JP7254422B2 - 表面形状測定システムおよび表面形状測定器を用いた表面形状測定方法 - Google Patents
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この際、光源は、例えばレーザー光源であり、測定対象は、レーザー光が照射された表面でレーザー光を反射する。受光手段は、測定対象の表面で反射したレーザー光を受光し、検出手段は、受光手段が受光したレーザー光に基づいて測定対象の表面の形状を検出する。
ここで、測定対象Wがガラスなどの透光性を有する素材であり、測定台Dに載置されている場合、図5に示すように、表面形状測定器200における光源300が測定対象Wの表面Hに向かって光を照射すると、破線矢印で示す測定対象Wの表面Hを反射する光と、実線矢印で示す測定対象Wを透過する光と、が生じる。測定対象Wを透過した実線矢印で示す光は、測定台Dで反射し、再び測定対象W内を受光手段400に向かって進行する。受光手段400は、測定台Dを反射した実線矢印で示す光と、測定対象Wの表面Hを反射する破線矢印で示す光と、それぞれ光の光量が異なる複数の光を受光することとなる。そして、図示しない検出手段は、それぞれ光の光量が異なる複数の光に基づいて測定対象の表面の形状を検出する。したがって、検出手段は、測定台Dで反射した実線矢印で示す光により測定対象の表面を正確に測定することができないという問題がある。
以下、本発明の第1実施形態を図1および図2に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る表面形状測定システム1を示す斜視図である。
図1に示すように、表面形状測定システム1は、測定対象Wの表面Hの形状を測定する表面形状測定器2と、表面形状測定器2を覆うように設けられる媒質3と、媒質3を収容する測定槽4と、を備える。
測定対象Wは、透光性を有する例えばガラスである。表面形状測定器2は、測定対象Wであるガラスの表面Hの形状について光を用いて測定する。
光源5は、レーザー光を照射するレーザー光源である。光源5にレーザー光源を用いることで、受光手段6は、他の光源を用いた場合と比較して効率よく測定対象Wの表面Hを反射した光を受光することができる。なお、光源5はレーザー光源でなくともよく、LED(Light Emitting Diode)など、任意の光源を用いてもよい。
また、図1では、説明の都合上、光源5から照射され、測定対象Wの表面Hを反射し、受光手段6へ向かう光の光路を実線矢印で表している。
表面形状測定器2は、図2に示すように、受光手段6にて受光された光に基づき測定対象Wの表面Hの形状を検出する検出手段7をさらに備える。検出手段7は、例えばマイコン等である。なお、検出手段7はマイコンではなく、外部接続されたパソコン等であってもよく、測定対象Wの表面Hを受光手段6が受光した光に基づき検出することができれば、どのようなもので構成されていてもよい。
検出手段7は、測定槽4の外部に配置されているが、媒質3の影響を受けないように防水対策が成されている場合は、測定槽4の内部に配置されていてもよい。
(1)表面形状測定システム1は、測定対象Wの屈折率よりも大きい屈折率を有し、光源5から表面Hに向かって照射される光の光路上および表面Hから受光手段6に反射する光の光路上に配置されるとともに、表面と密着して設けられる媒質3を備え、光源5は、表面Hへの光の入射角θが臨界角よりも大きくなるように配置されていることで、光源5からの光を測定対象Wの表面Hで全反射させることができる。光源5からの光を測定対象Wの表面Hで全反射させることで、測定対象Wが透光性を有していたとしても、光源5からの光は、測定対象Wを透過することなく、光量を維持したまま受光手段6に向かって反射する。したがって、受光手段6が受光する光の光量は低下しないため、表面形状測定システム1は、透光性を有する素材からなる測定対象Wであっても測定対象Wの表面Hを反射する光を十分に取得することができ、測定精度を向上させることができる。
以下、本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る表面形状測定システム1Aを示す斜視図である。
前記第1実施形態では、測定対象Wと媒質3と光源5と受光手段6とは、測定槽4の内部に配置されていた。
第2実施形態では、図3に示すように、測定槽4を備えず、測定槽4の代わりとして、光源5と受光手段6と一体に測定対象Wの表面Hに沿って移動し、少なくとも媒質3と表面Hとの密着部分を密閉する密閉手段4Aを備える点で前記第1実施形態と異なる。
密閉手段4Aは、シリコンやゴムなど、測定対象Wの表面Hを傷つけずに光源5と受光手段6と一体に測定対象Wの表面Hに沿って移動でき、流体である媒質3と表面Hとの密着部分を密閉し、媒質3が密閉手段4Aの外部に流出させないような素材で形成されていることが好ましい。なお、密閉手段は、光源5と受光手段6と一体に測定対象Wの表面Hに沿って移動し、少なくとも媒質3と表面Hとの密着部分を密閉することができれば、略円筒状ではなく、他の形状であってもよいし、どのような素材を用いてもよい。また、密閉手段は、光源5と受光手段6と一体に測定対象Wの表面Hに沿って移動し、少なくとも媒質3と表面Hとの密着部分を密閉することができれば、密閉手段と媒質3と光源5と受光手段6とを固定し、測定対象Wを移動させて測定対象Wの表面Hの形状を測定してもよい。
(3)表面形状測定システム1Aは、光源5と受光手段6と一体に測定対象Wの表面Hに沿って移動し、少なくとも媒質3と表面Hとの密着部分を密閉する密閉手段4Aを備えることで、媒質3が液体であっても例えば第1実施形態における測定槽4で測定対象W全体を媒質3にて覆うことなく測定対象Wの表面Hの形状を測定することができる。また、少なくとも媒質3と表面Hとの密着部分を密閉することができればよいため、例えば第1実施形態の測定槽4のように測定対象Wよりも大きい水槽を用いて媒質3の流出を防がなくとも測定対象Wの表面Hを測定することができ、コスト削減を図ることができる。
(4)密閉手段4Aは、第1実施形態の測定槽4のように測定領域を限定しないため、第1実施形態と比較して、測定槽4より大きい測定対象や測定対象全体を媒質3にて覆うことができない測定対象等であっても測定することができ、様々な測定対象に対応することができる。
以下、本発明の第3実施形態を図4に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図4は、本発明の第3実施形態に係る表面形状測定システム1Bを示す斜視図である。
前記各実施形態では、媒質3は液体であり、媒質3が流出しないようにするために測定槽4や密閉手段4Aを用いて測定対象Wの表面Hの形状を測定していた。
媒質3Bは、光源5と受光手段6とともに表面Hに密着したまま移動させることで、表面Hに付着し残留する等して減少することがあるが、一定時間ごとに媒質3Bを補充することで測定槽4や密閉手段4Aを備えなくても、光源5から表面Hに向かって照射される光の光路上および表面Hから受光手段6に反射する光の光路上から流出せずに留まることができる。したがって、測定槽4や密閉手段4Aを備えなくても、表面形状測定器2Bは、測定対象Wの表面Hの形状の測定を中断することなく実行することができる。
(5)媒質3Bは半固体であるため、第1実施形態の測定槽4や第2実施形態の密閉手段4Aを備えなくとも測定対象Wの表面Hの形状を測定することができる。したがって、表面形状測定システム1Bは、コスト削減を図ることができる。
(6)媒質3Bが粘性を有することで容易に流出しないため、測定対象Wの表面Hが傾斜を有していたとしても、表面形状測定システム1Bにて測定対象Wの表面Hの形状を検出することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、媒質3,3Bは液体や半固体であったが、気体であってもよい。要するに、媒質は、測定対象の屈折率よりも大きい屈折率を有し、光源から表面に向かって照射される光の光路上および表面から受光手段に反射する光の光路上に配置されるとともに、表面と密着して設けられていれば、どのようなものであってもよい。
前記各実施形態では、表面形状測定器2,2A~2Bが測定対象Wに沿って移動していたが、表面形状測定器を固定し、測定対象を移動させて測定対象の表面の形状を測定してもよい。
2,2A~2B 表面形状測定器
3,3B 媒質
4B 密閉手段
5 光源
6 受光手段
7 検出手段
Claims (3)
- 測定対象の表面に向かって光を照射する光源と、前記測定対象の前記表面に沿って前記光源と一体に移動し、前記表面を反射した前記光源からの光を受光する受光手段と、前記受光手段にて受光された光に基づき前記表面の形状を検出する検出手段と、を備える表面形状測定器を備えた表面形状測定システムであって、
前記測定対象の屈折率よりも大きい屈折率を有し、前記光源から前記表面に向かって照射される光の光路上および前記表面から前記受光手段に反射する光の光路上に配置されるとともに、前記表面と密着して設けられる媒質を備え、
前記光源は、前記表面への光の入射角が臨界角よりも大きくなるように配置され、
前記媒質は、粘性を有し、前記表面との密着部分を密閉させた状態で前記光源と前記受光手段と一体に前記測定対象の前記表面に沿って移動する半固体であることを特徴とする表面形状測定システム。 - 請求項1に記載された表面形状測定システムにおいて、
前記光源と前記受光手段と一体に前記測定対象の前記表面に沿って移動し、少なくとも前記媒質と前記表面との密着部分を密閉する密閉手段を備えることを特徴とする表面形状測定システム。 - 測定対象の表面に向かって光を照射する光源と、前記測定対象の前記表面に沿って前記光源と一体に移動し、前記表面を反射した前記光源からの光を受光する受光手段と、前記受光手段にて受光された光に基づき前記表面の形状を検出する検出手段と、を備える表面形状測定器を用いた表面形状測定方法であって、
前記測定対象の屈折率よりも大きい屈折率を有し、前記光源から前記表面に向かって照射される光の光路上および前記表面から前記受光手段に反射する光の光路上に配置されるとともに、前記表面と密着して設けられる媒質を備え、
前記光源は、前記表面への光の入射角が臨界角よりも大きくなるように配置され、
前記媒質は、粘性を有し、前記表面との密着部分を密閉させた状態で前記光源と前記受光手段と一体に前記測定対象の前記表面に沿って移動する半固体であることを特徴とする前記表面形状測定器を用いた表面形状測定方法。
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