JP7242463B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
3次元構造を有したNAND型フラッシュメモリの製造では、フラッシュメモリを形成する層を所定の形状にパターニングするために、ドライエッチングが用いられている。フラッシュメモリの製造では、マスクを用いたドライエッチングによって、多数の第1の絶縁層と多数の第2の絶縁層とが交互に積み重ねられた積層体に貫通孔を形成することが求められる。こうした高いアスペクト比を有する貫通孔を形成する際のマスクとして、ダイヤモンド状炭素の薄膜から形成されるマスクが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2017-533580号公報
ところで、フラッシュメモリの製造工程の設計や、フラッシュメモリの製造に用いられる材料の選択における自由度を高める上で、ダイヤモンド状炭素の薄膜以外の材料からマスクを形成することが求められている。こうした課題は、上述したNAND型フラッシュメモリを製造する場合に限らず、高いアスペクト比を有した凹部を実現するために、エッチング対象に対するマスクの選択比を向上することが求められる場合において共通している。
本発明は、エッチング対象に対する高い選択比を有したマスクを形成可能とした半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための半導体装置の製造方法は、所定のパターンを有した樹脂層が形成され、シリコンを含む基板の温度を第1温度に昇温することと、前記第1温度に維持された前記基板に金属原子を含む金属含有ガスを供給して、前記金属原子を前記樹脂層に導入することと、前記金属原子が導入された前記樹脂層を有した前記基板の温度を前記第1温度から第2温度に昇温することと、前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温する前、および、前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温した後の少なくとも一方に、前記基板に酸素原子を含む酸素含有ガスを供給して、前記樹脂層に導入された前記金属原子を酸化することによって、炭素および金属酸化物を含むマスクを形成することと、を含む。
上記構成によれば、樹脂層に金属原子を導入し、かつ、導入された金属原子を酸化することによって、樹脂層をパターニングして得られたマスクに比べて、高いエッチング耐性を有したマスクを形成することが可能である。これにより、エッチング対象に対する高い選択比を有したマスクを形成することが可能である。
上記半導体装置の製造方法において、前記第1温度は、50℃以上100℃未満の範囲に含まれるいずれかの温度であり、前記第2温度は、80℃以上300℃以下の範囲に含まれるいずれかの温度であってもよい。
上記構成によれば、樹脂層の変形が抑えられる確実性が第1温度によって高められ、かつ、ドライエッチングに対するマスクの耐性が第2温度によって高められる確実性が向上する。
上記半導体装置の製造方法において、前記金属原子を前記樹脂層に導入することと、前記炭素および前記金属酸化物を含む前記マスクを形成することとの間に、前記金属含有ガスを排気することをさらに含んでもよい。この構成によれば、基板のなかで、樹脂層以外の部分に金属酸化物が形成されることが抑えられる。
上記半導体装置の製造方法において、前記金属含有ガスは、第1金属原子を含む第1金属含有ガスであり、基板の温度を第1温度から第2温度に昇温した後に、第2温度に維持された基板に第2金属原子を含む第2金属含有ガスを供給して、前記第2金属原子を前記樹脂層に導入することをさらに含んでもよい。
上記構成によれば、基板に対して複数回金属含有ガスが供給されることによって、樹脂層に対する金属原子の導入が不足することが抑えられ、かつ、第1温度および第2温度のいずれかにおいて樹脂層に対して金属原子が導入されにくい場合であっても、それ以外の温度における導入によって、金属原子の導入が不足することが抑えられる。
上記半導体装置の製造方法において、前記炭素および前記金属酸化物を含む前記マスクを形成することは、前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温する前、および、前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温した後の両方において、前記基板に前記酸素含有ガスを供給してもよい。
上記構成によれば、基板に対して複数回酸素含有ガスが供給されることによって、金属原子の酸化が不足することが抑えられ、かつ、第1温度および第2温度のいずれかによって金属原子と酸素との反応が低下する場合であっても、それ以外の温度における酸化反応によって、金属原子の酸化を進行させることが可能である。
一実施形態における半導体装置の製造方法が実施される基板処理装置の一例における構成を模式的に示す装置構成図。 半導体装置の製造方法を説明するための工程図。 半導体装置の製造方法を説明するためのタイミングチャート。 実施例1の基板における複数の状態の各々を撮影したSEM画像。 実施例2の基板における複数の状態の各々を撮影したSEM画像。 実施例3の基板における複数の状態の各々を撮影したSEM画像。 半導体装置の製造方法における第1変更例を説明するためのタイミングチャート。 半導体装置の製造方法における第2変更例を説明するためのタイミングチャート。 半導体装置の製造方法における第3変更例を説明するためのタイミングチャート。 半導体装置の製造方法における第4変更例を説明するためのタイミングチャート。 基板処理装置の変更例における構成を模式的に示す装置構成図。 基板処理装置の他の変更例における構成を模式的に示す装置構成図。
図1から図6を参照して、半導体装置の製造方法を説明する。以下では、半導体装置の製造方法が実施される基板処理装置の構成、半導体装置の製造方法、および、実施例を順に説明する。
[基板処理装置の構成]
図1を参照して、基板処理装置の構成を説明する。
図1が示すように、基板処理装置10は、真空槽11と、真空槽11に固定され、真空槽11が区画する空間を二分するシャワープレート12とを備えている。シャワープレート12は、真空槽11が区画する空間を、処理の対象である基板Sが配置される空間と、真空槽11内での処理に用いられるガスが供給される空間とに分離する。シャワープレート12は、金属製の板部材であり、板部材を貫通する複数の貫通孔を有している。シャワープレート12が有する貫通孔を真空槽11内に供給されたガスが通ることによって、基板Sが配置された空間にガスが拡散される。
真空槽11内には、基板Sを支持するステージ13が配置されている。ステージ13内には、加熱部14が配置されている。加熱部14は、ステージ13を所定の温度に加熱することによって、ステージ13に支持された基板Sを所定の温度に加熱する。真空槽11には、排気部15が接続されている。排気部15は、真空槽11内の気体を排気することによって、真空槽11内を所定の圧力に減圧する。排気部15は、例えば、バルブとポンプとを備えている。
真空槽11には、金属含有ガス供給部16と、酸素含有ガス供給部17とが接続されている。各ガス供給部16,17は、シャワープレート12が二分する空間のうちで、ステージ13が位置する空間とは異なる空間にガスを供給する。各ガス供給部16,17は、マスフローコントローラーであり、真空槽11内での処理に用いられるガスを所定の流量で真空槽11内に供給する。
金属含有ガス供給部16は、金属原子を含む金属含有ガスを真空槽11内に供給する。金属原子は、例えば、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、および、ジルコニウム(Zr)などであってよい。金属含有ガスは、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、ターシャリ‐ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、四塩化チタン(TiCl)、および、四塩化ジルコニウム(ZrCl)などであってよい。
酸素含有ガス供給部17は、酸素原子を含む酸素含有ガスを真空槽11内に供給する。酸素含有ガスは、例えば、水蒸気(HO)、酸素(O)ガス、オゾン(O)ガス、一酸化窒素(NO)ガス、および、一酸化二窒素(NO)ガスなどであってよい。
基板処理装置10は、制御部10Cをさらに備えている。制御部10Cは、加熱部14、排気部15、金属含有ガス供給部16、および、酸素含有ガス供給部17に電気的に接続されている。制御部10Cは、加熱部14、排気部15、金属含有ガス供給部16、および、酸素含有ガス供給部17の駆動を制御する。
制御部10Cは、加熱部14にステージ13の加熱を開始させるための制御信号、および、加熱を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を加熱部14に出力する。加熱部14は、入力した制御信号に基づき、ステージ13の加熱を行う。制御部10Cは、排気部15に真空槽11内の排気を開始させるための制御信号、および、排気を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を排気部15に出力する。排気部15は、入力した制御信号に基づき、真空槽11内を排気する。
制御部10Cは、金属含有ガス供給部16に金属含有ガスの供給を開始させるための制御信号、および、供給を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を金属含有ガス供給部16に出力する。金属含有ガス供給部16は、入力した制御信号に基づき、金属含有ガスの供給を行う。制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に酸素含有ガスの供給を開始させるための制御信号、および、供給を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を酸素含有ガス供給部17に出力する。酸素含有ガス供給部17は、入力した制御信号に基づき、酸素含有ガスの供給を行う。
基板処理装置10では、ステージ13上に基板Sが配置された後に、制御部10Cが、排気部15に真空槽11内を所定の圧力にまで排気させる。次いで、制御部10Cが加熱部14にステージ13を加熱させること、金属含有ガス供給部16に基板Sに向けて金属含有ガスを供給させること、および、酸素含有ガス供給部17に基板Sに向けて酸素含有ガスを供給させることを各別のタイミングで各部に行わせる。これにより、基板処理装置10における基板Sへの処理が行われる。
なお、制御部10Cは、自身が実行する全ての処理についてソフトウェア処理を行うものに限られない。たとえば、制御部10Cは、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路(たとえば特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、制御部10Cは、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは3)それらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAMおよびROMなどのメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
[半導体装置の製造方法]
図2および図3を参照して、半導体装置の製造方法を説明する。
半導体装置の製造方法は、基板Sの温度を第1温度に昇温すること、金属原子を樹脂層に導入すること、基板Sの温度を第1温度から第2温度に昇温すること、および、炭素および金属酸化物を含むマスクを形成することを含んでいる。
基板Sの温度を第1温度に昇温することでは、所定のパターンを有した樹脂層が形成され、シリコンを含む基板Sの温度を第1温度に昇温する。金属原子を樹脂層に導入することでは、第1温度に維持された基板Sに金属原子を含む金属含有ガスを供給して、金属原子を樹脂層に導入する。基板Sの温度を第1温度から第2温度に昇温することでは、金属原子が導入された樹脂層を有した基板Sの温度を第1温度から第2温度に昇温する。樹脂層からマスクを形成することでは、基板Sの温度を第1温度から前記第2温度に昇温する前、および、基板の温度を第1温度から前記第2温度に昇温した後の少なくとも一方に、基板Sに酸素原子を含む酸素含有ガスを供給して、樹脂層に導入された金属原子を酸化する。これによって、炭素および金属酸化物を含むマスクを形成する。
樹脂層に金属原子を導入し、かつ、導入された金属原子を酸化することによって、樹脂層をパターニングして得られたマスクに比べて、高いエッチング耐性を有したマスクを形成することが可能である。これにより、エッチング対象に対する高い選択比を有したマスクを形成することが可能である。以下、図面を参照して、半導体装置の製造方法を詳しく説明する。
図2は、半導体装置の製造方法が含む工程を模式的に示している。なお、図2では、基板Sの一例として、3次元構造を有したNAND型フラッシュメモリを製造するために用いられる基板Sの構造を示している。
図2(a)が示すように、基板Sは、例えば、シリコン基板21、複数のシリコン窒化膜22、および、複数のシリコン酸化膜23を備えている。これにより、基板Sはシリコンを含んでいる。基板Sにおいて、シリコン基板21上に、シリコン酸化膜23とシリコン窒化膜22とが交互に積層されている。基板Sにおいて、複数のシリコン酸化膜23と複数のシリコン窒化膜22との積層体上に、所定のパターンを有し、炭素を含む樹脂層24が位置している。基板Sの厚さ方向から見て、樹脂層24は、基板Sのエッチングによって基板Sに形成する凹部の形状および大きさに応じたパターン状を有している。樹脂層24は、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)によって形成されている。
半導体装置の製造方法では、まず、第1温度に維持された基板Sに対して金属含有ガスが供給されることによって、樹脂層24に金属原子が導入される。上述したように、金属含有ガスは、例えば、TMA、TBTEMT、TiCl、および、ZrClなどであってよい。これらの金属含有ガスが用いられることによって、樹脂層24には、Al、Ta、Ti、および、Zrが導入される。
図2(b)が示すように、基板Sの温度が第1温度から第2温度に昇温される前、および、第1温度から第2温度に昇温された後の少なくとも一方において、基板Sに酸素含有ガスが供給される。本実施形態では、基板Sの温度が第1温度から第2温度に昇温される前、および、第1温度から第2温度に昇温された後の両方において、基板Sに酸素含有ガスが供給される。これにより、樹脂層24に導入された金属原子が酸化される。結果として、複数のシリコン酸化膜23と複数のシリコン窒化膜22との積層体のエッチングに用いられるマスク24Mが形成される。マスク24Mは、炭素および金属酸化物を含む。なお、上述したように、酸素含有ガスは、HO、Oガス、Oガス、NOガス、および、NOガスなどであってよい。
図2(c)が示すように、複数のシリコン酸化膜23および複数のシリコン窒化膜22が、マスク24Mを用いてエッチングされる。これにより、基板Sには、複数のシリコン酸化膜23および複数のシリコン窒化膜22によって形成された積層体に、複数の貫通孔Hが形成される。なお、基板Sのエッチングには、フッ素原子を含むガスが用いられる。
本実施形態では、第1温度に維持された基板Sが備える樹脂層24に対して金属原子を導入した後に、基板Sの温度を第2温度に昇温する。そのため、樹脂層24に金属原子が導入されていない場合に比べて、昇温前の樹脂層24が有する耐熱性を高めることが可能であり、これによって、第2温度の上限値を高めることが可能である。また、金属原子が導入された樹脂層24の温度をより高めることが可能であるため、金属原子と樹脂層24を形成する材料との反応性を高めることが可能である。結果として、マスク24Mにおけるエッチングの耐性、ひいては、エッチング対象に対するマスク24Mの選択比を高めることが可能である。
なお、樹脂層24に対して金属原子を導入することなく樹脂層24を昇温する場合には、上述した第2温度よりも低い温度までしか基板Sを昇温することができない。仮に、基板Sを第2温度まで昇温した場合には、基板Sの温度が、樹脂層24が耐熱性を有する以上の温度になるため、結果として、樹脂層24の少なくとも一部に変形が生じてしまう。
図3は、樹脂層24からマスク24Mが形成される際の基板Sの温度、金属含有ガスの流量、および、酸素含有ガスの流量の各々の挙動を示すタイミングチャートである。なお、以下に説明するタイミングT0において、排気部15は、真空槽11内を所定の圧力にまで減圧し、排気部15は、後述するタイミングT0からタイミングT10までにわたって、真空槽11内の気体を排気し続けている。また、真空槽11内の圧力は、タイミングT0からタイミングT10までの間にわたって、例えば、100Pa以上1000Pa以下の範囲に維持されている。
図3が示すように、タイミングT0において、基板Sの加熱が開始される。この際に、制御部10Cは、加熱部14に基板Sの温度を基底温度Tem0から第1温度Tem1まで昇温させるための制御信号を生成して、生成した制御信号を加熱部14に出力する。加熱部14は、入力した制御信号に応じてステージ13の加熱を開始する。本実施形態において、第1温度Tem1は、50℃以上100℃未満の範囲に含まれるいずれかの温度である。第1温度Tem1は、80℃以上100℃未満の範囲に含まれるいずれかの温度であることが好ましい。これにより、樹脂層24の変形が抑えられる確実性が第1温度Tem1によって高められる。基底温度Tem0は、例えば室温、すなわち20℃程度の温度である。なお、タイミングT0では、金属含有ガスの流量は、0sccmに設定され、かつ、酸素含有ガスの流量は、0sccmに設定される。
タイミングT1において、基板Sの温度が第1温度Tem1まで昇温される。制御部10Cは、タイミングT1から後述するタイミングT5までにわたって、加熱部14に基板Sの温度を第1温度Tem1に維持させる。タイミングT1において、金属含有ガスの流量が0sccmから第1流量Fm1(sccm)に変更される。この際に、制御部10Cは、金属含有ガス供給部16に第1流量Fm1で金属含有ガスの供給を開始させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を金属含有ガス供給部16に出力する。金属含有ガス供給部16は、入力した制御信号に応じて金属含有ガスの供給を開始する。制御部10Cは、金属含有ガス供給部16に、金属含有ガスの供給をタイミングT2まで維持させる。なお、第1流量Fm1は、例えば100sccm以上500sccm以下である。また、タイミングT1からタイミングT2までの期間、すなわち、金属含有ガスが供給される期間(第1金属供給期間とも称する)は、例えば60秒以上600秒以下である。これにより、基板Sが備える樹脂層24に金属含有ガスが含む金属原子が導入される。
タイミングT2において、金属含有ガスの供給が停止される。この際に、制御部10Cは、金属含有ガス供給部16に金属含有ガスの供給を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を金属含有ガス供給部16に出力する。金属含有ガス供給部16は、入力した制御信号に応じて、金属含有ガスの供給を停止する。
タイミングT2において、金属含有ガスの供給が停止された後、タイミングT3までの間にわたって、金属含有ガスおよび酸素含有ガスの両方が供給されない状態が維持される。すなわち、タイミングT1からタイミングT2までにわたって真空槽11内に供給された金属含有ガスが、真空槽11から排気される。タイミングT2からタイミングT3までの期間(排気期間とも称する)は、例えば60秒以上300秒以下である。
このように、本実施形態では、半導体装置の製造方法は、金属原子を樹脂層24に導入することと、炭素および金属酸化物を含むマスク24Mを形成することとの間に、金属含有ガスを排気することを含んでいる。これにより、基板Sのなかで、樹脂層24以外の部分に金属酸化物が形成されることが抑えられる。
タイミングT3において、酸素含有ガスの流量が0sccmから第1流量Fo1(sccm)に変更される。この際に、制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に第1流量Fo1で酸素含有ガスの供給を開始させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を酸素含有ガス供給部17に出力する。酸素含有ガス供給部17は、入力した制御信号に応じて酸素含有ガスの供給を開始する。制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に、酸素含有ガスの供給をタイミングT4まで維持させる。なお、第1流量Fo1は、例えば100sccm以上1000sccm以下である。また、タイミングT3からタイミングT4までの期間、すなわち、酸素含有ガスが供給される期間(第1酸素供給期間とも称する)は、例えば60秒以上1800秒以下である。これにより、樹脂層24に導入された金属原子が酸化される。
タイミングT4において、酸素含有ガスの供給が停止される。この際に、制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に酸素含有ガスの供給を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を酸素含有ガス供給部17に出力する。酸素含有ガス供給部17は、入力した制御信号に応じて、酸素含有ガスの供給を停止する。
タイミングT4において、酸素含有ガスの供給が停止された後、タイミングT5までの間にわたって、酸素含有ガスの供給および金属含有ガスの両方が供給されない状態が維持される。すなわち、タイミングT3からタイミングT4までにわたって真空槽11内に供給された酸素含有ガスが、真空槽11から排気される。タイミングT4からタイミングT5までの期間は、例えば60秒以上300秒以下である。
タイミングT5において、基板Sの昇温が開始される。この際に、制御部10Cは、加熱部14に基板Sの温度を第1温度Tem1から第2温度Tem2まで昇温させるための制御信号を生成して、生成した制御信号を加熱部14に出力する。加熱部14は、入力した制御信号に応じてステージ13の加熱を開始する。本実施形態において、第2温度Tem2は、80℃以上300℃以下の範囲に含まれるいずれかの温度である。酸素含有ガスと金属含有ガスが効率的に熱反応するために必要な最低温度は120℃以上であり、樹脂層(ポリマー)が変形や変質しない耐熱温度は200℃程度であるので、第2温度Tem2は120℃以上200℃以下の範囲に含まれるいずれかの温度であることが好ましい。これにより、ドライエッチングに対するマスク24Mの耐性が第2温度Tem2によって高められる確実性が向上する。
タイミングT6において、基板Sの温度が第2温度Tem2まで昇温される。制御部10Cは、タイミングT6から後述するタイミングT10までにわたって、加熱部14に基板Sの温度を第2温度Tem2に維持させる。タイミングT6において、金属含有ガスの流量が0sccmから第1流量に変更される。この際に、制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に第1流量Fm1で金属含有ガスの供給を開始させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を金属含有ガス供給部16に出力する。金属含有ガス供給部16は、入力した制御信号に応じて金属含有ガスの供給を開始する。制御部10Cは、金属含有ガス供給部16に、金属含有ガスの供給をタイミングT7まで維持させる。
なお、第1流量Fm1は、上述したように、例えば100sccm以上500sccm以下である。また、タイミングT6からタイミングT7までの期間、すなわち、金属含有ガスが供給される期間(第2金属供給期間とも称する)は、タイミングT1からタイミングT2までの期間と同様、例えば60秒以上600秒以下である。これにより、金属含有ガスが含む金属原子が、再び樹脂層24に導入される。
このように、本実施形態において、半導体装置の製造方法は、基板Sの温度を第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温した後に、第2温度Tem2に維持された基板Sに金属含有ガスを供給して、金属原子を樹脂層に導入することをさらに含んでいる。そのため、基板Sに対して複数回金属含有ガスが供給されることによって、樹脂層24に対する金属原子の導入が不足することが抑えられる。加えて、第1温度Tem1および第2温度Tem2のいずれかにおいて樹脂層24に対して金属原子が導入されにくい場合であっても、それ以外の温度における導入によって、金属原子の導入が不足することが抑えられる。
タイミングT7において、金属含有ガスの供給が停止される。この際に、制御部10Cは、金属含有ガス供給部16に金属含有ガスの供給を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を金属含有ガス供給部16に出力する。金属含有ガス供給部16は、入力した制御信号に応じて、金属含有ガスの供給を停止する。
タイミングT7において、金属含有ガスの供給が停止された後、タイミングT8までの間にわたって、金属含有ガスおよび酸素含有ガスの両方が供給されない状態が維持される。すなわち、タイミングT7からタイミングT8にわたって真空槽11内に供給された金属含有ガスが、真空槽11から排気される。タイミングT7からタイミングT8までの期間は、タイミングT2からタイミングT3までの期間と同様、例えば60秒以上300秒以下である。
タイミングT8において、酸素含有ガスの流量が0sccmから第1流量Fo1に変更される。この際に、制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に第1流量Fo1で酸素含有ガスの供給を開始させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を酸素含有ガス供給部17に出力する。酸素含有ガス供給部17は、入力した制御信号に応じて酸素含有ガスの供給を開始する。制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に、酸素含有ガスの供給をタイミングT9まで維持させる。なお、タイミングT8からタイミングT9までの期間、すなわち、酸素含有ガスが供給される期間(第2酸素供給期間とも称する)は、タイミングT3からタイミングT4までの期間と同様、例えば、60秒以上1800秒以下である。これにより、樹脂層24に導入された金属原子が酸化される。
このように、本実施形態では、炭素と金属酸化物とを含むマスク24Mを形成することは、基板Sの温度を第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温する前、および、基板Sの温度を第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温した後の両方において、基板Sに酸素含有ガスを供給する。そのため、基板Sに対して複数回酸素含有ガスが供給されることによって、金属原子の酸化が不足することが抑えられる。加えて、第1温度Tem1および第2温度Tem2のいずれかによって金属原子と酸素との反応が低下する場合であっても、それ以外の温度における酸化反応によって、金属原子の酸化を進行させることが可能である。
タイミングT9において、酸素含有ガスの供給が停止される。この際に、制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に酸素含有ガスの供給を停止させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を酸素含有ガス供給部17に出力する。酸素含有ガス供給部17は、入力した制御信号に応じて、酸素含有ガスの供給を停止する。
タイミングT9において、酸素含有ガスの供給が停止された後、タイミングT10までの間にわたって、酸素含有ガスの供給および金属含有ガスの両方が供給されない状態が維持される。すなわち、タイミングT8からタイミングT9までにわたって真空槽11内に供給された酸素含有ガスが、真空槽11から排気される。タイミングT8からタイミングT9までの期間は、タイミングT4からタイミングT5までの期間と同様、例えば60秒以上1800秒以下である。
タイミングT1からタイミングT10までの一連の処理によって、樹脂を主成分とし、かつ、酸化された金属原子を含むマスク24Mが形成される。すなわち、炭素と金属酸化物とを含むマスク24Mが形成される。なお、タイミングT10までの処理が終了した後、例えば、加熱部14によるステージ13の加熱が終了され、また、排気部15による真空槽11内の排気が終了された後に、基板Sが基板処理装置10から取り出される。
[実施例]
図4から図6を参照して、実施例を説明する。
[実施例1]
シリコン基板上にシリコン酸化物を含む塗液をスピンコートすることによって、1μmの厚さを有したSOG層、すなわちシリコン酸化膜を形成した。次いで、300nmの厚さを有したPMMA層を形成した。そして、反応性エッチングによってPMMA層をエッチングすることによって、所定のパターンを有したPMMA層を形成した。これにより、基板処理装置による処理の対象である基板を得た。なお、基板の断面構造を走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影したところ、図4(a)が示す画像が得られた。図4(a)が示すように、基板Sは、SOG層S1と、SOG層S1上に位置し、かつ、所定のパターンを有するPMMA層S2を備えることが認められた。
続いて、以下の条件にて基板Sを処理することにより、基板が有するPMMA層S2からマスクを形成した。
[基板処理条件]
・真空槽内の圧力 300Pa
・第1温度Tem1 80℃
・第2温度Tem2 120℃
・第1流量Fm1 300sccm
・第1流量Fo1 500sccm
・第1金属供給期間 300秒
・第1酸素供給期間 200秒
・第2金属供給期間 300秒
・第2酸素供給期間 200秒
・排気期間 180秒
マスクが形成された後において基板Sの断面構造をSEMによって撮影したところ、図4(b)が示す画像が得られた。すなわち、実施例1によれば、マスクS2Mが有するパターンは、基板Sの処理が行われる前にPMMA層S2が有するパターンとほぼ同一であることが認められた。
次いで、以下の条件にてマスクを用いてSOG層S1をエッチングした。SOG層S1のエッチングには、ICPエッチング装置を用いた。
[エッチング条件]
・エッチングガス Cガス、および、Arガス
・Cガスの流量 10sccm
・Arガスの流量 40sccm
・真空槽内の圧力 0.3Pa
・アンテナ用高周波電力 200W
・バイアス用高周波電力 400W
エッチング開始時から240秒が経過した時点において基板Sの断面構造を撮影したところ、図4(c)が示す画像が得られた。また、エッチング開始時から480秒が経過した時点で基板Sの断面構造を撮像したところ、図4(d)が示す画像が得られた。図4(c)が示すように、マスクS2Mを用いることによって、SOG層S1の異方性エッチングが可能であり、これによって、SOG層S1に凹部S1hが形成されることが認められた。また、エッチング開始時から240秒が経過した時点において、マスクS2Mに対するSOG層S1の選択比が、2.1であることが認められた。図4(d)が示すように、エッチング開始時から480秒が経過した時点において、マスクS2Mに対するSOG層S1の選択比が、1.6であることが認められた。
[実施例2]
実施例1において、第2温度Tem2を150℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、マスクS2Mを形成した。なお、基板Sの処理が行われる前における基板Sの断面構造をSEMによって撮像したところ、図5(a)が示す画像が得られ、マスクS2Mを形成した後において基板Sの断面構造をSEMによって撮像したところ、図5(b)が示す画像が得られた。すなわち、実施例2によれば、マスクS2Mが有するパターンは、基板Sの処理が行われる前にPMMA層S2が有するパターンとほぼ同一であることが認められた。
エッチング開始時から240秒が経過した時点において基板Sの断面構造を撮影したところ、図5(c)が示す画像が得られた。図5(c)が示すように、マスクS2Mを用いることによって、SOG層S1の異方性エッチングが可能であり、これによって、SOG層S1に凹部S1hが形成されることが認められた。また、エッチング開始時から240秒が経過した時点において、マスクS2Mに対するSOG層S1の選択比が、3.1であることが認められた。図5(d)が示すように、エッチング開始時から480秒が経過した時点において、マスクS2Mに対するSOG層S1の選択比が、1.6であることが認められた。
[実施例3]
実施例1において、第2温度Tem2を200℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、マスクS2Mを形成した。なお、基板Sの処理が行われる前における基板Sの断面構造をSEMによって撮影したところ、図6(a)が示す画像が得られ、マスクS2Mを形成した後において基板Sの断面構造をSEMによって撮影したところ、図6(b)が示す画像が得られた。すなわち、実施例3によれば、マスクS2Mが有するパターンは、実施例1および実施例2と比較した場合に、基板Sの処理が行われる前にPMMA層S2が有するパターンの変形が認められるものの、マスクS2Mは、所望の形状を有した凹部S1hを形成することが可能な形状を有することが認められた。
エッチング開始時から240秒が経過した時点において基板Sの断面構造を撮影したところ、図6(c)が示す画像が得られた。図6(c)が示すように、マスクS2Mを用いることによって、SOG層S1の異方性エッチングが可能であり、これによって、凹部S1hが形成されることが認められた。また、エッチング開始時から240秒が経過した時点において、マスクS2Mに対するSOG層S1の選択比が、1.7であることが認められた。図6(d)が示すように、エッチング開始時から480秒が経過した時点において、マスクS2Mに対するSOG層S1の選択比が、1.7であることが認められた。
以上説明したように、半導体装置の製造方法における一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)樹脂層をパターニングして得られたマスクに比べて、高いエッチング耐性を有したマスク24Mを形成することが可能であり、これによって、エッチング対象に対する高い選択比を有したマスク24Mを形成することが可能である。
(2)樹脂層24の変形が抑えられる確実性が第1温度によって高められ、かつ、ドライエッチングに対するマスク24Mの耐性が第2温度によって高められる確実性が向上する。
(3)金属含有ガスを排気することによって、基板Sのなかで、樹脂層24以外の部分に金属酸化物が形成されることが抑えられる。
(4)基板Sに対して複数回金属含有ガスが供給されることによって、樹脂層24に対する金属原子の導入が不足することが抑えられる。加えて、第1温度Tem1および第2温度Tem2のいずれかにおいて樹脂層24に対して金属原子が導入されにくい場合であっても、それ以外の温度における導入によって、金属原子の導入が不足することが抑えられる。
(5)基板Sに対して複数回酸素含有ガスが供給されることによって、金属原子の酸化が不足することが抑えられる。加えて、第1温度Tem1および第2温度Tem2のいずれかによって金属原子と酸素との反応が低下する場合であっても、それ以外の温度における酸化反応によって、金属原子の酸化を進行させることが可能である。
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[金属含有ガスの供給]
・第1金属供給期間と第2金属供給期間との間において、基板Sに供給される金属含有ガスの流量が異なってもよい。または、第1金属供給期間と第2金属供給期間との間において、基板Sに金属含有ガスが供給される時間が異なってもよい。または、これらが組み合わせられてもよい。
・第1金属供給期間と第2金属供給期間との間において、金属含有ガスに含まれる金属原子が行ってもよい。この場合には、2種類の金属酸化物を含むマスクを得ることが可能である。
[酸素含有ガスの供給]
・第1酸素供給期間と第2酸素供給期間との間において、基板Sに供給される酸素含有ガスの流量が異なってもよい。または、第1酸素供給期間と第2酸素供給期間との間において、基板Sに酸素含有ガスが供給される時間が異なってもよい。または、これらが組み合わせられてもよい。
・第1酸素供給期間と第2酸素供給期間との間において、基板Sに供給される酸素含有ガスの種類が互いに異なってもよい。
[排気]
・金属含有ガスを排気するための排気期間と、酸素含有ガスを排気するための排気期間とは、互いに異なる長さであってもよい。
・第1金属供給期間の後における排気期間と、第2金属供給期間の後における排気期間とは、互いに異なる長さであってもよい。また、第1酸素供給期間の後における排気期間と、第2酸素供給期間の後における排気期間とは、互いに異なる長さであってもよい。
[半導体装置の製造方法]
半導体装置の製造方法を、以下に説明する4つの変更例のように変更して実施することが可能である。
[第1変更例]
・図7が示すように、第1変更例では、基板Sの温度が、第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温された後に、樹脂層24に導入された金属原子が酸化される。すなわち、第1変更例におけるタイミングT0からタイミングT3までの処理は、上述した実施形態におけるタイミングT0からタイミングT3までの処理と同様である。一方で、第1変更例では、タイミングT3において基板Sの昇温が開始され、かつ、タイミングT4において基板Sの温度が第2温度Tem2に昇温される。
次いで、タイミングT4からタイミングT5までにわたって、酸素含有ガスが基板Sに対して供給される。これにより、樹脂層24に導入された金属原子が酸化される。そして、タイミングT5からタイミングT6までにわたって、真空槽11内に供給された酸素含有ガスが排気される。なお、第1変更例におけるタイミングT6からタイミングT10までの処理は、上述した実施形態におけるタイミングT6からタイミングT10までの処理と同様である。
この場合であっても、基板Sの温度が第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温される前後において、基板Sに対して金属含有ガスが供給されるため、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。また、基板Sに対して酸素含有ガスが複数回供給されるため、酸素含有ガスの供給が一度しか行われない場合に比べて、金属原子の酸化が不足することが抑えられる。
[第2変更例]
・図8が示すように、第2変更例では、基板Sの温度が、第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温された直後に行われる酸素含有ガスの供給が省略される。すなわち、第2変更例におけるタイミングT0からタイミングT3までの処理は、上述した第1変更例と同様である。一方で、第1変更例においてタイミングT4からタイミングT5にわたって行われる酸素含有ガスの供給と、タイミングT5からタイミングT6にわたって行われる酸素含有ガスの排気とが、第2変更例では省略される。そのため、第2変更例におけるタイミングT4からタイミングT8までの処理は、第1変更例におけるタイミングT6からタイミングT10までの処理と同様である。
この場合であっても、基板Sの温度が第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温される前後において、基板Sに対して金属含有ガスが供給されるため、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。
[第3変更例]
・図9が示すように、第3変更例では、基板Sの温度が、第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温された後に行われる金属含有ガスの供給が省略される。すなわち、第3変更例におけるタイミングT0からタイミングT5までの処理は、上述した実施形態におけるタイミングT0からタイミングT5までの処理と同様である。一方で、実施形態におけるタイミングT6からタイミングT7にわたって行われる金属含有ガスの供給と、タイミングT7からタイミングT8にわたって行われる金属含有ガスの排気とが、第3変更例では省略される。そのため、第3変更例におけるタイミングT6からタイミングT8までの処理は、実施形態におけるタイミングT8からタイミングT10までの処理と同様である。
この場合であっても、基板Sの温度が第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温される前後において、基板Sに対して酸素含有ガスが供給されるため、上述した(5)に準じた効果を得ることはできる。
[第4変更例]
・図10が示すように、第4変更例では、基板Sの温度が、第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温された後に行われる金属含有ガスの供給と、酸素含有ガスの供給とが省略される。すなわち、第4変更例におけるタイミングT0からタイミングT6までの処理は、上述した実施形態におけるタイミングT0からタイミングT6までの処理と同様である。一方で、実施形態におけるタイミングT6以降に行われる処理が、第4変更例では省略される。
この場合であっても、基板Sに対して金属含有ガスが供給された後に基板Sの温度が第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温され、また、金属含有ガスが供給された後の基板Sに酸素含有ガスが供給されるため、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
なお、第4変更例によるように、基板Sに対する金属含有ガスの供給と、酸素含有ガスの供給とが一度ずつ行われる場合には、基板Sに対する金属含有ガスの供給の後に、基板Sの温度が第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温され、続いて、基板Sに対する酸素ガスの供給が行われてもよい。この場合であっても、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
[その他の変更例]
・基板Sの温度が第1温度Tem1に維持されている間に、基板Sに対する金属含有ガスの供給が複数回行われてもよい。また、基板Sの温度が第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温された後に、基板Sに対する金属含有ガスの供給が複数回行われてもよい。これらの場合に、最後に行われた金属含有ガスの供給よりも後に、基板Sに対する酸素含有ガスの供給が行われることが好ましい。
・基板Sの温度が第1温度Tem1に維持されている間に、基板Sに対する酸素含有ガスの供給が複数回行われてもよい。また、基板Sの温度が第1温度Tem1から第2温度Tem2に昇温された後に、基板Sに対する酸素含有ガスの供給が複数回行われてもよい。
[基板処理装置]
・図11が示すように、基板処理装置30は、シャワープレート12に接続された高周波電源31を備えてもよい。この場合には、制御部10Cは、酸素含有ガス供給部17に酸素含有ガスを真空槽11内に供給させる際に、高周波電源31に高周波電力をシャワープレート12に対して供給させることができる。これにより、シャワープレート12の近傍において、酸素含有ガスからプラズマが生成される。基板処理装置30では、プラズマ中に含まれるイオンが、シャワープレート12を通過する際に、シャワープレート12が有する貫通孔内においてラジカルよりも失活しやすい。そのため、ステージ13が配置された空間には、ラジカルが、イオンよりも優先して供給される。そして、樹脂層24に導入された金属原子は、ステージ13に到達したラジカルによって酸化される。
なお、酸素含有ガス供給部17が、酸素含有ガスとして酸素と窒素とを含むガスを真空槽11内に供給する場合には、窒素を含むラジカルがステージ13に到達する。そのため、樹脂層24に導入された金属原子は、酸化されるとともに窒化される。これにより、炭素を含み、金属酸化物、金属窒化物、および、金属酸窒化物の少なくとも1つを含むマスク24Mを形成することが可能である。
・図12が示すように、基板処理装置40は、マイクロ波源41および放電管42を備えてもよい。この場合には、酸素含有ガス供給部43は、放電管42に酸素含有ガスを供給する。マイクロ波源41は、マイクロ波を励起し、励起したマイクロ波を酸素含有ガスが供給されている放電管42に照射する。これにより、放電管42において、酸素含有ガスからプラズマが生成される。放電管42において生成されたプラズマは、シャワープレート12が二分した空間のうち、ステージ13が配置された空間に供給される。
なお、放電管42において生成されたプラズマには、活性種としてイオンおよびラジカルが含まれる。しかしながら、イオンが活性に維持される時間は、ラジカルが活性に維持される時間よりも短いため、放電管42から真空槽11内に供給される間に、イオンが失活する可能性が高い。それゆえに、真空槽11内には、ラジカルがイオンよりも優先して供給される。結果として、樹脂層24に導入された金属原子は、ステージ13に到達したラジカルによって酸化される。
なお、酸素含有ガス供給部17が、酸素含有ガスとして酸素と窒素とを含むガスを真空槽11内に供給する場合には、窒素を含むラジカルがステージ13に到達する。そのため、樹脂層24に導入された金属原子は、酸化されるとともに窒化される。これにより、炭素を含み、金属酸化物、金属窒化物、および、金属酸窒化物の少なくとも1つを含むマスク24Mを形成することが可能である。
・基板処理装置10,30,40は、マルチチャンバ式の基板処理システムが備える複数の装置のなかの1つの装置であってもよい。この場合には、基板処理システムは、例えば、搬送装置、搬入装置、搬出装置、基板処理装置10,30,40、および、エッチング装置を備えることが可能である。基板処理システムにおいて、搬入装置、搬出装置、基板処理装置10,30,40、および、エッチング装置の各々は、搬送装置に接続されている。基板処理システム内に搬入装置から搬入された基板Sは、搬送装置を介して1つの装置から他の装置に搬送される。
10,30,40…基板処理装置、10C…制御部、11…真空槽、12…シャワープレート、13…ステージ、14…加熱部、15…排気部、16…金属含有ガス供給部、17,43…酸素含有ガス供給部、21…シリコン基板、22…シリコン窒化膜、23…シリコン酸化膜、24…樹脂層、24M…マスク、31…高周波電源、41…マイクロ波源、42…放電管、H…貫通孔、S…基板、S1…SOG層、S1h…凹部、S2…PMMA層、S2M…マスク。

Claims (5)

  1. 所定のパターンを有した樹脂層が形成され、シリコンを含む基板の温度を第1温度に昇温することと、
    前記第1温度に維持された前記基板に金属原子を含む金属含有ガスを供給して、前記金属原子を前記樹脂層に導入することと、
    前記金属原子が導入された前記樹脂層を有した前記基板の温度を前記第1温度から第2温度に昇温することと、
    前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温する前、および、前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温した後の少なくとも一方に、前記基板に酸素原子を含む酸素含有ガスを供給して、前記樹脂層に導入された前記金属原子を酸化することによって、炭素および金属酸化物を含むマスクを形成することと、を含む
    半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1温度は、50℃以上100℃未満の範囲に含まれるいずれかの温度であり、
    前記第2温度は、80℃以上300℃以下の範囲に含まれるいずれかの温度である
    請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記金属原子を前記樹脂層に導入することと、前記炭素および前記金属酸化物を含む前記マスクを形成することとの間に、前記金属含有ガスを排気することをさらに含む
    請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記金属含有ガスは、第1金属原子を含む第1金属含有ガスであり、
    基板の温度を第1温度から第2温度に昇温した後に、第2温度に維持された基板に第2金属原子を含む第2金属含有ガスを供給して、前記第2金属原子を前記樹脂層に導入することをさらに含む
    請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記炭素および前記金属酸化物を含む前記マスクを形成することは、前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温する前、および、前記基板の温度を前記第1温度から前記第2温度に昇温した後の両方において、前記基板に前記酸素含有ガスを供給する
    請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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