JP7248407B2 - 超音波流量計、流量計測方法、および流量演算装置 - Google Patents

超音波流量計、流量計測方法、および流量演算装置 Download PDF

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Description

本発明は、超音波流量計において、トランスデューサからの検出信号を示す検出電圧が閾値電圧と交差したトリガー点以降のゼロクロス点を検出し、これらゼロクロス点の時刻から求めた超音波信号の伝搬時間差に基づいて、流量を計測する流量計測技術に関する。
一般に、超音波流量計では、流体の流れを横切るように2つのトランスデューサを対向配置し、順逆方向のそれぞれで超音波信号を送受信して、トランスデューサー間における超音波伝搬時間を検出し、順逆方向における超音波伝搬時間の伝搬時間差に基づいて流体の流量を計算している。
超音波伝搬時間を検出するための一方法として、受信した超音波信号を示す検出信号の検出電圧(AC電圧)がゼロ電圧(0V)と交差するゼロクロス点のゼロクロス時刻に基づいて超音波伝搬時間を検出する、いわゆるゼロクロス法が用いられている。ゼロクロス点は検出電圧の中に多数ある。以下では、検出電圧が、予め設定した閾値電圧と交差した(超えたまたは達した)トリガー点を基準として、トリガー点と交差するたびごとに、それ以降に最初にゼロ電圧と交差する点を有効ゼロクロス点と呼ぶこととする。また、有効ゼロクロス点以降において、検出電圧がトリガー点と交差する前にゼロ電圧と交差しても、その点は有効ゼロクロスにはあたらないこととする。
このゼロクロス法では、検出電圧のうち同一時間位置にある目標ゼロクロス点を検出するため、超音波信号を送信してから最初の有効ゼロクロス点を目標ゼロクロス点として特定している。
しかし、流体の温度や流量、流体組成、さらには超音波素子の経年劣化などの要因で、検出電圧の振幅は変化するため、適切な閾値電圧を設定することは難しいという問題があった。
従来、このような検出電圧の振幅変化に対応する技術として、検出電圧の各周期(超音波周期)のピーク電圧を検出した検出結果に基づいて閾値電圧を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1-2など参照)。
特許第3766728号公報 特許第5884014号公報
しかしながら、このような従来技術では、閾値電圧を調整するために流量計測を中断しなければならないという問題点があった。
また、流量計測をする合間に閾値電圧を徐々に変えながらゼロクロス時刻を計測する必要があるため、連続して流量計測を行うことができなくなったり、追加の計測により消費電流を増やしてしまったりしていた。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、流量計測を中断することなく、流量計測と閾値電圧調整とを並行して正確に行える流量計測技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる超音波流量計は、一対のトランスデューサ間で計測対象となる流体を介して超音波信号を両方向で送受信する計測工程をN(Nは2以上の整数)回実施し、これら計測工程により検出した前記超音波信号の伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計であって、前記超音波信号を受信したトランスデューサから出力される検出電圧Vin#i(iは1~Nの整数)と予め設定されている閾値電圧Vsとを比較し、前記検出電圧Vin#iが前記閾値電圧Vsと交差したトリガー点以降に、前記検出電圧Vin#iが最初にゼロ電圧と交差するゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻を前記検出電圧Vin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納するゼロクロス検出部と、前記時刻配列D#iから予め設定されている複数の目標ゼロクロス点に関する目標ゼロクロス時刻をそれぞれ抽出し、これら目標ゼロクロス時刻から求めた前記伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量計算部と、前記検出電圧Vin#iのうち、最初に検出された先頭ゼロクロス点が、予め定めた周期分だけ前記目標ゼロクロス点の前に位置する追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合を計算し、前記度合と予め設定されている閾値との比較結果に基づいて前記閾値電圧Vsを調整する閾値電圧調整部とを備えている。
また、本発明にかかる上記超音波流量計の一構成例は、前記閾値電圧調整部が、前記度合を計算する際、前記検出電圧Vin#iのうち、前記先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する度合を計算するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記超音波流量計の一構成例は、前記ゼロクロス検出部が、前記ゼロクロス点を検出する際、絶対値が前記閾値電圧Vsと等しい正の第1の閾値電圧Vs+、および、絶対値が前記閾値電圧Vsと等しい負の第2の閾値電圧Vs-を、前記検出電圧Vin#iと比較し、前記検出電圧Vin#iが前記第1の閾値電圧Vs+と交差した正側トリガー点、または、前記検出電圧Vin#iが前記第2の閾値電圧Vs-と交差した負側トリガー点のうち、最初に検出されたいずれか一方のトリガー点以降に前記ゼロクロス点を検出し、前記閾値電圧調整部は、前記度合として、前記検出電圧Vin#iのうち、前記先頭ゼロクロス点が、前記負側トリガー点以前に位置する第1の追従ゼロクロス点に相当する第1の度合、または、前記検出電圧Vin#iのうち、前記先頭ゼロクロス点が、前記負側トリガー点以降に位置する第2の追従ゼロクロス点に相当する第2の度合の、少なくともいずれか一方または両方を計算するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記超音波流量計の一構成例は、前記ゼロクロス検出部が、前記ゼロクロス点を検出する際、前記閾値電圧Vsを含む互いに異なる複数の閾値電圧Vs’のそれぞれを前記検出電圧Vin#iと比較し、前記検出電圧Vin#iが当該閾値電圧Vs’と最初に交差したトリガー点以降にそれぞれの前記ゼロクロス点を検出し、前記閾値電圧調整部は、前記度合として、前記検出電圧Vin#iのうち、前記複数の閾値電圧Vs’に関する先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する度合を計算するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記超音波流量計の一構成例は、前記ゼロクロス検出部が、前記検出電圧Vin#iごとに前記閾値電圧を切り替えて前記検出電圧Vin#iと比較するようにしたものである。
また、本発明にかかる流量計測方法は、一対のトランスデューサ間で計測対象となる流体を介して超音波信号を両方向で送受信する計測工程をN(Nは2以上の整数)回実施し、これら計測工程により検出した前記超音波信号の伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計で用いられる流量計測方法であって、ゼロクロス検出部が、前記超音波信号を受信したトランスデューサから出力される検出電圧Vin#i(iは1~Nの整数)と予め設定されている閾値電圧Vsとを比較し、前記検出電圧Vin#iが前記閾値電圧Vsと交差したトリガー点以降に、前記検出電圧Vin#iが最初にゼロ電圧と交差するゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻を前記検出電圧Vin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納するゼロクロス検出ステップと、流量計算部が、前記時刻配列D#iから予め設定されている複数の目標ゼロクロス点に関する目標ゼロクロス時刻をそれぞれ抽出し、これら目標ゼロクロス時刻から求めた前記伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量計算ステップと、閾値電圧調整部が、前記検出電圧Vin#iのうち、最初に検出された先頭ゼロクロス点が、予め定めた周期分だけ前記目標ゼロクロス点の前に位置する追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合を計算し、前記度合と予め設定されている閾値との比較結果に基づいて前記閾値電圧Vsを調整する閾値電圧調整ステップとを備えている。
また、本発明にかかる流量演算装置は、超音波流量計で用いられて、一対のトランスデューサ間で計測対象となる流体を介して超音波信号を両方向で送受信する計測工程をN(Nは2以上の整数)回実施し、これら計測工程により検出した前記超音波信号の伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量演算装置であって、前記超音波信号を受信したトランスデューサから出力される検出電圧Vin#i(iは1~Nの整数)と予め設定されている閾値電圧Vsとを比較し、前記検出電圧Vin#iが前記閾値電圧Vsと交差したトリガー点以降に、前記検出電圧Vin#iが最初にゼロ電圧と交差するゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻を前記検出電圧Vin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納するゼロクロス検出部と、前記時刻配列D#iから予め設定されている複数の目標ゼロクロス点に関する目標ゼロクロス時刻をそれぞれ抽出し、これら目標ゼロクロス時刻から求めた前記伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量計算部と、前記検出電圧Vin#iのうち、最初に検出された先頭ゼロクロス点が、予め定めた周期分だけ前記目標ゼロクロス点の前に位置する追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合を計算し、前記度合と予め設定されている閾値との比較結果に基づいて前記閾値電圧Vsを調整する閾値電圧調整部とを備えている。
本発明によれば、閾値電圧を調整する指標となる度合が、計測工程により繰り返し検出した複数の検出電圧に基づいて計算されるため、流量計測を中断することなく、流量計測と閾値電圧調整とを並行して正確に行うことが可能となる。
このため、結果として、精度の高い流量計測を実現することが可能となる。さらには、閾値電圧を算出するためだけの追加計測が不要となるため、流量計全体としての消費電力を低減することが可能となる。
超音波流量計の構成を示すブロック図である。 検出電圧とゼロクロス点との関係(片側閾値)を示す信号波形図である。 先頭ゼロクロス時刻を示すヒストグラムである。 第1の実施の形態にかかる閾値電圧調整処理を示すフローチャートである。 先頭ゼロクロス判定動作を示す説明図である。 閾値電圧と調整範囲との関係を示す信号波形図である。 第2の実施の形態にかかる検出電圧と正負トリガー点との関係を示す信号波形図である。 第2の実施の形態にかかる閾値電圧調整処理を示すフローチャートである。 検出電圧とゼロクロス点との関係(両側閾値)を示す信号波形図である。 第2の実施の形態にかかる計測例を示す説明図である。 第2の実施の形態にかかる計測例を示す説明図である。 第2の実施の形態にかかる計測例を示す説明図である。 第3の実施の形態にかかる検出電圧と正負トリガー点との関係を示す信号波形図である。 第3の実施の形態にかかる閾値電圧調整処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態にかかる計測例を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる超音波流量計1について説明する。図1は、超音波流量計の構成を示すブロック図である。
この超音波流量計1は、一対のトランスデューサ間で計測対象となる流体を介して超音波信号を順逆両方向で送受信する計測工程をN(Nは2以上の整数)回実施し、これら計測工程ごと得られた両方向における超音波信号の伝搬時間差に基づいて、流体の流量を計測する。
図1に示すように、超音波流量計1は、計測対象となる流体が流れる円筒形状の測定管Cと、測定管Cの外周面のうち流体が流れる方向に対して上流側と下流側にそれぞれ取り付けられた一対のトランスデューサTD1,TD2と、これらTD1,TD2で検出された検出電圧を信号処理して流量を計算出力する流量演算装置10とから構成されている。
TD1(TD2)は、配線Wを介して接続された流量演算装置10からの超音波駆動信号SSに応じて、測定管C内に向けて超音波信号U1を送信する。TD2(TD1)は、測定管C内を流れる流体を通過した、TD1(TD2)からの超音波信号U1(U2)を受信し、その受信結果を示す検出信号を、配線Wを介して流量演算装置10へ出力する。
この際、U1,U2との間でやり取りされる超音波信号の伝搬時間t1,t2は、流体の流れから受ける影響が異なるため、流体の流量Qに応じた分だけt1とt2の間に差、すなわち伝搬時間差Δtが生じる。超音波流量計は、このΔtに基づいて流量Qを導出するようにしたものである。なお、本実施の形態にかかる流量演算装置10で用いる、ΔtからQを求める演算手法については、一般的な超音波流量計で用いられている公知の計算式を用いればよく、ここでの詳細な説明は省略する。
[本発明の原理]
次に、図2および図3を参照して、本発明の原理について説明する。図2は、検出電圧とゼロクロス点との関係(片側閾値)を示す信号波形図である。図3は、先頭ゼロクロス時刻を示すヒストグラムである。なお、図2は、U1もしくはU2のいずれか1つの超音波信号を受信した際の検出電圧を表している。U1とU2に対応する検出電圧は振幅や伝搬時間が異なる。
トランスデューサTD1,TD2から流量演算装置10へ入力される検出信号を示す検出電圧Vinは、図2に示すように、振幅が時間経過に従って増減する複数の正弦波様信号からなる。前述のように超音波信号U1,U2に対応する検出電圧の振幅は異なり、超音波信号U1,U2に対応して検出電圧に対する閾値電圧を別々に調整するため、一般に超音波信号U1,U2に対応する検出電圧の閾値電圧は異なる。
流量演算装置10は、Vinが予め設定した閾値電圧Vsと交差した(超えたまたは達した)トリガー点を検出した後に初めてゼロ電圧Vz(0V)と交差する複数のゼロクロス点のうちから目標ゼロクロス点を検出して、その目標ゼロクロス点のゼロクロス時刻からVinと対応する超音波信号U1,U2の受信時刻として特定し、得られた受信時刻によりU1,U2の伝搬時間t1,t2さらには伝搬時間差Δtを計算して、流量Qを導出する。
Vinは測定するごとに振幅が変化する。図2では平均的な振幅の検出電圧をVin#0、小さい振幅の検出電圧をVin#1、大きい振幅の検出電圧をVin#2として示している。後述する閾値電圧の調整手段によりVin#0の先頭からNm個目の波を目標波として特定し、この目標波の1つ前の波のピーク電圧と閾値電圧とが同じ値になるように閾値電圧調節部17により調整がなされている。この目標波の1つ前の波を追従波と呼ぶ。追従波に対応する有効ゼロクロス点を追従ゼロクロス点と呼ぶ。同様に目標波に対応する有効ゼロクロス点を目標ゼロクロス点と呼ぶ。この目標ゼロクロス点以降に検出されたゼロクロス点を計測ゼロクロス点として特定している。
なお、本実施の形態では、検出電圧Vinが、予め設定した閾値電圧Vsと交差した(超えたまたは達した)トリガー点を基準として、トリガー点と交差するたびごとに、それ以降に最初にゼロ電圧と交差する点を有効ゼロクロス点と呼ぶこととする。例えば、閾値電圧Vsが正側電圧である場合、トリガー点以降に最初にゼロ電圧と立下がりで交差した点が有効ゼロクロス点となる。また、閾値電圧Vsが負側電圧である場合、トリガー点以降に最初にゼロ電圧と立上がりで交差した点が有効ゼロクロス点となる。なお、有効ゼロクロス点以降において、検出電圧がトリガー点と交差する前にゼロ電圧と交差しても、その点は有効ゼロクロスにはあたらないこととする。
図2では、Nm=の場合が例として示されている。前述のように、閾値電圧Vsを、平均的な振幅の検出電圧Vin#0おける、先行波のピーク電圧とほぼ等しい値に設定した場合、検出電圧Vinの振幅が小さくなったり(Vin#1)、検出電圧Vinの振幅が大きくなったり(Vin#2)することで、先頭ゼロクロスが追従ゼロクロス(Z1)となったり目標ゼロクロス(Z2)となったりする。
この際、検出電圧Vinに対して閾値電圧Vsが適切に設定されていれば、先頭ゼロクロスは、時刻T1の追従ゼロクロスZ1か時刻T2の目標ゼロクロスZ2のいずれかとなる。これにより、図3に示すように、時刻T1,T2において、両者の先頭ゼロクロスが検出される度数N(T1),N(T2)はほぼ等しくなり、両者の確率はほぼ50%となる。また、これら度合はVsに対するVinの強度変動に応じて変化する。
本実施の形態は、先頭ゼロクロス点が追従ゼロクロスになったり目標ゼロクロスになったりすることを使い、追従ゼロクロスが先頭ゼロクロスとなる度合に基づいて、Vinの強度変動に追従するようVsを調整するようにしたものである。ここでは、追従波は目標波の1周期前としたが、それに限ったことではなく、あらかじめ定めた周期分だけ前としてもよい。なお、周期とは、検出電圧Vinを示す波の周期であり、超音波周期に相当する。
また、目標波で最初のトリガー点が発生した場合、時刻配列D#iの先頭には目標ゼロクロス点の時刻が格納されるのに対して、追従波で最初のトリガー点が発生した場合には、目標ゼロクロス点以前に位置する追従ゼロクロス点を示す時刻がD#iの先頭に格納されることになる。
図2に示すように、VinがVin#1である場合、目標波であるP3のVin#1が時刻Ts1にて初めてVsを超えているため、Ts1以降に検出されたゼロクロス点Z2,Z3,Z4に対応するゼロクロス時刻T2,T3,T4が、時刻配列D#1に対して格納されることになる。これにより、最初のトリガー点以降に最初に検出されたゼロクロス点、すなわちD#1の先頭に格納されている先頭ゼロクロス点Z2が、目標ゼロクロス点に相当することになる。
一方、ノイズ成分の重畳などの影響でVinの信号強度が増大し、図2に示すように、VinがVin#2のように変化した場合、P3の手前の追従波であるP2のVin#2が時刻Ts2にVsを超える。このため、Ts1より手前のTs2以降に検出されたゼロクロス点Z1,Z2,Z3,Z4に対応するゼロクロス時刻T1,T2,T3,T4が、時刻配列D#2に対して格納されることになる。これにより、最初のトリガー点以降に最初に検出されたゼロクロス点、すなわちD#2の先頭に格納されている先頭ゼロクロス点Z1が、追従ゼロクロス点に相当することになる。
本実施の形態は、このような追従波または目標波でのトリガー点の発生状況と、D#iの先頭ゼロクロス点に対応するゼロクロス点の位置との関連性に着目し、D#iのうち、トリガー点以降に最初に検出された先頭ゼロクロス点が、追従ゼロクロス点に相当する度合Rを計算し、得られた度合Rと予め設定されている閾値(度合閾値)との比較結果に基づいて閾値電圧Vsを調整するようにしたものである。
[流量演算装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる流量演算装置10の構成について説明する。
図1に示すように、流量演算装置10は、主な機能部として、入出力I/F部11、記憶部12、計測制御部13、ゼロクロス検出部14、流量計算部15、流量出力部16、および閾値電圧調整部17を備えており、これら機能部は、内部バスBを介してデータやり取り可能に接続されている。これら機能部のうち、計測制御部13、ゼロクロス検出部14、流量計算部15、流量出力部16、および閾値電圧調整部17は、CPUとプログラムが協働することにより実現される。
入出力I/F部11は、配線Wを介してトランスデューサTD1,TD2と接続されて、TD1,TD2との間で計測に用いる各種信号をやり取りする機能を有している。
記憶部12は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、流量演算装置10での流量計測動作に用いる各種処理データやプログラムを記憶する機能を有している。
計測制御部13は、予め設定されている周期的な計測タイミングの到来、あるいはオペレータや上位装置(図示せず)からの任意のタイミングにおける指示に応じて、入出力I/F部11からTD1,TD2に対して超音波駆動信号を出力することにより、TD1,TD2間で計測対象となる流体を介して超音波信号U1,U2を両方向で交互に送受信する計測工程を、N回繰り返し実施する機能を有している。
ゼロクロス検出部14は、計測工程ごとに、超音波信号U1(U2)を受信したTD2(TD1)から出力される検出信号を示す検出電圧Vin#i(iは1~Nの整数)と予め設定した閾値電圧Vsとを比較する機能と、Vin#iがVsと交差した(超えたまたは達した)トリガー点以降において、Viがゼロ電圧Vz(0V)とゼロクロスするゼロクロス点を検出し、これらゼロクロス点のゼロクロス時刻を検出電圧Vin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納し、記憶部12に保存する機能とを有している。
流量計算部15は、時刻配列D#iから予め設定されている複数の目標ゼロクロス点に関する目標ゼロクロス時刻をそれぞれ抽出する機能と、これら目標ゼロクロス時刻から求めたU1,U2に関する伝搬時間t1,t2さらには伝搬時間差Δtに基づいて、流体の流量Qを計算し、記憶部12に保存する機能とを有している。
流量出力部16は、通信ネットワークNWを介して上位装置(図示せず)と接続し、定期的あるいは上位装置からの出力指示に応じて、記憶部12から流量Qを取得して上位装置へ出力する機能とを有している。
閾値電圧調整部17は、時刻配列D#iに格納されているゼロクロス時刻に基づいて、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合Rを計算する機能と、得られた度合Rと予め設定されている閾値(度合閾値)Rth(Rth1,Rth2)との比較結果に基づいて閾値電圧Vsを調整する機能とを有している。
この際、閾値Rthについては、50%に限定されるものではなく、度合Rを計算したゼロクロス点の位置や個数、超音波流量計1や適用される計測環境に応じて、適切な値を設定すればよい。なお、閾値電圧Vsは、例えば、標準的な信号強度の検出電圧Vinおける、先頭からNf個目の追従波のピーク電圧とほぼ等しい値に設定されているものとする。
本実施の形態では、目標ゼロクロス点の1周期前に位置するゼロクロス点を追従ゼロクロス点として予め設定しておき、閾値電圧調整部17において、度合Rを計算する際、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が追従ゼロクロス点に相当する度合Rを計算する場合について説明する。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる流量演算装置10の動作について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかる閾値電圧調整処理を示すフローチャートである。
流量演算装置10のゼロクロス検出部14および閾値電圧調整部17は、計測制御部13による計測工程ごとに、図4の閾値電圧調整処理を実行する。
まず、ゼロクロス検出部14は、トランスデューサTD1(TD2)から出力されて、入出力I/F部11に入力された検出電圧Vin#i(i=1~Nの整数)ごとに、Vin#iと閾値電圧Vsとを比較し、Vin#iがVsと交差したトリガー点を検出する(ステップS10)。
続いて、ゼロクロス検出部14は、トリガー点が検出されるたびにVin#iが最初にゼロ電圧とゼロクロスするセロクロス点を最大でNz個まで検出し(ステップS101)、これらゼロクロス点のゼロクロス時刻をVin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納する(ステップS102)。
このようにして、N個のVin#iに関するD#iがそれぞれ得られた後、閾値電圧調整部17は、これらD#iに格納されている各ゼロクロス点のゼロクロス時刻に基づいて、先頭の先頭ゼロクロス点が、追従ゼロクロス点、すなわち目標ゼロクロス点の1周期前のゼロクロス点に相当するD#iの割合である度合Rを計算する(ステップS103)。
次に、閾値電圧調整部17は、Rが予め設定されている閾値Rth2より大きいかどうか確認し(ステップS104)、RがRth2より大きい場合(ステップS104:YES)、Vsを予め設定されている調整幅αだけ高い値に調整する(ステップS105)。ここでは、αを固定値として扱ったが、αをVsに対して比例する値としてもよい。また、設定されている閾値Rth1(Rth1≦Rth2)を用いて、αをR-Rth1の絶対値、もしくはR-Rth2の絶対値に比例する値としてもよい。もしくは、αをVsに対して比例し、なおかつ、R-Rth1の絶対値もしくはR-Rth2の絶対値に比例する値としてもよい。
一方、RがRth2以下の場合(ステップS104:NO)、閾値電圧調整部17は、Rが設定されている閾値Rth1より小さいかどうか確認し(ステップS106)、RがRth1より小さい場合(ステップS106:YES)、Vsを予め設定されている調整幅αだけ低い値に調整する(ステップS107)。なお、RがRth1以上である場合(ステップS106:NO)、Vsの調整は行わない。Rth1とRth2とはRth1≦Rth2の関係にあり、Rth1=Rth2として不感帯をなくすこともできれば、Rth1<Rth2として不感帯を持たせることもできる。
この後、閾値電圧調整部17は、Vsが予め設定されている調整範囲Vajの範囲外かどうか確認し(ステップS108)、VsがVajの範囲外である場合(ステップS108:YES)、Vsを予め設定されている初期値に初期化し(ステップS109)、一連の閾値電圧調整処理を終了する。また、VsがVajの範囲内である場合(ステップS108:NO)、Vsを初期化することなく、一連の閾値電圧調整処理を終了する。
[先頭ゼロクロス判定動作]
次に、図5を参照して、閾値電圧調整部17による先頭ゼロクロス判定動作について説明する。図5は、先頭ゼロクロス判定動作を示す説明図である。
閾値電圧調整部17は、図4のステップS103において、度合Rを計算する際、時刻配列D#iごとに、それぞれのD#iの先頭に格納されている先頭ゼロクロス時刻と対応する先頭ゼロクロス点が、目標ゼロクロス点または追従ゼロクロス点のいずれに相当するのか判定するため、先頭ゼロクロス判定動作を行う。
前述したように、Vin#iの強度変化に応じて、追従波の高さは変化する。Vsは追従波の平均的な高さとなるように調整されているため、Vin#iが大きくなると追従波の高さはVsを超え、先頭ゼロクロス点は追従ゼロクロス点となり、先頭ゼロクロス時刻は追従ゼロクロス時刻となる。逆に、Vin#iが小さくなると追従波の高さはVsを下回り、先頭ゼロクロス点は目標ゼロクロス点となり、先頭ゼロクロス時刻は目標ゼロクロス時刻となる。
本実施の形態は、このような先頭ゼロクロス時刻の分布特性に着目し、J(Jは2以上の整数)個の時刻区間Sj(jは~J-1の整数)を、D#iの先頭ゼロクロス時刻が並ぶ時間軸上に配置して、これらSjごとに先頭ゼロクロス時刻の検出頻度njを計数する。わずかな例外を除き先頭ゼロクロス時刻は追従ゼロクロス時刻が含まれる時間区間か目標ゼロクロス時刻が含まれる時間区間に含まれているため、隣接する時間区間での検出頻度の和を求めると追従ゼロクロス時刻が含まれる時間区間と目標ゼロクロス時刻が含まれる時間区間とで作られる隣接時間区間での検出頻度の和が最大となる。この隣接時間区間の内、早い時間の時間区間が追従ゼロクロス時刻の含まれる時間区間であり、遅い時間の時間区間が目標ゼロクロス時刻の含まれる時間区間である。Sjの時間長は、例えば超音波周期に相当する時間長を用いればよい。一般的には、ゼロクロス時刻の計測ばらつきは、超音波周期よりも小さいため、隣接するゼロクロス点の時刻と十分区別できる。なお、Sjの時間位置については、先頭ゼロクロス時刻の分布が時間区間の中央に位置するようにシフトさせればよい。
これにより、追従ゼロクロス時刻に該当する時刻区間での検出頻度をnjの総和すなわちNで除算すれば、度合Rが求められることになる。
図5の例では、S,S,S,Sからなる4つの時刻区間(=4)を設けて、先頭ゼロクロス時刻の検出頻度n,n,n,nを計数した例が示されている。ここでは、32個のVin#i(N=32)に関する先頭ゼロクロス時刻に関する、S,S,S,Sの検出頻度がそれぞれ0回,8回,24回,0回となっている。
これら時刻区間Sjのうち隣接する2時間区間での検出頻度の和を計算すると、時間区間SとSでの検出頻度の和n+nが最大の値を示しており、図2で示した目標ゼロクロス点の設定例によれば、Sが追従ゼロクロス点Zに、Sが目標ゼロクロス点Zに、それぞれ対応する。このため、S(=8)が追従ゼロクロス点の検出頻度となり、これを検出総数N(=32)で除算することにより、R=0.25(=25%)が得られる。
[閾値電圧初期化動作]
次に、図6を参照して、閾値電圧調整部17による閾値電圧の初期化動作について説明する。図6は、閾値電圧と調整範囲との関係を示す信号波形図である。
閾値電圧調整部17は、図4のステップS109において、閾値電圧Vsを初期化する際、検出電圧Vin#iの最大ピーク電圧Vmaxに基づき新たな調整範囲Vajを特定し、その調整範囲Vaj内の任意の値をVsの新たな初期値として設定する。
図6に示すように、調整範囲Vajは、調整下限電圧VajLおよび調整上限電圧VajHからなり、計測開始時のVs、すなわちVsの初期値は、VajLとVajHの間の任意の値と等しいものとする。
Vsを繰り返し調整する場合、検出電圧Vin#iの強度変化が継続すると、VajLを下回ったり、VajHを上回ったりすることになり、Vsが調整範囲Vajから外れてしまう可能性がある。
このため、例えば一連の計測工程で入力された1つもしくは複数個の検出電圧Vin#iから最大ピーク電圧Vmaxを検出しておき、予め設定されている下限係数k1および上限係数k2に基づいて新たなVajL(=k1×Vmax),VajH(=k2×Vmax)を計算し、VajLおよびVajHを更新する。
また、何らかの理由で、図4のステップS109において、VsがVajLを下回ったり、VajHを上回ったりして、調整範囲Vaj外となってしまった場合、VsをVajLとVajHの間の任意の値で初期化する。なお、Vsの初期値として簡単のためにVajLとVajHの間の任意の値としたが、VajLとVajHをあらかじめ定めた方法で内分することによって求めた値を初期値として使ってもよい。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、閾値電圧調整部17が、ゼロクロス検出部14で得られた時刻配列D#iに基づいて、検出電圧Vin#iのうち、最初のトリガー点以降に最初に検出された先頭ゼロクロス点が、目標ゼロクロス点の1周期前に位置するゼロクロス点、すなわち予め設定されている追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合Rを計算し、得られた度合Rと予め設定されている閾値Rthとの比較結果に基づいて閾値電圧Vsを調整するようにしたものである。
より具体的には、度合Rを計算する際、目標ゼロクロス点の1周期前に位置するゼロクロス点を追従ゼロクロス点として予め設定しておき、閾値電圧調整部17において、度合Rを計算する際、Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、これら追従ゼロクロス点に相当する度合Rを計算するようにしたものである。
これにより、Vsを調整する指標となる度合Rが、計測工程により繰り返し検出したN個のVin#iに基づいて計算されるため、Vin#iの強度変化による度合Rへの影響が平均化され、安定した閾値電圧調整を実現することができる。また、目標ゼロクロス点以降のゼロクロス点を使用することで伝搬時間を算出することができるため、流量計測と閾値電圧調整を並行して行うことが可能となる。
このように閾値電圧を精度よく追従させることができるため、結果として、精度の高い流量計測を実現することが可能となる。さらには、Vin#iのSN比が小さくても正しい伝搬時間差が得られるため、Vin#iに対する増幅ゲインの低減や計測回数の削減を行うことができ、流量計測に要する消費電力を低減することが可能となる。
また、本実施の形態において、閾値電圧調整部17が、調整後の閾値電圧Vsが予め設定されている係数に基づき算出される調整範囲Vajから外れた場合、検出電圧Vin#iの最大ピーク電圧Vmaxに対して、予め設定されている下限係数k1および上限係数k2をそれぞれ乗算することにより、調整範囲Vajに関する新たな調整下限値VajLおよび調整上限値VajHをそれぞれ特定し、これら調整下限値VajLおよび調整上限値VajHの間の任意の値で閾値電圧Vsを初期化するようにしてもよい。これにより、調整後の閾値電圧Vsが予め設定されている調整範囲Vajから外れた場合でも、VsおよびVajを適正に補正することができ、安定した閾値電圧調整を維持することが可能となる。ここでVsはVajLとVajHの間の任意の値であるとしたが、VajLとVajHとをあらかじめ定めた比率で内分する点としてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる超音波流量計1および流量演算装置10について説明する。図7は、第2の実施の形態にかかる検出電圧と正負トリガー点との関係を示す信号波形図である。
本実施の形態では、図7に示すように、トリガー点の検出に用いる閾値電圧として、図2のVsに相当する正の第1の閾値電圧Vs+と、Vs+とは逆極性で、絶対値VsがVs+と等しい負の第2の閾値電圧Vs-とを用いる場合について説明する。
また、図7では、図2と同様に、Nm個目の正側波を目標波PCとし、Nf個目の正側波を追従波PAとし、PAとPCの間に位置する負側波をPB(-PB)とする。
また、Vin#0は、標準強度を有するVinを示し、Vin#1は、標準強度より信号強度が小さいVinを示し、Vin#2は、標準強度より信号強度が大きいVinを示している。なお、Vin#0,Vin#1,Vin#2のいずれの場合においても、PA,PB,PCのピーク電圧は、先頭側から順に単調増加しているものとする。
VinとしてVin#1が入力された場合、第1のトリガー点X+はPCで検出される。また、VinとしてVin#2が入力された場合、X+はPAで検出される。VinがVin#1とVin#2の間の振幅で入力された場合、Vin#0に相当する振幅より小さければX+はPCで検出され、Vin#0に相当する振幅より大きければX+はPAで検出される。Vinの振幅がVin#1とVin#2の間でVin#0を中心として対称に分布していた場合、X+はPAで検出される確率とPCで検出される確率とは50%ずつとなる。
また、Vin#1が入力された場合におけるPBのピーク電圧よりVs-が高いものとした場合、Vin#0,Vin#1,Vin#2のいずれの場合においても、PBでは必ず第2のトリガー点X-が検出されることになる。したがって、Vinの強度変化に応じて、X-に対するX+の時間位置が変化することになる。
また、受信信号の振幅は徐々に増大するので、|PBピーク電圧|>|PAピーク電圧|であるため、Vs=|PAピーク電圧|として、プラスとマイナスに同じ絶対値のVs+とVs-を設定しておくと、Vinの強度が変動している状態で複数回計測を実施した場合に、Vs>|PAピーク電圧|となる場合とVs<|PAピーク電圧|となる場合があるが、その場合でもVs<|PBピーク電圧|は安定して成立する。仮に、信号強度が大きく低下し、すべての計測でVs>|PAピーク電圧|となってしまっても、Vs<|PBピーク電圧|の状態は維持できていれば、追従対象ピークを見失うことがない。安定して記録されるZBを基準にして、その前後関係からZAとZCを区別していると考えることができる。
本実施の形態は、このようなVinの強度とトリガー点の発生状況との関係に着目し、正負のトリガー点X+,X-が一定の時間位置となる発生状況を示す度合Rを計算し、このRに基づいてVinの強度変動に追従するようVsを調整するようにしたものである。
また、ゼロクロス検出部14で、VinをVs+だけでなくVs-と比較することによりトリガー点を検出し、トリガー点以降のゼロクロス点の時刻を時刻配列D#iに格納することもできる。これにより、トリガー点X+,X-の両方が検出されるため、X+が先に検出された場合、D#iの先頭の先頭ゼロクロス点の時刻はPAに対応するゼロクロス点ZAの時刻を示すことになる。一方、X-が先に検出された場合、先頭ゼロクロス点の時刻はPCに対応するゼロクロス点ZBの時刻を示すことになる。
本実施の形態は、このようなトリガー点X+,X-と先頭ゼロクロス点の時刻との連動性に着目し、度合Rとして、Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、負側トリガー点X-以前に位置する第1の追従ゼロクロス点ZAに相当する第1の度合、または、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、負側トリガー点X-以降に位置する第2の追従ゼロクロス点ZBに相当する第2の度合の、少なくともいずれか一方または両方を計算するようにしたものである。
すなわち、本実施の形態において、ゼロクロス検出部14は、ゼロクロス点を検出する際、絶対値が閾値電圧Vsと等しい正の第1の閾値電圧Vs+、および、絶対値が閾値電圧Vsと等しい負の第2の閾値電圧Vs-を、検出電圧Vin#iと比較する機能と、検出電圧Vin#iが第1の閾値電圧Vs+と交差した正側トリガー点、または、検出電圧Vin#iが第2の閾値電圧Vs-と交差した負側トリガー点のうち、最初に検出されたいずれか一方のトリガー点以降にゼロクロス点を検出する機能とを有している。
また、閾値電圧調整部17は、度合Rとして、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、負側トリガー点以前に位置する第1の追従ゼロクロス点に相当する第1の度合、または、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、負側トリガー点以降に位置する第2のゼロクロス点に相当する第2の度合の、少なくともいずれか一方または両方を計算する機能を有している。
本実施の形態にかかる超音波流量計1のうち、流量演算装置10以外の構成と、流量演算装置10のうち、ゼロクロス検出部14および閾値電圧調整部17以外の構成とは、第1の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかる流量演算装置10の動作について説明する。図8は、第2の実施の形態にかかる閾値電圧調整処理を示すフローチャートである。
流量演算装置10の閾値電圧調整部17は、計測制御部13による計測工程ごとに、図8の閾値電圧調整処理を実行する。
なお、第1の閾値電圧Vs+には、標準強度を有する検出電圧Vin#0が入力された場合に、追従波PAでVin#0がVs+と交差して正側トリガー点X+が検出される確率が50%となる値が設定されており、閾値電圧Vs-には、Vs+と逆極性で絶対値が等しい値が、閾値電圧調整部17により初期値として設定されているものとする。また、追従ゼロクロス点としてPA,PB,PCに対応するZA,ZB,ZCが設定されているものとする。
まず、閾値電圧調整部17は、トランスデューサTD1(TD2)から出力されて、入出力I/F部11に入力された検出電圧Vin#iごとに、Vin#iと閾値電圧Vs+,Vs-とを比較し、Vin#iがVs+,Vs-と交差したトリガー点X+,X-をN回検出する(ステップS200)。
続いて、ゼロクロス検出部14は、検出したX+,X-以降で最初にVin#iがゼロ電圧とゼロクロスするセロクロス点をNz個検出し(ステップS201)、これらゼロクロス点のゼロクロス時刻をVin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納する(ステップS202)。
このようにして、N個のVin#iに関するD#iがそれぞれ得られた後、閾値電圧調整部17は、これらD#iに格納されている各ゼロクロス点のゼロクロス時刻に基づいて、先頭ゼロクロス点が、予め設定されている追従ゼロクロス点ZA,ZB,ZCのいずれかに相当するD#iの割合を度合RA,RB,RCとして計算する(ステップS203)。なお、先頭ゼロクロス点とZA,ZB,ZCとの対応関係を特定するための先頭ゼロクロス判定動作については、例えば前述した図5に示す方法を利用すればよい。
次に、閾値電圧調整部17は、RAが予め設定されている閾値Rthより大きいかどうか確認し(ステップS204)、RAがRthより大きい場合(ステップS204:YES)、Vsを予め設定されている調整幅αだけ低い値に調整し(ステップS205)、一連の閾値電圧調整処理を終了する。
一方、RAがRth以下の場合(ステップS204:NO)、閾値電圧調整部17は、RCがRthより大きいかどうか確認し(ステップS206)、RCがRthより大きい場合(ステップS206:YES)、Vsを予め設定されている調整幅αだけ低い値に調整し(ステップS207)、一連の閾値電圧調整処理を終了する。なお、後述の図11の例では、ステップS206において、RCに代えてRBとRthとを比較することになる。
また、RA,RCがRthと等しい場合(ステップS206:NO)、Vsの調整は行わず、一連の閾値電圧調整処理を終了する。
なお、ステップS205,S207の後、図4のステップS106,S107と同様にして、閾値電圧調整部17は、Vs+,Vs-の再調整を実行するようにしてもよい。
図9は、検出電圧とゼロクロス点との関係(両側閾値)を示す信号波形図である。前述した図2には、正側の閾値電圧Vsのみを用い、トリガー点を検出した後に初めてゼロ電圧Vz(0V)と交差する複数のゼロクロス点のうちから目標ゼロクロス点を検出する場合が例として示されている。これに対して、図9には、正側の閾値電圧Vs+と,負側の閾値電圧Vs-をVin#iごとに同時に用いた場合が示されている。
Vinが小さい振幅の検出電圧Vin#1である場合、目標波であるPCのVin#1が時刻Ts1にて初めてVs+を超えているため、Ts1以降に検出されたゼロクロス点Z3,Z4,Z5,Z6,Z7に対応するゼロクロス時刻T3,T4,T5,T6,T7が、時刻配列D#1に対して格納されることになる。これにより、最初のトリガー点以降に最初に検出されたゼロクロス点、すなわちD#1の先頭に格納されている先頭ゼロクロス点は、目標ゼロクロス点に相当することになる。
一方、ノイズ成分の重畳などの影響でVinの信号強度が増大し、VinがVin#2のように変化した場合、PCの手前の追従波であるPAのVin#2が時刻Ts2にVsを超える。このため、Ts1より手前のTs2以降に検出されたゼロクロス点Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6,Z7,Z8に対応するゼロクロス時刻T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8が、時刻配列D#2に対して格納されることになる。これにより、最初のトリガー点以降に最初に検出されたゼロクロス点、すなわちD#2の先頭に格納されている先頭ゼロクロス点Z1が、追従ゼロクロス点に相当することになる。
なお、図9の例では、最初の閾値電圧を正側のVs+とし、最初のゼロクロスを立上がりで検出しているが、これに限定されるものではない。最初の閾値電圧を負側のVs-とし、最初のゼロクロスを立下がりで検出してもよい。
図10は、第2の実施の形態にかかる計測例を示す説明図であり、Vs+,Vs-をVin#iごとに同時に用いた計測例が示されている。計測例1では、X+が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが32回判定され、ZCが0回判定されている。また、X-が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZBが32回判定されている。全部で32回計測したとすると、RA,RB,RCはそれぞれ100%,100%,0%となる。したがって、Rth=50%とするとRA>Rthであることから、Vsがαだけ高い電圧に調整されることになる。
また、計測例2では、X+が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが0回判定され、ZCが32回判定されている。また、X-が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZBが32回判定されている。全部で32回計測したとすると、RA,RB,RCはそれぞれ0%,100%,100%となる。したがって、Rth=50%とするとRC>Rthであることから、Vsがαだけ低い電圧に調整されることになる。また、この場合、例えば逸脱判定用の閾値として予め設定しておいたRdev=95%と比較して、RCがRdevより高いので、追従波のピーク電圧がVsから逸脱しかけていると判定することもできる。
図11は、第2の実施の形態にかかる他の計測例を示す説明図であり、Vs+,Vs-をVin#iごとに同時に用いた計測例が示されている。通常時は、先頭ゼロクロスは、プラス側ピークによるZAまたはマイナス側ピークによるZBから記録される。計測例1は、VsがPAの頂点の電圧と近い値に設定できている場合に相当し、X+が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが19回判定され、ZCが0回判定されている。また、X-が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZBが13回判定されている。ZAが先頭ゼロクロスにならなかった13回では、ZBが先頭ゼロクロスになる。全部で32回計測したとすると、RA,RB,RCはそれぞれ59%,41%,0%となる。したがって、Rth=50%とするとRA>Rthであることから、Vsがαだけ高い電圧に調整されることになる。
また、計測例2は、信号強度が大きく低下し、すべての計測でVs>|PAピーク電圧|になった場合に相当し、X+が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが0回判定され、ZCが0回判定されている。また、X-が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZBが32回判定されている。全部で32回計測したとすると、RA,RB,RCはそれぞれ0%,100%,0%となる。したがって、Rth=50%とするとRA<Rthであることから、図8のS206の判定に移行し、RB>Rthが成立し、Vsを予め設定されている調整幅αだけ低い値に設定する。
図12は、第2の実施の形態にかかる他の計測例を示す説明図であり、Vs+,Vs-をVin#iごとに交互に切り替えた計測例が示されている。計測例1では、X+が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが10回判定され、ZCが6回判定されている。また、X-が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZBが16回判定されている。全部で16回計測したとすると、RA,RB,RCはそれぞれ63%,100%,38%となる。したがって、Rth=50%とするとRA>Rthであることから、Vsがαだけ高い電圧に調整されることになる。
また、計測例2では、X+が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが0回判定され、ZCが16回判定されている。また、X-が検出された際の追従ゼロクロス点として、ZBが16回判定されている。全部で16回計測したとすると、RA,RB,RCはそれぞれ0%,100%,100%となる。したがって、Rth=50%とするとRC>Rthであることから、Vsがαだけ低い電圧に調整されることになる。また、この場合、例えば逸脱判定用の閾値として予め設定しておいたRdev=95%と比較して、RCがRdevより高いので、追従波のピーク電圧がVsから逸脱しかけていると判定することもできる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ゼロクロス検出部14が、ゼロクロス点を検出する際、絶対値が閾値電圧Vsと等しい正の第1の閾値電圧Vs+、および、絶対値が閾値電圧Vsと等しい負の第2の閾値電圧Vs-を、検出電圧Vin#iと比較して、検出電圧Vin#iが第1の閾値電圧Vs+と交差した正側トリガー点、または、検出電圧Vin#iが第2の閾値電圧Vs-と交差した負側トリガー点のうち、最初に検出されたいずれか一方のトリガー点以降にゼロクロス点を検出するようにしたものである。
また、閾値電圧調整部17が、度合Rとして、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、負側トリガー点以前に位置する第1の追従ゼロクロス点に相当する第1の度合、または、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、負側トリガー点以降に位置する第2のゼロクロス点に相当する第2の度合の、少なくともいずれか一方または両方を計算するようにしたものである。
これにより、Vsを調整する指標となる度合Rが、計測工程により繰り返し検出したN個のVin#iに基づいて計算されるため、Vin#iの強度変化による度合Rへの影響が平均化され、安定した閾値電圧調整を実現することができる。したがって、閾値電圧調整中において検出電圧Vin#iの強度変化がないことを前提とする必要はなくなり、実際の流量計測動作中であっても閾値電圧調整を正確に行うことが可能となる。また、本手法は追従波の振幅に応じてVsを調整するため、Vin全体の最大振幅などを基準にVsを設定する方式に比べると、センサの経時変化や流体および環境の変化などの要因で超音波受信波の形状そのものが変化した場合にも適切なVsを設定して計測を続けることができる。
このため、結果として、精度の高い流量計測を実現することが可能となる。さらには、Vin#iのSN比が小さくても正しい伝搬時間差が得られるため、Vin#iに対する増幅ゲインの低減や計測回数の削減を行うことができ、流量計測に要する消費電力を低減することが可能となる。
また、一般には、1レベルの閾値電圧Vsを用いた場合、検出電圧VinがVsと交差したことしか把握できないため、検出電圧Vinの強度変化が急激に起こった際に、Vsが追従波の頂点から大きく外れ、追従波を見失う場合がある。このような特殊な状態では、Vsを調整する指標となる度合いRは1に近い値を示し、Vsが本来予定している追従波の頂点よりも下にあるのか、上にあるのかが判別できない可能性がある。
本実施の形態によれば、複数の閾値電圧Vs+,Vs-を用いて複数回の計測を行い、トリガー点X+,X-を基準にして追従波のピーク電圧にVs+,Vs-を追従させているため、仮に検出電圧Vinの急激な強度変化により、Vs+が追従波のプラス側頂点から大きく外れた場合も、トリガ出力X-に基づいて把握できるZBを基準として、その前後に位置するZA,ZCが先頭ゼロクロスになる度合いRAあるいはRCを比較することにより、常時、追従波のピーク電圧にVsを追従させることができる。
このため、Vs+,Vs-と予め設定されている適切範囲との比較結果に基づいて、流量計測状態の診断や異常計測判別を行うことが可能となる。また、校正などのメンテナンス頻度を低減でき、作業負担を軽減することができる。
また、本実施の形態において、度合Rが予め設定されている許容範囲Rpと交差した場合、予め設定されている探索範囲に基づいて第1の閾値電圧Vs+および第2の閾値電圧Vs-を変化させ、度合Rが50%となるよう、第1の閾値電圧Vs+および第2の閾値電圧Vs-を再調整するようにしてもよい。また、探索範囲については、前述したVinの最大ピーク電圧Vmaxを基準にして決定してもよい。これにより、Vs+,Vs-がVinに対して大きくずれてしまった場合でも、閾値電圧調整を継続することができる。
また、本実施の形態において、検出電圧Vin#iごとに、Vin#iと閾値電圧Vs+,Vs-とを比較する場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、Vin#iごとに、Vs+とVs-を交互に切り替えてVin#iと比較し、トリガー点X+,X-をN/2回ずつ検出するようにしてもよい。これにより、X+,X-の検出に要する処理負担を軽減できる。
また、本実施の形態において、Vinの信号強度が急激に大きく変化し、例えば信号強度が下がって、X+がPAで50%程度の確率で検出されていたのが、その後、X+がPCで50%程度の確率で検出されるようになった場合、度合Rのみではトリガー点のずれ方向に関する区別がつかない。このような場合には、計測対象となる流体の温度変化、順逆のゼロクロスタイミング、伝搬時間差などの情報に基づいて、トリガー点のずれ方向に関する区別を行うようにしてもよい。
[第3の実施の形態]
次に、図13を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる超音波流量計1および流量演算装置10について説明する。図13は、第3の実施の形態にかかる検出電圧とトリガー点との関係を示す信号波形図である。
本実施の形態では、図13に示すように、トリガー点の検出に用いる閾値電圧として、図2のVsを含む互いに異なる複数の閾値電圧Vs’を用いる場合について説明する。ここでは、Vsに加えて、Vsより差分電圧ΔVsだけ低い下側閾値電圧VsLと、Vsより差分電圧ΔVsだけ高い上側閾値電圧VsHからなる、3つのVs’を用いるものとする。
また、図13では、図7と同様に、Nm個目の正側波を目標波PCとし、Nf個目の正側波を追従波PAとし、PCの次の正側波をPEとする。
また、VinNは、標準強度を有するVinを示し、VinLは、標準強度より信号強度が小さいVinを示し、VinHは、標準強度より信号強度が大きいVinを示している。なお、VinN,VinL,VinHのいずれの場合においても、PA,PC,PEのピーク電圧は、先頭側から順に単調増加しているものとする。
図13に示すように、VinをVs,VsL,VsHと比較した場合、Vinの強度変化に応じて、トリガー点が検出される時間位置が変化するだけでなく、検出される閾値電圧も変化する。
例えば、標準強度のVinNが入力された場合におけるPAのピーク電圧をVsとして設定した場合、VinNは、PAにおいてVsLおよびVsと交差するがVsHとは交差しておらず、PCにおいて初めてVsHと交差する。また、VinLは、PAにおいてVsLと交差しVsおよびVsHとは交差しておらず、PCで初めてVsと交差しPEで初めてVsHと交差している。また、VinHは、PAにおいて、VsL,Vs,VsHのすべてと交差している。
本実施の形態は、このような複数の閾値電圧Vs’を用いた場合における、Vinの強度変化に応じたトリガー点の微妙な変化に着目し、PA,PC,PEに対応するゼロクロス点として追従ゼロクロス点ZA,ZC,ZEを設定しておき、VinがこれらVsL,Vs,VsHと交差するトリガー点XA,XC,XEをそれぞれ検出し、これらトリガー点XA,XC,XE以降に最初に検出した先頭ゼロクロス点が、これらZA,ZC,ZEに相当する度合RA,RC,REを計算するようにしたものである。
すなわち、本実施の形態において、ゼロクロス検出部14は、ゼロクロス点を検出する際、閾値電圧Vsを含む互いに異なる複数の閾値電圧VsL,Vs,VsH(Vs’)ごとに、検出電圧Vin#iが当該閾値電圧VsL,Vs,VsHと最初に交差したトリガー点以降にそれぞれのゼロクロス点を検出する機能を有している。
また、閾値電圧調整部17は、度合Rとして、検出電圧Vin#iのうち、個々の閾値電圧VsL,Vs,VsHの先頭ゼロクロス点が、目標ゼロクロス点または目標ゼロクロス点以前に位置する追従ゼロクロス点に相当する度合Rを計算する機能を有している。
本実施の形態にかかる超音波流量計1のうち、流量演算装置10以外の構成と、流量演算装置10のうち、ゼロクロス検出部14および閾値電圧調整部17以外の構成とは、第1の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。
[第3の実施の形態の動作]
次に、図14を参照して、本実施の形態にかかる流量演算装置10の動作について説明する。図14は、第3の実施の形態にかかる閾値電圧調整処理を示すフローチャートである。
流量演算装置10の閾値電圧調整部17は、計測制御部13による計測工程ごとに、図14の閾値電圧調整処理を実行する。
なお、閾値電圧Vsには、標準強度を有する検出電圧VinNが入力された場合に、追従波PAでVinNがVsと交差してトリガー点XAが検出される確率が50%となる電圧が設定されており、Vsより差分電圧ΔVsだけ低い下側閾値電圧VsLと、Vsより差分電圧ΔVsだけ高い上側閾値電圧VsHとが、閾値電圧調整部17により設定されているものとする。また、追従ゼロクロス点としてPA,PC,PEに対応するZA,ZC,ZEが設定されているものとする。
まず、閾値電圧調整部17は、トランスデューサTD1(TD2)から出力されて、入出力I/F部11でA/D変換された検出電圧Vin#i(i=1~Nの整数)ごとに、Vin#iと閾値電圧Vs’すなわちVs,VsL,VsHとを比較し、Vin#iがVs,VsL,VsHと交差したトリガー点XA,XC,XEをN回検出する(ステップS300)。
続いて、ゼロクロス検出部14は、検出したXA,XC,XE以降にVin#iがゼロ値とゼロクロスするセロクロス点をNz個検出し(ステップS301)、これらゼロクロス点のゼロクロス時刻をVin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納する(ステップS302)。
このようにして、N個のVin#iに関するD#iがそれぞれ得られた後、閾値電圧調整部17は、これらD#iに格納されている各ゼロクロス点のゼロクロス時刻に基づいて、先頭の先頭ゼロクロス点が、予め設定されている追従ゼロクロス点ZA,ZC,ZEのいずれかに相当するD#iの割合を度合RA,RC,REとして計算する(ステップS303)。なお、先頭ゼロクロス点とRA,RC,REとの対応関係を特定するための先頭ゼロクロス判定動作については、例えば前述した図5に示す方法を利用すればよい。
次に、閾値電圧調整部17は、Rが予め設定されている閾値Rth2より高いかどうか確認し(ステップS304)、RがRth2より高い場合(ステップS304:YES)、Vs,VsL,VsHを予め設定されている調整幅αだけそれぞれ高い値に調整し(ステップS305)、一連の閾値電圧調整処理を終了する。なお、Rth1,Rth2は、第1の実施の形態と同様である。
一方、RがRth以下の場合(ステップS304:NO)、閾値電圧調整部17は、RがRth1より低いかどうか確認し(ステップS306)、RがRth1より低い場合(ステップS306:YES)、Vs,VsL,VsHを予め設定されている調整幅αだけそれぞれ高い値に調整し(ステップS307)、一連の閾値電圧調整処理を終了する。なお、RがRth1以上、かつ、Rth2以下であれば(ステップS306:NO)、Vs,VsL,VsHの調整は行わず、一連の閾値電圧調整処理を終了する。
なお、ステップS305,S307の後、図4のステップS10,S10と同様にして、閾値電圧調整部17は、Vs,VsL,VsHの再調整を実行するようにしてもよい。
図15は、第3の実施の形態にかかる計測例を示す説明図であり、Vs,VsL,VsHをVin#iごとに交互に切り替えた計測例が示されている。Vs,VsL,VsHで11回、10回、10回計測し、全部で31回計測したものとする。また、許容範囲としてRth1=50-5%、Rth2=50+5%が設定されているものとする。
計測例1では、Vsで検出された際の追従ゼロクロス点として、ZCが5回判定され、ZAが6回判定されている。また、VsLで検出された際の追従ゼロクロス点としてZAが10回判定され、VsHで検出された際の追従ゼロクロス点としてZCが10回判定されている。これにより、ZA,ZCの合計頻度は、16回,15回となるため、RA,RCはそれぞれ52%,48%となる。したがって、RAは許容範囲内であることから、Vs,VsL,VsHの調整は行われないことになる。
また、計測例2では、Vsで検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが11回判定され、VsLで検出された際の追従ゼロクロス点としてZAが10回判定されている。また、VsHで検出された際の追従ゼロクロス点として、ZCが10回判定されている。これにより、ZA,ZCの合計頻度は、21回,10回となるため、RA,RCはそれぞれ68%,32%となる。したがって、RAはRth2より高いことから、Vs,VsL,VsHのそれぞれがαだけ高い値に調整されることになる。
また、計測例3では、Vsで検出された際の追従ゼロクロス点として、ZCが11回判定され、VsHで検出された際の追従ゼロクロス点としてZCが10回判定されている。また、VsLで検出された際の追従ゼロクロス点として、ZAが5回判定されている。これにより、ZA,ZCの合計頻度は、10回,21回となるため、RA,RCはそれぞれ32%,68%となる。したがって、RAはRth1より低いことから、Vs,VsL,VsHのそれぞれがαだけ低い値に調整されることになる。
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ゼロクロス検出部14が、閾値電圧Vsを含む互いに異なる複数の閾値電圧Vs’のそれぞれを検出電圧Vin#iと比較し、検出電圧Vin#iがこれら閾値電圧Vs’のうちのいずれかと最初に交差したトリガー点以降にゼロクロス点を検出し、閾値電圧調整部17が、度合Rとして、検出電圧Vin#iのうち、先頭ゼロクロス点が、目標ゼロクロス点または目標ゼロクロス点以前に位置する追従ゼロクロス点に相当する度合Rを計算するようにしたものである。
これにより、Vsを調整する指標となる度合Rが、計測工程により繰り返し検出したN個のVin#iに基づいて計算されるため、Vin#iの強度変化による度合Rへの影響が平均化され、安定した閾値電圧調整を実現することができる。したがって、閾値電圧調整中において検出電圧Vin#iの強度変化がないことを前提とする必要はなくなり、実際の流量計測動作中であっても閾値電圧調整を正確に行うことが可能となる。
このため、結果として、精度の高い流量計測を実現することが可能となる。さらには、Vin#iのSN比が小さくても正しい伝搬時間差が得られるため、Vin#iに対する増幅ゲインの低減や計測回数の削減を行うことができ、流量計測に要する消費電力を低減することが可能となる。
また、一般には、1レベルの閾値電圧Vsを用いた場合、検出電圧VinがVsと交差したことしか把握できないため、強度変化の程度によっては、追従波を見失う場合がある。本実施の形態によれば、複数の閾値電圧Vs’を用いて複数回の計測を行い、トリガー点XA,XC,XEを基準にして追従波のピーク電圧にVs,VsL,VsHを追従させている。
したがって、Vinの信号強度の変化を度合RA,RCに反映させることができる。このため、追従波のピーク電圧がVsと一致しなくなっても、追従波のピーク電圧がVsLからVsHまでの範囲内であれば度合RA,RCを求めることができ、引き続き閾値電圧調整動作を行うことが可能となる。
また、常時、Vsから追従波のピーク電圧を把握できる。このため、Vs’と予め設定されている適切範囲との比較結果に基づいて、流量計測状態の診断や異常計測判別を行うことが可能となる。また、校正などのメンテナンス頻度を低減でき、作業負担を軽減することができる。
また、本実施の形態において、VsLを適用して計測するときは、1周期早めにトリガー点が検出されることを見越して、検出されたトリガー点から1超音波周期分の時間だけ遅延させたタイミングから、ゼロクロス点を検出するようにしてもよい。これにより、VsLを適用した場合とVsHを適用した場合で、互いに近しいタイミングでゼロクロス時刻を取得できる確率が高くなるため、複数計測で得たゼロクロス時間の平均値などの計算に要する処理負担を軽減できる。
また、本実施の形態において、閾値電圧Vs’は3つの限定されるものではなく、2つまたは4つ以上の異なる閾値電圧を用いてもよい。
また、Vs調整の指標となる許容範囲Rpは50%が中心でなくてもよく、度合Rを計算したゼロクロス点の位置や個数、超音波流量計1や適用される計測環境に応じて、任意の値を設定すればよい。
また、Vs間の差分電圧ΔVsは、Vinの状態に応じて変更してもよい。例えば、隣接波間におけるピーク電圧の関係に応じて変更してもよく、Vinのブレが大きい場合はΔVsを大きくして間隔を広くとるようにしてもよい。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1…超音波流量計、10…流量演算装置、11…入出力I/F部、12…記憶部、13…計測制御部、14…ゼロクロス検出部、15…流量計算部、16…流量出力部、17…閾値電圧調整部、B…内部バス、C…測定管、TD1,TD2…トランスデューサ、W…配線、NW…通信ネットワーク。

Claims (4)

  1. 一対のトランスデューサ間で計測対象となる流体を介して超音波信号を両方向で送受信する計測工程をN(Nは2以上の整数)回実施し、これら計測工程により検出した前記超音波信号の伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計であって、
    前記超音波信号を受信したトランスデューサから出力される検出電圧Vin#i(iは1~Nの整数)と予め設定されている閾値電圧Vsとを比較し、前記検出電圧Vin#iが前記閾値電圧Vsと交差したトリガー点以降に、前記検出電圧Vin#iが最初にゼロ電圧と交差するゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻を前記検出電圧Vin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納するゼロクロス検出部と、
    前記時刻配列D#iに格納されている複数の前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻ら目標ゼロクロス点に関する目標ゼロクロス時刻をそれぞれ抽出し、これら目標ゼロクロス時刻から求めた前記伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量計算部と、
    前記検出電圧Vin#iのうち、最初に検出された先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合を計算し、前記度合と予め設定されている閾値との比較結果に基づいて前記閾値電圧Vsを調整する閾値電圧調整部と
    を備え
    前記ゼロクロス検出部は、前記ゼロクロス点を検出する際、前記閾値電圧Vsを含む互いに異なる複数の閾値電圧Vs’のそれぞれを前記検出電圧Vin#iと比較し、前記検出電圧Vin#iが当該閾値電圧Vs’と最初に交差したトリガー点以降にそれぞれの前記ゼロクロス点を検出し、
    前記閾値電圧調整部は、前記度合として、前記検出電圧Vin#iのうち、前記複数の閾値電圧Vs’に関する先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する度合を計算する
    ことを特徴とする超音波流量計。
  2. 請求項に記載の超音波流量計において、
    前記ゼロクロス検出部は、前記検出電圧Vin#iごとに前記閾値電圧を切り替えて前記検出電圧Vin#iと比較することを特徴とする超音波流量計。
  3. 一対のトランスデューサ間で計測対象となる流体を介して超音波信号を両方向で送受信する計測工程をN(Nは2以上の整数)回実施し、これら計測工程により検出した前記超音波信号の伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計で用いられる流量計測方法であって、
    ゼロクロス検出部が、前記超音波信号を受信したトランスデューサから出力される検出電圧Vin#i(iは1~Nの整数)と予め設定されている閾値電圧Vsとを比較し、前記検出電圧Vin#iが前記閾値電圧Vsと交差したトリガー点以降に、前記検出電圧Vin#iが最初にゼロ電圧と交差するゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻を前記検出電圧Vin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納するゼロクロス検出ステップと、
    流量計算部が、前記時刻配列D#iに格納されている複数の前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻ら目標ゼロクロス点に関する目標ゼロクロス時刻をそれぞれ抽出し、これら目標ゼロクロス時刻から求めた前記伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量計算ステップと、
    閾値電圧調整部が、前記検出電圧Vin#iのうち、最初に検出された先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合を計算し、前記度合と予め設定されている閾値との比較結果に基づいて前記閾値電圧Vsを調整する閾値電圧調整ステップと
    を備え
    前記ゼロクロス検出ステップでは、前記ゼロクロス点を検出する際、前記閾値電圧Vsを含む互いに異なる複数の閾値電圧Vs’のそれぞれを前記検出電圧Vin#iと比較し、前記検出電圧Vin#iが当該閾値電圧Vs’と最初に交差したトリガー点以降にそれぞれの前記ゼロクロス点を検出し、
    前記閾値電圧調整ステップでは、前記度合として、前記検出電圧Vin#iのうち、前記複数の閾値電圧Vs’に関する先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する度合を計算する
    ことを特徴とする流量計測方法。
  4. 超音波流量計で用いられて、一対のトランスデューサ間で計測対象となる流体を介して超音波信号を両方向で送受信する計測工程をN(Nは2以上の整数)回実施し、これら計測工程により検出した前記超音波信号の伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量演算装置であって、
    前記超音波信号を受信したトランスデューサから出力される検出電圧Vin#i(iは1~Nの整数)と予め設定されている閾値電圧Vsとを比較し、前記検出電圧Vin#iが前記閾値電圧Vsと交差したトリガー点以降に、前記検出電圧Vin#iが最初にゼロ電圧と交差するゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻を前記検出電圧Vin#iと対応する時刻配列D#iに順次格納するゼロクロス検出部と、
    前記時刻配列D#iに格納されている複数の前記ゼロクロス点のゼロクロス時刻ら目標ゼロクロス点に関する目標ゼロクロス時刻をそれぞれ抽出し、これら目標ゼロクロス時刻から求めた前記伝搬時間差に基づいて、前記流体の流量を計測する流量計算部と、
    前記検出電圧Vin#iのうち、最初に検出された先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する、検出電圧Vin#iの度合を計算し、前記度合と予め設定されている閾値との比較結果に基づいて前記閾値電圧Vsを調整する閾値電圧調整部と
    を備え
    前記ゼロクロス検出部は、前記ゼロクロス点を検出する際、前記閾値電圧Vsを含む互いに異なる複数の閾値電圧Vs’のそれぞれを前記検出電圧Vin#iと比較し、前記検出電圧Vin#iが当該閾値電圧Vs’と最初に交差したトリガー点以降にそれぞれの前記ゼロクロス点を検出し、
    前記閾値電圧調整部は、前記度合として、前記検出電圧Vin#iのうち、前記複数の閾値電圧Vs’に関する先頭ゼロクロス点が、前記目標ゼロクロス点の1周期前に位置する追従ゼロクロス点に相当する度合を計算する
    ことを特徴とする流量演算装置。
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