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〔第1の実施の形態〕
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図3は、本実施の形態に係る顔認証システムおよびこのような顔認証システムにおける顔画像データの登録方法を示す図である。
本実施の形態による顔認証システム1は、マンション等の集合住宅の入口において居住者であるユーザが顔認証端末としての第1撮像装置30Aに顔をかざすだけで入場規制装置40による規制が解除されるため共有スペースや専有スペースに入ることができ、例えば入口に設置された扉の解錠を行うための鍵が不要となるので居住者にとっての利便性を向上させることができるものである。このような顔認証システム1の構成について図1を用いて説明する。
図1に示すように、顔認証システム1は、顔認証プラットフォーム10と、集合住宅である建物の入口に設置された第1撮像装置30Aおよび入場規制装置40と、宅配ボックス42および宅配ボックス42の近くに配置された第2撮像装置30Bと、エレベータかごの動作を制御するエレベータ制御装置44およびエレベータの扉の近傍に配置された第3撮像装置30Cと、各部屋の玄関に設置される扉の施錠および解錠を行う複数の施錠装置46および各部屋の玄関の近傍に配置された複数の第4撮像装置30Dと、メールボックス48およびメールボックス48の近くに配置された第5撮像装置30Eとを備えている。
顔認証プラットフォーム10は、インターネット回線等のネットワークを介して、入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48および各撮像装置30A~30Eと通信可能に接続されている。顔認証プラットフォーム10は、例えばシステム会社のコンピュータ等である。また、顔認証プラットフォーム10は、インターネット回線等のネットワークを介して、入館管理システム20に通信可能に接続されている。入館管理システム20は、例えば建物管理会社または賃貸管理会社のコンピュータ等である。また、顔認証プラットフォーム10は、インターネット回線等のネットワークを介して、各居住者が所持するユーザ端末50と通信可能に接続されている。
顔認証プラットフォーム10は、制御部12と、受付部14と、送信部16と、記憶部18とを有している。受付部14、送信部16および記憶部18はそれぞれバスにより制御部12に接続されている。制御部12は、CPU(中央演算処理装置)等である。受付部14は、外部装置から顔認証プラットフォーム10に送信された情報を受け付けるようになっている。送信部16は、顔認証プラットフォーム10から外部装置に情報を送信するようになっている。記憶部18は、建物の各居住者の登録情報、部屋番号および顔画像に関する情報を記憶するようになっている。また、記憶部18は、各撮像装置30A~30Eにおいて行われた顔認証処理の履歴や、入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48により行われた処理の履歴が記憶されるようになっている。顔認証プラットフォーム10において、記憶部18に記憶されているプログラムや、顔認証プラットフォーム10に取り付けられた記録媒体に記憶されているプログラム、外部装置から顔認証プラットフォーム10に送信されたプログラム等を制御部12が実行することにより、受付部14、送信部16および記憶部18がそれぞれ機能する。
上述したように、入館管理システム20は、建物管理会社や賃貸管理会社のコンピュータ等であり、建物の居住者の様々な情報(例えば、氏名、生年月日、ユーザ名、ユーザ端末50の電話番号、ユーザ端末50のメールアドレス、建物の居住空間に設置される固定電話の電話番号、建物名、部屋番号、入居開始日、退去予定日、ユーザの識別番号等)が入館管理システム20に記憶されるようになっている。
第1撮像装置30Aおよび入場規制装置40は、それぞれ建物の入口の近傍に設置されている。第1撮像装置30Aは、制御部32Aと、撮像部34Aと、認証部36Aと、記憶部38Aとを有している。撮像部34A、認証部36Aおよび記憶部38Aはそれぞれバスにより制御部32Aに接続されている。制御部32Aは、CPU(中央演算処理装置)等である。撮像部34Aは、建物の入口において共有スペースや専有スペースに入ろうとするユーザの顔を撮像して顔画像データを取得するようになっている。記憶部38Aは、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの顔画像に関する情報等を記憶するようになっている。ここで、ユーザの顔画像に関する情報は、ユーザの顔画像データまたはユーザの顔画像データから所定のハッシュ関数により抽出されるハッシュ値である。認証部36Aは、撮像部34Aにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Aに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの顔認証を行うようになっている。認証部36Aによりユーザの顔認証が行われると、第1撮像装置30Aから入場規制装置40に動作指令(具体的には、規制解除指令)が送信されるようになっている。このような第1撮像装置30Aとして、例えば顔認証専用機器やPCタブレット等が用いられる。
入場規制装置40は、建物の外部から共有スペースや専有スペースへの移動を選択的に規制するものである。例えば、共有スペースの入口に扉が設置されている場合に、入場規制装置40は、この扉の施錠および解錠を行う施錠装置を含む。具体的には、通常時は共有スペースの入口に設置される扉の施錠を施錠装置によって行うことにより、建物の外部から第三者が共有スペースや専有スペースに入るのを規制している。一方、第1撮像装置30Aから送信された規制解除指令を入場規制装置40が受け付けると、この入場規制装置40(具体的には、施錠装置)は扉の解錠を行い、居住者等のユーザは建物の外部から共有スペースや専有スペースに入ることができるようになる。なお、扉の解錠が行われる期間は予め定められており、この期間が経過すると施錠装置は扉を再び自動的に施錠する。
また、建物の共有スペースの入口にスライド式の自動扉が設けられている場合は、入場規制装置40はこの自動扉をスライドさせるスライド装置を含む。具体的には、通常時は共有スペースの入口を自動扉によって塞ぐようスライド装置が自動扉を閉位置に維持することにより、建物の外部から第三者が共有スペースに入るのを規制している。一方、第1撮像装置30Aから送信された規制解除指令を入場規制装置40が受け付けると、この入場規制装置40(具体的には、スライド装置)は自動扉をスライドさせて開位置に移動させることにより、共有スペースの入口が自動扉により塞がれなくなるため、居住者等のユーザは建物の外部から共有スペースや専有スペースに入ることができるようになる。なお、自動扉が開位置にいる期間は予め定められており、この期間が経過するとスライド装置は自動扉を再び開位置から閉位置に移動させる。
宅配ボックス42は、荷物を収納する複数の収納部および各収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部(具体的には、扉)を有している。居住者が不在時に宅配会社の宅配員は宅配ボックス42のある収納部に荷物を入れる。そして、居住者が建物に戻ると、宅配員が預けた荷物が収容されている収納部の扉を開くことにより、宅配ボックスの収納部に収納されている荷物を取り出す。このような宅配ボックス42は、共有スペースの外部に設置されている。あるいは、共有スペースの外部から宅配ボックス42の各収納部に荷物を入れることができるが、各収納部からの荷物の取り出しは共有スペースの内部でのみ行うことができるようになっていてもよい。
第2撮像装置30Bは、ユーザが宅配ボックス42から荷物を取り出す箇所の近傍に設置されている。第2撮像装置30Bは、制御部32Bと、撮像部34Bと、認証部36Bと、記憶部38Bとを有している。撮像部34B、認証部36Bおよび記憶部38Bはそれぞれバスにより制御部32Bに接続されている。制御部32Bは、CPU(中央演算処理装置)等である。撮像部34Bは、宅配ボックス42から荷物を取り出そうとするユーザの顔を撮像して顔画像データを取得するようになっている。記憶部38Bは、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けて記憶するようになっている。認証部36Bは、撮像部34Bにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Bに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの顔認証を行うようになっている。認証部36Bによりユーザの顔認証が行われると、第2撮像装置30Bから宅配ボックス42に動作指令が送信されるようになっている。このような第2撮像装置30Bとして、例えば顔認証専用機器やPCタブレット等が用いられる。また、宅配ボックス42は、第2撮像装置30Bから動作指令が送信されると、ユーザの部屋番号に対応する荷物が収納されているときには荷物の収納状況を宅配ボックスのタッチパネル等に表示させる。そして、ユーザがタッチパネル等を操作して荷物の取り出し指示を入力すると、この荷物が収納されている収納部の扉が開いてユーザは収納部から荷物を取り出すことができるようになる。
エレベータ制御装置44は、共有スペース内に設置されたエレベータかごの動作を制御するものである。また、第3撮像装置30Cは、少なくとも共有スペース内の入場規制装置40と同じフロアにおけるエレベータの扉の近傍に配置されている。なお、第3撮像装置30Cが、入場規制装置40と同じフロアだけではなく各階においてエレベータの扉の近傍に配置されていてもよい。第3撮像装置30Cは、制御部32Cと、撮像部34Cと、認証部36Cと、記憶部38Cとを有している。撮像部34C、認証部36Cおよび記憶部38Cはそれぞれバスにより制御部32Cに接続されている。制御部32Cは、CPU(中央演算処理装置)等である。撮像部34Cは、エレベータの扉の近傍に位置するユーザの顔を撮像して顔画像データを取得するようになっている。記憶部38Cは、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けて記憶するようになっている。認証部36Cは、撮像部34Cにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Cに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの顔認証を行うようになっている。認証部36Cによりユーザの顔認証が行われると、第3撮像装置30Cからエレベータ制御装置44に動作指令が送信されるようになっている。このような第3撮像装置30Cとして、例えばPCタブレット等が用いられる。エレベータ制御装置44は、第3撮像装置30Cから動作指令を受け付けると、エレベータかごの移動先を、撮像部34Cにより撮像されたユーザの部屋番号に対応するフロアの階に指定する。このことにより、ユーザはエレベータに乗った後、行き先のフロアを指定しなくてもエレベータはユーザの部屋の階に止まるようになる。
施錠装置46は、建物の各部屋に対応して設けられており、各部屋の玄関に設置される扉の施錠および解錠を行う。また、各部屋の玄関の近傍にはそれぞれ第4撮像装置30Dが配置されている。各第4撮像装置30Dは、制御部32Dと、撮像部34Dと、認証部36Dと、記憶部38Dとを有している。撮像部34D、認証部36Dおよび記憶部38Dはそれぞれバスにより制御部32Dに接続されている。制御部32Dは、CPU(中央演算処理装置)等である。撮像部34Dは、部屋の外から中に入ろうとするユーザの顔を撮像して顔画像データを取得するようになっている。記憶部38Dは、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けて記憶するようになっている。認証部36Dは、撮像部34Dにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Dに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの顔認証を行うようになっている。認証部36Dによりユーザの顔認証が行われると、第4撮像装置30Dから施錠装置46に動作指令が送信されるようになっている。このような第4撮像装置30Dとして、例えば顔認証専用機器やPCタブレット等が用いられる。施錠装置46は、第4撮像装置30Dから動作指令を受け付けると、認証されたユーザの部屋番号に対応する扉の解錠を行う。このことにより、ユーザは鍵を持たなくても顔認証により部屋の中に入ることができるようになる。
メールボックス48は、部屋番号に対応する複数の収納部および各収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部(具体的には、扉)を有している。郵便局等の配達員はメールボックス48におけるこの居住者の部屋番号に対応する収納部に郵便物を入れ、居住者は、メールボックスの収納部に収納されている郵便物を取り出す。このようなメールボックス48は、共有スペースの外部に設置されている。あるいは、共有スペースの外部からメールボックス48の各収納部に郵便物を入れることができるが、各収納部からの郵便物の取り出しは共有スペースの内部でのみ行うことができるようになっていてもよい。
第5撮像装置30Eは、ユーザがメールボックス48から郵便物を取り出す箇所の近傍に設置されている。第5撮像装置30Eは、制御部32Eと、撮像部34Eと、認証部36Eと、記憶部38Eとを有している。撮像部34E、認証部36Eおよび記憶部38Eはそれぞれバスにより制御部32Eに接続されている。制御部32Eは、CPU(中央演算処理装置)等である。撮像部34Eは、メールボックス48から郵便物を取り出そうとするユーザの顔を撮像して顔画像データを取得するようになっている。記憶部38Eは、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けて記憶するようになっている。認証部36Eは、撮像部34Eにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Eに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの顔認証を行うようになっている。認証部36Eによりユーザの顔認証が行われると、第5撮像装置30Eからメールボックス48に動作指令が送信されるようになっている。このような第5撮像装置30Eとして、例えば顔認証専用機器やPCタブレット等が用いられる。また、メールボックス48は、第5撮像装置30Eから動作指令が送信されると、認証されたユーザに対応する収納部へのアクセスを許容する処理を行う。具体的には、メールボックス48においてユーザの部屋番号に対応する収納部の扉が解錠されてユーザは収納部から郵便物を取り出すことができるようになる。
ユーザ端末50は居住者等のユーザが所持するものである。ユーザ端末50は例えばスマートフォン等を含む。ユーザ端末50ではオンラインストアや顔認証プラットフォーム10の管理会社のウエブサイト等から顔認証アプリをインストールすることができるようになっている。このような顔認証アプリをインストールすると、ユーザはユーザ端末50により顔画像データの登録や様々な登録情報(例えば、氏名(漢字)、氏名(カナ)、生年月日、ユーザ名、ユーザ端末50の電話番号、ユーザ端末50のメールアドレス、パスワード等)の登録等を行うことができるようになる。
次に、このような顔認証システム1において建物に居住するユーザの顔画像データの登録を行う際の動作について図2および図3を用いて説明する。
建物においてユーザの居住が開始されるという情報が建物管理会社や賃貸管理会社の社員等によって入館管理システム20に入力されると、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10にこのユーザの入館招待情報が送信される。入館招待情報はユーザのユーザ識別情報(例えば、ユーザの氏名、ユーザ端末50の電話番号、ユーザ端末50のメールアドレス、ユーザの識別番号等)、建物名、部屋番号、入居開始日、退去予定日等の情報を含む。顔認証プラットフォーム10が入館招待情報を受け付けると(STEP1の「YES」)、入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されている登録情報のユーザ識別情報と略一致するか否かが判断される(STEP2)。ここで、ユーザが初めて顔認証プラットフォーム10に登録されている建物に居住する場合には、入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されている登録情報のユーザ識別情報と略一致しない(STEP2の「NO」)。この場合には、顔認証プラットフォーム10の送信部16はユーザ端末50に登録要求情報を送信する(STEP3)。登録要求情報が送信されるべきユーザ端末50は、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10に送信された入館招待情報に含まれるユーザ識別情報により特定される。一方、同じ建物管理会社や賃貸管理会社が管理しており顔認証プラットフォーム10に登録されている他の建物からユーザが引っ越ししてきた場合は、記憶部18には既にユーザ識別情報が記憶されているため、引っ越し先の建物の入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10に送信された入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されている登録情報のユーザ識別情報と略一致する(STEP2の「YES」)。この場合は、ユーザによるユーザ端末50を用いたユーザ登録は行われない。
ユーザ端末50において登録要求情報を受け取ったユーザはユーザ端末50によりユーザ登録を行う。具体的には、ユーザは最初に顔認証アプリをユーザ端末50にインストールする。そして、ユーザがユーザ端末50において顔認証アプリを起動すると、ユーザ登録画面がユーザ端末50に表示される。このようなユーザ登録画面においてユーザが氏名(漢字)、氏名(カナ)、生年月日、ユーザ名、ユーザ端末50の電話番号、ユーザ端末50のメールアドレス、パスワード等の登録情報を入力し、利用規約に同意する欄にチェックを入れた後に登録ボタンを押下すると、ユーザ端末50には顔画像の撮像画面が表示される。このような撮像画面でユーザがユーザ端末50により顔画像を撮像すると、ユーザ登録画面で入力された様々な登録情報およびユーザの顔画像データがユーザ端末50から顔認証プラットフォーム10に送信される。このようにして、顔認証プラットフォーム10の受付部14はユーザ端末50から登録情報および顔画像データを受け付ける(STEP4の「YES」)。また、ユーザ端末50の識別情報も、顔認証プラットフォーム10の受付部14が受け付ける。その後、顔認証プラットフォーム10の送信部16は入館管理システム20にユーザの登録情報を送信する(STEP5)。
入館管理システム20を操作する管理者は、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの登録情報等を見ることにより、居住者としてのユーザの承認を行う。入館管理システム20においてユーザの承認が行われると、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10に承認情報が送信される。顔認証プラットフォーム10の受付部14が入館管理システム20から承認情報を受け付けると(STEP6の「YES」)、制御部12は、登録情報、部屋番号およびユーザの顔画像に関する情報を互いに紐付けて記憶部18に記憶させるとともに、ユーザの顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けた状態で第1~第5撮像装置30A~30Eに送信する(STEP7)。なお、上述したように、顔画像に関する情報は、ユーザの顔画像データまたはユーザの顔画像データから所定のハッシュ関数により抽出されるハッシュ値である。すなわち、ユーザ端末50により撮像されたユーザの顔画像データがそのまま記憶部18に記憶されたり第1~第5撮像装置30A~30Eに送信されたりしてもよい。また、制御部32Aがユーザの顔画像データから所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出することにより、抽出されたハッシュ値が記憶部18に記憶されたり第1~第5撮像装置30A~30Eに送信されたりしてもよい。顔認証プラットフォーム10から第1~第5撮像装置30A~30Eに送信された顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報は互いに紐付けられた状態で記憶部38A~38Eに記憶される。なお、別の例として、第1撮像装置30Aには顔認証プラットフォーム10からユーザの部屋番号が送信されなくてもよい。この場合は、顔画像に関する情報およびユーザ識別情報は互いに紐付けられた状態で、または顔画像に関する情報のみが顔認証プラットフォーム10から第1撮像装置30Aに送信されて記憶部38Aに記憶される。
次に、図1に示す顔認証システム1においてユーザが建物の外部から共有スペースや専有スペースに入るときの動作について説明する。建物の外部から共有スペースや専有スペースに入ろうとするユーザが第1撮像装置30Aの撮像部34Aに顔をかざすと、撮像部34Aによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される。認証部36Aは、撮像部34Aにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Aに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することにより、ユーザの認証を行う。具体的には、撮像部34Aにより撮像されたユーザの顔画像データと、記憶部38Aに記憶されているユーザの顔画像データとが略一致する場合は、ユーザが居住者であるという認証を行う。あるいは、第1撮像装置30Aの制御部32Aは撮像部34Aにより撮像されたユーザの顔画像データから所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出し、抽出されたハッシュ値と、記憶部38Aに記憶されているハッシュ値とが略一致する場合に、認証部36Aはユーザが居住者であるという認証を行ってもよい。
認証部36Aによるユーザの認証が行われると、第1撮像装置30Aから入場規制装置40に動作指令(具体的には、規制解除指令)が送られる。あるいは、認証部36Aによるユーザの認証が行われると、第1撮像装置30Aから顔認証プラットフォーム10に規制解除指令が送られ、顔認証プラットフォーム10から更に入場規制装置40に規制解除指令が送られてもよい。入場規制装置40に規制解除指令が送られると、入場規制装置40による規制が解除されて建物の外部から共有スペースや専有スペースへのユーザの移動が許容される。このことにより、ユーザは共有スペースや専有スペースに入ることができるようになる。また、認証部36Aによるユーザの認証が行われると、ユーザの認証が行われたという情報がユーザ識別情報とともに第1撮像装置30Aから顔認証プラットフォーム10に送信され、これらの情報が記憶部18に記憶される。このことにより、記憶部18には、入場規制装置40による規制の解除の履歴が記憶されるようになる。
また、ユーザが宅配ボックス42に預け入れられている荷物を取り出そうとして、宅配ボックス42の近傍に設置されている第2撮像装置30Bの撮像部34Bに顔をかざすと、撮像部34Bによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される。認証部36Bは、撮像部34Bにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Bに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの認証を行う。認証部36Bによりユーザの認証が行われると、第2撮像装置30Bから宅配ボックス42に動作指令が送信される。宅配ボックス42は、第2撮像装置30Bから動作指令が送信されると、撮像部34Bにより撮像されたユーザの荷物が預けられている収納部へのアクセスを許容する処理を行う。
具体的には、認証部36Bによりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が第2撮像装置30Bから宅配ボックス42に動作指令として送信される。そして、宅配ボックス42は、第2撮像装置30Bから送信された部屋番号に対応する荷物が収納されている収納部へのアクセスを許容する処理を行う。このことにより、ユーザは、荷物を収納部から取り出すことができるようになる。
また、ユーザが共有スペースに入った後、エレベータかごに乗ろうとして、エレベータ制御装置44の近傍に設置されている第3撮像装置30Cの撮像部34Cに顔をかざすと、撮像部34Cによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される。認証部36Cは、撮像部34Cにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Cに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの認証を行う。認証部36Cによりユーザの認証が行われると、第3撮像装置30Cからエレベータ制御装置44に動作指令が送信される。エレベータ制御装置44は、第3撮像装置30Cから動作指令を受け付けると、エレベータかごの移動先を、認証されたユーザの部屋番号に対応するフロアの階に指定する。
具体的には、認証部36Cによりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が第3撮像装置30Cからエレベータ制御装置44に動作指令として送信される。そして、エレベータ制御装置44は、第3撮像装置30Cから送信された部屋番号に対応するフロアの階をエレベータかごの移動先に指定する。具体的には、エレベータかごの内部に設けられている行き先を示す各階のボタンのうち第3撮像装置30Cから送信された部屋番号に対応するフロアの階のボタンが自動的に押された状態となる。あるいは、ユーザがエレベータかごの内部に乗り込んだ後、エレベータかごの扉が自動的に閉まり、その後にエレベータかごが指定されたフロアの階まで自動的に移動するようになっていてもよい。このことにより、ユーザはエレベータに乗った後、行き先のフロアを指定しなくてもエレベータはユーザの部屋の階に止まるようになる。
また、本実施の形態の別の態様において、建物の入口に設置される入場規制装置40およびエレベータの扉の位置が近い場合は、入場規制装置40の近傍に設置されている第1撮像装置30Aの撮像部34Aに顔をかざし、撮像部34Aによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得され、認証部36Aによりユーザの認証が行われると、第1撮像装置30Aからエレベータ制御装置44に動作指令が送信されてもよい。具体的には、第1撮像装置30Aの認証部36Aによりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が第1撮像装置30Aからエレベータ制御装置44に動作指令として送信される。すると、建物の入口と同じフロアの階にエレベータかごが自動的に移動する。このことにより、建物の共有スペースに入ったユーザはすぐにエレベータかごに乗ることができるようになる。また、エレベータ制御装置44は、第1撮像装置30Aから送信された部屋番号に対応するフロアの階をエレベータかごの移動先に指定する。このことにより、ユーザは第3撮像装置30Cの撮像部34Cに顔をかざさなくても、エレベータに乗った後、行き先のフロアを指定しなくてもエレベータはユーザの部屋の階に止まるようになる。また、このような態様では、エレベータの扉の近傍に第3撮像装置30Cを設置すること自体を省略することもできる。
また、ユーザが共有スペースに入った後、自分の部屋の前に到達してこの部屋に対応する第4撮像装置30Dの撮像部34Dに顔をかざすと、撮像部34Dによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される。認証部36Dは、撮像部34Dにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Dに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの認証を行う。認証部36Dによりユーザの認証が行われると、第4撮像装置30Dから施錠装置46に動作指令が送信される。施錠装置46は、第4撮像装置30Dから動作指令を受け付けると、撮像部34Dにより撮像されたユーザの部屋番号に対応する扉の解錠を行う。このことにより、ユーザは専有スペースに入ることができるようになる。
具体的には、認証部36Dによりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が第4撮像装置30Dからエレベータ制御装置44に動作指令として送信される。そして、施錠装置46は、第4撮像装置30Dから送信された部屋番号が、この施錠装置46に対応する部屋番号と一致する場合には、扉の解錠を行う。このことにより、ユーザは鍵を持たなくても顔認証により専有スペースに入ることができるようになる。
また、ユーザがメールボックス48に預け入れられている郵便物を取り出そうとして、メールボックス48の近傍に設置されている第5撮像装置30Eの撮像部34Eに顔をかざすと、撮像部34Eによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される。認証部36Eは、撮像部34Eにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部38Eに記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの認証を行う。認証部36Eによりユーザの認証が行われると、第5撮像装置30Eからメールボックス48に動作指令が送信される。メールボックス48は、第5撮像装置30Eから動作指令が送信されると、撮像部34Eにより撮像されたユーザの部屋番号に対応する収納部へのアクセスを許容する処理を行う。
具体的には、認証部36Eによりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が第5撮像装置30Eからメールボックス48に動作指令として送信される。そして、メールボックス48は、第5撮像装置30Eから送信された部屋番号に対応する収納部へのアクセスを許容する処理を行う。このことにより、ユーザは、自分の部屋番号に対応する収納部から郵便物を取り出すことができるようになる。
次に、ユーザが別の建物に引っ越しをした場合に顔認証システム1により行われる動作について図2および図3を用いて説明する。別の建物においてユーザの居住が開始されるという情報が建物管理会社の社員や賃貸管理会社の社員等によって入館管理システム20に入力されると、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10にこのユーザの入館招待情報が送信される。顔認証プラットフォーム10が入館招待情報を受け付けると(STEP1の「YES」)、入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されているユーザ識別情報と略一致するか否かが判断される(STEP2)。ここで、別の建物に引っ越しをしたユーザは、元の建物に居住していたときの情報(具体的には、ユーザ識別情報等)が記憶部18に記憶されているため、入館管理システム20から送信された入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されているユーザ識別情報と略一致する(STEP2の「YES」)。
この場合は、顔認証プラットフォーム10の送信部16は記憶部18に記憶されているユーザの登録情報を入館管理システム20に送信する(STEP5)。入館管理システム20を操作する管理者は、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの登録情報等を見ることにより、居住者としてのユーザの承認を行う。入館管理システム20においてユーザの承認が行われると、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10に承認情報が送信される。顔認証プラットフォーム10の受付部14が別の建物の入館管理システム20から承認情報を受け付けると(STEP6の「YES」)、制御部12は、登録情報、部屋番号およびユーザの顔画像に関する情報を互いに紐付けて記憶部18に記憶させるとともに、ユーザの顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けた状態で第1~第5撮像装置30A~30Eに送信する(STEP7)。顔認証プラットフォーム10から第1~第5撮像装置30A~30Eに送信された顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報は互いに紐付けられた状態で記憶部38A~38Eに記憶される。このように、例えばユーザがある建物から別の建物に引っ越しをしたときに、元の建物に居住していたときの登録情報および顔画像に関する情報が記憶部18に記憶されているため、ユーザがユーザ端末50によりわざわざ顔画像を撮像したり登録情報を入力したりする必要がなくなり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
以上のような構成からなる本実施の形態の顔認証システム1および顔認証方法によれば、顔認証プラットフォーム10は、ユーザ識別情報を含む入館招待情報を入館管理システム20から受け付けると、ユーザ識別情報に基づいて特定されるユーザ端末50に対して登録要求情報を送信する。また、顔認証プラットフォーム10は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、ユーザの顔画像に関する情報および登録情報を記憶部18に記憶させるとともに第1撮像装置30Aに対してユーザの顔画像に関する情報を送信する。また、第1撮像装置30Aにおいて、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの顔画像に関する情報が記憶部38Aに記憶されるようになっており、撮像部34Aにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報が認証部36Aによって記憶部38Aに記憶されているユーザの顔画像に関する情報と比較されることによりユーザの認証が行われると、入場規制装置40による規制が解除されて外部から専有スペースへの移動が許容される。
このように、集合住宅において各居住者の顔画像を予め登録することにより顔認証によって集合住宅の外部から専有スペースへの移動を許容することができる。また、入館管理システム20から送信されたユーザ識別情報を含む入館招待情報を受け付けるとユーザ端末50に対して登録要求情報を送信することにより、入館招待情報に基づいて居住者であるユーザを顔認証プラットフォーム10において確実に特定することができる。また、入館管理システム20から送信されたユーザ識別情報に基づいて特定されるユーザ端末50に対して登録要求情報が送信されるため、居住者であるユーザはユーザ端末50を用いて顔画像に関する情報を登録することができ、よってユーザにとっての利便性を向上させることができる。また、顔認証プラットフォーム10は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、ユーザの顔画像に関する情報および登録情報を記憶部18に記憶させるとともに第1撮像装置30Aに対してユーザの顔画像に関する情報を送信するため、ユーザの顔画像に関する情報を顔認証プラットフォーム10側で管理することができるとともに、第1撮像装置30Aでもユーザ端末50により登録されたユーザの顔画像に関する情報を用いてユーザの認証を行うことができるようになる。
また、本実施の形態の顔認証システム1および顔認証方法においては、顔認証プラットフォーム10は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、受け付けた登録情報を入館管理システム20に送信し、第1入館管理システム20から承認情報を受け付けた場合にのみ、ユーザの顔画像に関する情報および登録情報を記憶部18に記憶させるとともに第1撮像装置30Aに対してユーザの顔画像に関する情報を送信する。この場合には、ユーザによってユーザ端末50により登録されたユーザの登録情報を、入館管理システム20を操作する操作者が一旦確認し、問題ないと判断した場合にのみ操作者が第1入館管理システム20Aにおいて承認操作を行うことにより承認情報が入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10に送信されるため、認証部36Aによる認証において用いられるユーザの顔画像に関する情報の正確性を高めることができる。すなわち、居住者以外のユーザの顔画像に関する情報が誤って第1撮像装置30Aに送信されてしまうことを防止することができ、よって居住者以外のユーザの顔画像に関する情報を用いてユーザの認証が行われてしまうことを防止することができる。また、入館管理システム20によって承認されないと顔認証プラットフォーム10から第1撮像装置30Aにユーザの顔画像に関する情報が送信されないため、セキュリティ性を向上させることができる。
また、本実施の形態の顔認証システム1および顔認証方法においては、例えばユーザがある建物から別の建物に引っ越しをした際に、顔認証プラットフォーム10は、ユーザ識別情報を含む入館招待情報を入館管理システム20から受け付けたときに、受け付けた入館招待情報におけるユーザ識別情報が記憶部18に記憶されているユーザ識別情報と略一致する場合は、別の建物の第1撮像装置30Aまたは入場規制装置40に対して記憶部18に記憶されている登録情報におけるユーザの顔画像に関する情報を送信する。この場合には、例えばユーザがある建物から別の建物に引っ越しをしたときに、元の建物に居住していたときの登録情報および顔画像に関する情報が記憶部18に記憶されているため、ユーザがユーザ端末50によりわざわざ顔画像を撮像したり登録情報を入力したりする必要がなくなり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態の顔認証システム1および顔認証方法によれば、顔認証プラットフォーム10は、登録要求情報を送信した後に少なくともユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、受け付けたユーザの顔画像に関する情報、部屋番号および登録情報を記憶部18に記憶させるとともに第2~第5撮像装置30B~30Eに対してユーザの顔画像に関する情報を送信する。第2~第5撮像装置30B~30Eにおいて、顔認証プラットフォーム10から送信されたユーザの顔画像に関する情報が各記憶部38B~38Eに記憶されるようになっており、各撮像部34B~34Eにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報が認証部36B~36Eによって各記憶部38B~38Eに記憶されているユーザの顔画像に関する情報と比較されることによりユーザの認証が行われると、認証されたユーザの部屋番号に関連する処理が処理装置(具体的には、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48)により行われる。
このように、集合住宅において各居住者の顔画像および部屋番号を予め登録することにより顔認証によってユーザの部屋番号に関連する処理を行うことができる。また、顔認証プラットフォーム10は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、ユーザの顔画像に関する情報、部屋番号および登録情報を記憶部18に記憶させるとともに各撮像装置30B~30Eに対してユーザの顔画像に関する情報を送信するため、ユーザの顔画像に関する情報を顔認証プラットフォーム10側で管理することができるとともに、各撮像装置30B~30Eでもユーザ端末50により登録されたユーザの顔画像に関する情報を用いてユーザの認証を行うことができるようになる。
また、本実施の形態の顔認証システム1および顔認証方法においては、顔認証プラットフォーム10は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、受け付けた登録情報を入館管理システム20に送信し、入館管理システム20から承認情報を受け付けた場合にのみ、ユーザの顔画像に関する情報、部屋番号および登録情報を記憶部18に記憶させるとともに各撮像装置30B~30Eに対してユーザの顔画像に関する情報を送信する。この場合には、ユーザによってユーザ端末50により登録されたユーザの登録情報を、入館管理システム20を操作する管理者が一旦確認し、問題ないと判断した場合にのみ管理者が入館管理システム20において承認操作を行うことにより承認情報が入館管理システム20から顔認証プラットフォーム10に送信されるため、各認証部36B~36Eによる認証において用いられるユーザの顔画像に関する情報の正確性を高めることができる。すなわち、居住者以外のユーザの顔画像に関する情報が誤って各撮像装置30B~30Eに送信されてしまうことを防止することができ、よって居住者以外のユーザの顔画像に関する情報を用いてユーザの認証が行われてしまうことを防止することができる。また、入館管理システム20によって承認されないと顔認証プラットフォーム10から各撮像装置30B~30Eにユーザの顔画像に関する情報が送信されないため、セキュリティ性を向上させることができる。
また、本実施の形態の顔認証システム1および顔認証方法においては、外部から共有スペースや専有スペースへの移動を行う際に認証部36Aによる認証で必要となる顔画像に関する情報と、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48でユーザの部屋番号に関連する処理を行う際に認証部36B~36Eによる認証で必要となる顔画像に関する情報とを共通のものとすることができる。このため、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48が追加的に設置された場合でも、追加で設置されたこれらの装置を利用する際に顔画像の登録を改めて行う必要がなくなるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本実施の形態による顔認証システム1や顔認証方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、顔認証プラットフォーム10の受付部14が入館管理システム20から承認情報を受け付けたときに(STEP6の「YES」)、制御部12は、登録情報、部屋番号およびユーザの顔画像に関する情報を互いに紐付けて記憶部18に記憶させるとともに、ユーザの顔画像に関する情報およびユーザ識別情報を互いに紐付けた状態で第1~第5撮像装置30A~30Eに送信するが、ユーザの部屋番号に関する情報は第1~第5撮像装置30A~30Eに送信されないようになっていてもよい。代わりに、制御部12は、ユーザの部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けた状態で宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48の各々に送信する。宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48の記憶部(図示せず)には、ユーザの部屋番号およびユーザ識別情報を互いに紐付けた状態で記憶される。そして、第2~第5撮像装置30B~30Eの認証部36B~36Eにおいてユーザの認証が行われると、このユーザのユーザ識別情報が各第2~第5撮像装置30B~30Eから宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48に送信される。宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48において、各第2~第5撮像装置30B~30Eからユーザ識別情報が送信されると、このユーザ識別情報に対応する部屋番号に関連する処理が行われる。このような変形例に係る顔認証システム1でも、撮像部34B~34Eにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報が、認証部36B~36Eによって、記憶部38B~38Eに記憶されているユーザの顔画像に関する情報と比較されることによりユーザの認証が行われると、認証されたユーザの部屋番号に関連する処理が処理装置(具体的には、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48)により行われる。
また、上記の説明では、ユーザの顔画像に関する情報を記憶する記憶部および認証部が各撮像装置30A~30Eに設置されている態様について説明したが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。例えば、ユーザの顔画像に関する情報を記憶する記憶部およびユーザの認証を行う認証部がそれぞれ各撮像装置30A~30Eではなく入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48に設けられていてもよい。この場合は、ユーザの登録が行われると、ユーザの顔画像に関する情報、部屋番号およびユーザ識別情報が互いに紐付けられた状態で顔認証プラットフォーム10から入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48に送信され、これらの装置の記憶部に記憶される。また、各撮像装置30A~30Eの撮像部34A~34Eによりユーザの顔画像が撮像されると、ユーザの顔画像に関する情報が各撮像装置30A~30Eから入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48に送信される。そして、入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48に設けられている認証部により、各撮像装置30A~30Eから送信されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部に記憶されているユーザの顔画像に関する情報とが比較されることによりユーザの認証が行われる。また、更に別の態様として、ユーザの顔画像に関する情報を記憶する記憶部は各撮像装置30A~30Eに設置されているが、認証部は各撮像装置30A~30Eではなく入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48に設けられていてもよい。
〔第2の実施の形態〕
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図4乃至図8は、本実施の形態に係る顔認証システム、このような顔認証システムにおける顔画像データの登録方法およびユーザの顔認証を行う方法を示す図である。なお、第2の実施の形態を説明するにあたり、第1の実施の形態と略同一の構成や動作については説明を省略する。
本実施の形態による顔認証システム1aは、マンション等の集合住宅の入口において居住者であるユーザが顔認証端末としての第1撮像装置31Aに顔をかざすだけで入場規制装置40による規制が解除されるため共有スペースや専有スペースに入ることができ、例えば入口に設置された扉の解錠を行うための鍵が不要となるので居住者にとっての利便性を向上させることができるものである。このような顔認証システム1aの構成について図4を用いて説明する。
図4に示すように、顔認証システム1aは、顔認証プラットフォーム11と、集合住宅である建物の入口に設置された第1撮像装置31Aおよび入場規制装置40と、宅配ボックス42および宅配ボックス42の近くに配置された第2撮像装置31Bと、エレベータかごの動作を制御するエレベータ制御装置44およびエレベータの扉の近傍に配置された第3撮像装置31Cと、各部屋の玄関に設置される扉の施錠および解錠を行う複数の施錠装置46および各部屋の玄関の近傍に配置された複数の第4撮像装置31Dと、メールボックス48およびメールボックス48の近くに配置された第5撮像装置31Eとを備えている。
顔認証プラットフォーム11は、インターネット回線等のネットワークを介して、入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48および各撮像装置31A~31Eと通信可能に接続されている。顔認証プラットフォーム11は、例えばシステム会社のコンピュータ等である。また、顔認証プラットフォーム11は、インターネット回線等のネットワークを介して、入館管理システム20に通信可能に接続されている。入館管理システム20は、例えば建物管理会社または賃貸管理会社のコンピュータ等である。また、顔認証プラットフォーム11は、インターネット回線等のネットワークを介して、各居住者が所持するユーザ端末50と通信可能に接続されている。
顔認証プラットフォーム11は、制御部12と、受付部14と、送信部16と、認証部17と、記憶部18とを有している。受付部14、送信部16、認証部17および記憶部18はそれぞれバスにより制御部12に接続されている。制御部12、受付部14、送信部16および記憶部18の構成は、第1の実施の形態の顔認証プラットフォーム10の制御部12、受付部14、送信部16および記憶部18の構成と略同一であるため説明を省略する。認証部17は、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報と、各撮像装置31A~31Eから送信されたユーザの顔画像に関する情報とを比較することによりユーザの認証を行う。顔認証プラットフォーム11において、記憶部18に記憶されているプログラムや、顔認証プラットフォーム11に取り付けられた記録媒体に記憶されているプログラム、外部装置から顔認証プラットフォーム11に送信されたプログラム等を制御部12が実行することにより、受付部14、送信部16、認証部17および記憶部18がそれぞれ機能する。
第1撮像装置31Aおよび入場規制装置40は、それぞれ建物の入口の近傍に設置されている。第1撮像装置31Aは、制御部32Aと、撮像部34Aと、記憶部38Aとを有している。なお、第2の実施の形態では第1撮像装置31Aに認証部は設けられていない。制御部32A、撮像部34Aおよび記憶部38Aの構成は、第1の実施の形態における第1撮像装置30Aの制御部32A、撮像部34Aおよび記憶部38Aの構成と略同一であるため説明を省略する。このような第1撮像装置31Aとして、例えばPCタブレット等が用いられる。また、入場規制装置40の構成も第1の実施の形態における入場規制装置40の構成と略同一であるため説明を省略する。
宅配ボックス42は、荷物を収容する複数の収納部および各収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部(具体的には、扉)を有している。また、ユーザが宅配ボックス42から荷物を取り出す箇所の近傍に第2撮像装置31Bが設置されている。第2撮像装置31Bは、制御部32Bと、撮像部34Bと、記憶部38Bとを有している。なお、第2の実施の形態では第2撮像装置31Bに認証部は設けられていない。制御部32B、撮像部34Bおよび記憶部38Bの構成は、第1の実施の形態における第2撮像装置30Bの制御部32B、撮像部34Bおよび記憶部38Bの構成と略同一であるため説明を省略する。宅配ボックス42の構成は第1の実施の形態における宅配ボックス42の構成と略同一であるため説明を省略する。
エレベータ制御装置44は、共有スペース内に設置されたエレベータかごの動作を制御するものである。また、第3撮像装置31Cは、少なくとも共有スペース内の入場規制装置40と同じフロアにおけるエレベータの扉の近傍に配置されている。なお、第3撮像装置31Cが、入場規制装置40と同じフロアだけではなく各階においてエレベータの扉の近傍に配置されていてもよい。第3撮像装置31Cは、制御部32Cと、撮像部34Cと、記憶部38Cとを有している。なお、第2の実施の形態では第3撮像装置31Cに認証部は設けられていない。制御部32C、撮像部34Cおよび記憶部38Cの構成は、第1の実施の形態における第3撮像装置30Cの制御部32C、撮像部34Cおよび記憶部38Cの構成と略同一であるため説明を省略する。また、エレベータ制御装置44の構成も第1の実施の形態におけるエレベータ制御装置44の構成と略同一であるため説明を省略する。
施錠装置46は、建物の各部屋に対応して設けられており、各部屋の玄関に設置される扉の施錠および解錠を行う。また、各部屋の玄関の近傍にはそれぞれ第4撮像装置31Dが配置されている。第4撮像装置31Dは、制御部32Dと、撮像部34Dと、記憶部38Dとを有している。なお、第2の実施の形態では第4撮像装置31Dに認証部は設けられていない。制御部32D、撮像部34Dおよび記憶部38Dの構成は、第1の実施の形態における第4撮像装置30Dの制御部32D、撮像部34Dおよび記憶部38Dの構成と略同一であるため説明を省略する。また、施錠装置46の構成も第1の実施の形態における施錠装置46の構成と略同一であるため説明を省略する。
メールボックス48は、部屋番号に対応する複数の収納部および各収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部(具体的には、扉)を有している。また、ユーザがメールボックス48から荷物を取り出す箇所の近傍に第5撮像装置31Eが設置されている。第5撮像装置31Eは、制御部32Eと、撮像部34Eと、記憶部38Eとを有している。なお、第2の実施の形態では第5撮像装置31Eに認証部は設けられていない。制御部32E、撮像部34Eおよび記憶部38Eの構成は、第1の実施の形態における第5撮像装置30Eの制御部32E、撮像部34Eおよび記憶部38Eの構成と略同一であるため説明を省略する。メールボックス48の構成は第1の実施の形態におけるメールボックス48の構成と略同一であるため説明を省略する。
次に、このような顔認証システム1aにおいて建物に居住するユーザの顔画像データの登録を行う際の動作について図5および図7を用いて説明する。
建物においてユーザの居住が開始されるという情報が建物管理会社や賃貸管理会社の社員等によって入館管理システム20に入力されると、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム11にこのユーザの入館招待情報が送信される。入館招待情報はユーザのユーザ識別情報およびユーザが居住する部屋の部屋番号等の情報を含む。顔認証プラットフォーム11が入館招待情報を受け付けると(STEP101の「YES」)、入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されている登録情報のユーザ識別情報と略一致するか否かが判断される(STEP102)。ここで、ユーザが初めて顔認証プラットフォーム11に登録されている建物に居住する場合には、入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されている登録情報のユーザ識別情報と略一致しない(STEP102の「NO」)。この場合は、顔認証プラットフォーム11の送信部16はユーザ端末50に登録要求情報を送信する(STEP103)。登録要求情報が送信されるべきユーザ端末50は、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム11に送信された入館招待情報に含まれるユーザ識別情報により特定される。一方、同じ建物管理会社や賃貸管理会社が管理しており顔認証プラットフォーム11に登録されている他の建物からユーザが引っ越ししてきた場合は、記憶部18には既にユーザ識別情報が記憶されているため、引っ越し先の建物の入館管理システム20から顔認証プラットフォーム11に送信された入館招待情報におけるユーザ識別情報が、記憶部18に記憶されている登録情報のユーザ識別情報と略一致する(STEP102の「YES」)。この場合は、ユーザによるユーザ端末50を用いたユーザ登録は行われない。
ユーザ端末50において登録要求情報を受け取ったユーザはユーザ端末50によりユーザ登録を行う。具体的には、ユーザは最初に顔認証アプリをユーザ端末50にインストールする。そして、ユーザがユーザ端末50において顔認証アプリを起動すると、ユーザ登録画面がユーザ端末50に表示される。このようなユーザ登録画面においてユーザが氏名(漢字)、氏名(カナ)、生年月日、ユーザ名、ユーザ端末50の電話番号、ユーザ端末50のメールアドレス、パスワード等の登録情報を入力し、利用規約に同意する欄にチェックを入れた後に登録ボタンを押下すると、ユーザ端末50には顔画像の撮像画面が表示される。このような撮像画面でユーザがユーザ端末50により顔画像を撮像すると、ユーザ登録画面で入力された様々な登録情報およびユーザの顔画像データがユーザ端末50から顔認証プラットフォーム11に送信される。このようにして、顔認証プラットフォーム11の受付部14はユーザ端末50から登録情報および顔画像データを受け付ける(STEP104の「YES」)。また、ユーザ端末50の識別情報も、顔認証プラットフォーム11の受付部14が受け付ける。その後、顔認証プラットフォーム11の送信部16は入館管理システム20にユーザの登録情報を送信する(STEP105)。
入館管理システム20を操作する管理者は、顔認証プラットフォーム11から送信されたユーザの登録情報等を見ることにより、居住者としてのユーザの承認を行う。入館管理システム20においてユーザの承認が行われると、入館管理システム20から顔認証プラットフォーム11に承認情報が送信される。顔認証プラットフォーム11の受付部14が入館管理システム20から承認情報を受け付けると(STEP106の「YES」)、制御部12は、登録情報、部屋番号および顔画像に関する情報を互いに紐付けて記憶部18に記憶させる(STEP107)。
次に、図5に示す顔認証システム1aにおいてユーザが建物の外部から共有スペースや専有スペースに入るときの動作について図6および図8を用いて説明する。建物の外部から共有スペースや専有スペースに入ろうとするユーザが第1撮像装置31Aの撮像部34Aに顔をかざすと、撮像部34Aによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される(STEP110の「YES」)。そして、第1撮像装置31Aから顔認証プラットフォーム11にユーザの顔画像に関する情報が送信される(STEP111)。具体的には、第1撮像装置31Aから顔認証プラットフォーム11にユーザの顔画像データがそのまま送信される。あるいは、制御部32Aが、撮像部34Aにより取得されたユーザの顔画像データから所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出し、抽出されたハッシュ値が第1撮像装置31Aから顔認証プラットフォーム11に送信される。
顔認証プラットフォーム11の認証部17は、第1撮像装置31Aから送信されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することにより、ユーザの認証を行う(STEP112)。具体的には、第1撮像装置31Aから送信されたユーザの顔画像データと、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像データとが略一致する場合は、ユーザが居住者であるという認証を行う。あるいは、第1撮像装置31Aから送信されたユーザの顔画像データから制御部12が所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出し、抽出されたハッシュ値と、記憶部18に記憶されているハッシュ値とが略一致する場合は、ユーザが居住者であるという認証を行ってもよい。更に別の態様として、第1撮像装置31Aから送信されたハッシュ値と、記憶部18に記憶されているハッシュ値とが略一致する場合は、ユーザが居住者であるという認証を行ってもよい。認証部17によるユーザの認証が行われると(STEP112の「YES」)、顔認証プラットフォーム11から入場規制装置40に動作指令(具体的には、規制解除指令)が送られる(STEP113)。入場規制装置40に規制解除指令が送られると、入場規制装置40による規制が解除されて建物の外部から共有スペースや専有スペースへのユーザの移動が許容される(STEP114)。このことにより、ユーザは共有スペースや専有スペースに入ることができるようになる。また、認証部17によるユーザの認証が行われると、ユーザの認証が行われたという情報がユーザ識別情報とともに記憶部18に記憶される。このことにより、記憶部18には、入場規制装置40による規制の解除の履歴が記憶されるようになる。
また、ユーザが宅配ボックス42に預け入れられている荷物を取り出そうとして、宅配ボックス42の近傍に設置されている第2撮像装置31Bの撮像部34Bに顔をかざすと、撮像部34Bによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される(STEP110の「YES」)。そして、第2撮像装置31Bから顔認証プラットフォーム11にユーザの顔画像に関する情報が送信される(STEP111)。
顔認証プラットフォーム11の認証部17は、第2撮像装置31Bから送信されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することにより、ユーザの認証を行う(STEP112)。認証部17によるユーザの認証が行われると(STEP112の「YES」)、顔認証プラットフォーム11から宅配ボックス42に動作指令が送られる(STEP113)。宅配ボックス42に動作指令が送られると、認証されたユーザの部屋番号に対応する荷物が収納されている収納部へのアクセスを許容する処理を行う。具体的には、認証部17によりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が顔認証プラットフォーム11から宅配ボックス42に動作指令として送信される。そして、宅配ボックス42は、顔認証プラットフォーム11から送信された部屋番号に対応する荷物が収納されている収納部へのアクセスを許容する処理を行う。このことにより、ユーザは、荷物を収納部から取り出すことができるようになる。
また、ユーザが共有スペースに入った後、エレベータかごに乗ろうとして、エレベータ制御装置44の近傍に設置されている第3撮像装置31Cの撮像部34Cに顔をかざすと、撮像部34Cによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される(STEP110の「YES」)。そして、第3撮像装置31Cから顔認証プラットフォーム11にユーザの顔画像に関する情報が送信される(STEP111)。
顔認証プラットフォーム11の認証部17は、第3撮像装置31Cから送信されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することにより、ユーザの認証を行う(STEP112)。認証部17によるユーザの認証が行われると(STEP112の「YES」)、顔認証プラットフォーム11からエレベータ制御装置44に動作指令が送られる(STEP113)。エレベータ制御装置44は、顔認証プラットフォーム11から動作指令を受け付けると、エレベータかごの移動先を、認証されたユーザの部屋番号に対応するフロアの階に指定する。具体的には、認証部17によりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が顔認証プラットフォーム11からエレベータ制御装置44に動作指令として送信される。そして、エレベータ制御装置44は、顔認証プラットフォーム11から送信された部屋番号に対応するフロアの階をエレベータかごの移動先に指定する。このことにより、ユーザは、自分の部屋番号に対応する収納部から荷物や郵便物を取り出すことができるようになる。
また、本実施の形態の別の態様において、建物の入口に設置される入場規制装置40およびエレベータの扉の位置が近い場合は、入場規制装置40の近傍に設置されている第1撮像装置31Aの撮像部34Aに顔をかざし、撮像部34Aによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得され、第1撮像装置31Aから顔認証プラットフォーム11にユーザの顔画像に関する情報が送信されることにより認証部17においてユーザの認証が行われると、顔認証プラットフォーム11からエレベータ制御装置44に動作指令が送信されてもよい。具体的には、顔認証プラットフォーム11の認証部17によりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が顔認証プラットフォーム11からエレベータ制御装置44に動作指令として送信される。すると、建物の入口と同じフロアの階にエレベータかごが自動的に移動する。このことにより、建物の共有スペースに入ったユーザはすぐにエレベータかごに乗ることができるようになる。また、エレベータ制御装置44は、顔認証プラットフォーム11から送信された部屋番号に対応するフロアの階をエレベータかごの移動先に指定する。このことにより、ユーザは第3撮像装置31Cの撮像部34Cに顔をかざさなくても、エレベータに乗った後、行き先のフロアを指定しなくてもエレベータはユーザの部屋の階に止まるようになる。また、このような態様では、エレベータの扉の近傍に第3撮像装置31Cを設置すること自体を省略することもできる。
また、ユーザが共有スペースに入った後、自分の部屋の前に到達してこの部屋に対応する第4撮像装置31Dの撮像部34Dに顔をかざすと、撮像部34Dによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される(STEP110)。そして、第4撮像装置31Dから顔認証プラットフォーム11にユーザの顔画像に関する情報が送信される(STEP111)。
顔認証プラットフォーム11の認証部17は、第4撮像装置31Dから送信されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することにより、ユーザの認証を行う(STEP112)。認証部17によるユーザの認証が行われると(STEP112の「YES」)、顔認証プラットフォーム11から施錠装置46に動作指令が送られる(STEP113)。施錠装置46は、顔認証プラットフォーム11から動作指令を受け付けると、認証されたユーザの部屋番号に対応する扉の解錠を行う。具体的には、認証部36Dによりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が顔認証プラットフォーム11からエレベータ制御装置44に動作指令として送信される。そして、施錠装置46は、顔認証プラットフォーム11から送信された部屋番号が、この施錠装置46に対応する部屋番号と一致する場合には、扉の解錠を行う。このことにより、ユーザは鍵を持たなくても顔認証により専有スペースに入ることができるようになる。
また、ユーザがメールボックス48に預け入れられている郵便物を取り出そうとして、メールボックス48の近傍に設置されている第5撮像装置31Eの撮像部34Eに顔をかざすと、撮像部34Eによりユーザの顔が撮像されてユーザの顔画像データが取得される(STEP110の「YES」)。そして、第5撮像装置31Eから顔認証プラットフォーム11にユーザの顔画像に関する情報が送信される(STEP111)。
顔認証プラットフォーム11の認証部17は、第5撮像装置31Eから送信されたユーザの顔画像に関する情報と、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報とを比較することにより、ユーザの認証を行う(STEP112)。認証部17によるユーザの認証が行われると(STEP112の「YES」)、顔認証プラットフォーム11からメールボックス48に動作指令が送られる(STEP113)。メールボックス48に動作指令が送られると、認証されたユーザの部屋番号に対応する収納部へのアクセスを許容する処理を行う。具体的には、認証部17によりユーザの認証が行われると、当該ユーザのユーザ識別情報に対応する部屋番号の情報が顔認証プラットフォーム11からメールボックス48に動作指令として送信される。そして、メールボックス48は、顔認証プラットフォーム11から送信された部屋番号に対応する収納部へのアクセスを許容する処理を行う。このことにより、ユーザは、郵便物を収納部から取り出すことができるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の顔認証システム1aおよび顔認証方法によれば、顔認証プラットフォーム11は、ユーザ識別情報を含む入館招待情報を入館管理システム20から受け付けると、ユーザ識別情報に基づいて特定されるユーザ端末50に対して登録要求情報を送信する。また、顔認証プラットフォーム11は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、ユーザの顔画像に関する情報および登録情報を記憶部18に記憶させる。また、第1撮像装置31Aにおいて、撮像部34Aにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報が顔認証プラットフォーム11に送信され、顔認証プラットフォーム11は、認証部17によって、第1撮像装置31Aから送信されたユーザの顔画像に関する情報が、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報と比較されることによりユーザの認証が行われると、規制解除指令を入場規制装置40に送信する。そして、入場規制装置40において、顔認証プラットフォーム11から規制解除指令が送信されると入場規制装置40による規制が解除されて外部から専有スペースへの移動が許容される。
このように、集合住宅等において各居住者の顔画像を予め登録することにより顔認証によって集合住宅の外部から専有スペースへの移動を許容することができる。また、入館管理システム20から送信されたユーザ識別情報を含む入館招待情報を受け付けるとユーザ端末50に対して登録要求情報を送信することにより、入館招待情報に基づいて居住者であるユーザを顔認証プラットフォーム11において確実に特定することができる。また、入館管理システム20から送信されたユーザ識別情報に基づいて特定されるユーザ端末50に対して登録要求情報が送信されるため、居住者であるユーザはユーザ端末50を用いて顔画像に関する情報を登録することができ、よってユーザにとっての利便性を向上させることができる。また、顔認証プラットフォーム11は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、ユーザの顔画像に関する情報および登録情報を記憶部18に記憶させるため、ユーザの顔画像に関する情報を顔認証プラットフォーム11側で管理することができ、第1撮像装置31Aの記憶部38Aにユーザの顔画像に関する情報を記憶させる必要がなくなるため、第1撮像装置31Aからユーザの顔画像に関する情報を抜き取られる等がなくなり、よってセキュリティ性を向上させることができる。
また、本実施の形態の顔認証システム1aおよび顔認証方法においては、顔認証プラットフォーム11は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、受け付けた登録情報を入館管理システム20に送信し、入館管理システム20から承認情報を受け付けた場合にのみ、ユーザの顔画像に関する情報および登録情報を記憶部18に記憶させる。この場合には、ユーザによってユーザ端末50により登録されたユーザの登録情報を、入館管理システム20を操作する管理者が一旦確認し、問題ないと判断した場合にのみ管理者が入館管理システム20において承認操作を行うことにより承認情報が入館管理システム20から顔認証プラットフォーム11に送信されるため、認証部17による認証において用いられるユーザの顔画像に関する情報の正確性を高めることができる。すなわち、居住者以外のユーザの顔画像に関する情報を用いてユーザの認証が行われてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態の顔認証システム1aおよび顔認証方法においては、例えばユーザがある建物から別の建物に引っ越しをした際に、顔認証プラットフォーム11は、ユーザ識別情報を含む入館招待情報を入館管理システム20から受け付けたときに、受け付けた入館招待情報におけるユーザ識別情報が記憶部18に記憶されているユーザ識別情報と略一致する場合は、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報および登録情報を別の建物の入場規制装置40に紐付ける。この場合には、ユーザがある建物から別の建物に引っ越しをしたときに、元の建物に居住していたときの登録情報および顔画像に関する情報が記憶部18に記憶されているため、ユーザがユーザ端末50によりわざわざ顔画像を撮像したり登録情報を入力したりする必要がなくなり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態の顔認証システム1aおよび顔認証方法によれば、顔認証プラットフォーム11は、登録要求情報を送信した後に少なくともユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、受け付けたユーザの顔画像に関する情報、部屋番号および登録情報を記憶部18に記憶させる。また、撮像装置31B~31Eにおいて、撮像部34B~34Eにより撮像されたユーザの顔画像に関する情報が顔認証プラットフォーム11に送信される。また、顔認証プラットフォーム11は、認証部17によって、撮像装置31B~31Eから送信されたユーザの顔画像に関する情報が、記憶部18に記憶されているユーザの顔画像に関する情報と比較されることによりユーザの認証が行われると、動作指令を処理装置(具体的には、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48)に送信し、各処理装置において、顔認証プラットフォーム11から動作指令が送信されると、認証されたユーザの部屋番号に関連する処理が処理装置により行われる。
このように、集合住宅において各居住者の顔画像および部屋番号を予め登録することにより顔認証によってユーザの部屋番号に関連する処理を行うことができる。また、入館管理システム20から送信されたユーザ識別情報を含む入館招待情報を受け付けるとユーザ端末50に対して登録要求情報を送信することにより、入館招待情報に基づいて居住者であるユーザを顔認証プラットフォーム11において確実に特定することができる。また、入館管理システム20から送信されたユーザ識別情報に基づいて特定されるユーザ端末50に対して登録要求情報が送信されるため、居住者であるユーザはユーザ端末50を用いて顔画像に関する情報を登録することができ、よってユーザにとっての利便性を向上させることができる。また、顔認証プラットフォーム11は、登録要求情報を送信した後にユーザの顔画像に関する情報および登録情報を受け付けると、ユーザの顔画像に関する情報および登録情報を記憶部18に記憶させるため、ユーザの顔画像に関する情報を顔認証プラットフォーム11側で管理することができ、各撮像装置31B~31Eの記憶部38A~38Eにユーザの顔画像に関する情報を記憶させる必要がなくなるため、各撮像装置31B~31Eからユーザの顔画像に関する情報を抜き取られる等がなくなり、よってセキュリティ性を向上させることができる。
また、本実施の形態の顔認証システム1aおよび顔認証方法においては、外部から共有スペースや専有スペースへの移動を行う際に認証部17による認証で必要となる顔画像に関する情報と、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48でユーザの部屋番号に関連する処理を行う際に認証部17による認証で必要となる顔画像に関する情報とを共通のものとすることができる。このため、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46、メールボックス48が追加的に設置された場合でも、追加で設置されたこれらの装置を利用する際に顔画像の登録を改めて行う必要がなくなるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本実施の形態による顔認証システム1aや顔認証方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、上記の説明では、顔認証プラットフォーム11の認証部17によりユーザの認証が行われた後、顔認証プラットフォーム11から入場規制装置40、収納ボックス装置42、エレベータ制御装置44、施錠装置46およびメールボックス48の各装置に動作指令(規制解除指令を含む)が送信されるような態様について述べたが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。他の例として、顔認証プラットフォーム11の認証部17によりユーザの認証が行われた後、顔認証プラットフォーム11から各撮像装置31A~31Eに動作指令が送信され、各撮像装置31A~31Eから入場規制装置40、収納ボックス装置42、エレベータ制御装置44、施錠装置46およびメールボックス48の各装置に動作指令が送信されるようになっていてもよい。
また、本発明による顔認証システムや顔認証方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、建物の入口に設置される第1撮像装置30A、31Aおよび入場規制装置40は別々のものであることに限定されない。第1撮像装置30A、31Aと入場規制装置40とが一体化した装置が建物の入口に設置されていてもよい。また、第2撮像装置30B、31Bおよび宅配ボックス42は別々のものであることに限定されない。第2撮像装置30B、31Bと宅配ボックス42とが一体化した装置が建物の内部等に設置されていてもよい。また、第3撮像装置30C、31Cおよびエレベータ制御装置44は別々のものであることに限定されない。第3撮像装置30C、31Cとエレベータ制御装置44とが一体化した装置がエレベータの扉の近傍に設置されていてもよい。また、第4撮像装置30D、31Dおよび施錠装置46は別々のものであることに限定されない。第4撮像装置30D、31Dと施錠装置46とが一体化した装置がエレベータの扉の近傍に設置されていてもよい。また、第5撮像装置30E、31Eおよびメールボックス48は別々のものであることに限定されない。第5撮像装置30E、31Eとメールボックス48とが一体化した装置がエレベータの扉の近傍に設置されていてもよい。
また、ユーザのユーザ端末50において用いられる顔認証アプリは、ユーザ端末50のカメラにより撮像された訪問者の顔画像データそのものを顔認証プラットフォーム10、11に送信にする代わりに、ユーザ端末50のカメラにより撮像された訪問者の顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出し、抽出されたハッシュ値を顔認証プラットフォーム10、11に送信してもよい。
また、ユーザの部屋番号に関連する処理を行う処理装置は、上述した宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46およびメールボックス48に限定されることはない。処理装置として、ユーザの部屋番号に関連する処理を行うことができるものであれば、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44、施錠装置46およびメールボックス48以外のものが用いられてもよい。
また、複数の撮像装置30A~30E、31A~31Eのうちある撮像装置は認証部を有するが別の撮像装置は認証部を有さないようになっていてもよい。この場合でも、顔認証プラットフォームの記憶部にはユーザの顔画像に関する情報、部屋番号および登録情報が記憶されるため、どの装置(具体的には、入場規制装置40、宅配ボックス42、エレベータ制御装置44および施錠装置46、メールボックス48)でもユーザの顔画像に関する情報を用いた顔認証に基づく処理を行うことができる。