JP7253176B1 - 構造部材設計方法、構造部材設計プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本開示の実施形態1に係る構造部材設計プログラム12を実行するコンピュータ1の構成図である。構造部材設計プログラム12は、建築物のパネルゾーンに対して接続された構造部材(例:柱、梁)が有する主筋部材の接続関係を設計することにより、その建築物の構造を設計する処理を実装したプログラムである。コンピュータ1は、プロセッサ11と記憶部13を備える。プロセッサ11は構造部材設計プログラム12を実行する。以下では記載の便宜上、構造部材設計プログラム12を各処理ステップの動作主体として説明する場合があるが、構造部材設計プログラム12を実際に実行するのはプロセッサ11であることを付言しておく。
パネルゾーン抽出部121は、建築物の設計データを記憶部13から読み取る。設計データは、建築物を構成する柱と梁、柱と梁に対して接続されたパネルゾーン、などの構造を記述したデータである。パネルゾーン抽出部121は、設計データからパネルゾーンの箇所を抽出し、そのリストを保持する。パネルゾーンの箇所は、設計データ上において柱と梁が互いに接続されている箇所を探索することにより、抽出することができる。本ステップの1例は後述する。
本ステップは、例えばユーザが構造部材設計プログラム12上のメニューから本ステップを実施するように構造部材設計プログラム12に対して指示し、さらに設計データのファイルパスなどを指定することによって、開始することができる。設計データは例えば建築物のCADデータである。以下のステップも同様に、各ステップを実施するように指示するメニューをユーザが選択することによって、開始することができる。
構造部材抽出部122は、S201において抽出したパネルゾーンに対して接続されている構造部材(柱または梁)を抽出する。説明の便宜上、本実施形態1においては柱を抽出することとする。
主筋セット部123は、後述する主筋部材設定画面を、ユーザ端末2が備えるディスプレイ上に表示する。ユーザは主筋部材設定画面上で構造部材(本実施形態1においては柱)を選択し、その構造部材の内部に配置する主筋部材(鉄筋)の本数と位置を、主筋部材設定画面上でセットする。本ステップの詳細は、主筋部材設定画面の具体例と併せて後述する。主筋部材の本数と配置が既にセットされている構造部材については、本ステップを省略してもよい。
ペアリング部124は、パネルゾーンの断面上において対向して配置されている構造部材のうち、主筋部材の本数と配置が同じものを全て抽出する。ペアリング部124は、抽出した構造部材をペアリングする。ここでいうペアリングとは、ペアリングされた構造部材の内部の主筋部材が実際の建築物において互いに接続される旨を、構造部材設計プログラム12内部において指定することである。ペアリング部124は、ペアリングの結果を記憶部13へ格納する。パネルゾーンの断面上において、主筋部材の本数と配置が同じではない構造部材は、ペアリングの対象外となる。
接続関係セット部125は、S204の結果にしたがって、ペアリングされた構造部材を互いに接続する。接続関係セット部125は、その接続関係を記述したデータを、記憶部13へ格納する。
接続関係セット部125は、後述するマニュアル接続設定画面を、ユーザ端末2が備えるディスプレイ上に表示する。ユーザはマニュアル接続設定画面上において、S205のなかでペアリングされなかった構造部材の内部の主筋部材を、マニュアル作業によって接続する。接続関係セット部125は、その接続関係を記述したデータを、記憶部13へ格納する。本ステップの詳細は、マニュアル接続設定画面の具体例と併せて後述する。
自動配筋部126は、以上のステップによってセットされた主筋部材の接続関係にしたがって、主筋部材を実際に配置したと仮定し、パネルゾーン内部も含めた主筋部材の配置関係を計算する。このとき、主筋部材が衝突するか否かを併せて計算する。衝突の例などについては後述する。
自動配筋部126は、設計データから、主筋部材のサイズ、材料、強度、などの特性を記述した主筋特性データを記憶部13から読み取る。自動配筋部126は、以上のステップにおいて互いに接続した主筋部材間の接続関係および主筋部材のサイズなどの特性にしたがって、主筋部材の3次元モデルを作成する。自動配筋部126は、作成した3次元モデルを、ユーザ端末2のディスプレイ上で表示する。3次元モデルを提示する意義については、その例と併せて後述する。
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、建築物の構造を記述した設計データ(例えばCADデータ)からパネルゾーンを抽出し、パネルゾーンに対して接続されている構造部材の内部の主筋部材の本数および配置をセットし、主筋部材の本数および配置が同じ構造部材同士をペアリングしてそれらの主筋部材を接続する。パネルゾーンを起点としてそのパネルゾーンに対して接続されている構造部材を特定することにより、パネルゾーン内における主筋部材の接続関係を適切にセットすることができる。また主筋部材の配置と本数が同一である構造部材については自動ペアリングすることもできるので、主筋部材の設計作業を効率的に進めることができる。
実施形態1においては、パネルゾーンを挟んで対向配置されている2つの構造部材内部の主筋部材が互いに同じ本数および配置であれば、これらの構造部材を自動的にペアリングすることを説明した。自動ペアリングされなかった構造部材については、マニュアル接続設定画面を用いて、主筋部材を接続することができる。本開示の実施形態2では、ペアリングされていない構造部材と隣接するパネルゾーンのリストを提示する構成例について説明する。その他は実施形態1と同様である。
(未ペアリングの理由その2)構造部材の内部に配置する主筋部材の本数や配置が全くセットされていない場合、その構造部材についてはペアリングすることができない。
(未ペアリングの理由その3)建築物のCADデータから構造部材および主筋部材の配置を取得したとき、その配置が正確でなかったり、あるいはデータ形式の違いなどに起因して配置ずれが生じたりする場合がある。これにより、一部の構造部材については、パネルゾーンとの間で間隙が生じるなど、パネルゾーンに対して近接配置されているものの接続はされてないなど、不規則な配置関係が発生する可能性がある。このような構造部材はパネルゾーンに対して接続されていないとみなされる可能性があり、これによりS204~S205における自動ペアリングの対象外となる。
実施形態1において、自動配筋部126は、指定された主筋部材配置にしたがって主筋部材を実際に配置したと仮定したとき、主筋部材が衝突するか否かを計算することを説明した。さらに、主筋部材が衝突する場合は、主筋部材を移動させることにより衝突を回避することを説明した。本開示の実施形態3では、主筋部材の優先度をあらかじめ指定しておくことにより、衝突回避の際に移動させる主筋部材の順序を設定する構成例について説明する。その他は実施形態1と同様である。
本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
12:構造部材設計プログラム
121:パネルゾーン抽出部
122:構造部材抽出部
123:主筋セット部
124:ペアリング部
125:接続関係セット部
126:自動配筋部
13:記憶部
2:ユーザ端末
Claims (15)
- 構造物のパネルゾーンに対して接続された構造部材が有する主筋部材の接続関係を設計する構造部材設計方法であって、
前記構造物の構造を記述した設計データから前記パネルゾーンの箇所を抽出するステップ、
前記抽出したパネルゾーンに対して接続されている前記構造部材を前記設計データから抽出するステップ、
前記抽出した前記構造部材の内部に組み込まれる主筋部材の本数および配置を前記抽出した前記構造部材ごとにセットするステップ、
前記抽出した前記構造部材のうち前記主筋部材の本数および配置が同じであるものをペアリングするステップ、
前記ペアリングした前記構造部材が有する前記主筋部材を互いに接続するように前記接続関係をセットするステップ、
を有し、
前記主筋部材の本数および配置をセットするステップは、前記主筋部材の本数および配置を前記構造部材ごとに指定する指定入力をユーザから受け取る主筋部材設定画面を提示するステップを有し、
前記構造部材設計方法はさらに、
前記接続関係をセットするステップにおいてセットした前記接続関係にしたがって前記主筋部材を配置したと仮定したとき、前記接続関係によって接続されない前記主筋部材が互いに衝突するか否かを計算するステップ、
前記接続関係によって接続されない前記主筋部材が衝突する場合はその衝突する前記主筋部材のうち少なくともいずれかの位置を移動させることにより衝突を回避するステップ、
を有し、
前記主筋部材設定画面は、前記構造部材の断面上において配置可能な前記主筋部材のうち前記衝突を回避するステップにおいて位置を移動させない固定主筋部材を指定する固定指定を受け取るように構成されており、
前記衝突を回避するステップにおいては、前記固定指定が指定する前記主筋部材以外の前記主筋部材の位置を移動させる
ことを特徴とする構造部材設計方法。 - 前記主筋部材の本数および配置をセットするステップは、
前記主筋部材設定画面において受け取った前記指定入力にしたがって前記主筋部材の本数および配置をセットするステップ、
を有する
ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。 - 前記主筋部材設定画面は、
前記構造部材の断面、
前記断面上において前記主筋部材を配置可能な候補位置、
を表示するように構成されており、
前記指定入力は、前記候補位置のうち前記主筋部材を配置するものを指定する入力である
ことを特徴とする請求項2記載の構造部材設計方法。 - 前記主筋部材設定画面は、前記断面上において配置可能な前記主筋部材のうち前記衝突を回避するステップにおいて連動して位置を移動させる2以上の連動主筋部材を指定する連動指定を受け取るように構成されており、
前記衝突を回避するステップにおいては、前記連動指定が指定する前記主筋部材の位置および移動量が互いに連動するように、前記主筋部材の位置を移動させる
ことを特徴とする請求項3記載の構造部材設計方法。 - 前記構造部材設計方法はさらに、前記構造部材を分割するように指定する分割指定を受け取ってその分割指定にしたがって前記構造部材を分割するステップを有し、
前記主筋部材設定画面は、前記分割した前記構造部材それぞれについて前記主筋部材の本数および配置を前記指定入力によって受け取るように構成されている
ことを特徴とする請求項2記載の構造部材設計方法。 - 前記主筋部材設定画面は、前記指定入力によってセットされる前記主筋部材の本数および配置を、前記構造部材の断面図と併せて、前記構造部材の側面図または透過図によって表示するように構成されている
ことを特徴とする請求項2記載の構造部材設計方法。 - 前記構造部材設計方法はさらに、
前記主筋部材のサイズを含む主筋部材特性データを取得するステップ、
前記接続関係をセットするステップにおいてセットした前記接続関係にしたがって前記主筋部材を配置したと仮定したとき前記主筋部材が互いに衝突するか否かを前記主筋部材特性データにしたがって計算するステップ、
前記仮定の下における前記主筋部材の3次元構造モデルを、前記主筋部材特性データにしたがって計算するステップ、
前記計算した3次元構造モデルを提示するステップ、
を有する
ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。 - 前記衝突を回避するステップにおいては、前記主筋部材を移動させた後における各前記主筋部材の配置間隔が最も均等に近づくように、前記主筋部材を移動させる
ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。 - 前記構造部材設計方法はさらに、
前記構造部材のうち前記ペアリングするステップにおいてペアリングされなかった未ペアリング構造部材を抽出するステップ、
前記未ペアリング構造部材のうち前記パネルゾーンを挟んで対向するものを表示するステップ、
前記対向する未ペアリング構造部材を選択する選択入力をユーザから受け取るステップ、
前記選択入力によって選択された2つの前記未ペアリング構造部材が有する前記主筋部材を接続するように前記接続関係を指定する指定入力を前記ユーザから受け取るステップ、
前記受け取った指定入力にしたがって前記未ペアリング構造部材の前記接続関係をセットするステップ、
を有する
ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。 - 前記構造部材設計方法はさらに、
前記ペアリングするステップにおいてペアリングされた前記構造部材のリストを表示するステップ、
前記ペアリングするステップにおいてペアリングされていない前記構造部材のリストを表示するステップ、
を有し、
前記ペアリングされた前記構造部材のリストを表示するステップにおいては、前記ペアリングされた前記構造部材に隣接して配置されている前記パネルゾーンを併せて表示し、
前記ペアリングされていない前記構造部材のリストを表示するステップにおいては、前記ペアリングされていない前記構造部材に隣接して配置されている前記パネルゾーンを併せて表示する
ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。 - 前記衝突するか否かを計算するステップにおいては、前記主筋部材のうちあらかじめ定められた優先度が高いものから順に前記主筋部材を仮配置するとともに、前記仮配置にしたがって前記主筋部材が互いに衝突するか否かを計算し、
前記衝突を回避するステップにおいては、前記優先度にしたがって仮配置し終えた前記主筋部材以外の前記主筋部材の位置を調整することにより、前記衝突を回避する
ことを特徴とする請求項10記載の構造部材設計方法。 - 前記構造部材設計方法はさらに、前記優先度を前記主筋部材ごとに提示する優先度画面を表示するステップを有し、
前記優先度画面は、前記主筋部材の前記優先度を変更する優先度指定を受け取るように構成されており、
前記衝突するか否かを計算するステップにおいては、前記優先度指定によって変更された前記優先度にしたがって前記仮配置を再計算することにより、前記主筋部材が互いに衝突するか否かを計算する
ことを特徴とする請求項11記載の構造部材設計方法。 - 前記構造部材は、前記構造物の高さ方向に沿って延伸する第1構造部材と、前記構造物の前記高さ方向に対して直交する平面方向に沿って延伸する第2構造部材とを含み、
前記第1構造部材の前記優先度は、前記第2構造部材の前記優先度よりも高くなるように、初期設定されている
ことを特徴とする請求項11記載の構造部材設計方法。 - 前記構造部材は、前記構造物の柱または前記構造物の梁である
ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。 - 請求項1から14のいずれか1項記載の構造部材設計方法をコンピュータに実行させることを特徴とする構造部材設計プログラム。
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