以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
[第1実施形態]
本実施形態では、図1に示される配送システム5が説明される。配送システム5は、プリンタ10と、一乃至複数のプリンタ10から情報を収集する情報収集サーバ40(サーバの一例)とを備える。プリンタ10と情報収集サーバ40とは、インターネットなどの通信回線6によって接続されている。プリンタ10と情報収集サーバ40とは、TCP/IPなどの通信プロトコルを用いて相互に通信可能である。情報収集サーバ40は、通信回線6を介して、発注を受け付ける発送サーバ50へ情報を送信可能である。プリンタ10は、画像記録装置の一例である。
[プリンタ10の概要]
図2に示されるプリンタ10は、インク滴を吐出してシートに画像を印刷するインクジェットプリンタである。インクは消費材の一例である。プリンタ10は、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能などの機能を有する複合機であってもよい。
以下では、プリンタ10が使用可能に水平面に設置された使用姿勢を基準として上下方向7が定義され、プリンタ10の開口13が形成された面を前面として前後方向8が定義され、プリンタ10を前面から見て左右方向9が定義される。すなわち、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
プリンタ10は、概ね直方体形状の筐体14(装着体の一例)を有している。筐体14の内部には、図2及び図3に示されるように、給送トレイ15と、給送ローラ23と、搬送ローラ25と、複数のノズル29を有するヘッド21と、プラテン26と、排出ローラ27と、排出トレイ16と、装着ケース150と、タンク160とが位置している。
プリンタ10は、給送ローラ23及び搬送ローラ25を駆動させて、給送トレイ15に支持されたシートをプラテン26の位置まで搬送する。次に、プリンタ10は、タンク160からチューブ19を通じて供給されるインクを、ヘッド21にノズル29を通じて吐出させる。これにより、プラテン26に支持されたシートにインクが着弾して、シート上に画像が印刷される。そして、プリンタ10は、排出ローラ27を駆動させて、画像が印刷されたシートを排出トレイ16に排出する。
より詳細には、ヘッド21は、搬送ローラ25によるシートの搬送向きと交差する主走査方向(左右方向9と平行)に沿って往復移動するキャリッジ20に搭載されている。キャリッジ20は、不図示のモータの駆動力が伝達されて、主走査方向(図3の紙面と垂直な方向)に沿って移動する。プリンタ10は、搬送ローラ25によるシートの搬送が停止されている間に、主走査方向に沿ってキャリッジ20を移動させつつ、ヘッド21にノズル29を通じてインクを吐出させる。これにより、ヘッド21に対面するシートの一部の領域(以下、「1パス」と記載)に画像が印刷される。次に、プリンタ10は、次に画像が印刷されるべき領域がヘッド21に対面するように、搬送ローラ25にシートを搬送させる。そして、これらの処理を交互に繰り返し実行させることによって、1枚のシートに画像が印刷される。
[ディスプレイ28]
図2に示されるように、筐体14は、ディスプレイ28を有する。ディスプレイ28は、筐体14の前面に位置している。ディスプレイ28は、表示パネルの上にタッチセンサが配置された、所謂タッチパネルである。ただし、ディスプレイ28に代えて、或いはディスプレイ28とともに、表示パネル及び押しボタンが筐体14の前面に位置していてもよい。ディスプレイ28は、ユーザからの入力を受け付ける。
[カバー87]
図2に示されるように、筐体14の前面14Aで且つ左右方向9の右端部には、開口85が形成されている。筐体14は、さらにカバー87を備える。カバー87は、開口85を被覆する被覆位置(図2(A)に示される位置)と、開口85を開放する開放位置(図2(B)に示される位置)との間を回動可能である。カバー87は、例えば、上下方向7における筐体14の下端近傍において、左右方向9に沿う回動軸線周りに回動可能に、筐体14によって支持されている。そして、開口85の奥に広がる筐体14内部の収容空間86には、カートリッジ200が装着される装着ケース150が位置している。
[装着ケース150]
装着ケース150は、図4に示されるように、接点152(接続インタフェースの一例)と、装着センサ32と、液面センサ33とを備えている。装着ケース150には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応する4つのカートリッジ200が収容可能である。すなわち、装着ケース150は、接点152、装着センサ32、液面センサ33を、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つずつ備えている。なお、装着ケース150に収容可能なカートリッジ200の数は、4つに限定されず、1つでも良いし、5つ以上でも良い。
装着ケース150は、装着されたカートリッジ200を収容する内部空間を有する箱形状である。装着ケース150の内部空間は、上端を画定する天壁と、下端を画定する底壁と、前後方向8の後端を画定する奥壁と、左右方向9の両端を画定する一対の側壁とで画定される。一方、装着ケース150の奥壁と対面する位置は、開口85となっている。すなわち、開口85は、カバー87が開放位置に位置したときに、装着ケース150の内部空間を、プリンタ10の外部に開放させる。
そして、カートリッジ200は、筐体14の開口85を通じて、装着ケース150に装着され、装着ケース150から抜かれる。より詳細には、カートリッジ200は、開口85を前後方向8の後ろ向きに通過して、装着ケース150に装着される。装着ケース150から抜かれるカートリッジ200は、開口85を前後方向8の前向きに通過する。なお、装着ケース150は、カートリッジ200を装着ケース150に装着された状態に保持する機構を備えていてもよい。
[接点152]
図4に示されるように、接点152は、装着ケース150の天壁に位置している。接点152は、天壁から装着ケース150の内部空間へ向けて下方に突出している。接点152は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する電極248(図5参照)に接する位置に位置している。接点152は、導電性を有しており、さらに上下方向7に沿って弾性的に変形可能である。接点152は、コントローラ130に電気的に接続されている。
[装着センサ32]
図4に示されるように、装着センサ32は、装着ケース150の天壁に位置している。装着センサ32は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されているか否か、つまりカートリッジ200がタンク160に接続されているか否かを検出するためのセンサである。装着センサ32は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する遮光リブ245(図5参照)は、装着センサ32の発光部及び受光部の間に位置する。換言すれば、装着センサ32の発光部及び受光部は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の遮光リブ245を挟んで、互いに対向した状態で位置している。
装着センサ32は、発光部から左右方向9に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて、異なる信号(以下、「装着信号」と記載)を出力する。装着センサ32は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、装着センサ32は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
[タンク160]
プリンタ10は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つのタンク160を備える。詳細には、マゼンタのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、マゼンタのインクが貯留されるタンク160と、シアンのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、シアンのインクが貯留されるタンク160と、イエローのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、イエローのインクが貯留されるタンク160と、ブラックのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、ブラックのインクが貯留されるタンク160と、を備える。4つのタンク160の構成は、概ね共通するため、以下では、1つのタンク160を説明する。
図4に示されるように、タンク160は、装着ケース150の奥壁よりさらに後方に位置している。タンク160は、上壁161と、前壁162と、下壁163と、後壁164と、不図示の一対の側壁とで構成されている。タンク160の内部は、液室171が形成されている。液室171は、第2室の一例である。
後壁164の少なくとも一部は、上壁161、下壁163、及び側壁の端面に溶着されるフィルムでもよい。また、タンク160の側壁は、装着ケース150と共通でもよいし、装着ケース150とは独立していてもよい。さらに、左右方向9に隣接するタンク160の間は、不図示の隔壁によって仕切られている。
液室171は、流出口174を通じて不図示のインク流路に連通されている。流出口174の下端は、液室171の下端を画定する下壁163によって画定されている。流出口174は、ジョイント180(より詳細には、貫通孔184の下端)より下方に位置している。流出口174に連通された不図示のインク流路は、チューブ19に連通されている。これにより、液室171は、流出口174からインク流路及びチューブ19を通じて、ヘッド21と連通する。つまり、液室171に貯留されたインクは、流出口174からインク流路及びチューブ19を通じて、ヘッド21へ供給される。流出口174に連通されたインク流路及びチューブ19は、一端(流出口174)が液室171に連通され、且つ他端89(図3参照)がヘッド21に連通されている。
上壁161には連通口175(第2大気連通部の一例)が形成されている。連通口175は上壁161を貫通している。連通口175を通じて、液室171とタンク160の外部(大気)とが連通される。なお、連通口175は、半透膜によって閉塞されていてもよいし、上壁161以外に設けられていてもよい。
タンク160は、容積変動機構90(変動部の一例)を備えている。容積変動機構90は、液室171の容積を増加または減少させるものである。容積変動機構90は、液室171を区画している。容積変動機構90は、本実施形態では、液室171の下部分を区画している。下部分は、液室171のうち、後述する流出口234より下方の部分である。なお、容積変動機構90は、液室171の下部分以外の部分を区画していてもよい。
容積変動機構90は、筐体91と、移動壁92と、変動壁93と、ラックギヤ94と、ピニオンギヤ95とを備えている。
筐体91は、後壁164の下部から後方へ突出している。筐体91の内部は、液室171の一部を構成している。
移動壁92は、筐体91の内部に配置されている。移動壁92は、液室171内を前後方向8に移動可能である。
変動壁93は、蛇腹状に構成されている。変動壁93の前端部は、後壁164及び下壁163と接続されている。変動壁93の後端部は、移動壁92と接続されている。筐体91内の液室171は、サブ上壁165(筐体91の上壁)と、下壁163と、不図示の一対の側壁と、移動壁92と、変動壁93とで区画されている。
ラックギヤ94は、サブ上壁165によって前後方向8に移動可能に支持されている。ラックギヤ94は、図4及び図5では示されていないが移動壁92と連結している。これにより、ラックギヤ94の前後方向8への移動に応じて、移動壁92が前後方向8へ移動する。
ピニオンギヤ95は、ラックギヤ94と噛合している。ピニオンギヤ95は、不図示のモータの駆動力が伝達されて順回転または逆回転する。ピニオンギヤ95が順回転すると、ラックギヤ94及び移動壁92が前方へ移動する。ピニオンギヤ95が逆回転すると、ラックギヤ94及び移動壁92が後方へ移動する。
変動壁93は、移動壁92が後方へ移動するにしたがって、図4に破線で示されるように伸長する。これにより、液室171の下部分の容積が大きくなる。一方、変動壁93は、移動壁92が前方へ移動するにしたがって、図4に実線で示されるように収縮する。これにより、液室171の下部分の容積が小さくなる。
移動壁92は、図4に実線で示される前位置と、図4に破線で示される後位置とに移動可能である。移動壁92が前位置のとき、液室171の下部分の容積は第1容積である。第1容積は、図4において基準位置Pより下方であって、前壁162と前位置の移動壁92との間である空間の容積である。基準位置Pは、後述するニードル181の軸中心と同じ高さである。また、基準位置Pは、カートリッジ200がタンク160に接続された状態において、後述する流出口234の中心と同じ高さである(図5参照)。移動壁92が後位置のとき、液室171の下部分の容積は第2容積である。第2容積は、図4において基準位置Pより下方であって、前壁162と後位置の移動壁92との間である空間の容積である。第2容積は、第1容積より大きい。
つまり、容積変動機構90は、液室171を区画するものであって、移動することによって液室171の容積を増加または減少させるものである。また、容積変動機構90は、液室171の下部分の容積を第1容積または第2容積に変動させるものである。
[ジョイント180]
図4に示されるように、ジョイント180は、タンク160に設けられている。ジョイント180は、ニードル181を備えている。ニードル181は、内部に流路が形成された管である。ニードル181は、液室171を画定する前壁162から前方へ突出している。ニードル181の前端には、開口183が形成されている。また、ニードル181の内部空間は、前壁162を貫通する貫通孔184(流入口の一例)を通じて液室171に連通されている。ニードル181は、一端(開口183)がタンク160の外部に連通され、且つ他端(貫通孔184)が液室171に連通されている。なお、各図には示されていないが、開口183は、シール部材やバルブなどによって閉じられており、使用に際して開放されるように構成されていてもよい。
[液面センサ33]
図4に示される液面センサ33は、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置Pより高いとき、ローレベル信号を制御基板へ出力する。一方、液面センサ33は、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以下のとき、ハイレベル信号を制御基板へ出力する。液面センサ33は、液室171のサブ上壁165にインクが接触しているか否かによって異なる反射率を有するプリズムを利用して、液室171におけるインクの液面を光学的に検出するセンサである。
なお、液面センサ33は、他の公知の構成が採用されてもよい。例えば、被検出部を有するアクチュエータが液室171に設けられ、インクの液面が基準位置P以下になればアクチュエータが回動することによって被検出部の位置が変化してもよい。アクチュエータの被検出部が光学センサによって検知されるか否かによって、インクの液面が基準位置P未満であるかを判定することができる。また、液面センサ33として、液室171に挿入された電極棒が採用されてもよい。
[カートリッジ200]
図5に示されるカートリッジ200は、液体であるインクを内部に貯留する液室210を有する容器である。液室210は、第1室の一例である。
液室210は、例えば、樹脂製の壁によって画定されている。カートリッジ200は、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が、左右方向9に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。なお、異なる色のインクが貯留されるカートリッジ200の外形形状は、同一でもよいし、異なっていてもよい。カートリッジ200を構成する壁のうちの少なくとも一部は、透光性を有している。これにより、ユーザは、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの液面をカートリッジ200の外部から視認することができる。
カートリッジ200は、筐体201と、供給管230とを備える。筐体201は、後壁202と、前壁203と、上壁204と、下壁205と、一対の側壁(不図示)とで構成されている。
供給管230は、後壁202の下端付近から後方へ突出している。供給管230は、円筒形状の部材である。供給管230の内部空間は、流出口234(第1流出口の一例)によって貫通されている。流出口234の一端は、液室210と連通している。流出口234の他端は、カートリッジ200の外部に開口している。なお、各図には示されていないが、供給管230の突出端の開口は、シール部材やバルブなどによって閉じられており、使用に際して開放されるように構成されていてもよい。
上壁204には連通口221(第1大気連通部の一例)が形成されている。連通口221は上壁204を貫通している。連通口221を通じて、液室210とカートリッジ200の外部(大気)とが連通される。なお、連通口221は、半透膜によって閉塞されていてもよい。
カートリッジ200が装着ケース150に装着されるとき、タンク160のニードル181が、カートリッジ200の供給管230の流出口234に挿入される。これにより、カートリッジ200とタンク160とが接続される。カートリッジ200とタンク160とが接続された状態において、ニードル181の内部空間を通じて、カートリッジ200の液室210と、タンク160の液室171との間でインクが流通可能になる。つまり、流出口234を通じて液室210から流出したインクは、貫通孔184を通じて液室171へ流入する。
また、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、液室210の一部と、液室171の一部とは、水平方向から見て互いに重なる。さらに、液室210の底部よりも液室171の底部の方が、下方に位置している。その結果、液室210に貯留されたインクは、液室210の水頭と液室171の水頭との差によって、接続された供給管230及びジョイント180を通じて、流出口234から流出し、貫通孔184を通じてタンク160の液室171に流入する。
図5に示されるように、上壁204の外面には、遮光リブ245が形成されている。遮光リブ245は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。遮光リブ245は、装着センサ32の発光部から出力される光を遮光する材料又は色で形成されている。遮光リブ245は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、装着センサ32の発光部から受光部に至る光路上に位置する。すなわち、装着センサ32は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130(図1)に出力する。一方、装着センサ32は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていないことに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130に出力する。すなわち、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを、装着センサ32から出力される信号によって検出することができる。
図5に示されるように、上壁204の外面で且つ遮光リブ245より前方には、ICチップ34が位置している。ICチップ34の上面には、電極248が形成されている。また、ICチップ34は、不図示のメモリを備える。電極248は、ICチップ34のメモリと電気的に接続されている。電極248は、ICチップ34の上面において、接点152と導通可能に露出されている。すなわち、カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態において、電極248は、接点152と導通する。コントローラ130は、接点152及び電極248を通じてICチップ34のメモリ(カートリッジメモリの一例)から情報を読み出し、接点152及び電極248を通じてICチップ34のメモリに情報を書き込むことができる。
ICチップ34のメモリは、カートリッジ200の種別情報、シリアルナンバー、及びカートリッジ残量値を記憶する。種別情報とは、カートリッジ200が小容量カートリッジであるか、又は、大容量カートリッジであるか、貯留するインクの色などを示す情報である。シリアルナンバーは、カートリッジ200を個々に識別する情報である。カートリッジ残量値は、カートリッジ200が貯留するインクの量を示す値である。なお、未使用のカートリッジ200では、カートリッジ残量値は、初期インク残量を示す初期残量値がメモリに記憶されている。
[コントローラ130]
プリンタ10は、コントローラ130を備える。コントローラ130は、図1に示されるように、CPU35、記憶部36(装着体メモリの一例)、及び通信バス39を備えている。記憶部36は、ROM37、EEPROM56、及びRAM57を有する。記憶部36は、メモリの一例である。
ROM37は、OS(Operating Systemの略)プログラム37Aや、制御プログラム37Bや、通信プログラム37Cなどを記憶する。制御プログラム37Bは、後述の印刷処理などを行うプログラムである。通信プログラム37Cは、情報収集サーバ40などの外部機器との通信を制御するプログラムである。OSプログラム37Aは、制御プログラム37Bとは異なるプログラムであり、さらに通信プログラム37Cで制御される動作とは異なる動作を制御するプログラムである。OSプログラム37A、制御プログラム37B、及び通信プログラム37Cは、CPU35によって、アドレスに記述された命令が処理されることによって実行される。以下では、OSプログラム37A、制御プログラム37B、及び通信プログラム37Cが実行されることによって処理される動作を、コントローラ130の動作として記載することがある。なお、コントローラ130は、OSプログラム37A、制御プログラム37B、及び通信プログラム37Cが実行する動作の一部または全部を実現するICを用いたハード回路を有していてもよい。
EEPROM56は、プリンタ10の装置情報を記憶する。装置情報は、プリンタ10の識別情報を含む。プリンタ10の識別情報は、プリンタ10のMACアドレスやシリアルナンバーなどである。
また、EEPROM56は、第1排出値、第2排出値、初期カートリッジ残量値、初期タンク残量値、S_Emptyフラグ、及びC_Emptyフラグを記憶する。詳しくは、後述の印刷処理で説明する。
通信バス39には、ヘッド21や、通信インタフェース(以下、通信I/Fと記載)31や、装着センサ32や、液面センサ33や、接点152や、クロック30や、ディスプレイ28や、不図示のモータなどが接続されている。クロック30は、日時情報を出力する。通信I/F31は、通信回線6に接続されている。
コントローラ130は、通信バス39を通じて不図示のモータを駆動させることによって、給送ローラ23、搬送ローラ25、及び排出ローラ27を回転させる。また、コントローラ130は、通信バス39を通じてヘッド21の駆動素子に駆動信号を出力することによって、ヘッド21からインク滴を吐出させる。
また、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを装着センサ32を通じて検出する。さらに、コントローラ130は、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上か否かを液面センサ33を通じて検出する。
また、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の電極248と、接点152とを通じて、ICチップ34のメモリに記憶された種別情報、シリアルナンバー、及びカートリッジ残量値を読み出す。さらに、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の電極248と、接点152とを通じて、ICチップ34のメモリに記憶されたカートリッジ残量値の値を更新する。
[情報収集サーバ40]
図1に示される情報収集サーバ40は、プリンタ10のベンダによってインターネットなどの通信回線6上に設置されてもよいし、当該ベンダとは異なる事業者によって設置されてもよい。情報収集サーバ40は、CPU41と、記憶部42と、プリンタ用通信インタフェース43(以下、通信I/F43と記載)と、発送サーバ用通信インタフェース44(以下、通信I/F44と記載)と、クロック48と、通信バス49とを備える。CPU41、記憶部42、及び通信バス49は、コントローラ45を構成する。クロック48は、日時情報を出力する。通信I/F43は、通信回線6に接続されており、プリンタ10や発送サーバ50と通信を行う。プリンタ10のコントローラ130及び情報収集サーバ40のコントローラ45は、コントローラの一例である。
記憶部42は、プログラム記憶領域46と、データ記憶領域47とを有する。プログラム記憶領域46は、ハードディスクなどである。データ記憶領域47は、RAMやハードディスクなどである。
プログラム記憶領域46は、OSプログラム46Aや、制御プログラム46Bや、通信プログラム46Cなどのプログラムを記憶する。制御プログラム46Bは、後述の処理を実行する。通信プログラム46Cは、プリンタ10や発送サーバ50との通信を制御する。OSプログラム46Aは、制御プログラム46Bとは異なるプログラムであり、さらに通信プログラム46Cとは異なる制御をするプログラムである。以下では、OSプログラム46A、制御プログラム46B、及び通信プログラム46Cは、ハードディスクからRAMにコピーされ、RAMにコピーされた命令をCPU41が順に実行することによって実行される。以下では、OSプログラム46A、制御プログラム46B、及び通信プログラム46Cが実行されることによって処理される動作を、コントローラ45や情報収集サーバ40の動作として記載することがある。
[発送サーバ50]
発送サーバ50は、プリンタ10のベンダによってインターネットなどの通信回線6上に設置されてもよいし、当該ベンダとは異なる事業者によって設置されてもよい。発送サーバ50は、情報収集サーバ40からの要求に応じて、プリンタ10のユーザにカートリッジ200を発送するサービスを提供する。
発送サーバ50は、CPU51と、記憶部52と、通信インタフェース53(以下、通信I/F53と記載)と、通信バス54とを備える。CPU51、記憶部52、及び通信バス54は、コントローラ55を構成する。通信I/F53は、情報収集サーバ40との通信を行う。CPU51、記憶部52、通信I/F53、通信バス54の構成は、情報収集サーバ40のCPU41、記憶部42、通信I/F43、及び通信バス49の構成と同じである。
[プリンタ10のコントローラ130が実行する処理]
図6及び図7に示されるフローチャートを参照して、プリンタ10のコントローラ130が実行する処理を説明する。なお、以下の各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
[印刷処理]
コントローラ130は、プリンタ10に印刷指示が入力されたことに応じて、図7に示される印刷処理を実行する。印刷指示の取得元は特に限定されないが、例えば、印刷指示に対応するユーザ操作を操作パネル22やディスプレイ28(図2参照)を通じて受け付けてもよいし、通信I/F31を通じて外部装置から受信してもよい。印刷指示には、画像を示す画像データが含まれる。当該画像データは、プリンタ10のRAM57に記憶される。
まず、コントローラ130は、EEPROM56が記憶しているS_Emptyフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S11)。コントローラ130は、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が、タンク160からインクが流出する流出口174の上端に達する前にEEPROM56のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させる。EEPROM56のS_Emptyフラグの値は、「ON」を記憶するまでは「OFF」を記憶している。なお、流出口174の上端にインクの液面が達すると、ヘッド21のノズルにエア(空気)が進入してしまう虞がある。ヘッド21のノズルに進入したエアがノズル内に滞留すると、ノズル内へのインクの進入が阻害されたり、ノズルからのインク滴の吐出が阻害されたりする虞が生じる。
すなわち、S_Emptyフラグは、ヘッド21のノズルにエアが進入することを防止するためのものである。コントローラ130は、後述のステップS14において、EEPROM56のS_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、ステップS65において、EEPROM56のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させる。フローチャートには示されていないが、コントローラ130は、EEPROM56のS_Emptyフラグの値が「ON」であることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止する。また、コントローラ130は、EEPROM56のS_Emptyフラグの値が「OFF」であることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出を許容する。
コントローラ130は、EEPROM56のS_Emptyフラグの値が「ON」であると判断すると(S11:ON)、装着センサ32から装着信号を所定の時間間隔で取得する。次に、コントローラ130は、取得した装着信号がローレベル信号(以下、「L」と記載)からハイレベル信号(以下、「H」と記載)に変化し、さらに、取得した装着信号が「H」から「L」に変化したか否かを判断する(S12)。すなわち、装着信号の変化により、カートリッジ200が装着されたか否かが判断される。以下、コントローラ130が、取得した装着信号が「L」から「H」に変化し、さらに取得した装着信号が「H」から「L」に変化したか否かを判断することを、コントローラ130が、カートリッジ200が装着されたか否かを判断するとする。また、コントローラ130が、取得した装着信号が「L」から「H」に変化し、さらに、取得した装着信号が「H」から「L」に変化したかを判断する(S12:Yes)ことを、コントローラ130が、カートリッジ200が装着されたと判断することとする。
コントローラ130は、カートリッジ200が装着されていないと判断すると(S12:No)、装着センサ32から装着信号の定期的な取得を継続する。コントローラ130は、カートリッジ200が装着されたと判断すると(S12:Yes)、第1更新処理(S13)を実行する。なお、コントローラ130が、カートリッジ200が装着されたか否かを判断する具体例として、ステップS12の処理を挙げたが、これに限られない。例えば、シリアルナンバーを用いてカートリッジ200が装着されたか否かが判断されてもよい。コントローラ130は、カートリッジ200のICチップ34のメモリからカートリッジ200のシリアルナンバーを読み出す。そして、コントローラ130は、読み出したシリアルナンバーと、EEPROM56が記憶しているシリアルナンバーとが一致するか否かを判断する。EEPROM56が記憶しているシリアルナンバーとは、装着ケース150に新しいカートリッジ200が装着される前に装着ケース150に装着されていたカートリッジ200のICチップ34のメモリが記憶しているシリアルナンバーである。この場合、コントローラが、カートリッジ200が装着されたと判断するときの具体例は、コントローラ130は、ICチップ34のメモリから読み出したシリアルナンバーと、EEPROM56が記憶しているシリアルナンバーとが一致しないと判断することである。
[第1更新処理]
図7(A)に示される第1更新処理は、コントローラ130が、EEPROM56に記憶された初期カートリッジ残量値及び初期タンク残量値と、カートリッジ200のICチップ34に記憶されたカートリッジ残量値とを更新する処理である。
まず、コントローラ130は、接点152を通じて、装着ケース150に装着されたカートリッジ200のICチップ34のメモリから、当該ICチップ34のメモリが記憶するカートリッジ残量値を読み出す(S31)。コントローラ130は、読み出したカートリッジ残量値を初期カートリッジ残量値としてEEPROM56に記憶させる(S32)。
また、コントローラ130は、タンク残量値をRAM57から読み出す(S33)。なお、電源オフなどによってRAM57にタンク残量値が記憶されていない場合、コントローラ130は、後述の第4更新処理と同様にして、タンク残量値を算出し、当該算出したタンク残量値をRAM57に記憶する。RAM57から読み出されるタンク残量値は、カートリッジ200が装着される直前にタンク160の液室171に貯留されていたインク残量を示す値である。換言すれば、タンク残量値は、カートリッジ200が抜かれた際にタンク160の液室171に貯留されていたインク残量を示す値である。コントローラ130は、RAM57から読み出したタンク残量値を初期タンク残量値としてEEPROM56に記憶させる(S33)。
コントローラ130は、初期カートリッジ残量値及び初期タンク残量値を加算し、インクの総残量を示す総残量値を算出する(S34)。コントローラ130は、算出した総残量値から、新たなカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する(S35)。
具体的に説明すると、新たなカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、カートリッジ200の液室210から、当該液室210に貯留されていたインクの一部がタンク160の液室171へと流出する。カートリッジ200の液室210からタンク160の液室171へのインクの流出は、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの水頭と、タンク160の液室171に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなると、停止する。新たなカートリッジ残量値及び新たなタンク残量値は、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの水頭と、タンク160の液室171に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなった状態でのインク残量を示す。
カートリッジ残量値及びタンク残量値は、例えばコントローラ130が、EEPROM56やROM37が記憶する計算式に基づく算出をすることで決定してもよい。或いは、カートリッジ残量値及びタンク残量値は、例えばコントローラ130が、EEPROM56やROM37が記憶するテーブルに基づいて決定してもよい。具体的に説明すると、カートリッジ200の液室210の形状及びタンク160の液室171の形状は、設計によって予め決められる。但し、タンク160の液室171の形状は、容積変動機構90の移動壁92の位置に応じて異なる形状となる。したがって、インクの総残量値が判れば、カートリッジ200に貯留されたインクの水頭とタンク160に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなった状態におけるカートリッジ残量値及びタンク残量値も判る。EEPROM56やROM37は、移動壁92の各位置について、総残量値からカートリッジ残量値及びタンク残量値を計算する計算式を予め記憶している。或いは、EEPROM56やROM37は、移動壁92の各位置について、総残量値とカートリッジ残量値とタンク残量値との対応が示されたテーブルを予め記憶している。コントローラ130は、インクの総残量値と、当該計算式やテーブルと、により、新たなカートリッジ残量値及び新たなタンク残量値を決定する。なお、後述する情報送受信処理(図8参照)のステップS111において、移動壁92の各位置が設定され、後述する情報送受信処理のステップS112において、移動壁92は当該設定に応じた位置に移動される。
コントローラ130は、決定した新たなカートリッジ残量値をRAM57に記憶させるとともに、ICチップ34のメモリに記憶されたカートリッジ残量値を更新する(S36)。また、コントローラ130は、決定した新たなタンク残量値をRAM57に記憶させる(S37)。次に、コントローラ130は、クロック30が出力する日時情報を装着日時としてEEPROM56に記憶させ(S38)、第1更新処理を終了する。
コントローラ130は、図6に示されるように、第1更新処理が終了すると(S13)、EEPROM56のS_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、EEPROM56のC_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、EEPROM56の第1排出値及び第2排出値としてゼロを記憶させる(S14)。コントローラ130は、ステップS14の処理の実行後に、ステップS11の処理を再び実行する。なお、C_Emptyフラグ、第1排出値、第2排出値については後述する。
コントローラ130は、EEPROM56のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、液面センサ33からの信号(以下、液面信号と記載)を取得する(S15)。その後、コントローラ130は、RAM57が記憶する画像データに従って、シートに印刷を行う(S16)。画像がシートに印刷されることにより、インクがヘッド21を通じて排出される。インクが排出されたことにより、タンク160におけるインクの液面が下がる。コントローラ130は、印刷の実行後(S16)、液面センサ33から液面信号を取得する(S17)。次に、コントローラ130は、ステップS15で取得した液面信号とステップS17で取得した液面信号との判断をする(S18)。以下、コントローラ130が、液面センサ33から取得するローレベル信号を「L」と記載することがある。また、コントローラ130が、液面センサ33から取得するハイレベル信号を、「H」と記載することがある。
コントローラ130は、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「L」であると判断すると(S18:L→L)、第2更新処理(S19)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「L」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより高い(ステップS15で取得した液面信号が「L」)。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより高い(ステップS17で取得した液面信号が「L」)。すなわち、印刷の実行(S16)後、コントローラ130がステップS17で取得した液面信号が「L」である際の、カートリッジ200の液室210には、インクが存在している。
[第2更新処理]
図7(B)に示される第2更新処理は、コントローラ130が、印刷やメンテナンスにおいてヘッド21を通じて排出されたインクの量を示す第1排出値から、新たなカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する処理である。第1排出値は、例えば、ヘッド21に吐出させるインク1滴の量に、当該インク1滴が吐出される回数を乗じた値である。コントローラ130は、ヘッド21にインクの吐出を指示するごとに、指示に応じた第1排出値をカウントする。コントローラ130は、カートリッジ200の装着後から現在までにヘッド21が吐出した量に相当する第1排出値をカウントする。すなわち、第1排出値は、カートリッジ200の装着後から現在までにヘッド21が吐出したインクの量の積算値である。この第1排出値は、EEPROM56が記憶している。
まず、コントローラ130は、初期カートリッジ残量値と初期タンク残量値とをEEPROM56から読み出す(S41)。次に、コントローラ130は、読み出した初期カートリッジ残量値と初期タンク残量値とを加算して総残量値を算出する(S42)。コントローラ130は、算出した総残量値から第1排出値を減算し、新たな総残量値を算出する(S43)。その後、コントローラ130は、上述と同様に、計算式やテーブルを用いて新たなカートリッジ残量値及び新たなタンク残量値を決定する(S44)。
コントローラ130は、決定した新たなカートリッジ残量値をRAM57に記憶させるとともに、ICチップ34に記憶されたカートリッジ残量値を更新する(S45)。また、コントローラ130は、決定した新たなタンク残量値をRAM57に記憶させ(S46)、第2更新処理を終了する。
コントローラ130は、図6に示されるように、第2更新処理(S19)が終了すると、次ページの画像データがRAM57に記憶されているか否かを判断する(S23)。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM57に記憶されていると判断すると(S23:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM57に記憶されていないと判断すると(S23:No)、印刷処理を終了する。
なお、上述したカートリッジ残量値及びタンク残量値の決定方法は一例であり、他の方法によってカートリッジ残量値及びタンク残量値が決定されてもよい。
コントローラ130は、EEPROM56のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS15からS18までの処理を実行する。コントローラ130は、ステップS15で取得した液面信号が「L」であり、且つステップS17で取得した液面信号が「H」であると判断すると(S18:L→H)、第3更新処理(S20)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15で取得した液面信号が「L」であり、且つS17で取得した液面信号が「H」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより高い(ステップS15で取得した液面信号が「L」)。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以下(ステップS17で取得した液面信号が「H」)である。すなわち、印刷の実行(S16)中に、カートリッジ200の液室210内にあったインクが存在しなくなったのである。換言すれば、印刷の実行(S16)中にカートリッジ200の液室210に貯留されたインクが使い切られたことを意味する。
[第3更新処理]
図7(C)に示される第3更新処理は、コントローラ130が、初期カートリッジ残量値を第1所定値に更新し、かつ初期タンク残量値を第2所定値に更新する処理である。具体的に説明すると、印刷などによってヘッド21を通じて排出されたインクの量を示す第1排出値は、誤差を含む。例えば、コントローラ130は、ヘッド21に、ある特定の量のインクの吐出を指示したとしても、実際にヘッド21から吐出されるインクの量と、ヘッド21に指示した特定の量、とに差が生じる場合がある。この差は、例えば、上記インクの吐出を指示した時の温度が原因で生じることがある。温度が低くなるほど、インクの粘度が高くなるため、ノズル29を通じてインクが排出されにくくなるためである。さらに、コントローラ130は、ヘッド21に繰り返し上記の指示を行うと、繰り返し実際にヘッド21を通じて排出されるインクの量と、特定の量を繰り返した量とで、差がより開くこともある。つまり、印刷がされる度に、算出される第1排出値が示す量と、実際にヘッド21を通じて排出された量とでは、誤差が積算される可能性がある。
カートリッジ残量値は、上記第1排出値に従って決定されるため、カートリッジ残量値が示すインク残量と、実際の液室210に貯留されたインク残量と、に誤差が発生する。また、タンク残量値は、上記第1排出値に従って決定されるため、タンク残量値が示すインク残量と、実際の液室171に貯留されたインク残量と、に誤差が発生する。したがって、印刷がされる度に決定されるカートリッジ残量値及びタンク残量値は、積算された誤差を含む。第3更新処理は、積算された誤差をリセットする処理である。
具体的に説明すると、コントローラ130は、ICチップ34のメモリに記憶された初期カートリッジ残量値を第1所定値で更新する(S51)。第1所定値は、例えば「ゼロ」である。また、コントローラ130は、初期タンク残量値を第2所定値としてRAM57及びEEPROM56に記憶させる(S52)。第2所定値は、基準位置Pにインクの液面がある場合にタンク160の液室171に貯留されているインクの量を示す値である。第1所定値及び第2所定値は、例えば、ROM37に予め記憶される。
次に、コントローラ130は、EEPROM56のC_Emptyフラグに「ON」を記憶させ(S53)、第3更新処理を終了する。
コントローラ130は、図6に示されるように、第3更新処理(S20)が終了すると、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクが使い切られたことを示す、カートリッジエンプティを報知する(S22)。具体的には、コントローラ130は、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクが使い切られた旨、又はカートリッジ200を交換する旨、を示すカートリッジエンプティ画像をディスプレイ28に表示させる。なお、カートリッジエンプティの報知は、例えば、ステップS14にて、EEPROM56のC_Emptyフラグに「OFF」が記憶されるまで実行される。すなわち、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクが使い切られた後から新しいカートリッジ200が装着されるまで、カートリッジエンプティ画像がディスプレイ28に表示される。
なお、ディスプレイ28に代えて、或いは、ディスプレイ28とともに、プリンタ10はスピーカを備えていてもよい。この場合、ステップS22において、コントローラ130は、警告音をスピーカに出力させる。なお、ディスプレイ28に代えて、或いは、ディスプレイ28とともに、プリンタ10はLEDなどのランプを備えていてもよい。この場合、ステップS22において、コントローラ130は、LEDなどのランプに点滅や点灯をさせる。
コントローラ130は、ステップS22の処理の実行後、次ページの画像データがRAM57に記憶されているか否かを判断する(S23)。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM57に記憶されていると判断すると(S23:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM57に記憶されていないと判断すると(S23:No)、印刷処理を終了する。
コントローラ130は、ステップS11の処理で、EEPROM56のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS15からS18までの処理を実行する。コントローラ130は、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「H」であると判断すると(S18:H→H)、第4更新処理(S21)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15及びS17で取得した液面信号が共に「H」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以下(ステップS15で取得した液面信号が「H」)である。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以下(ステップS17で取得した液面信号が「H」)である。すなわち、印刷の実行(S16)の前後で、コントローラ130が、カートリッジ200の液室210には、インクが存在していない。
[第4更新処理]
図7(D)に示される第4更新処理は、コントローラ130が、タンク残量値を算出し、さらに、印刷を禁止するか否かを判断する処理である。まず、コントローラ130は、第2所定値に更新された初期タンク残量値をEEPROM56から読み出す(S61)。コントローラ130は、読み出した初期タンク残量値から第2排出値を減算し、新たなタンク残量値を算出する(S62)。第2排出値は、第1排出値と同様に、例えば、ヘッド21に吐出させるインク1滴の量に、当該インク1滴が吐出される回数を乗じた値である。コントローラ130は、ヘッド21にインクの吐出を指示するごとに、指示に応じた第2排出値をカウントする。コントローラ130は、液面センサ33から取得した液面信号が「L」から「H」に変化した後から、現在までにヘッド21が排出したインクの量を示す第2排出値をカウントする。すなわち、第2排出値は、液面センサ33から取得した液面信号が「L」から「H」に変化した後から現在までにヘッド21が排出したインクの量の積算値である。この第2排出値は、EEPROM56が記憶している。
コントローラ130は、算出した新たなタンク残量値を、RAM57に記憶させる(S63)。次に、コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達したか否かを判断する(S64)。閾値は、ROM37やEEPROM56に予め記憶された値である。コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達していないと判断すると(S64:Yes)、第4更新処理を終了する。一方、コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達したと判断すると(S64:No)、EEPROM56のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させ(S65)、第4更新処理を終了する。フローチャートには示されていないが、コントローラ130は、EEPROM56のS_Emptyフラグに「ON」が記憶されていると判断すると、印刷及びメンテナンスを含めて、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止する。
閾値は、第2排出値が閾値に到達したときに、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が流出口174よりも若干上の位置になるような値とされる。詳しく説明すると、液面センサ33が検知する設計上の基準位置Pと、液面センサ33が実際に検知する基準位置Pとの間には、誤差がある場合がある。閾値は、当該誤差が設計時に想定し得る最大の誤差であっても、第2排出値が閾値に到達したときに、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が流出口174に重ならないような値とされる。コントローラ130が、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止することにより、ヘッド21にエアが混入することが抑制される。なお、閾値は、上述の誤差に加え、プリンタ10が傾斜した面に載置されることも考慮して、プリンタ10が所定の傾斜角度の面に載置されても、第2排出値が閾値に到達したときに、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が流出口174に重ならないような値とされてもよい。また、第2排出値は、第1排出値と同様に誤差を含む場合がある。閾値は、第2排出値が有する誤差が最大であっても、第2排出値が閾値に到達したときに、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が流出口174に重ならないような値とされてもよい。
コントローラ130は、図6に示されるように、第4更新処理(S21)が終了すると、次ページがRAM57に記憶されているか否かを判断する(S23)。コントローラ130は、次ページがRAM57に記憶されていると判断すると(S23:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページがRAM57に記憶されていないと判断すると(S23:No)、印刷処理を終了する。
上述のように、コントローラ130は、ステップS16の印刷を実行する度に、印刷に使用したインクの量に応じてカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する。なお、上述では、コントローラ130が、1ページ分の印刷を実行する度にカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する例を説明した。これに代えて、コントローラ130は、カートリッジ残量値及びタンク残量値を、1パスの印刷を実行する度に決定してもよい。また、コントローラ130は、第2更新処理、第3更新処理、及び第4更新処理を、印刷だけでなく、メンテナンスなどのためにヘッド21を通じてインクが排出されるごとに実行する。
[情報送受信処理]
配送システム5では、後述するように、情報収集サーバ40がプリンタ10からインクの残量情報を含む管理情報を収集し、インクの残量が少なくなると、発送サーバ50に対してカートリッジ200の発注を行う。このように、インク残量の管理及びカートリッジ200の発注を情報収集サーバ40が行うことで、プリンタ10のユーザによるインク残量の管理及びカートリッジ200の購入の手間を省くことができる。
また、配送システム5では、後述するように、プリンタ10のタンク160の液室171の容積(詳細には、液室171の下部分の容積)が、上記の契約の内容に基づいて決定され、この決定に基づいて容積変動機構90が駆動される。
プリンタ10のユーザは、インク残量の管理及びカートリッジ200の発注サービスを行っているメーカ(サービス提供者)と契約を締結する。インク残量の管理及びカートリッジ200の発注サービスは、プリンタごとに契約されるサービスであり、契約時に、サービス情報が情報収集サーバ40に登録される。
サービス情報は、ユーザに提供されるサービスの内容に関する情報である。例えば、サービス情報は、ユーザ情報、契約対象のプリンタ10の識別情報、インク消費情報、配送時間情報、上述したカートリッジ200の種別情報などを含んでいる。
ユーザ情報は、カートリッジ200の配送先のユーザの氏名、住所などの宛先に関する情報である。識別情報は、契約対象のプリンタ10を個別に識別するための情報であり、プリンタ10のシリアル番号やMACアドレスなどである。
インク消費情報は、液室210及び液室171に貯留されたインクの消費速度に関する情報である。配送時間情報は、新たなカートリッジ200が発注されてから当該新たなカートリッジ200がユーザの元へ届くまでの配送時間に関する情報である。
なお、インク消費情報は、インクの消費速度を間接的に表す情報、例えば契約においてユーザに対して許可された所定期間(例えば1ヶ月)毎の印刷可能なシートの枚数(当該枚数が多い程、インクの消費速度が早い。)も含まれる。本実施形態において、インク消費情報は、ユーザが1ヶ月に印刷可能なシートの枚数である。
以下、図8が参照されつつ、上述したカートリッジ200の発注や液室171の容積の変更に関するプリンタ10、情報収集サーバ40、及び発送サーバ50の情報送受信処理が、説明される。
本実施形態において、プリンタ10は、ユーザがサービス提供者と契約を締結して使用するものである。情報収集サーバ40は、サービス提供者が使用するものである。発送サーバは、サービス提供者が使用するものであってもよいし、サービス提供者と発送に関する契約を締結している発送業者などが使用するものであってもよい。
ユーザとサービス提供者が契約を締結すると、サービス情報が情報収集サーバ40に登録される(S101)。つまり、コントローラ45は、サービス情報をデータ記憶領域47に記憶する。
情報収集サーバ40のコントローラ45は、通信I/F43を通じてサービス情報をプリンタ10へ送信する(S102)。
また、コントローラ45は、発注情報を生成する。発注情報は、サービス情報に含まれるカートリッジ200の種別情報や、カートリッジ200を届ける宛名や住所を含むユーザ情報などを含む。
コントローラ45は、発注情報を生成すると、生成した発注情報を記憶部42に記憶させるとともに、通信I/F44を通じて、サービス情報と共に発送サーバ50に送信する(S103)。情報収集サーバ40が送信した発注情報及びサービス情報は、通信I/F53を通じて発送サーバ50に受信される。
プリンタ10のコントローラ130は、ステップS102で送信されたサービス情報を受信すると、サービス情報をEEPROM56に記憶する(S104)。
発送サーバ50のコントローラ55は、ステップS103で送信された発注情報及びサービス情報を受信すると、サービス情報を記憶部52及びカートリッジ200のICチップ34(詳細にはICチップ34のメモリ)に記憶し(S105)、発送情報を生成する(S106)。発送情報は、発注情報に含まれる種別情報が示すカートリッジ200(ステップS105でサービス情報が記憶されたカートリッジ200)を、発注情報に含まれるユーザ情報が示す宛名及び住所宛てに発送することを示す情報である。生成された発送情報はカートリッジ200の発送作業に用いられ、カートリッジ200がプリンタ10のユーザの元へ発送される(S107)。
プリンタ10のコントローラ130は、ステップS107で発送されたカートリッジ200がプリンタ10のユーザの元へ届いた後、上述したステップS12(図6参照)と同様にして、装着センサ32から取得した装着信号の変化により、カートリッジ200が装着されたか否かを判断する(S108)。
コントローラ130は、カートリッジ200が装着されていないと判断すると(S108:No)、上述したステップS12(図6参照)と同様にして、装着センサ32から装着信号の定期的な取得を継続する。
コントローラ130は、カートリッジ200が装着されたと判断すると(S108:Yes、S12:Yes)、図6に示されるステップS13以降の処理を実行すると共に、ステップS104においてEEPROM56に記憶されたサービス情報と、装着されたカートリッジ200のICチップ34に記憶されたサービス情報とを比較する(S109)。
コントローラ130は、2つのサービス情報が対応していない場合、例えば2つのサービス情報に含まれるインク消費情報が相違している場合(S109:No)、サービス情報に対応していないカートリッジ200が送付されてきたことを示す誤り情報を情報収集サーバ40へ送信する(S110)。なお、サービス提供者は、受信した誤り情報に基づいて、EEPROM56に記憶されたサービス情報に対応した新たなカートリッジ200の発送手続や、既に送付したカートリッジ200の回収手続などを実行する。
コントローラ130は、2つのサービス情報が対応している場合、例えば2つのサービス情報の内容が合致する場合(S109:Yes)、タンク容積設定処理を実行する(S111)。
以下、図9が参照されつつ、タンク容積設定処理が説明される。
コントローラ130は、サービス情報に含まれるインク消費情報PVを取得する(S201)。また、コントローラ130は、サービス情報に含まれる配送時間情報Tを取得する(S202)。
次に、コントローラ130は、インク消費情報PVを閾値αと比較し(S203)、配送時間情報Tを閾値βと比較する(S204、S205)。閾値α、βは、予め設定されてROM37またはEEPROM56に記憶されている。本実施形態において、閾値αは、シートの印刷枚数を表す情報(例えば2000枚)であり、閾値βは、時間を表す情報(例えば3日)である。
コントローラ130は、インク消費情報PVが閾値αより大きく(S203:Yes)、配送時間情報Tが閾値βより大きい(S204:Yes)場合、液室171の下部分の容積(限界貯留量の一例)を容積V1に設定して、EEPROM56に記憶する(S206)。
コントローラ130は、インク消費情報PVが閾値αより大きく(S203:Yes)、配送時間情報Tが閾値β以下(S204:No)の場合、液室171の下部分の容積を容積V1より小さい容積V2に設定して、EEPROM56に記憶する(S207)。
コントローラ130は、インク消費情報PVが閾値α以下(S203:No)で、配送時間情報Tが閾値βより大きい(S205:Yes)場合、液室171の下部分の容積を容積V2より小さい容積V3に設定して、EEPROM56に記憶する(S208)。なお、容積V3は容積V2以上且つ容積V1未満であってもよい。
コントローラ130は、インク消費情報PVが閾値α以下(S203:No)、配送時間情報Tが閾値β以下(S205:No)の場合、液室171の下部分の容積を容積V2、V3より小さい容積V4に設定して、EEPROM56に記憶する(S209)。
コントローラ130は、図8に示されるように、タンク容積設定処理が終了すると(S111)、以下に詳述するように、タンク160の液室171の容積の切替を実行する(S112)。
コントローラ130は、不図示のモータを駆動させて容積変動機構90のピニオンギヤ95を順回転または逆回転させることによって、移動壁92を移動させる。このときのピニオンギヤ95の回転方向及び回転量は、現在の移動壁92の位置と、タンク容積設定処理(S111)において設定された液室171の下部分の容積(容積V1乃至容積V4のいずれか)によって決定される。例えば、容積V1が第2容積であって容積V4が第1容積である場合において、現在の移動壁92の位置が前位置であってタンク容積設定処理(S111)において設定された液室171の下部分の容積が容積V1であるとき、コントローラ130は、ピニオンギヤ95を逆回転させて、移動壁92を前位置から後位置へ移動させる。これにより、液室171の下部分の容積が、容積V1(第1容積)から容積V4(第2容積)へ変動する。
以上のようにして、コントローラ130は、EEPROM56に記憶されたサービス情報に含まれるインク消費情報及び配送時間情報に基づいて(S111)、液室171に貯留可能なインクの貯留量である液室171の容積(本実施形態では液室171の下部分の容積)を変更する(S112)。
このとき、インク消費情報が大きい程(換言するとインクの消費速度が速い程、本実施形態ではユーザが1ヶ月に印刷可能なシートの枚数が多い程)、液室171の容積(本実施形態では液室171の下部分の容積)を大きく設定する(S111)。また、このとき、新たなカートリッジ200が発注されてから当該新たなカートリッジ200がユーザの元へ届くまでの配送時間が長い程、液室171の容積(本実施形態では液室171の下部分の容積)を大きく設定する(S111)。
その後、コントローラ130は、連絡情報送信処理(S113~S115)を定期的に実行する。具体的には、コントローラ130は、クロック30が出力する日時情報が、ROM37又はEEPROM56に記憶された所定時刻になると、連絡情報送信処理を実行する。所定の時刻は、例えば、5分や10分や1時間ごとの各時刻である。コントローラ130は、所定の時刻ごとに、連絡情報送信処理を実行する。なお、コントローラ130は、所定の時間間隔で連絡情報送信処理を実行してもよい。例えば、コントローラ130は、クロック30によって計時された時間が所定時間(例えば5分や10分や1時間)に到達すると、連絡情報送信処理を実行する。
連絡情報送信処理は、プリンタ10が、連絡情報を情報収集サーバ40に送信する処理である。連絡情報は、情報収集サーバ40が、発送サーバ50にカートリッジ200を発注する発注情報を送信するか否か判断するための情報である。
コントローラ130は、第1更新処理(S13)、第2更新処理(S19)、第3更新処理(S20)、第4更新処理(S21)にて更新されている各残量を取得する(S113)。コントローラ130は、取得した各残量に基づき、連絡情報を生成する(S114)。コントローラ130は、液室171に貯留されたインクがステップS111で設定されステップS112で切り替えられた容積(本実施形態では、液室171の下部分の容積である容積V1、V2、V3、V4のいずれか)を反映した連絡情報を生成する(S114)。液室171に貯留されたインクがステップS111で設定されステップS112で切り替えられた容積を連絡情報に含めていてもよい。この容積を用いてプリンタ10又は情報収集サーバ40が発注が必要かの判断をする閾値とすることができる。このときの容積は、液室171の下部分の容積が大きく設定されることに応じて大きく変更される。また、一例として、連絡情報には液面信号が「H」となったときには、新たなカートリッジ200の発注が必要である旨の情報を含んでいてもよい。
連絡情報の生成が以下に詳述される。連絡情報は、液室210及び液室171の少なくとも一方(本実施形態では液室171)に貯留されているインクの残量に関する情報である。つまり、連絡情報は、残量情報の一例である。連絡情報は、インクの残量そのものを含んでいなくてもよい。しかし、後述するように、連絡情報を受け取った情報収集サーバのコントローラ45は、液室171内のインク残量が少なくなったと判断して発注情報を生成する。つまり、本実施形態における連絡情報は、インクの残量が少なくなった旨を情報収集サーバに知らせる情報であり、インクの残量に関する情報である。もちろん、連絡情報は、インクの残量そのものを含んでいてもよい。
コントローラ130は、カートリッジ200のICチップ34のメモリからカートリッジ200の種別情報を読み出し、さらに、EEPROM56からプリンタ10の装置情報を読み出す。コントローラ130は、読み出した種別情報と、装置情報と、を含む連絡情報を生成する。なお、コントローラ130は、カートリッジ200のICチップ34のメモリから読み出した種別情報をEEPROM56に記憶しておき、当該種別情報をEEPROM56から読み出して連絡情報に含めてもよい。
カートリッジ200の種別情報は、例えば、カートリッジ200が、小容量カートリッジであるか、大容量カートリッジであるかや、貯留するインクの色などを示す情報などである。プリンタ10の装置情報は、プリンタ10のMACアドレスやシリアルナンバーなど、プリンタ10の識別情報を含む。プリンタ10の識別情報は、EEPROM56に記憶されている。
コントローラ130は、連絡情報を生成すると(S114)、通信I/F31を通じて、連絡情報を情報収集サーバ40に送信し(S115)、連絡情報送信処理を終了する。プリンタ10から送信された連絡情報は、情報収集サーバ40に受信される。
なお、プリンタ10または情報収集サーバ40が発注を必要であると判断する条件は、液面センサ33から取得した液面信号が「H」である場合、つまり液室171内のインク残量が液室171の下部分の容積(容積V1、V2、V3、V4のいずれか)となった場合に限らない。例えば、当該条件は、液室171内のインク残量が液室171の下部分の容積の半分となった場合であってもよい。この場合、液室171内のインク残量が液室171の下部分の容積の半分となったことは、例えば、上述した第4更新処理において算出されたタンク残量値に基づいて判断される。また、この場合、液室171の下部分の容積の半分が、所定の閾値に相当する。
情報収集サーバのコントローラ45は、ステップS114で生成されてステップS115で送信された連絡情報を定期的に受信する(S115)。そして、一例として、コントローラ45は、クロック48が出力する日時情報が、記憶部42に記憶された所定時刻になると、発注が必要な場合、発注情報送信処理を実行する(S117)。所定の時刻は、例えば、5分や10分や1時間ごとの各時刻である。
コントローラ45は、連絡情報を通信I/F43を通じて受信し、発注が必要と判断すると、発注情報を生成する(S116)。発注情報は、連絡情報に含まれるカートリッジ200の種別情報や、カートリッジ200を届ける宛名や住所を含むユーザ情報などを含む。コントローラ45は、連絡情報に含まれるプリンタ10の識別情報に対応するユーザ情報を記憶部42から読み出し、発注情報にユーザ情報を含める。
コントローラ45は、発注情報を生成すると(S116)、生成した発注情報を記憶部42に記憶させるとともに、通信I/F44を通じて発送サーバ50に送信する(S117)。情報収集サーバ40が送信した発注情報は、通信I/F53を通じて発送サーバ50に受信される。
発送サーバ50のコントローラ55は、ステップS117で送信された発注情報を受信すると、ステップS105で記憶部52に記憶したサービス情報を、カートリッジ200のICチップ34(詳細にはICチップ34のメモリ)に記憶し(S118)、ステップS106と同様にして発送情報を生成する(S119)。生成された発送情報はカートリッジ200の発送作業に用いられ、カートリッジ200がプリンタ10のユーザの元へ送付される(S120)。
この後、ステップS108以降の処理が繰り返される。つまり、カートリッジ200がプリンタ10のユーザの元へ送付されると(S107、S120)、ステップS108以降の処理が実行される。
[インク残量の表示]
コントローラ130は、RAM57に記憶された最新のカートリッジ残量値及びタンク残量値を、ディスプレイ28に表示させる。カートリッジ残量値及びタンク残量値の表示形式は任意であるが、カートリッジ200の液室210の容積に対するインク残量の割合が一見して認識できるような形式が好ましい。タンク160の液室171についても同様である。
例えば、コントローラ130は、図10(A)に示されるようなカートリッジオブジェクト267Bk、267Y、267C、267Mと、タンクオブジェクト268Bk、268Y、268C、268Mとを、ディスプレイ28に表示させる。
カートリッジオブジェクト267Bk及びタンクオブジェクト268Bkは、ブラックのインクを貯留するカートリッジ200及びタンク160に対応している。カートリッジオブジェクト267Y及びタンクオブジェクト268Yは、イエローのインクを貯留するカートリッジ200及びタンク160に対応している。カートリッジオブジェクト267C及びタンクオブジェクト268Cは、シアンのインクを貯留するカートリッジ200及びタンク160に対応している。カートリッジオブジェクト267M及びタンクオブジェクト268Mは、マゼンタのインクを貯留するカートリッジ200及びタンク160に対応している。以下、カートリッジオブジェクト267Bk、267Y、267C、267Mを総称して、カートリッジオブジェクト267と記し、タンクオブジェクト268Bk、268Y、268C、268Mを総称して、タンクオブジェクト268と記す。
カートリッジオブジェクト267は、カートリッジ200の液室210を模式的に表したものであり、液室210に貯留されたインク残量が、図10(A)のハッチングで示されるように色(例えばインクと同色)付きで示される。色付きで示されるインク残量は、カートリッジ残量値に対応している。図10(A)では、ブラックのインクが液室210に80%残留しており、マゼンタのインクが液室210に50%残留しており、イエロー及びシアンのインクが液室210に残留していないことが示されている。
タンクオブジェクト268は、タンク160の液室171を模式的に表したものであり、液室171に貯留されたインク残量が、図10(A)のハッチングで示されるように色(例えばインクと同色)付きで示される。色付きで示されるインク残量は、タンク残量値に対応している。図10(A)では、ブラック及びマゼンタのインクが液室171に100%残留しており、シアンのインクが液室171に80%残留しており、イエローのインクが液室171に残留していないことが示されている。
なお、図10では、シアンのインクが貯留されたカートリッジ200、及びイエローのインクが貯留されたカートリッジ200について、カートリッジエンプティがCE269として報知されており、イエローのインクが貯留されたタンク160について、タンクエンプティがTE270として報知されている。
コントローラ130は、タンク容積設定処理(S111)において液室171の下部分の容積が設定されると、設定された容積に応じて、ディスプレイ28に表示させるタンクオブジェクト268のサイズを変更する。例えば、図10(B)には、図10(A)よりも全ての色のタンクオブジェクト268が大きくされた例が示されている。
また、ユーザがサービス提供者と締結した契約の内容によっては、カートリッジ200及びタンク160に貯留されるインクの色毎に、液室171の容積が異なる場合があり得る。この場合の例が、図10(C)に示されている。図10(C)では、4つのタンクオブジェクト268のサイズが、それぞれ異なるサイズで表示されている。
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、コントローラ130が、サービス情報に基づいて限界貯留量を変更することができる。限界貯留量が多くされることによって、液室171に貯留されたインクが無くなるより前に、新たなカートリッジ200をユーザへ届けることができない可能性を低くすることができる。
また、本実施形態によれば、サービス情報が合致するか否かを判断することによって、ユーザとサービス提供者との契約に応じてサービス提供者から送られてきたカートリッジ200が当該契約に応じたものであるか否かを判断することができる。
また、本実施形態によれば、容積変動機構90によって限界貯留量を増減させることができる。
[変形例1]
上述の説明では、カートリッジ200のICチップ34のメモリに、種別情報が記憶されていた。つまり、上述の説明では、装着ケース150に、液室210のサイズが第1サイズである小容量のカートリッジ200と、液室210のサイズが第1サイズより大きな大容量のカートリッジ200とが選択的に装着可能であった。
この場合、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の容量に応じて、タンク容積設定処理(S111)において設定される液室171の容積を変更してもよい。例えば、コントローラ130は、大容量のカートリッジ200が装着された場合に、液室171の容積を大きく設定し、小容量のカートリッジ200が装着された場合に、液室171の容積を小さく設定してもよい。
コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の容量を、ICチップ34に記憶された種別情報によって判断することができる。但し、当該判断が、種別情報以外によって行われてもよい。
例えば、小容量のカートリッジ200に設けられる遮光リブ245と、大容量のカートリッジ200に設けられる遮光リブ245とが、異なる形状であってもよい。具体的には、小容量のカートリッジ200には、図5に示された遮光リブ245の他に、図5に破線で示されるような第2の遮光リブ246が設けられていてもよい。すると、小容量のカートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、装着センサ32は、第2の遮光リブ246に光路を遮断されることによるローレベル信号を出力した後、ハイレベル信号を出力し、その後、遮光リブ245に光路を遮断されることによるローレベル信号を出力する。つまり、カートリッジ200の装着過程において、装着センサ32は、ローレベル信号を2回出力する。一方、大容量のカートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、装着センサ32は、遮光リブ245に光路を遮断されることによるローレベル信号を出力するのみである。つまり、カートリッジ200の装着過程において、装着センサ32は、ローレベル信号を1回出力する。このように、装着センサ32は、カートリッジ200の容量に応じて異なる信号を出力する。
コントローラ130は、装着センサ32から取得する信号の違いに基づいて、タンク容積設定処理(S111)において設定される液室171の容積を変更する。つまり、コントローラ130は、カートリッジ200の装着過程において装着センサ32からローレベル信号を2回受信した場合、小容量のカートリッジ200が装着されたと判断して、タンク容積設定処理(S111)において設定される液室171の容積を小さくする。一方、コントローラ130は、カートリッジ200の装着過程において装着センサ32からローレベル信号を1回受信した場合、大容量のカートリッジ200が装着されたと判断して、タンク容積設定処理(S111)において設定される液室171の容積を大きくする。
[変形例2]
上述の説明では、水頭差によってインクがカートリッジ200からタンク160に流出する例を説明した。しかしながら、重力によってインクをカートリッジ200からタンク160に流出させてもよい。
重力によってインクをカートリッジからタンクに流出させる例として、所謂チキンフィード方式によってカートリッジ300からタンク350に流出させる例が、図11を参照しつつ説明される。
この例のプリンタ10は、図11に示されるようなタンク350と、タンク350に装着可能なカートリッジ300とを備えている。装着ケース(図11では図示省略)は、カートリッジ300及びタンク350に合わせた形状とされる。また、装着ケースに設けられる接点152や装着センサ32など、及びカートリッジ300に設けられるICチップ34や遮光リブ245などは、第1実施形態と同様に構成される。そのため、ここでは、これらの図11への図示や説明は省略される。
カートリッジ300は、液体であるインクを内部に貯留する液室310(第1液室の一例)を有する容器である。カートリッジ300は、後壁302と、前壁303と、上壁304と、下壁305と、一対の側壁(不図示)とで構成されている。
タンク350の内部は、液室371が形成されている。また、タンク350は、流出口374(第2流出口の一例)及びチューブを通じてヘッド21に連通されている。
また、タンク350は、ジョイント120、121を備えている。ジョイント120、121は、タンク350の前壁362から前方へ延びる管状の部材である。ジョイント120、121の内部空間は、前壁362を貫通する貫通孔を通じて、液室371と連通している。ジョイント120、121は、ジョイント120を下方として上下に並んでいる。ジョイント120は、第2筒体の一例である。ジョイント121は、第1筒体の一例である。
タンク350は、液室371と連通する液体流路103(第2流路の一例)及び気体流路104(第1流路の一例)を備えている。液体流路103は、液室371及びジョイント120の内部に形成されている。気体流路104は、液室371及びジョイント121の内部に形成されている。また、タンク350は、液室371を外部に連通する大気連通口378を備えている。
液体流路103は、第1開口131(流入口の一例)と、第2開口132と、鉛直部分133と、延出部分134と、を有している。第1開口131は、液体流路103の一端側に形成され且つ液室171に連通する開口である。第1開口131は、上下方向7に沿って開口している。第2開口132は、液体流路103の一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する開口である。第2開口132は、前後方向8に沿って開口している。第2開口132は、カートリッジ200が接続された状態において、カートリッジ200の液室210内に位置する。このとき、第2開口132は、第1流出口として機能する。鉛直部分133は、液体流路103において第1開口131から上方に延びる部分である。延出部分134は、液体流路103において第2開口132から後方に延びる部分である。鉛直部分133の上端部は延出部分134の後端部に接続されている。なお、図11に示されるように、流出口374は、その全部が第1開口131より下方に位置しているが、流出口374の一部のみが、第1開口131より下方に位置していてもよい。
気体流路104は、第3開口141(貫通孔の一例)と、第4開口142と、鉛直部分143と、延出部分144と、を有している。第3開口141は、気体流路104の一端側に形成され且つ液室171に連通する開口である。第3開口141は、上下方向7に沿って開口している。第4開口142は、気体流路104の一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する開口である。第4開口142は、前後方向8に沿って開口している。第4開口142は、カートリッジ200が接続された状態において、カートリッジ200の液室210に連通する。鉛直部分143は、気体流路104において第3開口141から上方に延びる部分である。延出部分144は、気体流路104において第4開口142から後方に延びる部分である。鉛直部分143の上端部は延出部分144の後端部に接続されている。
第3開口141は、大気連通口378より下方に位置している。第1開口131は、第3開口141より下方に位置している。
ジョイント121における鉛直に延びている部分(気体流路104の鉛直部分143に対応する部分)は、テレスコピック構造となっており、上下に伸縮自在に構成されている。具体的には、ジョイント121における鉛直に延びている部分は、ジョイント121における水平に延びている部分から下方へ延びた上筒部122と、上筒部122によって上下動可能に支持された下筒部123とを備えている。下筒部123が上下動することによって、第3開口141が上下動する。下筒部123は、不図示のモータの駆動力が伝達されて上下動する。変形例2におけるジョイント121は、変動部の一例である。
なお、変形例2では、少なくとも第3開口141が上下動可能に構成されていればよく、これを実現するための構成は、テレスコピック構造に限らない。例えば、ジョイント121自体が上下動することによって、第3開口141が上下動してもよい。
図11に示される構成では、液面の位置は、カートリッジ300にインクが残存している状態では、気体流路104を構成している下筒部123の下端に位置している。液面が気体流路104の第3開口141を塞ぎ気液置換が停止した状態で平衡が保たれるからである。したがって、図11の液面センサ333はカートリッジ300にインクが残存している状態を、気体流路104の最下端より高い位置Pにおいて液体流路103のインクの存在を検出することで検出できる。そして、液面センサ333が液体流路103のインクを検出しなくなったときから、液面位置は第3開口141の位置から下がり始める。
なお、液面センサ333を1つ配置する代わりに、上筒部122の最下端の僅か下方位置と下筒部123の最下端の僅か下方位置にそれぞれ設けてタンク350内の液面を直接検出してもよい。また液面センサ333を当該両位置の間を移動するようにしてもよい。
以下、図11に示される状態(カートリッジ300が装着ケースに装着されてタンク250と接続された状態)におけるカートリッジ300からタンク350へのインクの供給が説明される。変形例2では、カートリッジ300からタンク350へのインクの供給は、以下に詳述するように、所謂チキンフィード方式で行われる。
カートリッジ300がタンク350へ接続されて、第2開口132及び第4開口142がカートリッジ300の液室310内に位置するようになると、液室310と液室371とが液体流路103及び気体流路104を通じて連通する。これにより、液室310に貯留されたインクが、第2開口132を介して液体流路103へ流通し、第1開口131から液室371へ流通する。また、インクの流通に際して、空気が大気連通口378から液室371に入り込み、気体流路104を介して液室310に流入する。ここで、液室310から液室371へ流通するインクの体積と、液室371から液室310へ流通する空気の体積とは、ほぼ同じである。このようにして、いわゆる気液置換が行われる。
液室371にインクが流入することにより、液室371のインクの液面が上昇して第3開口141に達すると、気体流路104を通じての液室371と液室310との間の空気の流通が遮断される。そのため、液室310から液室371へのインクの流通が停止される。
変形例2では、第3開口141が上下動することにより、第3開口141の位置が上下方向に相対的に変更されることによって、液室371における第3開口141より下の部分(以下、液室371の下部分と記す。)の容積を変えることができる。つまり、変形例2では、第3開口141の高さを変えることによって、液室371に貯留可能なインク量を変えることができる。変形例2では、液室371の下部分(液室371における第3開口141より下の部分)の容積が、限界貯留量に相当する。
下筒部123は、図11に実線で示される下位置と、図11に破線で示される上位置と、下位置及び上位置の間の任意の位置とに移動可能である。例えば、下筒部123が下位置のとき、液室371の下部分の容積は第1容積である。下筒部123が上位置のとき、液室371の下部分の容積は、第1容積より大きい第2容積である。
変形例2では、コントローラ130は、ステップS112において、不図示のモータを駆動させてジョイント121の下筒部123を移動させる。このときの下筒部123の位置は、タンク容積設定処理(S111)で設定された容積に対応する。つまり、コントローラ130は、サービス情報に含まれるインク消費情報や配送時間情報に応じて、下筒部123を移動させて、液室171の下部分の容積を変動させる。具体的には、コントローラ130は、タンク容積設定処理(S111)で設定された容積が大きい程、下筒部123(第3開口141)を上方へ移動させ、タンク容積設定処理(S111)で設定された容積が小さい程、下筒部123(第3開口141)を下方へ移動させる。
変形例2によれば、ジョイント121の伸縮によって限界貯留量を増減させることができる。
[変形例3]
上述の説明では、水頭差によってインクがカートリッジ200からタンク260に流出する例を説明した。しかしながら、図12に示されるように、ポンプによってインクをカートリッジからタンクに流出させてもよい。
この例のプリンタ10は、図4と同構成の装着ケース150と、図4と異なる構成のタンク260と、ポンプ259とを備えている。
タンク260は、上壁261と、前壁262と、下壁263と、後壁264と、不図示の一対の側壁とで構成されている。タンク260の内部は、液室171が形成されている。上壁261には、連通口266が形成されている。連通口266は、上記実施形態の連通口175と同構成である。
タンク260は、ジョイント265を備えている。ジョイント265は、ニードル273と、チューブ274とを備えている。ニードル273及びチューブ274は、内部に流路が形成された管である。ニードル273は、装着ケース150の後端を画定する奥壁を貫通している。ニードル273の前端には、開口270が形成されている。ニードル273の後端は、チューブ274の前端と接続されている。チューブ274の後端には、開口271が形成されている。ジョイント265は、一端(開口270)がタンク160の外部に連通され、且つ他端(開口271)が液室171に連通されている。
カートリッジ200がタンク260に接続された状態において、液室210と液室171とは、ニードル273及びチューブ274の流路を介して連通している。
ポンプ259は、例えば、ロータリ式のチューブポンプである。ポンプ259は、不図示のモータの駆動によって、チューブ274を扱く。これにより、チューブ274において、液室210から液室171へ向かうインクの流れが形成される。なお、ポンプ259は、ロータリ式のチューブポンプ以外のポンプであってもよい。またポンプ259には必要に応じて弁(不図示)も設けられ、ポンプ259停止中にはインクが移動しないように構成されている。
装着ケース150は、第1センサ61及び第2センサ62を備えている。第1センサ61及び第2センサ62は、上記実施形態の液面センサ33と同構成である。
第1センサ61は、液室171に貯留されたインクの液面が第1位置P1より高いときにローレベル信号をコントローラ130へ出力し、液室171に貯留されたインクの液面が第1位置P1以下の高さのときにハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
第2センサ62は、液室171に貯留されたインクの液面が第2位置P2より高いときにローレベル信号をコントローラ130へ出力し、液室171に貯留されたインクの液面が第2位置P2以下の高さのときにハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。第2位置P2は、第1位置P1より上方の位置である。
以下、図12に示される状態(カートリッジ200が装着ケース150に装着されてタンク260と接続された状態)におけるカートリッジ200からタンク260へのインクの供給が、図13のフローチャートが参照されつつ説明される。変形例3では、カートリッジ200からタンク260へのインクの供給は、以下に詳述するように、ポンプ259の駆動によって行われる。
コントローラ130は、図13のフローチャートに示される処理(以下、ポンプ制御処理と記す。)を定期的に、例えば1秒毎や5秒毎や1分毎などに実行する。
コントローラ130は、第2センサ62から取得した液面信号が「L」(ローレベル信号)である場合(S301:L)、液室171に貯留されたインクが満量であると判断して、ポンプ259が駆動されていれば(つまりインクが液室210から液室171へ供給されていれば)、ポンプ259を停止させる(S302)。その後、タイマーT1を初期値Aにリセットし、タイマーT2を初期値Bにリセットして(S303)、ポンプ制御処理を終了する。タイマーT1、T2は、ポンプ259の駆動開始のときにカウントダウンを開始されるカウント値である。初期値A、Bは後述される。
コントローラ130は、第2センサ62から取得した液面信号が「H」(ハイレベル信号)である場合(S301:H)、液室171に貯留されたインクが満量でないと判断し、第1センサ61から取得した液面信号を参照する(S304)。
コントローラ130は、第1センサ61から取得した液面信号が「H」である場合(S304:H)、液室171に貯留されたインク残量が少なくなっていると判断する。
このとき、コントローラ130は、ポンプ259が停止している場合(S305:No)、タイマーT1、T2のカウントダウンを開始するとともに(S306、S307)、不図示のモータを駆動してポンプ259を駆動させ(S308)、ポンプ制御処理を終了する。ポンプ259の駆動によって、液室210から液室171へのインクの供給が開始される。なお、ステップS305においてポンプ259が駆動している場合の処理は、後述される。
ポンプ259の駆動開始(S308)によって液室210から液室171へインクが供給されると、液室171内のインクの液面が上昇して第1位置P1より高くなる。これにより、第1センサ61は「L」の液面信号をコントローラ130へ出力する。
コントローラ130は、ポンプ259の駆動開始(S308)後に定期的に実行されるポンプ制御処理のステップS304において、第1センサ61から取得した液面信号が「L」である場合(S304:L)、ステップS309を実行する。
コントローラ130は、ポンプ259が駆動していると(S309:Yes)、タイマーT1がタイムアップしている(タイマーT1のカウント値がゼロになっている)か否かを判断する(S310)。コントローラ130は、タイマーT1がタイムアップしている場合(S310:Yes)、ポンプ259を停止させて(S311)、ポンプ制御処理を終了する。コントローラ130は、タイマーT1がタイムアップしていない場合(S310:No)、ポンプ259を停止させることなくポンプ制御処理を終了する。
ここで、初期値Aは可変値である。初期値Aが大きく設定されると、ポンプ259の駆動時間が長くなるため、ポンプ259の駆動開始から停止までの間に液室210から液室171へ供給されるインク量が多くなる。
変形例3では、コントローラ130は、タンク容積設定処理(S111)において容積の代わりに、初期値A(A1、A2、A3、A4)を設定する。詳細には、容積V1の代わりに初期値A1が設定され、容積V2の代わりに初期値A1より小さい初期値A2が設定され、容積V3の代わりに初期値A2より小さい初期値A3が設定され、容積V4の代わりに初期値A2、A3より小さい初期値A4が設定される。なお、初期値A3は初期値A2以上且つ初期値A1未満であってもよい。
つまり、タンク容積設定処理(S111)において設定される初期値Aが大きい程、ポンプ制御処理において液室210から液室171へ供給されて液室171に貯留される限界貯留量が多くなる。すなわち、コントローラ130は、EEPROM56に記憶されたサービス情報に含まれるインク消費情報及び配送時間情報に基づいて(S111)、液室171に貯留可能なインクの貯留量を変更する。以上より、コントローラ130は、ポンプ259の駆動時間に基づいて、限界貯留量を変更する。
液室210に貯留されたインク残量が少ないまたは無い場合、ポンプ259が駆動開始(S308)したにもかかわらず、液室171内のインクの液面は上昇せず第1位置P1より低いままである。このとき、第1センサ61は「H」の液面信号をコントローラ130へ出力し続ける。このとき、コントローラ130は、ポンプ259の駆動開始(S308)後に定期的に実行されるポンプ制御処理のステップS304において、第1センサ61から取得した液面信号が「H」であり(S304:H)、ポンプ259が駆動している(S305:Yes)場合の動作、つまりステップS312以降の動作を実行する。
コントローラ130は、タイマーT2がタイムアップしている(タイマーT2のカウント値がゼロになっている)か否かを判断する(S312)。ここで、初期値Bは、ポンプ259によって液室210から空のタンク160(インクが貯留されていない液室171)へインクが供給されたときに、液室171内のインクの液面が第1位置P1より高くなるのに十分な時間に対応する値に設定される。
コントローラ130は、タイマーT2がタイムアップしていない場合(S312:No)、ポンプ制御処理を終了する。この場合、ポンプ259の駆動は継続される。
一方、コントローラ130は、タイマーT2がタイムアップしている場合(S312:Yes)、ポンプ259が十分な時間駆動したにもかかわらず、液室210から液室171へ十分な量のインクが供給されていない、つまり液室210内のインク残量が少ないまたは無いと判断する。このとき、コントローラ130は、ポンプ259を停止させて(S313)、カートリッジエンプティを報知して(S314)、ポンプ制御処理を終了する。
タイマーT1のタイムアップ(S310:Yes)によってポンプ259が停止(s311)された後、印刷などによって液室171からヘッド21へインクが供給されると、液室171内のインク残量が減ってくる。このとき、液室171内のインクの液面が第1位置P1より高いと、コントローラ130は、ポンプ制御処理において、第1センサ61から取得した液面信号が「L」であって(S304:L)、ポンプ259が停止しているため(S309:No)、ポンプ制御処理を終了する。一方、液室171内のインクの液面が第1位置P1より低いと、コントローラ130は、ポンプ制御処理において、第1センサ61から取得した液面信号が「H」であって(S304:H)、ポンプ259が停止しているため(S305:No)、タイマーT1のカウントダウンを開始する(S306)。
変形例3によれば、ポンプ259の駆動時間を変更することによって限界貯留量を増減させることができる。
[変形例4]
上述の説明では、タンク160は、容積変動機構90を備えていた。そして、コントローラ130は、タンク容積設定処理(S111)において、受信したサービス情報に基づいて、液室171の容積を設定した。その後、コントローラ130は、当該設定に基づいて容積変動機構90を制御して液室171の容積を実際に変更させた。
しかし、プリンタ10の筐体14は、インクの貯留量(液室171の容積)が異なる少なくとも2種類のタンクが選択的に取り付け可能に構成されていてもよい。この場合、タンクは、容積変動機構90を備えていなくてもよい。例えば、図14には、小容量のタンク460が示されており、図15には、大容量のタンク560が示されている。図15に示されたタンク560の下部分の容積(基準位置Pより下の部分の容積)は、図14に示されたタンク460の下部分の容積よりも大きい。なお、変形例4において、タンク460、560の形状は、図14及び図15に示された形状に限らない。例えば、図15に示された大容量のタンク560は、下部分が前方へ突出しているが、下部分が後方や下方へ突出していてもよい。
タンク460は、上壁461と、前壁462と、下壁463と、後壁464と、不図示の一対の側壁とで構成されている。タンク460の内部は、液室471が形成されている。タンク560は、上壁561と、前壁562と、下壁563と、後壁564と、サブ上壁565と、サブ前壁566と、不図示の一対の側壁とで構成されている。タンク560の下部分(前方へ突出した部分)は、サブ上壁565と、サブ前壁566と、下壁563と、一対の側壁とで構成されている。タンク560の内部は、液室571が形成されている。液室471、571は、第2室の一例である。
タンク460は、流出口474(第2流出口の一例)及びチューブを通じてヘッド21に連通されている。また、タンク460は、液室471を外部に連通する大気連通口478を備えている。
タンク560は、流出口574(第2流出口の一例)及びチューブを通じてヘッド21に連通されている。また、タンク560は、液室571を外部に連通する大気連通口578を備えている。
タンク460は液面センサ433備えている。タンク560は液面センサ533を備えている。液面センサ433、533は、液面センサ33と同様に構成されている。
変形例4において、タンク460、560及び装着ケース150は、一体のユニット70として構成されている。ユニット70を構成するフレームなどであって、タンク460、560及び装着ケース150を一体に構成するためのフレームなどは、図14及び図15において省略されている。筐体14は、ユニット70を着脱可能な収容空間を有している。変形例4において、ユニット70は、下方へ向けて筐体14に装着され、上方へ向けて筐体14から脱抜される。
以下の説明において、ユニット70のうち、小容量のタンク460を備えたものはユニット71と示される。また、ユニット70のうち、大容量のタンク560を備えたものはユニット72と示される。そして、ユニット71、72を総称してユニット70と示す。
なお、タンク460、560が装着ケース150と別体であって、タンク460、560が単独で筐体14に着脱可能であってもよい。また、ユニット70の着脱方向は、上下方向7に限らず、例えば前後方向8であってもよい。
ユニット70は、遮光リブ191を備えている。遮光リブ191は、タンク460の後壁464及びタンク560の後壁564に設けられているが、後壁464、564以外、例えば装着ケース150に設けられていてもよい。遮光リブ191は、遮光リブ245と同様に構成されている。
ユニット70に設けられた遮光リブ191の構成は、タンク460、560の容量によって異なっている。例えば、図14に示されるユニット71の遮光リブ191は、1個の遮光リブ192のみで構成されている。一方、図15に示されるユニット72の遮光リブ191は、遮光リブ192と、遮光リブ192の下方に位置する遮光リブ193とで構成されている。
筐体14は、ユニット70を着脱可能な収容空間に、装着センサ80(検知部の一例)を備えている。装着センサ80は、装着センサ32と同様に構成されている。装着センサ80は、装着センサ80の発光部から出力される光が遮光リブ191によって遮断され得る位置に設けられている。
ユニット71が筐体14に装着される過程において、装着センサ80は、遮光リブ192に光路を遮断されることによるローレベル信号を出力するのみである。つまり、ユニット71の装着過程において、装着センサ80は、ローレベル信号を1回出力する。
一方、ユニット72が筐体14に装着される過程において、装着センサ80は、遮光リブ193に光路を遮断されることによるローレベル信号を出力した後、ハイレベル信号を出力し、その後、遮光リブ192に光路を遮断されることによるローレベル信号を出力する。つまり、ユニット72の装着過程において、装着センサ80は、ローレベル信号を2回出力する。
このように、装着センサ80は、タンクの容量(タンクの種類)に応じて異なる信号を出力する。なお、遮光リブ191の形状や、装着センサ80が出力する信号は、上述した形状や信号に限らない。また装着センサ80は1つではなく、複数あってもよく、遮光リブ192と遮光リブ193を別々の装着センサ80で検出するように構成してもよい。
変形例4における情報送受信処理は、図16に示される手順で実行される。図16に示される情報送受信処理は、図8に示される情報送受信処理と一部が同様の処理であり一部が異なる処理である。以下、図16に示される情報送受信処理について、図8に示される情報送受信処理と異なる処理が説明される。なお、図16に示される情報送受信処理について、図8に示される情報送受信処理と同様の処理は、図8と同じ符号を付した上で原則として説明を省略し必要に応じて説明する。
図16の情報送受信処理において、サービス情報は、タンクの種別情報(以下、タンク種別情報と示す。)を含んでいる。タンク種別情報は、ユニット70に小容量のタンク460が設けられているか(つまりユニット71であるか)または大容量のタンク560が設けられているか(つまいユニット72であるか)、貯留するインクの色などを示す情報である。なお、以下の説明において、カートリッジ200の種別情報は、カートリッジ種別情報と示される。
発送サーバ50のコントローラ55は、ステップS103で送信された発注情報及びサービス情報を受信すると、サービス情報を記憶部52及びカートリッジ200のICチップ34(詳細にはICチップ34のメモリ)に記憶し(S105)、発送情報を生成する(S106)。発送情報は、発注情報に含まれるカートリッジ種別情報が示すカートリッジ200(ステップS105でサービス情報が記憶されたカートリッジ200)と、発注情報に含まれるタンク種別情報が示すユニット70とを、発注情報に含まれるユーザ情報が示す宛名及び住所宛てに発送することを示す情報である。生成された発送情報はカートリッジ200及びユニット70の発送作業に用いられ、カートリッジ200及びユニット70(タンク460またはタンク560)がプリンタ10のユーザの元へ発送される(S401)。
プリンタ10のコントローラ130は、ステップS401で発送されたカートリッジ200及びユニット70がプリンタ10のユーザの元へ届いた後、装着センサ80から取得した信号に基づいて、届いたユニット70がプリンタ10の筐体14に装着されたか否かを判断する(S402)。
コントローラ130は、装着センサ80からハイレベル信号が取得されていない間、ユニット70が筐体14に装着されていないと判断する。
コントローラ130は、装着センサ80からローレベル信号を1回のみ取得した場合、ユニット71(小容量のタンク460)が筐体14に装着されたと判断し、小容量のタンク160である旨の情報(例えば、小容量のタンク460の下部分の容積)をEEPROM56に記憶する。
コントローラ130は、装着センサ80からローレベル信号を2回取得した場合、ユニット72(大容量のタンク560)が筐体14に装着されたと判断し、大容量のタンク160である旨の情報(例えば、大容量のタンク560の下部分の容積)をEEPROM56に記憶する。
また、コントローラ130は、ステップS401で発送されたカートリッジ200及びユニット70がプリンタ10のユーザの元へ届いた後、カートリッジ200がユニット70の装着ケース150に装着されたか否かを判断する(S108)。
コントローラ130は、カートリッジ200が装着されたと判断すると(S108:Yes)、ステップS104においてEEPROM56に記憶されたサービス情報に含まれるタンク種別情報と、ステップS402において装着センサ80から取得した信号とに応じてEEPROM56に記憶された情報とが対応しているか否かを判断する(S403)。
具体的には、タンク種別情報がユニット71であることを示しており、EEPROM56に小容量のタンク460である旨の情報が記憶されている場合、コントローラ130は、タンク種別情報とEEPROM56に記憶された情報とが対応していると判断する(S403:Yes)。また、タンク種別情報がユニット72であることを示しており、EEPROM56に大容量のタンク560である旨の情報が記憶されている場合、コントローラ130は、タンク種別情報とEEPROM56に記憶された情報とが対応していると判断する(S403:Yes)。これらの場合、ステップS109以降の処理が実行される。なお、図16の情報送受信処理では、タンク容積設定処理(S111)及びタンク容積の切替(S112)は実行されない。つまり、ステップS109の次に、ステップS113の処理が実行される。
一方、タンク種別情報がユニット71であることを示しており、EEPROM56に大容量のタンク560である旨の情報が記憶されている場合、コントローラ130は、タンク種別情報とEEPROM56に記憶された情報とが対応していないと判断する(S403:No)。また、タンク種別情報がユニット72であることを示しており、EEPROM56に小容量のタンク460である旨の情報が記憶されている場合、コントローラ130は、タンク種別情報とEEPROM56に記憶された情報とが対応していないと判断する(S403:No)。これらの場合、コントローラ130は、サービス情報に対応していないユニット70(タンク460またはタンク560)が送付されてきたことを示す誤り情報を情報収集サーバ40へ送信する(S404)。なお、サービス提供者は、受信した誤り情報に基づいて、新たなユニット70の発送手続や、既に送付したユニット70の回収手続などを実行する。
ステップS113以降の処理は、図8の情報送受信処理と同様である。
なお、変形例4のように、インクの貯留量が異なる少なくとも2種類のタンクが選択的に取り付け可能に構成された場合であっても、上述したような水頭差によってインクが液室210から液室171へ供給される構成以外の方式が採用されてもよい。例えば、プリンタ10は、変形例2のようなチキンフィード方式によってインクが液室210から液室171へ供給される構成であってもよいし、変形例3のようなポンプによってインクが液室210から液室171へ供給される構成であってもよい。
変形例4によれば、ユーザとサービス提供者との契約に応じた容量のタンク(タンクを備えるユニット70)が筐体14に装着可能である。
変形例4によれば、ユニット70が筐体14に装着されるだけで、装着センサ80からの信号に基づいて、ユニット70が備えるタンク460、560の限界貯留量がユーザとサービス提供者との契約に応じた貯留量であるか否かを判断することができる。
[その他の変形例]
上述の説明では、容積変動機構90は、水頭差方式のインク供給機構に採用している。しかし、この容積変動機構90を水頭差方式によるインク供給に限らず、チキンフィード方式或いはポンプ供給方式にも適用した構成を採用してもよい。
上述の説明では、容積変動機構90は、ピニオンギヤ95がコントローラ130に制御されることによって、移動壁92が移動していた。つまり、容積変動機構90は、自動で液室171の容積を変動させていた。しかし、容積変動機構90は、移動壁92が手動で移動されることによって液室171の容積を変動させるものであってもよい。例えば、容積変動機構90は、ラックギヤ94及びピニオンギヤ95の代わりに、移動壁92と連結して移動壁92と一体に移動可能な把持部を備えている。そして、コントローラ130は、タンク容積設定処理(S111)において容積を設定してEEPROM56に記憶すると、ディスプレイ28に設定した容積(または当該容積に対応する移動壁92の移動位置)を表示させる。ユーザは、当該表示にしたがって把持部を把持することによって移動壁92を手動で移動させる。
また、上述の説明では、プリンタ10が連絡情報を送信し、連絡情報を受信した情報収集サーバ40が発注情報を通信I/F44を通じて発送サーバ50に送信する例を説明した。しかしながら、情報収集サーバ40のコントローラ45が実行する各処理が、プリンタ10のコントローラ130によって実行されてもよい。すなわち、プリンタ10は、連絡情報を送信する代わりに、発注情報を通信I/F31を通じて発送サーバ50に送信してもよい。
また、上述の説明では、インクが消費材の一例として説明されているが、例えば、印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液がカートリッジに貯留されていてもよい。また、ヘッド21を洗浄するための水がカートリッジに貯留されていてもよい。
また、上述の説明では、プリンタ10はインクジェットプリンタであったが、インクジェットプリンタ以外、例えば電子写真方式によってシートに画像を印刷するレーザプリンタであってもよい。プリンタ10がレーザプリンタである場合、トナーが消費材に相当する。