JP7253748B2 - 補正量設定装置、超音波式物体検出装置、補正量設定方法、及び、補正量設定プログラム - Google Patents

補正量設定装置、超音波式物体検出装置、補正量設定方法、及び、補正量設定プログラム Download PDF

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Description

本開示は、補正量設定装置、超音波式物体検出装置、補正量設定方法、及び、補正量設定プログラムに関する。
車両に搭載され、超音波を送受信することによって、車両の周囲に存在する物体を検出する超音波式物体検出装置(ソナーとも称される)が知られている。
一般に、この種の超音波式物体検出装置においては、超音波を送信し、外部から戻って来たその反射波を受信して、当該反射波の強度と、物体の有無を判定するための閾値(以下、「物体判定閾値」と称する)とを比較することで、物体の有無を判定する。
従来、この種の超音波式物体検出装置においては、空気中を伝播する音波の減衰量に温度依存性があることを考慮して、温度センサにて車両の外部の外気温度の推定値を算出し、当該外気温度の推定値に応じて物体判定閾値又は反射波に対する感度を補正する処理(以下、「温度補償処理」とも称する)が行われている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
特開2014-089071号公報 特開2016-085040号公報
ところで、この種の超音波式物体検出装置においては、最後に温度補償処理をした時の外気温度の推定値が現時点の実際の外気温度と大きく乖離していると、物体判定閾値が不正になり、その結果として一時的な異常(例えば、誤検出又は検出不能)が起きる場合がある。よって、外気温度が変化している時は可及的速やかなタイミングで、より正確な外気温度の推定値を算出して温度補償処理を行う事が求められる。
しかしながら、車両の走行環境は、様々であり、例えば、炎天下の駐車場で車両が熱せられた時や、吹雪の中で温度センサに着氷した時や、炎天下の路上から冷房で冷えた地下駐車場に入った時などには、温度センサが検出した温度(以下、「検出温度」と称する)が、外気温度から大きく乖離した異常に高い温度や異常に低い温度になったり、車両の中の複数の温度センサが示す検出温度が大きく異なったりする場合がある。
このような問題を解消するため、例えば、特許文献1には、車両が基準速度以上で基準時間以上継続して走行した事を条件として温度補償することが記載されている。かかる手法によれば、走行風によって外気温度付近まで冷却された温度センサのセンサ値を用いて、温度補償処理を実行することが可能である。しかしながら、特許文献1に係る従来技術においては、車両が、渋滞中の道路を走行する場合等においては、温度補償を行うことができないことがある、という課題がある。
また、特許文献2には、複数の温度センサが検出した検出温度のうち最も低い検出温度を用いて、温度補償処理を行うことが書かれている。しかし吹雪の中で温度センサに着氷する様な状況では、最も低い検出温度は着氷の影響を受けた温度である可能性が高いので、特許文献2に係る従来技術を用いると、車両が、吹雪の中を走行する場合等においては、正しい温度補償を行うことができない恐れがある、という課題がある。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、より好適な温度補償処理を実現し得る補正量設定装置、超音波式物体検出装置、補正量設定方法、及び、補正量設定プログラムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
車両に搭載され、音波を送受信することによって障害物を検出する音波センサに対して、反射波に対する感度又は障害物の有無を判定するための閾値に係る補正量を設定する補正量設定装置であって、
前記車両の周囲の外気温度を検出する温度センサから、検出温度に係る情報を取得し、前記検出温度に基づいて前記補正量を決定する補正量算出部と、
前記補正量を前記音波センサに対して設定する補正量設定部と、を備え、
前記補正量設定部は、前記車両が走行を開始した際に、前記車両が第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、前記第1基準速度まで減速した第1タイミングで、前記補正量を前記音波センサに対して設定する、
補正量設定装置である。
又、他の局面では、
上記補正量設定装置を有する超音波式物体検出装置である。
又、他の局面では、
車両に搭載され、音波を送受信することによって障害物を検出する音波センサに対して、反射波に対する感度又は障害物の有無を判定するための閾値に係る補正量を設定する補正量設定方法であって、
前記車両の周囲の外気温度を検出する温度センサから、検出温度に係る情報を取得し、前記温度センサにより検出された検出温度に基づいて前記補正量を決定する第1処理と、前記補正量を前記音波センサに対して設定する第2処理と、を備え、
前記第2処理では、前記車両が走行を開始した際に、前記車両が第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、前記第1基準速度まで減速したタイミングで、前記補正量を決定して、当該補正量を前記音波センサに対して設定する、
補正量設定方法である。
又、他の局面では、
車両に搭載され、音波を送受信することによって障害物を検出する音波センサに対して、反射波に対する感度又は障害物の有無を判定するための閾値に係る補正量を設定する補正量設定プログラムであって、
前記車両の周囲の外気温度を検出する温度センサから、検出温度に係る情報を取得し、前記温度センサにより検出された検出温度に基づいて前記補正量を決定する第1処理と、
前記補正量を前記音波センサに対して設定する第2処理と、を備え、
前記第2処理では、前記車両が走行を開始した際に、前記車両が第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、前記第1基準速度まで減速したタイミングで、前記補正量を決定して、当該補正量を前記音波センサに対して設定する、
補正量設定プログラムである。
本開示に係る補正量設定装置によれば、より好適な温度補償処理を実現することが可能である。
本開示に係る超音波式物体検出装置の構成の一例を示す図 本開示に係る超音波式物体検出装置の車両への搭載状態の一例を示す図 本開示に係る閾値メモリに記憶された物体判定閾値、及び、波形メモリに記憶された受信信号の一例を示す図 第1の実施形態に係るソナーECUの動作について、説明する図 第1の実施形態に係るソナーECUの動作の一例を示すフローチャート 第2の実施形態に係るソナーECUの温度補償処理について、説明する図 第2の実施形態に係るソナーECUの温度補償処理について、説明する図 第2の実施形態に係るソナーECUの動作の一例を示すフローチャート 第4の実施形態に係るソナーECUの温度補償処理について、説明する図 第4の実施形態に係るソナーECUの動作の一例を示すフローチャート 第5の実施形態に係るソナーECUの動作を説明する図 第5の実施形態に係るソナーECUの動作を示すフローチャート 第6の実施形態に係るソナーECUの動作を説明する図 第6の実施形態に係るソナーECUの動作を示すフローチャート 第7の実施形態に係る車両に搭載された複数の超音波センサそれぞれの温度センサの検出温度の挙動を示す図 第7の実施形態に係るソナーECUの動作を示すフローチャート 第8の実施形態に係るソナーECUが、車両がキーオンされた際(即ち、車両が起動した際)に開始する動作を示すフローチャート 第8の実施形態に係るソナーECUが、車両が走行している際に実行する動作を示すフローチャート
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(超音波式物体検出装置の基本構成)
以下、図1~図3を参照して、本開示に係る超音波式物体検出装置の基本構成の一例について説明する。
図1は、本開示に係る超音波式物体検出装置1の構成の一例を示す図である。図2は、本開示に係る超音波式物体検出装置1の車両Cへの搭載状態の一例を示す図である。
超音波式物体検出装置1は、超音波センサ10A~10H(本発明の「音波センサ」に相当)、及びソナーECU(Electronic Control Unit)20(本発明の「補正量設定装置」に相当)を備えている。
超音波式物体検出装置1は、車両Cに搭載されている。ここでは、超音波センサ10A~10Dは、車両Cの前面に配設され、超音波センサ10E~10Hは、車両Cの後面に配設されている。超音波センサ10A~10Hは、典型的には、車両Cの外部に露出した状態で配設されている。
尚、超音波センサ10A~10Hは、同様の構成を有するものとして、超音波センサ10A~10Hのいずれかを特に区別しない場合には、以下では、単に超音波センサ10と称する。
超音波センサ10とソナーECU20とは、車載ネットワーク100(例えば、CAN通信プロトコルに準拠した通信ネットワーク)を介して、必要なデータや制御信号を相互に送受信可能となっている。
車両Cには、超音波式物体検出装置1の他、空調装置に設けられた外気温度を検出するための第2温度センサ30、及び、車両Cの運転状態を統括制御する車両ECU40も配設されている。ソナーECU20は車載ネットワーク100を経由して、車両Cの運転状態に関する情報、特に車速の情報と進行方向の情報を受信することが出来る。そして、ソナーECU20は、第2温度センサ30や車両ECU40とも通信可能に構成されている。
尚、ソナーECU20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、通信インタフェイス等を有するマイコンである。そして、ソナーECU20が有する後述する機能は、例えば、CPUがROMやRAMに格納された制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。
[超音波センサ10の構成]
超音波センサ10は、送受信部11、駆動回路12、受信回路13、コントローラ14、及び、温度センサ15を備えている。
送受信部11は、駆動回路12からの駆動信号に基づいて超音波を外部に送信する。そして、送受信部11は、外部から戻って来たその反射波を受信し、反射波のエコー強度を示す信号を受信回路13に出力する。送受信部11は、例えば、電気信号と超音波を相互に変換する圧電素子によって構成されている。
駆動回路12は、パルス状の駆動信号を生成し、その駆動信号を送受信部11に出力する。尚、駆動回路12は、コントローラ14(送受信制御部14a)からの送信指令に基づいて、動作制御されている。
受信回路13は、送受信部11から入力された反射波のエコー強度を示す信号に対して、増幅処理及びA/D変換処理を行い、増幅処理及びA/D変換処理を行った後の信号(以下、「受信信号」と称する)を、コントローラ14(波形メモリ14c)に出力する。
コントローラ14は、送受信制御部14a、通信部14b、波形メモリ14c、閾値メモリ14d、及び判定部14eを備えている。尚、コントローラ14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、通信インタフェイス等を有するマイコンである。
送受信制御部14aは、通信部14bを介して、ソナーECU20から動作指示信号を取得した場合に、駆動回路12及び受信回路13を動作させる。尚、送受信制御部14aは、例えば、駆動回路12に対して、駆動信号を生成するタイミング及び駆動信号のパルス幅等を指令する。又、送受信制御部14aは、受信回路13にて、反射波のエコー強度を示す信号を増幅する際のゲイン(即ち、反射波に対する感度)を調整可能となっていてもよい。
通信部14bは、車載ネットワーク100を介して、ソナーECU20と通信する。通信部14bは、例えば、ソナーECU20から送信指示信号や物体判定閾値に係る補正量を受信する。又、通信部14bは、例えば、ソナーECU20に対して、温度センサ15のセンサ値や、判定部14eにて判定された物体の有無に係る判定結果を送信する。
波形メモリ14cは、受信回路13から受信した受信信号を順次記憶する。典型的には、波形メモリ14cには、時系列の受信信号の信号強度のデータが記憶される。
閾値メモリ14dは、物体の有無を判定するための物体判定閾値を記憶する。尚、物体判定閾値は、上記したように、物体の有無を判定するための受信信号の信号強度の基準値である。
図3は、本開示に係る閾値メモリ14dに記憶された物体判定閾値、及び、波形メモリ14cに記憶された受信信号の一例を示す図である。尚、図3の横軸は、送受信部11にて超音波を送信してから、その反射波を受信するまでの時間を表し、縦軸は、受信信号の信号強度[dB]又は物体判定閾値の信号強度[dB]を表している。
図3において、グラフL1は外気温度が低温時(例えば、10℃)の物体判定閾値、グラフL2は外気温度が高温時(例えば、30℃)の物体判定閾値、グラフL1aは外気温度が低温時の受信信号の信号強度の時間的変化、グラフL2aは外気温度が高温時の受信信号の信号強度の時間的変化を表している。
閾値メモリ14dに記憶された物体判定閾値は、送受信部11にて超音波を送信してからその反射波を受信するまでの時間が長くなるほど、小さくなっている。これは、送受信部11にて超音波を送信してからその反射波を受信するまでの時間が長いほど、超音波センサ10から物体までの距離が遠いことになり、距離が遠いほど、超音波の減衰が大きくなるからである。
ここで、閾値メモリ14dに記憶される物体判定閾値は、超音波の減衰量の温度依存性を考慮して、ソナーECU20から指令された補正量に基づいて、補正されるように構成されている。具体的には、この補正処理により、閾値メモリ14dに記憶される物体判定閾値は、外気温度が高温の場合には、比較的低い値に設定され、外気温度が低温の場合には、比較的高い値に設定されることになる。
尚、コントローラ14には、例えば、外気温度が平均的な温度(例えば、20℃)の場合の物体判定閾値の基準値が記憶されており、閾値メモリ14dには、物体判定閾値の基準値に対して、ソナーECU20から送信される物体判定閾値に係る補正量が加算又は減算された値が設定される。但し、温度補償を可能とするための閾値メモリ14dのメモリ構造は、任意であり、例えば、コントローラ14の記憶部(例えば、ROM)に、予め温度別の物体判定閾値が記憶されていてもよい。また、物体判定閾値に係る補正量を物体判定閾値の基準値に加算又は減算する処理はソナーECU20内で行い、コントローラ14の記憶部(例えば、RAM)にソナーECU20から送信される補正量を加減算済みの物体判定閾値を記憶する構成としても良い。なぜなら、補正量を送信して加減算させる事も、補正量を加減算した閾値を送信して記憶させる事も、前記補正量を前記音波センサに対して設定することに変わりがないからである。
判定部14eは、閾値メモリ14dに記憶された物体判定閾値と、波形メモリ14cに記憶された受信信号の信号強度とを比較して、受信信号の信号強度が物体判定閾値以上の場合には、物体が存在するものと判定し、受信信号の信号強度が物体判定閾値未満の場合には、物体が存在しないものと判定する。そして、判定部14eは、物体が検出された場合、当該物体に係る情報を、ソナーECU20に送信する。
このとき、判定部14eは、物体が存在するものと判定した場合、その受信タイミング(送受信部11が超音波を送信してから、物体判定閾値以上の反射波を受信するまでの時間差)に基づいて、車両Cから物体までの距離を算出してもよい。尚、送受信部11が超音波を送信してから物体判定閾値以上の反射波を受信するまでの時間差に対して、音速を乗じた値の1/2が、超音波センサ10から物体までの距離である。
温度センサ15は、超音波センサ10に内蔵されている温度検出部であり、車両Cの周囲、より詳細には送受信部11の周囲の雰囲気温度を検出する。温度センサ15は外気温度を検出する目的で設置されており、平常状態では外気温度を検出する。但し、温度センサ15は超音波センサ10に内蔵されているため、超音波センサ10の内部の温度や、超音波センサ10と接触しているバンパーの温度の影響を受ける事がある。また、超音波センサ10に水滴や雪が付着した時は、付着物の温度の影響を受ける事がある。温度センサ15としては、例えば、サーミスタ等が用いられる。温度センサ15にて検出された温度情報は、コントローラ14(通信部14b)を介して、ソナーECU20に送信される。尚、以下では、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15のいずれかを区別する場合、温度センサ15A~15Hとも称する。
[ソナーECU20の構成]
ソナーECU20は、センサ動作指令部20a、補正量算出部20b、及び補正量設定部20cを備えている。
センサ動作指令部20aは、超音波センサ10に対して、動作指令信号を送出する。超音波センサ10は、センサ動作指令部20aから動作指令信号を取得したことを契機として、超音波を送信し、当該超音波の反射波を受信する動作を開始する。
ここで、センサ動作指令部20aは、車両Cの車速に基づいて、超音波センサ10を動作させるか否かを決定している。具体的には、センサ動作指令部20aは、車両Cの車速が所定速度(後述する第2基準速度に相当)以下の場合に限って、超音波センサ10を動作させる。これは、超音波で障害物を検出できる距離が短いため、車両Cが高速で走行している場合には超音波で障害物を検出してから緊急制動したとしても制動が間に合わないためである。又、センサ動作指令部20aは、車両Cをキーオンした時点から温度補償処理が実行されるまでの間、超音波センサ10を動作させない構成となっている。尚、「所定速度」は、例えば、12~18km/hである。
補正量算出部20bは、全ての超音波センサ10の温度センサ15から、車両Cの周囲(即ち、超音波センサ10の周囲)の外気温度に係る温度情報(即ち検出温度)を取得する。補正量算出部20bは、例えば、車両Cが走行している際、逐次的に、全ての温度センサ15から検出温度を取得している。
尚、補正量算出部20bは、車両Cに備え付けられた外気温度を検出する第2温度センサ30から、検出温度を取得してもよい。
補正量算出部20bは、補正量を算出する際の外気温度として用いる値(以下「参照温度」と称する)として、複数の検出温度から一つの検出温度を選択して参照温度としてもよく、複数の検出温度の平均値を参照温度として物体判定閾値に係る補正量を算出しても良い。
尚、ソナーECU20の記憶部(例えば、RAM)には、逐次的に、補正量算出部20bが取得した温度センサ15が検出した検出温度に係る情報が記憶されており、補正量算出部20bは記憶部が記憶する検出温度の推移に基づいて外気温度の推定値を算出し、当該外気温度の推定値を参照温度として物体判定閾値に係る補正量を算出しても良い。また、補正量設定部20cは、典型的には、現時点の温度センサ15の検出温度を参照温度として、超音波センサ10の物体判定閾値に係る補正量を算出しても良い。
補正量算出部20bは、例えば、ソナーECU20の記憶部(例えば、ROM)に予め記憶された補正用データテーブルから、参照温度(外気温度の推定値もしくは、現時点の検出温度)に応じた物体判定閾値に係る補正量を読み出すことによって、上記の補正量の算出動作を実行してもよい。補正用データテーブルは、例えば、参照温度別に、送受信部11にて超音波を送信してから受信するまでの時間に応じた物体判定閾値に係る補正量を記憶している(図3を参照)。尚、補正用データテーブルは、例えば、平均的な外気温度(例えば、20℃)における物体判定閾値からの補正量を記憶しており、参照温度が平均的な外気温度から外れるほど補正量が大きくなるように記憶している。
補正量設定部20cは、補正量算出部20bが算出した物体判定閾値に係る補正量を超音波センサ10に送信する補正量設定処理によって温度補償処理を最終的に実行する。また、物体判定閾値に係る補正量を物体判定閾値の基準値に加算又は減算する処理をソナーECU20内で行う構成を採る場合は、ソナーECU20からコントローラ14に補正量を加減済みの物体判定閾値を送信する事によって補正量設定処理を最終的に実行する。尚、補正量設定部20cが補正する対象は、閾値メモリ14dに設定する物体判定閾値に代えて、受信回路13の反射波に対する感度(即ち、ゲイン)であってもよい。
本開示に係るソナーECU20は、補正量設定部20cにて温度補償処理を実行するタイミングや、補正量算出部20bにて補正量を算出する際の参照温度の採り方の点に、特徴を有している。以下、本開示に係るソナーECU20が採用する種々の温度補償処理の実施態様について、説明する。
(第1の実施形態)
以下、図4及び図5を参照して、第1の実施形態に係るソナーECU20の構成について、説明する。
本実施形態に係るソナーECU20(補正量設定部20c)は、車両Cが走行を開始した際に(車両Cが停車した状態から発進した際を含む)、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、第1基準速度まで減速したタイミングで物体判定閾値に係る補正量を送信する点に、特徴を有する。
図4は、本実施形態に係るソナーECU20の動作について、説明する図である。尚、図4は、車両Cの車速の推移を表している。図4の横軸は時間軸、縦軸は車両Cの車速[m/sec]を表す。尚、図4では、T1が、温度補償処理の開始タイミングを表し、T2が、温度補償処理の終了タイミングを表している。
上記したように、炎天下の駐車場で車両Cが熱せられた時などには、温度センサ15が示す検出温度が異常に高くなり、物体判定閾値が不正になり、結果として一時的な異常(誤検出や検出不能)が起きる場合がある。又、かかる事態は、炎天下の渋滞で、車両Cが長時間の停車をした際にも生じ得る。
本実施形態に係るソナーECU20は、炎天下で車両Cが熱せられた時などにも、物体判定閾値が、可能な限り早期に且つ適切なタイミングで、適切な値に補正されるように、車両Cが走行を開始した際に、車両Cの車速を監視し、車両Cが第1基準速度(図4のV1)よりも大きい車速で走行している状態から、当該第1基準速度まで減速したタイミングで、物体判定閾値に係る温度補償処理を実行する。尚、本実施形態に係るソナーECU20は、車両ECU40から現時点の車両Cの車速を逐次的に取得している。
ここで、物体判定閾値の温度補償処理を実行するタイミングの基準となる「第1基準速度」(図4のV1)は、超音波センサ10を動作させる基準となる所定速度(以下、「第2基準速度」と称する)(図4のV2)以上の速度である。「第1基準速度」としては、好ましくは、第2基準速度よりも3~10km/hだけ大きい速度、例えば、20~25km/hが設定される。
車両Cが第1基準速度以上で走行した場合、温度センサ15は、走行風によって十分に冷却されており、温度センサ15が示す検出温度は、実際の外気温度まで収束していると推定される。そして、車両Cが第1基準速度まで減速したタイミングは、超音波センサ10が動作を開始するタイミング又はその直前のタイミングに相当する。
つまり、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、当該第1基準速度まで減速したタイミングで、温度補償処理を実行することによって、可能な限り早いタイミングで、且つ、超音波センサ10の動作を開始させる必要があるタイミングの直前に、物体判定閾値を適切な値に補正することが可能である。
又、これによって、温度補償処理を実行する頻度を低減することができる。例えば、これにより、温度補償処理を実行する頻度を、車両Cをキーオンして走行を開始してから第1基準速度より大きい車速まで加速した後、当該第1基準速度まで減速したタイミングの最初の一回だけに限定することも可能である。これにより、特許文献1のように、車両Cが高速走行中に、無用に温度補償処理を繰り返すことを防止することができ、無用な消費電力の発生、不要な電磁輻射の発生、不要な通信容量の発生、及び、高頻度のデータ書き換えに伴う閾値メモリの劣化等を抑制することが可能である。
加えて、第1基準速度を、第2基準速度よりも3~10km/hだけ大きい速度に設定すれば、超音波センサ10が動作を開始する直前のタイミングに、温度補償処理を完了することが可能である。つまり、これによって、この温度補償処理のための物体検出の中断時間に起因して、超音波センサ10における物体の検出遅れが発生する事態を抑制することが可能である。一般に、車両Cの減速率には実用的な上限があるので(緊急ブレーキ:AEBSの国際基準は減速率4m/s以上であり、良好な路面状況で緊急ブレーキが作動してフルブレーキングした場合でも、減速率を0.5G=4.9m/s程度に抑える設計が普通である。また、路面状況が悪い時に減速率が低下する事は容認されている。)、例えば、第1基準速度を25km/h、第2基準速度を20km/hとすると、車両Cが5km/h減速する間に少なくとも300msecを確保することができる。300msec程度の時間があれば、物体判定閾値に係る補正量を決定し、当該補正量のデータの送信を終了するには、十分であると言える。
尚、本実施形態に係るソナーECU20は、当該第1基準速度まで減速したタイミングの最初の一回だけ温度補償処理を実行してもよいが、定期的に車両Cの周囲の外気温度を監視するため、車両Cが第1基準速度まで加速した後、第1基準速度まで減速する度に、温度補償処理を実行してもよい。
又、温度センサ15が十分に冷却されていない状態で、温度補償処理を実行してしまうことを避けるため、ソナーECU20は、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速で走行した走行時間についての条件を設定するのが好ましい。この場合、ソナーECU20は、例えば、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、当該第1基準速度まで減速したタイミングで、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速で走行した走行時間が基準時間以上か否かを判定し、当該走行時間が基準時間以上の場合、温度補償処理を実行し、当該走行時間が基準時間未満の場合、温度補償処理を実行しない構成とすればよい。尚、この際、基準時間の時間幅を設定する方法としては、第3の実施形態に係る設定方法を採用するのがより好ましい。
図5は、本実施形態に係るソナーECU20の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS11において、ソナーECU20は、車両Cの車速が第1基準速度を超えたか否かを判定する。そして、ソナーECU20は、車両Cの車速が第1基準速度を超えている場合(S11:YES)、ステップS12に処理を進め、車両Cの車速が第1基準速度を超えていない場合(S11:NO)、図5に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS12において、ソナーECU20は、車両Cの車速が第1基準速度まで減速したか否かを判定し、車両Cの車速が第1基準速度まで減速することを待ち受ける(S12:NO)。そして、車両Cの車速が第1基準速度まで減速した場合(S12:YES)、ステップS13に処理を進める。
ステップS13において、ソナーECU20は、温度センサ15から検出温度に係る情報を取得する。
ステップS14において、ソナーECU20は、ステップS13で取得した現時点の検出温度に係る情報に基づいて、物体判定閾値に係る補正量を決定し、当該補正量に係るデータを超音波センサ10に送信する。この時、超音波センサ10が物体判定閾値の基準値を記憶している場合は、物体判定閾値に係る補正量を当該補正量に係るデータとして超音波センサ10に送信すればよく、超音波センサ10が物体判定閾値の基準値を持たない場合は、物体判定閾値に係る補正量を物体判定閾値の基準値に加算又は減算する処理をソナーECU20内で行い、この補正量を加減済みの物体判定閾値を当該補正量に係るデータとして超音波センサ10に送信すればよい。当該補正量に係るデータが、補正量自体であるか補正量を加減算済みのデータであるかに関らず、当該補正量に係るデータを超音波センサ10に送信したタイミングが補正量を音波センサに対して設定したタイミングである。
本実施形態に係るソナーECU20は、例えば、車両Cが走行している際、このフローチャートの動作を所定の時間間隔(例えば、100ms間隔)で繰り返し実行する。
以上のような処理によって、無用に温度補償処理を繰り返すことなく、適切なタイミングで、温度補償処理を実行することができる。ここまでソナーECU20の物体判定閾値に係る補正量の設定タイミングを中心に説明してきたが、ソナーECU20が補正量の算出を行うタイミングは、補正量の設定を行うタイミングと同時である必要は無い。図5に示すフローチャートでは車両Cの車速が第1基準速度まで減速した後で検出温度に係る情報を取得しているが、補正量算出の処理は補正量設定の処理と独立して行うことが出来るので、例えばソナーECU20は所定の時間間隔(例えば、1s間隔)毎に物体判定閾値に係る補正量の算出を繰り返し、ソナーECU20はステップS14のタイミングにおける最新の補正量をソナーに設定する様にしても良い。通常、検出温度の変化は緩慢なので、検出温度の取得と補正量計算の時点が補正量設定の直前から補正量設定の1秒前に変わっても、補正の結果に大差はないからである。車両Cの車速が第1基準速度まで減速してから超音波センサ10が動作を開始するまでの時間は短いので、補正量算出の処理を分離して予め行っておく事により、より安価な処理装置で機能を実現することが出来る。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るソナーECU20は、車両Cが走行を開始した際に、車両Cが第1基準速度(例えば、20~25km/h)よりも大きい車速まで加速した後、第1基準速度まで減速したタイミングで、物体判定閾値の補正量を決定し、当該補正量を超音波センサ10に対して設定する。
従って、本実施形態に係るソナーECU20によれば、可能な限り早期に且つ適切なタイミングで、適切な値に物体判定閾値を補正することができる。特に、本実施形態に係るソナーECU20によれば、物体判定閾値の温度補償処理を実行するタイミングを、超音波センサ10の動作開始直前に制限することができ、当該温度補償処理を実行する頻度を、低減することが可能である点で、有用である。
これによって、特許文献1のように、車両Cが高速走行中にまで、無用に温度補償処理を繰り返すことを防止することができ、無用な消費電力の発生、不要な電磁輻射の発生、不要な通信容量の発生、及び、高頻度のデータ書き換えに伴う閾値メモリの劣化等を抑制することが可能である。
(第2の実施形態)
以下、図6~図8を参照して、第2の実施形態に係るソナーECU20の構成について説明する。本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、温度補償を行う際に参照する参照温度として、温度センサ15の検出温度の推移から推定される推定値を用いる点に、特徴を有する。
図6、図7は、第2の実施形態に係るソナーECU20の温度補償処理について、説明する図である。
図6は、高温状態となった温度センサ15が車両Cの走行風により次第に冷却されたときの、温度センサ15の検出温度の推移の一例を示す図である。図6の横軸は、温度センサ15の冷却が開始されてからの経過時間を表し、縦軸は、実際の外気温度(以下、「実際温度」と称する)を基準とした検出温度を表している。
上記したように、温度センサ15は、車両Cが炎天下の駐車場で熱せられていた場合には、車両Cの走行開始時には、正確な外気温度を検出することができない。そのため、物体検出閾値に係る補正量を決定するタイミングとしては、温度センサ15が、走行風によって冷却され、正常に機能するようになった後であることが好ましい。しかしながら、温度センサ15の検出温度が十分に収束すると期待できる時間を待ってから、温度補償していたのでは、温度補償が開始できる時点が遅くなるという課題がある。又、単純に、予め指定した基準時間を経過した際の温度センサ15の検出温度を用いる態様とした場合、検出温度と実際温度との間に温度差が残ってしまうおそれもある。
かかる観点から、本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、温度センサ15の検出温度の時間的変化に基づいて、実際の外気温度を推定し、推定された外気温度の推定値に基づいて、物体判定閾値に係る補正量を決定する。これによって、より早い時点で、より正確な温度補償が可能になる。
空冷で移動する熱量は、概ね温度センサ15の検出温度と実際温度との差に比例するため、当該温度差は概ね指数関数に従って小さくなる。ここで、温度センサ15の検出温度が実際温度に向かって指数関数に従って収束している場合、図6に示すように、ある時点Txでの検出温度をVxとすると、タイミングTx-Δtでの検出温度がVx+ΔVとなり、且つ、タイミングTx-2Δtでの検出温度がVx+3ΔVとなるΔtが存在する。このΔtは温度センサ15の検出温度と実際温度との温度差の半減期である。この場合、温度センサ15の検出温度は、Vx-ΔVに向かって収束し、当該Vx-ΔVが実際温度であると推定することが可能である。この温度変化の収束先であるVx-ΔVを収束温度と呼ぶ。タイミングTx-2Δtの時点から起算すると、最初のΔtが経過すると温度センサ15の検出温度と実際温度との温度差が4ΔVから2ΔVに半減し、再びΔtが経過すると温度センサ15の検出温度と実際温度との温度差が2ΔVからΔVに半減するので、タイミングTxは半減期の2倍が経過した時点である、と言い換えることが出来る。
そこで、本実施形態に係るソナーECU20は、温度センサ15による温度検出を開始してから、温度センサ15の検出温度の推移を監視し、半減期の2倍が経過した時点に相当するタイミングTxを検出する。そして、ソナーECU20は、半減期の2倍が経過した時点に相当するタイミングTxでの検出温度VxからΔVだけ減算したVx-ΔVを、実際の外気温度(即ち実際温度)と推定し、この推定された外気温度の推定値を用いて、物体判定閾値の温度補償を行う。
この際、ソナーECU20は、温度センサ15の検出温度の温度変化率(即ち、単位時間当たりの温度変化量)の推移を監視し、この温度変化率の推移に基づいて、半減期の2倍が経過した時点に相当するタイミングTxを特定してもよい。
図7は、高温状態となった温度センサ15が車両Cの走行風により次第に冷却されたときの、温度センサ15の検出温度の温度変化率の推移の一例を示す図である。図7の横軸は、温度センサ15の冷却が開始されてからの経過時間を表し、縦軸は、温度センサ15の検出温度の温度変化率を表している。尚、図7のTaは、半減期が経過した時点に相当するタイミングを表す。
温度差の変化が指数関数なので、その微分である温度変化率も指数関数である。温度変化率を、単位時間当たりの温度変化と言い換えると、半減期は「温度変化率が、初期値(図7のv0)から半減した値(図7のv0×1/2)となるまでの時間」(=図7のΔt)と言い換えられる。つまり、本実施形態に係る補正量算出部20bは、温度センサ15の検出温度が示す温度変化率の推移から、当該温度変化率が、初期値から1/2となるタイミングTaを探すことにより、半減期を特定することができる。タイミングTaの時点での温度センサ15の検出温度がVx、タイミングTaから半減期Δtだけ遡ったTa-Δtの時点での温度がVx+ΔVであれば、温度センサ15の検出温度は収束温度=Vx-ΔVに向かって収束する、と推定する事が出来る。
図8は、本実施形態に係るソナーECU20の動作の一例を示すフローチャートである。尚、このフローチャートは、例えば、車両Cがキーオンされた際に、開始される処理である。
ステップS21において、ソナーECU20は、温度センサ15からセンサ値(即ち、検出温度)の取得を開始する。そして、ソナーECU20は、温度センサ15のセンサ値の取得を開始した時点から、各時点で、当該センサ値の変化率(即ち、単位時間当たりの温度変化率)を逐次的に算出する。
ステップS22において、ソナーECU20は、温度センサ15のセンサ値に基づいて、現時点の検出温度の温度変化率が、冷却開始時の検出温度の温度変化率(即ち、温度変化率の半減を判定する際の温度変化率の基準)の1/2まで減少するのを待ち受ける(S22:NO)。そして、ソナーECU20は、現時点の検出温度の温度変化率が、基準とする冷却開始時の検出温度の温度変化率の1/2まで減少した場合(S22:YES)、ステップS23に処理を進める。尚、この際、ソナーECU20は、例えば、車両Cが走行を開始した時点又は車両Cの車速が第1基準速度まで加速した時点を冷却開始時とみなし、この時点における検出温度の温度変化率を、基準とする冷却開始時の検出温度の温度変化率としても良いし、検出温度の温度変化率がピーク値を取った時点を冷却開始時とみなし、この時点の検出温度の温度変化率を基準として、観測される検出温度の温度変化率が基準の1/2まで減少するのを待ち受けてもよい。
ステップS23において、ソナーECU20は、現時点の検出温度の温度変化率が、冷却開始時の検出温度の温度変化率の1/2まで減少するのに要した時間を、温度センサ15の検出温度が実際温度に収束するまでの半減期と特定して、図6を参照して説明したのと同様の手法により、実際温度(即ち、半減期から予測される収束温度)を推定する。
ステップS24において、ソナーECU20は、ステップS23で推定された実際温度に基づいて、物体判定閾値の温度補償処理を実行する。つまり、この際、ソナーECU20は、ステップS23で推定された実際温度に基づいて、物体判定閾値の補正量を決定し、超音波センサ10に対して、当該補正量を設定させる。
尚、図8のフローチャートでは、ソナーECU20が温度センサ15の検出温度から推定される推定値(即ち、半減期から予測される収束温度)を一回だけ算出する態様を示しているが、ソナーECU20は、所定の時間間隔(例えば、1s間隔)毎に、当該推定値を更新するのが好ましい。この場合、ソナーECU20は、温度センサ15の検出温度の温度変化率の推移から、当該温度変化率が、現時点の温度変化率の2倍であるタイミングを探すことにより、半減期の特定及び実際温度の推定を繰り返せばよい。最新の観測値は過去の観測値よりも、実際温度に近いので、このような推定を繰り返すことによって、より正確に、温度センサ15の検出温度から実際温度を推定することができる。又、このような推定を繰り返すことによって、車速や外気温度が変化した場合にも、正確に、温度センサ15の検出温度から実際温度を推定することができる。
又、ソナーECU20は、第1の実施形態で説明した温度補償処理の実行タイミングに適合させるため、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、第1基準速度まで減速したタイミングで、補正量設定処理を実行してもよい。この場合、ソナーECU20は、補正量設定処理を行う時点で推定された外気温度に基づいて、物体判定閾値の補正量を決定してもよいし、所定の時間間隔で繰り返し計算した補正量のうち最新のものを用いても良い。更に、物体判定閾値に係る補正量を加減算して物体判定の閾値とする処理をソナーECU20内で行う場合は、補正量を計算した時に加減算していてもよいし、超音波センサ10に閾値を送信する直前に加減算しても良い。いずれにせよ、加減算したタイミングではなく、当該補正量に係るデータ(補正量または補正量を加減算した閾値)を超音波センサ10に送信したタイミングが、補正量を音波センサに対して設定する補正量設定処理の実行タイミングである。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るソナーECU20は、温度センサ15が検出する外気温度の推移に基づいて、実際の外気温度を推定し、推定された外気温度に基づいて、物体判定閾値の補正量を決定する。
これによって、より早い時点で、より正確に物体判定閾値に係る温度補償を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態に係るソナーECU20の構成について説明する。本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b、補正量設定部20c)は、温度センサ15が検出する検出温度の推移に基づいて、温度補償処理を実行するタイミングを決定する点に、特徴を有する。
本実施形態に係るソナーECU20は、例えば、温度センサ15の検出温度の推移に基づいて、温度センサ15の検出温度が実際温度付近まで収束するタイミングを特定し、当該タイミングにおける温度センサ15の検出温度を用いて、温度補償処理を実行する。換言すると、本実施形態に係るソナーECU20は、車両Cが走行を開始した際、温度補償処理を実行するまでの待ち時間を設定する。
本実施形態に係るソナーECU20にて、温度センサ15の検出温度が実際温度付近まで収束するタイミングを特定する手法は、第2の実施形態で説明した手法と同様である。つまり、ソナーECU20は、温度センサ15の検出温度の推移、又は、温度センサ15の検出温度の温度変化率の推移に基づいて、温度センサ15の冷却が開始された時点(例えば、車両Cが第1基準速度以上で走行を開始した時点)から、温度センサ15の検出温度が実際温度に収束するまでの半減期を特定する。そして、ソナーECU20は、当該半減期から、温度センサ15の検出温度が実際温度付近まで収束するタイミングを特定する。
温度補償処理を実行するタイミングは、半減期が経過した後であれば任意であるが、例えば、車両Cがキーオンされた時点における温度センサ15の検出温度が実際温度に収束するまでの間の温度変化のうち、80%分の温度変化が終わったタイミング等であっても良いし、温度センサ15の検出温度と実際温度の差が所定の許容範囲内、例えば5度以内になるタイミング等であっても良い。
次に、本実施形態に係るソナーECU20は、特定された温度補償処理を実行するタイミングまで時間が経過するのを待ち受けた後、温度センサ15から検出温度に係る情報を取得する。そして、当該タイミングで温度センサ15により検出された検出温度を用いて、温度補償処理を実行する。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るソナーECU20は、温度センサ15の検出温度の推移に基づいて、当該検出温度が実際温度付近まで収束するタイミングを予測し、温度補償処理を実行するタイミングを決定する。
これによって、より早い時点で、より正確に物体判定閾値に係る温度補償を行うことが可能となる。
尚、本実施形態に係るソナーECU20による待ち時間の設定方法は、例えば、第1の実施形態に係るソナーECU20の走行時間(即ち、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速で走行した走行時間)に係る基準時間の時間幅の設定方法として適用してもよい。この場合、ソナーECU20は、車両Cが走行を開始した後、当該車両Cの車速が第1基準速度を超えた際に、温度センサ15が検出する検出温度の推移に基づいて、基準時間の時間幅を設定すればよい。これによって、温度センサ15が十分に冷却されていない状態で、温度補償処理が実行されることを確実に避けることが可能である。
(第4の実施形態)
以下、図9及び図10を参照して、第4の実施形態に係るソナーECU20の構成について説明する。本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b、補正量設定部20c)は、車両Cが走行を開始してから(例えば、車両Cがキーオンされてから)、車両Cが第3基準速度よりも大きい車速で走行している時間(以下、「走行時間」とも称する)を積算し、当該走行時間の積算値が閾値時間以上となったときに検出される検出温度を用いて、補正量を決定して、当該補正量を超音波センサ10に対して設定する点に、特徴を有する。
ここで、「第3基準速度」は、第1の実施形態で説明した「第1基準速度」と同様の速度であり、例えば、20~25km/hである。又、「閾値時間」は、例えば、3~15分であり、上記第3の実施形態で説明した方法により算出した、温度補償処理を実行するまでの待ち時間であってもよい。
図9は、本実施形態に係るソナーECU20の温度補償処理について、説明する図である。図9の横軸は、車両Cにおいてキーオンされた時点からの経過時間を表し、縦軸は、車両Cの車速を表す。尚、図9では、一例として、車両Cが渋滞や信号待ちのために車両Cが繰り返し停止する際の車速の推移を示している。
上記したように、温度センサ15は、炎天下の駐車場で熱せられていた場合には、車両Cの走行開始時には、正確な外気温度を検出することができない。そのため、物体検出閾値に係る補正量を決定するタイミングとしては、温度センサ15が、走行風によって冷却され、正常に機能するようになった後であることが好ましい。
但し、物体検出閾値に係る補正量を決定するタイミングを、単純に、車両Cが基準速度以上で走行した走行時間が閾値時間以上となったタイミングとすると、車両Cが渋滞や信号待ちのために連続して長時間走行することが出来ず、一回の走行時間が閾値時間を超えない場合においては、長時間に亘って、物体検出閾値の補正が実行されない状態となってしまう。しかしながら、車両Cが渋滞や信号待ちのために継続して走行することができない場合であっても、走行に伴って車両Cに新鮮な外気が当たる事が繰り返されると、温度センサ15においては、累積的に放熱が行われることになる。
そこで、本実施形態に係るソナーECU20(補正量設定部20c)は、車両Cが走行を開始した時点(例えば、キーオンされた時点)から、車両Cが第3基準速度よりも大きい車速で走行した走行時間(図9のΔE1、ΔE2、及びΔE3)を積算し、当該積算された走行時間が閾値時間以上となったときに、温度補償処理を実行する構成としている。これによって、温度センサ15が正常に機能し始めてから、より早期に、温度補償処理を実行することが可能となる。
この際、好ましくは、ソナーECU20(補正量設定部20c)は、車両Cが第3基準速度よりも大きい車速で走行した時間の積算値が閾値時間以上となった後、車両Cが第3基準速度(>超音波センサ10の動作を開始させる基準速度)まで減速したタイミングで、補正量を決定する。これによって、可能な限り早いタイミングで、且つ、超音波センサ10の動作を開始させる必要があるタイミングの直前に、温度補償処理を実行することが可能である。
尚、このとき、ソナーECU20は、車両Cの車速が第3基準速度よりも大きい車速で走行している時間帯における車両Cの車速の推移に基づいて、閾値時間の時間幅を変更してもよい。例えば、車両Cが第3基準速度よりも大きい車速で走行している際の車速が、第3基準速度よりも大きく上回っている場合には、閾値時間の時間幅を車速に応じて短時間に変更してもよい。また、上記第3の実施形態で説明した方法を用いる場合、大きい車速で走行する事によって、最初に閾値時間を算出した際の温度変化率よりも、大きな温度変化率が観測された時には、最新の温度変化率に合わせて閾値時間の時間幅を短時間に変更してもよい。
又、ソナーECU20は、温度補償処理を実行する度に走行時間の積算値を初期化し、車両Cが走行中に、温度補償処理を繰り返し実行してもよい。
図10は、本実施形態に係るソナーECU20の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS31において、ソナーECU20は、車両ECU40から、車両Cの車速を取得する。
ステップS32において、ソナーECU20は、車両Cの車速が第3基準車速よりも大きい車速か否かを判定する。そして、ソナーECU20は、車両Cの車速が第3基準車速よりも大きい車速である場合(S32:YES)、ステップS33に処理を進め、車両Cの車速が第3基準車速以下の車速である場合(S32:NO)、特に処理を実行することなく、図10のフローチャートの処理を終了する。
ステップS33において、ソナーECU20は、記憶部に現在保持されている走行時間の積算値を更新する。
ステップS34において、ソナーECU20は、走行時間の積算値が閾値時間以上となったか否かを判定する。そして、ソナーECU20は、走行時間の積算値が閾値時間以上となった場合(S34:YES)、ステップS35に処理を進め、走行時間の積算値が閾値時間以上となっていない場合(S34:NO)、特に処理を実行することなく、図10のフローチャートの処理を終了する。
ステップS35において、ソナーECU20は、車両Cの車速が第3基準速度まで減速したか否かを判定し、車両Cの車速が第3基準速度まで減速することを待ち受ける(S35:NO)。そして、車両Cの車速が第3基準速度まで減速した場合(S35:YES)、ステップS36に処理を進める。
ステップS36において、ソナーECU20は、温度センサ15から検出温度に係る情報を取得して、当該検出温度に基づいて、温度補償処理を実行する。
本実施形態に係るソナーECU20は、例えば、車両Cが走行している際、このフローチャートの動作を所定の時間間隔(例えば、100ms間隔)で繰り返し実行する。ここまでソナーECU20の物体判定閾値に係る設定タイミングを中心に説明してきたが、ソナーECU20が補正量の算出を行うタイミングは、補正量の設定を行うタイミングと同時である必要は無い。図10に示すフローチャートでは車両Cの車速が第3基準速度まで減速した後で検出温度に係る情報を取得しているが、補正量算出の処理は補正量設定の処理と独立して行うことが出来るので、例えばソナーECU20は、所定の時間間隔(例えば、1s間隔)毎に物体判定閾値に係る補正量の算出を繰り返し、ステップS36のタイミングにおける最新の補正量をソナーに設定する様にしても良い。通常、検出温度の変化は緩慢なので、検出温度の取得と補正量計算の時点が補正量設定の直前から補正量設定の1秒前に変わっても、補正の結果に大差はないからである。車両Cの車速が第3基準速度まで減速してから超音波センサ10が動作を開始するまでの時間は短いので、補正量算出の処理を分離して予め行っておく事により、より安価な処理装置で機能を実現することが出来る。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るソナーECU20は、車両Cが走行を開始してから、車両Cの車速が第3基準速度よりも大きい車速で走行している走行時間を積算し、当該走行時間の積算値が閾値時間以上となったときに、物体判定閾値の補正量を決定して、当該補正量を超音波センサ10に対して設定する。
これによって、例えば、車両Cの走行開始時に温度センサ15が過熱状態となっていた場合であっても、当該温度センサ15において放熱が行われた後の当該温度センサ15の検出温度を用いて、温度補償処理を実行することが可能である。特に、本実施形態に係る補正量設定部20cは、車両Cが第3基準速度よりも大きい車速で走行している走行時間の積算値に基づいて、温度補償処理を実行するタイミングを決定するため、車両Cが間欠的に走ったり止まったりする場合(例えば、車両Cが渋滞中の道路を走行する場合)であっても、いつまでも温度補償処理が実行されない事態を防止することが可能である。
(第5の実施形態)
以下、図11及び図12を参照して、第5の実施形態に係るソナーECU20の構成について説明する。本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b、補正量設定部20c)は、超音波センサ10に内蔵された温度センサ15により検出された検出温度が正常であるか否かを判定し、当該検出温度が異常である可能性がある場合には、物体判定閾値の温度補償量(即ち、補正量)を抑制する点に、特徴を有する。
車両Cの走行環境は、様々であり、車両Cの外部に露出した状態で配設されている超音波センサ10の温度センサ15には、走行中の路面からの水撥ねに起因して水滴が付着する場合や、走行中の降雪に起因して氷雪が付着する場合がある。又、温度センサ15は、氷雪の他にも、直射日光や、車両Cの周囲を走行する他の車両の排ガス等の影響を受けやすい。このように、氷雪、直射日光、又は、車両Cの周囲を走行する他の車両の排ガス等の影響を受けた場合、温度センサ15が検出する検出温度は、実際の車両Cの周囲の外気温度とは異なる値となってしまう。その結果、物体判定閾値が不適正な値に補正され、超音波センサ10にて誤検出や検出遅れを引き起こすおそれがある。本実施形態に係るソナーECU20は、かかる事態の発生を抑制する。
図11は、本実施形態に係るソナーECU20の動作を説明する図である。
本実施形態に係るソナーECU20は、車両Cの外部に露出しない位置に配設された第2温度センサ30の検出温度を比較対象とすることで、超音波センサ10に内蔵された温度センサ15(本実施形態では、説明の便宜として、「第1温度センサ15」と称する)に検出された検出温度が正常であるか否かを判定する。
尚、本実施形態に係るソナーECU20は、第1温度センサ15及び第2温度センサ30それぞれから外気温度に係る温度情報を取得している。
本実施形態では、説明の便宜として、超音波センサ10に内蔵された温度センサ15を「第1温度センサ15」と称する。
ここで、第2温度センサ30は、例えば、車両Cの空調装置または吸気装置(いずれも図示せず)が有する外気温度検出用の温度センサである。第2温度センサ30は、車両Cの外装より内側にあって外部に露出しないが、外気温の測定に適した位置(例えば、空調装置の車外から車内に空気を導入する空気通路や、吸気装置の吸気フィルター部分)に配設されている。そのため、第2温度センサ30は、第1温度センサ15と異なり、氷雪の付着や、直射日光、又は他の車両Cの排ガス等の影響を受けにくい。つまり、第2温度センサ30は、第1温度センサ15と比較して、車両Cの周囲の外気温度の変化に対する応答性は良好でないものの、外気温度を安定して測定する上では、有利である。第2温度センサ30は、車体の外装より内側にあって、外気温の測定に適した温度センサであれば良いので、空調装置や吸気装置に付属したものに限定されず、別の装置に付属する温度センサであっても良いし、他の装置に付属しない独立した温度センサであってもよい。しかし、既存の温度センサを流用すると、全体としてコストを抑制する効果が得られるので、本実施例では空調装置または吸気装置に付属した温度センサが得た温度情報を流用する構成を挙げて説明している。
一方、第1温度センサ15は、車両Cの外部に露出した位置に配設されているため、車両Cの周囲の外気温度の変化に対する応答性が良好であり、例えば、車両Cが外気温度の低いトンネル内に進入した場合にも、比較的早い段階で、正確な温度を検出することが可能である。
本実施形態に係るソナーECU20は、通常状態(本実施形態では、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差が第1閾値温度未満の状態を意味する)においては、超音波式物体検出装置1の基本構成にて説明したように、第1温度センサ15の検出温度に基づいて、物体判定閾値の補正量を決定する。この場合には、ソナーECU20は、例えば、第1温度センサ15の検出温度を参照温度としてソナーECU20の記憶部(例えば、ROM)に予め記憶された補正用データテーブルを参照する事により、第1温度センサ15の検出温度に対応する補正量を取得して、その補正量をそのまま超音波センサ10に設定する。
但し、本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差が第1閾値温度以上であるか否かを判定し、当該差が第1閾値温度以上である場合には、当該差が第1閾値温度未満である場合(即ち、通常状態の場合)よりも、物体判定閾値の基準値に対する温度補償量が抑制されるように、物体判定閾値の補正量を修正する。具体的には、ソナーECU20は、例えば、当該差が第1閾値温度以上である場合には、補正用データテーブルを参照して、第1温度センサ15の検出温度に対応する補正量を取得した後、当該補正量を小さくするように修正した上で、超音波センサ10に設定する。尚、補正用データテーブルには、例えば、平均的な外気温度(例えば、25℃)における物体判定閾値を基準値として、当該基準値からの温度別の補正量が設定されており、当該補正量を小さくすることは、温度補償量を抑制することを意味する。
かかる処理は、第1温度センサ15に例えば雨水等が付着したために影響を受けている場合に検出される異常温度に基づいて、物体判定閾値の補正量が決定されることを抑制するために実行される。つまり、本実施形態に係る補正量算出部20bは、第1温度センサ15の検出温度異常に伴う物体判定閾値の異常補正を抑制する。
又、本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差が第1閾値温度以上である場合には、更に、当該差が第2閾値温度(但し、第2閾値温度>第1閾値温度)以上であるか否かを判定し、当該差が第2閾値温度以上である場合には、物体判定閾値の温度補償処理を実行しない構成としている(図11を参照)。これは、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差が異常に大きい場合には、第1温度センサ15の検出温度が、車両Cの周囲の外気温度に依拠したものではなく、例えば氷雪等の付着物の温度に依拠したものと推定されるためである。つまり、かかる構成によって、明らかに不正な温度補償を抑制することが可能である。
尚、図11では、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差に係る閾値温度は、第1温度センサ15の検出温度よりも第2温度センサ30の検出温度が大きい場合と、第1温度センサ15の検出温度よりも第2温度センサ30の検出温度が小さい場合とで同一の値に設定されている。但し、当該閾値温度は、第1温度センサ15の検出温度よりも第2温度センサ30の検出温度が大きい場合と、第1温度センサ15の検出温度よりも第2温度センサ30の検出温度が小さい場合と、で異なる値に設定されてもよい。
図12は、本実施形態に係るソナーECU20の動作を示すフローチャートである。
ステップS41において、ソナーECU20は、第1温度センサ15から検出温度に係る情報を取得する。
ステップS42において、ソナーECU20は、第2温度センサ30から検出温度に係る情報を取得する。
ステップS43において、ソナーECU20は、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差が第1閾値温度未満か否かを判定する。そして、ソナーECU20は、当該差が第1閾値温度未満の場合(S43:YES)、ステップS45に処理を進め、当該差が第1閾値温度以上の場合(S43:NO)、ステップS44に処理を進める。
ステップS44において、ソナーECU20は、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差が第2閾値温度未満か否かを判定する。そして、ソナーECU20は、当該差が第2閾値温度未満の場合(S44:YES)、ステップS46に処理を進め、当該差が第2閾値温度以上の場合(S44:NO)、ステップS47に処理を進める。
ステップS45において、ソナーECU20は、温度補償量を抑制せずに、温度補償処理を実行する。この際、ソナーECU20は、例えば、補正用データテーブルを参照して第1温度センサ15の検出温度から決定された補正量を、そのまま超音波センサ10に設定する。
ステップS46において、ソナーECU20は、温度補償量を抑制して温度補償処理を実行する。この際、ソナーECU20は、例えば、補正用データテーブルを参照して第1温度センサ15の検出温度から決定された補正量を、半分の値に修正して、超音波センサ10に設定する。
ステップS47において、ソナーECU20は、温度補償処理を実行しないものとして決定する。この際、ソナーECU20は、例えば、超音波センサ10における誤検出を防止するため、超音波センサ10を未稼働状態とする。
本実施形態に係るソナーECU20は、例えば、車両Cが走行している際、このフローチャートの動作を所定の時間間隔(例えば、1s間隔)で繰り返し実行する。なお、このフローチャートでは補正量設定の処理を補正量算出の処理と同時に行っているが、補正量算出の処理と補正量設定の処理は分離して独立に行うことが出来るので、例えば、第1の実施形態で説明した補正量設定の実行タイミングに適合させるため、車速の条件を満足するタイミングで補正量設定を実行してもよい。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るソナーECU20は、第1温度センサ15の検出温度と第2温度センサ30の検出温度との差が第1閾値以上であるか否かを判定し、当該差が第1閾値以上である場合、当該差が第1閾値未満の場合よりも、物体判定閾値の基準値(例えば、平温時の値)に対する温度補償量が小さくなるように、超音波センサ10に対して設定する物体判定閾値に係る補正量を決定する。
これによって、車両Cの周囲の外気温度の変化に対する温度補償の即応性を確保しながら、外気温度以外の外乱要因(例えば、超音波センサ10に付着した氷雪)に起因して、物体判定閾値が異常値に補正されることを抑制することができる。
(第6の実施形態)
以下、図13及び図14を参照して、第6の実施形態に係るソナーECU20の構成について説明する。本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、車両Cに設けられた複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれに内蔵された温度センサ15A~15Hが検出した検出温度のうち、温度補償処理時に参照する検出温度を、状況によって切り替える点に、特徴を有する。
車両Cの走行環境は、様々であり、車両Cの走行路には、地下駐車場やトンネルも存在する。このような地下駐車場やトンネルは、屋外の走行路に対して、車両Cの周囲の外気温度に温度差が存在する場合が多く(特に夏場は、屋外に比べて温度が低い)、車両Cを走行している際に、当該車両Cの周囲の外気温度が急変することがある。このような場合、超音波センサ10に設定する物体判定閾値の補正が遅れ、障害物の誤検出や障害物の検出不能状態が発生するおそれがある。本実施形態に係る補正量算出部20bは、かかる事態の発生を抑制する。
図13は、本実施形態に係るソナーECU20の動作を説明する図である。
本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、通常状態においては(本実施形態では、車両Cの周囲の外気温度が急変していない場合を意味する)、温度センサ15A~15Hすべての検出温度を参照して、物体判定閾値の補正量を決定する。この際、補正量算出部20bは、例えば、温度センサ15A~15Hが検出した検出温度の平均値、又は温度センサ15A~15Hが検出した検出温度のうち2番目に低い検出温度(後述する第7の実施形態を参照)を用いて、物体判定閾値の補正量を決定する。尚、複数の超音波センサ10A~10Hには、典型的には、同一の物体判定閾値の補正量が設定される。
但し、本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、所定の条件下においては、複数の超音波センサ10A~10Hのうち、車両Cの進行方向側に配された超音波センサ10に内蔵された温度センサ15が検出する検出温度のみに基づいて、物体判定閾値の補正量を決定する。
ここで、「所定の条件下」とは、典型的には、車両Cが走行中に、車両Cの周囲の外気温度が急変したと推定される場合、又は、車両Cの周囲の外気温度が急変するおそれがある場合である。具体的には、ソナーECU20は、例えば、複数の超音波センサ10A~10Hのうち車両Cの進行方向側に配された超音波センサ10(例えば、10A~10D)に内蔵された温度センサ15(例えば、15A~15D)が示す検出温度と、複数の超音波センサ10A~10Hのうち車両Cの進行方向と反対方向側に配された超音波センサ10(例えば、10E~10H)に内蔵された温度センサ15(例えば、15E~15H)が示す検出温度との温度の差が、第3閾値温度(例えば、5℃)以上である時には、「所定の条件下」に該当すると判定する。なお、進行方向は車両の前面に限らず、車両が後退する時は車両の後面が進行方向に当たる。つまり、車両が後退する時は、車両Cの進行方向側に配された超音波センサ10は10E~10H、車両Cの進行方向と反対方向側に配された超音波センサ10は10A~10Dとなる。車両Cの進行方向の情報は、車載ネットワーク100を経由して取得することが出来る。
そして、本実施形態に係るソナーECU20は、「所定の条件下」に該当すると判定した場合には、車両Cの進行方向側に配された超音波センサ10(例えば、10A~10D)に内蔵された温度センサ15(例えば、15A~15D)の検出温度のみを用いて、物体判定閾値の補正量を決定する。尚、この場合、ソナーECU20は、例えば、車両Cの進行方向側に配された超音波センサ10(例えば、10A~10D)の温度センサ15(例えば、15A~15D)の検出温度の平均値、又は、当該温度センサ15(例えば、15A~15D)が検出した検出温度のうち2番目に低い検出温度を用いて、物体判定閾値の補正量を決定する。
本実施形態に係るソナーECU20においてかかる処理を実行するのは、車両Cが走行中に、屋外と温度差があるトンネルや地下駐車場に進入した場合には、車両Cの進行方向側に配された超音波センサ10に内蔵された温度センサ15の検出温度が、車両Cの進行方向と反対方向側に配された超音波センサ10に内蔵された温度センサ15の検出温度よりも早いタイミングで、車両Cの周囲の実際の外気温度に収束するためである。この理由としては、車両Cの進行方向側の側面には、車両Cの走行に伴って車両Cの進入領域の空気が直接当たる一方で、車両Cの進行方向と反対側の側面付近には、渦流が形成され、車両Cがトンネル等に進入する前の屋外の空気が一部滞留した状態となっているためである。また、貨物車が積込みのために冷蔵施設、例えば液化天然ガスの貯蔵所や冷凍倉庫に車体後部を向けて、バックで進入したり接近したりする場合には、車両Cの後面に冷気が直接当たる一方で、車両Cの前面には冷えていない空気が一部滞留した状態となる。
尚、本実施形態に係るソナーECU20は、車両Cが地下駐車場に進入する状態を検出するため、例えば、車両ECU40から、車両Cに搭載された勾配センサ(図示せず)が示す走行路の勾配情報、又は、車両Cに搭載されたGPS受信機(図示せず)が示す車両Cの位置と標高の情報、または、トンネルや冷蔵施設の位置に係る情報を取得して、これらの情報に基づいて、上記した「所定の条件下」に該当するか否かを判定してもよい。この場合、補正量算出部20bは、例えば、これらの情報に基づいて、車両Cが走行している走行路の路面の勾配が閾値角度以上であるか、又は、車両Cが走行している走行路の高度が所定距離内または所定時間内で閾値高度以上の変化している場合には、上記した「所定の条件下」に該当すると判定してもよいし、車両Cが冷蔵施設の位置に近い事をもって「所定の条件下」に該当すると判定してもよい。
図14は、本実施形態に係るソナーECU20の動作を示すフローチャートである。尚、ここでは、車両Cが前進中の動作を示している。
ステップS51において、ソナーECU20は、車両Cに搭載された全ての超音波センサ10A~10Hそれぞれから、温度センサ15A~15Hの検出温度に係る情報を取得する。
ステップS52において、ソナーECU20は、進行方向側の超音波センサ10A~10Dの温度センサ15A~15Dの検出温度と、進行方向と反対方向側の超音波センサ10E~10Hの温度センサ15E~15Hの検出温度の差が第3閾値温度以上か否かを判定する。そして、当該差が第3閾値温度未満の場合(S52:NO)、ステップS53に処理を進め、当該差が第3閾値温度以上の場合(S52:YES)、ステップS54に処理を進める。
ステップS53において、ソナーECU20は、全ての超音波センサ10A~10Hの温度センサ15A~15Hの検出温度の平均値を用いて、物体判定閾値の補正量を決定し、当該補正量を超音波センサ10A~10Hに対して設定する。
ステップS54において、ソナーECU20は、進行方向側の超音波センサ10A~10Dの温度センサ15A~15Dの検出温度の平均値を用いて、物体判定閾値の補正量を決定し、当該補正量を超音波センサ10A~10Hに対して設定する。なお、車両Cが後退中の場合は、進行方向側の超音波センサ15E~15Hの温度センサ15E~15Hの検出温度の平均値を用いて、物体判定閾値の補正量を決定する。車両Cの進行方向は車載ネットワーク100を経由して取得する。
本実施形態に係るソナーECU20は、例えば、車両Cが走行している際、このフローチャートの動作を所定の時間間隔(例えば、1s間隔)で繰り返し実行する。なお、このフローチャートでは補正量設定の処理を補正量算出の処理と同時に行っているが、補正量算出の処理と補正量設定の処理は分離して独立に行うことが出来るので、例えば、第1の実施形態で説明した補正量設定の実行タイミングに適合させるため、車速の条件を満足するタイミングで補正量設定を実行してもよい。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るソナーECU20は、所定の条件下においては、複数の音波センサ10A~10Hそれぞれに内蔵された温度センサ15A~15Hのうち、車両Cの進行方向側に配された超音波センサ10に内蔵された温度センサ15を選択的に用いて、当該温度センサ15が検出した検出温度に基づいて、物体判定閾値の補正量を決定する。
これによって、車両Cが屋外と気温差のある地下駐車場やトンネルに出入りした際にも、早期に、その外気温度に対応するように、物体判定閾値に係る温度補償処理を実行することができる。
(第7の実施形態)
以下、図15及び図16を参照して、第7の実施形態に係るソナーECU20の構成について説明する。本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15A~15Hが検出した検出温度のうち、低い方から2番目の検出温度を選択して、当該低い方から2番目の検出温度に基づいて、物体判定閾値の補正量を決定する点に、特徴を有する。
車両Cの走行環境は、様々であり、車両Cの外部に露出した状態で配設されている超音波センサ10に内蔵された温度センサ15には、走行中の路面からの水撥ねに起因して水滴が付着したり、走行中の降雪に起因して氷雪が付着したりする場合がある。又、車両Cの運転状態によっては、当該温度センサ15は、車両Cに搭載された熱源(例えば、エンジンやマフラー)からの熱的影響を受ける場合もある。このような場合、物体判定閾値が不正な値に補正され、超音波センサ10において、障害物の誤検出や障害物の検出不能状態を引き起こすおそれがある。本実施形態に係る補正量算出部20bは、かかる事態の発生を抑制する。
図15は、車両Cに搭載された複数の超音波センサ10それぞれの温度センサ15の検出温度の挙動の例を示す図である。例えば、車両Cに雪やみぞれが当たる場合、個々の超音波センサ10に雪やみぞれが当たって付着する事もあれば、外れる事や当たっても付着しない事もあり、当たる/当たらないはランダムである。図15Aは、車両Cに搭載された複数の超音波センサ10のうち、4個の超音波センサ10の温度センサ15の検出温度の挙動を示している。又、図15Bは、図15Aに示す4個の温度センサ15の検出温度のうち、各タイミングで、1番低い検出温度(太線)及び2番目に低い検出温度(点線)を選択して線で結んだグラフを示している。
超音波センサ10に内蔵された温度センサ15の検出温度は、上記したように、外的要因(付着した氷雪や、又は車両Cに搭載された熱源)に依拠して、実際の外気温度とは異なる値を示す場合がある。例えば、付着した氷雪の影響を受ける場合、超音波センサ10に雪やみぞれが当たって付着すると、図15Aに示すように、超音波センサ10に内蔵された温度センサ15の検出温度は氷温まで急低下するが、雪やみぞれが溶け落ちたり外れたりすると、検出温度は徐々に上がって外気温に向かって収束する。
車両Cに搭載された熱源の影響を受ける場合、車両Cに搭載された複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれが有する温度センサ15A~15Hが検出した温度のうち、最も低い温度は、車両Cに搭載された熱源(例えば、エンジンやマフラー)からの熱的影響が最も小さく、外気温度に最も近いと言えるが、付着した氷雪の影響を受ける場合は、外気温度から最も遠い、最も不適切な温度と言える。一般にランダム的に変化する事象を想定すると、複数の温度センサ15が検出した温度のうち、一番低い温度の時間変化は、過渡的に急変する過程の寄せ集めとなる場合が多いのに対し、2番目に低い温度は定常状態に収束する過程の寄せ集めとなるため、一番低い温度よりも挙動が安定する(図15Bを参照)。また、車両Cに搭載された熱源(例えば、エンジンやマフラー)からの熱的影響を想定した場合には、ソナーが各々離れた位置に配置されていて熱的影響を受ける温度センサ15の数が限られる事から、2番目に低い温度を選択しても、一番低い温度を選択した場合と大差がないと期待できる。
本実施形態に係るソナーECU20(補正量算出部20b)は、かかる観点から、車両Cに搭載された複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15A~15Hの検出温度のうち、低い方から2番目の検出温度を選択して、当該検出温度から、物体判定閾値の補正量を決定する。
尚、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15A~15Hのうち、低い方から2番目の検出温度を示す温度センサ15は、図15Bに示すように、時間的に変化する。そのため、物体判定閾値の補正量を決定する際には、補正量算出部20bは、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15A~15Hの検出温度を取得した後、低い方から2番目の検出温度を参照温度として物体判定閾値の補正量を決定する。
図16は、本実施形態に係るソナーECU20の動作を示すフローチャートである。
ステップS61において、ソナーECU20は、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15A~15Hから、検出温度に係る情報を取得する。
ステップS62において、ソナーECU20は、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15A~15Hの検出温度のうちから、2番目に低い温度を選択する。
ステップS63において、ソナーECU20は、選択した温度を用いて、温度補償処理を実行する。
本実施形態に係るソナーECU20は、例えば、車両Cが走行している際、このフローチャートの動作を所定の時間間隔(例えば、1s間隔)で繰り返し実行する。なお、このフローチャートでは補正量設定の処理を補正量算出の処理と同時に行っているが、補正量算出の処理と補正量設定の処理は分離して独立に行うことが出来るので、例えば、第1の実施形態で説明した補正量設定の実行タイミングに適合させるため、車速の条件を満足するタイミングで補正量設定を実行してもよい。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るソナーECU20は、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度センサ15A~15Hが検出した検出温度のうち、低い方から2番目の検出温度を選択して、当該低い方から2番目の検出温度に基づいて、物体判定閾値の補正量を決定する。
これによって、より実際の外気温度に近い温度を基準として、物体判定閾値に係る温度補償処理を実行することができるため、障害物の検出精度を向上させることが可能である。
尚、上記実施形態では、ソナーECU20が、車両Cに搭載された全ての超音波センサ10A~10Hの温度センサ15A~15Hの検出温度のうちから、低い方から2番目の検出温度を選択する態様を示した。しかしながら、予め、車両Cに搭載された全ての超音波センサ10A~10Hの温度センサ15~15Hのうち、温度検出の精度が高いものを特定できる場合には、ソナーECU20は、超音波センサ10A~10Hの温度センサ15A~15Hのうちから参照対象の温度センサ15を絞り込んでもよい。
例えば、車両Cが走行中に、車両Cの周囲の外気温度が急変したと推定される場合には、補正量算出部20bは、車両Cに搭載された超音波センサ10A~10Hのうち、車両Cの進行方向側に配設された超音波センサ10の温度センサ15の検出温度のみを参照して、それらのうち、低い方から2番目の検出温度を参照温度として物体判定閾値の補正量を決定してもよい。
他方、動作時の発熱量の大きい超音波センサ10が用いられている場合には、ソナーECU20は、車両Cの進行方向とは反対側に配設された超音波センサ10の温度センサ15の検出温度のみを参照して、それらのうち、低い方から2番目の検出温度を参照温度として物体判定閾値の補正量を決定してもよい。これは、通常、車両Cが走行している際、車両Cの進行方向とは反対側に配設された超音波センサ10は、非動作状態となるためである。
(第8の実施形態)
以下、図17及び図18を参照して、第8の実施形態に係るソナーECU20の構成について説明する。本実施形態では、上記各実施形態の温度補償方法を組み合わせた温度補償方法の一例を示す。
図17は、本実施形態に係るソナーECU20が、車両Cがキーオンされた際(即ち、車両Cが起動した際)に開始する動作を示すフローチャートである。
ステップS101において、ソナーECU20は、まず、システムの初期化を行う。
ステップS102において、ソナーECU20は、車両Cに搭載された超音波センサ10A~10Hに内蔵された温度センサ15A~15Hから、外気温度に係る温度情報を取得する。
ステップS103において、ソナーECU20は、ステップS102で検出された検出温度(例えば、平均値)と、前回検出されてRAM等に格納された検出温度との差が所定値(例えば、5℃)よりも大きいか否かを判定する。ソナーECU20は、当該差が所定値よりも大きい場合(S103:YES)、ステップS104に処理を進め、当該差が所定値以下の場合(S103:NO)、一連のフローチャートの処理を終了する。尚、この処理は、現在の外気温度が、前回検出された検出温度と略同一の場合、温度補償の処理を省略するため設けられている。
ステップS104において、ソナーECU20は、走行時間に係る条件を規定する基準時間Th1を算出する。この基準時間Th1は、第1の実施形態で説明した車両Cが第1基準速度よりも大きい車速で走行した時間を判定するための基準時間である。この際、ソナーECU20は、例えば、第3の実施形態で説明したように、温度センサ15の検出温度の推移に基づいて、温度センサ15の検出温度が実際温度付近に収束するまでの時間を特定し、当該時間を、基準時間Th1と設定する。
ステップS105において、ソナーECU20は、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速で走行した後、第1基準速度まで減速したか否かを判定する。そして、ソナーECU20は、当該走行条件を充足する場合(S105:YES)、ステップS106に処理を進め、当該走行条件を充足しない場合(S105:NO)、ステップS104に戻って、再度、同様の処理を行う。尚、この処理は、第1の実施形態で説明した温度補償を実行するタイミングを決定するための処理に相当する。
ステップS106において、ソナーECU20は、車両Cが第1基準速度以上まで加速した後、第1基準速度まで減速するまでの間に走行した走行時間がステップS104で算出された基準時間Th1よりも大きいか否かを判定する。そして、当該走行時間がステップS104で算出された基準時間Th1よりも大きい場合(S106:YES)、ステップS107に処理を進め、当該走行時間がステップS104で算出した基準時間Th1以下の場合(S106:NO)、ステップS104に戻って、再度、同様の処理を行う。
ステップS107において、ソナーECU20は、各超音波センサ10A~10Hに内蔵された温度センサ15A~15Hから、検出温度に係る温度情報を取得して、これらに基づいて、参照温度を算出する。尚、この際、ソナーECU20は、例えば、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれに内蔵された温度センサ15A~15Hの検出温度の平均値を、参照温度と特定する。
ステップS108において、ソナーECU20は、ステップS107で算出された参照温度を用いて、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度補償処理を実行する。尚、ソナーECU20は、この温度補償処理を実行した後、図18のフローチャートの動作に移行する。
以上のような処理によって、車両Cが発進した際に、無用に温度補償処理を繰り返すことなく、適切なタイミングで、超音波センサ10の温度補償処理を実行することができる。
図18は、本実施形態に係るソナーECU20が、車両Cが走行している際に実行する動作を示すフローチャートである。
ステップS111において、ソナーECU20は、車両Cに搭載された超音波センサ10A~10Hに内蔵された温度センサ15A~15Hから、外気温度に係る温度情報を取得する。
ステップS112において、ソナーECU20は、車両Cが第1基準速度よりも大きい車速で走行した後、第1基準速度まで減速したか否かを判定する。そして、ソナーECU20は、当該走行条件を充足する場合(S112:YES)、ステップS113に処理を進め、当該走行条件を充足しない場合(S112:NO)、ステップS111に戻って、再度、同様の処理を行う。
ステップS113において、ソナーECU20は、ステップS111で検出された検出温度と、前回検出されてRAM等に格納された検出温度の差が所定値(例えば、5℃)よりも大きいか否かを判定する。ソナーECU20は、当該差が所定値よりも大きい場合(S113:YES)、ステップS114に処理を進め、当該差が所定値以下の場合(S113:NO)、ステップS111に戻って、再度、同様の処理を行う。
ステップS114において、ソナーECU20は、車両Cに搭載された複数の超音波センサ10A~10Hの温度センサ15A~15Hのうち、進行方向に配設された超音波センサ10の温度センサ15の検出温度と、進行方向と反対方向に配設された超音波センサ10の温度センサ15の検出温度と、の差を算出し、当該差が第3閾値温度(例えば、5℃)よりも大きいか否かを判定する。そして、当該差が第3閾値温度よりも大きい場合(S114:YES)、ステップS115に処理を進め、当該差が第3閾値温度以下の場合(S114:NO)、ステップS117に処理を進める。尚、この処理は、第6の実施形態に説明したように、車両Cが走行中に、車両Cの周囲の外気温度が急変した状況に対応するための判定処理である。
ステップS115において、ソナーECU20は、車両Cが走行している走行路の勾配が閾値角度よりも大きいか否かを判定する。そして、当該勾配が閾値角度よりも大きい場合(S115:YES)、ステップS116に処理を進め、当該勾配が閾値角度以下の場合(S115:NO)、ステップS117に処理を進める。尚、この処理は、第6の実施形態に説明したように、車両Cが走行中に、車両Cの周囲の外気温度が急変した状況に対応するための判定処理である。
ステップS116において、ソナーECU20は、車両Cに搭載された複数の超音波センサ10A~10Hのうち、進行方向に配設された超音波センサ10A~10Dの温度センサ15A~15Dのみを選択して、当該温度センサ15A~15Dの検出温度から参照温度を算出する。尚、この際、ソナーECU20は、例えば、進行方向に配設された超音波センサ10A~10Dの温度センサ15A~15Dの検出温度の平均値により、参照温度を算出する。
ステップS117において、ソナーECU20は、車両Cに搭載された複数の超音波センサ10A~10Hの全ての超音波センサ10の温度センサ15A~15Hの検出温度から参照温度を特定する。尚、この際、ソナーECU20は、例えば、すべての超音波センサ10A~10Hの温度センサ15A~15Hの検出温度の平均値により、参照温度を算出する。
ステップS118において、ソナーECU20は、ステップS116又はステップS117で特定された参照温度を用いて、複数の超音波センサ10A~10Hそれぞれの温度補償処理を実行する。
図18のフローチャートの処理は、例えば、車両Cが走行している際、所定の時間間隔(例えば、1s間隔)で繰り返し実行される。なお、このフローチャートでは補正量設定の処理を補正量算出の処理と同時に行っているが、補正量算出の処理と補正量設定の処理は分離して独立に行うことが出来るので、例えば、第1の実施形態で説明した補正量設定の実行タイミングに適合させるため、車速の条件を満足するタイミングで補正量設定を実行してもよい。
以上のような処理によって、気温が急変する状況でも、適切に物体判定閾値の温度補償を実行することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上記各実施形態では、ソナーECU20による温度補償の処理の一例を種々に示した。但し、各実施形態で示したソナーECU20による温度補償の態様は、独立して実施されてもよいし、種々に組み合わされて実施されてもよい。
又、上記各実施形態では、補正量設定部20cの一例として、物体判定閾値を補正する態様を示したが、温度補償する対象は、受信回路13の反射波に対する感度(即ち、ゲイン)であってもよい。この場合、補正量設定部20cは、物体判定閾値を補正する場合とは反対に、外気温度が高温であるほど、感度が大きくなるように補正量を設定し、外気温度が低温であるほど、感度が小さくなるように補正量を設定すればよい。
又、上記実施形態では、ソナーECU20の各機能を、CPUによる処理によって実現する態様を示したが、ソナーECU20の各機能の一部又は全部は、CPUによる処理に代えて、又は、これと共に、DSP(Digital Signal Processor)や、専用のハードウェア回路(例えば、ASIC又はFPGA)による処理によって実現されてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る補正量設定装置によれば、より好適な温度補償処理を実現することが可能である。
C 車両
1 超音波式物体検出装置
10A~10H 超音波センサ
11 送受信部
12 駆動回路
13 受信回路
14 コントローラ
14a 送受信制御部
14b 通信部
14c 波形メモリ
14d 閾値メモリ
14e 判定部
15A~15H 温度センサ(第1温度センサ)
20 ソナーECU
20a センサ動作指令部
20b 補正量算出部
20c 補正量設定部
30 第2温度センサ
100 車載ネットワーク

Claims (19)

  1. 車両に搭載され、音波を送受信することによって障害物を検出する音波センサに対して、反射波に対する感度又は障害物の有無を判定するための閾値に係る補正量を設定する補正量設定装置であって、
    前記車両の周囲の外気温度を検出する温度センサから、検出温度に係る情報を取得し、前記検出温度に基づいて前記補正量を決定する補正量算出部と、
    前記補正量を前記音波センサに対して設定する補正量設定部と、を備え、
    前記補正量設定部は、前記車両が走行を開始した際に、前記車両が第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、前記第1基準速度まで減速した第1タイミングで、前記補正量を前記音波センサに対して設定
    前記補正量算出部は、前記温度センサの前記検出温度の推移に基づいて、外気温度の推定値を求め、前記外気温度の推定値に基づいて、前記補正量を決定する、
    補正量設定装置。
  2. 前記音波センサは、前記補正量が設定された後、前記車両の車速が第2基準速度以下である場合に障害物を検出する動作を実行し、
    前記第1基準速度は、前記第2基準速度よりも大きい、
    請求項1に記載の補正量設定装置。
  3. 前記第1基準速度は、20~25km/hであり、
    前記第2基準速度は、12~18km/hである、
    請求項2に記載の補正量設定装置。
  4. 前記補正量設定部は、前記第1タイミングで、前記車両が前記第1基準速度よりも大きい車速で走行した走行時間が基準時間以上か否かを判定し、
    当該走行時間が前記基準時間以上の場合、前記補正量を前記音波センサに設定する処理を実行し、
    当該走行時間が前記基準時間未満の場合、前記補正量を前記音波センサに設定する処理を実行しない、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の補正量設定装置。
  5. 前記補正量設定部は、前記温度センサの前記検出温度の推移に基づいて、前記基準時間の時間幅を決定する、
    請求項4に記載の補正量設定装置。
  6. 前記補正量算出部は、前記第1タイミングが到来したときに、前記温度センサの前記検出温度の推移に基づいて、外気温度の推定値を求め、前記外気温度の推定値に基づいて、前記補正量を決定する、
    請求項に記載の補正量設定装置。
  7. 前記補正量算出部が前記補正量を決定するタイミングと、前記補正量設定部が前記補正量を前記音波センサに対して設定するタイミングとは、同一のタイミングである、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の補正量設定装置。
  8. 前記補正量設定部は、前記車両が走行を開始してから、前記車両が前記第1基準速度よりも大きい車速で走行している走行時間を積算し、当該走行時間の積算値が閾値時間以上となった後、前記車両が前記第1基準速度まで減速したタイミングを、前記第1タイミングとする、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の補正量設定装置。
  9. 前記温度センサは、前記音波センサに内蔵され、前記音波センサの周囲の外気温度を検出する第1温度センサと、前記音波センサとは異なる場所に外気と接して設けられた、前記車両の周囲の外気温度を検出する第2温度センサと、を含み、
    前記補正量算出部は、前記第1 温度センサの前記検出温度と、前記第2温度センサの前記検出温度と、に基づいて、前記補正量を決定し、
    前記補正量算出部は、前記第1温度センサの前記検出温度と前記第2温度センサの前記検出温度との差が第1閾値温度以上であるか否かを判定し、当該差が前記第1閾値温度以上である場合、当該差が前記第1 閾値温度未満の場合よりも、前記感度又は前記閾値の基準値に対する温度補償量が抑制されるように、前記補正量を決定する、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の補正量設定装置。
  10. 前記補正量設定部は、前記第1温度センサの前記検出温度と前記第2温度センサの前記検出温度との差が、前記第1閾値温度よりも大きい第2閾値温度以上であるか否かを判定し、当該差が前記第2閾値温度以上である場合、前記補正量を前記音波センサに設定する処理を実行しない、
    請求項に記載の補正量設定装置。
  11. 前記車両は、前記温度センサを内蔵する前記音波センサを複数搭載し、
    前記補正量算出部は、複数の前記音波センサそれぞれに設けられた前記温度センサから、前記検出温度に係る情報を取得し、所定の条件下においては、複数の前記音波センサそれぞれに設けられた前記温度センサのうち、前記車両の進行方向側に配された前記温度センサの前記検出温度を選択的に用いて、前記補正量を決定し、
    前記補正量設定部は、前記複数の音波センサに対して共通の前記補正量を設定する、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の補正量設定装置。
  12. 前記所定の条件は、前記車両が走行中の時である、
    請求項11に記載の補正量設定装置。
  13. 前記所定の条件は、複数の前記音波センサそれぞれに設けられた前記温度センサのうち、前記車両の進行方向側に配された前記温度センサの前記検出温度と、複数の前記音波センサそれぞれに設けられた前記温度センサのうち、前記車両の進行方向と反対方向側に配された前記温度センサの前記検出温度との差が、閾値温度以上である時である、
    請求項12に記載の補正量設定装置。
  14. 前記所定の条件は、前記車両が走行している走行路の路面に閾値角度以上の勾配がある時、又は、前記車両が走行している走行路の高度が所定距離または所定時間内で閾値高度以上変化している時、又は、前記車両が走行している場所が、冷蔵施設の付近である時、である、
    請求項12又は13に記載の補正量設定装置。
  15. 前記車両は、前記温度センサを内蔵する前記音波センサを複数搭載し、
    前記補正量算出部は、複数の前記音波センサそれぞれに設けられた前記温度センサから、前記検出温度に係る情報を取得し、複数の前記音波センサそれぞれに設けられた前記温度センサの前記検出温度のうち、低い方から2番目の前記検出温度を選択的に用いて、前記補正量を決定し、
    前記補正量設定部は、前記複数の音波センサに対して共通の前記補正量を設定する、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載の補正量設定装置。
  16. 前記補正量算出部は、前記車両に搭載されたすべての前記音波センサのうち、前記車両の進行方向側に配設された複数の前記音波センサそれぞれに設けられた前記温度センサの前記検出温度を選択的に用いて、前記補正量を決定する、
    請求項15に記載の補正量設定装置。
  17. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の補正量設定装置を有する超音波式物体検出装置。
  18. 車両に搭載され、音波を送受信することによって障害物を検出する音波センサに対して、反射波に対する感度又は障害物の有無を判定するための閾値に係る補正量を設定する、補正量設定装置によって実行される補正量設定方法であって、
    前記車両の周囲の外気温度を検出する温度センサから、検出温度に係る情報を取得し、前記温度センサにより検出された検出温度に基づいて前記補正量を決定する第1処理と、前記補正量を前記音波センサに対して設定する第2処理と、を備え、
    前記第2処理では、前記車両が走行を開始した際に、前記車両が第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、前記第1基準速度まで減速したタイミングで、前記補正量を決定して、当該補正量を前記音波センサに対して設定
    前記第1処理において、前記温度センサの前記検出温度の推移に基づいて、外気温度の推定値を求め、前記外気温度の推定値に基づいて、前記補正量を決定する、
    補正量設定方法。
  19. 車両に搭載され、音波を送受信することによって障害物を検出する音波センサに対して、反射波に対する感度又は障害物の有無を判定するための閾値に係る補正量を設定する、コンピュータに実現させる補正量設定プログラムであって、
    前記車両の周囲の外気温度を検出する温度センサから、検出温度に係る情報を取得し、前記温度センサにより検出された検出温度に基づいて前記補正量を決定する第1処理と、
    前記補正量を前記音波センサに対して設定する第2処理と、を備え、
    前記第2処理では、前記車両が走行を開始した際に、前記車両が第1基準速度よりも大きい車速まで加速した後、前記第1基準速度まで減速したタイミングで、前記補正量を決定して、当該補正量を前記音波センサに対して設定
    前記第1処理において、前記温度センサの前記検出温度の推移に基づいて、外気温度の推定値を求め、前記外気温度の推定値に基づいて、前記補正量を決定する、
    補正量設定プログラム。
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