JP2003134657A - 直流き電回路の地絡による変電所遮断器の不要動作防止装置 - Google Patents

直流き電回路の地絡による変電所遮断器の不要動作防止装置

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JP2003134657A
JP2003134657A JP2001330751A JP2001330751A JP2003134657A JP 2003134657 A JP2003134657 A JP 2003134657A JP 2001330751 A JP2001330751 A JP 2001330751A JP 2001330751 A JP2001330751 A JP 2001330751A JP 2003134657 A JP2003134657 A JP 2003134657A
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Shinichi Hase
伸一 長谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流電気鉄道において隣接変電所管内におけ
る地絡事故により自変電所の遮断器が断とならないよう
にする。 【解決手段】 レール21と接地マット23の間に放電ギャ
ップ3を設け、帰線27に帰線過電流継電器2を設け、更
に遮断制御器1を設け、遮断制御器1は放電ギャップ3
からの放電検知信号と帰線過電流継電器2からの地絡検
知信号を同時に受けたときのみ交流遮断器6と直流遮断
器10,11,12,13 を遮断し、き電回線過電流継電器14,15,
16,17 のいずれかから架線地絡検知信号を受けたとき
は、他の検知信号の有無にかかわらず、その架線へき電
している直流遮断器だけを遮断し、その他の場合には遮
断器を遮断しないこととする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電気鉄道にお
いて、変電所が複数存在する場合、或る変電所において
直流母線地絡やその変電所管内の架線低抵抗地絡が発生
した場合に、隣接する変電所がその影響を受けて、自変
電所内或いは管内架線では地絡が発生していないにもか
かわらず、交流遮断器や直流遮断器が遮断されるのを防
止する技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】図3に、従来の直流電気鉄道の、変電所
からのき電の状況を示す。変電所5では外部交流送電線
から高圧の交流を受電し、交流遮断器6を経て変圧器7
で降圧し、整流器8で整流して直流母線9から架線の各
区間へき電される。例えば、直流遮断器10とき電回線
過電流継電器14を経て上り架線18の区間Aへき電さ
れ、直流遮断器11とき電回線過電流継電器15を経て
上り架線18の区間Bへ、直流遮断器12とき電回線過
電流継電器16を経て下り架線19の区間Eへ、直流遮
断器13とき電回線過電流継電器17を経て下り架線1
9の区間Fへとき電される。こうして、例えば直流15
00Vのプラス側が上り架線18、下り架線19へ、マ
イナス側(帰線27)がレール21へ接続され電車20
のモータが駆動されることになる。
【0003】一方、変電所構内には接地マット23が設
けられており、この接地マット23とレール21の間
に、直流高圧接地継電器22が接続されている。これ
は、直流母線9が接地マット23へ地絡(直流母線地絡
24)したり、架線が低抵抗地絡事故を起こしたり(外
線低抵抗地絡25)した場合に、交流遮断器6および直
流遮断器10〜13を遮断してき電を停止させるための
継電器である。
【0004】直流母線地絡事故は、何らかの工事を行う
ときに安全のために直流母線を、接地マット接続端子へ
接続して接地していたのを工事終了後に外し忘れた場合
とか、ねずみや蛇等の野生動物が直流母線と地表に出て
いる接地マット接続端子との間にかかったり、或いは外
線地絡時に作動した直流遮断器10〜13のアークがよ
く消弧されないで変則的に飛んで直流母線と接地マット
接続端子の間にアークが飛び移ったりした場合などに発
生する。
【0005】また、架線の低抵抗地絡は架線の近くで土
木工事が行われている場合に地中深く打ち込んだ鉄パイ
ルと架線が接触した場合等に発生する。このような直流
母線地絡24或いは外線低抵抗地絡25が発生すると、
接地マット23を通じて接地マット23とレール21の
間に接続された直流高圧接地継電器22に直流高電圧が
かかり、これが作動することにより交流遮断器6および
直流遮断器10〜13がすべて遮断され架線へのき電が
すべて停止される。このように、直流高圧接地継電器2
2が作動して交流遮断器6、直流遮断器10〜13が遮
断状態になった変電所は、保守員が当該変電所に赴き、
地絡の原因を調査除去した後各遮断器を再投入すること
になる。
【0006】以上、変電所5について述べたが、隣接の
変電所28についても、変電所構内で直流母線地絡を生
じたり、き電中の架線で外線低抵抗地絡を生じた場合に
は変電所5の場合と同様の事態に至る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、変電所5の
関係で地絡事故が発生した時に、直流高圧接地継電器2
2が作動して交流遮断器6や直流遮断器10〜13が遮
断されるだけでなく、隣接変電所28の直流高圧接地継
電器42も作動して、該変電所28の交流遮断器29や
直流遮断器33〜36が遮断され、変電所5からき電し
ている区間に加えて変電所28からき電している区間の
電車も運行停止になることがあるという問題がある。そ
の理由は、地絡により接地マット23にかかった高電圧
が大地を通して、隣接変電所28の接地マット43に伝
わりこれとレール21との間に接続された直流高圧接地
継電器42が作動してしまうためである。
【0008】このように、着目変電所の接地マットと隣
接変電所の接地マット間が大地であり導体で繋がってい
ない場合の他に、例えば、地下鉄などのように地下トン
ネル中に変電所が存在する場合にはトンネル構造体の鉄
筋によって接地マット同士が繋がっていたり、或いは変
電所の受電が同一送電線で行われている場合そのシース
アースを各変電所の接地マットに接続するので、結局各
変電所の接地マット同士が送電線のシースで繋がってし
まう場合がある。
【0009】このような場合、地絡により接地マット2
3にかかった高圧は、大地だけの場合よりも一層確実に
隣接変電所28の接地マット43に伝わってしまい、隣
接変電所の直流高圧接地継電器42が作動してその変電
所の交流遮断器29や直流遮断器33〜36を遮断して
しまうことがある。図3では変電所が2つであるが、事
故変電所を含む多数の変電所がき電停止となることもあ
り得る。
【0010】このような場合、電車の運行停止が広範囲
に渡るという問題に加えて、保守員が多数の変電所に出
向いて、地絡原因を調査除去したうえでなければ遮断器
の再投入ができないため、復旧に時間がかかるという問
題があるので重大な運行障害を来すという問題がある。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑みて、他の変電所で地絡事故が発生しても自変電所が
連鎖反応で遮断器が遮断しないようにする不要動作防止
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は下記の構成を有する。第1の構成は、変
電所にて外部からの交流入力を受け交流遮断器および変
圧器を経て整流器で直流に変換し直流母線から各き電区
間毎に対応して直流遮断器および、架線地絡発生時の地
絡電流を検知し架線地絡検知信号を出力するき電回線過
電流継電器を経て各区間の架線へき電する直流電気鉄道
において、下記の各手段を有することを特徴とする直流
き電回路の地絡による変電所遮断器の不要動作防止装置
である。 (イ) 変電所構内の接地マットとき電区間のレールと
の間に接続され接地マットに地絡電圧が加わると放電す
るとともに放電したことを示す放電検知信号を出力する
放電ギャップ (ロ) レールから整流器への帰線の途中に設けられ、
地絡電流が流れるとこれを検知し、地絡が発生したこと
を示す地絡検知信号を出力する帰線過電流継電器 (ハ) 放電ギャップ、帰線過電流継電器およびき電回
線過電流継電器からの検知信号線が接続され、き電回線
過電流継電器からの架線地絡検知信号を受けたときは、
他の検知信号の有無にかかわらず、当該き電回線過電流
継電器と直列の直流遮断器に対してのみこれを遮断する
遮断信号を出力し、放電ギャップからの放電検知信号と
帰線過電流継電器からの地絡検知信号のみを受けたとき
は、前記交流遮断器および前記すべての直流遮断器に対
してこれらを遮断する遮断信号を出力し、その他のとき
には、交流遮断器に対しても直流遮断器に対しても遮断
信号を出力しない遮断制御器
【0013】第2の構成は、変電所にて外部からの交流
入力を受け交流遮断器および変圧器を経て整流器で直流
に変換し直流母線から各き電区間毎に対応して直流遮断
器および、架線地絡発生時の地絡電流を検知し架線地絡
検知信号を出力するき電回線過電流継電器を経て各区間
の架線へき電する直流電気鉄道において、下記の各手段
を有することを特徴とする直流き電回路の地絡による変
電所遮断器の不要動作防止装置である。 (イ) 変電所構内の接地マットとき電区間のレールと
の間に接続され接地マットに地絡電圧が加わるとこれを
検知し地絡検知信号を出力する直流高圧接地継電器 (ロ) レールから整流器への帰線の途中に設けられ、
地絡電流が流れるとこれを検知し、地絡が発生したこと
を示す地絡検知信号を出力する帰線過電流継電器 (ハ) 直流高圧接地継電器、帰線過電流継電器および
き電回線過電流継電器からの検知信号線が接続され、き
電回線過電流継電器からの架線地絡検知信号を受けたと
きは、他の検知信号の有無にかかわらず当該き電回線過
電流継電器と直列の直流遮断器に対してのみこれを遮断
する遮断信号を出力し、直流高圧接地継電器からの地絡
検知信号と帰線過電流継電器からの地絡信号のみを受け
たときは、前記交流遮断器および前記すべての直流遮断
器に対してこれらを遮断する遮断信号を出力し、その他
のときには、交流遮断器に対しても直流遮断器に対して
も遮断信号を出力しない遮断制御器
【0014】
【発明の実施の形態】従来は、直流高圧接地継電器(図
3の22,42)に予め設定した電圧(整定電圧とい
う)を超える高電圧が印加されると作動して交流遮断
器、直流遮断器のすべてを遮断するように構成されてい
た。そして、直流高圧接地継電器に高電圧が印加される
のが自変電所にかかわる地絡による場合だけでなく、隣
接変電所での地絡によっても高電圧が印加されることが
あり交流遮断器、直流遮断器のすべてが遮断されてしま
うというのが問題であった。
【0015】そこで、本発明においては、隣接変電所に
かかわる地絡によって自変電所の接地マットに高電圧が
印加されても、交流遮断器および総ての直流遮断器が一
括遮断とはならない装置を構成した。
【0016】1つの形態として、変電所の接地マットと
レールの間に、従来の直流高圧接地継電器に代えて、予
め設定した値以上の高電圧が印加されると放電し放電電
流(地絡電流)が流れるとともに放電検知信号を出力す
る放電ギャップを設け、従来何も設けられていなかっ
た、レールから整流器への帰線の途中に、地絡電流を検
知し、地絡検知信号を出力する帰線過電流継電器を設
け、更に、遮断制御器を設け、この遮断制御器が、放電
ギャップからの放電検知信号と帰線過電流継電器からの
地絡検知信号とを受け、各区間の架線へのき電経路に設
けられているき電回線過電流継電器からの架線地絡検知
信号を受けていないときは、直流母線地絡があったこと
を示すから、交流遮断器と各き電経路の直流遮断器すべ
てに遮断信号を送り、架線地絡検知信号もあったとき
は、直流母線地絡ではなくいずれかの区間の架線地絡が
あったことを示すから、その区間の架線へき電している
経路に設けられている直流遮断器のみへ遮断信号を送る
ようにしている。
【0017】このようにすることにより、隣接変電所に
かかわる地絡によって、大地或いは鉄筋・電力線シース
等の導体を通して自変電所の接地マットに高電圧が印加
し放電ギャップが放電して放電検知信号を出力しても、
自変電所にかかわる地絡ではないから、帰線過電流継電
器からは地絡検知信号が出力されず遮断制御器からは交
流遮断器と全直流遮断器を一括遮断する遮断信号が出力
されず、交流遮断器と全直流遮断器が一括遮断となるこ
とはない。この点で、隣接変電所の地絡の影響を受ける
ことがないということになる。
【0018】第2の形態は、上記放電ギャップを従来の
直流高圧接地継電器のままとし、但し、従来のように高
電圧が印加されて動作したときに、即、交流遮断器や直
流遮断器を遮断するのではなく、地絡検知信号を遮断制
御器へ送るようにする。その他は、第1の形態と同様で
ある。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は第1の実施の形態に対応する実施例の回路
構成図である。従来の回路構成と異なる点は、レール2
1と接地マット23の間に、従来の直流高圧接地継電器
に代えて放電ギャップ3を設けた点、帰線27に帰線過
電流継電器2を設けた点、更に、遮断制御器1を設けた
点である。そして、放電ギャップ3からは放電検知信号
が、帰線過電流継電器2からは地絡検知信号が、き電回
線過電流継電器14,15,16,17からはそれぞれ
架線地絡検知信号が遮断制御器1へ送られるようになっ
ている。
【0020】これに対して、遮断制御器1からは、交流
遮断器6、直流遮断器10,11,12,13のそれぞ
れへ個別に遮断信号が送られるようになっている。き電
回線過電流継電器14,15,16,17および帰線過
電流継電器2は、それを流れる電流の時間変化率ΔI
(=dI/dt)が予め設定した値を越えたときに検知
信号を出力するようになっている継電器である。ただ
し、帰線過電流継電器2の設定値は、き電回線過電流継
電器14,15,16,17の設定値よりも大きくす
る。
【0021】電車の通常の運行時においても、或る変電
所の管内と隣接変電所の管内との間での電車の出入り増
減や、1つの変電所の管内でもき電区間とき電区間との
間での電車の出入り増減により、各過電流継電器を流れ
る電流値は変化し、時間変化率ΔIが存在するが、地絡
発生時のΔIは通常の電車運行の場合よりもはるかに大
きい値を示すので、各過電流継電器の動作設定値を、通
常の電車運行時のΔI値と地絡発生時のΔI値の間の適
切な値に設定することにより、地絡発生を検知すること
が可能となる。放電ギャップ3は地絡電流のΔIをより
大きくするので、地絡発生の検知をより確実にすること
になる。
【0022】このような設定の回路構成において、今、
直流母線地絡24が発生したとすると、レール21と接
地マット23の間に直流高電圧がかかるので放電ギャッ
プ3が放電し、放電電流が流れ、この電流は帰線27の
途中に設けられている帰線過電流継電器2を流れる。従
って、放電ギャップ3からは放電検知信号が、また帰線
過電流継電器2からは地絡検知信号が、遮断制御器1へ
送られる。
【0023】このときは、直流母線9は放電ギャップ3
を経てレール21へ短絡状態になっているから、各区間
への電流は流れず、従ってき電回線過電流継電器14,
15,16,17は架線地絡検知信号は出力しない。
【0024】このとき、遮断制御器1は、交流遮断器6
と直流遮断器10,11,12,13へ遮断信号を送
り、これらの遮断器をすべて遮断状態にする。
【0025】次に、外線低抵抗地絡25が発生した場合
は、地絡を起した区間へき電しているき電回線過電流継
電器(図1の場合17)に地絡電流が流れ、この電流は
大地からレール漏れ抵抗4を経て帰線過電流継電器2を
流れて整流器8へ戻る。放電ギャップが放電するに至っ
たときは放電ギャップ3を経て帰線過電流継電器2を流
れて整流器8へ戻る。
【0026】そして、き電回線過電流継電器17から
は、架線地絡検知信号が出力される。しかし、放電ギャ
ップは放電する場合もあるし、しない場合もあるから放
電検知信号は出力される場合もあるし、されない場合も
ある。また、帰線過電流継電器2はその動作する設定値
がき電回線過電流継電器17の設定値よりも大きいか
ら、き電回線過電流継電器17が架線地絡検知信号を出
力しても、帰線過電流継電器2は地絡検知信号を出力し
ない場合がある。このように、き電回線過電流継電器1
7からの架線地絡検知信号が存在するときは、前記放電
検知信号や地絡検知信号の有無にかかわりなく、外線低
抵抗地絡の発生を示すものであるから、遮断制御器1は
直流遮断器13のみへ遮断信号を出力しこれを遮断す
る。
【0027】以上のように、遮断制御器1が交流遮断器
6と総ての直流遮断器10,11,12,13へ遮断信
号を出力するのは、放電ギャップ3と帰線過電流継電器
2がそれぞれ放電検知信号と地絡検知信号を出力したと
きのみである。また、き電回線過電流継電器14,1
5,16,17のいずれかが架線地絡検知信号を出力し
た場合には、放電検知信号や地絡検知信号の有無にかか
わらず、架線地絡検知信号を出力したき電回線過電流継
電器と直列の直流遮断器のみに対してこれを遮断する遮
断信号を出力する。
【0028】ところで、図1の変電所5の隣接変電所、
例えば図3の変電所28に相当する変電所において母線
地絡が発生した場合には、隣接変電所の交流遮断器29
と直流遮断器33,34,35,36のすべてに遮断信
号を出力するが、隣接変電所の直流遮断器が遮断される
までの間、変電所5と変電所28から並列にき電されて
いる区間Bおよび区間Fの架線(図3参照)を通じて変
電所5からも地絡電流が流れることがある。しかし、変
電所5からの地絡電流は、区間Bへのき電経路にあるき
電回線過電流継電器15および区間Fへのき電経路にあ
るき電回線過電流継電器17を経由して流れるので、こ
れらのき電回線過電流継電器15、17が地絡検知信号
を出力するため、遮断制御器1はこの地絡電流を外線低
抵抗地絡とみなし、それぞれ直列に接続されている直流
遮断器11および13にのみ遮断信号を出力することに
なる。このため、変電所5の交流遮断器6および直流遮
断器10、11、12、13のすべてが一括遮断されて
しまうことは発生しない。したがって、変電所5におけ
る直流遮断器11および13の再投入は速やかに行わ
れ、電車の運行に対する影響は殆どない。
【0029】図2は、第2の実施の形態に対応する実施
例の回路構成であり、図1と異なる点は図1の放電ギャ
ップ3に代えて、従来の直流高圧接地継電器22となっ
ている点である。ここでは、直流高圧接地継電器22が
作動しても直ちに、交流遮断器6や直流遮断器10,1
1,12,13を遮断するのではなく、地絡検知信号を
遮断制御器1へ出力するようにすることにより放電ギャ
ップ3と同様の機能を果す。
【0030】直流高圧接地継電器は高電圧が印加されて
作動しても電流は流れないから、地絡電流は専らレール
漏れ抵抗4を経てレール21、帰線27へと流れる。そ
の他の動作は図1の場合と同様である。図2の構成は、
既設の直流高圧接地継電器を用いることができるという
利点がある。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の直流き電
回路の地絡による変電所遮断器の不要動作防止装置は、
遮断制御器を設け、帰線に設けられた帰線過電流継電器
からの地絡検知信号と、接地マットとレールの間に設け
られた放電ギャップからの放電検知信号(或いは直流高
圧接地継電器からの地絡検知信号)の2つの検知信号の
みが出力されたときだけ交流遮断器と総ての直流遮断器
とを遮断するようにし、き電回線過電流継電器から架線
地絡検知信号が出力されたときは、他の検知信号の有無
にかかわらず、架線地絡検知信号を出力したき電回線過
電流継電器と直列の直流遮断器だけを遮断するようにし
たので、隣接変電所にかかわる地絡または外線低抵抗地
絡の影響を受けて自変電所の交流遮断器および全直流遮
断器を一括遮断にすることがなく、1変電所にかかわる
地絡事故が複数の変電所の遮断を招き、電車の運行停止
が広範囲に及ぶということを防止することができるとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1の実施例の回路構成図である。
【図2】本発明の、第2の実施例の回路構成図である。
【図3】従来の直流電気鉄道における変電所からのき電
の状況を示す図である。
【符号の説明】
1 遮断制御器 2 帰線過電流継電器 3 放電ギャップ 4 レール漏れ抵抗 5 変電所 6 交流遮断器 7 変圧器 8 整流器 9 直流母線 10,11,12,13 直流遮断器 14,15,16,17 き電回線過電流継電器 18 上り架線 19 下り架線 20 電車 21 レール 22 直流高圧接地継電器 23 接地マット 24 直流母線地絡 25 外線低抵抗地絡 26 大地 27 帰線 28 変電所 29 交流遮断器 30 変圧器 31 整流器 32 帰線 33,34,35,36 直流遮断器 37,38,39,40 き電回線過電流継電器 41 電車 42 直流高圧接地継電器 43 接地マット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷 伸一 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 森本 大観 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 伊東 利勝 東京都国立市北1−7−24 株式会社ジェ イアール総研電気システム内 Fターム(参考) 5G004 AA05 AB01 BA01 CA04 DC04 DC07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変電所にて外部からの交流入力を受け交
    流遮断器および変圧器を経て整流器で直流に変換し直流
    母線から各き電区間毎に対応して直流遮断器および、架
    線地絡発生時の地絡電流を検知し架線地絡検知信号を出
    力するき電回線過電流継電器を経て各区間の架線へき電
    する直流電気鉄道において、下記の各手段を有すること
    を特徴とする直流き電回路の地絡による変電所遮断器の
    不要動作防止装置。 (イ) 変電所構内の接地マットとき電区間のレールと
    の間に接続され接地マットに地絡電圧が加わると放電す
    るとともに放電したことを示す放電検知信号を出力する
    放電ギャップ (ロ) レールから整流器への帰線の途中に設けられ、
    地絡電流が流れるとこれを検知し、地絡が発生したこと
    を示す地絡検知信号を出力する帰線過電流継電器 (ハ) 放電ギャップ、帰線過電流継電器およびき電回
    線過電流継電器からの検知信号線が接続され、き電回線
    過電流継電器からの架線地絡検知信号を受けたときは、
    他の検知信号の有無にかかわらず、当該き電回線過電流
    継電器と直列の直流遮断器に対してのみこれを遮断する
    遮断信号を出力し、放電ギャップからの放電検知信号と
    帰線過電流継電器からの地絡検知信号のみを受けたとき
    は、前記交流遮断器および前記すべての直流遮断器に対
    してこれらを遮断する遮断信号を出力し、その他のとき
    には、交流遮断器に対しても直流遮断器に対しても遮断
    信号を出力しない遮断制御器
  2. 【請求項2】 変電所にて外部からの交流入力を受け交
    流遮断器および変圧器を経て整流器で直流に変換し直流
    母線から各き電区間毎に対応して直流遮断器および、架
    線地絡発生時の地絡電流を検知し架線地絡検知信号を出
    力するき電回線過電流継電器を経て各区間の架線へき電
    する直流電気鉄道において、下記の各手段を有すること
    を特徴とする直流き電回路の地絡による変電所遮断器の
    不要動作防止装置。 (イ) 変電所構内の接地マットとき電区間のレールと
    の間に接続され接地マットに地絡電圧が加わるとこれを
    検知し地絡検知信号を出力する直流高圧接地継電器 (ロ) レールから整流器への帰線の途中に設けられ、
    地絡電流が流れるとこれを検知し、地絡が発生したこと
    を示す地絡検知信号を出力する帰線過電流継電器 (ハ) 直流高圧接地継電器、帰線過電流継電器および
    き電回線過電流継電器からの検知信号線が接続され、き
    電回線過電流継電器からの架線地絡検知信号を受けたと
    きは、他の検知信号の有無にかかわらず、当該き電回線
    過電流継電器と直列の直流遮断器に対してのみこれを遮
    断する遮断信号を出力し、直流高圧接地継電器からの地
    絡検知信号と帰線過電流継電器からの地絡信号のみを受
    けたときは、前記交流遮断器および前記すべての直流遮
    断器に対してこれらを遮断する遮断信号を出力し、その
    他のときには、交流遮断器に対しても直流遮断器に対し
    ても遮断信号を出力しない遮断制御器
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