JP2014232069A - 物体検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物体検出装置12では、検出対象の物体100が現れ得る領域に対して近距離領域用の第1送信波W1と遠距離領域用の第2送信波W2との合成送信波Wtを送信機40から出力する。合成送信波Wtのうち物体100で反射して戻って来る反射波Wrに基づいて物体100までの距離Lの検出を行う。距離検出部52は、遠距離領域に存在する物体100までの距離Lを求める際、第1送信波W1が送信されたタイミングで受信機42が検出した値を除外する。
【選択図】図12
Description
1.構成
[1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る物体検出装置12を搭載した車両10(以下「自車10」ともいう。)の構成を示すブロック図である。車両10は、物体検出装置12に加え、車両挙動安定システム14、電動パワーステアリングシステム16(以下「EPSシステム16」という。)及び車速センサ18を有する。
図1に示すように、物体検出装置12は、超音波センサ30、フィルタ32及び物体検出電子制御装置34(以下「物体検出ECU34」又は「ECU34」という。)を有する。
超音波センサ30は、超音波である合成送信波Wt(以下「送信波Wt」ともいう。)を車両10の外部に出力する送信機40と、送信波Wtのうち検出物体100(例えば、他車)に反射して戻って来る反射波Wrを受信する受信機42とを含む。
フィルタ32は、受信機42の出力信号(反射波信号Sr)に対して距離検出用のフィルタ処理を行ってフィルタ信号SfとしてECU34に出力する。距離検出用のフィルタ処理とは、ECU34において自車10から検出物体100までの距離Lを算出するのに適した信号となるように反射波信号Srに対して行う処理である。具体的には、本実施形態のフィルタ32は、バンドパスフィルタ処理及びエンベロープ処理を行う(それぞれ詳細は後述する。)。
(1−2−3−1.物体検出ECU34の全体構成)
物体検出ECU34は、ハードウェアの構成として入出力部、演算部及び記憶部(いずれも図示せず)を含む。前記入出力部には、前記アナログ/デジタル変換器が含まれる。また、前記記憶部には、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)が含まれる。
送信機制御部50は、送信機40に対して制御信号Scを送信して送信機40の出力を制御する。送信機制御部50は、パルス信号(バースト信号)である制御信号Scを所定周期で出力する(詳細は図3及び図4を参照して後述する。)。
距離検出部52は、フィルタ信号Sfに基づいて自車10から検出物体100までの距離Lを検出する。本実施形態の距離検出部52は、相互相関処理を用いて距離Lを算出する(詳細は後述する。)。
[2−1.物体検出装置12の全体的な処理]
図2は、物体検出装置12の全体的な処理を示すと共にその際に出力される複数の信号の例を概略的に示すフローチャートである。ステップS1において、物体検出装置12は、送信機40から合成送信波Wtを出力する。合成送信波Wtは、近距離領域用の第1送信波W1と遠距離領域用の第2送信波W2とを合成したものである。出力された合成送信波Wtは、超音波センサ30の検出領域内に現れた物体(検出物体100(例えば、他車))で反射して反射波Wrとして物体検出装置12に戻って来る。ここにいう検出領域は、近距離領域及び遠距離領域を含む。なお、近距離領域は、例えば、0mを上回り且つ4m以下の領域を指し、遠距離領域は、例えば、4mを上回り且つ10m以下の領域を指す。
(2−2−1.概要)
図3は、物体検出ECU34から送信機40に出力される制御信号Scの一例を示す図である。図4は、制御信号Scを説明するための図である。図4に示すように、制御信号Sc(駆動信号)は、幅がWpであり且つ振幅がApである複数のパルス波60が連続して出力されるパルス束62(バースト波)として出力される。なお、以下では、パルス束62におけるパルス波60の周期を「パルス波周期Cp」といい、パルス束62の周期を「パルス束周期Cb」という。パルス束62に含まれるパルス波60の数をNpとするとき、パルス束62の幅(以下「幅Wb」という。)はCp×Np−(Cp−Wp)となる。
図5は、第1送信波W1及び第2送信波W2を合成する際に検討すべき問題点について説明するための図である。図5の例では、時点t1〜t2まで、送信機40からパルス束62の幅Wbが比較的広い送信波(例えば、第2送信波W2)を出力し、時点t2〜t3まで残響が生じている。また、時点t1〜t4までの間が、近距離領域からの反射波Wrが取り得る範囲である。図5では、近距離領域からの反射波Wrが取り得る範囲の半分程度が第2送信波W2の影響を受けている。このため、近距離領域における距離Lの検出を精度良く行うことができない。
図7は、パルス束周期Cbを設定するフローチャートである。ステップS11において、送信機制御部50は、近距離領域又は遠距離領域に検出物体100が存在するか否かを判定する。当該判定は、距離検出部52からの信号(物体存否信号So)に基づいて判定する。
図8は、第1送信波W1と第2送信波W2の出力間隔(パルス束周期Cb)を説明するための図である。図8の例では、時点t11で第2送信波W2が出力された後、時点t13及び時点t16で第1送信波W1が送信される。さらにその後の時点t18において第2送信波W2が出力される。このように、図8の例では、送信波Wtの1周期において1回の第2送信波W2の出力の後に2回の第1送信波W1の出力が行われ、さらに1回の第2送信波W2の出力が行われる。
図9は、受信機42の出力信号である反射波信号Srの一例を示す図である。上記のように、本実施形態では、送信機40の振動子と受信機42の振動子は同一又は共通のものである。このため、送信波Wtを出力する際の送信機40の振動子の振動を、受信機42の振動子が検出する。従って、受信機42の出力信号(反射波信号Sr)には、送信波Wtを出力する際の送信機40の振動子の振動が反映される。
距離L=c×遅延時間Td/2 ・・・(1)
(2−4−1.フィルタ処理の概要)
フィルタ処理は、フィルタ32が、反射波信号Srに対して行う距離検出用の信号処理である。本実施形態のフィルタ32は、フィルタ処理としてバンドパスフィルタ処理及びエンベロープ処理を行う。
バンドパスフィルタ処理(以下「BPF処理」ともいう。)は、反射波信号Srのうち送信波Wtの周波数(以下「送信波周波数ft」という。)及びその近傍値のみを通過させるフィルタ処理である。バンドパスフィルタ処理後の信号を「バンドパスフィルタ信号Sbpf」又は「BPF信号Sbpf」という。
エンベロープ処理は、BPF信号Sbpfに基づいてエンベロープ(包絡線)を生成するフィルタ処理である。エンベロープ処理後の信号は、フィルタ32からの出力信号(フィルタ信号Sf)となる。
図11は、遠距離領域用距離検出処理のフローチャート(図2のS4の詳細)である。ステップS21において、距離検出部52は、送信機制御部50から第1送信波W1及び第2送信波W2それぞれのパターンPw1、Pw2(第1及び第2送信波パターン信号Sp1、Sp2)を取得する。本実施形態では、第1送信波W1及び第2送信波W2それぞれのパターンPw1、Pw2は、パルス束62の幅Wb及びパルス束周期Cbを示す2値化データである。例えば、パルス束62(バースト波)が出力されている期間(すなわち、幅Wb)を「1」とし、パルス束62が出力されていない期間を「0」とする。
図14は、近距離領域用距離検出処理のフローチャート(図2のS5の詳細)である。ステップS31において、距離検出部52は、送信機制御部50から第1送信波W1のパターンPw1(第1送信波パターン信号Sp1)を取得する。本実施形態では、第1送信波W1のパターンPw1は、パルス束62の幅Wb及びパルス束周期Cbを示す2値化データである。例えば、パルス束62が出力されている期間(すなわち、幅Wb)を「1」とし、パルス束62が出力されていない期間を「0」とする。
以上のように、本実施形態によれば、遠距離領域に存在する検出物体100までの距離Lを求める際、第1送信波W1が送信されたタイミングで受信機42が検出した値を除外する(図11のS23、図12)。これにより、反射波Wrではなく、送信機40から受信機42に直接到達した近距離領域用の第1送信波W1(直接波)に基づく受信機42の出力(反射波信号Sr)を除外することが可能となる。従って、遠距離領域に存在する物体100までの距離Lを求める際、直接波としての第1送信波W1に基づく誤検出を防止することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記実施形態では、物体検出装置12を車両10に適用したが、これに限らず、別の対象に適用してもよい。例えば、物体検出装置12を船舶や航空機等の移動体に用いることもできる。或いは、物体検出装置12を、ロボット、セキュリティ用監視装置又は家電製品に適用してもよい。
[2−1.全体]
上記実施形態では、物体検出装置12の出力としての距離Lを車両挙動安定ECU20及びEPS ECU22で用いたが、それ以外の用途で用いることも可能である。例えば、車両10の駐車支援又は誤発進防止にも用いることができる。
上記実施形態では、フィルタ32をアナログ回路で構成し、送信機制御部50及び距離検出部52をデジタル回路で構成することを前提に説明した。しかしながら、フィルタ32をデジタル回路で構成してもよい。また、送信機制御部50及び距離検出部52の一部についてはアナログ回路で構成してもよい。
上記実施形態では、第2送信波W2の周波数(バースト周波数)を共振周波数f1と等しくし、第1送信波W1の周波数(バースト周波数)を、共振周波数f1よりも低い周波数f2と等しくした(図3)。しかしながら、その他の観点(例えば、遠距離領域用距離検出処理において、第1送信波W1が送信されたタイミングで受信機42が検出した値を除外するとの観点)からすれば、第1送信波W1及び第2送信波W2の周波数(バースト周波数)は等しくしてもよい。
18…車速センサ(速度検出部) 40…送信機
42…受信機 50…送信機制御部
52…距離検出部 100…検出物体(物体)
C1…近距離領域用相互相関値 C2…遠距離領域用相互相関値
THv…車速閾値(速度閾値) L…物体までの距離
Sp1…第1送信波パターン信号 Sp2…第2送信波パターン信号
Sr…反射波信号(受信機からの出力信号) Td…遅延時間
Tr1、Tr2…残響時間 V…車速(移動速度)
W1…第1送信波 W2…第2送信波
Wr…反射波 Wt…合成送信波
Claims (6)
- 検出対象の物体が現れ得る領域に対して近距離領域用の第1送信波と遠距離領域用の第2送信波との合成送信波を出力する送信機と、
前記合成送信波のうち前記物体で反射して戻って来る反射波を受信する受信機と、
前記送信機が前記合成送信波を出力した時点から前記受信機が前記反射波を受信した時点までの遅延時間に応じて前記物体までの距離を検出する距離検出部と
を備える物体検出装置であって、
前記距離検出部は、前記遠距離領域に存在する前記物体までの距離を求める際、前記第1送信波が送信されたタイミングで前記受信機が検出した値を除外する
ことを特徴とする物体検出装置。 - 請求項1記載の物体検出装置において、
前記送信機は、前記第2送信波の出力の大きさに応じて決定する残響時間よりも長い期間経過後に前記第1送信波を出力する
ことを特徴とする物体検出装置。 - 請求項1記載の物体検出装置において、
前記送信機は、前記第2送信波の出力の大きさに応じて決定する残響時間の終端にて前記第1送信波を出力する
ことを特徴とする物体検出装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の物体検出装置において、
前記送信機は、前記第1送信波の出力時間よりも前記第2送信波の出力時間を長くする
ことを特徴とする物体検出装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の物体検出装置において、
前記距離検出部は、
前記送信機を制御する送信機制御部から出力され且つ前記第1送信波のパターンを示す第1送信波パターン信号と前記受信機からの出力信号とに基づく近距離領域用相互相関値を算出し、
算出した前記近距離領域用相互相関値に基づき前記近距離領域に存在する前記物体までの距離を算出し、
前記送信機制御部から出力され且つ前記第2送信波のパターンを示す第2送信波パターン信号と前記受信機からの出力信号とに基づく遠距離領域用相互相関値を算出し、
算出した前記遠距離領域用相互相関値に基づき前記遠距離領域に存在する前記物体までの距離を算出する
ことを特徴とする物体検出装置。 - 請求項5記載の物体検出装置において、
前記物体検出装置は、前記物体検出装置が搭載された移動体の移動速度を検出する速度検出部を備え、
前記距離検出部は、
前記距離の検出を行うか否かを判定する前記移動速度の閾値である速度閾値を設定し、
前記移動速度が前記速度閾値を下回るとき、前記距離の検出を実行し、
前記移動速度が前記速度閾値を上回るとき、前記距離の検出を中止する
ことを特徴とする物体検出装置。
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