JP2013040868A - 放射能汚染水処理システムおよび放射能汚染水処理方法 - Google Patents

放射能汚染水処理システムおよび放射能汚染水処理方法 Download PDF

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宏好 松井
Toshikazu Miyaji
利和 宮地
Koichiro Iizuka
晃一朗 飯塚
Masanobu Noshita
昌伸 野下
Noriaki Shioda
憲明 塩田
Noboru Miyaoka
昇 宮岡
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Abstract

【課題】放射能汚染水から放射性物質を除去して汚染水を無害化する。
【解決手段】放射能汚染水処理システムは、汚染水を減圧雰囲気下で気化させて蒸発水と濃縮汚染水とに分離する蒸発処理装置10と、蒸発処理装置10で分離された蒸発水が供給され、当該蒸発水に残存する放射性物質を除去する逆浸透膜装置20とを備える。蒸発処理装置10は、汚染水が供給される蒸発器11と、蒸発器11内を減圧して、放射性物質の融点よりも低い温度で汚染水を気化させる圧縮機12と、圧縮機12から排出される圧縮蒸気が供給され、当該圧縮蒸気の有する熱を蒸発器11内の汚染水に与える蒸気移送兼伝熱管13とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚染水に含まれる放射性物質を除去するための放射能汚染水処理システムおよび放射能汚染水処理方法に関する。
従来から、汚放射性物質を含む汚染水から放射性物質を除去する方法として、蒸発濃縮による方法が知られている。例えば特許文献1に記載の脱汚染装置では、放射能汚染水を高温蒸気などで加熱して沸騰させて、汚放射性物質濃度の低い蒸気を得ている。
また、蒸発濃縮装置としては、例えば特許文献2に、溶液を減圧雰囲気下で加熱して沸騰させる蒸発濃縮装置が開示されている。特許文献2の蒸発濃縮装置では、蒸発器内を蒸気エゼクターで減圧するとともに、蒸気エゼクターで圧縮された蒸気の熱で蒸発器内の溶液を加熱して沸騰させている。この蒸気エゼクターには、蒸発器内の蒸気に加えて、駆動のための高圧蒸気が供給されるようになっている。
特公平3−36199号公報 特開2011−72858号公報
しかしながら、放射性物質の1つであるセシウムは、融点が28℃と低いため、特許文献1のように汚染水を常温よりも高い温度に加熱すると、セシウムは液化し、蒸発しやすくなる。その結果、汚染水を沸騰させて得られる水蒸気に、高濃度の放射性物質が含まれてしまう。
また、特許文献2のように蒸発器内を減圧すると溶液の沸点を下げることができるものの、特許文献2の蒸発濃縮装置は、特に放射能汚染水の処理を目的としたものではなく、溶液を常温よりも高い温度(例えば80℃)に加熱して沸騰させているため、特許文献2の蒸発濃縮装置を放射能汚染水の処理に用いた場合、蒸気中の放射性物質濃度が高くなってしまう。
また、たとえ、常温付近で沸騰するように蒸発器内の圧力を下げて、放射性物質の液化を防止したとしても、発生した蒸気によって固体状態の放射性物質の一部が運ばれてしまう場合があるため、蒸発濃縮だけでは、汚染水に含まれる放射性物質をほぼ完全に除去することができない。
そこで、本発明は、放射能汚染水から放射性物質を除去して汚染水を無害化できる放射能汚染水処理システムおよび放射能汚染装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の放射能汚染水処理システムは、汚染水に含まれる放射性物質を除去するための放射能汚染水処理システムであって、汚染水を減圧雰囲気下で気化させて蒸発水と濃縮汚染水とに分離する蒸発処理装置と、前記蒸発処理装置で分離された蒸発水が供給され、当該蒸発水に残存する放射性物質を除去する逆浸透膜装置または正浸透膜装置と、を備え、前記蒸発処理装置は、汚染水が供給される蒸発器と、前記蒸発器内を減圧して汚染水を気化させる圧縮機と、前記圧縮機から排出される圧縮蒸気が供給され、当該圧縮蒸気の有する熱を前記蒸発器内の汚染水に与える蒸気移送兼伝熱管と、を有することを特徴とする。
この構成によると、蒸発器内を減圧して、放射性物質の融点よりも低い温度で汚染水を気化させるため、汚染水中の放射性物質が液化するのを防止できる。そのため、放射性物質が蒸発するのを防止でき、水蒸気中の放射性物質濃度を低減できる。
また、圧縮機から排出された圧縮蒸気の有する熱を蒸発器内の汚染水に与えるため、気化による汚染水の温度低下を補完することができ、汚染水の温度を安定化できる。また、圧縮蒸気を汚染水との熱交換により凝縮させることができるため、圧縮蒸気を凝縮させるための冷却手段を別途設けなくて済む。
また、逆浸透膜および正浸透膜はほぼ水だけを通すため、逆浸透膜装置または正浸透膜装置を用いて蒸発水に残存する放射性物質を除去することにより、蒸発水を無害化できる。
さらに、逆浸透膜または正浸透膜に供給する蒸発水の水温が40℃以下のため、特別な冷却装置を設けることなく直接逆浸透膜または正浸透膜に供給できる。
第2の発明の放射能汚染水処理システムは、第1の発明において、前記蒸発処理装置が、複数直列に配置されており、前記蒸発処理装置で分離された蒸発水が、別の前記蒸発処理装置の蒸発器に供給されることを特徴とする。
この構成によると、処理対象となる汚染水の放射性物質濃度が高く、1つ目の蒸発処理装置で得られる蒸発水の放射性物質濃度が高くなる場合であっても、この蒸発水を別の蒸発処理装置で処理するため、最終的に確実に無害化できる。
また、蒸発処理装置を1つだけ備える場合に比べて、逆浸透膜または正浸透膜の上流側の液の放射性物質濃度を低くできるため、逆浸透膜または正浸透膜の交換作業をより安全に行うことができる。
第3の発明の放射能汚染水処理システムは、第1または第2の発明において、前記蒸気移送兼伝熱管が、前記蒸発器の外周面に取り付けられていることを特徴とする。
この構成によると、蒸気移送兼伝熱管が蒸発器の内部に配置されている場合に比べて、蒸発処理装置の構造を簡素化できる。また、蒸気移送兼伝熱管の外周面に汚染水の不純物が付着することによる劣化を防止できる。また、蒸気移送兼伝熱管のメンテナンスが容易となる。
第4の発明の放射能汚染水処理方法は、汚染水に含まれる放射性物質を除去するための放射能汚染水処理方法であって、蒸発器内を圧縮機により減圧して、前記蒸発器内の汚染水を放射性物質の融点よりも低い温度で気化させるとともに、前記圧縮機から排出される圧縮蒸気の有する熱で前記蒸発器内の汚染水を加温する蒸発処理工程と、前記蒸発処理工程により得られた蒸発水を逆浸透膜装置または正浸透膜装置に供給して、当該蒸発水に残存する放射性物質を除去する濾過工程と、を有することを特徴とする。
この構成によると、蒸発器内を減圧して、放射性物質の融点よりも低い温度で汚染水を気化させるため、汚染水中の放射性物質が液化するのを防止できる。そのため、放射性物質が蒸発するのを防止でき、水蒸気中の放射性物質濃度を低減できる。
また、圧縮機から排出された圧縮蒸気の有する熱を蒸発器内の汚染水に与えるため、気化による汚染水の温度低下を補完することができ、汚染水の温度を安定化できる。また、圧縮蒸気を汚染水との熱交換により凝縮させることができるため、圧縮蒸気を凝縮させるための冷却手段を別途設けなくて済む。
また、逆浸透膜および正浸透膜はほぼ水だけを通すため、逆浸透膜装置または正浸透膜装置を用いて蒸発水に残存する放射性物質を除去することにより、蒸発水を無害化できる。
さらに、逆浸透膜または正浸透膜に供給する蒸発水の水温が40℃以下のため、特別な冷却装置を設けることなく直接逆浸透膜または正浸透膜に供給できる。
本発明の実施形態に係る放射能汚染水処理システムの構成図である。 本発明の他の実施形態に係る放射能汚染水処理システムの構成図である。 本発明の他の実施形態に係る放射能汚染水処理システムの一部を示す構成図である。 本発明の他の実施形態に係る放射能汚染水処理システムの構成図である。 本発明の他の実施形態に係る放射能汚染水処理システムの構成図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の放射能汚染水処理システム1は、原水タンク2と、第1蒸発濃縮装置10と、バッファタンク4と、逆浸透膜装置20と、濃縮水タンク5と、第2蒸発濃縮装置30と、固化装置40とを備えている。なお、第1蒸発濃縮装置10が、本発明の蒸発処理装置に相当する。
原水タンク2には、処理対象となる汚染水が貯留される。本実施形態の放射能汚染水処理システム1は、セシウムを含む汚染水を処理対象とする。汚染水には、セシウム以外の放射性物質(例えばヨウ素、コバルト、ストロンチウム)や、海水や、油などが含まれていてもよい。原水タンク2内の汚染水は、ポンプ3によって、第1蒸発濃縮装置10に供給されるようになっている。
第1蒸発濃縮装置10は、原水タンク2から汚染水が供給される蒸発器11と、圧縮機12と、蒸気移送兼伝熱管13と、ヒーター14とを備えている。第1蒸発濃縮装置10は、蒸発器11内の汚染水を減圧雰囲気下で低温で沸騰させて、汚染水を蒸発水と濃縮汚染水とに分離する装置である。蒸発器11の下端部には、濃縮汚染水を排出するための排出口が設けられている。なお、この実施形態の場合、汚染水を沸騰させているが、必ずしも完全な沸騰状態にする必要は無い。実質的に汚染水が十分に気化できる状態であればよい。
圧縮機12の吸込口側は、蒸発器11の内部と連通している。圧縮機12は、蒸発器11内の圧力を、セシウムの融点(28℃)よりも低い温度で汚染水を沸騰(気化)させることができる圧力に減圧する。20℃における水の飽和蒸気圧が約2kPaであり、汚染水(溶液)の飽和蒸気圧は水(溶媒)の飽和蒸気圧よりも低いことから、沸騰目標温度を例えば20℃とする場合、蒸発器11内の圧力は2kPa未満に減圧される。蒸発器11内の圧力は、一定であってもよく、汚染水が濃縮されて濃度が高くなるほど低くしてもよい。
圧縮機12の吹出口側は、蒸気移送兼伝熱管13に接続されている。蒸発器11内から圧縮機12で吸引されて、圧縮機12で圧縮されて昇温した圧縮気体は、蒸気移送兼伝熱管13に供給される。蒸気移送兼伝熱管13は、蒸発器11内に配置されており、蒸発器11内の汚染水と接触するようになっている。蒸気移送兼伝熱管13によって、圧縮機12から排出された圧縮気体の有する熱が、蒸発器11内の汚染水に与えらえる。この熱交換により、蒸発器11内の汚染水は加温され、蒸気移送兼伝熱管13内の圧縮気体は冷却されて凝縮し、蒸発水となる。なお、図1では、蒸気移送兼伝熱管13はU字状に形成されているが、この形状に限定されるものではない。
ヒーター14は、蒸発器11内の汚染水を加熱するためのものであって、蒸発器11の外部に配置されている。ヒーター14は、第1蒸発濃縮装置10の運転中(圧縮機12の駆動中)、常に稼動しているわけではなく、蒸気移送兼伝熱管13による熱交換だけでは蒸発器11内の汚染水を所定の温度(例えば約20℃)まで昇温できないときにのみ稼動する。
バッファタンク4は、蒸気移送兼伝熱管13の下流側に接続されており、バッファタンク4には、蒸気移送兼伝熱管13内で凝縮した蒸発水が供給される。
逆浸透膜装置20は、逆浸透膜モジュール21と、ポンプ22とを備えている。ポンプ22は、バッファタンク4内の蒸発水を、浸透圧以上に加圧して逆浸透膜モジュール21に供給するためのものである。
逆浸透膜モジュール21は、図示は省略するが、例えば、多数の孔が設けられた多孔パイプの周囲に逆浸透膜を巻回したものを、円筒状の容器に収容した構造となっている。逆浸透膜は、ほぼ水だけを通過させる濾過膜である。逆浸透膜モジュール21に加圧供給された蒸発水は、逆浸透膜を透過して中央の多孔パイプに流入する浄化水と、逆浸透膜を透過しないで放射性物質濃度が高めれらた濃縮汚染水とに分離されて排出される。逆浸透膜モジュール21から排出された浄化水は、海域に放流され、濃縮汚染水は、第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11に戻されるようになっている。
濃縮水タンク5は、蒸発器11の下端部に設けられた排出口に接続されており、濃縮水タンク5には、蒸発器11から濃縮汚染水が供給される。また、濃縮水タンク5内の濃縮汚染水は、ポンプ6によって、第2蒸発濃縮装置30に供給されるようになっている。
第2蒸発濃縮装置30は、濃縮水タンク5から濃縮汚染水が供給される蒸発器31と、圧縮機32と、蒸気移送兼伝熱管33と、ヒーター34とを備えている。第2蒸発濃縮装置30は、第1蒸発濃縮装置10で濃縮された濃縮汚染水をさらに濃縮するための装置であって、蒸発器31、圧縮機32、蒸気移送兼伝熱管33、およびヒーター34の構成は、第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11等と同じである。
第2蒸発濃縮装置30の蒸気移送兼伝熱管33の下流側は、逆浸透膜モジュール21から排出された濃縮汚染水を第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11に供給するための配管の途中に接続されている。したがって、蒸気移送兼伝熱管33内で凝縮した蒸発水は、逆浸透膜モジュール21から排出された濃縮汚染水と共に、第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11に戻されるようになっている。
固化装置40は、第2蒸発濃縮装置30の蒸発器31から排出される濃縮汚染水を、セメントによって固化するための装置である。固化装置40は、濃縮汚染水が供給される固化容器41と、固化容器41内にセメント材料を投入して濃縮汚染水と混練するセメントミキサー42とを備えている。
次に、放射能汚染水処理システム1を用いた放射能汚染水処理方法について説明する。
まず、原水タンク2に貯留された汚染水が、ポンプ3によって第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11に供給される。次に、第1蒸発濃縮装置10の圧縮機12が駆動されて、蒸発器11内が減圧される。蒸発器11内の気体は、圧縮機12に吸引されて圧縮機12により圧縮されて昇温した後、蒸気移送兼伝熱管13に流入して、蒸発器11内の汚染水を加温する。また、冬場など、圧縮機12の駆動開始時の蒸発器11内の汚染水の温度が低い場合には、ヒーター14が稼動し、蒸発器11内の汚染水は、蒸気移送兼伝熱管13による加熱に加えて、ヒーター14により加熱される。
蒸発器11内が所定の圧力(例えば2kPa未満)まで減圧されるとともに、蒸発器11内の汚染水の温度が所定の温度(例えば20℃)になると、蒸発器11内の汚染水が沸騰して気化する。これにより、蒸発器11内の汚染水が濃縮される。
蒸発器11内で発生した蒸気は、圧縮機12に吸引されて圧縮機12で圧縮された後、蒸気移送兼伝熱管13に流入し、蒸気移送兼伝熱管13内において、蒸発器11内の汚染水と熱交換して凝縮する。凝縮した蒸発水は、バッファタンク4に供給される。
バッファタンク4内の蒸発水は、ポンプ22によって逆浸透膜モジュール21に加圧供給される。供給された蒸発水は、逆浸透膜モジュール21の逆浸透膜を透過して、残存する放射性汚染物質がほぼ完全に除去された浄化水と、逆浸透膜を透過しないで放射性物質濃度が高められた濃縮汚染水とに分離されて排出される。浄化水は、海域に放流され、濃縮汚染水は、第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11に戻される。
また、蒸発器11内の濃縮汚染水は、濃縮水タンク5に供給されて一時的に貯留された後、第2蒸発濃縮装置30の蒸発器31に供給される。そして、圧縮機32が駆動して、蒸発器31内が減圧されるとともに、蒸気移送兼伝熱管33内を流れる圧縮気体によって蒸発器31内の汚染水が加温される。また、圧縮機32の駆動開始時の蒸発器31内の濃縮汚染水の温度が低い場合には、ヒーター34が稼動し、蒸発器31内の濃縮汚染水は、蒸気移送兼伝熱管33による加熱に加えて、ヒーター34によって加熱される。
蒸発器31内が所定の圧力(例えば2kPa未満)まで減圧されるとともに、蒸発器31内の濃縮汚染水の温度が所定の温度(例えば20℃)になると、蒸発器31内の汚染水が沸騰して気化する。これにより、蒸発器31内の濃縮汚染水がさらに濃縮される。
蒸発器31内で発生した蒸気は、圧縮機32に吸引されて圧縮機32で圧縮された後、蒸気移送兼伝熱管33に流入する。そして、蒸気移送兼伝熱管33内において、蒸発器31内の汚染水との熱交換により凝縮して蒸発水となった後、第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11に戻される。
また、蒸発器31内の濃縮汚染水は、固化装置40の固化容器41に投入されて、セメントミキサー42から供給されるセメント材料と混練されて、固化される。
本実施形態の放射能汚染水処理システム1によると、第1蒸発濃縮装置10において、蒸発器11内を減圧して、放射性物質の融点よりも低い温度で汚染水を沸騰(気化)させるため、汚染水中の放射性物質が液化するのを防止できる。そのため、放射性物質が蒸発するのを防止でき、水蒸気中の放射性物質濃度を低減できる。
また、圧縮機12から排出された圧縮蒸気の有する熱を蒸発器11内の汚染水に与えるため、沸騰(気化)による汚染水の温度低下を補完することができ、汚染水の温度を安定化できる。また、圧縮蒸気を汚染水との熱交換により凝縮させることができるため、圧縮蒸気を凝縮させるための冷却手段を別途設けなくて済む。
また、逆浸透膜はほぼ水だけを通すため、逆浸透膜装置20を用いて蒸発水に残存する放射性物質を除去することにより、蒸発水を無害化できる。
さらに、逆浸透膜に供給する蒸発水の水温が40℃以下のため、特別な冷却装置を設けることなく直接逆浸透膜に供給できる。
また、ゼオライトなどの吸着剤などを用いて放射能汚染水の処理を行う場合、汚染水に海水や油が含まれていると、吸着剤の吸着率が低くなるため、汚染水から塩分や油を除去するための装置が必要となる。
一方、本実施形態では、汚染水を沸騰(気化)させて蒸発水と濃縮汚染水とに分離するため、汚染水に塩分や油などが含まれていても、蒸発水には塩分や油などが含まれない。そのため、塩分や油などの不純物を除去するための装置が不要となる。
また、本実施形態では、第1蒸発濃縮装置10で濃縮された汚染水を、第2蒸発濃縮装置30でさらに濃縮するため、濃縮汚染水の量を低減できる。その結果、最終処分される固化が容易になる。
また、本実施形態では、濃縮汚染水を固化装置40によって処理して、放射性物質を固化体に閉じ込めるため、放射性物質を安全に処分することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。なお、上記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
上記実施形態の放射能汚染水処理システム1は、第1蒸発濃縮装置(蒸発処理装置)10を1つだけ備えているが、例えば図2に示すように、第1蒸発濃縮装置が複数直列に配置されていてもよい。図2では、2つの第1蒸発濃縮装置10A、10Bが直列に配置されており、一方の第1蒸発濃縮装置10Aから排出された蒸発水が、他方の第1蒸発濃縮装置10Bの蒸発器11に供給されるようになっている。また、第1蒸発濃縮装置10Bで濃縮された濃縮汚染水は、第1蒸発濃縮装置10Aの蒸発器11に戻されるようになっている。
この構成によると、処理対象となる汚染水の放射性物質濃度が高く、1つ目の第1蒸発濃縮装置で得られる蒸発水の放射性物質濃度が高くなる場合であっても、この蒸発水を別の第1蒸発濃縮装置で処理するため、最終的に確実に無害化できる。
また、第1蒸発濃縮装置10を1つだけ備える場合に比べて、逆浸透膜の上流側の液の放射性物質濃度を低くできるため、逆浸透膜の交換作業をより安全に行うことができる。
上記実施形態では、第1蒸発濃縮装置10の蒸気移送兼伝熱管13は、蒸発器11の内部に設置されているが、例えば図3に示す第1蒸発濃縮装置110のように、蒸気移送兼伝熱管113が蒸発器111の外周面に取り付けられ、蒸気移送兼伝熱管113内の圧縮蒸気と蒸発器111内の汚染水とが熱交換可能に構成されていてもよい。なお、図3ではヒーター14を省略して表示している。
この構成によると、蒸気移送兼伝熱管が蒸発器の内部に配置されている場合に比べて、第1蒸発濃縮装置の構造を簡素化できる。また、蒸気移送兼伝熱管の外周面に汚染水の不純物が付着することによる劣化を防止できる。また、蒸気移送兼伝熱管のメンテナンスが容易となる。
また、蒸気移送兼伝熱管を蒸発器の外周面に取り付ける場合、圧縮機に、例えば蒸留水などでのシャワー装置などの洗浄機能を備えるようにすることが好ましい。これにより、万が一、蒸気移送兼伝熱管が破損しても安全性を確保することができる。
また、第2蒸発濃縮装置30の蒸気移送兼伝熱管33についても同様に、蒸発器31の外周面に取り付けてもよい。
上記実施形態の逆浸透膜装置20は、蒸発水をポンプ22によって浸透圧以上に加圧して逆浸透膜モジュール21に供給して、逆浸透膜を通過させているが、例えば図4に示す構成の正浸透膜装置220であってもよい。この正浸透膜装置220は、海水を引き込むためのポンプ222と、正浸透膜モジュール221とを備えており、ポンプ222によって引き込まれた海水は、正浸透膜モジュール221の正浸透膜の下流側に供給されるようになっている。そのため、正浸透膜の下流側(浄化水側)の塩分濃度が上流側(蒸発水側)の塩分濃度よりも高いため、この濃度差によって正浸透膜の上流側から下流側に水が通過して、蒸発水に残存する放射性物質が除去される。
この構成によると、ポンプ222は、上記実施形態のポンプ22ように、浸透圧以上の圧力をかける必要がないため、動力を低減することができる。
上記実施形態では、第1蒸発濃縮装置10で得られた蒸発水をそのまま逆浸透膜装置20に供給しているが、例えば図5に示すように、バッファタンク4と逆浸透膜装置20との間に、ポンプ307と、逆浸透膜よりも透過孔の大きい濾過膜308(例えばMF膜やUF膜)と、バッファタンク309とを配置してもよい。バッファタンク4内の蒸発水は、濾過膜308を通過して粒径の大きい不純物が除去されてから、逆浸透膜装置20に供給される。そのため、逆浸透膜の性能低下を防止することができる。
上記実施形態の固化装置40は、セメントによって固化しているが、ガラスなどのセメント以外の固化材を用いて固化してもよい。
上記実施形態では、逆浸透膜装置20から排出される濃縮汚染水と、第2蒸発濃縮装置30から排出される蒸発水が、第1蒸発濃縮装置10の蒸発器11に供給されるようになっているが、原水タンク2に供給されるようになっていてもよい。
1 放射能汚染水処理システム
2 原水タンク
3、6、307 ポンプ
4、309 バッファタンク
5 濃縮タンク
10、10A、10B、110 第1蒸発濃縮装置(蒸発処理装置)
11、111 蒸発器
12 圧縮機
13、113 蒸気移送兼伝熱管
14 ヒーター
20 逆浸透膜装置
21 逆浸透膜モジュール
22、222 ポンプ
30 第2蒸発濃縮装置(蒸発処理装置)
31 蒸発器
32 圧縮機
33 蒸気移送兼伝熱管
34 ヒーター
40 固化装置
41 固化容器
42 セメントミキサー
308 濾過膜
220 正浸透膜装置
221 正浸透膜モジュール

Claims (4)

  1. 汚染水に含まれる放射性物質を除去するための放射能汚染水処理システムであって、
    汚染水を減圧雰囲気下で気化させて蒸発水と濃縮汚染水とに分離する蒸発処理装置と、
    前記蒸発処理装置で分離された蒸発水が供給され、当該蒸発水に残存する放射性物質を除去する逆浸透膜装置または正浸透膜装置と、
    を備え、
    前記蒸発処理装置は、
    汚染水が供給される蒸発器と、
    前記蒸発器内を減圧して、放射性物質の融点よりも低い温度で汚染水を気化させる圧縮機と、
    前記圧縮機から排出される圧縮蒸気が供給され、当該圧縮蒸気の有する熱を前記蒸発器内の汚染水に与える蒸気移送兼伝熱管と、
    を有することを特徴とする、放射能汚染水処理システム。
  2. 請求項1に記載の放射能汚染水処理システムにおいて、
    前記蒸発処理装置が、複数直列に配置されており、
    前記蒸発処理装置で分離された蒸発水が、別の前記蒸発処理装置の蒸発器に供給されることを特徴とする、放射能汚染水処理システム。
  3. 請求項1または2に記載の放射能汚染水処理システムにおいて、
    前記蒸気移送兼伝熱管が、前記蒸発器の外周面に取り付けられていることを特徴とする、放射能汚染水処理システム。
  4. 汚染水に含まれる放射性物質を除去するための放射能汚染水処理方法であって、
    蒸発器内を圧縮機により減圧して、前記蒸発器内の汚染水を放射性物質の融点よりも低い温度で気化させるとともに、前記圧縮機から排出される圧縮蒸気の有する熱で前記蒸発器内の汚染水を加温する蒸発処理工程と、
    前記蒸発処理工程により得られた蒸発水を逆浸透膜装置または正浸透膜装置に供給して、当該蒸発水に残存する放射性物質を除去する濾過工程と、
    を有することを特徴とする、放射能汚染水処理方法。
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