JP7252756B2 - 超音波センサ及び車両制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、超音波センサ及び車両制御システムに関する。
自動車の安全性向上や自動運転に向けて、ミリ波レーダ、赤外線レーザ、カメラ、赤外線カメラや超音波センサなどの各種センサが自動車に搭載され、自動車周辺の障害物を検知・認識するシステムの実用化が進んでいる。特に、駐車支援システム等では物体を検知するセンサとして超音波センサが用いられている(例えば特許文献1参照)。従来の超音波センサでは、指向性の高い超音波を送信し、物体(障害物)からの反射波を検出して、超音波を送信してから反射波を受信するまでの時間に基づいて物体を検出している。
特開2009-236776号公報
しかしながら、従来の超音波センサでは、指向性の高い超音波を利用する関係上、物体を検知可能な範囲も狭くなるため、例えば車両のドアの周辺の物体を検知する場合、ドアの全面にわたって複数の超音波センサを2次元的に配列する必要がある。そのため、製造コストが大きい上、超音波センサが設置される部位の外観デザインを損なうという問題がある。
本発明は、製造コストを低減しつつ、超音波センサが設置される部位の外観デザインを損なうことを抑制可能な超音波センサを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、パルス状の超音波を送信して薄板を励振させる超音波送信器と、前記超音波送信器の共振周波数とは異なる励振周波数のパルス信号を生成し、当該パルス信号に基づく前記超音波を前記超音波送信器に送信させるパルス生成部と、前記薄板を伝搬する超音波のうち、前記薄板のみを伝搬する直接波と、外部に放射されて物体で反射した後に前記薄板に戻ってくる反射波とに含まれる前記励振周波数の信号成分を選択的に受信するための選択受信部を有し、前記選択受信部を介して前記直接波及び前記反射波を受信する超音波受信器と、前記直接波が受信された時間と、前記反射波が受信された時間との差に基づいて、前記薄板の周辺に存在する物体を検知する検知部と、を備える超音波センサである。
本発明によれば、パルス状の超音波を送信して薄板を励振させ、その励振された薄板を伝搬する超音波のうち薄板のみを伝搬する直接波が受信された時間と、該励振された薄板を伝搬する超音波のうち、外部に放射されて物体で反射した後に薄板に戻ってくる反射波が受信された時間との差に基づいて、薄板の周辺に存在する物体を検知する。パルス状の超音波により励振された薄板から外部に放射される超音波は指向性が低く、薄板全面を覆うように放射されるので、薄板の全面にわたって、超音波送信器と超音波受信器との組をそれぞれ含む複数の超音波センサを2次元的に配列する必要は無い。したがって、物体検知に必要な超音波センサの数を少なくすることができる。これにより、製造コストを低減しつつ、超音波センサが設置される部位の外観デザインを損なうことを抑制可能な超音波センサを提供することができる。
図1は、第1の実施形態の超音波センサの概略構成図である。 図2は、超音波送信器の残響を説明するための図である。 図3は、第1の実施形態の超音波の送受信のタイミングを示す図である。 図4は、第1の実施形態の超音波送信器から送信される超音波の周波数遷移の一例を示す図である。 図5は、第2の実施形態の超音波センサの概略構成図である。 図6は、第3の実施形態の車両制御システムの概略構成図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る超音波センサ及び車両制御システムの実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波センサの概略構成の一例を説明するための図である。図1に示すように、超音波センサは、パルス生成部1と、超音波送信器2と、超音波受信器3と、検知部4とを備える。
パルス生成部1は、超音波送信器2を動作させるためのパルス信号を生成する。具体的には、パルス生成部1は、予め設定された周波数及びパターンのパルス信号を生成することで、超音波送信器2から送信される超音波の周波数、パルス数及び送信間隔等を制御する。
超音波送信器2は、パルス生成部1で生成されたパルス信号に基づき超音波を送信することで薄板5を励振させる。ここでは、薄板5は、車両(例えば自動車)の外装面であり、典型的には車両のドアが想定されるが、これに限られるものではない。図1において、薄板5は、2次元的な広がりを持つ有限の大きさの面であり、その断面を示している。なお、図1は、薄板5の概念図であり、薄板5は必ずしも平面である必要は無く、厚さ方向(図1の上下方向)の縮尺と、横方向(図1の左右方向)の縮尺とは異なっている。また、図1の例では、薄板5の上側の面を「表面5a」とし、下側の面を「裏面5b」とする。ここでは、表面5aは、薄板5のうち外部に露出する側の面を指し、裏面5bは、外部に露出しない側の面を意味する。
図1に示すように、本実施形態では、超音波送信器2は薄板5の裏面5bに設けられ(貫通することなく設けられ)、超音波送信器2が薄板5へ向けてパルス状の超音波を送信することで薄板5を励振させる。薄板5が十分に薄ければ、励振された薄板5を伝搬する超音波は、振動方向が薄板5に垂直なラム波(屈曲波)となる。また、このとき、パルス状の超音波により励振された薄板5を伝搬する超音波(ラム波)の一部は、通常の超音波7として空気中に放射される。この超音波7(薄板5の表面5a周辺の空気中に放射される超音波)は、超音波送信器2から直接送信される超音波のように指向性が高い超音波ではなく、薄板5の表面5aの全面を覆うように放射される(指向性が低い超音波である)。そして、薄板5(表面5a)の周辺に物体O(障害物)が存在した場合、空気中に放射された超音波7は物体Oで反射されて再び薄板5に戻ってくる。
以下の説明では、パルス状の超音波により励振された薄板5を伝搬する超音波(ラム波)のうち、薄板5のみを伝搬する超音波6を「直接波」と称し、外部に放射されて物体Oで反射した超音波8を「反射波」と称する。薄板5に到達した反射波(超音波8)は薄板5を励振し、薄板5を伝搬する超音波9(ラム波)となって薄板5全体に広がっていく。以下の説明では、この超音波9(ラム波)も「反射波」と称する。つまり、パルス状の超音波により励振された薄板5を伝搬する超音波のうち、外部に放射されて物体Oで反射した後に薄板5に戻ってくる「反射波」とは、物体Oで反射して薄板5へ入力される超音波8であってもよいし、超音波8で励振された薄板5を伝搬する超音波9であってもよい。
超音波受信器3は、パルス状の超音波により励振された薄板5を伝搬する超音波のうち、薄板5のみを伝搬する直接波と、外部に放射されて物体Oで反射した後に薄板5に戻ってくる反射波とを受信する。ここでは、超音波受信器3は反射波として超音波9を受信する構成であるが、これに限られるものではなく、超音波8を直接受信する形態もあり得る。また、超音波受信器3は、超音波送信器2と同様に、薄板5の裏面5bに設けられる。
検知部4は、超音波受信器3で直接波が受信された時間と、超音波受信器3で反射波が受信された時間との差(時間差)に基づいて、薄板5の周辺に存在する物体Oを検知する。より具体的には、検知部4は、上記時間差に基づいて、薄板5と、薄板5の周辺に存在する物体Oとの間の距離を検知する。なお、この例では、超音波受信器3と検知部4とを独立して(個別に)設けているが、これに限らず、超音波受信器3と検知部4とを一体に構成する形態であってもよい。
ところで、上述した超音波センサの構成では、超音波の送信動作に伴い発生した超音波送信器2自身の振動が残響として薄板5を伝搬する可能性がある。より具体的には、超音波送信器2は、共振周波数で振動し易いという構成上の特性を有するため、超音波を送信した後も共振周波数で振動し続けることで残響を発生させる。ここで、共振周波数は、超音波送信器2のインピーダンスが最小となる周波数を意味する。かかる残響は、超音波送信器2が発する超音波と同様に薄板5を励振させる。そのため、残響により発生した超音波(以下、残響波という)が反射波と混在すると、残響波と反射波との識別が困難となり、物体Oを検知することができない可能性がある。以下、図2を参照して、物体Oの検知に係る超音波送信器2の残響の影響について説明する。
図2は、超音波送信器2の残響を説明するための図である。ここでは、超音波送信器2に入力されるパルス信号と、薄板5を直接伝搬する超音波(送信器超音波信号)と、超音波受信器3が受信する超音波(受信器超音波信号)とのタイミングを示している。また、図2では、超音波送信器2の共振周波数f1(例えば58KHz)で、所定パルス数(例えば24パルス)分のパルス信号を所定の間隔毎に生成した例を示している。
超音波送信器2は、タイミングt11からタイミングt12にかけて生成された共振周波数f1のパルス信号に基づき、共振周波数f1の超音波を送信する。これにより、送信された超音波の一部が直接波P11として薄板5を伝搬する。
タイミングt12に達すると、超音波送信器2は超音波の送信を停止するが、超音波送信器2自身の振動により共振周波数f1の残響(残響波)が発生する。そのため、超音波送信器2の振動が減衰するタイミングt12からタイミングt13までの間、共振周波数f1の残響波P12が薄板5を伝搬することになる。図2では、超音波送信器2で発生した残響波のうち、薄板5を直接伝搬する残響波P12を示している。
そして、超音波受信器3は、薄板5を直接伝搬する直接波P11及び残響波P12を直接波P1として、タイミングt14からタイミングt16にかけて受信する。なお、図2では、直接波P11と残響波P12を識別可能に表しているが、実際には超音波の送信中も残響は発生するため、直接波P11と残響波P12との両波は混在した状態となる。
また、超音波送信器2から送信又は出力される超音波や残響波は、薄板5の外部にも放射される。外部に放射された超音波及び残響波は、物体O(図1参照)に反射した後、薄板5に戻ることで周波数f1の反射波P2として伝搬される。図2では、反射波P2のうち、超音波送信器2が送信した超音波に由来する信号成分を反射波P21で表し、残響波に由来する信号成分を残響波P22で表している。
ここで、薄板5と物体Oとの離間距離又は位置関係によっては、直接波P1が超音波受信器3に到達するタイミングt14からタイミングt16の間に、反射波P2が超音波受信器3に到達するような場合がある。例えば、図2では、反射波P2が、タイミングt15からタイミングt17にかけて超音波受信器3に到達した場合を示している。
この場合、超音波受信器3は、直接波P1及び反射波P2を重畳(オーバーラップ)して受信することになる。より具体的には、直接波P1に含まれる残響波P12と、反射波P2に含まれる直接波P11とを同時期に受信することになる。また、直接波P1及び反射波P2は共に共振周波数f1であるため、直接波P1と反射波P2との識別は困難となり、物体Oを検知できない可能性がある。
そこで、本実施形態の超音波センサでは、上述した超音波送信器2の残響による影響を低減させるため以下の構成を備える。
まず、パルス生成部1は、超音波送信器2の共振周波数f1とは異なる周波数(以下、励振周波数)f2でパルス信号を生成する。これにより、超音波送信器2は、自身の共振周波数f1とは異なる励振周波数f2で超音波を送信させる。なお、励振周波数f2と共振周波数f1との周波数差は、特に問わないものとするが、例えば数10KHzの周波数差を設けることが好ましい。
また、超音波受信器3は、薄板5を伝搬する超音波の信号成分のうち、励振周波数f2の信号成分を選択的に受信するための選択受信部31を備える。選択受信部31の構成は特に問わず、種々の構成を採用することが可能である。例えば、選択受信部31は、励振周波数f2の信号成分を透過し、共振周波数f1近傍の信号成分を遮断するフィルタ回路であってもよい。また、例えば、選択受信部31は、励振周波数f2の信号成分のみを検出するホモダイン検出器(ロックインインアンプ)であってもよい。
図3は、本実施形態の超音波センサによる超音波の送受信のタイミングを示す図である。なお、図3では、図2と同様、超音波送信器2に入力されるパルス信号と、薄板5を直接伝搬する超音波(送信器超音波信号)と、超音波受信器3が受信する超音波(受信器超音波信号)とのタイミングを示している。また、図3では、超音波送信器2の共振周波数f1とは異なる励振周波数f2(例えば87KHz)で、所定パルス数(例えば24パルス)分のパルス信号を所定の間隔毎に生成した例を示している。
図3において、パルス生成部1は、タイミングt21からタイミングt22にかけて励振周波数f2のパルス信号を生成する。超音波送信器2は、生成されたパルス信号に基づき励振周波数f2の超音波を送信する。これにより、送信された超音波の一部が直接波P31として薄板5を伝搬する。
また、タイミングt22に達すると超音波送信器2は超音波の送信を停止するが、超音波送信器2自身の振動により共振周波数f1の残響(残響波)が発生する。そのため、超音波送信器2の振動が減衰するタイミングt22からタイミングt23までの間、共振周波数f1の残響波P32が薄板5を伝搬する。つまり、励振周波数f2の直接波P31及び共振周波数f1の残響波P32を成分とする直接波P3が、薄板5を伝搬することになる。
また、薄板5の外部に放射された超音波及び残響波のうち、物体O(図1参照)に反射し、薄板5に戻った超音波及び残響波は反射波P4として伝搬される。図3では、反射波P4のうち、超音波送信器2が送信した励振周波数f2の超音波に由来する信号成分を反射波P41で表し、共振周波数f1の残響波に由来する信号成分を残響波P42で表している。
一方、超音波受信器3は、薄板5を伝搬した直接波P3及び反射波P4を受信する。図3では、超音波受信器3は、タイミングt24からタイミングt26にかけて直接波P3を受信し、タイミングt25からタイミングt27にかけて反射波P4を受信した例を示している。
ここで、超音波受信器3は、励振周波数f2の信号成分(超音波)を選択的に受信する選択受信部31を具備しているため、共振周波数f1の残響波P32、P42を除去し、励振周波数f2の直接波P31及び反射波P41を受信する。そのため、例えば、残響波P32の受信タイミングと、反射波P41の受信タイミングとが重畳した場合であっても、励振周波数f2の反射波P41のみが受信されることになる。
これにより、検知部4は、選択受信部31を介して受信された超音波、つまり直接波P31及び反射波P41を用いて物体Oの検知を行うことができるため、直接波P31と反射波P41との識別が容易となる。したがって、本実施形態の超音波センサでは、超音波送信器2に生じた共振周波数f1の残響波P32による影響を低減することができ、物体Oの検知精度を向上させることができる。
なお、励振周波数f2で超音波を送信させた場合、実際には超音波送信器2は励振周波数f2のモードでも振動するため、共振周波数f1の残響波とともに、励振周波数f2の残響波も生じる。そのため、励振周波数f2の残響波の減衰時間が、物体Oを検知することが可能な距離に関係することになる。以下、図4を参照して、励振周波数f2の残響波と、物体Oを検知可能な距離との関係について説明する。
図4は、超音波送信器2から送信される超音波の周波数遷移の一例を示す図である。縦軸は超音波の信号レベル(mV)を示しており、横軸は時間(時間経過)を示している。なお、超音波送信器2の共振周波数は58KHzであるとする。
まず、パルス生成部1が、タイミングt31からタイミングt32にかけて、励振周波数が87KHzの24パルス分のパルス信号P5(図4上部参照)を生成したとする。超音波送信器2は、パルス信号P5に基づき動作することで、タイミングt31からタイミングt32にかけて超音波を送信する。また、上述したように、タイミングt32で超音波の送信し停止した後、超音波送信器2からは残響波が出力される。
ここで、超音波送信器2から出力される超音波及び残響波は、実線で示す励振周波数f2(87KHz)の信号成分P6と、破線で示す共振周波数f1(58KHz)の信号成分P7とを含む。なお、タイミングt31からタイミングt32の超音波中に現れる信号成分P7は、超音波の送信中に発生した共振周波数f1の残響波である。また、タイミングt32以降の残響波中に現れる信号成分P6は、超音波の送信後に発生した励振周波数f2の残響波である。このように、共振周波数f1及び励振周波数f2の信号成分は混合した状態にあり、各信号成分の信号レベルは時間経過とともに遷移する。
具体的には、信号成分P6は、超音波の送信開始(タイミングt31)とともに上昇し、超音波送信器2から超音波が送信されているタイミングt32までの間、高レベル(L1)の状態を維持する。一方、信号成分P7では、超音波の送信開始(タイミングt31)時に信号レベルが一旦上昇し、タイミングt32にかけて減衰していく。
また、信号成分P6は、タイミングt32で超音波の送信が停止された後減衰していく。一方、信号成分P7は、超音波の送信が停止されたタイミングt32で再び上昇し、その後減衰していく。
信号成分P6と信号成分P7とを比較すると、超音波送信器2から超音波が送信されているタイミングt31からタイミングt32の間は、信号成分P6が支配的となる。また、超音波送信器2から残響波が送信されるタイミングt32以降では、信号成分P6及び信号成分P7の信号レベルは共に減衰する。
ここで、検知部4が反射波として検知する信号レベルの下限値がL2であるとすると、信号成分P6の信号レベルがL2未満に減衰するまでの時間、つまりタイミングt31からタイミングt33までの時間が、物体Oを検知可能な最小の距離に対応する。例えば、タイミングt31からタイミングt33までの時間が250μsの場合、空気中の音速(340m/s)から距離を導出すると8.5cmとなる。この場合、8.5cmを往復分の2で除算した4.25cm(約4cm)が、物体Oを検知することが可能な最小の距離となる。ここで、最小の距離は、薄板5からの離間距離を意味する。
なお、励振周波数f2を高くするほど、信号成分P6の信号レベルがL2未満に減衰するまで時間を小さくすることができる。そのため、励振周波数f2は、共振周波数f1よりも高い周波数(高周波)とすることが好ましい。
以上に説明したように、本実施形態では、パルス状の超音波を送信して薄板5を励振させ、その励振された薄板5を伝搬する超音波のうち、薄板5のみを伝搬する直接波が受信された時間と、外部に放射されて物体Oで反射した後に薄板5に戻ってくる反射波が受信された時間との差に基づいて、薄板5の周辺に存在する物体Oを検知する。パルス状の超音波により励振された薄板5から外部に放射される超音波は指向性が低く、薄板5の表面5aの全面を覆うように放射されるので、従来のように、薄板5の全面にわたって、超音波送信器2と超音波受信器3との組をそれぞれ含む複数の超音波センサを2次元的に配列する必要は無い。したがって、物体検知に必要な超音波センサの数を少なくすることができる。これにより、製造コストを低減しつつ、超音波センサが設置される部位の外観デザインを損なうことを抑制できる。
また、本実施形態では、超音波送信器2及び超音波受信器3は、薄板5の裏面5bに設置されるので、薄板5の表面5aが観察されても超音波送信器2及び超音波受信器3が視認されることはない。したがって、この構成(超音波送信器2及び超音波受信器3が薄板5の裏面5bに設置される構成)は、超音波センサが設置される部位の外観デザインが損なわれることを抑制するという観点から格別に有効である。さらに、従来においては、指向性の高い超音波を外部に放射するために(超音波センサを露出させるために)、薄板5をくり抜いて超音波センサを設置するケースもあるが、本実施形態によれば、薄板5をくり抜いて超音波センサを設置する必要もないので、この点においても外観デザインを損なうことを抑制できる。
特に、超音波センサが、車両のドアの周辺の物体Oを検知することを目的とする場合(要するに、上記薄板5が車両のドアである場合)、車両のドアの表面から超音波センサが露出していると、車両の外観デザインが大きく損なわれてしまう。そのため、上記に説明した本実施形態の超音波センサは、車両のドアの周辺の物体Oを検知する目的で利用される場合(上記薄板5が車両のドアである場合)において格別に有効である。
また、本実施形態では、超音波送信器2の共振周波数f1とは異なる周波数(励振周波数f2)で超音波を送信させ、励振周波数f2の超音波を選択的に受信する。したがって、超音波の送信後、超音波送信器2自身が振動することで発生する共振周波数f1の残響波による影響を抑制することできる。これにより、直接波と反射波とを容易に識別することができるため、物体Oの検知精度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、共振周波数f1と励振周波数f2とを切り替えながら超音波受信器3を動作させる形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と共通する部分については適宜に説明を省略する。また、薄板5における超音波送信器2及び超音波受信器3の各々の配置は上述の第1の実施形態と同様であるとするが、これに限定されるものではない。
図5は、第2の実施形態に係る超音波センサの概略構成の一例を説明するための図である。図5に示すように、本実施形態の超音波センサは、上述した第1の実施形態の超音波センサ(図1)の構成に加え、選択受信部31aと制御部10とを備えている。ここで、選択受信部31aは、例えばフィルタ回路又はホモダイン検出器であり、第1の実施形態の選択受信部31に対応するものである。
選択受信部31aは、選択受信部31と同様の機能(以下、選択機能)を有する。また、選択受信部31aは、制御部10の制御に応じて選択機能をオン(有効)又はオフ(無効)にすることが可能となっている。具体的には、選択受信部31aは、選択機能をオンとすることで、薄板5を伝搬する超音波の電気信号のうち、励振周波数f2の信号成分のみを選択的に受信する。また、選択受信部31aは、選択機能をオフとすることで、薄板5を伝搬する超音波の電気信号をそのまま受信する。
制御部10は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成され、パルス生成部1、選択受信部31a及び検知部4の動作を制御する。具体的には、制御部10は、パルス生成部1を制御することで、共振周波数f1のパルス信号(第1のパルス信号)と、励振周波数f2のパルス信号(第2のパルス信号)とを切り替えながら生成させる。なお、第1のパルス信号と第2のパルス信号との間には、所定の時間間隔(インターバル)が設けられるものとする。
超音波送信器2は、パルス生成部1で第1のパルス信号が生成されると、図2で説明したように、共振周波数f1の超音波を送信する。また、超音波送信器2は、パルス生成部1で第2のパルス信号が生成されると、図3で説明したように、励振周波数f2の超音波を送信する。
また、制御部10は、第1のパルス信号及び第2のパルス信号の切り替えに応じて、選択受信部31aの選択機能をオン又はオフに切り替える。具体的には、制御部10は、第1のパルス信号を生成させてから、次の第2のパルス信号を生成させるまでの間、選択受信部31aの選択機能をオフとする。これにより、超音波受信器3では、薄板5を伝搬する超音波の電気信号の全て、つまり共振周波数f1の信号成分を受信することになる。また、制御部10は、第2のパルス信号を生成させてから、次の第1のパルス信号を生成させるまでの間、選択受信部31aの選択機能をオンとする。これにより、超音波受信器3では、薄板5を伝搬する超音波の電気信号のうち、励振周波数f2の信号成分のみを受信することになる。
また、制御部10は、第1のパルス信号及び第2のパルス信号の切り替えに応じて、検知部4が物体Oを検知可能な期間(以下、検知期間という)を制御する。以下、図2及び図3を参照して、検知部4に対する検知期間の制御について説明する。
例えば、制御部10は、パルス生成部1に第1のパルス信号を生成させると、図2に示すタイミングt14からタイミングt17までの期間(時間長)を、反射波の受信タイミングを検知しない無効期間に設定する。これにより、検知部4は、タイミングt14で共振周波数f1の直接波P11を検知した後、タイミングt14からタイミングt17までの無効期間の間は、超音波受信器3が超音波(反射波)を受信した場合であっても、その受信タイミングを物体Oの検知に用いることなく破棄する。したがって、共振周波数f1の残響波による影響を防ぐことができ、無効期間の時間に応じた距離(以下、近距離)以上の距離にある物体Oを検知することができる。
また、例えば、第2のパルス信号をパルス生成部1に生成させた場合、図3に示すように、励振周波数f2の信号成分が検知部4に入力される。この場合、共振周波数f1の残響波による影響はなくなるため、制御部10は、上述した無効期間を解除する。これにより、検知部4は、図3で説明したように、タイミングt24で励振周波数f2の直接波P31を検知した後、タイミングt25で受信された励振周波数f2の反射波P41を検知することができる。なお、この場合、薄板5から近距離にある物体Oとともに、薄板5から近距離以上の距離にある物体Oも検知することが可能であるが、タイミングt24からタイミングt26(又はタイミングt27)までを、物体O(反射波)の検知を行う期間に制限することで、薄板5から近距離にある物体Oのみを検知対象としてもよい。
このように、第1のパルス信号と第2のパルス信号とを切り替えながら超音波送信器2から超音波を送信させ、第1のパルス信号と第2のパルス信号との切り替えに応じて、選択受信部31a及び検知部4の動作を切り替えることで、残響による影響を抑えながら、物体Oの検知精度を向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、上述の各実施形態で説明した超音波センサを利用する車両制御システムの実施形態である。車両制御システムは、車両に搭載される制御システムである。図6は、本実施形態の車両制御システムの概略構成の一例を示す図である。図6に示すように、車両制御システムは、超音波センサ100と、車両制御部110と、を備え、これらは、例えばCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークを介して接続される。ただし、これに限らず、例えば有線を介して接続される形態であっても構わない。超音波センサ100は、上述の各実施形態のうちの何れかの実施形態の超音波センサを適用することができる。超音波センサ100は、上述のパルス生成部1、超音波送信器2、超音波受信器3及び検知部4等を備えている。
車両制御部110は、例えばECU(engine control unit)であり、超音波センサ100による検知結果を用いて、車両を制御する。この例では、車両制御部110は、超音波センサ100による検知結果から、ドアから10cmの距離に障害物(物体O)が存在するか否かを判断する。ドアから10cmの距離に障害物が存在すると判断した場合、車両制御部110は、ドアの開放動作を停止させる制御(それ以上ドアが解放されることを防止するための制御)を行い、ドアが障害物に衝突することを回避する。
なお、車両制御部110による制御は上記の例に限られるものではない。例えば車両の前方の左右又は後方の左右のコーナーの外装面を上記薄板5として超音波センサ100を設置する形態において、車両制御部110は、超音波センサ100による検知結果から、コーナー(薄板5)から10cmの距離に障害物(物体O)が存在するか否かを判断する形態であってもよい。そして、コーナーから10cmの距離に障害物が存在すると判断した場合、車両制御部110は、車両が障害物に衝突することを回避するよう、車両の走行を制御する形態であってもよい。要するに、車両制御部110は、超音波センサ100による検知結果を用いて車両を制御する形態であればよく、その制御の形態は任意に変更可能である。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
また、上述の各実施形態及び変形例は、任意に組み合わせることができる。
1 パルス生成部
2 超音波送信器
3 超音波受信器
31、31a 選択受信部
4 検知部
5 薄板
10 制御部
100 超音波センサ
110 車両制御部
O 物体

Claims (8)

  1. パルス状の超音波を送信して薄板を励振させる超音波送信器と、
    前記超音波送信器の共振周波数とは異なる励振周波数のパルス信号を生成し、当該パルス信号に基づく前記超音波を前記超音波送信器に送信させるパルス生成部と、
    前記薄板を伝搬する超音波のうち、前記薄板のみを伝搬する直接波と、外部に放射されて物体で反射した後に前記薄板に戻ってくる反射波とに含まれる前記励振周波数の信号成分を選択的に受信するための選択受信部を有し、前記選択受信部を介して前記直接波及び前記反射波を受信する超音波受信器と、
    前記直接波が受信された時間と、前記反射波が受信された時間との差に基づいて、前記薄板の周辺に存在する物体を検知する検知部と、
    を備える超音波センサ。
  2. 前記選択受信部は、前記励振周波数の信号成分を透過し、前記共振周波数の信号成分を遮断するフィルタ回路である、請求項に記載の超音波センサ。
  3. 前記選択受信部は、前記励振周波数の信号成分を検出するホモダイン検出器である、請求項に記載の超音波センサ。
  4. 前記共振周波数の第1のパルス信号と、前記励振周波数の第2のパルス信号とを切り替えながら前記パルス生成部に生成させるとともに、前記第1のパルス信号及び前記第2のパルス信号の切り替えに応じて、前記選択受信部の機能を有効又は無効に切り替える制御部を更に備える、請求項の何れか一項に記載の超音波センサ。
  5. 前記制御部は、前記第1のパルス信号及び前記第2のパルス信号の切り替えに応じて、前記検知部が前記物体を検知可能な期間を制御する、請求項に記載の超音波センサ。
  6. 前記励振周波数は、前記共振周波数よりも高周波である、請求項1~の何れか一項に記載の超音波センサ。
  7. 前記薄板は車両のドアである、請求項1~の何れか一項に記載の超音波センサ。
  8. 請求項1~の何れか一項に記載の超音波センサと、
    前記超音波センサによる検知結果を用いて、車両を制御する車両制御部と、
    を備える車両制御システム。
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