JP7246630B2 - 防滑剤組成物、その付与方法及び防滑紙 - Google Patents

防滑剤組成物、その付与方法及び防滑紙 Download PDF

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Description

本発明は、防滑剤組成物、その付与方法及び防滑紙に関し、更に詳しくは、梱包用紙の抄紙工程で付与して用いられる防滑剤組成物、当該防滑剤組成物の付与方法及び当該防滑剤組成物が付与された防滑紙に関する。
抄紙機を用いて紙を抄く、いわゆる抄紙工程においては、洋紙だけでなく、板紙も製造される。
その中でも、梱包用紙は、物的流通の分野において、製品を梱包するために用いられている。
そして、梱包された梱包製品は、自動車、鉄道、航空機、船舶等の輸送用機器により搬送される。
ところで、梱包製品は、輸送用機器での輸送中に、振動、加減速、遠心加速等により、横滑りし、場合によっては、それが荷崩れの原因となる恐れがある。
このような梱包製品の横滑りを防止する対策の一つとして、梱包用紙に付与する防滑剤組成物が開発されている。
例えば、シリカ粒子と水性樹脂エマルジョンとからなるシリカ複合エマルジョンを主成分とする防滑剤組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、鎖状シリカと結着剤とを含有する防滑層形成用の塗料(防滑剤組成物)が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、基紙の少なくとも片面に塗工液が塗布され、 塗工液は、高分子化合物と、バインダと、防滑剤とを少なくとも含み、高分子化合物は、スルホン酸エステル化合物からなる特殊高分子化合物とポリエチレンワックスの水系乳化体であり、防滑剤(防滑剤組成物)は少なくともシリカを含む紙又は板紙が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、ポリビニルアルコールおよび水の存在下で、ラジカル重合性の単官能性ビニルモノマーおよび多官能性ビニルモノマーを乳化重合して得られる水性樹脂を含有する防滑剤用樹脂(防滑剤組成物)が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開平07-304999号公報 特許第2724684号公報 特許第4777921号公報 特開平08-143610号公報
しかしながら、シリカを含む上記特許文献1~3の防滑剤組成物、及び、ポリビニルアルコールを含む上記特許文献4の防滑剤組成物は、防滑性が劣るという欠点がある。
その上、ポリビニルアルコールを含む上記特許文献4の防滑剤組成物は、ポリビニルアルコールが水溶性であるため、雨等により流出する恐れがある。そのため、耐久性についても十分とはいえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、防滑性及び耐久性をより向上させることができる防滑剤組成物、当該防滑剤組成物の付与方法及び当該防滑剤組成物が付与された防滑紙を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、有効成分として、最大粒径が5~1000nmのアルミナ微粒子を用い、これを結着させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)梱包用紙の抄紙工程で付与して用いられる防滑剤組成物であって、アルミナ微粒子と、湿潤剤と、結着剤とを含有し、アルミナ微粒子が、最大粒径が5~1000nmのアルミナ一水和物であり、湿潤剤が、分子内に水酸基を複数有する分子量2000以下のポリアルキレングリコール系又はポリオール系であり、結着剤が酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、ウレタン共重合体及びウレタン-アクリル酸共重合からなる群より選ばれる少なくとも1種である防滑剤組成物に存する。
また、(2)梱包用紙の抄紙工程で付与して用いられる防滑剤組成物であって、アルミナ微粒子と、湿潤剤と、結着剤と、分散安定化剤とを含有し、アルミナ微粒子の最大粒径が5~1000nmであり、湿潤剤が、分子内に水酸基を複数有する分子量2000以下の水溶性化合物であり、アルミナ微粒子1質量部に対する分散安定化剤の配合量が0.005~0.8質量部である防滑剤組成物に存する。
本発明は、()アルミナ微粒子1質量部に対する湿潤剤の配合量が0.1~10質量部であり、アルミナ微粒子1質量部に対する結着剤の配合量が0.01~3質量部である上記(1)又は(2)に記載の防滑剤組成物に存する。
本発明は、()上記(1)~()のいずれか1つに記載の防滑剤組成物を、梱包用紙の少なくとも一方の面に付与する防滑剤組成物の付与方法に存する。
本発明は、()上記(1)~()のいずれか1つに記載の防滑剤組成物を、梱包用紙の少なくとも一方の面に付与して形成されたものであり、防滑剤組成物の固形分の付与量が、0.3~900mg/mである防滑紙に存する。
本発明の防滑剤組成物は、アルミナ微粒子を有効成分として含有するので、これを付与することにより、梱包用紙の防滑性を大幅に向上させることができる。
したがって、当該防滑剤組成物が付与された梱包用紙を用いた梱包製品は、搬送中における横滑りが抑制される。その結果、搬送中の荷崩れを抑制することができる。
このように、アルミナ微粒子が防滑性を大幅に向上させる理由については定かではないが、表面に付着したアルミナ微粒子が摩擦抵抗を増大させるためと考えられる。
このとき、アルミナ微粒子の最大粒径を5~1000nmとすることにより、アルミナ微粒子を多孔質である梱包用紙の細かい間隙に侵入させることができる。
そして、防滑剤組成物は、適量の結着剤も有しているので、アルミナ微粒子を、梱包用紙の内部に侵入した状態で結着させることができる。
これらのことにより、防滑剤組成物においては、雨等により、アルミナ粒子が流出することを抑制できる。
したがって、上記防滑剤組成物によれば、耐久性を向上させることができる。
好適には、本発明の防滑剤組成物は、分子内に水酸基を複数有する分子量2000以下の湿潤剤を適量含有することにより、アルミナ微粒子の乾燥によるいわゆる粉吹き現象が生じることを抑制することができる。
なお、粉吹き現象が発生すると、梱包用紙においては、紙面が粉を吹いたように白くなる場合があり、抄紙機においては、それ自体が汚れの原因となる場合があり、スプレーのノズル口においては、ノズルの目詰まりの原因となる場合がある。
また、湿潤剤は、アルミナ微粒子の結着剤による梱包用紙への結着を補助する機能も有する。
更に好適には、本発明の防滑剤組成物においては、アルミナ微粒子がアルミナ一水和物であり、湿潤剤がポリアルキレングリコール系又はポリオール系であり、結着剤が酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、ウレタン共重合体及びウレタン-アクリル酸共重合からなる群より選ばれる少なくとも1種である。この場合、防滑性及び耐久性により優れる。
本発明の防滑剤組成物は、適量の分散安定化剤を含有することにより、アルミナ微粒子の分散安定性が向上する。
これにより、梱包用紙に対して防滑剤組成物を付与した場合、アルミナ微粒子の分布がより均一となる。
本発明の防滑剤組成物の付与方法においては、上述した防滑剤組成物を、梱包用紙の少なくとも一方の面に付与することにより、梱包用紙の表面の比較的内部側にアルミナ微粒子を結着させることができる。これにより、梱包用紙の防滑性及び耐久性をより向上させることができる。
本発明の防滑紙は、梱包用紙の少なくとも一方の面に上述した防汚剤組成物を付与して形成されたものであり、且つ、汚染防止剤組成物の固形分の付与量を上記範囲内とすることにより、防滑性及び耐久性に優れるものとなる。
図1は、本発明に係る防滑剤組成物が用いられる抄紙工程を説明するための概略図である。 図2は、本発明に係る防滑紙を示す斜視図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
まず、防滑剤組成物について説明する。
本発明に係る防滑剤組成物は、後述する梱包用紙の抄紙工程において、梱包用紙に付与して用いられる。すなわち、防滑剤組成物は、梱包用紙の抄紙工程の過程で付与される。なお、抄紙工程における防滑剤組成物の付与方法の詳細については後述する。
ここで、本発明に係る防滑剤組成物が付与される梱包用紙としては、例えば、日本製紙連合会による紙統計品種説明における、段ボール原紙、紙器用板紙、包装用紙、ワンプ等が挙げられる。これらの中でも、梱包用紙は、クラフト用紙、ライナー又は白板紙であることが好ましい。なお、梱包用紙は、他の用紙と同様に、一般に多孔質である。
本発明に係る防滑剤組成物は、所定粒径のアルミナ微粒子を有効成分として含有し、好適には湿潤剤と、結着剤と、分散安定化剤とを更に含有する。
本発明に係る防滑剤組成物においては、所定粒径のアルミナ微粒子を有効成分として含有するため、これを梱包用紙に付与することにより防滑性及び耐久性を向上させ、湿潤剤及び結着剤により梱包用紙に付与したアルミナ微粒子の耐久性を更に向上させている。
したがって、上記防滑剤組成物によれば、防滑性及び耐久性を向上させることができる。
防滑剤組成物において、アルミナ微粒子は、両性酸化物である酸化アルミニウムを微粒子化したものである。
かかるアルミナとしては、ギブサイト、バイヤライト、ノルドストランド石等のアルミナ三水和物、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物等が好適に用いられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい
これらの中でも、アルミナ微粒子は、防滑効果の観点から、アルミナ一水和物であることが好ましく、汎用性の観点から、ベーマイトであることがより好ましい。
アルミナ微粒子は、最大粒径が5~1000nmであり、10~1000nmであることが好ましい。最大粒径が5nm未満であると、アルミナ微粒子が梱包用紙の表面の内部側に定着せず、より内部に入り込み過ぎる。そうすると、防滑効果が不十分となる場合がある。
一方、最大粒径が1000nmを超えると、アルミナ微粒子が梱包用紙の表面から内部側に侵入しにくくなり、擦れただけで剥落する等、耐久性が低下する場合がある。
アルミナ微粒子の粒子形状は、六角板状、キューブ状又は針状であることが好ましい。これらは角部を有するため、梱包用紙の繊維質に引っ掛かり、剥落しにくくなると共に、防滑性能を十分に発揮することが可能となる。
防滑剤組成物におけるアルミナ微粒子の配合割合は、1質量%以上であることが好ましく、5~50質量%であることが好ましい。
配合割合が、1質量%未満であると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、防滑効果が不十分となる場合がある。なお、配合割合が増え過ぎると、防滑効果は維持されるが、余分なアルミナ微粒子が剥落し、汚れの原因となる場合がある。
防滑剤組成物において、湿潤剤は、分子内に水酸基を複数有する水溶性化合物であり、アルミナ微粒子に付着することにより、アルミナ微粒子の乾燥を抑制すると共に、後述するアルミナ微粒子の結着剤による結着を補助する機能を発揮する。
かかる湿潤剤としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール系、グリセリン、ポリグリセリン、ポリビニルアルコール等のポリオール系、ポリアクリル酸塩系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、セルロール系、でんぷん系等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい
これらの中でも、湿潤剤は、上記最大粒径のアルミナ微粒子を用いた場合における粉吹き現象抑制の観点から、ポリアルキレングリコール系又はポリオール系であることが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン又はポリグリセリンであることがより好ましい。
湿潤剤の分子量は、2000以下であり、1000以下であることが上記最大粒径のアルミナ微粒子を有効成分とする防滑剤を用いた場合、均一な塗布に好ましい。
分子量が2000を超えると、防滑剤組成物をスプレーで付与する場合に、湿潤剤自体がスプレーのノズルの目詰まりを引き起こす場合がある。
また、分子量が大きくなるため、アルミナ微粒子と共に梱包用紙の表面の内部側に侵入させることが困難となる。その結果、耐久性が十分に向上しない場合がある。
また、湿潤剤自体が抄紙機に付着することにより、いわゆるピッチ汚染の原因となる恐れもある。
湿潤剤は、常温(20℃±15℃)で液体であることが好ましい。この場合、防滑性能を十分に発揮できる。なお、湿潤剤が常温で固体であると、アルミナ微粒子との相性が悪く、アルミナ微粒子に十分に付着しないという欠点がある。
防滑剤組成物において、アルミナ微粒子1質量部に対する湿潤剤の配合量は、0.1~10質量部であり、0.5~4質量部であることが好ましい。
湿潤剤の配合量が0.1質量部未満であると、アルミナ微粒子に十分に付着しないため、アルミナ微粒子よる粉吹き現象を十分に抑制できない場合があり、湿潤剤の配合量が10質量部を超えると、湿潤剤がアルミナ微粒子による防滑効果を阻害する恐れがある。
ちなみに、湿潤剤は上述したようにピッチ汚染の原因となる恐れがあるため、梱包用紙の抄紙工程で用いる場合は、極力少ないほうが好ましい。
防滑剤組成物において、結着剤は、アルミナ微粒子を梱包用紙の繊維に結着させる機能を発揮する。
かかる結着剤としては、アルミナ微粒子を繊維質に結着させることが可能であれば特に限定されないが、上記最大粒径のアルミナ微粒子を用いた場合、防滑性及び耐久性向上の観点から、酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、ウレタン共重合体及びウレタン-アクリル酸共重合からなる群より選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。
これらの中でも、結着剤は、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル共重合体又はスチレン-アクリル酸共重合体であることが好ましく、アクリル酸共重合体又はスチレン-アクリル酸共重合体であることがより好ましい。
防滑剤組成物において、アルミナ微粒子1質量部に対する結着剤の配合量は、0.01~3質量部であり、0.1~2質量部であることが好ましい。
結着剤の配合量が0.01質量部未満であると、アルミナ微粒子を梱包用紙に十分に結着させることができず、耐久性が低下する恐れがあり、結着剤の配合量が3質量部を超えると、結着剤がアルミナ微粒子による防滑効果を阻害する恐れがある。
ちなみに、結着剤はピッチ汚染の原因となる恐れがあるため、梱包用紙の抄紙工程で用いる場合は、極力少ないほうが好ましい。
防滑剤組成物において、分散安定化剤は、水中にアルミナ微粒子を均一に分散させる機能を発揮する。
かかる分散安定化剤としては、アルミナ微粒子を分散可能であれば特に限定されないが、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸、界面活性剤等が挙げられる。
これらの中でも、分散安定化剤は、上記最大粒径のアルミナ微粒子の分散性の観点から、硝酸又は塩酸であることが好ましい。
防滑剤組成物において、アルミナ微粒子1質量部に対する分散安定化剤の配合量は、0.005~0.8質量部であり、0.01~0.1質量部であることが好ましい。
分散安定化剤の配合量が0.005質量部未満であると、分散安定化剤の配合量が上記範囲内にある場合と比較して、アルミナ微粒子の分散が不十分となり、経時的に、アルミナ微粒子の沈殿が生じる場合がある。そうすると、付与する際に、アルミナ微粒子の濃度ムラが生じることになる。
一方、分散安定化剤の配合量が0.8質量部を超えると、分散安定化剤の配合量が上記範囲内にある場合と比較して、分散安定化剤が無機酸又は有機酸である場合は、pHが低くなり過ぎ、安全性に劣ると共に、抄紙機やスプレーを腐食させる恐れがある。また、分散安定化剤が界面活性剤である場合は、紙のサイズ性が低下する恐れがあり、分散安定剤が泡立ち易くなるため製造効率が低下すると共に、スプレーで付与する際に、分散安定化剤自体が乾燥してノズルの目詰まりを引き起こす恐れがある。
防滑剤組成物において溶媒として水が用いられるが、水は、一般的な、水道水や工業用水等を用いることができる。
次に、防滑剤組成物の付与方法について説明する。
図1は、本発明に係る防滑剤組成物が用いられる抄紙工程を説明するための概略図である。
図1に示すように、抄紙工程は、水中にパルプが分散された液を抄紙用のワイヤーYに載せ、余分な水を自然落下させることにより、梱包用紙の湿紙XとするワイヤーパートYPと、湿紙Xを一対のプレスロールP間に通し、フェルトFを介してプレスロールPで押圧することにより、湿紙中の水分をフェルトFに移行させるプレスパートPPと、脱水した梱包用紙の紙X1を、加熱されたドライヤDに接触させて乾燥させ紙とするドライパートDPと、カレンダーロールR間に紙を通して表面の凹凸を平滑化するカレンダーパートCPと、紙を巻き取るリールパートRPとを備えている。
防滑剤組成物の付与方法においては、ドライパートDPからリールパートRPまでの間で、スプレーSにより、ドライヤD、カレンダーロールR等に散布し、これを紙X1(梱包用紙)の少なくとも一方の面に転移させる。
これにより、梱包用紙の表面の比較的内部側に均一にアルミナ微粒子を結着させることが可能となる。
なお、ワイヤーパートYPやプレスパートPPにおいて、防滑剤組成物を直接梱包用紙に付与すると、アルミナ微粒子が梱包用紙の内部に入り込み過ぎ、防滑効果が不十分となる場合がある。
これにより、梱包用紙表面の比較的内部側にアルミナ微粒子を結着させることが可能となる。
ここで、スプレーSは、搬送方向とは垂直方向に走査しながら、二流体スプレーで散布する装置であることが好ましい。
また、スプレーSのノズル形状としては、ノズルの目詰まり防止の観点から、均等扇型ノズル、広角扇型ノズル、片扇型ノズル、空円錐ノズル、充円錐型ノズル、充角錐型ノズル、直進ノズル等が好適に用いられる。
防滑剤組成物の付与方法において、紙X1(梱包用紙)に対する防滑剤組成物の付与量は、0.3~900mg/mであることが好ましい。
防滑剤組成物の付与量が0.3mg/m未満であると、付着量が上記範囲にある場合と比較して、付着量が過少であるため、十分な防滑効果が得えられない場合があり、防滑剤組成物の付与量が900mg/mを超えると、防滑効果の向上が認められなくなる傾向にある。
次に、防滑紙について説明する。
図2は、本発明に係る防滑紙を示す斜視図である。
図2に示すように、防滑紙1は、一定の厚みがあるシート状となっている。なお、図2では上面視で矩形状となっているが、形状はこれに限定されない。
防滑紙1は、上述した梱包用紙の少なくとも一方の面に、上述した汚染防止剤組成物を付与して形成されたものである。すなわち、抄紙工程の何れかのパートにおいて、梱包用紙の少なくとも一方の面に、汚染防止剤組成物を、上述したドライヤD、カレンダーロールR等を介して、付与すると共に、当該梱包用紙が各パートを通過することにより、形成されたものである(図1参照)。
防滑紙1においては、防滑剤組成物の固形分の付与量、すなわち、防滑紙1に含まれる防滑剤組成物に起因する固形分の付与量が0.3~900mg/mであることが好ましい。
防滑剤組成物の固形分の付与量が0.3mg/m未満であると、付与量が上記範囲内にある場合と比較して、付着量が上記範囲にある場合と比較して、付着量が過少であるため、十分な防滑効果が得えられない場合があり、防滑剤組成物の固形分の付与量が900mg/mを超えると、付与量が上記範囲内にある場合と比較して、紙面に粉吹きが生じ、加工中に防滑剤組成物の固形分が脱落する恐れがある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した防滑剤組成物においては、分散安定化剤を含んでいるが、必ずしも必須ではない。すなわち、防滑剤組成物を調合して、比較的直ぐに用いるのであれば、分散安定化剤を要しない。
上述した防滑剤組成物の付与方法においては、抄紙工程として、ワイヤーパートYP、プレスパートPP、ドライパートDP、カレンダーパートCP及びリールパートRPを示したが(図1参照)、カレンダーパートCPは必ずしも必須ではない。
また、防滑剤組成物を付与するために、例えば、カレンダーパートCPとリールパートRPとの間に、薬液付与パートを積極的に設けてもよい。
上述した防滑剤組成物の付与方法においては、スプレーSを、ドライパートDP、カレンダーパートCP及びリールパートRPに複数示したが、必ずしも全ての箇所のスプレーSで防滑剤組成物を付与する必要はなく、少なくとも1箇所以上であればよい。
また、付与するパートは、ドライパートDPからリールパートRPまでの間を示しているが、この領域に限定されない。例えば、ワイヤーパートYP又はプレスパートPPで防滑剤組成物を付与してもよい。
上述した防滑剤組成物の付与方法においては、スプレーSを用いて防滑剤組成物を付与しているが、例えば、含浸法、サイズプレス法、ゲートロール法、バーコーター法、カレンダー法等の各種公知の付与方法も適用でき、好適に組み合わせることもできる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例及び比較例)
下記表1に示す配合量で実施例及び比較例のサンプルを作製した。
すなわち、有効成分(及び分散安定化剤)を水に分散させた後、これに湿潤剤、結着剤を添加して、全量を10質量部とした。
表1中、「アルミナ一水和物」としては、ベーマイトを用いており、「アルミナ三水和物」としては、ギブサイトを用いている。
また、「PEG」はポリエチレングリコールを示し、「PPG」はポリプロピレングリコールを示し、「Gly」はグリセリンを示し、「PGly」はポリグリセリンを示す。
また、「塩酸水」は、12Mの塩酸水溶液である。
(評価:静止摩擦試験)
鉄板(5×25cm)を複数準備し、実施例及び比較例で得られたサンプルを、付与量が30mg/mとなるように別々の鉄板にそれぞれ付与した。
次に、各鉄板上のサンプルを100℃のホットプレートで5分加熱し乾燥させた。
そして、各鉄板を50℃にし、鉄板のサイズに合わせて裁断したクラフト用紙を、各鉄板のサンプル上のそれぞれ載せ、ロール型プレス機0.4MPaの圧力で押圧した。なお、このときのロール型プレス機の回転速度は10cm/秒とした。
こうして、クラフト用紙にサンプルを付与した。
次に、各サンプルが付着した各鉄板のクラフト用紙をそれぞれ、端部から6cmの位置で裁断し、長片と短片とを得た。
そして、短片を錘に貼り、長片を台の上に載置し、サンプルが付着した面が互いに向かい合うように、錘を、貼り付けた短片を介して、長片の上に載置した。
この状態から、錘を5m/分のスピードで引っ張り、その際の静止摩擦力(N)を測定した。
得られた結果を表1に示す。
表1中、「静止摩擦相対値」は、比較例1で得られた静止摩擦力を100とし、それに対する相対値(%)で示している。すなわち、この値が大きいほど防滑性が優れているといえる。
また、「低下率」は、上述した静止摩擦力の評価を、同じサンプルで10回ずつ実施し、1回目の試験で得られた静止摩擦力と10回目の試験で得られた静止摩擦力との差を、1回目の試験で得られた静止摩擦力で割った値を割合で示したものである。かかる低下率は、小さいほど耐久性が優れているといえる。
(表1)
Figure 0007246630000001
表1に示す評価結果より、実施例のサンプルは、比較例のサンプルに比べ、静止摩擦相対値が大きくなることがわかった。このことから、本発明の防滑剤組成物は、防滑性に優れることが確認された。
これに加え、実施例のサンプルは、低下率も20%以下であることがわかった。このことから、本発明の防滑剤組成物は、耐久性に優れることが確認された。
本発明の防滑剤組成物は、梱包用紙の防滑剤として用いられる。また、防滑剤組成物の付与方法は、梱包用紙の抄紙工程において、汚染防止剤組成物を梱包用紙に付与する際に用いられる。また、防滑紙は、梱包用紙として用いられる。
本発明の防滑剤組成物、その付与方法及び防滑紙によれば、防滑性及び耐久性をより向上させることができる。
1・・・防滑紙
CP・・・カレンダーパート
D・・・ドライヤ
DP・・・ドライパート
F・・・フェルト
P・・・プレスロール
PP・・・プレスパート
R・・・カレンダーロール
RP・・・リールパート
S・・・スプレー
X・・・湿紙
X1・・・紙(梱包用紙)
Y・・・ワイヤー
YP・・・ワイヤーパート

Claims (5)

  1. 梱包用紙の抄紙工程で付与して用いられる防滑剤組成物であって、
    アルミナ微粒子と、湿潤剤と、結着剤とを含有し、
    前記アルミナ微粒子が、最大粒径が5~1000nmのアルミナ一水和物であり、
    前記湿潤剤が、分子内に水酸基を複数有する分子量2000以下のポリアルキレングリコール系又はポリオール系であり、
    前記結着剤が酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、ウレタン共重合体及びウレタン-アクリル酸共重合からなる群より選ばれる少なくとも1種である防滑剤組成物。
  2. 梱包用紙の抄紙工程で付与して用いられる防滑剤組成物であって、
    アルミナ微粒子と、湿潤剤と、結着剤と、分散安定化剤とを含有し、
    前記アルミナ微粒子の最大粒径が5~1000nmであり、
    前記湿潤剤が、分子内に水酸基を複数有する分子量2000以下の水溶性化合物であり、
    前記アルミナ微粒子1質量部に対する前記分散安定化剤の配合量が0.005~0.8質量部である防滑剤組成物。
  3. 前記アルミナ微粒子1質量部に対する前記湿潤剤の配合量が0.1~10質量部であり、
    前記アルミナ微粒子1質量部に対する前記結着剤の配合量が0.01~3質量部である請求項1又は2記載の防滑剤組成物。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の防滑剤組成物を、前記梱包用紙の少なくとも一方の面に付与する防滑剤組成物の付与方法。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の防滑剤組成物を、前記梱包用紙の少なくとも一方の面に付与して形成されたものであり、
    前記防滑剤組成物の固形分の付与量が、0.3~900mg/mである防滑紙。
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