JP7250466B2 - 油脂用増粘剤 - Google Patents
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Description
このような油脂の改質を必要とせず液状油脂を増粘、固化することを目的として、これまでにポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する方法が開示されている。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)は、ポリグリセリンの平均重合度が2~10であり、構成脂肪酸として下記成分A~Cを含有し、且つ、エステル化率が30~100%であることを特徴とする油脂用増粘剤に関する。
成分A:ベヘン酸
成分B:炭素数12~18の飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上
成分C:炭素数8~10の飽和脂肪酸、及び、炭素数18~22の不飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上。
本発明の第2は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)を2種以上含有することを特徴とする本発明の第1に記載の油脂用増粘剤に関する。
本発明の第3は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)から1種以上、及び、ポリグリセリン脂肪酸エステル(2)から1種以上含有することを特徴とする油脂用増粘剤であって、
ポリグリセリン脂肪酸エステル(2)は、ポリグリセリンの平均重合度が1~10であり、構成脂肪酸中のベヘン酸のモル比率が0.6~1.0であり、且つ、エステル化率が25~100%である(但し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)を除く)ことを特徴とする本発明の第1に記載の油脂用増粘剤に関する。
本発明の第4は、ポリグリセリン脂肪酸エステル(1’)から1種以上、及び、ポリグリセリン脂肪酸エステル(2’)から1種以上含有することを特徴とする油脂用増粘剤であって、
ポリグリセリン脂肪酸エステル(1’)は、ポリグリセリンの平均重合度が10であり、構成脂肪酸として下記成分A’~C’の全てを含有し、且つ、エステル化率が30~100%であって、
成分A’:ベヘン酸
成分B’:炭素数12~18の飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上
成分C’:炭素数18~22の不飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上
ポリグリセリン脂肪酸エステル(2’)は、ポリグリセリンの平均重合度が2~10であり、構成脂肪酸中のベヘン酸のモル比率が0.6~1.0であり、且つ、エステル化率が25~50%である(但し、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)を除く)ことを特徴とする油脂用増粘剤に関する。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2013年度版」に準じて算出される。
(式3)エステル化率(%)=(M/(n+2))×100
で算出される値である。
平均重合度が2のポリグリセリン100gとベヘン酸307.2gを反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率38%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が6のポリグリセリン100gとベヘン酸134.6gを反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率28%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が6のポリグリセリン100gとベヘン酸153.0gを反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率31%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が6のポリグリセリン100gとベヘン酸183.6gを反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率38%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が6のポリグリセリン100gとベヘン酸306.0gを反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率63%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が2のポリグリセリン100gとステアリン酸136.9g、オレイン酸135.9g、ベヘン酸491.6gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率100%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が6のポリグリセリン100gとステアリン酸81.8g、オレイン酸81.2g、ベヘン酸293.8gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率100%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸27.3g、オレイン酸27.1g、ベヘン酸97.9gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率33%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸34.1g、オレイン酸33.8g、ベヘン酸122.4gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率42%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸40.9g、オレイン酸40.6g、ベヘン酸146.9gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率50%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸54.5g、オレイン酸54.1g、ベヘン酸195.8gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率67%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸81.8g、オレイン酸81.2g、ベヘン酸293.8gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率100%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸40.9g、オレイン酸40.6g、ベヘン酸391.7gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率100%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとラウリン酸57.6g、ステアリン酸81.8g、ベヘン酸293.8gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率100%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸81.8g、ベヘン酸293.8g、エルカ酸97.3gからなる混合脂肪酸を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性及び窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率100%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
油脂用増粘剤として、合成例1~15のポリグリセリン脂肪酸エステル、市販のグリセリンモノステアリン酸エステル(1G1S)、グリセリンモノベヘン酸エステル(1G1B)、太陽化学株式会社製「TAISET50」を表2に示す組合せで用いた。なお、配合比は重量比である。
80℃に加熱した試料容器内のキャノーラ油に表2に記載の油脂用増粘剤を添加し、均一に溶解させて、油脂用増粘剤を2重量%含有させた油脂を調製した。70℃に調温したE型粘度計(Brookfield社)のカップ内に試料を0.5mL注入し、25s-1の速度でせん断を付与しながら1℃/minで25℃まで冷却し、25℃に到達するまでの粘度を測定した。スピンドルはCP-40を使用した。無添加のキャノーラ油の25℃における粘度を上回った温度を増粘開始温度とし、試験例1の増粘開始温度を下記表2に示す。
油脂用増粘剤として、合成例1~15のポリグリセリン脂肪酸エステルを表3に示す組合せで用いた。なお、配合比は重量比である。
80℃に加熱した試料容器内のキャノーラ油に、表3に記載の油脂用増粘剤を添加し、均一に溶解させて、油脂用増粘剤を2重量%含有させた油脂を調製した。70℃に調温したE型粘度計(Brookfield社)のカップ内に試料を0.5mL注入し、25s-1の速度でせん断を付与しながら1℃/minで25℃まで冷却し、25℃に到達するまでの粘度を測定した。スピンドルはCP-40を使用した。
Claims (2)
- ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)から1種以上、及び、ポリグリセリン脂肪酸エステル(2)から1種以上含有することを特徴とする油脂用増粘剤であって、
ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)は、ポリグリセリンの平均重合度が2~10であり、構成脂肪酸として下記成分A~Cの全てを含有し、且つ、エステル化率が30~100%であることを特徴とする油脂用増粘剤。
成分A:ベヘン酸
成分B:炭素数12~18の飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上
成分C:炭素数8~10の飽和脂肪酸、及び、炭素数18~22の不飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上
ポリグリセリン脂肪酸エステル(2)は、ポリグリセリンの平均重合度が1~10であり、構成脂肪酸中のベヘン酸のモル比率が0.6~1.0であり、且つ、エステル化率が25~100%である(但し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)を除く)ことを特徴とする油脂用増粘剤。 - ポリグリセリン脂肪酸エステル(1’)から1種以上、及び、ポリグリセリン脂肪酸エステル(2’)から1種以上含有することを特徴とする油脂用増粘剤であって、
ポリグリセリン脂肪酸エステル(1’)は、ポリグリセリンの平均重合度が10であり、構成脂肪酸として下記成分A’~C’の全てを含有し、且つ、エステル化率が30~100%であって、
成分A’:ベヘン酸
成分B’:炭素数12~18の飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上
成分C’:炭素数18~22の不飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種以上
ポリグリセリン脂肪酸エステル(2’)は、ポリグリセリンの平均重合度が2~10であり、構成脂肪酸中のベヘン酸のモル比率が0.6~1.0であり、且つ、エステル化率が25~50%である(但し、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(1’)を除く)ことを特徴とする油脂用増粘剤。
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