JP7246212B2 - 消耗材交換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を処理する装置内に充填された消耗材を交換する方法に関する。
液体を処理する処理装置として、容器の形態である装置内に消耗材が充填されてその消耗材に液体を接触させることによって液体の処理を行うものがある。そのような装置として、例えば、消耗材としてイオン交換樹脂を有するイオン交換装置、脱気膜を有する膜脱気装置、精密ろ過膜を有する精密ろ過膜装置、活性炭を有する活性炭装置などがある。これらの装置における消耗材は、装置が所期の性能を達成できなくなったとき、あるいは一定の交換間隔が経過したときに交換される必要がある。このような装置での処理対象となる液体は、市水や井水の場合もあるが、有機溶剤そのものである場合や、水と有機溶剤との混合液などの場合もある。
水と有機溶剤との混合液に対する処理の例として、水とN-メチル-2-ピロリドン(以下、NMPと略記する)との混合液すなわちNMP水溶液を対象としたものがある。NMPは、水と任意割合で混和する性質を有し、例えばリチウムイオン二次電池の製造工程において電極活物質などの粒子を分散させたスラリーを電極集電体上に塗布し乾燥させて電極を形成する際に、スラリーの分散媒として広く用いられている。スラリーを乾燥させる際にNMPをNMP水溶液の形態で回収することができ、回収したNMPは、精製工程を経て再利用することができる。NMP水溶液の精製工程では、例えば、イオン交換処理、膜脱気処理、精密ろ過処理などが行われる。例えば、特許文献1は、脱水したNMPをイオン交換樹脂に通液してNMPを精製することを開示している。特許文献2は、NMPを70~99質量%程度含むNMP水溶液を精密ろ過膜装置、膜脱気装置及びイオン交換装置で処理することや、NMPの酸化を防ぐためにNMP水溶液の貯槽に窒素(N2)ガスを充填することを開示している。
特開2014-144936号公報 国際公開第2018/207431号
消耗材が充填されて液体を処理する装置においてその消耗材を交換するためには、既に装置内に存在する処理対象の液体を排出する必要がある。従来は、容器形態の装置の底部に設けられた排出弁(ドレン弁)を開けて重力により液体を装置外に排出していた。このとき、作業者などが処理対象の液体に接触するおそれがある。処理対象の液体が、例えばNMPなどの有機溶剤を含む液体であるときは、排出弁から排出される液体に作業者が触れないようにする必要があり、作業者が有機溶剤の蒸気を吸入しないようにする必要がある。処理対象の液体を外部環境に排出する場合には、その液体の廃液処理費用がかかるほか、処理対象の液体が高価なものであるときは、その分の経済的なロスにもつながる。
本発明の目的は、消耗材が充填されて液体を処理する装置における消耗材の交換方法であって、消耗材の交換に先立って装置から処理対象の液体を排出する際に、その液体に接触することなどのリスクを低減しつつ、その液体を回収して再利用することが可能な交換方法を提供することにある。
本発明の消耗材交換方法は、液体を処理する装置内に充填された粒状の消耗材を交換する消耗材交換方法であって、装置の上部から装置内に気体を導入して、装置内に残存する液体を気体によって押し出し装置の下部から排出させて回収し、装置から液体を排出した後、装置に分散用液体を導入して消耗材をスラリーとし、スラリーを装置の下部から排出させてスラリーを消耗材と分散用液体に分離し、分離された消耗材を回収し、分離された分散用液体を装置に循環させる
本発明によれば、消耗材の交換に先立って装置から処理対象の液体を排出する際に、その液体に接触することなどのリスクを低減しつつ、その液体を回収して再利用することが可能になる。
精製システムの構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の一形態の消耗材交換方法を説明する図である。 消耗材の回収方法を説明する図である。 消耗材の回収方法を説明する模式図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明に基づく消耗材交換方法は、例えば、イオン交換装置、膜脱気装置、精密ろ過膜装置、活性炭装置など、液体に対する処理を行う装置に適用されるものである。このような装置は、例えば、液体を精製するシステムなどにおいて広く用いられている。そこでまず、本発明に基づく消耗材交換方法が適用される装置を含むシステムの一例として、有機溶剤を精製するために用いられる精製システムについて説明する。図1は、本発明が適用される装置を含む精製システム1の概略構成の一例を示している。図中、CWは冷却水を、BR1,BR2はブラインを、STは高温蒸気を意味する。
図1に示す精製システム1によって精製可能な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2-プロパノールなどのアルコール類の他、大気圧(0.1013Mpa)での沸点が水の沸点(100℃)よりも高く、好ましくは大気圧下での沸点が浸透気化膜装置の一般的な運転温度である120℃であるかそれ以上である有機溶剤が挙げられる。このような有機溶剤の例を表1に示す。
Figure 0007246212000001
以下では、有機溶剤がNMPであるとして、NMP水溶液を精製する場合を例に挙げて精製システム1を説明する。精製システム1は、NMP水溶液から微粒子、溶存酸素、イオン成分等を除去する第1のサブシステム100と、微粒子、溶存酸素、イオン成分等が除去されたNMP水溶液から浸透気化膜装置によって水分のほとんどを除去してNMP濃縮液を生成する第2のサブシステム200と、NMP濃縮液を蒸留してNMP精製液を生成する第3のサブシステム300と、を有している。以下、個々のサブシステムの構成を説明する。
(第1のサブシステム100)
第1のサブシステム100は、上述のようにして回収された処理対象のNMP水溶液を受け入れる受入部101を有している。NMP水溶液は、水スクラバーなどのNMP回収手段(図示せず)と接続された第1のNMP水溶液供給ラインL101によって、受入部101すなわち原液タンクに供給される。受入部101は複数の容器(第1~第3の容器101a,101b,101c)を有し、これらの容器101a,101b,101cは精製システム1に供給されるNMP水溶液の原液の受け入れ、分析、移送などの目的に応じて切替え可能とされている。分析の結果問題がなければ、NMP水溶液は後段に移送されて精製処理を受け、精製処理に適さない場合は廃液槽(図示せず)に移送される。受入部101は第2のNMP水溶液供給ラインL102を介して、NMP水溶液に含まれる微粒子を除去する第1の精密ろ過膜装置102と接続されている。第2のNMP水溶液供給ラインL102上にはNMP水溶液を圧送するポンプ107が設けられている。第1の精密ろ過膜装置102は膜脱気装置103(後述)の上流に設けられているが、膜脱気装置103の下流、すなわち膜脱気装置103とイオン交換装置104(後述)との間に設けられてもよく、あるいは、膜脱気装置103の上流と、膜脱気装置103とイオン交換装置104との間の両方に設けられてもよい。
第1の精密ろ過膜装置102は第3のNMP水溶液供給ラインL103を介して、NMP水溶液の溶存酸素を除去する膜脱気装置103と接続されている。後述するように、NMP水溶液は浸透気化膜装置201に導入される前に120℃程度まで加熱される。120℃程度まで加熱されたNMP水溶液では、NMP水溶液中に含まれる溶存酸素が過酸化水素になり、この過酸化水素がNMPを酸化させ、劣化させる可能性がある。予めNMP水溶液中の溶存酸素を除去することによって、NMPの酸化を抑制することができる。溶存酸素の濃度を監視するため、膜脱気装置103の入口ラインL103と出口ラインL104には溶存酸素計(図示せず)が設けられている。また、膜脱気装置103の入口ラインL103には水分濃度計と比抵抗計(ともに図示せず)が設けられている。受入部101の下流のポンプ107と第1の精密ろ過膜装置102との間にはヒータ108が設けられている。ヒータ108には高温蒸気が供給され、高温蒸気によってNMP水溶液を加熱する。蒸気配管には高温蒸気の流量を調整する流量調整弁V103が設けられている。
膜脱気装置103の脱気膜は、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリウレタン、エポキシ樹脂などから形成することができる。NMPは一部の有機材料を溶解させる性質があるため、脱気膜はポリオレフィン、PTFEまたはPFAで形成することが好ましい。脱気膜は非多孔性であることが好ましい。中空糸状の脱気膜の内部を流れるNMP水溶液の溶存酸素が、真空ポンプ109によって負圧にされた脱気膜の外部に移動することによって、脱気、すなわち溶存酸素の除去が行われる。なお、脱気膜の外側(ガス透過側)に窒素ガス等の不活性ガスをスウィープして酸素分圧を下げてもよく、真空法とスウィープ法を併用してもよい。
膜脱気装置103は第4のNMP水溶液供給ラインL104を介して、NMP水溶液のイオン成分を除去するイオン交換装置104と接続されている。イオン交換装置104にはアニオン交換樹脂もしくはカチオン交換樹脂が単床で、または、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂が混床もしくは複層床で充填されている。なお、イオン交換樹脂の種類は、ゲル型、MR型のいずれでもよい。イオン交換装置104は第5のNMP水溶液供給ラインL105を介して第2の精密ろ過膜装置105と接続されている。第2の精密ろ過膜装置105はイオン交換装置104から流出する可能性のある樹脂を捕捉し、樹脂の下流への流出を防止する。第2の精密ろ過膜装置105は第6のNMP水溶液供給ラインL106を介して、1次処理液槽106と接続されている。1次処理液槽106は、第1の精密ろ過膜装置102、膜脱気装置103、イオン交換装置104及び第2の精密ろ過膜装置105で処理されたNMP水溶液を受け入れ、受け入れたNMP水溶液を浸透気化膜装置201に供給する。以下、1次処理液槽106に貯留され、浸透気化膜装置201に供給されるNMP水溶液を1次処理液という場合がある。
イオン交換装置104の入口ラインL104と出口ラインL105には比抵抗計(図示せず)が設けられている。イオン交換装置104で処理されたNMP水溶液の比抵抗が所定の値より小さい場合、すなわちイオン成分が十分に除去されないときは、イオン交換装置104を通るループに沿ってNMP水溶液を循環させることができる。具体的には、第5のNMP水溶液供給ラインL105から分岐して受入部101に接続された戻りラインL107が設けられている。通常は第5のNMP水溶液供給ラインL105の弁V101が開けられ、戻りラインL107の弁V102が閉じられているが、NMP水溶液の比抵抗が所定の値より小さい場合は第5のNMP水溶液供給ラインL105の弁V101を閉じ、戻りラインL107の弁V102を開く。これによって、受入部101、第1の精密ろ過膜装置102、膜脱気装置103、イオン交換装置104を通る循環ループが形成される。NMP水溶液がこの循環ループに沿って流れることで、NMP水溶液に含まれるイオン成分が十分に除去される。
なお、前述の膜脱気装置103で処理されたNMP水溶液の溶存酸素が所定の値より大きい場合、すなわち溶存酸素が十分に除去されないときも、前述のイオン交換装置104を通るループに沿ってNMP水溶液を循環させることができる。これにより、NMP水溶液に含まれる溶存酸素も十分に除去される。
(第2のサブシステム200)
微粒子と溶存酸素とイオン成分が除去され1次処理液槽106に貯蔵された1次処理液は次に第2のサブシステム200に供給され、ほとんどの水分が除去されたNMP濃縮液が生成される。1次処理液槽106は第7のNMP水溶液供給ラインL201を介して、浸透気化膜装置201に接続されている。第7のNMP水溶液供給ラインL201にはポンプ224と弁V201が設けられている。第7のNMP水溶液供給ラインL201には外部蒸気を用いた第1のヒータ205と、第1のヒータ205の上流(一次側)に位置する廃熱回収熱交換器206と、が設置されており、これらの第1のヒータ205及び廃熱回収熱交換器206によってNMP水溶液は120℃程度まで加熱される。浸透気化膜装置201に供給されるNMP水溶液を120℃程度まで加熱することで、浸透気化膜装置201の脱水性能を高めることができる。廃熱回収熱交換器206は、第7のNMP水溶液供給ラインL201を流れるNMP水溶液と、NMP濃縮液排出ラインL204を流れるNMP濃縮液との間で熱交換を行う。第1のヒータ205は外部の蒸気源(図示せず)から供給される高温蒸気によってNMP水溶液を加熱する。第1のヒータ205の蒸気供給ラインには蒸気供給量を調整するための弁V202が設けられている。第1のヒータ205の下流には温度警報表示器223が設けられている。温度警報表示器223で検出された温度に基づき弁V202の開度が調整され、NMP水溶液の温度が120℃程度に制御される。第7のNMP水溶液供給ラインL201の廃熱回収熱交換器206の上流には流量警報表示器225が設けられている。流量警報表示器225で検出された流量に基づき弁V201の開度が調整され、NMP水溶液の流量が所定の範囲内に制御される。
浸透気化膜装置201は直列に接続された複数の浸透気化膜モジュール202~204を有している。本実施形態では3台の浸透気化膜モジュール、すなわち上流から下流に向けて第1の浸透気化膜モジュール202、第2の浸透気化膜モジュール203、第3の浸透気化膜モジュール204が直列に接続されているが、台数は3台に限定されない。第1の浸透気化膜モジュール202は第1の接続ラインL202を介して第2の浸透気化膜モジュール203に接続されている。第2の浸透気化膜モジュール203は第2の接続ラインL203を介して第3の浸透気化膜モジュール204に接続されている。第1~第3の浸透気化膜装置202,203,204は分離膜(浸透気化膜)202c、203c、204cによって、上流側の濃縮室202a,203a,204aと下流側の透過室202b,203b,204bとに区画されている。分離膜202c,203c,204cは水に対する親和性を有しているため、水をNMPよりも大きな透過速度で分離膜202c,203c,204cを透過させる。透過室202b,203b,204b側を負圧とすることで、透過速度の大きい水が透過速度の小さい少量のNMPともに蒸気(気相)の形態で透過室202b,203b,204bに移動し、ほとんどのNMPは濃縮室202a,203a,204aに残存する。この原理を用いてNMP水溶液から水分の一部が除去され、NMP水溶液の濃縮液が生成される。第3の浸透気化膜モジュール204の出口では、NMP濃度が99.99%程度まで高められたNMP濃縮液(水分は0.01%未満)が得られる。
NMP水溶液は第1~第3の浸透気化膜モジュール202,203,204を順次流通し、徐々にNMP水溶液中の水分が除去される。水分の除去効率を維持するため、第1の接続ラインL202と第2の接続ラインL203にはそれぞれ、第2のヒータ207と第3のヒータ208が設けられている。第2及び第3のヒータ207,208は第1のヒータ205と同様、熱交換器であり、外部の蒸気源から供給される高温蒸気によってNMP水溶液を120℃程度まで加熱する。第2及び第3のヒータ207,208の蒸気供給ラインにはそれぞれ、蒸気供給量を調整するための弁V203,V204が設けられている。第3の浸透気化膜モジュール204から排出されたNMP濃縮水はNMP濃縮液排出ラインL204を通って第3のサブシステム300の中継槽301に供給される。上述のように、NMP濃縮液排出ラインL204を流れるNMP濃縮液は、廃熱回収式熱交換器206によって、第7のNMP水溶液供給ラインL201を流れるNMP水溶液との間で熱交換を行い、NMP水溶液を予熱する。
NMP濃縮液排出ラインL204から分岐して1次処理液槽106に接続されるNMP濃縮液の戻りラインL215が設けられている。通常はNMP濃縮液排出ラインL204の弁V205が開かれ、戻りラインL215の弁V206が閉じられ、NMP濃縮液は中継槽301に供給される。一方、中継槽301にNMP濃縮液を供給できない場合などは弁V205が閉じられ、弁V206が開かれて、NMP濃縮液が1次処理液槽106に戻される。なお、NMP濃縮液を1次処理液槽106に返送する場合は、戻りラインL215に設けられた冷却器226によって、NMP濃縮液の温度がNMP水溶液(1次処理液)の温度と同程度になるように冷却水により冷却する。
第1~第3の浸透気化膜モジュール202,203,204の透過室202b,203b,204bはそれぞれ第1~第3の透過液排出ラインL206,L209,L212によって第1~第3の透過液タンク214,215,216に接続されている。第1~第3の透過液タンク214,215,216の上部には、透過室202b,203b,204bに負圧を印加し、透過室202b,203b,204bの内部を負圧に維持可能な第1~第3の真空ポンプ217,218,219が設けられている。気相の水と少量のNMPは冷却水またはブラインによって凝縮され、透過液となって第1~第3の透過液タンク214,215,216の底部に収集される。第1~第3の透過液タンク214,215,216は透過液を一時的に貯蔵することができる。具体的には、冷却水CW及びブラインBR1,BR2はそれぞれ、第1~第3の透過液タンク214,215,216の周囲を覆う冷却ジャケット(図示せず)を流れて気相の水及びNMPを保冷し、さらに冷却ラインL207,L210、L213を通って、第1~第3の透過液排出ラインL206,L209,L212に設けられた第1~第3の熱交換器211,212,213に供給され、気相の水及びNMPを凝縮する。ブラインBR1,BR2の温度は0~-20℃程度が好ましい。
第1~第3の熱交換器211,212,213はそれぞれ、第1~第3の透過液排出ラインL206,L209,L212を介して第1~第3の浸透気化膜モジュール202,203,204の透過室202b,203b,204bと連通している。第1~第3の熱交換器211,212,213は、透過室202b,203b,204bに透過した透過蒸気を冷却し、凝縮して、透過液を生成する冷却器である。透過室202b,203b,204bは第1~第3の熱交換器211,212,213の下流で第1~第3の透過液タンク214,215,216と連通している。
第1~第3の透過液タンク214,215,216の底部にはそれぞれ第1~第3の透過水排出ラインL208,L211,L214が接続されている。第1~第3の透過液タンク214,215,216の上部にはそれぞれ、後述する不活性ガス供給母管L401から分岐した不活性ガス供給ラインL406A,406B,406Cが接続されている。凝縮された水と少量のNMPは第1~第3の透過液タンク214,215,216に一時的に貯蔵され、不活性ガス供給ラインL406A,406B,406Cから供給される不活性ガスで第1~第3の透過液タンク214,215,216の内部を加圧することによって、第1~第3の透過液タンク214,215,216から排出される。第1の透過液タンク214から排出された透過水は廃液槽に排出され、第2~第3の透過液タンク215,216から排出された透過水は後述するように再利用される。
第1の透過液タンク214に収集された気相の水と少量のNMPを冷却した冷却水CWは第1の冷却水排出ラインL220に排出される。第1の冷却水排出ラインL220を流れる冷却水の一部は、第1の冷却水排出ラインL220から分岐した冷却水排出ラインL221を通って、第2の透過水排出ラインL211に設けられた熱交換器220に供給され、第2の透過水排出ラインL211を流れるNMPを含む透過水を加熱する。冷却水の残りは、第3の透過水排出ラインL214に設けられた熱交換器221に供給され、第3の透過水排出ラインL214を流れるNMPを含む透過水を加熱する。第2及び第3の透過水排出ラインL211,L214の熱交換器220,221の下流には水分濃度、流量などを計測する計測器222,223が設けられている。
最上流の浸透気化膜モジュール、すなわち第1の浸透気化膜モジュール202はCHA型、T型、Y型またはMOR型のゼオライトからなる浸透気化膜202cを有している。最上流の浸透気化膜モジュール以外の浸透気化膜モジュール、すなわち第2及び第3の浸透気化膜モジュール203,204はA型ゼオライトからなる浸透気化膜203c,204cを有している。A型ゼオライトは、比較的安価で脱水性能が高いものの、水分濃度が高いNMP水溶液を処理する場合に、リークや性能低下が生じやすい。これに対し、A型以外のゼオライトは上述の環境でより長期間性能を保持することができる。このため、10~20重量%の水を含有するNMP水溶液を処理する第1の浸透気化膜モジュール202の浸透気化膜202cはCHA型、T型、Y型またはMOR型のゼオライトを用い、水分含有量の少ないNMP水溶液を処理する第2及び第3の浸透気化膜モジュール203,204の浸透気化膜203c,204cはA型ゼオライトを用いている。なお、第1の浸透気化膜モジュール202を構成する複数の浸透気化膜のすべてがCHA型、T型、Y型またはMOR型のゼオライトからなっている必要はなく、一部の膜がA型ゼオライトからなっていてもよい。
第3の透過液排出ラインL212には冷却器209とメカニカルブースターポンプ210が設けられている。冷却器209は第3の浸透気化膜モジュール204から排出された透過液を予冷する。メカニカルブースターポンプ210および冷却器209は第3の浸透気化膜モジュール204の透過室204bに大きな負圧を印加するために設けられている。第3の浸透気化膜モジュール204に供給されるNMP水溶液の水分含有量は非常に少ないため、第3の真空ポンプ219に加えてメカニカルブースターポンプ210で十分な負圧を印加することで、水をNMP水溶液から効率的に分離することができる。冷却器209及びメカニカルブースターポンプ210は省略することができる。また、冷却器209とメカニカルブースターポンプ210との間に、冷却器209で凝縮された透過水を貯留するためのポッド(図示せず)を設けることもできる。
第2及び第3の浸透気化膜モジュール203,204の透過液は浸透気化膜装置201の上流側に回収される。具体的には第2及び第3の透過液排出ラインL211,L214は透過液回収ラインL205に接続され、透過液回収ラインL205は1次処理液槽106に接続されている。第2及び第3の透過液排出ラインL211,L214から排出される透過液は第1の透過液排出ラインL208から排出される透過液と比べNMPの含有量が高いため、これを回収することで、NMPの回収率を高めることができる。透過液が回収される浸透気化膜モジュールは第2及び第3の浸透気化膜モジュール203,204に限定されず、少なくとも最下流の浸透気化膜モジュール(第3の浸透気化膜モジュール204)の透過液が浸透気化膜装置201の上流側に回収されればよい。透過液は受入部101に回収してもよく、透過液回収ラインL205に分岐ライン(図示せず)を設けることによって、1次処理液槽106と受入部101とに選択的に回収してもよい。
(第3のサブシステム300)
第2のサブシステム200で生成されたNMP濃縮液は、ほとんどの水分が除去されている。しかし、NMP濃縮液は色度成分や浸透気化膜モジュールから溶出した浸透気化膜202c,203c,204cの微粒子およびイオン成分をわずかに含むため、さらに浸透気化膜装置201の下流に位置する第3のサブシステム300で蒸留されてNMP精製液が生成される。第3のサブシステム300はNMP濃縮液を蒸留し凝縮することによってNMPの精製液を生成することから、NMP濃縮液の蒸留精製装置として機能する。なお、以下に述べる第3のサブシステム300は単蒸留方式を用いているが、NMP濃縮液を蒸留することが可能な限り蒸留方法は限定されない。例えば、精密蒸留方式を用いることもできる。ただし、エネルギー消費が少ないこと、装置サイズが小さいこと、操作が簡単であることなどの理由から単蒸留方式が好ましい。また、単蒸留方式の中でも、本実施形態で用いている減圧単蒸留方式は熱劣化を防止できる観点から特に望ましい。
前述のように、NMP濃縮液は一旦中継槽301に貯留される。第3のサブシステム300は第2のサブシステム200から独立したサブシステムであり、例えば、第2のサブシステム200の運転中に第3のサブシステム300の運転を一時的に停止するといった運用がなされることがある。このため、中継槽301を設けることで、第2のサブシステム200と第3のサブシステム300を、互いの独立性を維持しながらより弾力的に運用することが可能となる。中継槽301は第1のNMP濃縮液供給ラインL301を介して再生器302に接続されている。第1のNMP濃縮液供給ラインL301にはポンプ306と弁V301が設けられている。再生器302は熱交換器であり、後述する蒸発缶303で蒸発したNMP濃縮液(以下、NMP精製ガスという)との間で熱交換を行う。これによって、蒸発缶303の熱負荷を低減することができる。再生器302は第2のNMP濃縮液供給ラインL302を介して蒸発缶303に接続されている。蒸発缶303は外部の蒸気源(図示せず)から供給される高温蒸気によってNMP濃縮液を加熱し蒸発させる。蒸発缶303の蒸気供給ラインには蒸気供給量を調整するための弁V302が設けられている。蒸発缶303の底部には高温の液相のNMP濃縮液が滞留し、その上部に微粒子が除去された気相のNMP精製ガスが形成される。液相のNMP濃縮液に含まれる色度成分も蒸発しにくいため、蒸発缶303の底部に蓄積される。なお、本実施形態における蒸発缶303としては、液膜流下式の蒸発缶を例に挙げて以下に説明するが、液膜流下式以外の蒸発缶、例えばフラッシュ式、カランドリア式などの蒸発缶を用いてもよい。蒸発缶303の底部と頂部には循環ラインL303が接続されており、蒸発缶303を含む循環経路が循環ラインL303によって形成されている。循環経路上では、液相のNMP濃縮液を取り出して蒸発缶303に戻し、液膜流下にて再度加熱するサイクルが繰り返される。蒸気取り出し缶304(後述)の底部には、循環ラインL303と合流するNMP濃縮液取り出しラインL306が設けられている。蒸気取り出し缶304の底部に滞留するNMP濃縮液も、NMP濃縮液取り出しラインL306と循環ラインL303を通って蒸発缶303に戻され、再度加熱される。循環ラインL303には循環ポンプ307と弁V303が設けられている。循環ラインL303からは、弁V304が設けられたNMP濃縮液の不純物排出ラインL309が分岐している。
蒸発缶303のNMP精製ガスは蒸発缶303の気相部から取り出され、第1のNMP精製ガス取り出しラインL304によって蒸気取り出し缶304に取り出される。蒸気取り出し缶304は第2のNMP精製ガス取り出しラインL305を介して再生器302と接続されている。NMP精製ガスの熱は再生器302で液相のNMP濃縮液と熱交換される。再生器302を出たNMP精製ガスはさらに第3のNMP精製ガス取り出しラインL307によってコンデンサ305に導入され、冷却水CWによって凝縮されてNMP精製液となる。コンデンサ305の内部では底部にNMP精製液が貯留され、その上はNMP精製ガスからなる気相部となっている。コンデンサ305の気相部は、負圧ラインL310によって真空ポンプ309と連通しており、コンデンサ305の気相部は真空ポンプ309によって負圧にされる。蒸発缶303を含む第3のサブシステム300の気相部も真空ポンプ309によって負圧にされ、蒸発缶303において減圧蒸発が行われる。これによって、NMP濃縮液の蒸発が促進される。負圧ラインL310のコンデンサ305と真空ポンプ309との間にはガスクーラ310が設けられ、コンデンサ305から真空ポンプ309に排出される、NMP精製ガスを含む気体が冷却される。コンデンサ305の冷却水はコンデンサ305と接続された冷却水排水ラインL311に排出される。冷却水排水ラインL311には熱交換器311が設けられており、不純物排出ラインL309を流れるNMP濃縮液が、排出される前に熱交換器311で冷却される。
コンデンサ305の出口にはNMP精製液取り出し配管L308が接続されている。NMP精製液は、NMP精製液取り出し配管L308に設けられたポンプ308によって、払出し部311に送られる。払出し部311は受入部101と同様、複数の容器(第1~第3の容器311a,311b,311c)を有し、これらの容器311a,311b,311cは精製システム1から払い出されるNMP精製液の受け入れ、分析、移送などの目的に応じて切替え可能とされている。分析の結果問題がなければ、NMP精製液は排出ラインL312を通ってリチウムイオン二次電池の製造システムに移送され、当該製造システムで再利用される。問題がある場合は、NMP精製液は廃液槽(図示せず)に移送される。
(不活性ガス供給手段)
本実施形態の精製システム1はさらに、容器の気相部を不活性ガスで充填する不活性ガス供給手段を備えている。上述のように、浸透気化膜装置201の上流及び下流にはNMP水溶液、NMP濃縮液またはNMP精製液が貯留される様々な容器が設けられている。これらの容器のいくつかは、内部にNMP水溶液、NMP濃縮液またはNMP精製液と、気相部との界面が形成される。この条件を満たす容器として以下が挙げられる。
(1)NMP水溶液の受入部101の第1~第3の容器101a,101b,101c
(2)1次処理液槽106
(3)中継槽301
(4)再生器302
(5)蒸発缶303
(6)蒸気取り出し缶304
(7)コンデンサ305
(8)NMP精製液の払出し部311の第1~第3の容器311a,311b,311c
従来の容器(不活性ガス供給手段に関する以下の記載では、容器は容器101a,101b,101c,106,301~305,311a,311b,311cを意味する)の気相部は空気で形成されていた。しかし、発明者はこれらの容器に空気が充填されている場合、NMPが気相部の空気と結合して、NMPの過酸化物(NMP-O-O-H;5-ハイドロパーオキソ-1-メチル-2-ピロリドン)が生成されることを見出した。NMPの過酸化物は蓄積されると爆発の可能性がある。そこで、本実施形態ではこれらの容器に不活性ガス供給手段を設けている。不活性ガスとしては窒素ガスが好ましく、アルゴンガスを用いることもできる。不活性ガス供給手段は以下に述べる不活性ガス供給母管L401と、母管L401から分岐し各容器に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、各不活性ガス供給ライン上に設置されたガスシールユニット、とから構成される。
具体的には不活性ガスの供給源(図示せず)に不活性ガス供給母管L401が接続され、不活性ガス供給母管L401と受入部101、1次処理液槽106、中継槽301、払出し部311がそれぞれ不活性ガス供給ラインL402,L403,L404,L407で接続されている。不活性ガス供給ラインL402,L403,L404,L407は容器の頂部に接続されている。不活性ガス供給ラインL402,L403,L404,L407にはそれぞれガスシールユニットU402,U403,U404,U405が設けられている。さらに、コンデンサ305(より正確にはガスクーラ310)と真空ポンプ309との間の負圧ラインL310にスウィープ用の不活性ガス供給ラインL405が接続されている。不活性ガスは不活性ガス供給ラインL405からコンデンサ305に供給され、さらにラインL307,L302,L304,L305を通って再生器302、蒸発缶303及び蒸気取り出し缶304にも不活性ガスが供給される。図示は省略するが、再生器302、蒸発缶303、蒸気取り出し缶304にも、同様の真空ポンプとスウィープ用の不活性ガス供給ラインを設けることができる。
不活性ガスは精製システム1が最初に稼動する際に容器に充填される。このとき、容器の内部は空気で満たされているため、ガスシールユニットU402,U403,U404,U405を通して不活性ガスを容器に送り込み、容器の内部の空気を強制的に不活性ガスに置換する。ガスシールユニットU402,U403,U404,U405は、下流側の容器の圧力が低下すると自動的に開き、不活性ガスを容器に充填するようにされている。従って、容器内のNMP水溶液、NMP濃縮液及びNMP精製液の量が低下すると容器の圧力が下がり、ガスシールユニットU402,U403,U404,U405を介して不活性ガスが容器に補充される。他のガスシールユニットについても同様である。
容器に不活性ガスを充填することで、NMP過酸化物の爆発の可能性を低減できるだけでなく、容器内のNMP水溶液、NMP濃縮液及びNMP精製液に溶け込む水分量および溶存酸素量を抑えることができる。この結果、浸透気化膜モジュールの負荷を軽減することができる。また、容器内に酸素がほとんど存在しないため、NMP水溶液、NMP濃縮液及びNMP精製液の酸化を防止する効果も得られる。
次に、図1に示す精製システム1における消耗材の交換について説明する。精製システム1において、精密ろ過膜装置102,105と膜脱気装置103とイオン交換装置104は、いずれも、容器の形態である装置内に消耗材が充填されてその消耗材に液体を接触させることによって液体の処理を行うものである。例えばイオン交換装置104では、イオン交換樹脂が充填され、NMP水溶液をイオン交換樹脂に接触させることによってNMP水溶液中のイオン性不純物を除去する処理が行なわれる。イオン交換樹脂はそのイオン交換容量を超えてイオン性不純物を吸着除去することはできないから、適切なタイミングでイオン交換装置104内のイオン交換樹脂を交換する必要がある。以下では、図1に示す精製システム1のイオン交換装置104に充填されたイオン交換樹脂の交換に、本発明に基づく消耗材交換方法を適用した例を説明する。
図2は、本発明の実施の一形態の消耗材交換方法を説明する図であって、図1に示す精製システム1におけるイオン交換装置104の部分を詳細に示している。ここではシステムの稼働率の向上などを目的として、2つのイオン交換装置を並列に配置し、一方のイオン交換装置においてNMP水溶液からのイオン性不純物の除去を行いつつ、他方のイオン交換装置において消耗材であるイオン交換樹脂の交換を行い、2つのイオン交換装置により交互にイオン交換処理を行うことによって全体としては連続して処理を行えるようにしている。また、必要に応じて、2つのイオン交換装置を直列に接続してNMP水溶液をこれら2つのイオン交換装置に通液できるようになっている。そのため、図2に示す例では、それぞれが1つのイオン交換装置104を備える2つの処理ユニット500A,500Bが設けられている。そして、イオン交換装置104の直列接続を可能にするために、処理ユニット500A,500Bに共通の共通ラインL160が設けられている。上記で説明した図1では示されていなかったが、各処理ユニット500A,500Bには、不活性ガス供給母管L104から窒素ガスが供給されるようになっている。また、第5のNMP水溶液供給ラインL105のうち、弁V101とその後段の精密ろ過膜装置105との間の部分を供給ラインL151と表すこととする。図1には示していないが、イオン交換装置104をバイパスするために、第4のNMP水溶液供給ラインL104と供給ラインL151とを短絡するバイパス弁V152が設けられ、戻りラインL107には、NMP水溶液の逆流を防ぐための逆止弁V153が設けられている。
第1の処理ユニット500Aと第2の処理ユニット500Bの構成は同一であるので、ここでは第1の処理ユニット500Aの構成を説明する。処理ユニット500Aに設けられるイオン交換装置104は、その塔頂部に接続する入口配管505を備えており、入口配管505には、大気に連通する大気連通弁506と、不活性ガス供給母管L104に接続する不活性ガス導入弁507とが設けられている。入口配管505を介してNMP水溶液をイオン交換装置104に供給するために、入口配管505には、フレキシブル管や拡大管からなる接続部材504の出口端も接続する。接続部材504の入口端は、弁501を介して前段の膜脱気装置103からの第4のNMP水溶液供給ラインL104に接続するとともに、弁502を介して共通ラインL160に接続する。イオン交換装置104内のイオン交換樹脂が入口配管505内に入り込まないように、イオン交換装置104における入口配管505の接続部には、適切なフィルタが設けられている。イオン交換装置104には、リリーフ弁508も取り付けられている。
イオン交換装置104の塔底部には、ドレン弁511が取り付けられている。ドレン弁511としては、イオン交換装置104内の粒状のイオン交換樹脂が通過可能なように、ボール弁が用いられる。さらにイオン交換装置104の下部には、上述した第5のNMP水溶液供給ラインL105が接続している。イオン交換装置104では、その内部のイオン交換樹脂が第5のNMP水溶液供給ラインL105側には流出しないように、第5のNMP水溶液供給ラインL105の取り付け位置において適切なフィルタが設けられている。第5のNMP水溶液供給ラインL105には、弁514を介してサンプリングポイントSが接続し、弁512を介して圧力センサ513が接続し、さらに、通過するNMP水溶液の導電率を計測してアラームを発生する導電率警報センサ515も設けられている。第5のNMP水溶液供給ラインL105は、上述した弁V102を介して戻りラインL107に接続している。第5のNMP水溶液供給ラインL105において弁V101より手前側の位置には拡大管516が配置し、拡大管516と弁V101との中間の位置から分岐して共通ラインL160に接続する配管が設けられ、この配管には弁517が設けられている。
図2において、第2の処理ユニット500Bに設けられるイオン交換装置500BによってNMP水溶液のイオン交換処理を行うときのNMP水溶液の流れが、破線の矢印で示されている。この場合、第1の処理ユニット500Aにおいて弁501,502,507517,V101,V102は閉じられる。第2の処理ユニット500Bでは、弁501,512,V101が開けられ、残りの弁は閉じられる。バイパス弁V152も閉じられる。第1の処理ユニット500Aを前段とし第2の処理ユニット500Bを後段として2つのイオン交換装置104を直列接続してイオン交換処理を実行するときは、バイパス弁V152を閉じ、第1の処理ユニット500Aでは弁501,512,517を開けて残りの弁を閉じ、第2の処理ユニット500Bでは弁502,512,V101を開けて残りの弁を閉じる。なお、イオン交換処理を行っているときにイオン交換装置104から排出されるNMP水溶液の分析などを行うときは、弁514を開けてサンプリングポイントSからNMP水溶液を採取すればよい。
次に、第1の処理ユニット500Aのイオン交換装置104内のイオン交換樹脂の交換について、図3を用いて説明する。このとき、第2の処理ユニット500BはNMP水溶液のイオン交換処理を続行していてよい。図3は、説明のため、第1の処理ユニット500Aに関連する部分のみを示している。
NMP水溶液のイオン交換処理を行った状態からイオン交換装置104内のイオン交換樹脂を交換する場合、イオン交換装置104内のNMP水溶液を排出しなければならない。NMP水溶液は有機溶剤であるNMPを含んでいるので、排出されたNMP水溶液への接触は避けるべきであり、また、システムの外部に排出する場合には廃液処理を経なければならない。もともと図1に示す精製システム1は、高価な有機溶剤を再利用することも目的としているから、イオン交換装置104から排出されるNMP水溶液も再利用することが望ましい。そこで本実施形態では、イオン交換装置104から排出されるNMP水溶液を図1に示した受入部101すなわち原液タンクに回収することとする。この回収の際、NMPの酸化を防ぐことが必要である。そこで本実施形態では、不活性ガス、この場合は窒素ガスによる押し出しでイオン交換装置104からNMP水溶液を排出させて受入部101に回収する。
図3において、一点鎖線で示す矢印は、不活性ガス供給母管L401からイオン交換装置104への窒素ガスの流れを示し、破線で示す矢印は、窒素ガスによってイオン交換装置104から押し出されたNMP水溶液の流れを示している。第1の処理ユニット500Aのイオン交換装置104からNMP水溶液を押し出すときは、第1の処理ユニット500Aにおいて、弁507,V102を開け、残りの弁を閉じればよい。
以上の処理により、イオン交換装置104内に残存していたNMP水溶液は原液タンクすなわち受入部101に回収されることとなり、イオン交換装置104内のNMP水溶液を精製システム1の外部に排出する必要がなくなる。その結果、例えばドレン弁511を介してイオン交換装置104内のNMP水溶液を排出することに伴ってNMP水溶液に触れることなどを防止することができ、有価物であるNMPの有効利用を図ることができる。ここでは、窒素ガスを用いてイオン交換装置104内のNMP水溶液を押し出しているが、押し出しに用いる気体は窒素ガスに限定されるものではない。処理対象の液体に対する反応性が低い不活性ガスであれば、任意の気体を使用することができる。例えば、窒素ガスの代わりにアルゴンガスを用いることができる。NMP水溶液の場合には好ましいとは言えないが、処理対象の液体が酸化しにくいものであれば、空気も押し出し用の気体として用いることができる。
イオン交換装置104内のNMP水溶液を受入部101側に回収したら、次に、イオン交換装置104内のイオン交換樹脂を取り出す。このイオン交換樹脂にはNMPなどが付着しており、取り出したイオン交換樹脂への接触を避ける必要がある。そこで本実施形態では、イオン交換樹脂が例えば直径1mm以下の粒状の物質であることに着目し、水などを分散用液体として加えてイオン交換樹脂をスラリーとし、スラリーの形態でイオン交換装置4からイオン交換樹脂を排出させて回収する。図4は、第1の処理ユニット500Aのイオン交換装置104内のイオン交換樹脂を回収する工程を説明する図である。一般に装置やタンクのドレン弁の下方には、ドレン弁から排出された液体を受け止めるためのドレンタンクやドレンピットが設けられる。本実施形態の精製システム1においても、図4に示すように、イオン交換装置104のドレン弁511の下方には、ドレンピット520が設けられ、ドレンピット520には、ドレンピット520内の液体を排出するための排出弁521が設けられている。
上述したようにイオン交換装置104からはNMP水溶液を取り除いているので、イオン交換装置104内には基本的にはイオン交換樹脂のみが存在する状態となっている。そこでイオン交換樹脂を回収する際には、弁501,502,507,511,512,514,516,517,V101,V102を閉じた状態で、大気連通弁506を介してイオン交換装置104内に純水などの水を注入する。その結果、イオン交換装置104内のイオン交換樹脂はスラリー状となる。この状態でドレン弁511を開けると、スラリー状となったイオン交換樹脂がドレン弁511から排出される。ドレン弁511の出口とドレンピット520との間に、粒状のイオン交換樹脂が通過しないような大きさの目を有するメッシュ状の袋522を配置することにより、イオン交換樹脂のみが袋522内に蓄積し、スラリーから分離した水はドレンピット520に溜まる。すなわち袋522にスラリーを導入することによって、イオン交換樹脂と水との固液分離がなされたことになる。
イオン交換装置104に対して水を1回注入しただけでは、イオン交換装置104内のイオン交換樹脂を全て回収できるとは限らない。そこで、ポンプ523を仮設し、ドレンピット520の排出弁521の出口をホース524によりポンプ523の一次側(すなわち流入側)に接続し、ポンプ523の二次側(すなわち排出側)をホース525によって大気連通弁506に接続し、ポンプ523を運転して、ドレンピット520内の水をイオン交換装置104に循環させる。図4において実線の矢印は、ポンプ523を運転したときの水やスラリーの流れを示している。ポンプ523により水を循環させた結果、最終的にはイオン交換装置104内のイオン交換樹脂の全てが袋522内に回収されることになる。
イオン交換樹脂の回収が終了したら。排出弁521を閉じるとともにポンプ523を停止し、ポンプ523やホース524,525を撤去する。ドレンピット520に溜まった水は、NMPを含んでいるので、適切な廃液処理を行ってから外部に放出してもよいし、原液タンクすなわち受入部101に供給してもよいし、次回、イオン交換樹脂の回収を行うときにイオン交換装置104内に注入するための水として保管してもよい。
ここで述べたイオン交換樹脂の回収方法によれば、スラリーとしてイオン交換樹脂をイオン交換装置104から排出し、袋522によって回収するので、イオン交換樹脂を取り出すときにイオン交換樹脂に触れる可能性を低減することができる。また、スラリーにするためにイオン交換樹脂に加える水を循環させるので、循環せずに純水などを連続的に注水するに比べ、NMPによって汚染された水の発生量を低減することができる。なお、ポンプ523は常設のものであってもよい。
イオン交換装置104からイオン交換樹脂を回収したら、次に、イオン交換装置104の蓋(不図示)などを開けて新品あるいは再生されたイオン交換樹脂をイオン交換樹脂105内に充填することにより、消耗材であるイオン交換樹脂の交換が終了する。
以上、本発明の実施の一形態の消耗材交換方法について、イオン交換装置104における消耗材であるイオン交換樹脂を交換する場合について説明したが、本発明に基づく消耗材交換方法は、イオン交換装置以外の装置にも適用可能である。例えば、膜脱気装置において脱気膜を交換する際の膜脱気装置からの処理対象の液体の除去、精密ろ過膜装置において精密ろ過膜を交換する際の精密ろ過膜装置からの処理対象の液体の除去、活性炭装置において活性炭を交換する際の活性炭装置からの処理対象の液体や活性炭の除去などに、本発明に基づく消耗材交換方法を適用することができる。処理対象の液体は、NMPと水との混合液すなわちNMP水溶液に限定されるものではない。接触したり外部環境へ放出したりすることを避けるべき液体を処理する装置において、本発明に基づく消耗材交換方法を好適に用いることができる。さらに本発明では、消耗材は、ゼオライト、合成吸着剤、キレート材などの粒状のろ(濾)材であってもよい。粒状の消耗材であれば、装置から処理対象の液体を除去した後、図4を用いて示したような手順によって、消耗材を装置から回収することができる。
104 イオン交換装置
506 大気連通弁
511 ドレン弁
520 ドレンピット
521 排出弁
522 袋
523 ポンプ
524,525 ホース
L104 第4のNMP水溶液供給ライン
L107 戻りライン
L151 供給ライン
L160 共通ライン
L401 不活性ガス供給母管

Claims (5)

  1. 液体を処理する装置内に充填された粒状の消耗材を交換する消耗材交換方法であって、
    前記装置の上部から前記装置内に気体を導入して、前記装置内に残存する液体を前記気体によって押し出し前記装置の下部から排出させて回収し、
    前記装置から前記液体を排出した後、前記装置に分散用液体を導入して前記消耗材をスラリーとし、
    前記スラリーを前記装置の下部から排出させて前記スラリーを前記消耗材と前記分散用液体に分離し、分離された前記消耗材を回収し、分離された前記分散用液体を前記装置に循環させる、消耗材交換方法。
  2. 前記気体は前記液体に対して不活性な気体である、請求項1に記載の消耗材交換方法。
  3. 前記装置から排出された液体をタンクに回収する、請求項1または2に記載の消耗材交換方法。
  4. 前記タンクは、前記装置に対して前記液体を供給するために設けられるタンクである、請求項に記載の消耗材交換方法。
  5. 前記消耗材はイオン交換樹脂である、請求項乃至のいずれか1項に記載の消耗材交換方法。
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