JP7245127B2 - 地絡保護装置 - Google Patents
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Description
鉄道信号設備では、例えば、敷設されたレール1の沿線に沿って、電柱2が立設されている。電柱2の上部には、支持材3が取り付けられ、この支持材3に、碍子4を介してトロリ線又はき電線(トロリ線・き電線)5が懸架されている。レール1及びトロリ線・き電線5は、変電所6内のき電電源7に接続されている。レール1には、このレール1を切り換える付帯機器としての転てつ器8が設けられている。転てつ器8は、信号ケーブル9を介して信号設備(例えば、信号機器室10)から送られてくる制御信号により、レール1を切り換えるようになっている。信号機器室10の建屋の内には、電源装置及び制御装置等の信号機器が設置されている。信号機器室10内の信号機器には、接地電極により大地11に接地されているものがある。
このような問題を解消するために、従来、例えば、図14のような地絡保護システムが知られている。
この地絡保護システムは、レール1の付帯機器(例えば、転てつ器8)に接続された信号機器室10内の信号機器10bを、き電回路の地絡時に保護する交流電化区間用の地絡保護装置20を備えている。地絡保護装置20により保護される電源装置及び制御機器等の信号機器10bは、信号機器室10の建屋10a内に、絶縁材15を介して設置されている。信号機器10bは、レール1の転てつ器8に対して制御信号等の信号の送受信を行い、その転てつ器8を制御してレール1を切り換えさせるものである。
地絡保護装置20は、接地側端子21とレール側端子22との間に一定以上の電位差が発生した時に電磁接触器23が閉じ、地絡電流iを、インピーダンスボンド中性点16を経由してレール1側へ放電する装置である。このような地絡保護装置20を備えた地絡保護システムは、例えば、以下のステップ(1)~(5)で動作する。
交流電化区間用の地絡保護装置20は、接地側端子21とレール側端子22との間に接続された電磁接触器23を有している。電磁接触器23には、放電管24が並列に接続されている。更に、電磁接触器23に対して直列に、電流計測用の変流器(以下「CT」という。)25が設けられている。CT25の端子間には、第1過電流リレー26及び第2過電流リレー27が直列に接続されている。第1過電流リレー26は、地絡電流iの消滅を検知すると、電磁接触器23を開くための開放信号S26を出力するものである。又、第2過電流リレー27は、地絡電流iの発生を検知すると、電磁接触器23を閉じるための投入信号S27を出力するものである。
地絡発生により、ステップ(a)において、A種接地14とインピーダンスボンド中性点16との間(即ち、地絡保護装置20の接地側端子21及びレール側端子22間)に電位差が発生する。すると、ステップ(b)において、放電管24が放電し、地絡電流iが、矢印X1方向に、A種接地14→接地側端子21→放電管24→CT25→レール側端子22→インピーダンスボンド中性点16、の経路で流れる。地絡電流iが流れると、ステップ(c)において、過電流リレー27が地絡電流iの発生を検知・動作して電磁接触器23へ投入信号S27を出力する。ステップ(d)において、投入信号S27により、電磁接触器23が閉じる。電磁接触器23が閉じると、ステップ(e)において、地絡電流iが、矢印X2方向に、A種接地14→接地側端子21→電磁接触器23→CT25→レール側端子22→インピーダンスボンド中性点16、の経路で流れる。その後、ステップ(f)において、地絡が解消されて地絡電流iが消滅すると、過電流リレー26が地絡電流iの消滅を検知・動作して、電磁接触器23へ開放信号S26を出力する。これにより、ステップ(g)において、電磁接触器23が開き、元の状態に復帰する。
(i) 直流電化区間の場合、通常のき電電流(電車電流)と比較して検知目標の地絡電流iが小さい。
しかし、そのような小さい地絡電流iを十分な信頼性をもって検出するのに適したCT製品が存在しない(サイズが大き過ぎる、検出精度が不十分等)。
そのため、地絡電流iの発生を十分な信頼性をもって正確に検出できず、電磁接触器23の投入を適切に行うことができない。この場合、放電管24に地絡電流iが流れ続けることになるため、放電管24の焼損等が発生する恐れがある。
(ii) 直流電化区間の場合、地絡時のレール電位上昇(地絡電圧)が交流電化区間と比較して小さい。
そのため、地絡が発生したとしても、地絡電圧が放電管24の放電開始電圧に達しない場合がある。このような場合は、放電管24が放電せず、地絡保護装置20が動作しなくなってしまうため、信号機器10bを保護できなくなってしまう。この対策として、放電開始電圧が低い放電管24を使用すると、地絡以外(例えば、通常の電車電流によるレール電位上昇及びその高調波)でも放電してしまい、地絡保護装置20が不要動作してしまう恐れがある。
更に、2種類の第1及び第2地絡検知手段を設けているので、検出可能となる地絡電圧の幅が広がり、従来の地絡保護装置のような不動作や不要動作を防止しつつ、地絡を幅広く検出できる。従って、例えば、直流電化区間における鉄道信号設備において、本発明の地絡保護装置を用いた地絡保護が可能になる。
図1は、本発明の実施例1における直流電化区間用の地絡保護装置30を示す概略の構成図である。
直流電化区間用の地絡保護装置30は、従来の図14に示す交流電化区間用の地絡保護システムと同様の、直流電化区間用の地絡保護システムに設けられ、地絡電流iの発生によって所定箇所(例えば、直流電化区間におけるき電回路の帰線として使用されるレール1)の電位が変動した場合、そのレール側と接地側との間に接続された保護対象機器(例えば、レール1の付帯機器に対して電源供給及び制御信号の送受信を行う信号機器室10内の信号機器10b)を、その地絡電流iから保護する装置である。
接地側端子31とレール側端子32との間には、開閉器(例えば、電磁接触器)33が接続されている。電磁接触器33は、第1投入信号S43又は第2投入信号S53,S54により閉じて接地側端子31及びレール側端子32間を短絡することにより、その接地側端子31及びレール側端子32間に地絡電流iを流し、開放信号S62により開いてその地絡電流iを遮断する機能を有している。更に、接地側端子31とレール側端子32との間には、第1地絡検出回路40と第2地絡検出回路50とが並列に接続されている。
分圧抵抗51は、電圧検知リレー53,54に許容値以上の電圧が掛からないよう、分圧抵抗52の端子間電圧を制限してその電圧検知リレー53,54を保護する目的で設けられている。
本実施例1の回路構成では、電圧検知リレー53,54の動作基準値の設定を、例えば、電圧検知リレー53を200V・10秒、電圧検知リレー54を100V・20秒とした場合、以下の2つのパターン(P1)、(P2)のいずれか一方が発生した時に、地絡が発生していると判断する構成になっている。
パターン(P2);100V以上~200V(電圧検知リレー53の動作基準電圧)未満の電圧が20秒以上発生した場合。
電圧検知リレー43,53,54,62は、例えば、メカニカルリレーである有接点リレー、或いは、MOSFETリレー、ソリッドステート・リレー等の無接点リレーにより構成されている。
図2は、地絡電圧が放電管の放電開始電圧以上である地絡が発生した場合の図1の動作説明図、及び、図3は、地絡電圧が放電管の放電開始電圧未満である地絡が発生した場合の図1の動作説明図である。
図2では、以下のステップ(a)~(g)の動作が行われる。
ステップ(a)において、地絡によりA種接地14とインピーダンスボンド中性点16との間(即ち、地絡保護装置30の接地側端子31及びレール側端子32間)に電位差が発生する。電位差が発生すると、ステップ(b)において、放電管41が放電し、地絡電流iが矢印Y1方向に、A種接地14→接地側端子31→抵抗42→放電管41→レール側端子32→インピーダンスボンド中性点16、の経路で流れる。矢印Y1方向に地絡電流iが流れると、ステップ(c)において、抵抗42の端子間に発生した電圧を、電圧検知リレー43が検知・動作して、電磁接触器33へ投入信号S43を出力する。
ステップ(d)において、電磁接触器33が閉じ、ステップ(e)において、地絡電流iが矢印Y2方向に、A種接地14→接地側端子31→CT61→電磁接触器33→レール側端子32→インピーダンスボンド中性点16、の経路で流れる。更に、インピーダンスボンド中性点16へ流れた地絡電流iは、図14に示すレール1へ流れる。これにより、レール1に直結した転てつ器8の筐体と転てつ器回線の間や、信号機器10bと信号機器室10の建屋10aとの間等の電位差が等電位化(縮小)され、信号機器10bが安全に保護される。
前記電圧検知リレー43及びタイマ55,56の動作状態は、信号用リレー44,57,58の接点により外部へ出力される。そのため、外部装置により、地絡保護装置30の動作状態の遠隔監視及び停電監視が可能になる。
図3では、以下のステップ(a)~(g)の動作が行われる。
ステップ(a)において、地絡によりA種接地14とインピーダンスボンド中性点16との間(即ち、地絡保護装置30の接地側端子31及びレール側端子32間)に電位差が発生する。電位差が発生すると、ステップ(b)において、地絡電流iが矢印Y3方向に、A種接地14→接地側端子31→分圧抵抗52→分圧抵抗51→レール側端子32→インピーダンスボンド中性点16、の経路で流れる。矢印Y3方向に地絡電流iが流れると、ステップ(c)において、分圧抵抗52に発生した負極性電圧・時間が、予め設定された電圧検知リレー53の動作基準値以上(例えば、200V・10秒)である場合、その電圧検知リレー53が動作して、電磁接触器33へ投入信号S53を出力する。これに対して、分圧抵抗52に発生した負極性電圧・時間が、予め設定された電圧検知リレー54の動作基準値以上(例えば、100V・20秒)である場合、その電圧検知リレー54が動作して、電磁接触器33へ投入信号S54を出力する。
ステップ(e)後のステップ(f)において、地絡が解消され、矢印Y2方向の地絡電流iが、予め設定された停止電流以下(例えば、15A以下、3秒継続)である場合、電圧検知リレー62が電流消滅を検知して、電磁接触器33へ開放信号S62を出力する。ステップ(g)において、電磁接触器33が開放され、元の開状態に復帰する。
前記(A)と同様に、前記電圧検知リレー43及びタイマ55,56の動作状態は、信号用リレー44,57,58の接点により外部へ出力される。そのため、外部装置により、地絡保護装置30の動作状態の遠隔監視及び停電監視が可能になる。
本実施例1が従来に比べて優れている点を明らかにするために、以下の(I)~(III)にて考察する。
(Ia) 地絡電流検知構成の変更
従来の図15の交流電化区間用の地絡保護装置20と、本実施例1の図1の直流電化区間用の地絡保護装置30とは、共に、図14の地絡保護システムにおいて、地絡電圧(レール1から信号機器室A種接地・建屋10a間)が所定の電圧を超えると、放電管24,41が放電し、地絡保護装置20,30内の主回路に地絡電流iが流れる。次に、主回路に流れる地絡電流iを検知して、放電管24,41に対して並列接続された電磁接触器23,33を投入する。この地絡電流検知機器として、従来の交流用ではCT25を使用している。しかし、既製品の直流用CTで地絡保護装置に適した製品がないので、実施例1の直流用の地絡保護装置30では、主回路に抵抗42(例えば、0.1Ω)を挿入し、この端子間に発生する電圧を直流用の電圧検知リレー43で検出している。
(Ib) 地絡電圧検知機能の追加
交流電車線のき電電圧は22kVと高いため、地絡電圧(レール1から信号機器室A種接地14・建屋10a間)は確実に放電管24,41の放電開始電圧に到達する。これに対し、直流き電電圧はDC1500Vと低いため、地絡電圧が放電管24,41の放電開始電圧(DC300Vを想定)に達せず、地絡保護装置20,30が動作しない可能性がある。この対策として、本実施例1の直流電化区間用の地絡保護装置30では、電圧検知リレー53,54を設け、DC300Vに達しない場合でも、地絡を検出し、電磁接触器33を動作させて地絡電流iをバイパスさせている。
例えば、電圧検知リレー53の整定値は-200V・10秒、電圧検知リレー54の整定値は-100V・20秒とする。なお、整定値をマイナスとしたのは、地絡電圧は信号機器室A種接地14・建屋10aを基準としてマイナスになるためである。
レール電位は通常の電車電流によっても上昇するため、本実施例1の地絡保護装置30内の放電管41の放電開始電圧は、通常のレール電位よりも高い値とし、不要放電が起きないようにしなければならない。又、本実施例1の地絡保護装置30における主たる地絡電圧検知は、地絡故障発生時にレール1が負極性側に電位上昇する現象を基本原理としているため、適正な動作電圧を設定するには、レール電位の変化の様相を把握する必要がある。そこで、以下の(IIa)、(IIb)にてレール電位の実測、及び理論計算を行った。
(IIa) 実測値
図4は、レール電位実測結果を示す図である。
図4では、例えば、K駅(15両編成の幹線電車が走行する線区)と、T駅(10両編成の通勤型電車が走行する線区)とにおいて、測定日1日目(水)~12日目(火)までの12日間のレール電位の実測結果が示されている。
図4から分かるように、測定期間内に得られた正極側の最大値は150V(波高値)で、負極側の最大値は118V(波高値)であった。代表的波形を図5及び図6に、1日間の変化の例を図7及び図8に示す。
図5はレール電位波形例(K駅構内、電車力行時)を示す図、図6はレール電位波形例(T駅構内、電車回生時)を示す図、図7はレール電位の1日の変化の例(K駅構内)を示す図、及び、図8はレール電位の1日の変化の例(T駅構内)を示す図である。
負極側の電圧波高値は100Vを超えることがあったが、図7及び図8から分かるように、実効値的には100Vに達しておらず、その持続時間も5秒程度以下であった。
(IIb) 理論計算
(IIb1) レール電位計算方法
図9は、直流電化区間のレール電位上昇の様子を示す図である。
図9において、2箇所の変電所6-1,6-2間に、レール1及びトロリ線・き電線5が設けられている。各変電所6-1,6-2内には、き電電源7-1,7-2がそれぞれ設けられている。レール1上を電車17が走行している。
直流電化区間では、隣接する変電所6-1,6-2内のき電電源7-1,7-2を結んだ並列き電方式となっている。この場合は、電車17が変電所6-1と変電所6-2の中間点を走行している時に、最もレール電位が高くなる。レール電位の最大値Vmは、次式(1)で表すことができ、レール電位の最低値Vpは、次式(2)で表すことができる。
図10は、レール電位計算結果(電車走行時)を示す図である。50kgレール、負荷電流3000Aにおいて、横軸はレール対地コンダクタンス(S/km)、及び縦軸はレール電位(V)である。
図11は、レールの直流抵抗を示す図である。更に、図12は、直流区間レールの対地コンダクタンス概略値を示す図である。
図10において、レールの直流抵抗は、図11の値を用いた。レール1の対地コンダクタンスは、0.01~1.0S/kmとした。
図10から分かるように、電車電流によるレール電位は変電所間隔が長くなるほど高く、又、レール対地コンダクタンスが小さくなるほど高くなる。レール対地コンダクタンスが最も低いのは、晴天時のスラブ軌道で、0.02S/km以下である。この時でも、変電所間隔20km、負荷電流3000Aという厳しい条件におけるレール電位計算結果は、250V程度となった。なお、変電所間隔は、都市圏の幹線で5km程度、亜幹線で10km程度である。又、負荷電流3000Aは、15両編成の幹線電車における始動時最大電流に相当する。よって、通常のレール電位は、図10より、150V以下と考えられ、K構内及びT駅構内における実測結果と符合する。
(IIIa) 放電管41の直流放電開始電圧
現地における実測での最大値は150V(波高値)であった。又、変電所間隔10km、電車電流3000Aという通常の条件での計算値は、150V以下であり、変電所間隔20kmという厳しい条件での計算値は250Vであった。よって、放電管41の直流放電開始電圧を300Vとすれば、電車電流に起因するレール電位によって不要放電する恐れは極めて低いと考えられる。
(IIIb) 電圧検知リレー53,54の整定値
直流電化区間電車線路における地絡故障の場合は、条件によってはレール電位上昇が放電管41の放電開始電圧(DC300Vを想定)に達しない可能性がある。その対策として、電圧検知リレー53,54を設け、レール1に所定の負極性電圧が発生したら地絡と判断し、電磁接触器33を投入する。実測結果では、電車運転時の負極性電圧の最大値は118Vであったが、その持続時間は5秒程度以下であった。従って、例えば、電圧検知リレー53の整定値を-200V・10秒、電圧検知リレー54の整定値を-100V・20秒とすれば、電車電流に起因するレール電位によって不要動作する恐れは極めて低いと考えられる。一方、高抵抗地絡故障の場合は、変電所7-1,7-2での故障検知ができないため、地絡状態が分単位で持続することがあるので、それを電圧検知リレー53,54で検知できる。
本実施例1の直流電化区間用の地絡保護装置30によれば、以下の(a)~(c)のような効果がある。
(a) 従来の図15に示す地絡電流発生の検出に使用されているCT25に代えて、抵抗42,52と電圧検知リレー43,53,54とを使用し、地絡電流発生時に抵抗42,52の端子間に発生する電圧を電圧検知リレー43,53,54で検出する回路構成にしている。そのため、従来のようなCT25を使わずに、地絡電流の発生を的確に検出できる。
(b) 2種類の第1、第2地絡検出回路40,50を設けているので、検出可能となる地絡電圧の幅が広がり、従来の地絡保護装置20のような不動作や不要動作を防止しつつ、地絡を幅広く検出できるようになる。従って、例えば、直流電化区間における鉄道信号設備において、地絡保護装置30を用いた地絡保護が可能となる。
(c) 電圧検知リレー43,53,54の動作状態は、信号用リレー44,57,58の接点により外部へ出力される。そのため、外部装置により、地絡保護装置30の動作状態の遠隔監視及び停電監視が可能になる。
本発明は、上記実施例1に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(i)、(ii)のようなものがある。
(i) 図1の地絡保護装置30において、地絡検知精度等を向上させるために、他の回路要素を付加しても良い。又、不要であれば、信号用リレー44,57,58を除去して地絡保護装置30の簡略化と低コスト化を図っても良い。
(ii) 実施例1の地絡保護装置30は、直流電化区間における鉄道信号設備以外にも適用が可能である。
8 転てつ器
10 信号機器室
10a 建屋
10b 信号機器
14 A種接地
16 インピーダンスボンド中性点
30 地絡保護装置
31 接地側端子
32 レール側端子
33 電磁接触器(開閉器)
40 第1地絡検出回路
41 放電管
42 抵抗
43,53,54,62 電圧検知リレー
50 第2地絡検出回路
51,52 分圧抵抗
55,56,63 タイマ
61 変流器(CT)
Claims (6)
- 地絡電流の発生によって所定箇所の電位が変動した場合、前記所定箇所側と接地側との間に接続された保護対象機器を、前記地絡電流から保護する地絡保護装置において、
前記接地側の第1端子と、
前記所定箇所側の第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子との間に接続され、第1投入信号又は第2投入信号により閉じて前記第1端子及び前記第2端子間を短絡することにより前記第1端子及び前記第2端子間に前記地絡電流を流し、開放信号により開いて前記地絡電流を遮断する開閉器と、
前記第1端子及び前記第2端子間に直列に接続された放電管及び抵抗を有し、前記第1端子及び前記第2端子間に発生する地絡電圧が所定電圧以上の時に、前記放電管が放電して前記地絡電流が前記抵抗に流れる直列回路と、
前記地絡電流により前記抵抗の端子間に発生する電圧から、前記所定電圧以上の前記地絡電圧を検知して前記第1投入信号を出力する第1検知手段と、
前記直列回路に対して並列に接続され、前記第1端子及び前記第2端子間に発生する前記地絡電圧を分圧する分圧回路と、
前記分圧回路により分圧された電圧の大きさと電圧が発生している時間とから、前記所定電圧未満の前記地絡電圧を検知して第2投入信号を出力する第2検知手段と、
前記開閉器を流れる前記地絡電流が所定電流以下の時に、前記地絡電流の消滅を検知して前記開放信号を前記開閉器へ出力する第3検知手段と、
を備えることを特徴とする地絡保護装置。 - 前記所定箇所は、
直流電化区間におけるき電回路の帰線として使用されるレールであり、
前記保護対象機器は、
前記レールの付帯機器に対して電源供給及び制御信号の送受信を行う信号機器である、
ことを特徴とする請求項1記載の地絡保護装置。 - 前記分圧回路は、
前記地絡電圧を降圧する第1分圧抵抗と、
前記第1分圧抵抗に対して直列に接続された第2分圧抵抗と、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の地絡保護装置。 - 前記第1検知手段は、
前記地絡電圧を検知して前記第1投入信号を出力する第1電圧検知リレーにより構成され、
前記第2検知手段は、
前記第2分圧抵抗の端子間電圧の大きさを検知する第2電圧検知リレーと、前記第2分圧抵抗の端子間電圧が発生している時間を計測する第1タイマと、の1組又は複数組により構成されている、
ことを特徴とする請求項3記載の地絡保護装置。 - 前記開閉器は、
電磁接触器により構成され、
前記第3検知手段は、
前記電磁接触器を流れる前記地絡電流を検出する変流器と、
前記変流器により検出された検出電流の大きさを検知する第3電圧検知リレーと、
前記検出電流の発生している時間を計測する第2タイマと、
により構成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の地絡保護装置。 - 前記第1電圧検知リレー及び前記第1タイマには、それぞれの動作状態を外部に出力する信号用リレーがそれぞれ接続されている、
ことを特徴とする請求項4又は5記載の地絡保護装置。
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