JP7247676B2 - 感光性着色樹脂組成物、硬化物、及び画像表示装置 - Google Patents

感光性着色樹脂組成物、硬化物、及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、感光性着色樹脂組成物等に関する。詳しくは、例えば液晶ディスプレイ等のカラーフィルターにおいて、着色スペーサーやブラックマトリックス等の形成に好ましく用いられる感光性着色樹脂組成物、この感光性着色樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、この硬化物を含む画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)は液晶への電圧のオン・オフにより液晶分子の並び方が切り替わる性質を利用している。一方で、LCDのセルを構成する各部材は、フォトリソグラフィー法に代表される、感光性組成物を利用した方法によって形成されるものが多い。この感光性組成物は、微細な構造を形成し易く、大画面用の基板に対しての処理もし易いといった理由から、今後さらにその適用範囲は広がる傾向にある。
従来、遮光性を有さないスペーサーをTFT型LCDに使用する場合、スペーサーを透過してくる光によりスイッチング素子としてのTFTが誤作動を起こすことがあった。これを防止するため、遮光性を有するスペーサー(着色スペーサー)を用いる方法が検討されている。近年では、パネル構造の変化に伴い、高さの異なる着色スペーサーをフォトリソグラフィー法により一括形成する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、特定の有機顔料と所定量のカーボンブラックを併用することで、遮光性が高く、形状や段差をコントロールすると共に、可視領域の全範囲における光漏れが抑制可能な着色スペーサーを形成できることが記載されている。
一方で特許文献2には、アルカリ現像性カルド樹脂に、ニトロカルバゾール骨格を有するオキシムエステル化合物と、ケトオキシムエステル化合物とを併用することで、十分な遮光性を有し、高感度であり、高微細なブラックマトリックスが得られることが記載されている。
また特許文献3には、特定の波長範囲内に吸収極大波長を有するカルバゾール系のオキシム化合物とフェニル系のオキシム化合物と、特定の着色剤を併用することで、高い溶剤耐性を有し、高透明性で、優れたフォトリソ特性を有することが記載されている。
また特許文献4には、特定のエーテル構造を有するオキシムエステル化合物と、特定のシクロアルキル構造を有するオキシムエステル化合物とを併用することで、感度および解像度が優れることが記載されている。
特開2016-177190号公報 国際公開第2017/169819号 特許2018-101038号公報 国際公開第2017/170473号
近年のパネル構造の変化に伴い、着色スペーサーやブラックマトリックスにおいて遮光性を高くする要求があり、感光性着色樹脂組成物中の顔料の含有割合を高くする検討がされている。本発明者らの検討によって、その場合には、塗膜上部と塗膜下部とで架橋密度差が大きくなり、熱硬化過程の熱収縮により塗膜表面にしわが発生して表面平滑性が不十分となる場合があることがわかった。一方でこれを解消するため、開始剤を増量したり、露光時の露光量を上げたり、感度の高い光重合開始剤を使用したりするだけでは、塗膜上部のみの硬化が進み、所望の線幅の硬化物が得られない場合があり、表面平滑性と線幅再現性の両立が困難であることがわかった。また、顔料の種類によっては、現像時の密着性が悪化する場合があることがわかった。
本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載されている感光性着色樹脂組成物では、線幅再現性が不十分であることが見出された。
また、特許文献2に記載されている感光性着色樹脂組成物では、密着性が不十分であることが見出された。
さらに、特許文献3及び4に記載されている感光性着色樹脂組成物では、遮光性が不十分であり、遮光性を高めた場合の特性については何ら検討がされていない。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遮光性が高く、表面平滑性、線幅再現性及び密着性に優れた感光性着色樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、感光性着色樹脂組成物において、有機顔料の含有割合を所定範囲とし、かつ、特定の吸収特性を有する複数の光重合開始剤を併用することで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[11]の構成を有する。
[1] (A)光重合開始剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合性化合物、及び(D)有機顔料を含有する感光性着色樹脂組成物であって、
前記(D)有機顔料の含有割合が、全固形分中に25質量%以上であり、
前記(A)光重合開始剤が、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上であるオキシムエステル系光重合開始剤(A1)と、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であり、下記一般式(A2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(A2)とを含むことを特徴とする感光性着色樹脂組成物。
Figure 0007247676000001
(式(A2)中、R13Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
14Aは、芳香族環基を表す。
15Aは、1価の置換基を表す。
nは0又は1を表す。
hは0~2の整数を表す。)
[2] 前記オキシムエステル系光重合開始剤(A1)が、ニトロ基及びカルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤を含む、[1]に記載の感光性着色樹脂組成物。
[3] 前記オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の含有割合が、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)100質量部に対して、20質量部以上である、[1]又は[2]に記載の感光性着色樹脂組成物。
[4] 前記(D)有機顔料が(D1)有機着色顔料を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組成物。
[5] 前記(D1)有機着色顔料が、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する、[4]に記載の感光性着色樹脂組成物。
[6] さらに無機黒色顔料を含有する、[4]又は[5]に記載の感光性着色樹脂組成物。
[7] 前記(D)有機顔料が、(D2)有機黒色顔料を含有する、[1]~[6]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組成物。
[8] 前記(D2)有機黒色顔料が、下記一般式(1)で表される化合物、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[7]に記載の感光性着色樹脂組成物。
Figure 0007247676000002
(式(1)中、R11及びR16は各々独立に、水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又は塩素原子を表し;
12、R13、R14、R15、R17、R18、R19及びR20は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、R21、COOH、COOR21、COO-、CONH2、CONHR21、CONR2122、CN、OH、OR21、COCR21、OOCNH2、OOCNHR21、OOCNR2122、NO2、NH2、NHR21、NR2122、NHCOR22、NR21COR22、N=CH2、N=CHR21、N=CR2122、SH、SR21、SOR21、SO221、SO321、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR21又はSO2NR2122を表し;
且つ、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R17とR18、R18とR19、及びR19とR20からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合してもよく、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR21ブリッジによって互いに結合してもよく;
21及びR22は各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基又は炭素数2~12のアルキニル基を表す。)
[9] 着色スペーサー形成用である[1]~[8]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組成物。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の感光性着色樹脂組成物を硬化させた硬化物。
[11] [10]に記載の硬化物を含む画像表示装置。
本発明によれば、遮光性が高く、表面平滑性、線幅再現性及び密着性に優れた感光性着色樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下の記載は本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらに特定されない。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味するものとし、また、「全固形分」とは、感光性着色樹脂組成物における溶剤以外の全成分を意味するものとする。さらに、本発明において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明において、「(共)重合体」とは、単一重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含むことを意味し、また、「(酸)無水物」、「(無水)…酸」とは、酸とその無水物の双方を含むことを意味する。
本発明において、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
本発明において、酸価とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、中和滴定により算出される。
また、本発明において「モノマー」とは、いわゆる高分子物質(ポリマー)に相対する用語であり、狭義の単量体(モノマー)の外に、二量体、三量体、オリゴマー等も含む意味である。
[1]感光性着色樹脂組成物
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(A)光重合開始剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合性化合物、及び(D)有機顔料を含有する感光性着色樹脂組成物であって、前記(D)有機顔料の含有割合が、全固形分中に25質量%以上であり、前記(A)光重合開始剤が、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上であるオキシムエステル系光重合開始剤(A1)と、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であり、後述の一般式(A2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(A2)とを含む。
[1-1]感光性着色樹脂組成物の成分および組成
本発明の感光性着色樹脂組成物を構成する成分およびその組成について順に説明する。
[1-1-1](A)成分;光重合開始剤
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(A)光重合開始剤を含有する。
(A)光重合開始剤は、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上であるオキシムエステル系光重合開始剤(A1)(以下、「オキシムエステル系光重合開始剤(A1)」と称する場合がある。)と、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であり、後述の一般式(A2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(A2)(以下、「オキシムエステル系光重合開始剤(A2)」と称する場合がある。)とを含有する。
紫外線露光による硬化度を上げるためには、i線に吸収帯を有するオキシムエステル系光重合開始剤の中でも、h線も利用可能なもの、つまり、波長400nmにおける吸光度が十分に高いオキシムエステル系光重合開始剤(A1)を用いる方法が挙げられる。
ただし、吸光度が高いオキシムエステル系光重合開始剤(A1)だけを用いた場合、塗膜上部で紫外線が多く消費され、塗膜上部の硬化が過剰に進んでしまう。そのため、所望の線幅よりも大きいパターンになってしまう。
一方で、波長400nmにおける吸光度が低いオキシムエステル系光重合開始剤(A2)のみを使用した場合には、塗膜上部での紫外線の消費は抑えられるものの、塗膜下部を硬化させるには吸光度が不十分なため、塗膜上下部の硬化度の違いから、焼成後に表面荒れが発生し、表面平滑性が悪化してしまう。また、塗膜下部が十分に硬化しないことによって、現像密着性も悪化してしまう。
そこで、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)とオキシムエステル系光重合開始剤(A2)を組み合わせることで、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)単独の場合に比べて、塗膜上部の硬化度を相対的に低くでき、またオキシムエステル系光重合開始剤(A2)単独の場合に比べて、塗膜下部での硬化が促進される。その結果、所望の線幅のパターンを得ることができ、焼成後に表面荒れが発生することなく、また現像による溶解が抑制されて現像密着性が良好になると考えられる。
[1-1-1-1]オキシムエステル系光重合開始剤(A1)
オキシムエステル系光重合開始剤(A1)は、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上である。このようにオキシムエステル系光重合開始剤(A1)は、波長400nmにおいて十分な吸光度を有するものであり、高圧水銀灯の発する紫外線のうち、i線だけでなくh線をも十分に利用して硬化反応を促進させることができると考えられる。
オキシムエステル系光重合開始剤(A1)の波長400nmにおける吸光度は、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上であれば特に限定されないが、32%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましく、また、80%以下が好ましく、70%以下がより好ましく、60%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで表面平滑性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで線幅再現性が適正となる傾向がある。
また、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)の波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)は特に限定されないが、320nm以上が好ましく、340nm以上がより好ましく、360nm以上がさらに好ましく、また、390nm以下が好ましく、380nm以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで表面平滑性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで線幅再現性が適正となる傾向がある。
オキシムエステル系光重合開始剤(A1)の吸光度及び極大吸収波長の測定は、まずオキシムエステル系光重合開始剤(A1)の0.01質量%のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液を作成し、それに分光光度計で波長300~400nmの光を照射して測定することができる。分光光度計としては、例えばUV-3000シリーズ(島津製作所社製)、V-700シリーズ(日本分光社製)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。測定セルとしては、1cm角の石英セルを使用することができる。
オキシムエステル系光重合開始剤(A1)は波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上のものであるが、波長400nmにおける吸光度が高いものとしては、例えば、フルオレン骨格やカルバゾール骨格にニトロ基等の電子吸引性基が結合したものを有するものが挙げられ、ニトロ基及びカルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤(A1)の化学構造は特に限定されないが、表面平滑性や現像密着性の観点から、下記一般式(A1-1)で表される化学構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0007247676000003
(式(A1-1)中、R1A、R3A、R4A、R5A、R6A及びR8Aは各々独立に、水素原子、ニトロ基、アルキル基、又は芳香族環基を表す。
2A及びR7Aは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、ニトロ基、又は下記一般式(A1-2)で表される1価の基を表す。ただし、R2A及びR7Aのいずれか一方又は両方が、下記一般式(A1-2)で表される1価の基である。
1A~R8Aのうち、少なくとも1つ以上はニトロ基である。
9Aは、水素原子、又はアルキル基を表す。
m及びnは各々独立に、0又は1を表す。)
Figure 0007247676000004
(式(A1-2)中、R11Aは、アルキル基、又は芳香族環基を表す。
12Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。)
(R1A、R3A、R4A、R5A、R6A及びR8A
上記式(A1-1)中のR1A、R3A、R4A、R5A、R6A及びR8Aにおけるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、8以下が好ましく、6以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、表面平滑性の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
上記式(A1-1)のR1A、R3A、R4A、R5A、R6A及びR8Aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、通常4以上であり、6以上が好ましく、10以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、12以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基などが挙げられ、これらの中でも、表面平滑性の観点からフェニル基であることがより好ましい。
これらの中でも、表面平滑性の観点から、R1A、R3A、R4A、R5A、R6A及びR8Aは各々独立に水素原子又はニトロ基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
(R2A及びR7A
上記式(A1-1)のR2A及びR7Aにおけるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、8以下が好ましく、6以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、表面平滑性の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から水酸基が好ましい。
上記式(A1-1)のR2A及びR7Aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、通常4以上であり、6以上が好ましく、10以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、12以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基などが挙げられる。これらの中でも、表面平滑性の観点からフェニル基であることがより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、アルキル基などが挙げられ、現像性の観点からアルキル基が好ましい。
上記式(A1-1)において、R2A及びR7Aのいずれか又は両方が、前記一般式(A1-2)で表される1価の基である。
上記式(A1-2)のR11Aにおけるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、また、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記上限値以下とすることで感度が良好となる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基などが挙げられ、これらの中でも表面平滑性の観点から、メチル基が好ましい。
11Aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、通常4以上であり、5以上が好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基などが挙げられ、これらの中でもテーパ形状の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
12Aにおけるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、6以上がさらに好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、8以下がよりさらに好ましく、7以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、イソペンチル基、へキシル基、ヘプチル基が好ましく、ヘプチル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
12Aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、通常4以上であり、5以上が好ましい。また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシを側鎖に有するアルコキシ基などが挙げられる。これらの中でも現像性の観点からアルキル基、又はアルコキシを側鎖に有するアルコキシ基が好ましい。
また、上記式(A1-1)において、m及びnは各々独立に0又は1を表すが、表面平滑性の観点からは0が好ましく、一方で溶剤への溶解性の観点からは1が好ましい。
これらの中でも、表面平滑性の観点から、R2A及びR7Aが各々独立にニトロ基又は前記一般式(A1-2)で表される1価の基であることが好ましく、R2Aがニトロ基であり、かつ、R7Aが前記一般式(A1-2)で表される1価の基であることがより好ましい。
(ニトロ基)
1A~R8Aのうち、少なくとも1つ以上はニトロ基である。
1A~R8Aのうち、ニトロ基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
これらの中でも、表面平滑性の観点から、R2A又はR7Aがニトロ基であることが好ましい。
一方で、感度の観点から、R4A及び/又はR5Aがニトロ基であることが好ましく、R4A及びR5Aがニトロ基であることがより好ましい。
(R9A
上記式(A1-1)中のR9Aにおけるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が良化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良化する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、表面平滑性の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤(A1)の公知化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Figure 0007247676000005
これらオキシムエステル系光重合開始剤(A1)の中でも、表面平滑性の観点から、前記式(A1-11)で表される化学構造の化合物が好ましい。
[1-1-1-2]オキシムエステル系光重合開始剤(A2)
オキシムエステル系光重合開始剤(A2)は、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であり、後述する一般式(A2)で表される。このようにオキシムエステル系光重合開始剤(A2)は、波長400nmにおける吸光度が十分に低く、高圧水銀灯の発する紫外線のうち、h線をあまり利用することなく、主にi線を利用して硬化反応を促進させるため、塗膜上部におけるh線の吸収率を低くでき、またR14Aが芳香族環基であることによって、発生したラジカルが自由に動きにくくなり、線幅が太くなるのを抑制できる。その一方で塗膜下部ではオキシムエステル系光重合開始剤(A1)によるh線を利用した硬化が促進され、表面平滑性が良化すると考えられる。
オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の波長400nmにおける吸光度は、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であれば特に限定されないが、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましく、また、0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。前記上限値以下とすることで線幅再現性が適正となる傾向があり、また、前記下限値以上とすることでi線での硬化性が十分に発現する傾向がある。
また、オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)は特に限定されないが、310nm以上が好ましく、320nm以上がより好ましく、325nm以上がさらに好ましく、また、350nm以下が好ましく、340nm以下がより好ましく、330nm以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでi線での硬化性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで線幅再現性が適正となる傾向がある。
オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の吸光度及び極大吸収波長の測定は、まずオキシムエステル系光重合開始剤(A2)の0.01質量%のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液を作成し、それを分光光度計でオキシムエステル光重合開始剤(A1)と同様の方法にて測定することができる。
オキシムエステル系光重合開始剤(A2)は、下記一般式(A2)で表される化学構造を有する化合物である。下記一般式(A2)で表される化学構造を有する化合物は、上述の吸光度の特性に加え、ラジカル発生部位であるR14Aが芳香族環基であるため、発生したラジカルが自由に動きにくく酸素阻害の大きい塗膜表面では硬化しにくくなり、塗膜内部の方が硬化が進み、線幅再現性が良好になると考えられる。
Figure 0007247676000006
(式(A2)中、R13Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
14Aは、芳香族環基を表す。
15Aは、1価の置換基を表す。
nは0又は1を表す。
hは0~2の整数を表す。)
(R13A
上記式(A2)中のR13Aにおけるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、4以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましく、7以下がよりさらに好ましい。前記上限値以下とすることで溶剤への溶解性が良好となる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、メチル基、ヘキシル基、イソペンチル基、へキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基が好ましく、ヘキシル基、シクロペンチルメチル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点からメチル基が好ましい。また、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
上記式(A2)中のR13Aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、通常4以上、5以上が好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、アルキル基などが挙げられ、現像性の観点からアルキル基が好ましい。
これらの中でも、線幅再現性の観点から、R13Aが、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましい。
(R14A
上記式(A2)中のR14Aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、通常4以上であり、5以上が好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで線幅再現性が適正となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで感度が良好となる傾向がある。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられ、これらの中でも線幅再現性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
これらの中でも上記式(A2)中のR14Aとしては、所望の線幅のパターンを得る観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
(R15A
上記式(A2)中のR15Aにおける1価の置換基は特に限定されないが、現像性の観点から、R16A-O-、又はR16A-(C=O)-が好ましい。
16Aとしては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい芳香族環基が挙げられる。
16Aにおけるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、8以下が好ましく、5以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで線幅再現性が適正となる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基などが挙げられ、これらの中でも溶解性の観点から、メチル基が好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から水酸基が好ましい。
16Aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、通常4以上であり、5以上が好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで線幅再現性が適正となる傾向がある。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基などが挙げられる。これらの中でも線幅再現性の観点から、ベンゾチエニル基又はベンゾフリル基が好ましく、ベンゾフリル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられ、合成性の観点から無置換が好ましい。
上記式(A2)中のR15Aにおける1価の置換基としては、合成容易性の観点から、アルキル基がより好ましい。
(n)
上記式(A2)において、nは0又は1を表す。感度の観点からはnが0であることが好ましく、一方で、線幅再現性の観点からはnが1であることが好ましい。
(h)
上記式(A2)において、hは0~2の整数を表す。細線再現性の観点からはhが0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
hが1以上の整数の場合、R15Aの置換位置は特に限定されないが、合成上の観点からo位又はp位が好ましく、p位がより好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の公知化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Figure 0007247676000007
これらの中でも、線幅再現性の観点から、前記式(A2-11)で表される化学構造の化合物が好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物における(A)光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)及びオキシムエステル系光重合開始剤(A2)以外の光重合開始剤(以下、「その他の光重合開始剤」と称する場合がある。)を含有してもよい。その他の光重合開始剤は、オキシムエステル系化合物であってもよいし、オキシムエステル系化合物以外のものであってもよい。
その他の光重合開始剤としては、この分野で通常用いられているものを使用することができる。例えば、特開昭59-152396号公報、特開昭61-151197号公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物;特開2000-56118号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10-39503号公報記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル-s-トリアジン誘導体類、N-フェニルグリシン等のN-アリール-α-アミノ酸類、N-アリール-α-アミノ酸塩類、N-アリール-α-アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α-アミノアルキルフェノン誘導体類等が挙げられる。
具体的には、例えば、メタロセン化合物としては、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6-トリフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,6-ジフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,4-ジフルオロフェニ-1-イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6-ジフルオロフェニ-1-イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウム〔2,6-ジ-フルオロ-3-(ピロ-1-イル)-フェニ-1-イル〕等が挙げられる。
また、ビイミダゾール誘導体類としては、2-(2’-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(2’-クロロフェニル)-4,5-ビス(3’-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(2’-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(2’-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、(4’-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体等が挙げられる。
また、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体類としては、2-トリクロロメチル-5-(2’-ベンゾフリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2’-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2’-(6”-ベンゾフリル)ビニル)〕-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-フリル-1,3,4-オキサジアゾール等が挙げられる。
また、ハロメチル-s-トリアジン誘導体類としては、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等が挙げられる。
また、α-アミノアルキルフェノン誘導体類としては、2-メチル-1〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-j1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、4-ジメチルアミノエチルベンゾエ-ト、4-ジメチルアミノイソアミルベンゾエ-ト、4-ジエチルアミノアセトフェノン、4-ジメチルアミノプロピオフェノン、2-エチルヘキシル-1,4-ジメチルアミノベンゾエート、2,5-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4-(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
光重合開始剤には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素、重合促進剤を配合させることができる。増感色素としては、特開平4-221958号公報、特開平4-219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3-239703号公報、特開平5-289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3-239703号公報、特開平5-289335号公報に記載の3-ケトクマリン化合物、特開平6-19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47-2528号公報、特開昭54-155292号公報、特公昭45-37377号公報、特開昭48-84183号公報、特開昭52-112681号公報、特開昭58-15503号公報、特開昭60-88005号公報、特開昭59-56403号公報、特開平2-69号公報、特開昭57-168088号公報、特開平5-107761号公報、特開平5-210240号公報、特開平4-288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらの増感色素のうち好ましいものは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいものは、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に、好ましいのは、例えば、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン、4-アミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-チアジアゾール、(p-ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p-ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p-ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p-ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p-ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p-ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp-ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等である。このうち最も好ましいものは、4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル等の芳香族アミン、n-ブチルアミン、N-メチルジエタノールアミン等の脂肪族アミン等が用いられる。重合促進剤は、1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また上記光重合開始剤と併用して、連鎖移動剤を用いることが好ましい。連鎖移動剤としてはメルカプト基含有化合物や、四塩化炭素等が挙げられ、連鎖移動効果が高い傾向があることからメルカプト基含有化合物を用いることがより好ましい。S-H結合エネルギーが小さいことによって結合開裂が起こりやすく、水素引きぬき反応や連鎖移動反応を起こしやすいためであると考えられる。高感度化のために好適である。
メルカプト基含有化合物としては、芳香族環を有するメルカプト基含有化合物、脂肪族系のメルカプト基含有化合物が好ましく、脂肪族系のメルカプト基含有化合物がさらに好ましい。
芳香族環を有するメルカプト基含有化合物としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-メルカプト-4(3H)-キナゾリン、β-メルカプトナフタレン、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン等が挙げられ、高感度の観点から、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールが好ましい。
脂肪族系のメルカプト基含有化合物としては、へキサンジチオール、デカンジチオール、ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられる。
このうち高感度の観点から、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンがより好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)がさらに好ましい。
連鎖移動剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
本発明の感光性着色樹脂組成物における(A)光重合開始剤の含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形中に、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。前記下限値以上とすることで、適切な感度となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターン形状にしやすくなる傾向がある。
(A)光重合開始剤中におけるオキシムエステル系光重合開始剤(A1)の含有割合も特に限定されないが、通常10質量%以上であり、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。また通常90質量%以下であり、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、表面平滑性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで線幅再現性が適正となる傾向がある。
(A)光重合開始剤中におけるオキシムエステル系光重合開始剤(A2)の含有割合も特に限定されないが、通常10質量%以上であり、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。また通常90質量%以下であり、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、線幅再現性が適正となる傾向があり、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の含有割合は、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)100質量部に対して、通常20質量部以上であり、30質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましく、45質量部以上がさらに好ましく、60質量部以上が特に好ましい。また通常400質量部以下であり、300質量部以下が好ましく、250質量部以下がより好ましく、220質量部以下がさらに好ましく、180質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、線幅再現性が適正となる傾向があり、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
また、感光性着色樹脂組成物中の(C)光重合性化合物に対する(A)光重合開始剤の配合割合としては、(C)光重合性化合物100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、15質量部以上がよりさらに好ましく、20質量部以上が特に好ましく、また、200質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下がよりさらに好ましく、30質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで適切な感度となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターン形状にしやすくなる傾向がある。
本発明の感光性着色樹脂組成物が連鎖移動剤を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上であり、通常5質量%以下、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。前記下限値以上とすることで感度が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターンを形成しやすくなる傾向がある。
また、感光性着色樹脂組成物中の(A)光重合開始剤に対する連鎖移動剤の含有割合も特に限定されないが、(A)光重合開始剤100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、20質量部以上が特に好ましく、また、500質量部以下が好ましく、300質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで高感度となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターンを形成しやすくなる傾向がある。
[1-1-2](B)成分;アルカリ可溶性樹脂
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(B)アルカリ可溶性樹脂を含有する。本発明において、(B)アルカリ可溶性樹脂としてはアルカリ現像液で現像可能なものであれば特に限定されない。
アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を有する各種樹脂が挙げられるが、現像性に優れるとの観点からはカルボキシル基を有するものが好ましい。
また、紫外線による硬化性が高くなり、表面平滑性が良好となる等の理由からは、エチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物の(B)アルカリ可溶性樹脂は、現像性の観点から、側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂(B11)(以下、「アクリル共重合樹脂(B11)」と略記する場合がある。)を含むことが好ましい。また一方で、パターニング性の観点からは、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)を含むことが好ましい。
さらには、現像性とパターニング性の両立の観点からは、(B)アルカリ可溶性樹脂として、アクリル共重合樹脂(B11)と、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)の両者を含むことが好ましい。
まずは、アクリル共重合樹脂(B11)について詳述する。
[アクリル共重合樹脂(B11)]
アクリル共重合樹脂(B11)は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する。エチレン性不飽和基を有するものとすることで、露光による光硬化により、現像時にアルカリ現像液による膜減りが起こりにくくなり、表面平滑性が良好となる傾向がある。
(一般式(I)で表される部分構造)
アクリル共重合樹脂(B11)における、エチレン性不飽和基を有する側鎖を含む部分構造は特に限定されないが、膜の柔軟性に伴うラジカルの発散しやすさの観点から、例えば、下記一般式(I)で表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 0007247676000008
(式(I)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。*は結合手を表す。)
また、前記式(I)で表される部分構造の中でも、感度やアルカリ現像性の観点から、下記一般式(I’)で表される部分構造が好ましい。
Figure 0007247676000009
(式(I’)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。RXは水素原子又は多塩基酸残基を表す。)
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、その含有割合は特に限定されないが10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上がよりさらに好ましく、50モル%以上が特に好ましく、また、90モル%以下が好ましく、85モル%以下がより好ましく、80モル%以下がさらに好ましく、75モル%以下がよりさらに好ましく、70モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで表面平滑性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(I’)で表される部分構造を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましく、30モル%以上がよりさらに好ましく、35モル%以上が特に好ましく、また、80モル%以下が好ましく、75モル%以下がより好ましく、70モル%以下がさらに好ましく、65モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ現像性が良好になりやすい傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が確保しやすい傾向がある。
(一般式(II)で表される部分構造)
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、他に含まれる部分構造は特に限定されないが、現像密着性の観点から、例えば、下記一般式(II)で表される部分構造を有することも好ましい。
Figure 0007247676000010
上記式(II)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
(R4
前記式(II)において、R4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
4におけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、8以上であることが特に好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が高くなり、現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
4における芳香族環基としては、1価の芳香族炭化水素環基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は6以上であることが好ましく、また、24以下であることが好ましく、22以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましく、18以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ベンゼン環、又はナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
また、芳香族環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
4におけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、R4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表すが、これらの中でも現像性と膜強度の観点から、アルキル基又はアルケニルが好ましく、アルキル基がより好ましい。
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(II)で表される部分構造を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましく、20モル%以上が特に好ましく、また、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましく、40モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(一般式(III)で表される部分構造)
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、他に含まれる部分構造として、耐熱性、膜強度の観点から下記一般式(III)で表される部分構造が含まれることが好ましい。
Figure 0007247676000011
上記式(III)中、R5は水素原子又はメチル基を表し、R6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。tは0~5の整数を表す。
(R6
前記式(III)においてR6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。
6におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも現像性と膜強度の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるアルキニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルキニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも現像性の観点からはフッ素原子が好ましい。
6におけるアルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるアルキルスルフィド基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルスルフィド基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルキルスルフィド基におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、R6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表すが、これらの中でも現像性の観点から、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
前記式(III)においてtは0~5の整数を表すが、製造容易性の観点からはtが0であることが好ましい。
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(III)で表される部分構造を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、0.5モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、2モル%以上がさらに好ましい。また、50モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましく、20モル%以下がさらに好ましく、10モル%以下がよりさらに好ましく、5モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(一般式(IV)で表される部分構造)
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(I)で表される部分構造を有する場合、他に含まれる部分構造として、現像性の観点から下記一般式(IV)で表される部分構造を有することも好ましい。
Figure 0007247676000012
上記式(IV)中、R7は水素原子又はメチル基を表す。
アクリル共重合樹脂(B11)が前記一般式(IV)で表される部分構造を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましく、また、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60%モル以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
一方で、アクリル共重合樹脂(B11)の酸価は特に限定されないが、30mgKOH/g以上が好ましく、40mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましく、60mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、また、250mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以下がよりさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
アクリル共重合樹脂(B11)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上、さらに好ましくは6000以上、よりさらに好ましくは7000以上、特に好ましくは8000以上であり、また、通常30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、さらに好ましくは10000以下である。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
(B)アルカリ可溶性樹脂に含まれるアクリル共重合樹脂(B11)の含有割合は特に限定されないが、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上が特に好ましく、また、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、(B)アルカリ可溶性樹脂がアクリル共重合樹脂(B11)とエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)の両方を含む場合、アクリル共重合樹脂(B11)の含有割合は、アクリル共重合樹脂(B11)とエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)との含有割合の合計に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、また90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング性が良好となる傾向がある。
なお、アクリル共重合樹脂(B11)の具体例としては、例えば、特開平8-297366号公報や特開2001-89533号公報に記載の樹脂が挙げられる。
次に、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)について詳述する。
[エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)]
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)は、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和モノカルボン酸又はエステル化合物を付加し、任意でイソシアネート基含有化合物を反応させた後、更に多塩基酸又はその無水物を反応させた樹脂である。例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されることにより、エポキシ化合物にエステル結合(-COO-)を介してエチレン性不飽和結合が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸無水物の一方のカルボキシ基が付加されたものが挙げられる。また多塩基酸無水物を付加するときに、多価アルコールを同時に添加して付加されたものも挙げられる。
また上記反応で得られた樹脂のカルボキシル基に、更に反応し得る官能基を有する化合物を反応させて得られる樹脂も、上記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)に含まれる。
このように、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は化学構造上、実質的にエポキシ基を有さず、かつ「(メタ)アクリレート」に限定されるものではないが、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)が原料であり、かつ、「(メタ)アクリレート」が代表例であるので慣用に従いこのように命名されている。
ここで、エポキシ樹脂とは、熱硬化により樹脂を形成する以前の原料化合物をも含めて言うこととし、そのエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂の中から適宜選択して用いることができる。また、エポキシ樹脂は、フェノール性化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られる化合物を用いることができる。フェノール性化合物としては、2価もしくは2価以上のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、単量体でも重合体でもよい。
具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルアルキレンオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)アダマンタンのジグリシジルエーテル化物、などが挙げられ、このように主鎖に芳香族環を有するものを好適に用いることができる。
中でも、高い硬化膜強度の観点から、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、などが好ましく、ビスフェノールAエポキシ樹脂が更に好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「jER(登録商標、以下同じ。)828」、「jER1001」、「jER1002」、「jER1004」、日本化薬社製の「NER-1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃)等)、ビスフェノールF型樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「jER807」、「jER4004P」、「jER4005P」、「jER4007P」、日本化薬社製の「NER-7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃)等)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、三菱ケミカル社製の「jERYX-4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN-201」、三菱ケミカル社製の「jER152」、「jER154」、ダウケミカル社製の「DEN-438」)、(o,m,p-)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN(登録商標、以下同じ。)-102S」、「EOCN-1020」、「EOCN-104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC(登録商標)」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN(登録商標、以下同じ。)-501」、「EPPN-502」、「EPPN-503」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル社製の「セロキサイド(登録商標、以下同じ。)2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したエポキシ樹脂(例えば、DIC社製の「EXA-7200」、日本化薬社製の「NC-7300」)、下記一般式(i-11)~(i-14)で表されるエポキシ樹脂、等を好適に用いることができる。具体的には、下記一般式(i-11)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「XD-1000」、下記一般式(i-12)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「NC-3000」、下記一般式(i-14)で表されるエポキシ樹脂として新日鉄住金化学社製の「ESF-300」等が挙げられる。
Figure 0007247676000013
上記一般式(i-11)において、nは平均値であり、0~10の数を表す。R111
各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。なお、1分子中に存在する複数のR111は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0007247676000014
上記一般式(i-12)において、nは平均値であり、0~10の数を表す。R121
各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。なお、1分子中に存在する複数のR121は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0007247676000015
上記一般式(i-13)において、Xは下記一般式(i-13-1)又は(i-13-2)で表される連結基を表す。但し、分子構造中に1つ以上のアダマンタン構造を含む。cは2又は3を表す。
Figure 0007247676000016
上記一般式(i-13-1)及び(i-13-2)において、R131~R134及びR135
~R137は、各々独立に、置換基を有していてもよいアダマンチル基、水素原子、置換基
を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。*は結合手を表す。
Figure 0007247676000017
上記一般式(i-14)において、p及びqは各々独立に0~4の整数を表し、R141
及びR142は各々独立に炭素数1~4のアルキル基又はハロゲン原子を表す。R143及びR144は各々独立に炭素数1~4のアルキレン基を表す。x及びyは各々独立に0以上の整
数を表す。
これらの中で、一般式(i-11)~(i-14)のいずれかで表されるエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等、および、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物などが挙げられる。中でも、感度の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
多塩基酸(無水物)としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3-メチルテトラヒドロフタル酸、4-メチルテトラヒドロフタル酸、3-エチルテトラヒドロフタル酸、4-エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、3-エチルヘキサヒドロフタル酸、4-エチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、およびそれらの無水物などが挙げられる。中でも、アウトガスの観点から、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、またはヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、コハク酸無水物又はテトラヒドロフタル酸無水物がより好ましい。
多価アルコールを用いることで、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)の分子量を増大させ、分子中に分岐を導入することができ、分子量と粘度のバランスをとることができる傾向がある。また、分子中への酸基の導入率を増やすことができ、感度や密着性等のバランスがとれやすい傾向がある。
多価アルコールとしては、例えばトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,2,3-プロパントリオールの中から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールであることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、前述のもの以外に、韓国公開特許第10-2013-0022955号公報に記載のもの等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)の酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましく、70mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以下がよりさらに好ましく、110mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、さらに好ましくは3500以上であり、また、通常30000以下、好ましくは15000以下、より好ましくは10000以下、さらに好ましくは8000以下、特に好ましくは5000以下である。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(B)アルカリ可溶性樹脂がエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、(B)アルカリ可溶性樹脂中に10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、また、90質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでパターニング性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)は、従来公知の方法により合成することができる。具体的には、前記エポキシ樹脂を有機溶剤に溶解させ、触媒と熱重合禁止剤の共存下、前記エチレン性不飽和結合を有する酸又はエステル化合物を加えて付加反応させ、更に多塩基酸又はその無水物を加えて反応を続ける方法を用いることができる。例えば特許第3938375号公報、特許第5169422号公報に記載されている方法が挙げられる。
ここで、反応に用いる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの有機溶剤の1種または2種以上が挙げられる。また、上記触媒としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンミニウム塩類、トリフェニルホスフィンなどの燐化合物、トリフェニルスチビンなどのスチビン類などの1種または2種以上が挙げられる。更に、熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノンなどの1種または2種以上が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合を有する酸又はエステル化合物としては、エポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.7~1.3化学当量、好ましくは0.9~1.1化学当量となる量とすることができる。また、付加反応時の温度としては、通常60~150℃、好ましくは80~120℃の温度とすることができる。更に、多塩基酸(無水物)の使用量としては、前記付加反応で生じた水酸基の1化学当量に対して、通常0.1~1.2化学当量、好ましくは0.2~1.1化学当量となる量とすることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)の中でも、膜強度や直線性の観点から、下記一般式(i)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、下記一般式(ii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、及び下記一般式(iii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
Figure 0007247676000018
式(i)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
Figure 0007247676000019
式(ii)中、Rcは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。*は結合手を表す。
Figure 0007247676000020
式(iii)中、Reは水素原子又はメチル基を表し、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
これらの中でもまず、下記一般式(i)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-1)」と称する場合がある。)について詳述する。
Figure 0007247676000021
式(i)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rb
前記式(i)において、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
2価の炭化水素基としては、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも現像性や製造コストの観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環、ジシクロペンタン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の観点から、ジシクロペンタン環、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも製造コストの観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、下記式(i-A)~(i-F)で表される基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性と膜の疎水化の観点から、下記式(i-A)で表される基が好ましい。
Figure 0007247676000022
前記のとおり、式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、前記式(i)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(i-1)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007247676000023
式(i-1)中、Ra及びRbは、前記式(i)のものと同義である。RYは水素原子又は多塩基酸残基を表す。*は結合手を表す。式(i-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される部分構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-1)1分子中に含まれる、前記式(i)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
以下にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-1)の具体例を挙げる。
Figure 0007247676000024
Figure 0007247676000025
Figure 0007247676000026
Figure 0007247676000027
Figure 0007247676000028
Figure 0007247676000029
Figure 0007247676000030
次に、下記一般式(ii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-2)」と称する場合がある。)について詳述する。
Figure 0007247676000031
式(ii)中、Rcは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。*は結合手を表す。
(Rd
前記式(ii)において、Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がよりさらに好ましく、12以上が特に好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもパターニング特性の観点から、フルオレン環が好ましい。
また、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基における、2価の炭化水素基は特に限定されないが、例えば、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像性の向上の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で膜強度の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも膜強度の観点から、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも製造コストの観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、通常10以下であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、前記式(i-A)~(i-F)で表される基等が挙げられる。これらの中でも膜強度の観点から、前記式(i-C)で表される基が好ましい。
これらの2価の炭化水素基に対して、側鎖である環状炭化水素基の結合態様は特に限定されないが、例えば、脂肪族基や芳香族環基の水素原子1つを該側鎖で置換した態様や、脂肪族基の炭素原子の1つを含めて側鎖である環状炭化水素基を構成した態様が挙げられる。
また、前記式(ii)で表される部分構造は、パターニング性の観点から、下記式(ii-1)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007247676000032
式(ii-1)中、Rcは前記式(ii)と同義である。Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。nは1以上の整数である。式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rα
前記式(ii-1)において、Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常6以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の容易性の観点から、無置換が好ましい。
nは1以上の整数を表すが、2以上が好ましく、また、3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜強度が向上する傾向がある。
これらの中でも、膜強度と現像性の両立の観点から、Rαが1価の脂肪族環基であることが好ましく、アダマンチル基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-1)で表される部分構造の具体例を挙げる。
Figure 0007247676000033
Figure 0007247676000034
Figure 0007247676000035
Figure 0007247676000036
Figure 0007247676000037
また、前記式(ii)で表される部分構造は、現像密着性の観点から、下記式(ii-2)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007247676000038
式(ii-2)中、Rcは前記式(ii)と同義である。Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rβ
前記式(ii-2)において、Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
これらの中でも、膜強度と現像性の両立の観点から、Rβが2価の脂肪族環基であることが好ましく、2価のアダマンタン環基であることがより好ましい。
一方で、膜強度と現像性の両立の観点から、Rβが2価の芳香族環基であることが好ましく、2価のフルオレン環基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-2)で表される部分構造の具体例を挙げる。
Figure 0007247676000039
Figure 0007247676000040
Figure 0007247676000041
Figure 0007247676000042
一方で、前記式(ii)で表される部分構造は、現像性の観点から、下記式(ii-3)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007247676000043
式(ii-3)中、Rc及びRdは前記式(ii)と同義である。RZは水素原子又は多塩基酸残基を表す。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-3)で表される部分構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-2)1分子中に含まれる、前記式(ii)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-2)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-3)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
次に、下記一般式(iii)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-3)」と称する場合がある。)について詳述する。
Figure 0007247676000044
式(iii)中、Reは水素原子又はメチル基を表し、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(γ)
前記式(iii)において、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
アルキレン基は直鎖でも、分岐鎖でもよいが、現像溶解性の観点からは直鎖であることが好ましく、現像密着性の観点からは分岐鎖であることが好ましい。その炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常6以下であり、4以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基が挙げられ、膜強度と現像性の両立の観点から、エチレン基又はプロピレン基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
2価の環状炭化水素基としては、2価の脂肪族環基又は2価の芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下であり、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも膜強度と現像性の両立の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
また、これらの中でも、現像性の観点から、γが置換基を有していてもよいアルキレン基であることが好ましく、ジメチルメチレン基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
一方で、前記式(iii)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(iii-1)で表される部分構造であることが好ましい。
Figure 0007247676000045
式(iii-1)中、Re及びγは前記式(iii)と同義である。RWは水素原子又は多塩基酸残基を表す。*は結合手を表す。式(iii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-3)1分子中に含まれる、前記式(iii)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、18以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-3)1分子中に含まれる、前記式(iii-1)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、また、18以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
以下にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12-3)の具体例を挙げる。
Figure 0007247676000046
Figure 0007247676000047
本発明における(B)アルカリ可溶性樹脂は、アクリル共重合樹脂(B11)や、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B12)以外に、その他のアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。
また、(B)成分のアルカリ可溶性樹脂の酸価は特に限定されないが、30mgKOH/g以上が好ましく、50mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上が好ましく、また、400mgKOH/g以下が好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、250mgKOH/g以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。なお、(B)アルカリ可溶性樹脂が2種以上の混合物の場合には、酸価は、その含有割合に応じた加重平均値を意味する。
本発明の感光性着色樹脂組成物中における(B)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、よりさらに好ましくは35質量%以上であり、また、通常80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。前記下限値以上とすることで現像性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高い感度となる傾向がある。
また、全固形分中における(C)光重合性化合物の含有割合及び(B)アルカリ可溶性樹脂の含有割合の総和は、特に限定されないが、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、45質量%以上が特に好ましく、また、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高い感度となる傾向がある。
[1-1-3](C)成分;光重合性化合物
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(C)光重合性化合物を含有する。(C)光重合性化合物を含むことで塗膜の硬化性が上がり、高い感度となり、表面平滑性が良好となる。
ここで使用される光重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味するが、重合性、架橋性、およびそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましく、また、その不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するもの、つまり、(メタ)アクリレート化合物であることがさらに好ましい。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性不飽和結合を2個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性不飽和基の数は特に限定されないが、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは5個以上であり、また、好ましくは15個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは8個以下、特に好ましくは7個以下である。前記下限値以上とすることで重合性が向上して表面平滑性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性がより良好となる傾向がある。
光重合性化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが、代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル又はポリイソシアネート化合物とポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られるようなウレタン(メタ)アクリレート類;多価エポキシ化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸との付加反応物のようなエポキシアクリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、DPHA-40H、UX-5000、UX-5002D-P20、UX-5003D、UX-5005(日本化薬社製)、U-2PPA、U-6LPA、U-10PA、U-33H、UA-53H、UA-32P、UA-1100H(新中村化学工業社製)、UA-306H、UA-510H、UF-8001G(協栄社化学社製)、UV-1700B、UV-7600B、UV-7605B、UV-7630B、UV7640B(日本合成化学工業社製)等が挙げられる。
これらの中でも、表面平滑性の観点から(C)光重合性化合物として、エステル(メタ)アクリレート類又はウレタン(メタ)アクリレート類を用いることが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2-トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルフタル酸、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物等を用いることがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、(C)光重合性化合物の分子量は特に限定されないが、表面平滑性の観点から、好ましくは100以上、より好ましくは150以上で、さらに好ましくは200以上、よりさらに好ましくは300以上、特に好ましくは400以上、最も好ましくは500以上であり、好ましくは1000以下、より好ましくは700以下である。また、(C)光重合性化合物の炭素数は特に限定されないが、表面平滑性の観点から、好ましくは7以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上、よりさらに好ましくは20以上、特に好ましくは25以上であり、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは35以下、特に好ましくは30以下である。
本発明の感光性着色樹脂組成物中の(C)光重合性化合物の含有割合は、特に限定されないが、全固形分中に通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、通常70質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。前記下限値以上とすることで表面平滑性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
また、(B)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対する(C)光重合性化合物の含有割合は特に限定されないが、通常1質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは25質量部以上、特に好ましくは30質量部以上であり、通常150質量部以下、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、特に好ましくは40質量部以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることで表面平滑性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
[1-1-4](D)有機顔料
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(D)有機顔料を全固形分中に25質量%以上含有する。(D)有機顔料を所定量含有することで遮光性を高くでき、その一方で、紫外線透過率を低下させにくく、塗膜の上部だけでなく下部も硬化しやすく、組成物中の顔料含有量が高い場合においても表面平滑性が良好になり、良好な現像密着性を得ることができる傾向がある。また、有機顔料を含有させることで、適度な光吸収性、特に着色スペーサーなどの遮光部材を形成する用途に用いる場合には適度な遮光性を得ることができる。また絶縁性が高く、ブラックマトリックスや着色スペーサーを形成するにおいて、体積抵抗の高い硬化物を得ることできる。
有機顔料としては、有機着色顔料や有機黒色顔料が挙げられる。ここで、有機着色顔料とは、黒色以外の色を呈する有機顔料のことを意味し、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料、紫色顔料、緑色顔料、黄色顔料等が挙げられる。
[1-1-4-1](D1)有機着色顔料
(D)有機顔料の中でも、紫外線吸収性の観点から(D1)有機着色顔料を用いることが好ましい。
(D1)有機着色顔料は、1種を単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。特に、遮光性の用途に用いる場合には、色の異なる有機着色顔料を組み合わせて用いることがより好ましく、黒に近い色を呈する有機着色顔料の組み合わせを用いることがさらに好ましい。
これらの(D1)有機着色顔料の化学構造は特に限定されないが、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等が挙げられる。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。この中でも、遮光性、分散性の観点から好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、149、168、177、179、194、202、206、207、209、224、242、254、さらに好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントレッド177、254、272を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、赤色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントレッド254、272を用いることがより好ましい。
橙色(オレンジ)顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。この中でも分散性や遮光性の観点から、C.I.ピグメントオレンジ13、43、64、72を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、オレンジ顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントオレンジ64、72を用いることがより好ましい。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、遮光性の観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、60、さらに好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントブルー15:6、16、60を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、青色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、かかる観点からはC.I.ピグメントブルー60を用いることがより好ましい。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。この中でも、遮光性の観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、さらに好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントバイオレット23、29を用いることが好ましく、感光性着色樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、紫色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントバイオレット29を用いることがより好ましい。
赤色顔料、橙色顔料、青色顔料、紫色顔料の他に用いることができる有機着色顔料としては例えば、緑色顔料、黄色顔料などを挙げることができる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、さらに好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
これらの中でも、遮光性や、形状のコントロールの観点から、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
これらの中でも、遮光性や、形状のコントロールの観点からは、以下の顔料のうち少なくとも1種以上を含有するものとすることが好ましい。
赤色顔料:C.I.ピグメントレッド177、254、272
橙色顔料:C.I.ピグメントオレンジ43、64、72
青色顔料:C.I.ピグメントブルー15:6、60
紫色顔料:C.I.ピグメントバイオレット23、29
また、(D1)有機着色顔料を2種以上併用する場合の、有機着色顔料の組み合わせについては特に限定されないが、遮光性の観点から、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有することが好ましい。
なお、色の組み合わせについては特に限定されないが、遮光性の観点からは例えば、赤色顔料と青色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料と紫色顔料の組み合わせなどが挙げられる。
さらに、これらの(D1)有機着色顔料に、無機黒色顔料をさらに加えてもよい。無機黒色顔料としては、後述する、カーボンブラックを含有することが好ましい。
[1-1-4-2](D2)有機黒色顔料
また有機顔料として、遮光性の観点から、(D2)有機黒色顔料を用いることが好ましい。
(D2)有機黒色顔料の中でも、遮光性、紫外線の吸収を抑制して形状をコントロールしやすくするとの観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ともいう。)、化合物(1)の幾何異性体、化合物(1)の塩、及び化合物(1)の幾何異性体の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む有機黒色顔料(以下、「一般式(1)で表される有機黒色顔料」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
Figure 0007247676000048
式(1)中、R11及びR16は各々独立に、水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又は塩素原子を表し;
12、R13、R14、R15、R17、R18、R19及びR20は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、R21、COOH、COOR21、COO-、CONH2、CONHR21、CONR2122、CN、OH、OR21、COCR21、OOCNH2、OOCNHR21、OOCNR2122、NO2、NH2、NHR21、NR2122、NHCOR22、NR21COR22、N=CH2、N=CHR21、N=CR2122、SH、SR21、SOR21、SO221、SO321、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR21又はSO2NR2122を表し;
12とR13、R13とR14、R14とR15、R17とR18、R18とR19、及びR19とR20からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合してもよく、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR21ブリッジによって互いに結合してもよく;
21及びR22は各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基又は炭素数2~12のアルキニル基を表す。
化合物(1)及び化合物(1)の幾何異性体は、以下のコア構造を有し(ただし、構造式中の置換基は省略している)、トランス-トランス異性体が恐らく最も安定である。
Figure 0007247676000049
化合物(1)がアニオン性である場合、その電荷を任意の公知の適したカチオン、例えば金属、有機、無機又は金属有機カチオン、具体的にはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、一級アンモニウム、二級アンモニウム、トリアルキルアンモニウムなどの三級アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどの四級アンモニウム又は有機金属錯体によって補償した塩であることが好ましい。また、化合物(1)の幾何異性体がアニオン性である場合、同様の塩であることが好ましい。
一般式(1)の置換基及びそれらの定義においては、遮蔽率が高くなる傾向があることから、以下のものが好ましい。これは、以下の置換基は吸収がなく、顔料の色相に影響しないと考えられるからである。
12、R14、R15、R17、R19及びR20は各々独立に、好ましくは水素原子、フッ素原子、又は塩素原子であり、さらに好ましくは水素原子である。
13及びR18は各々独立に、好ましくは水素原子、NO2、OCH3、OC25、臭素原子、塩素原子、CH3、C25、N(CH32、N(CH3)(C25)、N(C252
、α-ナフチル、β-ナフチル、SO3H又はSO3 -であり、さらに好ましくは水素原子
又はSO3Hであり、特に好ましくは水素原子である。
11及びR16は各々独立に、好ましくは水素原子、CH3又はCF3であり、さらに好ましくは水素原子である。
好ましくは、R11とR16、R12とR17、R13とR18、R14とR19、及びR15とR20からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせが同一であり、より好ましくは、R11はR16と同一であり、R12はR17と同一であり、R13はR18と同一であり、R14はR19と同一であり、かつ、R15はR20と同一である。
炭素数1~12のアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基又はドデシル基である。
炭素数3~12のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、トリメチルシクロヘキシル基、ツジル基、ノルボルニル基、ボルニル基、ノルカリル基、カリル基、メンチル基、ノルピニル基、ピニル基、アダマンタン-1-イル基又はアダマンタン-2-イル基である。
炭素数2~12のアルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、2-プロペン-2-イル基、2-ブテン-1-イル基、3-ブテン-1-イル基、1,3-ブタジエン-2-イル基、2-ペンテン-1-イル基、3-ペンテン-2-イル基、2-メンチル-1-ブテン-3-イル基、2-メチル-3-ブテン-2-イル基、3-メチル-2-ブテン-1-イル基、1,4-ペンタジエン-3-イル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基又はドデセニル基である。
炭素数3~12のシクロアルケニル基は、例えば、2-シクロブテン-1-イル基、2-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基、3-シクロヘキセン-1-イル基、2,4-シクロヘキサジエン-1-イル基、1-p-メンテン-8-イル基、4(10)-ツジェン-10-イル基、2-ノルボルネン-1-イル基、2,5-ノルボルナジエン-1-イル基、7,7-ジメチル-2,4-ノルカラジエン-3-イル基又はカンフェニル基である。
炭素数2~12のアルキニル基は、例えば、1-プロピン-3-イル基、1-ブチン-4-イル基、1-ペンチン-5-イル基、2-メチル-3-ブチン-2-イル基、1,4-ペンタジイン-3-イル基、1,3-ペンタジイン-5-イル基、1-ヘキシン-6-イル基、シス-3-メチル-2-ペンテン-4-イン-1-イル基、トランス-3-メチル-2-ペンテン-4-イン-1-イル基、1,3-ヘキサジイン-5-イル基、1-オクチン-8-イル基、1-ノニン-9-イル基、1-デシン-10-イル基又は1-ドデシン-12-イル基である。
ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
前記一般式(1)で表される有機黒色顔料は、好ましくは下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう。)、及び化合物(2)の幾何異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む有機黒色顔料である。
Figure 0007247676000050
このような有機黒色顔料の具体例としては、商品名で、Irgaphor(登録商標)
Black S 0100 CF(BASF社製)が挙げられる。
この有機黒色顔料は、好ましくは後述される分散剤、溶剤、方法によって分散して使用される。また、分散の際に化合物(1)のスルホン酸誘導体、特に化合物(2)のスルホン酸誘導体が存在すると、分散性や保存性が向上する場合があるため、有機黒色顔料がこれらのスルホン酸誘導体を含むことが好ましい。
前記一般式(1)で表される有機黒色顔料以外の有機黒色顔料としては、例えば、アニリンブラックやペリレンブラック等が挙げられる。
またこれらの(D2)有機黒色顔料に、前述の(D1)有機着色顔料をさらに使用してもよい。さらには無機黒色顔料を加えてもよい。無機黒色顔料としては、後述する、カーボンブラックを含有することが好ましい。
[1-1-4-3]その他の着色剤
これらの(D)有機顔料以外に、その他の着色剤として無機黒色顔料、染料を使用してもよい。
(D)有機顔料と一緒に用いられる無機黒色顔料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。これらの中でも、遮光性、画像特性の観点からカーボンブラックを好ましく用いることができる。カーボンブラックの例としては、以下のようなカーボンブラックが挙げられる。
三菱ケミカル社製:MA7、MA8、MA11、MA77、MA100、MA100R、MA100S、MA220、MA230、MA600、MCF88、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#900、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#2650、#3030、#3050、#3150、#3250、#3400、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B
デグサ社製:Printex(登録商標、以下同じ。)3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Printex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarch(登録商標、以下同じ。)120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL(登録商標、以下同じ。)99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN(登録商標、以下同じ。) XC72R、ELFTEX(登録商標)-8
ビルラー社製:RAVEN(登録商標、以下同じ。)11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000
カーボンブラックは、樹脂で被覆されたものを使用してもよい。樹脂で被覆されたカーボンブラックを使用すると、ガラス基板への密着性や体積抵抗値が向上する効果がある。樹脂で被覆されたカーボンブラックとしては、例えば特開平09-71733号公報に記載されているカーボンブラック等が好適に使用できる。体積抵抗や誘電率の点で、樹脂被覆カーボンブラックが好適に用いられる。
樹脂による被覆処理に供するカーボンブラックとしては、NaとCaの合計含有量が100ppm以下であることが好ましい。カーボンブラックは、通常、製造時の原料油や燃焼油(又はガス)、反応停止水や造粒水、さらには反応炉の炉材等から混入したNaやCa、K、Mg、Al、Fe等を組成とする灰分が含有されている。この内、NaやCaは、各々数百ppm以上含有されているのが一般的であるが、これらを少なくすることで、透明電極(ITO)やその他の電極への浸透を抑制して、電気的短絡を防止できる傾向がある。
これらのNaやCaを含む灰分の含有量を低減する方法としては、カーボンブラックを製造する際の原料油や燃料油(又はガス)並びに反応停止水として、これらの含有量が極力少ない物を厳選すること及びストラクチャーを調整するアルカリ物質の添加量を極力少なくすることにより可能である。他の方法としては、炉から製出したカーボンブラックを水や塩酸等で洗いNaやCaを溶解し除去する方法が挙げられる。
具体的にはカーボンブラックを水、塩酸、又は過酸化水素水に混合分散させた後、水に難溶の溶媒を添加していくとカーボンブラックは溶媒側に移行し、水と完全に分離すると共にカーボンブラック中に存在した殆どのNaやCaは、水や酸に溶解、除去される。NaとCaの合計量を100ppm以下に低減するためには、原材料を厳選したカーボンブラック製造過程単独、又は水や酸溶解方式単独でも可能な場合もあるが、この両方式を併用することによりさらに容易にNaとCaの合計量を100ppm以下とすることができる。
また樹脂被覆カーボンブラックは、pH6以下のいわゆる酸性カーボンブラックであることが好ましい。水中での分散径(アグロメレート径)が小さくなるので、微細ユニットまでの被覆が可能となり好適である。さらに平均粒子径40nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸収量140mL/100g以下であることが好ましい。前記範囲内とすることで、遮光性の良好な塗膜が得られる傾向がある。平均粒子径は数平均粒子径を意味し、電子顕微鏡観察により数万倍で撮影された写真を数視野撮影し、これらの写真の粒子を画像処理装置により2000~3000個程度計測する粒子画像解析により求められる円相当径を意味する。
樹脂で被覆されたカーボンブラックを調製する方法には特に限定がないが、例えばカーボンブラック及び樹脂の配合量を適宜調整した後、1.樹脂とシクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどの溶剤とを混合して加熱溶解させた樹脂溶液と、カーボンブラック及び水を混合した懸濁液とを混合撹拌し、カーボンブラックと水とを分離させた後、水を除去して加熱混練して得られた組成物をシート状に成形し、粉砕した後、乾燥させる方法;2.前記と同様にして調製した樹脂溶液と懸濁液とを混合撹拌してカーボンブラック及び樹脂を粒状化した後、得られた粒状物を分離、加熱して残存する溶剤及び水を除去する方法;3.前記例示した溶剤にマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合して乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブラックを得た後、これに樹脂を添加してドライブレンドする方法;4.被覆させる樹脂を構成する反応性基含有モノマー成分と水とを高速撹拌して懸濁液を調製し、重合後冷却して重合体懸濁液から反応性基含有樹脂を得た後、これにカーボンブラックを添加して混練し、カーボンブラックと反応性基とを反応させ(カーボンブラックをグラフトさせ)、冷却及び粉砕する方法などを採用することができる。
被覆処理する樹脂の種類も特に限定されるものではないが、合成樹脂が一般的であり、さらに構造の中にベンゼン環を有する樹脂の方が両性系界面活性剤的な働きがより強いため、分散性及び分散安定性の点から好ましい。
具体的な合成樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、等の熱可塑性樹脂が使用できる。被覆樹脂の量は、カーボンブラックと樹脂の合計量に対し1~30質量%が好ましい。前記下限値以上とすることで被覆を十分なものとすることができる傾向がある。一方、前記上限値以下とすることで、樹脂同士の粘着を防ぎ、分散性が良好なものとすることができる傾向がある。
このようにして樹脂で被覆処理してなるカーボンブラックは、常法に従い着色スペーサー、ブラックマトリックスの着色剤として用いることができる。このようなカーボンブラックを用いると、高遮光率でかつ表面反射率が低い着色スペーサー、ブラックマトリックスが低コストで形成できる傾向がある。また、カーボンブラック表面を樹脂で被覆したことにより、NaやCaを含む灰分をカーボンブラック中に封じ込める働きがあることも推測される。
これらの顔料は、平均粒子径が通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.25μm以下となるよう、分散して用いることが好ましい。ここで平均粒子径の基準は顔料粒子の数である。
また、顔料の平均粒子径は、動的光散乱(DLS)により測定された顔料粒子径から求めた値である。粒子径測定は、十分に希釈された感光性着色樹脂組成物(通常は希釈して、顔料濃度0.005~0.2質量%程度に調製する。但し、測定機器により推奨された濃度があれば、その濃度に従う。)に対して行い、25℃にて測定する。
また、(D)有機顔料と一緒に使用できる染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物における(D)有機顔料の含有割合は、全固形分中に25質量%以上であるが、30質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、また、通常60質量%以下であり、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性を確保出来る傾向があり、前記上限値以下とすることでパターニング性が向上する傾向がある。
また、(D)有機顔料として(D1)有機着色顔料を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましく、また、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
(D)有機顔料として(D1)有機着色顔料を含む場合、赤色顔料及び橙色顔料の含有割合の合計は等に限定されないが、(D)有機顔料中に8質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上が特に好ましく、また、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで黒色に近い色調にできる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高感度となる傾向がある。
(D)有機顔料として(D1)有機着色顔料を含む場合、青色顔料及び紫色顔料の含有割合の合計は等に限定されないが、(D)有機顔料中に20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上が特に好ましく、また、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性、現像密着性が良好となる傾向がある。
また、(D)有機顔料として(D2)有機黒色顔料を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましく、また、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで遮光性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面平滑性、現像密着性が良好となる傾向がある。
また、その他の着色剤として無機黒色顔料を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、(D)感光性着色樹脂組成物の全固形分中に1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、また、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。前記上限値以下とすることで表面平滑性が良好となる傾向がある。
[1-1-5](E)分散剤
本発明の感光性着色樹脂組成物は、(D)有機顔料を微細に分散させ、かつその分散状態を安定化させるため、(E)分散剤を含むことが好ましい。
(E)分散剤としては、官能基を有する高分子分散剤が好ましく、さらに、分散安定性の面からカルボキシル基;リン酸基;スルホン酸基;又はこれらの塩基;一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の官能基を有する高分子分散剤が好ましい。中でも特に、一級、二級又は三級アミノ基;四級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環由来の基、等の塩基性官能基を有する高分子分散剤が顔料を分散する際に少量の分散剤で分散することができるとの観点から特に好ましい。
また、高分子分散剤としては、例えばウレタン系分散剤、アクリル系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
このような分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(登録商標。BASF社製。)、DISPERBYK(登録商標。ビックケミー社製。)、ディスパロン(登録商標。楠本化成社製。)、SOLSPERSE(登録商標。ルーブリゾール社製。)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(登録商標。味の素社製。)等を挙げることができる。
これらの高分子分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常700以上、好ましくは1000以上であり、また通常100,000以下、好ましくは50,000以下である。
これらの内、顔料の分散性の観点から、(E)分散剤は官能基を有するウレタン系高分子分散剤及び/又はアクリル系高分子分散剤を含むことが好ましく、アクリル系高分子分散剤を含むことが特に好ましい。
また分散性、保存性の面から、塩基性官能基を有し、ポリエステル結合及び/又はポリエーテル結合を有する高分子分散剤が好ましい。
ウレタン系及びアクリル系高分子分散剤としては、例えばDISPERBYK-160~167、182シリーズ(いずれもウレタン系)、DISPERBYK-2000、2001、BYK-LPN21116等(いずれもアクリル系)(以上すべてビックケミー社製)が挙げられる。
ウレタン系高分子分散剤として好ましい化学構造を具体的に例示するならば、例えば、ポリイソシアネート化合物と、分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300~10,000の化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる、重量平均分子量1,000~200,000の分散樹脂等が挙げられる。これらをベンジルクロリド等の四級化剤で処理することで、3級アミノ基の全部又は一部を4級アンモニウム塩基にすることができる。
上記のポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′-ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート、及びこれらの三量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300~10,000の化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1~25のアルキル基でアルコキシ化されたもの及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1~25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、1,8-オクタメチレングリコール、2-メチル-1,8-オクタメチレングリコール、1,9-ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N-メチルジエタノールアミン等のN-アルキルジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1~25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのはポリカプロラクトングリコール又は炭素数1~25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトンである。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6-ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレン)カーボネート等、ポリオレフィングリコールとしてはポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300~10,000、好ましくは500~6,000、さらに好ましくは1,000~4,000である。
本発明に用いられる同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を説明する。
活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は、特に限定されないが、例えば炭素数1~4のアルキル基を有するアミノ基、又はヘテロ環構造、より具体的にはイミダゾール環又はトリアゾール環、などが挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジプロピル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジブチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチルエチレンジアミン、N,N-ジプロピルエチレンジアミン、N,N-ジブチルエチレンジアミン、N,N-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジエチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジプロピル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジブチル-1,4-ブタンジアミン等が挙げられる。
また、3級アミノ基が含窒素ヘテロ環構造である場合の該含窒素ヘテロ環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等の含窒素ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の含窒素ヘテロ6員環が挙げられる。これらの含窒素ヘテロ環のうち好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2-アミノイミダゾール、1-(2-アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。また、トリアゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、5-(2-アミノ-5-クロロフェニル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール-3,5-ジオール、3-アミノ-5-フェニル-1H-1,3,4-トリアゾール、5-アミノ-1,4-ジフェニル-1,2,3-トリアゾール、3-アミノ-1-ベンジル-1H-2,4-トリアゾール等が挙げられる。中でも、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系高分子分散剤を製造する際の原料の好ましい配合比率はポリイソシアネート化合物100質量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300~10,000の化合物が10~200質量部、好ましくは20~190質量部、さらに好ましくは30~180質量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が0.2~25質量部、好ましくは0.3~24質量部である。
ウレタン系高分子分散剤の製造はポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶媒としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等が用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記製造に際して、通常、ウレタン化反応触媒が用いられる。この触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は反応後のアミン価で1~100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは5~95mgKOH/gの範囲である。アミン価は、塩基性アミノ基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg数で表した値である。前記下限値以上とすることで分散能力が良化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良化する傾向がある。
なお、以上の反応で高分子分散剤にイソシアネート基が残存する場合にはさらに、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと生成物の経時安定性が高くなるので好ましい。
ウレタン系高分子分散剤の重量平均分子量(Mw)は通常1000~200000、好ましくは2000~100000、より好ましくは3000~50000の範囲である。前記下限値以上とすることで分散性及び分散安定性が良化する傾向があり、前記上限値以下とすることで溶解性が向上し分散性が良化する傾向がある。
アクリル系高分子分散剤としては、官能基(ここでいう官能基とは、高分子分散剤に含有される官能基として前述した官能基である。)を有する不飽和基含有単量体と、官能基を有さない不飽和基含有単量体とのランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を使用することが好ましい。これらの共重合体は公知の方法で製造することができる。
官能基を有する不飽和基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリル酸ダイマー等のカルボキシル基を有する不飽和単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びこれらの4級化物などの3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体が具体例として挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
官能基を有さない不飽和基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、α-メチルスチレン、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミドなどのN-置換マレイミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマーなどのマクロモノマー等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系高分子分散剤は、特に好ましくは、官能基を有するAブロックと官能基を有さないBブロックからなるA-B又はB-A-Bブロック共重合体であるが、この場合、Aブロック中には上記官能基を含む不飽和基含有単量体由来の部分構造の他に、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造が含まれていてもよく、これらが該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、官能基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、通常80質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
Bブロックは、上記官能基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造からなるものであるが、1つのBブロック中に2種以上の単量体由来の部分構造が含有されていてもよく、これらは、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
該A-B又はB-A-Bブロック共重合体は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法には、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。
このアクリル系高分子分散剤を合成するに際しては、特開平9-62002号公報や、P.Lutz, P.Masson et al, Polym. Bull. 12,
79 (1984), B.C.Anderson, G.D.Andrews et
al, Macromolecules, 14, 1601(1981), K.Hatada, K.Ute,et al, Polym. J. 17, 977(1985), 18, 1037(1986), 右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36,
366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46, 189(1989), M.Kuroki, T.Aida, J. Am. Chem. Sic, 109, 4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43, 300(1985), D.Y.Sogoh, W.R.Hertler et al, Macromolecules, 20, 1473(1987)などに記載の公知の方法を採用することができる。
本発明で用いることができるアクリル系高分子分散剤はA-Bブロック共重合体であっても、B-A-Bブロック共重合体であってもよく、その共重合体を構成するAブロック/Bブロック比は1/99~80/20、特に5/95~60/40(質量比)であることが好ましく、この範囲内にすることで分散性と保存安定性のバランスの確保ができる傾向がある。
また、本発明で用いることができるA-Bブロック共重合体、B-A-Bブロック共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1~10mmolであることが好ましく、この範囲内にすることで良好な分散性を確保できる傾向がある。
なお、このようなブロック共重合体中には、通常、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があるが、そのアミン価は1~100mgKOH/g程度であり、分散性の観点から、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上、さらに好ましくは50mgKOH/g以上、また、好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは80mgKOH/g以下、さらに好ましくは75mgKOH/g以下である。
ここで、これらのブロック共重合体等の分散剤のアミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5~1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO4酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン
価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)〔但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[質量%]を表す。〕
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常10mgKOH/g以下であり、その重量平均分子量(Mw)は、1000~100,000の範囲が好ましい。前記範囲内とすることで良好な分散性を確保できる傾向がある。
4級アンモニウム塩基を官能基として有する場合、高分子分散剤の具体的な構造については特に限定されないが、分散性の観点からは、下記式(i)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(i)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007247676000051
上記式(i)中、R31~R33は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し;
31~R33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよく;
34は水素原子又はメチル基であり;
Xは2価の連結基であり;
-は対アニオンである。
上記式(i)のR31~R33における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上であって、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(i)のR31~R33における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31~R33における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルイソプロピル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であることが好ましく、フェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることがより好ましい。
これらの中でも、分散性の観点から、R31~R33が各々独立に、アルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、具体的には、R31及びR33が各々独立に、メチル基、又はエチル基であり、かつ、R32がフェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることが好ましく、R31及びR33がメチル基であり、かつ、R32がフェニルメチル基であることがさらに好ましい。
また、前記高分子分散剤が官能基として3級アミンを有する場合、分散性の観点からは、下記式(ii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(ii)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007247676000052
上記式(ii)中、R35及びR36は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり;
35及びR36が互いに結合して環状構造を形成してもよく;
37は水素原子又はメチル基であり;
Zは2価の連結基である。
上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアルキル基としては、上記式(i)のR31~R33として例示したものを好ましく採用することができる。
上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアリール基としては、上記式(i)のR31~R33として例示したものを好ましく採用することができる。
上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、上記式(i)のR31~R33として例示したものを好ましく採用することができる。
これらの中でも、R35及びR36が各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、メチル基、又はエチル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31~R33及び上記式(ii)のR35及びR36におけるアルキル基、アラルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられる。
上記式(i)及び(ii)において、2価の連結基X及びZとしては、例えば、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、-CONH-R43-基、-COOR44-基〔但し、R43及びR44は単結合、炭素数1~10のアルキレン基、又は炭素数2~10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは-COO-R44-基である。
また、上記式(i)において、対アニオンのY-としては、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、CH3COO-、PF6 -等が挙げられる。
前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合と前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下であり、さらに好ましくは40モル%以下であり、特に好ましくは35モル%以下であり、また、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは30モル%以上である。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましく、また、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましく、15モル%以下であることが特に好ましい。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、15モル%以上であることがさらに好ましく、20モル%以上であることが特に好ましく、また、60モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましく、30モル%以下であることがさらに好ましく、25モル%以下であることが特に好ましい。
また、高分子分散剤は、溶媒等のバインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記式(iii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iii)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007247676000053
上記式(iii)中、R40はエチレン基又はプロピレン基であり;R41は置換基を有していてもよいアルキル基であり;
42は水素原子又はメチル基であり;
nは1~20の整数である。
上記式(iii)のR41における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上であって、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
また、上記式(iii)におけるnは溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散性の観点から、1以上であって、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることがより好ましく、4モル%以上であることがさらに好ましく、また、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。前記範囲内の場合には溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散安定性の両立が可能となる傾向がある。
また、高分子分散剤は、分散剤の溶媒等のバインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるという観点から、下記式(iv)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iv)」ということがある。)を有することが好ましい。
Figure 0007247676000054
上記式(iv)中、R38は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり;R39は水素原子又はメチル基である。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上であって、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルイソプロピル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であることが好ましく、フェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることがより好ましい。
これらの中でも、溶剤相溶性と分散安定性の観点から、R38がアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチル基であることがより好ましい。
38における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R38で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
また、高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iv)で表される繰り返し単位の含有割合は、分散性の観点から、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、また、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
高分子分散剤は、繰り返し単位(i)、繰り返し単位(ii)、繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N-メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
高分子分散剤は、分散性をより高めるとの観点から、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有するAブロックと、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有さないBブロックとを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A-Bブロック共重合体又はB-A-Bブロック共重合体であることが好ましい。Aブロックに4級アンモニウム塩基だけでなく3級アミノ基も導入することにより、意外にも、分散剤の分散能力が著しく向上する傾向がある。また、Bブロックが繰り返し単位(iii)を有することが好ましく、さらに繰り返し単位(iv)を有することがより好ましい。
Aブロック中において、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、1つのAブロック中に各々2種以上含有されていてもよく、その場合、各々の繰り返し単位は、該Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、前述の(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位等が挙げられる。繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0~50モル%、より好ましくは0~20モル%であるが、かかる繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
繰り返し単位(iii)及び(iv)以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N-メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0~50モル%、より好ましくは0~20モル%であるが、かかる繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物が(E)分散剤を含有する場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、また、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで凝集物による残渣発生を抑制できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで相対的に他の成分が増えることで、感度や現像性が向上する傾向がある。
[1-1-6]紫外線吸収剤
本発明の感光性着色樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤は、露光に用いられる光源の特定の波長を紫外線吸収剤によって吸収させることにより、光硬化分布を制御する目的で添加されるものである。紫外線吸収剤の添加により、硬化物のテーパ角が高くなる効果が得られる。
紫外線吸収剤としては、特に構造は限定されないが、ベンゾトリアゾール系化合物及び/又はトリアジン系化合物が望ましい。ベンゾトリアゾール系化合物及び/又はトリアジン系化合物を含むことで開始剤の膜底部での紫外線の吸収率が減少し、所望の線幅が得られやすいと考えられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートと2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートの混合物、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、ベンゼンプロパン酸、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ、C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルが挙げられる。
市販されているベンゾトリアゾール系化合物としては例えば、スミソーブ200、スミソーブ250、スミソーブ300、スミソーブ340、スミソーブ350(住友化学製)、JF77、JF78、JF79、JF80、JF83(城北化学工業製)、TINUVIN PS、TINUVIN99-2、TINUVIN109、TINUVIN384-2、TINUVIN 326、TINUVIN900、「TINUVIN 928」、TINUVIN928、TINUVIN1130(BASF製)、EVERSORB70、EVERSORB71、EVERSORB72、EVERSORB73、EVERSORB74、EVERSORB75、EVERSORB76、EVERSORB234、EVERSORB77、EVERSORB78、EVERSORB80、EVERSORB81(台湾永光化学工業製)、トミソーブ100、トミソーブ600(エーピーアイコーポレーション製)、SEESORB701、SEESORB702、SEESORB703、SEESORB704、SEESORB706、SEESORB707、SEESORB709(シプロ化成製)、RUVA-93(大塚化学株式会社)などが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、2-[4,6-ジ(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-オクチルオキシフェノール、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3-5-トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、所望の線幅が得られやすい観点から、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物が好ましい。
市販されているトリアジン系化合物としては例えば、TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN477、TINUVIN479(BASF製)などを挙げることができる。
これらの紫外線吸収剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性着色樹脂組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。前記下限値以上とすることで硬化物のテーパ角が大きなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適正な感度が得られる傾向がある。
また、(A)光重合開始剤に対する配合比としては、(A)光重合開始剤100質量部に対する(D)紫外線吸収剤の配合量として、通常1質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上であり、特に好ましくは80質量部以上、通常500質量部以下、好ましくは300質量部以下、より好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。前記下限値以上とすることで硬化物のテーパ角が大きくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適正な感度が得られる傾向がある。
[1-1-7]重合禁止剤
本発明の感光性着色樹脂組成物は、重合禁止剤を含有することが好ましい。重合禁止剤を含有することでそれがラジカル重合を阻害することから、得られる硬化物のテーパ角を大きくすることができる傾向がある。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン、メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-クレゾール(BHT)などが挙げられる。これらの中でも重合禁止能力の観点から、ハイドロキノン又はメトキシフェノールが好ましく、メチルハイドロキノンがより好ましい。
重合禁止剤は、1種又は2種以上を含有することが好ましい。通常、(B)アルカリ可溶性樹脂を製造する際に、当該樹脂中に重合禁止剤が含まれることがあり、そのまま用いてもよいし、樹脂中に含まれる重合禁止剤の他に、それと同一、又は異なる重合禁止剤を感光性樹脂組成物製造時に添加してもよい。
感光性着色樹脂組成物が重合禁止剤を含有する場合、その含有割合は特に限定されないが、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に、通常0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、また通常0.1質量%以下、好ましくは0.08質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下である。前記下限値以上とすることでテーパ角を高くすることができる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適正な感度が得られる傾向がある。
[1-1-8]熱重合開始剤
さらに、本発明の感光性着色樹脂組成物には、熱重合開始剤が含有されていてもよい。熱重合開始剤を含有することで、膜の架橋度を高くできる傾向がある。このような熱重合開始剤の具体例としては、例えば、アゾ系化合物、有機過酸化物および過酸化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、光重合開始剤に感度の向上や膜の架橋密度の増大を期待して熱重合開始剤を併用する場合、これらの含有割合の合計が、感光性着色樹脂組成物中の光重合開始剤の含有割合となるようにすることが好ましく、また、光重合開始剤と熱重合開始剤との併用割合としては、感度の観点から、光重合開始剤100質量部に対して熱重合開始剤を5~300質量部とすることが好ましい。
[1-1-9]アミノ化合物
本発明の感光性着色樹脂組成物には、熱硬化を促進するためにアミノ化合物が含まれていてもよい。この場合、アミノ化合物の含有割合としては、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下である。また、通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上である。前記上限値以下とすることで保存安定性を維持できる傾向があり、前記下限値以上とすることで十分な熱硬化性を確保できる傾向がある。
アミノ化合物としては、例えば、官能基としてメチロール基、それを炭素数1~8のアルコール縮合変性したアルコキシメチル基を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられる。具体的には、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとを重縮合させたメラミン樹脂;ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとを重縮合させたベンゾグアナミン樹脂;グリコールウリルとホルムアルデヒドとを重縮合させたグリコールウリル樹脂;尿素とホルムアルデヒドとを重縮合させた尿素樹脂;メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、または尿素などの2種以上とホルムアルデヒドとを共重縮合させた樹脂;上述の樹脂のメチロール基をアルコール縮合変性した変性樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アミノ化合物としては中でも、メラミン樹脂およびその変性樹脂が好ましく、メチロール基の変性割合が、70%以上の変性樹脂が更に好ましく、80%以上の変性樹脂が特に好ましい。
上記アミノ化合物の具体例として、メラミン樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「サイメル」(登録商標)300、301、303、350、736、738、370、771、325、327、703、701、266、267、285、232、235、238、1141、272、254、202、1156、1158、および、三和ケミカル社製の「ニカラック」(登録商標)MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MX-45、MX-302などが挙げられる。また、上記ベンゾグアナミン樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「サイメル」(登録商標)1123、1125、1128などが挙げられる。また、上記グリコールウリル樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「サイメル」(登録商標)1170、1171、1174、1172、および、三和ケミカル社製の「ニカラック」(登録商標)MX-270などが挙げられる。また、上記尿素樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「UFR」(登録商標)65、300、および、三和ケミカル社製の「ニカラック」(登録商標)MX-290などが挙げられる。
[1-1-10]シランカップリング剤
本発明の感光性着色樹脂組成物には、基板との密着性を改善するため、シランカップリング剤を添加することも好ましい。シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系、イミダゾール系など種々の物が使用できるが、密着性向上の観点から、特にエポキシ系、イミダゾール系のシランカップリング剤が好ましい。その含有量は、密着性の観点から、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
[1-1-11]無機充填剤
また、本発明の感光性着色樹脂組成物は、さらに、硬化物としての強度の向上と共に、アルカリ可溶性樹脂との適度な相互作用(マトリックス構造の形成)による塗布膜の優れた垂直性とテーパ角の向上等を目的として、無機充填剤を含有していてもよい。そのような無機充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、或いは、これらを各種シランカップリング剤により表面処理したものなどが挙げられる。
これら無機充填剤の平均粒子径としては、通常0.005~2μm、好ましくは0.01~1μmである。ここで本実施の形態にいう平均粒子径とは、ベックマン・コールター社製などのレーザ回折散乱粒度分布測定装置にて測定した値である。これらの無機充填剤のうち、特に、シリカゾルおよびシリカゾル変性物は、分散安定性と共にテーパ角の向上効果に優れる傾向があるため、好ましく配合される。本発明の感光性着色樹脂組成物がこれらの無機充填剤を含む場合、その含有量としては、圧縮特性の観点から、全固形分中に、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下である。
[1-1-12]密着性向上剤
本発明の感光性着色樹脂組成物には、基板との密着性を付与する目的でリン酸系のエチレン性単量体を含有させても良い。リン酸系のエチレン性単量体としては、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類が好ましく、下記一般式(g1)、(g2)、(g3)で表されるものが好ましい。
Figure 0007247676000055
[上記一般式(g1)、(g2)、(g3)において、R51は水素原子又はメチル基を示し、l及びl’は1~10の整数、mは1、2又は3である。]
これらのリン酸系エチレン性単量体は、1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらリン酸系エチレン性単量体用いる場合の含有割合は、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に通常0.02質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.2質量%以上が特に好ましい。また4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで基板との密着性の改善効果が十分となる傾向があり、一方上記上限値以下とすることで基板との密着性の悪化を抑制しやすい傾向がある。
[1-1-13]界面活性剤
一方で、本発明の感光性着色樹脂組成物は、界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤は、感光性着色樹脂組成物の塗布液としての塗布性、および塗布膜の現像性の向上などを目的として用いることができ、中でもシリコーン系の界面活性剤や架橋基を有さないフッ素系の界面活性剤が好ましい。
特に、現像の際、未露光部から感光性着色樹脂組成物の残渣を除去する作用があり、また、濡れ性を発現する機能を有することから、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤がさらに好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物が好適である。
これらの市販品としては、例えば、BM Chemie社製「BM-1000」、「BM-1100」、DIC社製「メガファックF142D」、「メガファックF172」、「メガファックF173」、「メガファックF183」、「メガファックF470」、「メガファックF475」、「メガファックF554」、「メガファックF559」、スリーエムジャパン社製「FC430」、ネオス社製「DFX-18」などを挙げることができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製「DC3PA」、「SH7PA」、「DC11PA」、「SH21PA」、「SH28PA」、「SH29PA」、「8032Additive」、「SH8400」、ビックケミー社製「BYK323」、「BYK330」などの市販品を挙げることができる。
界面活性剤として、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤以外のものを含んでいてもよく、その他、界面活性剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤などが挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類などが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、花王社製の「エマルゲン104P」、「エマルゲンA60」などのポリオキシエチレン系界面活性剤などが挙げられる。
また、上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、特殊高分子系界面活性剤などが挙げられる。中でも、特殊高分子系界面活性剤が好ましく、特殊ポリカルボン酸型高分子系界面活性剤がさらに好ましい。このようなアニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができ、例えば、アルキル硫酸エステル塩類では花王社製「エマール10」等、アルキルナフタレンスルホン酸塩類では花王社製「ペレックスNB-L」など、特殊高分子系界面活性剤では花王社製「ホモゲノールL-18」、「ホモゲノールL-100」などが挙げられる。
さらに、上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アルキルアミン塩類などが、また、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類などが挙げられる。これらのうち、第4級アンモニウム塩類が好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウム塩類がさらに好ましい。市販のものとしては、例えば、アルキルアミン塩類では花王社製「アセタミン24」など、第4級アンモニウム塩類では花王社製「コータミン24P」、「コータミン86W」などが挙げられる。
また、界面活性剤は2種類以上の組み合わせで用いてもよく、例えば、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤、フッ素系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤の組み合わせなどが挙げられる。中でも、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤の組み合わせが好ましい。このシリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤の組み合わせでは、例えば、ネオス社製「DFX-18」、ビックケミー社製「BYK-300」または「BYK-330」/AGCセイミケミカル社製「S-393」、信越シリコーン社製「KP340」/DIC社製「F-554」または「F-559」、東レ・ダウコーニング社製「SH7PA」/ダイキン社製「DS-401」、NUC社製「L-77」/スリーエムジャパン社製「FC4430」などが挙げられる。
また、界面活性剤を用いる場合、その含有割合は、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に通常0.001~10質量%、好ましくは0.005~1質量%、さらに好ましくは0.01~0.5質量%、最も好ましくは0.03~0.3質量%である。界面活性剤の含有割合を前記下限値以上とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすく、他の特性の悪化も抑制できる傾向がある。
[1-1-14]溶剤
本発明の感光性着色樹脂組成物は、通常溶剤を含有し、前述の各成分を溶剤に溶解または分散させた状態で使用される。その溶剤としては、特に制限は無いが、例えば、以下に記載する有機溶剤が挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコール-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3-メトキシ-1-ブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n-ペンタン、n-オクタン、ジイソブチレン、n-ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、安息香酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3-メトキシプロピオン酸、3-エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類;
テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、ジメトキシテトラヒドロフランのようなテトラヒドロフラン類などである。
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1およびNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
上記溶剤は、感光性着色樹脂組成物中の各成分を溶解または分散させることができるもので、本発明の感光性着色樹脂組成物の使用方法に応じて選択されるが、塗布性の観点から、大気圧下における沸点が60~280℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは70℃以上、260℃以下の沸点をもつものであり、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-1-ブチルアセテート、が好ましい。
これらの溶剤は1種を単独でもしくは2種以上を混合して使用することができる。また、これらの溶剤は、感光性着色樹脂組成物溶液中の全固形分の割合が、通常10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、通常90質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下となるように使用されることが好ましい。前記下限値以上とすることで塗布ムラの発生を抑制できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで異物、ハジキ等の発生を抑制できる傾向がある。
[1-2]感光性着色樹脂組成物の物性
本発明の感光性着色樹脂組成物は、着色スペーサー形成用に好適に使用することができ、着色スペーサーとして用いるとの観点からは黒色を呈していることが好ましい。また、感光性着色樹脂組成物を硬化した塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度(OD)が1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、1.8以上であることが特に好ましく、通常4.0以下であり、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましい。
[1-3]感光性着色樹脂組成物の製造方法
本発明の感光性着色樹脂組成物(以下、「レジスト」と称することがある。)は、常法に従って製造される。
通常、(D)有機顔料等の着色剤は、予めペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて分散処理するのが好ましい。分散処理により着色剤が微粒子化されるため、レジストの塗布特性が向上する。
分散処理は、通常、(D)有機顔料、溶剤、及び(E)分散剤、並びに(B)アルカリ可溶性樹脂の一部又は全部を併用した系にて行うことが好ましい(以下、分散処理に供する混合物、及び該処理にて得られた組成物を「インク」又は「顔料分散液」と称することがある。)。特に(E)分散剤として高分子分散剤を用いると、得られたインク及びレジストの経時の増粘が抑制される(分散安定性に優れる)ので好ましい。
このように、レジストを製造する工程において、(D)有機顔料、溶剤、及び(E)分散剤を少なくとも含有する顔料分散液を製造することが好ましい。顔料分散液に用いることができる(D)有機顔料、溶剤、及び(E)分散剤としては、それぞれ感光性着色樹脂組成物に用いることができるものとして記載したものを好ましく採用することができる。
なお、感光性着色樹脂組成物に配合する全成分を含有する液に対して分散処理を行った場合、分散処理時に生じる発熱のため、高反応性の成分が変性する可能性がある。従って、高分子分散剤を含む系にて分散処理を行うことが好ましい。
サンドグラインダーで(D)有機顔料を分散させる場合には、0.1~8mm程度の粒子径のガラスビーズ又はジルコニアビーズが好ましく用いられる。分散処理条件は、温度は通常0℃から100℃であり、好ましくは室温から80℃の範囲である。分散時間は液の組成及び分散処理装置のサイズ等により適正時間が異なるため適宜調節する。レジストの20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が50~300の範囲となるように、インキの光沢を制御するのが分散の目安である。レジストの光沢度が低い場合には、分散処理が十分でなく荒い顔料粒子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等が不十分となる可能性がある。また、光沢値が上記範囲を超えるまで分散処理を行うと、顔料が破砕して超微粒子が多数生じるため、却って分散安定性が損なわれる傾向がある。
また、インク中に分散した顔料の分散粒径は通常0.03~0.3μmであり、動的光散乱法等により測定される。
次に、上記分散処理により得られたインクと、レジスト中に含まれる、上記の他の成分を混合し、均一な溶液とする。レジストの製造工程においては、微細なゴミが液中に混じることが多いため、得られたレジストはフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
[2]硬化物
本発明の感光性着色樹脂組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。感光性着色樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、着色スペーサーとして好適に用いることができる、つまり、本発明の感光性着色樹脂組成物は、着色スペーサー形成用に好適に用いることができる。
[2-1]着色スペーサー
次に、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いた着色スペーサーについて、その製造方法に従って説明する。
(1)支持体
着色スペーサーを形成するための支持体としては、適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。主に透明基板が使用されるが、材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルフォンなどの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。また、基板の表面にITO、IZO等の透明電極が成膜されている場合もある。透明基板以外では、TFTアレイ上に形成することも可能である。
支持体には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行ってもよい。
透明基板の厚さは、通常0.05~10mm、好ましくは0.1~7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01~10μm、好ましくは0.05~5μmの範囲である。
(2)着色スペーサー
本発明の感光性着色樹脂組成物は、公知のカラーフィルター用感光性着色樹脂組成物と同様の用途に使用されるが、以下、着色スペーサー(ブラックフォトスペーサー)として使用される場合について、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いたブラックフォトスペーサーの形成方法の具体例に従って説明する。
通常、ブラックフォトスペーサーが設けられるべき基板上に、感光性着色樹脂組成物を、塗布等の方法により膜状或いはパターン状に供給し、溶剤を乾燥させる。続いて、露光-現像を行うフォトリソグラフィー法などの方法によりパターン形成を行う。その後、必要により追露光や熱硬化処理を行うことにより、該基板上にブラックフォトスペーサーが形成される。
(3)着色スペーサーの形成
(3-1)基板への供給方法
本発明の感光性着色樹脂組成物は、通常、溶剤に溶解或いは分散された状態で、基板上へ供給される。その供給方法としては、従来公知の方法、例えば、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行うことができる。また、インクジェット法や印刷法などにより、パターン状に供給されてもよい。中でも、ダイコート法によれば、塗布液の使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くない、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗布量は用途により異なるが、例えばブラックフォトスペーサーの場合には、乾燥膜厚として、通常0.5μm~10μm、好ましくは1μm~9μm、特に好ましくは1μm~7μmの範囲である。また、乾燥膜厚あるいは最終的に形成されたスペーサーの高さが、基板全域に渡って均一であることが重要である。ばらつきが大きい場合には、液晶パネルにムラ欠陥を生ずることとなる。
ただし、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成する場合は、最終的に形成されたブラックフォトスペーサーの高さは異なるものとなる。
尚、基板としてはガラス基板など、公知の基板を使用することができる。また、基板表面は平面であることが好適である。
(3-2)乾燥方法
基板上に感光性着色樹脂組成物を供給した後の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥方法によるのが好ましい。また、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法を組み合わせてもよい。
乾燥の条件は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40℃~130℃の温度で15秒~5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50℃~110℃の温度で30秒~3分間の範囲で選ばれる。
(3-3)露光方法
露光は、感光性着色樹脂組成物の塗布膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。露光マスクを用いて露光を行う場合には、露光マスクを感光性着色樹脂組成物の塗布膜に近接させる方法や、露光マスクを感光性着色樹脂組成物の塗布膜から離れた位置に配置し、該露光マスクを介した露光光を投影する方法によってもよい。また、マスクパターンを用いないレーザー光による走査露光方式によってもよい。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、脱酸素雰囲気下で行ったり、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ったりしてもよい。
本発明の好ましい態様として、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成する場合は、例えば、遮光部(光透過率0%)と、複数の開口部として、平均光透過率の最も高い開口部(完全透過開口部)に対して平均光透過率の小さい開口部(中間透過開口部)を有する露光マスクを用いる。この方法により、中間透過開口部と完全透過開口部の平均光透過率の差、即ち露光量の差により、残膜率の差異を生じさせる。
中間透過開口部は、例えば、微小な多角形の遮光ユニットを有するマトリックス状遮光パターンによって作製する方法等が知られている。また吸収体として、クロム系、モリブデン系、タングステン系、シリコン系などの材料の膜によって、光透過率を制御し作製する方法等が知られている。
上記の露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、青紫色半導体レーザー、近赤外半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
光学フィルターとしては、例えば薄膜で露光波長における光透過率を制御可能なタイプでもよく、その場合の材質としては、例えばCr化合物(Crの酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、MoSi、Si、W、Al等が挙げられる。
露光量としては、通常、1mJ/cm2以上、好ましくは5mJ/cm2以上、より好ましくは10mJ/cm2以上であり、通常300mJ/cm2以下、好ましくは200mJ/cm2以下、より好ましくは150mJ/cm2以下である。
また、近接露光方式の場合には、露光対象とマスクパターンとの距離としては、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下である。
(3-4)現像方法
上記の露光を行った後、アルカリ性化合物の水溶液、又は有機溶剤を用いる現像によって、基板上に画像パターンを形成することができる。この水溶液には、さらに界面活性剤、有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ-、ジ-又はトリエタノールアミン、モノ-、ジ-又はトリメチルアミン、モノ-、ジ-又はトリエチルアミン、モノ-又はジイソプロピルアミン、n-ブチルアミン、モノ-、ジ-又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤、が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10~50℃の範囲、中でも15~45℃、特に好ましくは20~40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
(3-5)追露光及び熱硬化処理
現像の後の基板には、必要により上記の露光方法と同様な方法により追露光を行ってもよく、また熱硬化処理を行ってもよい。この際の熱硬化処理条件は、温度は100℃~280℃の範囲、好ましくは150℃~250℃の範囲で選ばれ、時間は5分間~60分間の範囲で選ばれる。
本発明の着色スペーサーの大きさや形状等は、これを適用するカラーフィルターの仕様等によって適宜調整されるが、本発明の感光性着色樹脂組成物は、特に、フォトリソグラフィー法によりメインスペーサーとサブスペーサーの高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成するのに有用であり、その場合、メインスペーサーの高さは通常2~7μm程度であり、サブスペーサーは、メインスペーサーよりも通常0.2~1.5μm程度低い高さを有する。
また、本発明の着色スペーサーの1μm当たりの光学濃度(OD)は、遮光性の観点から、1.2以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上がさらに好ましく、通常4.0以下であり、3.0以下であることが好ましい。ここで光学濃度(OD)は後述する方法にて測定した値である。
[3]画像表示装置
本発明の画像表示装置は、本発明の着色スペーサーを備える。
例えば、上述した本発明の着色スペーサーを有するカラーフィルターと、液晶駆動側基板とを貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入することで、本発明の着色スペーサーを備えた、液晶表示装置等の本発明の画像表示装置を製造することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いた感光性着色樹脂組成物の構成成分は次の通りである。
<有機黒色顔料>
BASF社製、Irgaphor(登録商標) Black S 0100 CF(下記式(I-1)で表される化学構造を有する)
Figure 0007247676000056
<アルカリ可溶性樹脂-I>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10質量部、グリシジルメタクリレート85.2質量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)66質量部を滴下し、および2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル8.47質量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部およびハイドロキノン0.12質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたアルカリ可溶性樹脂-IのGPCにより測定した重量平均分子量Mwは8400、酸価は80mgKOH/gであった。
<アルカリ可溶性樹脂-II>
日本化薬社製「ZCR-1642H」(重量平均分子量Mw=6500、酸価=98mgKOH/g)
<アルカリ可溶性樹脂-III>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート210.1質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル52.5質量部との混合液を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにベンジルメタクリレート3.52質量部、メタクリル酸68.8質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA-513M(日立化成社製)39.7質量部及び2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル3.3質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気に置換し、グリシジルメタクリレート38.4質量部、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.8質量部及びハイドロキノン0.1質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。こうして得られたアルカリ可溶性樹脂-IIIの重量平均分子量Mwは19100、酸価は198mgKOH/gであった。
<分散剤-I>
ビックケミー社製「BYK-LPN21116」(4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有さないBブロックからなる、アクリル系A-Bブロック共重合体。アミン価は70mgKOH/g。酸価は1mgKOH/g以下。)
分散剤-IのAブロック中には下記式(1a)及び(2a)の繰り返し単位が含まれ、Bブロック中には下記式(3a)の繰り返し単位が含まれる。分散剤-Iの全繰り返し単位に占める下記式(1a)、(2a)、及び(3a)の繰り返し単位の含有割合はそれぞれ11.1モル%、22.2モル%、及び6.7モル%である。
Figure 0007247676000057
<分散剤-II>
ビックケミー社製「DISPERBYK-167」(ウレタン系高分子分散剤)
<顔料誘導体>
ルーブリゾール社製「Solsperse12000」
<溶剤-I>
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤-II>
MB:3-メトキシブタノール
<光重合開始剤-I>
以下の化学構造を有する化合物を用いた。この化合物をPGMEAに対し0.01質量%の濃度になるように溶解させたとき、波長400nmにおける吸光度は、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)である368nmにおける吸光度に対して34%であった。オキシムエステル系光重合開始剤(A1)に該当する。
Figure 0007247676000058
<光重合開始剤-II>
BASF社製 IRGACURE OXE-01を用いた。この化合物をPGMEAに対し0.01質量%の濃度になるように溶解させたとき、波長400nmにおける吸光度は、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)である329nmにおける吸光度に対して0.7%であった。オキシムエステル系光重合開始剤(A2)に該当する。
Figure 0007247676000059
<光重合開始剤-III>
BASF社製 IRGACURE OXE-02を用いた。この化合物をPGMEAに対し0.01質量%の濃度になるように溶解させたとき、波長400nmにおける吸光度は、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)である336nmにおける吸光度に対して0.1%であった。
Figure 0007247676000060
<光重合開始剤-IV>
以下の化学構造を有するオキシムエステル系光重合開始剤を用いた。この化合物をPGMEAに対し0.01質量%の濃度になるように溶解させたとき、波長400nmにおける吸光度は、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)である328nmにおける吸光度に対して1.1%であった。
Figure 0007247676000061
<光重合性化合物>
DPHA:日本化薬社製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
<界面活性剤>
DIC社製 メガファック F-559
<添加剤>
日本化薬社製、KAYAMER PM-21(メタクリロイル基含有ホスフェート)
<単位膜厚当たりの光学濃度(単位OD値)の測定>
単位膜厚当たりの光学濃度は以下の手順にて測定した。
まず、調製した感光性着色樹脂組成物を加熱硬化後の膜厚が3.5μmとなるようにスピンコーターにてガラス基板に塗布し、1分間減圧乾燥した後に、ホットプレートで90℃にて140秒間乾燥した。得られた塗布膜に対し、露光マスクを用いず、露光を行った。照射光としては波長365nmでの強度が45mW/cm2である紫外線(高圧水銀ランプ)を用い、露光量は50mJ/cm2とした。続いて、0.05質量%の水酸化カリウムと0.08質量%のノニオン性界面活性剤(花王社製「A-60」)を含有する水溶液からなる現像液を用い、25℃において水圧0.05MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は、予め未露光の塗膜が溶解除去される時間を測定しておき、その時間の1.3倍とした。その後、オーブン230℃で20分間加熱硬化する事で、硬化膜基板1を得た。得られた基板の光学濃度(OD)を透過濃度計グレタグマクベスD200-IIによって測定し、膜厚を菱化システム社製非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(R)2.0により測定し、光学濃度(OD)及び膜厚から、単位膜厚当たりの光学濃度を算出した。なお、OD値は遮光能力を示す数値であり、数値が大きい程高遮光性であることを示す。
<表面平滑性の評価>
表面平滑性の評価は以下の手順にて行った。
上記<単位膜厚当たりの光学濃度(単位OD値)の測定>にて作製した硬化膜基板1について、表面におけるシワの発生有無を光学顕微鏡にて70μm×70μmの視野で観察した。なお評価基準は、以下の通りである。
○:パターンの表面にミクロンオーダーのシワが観察されない
×:パターンの表面にミクロンオーダーのシワが著しく目立つ
<表面粗度の評価>
表面粗度の評価は以下の手順にて行った。
上記<単位膜厚当たりの光学濃度(単位OD値)の測定>にて作製した硬化膜基板1について、菱化システム社製の三次元非接触表面形状計測システム Micromapにて、50倍の光学レンズを用い、Focusモードで70μm×70μmの視野において表面粗度Sa(算術平均粗さ、μm)を測定した。
<密着性の評価>
まず、調製した感光性着色樹脂組成物を加熱硬化後の膜厚が3.5μmとなるようにスピンコーターにてガラス基板に塗布し、1分間減圧乾燥した後にホットプレートで90℃にて140秒間乾燥した。
得られた塗布膜に対し、開口幅が5~50μm(5~20μm:1μmおき、25~50μm:5μmおき)の各種開口幅の直線状開口部を有するネガタイプのマスクを用いて露光処理を施した。露光ギャップ(マスクと塗布面間の距離)は、250μmであった。照射光としては、波長365nmでの強度が40mW/cm2である紫外線(高圧水銀ランプ)を用い、露光量は50mJ/cm2とした。また、紫外線照射は空気下で行った。
続いて、0.05質量%の水酸化カリウムと0.08質量%のノニオン性界面活性剤(花王社製「A-60」)を含有する水溶液からなる現像液を用い、25℃において水圧0.05MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は、10~120秒間の間で調整し、未露光の塗膜が溶解除去される時間の1.3倍とした。
これらの操作により、不要部分を除去した塗膜パターンを得た。当該塗膜パターンの形成された基板をオーブン中、230℃で20分間加熱してパターンを硬化させ、高さが3.5μmの直線状硬化パターン基板を得た。
得られた直線状硬化パターン基板のうち、現像で除去されることなく形成されている最小のパターンに対応するマスクの開口幅(μm)を密着性として評価した。この値が小さい程基板密着性に優れる。
<線幅の評価>
上記<密着性の評価>にて得られた直線状硬化パターン基板のうち、マスクの開口幅が20μmの開口部に対応するパターンの線幅を測定した。マスクの開口幅と、形成したパターンの線幅との差が通常は開口幅±2μmが好ましく、差が小さいほどより好ましい。
<顔料分散液1及び3の調製>
表1に記載の顔料、分散剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を、表1に記載の質量比となるように混合した。この混合液をペイントシェーカーにより25~45℃の範囲で3時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液の2.5倍の質量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、顔料分散液1及び3を調製した。
なお、表1中の顔料、分散剤、分散助剤、及びアルカリ可溶性樹脂の量は固形分の質量部であり、溶剤の量には、分散剤、分散助剤、及びアルカリ可溶性樹脂由来の溶剤の量も含まれる。
Figure 0007247676000062
<顔料分散液2(被覆カーボンブラック分散液)>
カーボンブラックは、通常のオイルファーネス法で製造した。但し、原料油としては、Na、Ca、S分量の少ないエチレンボトム油を用い、燃焼用にはコークス炉ガスを用いた。更に、反応停止水としては、イオン交換樹脂で処理した純水を用いた。得られたカーボンブラック540gを純水14500gと共にホモミキサーを用い5000~6000rpmで30分撹拌しスラリーを得た。このスラリーをスクリュー型撹拌機付容器に移し約1000rpmで混合しながらエポキシ樹脂「jER828」(三菱ケミカル社製)60gを溶解したトルエン600gを少量ずつ添加していった。約15分で、水に分散していたカーボンブラックは全量トルエン側に移行し、約1mmの粒となった。
次に、60メッシュ金網で水切りを行った後、真空乾燥機に入れ、70℃で7時間乾燥し、トルエンと水を完全に除去した。
得られた被覆カーボンブラック、分散剤、顔料誘導体及び溶剤を、表1に記載の質量比となるように混合した。
これを攪拌機により十分に攪拌し、プレミキシングを行った。次に、ペイントシェーカーにより25~45℃の範囲で6時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液と同じ質量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、顔料分散液2を調製した。
[実施例1~3、比較例1~6]
全固形分中の各固形分の比率が表2の配合割合となるように各成分を加え、さらに全固形分の含有割合が22質量%となるようにPGMEAを加え、攪拌、溶解させて、感光性着色樹脂組成物を調製した。また、前述の方法にて測定した単位OD値、線幅、表面平滑性及び表面粗度の評価結果を表2に示す。
Figure 0007247676000063
また、前述の方法にて密着性評価を行ったところ、実施例1は5μm、実施例2は6μm、比較例5は5μm、比較例6は11μmであった。
まず表2の比較例2及び3から明らかなように、有機顔料の含有割合が全固形分中に25質量%未満の場合には、光重合開始剤の種類によらず、表面平滑性が良好であった。このように有機顔料の含有割合が低い場合には、紫外線が塗布膜の内部まで透過しやすく膜底の部分も硬化しやすくなり、膜厚方向の架橋密度の差が大きくならず、表面平滑性が優れると考えられる。
次に、比較例3と比較例1との比較から明らかなように、有機顔料の含有割合を全固形分中に25質量%以上とすることで、表面平滑性が悪化する傾向があることがわかる。これは、紫外線の多くが有機顔料に吸収されて塗布膜の内部まで透過しにくく、膜底の部分が硬化しにくくなり、その結果、表面と内部とで膜厚方向に架橋密度の差が大きくなり、加熱硬化の際にシワが発生し、表面平滑性が悪くなっていると考えられる。
表面平滑性を改善するために、波長400nmの吸光度が高い開始剤を用いることで有機顔料の吸収の影響を受けにくくなり、表面と内部との膜厚方向の架橋密度の差を小さくする方法が考えられる。しかし比較例4のように、このような吸光度が高い開始剤を単独で使用した場合、開口幅よりも線幅が太くなってしまい、所望のパターンを作成することが困難であった。これは表面硬化が進みすぎることによって線幅が太くなってしまうためと考えられる。
一方で比較例5のように、表面硬化を抑えるため、内部硬化性の高い波長400nmにおける吸光度が低い開始剤を単独で使用すると、表面平滑性が悪くなってしまう。これは表面、内部とも硬化が不十分だったためと考えられる。
表2の実施例1と比較例4~5との比較から、(D)有機顔料の含有割合が全固形分中に25質量%以上であり、(A)光重合開始剤が、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上であるオキシムエステル系光重合開始剤(A1)と、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であり、かつ、特定構造のオキシムエステル系光重合開始剤(A2)を併用することにより、所望の線幅と良好な表面平滑性が得られた。これは、相対的に開始剤(A1)の量が多くなりすぎないようにすることで膜表面における波長400nm近傍の露光光の消費が抑えられるため、塗布膜の内部に到達する波長400nm近傍の露光光量が多く、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)及びオキシムエステル系光重合開始剤(A2)の両方で硬化したため、と考えられる。
また実施例1と比較例6との比較から、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400nm間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であるオキシムエステル系光重合開始剤の中でも、光重合開始剤-IVのようにラジカル発生部位(式(A2)中のR14Aに対応)が芳香族環基ではない場合には感度が高過ぎて、表面平滑性はすぐれるものの、線幅のコントロールが困難になっていると考えられる。
また実施例2のように有機黒色顔料を用いた場合でも、表面平滑性と所望の線幅を両立することができた。
また実施例1と実施例3の比較から、オキシムエステル系光重合開始剤(A1)の含有割合が多い方が、表面平滑性が良好であった。一方で、オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の含有割合が多い方が、より所望の線幅を得ることができた。

Claims (9)

  1. (A)光重合開始剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合性化合物、及び(D)
    有機顔料を含有する感光性着色樹脂組成物であって、
    前記(D)有機顔料の含有割合が、全固形分中に25質量%以上であり、
    前記(A)光重合開始剤が、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400n
    m間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して30%以上であるオキシムエステ
    ル系光重合開始剤(A1)と、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400n
    m間の極大吸収波長(λmax)における吸光度に対して10%以下であり、下記一般式(
    A2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(A2)とを含み、
    前記(D)有機顔料が、(D2)有機黒色顔料を含有し、
    前記(D2)有機黒色顔料が、下記一般式(1)で表される化合物、該化合物の幾何異
    性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩からなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含み、
    さらに(E)分散剤として塩基性官能基を有するアクリル系高分子分散剤を含み、
    前記アクリル系高分子分散剤が、前記塩基性官能基を有するAブロックと前記塩基性官
    能基を有さないBブロックからなるA-B又はB-A-Bブロック共重合体であり、
    前記アクリル系高分子分散剤のアミン価が75mgKOH/g以下であり、
    前記(D)有機顔料が(D1)有機着色顔料を含有し、
    さらに無機黒色顔料を含有することを特徴とする感光性着色樹脂組成物。
    Figure 0007247676000064
    (式(A2)中、R13Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有して
    いてもよい芳香族環基を表す。
    14Aは、芳香族環基を表す。
    15Aは、1価の置換基を表す。
    nは0又は1を表す。
    hは0~2の整数を表す。)
    Figure 0007247676000065
    (式(1)中、R11及びR16は各々独立に、水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又
    は塩素原子を表し;
    12、R13、R14、R15、R17、R18、R19及びR20は各々独立に、水
    素原子、ハロゲン原子、R21、COOH、COOR21、COO-、CONH2、CON
    HR21、CONR2122、CN、OH、OR21、COCR21、OOCNH2
    OOCNHR21、OOCNR2122、NO2、NH2、NHR21、NR2122
    、NHCOR22、NR21COR22、N=CH2、N=CHR21、N=CR21
    22、SH、SR21、SOR21、SO221、SO321、SO3H、SO3 -、S
    2NH2、SO2NHR21又はSO2NR2122を表し;
    且つ、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R17とR18、R18とR
    19、及びR19とR20からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互い
    に直接結合してもよく、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR21ブリッジによっ
    て互いに結合してもよく;
    21及びR22は各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロ
    アルキル基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基又は
    炭素数2~12のアルキニル基を表す。)
  2. 前記オキシムエステル系光重合開始剤(A1)が、ニトロ基及びカルバゾール骨格を有
    するオキシムエステル系光重合開始剤を含む、請求項1に記載の感光性着色樹脂組成物。
  3. 前記オキシムエステル系光重合開始剤(A2)の含有割合が、オキシムエステル系光重
    合開始剤(A1)100質量部に対して、20質量部以上である、請求項1又は2に記載
    の感光性着色樹脂組成物。
  4. 前記(D1)有機着色顔料が、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくと
    も1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する、
    請求項に記載の感光性着色樹脂組成物。
  5. 着色スペーサー形成用である請求項1~のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成
    物。
  6. (A)光重合開始剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合性化合物、及び(D)
    有機顔料を含有する感光性着色樹脂組成物であって、
    前記(D)有機顔料の含有割合が、全固形分中に25質量%以上であり、
    前記(A)光重合開始剤が、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400n
    m間の極大吸収波長(λ max )における吸光度に対して30%以上であるオキシムエステ
    ル系光重合開始剤(A1)と、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400n
    m間の極大吸収波長(λ max )における吸光度に対して10%以下であり、下記一般式(
    A2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(A2)とを含み、
    前記(D)有機顔料が、(D2)有機黒色顔料を含有し、
    前記(D2)有機黒色顔料が、下記一般式(1)で表される化合物、該化合物の幾何異
    性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩からなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含み、
    さらに(E)分散剤として塩基性官能基を有するアクリル系高分子分散剤を含み、
    前記アクリル系高分子分散剤が、前記塩基性官能基を有するAブロックと前記塩基性官
    能基を有さないBブロックからなるA-B又はB-A-Bブロック共重合体であり、
    前記アクリル系高分子分散剤のアミン価が75mgKOH/g以下であり、
    着色スペーサー形成用であることを特徴とする感光性着色樹脂組成物。
    Figure 0007247676000066
    (式(A2)中、R 13A は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有して
    いてもよい芳香族環基を表す。
    14A は、芳香族環基を表す。
    15A は、1価の置換基を表す。
    nは0又は1を表す。
    hは0~2の整数を表す。)
    Figure 0007247676000067
    (式(1)中、R 11 及びR 16 は各々独立に、水素原子、CH 3 、CF 3 、フッ素原子又
    は塩素原子を表し;
    12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 17 、R 18 、R 19 及びR 20 は各々独立に、水
    素原子、ハロゲン原子、R 21 、COOH、COOR 21 、COO - 、CONH 2 、CON
    HR 21 、CONR 21 22 、CN、OH、OR 21 、COCR 21 、OOCNH 2
    OOCNHR 21 、OOCNR 21 22 、NO 2 、NH 2 、NHR 21 、NR 21 22
    、NHCOR 22 、NR 21 COR 22 、N=CH 2 、N=CHR 21 、N=CR 21
    22 、SH、SR 21 、SOR 21 、SO 2 21 、SO 3 21 、SO 3 H、SO 3 - 、S
    2 NH 2 、SO 2 NHR 21 又はSO 2 NR 21 22 を表し;
    且つ、R 12 とR 13 、R 13 とR 14 、R 14 とR 15 、R 17 とR 18 、R 18 とR
    19 、及びR 19 とR 20 からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互い
    に直接結合してもよく、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR 21 ブリッジによっ
    て互いに結合してもよく;
    21 及びR 22 は各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロ
    アルキル基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基又は
    炭素数2~12のアルキニル基を表す。)
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物を硬化させた硬化物。
  8. (A)光重合開始剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合性化合物、及び(D)
    有機顔料を含有する感光性着色樹脂組成物を硬化させた硬化物であって、
    前記(D)有機顔料の含有割合が、全固形分中に25質量%以上であり、
    前記(A)光重合開始剤が、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400n
    m間の極大吸収波長(λ max )における吸光度に対して30%以上であるオキシムエステ
    ル系光重合開始剤(A1)と、波長400nmにおける吸光度が、波長300~400n
    m間の極大吸収波長(λ max )における吸光度に対して10%以下であり、下記一般式(
    A2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(A2)とを含み、
    前記(D)有機顔料が、(D2)有機黒色顔料を含有し、
    前記(D2)有機黒色顔料が、下記一般式(1)で表される化合物、該化合物の幾何異
    性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩からなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含み、
    さらに(E)分散剤として塩基性官能基を有するアクリル系高分子分散剤を含み、
    前記アクリル系高分子分散剤が、前記塩基性官能基を有するAブロックと前記塩基性官
    能基を有さないBブロックからなるA-B又はB-A-Bブロック共重合体であり、
    前記アクリル系高分子分散剤のアミン価が75mgKOH/g以下である感光性着色樹
    脂組成物を硬化させた硬化物
    Figure 0007247676000068
    (式(A2)中、R 13A は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有して
    いてもよい芳香族環基を表す。
    14A は、芳香族環基を表す。
    15A は、1価の置換基を表す。
    nは0又は1を表す。
    hは0~2の整数を表す。)
    Figure 0007247676000069
    (式(1)中、R 11 及びR 16 は各々独立に、水素原子、CH 3 、CF 3 、フッ素原子又
    は塩素原子を表し;
    12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 17 、R 18 、R 19 及びR 20 は各々独立に、水
    素原子、ハロゲン原子、R 21 、COOH、COOR 21 、COO - 、CONH 2 、CON
    HR 21 、CONR 21 22 、CN、OH、OR 21 、COCR 21 、OOCNH 2
    OOCNHR 21 、OOCNR 21 22 、NO 2 、NH 2 、NHR 21 、NR 21 22
    、NHCOR 22 、NR 21 COR 22 、N=CH 2 、N=CHR 21 、N=CR 21
    22 、SH、SR 21 、SOR 21 、SO 2 21 、SO 3 21 、SO 3 H、SO 3 - 、S
    2 NH 2 、SO 2 NHR 21 又はSO 2 NR 21 22 を表し;
    且つ、R 12 とR 13 、R 13 とR 14 、R 14 とR 15 、R 17 とR 18 、R 18 とR
    19 、及びR 19 とR 20 からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互い
    に直接結合してもよく、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR 21 ブリッジによっ
    て互いに結合してもよく;
    21 及びR 22 は各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロ
    アルキル基、炭素数2~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基又は
    炭素数2~12のアルキニル基を表す。)
  9. 請求項7又は8に記載の硬化物を含む画像表示装置。
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