以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本実施の形態であるコレーター1Aにおいて、本発明の技術的特徴を備えた部分を縦断面部分図で示している。このコレーター1Aは、主たる用途が新聞折込用チラシの丁合作業であるが、複数種類の用紙101a,101a,・・101bを積載する用紙トレーを有した棚20a,20b,・・・22を縦方向に複数段備え、各棚から送りロール25で給紙した複数種類の用紙101a,101a,・・101bを1つに丁合してなる用紙束101を、排出口12から用紙束積載部18に連続的に排出して積み上げる機能を有している。
そして、本発明のコレーター1Aは、丁合した用紙束101を排出するまでの経路に左右振分け機構を備えており、この左右振分け機構で用紙束101を搬送する搬送ラインを一束毎に交互に左右方向へ所定幅で横移動させることにより、排出する用紙束101を一束毎に左右にずらしながら積み上げる区分積みの実施を可能とされており、この点が本発明における最大の特徴部分となっている。
新聞折込用チラシの丁合作業においては、最下段の棚22には用紙束101の境界を明確にするための折紙と呼ばれる用紙101bが積載されており、給紙された用紙101bが一対の折ロール11a,11bの隙間にブレード130で押し込まれて折り畳まれながら用紙束(中紙)を挟み込んだ状態にて用紙束101が構成され、その後、搬送コンベヤ12a,12bで搬送・排出されて積載される方式が採用されている。
一方、新聞折込用チラシの丁合作業以外にコレーターが用いられる際は、折紙を給紙する場合と給紙しない場合があり、折紙を給紙しない場合は、区分積みモードに切り替えて作業が行われるが、本発明のコレーター1Aにおける区分積みは、本発明の特徴部分である左右振分け機構によって行われ、図2に示すように、用紙束101を表裏から挟み込みながら送り出す一対のローラー11a,11bによる折ロール11を、各用紙束101の搬送タイミングに合わせてローラー11a,11bの回転軸線に沿って左右に往復動させる図示しない往復駆動手段によって、一束ごとに搬送ラインを左右に移動させながら用紙束101を搬送して区分積みを行うようになっている。
即ち、コレーターの排紙トレーを往復動させる等して排出口から排出した後で用紙束を左右に振り分けて境界を明確にする従来の方式においては、様々なサイズの用紙からなる用紙束を安定的かつ整然と積み上げることが困難であったが、このように用紙束101が形成されてから排出するまでの搬送経路において、一束毎に反対方向に横移動させながら排出して積み上げる方式を採用したことで、様々な状態の用紙束101を安定的かつ整然とした状態にて、区分積みを実現可能なものとした。
殊に、本実施の形態においては、用紙束101を一対の折ロール11で挟み込んで保持しながらスライド移動させる方式を採用したことにより、様々なサイズの用紙101aからなる用紙束101が変形したり向きが回転したりすることを確実に回避しながら、スムースな振り分け機能を発揮可能としている。
このような左右振り分け機構の駆動方式としては、様々な態様が想定されるが、例えば図3に示すように、一対のローラー11a,11bを保持するフレーム116(その回転駆動手段は図示を省略)を、ソレノイド等のピストン状のアクチュエータ120a,120bにより左右に往復摺動させる方式を想定することができる。
尚、一対のローラー11a,11bで用紙束101を挟み込んで送り出す方式においては、図1に示したように、上方から来た用紙束101の進行方向を折ロール12の直下で横方向に曲げるために斜めのガイド板114を設けるのが通常であるところ、一対のローラー11a,11bを左右に往復摺動させると、そこに挟まれた用紙束101がガイド板114に当たって進行方向に摩擦するのみでなく、左右方向にも摩擦して用紙束101にシワや変形が生じる畏れがある。
そこで、図1に示した折ロール11について、図4に示すように、一方のローラー11bを基端側のローラー11cにしたコンベヤ111aとして、他方のローラー11aの直下に設けた補助コンベヤ111b、及びガイド板114をその折ロールとともに移動させる構成とすることにより、用紙束101の変形を最小限に抑えることができる。
折紙を用いずに中紙だけの用紙束を排出して積み上げる場合は、図5(A)に示すように、先端側が排出口12となる搬送コンベヤ12a,12bの末端部において、用紙束101を構成する用紙101a同士の間に空気が入って先端側が開いてしまったり、用紙束積載部18に落下する際に用紙束101が折れ曲がったりする心配がある。
そこで、図5(B)に示すように、排出口12において用紙束101の下面側を下から支えるように斜め上向きにガイド板116を突設したり、排出側のローラー軸の中心を結ぶ軸心を傾斜させて用紙束101を上向きに排出させたりすることにより、用紙束101の先端側が開かないようにすることが可能となる。
或いは、図5(C)に示すように、下側の搬送コンベヤ12bの先端側からコンベヤ120やガイド板を突き出して用紙束101の下面側を支えるようにし、所定位置まで用紙束101を送り出した後で、用紙束101の落下の邪魔にならないようにコンベヤ120やガイド板を引き戻す構成としても良い。この例では、排出された用紙束101を受ける用紙束積載部18が上下しない構成であるため、コンベヤ120やガイド板は、排出された用紙束101の上から押さえている排紙押さえ17とともに用紙束101の積載量に応じて上下する構成としても良い。これに対し、図5(D)は、図5(C)において用紙束積載部18が上下する場合を示しており、排出側が固定した高さから用紙束101を排出する構成となっている。
さらに、図6は排出側で区分積みをしないで搬送コンベヤ150を接続して用紙束101をそのまま搬送する場合の一例を示しているが、この搬送コンベヤ150とコレーター1Aの排出速度を同期させながら単純に排出するだけの構成となっている。尚、この変形例としては、同期させずに排出された用紙束101を一旦停止させるストッパーを設け、搬送コンベヤ150側の都合の良いときに放す、という構成も想定できる。
さらにまた、図6(B)に示すように、搬送コンベヤ12a,12bの排出側のローラー120の直径を、幅方向の位置に応じてローラー121,122のように変えることにより、用紙束101を湾曲させた状態で排出するようにしても良い。この場合、ローラー120の直径を変えるということは、図において中央寄りの3対のローラー120は軸に固定されたまま同じ速度で回転するのに対し、両端のローラー121,122は回転速度を変更する必要があるため、専用の駆動ベルト等の駆動機構を付加して対応する必要がある。
そして、左右振り分け機構の他の態様としては、図7に示すような構成も想定できる。この左右振分け機構は、排出直前の搬送コンベヤ12fであって、その下流側のローラー軸を、用紙束101の搬送タイミングに合わせてその左右の端部側を交互に下げながら又は上げながらコンベヤ下流側をねじるようにして傾斜させる方式としたものであり、図示しない傾斜駆動手段により一束ごとに傾斜の向きを変えることで、搬送ラインを左右に移動させながら用紙束101を搬送・排出して、前述と同様にスムースな振り分けを実現するものとし、加えて、ねじり動作とともに前記下流側のローラー軸をその軸方向に所定の距離移動させることで、搬送ラインの移動量を増加させることができる。
一方、折紙を給紙する丁合方法においては、給紙された折紙がブレードで折り曲げる位置に停止する際に、ストッパーに跳ね返ることでその待機位置とその向きが変動して折紙の折線が曲がってしまい、用紙束の品質低下を招くとともにこれを整然とした状態で安定的に積み上げにくくなるという問題があった。
そこで、図8(A)に示すように、折棚から折紙として給紙した用紙101bの先端側に当たって中紙の到着を待つ位置で停止させるストッパーを、2枚の板材を側面視横向きY字状に形成してなるストッパー140aとして、その開放側から侵入した用紙101bの先端側を鋭角の狭小部先端側で挟み込んで停止させることにより、前述した問題を解決することができる。
このストッパー140aとしては、側面視横向きY字状のほか、板材を屈曲して側面視横向きV字状にしたものでも同様の機能が期待できるが、これらの配置により、丁合速度の高速化に伴って折紙の搬送速度を速めた場合であっても、跳ね返りによる折紙の位置ズレや角度の変動に起因する用紙束101の品質低下と積み上げの乱れを防止しやすいものとなる。
上述したストッパー140aは、図9(A),(B)に示すように、用紙101bを上下から挟むように支持しながらその搬送をガイドする上下一対のガイド板14a,14bの所定位置に複数形成した複数の切欠部分141aに各々設けることが想定される。しかし、上述したストッパー140aだけでは、図8(B)に示したように、ストッパー140aの位置まで用紙101bを案内する上下のガイド板14a,14bの隙間内で、勢いよく侵入した用紙101bがストッパー140aに衝突することで全体的に湾曲して、折り目が一定しにくくなるという問題も生じ得る。
この問題に対し、図9(C),(D)に示すように、ストッパー141aの狭小部先端側が上下のガイド板14a,14bによる隙間部分よりも下側又は上側にずれた位置になるように配置することにより、図10(A)に示すように給紙された用紙101bがその先端側をストッパー140a内に挿入した部分で縦方向に各々湾曲した状態にして停止させることができる。
そのため、折紙に形成した湾曲部分と切欠141aの角部との間に生じる摩擦と抵抗により、跳ね返りを一層確実に防止しやすくなることに加え、折紙が全体的に湾曲してしまうのも防止できるため、用紙束101の品質低下を一層防止しやすいものとなる。尚、図9(C)に示した構成の変形例としては、図10(B)に示すようにストッパー140bを丸棒又は板状のままとして、上下のガイド板14a,14bの代わりに、凸部142と凹部143の組合せとして、給紙した用紙101bを上下から挟み込みながら変形させる構成も想定できる。
ところで、近年においては、図11(A)に示すように、1枚の用紙を予め半分に折った状態の2つ折りと呼ばれる用紙101cを折紙として使用するケースが増えており、これをブレード130で折り曲げる場合は、折り目のある方が折ロール11a,11bに引き込まれにくいため、全体として曲がった状態で引き込まれてしまい、図11(B)に示すように折り目の位置が曲がることがあり、これにより図11(C)のような状態に折り畳まれた状態になってしまうことが知られている。
そこで、折り曲げ位置で待機している折紙の中央部を折り曲げるブレード130を、図12に示すように、上下に動作する装着部に対しその下端線を所定の角度の範囲内で傾斜した状態にて装着可能なブレード131に変更することで、折紙となる用紙101cにおけるブレード131による折線の角度のずれを、その傾斜角度の設定により調整することが可能なものとなる。
これにより、2つ折りの用紙101cを折紙として用いる場合であっても、想定される折線の曲がりの程度に応じた角度でブレード131を予め傾斜させておけば、用紙101cを引き込むタイミングが調整できるようになるため、折紙における折線の曲がりを最小限に抑えることができる。尚、傾斜したブレード131の先端側が折ロールに引き込まれてしまうのを防止する観点で、ブレード131を装着部に対しバネ部材を介し上下方向に弾性的に可動な状態で装着するとともに、ブレード131の先端が所定位置まで下がった下死点にストッパーを設けて、傾斜した下端側の下降動作を制限しながら他端側を待つような構成としても良い。
また、上述した構成の代わりに又はそれに加えて、図12に示したように、中央部にブレード130又はブレード131が通過する溝133を有して上面で待機位置の折紙を支持する支持手段のうち、溝133の上流側(手前側)部分を構成するガイド板132の先端側(溝側)に、その支持面を溝133側に延長する延長板132aを延設して、その先端側の端縁線を溝133の長手方向に対し所定角度の範囲内で斜めになるようにガイド板132に固定可能なものとして、用紙101cにおける折線の角度のずれを、その端縁線の傾斜の設定により予め調整出来るようにしても良く、同様に溝133の下流側(奥側)部分を構成するガイド板に対して前述と同様の延長板を設けても良く、或いはその両方に延長板を設けても良い。
一方、図1に示したように、コレーター1Aの排出口12には、排出した用紙束101を上から押さえる排紙押さえ17が基端側を軸支されながら先端側を揺動可能な状態で設けられているところ、図13(A)に示すように、その先端側が用紙束積載部18の排紙受18a側で支持された構成となっている。その排紙押さえ17は、用紙束101が積み重なるのに従ってその先端側を上昇することにより、用紙束101が跳ね返ったり後続の用紙束101の侵入を妨げたりしないように排出された用紙束101を上から押さえつけながら、それらが垂直な状態で整然と積み上がるようにしている。
しかし、用紙束101が排紙押さえ17の下に侵入する際に、排紙押さえ17自体の重量の半分程度及び排紙押さえ17を上昇させるための跳上げ機構の重量及び摩擦抵抗が用紙束101にかかるようにしてあるのが通常であるが、用紙束101の中紙が少なく軽量である場合は、図13(A)に示したように、排紙押さえ17を押し上げる力が足りずに用紙束101が傾斜して積み上がることがあり、この用紙束101の山を搬送する際には荷崩れを起こしやすくなるという問題がある。
そこで、図13(B)に示すように、排出口12の上方位置から延設されて先端側を揺動可能に軸支されている排紙押さえ17の先端部を、排紙受19a内において保持体184で保持しながらその押圧力を調整する押圧力調整機構を排紙受19a内に設けることにより、その問題を解決することが想定される。
即ち、その押圧力調整機構では、上下に並べて配置した一対の滑車181,182に、輪状の紐部材180が上下に往復動作可能な状態で架設されて滑車181,182の回転に追従するようになっており、且つ、その紐部材180の排出口12側の部分に排紙押さえ17の先端側を保持する保持体184を備え、その反対側の部分に錘を載せる錘受183を備えており、その錘受183に載せる錘の重量を調整することで排紙押さえ17による押圧力の調整が可能とされており、用紙束101の状態に応じて排紙押さえ17の押圧力を調整しながら、整然と積み上げやすくすることが可能となる。
この場合、制御手段の指示により給紙する棚を選択しながら丁合作業を実行するコレーターにおいては、排紙される用紙束101の中紙の枚数が一定ではなく、中紙が多い場合と少ない場合がランダムに発生するため、排紙押さえ17が用紙束101を押さえ付ける荷重を一定にした場合は、用紙束101が排紙受19aに当たって跳ね返るなどして、軽い用紙束101が排紙受19aの位置に届かない現象も予想される。
そこで、前述した滑車181,182の一方を、サーボモータ等の駆動手段で移動又はロックさせる構造として、排出される用紙束101の枚数や用紙毎に設定可能な重量パラメータ等を総合し、例えば今回排出される用紙束101には駆動手段をロックしたり用紙束101の厚さ分持ち上げたりする等して、侵入してくる用紙束101の細かい状態に合わせて排紙押さえ17の位置をコントロールする方式を追加するようにしても良い。
尚、紐部材180として、ワイヤーではなく丸ベルトやタイミングベルトを用いることにより、駆動手段の動作を伝わりやすくすることができ、或いはベルトを適度に滑らせるようにすることで、本来の自由落下に近い状況を作ることも可能となり、さらに、その駆動手段は、本来の自由落下に対応するためクラッチで切断したり電源を切ったりする等して、滑車181,182が自由に動ける状態を作った上で、必要なタイミングにのみコントロールを入れるような方法を採用することも想定される。
ところで、新聞折込用チラシをコレーターで丁合する場合、チラシ名、部数、チラシサイズ、配布先等の丁合情報は、図14に示すような丁合マップとしてコレーターのディスプレイ画面に表示され、制御手段であるコンピュータが丁合作業を制御しながらその内容通りに丁合を実行させるのが通常であり、その丁合情報は毎日(毎回)違う内容になることから、それを誰かが毎回入力する作業が必要となる。
その丁合情報の入力作業は、コンピュータ操作に慣れた事務員が行うのであれば問題は少ないと考えられるが、通常はコンピュータ操作に不慣れなチラシの丁合作業を専門とする作業者によって行われており、実際にはチラシの情報に関する部分の入力を行わないケースも多いことから、丁合作業の作業性と正確性を確保するために導入した丁合マップの機能を充分に活用できていないのが実情であると言わざるを得ない。
この問題に関しては、図15(A)に示すように新聞店に配達されたチラシ束1010aには、そのチラシの情報が表示された台紙10aが載せられているのが一般的であるところ、図15(B)に示すように、これをスマートフォン200や図示しないタブレット端末等の撮影機能及び通信機能を備えた携帯端末を用いながら、その情報部分を撮影して取得したデータを、コレーターの制御手段側に送信することにより、前述した問題を解決することができる。
即ち、丁合作業の内容をコレーターのディスプレイに一覧的に表示した丁合マップ210を作成・変更するための携帯端末用アプリケーションとして、このアプリケーションプログラムをインストールしたスマートフォン200等の携帯端末を用いながら、丁合前の用紙の束の表面に設けた台紙110aに表示されているコレーターに入力すべき複数種類の丁合用情報を、携帯端末の撮影機能を使用して撮影することで、その丁合用情報を電子データにしてその携帯端末に取得し、その通信機能を使用してその丁合用情報をコレーター1Aの制御手段に送信することにより、コレーターの丁合マップを作成・変更させる機能を備えたものとすれば良い。
斯かる機能を備えた携帯端末用アプリケーションプログラムを、スマートフォン200や図示しないタブレット端末にインストールして使用することにより、コンピュータの操作に不慣れな作業者であっても、普段使い慣れた携帯端末を使用しながら、手間を要することなく丁合マップを正確に作成したり変更したりすることが可能となる。
この場合、例えば丁合情報がすでにコレーターの制御手段に入力されている状態であれば、丁合作業の現場でその丁合情報を入力する必要はないが、その制御手段に入力されている丁合情報と実際の丁合情報が一致することを確認するために、実際の台紙110aの情報部分を撮影してそれを制御手段に送信することで、両者の照合を行えるようにしても良い。
そして、その丁合情報の表示には、文字のほかバーコードや二次元バーコード等を用いることができ、また、図15(B)に示したように手書きや印などで数字を表示している場合はそのチラシを積載するコレーターの棚番号を意味するものとしたり、手書き文字が書かれている場合はチラシ名の表示であると判断させたりしても良い。
このような撮影機能・通信機能を備えた携帯端末を用いる丁合情報の所得方法の具体例としては、例えば、台紙110aを撮影することでその表示画面に丁合マップ210に入力すべき各情報部分が四角の枠等で囲って表示され、その情報内容に間違いがなければOKを操作して1種類目のチラシ情報を取得するものとし、もし、正確に四角枠が表示されない場合は、その四角枠をラバーバンド状に拡大・縮小して正しい情報を指定するものとして、不要な情報を選択している場合はそれを削除することが想定され、選択位置が違っている場合は正しい位置をタップする等して指定することも想定される。
また、折込日やチラシ名等が入れ替わって選択されるのを防止するため、例えば折込日は赤色線、チラシ名は緑色線というように、正しい入力先に取り込めるか否かも表示するようにしても良い。さらに、台紙110aにおいて毎回誤検出してしまう文字列や図柄があれば、これらを予め登録しておくことで撮影時にそれを自動的に除外したり、他の文字や図形に変換したり、或いは作業者が手動で入力・修正できるようにしても良い。
加えて、前述のように手書き等で数字や文字を書いた場合の扱いにおいて、手書き数字は棚番号、5字以内の手書き文字はチラシ表示名、というように判断させたり、同じく赤い数字は棚番号、青い数字は手書きでも印でもチラシ表示名、というように判断したりする等の条件を指定しておくことにより、その読み取り精度を向上させることができる。
そして、様々な通信方式にて携帯端末から送信された丁合情報は、コレーターの制御手段側で丁合マップに自動的に取り込まれる方式とすれば良く、棚番号情報が設定されているチラシがある場合、丁合マップにはコレーターの前面側から給紙されるチラシ枚数、後面側から給紙されるチラシ枚数、及びその合計枚数が表示されるようになっている。この場合、撮影して携帯端末に取り込まれた丁合情報は、携帯端末のディスプレイにおいても一覧で表示できるようにすることが好ましく、これにより、送信前に読み込み違い等の部分があれば、操作に慣れたスマートフォン等の操作で一括的に修正することができる。
尚、この場合の携帯端末による撮影とは、撮影機能を使用する際のシャッターを押す前に画像がディスプレイに表示された状態であれば良く、シャッターを押す手順は不要である。また、台紙110aから丁合用情報を1枚分取得すると、それは通常1件のファイルとして保管され、続いて次の台紙を読み込むとまた1ファイル出来ることから、台紙の数だけ作成したファイルを一つ一つコレーターの制御手段に読み込む必要があり、且つ、作成したファイル内にあるテキストデータの並びは、必ずしも折込日、チラシ主名、部数等が必要な順番になっていない場合もあるため、複数の撮影から得られた情報を該当する項目に割り当てながら複数のチラシ情報を1つの表に集計し、1回の操作でコレーターの制御手段に読み込ませ、自動的に丁合マップに反映させる機能も必要である。
また、丁合マップには、新聞配布数に満たないチラシ枚数である場合、そのチラシを概略分散して配布させるために、そのチラシを何部置きに給紙させるかを設定することができ、ある区域の新聞配布数とその区域に割り当て可能なチラシ枚数を設定し、分散モードを設定すると、何部置きに給紙すると無駄なく分散することができるかを自動的に設定できるほか、手動で何部置きとするかを指定することもでき、特に自動的に設定する場合は、一様に例えば3部置き等とするのみではなく、3部置きの次は4部置き、次は3部置き等として可能な限り無駄なく配布できるように計算可能なものとすることが好ましく、この機能により、端数の過不足を出すことなくその区域の丁合を完了することができる。
また、手動の場合も、整数部数置きではなく少数点以下第1位まで設定可能なものとすれば、前記3部置きの次は4部置きとする方式に概略近い動作を行わせることができ、更に設定された置き数で丁合させることにより、当該区域の丁合が完了する際に、何部分散範囲から外れるか或いは何部分チラシが足りないかを表示させることも可能なものとなる。
ところで、読み終わった新聞やチラシを回収するため、図16(A)に示すような古紙回収袋101dが月に一回程度、新聞とともに配布されるのが一般的であるが、近年では、これを一つのチラシと見立ててコレーターでチラシ束に含ませることも行われている。しかし、古紙回収袋101dは折り畳んだ状態で袋の底側が厚くなることから、これをコレーターの棚に積載すると、図16(B)に示すように、一方が高いことで全体として傾いて積み上がることになるが、これを丁合した用紙束を積み上げると、バランスが悪く搬送中に荷崩れしたりガイド類に引っ掛かって搬送されなかったりするという問題がある。
この場合、図16(C)に示すように、棚20aと棚20bに向きを変えながら分けて積載し、この2段を連段と呼ばれる機能で関連づけることで、丁合中はいずれか一方の棚から古紙回収袋101dを給紙し、その棚が空になったら自動的に他方の棚で給紙することが考えられるが、これにより、古紙回収袋101dを含むチラシ束103は、図17(A)に示すような状態で積み上げることができる。
ところが、半分程度積み上がった段階のチラシ束103の山では、その上面が大きく傾斜した状態になるため、図示したようにその傾斜面の上にチラシ束102を積み上げることで不安定になりやすく、さらに、その後に全体としては真っ直ぐに積み上がったチラシ束102の山は、搬送時に前述した傾斜面の位置で容易に荷崩れしてしまうという問題がある。
斯かる問題については、コレーターにおける連段の交互給紙という機能を使用することにより解決できる。即ち、一端側と他端側の厚さが異なる状態に折り畳まれた袋状の用紙である古紙回収袋101dを他の平坦な用紙101aとともに丁合するための方法として、コレーターにおける2つ以上の棚を用いながら、古紙回収袋101dを厚い方を給紙方向に対し右側にして積載した棚と厚い方を給紙方向に対し左側にして積載した棚を用意し(通常は同数)、コレーターの連段機能と交互給紙機能を用いながら、前記右側が厚いものと前記左側が厚いものを交互に給紙させることにより、用紙束103に含まれる古紙回収袋101dの向きを、交互に変えた状態で積み上げることができる。
このように、連段機能と交互給紙機能を用いて、図16(C)におけるように異なる向きで古紙回収袋101dを積載した棚20a,20bを使用しながら、棚20a,20b,20a,20b,・・・のように、1部ごとに給紙する棚を入れ替えながら給紙を行う方式にすることで、古紙回収袋101dを含んで上端側や中間位置の上面で斜めになりやすい用紙束103の山を、図17(B)に示すように荷崩れしにくい状態にして垂直方向に整然と積み上げることが可能となる。
ところで、連段の目的は、一方の棚が空になっても他方から給紙することで用紙の補給のために運転を止めないようにする点にあるところ、交互給紙をすると両方の棚が空になってしまうという心配がある。この点については、例えば一方の棚を満載にして他方の棚を半分程度に積載すれば、半分であっても従来の1棚が空になる程度の時間を給紙することができる。但し、先に空になった棚がある場合は、交互給紙が行えないことから、空の方を補給するまでは古紙回収袋101dが残っている棚から給紙を続け、空の方を補給した後に、その棚の給紙ボタンを押して強制移段させることで交互給紙を再開させることになる。
また、4連段で交互給紙を行う場合は、図18(A)に示すように、棚20a,20b,20c,20dを使用しながら、上下方向に異なる向きで古紙回収袋101dを積載するものとし、四角で囲った棚20a,20bを連段のペアとして交互給紙をする場合、例えば棚20bが先に空になると、制御手段は棚20bが空になったことを検知することで他の棚で交互給紙可能な場所を探し、図18(B)に四角で囲って示す棚20c,20dの組合せによる交互給紙に切り替えることが想定されるが、各棚に積載されたチラシの残り数が少なくなったことを検知するセンサーを設けた場合は、空になる前に他の交互給紙可能な場所に移動可能なものとして、2連段を超える多連段において、離れた棚に移動する際に生じる時間的タイミングによる給紙抜けを防止できるようにしても良い。
そして、棚20bに古紙回収袋101dを補給すれば、棚20c,20dのいずれかが空になった場合に、棚20a,20bに交互給紙を切り替えることで丁合作業を継続することができる(強制移段の操作は不要)。尚、棚から用紙を送り出す送りロール25においては、上下から用紙を挟み込んだ状態で円形のローラーがD字状に変形した状態となるが、その変形量に基づいて用紙の厚みを測定しながら重送を検出する機能を有したコレーターの場合は、上述の古紙回収袋101dのように通常の用紙よりも厚く一端側がさらに厚い用紙を給紙する状況に対応するため、給紙直前に送りローラー25を所定回数空転させて、ローラーの形状を真円に近い状態に戻してから給紙を行うことが好ましい。
以上、述べたように、排出後の用紙束の境界を明確にする機能を備えたコレーターについて、本発明により、用紙束の品質を低下させることなく境界が明確な状態で安定的に積み上げられるようになった。