JP7244620B2 - 薬液、薬液収容体、薬液の製造方法、半導体チップの製造方法 - Google Patents

薬液、薬液収容体、薬液の製造方法、半導体チップの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薬液、薬液収容体、薬液の製造方法、及び、半導体チップの製造方法に関する。
フォトリソグラフィを含有する配線形成工程による半導体デバイスの製造の際、プリウェット液、レジスト液(レジスト膜形成用組成物)、現像液、リンス液、剥離液、化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)スラリー、及び、CMP後の洗浄液等として、又は、それらの希釈液として、水及び/又は有機溶剤を含有する薬液が用いられている。
近年、フォトリソグラフィ技術の進歩によりパターンの微細化が進んでいる。パターンの微細化の手法としては、露光光源を短波長化する手法が用いられ、露光光源として、従来用いられていた紫外線、KrFエキシマレーザー、及び、ArFエキシマレーザー等に代えて、更に短波長であるEUV(極紫外線)等を用いたパターン形成が試みられている。
形成されるパターンの微細化に伴い、このプロセスに用いる上記の薬液には更なる欠陥抑制性が求められている。
従来のパターン形成に用いられる薬液として、特許文献1には、「パターン形成技術において、パーティクルの発生を低減可能な、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の製造方法(段落[0010])」が開示されている。
特開2015-84122号公報
本発明者らは、上記製造方法により製造された処理液(薬液)について検討した結果、処理液を塗布した基板上に金属に由来する欠陥(金属欠陥)が発生することを知見し、更に改善の余地があることを見出した。以後、上記金属欠陥の発生が抑制されることを、金属欠陥抑制性に優れるともいう。
本発明は、金属欠陥抑制性に優れる薬液の提供を課題とする。
また、本発明は、薬液収容体、薬液の製造方法、及び、半導体チップの製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 有機溶剤、キレート剤、及び金属成分を含有する薬液であって、
有機溶剤の含有量が、薬液全質量に対して99.000~99.999質量%であり、
金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比が、1.0~10である、薬液。
(2) 更に水を含有し、水の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量ppmである、(1)に記載の薬液。
(3) 有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、イソプロパノール、4-メチル-2-ペンタノール、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、スルフォラン、及び、2-ヘプタノンからなる群から選択される1種以上である、(1)又は(2)に記載の薬液。
(4) 金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量pptである、(1)~(3)のいずれかに記載の薬液。
(5) 金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~300質量pptである、(1)~(4)のいずれかに記載の薬液。
(6) 金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~100質量pptである、(1)~(5)のいずれかに記載の薬液。
(7) 金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比が、1~100である、(1)~(6)のいずれかに記載の薬液。
(8) 金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比が、1~20である、(1)~(7)のいずれかに記載の薬液。
(9) キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~1質量ppmである、(1)~(8)のいずれかに記載の薬液。
(10) キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~300質量ppbである、(1)~(9)のいずれかに記載の薬液。
(11) キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~10質量ppbである、(1)~(10)のいずれかに記載の薬液。
(12) キレート剤が、後述する一般式(1)~(12)で表される化合物から選択される少なくとも1種又はその塩を含有する、(1)~(11)のいずれかに記載の薬液。
(13) キレート剤が、一般式(1)で表される化合物を含有する、(12)に記載の薬液。
(14) キレート剤が、一般式(9)で表される化合物を含有する、(12)に記載の薬液。
(15) キレート剤が、一般式(1)で表される化合物、及び一般式(9)で表される化合物を含有する、(12)~(14)のいずれかに記載の薬液。
(16) キレート剤が、アセチルアセトン、3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオン、5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、ビスデメトキシクルクミン、4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジオン、ニンヒドリン、2’-ヒドロキシアセトフェノン、ビウレット、グリシルグリシン、ジチオオキサミド、チオプロニン、ジメチルグリオキシム、L-システイン、クペロン、シチジン、キサントゲン酸、チオカルボヒドラジド、2,5-ジチオウレア、2’-ヒドロキシアセトフェノンオキシム、1,3-ジヒドロキシアセトンオキシム、ジエチルジチオカルバミン酸、1-ピロリジンカルボジチオ酸、チオ尿素、4-メチルチオセミカルバジド、ジチオジホルムホルムアミド、8-ヒドロキシキノリン、及びクラウンエーテル類、並びに、それらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、(1)~(15)のいずれかに記載の薬液。
(17) 沸点が450℃以上である有機化合物を更に含有し、有機化合物の含有量が、薬液全質量に対して0.01~1000質量ppmである、(1)~(16)のいずれかに記載の薬液。
(18) 金属成分のうち、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量が、薬液全質量に対して3~450質量pptである、(1)~(17)のいずれかに記載の薬液。
(19) 金属成分のうち、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量が、薬液全質量に対して0.01~10質量pptである、(1)~(18)のいずれかに記載の薬液。
(20) 金属成分のうち、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量に対する、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量の質量比が、3~2500である、(1)~(19)のいずれかに記載の薬液。
(21) 容器と、容器に収容された(1)~(20)のいずれかに記載の薬液と、を含有し、
容器内の薬液と接触する接液部が、電解研磨されたステンレス鋼又はフッ素系樹脂からなる、薬液収容体。
(22) 後述する式(X)によって求められる容器内の空隙率が1~20体積%である、(21)に記載の薬液収容体。
(23) (1)~(20)のいずれかに記載の薬液の製造方法であって、
有機溶剤を含有する被精製物を、フィルターを用いてろ過するろ過工程を有する、薬液の製造方法。
(24) ろ過工程の前に、被精製物を蒸留する蒸留工程を有する、(23)に記載の製造方法。
(25) 蒸留工程とろ過工程の間に、被精製物にキレート剤を添加する工程を有する、(24)に記載の製造方法。
(26) ろ過工程において、ナイロン膜を有するフィルターを用いる、(23)~(25)のいずれかに記載の製造方法。
(27) ろ過工程において、ナイロン膜を有するフィルターと、フッ素系樹脂膜を有するフィルターとを組み合わせて用いる、(23)~(26)のいずれかに記載の製造方法。
(28) ろ過工程において、ナイロン膜を有するフィルターと、フッ素系樹脂膜を有するフィルターと、イオン交換基を導入した材料を有するフィルターとを組み合わせて用いる、(23)~(27)のいずれかに記載の製造方法。
(29) 有機溶剤がシクロヘキサノン又は酢酸ブチルであり、
ナイロン膜を有するフィルターの孔径が10nm以下である、(28)に薬液の製造方法。
(30) (1)~(20)のいずれかに記載の薬液、又は(23)~(29)のいずれかに記載の製造方法により製造された薬液を用いて半導体チップを製造する、半導体チップの製造方法。
本発明によれば、金属欠陥抑制性に優れる薬液を提供できる。
また、薬液収容体、薬液の製造方法、及び、半導体チップの製造方法を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施形態に制限されない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含有する範囲を意味する。
また、本発明において、「ppm」は「parts-per-million(10-6)」を意味し、「ppb」は「parts-per-billion(10-9)」を意味し、「ppt」は「parts-per-trillion(10-12)」を意味する。
また、本発明における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さない基と共に置換基を含有する基をも包含する。例えば、「炭化水素基」とは、置換基を有さない炭化水素基(無置換炭化水素基)のみならず、置換基を含有する炭化水素基(置換炭化水素基)をも包含する。この点は、各化合物についても同義である。
また、本発明における「放射線」とは、例えば、遠紫外線、極紫外線(EUV;Extreme ultraviolet)、X線、又は、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。本発明中における「露光」とは、特に断らない限り、遠紫外線、X線又はEUV等による露光のみならず、電子線又はイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
[薬液]
本発明の薬液は、有機溶剤、キレート剤、及び金属成分を含有する薬液であって、
有機溶剤の含有量が、薬液全質量に対して99.000~99.999質量%であり、
金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比(以下「特定比率」とも記載する)が1.0~10である、薬液である。
本発明の薬液がこのような構成をとることで本発明の課題が解決されるメカニズムは必ずしも定かではないが、本発明者らはこのメカニズムについて以下のように推測している。
すなわち、薬液中の金属成分に由来して半導体基板上に欠陥が形成されるメカニズムとしては、例えば、ケイ素を含む半導体基板を用いた際には、薬液中の金属イオンと半導体基板に含まれるケイ素との酸化還元反応を経る場合と、金属成分と水との反応により生成される金属水酸化物が、半導体基板上のシラノール基と反応する酸塩基反応を経る場合があると推定される。それに対して、本発明の薬液では、金属成分に対して所定量含有されているキレート剤が、薬液中の金属イオンを安定化させて上記の酸化還元反応を抑制するとともに、薬液中の金属水酸化物を安定化させて上記の酸塩基反応をも抑制する結果、薬液によって処理された半導体基板上に、金属成分由来の欠陥が発生しにくくなる、と考えている。
このようなメカニズムに基づき、本発明の薬液を用いた各種プロセスでは、最終的に得られる欠陥の発生を抑制できた、と本発明者らは推測している。
〔成分〕
以下、本発明の薬液に含有される成分について詳述する。
<有機溶剤>
薬液は、有機溶剤を含有する。
薬液中における有機溶剤の含有量は、薬液全質量に対して、99.000~99.999質量%であり、金属欠陥抑制性がより優れる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、99.500~99.995質量%が好ましく、99.900~99.990質量%がより好ましい。
なお、本明細書において、有機溶剤とは、上記の含有量で含有される液状の有機化合物を意図する。また、本明細書において液状とは、25℃、大気圧下において、液体であることを意味する。
有機溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を用いてもよい。2種以上の有機溶剤を使用する場合、有機溶剤の合計含有量が上記範囲内であることを意味する。
なお、後述するように、沸点が450℃以上である有機化合物は、有機溶剤とは異なる化合物であり、有機溶剤には含まれない。
有機溶剤の種類としては特に制限されず、公知の有機溶剤を使用できる。有機溶剤は、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4~10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4~10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル、ジアルキルスルホキシド、環状スルホン、ジアルキルエーテル、一価アルコール、グリコール、酢酸アルキルエステル、及び、N-アルキルピロリドン等が挙げられる。
有機溶剤は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン(CyPe)、シクロヘキサノン(CyHe)、γ-ブチロラクトン(γBL)、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル(nBA)、酢酸イソアミル、イソプロパノール(IPA)、4-メチル-2-ペンタノール(MIBC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、炭酸エチレン、炭酸プロピレン(PC)、スルフォラン、及び、2-ヘプタノンからなる群から選択される1種以上が好ましく、シクロヘキサノン又は酢酸ブチルがより好ましい。
有機溶剤を2種以上使用する例としては、PGMEAとPGMEの併用、及び、PGMEAとPCの併用が挙げられる。
有機溶剤を2種以上使用する場合の各有機溶剤の比率は、特に制限されないが、1種の有機溶剤の含有量に対する他の有機溶剤の含有量の質量比が、1:100~100:1であることが好ましく、1:20~20:1であることがより好ましい。
なお、薬液中の、有機溶剤、並びに、後述するキレート剤、及び、高沸点有機化合物等の有機成分の含有量は、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS:Gas Chromatography/Mass spectrometry)で求められる。具体的には、Agilent社製、GC:7890B、MS:5977B EI/CI MSD等を求めて測定できる。
<キレート剤>
薬液は、キレート剤を含有する。
キレート剤は、金属イオンとキレート化する機能を有する化合物である。中でも、1分子中に金属イオンと配位結合する配位原子を含有する官能基(配位基)を2つ以上有する化合物が好ましい。
また、本発明の薬液に用いるキレート剤は、有機溶剤に対する溶解性が高いことが好ましい。
キレート剤としては、以下の一般式(1)~(12)で表される化合物又はその塩が挙げられる。塩としては、例えば、塩酸塩、及び、アンモニウム塩等が挙げられる。
Figure 0007244620000001
式中、A、C~S、及び、V~Yは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。
は2価の連結基を表す。
は-O-、又は-NH-を表す。
はジメチレン基、トリメチレン基、1,2-フェニレン基、又は、1,2-シクロヘキシレン基を表す。
nは1~5の整数を表す。
とCは、互いに結合して環を形成してもよい。
、E、及び、Fから選択される複数の基は、互いに結合して環を形成してもよい。
とJは、互いに結合して環を形成してもよい。
~Nから選択される複数の基は、互いに結合して環を形成してもよい。
とQは、互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式(1)~(8)及び(10)~(12)において、A、C~S、及び、V~Yで表される置換基は、特に制限されず、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アシル基、アミノ基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ハロゲン原子、オキソ基、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝状、及び、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基、直鎖状又は分枝状のアルケニル基、直鎖状又は分枝状のアルキニル基、及び、環状のシクロアルキル基が挙げられる。
上記アルキル基の炭素数は、特に制限されないが、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が更に好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、及び、イソヘキシル基が挙げられる。
上記アルケニル基の炭素数は、特に制限されないが、2~20が好ましく、2~10がより好ましく、2~6が更に好ましい。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、及び、ヘキサジエニル基が挙げられる。
上記アルキニル基の炭素数は、特に制限されないが、2~20が好ましく、2~10がより好ましく、2~6が更に好ましい。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、及び、ヘキシニル基が挙げられる。
上記シクロアルキル基の炭素数は、特に制限されないが、3~20が好ましく、3~10がより好ましく、3~6が更に好ましい。
上記シクロアルキル基を構成する環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、及び、シクロヘキサジエンが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6~18の芳香族炭化水素環を有する化合物が挙げられる。芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及び、フェナントレン環が挙げられる。
芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、及び、ナフチル基が挙げられる。
上記複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよいし、芳香族性を有していなくてもよい。
複素環基が有するヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及び、リン原子が挙げられる。
複素環基が有する複素環の環員数は、特に制限されないが、複素環基は、複素環として5員環又は6員環を含有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。
上記複素環基が有する複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、アザナフタレン環、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環、及び、デカヒドロイソキノリン環が挙げられる。
上記一般式(1)において、Bで表される2価の連結基は、特に制限されず、上記置換基として挙げた基から1個の水素原子を除去してなる基が挙げられる。
また、上記一般式(1)において、AとCにより形成される環、D、E、及び、Fから選択される2種により形成される環、IとJにより形成される環、K~Nから選択される2種により形成される環、並びに、P、Q、及び、Rから選択される2種により形成される環は、特に制限されず、例えば、上記シクロアルキル基、上記芳香族炭化水素基、及び、上記複素環基のいずれかが有する環構造が挙げられる。
(一般式(1)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(1)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(1)において、A、及び、Cは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表し、Bは2価の連結基を表す。即ち、A、及び、Cは、同一であっても、異なってもよい。
また、A、及び、Cは、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(1)においてA、及び、Cで表される置換基としては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、環員数が6~10である芳香族炭化水素基、環員数が5又は6である複素環基、ヒドロキシ基、及び、これらを組み合わせた基が好ましい。
、及び、Cとしては、水素原子、炭素数1~10のアルキル基(より好ましくは、置換基を有さないか、又は、ハロゲン原子、アミノ基、メルカプト基、及び、フェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する、炭素数1~10のアルキル基)、フェニル基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、フェニル基、チエニル基、ヒドロキシ基、又は、アミノ基がより好ましい。
また、A、及び、Cが互いに結合して1,2-フェニル基を形成することも、好ましい。
一般式(1)におけるBとしては、例えば、2価の炭化水素基、-NH-、及び、それらを組み合わせてなる基が挙げられ、炭素数1~5のアルキレン基、-NH-、又は、それらを組み合わせてなる基が好ましく、メチレン基、-NH-、又は、メチレンアミノ基(-CH-NH-)基がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、アセチルアセトン、3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオン、5,5-ジメチル-1,3-シシクロヘキサンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、ビスデメトキシクルクミン、4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジオン、ニンヒドリン、チオプロニン、グリシルグリシン、及び、ビウレットが挙げられ、アセチルアセトンが好ましい。
(一般式(2)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(2)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(2)において、D、E、及び、Fは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。即ち、D、E、及び、Fは、同一であっても、異なってもよい。
また、D、E、及び、Fから選択される複数の基は、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2)におけるD、E、及び、Fとしては、炭素数1~10のアルキル基(より好ましくは、置換基を有さないか、又は、ヒドロキシ基、アミノ基、置換アミノ基、メルカプト基、及び、フェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する、炭素数1~10のアルキル基)、ヒドロキシ基、アミノ基、又は、メルカプト基が好ましい。
また、一般式(2)におけるD、E、及び、Fから選択される複数の基は、互いに結合して環を形成することが好ましく、ベンゼン環、ピラジン環、キノリン環、又は、イソキノリン環を形成することがより好ましい。上記形成される環には、置換基が置換していてもよい。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、2’-ヒドロキシアセトフェノン、及び、L-システインが挙げられる。
(一般式(3)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(3)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(3)において、G、及び、Hは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。即ち、G、及び、Hは、同一であっても、異なってもよい。
また、G、及び、Hは、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(3)におけるG、及び、Hとしては、炭素数1~10のアルキル基、又は、アミノ基が好ましい。
一般式(3)で表される化合物としては、例えば、ジチオオキサミドが挙げられる。
(一般式(4)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(4)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(4)において、I、及び、Jは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。即ち、I、及び、Jは、同一であっても、異なってもよい。
また、I、及び、Jは、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(4)におけるI、及び、Jとしては、ヒドロキシ基が好ましい。
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、ジメチルグリオキシムが挙げられる。
(一般式(5)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(5)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(5)において、K~Nは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。即ち、K~Nは、同一であっても、異なってもよい。
また、K~Nから選択される複数の基は、互いに結合して環を形成してもよい。
但し、Mと窒素原子とが単結合で結合する場合、Nは存在し、Mと窒素原子とが二重結合で結合する場合、Nは存在しない。
一般式(5)におけるK~Nとしては、炭素数1~10のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、又は、チオカルバモイル基が好ましい。
また、Mと窒素原子とが二重結合で結合し、Mで表される基がオキソ基であり、Nが存在しないことも好ましい。その場合、K、及び、Lの一方がヒドロキシ基であることがより好ましい。
一般式(5)で表される化合物としては、例えば、2,5-ジチオウレア、及び、クペロンが挙げられる。
(一般式(6)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(6)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(6)において、O及びSは、水素原子、又は置換基を表す。
一般式(6)におけるO及びSとしては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、又は、炭素数5~12のアリール基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基、又は、炭素数5~12のアリール基がより好ましい。また、上記のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、又は、アリール基は、フェニル基、ヒドロキシ基、又は、アミノ基で置換されていてもよい。
一般式(6)で表される化合物としては、例えば、ジメチルグリオキシム、1,3-ジヒドロキシアセトンオキシム、及び、2’-ヒドロキシアセトフェノンオキシムが挙げられる。
(一般式(7)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(7)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(7)において、P及びQは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。即ち、P及びQは、同一であっても、異なってもよい。
また、PとQは、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(7)におけるP及びQとしては、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、アミノ基、又は、ウレイド基が好ましい。
中でも、Pが水素原子を表すことが特に好ましい。
一般式(7)で表される化合物としては、例えば、チオカルボヒドラジド、チオ尿素、4-メチルチオセミカルバジド、2,5-ジチオウレア、及び、ジチオオキサミドが挙げられる。
(一般式(8)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(8)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(8)において、Rは、水素原子、又は置換基を表す。
一般式(8)におけるRとしては、ヒドロキシ基、炭素数1~10のアルコキシ基、又は、下記一般式(8-1)で表される基が好ましい。
(X)N-* (8-1)
式中、X、及び、Xは、それぞれ独立して、水素原子、又は、炭素数1~10のアルキル基を表す。また、X、及び、Xは、互いに結合して炭素数3~10のシクロアルキル環を形成してもよい。
*は、炭素原子との結合位置を表す。
一般式(8)で表される化合物としては、例えば、キサントゲン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、及び、1-ピロリジウムカルボジチオ酸が挙げられる。
(一般式(9)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、一般式(9)で表される化合物(好ましくは、クラウンエーテル類)を含有してもよい。
一般式(9)におけるTは、-O-、又は-NH-を表し、-O-を表すことが好ましい。
一般式(9)におけるUは、ジメチレン基(-CHCH-)、トリメチレン基(-CHCHCH-)、1,2-フェニレン基、又は、1,2-シクロヘキシレン基を表す。ここで、一般式(9)に存在する複数のUのうち、ジメチレン基以外の基を表すUの個数は、1~3が好ましく、1又は2がより好ましい。
一般式(9)におけるnは、1~3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
クラウンエーテル類としては、下記一般式(13)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007244620000002
一般式(13)中のT及びnは、好適な態様も含めて一般式(9)中のT及びnと同義である。
クラウンエーテル類に含まれる具体的な化合物としては、例えば、12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ジアザ-18-クラウン-6、ヘキサアザ-18-クラウン-6、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジシクロヘキサノ-18-クラウン-6、ジアザ-18-クラウン-6、ペンタアザ-15-クラウン-5、ペンタアザ-16-クラウン-5、及び、ヘキサアザ-18-クラウン-6が挙げられる。
中でも、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ジアザ-18-クラウン-6、ヘキサアザ-18-クラウン-6、ペンタアザ-16-クラウン-5、ジアザ-18-クラウン-6、ペンタアザ-16-クラウン-5、又は、ヘキサアザ-18-クラウン-6が好ましく、15-クラウン-5、又は、18-クラウン-6がより好ましい。
(一般式(10)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(10)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(10)において、Vは、水素原子、又は置換基を表す。
一般式(10)におけるVとしては、ヒドロキシ基が好ましい。
一般式(10)で表される化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンが挙げられる。
(一般式(11)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(11)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(11)において、Wは、水素原子、又は置換基を表す。
一般式(11)におけるWとしては、リボース環残基が好ましい。リボース環残基とは、リボース環から1つのOH基を除いて形成される基を意味する。
一般式(11)で表される化合物としては、例えば、シチジンが挙げられる。
(一般式(12)で表される化合物)
薬液は、キレート剤として、上記一般式(12)で表される化合物を含有してもよい。
一般式(12)において、X及びYは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。
一般式(12)におけるX及びYとしては、水素原子が好ましい。
一般式(12)で表される化合物としては、例えば、ジチオジホルムホルムアミドが挙げられる。
キレート剤としては、半導体基板上におけるFeを含有する欠陥の抑制性により優れる点で、一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
また、半導体基板上におけるNaを含有する欠陥の抑制性により優れる点で、一般式(9)で表される化合物がより好ましい。
また、Feを含有する欠陥の抑制性、及び、Naを含有する欠陥の抑制性の両者により優れる点で、キレート剤として、一般式(1)で表される化合物と、一般式(9)で表される化合物とを組み合わせて用いることがより好ましい。
薬液は、上記一般式(1)~(13)で表される化合物以外の他のキレート剤を含有してもよい。
好適なキレート剤の具体例としては、アセチルアセトン、3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオン、5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、ビスデメトキシクルクミン、4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジオン、ニンヒドリン、2’-ヒドロキシアセトフェノン、ビウレット、グリシルグリシン、ジチオオキサミド、チオプロニン、ジメチルグリオキシム、L-システイン、アセチルアセトン、クペロン、シチジン、キサントゲン酸、チオカルボヒドラジド、2,5-ジチオウレア、2’-ヒドロキシアセトフェノンオキシム、1,3-ジヒドロキシアセトンオキシム、ジエチルジチオカルバミン酸、1-ピロリジンカルボジチオ酸、チオ尿素、4-メチルチオセミカルバジド、ジチオジホルムホルムアミド、8-ヒドロキシキノリン、及び、クラウンエーテル類、並びに、それらの塩からなる群より選択される1種が挙げられる。塩としては、塩酸塩、及び、アンモニウム塩等が挙げられる。
中でも、アセチルアセトン、3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオン、5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、ビスデメトキシクルクミン、4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジオン、ニンヒドリン、チオプロニン、グリシルグリシン、ビウレット、又は、クラウンエーテル類が好ましく、アセチルアセトン、又は、クラウンエーテル類がより好ましい。
薬液中のキレート剤の含有量は、特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、薬液全質量に対して、50質量ppt~1質量ppmが好ましく、50質量ppt~300質量ppbがより好ましく、50質量ppt~10質量ppbが更に好ましい。
<金属成分>
薬液は、粒子性の金属成分(金属粒子)及びイオン性の金属成分(金属イオン)からなる群から選択される1種以上の金属成分を含有する。
本発明において、金属成分の含有量という場合、金属粒子及び金属イオンの合計含有量を示す。
薬液は、金属粒子及び金属イオンのいずれか一方のみを含有してもよく、両方を含有してもよい。
金属成分における、金属元素は、例えば、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Mg(マグネシウム)、Mn(マンガン)、Li(リチウム)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Zn(ジルコニウム)、及び、Pd(パラジウム)が挙げられる。金属成分は、金属元素を1種含有してもよいし2種以上含有してもよい。
金属粒子は、単体でも合金でもよい。
金属成分は、薬液の製造、貯蔵、及び/又は、移送時に不可避的に含まれる金属成分でもよいし、意図的に添加してもよい。
薬液が金属成分を含有する場合、その含有量は特に制限されず、薬液全質量に対して、0.1~1000質量pptが好ましく、10~500質量pptがより好ましく、10~300質量pptが更に好ましく、10~100質量pptが特に好ましい。
金属成分(特に後述する所定の金属粒子)の含有量が所定量以上であれば、薬液が含有し得る有機化合物(特に極性を有する有機化合物)が基板等の上で粒子状に凝集して欠陥となることを抑制しやすいと考えられている。
また、金属成分の含有量が所定量以下であれば、金属成分に由来する欠陥の発生の増加を回避しやすいと考えられている。
本発明の効果がより優れる点で、薬液が金属粒子を含有する場合、その含有量は、薬液全質量に対して、0.01~300質量pptが好ましく、1~250質量pptがより好ましい。
中でも、薬液は、粒径が15~20nmである金属粒子を含有することが好ましい。
例えば、薬液は、金属粒子として、Feを含有する金属粒子(Feを含有する粒子性の金属成分)(以下「Fe含有粒子」とも記載する)、及び/又は、Pdを含有する金属粒子(Pdを含有する粒子性の金属成分)(以下「Pd含有粒子」とも記載する)を含有することが好ましい。
本発明の効果がより優れる点で、薬液は、粒径が15~20nmであるFe含有粒子を、薬液全質量に対して、1~600質量ppt含有することが好ましく、3~450質量ppt含有することがより好ましく、5~200質量ppt含有することがより好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、薬液は、粒径が15~20nmであるPd含有粒子を、薬液全質量に対して、0.01~10.00質量ppt含有することが好ましく、0.05~1.00質量ppt含有することがより好ましい。
薬液中、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量に対する、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量の質量比(粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量/粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量)は、本発明の効果がより優れる点で、3~6000が好ましく、3~2500がより好ましく、10~1000が更に好ましい。
本発明の効果がより優れる点で、薬液が金属イオンを含有する場合、その含有量は、薬液全質量に対して、0.01~300質量pptが好ましく、2~250質量pptがより好ましい。
なお、薬液中の金属粒子の種類、粒径、及び、含有量、並びに、金属イオンの種類及び含有量は、SP-ICP-MS法(Single Nano Particle Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)で測定できる。
ここで、SP-ICP-MS法とは、通常のICP-MS法(誘導結合プラズマ質量分析法)と同様の装置を使用し、データ分析のみが異なる。SP-ICP-MS法のデータ分析は、市販のソフトウェアにより実施できる。
ICP-MS法では、測定対象とされた金属成分の含有量が、その存在形態に関わらず、測定される。従って、測定対象とされた金属粒子と、金属イオンとの合計質量が、金属成分の含有量として定量される。
一方、SP-ICP-MS法では、金属粒子の含有量が測定できる。従って、試料中の金属成分の含有量から、金属粒子の含有量を引くと、試料中の金属イオンの含有量が算出できる。
SP-ICP-MS法の装置としては、例えば、アジレントテクノロジー社製、Agilent 8800 トリプル四重極ICP-MS(inductively coupled plasma mass spectrometry、半導体分析用、オプション#200)が挙げられ、実施例に記載した方法により測定できる。上記以外の他の装置としては、PerkinElmer社製 NexION350Sのほか、アジレントテクノロジー社製、Agilent 8900も使用できる。
<特定比率(キレート剤含有量/金属成分含有量)>
本発明の薬液の特定比率(金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比)は、1.0~10である。
薬液の特定比率が上記範囲であることにより、金属欠陥が抑制される。理由の詳細は不明だが、薬液中において、キレート剤が金属イオンを安定化させ、金属イオンと半導体基板に含まれる成分(例えば、ケイ素)との酸化還元反応に由来する欠陥の形成を抑制するとともに、金属水酸化物を安定化させ、金属水酸化物と半導体基板上のシラノール基等の基との酸塩基反応に由来する欠陥の形成を抑制できる、と考えている。
特定比率は、本発明の効果がより優れる点で、1.0~2000が好ましく、1.0~100がより好ましく、1.0~20が更に好ましい。
<水>
薬液は、水を含有してもよい。
水としては特に制限されず、例えば、蒸留水、イオン交換水、及び、純水等を使用できる。
水は、薬液中に添加されてもよいし、薬液の製造工程において意図せずに薬液中に混合されてもよい。薬液の製造工程において意図せずに混合される場合としては、例えば、水が、薬液の製造に用いる原料(例えば、有機溶剤)に含有されている場合、及び、薬液の製造工程で混合する(例えば、コンタミネーション)等が挙げられるが、上記に制限されない。
薬液中における水の含有量としては特に制限されないが、薬液の全質量に対して、10~500質量ppmが好ましく、60~250質量ppmがより好ましい。薬液中における水の含有量は、カールフィッシャー水分測定法を測定原理とする装置を用いて、測定される水分含有量を意味する。
<高沸点有機化合物>
薬液は、有機溶剤、及び、キレート剤以外の化合物であって、沸点が450℃以上である有機化合物(以下「高沸点有機化合物」とも記載する。)を更に含有してもよい。本発明の効果がより優れる点で、薬液は、高沸点有機化合物を含有することが好ましい。
なお、本明細書において沸点は、標準気圧における沸点を意味する。
そのような高沸点有機化合物としては、例えば、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP、沸点385℃)、フタル酸ジイソノニル(DINP、沸点403℃)、アジピン酸ジオクチル(DOA、沸点335℃)、フタル酸ジブチル(DBP、沸点340℃)、及びエチレンプロピレンゴム(EPDM、沸点300~450℃)等が挙げられる。
本発明の効果がより優れる点で、薬液中における高沸点有機化合物の含有量(合計含有量)は、薬液全質量に対して、0.01~1000質量ppmが好ましく、0.1~100質量ppmがより好ましい。
薬液が、高沸点有機化合物を所定量以上含有すると、飽和溶液的な挙動を示し、不純物(特に、欠陥の原因となりやすい不純物)が薬液に混入しにくくなると考えられている。また、高沸点有機化合物の含有量が所定量以下であれば、高沸点有機化合物自体が欠陥の原因となりにくいと考えられている。
薬液は、高沸点有機化合物を1種単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
薬液は、樹脂を更に含有してもよい。樹脂としては、酸の作用により分解して極性基を生じる基(酸分解性基を含有する繰り返し単位)を含有する酸分解性樹脂が好ましい。上記酸分解性樹脂としては、後述する樹脂Pが挙げられる。
〔薬液の製造方法〕
上記薬液の製造方法は特に制限されず、公知の製造方法が挙げられる。
中でも、薬液の製造方法としては、有機溶剤を含有する被精製物(市販品等)を精製して薬液を得る方法が好ましい。上記精製の方法としては、被精製物を蒸留する蒸留工程、及び、被精製物をろ過するろ過工程の少なくとも一方を含有する方法が好ましく、少なくとも蒸留工程を含有する方法がより好ましく、蒸留工程とろ過工程との両方を含有する方法が更に好ましい。
蒸留工程とろ過工程との両方を行う場合、有機溶剤を含有する被精製物に対して、蒸留工程、及び、ろ過工程の順で行うことが特に好ましい。
以下、上記蒸留工程及びろ過工程の手順について詳述する。
(蒸留工程)
蒸留工程は、被精製物(有機溶剤を含有する溶液等)を蒸留して、蒸留済み被精製物を得る工程である。
蒸留工程では、被精製物中の成分を除去することにより、その成分の含有量を調整できる。
蒸留工程に供される被精製物の有機溶剤の含有量は、被精製物全質量に対して、98.000~99.999質量%が好ましく、99.000~99.995質量%がより好ましく、99.500~99.990質量%が更に好ましい。
被精製物を蒸留する方法は特に制限されず、公知の方法が使用できる。典型的には、後述するろ過工程に供される精製装置の一次側に、蒸留塔を配置し、蒸留された被精製物を製造タンクに導入する方法が挙げられる。
このとき、蒸留塔の接液部は特に制限されないが、後述する耐腐食材料で形成されるのが好ましい。
蒸留工程は、同一の蒸留塔に被精製物を複数回通過させてもよく、異なる蒸留塔に被精製物を通過させてもよい。異なる蒸留塔に被精製物を通過させる場合、例えば、蒸留塔に被精製物を通過させて低沸点の成分等を除去する粗蒸留処理を施した後、粗蒸留処理とは異なる蒸留塔を通過させて他の成分等を除去する精留処理を施す方法が挙げられる。
蒸留塔としては、棚段式蒸留塔、及び、減圧棚段式が挙げられる。
蒸留塔の理論段数は、例えば、5~35が好ましい。
また、蒸留時の熱的な安定性と精製の精度とを両立する目的で、一部又は全部で、減圧蒸留を実施してもよい。
(ろ過工程)
ろ過工程は、フィルターを用いて上記被精製物をろ過する工程である。
フィルターを用いて被精製物をろ過する方法は特に制限されないが、ハウジングと、ハウジングに収納されたカートリッジフィルターと、を有するフィルターユニットに、被精製物を加圧又は無加圧で通過させる(通液する)のが好ましい。
フィルターの細孔径は特に制限されず、被精製物のろ過用として通常使用される細孔径のフィルターが使用できる。中でも、フィルターの細孔径は、200nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下が更に好ましい。下限値は特に制限されないが、一般に1nm以上が、生産性の点から好ましい。
なお、本明細書において、フィルターの細孔径とは、イソプロパノールのバブルポイントによって決定される細孔径を意味する。
フィルターは2つ以上(例えば2~8つ)使用してもよく、この場合、複数のフィルター材料及び/又は細孔径は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、被精製液を同一のフィルターに1回よりも多く通液させる循環ろ過を実施してもよく、この場合、被精製液のろ過に用いられるフィルターのうちの全部又は一部のフィルターで循環ろ過を実施してよい。
細孔径の異なる2種以上のフィルターを順次使用する形態は特に制限されないが、被精製物が移送される管路に沿って、フィルターを含有するフィルターユニットを複数配置する方法が挙げられる。このとき、管路全体として被精製物の単位時間当たりの流量を一定にしようとすると、細孔径のより小さいフィルターには、細孔径のより大きいフィルターと比較してより大きな圧力がかかる場合がある。この場合、フィルターの間に圧力調整弁、及び、ダンパ等を配置して、小さい細孔径を有するフィルターにかかる圧力を一定にしたり、また、同一のフィルターが収納されたフィルターユニットを管路に沿って並列に配置したりして、ろ過面積を大きくすることが好ましい。
フィルターの材料は特に制限されず、フィルターの材料として公知の材料が挙げられる。具体的には、樹脂である場合、ナイロン(例えば、6-ナイロン、及び、6,6-ナイロン)等のポリアミド;ポリエチレン、及び、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリ(メタ)アクリレート;ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン-クロロトリフロオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、及び、ポリフッ化ビニル等のフッ素系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエステル;セルロース;セルロースアセテート等が挙げられる。
中でも、より優れた耐溶剤性を有し、得られる薬液がより優れた金属欠陥抑制性能を有する点で、ナイロン(中でも、6,6-ナイロンが好ましい)、ポリオレフィン(中でも、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンが好ましい)、ポリ(メタ)アクリレート、及び、フッ素系樹脂(中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)が好ましい。)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらの重合体は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、樹脂以外にも、ケイソウ土、及び、ガラス等であってもよい。
他にも、ポリオレフィン(後述するUPE(超高分子量ポリエチレン)等)にポリアミド(例えば、ナイロン-6又はナイロン-6,6等のナイロン)をグラフト共重合させたポリマー(ナイロングラフトUPE等)をフィルターの材料としてもよい。
また、フィルターは表面処理されたフィルターであってもよい。表面処理の方法は特に制限されず、公知の方法が使用できる。表面処理の方法としては、例えば、化学修飾処理、プラズマ処理、疎水処理、コーティング、ガス処理、及び、焼結等が挙げられる。
化学修飾処理としては、フィルターにイオン交換基を導入する方法が好ましい。
すなわち、フィルターとしては、イオン交換基を有するフィルターを用いてもよい。
イオン交換基としては、カチオン交換基及びアニオン交換基が挙げられ、カチオン交換基として、スルホン酸基、カルボキシ基、及び、リン酸基が挙げられ、アニオン交換基として、4級アンモニウム基が挙げられる。イオン交換基をフィルターに導入する方法は特に制限されないが、イオン交換基と重合性基とを含有する化合物をフィルターと反応させる方法(典型的にはグラフト化する方法)が挙げられる。
イオン交換基の導入方法は特に制限されないが、フィルターに電離放射線(α線、β線、γ線、X線、及び、電子線等)を照射して、活性部分(ラジカル)を生成させる。この照射後のフィルターをモノマー含有溶液に浸漬して、モノマーをフィルターにグラフト重合させる。その結果、このモノマーが重合して得られるポリマーがフィルターにグラフトする。この生成されたポリマーをアニオン交換基又はカチオン交換基を含有する化合物と接触反応させて、ポリマーにイオン交換基を導入できる。
イオン交換基を有するフィルターを用いると、金属粒子及び金属イオンの薬液中における含有量を所望の範囲により制御しやすい。イオン交換基を有するフィルターを構成する材料は特に制限されないが、フッ素系樹脂、及び、ポリオレフィンにイオン交換基を導入した材料が挙げられ、フッ素系樹脂にイオン交換基を導入した材料がより好ましい。
イオン交換基を有するフィルターの細孔径は特に制限されないが、1~100nmが好ましく、5~60nmがより好ましい。
ろ過工程で使用されるフィルターとしては、本発明の効果がより優れる点で、ナイロン膜を有するフィルター、フッ素系樹脂膜を有するフィルター、又は、イオン交換基を導入した材料を有するフィルターが好ましく、ナイロン膜、又は、フッ素系樹脂膜を有するフィルターがより好ましく、ナイロン膜(より好ましくは6,6-ナイロン膜)を有するフィルターが更に好ましい。
中でも、薬剤が有機溶剤として酢酸ブチルを含有する場合、本発明の効果がより優れる点で、ナイロン膜フィルターの細孔径は、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下が更に好ましい。
ろ過工程で使用されるフィルターとしては、材料の異なる2種以上のフィルターを使用してもよく、例えば、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ポリアミド、及び、これらにイオン交換基を導入した材料のフィルターからなる群より選択される2種以上を使用してもよい。
材料の異なる2種以上のフィルターを使用する場合、本発明の効果がより優れる点で、ナイロン膜を有するフィルターと、フッ素系樹脂膜を有するフィルターとを組み合わせて使用することが好ましく、ナイロン膜を有するフィルターと、フッ素系樹脂膜を有するフィルターと、イオン交換基を導入した材料を有するフィルターとを組み合わせて使用することがより好ましい。
フィルターの細孔構造は特に制限されず、被精製物中の成分に応じて適宜選択すればよい。本明細書において、フィルターの細孔構造とは、細孔径分布、フィルター中の細孔の位置的な分布、及び、細孔の形状等を意味し、典型的には、フィルターの製造方法により制御可能である。
例えば、樹脂等の粉末を焼結して形成すれば多孔質膜が得られ、エレクトロスピニング、エレクトロブローイング、及び、メルトブローイング等の方法により形成すれば繊維膜が得られる。これらは、それぞれ細孔構造が異なる。
「多孔質膜」とは、ゲル、粒子、コロイド、細胞、及び、オリゴマー等の被精製物中の成分を保持するが、細孔よりも実質的に小さい成分は、細孔を通過する膜を意味する。多孔質膜による被精製物中の成分の保持は、動作条件、例えば、面速度、界面活性剤の使用、pH、及び、これらの組み合わせに依存する場合があり、かつ、多孔質膜の孔径及び構造、並びに、除去されるべき粒子のサイズ及び構造(硬質粒子か、又は、ゲルか等)に依存し得る。
多孔質膜(例えば、UPE、及び、PTFE等を含有する多孔質膜)の細孔構造は特に制限されないが、細孔の形状としては、例えば、レース状、ストリング状、及び、ノード状等が挙げられる。
多孔質膜における細孔の大きさの分布とその膜中における位置の分布は、特に制限されない。大きさの分布がより小さく、かつ、その膜中における分布位置が対称であってもよい。また、大きさの分布がより大きく、かつ、その膜中における分布位置が非対称であってもよい(上記の膜を「非対称多孔質膜」ともいう。)。非対称多孔質膜では、孔の大きさは膜中で変化し、典型的には、膜一方の表面から膜の他方の表面に向かって孔径が大きくなる。このとき、孔径の大きい細孔が多い側の表面を「オープン側」といい、孔径が小さい細孔が多い側の表面を「タイト側」ともいう。
また、非対称多孔質膜としては、例えば、細孔の大きさが膜の厚さ内のある位置においてで最小となる膜(これを「砂時計形状」ともいう。)が挙げられる。
また、フィルターは使用前に十分に洗浄してから使用することが好ましい。
未洗浄のフィルター(又は十分な洗浄がされていないフィルター)を使用する場合、フィルターが含有する不純物が薬液に持ち込まれやすい。
上記のとおり、本発明の実施形態に係るろ過工程は、異なる2種以上のフィルターに被精製物を通過させる、多段ろ過工程であってもよい。なお、上記異なるフィルターとは、細孔径、細孔構造、及び、材料の少なくとも1種が異なることを意味する。
また、同一のフィルターに被精製物を複数回通過させてもよく、同種のフィルターの複数に、被精製物を通過させてもよい。
ろ過工程で使用される精製装置の接液部(被精製物、及び、薬液が接触する可能性のある内壁面等を意味する)の材料は特に制限されないが、非金属材料(フッ素系樹脂等)、及び、電解研磨された金属材料(ステンレス鋼等)からなる群から選択される少なくとも1種(以下、これらをあわせて「耐腐食材料」ともいう。)から形成されるのが好ましい。
上記非金属材料は特に制限されず、公知の材料が挙げられる。
非金属材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン-ポリプロピレン樹脂、並びに、フッ素系樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン-エチレン共重合体樹脂、三フッ化塩化エチレン-エチレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂、及び、フッ化ビニル樹脂等)からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
上記金属材料は特に制限されず、公知の材料が挙げられる。
金属材料としては、例えば、クロム及びニッケルの含有量の合計が金属材料全質量に対して25質量%超である金属材料が挙げられ、中でも、30質量%以上がより好ましい。金属材料におけるクロム及びニッケルの含有量の合計の上限値は特に制限されないが、一般に90質量%以下が好ましい。
金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、及びニッケル-クロム合金が挙げられる。
ステンレス鋼は特に制限されず、公知のステンレス鋼が挙げられる。中でも、ニッケルを8質量%以上含有する合金が好ましく、ニッケルを8質量%以上含有するオーステナイト系ステンレス鋼がより好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えばSUS(Steel Use Stainless)304(Ni含有量8質量%、Cr含有量18質量%)、SUS304L(Ni含有量9質量%、Cr含有量18質量%)、SUS316(Ni含有量10質量%、Cr含有量16質量%)、及び、SUS316L(Ni含有量12質量%、Cr含有量16質量%)等が挙げられる。
ニッケル-クロム合金は特に制限されず、公知のニッケル-クロム合金が挙げられる。中でも、ニッケル含有量が40~75質量%、クロム含有量が1~30質量%のニッケル-クロム合金が好ましい。
ニッケル-クロム合金としては、例えば、ハステロイ(商品名、以下同じ。)、モネル(商品名、以下同じ)、及び、インコネル(商品名、以下同じ)が挙げられる。より具体的には、ハステロイC-276(Ni含有量63質量%、Cr含有量16質量%)、ハステロイ-C(Ni含有量60質量%、Cr含有量17質量%)、及び、ハステロイC-22(Ni含有量61質量%、Cr含有量22質量%)が挙げられる。
また、ニッケル-クロム合金は、必要に応じて、上記した合金の他に、更に、ホウ素、ケイ素、タングステン、モリブデン、銅、及び、コバルト等を含有していてもよい。
金属材料を電解研磨する方法は特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、特開2015-227501号公報の段落[0011]~[0014]、及び、特開2008-264929号公報の段落[0036]~[0042]等に記載された方法が使用できる。
金属材料は、電解研磨により表面の不動態層におけるクロムの含有量が、母相のクロムの含有量よりも多くなっていると推測される。そのため、接液部が電解研磨された金属材料から形成された精製装置を用いると、被精製物中に金属粒子が流出しにくいと推測される。
なお、金属材料はバフ研磨されていてもよい。バフ研磨の方法は特に制限されず、公知の方法を使用できる。バフ研磨の仕上げに用いられる研磨砥粒のサイズは特に制限されないが、金属材料の表面の凹凸がより小さくなりやすい点で、#400以下が好ましい。なお、バフ研磨は、電解研磨の前に行われるのが好ましい。
被精製物の精製は、それに付随する、容器の開封、容器及び装置の洗浄、溶液の収容、並びに、分析等は、全てクリーンルームで行うのが好ましい。クリーンルームは、国際標準化機構が定める国際標準ISO14644-1:2015で定めるクラス4以上の清浄度のクリーンルームが好ましい。具体的にはISOクラス1、ISOクラス2、ISOクラス3、及び、ISOクラス4のいずれかを満たすのが好ましく、ISOクラス1又はISOクラス2を満たすのがより好ましく、ISOクラス1を満たすのが更に好ましい。
薬液の製造方法は、上記蒸留工程、及び、上記ろ過工程以外に、例えば、後述するキレート剤添加工程、反応工程、及び、除電工程を有してもよい。
(キレート剤添加工程)
薬液の製造において、有機溶剤を含有する被精製物にキレート剤を添加する工程を行ってもよい。キレート剤添加工程により、被精製物(薬液)中のキレート剤の含有量、金属成分の含有量、及び、特定比率を調整できる。
キレート剤添加工程のタイミングは、特に制限されず、被精製物の精製処理の前後であってもよく、精製処理が蒸留工程とろ過工程とを有する場合は、両工程間であってもよい。
ろ過工程に供する被精製物がキレート剤を含有する場合、金属成分とキレート剤とからなる錯体がろ過工程で除去されることにより、被精製物(薬液)中の金属成分の含有量を低減できることから、キレート剤添加工程は、上記のろ過工程より前に行うことが好ましい。中でも、上記の錯体の除去性能に優れる点で、キレート剤添加工程の後に行うろ過工程においては、ナイロン膜フィルターを使用することが好ましい。
また、キレート剤を含有する被精製物を蒸留工程に供すると、蒸留工程によりキレート剤が被精製物から除去され、蒸留済み被精製物におけるキレート剤の含有量にバラつきが生じる場合があることから、キレート剤添加工程は、上記の蒸留工程よりも後に行うことが好ましい。
(反応工程)
反応工程は、原料を反応させて、反応物である有機溶剤を含有する被精製物を生成する工程である。被精製物を生成する方法としては特に制限されず、公知の方法が使用できる。典型的には、既に説明した精製装置の製造タンク(又は、蒸留塔)の一次側に反応槽を配置し、反応物を製造タンク(又は蒸留塔)に導入する方法が挙げられる。
このとき、蒸留塔の接液部としては特に制限されないが、既に説明した耐腐食材料で形成されることが好ましい。
(除電工程)
除電工程は、被精製物を除電することで、被精製物の帯電電位を低減させる工程である。
除電方法としては特に制限されず、公知の除電方法を用いることができる。除電方法としては、例えば、被精製物を導電性材料に接触させる方法が挙げられる。
被精製物を導電性材料に接触させる接触時間は、0.001~60秒が好ましく、0.001~1秒がより好ましく、0.01~0.1秒が更に好ましい。導電性材料としては、ステンレス鋼、金、白金、ダイヤモンド、及びグラッシーカーボン等が挙げられる。
被精製物を導電性材料に接触させる方法としては、例えば、導電性材料からなる接地されたメッシュを管路内部に配置し、ここに被精製物を通す方法等が挙げられる。
〔薬液収容体〕
上記薬液は、容器に収容されて使用時まで保管されていてもよい。このような容器と、容器に収容された薬液とをあわせて薬液収容体という。保管された薬液収容体からは、薬液が取り出され使用される。
上記薬液を保管する容器としては、半導体デバイス製造用途向けに、容器内のクリーン度が高く、不純物の溶出が少ない容器が好ましい。
使用可能な容器は特に制限されないが、例えば、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、及び、コダマ樹脂工業製の「ピュアボトル」等が挙げられる。
容器としては、薬液への不純物混入(コンタミ)防止を目的として、容器内壁を6種の樹脂による6層構造とした多層ボトル、又は、6種の樹脂による7層構造とした多層ボトルを使用するのも好ましい。これらの容器としては、例えば、特開2015-123351号公報に記載の容器が挙げられる。
容器内における薬液と接触する接液部は、既に説明した耐腐食材料(好ましくは電解研磨されたステンレス鋼、もしくは、PFA等のフッ素系樹脂)、又は、ガラスであってもよい。本発明の効果がより優れる点で、接液部の面積の90%以上が上記材料からなるのが好ましく、接液部の全部が上記材料からなるのがより好ましい。
薬液収容体の、容器内の空隙率は、0.5~35体積%が好ましく、1~20体積%がより好ましい。つまり、本発明の薬液収容体の製造方法においては、容器内の空隙率が0.5~35体積%となるように、得られた薬液を容器に収容する収容工程を実施することが好ましい。
なお、上記空隙率は、式(1)に従って計算される。
式(1):空隙率={1-(容器内の薬液の体積/容器の容器体積)}×100
上記容器体積とは、容器の内容積(容量)と同義である。
空隙率をこの範囲に設定することで、不純物等のコンタミを制限し、保管安定性を確保できる。
〔薬液の用途〕
本発明の薬液は、半導体デバイス(好ましくは、半導体チップ)の製造に用いられるのが好ましい。
また、上記薬液は、半導体デバイスの製造用以外の、他の用途にも使用でき、ポリイミド、センサー用レジスト、及び、レンズ用レジスト等の現像液、及び、リンス液としても使用できる。
また、上記薬液は、医療用途又は洗浄用途の溶剤としても使用できる。例えば、配管、容器、及び、基板(例えば、ウェハ、及び、ガラス等)等の洗浄に好適に使用できる。
上記洗浄用途としては、上述のプリウェット液等の液が接する配管及び容器等を洗浄する、洗浄液(配管洗浄液及び容器洗浄液等)として使用するのも好ましい。
本発明の薬液は、レジストパターンを形成する際の現像液、又は、リンス液に用いられるのが最も好ましい。
第1好適態様としては、以下の工程1~3を有するレジストパターン形成方法において、現像液として上記薬液を用いる態様が挙げられる。
工程1:感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に塗膜を形成する工程
工程2:塗膜を露光する工程
工程3:現像液を用いて、露光された塗膜を現像してレジストパターンを形成する工程
第2好適態様としては、以下の工程1~4を有するレジストパターン形成方法において、リンス液として上記薬液を用いる態様が挙げられる。
工程1:感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に塗膜を形成する工程
工程2:塗膜を露光する工程
工程3:現像液を用いて、露光された塗膜を現像してレジストパターンを形成する工程
工程4:リンス液を用いて、レジストパターンを洗浄する工程
以下、工程1~4について詳述する。
(工程1)
工程1は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「レジスト組成物」ともいう。)を用いて基板上に塗膜を形成する工程である。
レジスト組成物を用いて基板上に塗膜を形成方法としては、レジスト組成物を所定の基板上に塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、スピン塗布が好ましい。
塗膜の厚みは特に制限されないが、より高精度な微細パターンを形成できる点から、10~200nmが好ましい。
なお、基板の種類は特に制限されず、シリコン基板、又は、二酸化シリコンで被覆されたシリコン基板が挙げられる。
レジスト組成物は、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する樹脂(酸分解性樹脂)(以下「樹脂P」ともいう。)を含有することが好ましい。上記樹脂Pとしては、酸の作用により有機溶剤を主成分とする現像液に対する溶解性が減少する樹脂である、後述する式(AI)で表される繰り返し単位を有する樹脂がより好ましい。後述する式(AI)で表される繰り返し単位を有する樹脂は、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する。
極性基としては、アルカリ可溶性基が挙げられる。アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシ基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、フェノール性水酸基、及び、スルホ基が挙げられる。
酸分解性基において極性基は酸で脱離する基(酸脱離性基)によって保護されている。酸脱離性基としては、例えば、-C(R36)(R37)(R38)、-C(R36)(R37)(OR39)、及び、-C(R01)(R02)(OR39)が挙げられる。
式中、R36~R39は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
樹脂Pは、式(AI)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 0007244620000003
式(AI)に於いて、
Xaは、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Ra~Raは、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖状又は分枝状)又はシクロアルキル基(単環又は多環)を表す。
Ra~Raの2つが結合して、シクロアルキル基(単環又は多環)を形成してもよい。
Xaにより表される、置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、及び-CH-R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子等)、水酸基、又は1価の有機基を表す。
Xaは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基が好ましい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、-COO-Rt-基、及び、-O-Rt-基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は-COO-Rt-基が好ましい。Rtは、炭素数1~5のアルキレン基が好ましく、-CH-基、-(CH-基、又は、-(CH-基がより好ましい。
Ra~Raのアルキル基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
Ra~Raのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、若しくはシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、若しくはアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Ra~Raの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Ra~Raの2つが結合して形成される上記シクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又はカルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Raがメチル基又はエチル基であり、RaとRaとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1~4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1~4)、カルボキシ基、及びアルコキシカルボニル基(炭素数2~6)等が挙げられ、炭素数8以下の置換基が好ましい。
式(AI)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂P中の全繰り返し単位に対して、20~90モル%が好ましく、25~85モル%がより好ましく、30~80モル%が更に好ましい。
また、樹脂Pは、ラクトン構造を有する繰り返し単位Qを含有することが好ましい。
ラクトン構造を有する繰り返し単位Qは、ラクトン構造を側鎖に有していることが好ましく、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに由来する繰り返し単位であることがより好ましい。
ラクトン構造を有する繰り返し単位Qは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用していてもよいが、1種単独で用いることが好ましい。
ラクトン構造を有する繰り返し単位Qの含有量は、樹脂P中の全繰り返し単位に対して、3~80モル%が好ましく、3~60モル%がより好ましい。
ラクトン構造としては、5~7員環のラクトン構造が好ましく、5~7員環のラクトン構造にビシクロ構造又はスピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環している構造がより好ましい。
ラクトン構造としては、下記式(LC1-1)~(LC1-17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することが好ましい。ラクトン構造としては式(LC1-1)、式(LC1-4)、式(LC1-5)、又は式(LC1-8)で表されるラクトン構造が好ましく、式(LC1-4)で表されるラクトン構造がより好ましい。
Figure 0007244620000004
ラクトン構造部分は、置換基(Rb)を有していてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数2~8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び酸分解性基等が挙げられる。nは、0~4の整数を表す。nが2以上のとき、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
樹脂Pは、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位、特に、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位を更に含有していてもよい。
極性基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基又はノルボルナン基が好ましい。極性基としては、水酸基又はシアノ基が好ましい。
樹脂Pが、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位を含有する場合、その含有量は、樹脂P中の全繰り返し単位に対して、1~50モル%が好ましく、1~30モル%がより好ましく、5~25モル%が更に好ましい。
樹脂Pとしては、式(a)で表される繰り返し単位、式(b)で表される繰り返し単位、式(c)で表される繰り返し単位、式(d)で表される繰り返し単位、及び、式(e)で表される繰り返し単位からなる群から選択される繰り返し単位からなる樹脂が好ましい。
Figure 0007244620000005
x1~Rx5は、各々独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
~Rは、各々独立に、1価の置換基を表し、p1~p4は、各々独立に、0又は正の整数を表す。
Raは、直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。
~Tは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
は1価の有機基を表す。
a~eは、モル%を表し、各々独立に、0≦a≦100、0≦b≦100、0≦c<100、0≦d<100、0≦e<100の範囲に含まれる数を表す。ただし、a+b+c+d+e=100であり、a+b≠0である。
ただし、上記繰り返し単位(e)は、上記繰り返し単位(a)~(d)のいずれとも異なる構造を有する。
x1~Rx5により表される、置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、及び-CH-R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子等)、水酸基、又は1価の有機基を表す。
x1~Rx5は、各々独立に、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基が好ましい。
~Tにより表される2価の連結基としては、アルキレン基、-COO-Rt-基、及び、-O-Rt-基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
~Tは、各々独立に、単結合又は-COO-Rt-基が好ましい。Rtは、炭素数1~5のアルキレン基が好ましく、-CH-基、-(CH-基、又は、-(CH-基がより好ましい。
Raは、直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。例えば、メチル基、エチル基、及びt-ブチル基等が挙げられる。中でも、炭素数1~4の直鎖状又は分枝状のアルキル基が好ましい。
~Rは、各々独立に、1価の置換基を表す。R~Rとしては、特に制限されないが、例えば、水酸基、シアノ基、及び、水酸基又はシアノ基等を有する直鎖状若しくは分枝状のアルキル基又はシクロアルキル基が挙げられる。
p1~p4は、各々独立に、0又は正の整数を表す。なお、p1~p4の上限値は、各繰り返し単位において置換し得る水素原子の数に相当する。
は、1価の有機基を表す。Rとしては、特に制限されないが、例えば、スルトン構造を有する1価の有機基;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,4-チオキサン、ジオキソラン、及び2,4,6-トリオキサビシクロ[3.3.0]オクタン等の環状エーテルを有する1価の有機基;酸分解性基(例えば、-COO基と結合する位置の炭素がアルキル基で置換されて4級化されたアダマンチル基等)が挙げられる。
また、上記繰り返し単位(b)は、特開2016-138219号公報の段落[014]~[0018]に記載される単量体から形成されたものであることも好ましい。
a~eは、モル%を表し、各々独立に、0≦a≦100、0≦b≦100、0≦c<100、0≦d<100、0≦e<100の範囲に含まれる数を表す。ただし、a+b+c+d+e=100であり、a+b≠0である。
a+b(全繰り返し単位に対する、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量の含有量)は、20~90モル%が好ましく、25~85モル%がより好ましく、30~80モル%が更に好ましい。
また、c+d(全繰り返し単位に対する、ラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量)は、3~80モル%が好ましく、3~60モル%がより好ましい。
樹脂Pの重量平均分子量は、GPC(Gel permeation chromatography)法によりポリスチレン換算値として、1,000~200,000が好ましく、3,000~20,000がより好ましい。
レジスト組成物中において、樹脂Pの含有量は、全固形分中、50~99.9質量%が好ましく、60~99.0質量%がより好ましい。
レジスト組成物は、上述した樹脂P以外の他の成分(例えば、酸発生剤、塩基性化合物、クエンチャー、疎水性樹脂、界面活性剤、及び溶剤等)を含有していてもよい。
他の成分としては、いずれも公知のものを使用できる。レジスト組成物に含有される他の成分としては、例えば、特開2013-195844号公報、特開2016-057645号公報、特開2015-207006号公報、国際公開第2014/148241号、特開2016-188385号公報、及び、特開2017-219818号公報等に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物等に含有される成分が挙げられる。
(工程2)
工程2は、上記塗膜を露光する工程である。
露光に用いられる活性光線及び放射線の種類は特に制限されないが、250nm以下の波長の光が好ましく、例えば、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、Fエキシマレーザー光(157nm)、EUV光(13.5nm)、及び、電子線等が挙げられる。
露光の際には、必要に応じて、マスクを介して露光してもよい。
(工程3)
工程3は、露光された上記塗膜を、現像液を用いて現像して、レジストパターンを形成する工程である。
現像方法としては、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、及び、一定速度で回転している基板上に一定速度で吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
現像時間は、10~300秒が好ましく、20~120秒がより好ましい。
現像液の温度は、0~50℃が好ましく、15~35℃がより好ましい。
上述した薬液を現像液として用いる場合には、必要に応じて、現像液には界面活性剤が含有されていてもよい。
(工程4)
工程4は、リンス液を用いて、レジストパターンを洗浄する工程である。
リンス方法としては、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、及び、一定速度で回転している基板上に一定速度で吐出ノズルをスキャンしながらリンス液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
リンス時間は、10~300秒が好ましく、20~120秒がより好ましい。
リンス液の温度は、0~50℃が好ましく、15~35℃がより好ましい。
第1好適態様は、上述したように工程1~3を有し、更に、工程4を有していてもよい。この場合、工程4で使用されるリンス液としては、本発明の薬液を用いてもよく、他の公知の溶剤(例えば、酢酸ブチル)を用いてもよい。
また、第2好適態様においては、上述したように工程1~4を有し、リンス液として本発明の薬液が用いられる。第2好適態様において、工程3で用いられる現像液としては、本発明の薬液を用いてもよく、他の公知の溶剤(例えば、酢酸ブチル)を用いてもよい。
上記レジストパターン形成方法は、半導体チップの製造に適用されるのが好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきではない。
後段に示す表中に記載の「%」「ppm」「ppb」「ppt」は、特段の記載のない限り、それぞれ、「質量%」「質量ppm」「質量ppb」「質量ppt」を意図する。
また、実施例及び比較例の薬液の調製にあたって、容器の取り扱い、薬液の調製、充填、保管及び分析測定は、全てISOクラス2又は1を満たすレベルのクリーンルームで行った。
[薬液の製造]
〔被精製物〕
実施例、及び、比較例の薬液の製造のために、以下の市販品の有機溶剤を被精製物として使用した。
・CyHe:シクロヘキサノン
・PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・nBA:酢酸ブチル
・MIBC:4-メチル-2-ペンタノール
・IPA:イソプロパノール
・PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
・EL:乳酸エチル
・PC:炭酸プロピレン
・γBL:γ-ブチロラクトン
・DMSO:ジメチルスルホキシド
・2-ヘプタノン
・CyPe:シクロペンタノン
〔充填容器〕
薬液を収納する容器としては、下記容器を使用した。
・EP-SUS:接液部が電解研磨されたステンレス鋼である容器
・PFA:接液部がパーフルオロアルコキシアルカンでコーティングされた容器
また、薬液を収容した容器の空隙率を表1に示す。空隙率は、下記式(X)で求められる値である。
式(X):空隙率={1-(容器内の薬液の体積/容器の容器体積)}×100
〔精製手順〕
<蒸留工程>
上記被精製物から1種を選択し、比較例2を除いて、表1に記載の蒸留工程を実施した。
表1中、「蒸留工程」欄の「条件1」は蒸留塔(理論段数:15段)を用いた常圧蒸留を1回実施したことを表す。
「条件2」は蒸留塔(理論段数:25段)を用いた減圧蒸留を1回実施したことを表す。
「条件3」は蒸留塔(理論段数:30段)を用いた減圧蒸留を2回実施したことを表す。
「条件4」は蒸留塔(理論段数:20段)を用いた常圧蒸留を1回実施したことを表す。
「条件5」は蒸留塔(理論段数:10段)を用いた常圧蒸留を1回実施したことを表す。
「条件6」は蒸留塔(理論段数:8段)を用いた常圧蒸留を1回実施したことを表す。
「無し」は、蒸留精製を行なかったことを表す。
<キレート剤の添加>
次に、蒸留精製された被精製物を貯蔵タンクに貯蔵した。貯蔵タンクに貯蔵された被精製物に、キレート剤として、表1に示す化合物を添加した。
表1中、キレート剤として使用した化合物を表す各記号の意味は、以下の通りである。
・C-1:アセチルアセトン
・C-2:3,5-ヘプタンジオン
・C-3:2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン
・C-4:2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオン
・C-5:5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン
・C-6:1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン
・C-7:ビスデメトキシクルクミン
・C-8:4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジオン
・C-9:ニンヒドリン
・C-10:2’-ヒドロキシアセトフェノン
・C-11:ビウレット
・C-12:グリシルグリシン
・C-13:ジチオオキサミド
・C-14:チオプロニン
・C-15:ジメチルグリオキシム
・C-16:L-システイン
・C-17:クペロン
・C-18:シチジン
・C-19:キサントゲン酸
・C-20:チオカルボヒドラジド
・C-21:2,5-ジチオウレア
・C-22:2’-ヒドロキシアセトフェノンオキシム
・C-23:1,3-ジヒドロキシアセトンオキシム
・C-24:ジエチルジチオカルバミン酸
・C-25:1-ピロリジンカルボジチオ酸
・C-26:8-ヒドロキシキノリン
・C-27:チオ尿素
・C-28:4-メチルチオセミカルバジド
・C-29:ジチオジホルムホルムアミド
・C-30:12-クラウン-4
・C-31:15-クラウン-5
・C-32:18-クラウン-6
・C-33:ジベンゾ-18-クラウン-6
・C-34:ジアザ-18-クラウン-6
・C-35:ペンタアザ-16-クラウン-5(16-ane-N
・C-36:ヘキサアザ-18-クラウン-6(18-ane-N
<ろ過工程>
次に、貯蔵タンクに貯蔵され、キレート剤が添加された被精製物を、下記フィルター1~4に、この順で通液させてろ過して、コンテナに貯蔵した。
次に、コンテナに貯蔵された被精製物を、下記フィルター5~6でろ過して、フィルター6でろ過した後の被精製物をフィルター5の上流側に循環し、再度フィルター5~6でろ過する循環ろ過処理を実施した。循環ろ過処理の後、被精製物(薬液)を、表1に示す空隙率で容器(充填容器)に収容した。
なお、キレート剤の添加量によって、ろ過工程での不純物の除去性が変わっていた。
(フィルター)
フィルターとしては、以下のフィルターを使用した。
・フィルター1:ポリプロピレン製フィルター、ポール社製、孔径200nm
・フィルター2:イオン交換樹脂フィルター、Entegris社製、孔径50nm
・フィルター3:ポリテトラフルオロエチレン製フィルター、Entegris社製、孔径10nm
・フィルター4:6,6-ナイロン製フィルター、Pall社製、孔径5nm
・フィルター5:6,6-ナイロン製フィルター、Pall社製、孔径3nm
・フィルター6:超高分子量ポリエチレン製フィルター、Pall社製、孔径3nm
なお、上述した一連の精製の過程で、被精製物が接触する各種装置(例えば、蒸留塔、配管、貯蔵タンク、コンテナ等)の接液部は、特に記載が無い限り、電解研磨されたステンレスで構成されていた。
[分析]
下記に示す方法で、容器に収容された薬液中の、キレート剤、金属成分、Fe含有粒子、Pd含有粒子、水、及び、沸点が450℃以上である有機化合物(高沸点有機物)の含有量を測定した。
〔有機成分の含有量〕
薬液における有機成分(キレート剤、高沸点有機物)の含有量は、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)装置(Agilent社製、GC:7890B、MS:5977B EI/CI MSD)を使用して測定した。
〔金属成分の含有量、金属含有粒子の含有量〕
薬液中の金属成分(金属イオン、金属含有粒子)、粒径が15~20nmであるFe含有粒子、及び、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量は、ICP-MS及びSP-ICP-MSを用いる方法により測定した。
装置は以下の装置を使用した。
・メーカー:PerkinElmer
・型式:NexION350S
解析には以下の解析ソフトを使用した。
・“SP-ICP-MS”専用Syngistix ナノアプリケーションモジュール
・Syngistix for ICP-MS ソフトウェア
〔水の含有量〕
薬液中の水の含有量は、カールフィッシャー水分計(製品名「MKC-710M」、京都電子工業社製、カールフィッシャー電量滴定式)を用いて測定した。
表1中、「金属成分」の「総金属」欄、「Fe粒子」欄、「Pd粒子」欄、及び、「Fe/Pd比率」欄は、薬液中における、金属成分の含有量(単位:質量ppt)、Fe粒子の含有量(単位:質量ppt)、Pd粒子の含有量(単位:質量ppt)、及び、Pd粒子の含有量に対するFe粒子の含有量の質量比を、それぞれ示す。
表1中、「特定比率」欄は、薬液の特定比率、即ち、薬液中の金属成分の含有量に対するキレート剤の(合計)含有量の質量比を示す。
表1中、「高沸点有機物」欄は、薬液中における、沸点が450℃以上である有機化合物の含有量(単位:ppb)を示す。
[評価]
製造した薬液を、以下の方法で評価した。
〔金属欠陥抑制性評価〕
以下に示す方法で、薬液収容体に収容された薬液の金属欠陥抑制性を評価した。
まず、直径300mmのシリコン酸化膜基板を準備した。
次に、ウェハ上表面検査装置(SP-5;KLA Tencor製)を用いて、上記基板上に存在する直径19nm以上のパーティクル(以下、これを「欠陥」という。)の数及び位置(これらを初期値とする。)を計測した。
次に、上記基板をスピン吐出装置にセットし、基板を回転させながら、基板の表面に対して、各薬液を4cc吐出した。その後、基板をスピン乾燥した。次に、上記検査装置を用いて、薬液塗布後の基板に存在する欠陥の数及び位置(これらを計測値とする。)を計測し、初期値と計測値の差(計測値-初期値)を計算した。
上記検査装置により計算された座標データを元に、薬液塗布後に新たに増加した欠陥に対して、欠陥解析装置(G6;AMAT製)を用いてEDX(Energy dispersive X-ray spectrometry:エネルギー分散型X線分析)による元素分析を行った。この方法により、金属を主成分として含有する欠陥の初期値と計測値との差(総金属欠陥数)、鉄(Fe)を主成分として含有する欠陥の初期値と計測値との差(Fe欠陥数)、及び、ナトリウム(Na)を主成分として含有する欠陥の初期値と計測値との差(Na欠陥数)をそれぞれ求め、下記の基準に従って評価した。
なお、総金属欠陥数、Fe欠陥数、及び、Na欠陥数のいずれの評価でもE評価以上であれば、薬液として要求される金属欠陥抑制性を有している。
<総金属欠陥数>
「A」:総金属欠陥数が15個/基板以下だった。
「B」:総金属欠陥数が15個/基板を超え、50個/基板以下だった。
「C」:総金属欠陥数が50個/基板を超え、75個/基板以下だった。
「D」:総金属欠陥数が75個/基板を超え、125個/基板以下だった。
「E」:総金属欠陥数が125個/基板を超え、150個/基板以下だった。
「F」:総金属欠陥数が150個/基板を超えた。
<Fe欠陥数、Na欠陥数>
「A」:各金属の欠陥数が1個/基板以下だった。
「B」:各金属の欠陥数が1個/基板を超え、3個/基板以下だった。
「C」:各金属の欠陥数が3個/基板を超え、5個/基板以下だった。
「D」:各金属の欠陥数が5個/基板を超え、8個/基板以下だった。
「E」:各金属の欠陥数が8個/基板を超え、10個/基板以下だった。
「F」:各金属の欠陥数が10個/基板を超えた。
表1に、各実施例及び各比較例における、薬液の組成、製造方法、及び、評価結果を示す。
表1中、「欠陥」の「総金属」欄、「Fe」欄、及び、「Na」欄は、薬液の金属欠陥抑制性評価における、総金属欠陥数、Fe欠陥数、及び、Na欠陥数の評価結果を、それぞれ示す。
表1中、「特定比率」欄は、金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比を表す。
Figure 0007244620000006
Figure 0007244620000007
Figure 0007244620000008

表に示した結果より、本発明の薬液は、半導体デバイスの製造に適用した場合の金属欠陥抑制性に優れることが確認された。
なかでも、以下の要件1~13のいずれかの要件を満たさない場合は、「総金属」又は「Fe」の評価が段階的に悪化することを知見した。
要件1:水の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量ppmである。
要件2:金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量pptである。
要件3:金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~300質量pptである。
要件4:金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~100質量pptである。
要件5:金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比が、1~100である。
要件6:金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比が、1~20である。
要件7:キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~1質量ppmである。
要件8:キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~300質量ppbである。
要件9:キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~10質量ppbである。
要件10:沸点が450℃以上である有機化合物の含有量が、薬液全質量に対して0.01~1000質量ppmである。
要件11:金属成分のうち、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量が、薬液全質量に対して3~450質量pptである。
要件12:金属成分のうち、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量が、薬液全質量に対して0.01~10質量pptである。
要件13:金属成分のうち、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量に対する、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量の質量比が、3~2500である。
より具体的には、実施例5~9の比較より、水の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量ppmである場合、より効果が優れていた。
また、実施例12、13及び15の比較より、金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量pptである場合、より効果が優れていた。
また、実施例11、12及び15の比較より、金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~300質量pptである場合、より効果が優れていた。
また、実施例8、11及び15の比較より、金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~100質量pptである場合、より効果が優れていた。
また、実施例16及び17の比較より、金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比が、1~100である場合、より効果が優れていた。
また、実施例8及び16の比較より、金属成分の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比が、1~20である場合、より効果が優れていた。
また、実施例27及び28の比較より、キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~1質量ppmである場合、より効果が優れていた。
また、実施例17及び18の比較より、キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~10質量ppbである場合、より効果が優れていた。
また、実施例30及び31の比較より、沸点が450℃以上である有機化合物の含有量が、薬液全質量に対して0.01~1000質量ppmである場合、より効果が優れていた。
また、実施例29及び30の比較より、金属成分のうち、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量が、薬液全質量に対して3~450質量pptである場合、より効果が優れていた。
〔現像液評価〕
以下に示す方法で、薬液収容体に収容された薬液の、現像液として使用した場合における欠陥抑制性を評価した。
まず、以下に示す操作によりレジストパターンを形成した。
直径300mmのシリコン基板に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。
塗布性の改良のため、反射防止膜を形成したシリコンウェハの反射防止膜側の表面にプリウェット液を滴下し、スピン塗布を実施した。
次いで、上記プリウェット工程後の反射防止膜上に、後述する(感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物)を塗布し、100℃で、60秒間に亘ってプリベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
(感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物)
酸分解性樹脂(下記式で表される樹脂(重量平均分子量(Mw):7500):各繰り返し単位に記載される数値はモル%を意味する。):100質量部
Figure 0007244620000009
下記に示す光酸発生剤:8質量部
Figure 0007244620000010
下記に示すクエンチャー:5質量部(質量比は、左から順に、0.1:0.3:0.3:0.2とした。)。なお、下記のクエンチャーのうち、ポリマータイプのクエンチャーは、重量平均分子量(Mw)が5000である。また、各繰り返し単位に記載される数値はモル比を意味する。
Figure 0007244620000011
下記に示す疎水性樹脂:4質量部(質量比は、左から順に、0.5:0.5とした。)なお、下記の疎水性樹脂のうち、左側の疎水性樹脂は、重量平均分子量(Mw)は7000であり、右側の疎水性樹脂の重量平均分子量(Mw)は8000である。なお、各疎水性樹脂において、各繰り返し単位に記載される数値はモル比を意味する。
Figure 0007244620000012
・溶剤
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):3質量部
シクロヘキサノン:600質量部
γ-BL(γ-ブチロラクトン):100質量部
レジスト膜を形成したウエハをArFエキシマレーザースキャナー(Numerical Aperture:0.75)を用い、25mJ/cmでパターン露光を行った。その後、120℃で60秒間加熱した。次いで、上記で製造された各実施例の薬液を現像液として用いて、30秒間パドルして現像した。次いで、4000rpmの回転数で30秒間ウエハを回転させて、ネガ型レジストパターンを形成した。その後、得られたネガ型パターンを、200℃で300秒間加熱した。上記の工程を経て、ライン/スペースが1:1のL/Sパターン(平均パターン幅:45nm)を得た。各パターンについて、現像性及び欠陥抑制性の評価を実施した。
<欠陥抑制性評価>
パターン欠陥装置(日立ハイテクノロジー社製 マルチパーパスSEM(Scanning Electron Microscope) “Inspago” RS6000シリーズ)を用いて、形成されたウエハのパターンを観測し、以下の欠陥の数を測定した。
・ 現像不良欠陥:パターンの底部までスペースが形成されていない欠陥
・ 残渣物欠陥:パターン上に異物が存在する欠陥
・ 均一性欠陥:パターン幅が規定値に対して±1nm以上となっている欠陥
本発明の薬液を現像液として用いた結果、いずれの薬液も、現像不良欠陥抑制性能、残渣物欠陥抑制性能、及び、均一性欠陥抑制性能に優れていた。

Claims (28)

  1. 有機溶剤、キレート剤、及び金属成分を含有する薬液であって、
    前記有機溶剤の含有量が、薬液全質量に対して99.000~99.999質量%であり、
    前記金属成分の含有量に対する前記キレート剤の含有量の質量比が、1~100であり、
    フォトリソグラフィを含有する配線形成工程による半導体デバイスの製造に用いられる、プリウェット液、レジスト液、現像液、リンス液、剥離液、化学機械的研磨スラリー、及び、化学機械的研磨後の洗浄液のいずれかとして用いられ、
    前記キレート剤が、以下の一般式(1)~(12)で表される化合物から選択される少なくとも1種又はその塩を含有し、
    前記金属成分は、FeおよびPdを含む、薬液。
    Figure 0007244620000013
    式中、A 、C ~S 、及び、V ~Y は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。
    は2価の連結基を表す。
    は-O-、又は-NH-を表す。
    はジメチレン基、トリメチレン基、1,2-フェニレン基、又は、1,2-シクロヘキシレン基を表す。
    nは1~5の整数を表す。
    とC は、互いに結合して環を形成してもよい。D 、E 、及び、F から選択される複数の基は、互いに結合して環を形成してもよい。I とJ は、互いに結合して環を形成してもよい。K ~N から選択される複数の基は、互いに結合して環を形成してもよい。P とQ は、互いに結合して環を形成してもよい。
    但し、M と窒素原子とが単結合で結合する場合、N は存在し、M と窒素原子とが二重結合で結合する場合、N は存在しない。
  2. 更に水を含有し、前記水の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量ppmである、請求項1に記載の薬液。
  3. 前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、イソプロパノール、4-メチル-2-ペンタノール、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、スルフォラン、及び、2-ヘプタノンからなる群から選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の薬液。
  4. 前記金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~500質量pptである、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬液。
  5. 前記金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~300質量pptである、請求項1~4のいずれか1項に記載の薬液。
  6. 前記金属成分の含有量が、薬液全質量に対して10~100質量pptである、請求項1~5のいずれか1項に記載の薬液。
  7. 前記金属成分の含有量に対する前記キレート剤の含有量の質量比が、1~20である、請求項1~のいずれか1項に記載の薬液。
  8. 前記キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~1質量ppmである、請求項1~のいずれか1項に記載の薬液。
  9. 前記キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~300質量ppbである、請求項1~のいずれか1項に記載の薬液。
  10. 前記キレート剤の含有量が、薬液全質量に対して50質量ppt~10質量ppbである、請求項1~のいずれか1項に記載の薬液。
  11. 前記キレート剤が、前記一般式(1)で表される化合物を含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の薬液。
  12. 前記キレート剤が、前記一般式(9)で表される化合物を含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の薬液。
  13. 前記キレート剤が、前記一般式(1)で表される化合物、及び前記一般式(9)で表される化合物を含有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の薬液。
  14. 前記キレート剤が、アセチルアセトン、3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオン、5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、ビスデメトキシクルクミン、4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジオン、ニンヒドリン、2’-ヒドロキシアセトフェノン、ビウレット、グリシルグリシン、ジチオオキサミド、チオプロニン、ジメチルグリオキシム、L-システイン、クペロン、シチジン、キサントゲン酸、チオカルボヒドラジド、2,5-ジチオウレア、2’-ヒドロキシアセトフェノンオキシム、1,3-ジヒドロキシアセトンオキシム、ジエチルジチオカルバミン酸、1-ピロリジンカルボジチオ酸、チオ尿素、4-メチルチオセミカルバジド、ジチオジホルムホルムアミド、8-ヒドロキシキノリン、及びクラウンエーテル類、並びに、それらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬液。
  15. 沸点が450℃以上である有機化合物を更に含有し、前記有機化合物の含有量が、薬液全質量に対して0.01~1000質量ppmである、請求項1~14のいずれか1項に記載の薬液。
  16. 前記金属成分のうち、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量が、薬液全質量に対して3~450質量pptである、請求項1~15のいずれか1項に記載の薬液。
  17. 前記金属成分のうち、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量が、薬液全質量に対して0.01~10質量pptである、請求項1~16のいずれか1項に記載の薬液。
  18. 前記金属成分のうち、粒径が15~20nmであるPd含有粒子の含有量に対する、粒径が15~20nmであるFe含有粒子の含有量の質量比が、3~2500である、請求項1~17のいずれか1項に記載の薬液。
  19. 容器と、前記容器に収容された請求項1~18のいずれか1項に記載の薬液と、を含有し、
    前記容器内の前記薬液と接触する接液部が、電解研磨されたステンレス鋼又はフッ素系樹脂からなる、薬液収容体。
  20. 式(X)によって求められる前記容器内の空隙率が1~20体積%である、請求項19に記載の薬液収容体。
    式(X):空隙率={1-(前記容器内の前記薬液の体積/前記容器の容器体積)}×100
  21. 前記請求項1~18のいずれか1項に記載の薬液の製造方法であって、
    有機溶剤を含有する被精製物を、フィルターを用いてろ過するろ過工程を有する、薬液の製造方法。
  22. 前記ろ過工程の前に、前記被精製物を蒸留する蒸留工程を有する、請求項21に記載の製造方法。
  23. 前記蒸留工程と前記ろ過工程の間に、前記被精製物にキレート剤を添加する工程を有する、請求項22に記載の製造方法。
  24. 前記ろ過工程において、ナイロン膜を有するフィルターを用いる、請求項21~23のいずれか1項に記載の製造方法。
  25. 前記ろ過工程において、ナイロン膜を有するフィルターと、フッ素系樹脂膜を有するフィルターとを組み合わせて用いる、請求項21~24のいずれか1項に記載の製造方法。
  26. 前記ろ過工程において、ナイロン膜を有するフィルターと、フッ素系樹脂膜を有するフィルターと、イオン交換基を導入した材料を有するフィルターとを組み合わせて用いる、請求項21~25のいずれか1項に記載の製造方法。
  27. 前記有機溶剤がシクロヘキサノン又は酢酸ブチルであり、
    前記ナイロン膜を有するフィルターの孔径が10nm以下である、請求項26に薬液の製造方法。
  28. 請求項1~18のいずれか1項に記載の薬液、又は請求項21~27のいずれか1項に記載の製造方法により製造された薬液を用いて半導体チップを製造する、半導体チップの製造方法。
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