xcのみならずショルダー領域Xsにも配置することができる。
上述した空気入りタイヤでは、センター領域Xcに含まれる陸部30に複数本のサイプ31が形成されており、該サイプ31がそのエッジに面取り部32を有し、サイプ31の最大深さx(mm)と面取り部32の最大深さy(mm)がx×0.1≦y≦x×0.3+1.0の関係を満足することにより、これら面取り部32を有するサイプ31に基づいてウエット路面での操縦安定性を確保しながら、トレッド部1のセンター領域Xcでの剛性を確保してセンター偏摩耗を抑制することができる。また、面取り部32を有するサイプ31の採用によりトレッド部1のセンター領域Xcでの剛性を増大させることで、低荷重域から高いコーナリングパワーを確保することができる。
ここで、y<x×0.1であると面取り部32に基づく排水効果が低下するためウエット路面での操縦安定性が不十分になり、逆にy>x×0.3+1.0であると陸部剛性の低下により操縦安定性のリニアリティとセンター領域Xcでの耐偏摩耗性が低下することになる。特に、y≦x×0.3+0.5の関係を満足することが望ましい。
しかも、荷重W40,W75,W100及びコーナリングパワーCP40,CP75,CP100が0.05≦(R×D/2A)2×[(CP100-CP75)/(W100-W75)]/[(CP75-CP40)/(W75-W40)]≦0.50の関係を満足することにより、高荷重域のコーナリングパワーの過度の増大を抑制することができる。これにより、ハンドル操舵初期から遅延なくタイヤが動き、荷重の増大に伴って適度なコーナリングパワーが発揮されるので、操縦安定性のリニアリティを改善することができる。即ち、一定の旋回操舵を入力した後、数秒後に遅れて急激にヨーが立ち上がることがないタイヤを提供することができる。特に、上記関係式は(R×D/2A)2の値により補正されているので、偏平比が低く、断面幅の呼びに対する外径の比が小さいタイヤほど高荷重側のコーナリングパワーの寄与を低下させる。そのため、タイヤサイズに応じて適度なコーナリングパワーを発揮することができる。
ここで、(R×D/2A)2×[(CP100-CP75)/(W100-W75)]/[(CP75-CP40)/(W75-W40)]が0.05よりも小さいと低荷重域でのコーナリングパワーが過剰となり、逆に0.50よりも大きいと高荷重域でのコーナリングパワーが過剰となり、いずれの場合も、操縦安定性のリニアリティが損なわれることになる。特に、0.10≦(R×D/2A)2×[(CP100-CP75)/(W100-W75)]/[(CP75-CP40)/(W75-W40)]≦0.40の関係を満足することが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、最大接地長LA1,LB1,LC1及び外部接地長LA2,LB2,LC2は以下の関係を満足すると良い。
1.02≦(LB2/LB1)/(LA2/LA1)≦1.25
1.00≦(LC2/LC1)/(LB2/LB1)≦1.20
0.75≦LB2/LB1≦1.00
このように接地形状の荷重依存性をコントロールすることにより、操縦安定性のリニアリティを更に改善することができる。つまり、LA2/LA1は40%荷重時の矩形率を意味し、LB2/LB1は75%荷重時の矩形率を意味し、LC2/LC1は100%荷重時の矩形率を意味するものであるが、低荷重域の接地形状をコントロールするための指標として(LB2/LB1)/(LA2/LA1)の値を規定し、高荷重域の接地形状をコントロールするための指標として(LC2/LC1)/(LB2/LB1)の値を規定することにより、操縦安定性のリニアリティをより緻密に改善することができる。
ここで、(LB2/LB1)/(LA2/LA1)又は(LC2/LC1)/(LB2/LB1)が上記範囲から外れると操縦安定性のリニアリティの改善効果が低下する。特に、1.03≦(LB2/LB1)/(LA2/LA1)≦1.15、1.02≦(LC2/LC1)/(LB2/LB1)≦1.10の関係を満足することが望ましい。
また、摩耗寿命を延長するために、一般常用荷重とみなされる75%の荷重条件において、LB2/LB1を上記範囲に設定することが望ましい。LB2/LB1が0.75よりも小さいと摩耗寿命が短くなり、逆に1.00よりも大きいと操縦安定性のリニアリティのチューニングが難しくなる。特に、0.80≦LB2/LB1≦0.95の関係を満足することが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、図7に示すように、面取り部32の最大幅wはサイプ31のサイプ幅tに対してt×0.8≦w≦t×5の関係を満足すると良い。このように面取り部32の最大幅wをサイプ幅tに対して適度に設定することにより、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域Xcでの耐偏摩耗性をより高い次元で両立することができる。ここで、面取り部32の最大幅wが、サイプ31のサイプ幅tの0.8倍より小さいとウエット路面での操縦安定性の改善効果が低下し、逆にサイプ31のサイプ幅tの5.0倍より大きいとセンター領域Xcでの耐偏摩耗性の改善効果が低下する。特に、t×1.2≦w≦t×3の関係を満足することが望ましい。
図8(a),(b)及び図9(a)~(h)はそれぞれ面取り部を有するサイプの更なる変形例を示すものである。図6の例ではサイプ31が両エッジに面取り部32を有しているが、図8(a),(b)に示すように、サイプ31は一方のエッジだけに面取り部32を有していても良い。また、図9(a)~(h)に示すように、サイプ31の両エッジに一対の面取り部32を形成するにあたって、各面取り部32をサイプ31よりも短くし、一方の面取り部32をサイプ31の長手方向の一方側に偏在させ、他方の面取り部32をサイプ31の長手方向の他方側に偏在させた構造を採用しても良い。この場合、面取り部32による排水効果と面取り部32がない部分のエッジ効果とをバランス良く発揮することができる。
例えば、図9(a)ではサイプ32が主溝11又は12に開口する一方で、面取り部32は主溝11又は12に対して非連通となっている。図9(a),(c)~(h)では一対の面取り部32がサイプ31の長手方向に沿って互いに重複しているが、図9(b)では一対の面取り部32がサイプ31の長手方向に沿って互いに重複していない。図9(e)ではサイプ31が直線状をなしているが、図9(f)ではサイプ31が円弧状をなしている。図9(a)~(d),(h)ではサイプ31が鋭角となる側に面取り部32が配置されているが、図9(g)ではサイプ31が鈍角となる側に面取り部32が配置されている。図9(h)では一対の面取り部32がサイプ31の長手方向に沿って互いに重複している部分が陸部30の幅方向の片側にオフセットしている。
上記空気入りタイヤにおいて、サイプ31は、図10に示すように、タイヤ周方向に対して傾斜角度θを有するように形成されていると良い。この傾斜角度θは、サイプ31の両端部を結ぶ仮想線(破線)がタイヤ周方向に対してなす鋭角側の角度である。ピッチバリエーションが採用されている場合、傾斜角度θは中間ピッチにおけるサイプ31の傾斜角度である。このようにサイプ31をタイヤ周方向に対して傾斜させることにより、パターン剛性が増大するので、センター領域Xcでの耐偏摩耗性を改善することができる。特に、傾斜角度θは、40°~80°であることが好ましく、より好ましくは50°~70°であると良い。この場合、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域Xcでの耐偏摩耗性をより高い次元で両立することができる。ここで、傾斜角度θが80°を超えるとウエット路面での操縦安定性とセンター領域Xcでの耐偏摩耗性の改善効果が得られず、逆に40°より小さいとセンター領域Xcでの耐偏摩耗性が寧ろ悪化する。
上記空気入りタイヤにおいて、サイプ31の少なくとも一部は平面視において湾曲或いは屈曲していると良い。このようにサイプ31の少なくとも一部が平面視において湾曲或いは屈曲していることにより、各サイプ31におけるエッジの総量が増大し、ウエット路面での操縦安定性を更に改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、サイプ31の少なくとも一方の端部は主溝11又は12に開口していることが好ましい。これにより、面取り部32を有するサイプ31が路面上の水を主溝11又は12に効果的に案内するように機能するので、ウエット路面での操縦安定性を更に改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、図11に示すように、サイプ31と直交する断面における面取り部32の輪郭の少なくとも一部を湾曲或いは屈曲させることで、該面取り部32の輪郭を直線とした場合(破線)の該面取り部32の仮想断面積(一点鎖線と破線とで囲まれた領域の面積)よりも該面取り部32の実断面積(一点鎖線と実線とで囲まれた領域の面積)を大きく設定しても良い。この場合、面取り部32の実断面積を大きくすることで、ウエット路面での操縦安定性を更に改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、他の態様として、図12に示すように、サイプ31と直交する断面における面取り部32の輪郭の少なくとも一部を湾曲或いは屈曲させることで、該面取り部32の輪郭を直線とした場合(破線)の該面取り部32の仮想断面積(一点鎖線と破線とで囲まれた領域の面積)よりも該面取り部32の実断面積(一点鎖線と実線とで囲まれた領域の面積)を小さく設定しても良い。この場合、面取り部32の実断面積を小さくすることで、センター領域Xcでの耐偏摩耗性を更に改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、面取り部32はサイプ31の長手方向に対して必ずしも平行に延在する必要はないが、面取り部32はサイプ31と平行に延在するのが良い。これにより、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域Xcでの耐偏摩耗性を更に改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、最大接地幅WB1により規定されるトレッド部1の接地領域において、面取り部32を含めた溝面積Smと面取り部32を含めない溝面積Saは1.01≦Sm/Sa≦1.50の関係を満足すると良い。溝面積Smはタイヤ周上で接地領域に形成された溝成分(面取り部32を含む)の総面積を意味し、溝面積Saはタイヤ周上で接地領域に形成された溝成分(面取り部32を含まない)の総面積を意味する。
比Sm/Saを上記範囲に設定することにより、面取り部32の総量を十分に確保し、ウエット路面での操縦安定性とセンター領域Xcでの耐偏摩耗性をより高い次元で両立することができる。ここで、比Sm/Saが1.01より小さいと面取り部32の総量が不足するため上記性能を両立する効果が低下し、逆に1.50よりも大きいと面取り部32の総量が過大となるため上記性能を両立する効果が低下する。特に、1.05≦Sm/Sa≦1.30の関係を満足することが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、センター領域Xcにおける面取り部32を含めない溝面積の比率Sarは5%~30%の範囲にあると良い。センター領域Xcにおける面取り部32を含めない溝面積の比率Sarを上記範囲に規定することにより、センター領域Xcでの耐偏摩耗性を十分に改善することができる。ここで、センター領域Xcにおける面取り部32を含めない溝面積の比率Sarが5%よりも小さいとウエット路面での操縦安定性が低下し、逆に30%よりも大きいとセンター領域Xcでの耐偏摩耗性が低下する。
上述した空気入りタイヤにおいて、トレッド部1に、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本のベルトコードCを含み、層間でベルトコードCが互いに交差する複数層のベルト層7が埋設される場合、図13に示すように、ベルトコードCのタイヤ中心位置CLでのタイヤ周方向に対する傾斜角度αは21°≦α≦30°の関係を満足すると良い。ベルトコードCのタイヤ中心位置CLでの傾斜角度αを極度に低角度化しないことにより、ベルト層7に起因するトレッド部1の剛性の増大を抑えてコーナリングパワーの荷重依存性をコントロールし、操縦安定性のリニアリティを更に改善することができる。ここで、傾斜角度αが21°よりも小さいとベルト層7の剛性の増大により操縦安定性のリニアリティをコントロールすることが難しくなり、逆に30°よりも大きいとコーナリング特性等が低下するため実用的ではない。
また、ベルトコードCのタイヤ中心位置CLでのタイヤ周方向に対する傾斜角度αとベルトコードCのベルト端末位置BEでのタイヤ周方向に対する傾斜角度βとは18°≦β<α≦30°の関係を満足すると良い。ベルトコードCのベルト端末位置BEでの傾斜角度βを低角度化することにより、ショルダー偏摩耗を抑制することができ、しかも、ベルトコードCのタイヤ中心位置CLでの傾斜角度αを極度に低角度化しないことにより、トレッド部1のセンター領域Xcにおけるベルト層7の剛性の増大を抑えてコーナリングパワーの荷重依存性をコントロールし、操縦安定性のリニアリティを更に改善することができる。特に、傾斜角度αと傾斜角度βとの差は3°以上であると良い。なお、ベルトコードCのベルト端末位置BEでのタイヤ周方向に対する傾斜角度βをベルトコードCのタイヤ中心位置CLでのタイヤ周方向に対する傾斜角度αよりも小さくした構造が好ましいが、ベルト層7の全幅にわたってベルトコードCをタイヤ周方向に対して一定の角度で傾斜させ、傾斜角度α,βを同一値に設定しても良く、或いは、α<βとしても良い。
図13に示すように、ベルト層7はベルトコードCの傾斜角度がα±1°の範囲となるセンター側の高角度領域AcとベルトコードCの傾斜角度がβ±1°の範囲となるショルダー側の低角度領域Asとを有し、高角度領域Acの幅Lcがベルト層7の全幅Lの1/2以上であり、各低角度領域Asの幅Lsがベルト層7の全幅Lの1/8以上であると良い。このようにベルト層7のセンター側の高角度領域Acとショルダー側の低角度領域Asとを上記の如く設定することにより、トレッド部1の剛性配分を適正化することができる。ここで、高角度領域Acの幅Lcがベルト層7の全幅Lの1/2よりも小さいとベルト層7としての機能が低下し、また、低角度領域Asの幅Lsがベルト層7の全幅Lの1/8よりも小さいとトレッド部1のショルダー領域Xsでのタイヤ周方向の剛性を十分に高めることができなくなる。なお、高角度領域Acの幅Lc及び低角度領域Asの幅Lsは各ベルト層7の全幅Lに基づいて設定されるものである。
上述した空気入りタイヤは偏平比0.65以下の乗用車用タイヤとして好適である。操縦安定性のリニアリティが厳しく要求される乗用車用タイヤにおいて、耐偏摩耗性と操縦安定性とを両立することが可能になる。
上述した実施形態では、トレッド部に4本の主溝を含むトレッドパターンについて説明したが、本発明はトレッド部に3本の主溝を含むトレッドパターンや、トレッド部にV字状の主溝を含むトレッドパターンにも適用可能である。
タイヤサイズ205/55R16 91Vで、一対のビード部間にカーカス層が装架され、トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径方向外側に2層のベルト層が埋設され、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝が形成され、これら主溝により複数列の陸部が区画された空気入りタイヤにおいて、トレッド部のセンター領域及びショルダー領域にラグ溝を備えた従来例と、トレッド部のショルダー領域にラグ溝を備える一方でセンター領域に面取り部を持たないサイプを備えた比較例1と、トレッド部のショルダー領域にラグ溝を備える一方でセンター領域に面取り部を持つサイプを備えた実施例1~12と、トレッド部のセンター領域及びショルダー領域に面取り部を持つサイプを備えた実施例13とのタイヤを製作した。
従来例、比較例1及び実施例1~13において、ベルトコードのタイヤ中心位置でのタイヤ周方向に対する傾斜角度α、ベルトコードのベルト端末位置でのタイヤ周方向に対する傾斜角度β、サイプの最大深さx、面取り部の有無、面取り部の最大深さy、サイプの傾斜角度θ、サイプの湾曲、サイプの主溝への開口、面取り部の断面形状、面取り部の最大幅wとサイプのサイプ幅tとの比w/t、面取り部の平面視形状(対サイプ)、面取り部を有するサイプの配置領域、面取り部を含めた溝面積Smと面取り部を含めない溝面積Saとの比Sm/Sa、センター領域における面取り部を含めない溝面積の比率Sar、低荷重域CP変動係数X=[(CP75-CP40)/(W75-W40)]、高荷重域CP変動係数Y=[(CP100-CP75)/(W100-W75)]、(R×D/2A)2×(Y/X)、(LB2/LB1)/(LA2/LA1)、(LC2/LC1)/(LB2/LB1)、LB2/LB1(矩形比)を表1のように設定した。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、耐偏摩耗性(ショルダー領域、センター領域)、ウエット路面での操縦安定性、操縦安定性のリニアリティを評価し、その結果を表1に併せて示した。
耐偏摩耗性(ショルダー領域、センター領域):
各試験タイヤをリムサイズ16×6.5Jのホイールに組み付けて摩擦エネルギー測定試験機に装着し、空気圧230kPa、負荷荷重4.5kNの条件下にて、トレッド部のショルダー領域及びセンター領域での平均摩擦エネルギーを測定した。測定値は、各領域で10mm間隔となるタイヤ幅方向2箇所×タイヤ周方向2箇所の計4点における摩擦エネルギーを測定し、これらを平均したものである。評価結果は、測定値の逆数を用い、各領域について従来例を100とする指数にて示した。指数値が大きいほど耐偏摩耗性が優れていることを意味する。
ウエット路面での操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ16×6.5Jのホイールに組み付けて排気量2リットルの前輪駆動車に装着し、当該車両の指定空気圧を充填し、散水されたテストコースにてパネラーによる走行試験を実施し、ウエット路面での操縦安定性に関する官能評価を行った。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。指数値が大きいほどウエット路面での操縦安定性が優れていることを意味する。
操縦安定性のリニアリティ:
各試験タイヤをリムサイズ16×6.5Jのホイールに組み付けて排気量2リットルの前輪駆動車に装着し、当該車両の指定空気圧を充填し、舗装路からなるテストコースにてパネラーによる走行試験を実施し、操縦安定性のリニアリティについて官能評価を行った。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。指数値が大きいほど操縦安定性のリニアリティが良好であることを意味する。
Figure 0007255327000001
この表1から判るように、実施例1~13のタイヤは、従来例との対比において、耐偏摩耗性、ウエット路面での操縦安定性、操縦安定性のリニアリティが共に優れていた。一方、比較例1のタイヤは、センター領域のラグ溝を通常のサイプに置き換えただけであるため、ウエット路面での操縦安定性が悪化していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
11 中央主溝
12 外側主溝
20,30,40 陸部
31 サイプ
32 面取り部
33 周方向細溝
41 ラグ溝
42 サイプ

Claims (13)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝が形成され、これら主溝により複数列の陸部が区画された空気入りタイヤにおいて、
    規格にて定められた最大負荷能力の40%,75%,100%に対応する荷重をそれぞれW40,W75,W100(kN)とし、前記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、前記荷重W40,W75,W100を負荷した条件にて測定されるコーナリングパワーをそれぞれCP40,CP75,CP100(kN/°)とし、前記空気入りタイヤの偏平比をRとし、その外径をD(mm)とし、その断面幅の呼びをA(mm)としたとき、前記荷重W40,W75,W100及び前記コーナリングパワーCP40,CP75,CP100が0.05≦(R×D/2A)2×[(CP100-CP75)/(W100-W75)]/[(CP75-CP40)/(W75-W40)]≦0.50の関係を満足し、
    前記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、前記荷重W75を負荷した条件にて接地した際のタイヤ幅方向の最大接地幅をWB1とし、前記トレッド部を、タイヤ赤道を中心として最大接地幅WB1の53%に相当する幅を持つセンター領域と最大接地幅WB1内で前記センター領域よりもタイヤ幅方向外側となるショルダー領域とに区分したとき、前記センター領域に含まれる少なくとも1列の陸部に複数本のサイプが形成されており、該サイプがそのエッジに面取り部を有し、前記サイプの最大深さx(mm)と前記面取り部の最大深さy(mm)がx×0.1≦y≦x×0.3+1.0の関係を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記面取り部の最大幅wが前記サイプのサイプ幅tに対してt×0.8≦w≦t×5の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイプがタイヤ周方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイプのタイヤ周方向に対する鋭角側の傾斜角度θが40°~80°の範囲にあることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイプの少なくとも一部が平面視において湾曲或いは屈曲していることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイプの少なくとも一方の端部が主溝に開口していることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイプと直交する断面における前記面取り部の輪郭の少なくとも一部を湾曲或いは屈曲させることで、該面取り部の輪郭を直線とした場合の該面取り部の仮想断面積よりも該面取り部の実断面積を大きくしたことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記サイプと直交する断面における前記面取り部の輪郭の少なくとも一部を湾曲或いは屈曲させることで、該面取り部の輪郭を直線とした場合の該面取り部の仮想断面積よりも該面取り部の実断面積を小さくしたことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記面取り部が前記サイプと平行に延在することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記最大接地幅WB1により規定される前記トレッド部の接地領域において、前記面取り部を含めた溝面積Smと前記面取り部を含めない溝面積Saが1.01≦Sm/Sa≦1.50の関係を満足することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記センター領域における前記面取り部を含めない溝面積の比率Sarが5%~30%の範囲にあることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記空気入りタイヤに230kPaの空気圧を充填し、規格にて定められた最大負荷能力のそれぞれ40%,75%,100%の荷重を負荷した条件にて接地した際のタイヤ周方向の最大接地長をそれぞれLA1,LB1,LC1とし、タイヤ幅方向の最大接地幅をそれぞれWA1,WB1,WC1とし、タイヤ中心位置からタイヤ幅方向外側に向かって最大接地幅WA1,WB1,WC1の40%の位置におけるタイヤ周方向の外部接地長をそれぞれLA2,LB2,LC2としたとき、前記最大接地長LA1,LB1,LC1及び前記外部接地長LA2,LB2,LC2が1.02≦(LB2/LB1)/(LA2/LA1)≦1.25、1.00≦(LC2/LC1)/(LB2/LB1)≦1.20、0.75≦LB2/LB1≦1.00の関係を満足することを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記トレッド部に、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本のベルトコードを含み、層間でベルトコードが互いに交差する複数層のベルト層が埋設され、前記ベルトコードのタイヤ中心位置でのタイヤ周方向に対する傾斜角度αが21°≦α≦30°の関係を満足することを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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