JP7253176B1 - 構造部材設計方法、構造部材設計プログラム - Google Patents

構造部材設計方法、構造部材設計プログラム Download PDF

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Abstract

本開示は、パネルゾーンに対して接続される構造部材の内部の主筋部材を効率的かつ構造的な矛盾なく配置することができる設計技術を提供することを目的とする。本開示に係る構造部材設計方法は、パネルゾーンに対して接続されている構造部材を構造物の設計データから抽出し、主筋部材の本数と配置が一致する構造部材をペアリングした上で、ペアリングした構造部材が有する主筋部材を互いに接続する(図2参照)。

Description

本開示は、構造物のパネルゾーンに対して接続された構造部材の接続関係を設計する技術に関する。
建築物を形成する柱と梁が交差する領域は、パネルゾーンと呼ばれる。パネルゾーンにおいては、柱と梁が交差することに加えて、これらの内部に配置されている主筋部材(主に鉄筋)も交差することになる。建築物を設計する際には、柱や梁などの構造部材の位置やサイズなどを設計することに加えて、これらの主筋部材の位置やサイズなどを設計することが必要である。
下記特許文献1は、建築物の3次元モデルを視覚的に表示することができる技術を記載している。同文献においては、建築物全体の3次元構造に加えて、パネルゾーンおよび鉄骨構造の3次元構造を、視覚的に表示することができる。これにより、建築物の構造をその買主などに対して説得的に説明することができると考えられる。
下記特許文献2は、『建造物の配筋工事チェックデータを容易に、かつ効率よく正確に入力し、手直し内容の指示及び配筋チェック管理の業務を簡便にする。』ことを課題として、『全工区記憶手段105の建造物の全工区図面を液晶表示手段102に表示し、この全工区平面図上の任意1つの工区をタッチペン121でタッチして、個別通り芯図面記憶手段106の通り芯平面図を液晶表示手段102に表示し、検査部位項目の1つをタッチペン121で指示することで、配筋検査部位の配置場所を液晶表示手段102の通り芯平面図上にプロット表示し、この配筋検査部位の任意1つをタッチペン121でタッチすることによりチェック項目を液晶表示手段102に表示し、その後、チェック項目毎に配筋検査部位の配筋工事状態を確認しながらチェックし、そのチェック結果に応じた判定結果をタッチペン121によりチェック項目表示画面の判定欄に表示する構成にした。』という技術を記載している(要約参照)。
特開2008-003858号公報 特開平10-025895号公報
建築物を例えば従来のCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアによって設計する場合、柱や梁の配置を設計者が画面上で指定することにより、それらの構造部材を設計することになる。このような従来の設計ソフトウェアにおいては、柱や梁を配置することによってこれらが交差するパネルゾーンが形成されるが、パネルゾーンにおいて主筋部材がどのように配置されるかについては十分考慮されてこなかった。例えばパネルゾーンに配置する接合部材に対して柱を上下から接続するとき、各柱はそのパネルゾーンに対して画面上で個別に接続される。しかしその場合において、柱内部の主筋部材間の接続関係をどのように設計すべきかについては、必ずしも一律に定まるものではない。
特許文献1は設計が完了した建築物の構造物を視覚的に表示する技術であるから、設計工程において主筋部材の配置をどのように設計するかについては考慮していない。特許文献2は配筋工事が完了した後のチェックに関する技術であり、主筋部材をどのように配置すべきかについては考慮していない。このように従来技術においては、柱や梁の主筋部材の配置や本数についてどのように設計するのかは一律に定まっているものではなく、例えば設計者が経験的に設計する。換言すると、主筋部材の設計作業に関して、設計ソフトウェアによるサポートは十分ではなかった。
本開示は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、パネルゾーンに対して接続される構造部材の内部の主筋部材を効率的かつ構造的な矛盾なく配置することができる設計技術を提供することを目的とする。
本開示に係る構造部材設計方法は、パネルゾーンに対して接続されている構造部材を構造物の設計データから抽出し、主筋部材の本数と配置が一致する構造部材をペアリングした上で、ペアリングした構造部材が有する主筋部材を互いに接続する。
本開示に係る構造部材設計方法によれば、パネルゾーンに対して接続される構造部材の内部の主筋部材を効率的かつ構造的な矛盾なく配置することができる。本開示のその他の課題、構成、利点などについては、以下の実施形態の説明を参照することによって明らかとなる。
実施形態1に係る構造部材設計プログラム12を実行するコンピュータ1の構成図である。 構造部材設計プログラム12の動作を説明するフローチャートである。 S201において抽出するパネルゾーン301を表示する画面例である。 パネルゾーン抽出部121がパネルゾーン301を抽出する手順を説明する模式図である。 S203における主筋部材設定画面の例である。 ユーザが主筋部材設定画面上で主筋部材の位置を指定する過程を示す模式図である。 主筋部材設定画面のその他の構成要素を説明する図である。 主筋部材設定画面上において柱を分割する例を示す。 S206におけるマニュアル接続設定画面の例である。 ユーザがマニュアル接続設定画面上で主筋部材の接続関係をセットする過程を示す模式図である。 ペアリングされた主筋部材の接続関係を記述したデータの構造を示す模式図である。 パネルゾーンに対して接続されている柱と梁それぞれに対してペアリングを実施する前における主筋部材の3次元モデルの例である。 S207における自動配筋の結果として主筋部材が衝突する例を示す平面図である。 自動配筋部126が主筋部材の衝突を回避した後の例を示す。 パネル一覧画面の例である。 自動配筋部126が生成する優先度画面の例である。
<実施の形態1>
図1は、本開示の実施形態1に係る構造部材設計プログラム12を実行するコンピュータ1の構成図である。構造部材設計プログラム12は、建築物のパネルゾーンに対して接続された構造部材(例:柱、梁)が有する主筋部材の接続関係を設計することにより、その建築物の構造を設計する処理を実装したプログラムである。コンピュータ1は、プロセッサ11と記憶部13を備える。プロセッサ11は構造部材設計プログラム12を実行する。以下では記載の便宜上、構造部材設計プログラム12を各処理ステップの動作主体として説明する場合があるが、構造部材設計プログラム12を実際に実行するのはプロセッサ11であることを付言しておく。
ユーザ端末2は、コンピュータ1とやり取りして構造部材設計プログラム12に対してユーザからの指示を通知し、その処理結果を構造部材設計プログラム12から受け取ってディスプレイなどの適当なデバイス上で表示する。コンピュータ1とユーザ端末2は、適当なネットワークを介して互いに通信することにより、コンピュータ1による処理結果をユーザ端末2に対して通知し、あるいはユーザ端末2からコンピュータ1に対する指示を送受信することができる。
構造部材設計プログラム12は、サブモジュールとして、パネルゾーン抽出部121、構造部材抽出部122、主筋セット部123、ペアリング部124、接続関係セット部125を備える。構造部材設計プログラム12および各サブモジュールの動作については後述する。
図2は、構造部材設計プログラム12の動作を説明するフローチャートである。本フローチャートは、ユーザが構造部材設計プログラム12をコンピュータ1上で起動し、所定のメニューなどから本フローチャートを実施するように指示することによって開始される。以下図2の各ステップについて説明する。
(図2:ステップS201)
パネルゾーン抽出部121は、建築物の設計データを記憶部13から読み取る。設計データは、建築物を構成する柱と梁、柱と梁に対して接続されたパネルゾーン、などの構造を記述したデータである。パネルゾーン抽出部121は、設計データからパネルゾーンの箇所を抽出し、そのリストを保持する。パネルゾーンの箇所は、設計データ上において柱と梁が互いに接続されている箇所を探索することにより、抽出することができる。本ステップの1例は後述する。
(図2:ステップS201:補足)
本ステップは、例えばユーザが構造部材設計プログラム12上のメニューから本ステップを実施するように構造部材設計プログラム12に対して指示し、さらに設計データのファイルパスなどを指定することによって、開始することができる。設計データは例えば建築物のCADデータである。以下のステップも同様に、各ステップを実施するように指示するメニューをユーザが選択することによって、開始することができる。
(図2:ステップS202)
構造部材抽出部122は、S201において抽出したパネルゾーンに対して接続されている構造部材(柱または梁)を抽出する。説明の便宜上、本実施形態1においては柱を抽出することとする。
(図2:ステップS203)
主筋セット部123は、後述する主筋部材設定画面を、ユーザ端末2が備えるディスプレイ上に表示する。ユーザは主筋部材設定画面上で構造部材(本実施形態1においては柱)を選択し、その構造部材の内部に配置する主筋部材(鉄筋)の本数と位置を、主筋部材設定画面上でセットする。本ステップの詳細は、主筋部材設定画面の具体例と併せて後述する。主筋部材の本数と配置が既にセットされている構造部材については、本ステップを省略してもよい。
(図2:ステップS204)
ペアリング部124は、パネルゾーンの断面上において対向して配置されている構造部材のうち、主筋部材の本数と配置が同じものを全て抽出する。ペアリング部124は、抽出した構造部材をペアリングする。ここでいうペアリングとは、ペアリングされた構造部材の内部の主筋部材が実際の建築物において互いに接続される旨を、構造部材設計プログラム12内部において指定することである。ペアリング部124は、ペアリングの結果を記憶部13へ格納する。パネルゾーンの断面上において、主筋部材の本数と配置が同じではない構造部材は、ペアリングの対象外となる。
(図2:ステップS205)
接続関係セット部125は、S204の結果にしたがって、ペアリングされた構造部材を互いに接続する。接続関係セット部125は、その接続関係を記述したデータを、記憶部13へ格納する。
(図2:ステップS206)
接続関係セット部125は、後述するマニュアル接続設定画面を、ユーザ端末2が備えるディスプレイ上に表示する。ユーザはマニュアル接続設定画面上において、S205のなかでペアリングされなかった構造部材の内部の主筋部材を、マニュアル作業によって接続する。接続関係セット部125は、その接続関係を記述したデータを、記憶部13へ格納する。本ステップの詳細は、マニュアル接続設定画面の具体例と併せて後述する。
(図2:ステップS207)
自動配筋部126は、以上のステップによってセットされた主筋部材の接続関係にしたがって、主筋部材を実際に配置したと仮定し、パネルゾーン内部も含めた主筋部材の配置関係を計算する。このとき、主筋部材が衝突するか否かを併せて計算する。衝突の例などについては後述する。
(図2:ステップS208)
自動配筋部126は、設計データから、主筋部材のサイズ、材料、強度、などの特性を記述した主筋特性データを記憶部13から読み取る。自動配筋部126は、以上のステップにおいて互いに接続した主筋部材間の接続関係および主筋部材のサイズなどの特性にしたがって、主筋部材の3次元モデルを作成する。自動配筋部126は、作成した3次元モデルを、ユーザ端末2のディスプレイ上で表示する。3次元モデルを提示する意義については、その例と併せて後述する。
図3は、S201において抽出するパネルゾーン301を表示する画面例である。パネルゾーン301は、構造部材設計プログラム12が設計する建築物が有する柱と梁が交差する箇所である。パネルゾーン抽出部121は、後述する手順によってパネルゾーン301を建築物の設計データから抽出し、図3のように画面表示する。パネルゾーン抽出部121は、図3の画面を生成してユーザ端末2に対して送信し、ユーザ端末2はその画面上でパネルゾーン301を表示することができる。
図4は、パネルゾーン抽出部121がパネルゾーン301を抽出する手順を説明する模式図である。図4において、(a)柱1と柱2によって表される柱、(b)梁1と梁3によって表される梁(便宜上、第1梁と呼ぶ)、(c)梁2と梁4によって表される梁(便宜上、第2梁と呼ぶ)、がパネルゾーンにおいて交差している。
パネルゾーン抽出部121は、設計データよりこれら3つの構造部材の位置やサイズなどの形状情報を取得する。パネルゾーン抽出部121は、取得した形状情報にしたがって、柱と第1梁が交差することによって生じる平面領域を特定するとともに、柱と第2梁が交差することによって生じる平面領域を特定する。パネルゾーン抽出部121は、特定した平面領域と柱によって囲まれる3次元空間を、これら3つの部材が交差するパネルゾーンとして抽出することができる。構造部材抽出部122は、これらの過程において用いた構造部材とパネルゾーンとの間の関係にしたがって、パネルゾーンに対して接続されている構造部材を特定できる。
図5は、S203における主筋部材設定画面の例である。主筋セット部123は、図5に例示する主筋部材設定画面をユーザ端末2に対して送信し、ユーザ端末2はその画面を表示する。主筋部材設定画面は、ユーザが指定した構造部材(柱または梁)の内部に組み込む主筋部材(鉄筋)の本数および配置を、ユーザがマニュアル操作によって指定するために用いる画面である。図5の中央は、ユーザが指定したパネルゾーンの断面図を示す。平面図上の白丸は、構造部材を配置することができる候補位置である。ユーザはこの平面図上において、構造部材を配置する箇所を指定する。構造部材を配置する位置の白丸は黒丸に置き換わっている。構造部材が柱である場合と梁である場合いずれにおいても、同様の画面を用いることができる。
図6は、ユーザが主筋部材設定画面上で主筋部材の位置を指定する過程を示す模式図である。この例において、ユーザはパネルゾーンの断面図の4隅に主筋部材を配置し、それ以外の候補位置における主筋部材を削除している。構造部材の場所によっては高い強度が必要ではない場合もあり、そのような場合においては例えば4隅のみ主筋部材を配置すれば足りるので、図6が示すように主筋部材の本数と配置を変更してもよい。
図7は、主筋部材設定画面のその他の構成要素を説明する図である。図7に示す例において、主筋部材設定画面は、パネルゾーンの断面上に配置されている主筋部材に対してロック設定を指定するロックアイコン(例えば701~704)を有する。ロック設定は、S207の自動配筋処理において、主筋部材をどのように移動させるかを指定する属性設定である。
自動配筋処理において主筋部材を仮配置したとき、主筋部材同士が衝突する可能性がある。主筋部材の配置はパネルゾーンごとにユーザが主筋部材設定画面上でマニュアル設定する場合があるからである。後述するように、自動配筋部126は衝突した主筋部材の位置を移動させることによって衝突を回避するが、そのとき位置を移動させず固定する主筋部材を、ロック設定によって指定することができる。例えばアイコン704に対してその旨を指定した場合、アイコン704から延伸する直線に沿った横方向5つの主筋部材(図7においては実際には2つの主筋部材が配置されている)は、自動配筋処理において移動しない。
自動配筋処理において衝突回避のためにいずれかの主筋部材を移動させるとき、連動して移動させることが望ましい別の主筋部材が存在する場合がある。典型的には同一線上に配置されている主筋部材は連動して移動することが望ましい。ロック設定によってそのような連動して移動させる主筋部材セットを指定することができる。例えばアイコン703に対してその旨を指定した場合、アイコン703から右へ向かって延伸する直線に沿った横方向5つの主筋部材(図7においては実際には2つの主筋部材が配置されている)は、自動配筋処理において連動して移動する(すなわち移動方向と移動量が互いに等しくなるように移動する)。
主筋部材設定画面上においては、主筋部材の位置そのものを移動させることもできる。主筋部材間の間隔設定705を選択して入力画面を開き、設定したい間隔を入力することにより、主筋部材の位置を移動させることができる。
主筋部材設定画面は、パネルゾーンの断面上において配置した主筋部材を、その断面に対して直交する平面上で見たときの各主筋部材の配置を、ビュー706上で併せて画面表示することもできる。ビュー706は、構造部材の側面図、透過図、などによって構成することができる。
図8は、主筋部材設定画面上において柱を分割する例を示す。ユーザは主筋部材設定画面上において、構造部材(柱または梁)を分割することができる。主筋セット部123が分割した構造部材に対してそれぞれ別のIDを割り当てることにより、構造部材設計プログラム12は以後それらを別個の構造部材として管理する。分割前の構造部材はそれぞれ同一の主筋部材を有しているが、分割によってそれらの主筋部材も分割されることになる。ユーザは分割後の構造部材に対して改めて主筋部材の配置と本数を指定することができる。例えば柱の下方は上方よりも主筋部材を多くする、などの個別設定が可能である。ユーザは反対に、構造部材を統合することもできる。ただし主筋部材の配置、本数、材質などが全て一致している構造部材同士に限る。分割することにより発生する構造部材の個数は、建築物の仕様や業界標準などによって適宜定めることができる。例えば柱は2分割のみ可能、梁は2分割または3分割のみ可能、などである。
図9は、S206におけるマニュアル接続設定画面の例である。接続関係セット部125は、図9に例示するマニュアル接続設定画面をユーザ端末2に対して送信し、ユーザ端末2はその画面を表示する。マニュアル接続設定画面は、構造部材の内部の主筋部材を、ユーザがマニュアル作業によって接続するために用いる画面である。
ユーザは図9に示す画面上において、まず接続関係をセットする2つの構造部材(この例においては梁Aと梁B)を選択する。ユーザは梁Aのいずれかの主筋部材と梁Bのいずれかの主筋部材をそれぞれ画面上で選択し、これらを接続する旨をさらに画面上で指定する。接続関係セット部125は、その接続関係を記述したデータを記憶部13に保存する。ユーザは、梁Aと梁Bそれぞれのその他の主筋部材についても同様に接続関係をセットする。
図10は、ユーザがマニュアル接続設定画面上で主筋部材の接続関係をセットする過程を示す模式図である。構造部材AとBそれぞれのパネルゾーン断面図上において、主筋部材を小さい黒丸によって示している。ユーザが選択した主筋部材は、黒丸の周囲を円が囲むことによって示している。ユーザが接続関係をセットした主筋部材は、大きい黒丸に変更されている。この例においては、ユーザは構造部材AとBそれぞれの4隅に配置されている主筋部材を互いに接続するように、接続関係をセットしている。
図11は、ペアリングされた主筋部材の接続関係を記述したデータの構造を示す模式図である。S204~S205またはS206においてペアリング(互いに接続されている旨を指定すること)された主筋部材は、そのペアを構成する主筋部材のIDおよびその主筋部材の属性パラメータをセットにしたデータによって、ペアリングされた旨が記憶部13内に保存される。
主筋部材の属性パラメータとしては、例えばオフセット値が挙げられる。ユーザは、マニュアル接続設定画面上において、主筋部材の配置と本数が同一ではない2つの構造部材間であっても、主筋部材を接続するように指定することができる。このときその2つの主筋部材は、図11右下に示すように、屈折して接続されることになる。主筋セット部123は、この屈折の開始点から終端までの距離を、オフセット値として主筋部材ごとに保存する。
図12は、パネルゾーンに対して接続されている柱と梁それぞれに対してペアリングを実施する前における主筋部材の3次元モデルの例である。S204~S206においてペアリングする前の時点においては、パネルゾーンを挟んで対向配置された構造部材の内部の主筋部材は、互いに接続されていない状態となっている。ペアリングは、これらの主筋部材を互いに接続する旨を指定することを意味する。S205における自動接続またはS206におけるマニュアル接続によって、例えば図12に示す主筋部材1201と1202を互いに接続する旨の接続関係をセットする。
図13は、S207における自動配筋の結果として主筋部材が衝突する例を示す平面図である。図13に示す例において、柱が有する主筋部材1301と梁が有する主筋部材1302が衝突している。これは、例えば主筋部材設定画面においてユーザが主筋部材1301を4隅近傍へ移動させたことに起因している。
図13に示すような主筋部材同士の衝突は、例えば衝突している主筋部材のIDなどをリストとして提示することにより、データとしてユーザに対して提示することができる。しかしユーザとしては、主筋部材のリストのみを提示されても、その主筋部材がどのような態様で衝突しているのかを把握することが困難な場合がある。そこで自動配筋部126はS208において、主筋部材の実際の配置を3次元モデルとして視覚的に提示することとした。これによりユーザは、図12~図13に例示するような3次元モデル上においてその衝突状態を視覚的に把握できる。
図14は、自動配筋部126が主筋部材の衝突を回避した後の例を示す。自動配筋部126は、図13において衝突している主筋部材1301を、柱断面上における中央寄りへ移動させることにより、主筋部材1301と1302との間の衝突を回避した。図14はその結果を示す。衝突を回避する処理は、ユーザがその処理を実施するように指定したとき実施してもよいし、S207(自動配筋)において自動的に実施してもよい。
自動配筋部126は、衝突回避のために移動させる主筋部材を選択する際に、図7において説明したロック設定を反映させる。すなわち、(a)固定指定した主筋部材は移動させずその他の主筋部材を移動させる、(b)連動して移動するように指定した主筋部材セットは連動して移動させる。例えば主筋部材1302が固定指定されている場合、主筋部材1302は移動させずその他の主筋部材を移動させる。あるいは主筋部材1301と1303が連動指定されている場合、これらの移動方向と移動量は同一となる。
自動配筋部126は、移動させる主筋部材を決定した後、その移動方向と移動量を決定する。移動方向と移動量は、例えば移動後の主筋部材の配置間隔が断面図上(すなわちパネルゾーン内)においてできる限り均等となるようにすればよい。例えば衝突を無視して主筋部材を均等配置したときの各主筋部材の位置と、移動させる主筋部材の位置との間の差分を、移動ベクトルとして用いることができる。自動配筋部126は、その移動ベクトルにしたがって、衝突が回避されるまで主筋部材を移動させればよい。例えば、各主筋部材を均等配置したときと移動後の主筋部材配置との間の2乗和が最も小さくかつ衝突が回避されるような配置を、最終的に採用すればよい。
ユーザは、図13または図14の3次元モデルを見た上で、そのパネルゾーンを指定して主筋部材設定画面(図5)を呼び出し、改めて主筋部材の配置や本数をセットしてもよい。自動配筋部126が図14のように衝突を自動的に回避したとしても、例えば施工現場の作業効率を考慮すると、別の主筋部材を移動させたほうが望ましい場合や、移動量もしくは移動方向を変えたほうがよい場合など、必ずしも自動衝突回避の結果が望ましくない場合も考えられる。そのような望ましくない状況が発生するか否かを把握するためには主筋部材の3次元モデルをユーザが視覚的に見ることが有用であると考えられる。衝突箇所のIDなどをリスト表示するのみでは、そのような状況が発生するか否か、あるいは発生するとしてどのような態様であるのか、などを把握することは困難だからである。主筋部材の3次元モデルを提示することは、そのような観点において有用である。
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、建築物の構造を記述した設計データ(例えばCADデータ)からパネルゾーンを抽出し、パネルゾーンに対して接続されている構造部材の内部の主筋部材の本数および配置をセットし、主筋部材の本数および配置が同じ構造部材同士をペアリングしてそれらの主筋部材を接続する。パネルゾーンを起点としてそのパネルゾーンに対して接続されている構造部材を特定することにより、パネルゾーン内における主筋部材の接続関係を適切にセットすることができる。また主筋部材の配置と本数が同一である構造部材については自動ペアリングすることもできるので、主筋部材の設計作業を効率的に進めることができる。
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、主筋部材設定画面(図5)を提示し、ユーザは同画面上においてパネルゾーンの断面図上で主筋部材の本数と配置を指定することができる。例えばCADデータからインポートした構造部材内の主筋部材が過剰または過少であるような場合においても、ユーザは同画面上で主筋部材を適切に配置することができる。1例として、建築物の下方の柱は主筋部材を多く変更し、上方の柱は主筋部材を少なく変更する、などのマニュアル設計が可能である。
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、主筋部材設定画面などによってセットされた主筋部材の接続関係にしたがって主筋部材を実際の建築物において配置したと仮定したとき主筋部材が衝突するか否かを計算し、その結果を例えば主筋部材の3次元モデルなどの視覚的手段によって提示する。これによりユーザは、主筋部材の配置や本数が適切であるか否かを容易に把握し、改めて主筋部材設定画面などによってその配置や本数を調整することができる。
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、主筋部材を実際に配置したと仮定したとき主筋部材が衝突する場合は、その衝突を回避するように、主筋部材の位置を移動させる。例えば移動後の主筋部材の配置間隔がパネルゾーン内においてなるべく均等となるように、主筋部材を移動させる。これにより、例えばユーザが主筋部材設定画面上でセットした主筋部材の本数と配置が衝突を招く場合であっても、ユーザに負担をかけることなくその衝突を回避し、実際に施工可能な主筋部材構造を設計することができる。
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、衝突回避のために主筋部材を移動させる際に、移動させずに位置を固定する主筋部材を主筋部材設定画面上であらかじめ設定しておき(ロック設定)、その設定にしたがって、移動させる主筋部材を選択する。これにより、例えば建築物の構造との関係において移動させることが望ましくない主筋部材についてはあらかじめ位置を固定しておき、その他の主筋部材のみを移動させることができる。したがって、構造強度などのパラメータを最適に維持しつつ、主筋部材の衝突を自動的に回避することができ、主筋部材の設計効率が高まる。
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、衝突回避のために主筋部材を移動させる際に、連動して移動させる主筋部材セットを主筋部材設定画面上であらかじめ設定しておき(ロック設定)、その設定にしたがって、移動させる主筋部材を選択する。これにより、例えば建築物の構造との関係において連動して移動させることが望ましい主筋部材についてはあらかじめ連動ロックをかけておき、それらを連動して移動させることができる。例えばパネルゾーンの断面図上で対向して配置されている主筋部材は連動移動させることが望ましい場合は、そのような連動移動をあらかじめ指定しておくことができる。これにより位置固定ロックと同様に、構造強度などのパラメータを最適に維持しつつ、主筋部材の衝突を自動的に回避することができ、主筋部材の設計効率が高まる。
本実施形態1に係る構造部材設計プログラム12は、例えば主筋部材の配置または本数が互いに異なることによって自動ペアリングされなかった構造部材について、マニュアル接続設定画面によって手動で主筋部材の接続関係をセットできる。これにより、構造部材を配置したのみでは主筋部材がパネルゾーン内において接続されない場合であっても、その接続関係を画面上で視覚的にセットすることができる。
<実施の形態2>
実施形態1においては、パネルゾーンを挟んで対向配置されている2つの構造部材内部の主筋部材が互いに同じ本数および配置であれば、これらの構造部材を自動的にペアリングすることを説明した。自動ペアリングされなかった構造部材については、マニュアル接続設定画面を用いて、主筋部材を接続することができる。本開示の実施形態2では、ペアリングされていない構造部材と隣接するパネルゾーンのリストを提示する構成例について説明する。その他は実施形態1と同様である。
図15は、パネル一覧画面の例である。パネルゾーン抽出部121は、設計データから抽出したパネルゾーンのリストを作成し、図15のような画面として構成してユーザ端末2に対して送信する。ユーザ端末2はその画面を表示する。パネルゾーンのリストは、パネルゾーンを抽出する過程において作成することができる。
パネルゾーン抽出部121はさらに、S204の結果を記述したデータにしたがって、各パネルゾーンに対して隣接して配置されている構造部材がペアリングされているか否かをパネルゾーンごとに特定し、パネルゾーンのリストと併せて、ペアリング完了済であるか否かを併せて画面表示する。パネルゾーンに対して隣接配置されているがペアリングが完了していない構造部材が存在する場合は、その旨を併せて画面表示する。ペアリングが完了していない理由としては、以下のようなものが考えられる。
(未ペアリングの理由その1)パネルゾーンを挟んで対向配置されている構造部材の内部の主筋部材配置または主筋部材本数が構造部材間で一致しないので、S204~S205において自動ペアリングすることができなかった。
(未ペアリングの理由その2)構造部材の内部に配置する主筋部材の本数や配置が全くセットされていない場合、その構造部材についてはペアリングすることができない。
(未ペアリングの理由その3)建築物のCADデータから構造部材および主筋部材の配置を取得したとき、その配置が正確でなかったり、あるいはデータ形式の違いなどに起因して配置ずれが生じたりする場合がある。これにより、一部の構造部材については、パネルゾーンとの間で間隙が生じるなど、パネルゾーンに対して近接配置されているものの接続はされてないなど、不規則な配置関係が発生する可能性がある。このような構造部材はパネルゾーンに対して接続されていないとみなされる可能性があり、これによりS204~S205における自動ペアリングの対象外となる。
ユーザは図15の画面上において、ペアリングされていない構造部材とその構造部材に隣接して配置されているパネルゾーンのリストを見ることができる。ユーザは未ペアリングの構造部材が存在するパネルゾーンを画面上で選択する。主筋セット部123は、そのパネルゾーンについて主筋部材設定画面(図5)を提示し、ユーザはそのパネルゾーンについて主筋部材をマニュアル指定することができる。
<実施の形態3>
実施形態1において、自動配筋部126は、指定された主筋部材配置にしたがって主筋部材を実際に配置したと仮定したとき、主筋部材が衝突するか否かを計算することを説明した。さらに、主筋部材が衝突する場合は、主筋部材を移動させることにより衝突を回避することを説明した。本開示の実施形態3では、主筋部材の優先度をあらかじめ指定しておくことにより、衝突回避の際に移動させる主筋部材の順序を設定する構成例について説明する。その他は実施形態1と同様である。
図16は、自動配筋部126が生成する優先度画面の例である。ここでいう優先度は、自動配筋部126が主筋部材を自動配筋する際に、どの主筋部材から先に配置完了すべきかを表している。自動配筋部126は、優先度が高い主筋部材から順に配筋を完了する。以後、それ以下の優先度の主筋部材を配筋するとき衝突が発生するのであれば、優先度が低い側の主筋部材の位置を移動させる。これにより、移動させることが望ましくない順に優先度をあらかじめ高くしておけば、その優先度にしたがって衝突を回避することができる。
自動配筋部126は、優先度のデフォルト値をあらかじめ主筋部材ごとにセットしておき、そのデフォルト値を優先度画面上で表示する。例えば柱の主筋部材は最高優先度(優先度1)とし、梁の主筋部材は次の優先度(優先度2)とすることができる。優先度はパネルゾーンごとにセットする。あるパネルゾーンにおいて柱の主筋部材が複数存在する場合であっても、それらの優先度のデフォルト値は全て優先度1となる。梁についても同様に全て優先度2となる。あるいは、パネルゾーン内で対面する相手のある梁を優先度2、対面する相手のない梁を優先度3とすることもできる
ユーザは優先度画面上において、主筋部材を指定して、優先度を増減させることができる。自動配筋部126はその指定された優先度順にしたがって、自動配筋を実施する。これにより、優先度のデフォルト値が全ての梁について優先度2を指定している場合であっても、例えばある特定の位置に近い梁を先に配筋し、その後にその位置から離れた梁を配筋する、などのようなカスタマイズが可能である。例えば現場における施工作業を考慮すると、移動させることが望ましくない主筋部材については、優先度を上げることが考えられる。
図7において説明した、自動配筋の際に移動させない旨の指定(固定ロック)は、優先度1よりもさらに優先される。したがって、仮に優先度が低いことにより配筋順序が後順位であっても、位置固定されている主筋部材が優先して配筋される。この場合は例えば位置固定されている主筋部材を配筋した後に改めて優先度にしたがって自動配筋を再実施すればよい。
<本開示の変形例について>
本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
以上の実施形態において、構造部材設計プログラム12が図2の各ステップを実施することを説明したが、各ステップのうち全部または一部を、設計者がマニュアル作業によって実施することも可能である。例えば各ステップのうち全部または一部を表計算ソフトウェアのマクロによって実装し、これを実行することにより、画面上で設計結果を視認しながら微調整を実施することができる。
以上の実施形態において、構造部材設計プログラム12およびそのサブモジュールは、ソフトウェアに代えて、回路デバイス(例:Field Programmable Gate Array:FPGA)などのハードウェアによって実装することもできる。
以上の実施形態において、コンピュータ1とユーザ端末2は、必ずしも別装置でなくてもよく、これらを単一のコンピュータ上に構成してもよい。この場合、ユーザ端末2が画面表示する各画面は、これに代えてコンピュータ1が備える表示デバイス上で画面表示することになる。
以上の実施形態において、建築物が備えるパネルゾーンとこれに接続される構造部材(柱または梁)が備える主筋部材について説明したが、本開示は建築物に限るものではなく、同様の構造を備えた構造物一般について適用することができる。すなわち本開示の対象は、建築構造物、土木構造物、プラント、その他同様の構造を有する構造物一般について適用することができる。この場合、本開示におけるパネルゾーンに対応するのは、構造物の高さ方向に延伸する構造部材とこれに対して直交する方向に延伸する構造部材が交差する領域となることを付言しておく。
1:コンピュータ
12:構造部材設計プログラム
121:パネルゾーン抽出部
122:構造部材抽出部
123:主筋セット部
124:ペアリング部
125:接続関係セット部
126:自動配筋部
13:記憶部
2:ユーザ端末

Claims (15)

  1. 構造物のパネルゾーンに対して接続された構造部材が有する主筋部材の接続関係を設計する構造部材設計方法であって、
    前記構造物の構造を記述した設計データから前記パネルゾーンの箇所を抽出するステップ、
    前記抽出したパネルゾーンに対して接続されている前記構造部材を前記設計データから抽出するステップ、
    前記抽出した前記構造部材の内部に組み込まれる主筋部材の本数および配置を前記抽出した前記構造部材ごとにセットするステップ、
    前記抽出した前記構造部材のうち前記主筋部材の本数および配置が同じであるものをペアリングするステップ、
    前記ペアリングした前記構造部材が有する前記主筋部材を互いに接続するように前記接続関係をセットするステップ、
    を有し、
    前記主筋部材の本数および配置をセットするステップは、前記主筋部材の本数および配置を前記構造部材ごとに指定する指定入力をユーザから受け取る主筋部材設定画面を提示するステップを有し、
    前記構造部材設計方法はさらに、
    前記接続関係をセットするステップにおいてセットした前記接続関係にしたがって前記主筋部材を配置したと仮定したとき、前記接続関係によって接続されない前記主筋部材が互いに衝突するか否かを計算するステップ、
    前記接続関係によって接続されない前記主筋部材が衝突する場合はその衝突する前記主筋部材のうち少なくともいずれかの位置を移動させることにより衝突を回避するステップ、
    を有し、
    前記主筋部材設定画面は、前記構造部材の断面上において配置可能な前記主筋部材のうち前記衝突を回避するステップにおいて位置を移動させない固定主筋部材を指定する固定指定を受け取るように構成されており、
    前記衝突を回避するステップにおいては、前記固定指定が指定する前記主筋部材以外の前記主筋部材の位置を移動させる
    ことを特徴とする構造部材設計方法。
  2. 前記主筋部材の本数および配置をセットするステップは、
    前記主筋部材設定画面において受け取った前記指定入力にしたがって前記主筋部材の本数および配置をセットするステップ、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。
  3. 前記主筋部材設定画面は、
    前記構造部材の断面、
    前記断面上において前記主筋部材を配置可能な候補位置、
    を表示するように構成されており、
    前記指定入力は、前記候補位置のうち前記主筋部材を配置するものを指定する入力である
    ことを特徴とする請求項2記載の構造部材設計方法。
  4. 前記主筋部材設定画面は、前記断面上において配置可能な前記主筋部材のうち前記衝突を回避するステップにおいて連動して位置を移動させる2以上の連動主筋部材を指定する連動指定を受け取るように構成されており、
    前記衝突を回避するステップにおいては、前記連動指定が指定する前記主筋部材の位置および移動量が互いに連動するように、前記主筋部材の位置を移動させる
    ことを特徴とする請求項3記載の構造部材設計方法。
  5. 前記構造部材設計方法はさらに、前記構造部材を分割するように指定する分割指定を受け取ってその分割指定にしたがって前記構造部材を分割するステップを有し、
    前記主筋部材設定画面は、前記分割した前記構造部材それぞれについて前記主筋部材の本数および配置を前記指定入力によって受け取るように構成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の構造部材設計方法。
  6. 前記主筋部材設定画面は、前記指定入力によってセットされる前記主筋部材の本数および配置を、前記構造部材の断面図と併せて、前記構造部材の側面図または透過図によって表示するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の構造部材設計方法。
  7. 前記構造部材設計方法はさらに、
    前記主筋部材のサイズを含む主筋部材特性データを取得するステップ、
    前記接続関係をセットするステップにおいてセットした前記接続関係にしたがって前記主筋部材を配置したと仮定したとき前記主筋部材が互いに衝突するか否かを前記主筋部材特性データにしたがって計算するステップ、
    前記仮定の下における前記主筋部材の3次元構造モデルを、前記主筋部材特性データにしたがって計算するステップ、
    前記計算した3次元構造モデルを提示するステップ、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。
  8. 前記衝突を回避するステップにおいては、前記主筋部材を移動させた後における各前記主筋部材の配置間隔が最も均等に近づくように、前記主筋部材を移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。
  9. 前記構造部材設計方法はさらに、
    前記構造部材のうち前記ペアリングするステップにおいてペアリングされなかった未ペアリング構造部材を抽出するステップ、
    前記未ペアリング構造部材のうち前記パネルゾーンを挟んで対向するものを表示するステップ、
    前記対向する未ペアリング構造部材を選択する選択入力をユーザから受け取るステップ、
    前記選択入力によって選択された2つの前記未ペアリング構造部材が有する前記主筋部材を接続するように前記接続関係を指定する指定入力を前記ユーザから受け取るステップ、
    前記受け取った指定入力にしたがって前記未ペアリング構造部材の前記接続関係をセットするステップ、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。
  10. 前記構造部材設計方法はさらに、
    前記ペアリングするステップにおいてペアリングされた前記構造部材のリストを表示するステップ、
    前記ペアリングするステップにおいてペアリングされていない前記構造部材のリストを表示するステップ、
    を有し、
    前記ペアリングされた前記構造部材のリストを表示するステップにおいては、前記ペアリングされた前記構造部材に隣接して配置されている前記パネルゾーンを併せて表示し、
    前記ペアリングされていない前記構造部材のリストを表示するステップにおいては、前記ペアリングされていない前記構造部材に隣接して配置されている前記パネルゾーンを併せて表示する
    ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。
  11. 前記衝突するか否かを計算するステップにおいては、前記主筋部材のうちあらかじめ定められた優先度が高いものから順に前記主筋部材を仮配置するとともに、前記仮配置にしたがって前記主筋部材が互いに衝突するか否かを計算し、
    前記衝突を回避するステップにおいては、前記優先度にしたがって仮配置し終えた前記主筋部材以外の前記主筋部材の位置を調整することにより、前記衝突を回避する
    ことを特徴とする請求項10記載の構造部材設計方法。
  12. 前記構造部材設計方法はさらに、前記優先度を前記主筋部材ごとに提示する優先度画面を表示するステップを有し、
    前記優先度画面は、前記主筋部材の前記優先度を変更する優先度指定を受け取るように構成されており、
    前記衝突するか否かを計算するステップにおいては、前記優先度指定によって変更された前記優先度にしたがって前記仮配置を再計算することにより、前記主筋部材が互いに衝突するか否かを計算する
    ことを特徴とする請求項11記載の構造部材設計方法。
  13. 前記構造部材は、前記構造物の高さ方向に沿って延伸する第1構造部材と、前記構造物の前記高さ方向に対して直交する平面方向に沿って延伸する第2構造部材とを含み、
    前記第1構造部材の前記優先度は、前記第2構造部材の前記優先度よりも高くなるように、初期設定されている
    ことを特徴とする請求項11記載の構造部材設計方法。
  14. 前記構造部材は、前記構造物の柱または前記構造物の梁である
    ことを特徴とする請求項1記載の構造部材設計方法。
  15. 請求項1から14のいずれか1項記載の構造部材設計方法をコンピュータに実行させることを特徴とする構造部材設計プログラム。
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