JP7242324B2 - 注出部材挿入構造および注出部材装置 - Google Patents

注出部材挿入構造および注出部材装置 Download PDF

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Description

本発明は、注出部材挿入構造および注出部材装置に関する。
例えば、印刷装置には、異なる色のインクが充てんされた複数のインク容器が接続される。インク容器は、挿入部を有する注出部材を備える。印刷装置は、挿入孔を有する複数の被挿入部を備える。注出部材の挿入部は、インクの色に対応した被挿入部の挿入孔にそれぞれ挿入されることによって印刷装置に接続される。これにより、インク容器内の各色のインクを印刷装置に供給できる。被挿入部と、これに挿入される挿入部とを備えた接続構造としては、特許文献1に記載の連結部材がある。
特表2001-511416号公報
注出部材は、その容器の内容物に対応した被挿入部に接続する必要がある。そのため、注出部材の誤接続を少なくすることが求められている。
本発明の一態様は、被挿入部に対する注出部材の誤接続が起こりにくい注出部材挿入構造および注出部材装置を提供する。
本発明の一態様は、容器の開口部に装着され円筒形状の挿入部を有する注出部材と、前記挿入部が挿入される断面円形状の挿入孔を有する被挿入部と、を備え、前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面のいずれか一方には、複数のキー突起のうち第1キー突起が形成され、前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面の他方には、複数のキー溝のうち、前記第1キー突起が嵌合する第1キー溝が形成され、前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面のいずれか一方には、前記複数のキー突起のうち第2キー突起が形成され、前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面の他方には、前記複数のキー溝のうち、前記第2キー突起が嵌合する第2キー溝が形成され、前記第1キー突起と前記第2キー突起との間の前記注出部材の中心軸周りの突起間角度は、前記第1キー溝と前記第2キー溝との間の前記中心軸周りの溝間角度と等しくされ、前記第1キー溝および前記第2キー溝は、第1主溝および第2主溝と、前記第1主溝および前記第2主溝の各末端から屈折した方向に延びる第1屈折溝および第2屈折溝とをそれぞれ有し、前記第1キー突起および前記第2キー突起が、前記第1キー溝および前記第2キー溝に挿入されて、前記第1主溝および前記第2主溝から前記第1屈折溝および前記第2屈折溝へと進入することにより、前記注出部材が前記挿入孔へ挿入可能とされる注出部材挿入構造を提供する。
前記第1屈折溝および前記第2屈折溝は、前記中心軸周りの螺旋状とされていることが好ましい。
前記第1屈折溝および前記第2屈折溝は、前記中心軸周りの周方向に延びて形成されていてもよい。
本発明の他の態様は、前記注出部材挿入構造を複数有し、前記複数の注出部材挿入構造は、第1注出部材および第1被挿入部を有する第1注出部材挿入構造と、第2注出部材および第2被挿入部を有する第2注出部材挿入構造とを含み、前記第1注出部材挿入構造と前記第2注出部材挿入構造とは、前記キー突起および前記キー溝の形状が相違し、前記形状の相違によって、前記第2被挿入部への前記第1注出部材の挿入が妨げられ、かつ前記第1被挿入部への前記第2注出部材の挿入が妨げられる、注出部材装置を提供する。
前記形状の相違は、前記溝間角度、前記キー溝深さ、および、前記キー突起または前記キー溝の数、のうち少なくとも一つの相違であってよい。
本発明の他の態様は、前記注出部材挿入構造の前記注出部材と、前記容器とを備える包装容器を提供する。
本発明の一態様によれば、被挿入部に対する注出部材の誤接続を起こりにくくすることができる。
実施形態の注出部材装置の斜視図である。 第1実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の斜視図である。 第1実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の一部の側面図である。 第1実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の一部を前図とは反対側から見た側面図である。 実施形態の注出部材装置の一部断面図である。 実施形態の注出部材装置の受け部の平面図である。 実施形態の注出部材装置の斜視図である。 第2実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の斜視図である。 第2実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の一部の側面図である。 第2実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の一部を前図とは反対側から見た側面図である。 実施形態の注出部材装置の一部断面図である。 第3実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の一部の側面図である。 第3実施形態の注出部材挿入構造の注出部材の一部を前図とは反対側から見た側面図である。 第4実施形態の第1注出部材挿入構造の第1注出部材および第1被挿入部の断面図である。 第5実施形態の第2注出部材挿入構造の第2注出部材および第2被挿入部の断面図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している場合がある。
[注出部材挿入構造および注出部材装置]
図1は、実施形態の注出部材装置100の斜視図である。図2は、第1注出部材10の斜視図である。図3は、第1注出部材10の一部の側面図である。図4は、第1注出部材10の一部を図3とは反対側から見た側面図である。図5は、注出部材装置100の一部断面図である。図6は、注出部材装置100の受け部30の平面図である。図7は、注出部材装置100の斜視図である。
図1および図7に示すように、注出部材装置100は、第1注出部材10(図1参照)と、第2注出部材20(図7参照)と、受け部30とを備える。
受け部30は、外筒部1と、第1内筒部2と、第2内筒部3と、底板部4とを備える。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を採用することがある。図6に示すように、X方向は底板部4の長さ方向である。Y方向は底板部4の幅方向である。Y方向は底板部4に沿う面内においてX方向と直交する。Z方向は底板部4の厚さ方向である。Z方向はX方向およびY方向に直交する。平面視とは、Z方向と平行に見ることをいう。
X方向のうち一方向(図6において右方向)を+X方向といい、その反対方向を-X方向という。Y方向のうち一方向(図6において上方向)を+Y方向といい、その反対方向を-Y方向という。Z方向のうち一方向(図5および図11において下方向)を+Z方向といい、その反対方向を-Z方向という。X方向とY方向とで規定される面をXY平面という。X方向とZ方向とで規定される面をXZ平面という。Y方向とZ方向とで規定される面をYZ平面という。
図5および図11に即して上下の位置関係を仮に定める。すなわち、図5および図11において上に向かう方向を上方といい、下に向かう方向を下方という。ここで定めた位置関係は、注出部材装置100の使用時の姿勢を限定しない。
外筒部1は、第1被挿入部5と、第2被挿入部6とを備える。
第1実施形態の第1注出部材挿入構造10Aは、第1注出部材10と、第1被挿入部5とを有する。第2実施形態の第2注出部材挿入構造20Aは、第2注出部材20と、第2被挿入部6とを有する。
図6に示すように、底板部4は、概略、長方形状に形成されている。
図1および図5に示すように、外筒部1は、底板部4の一方の面(上面)から上方に突出する筒状に形成されている。外筒部1は、底板部4の周縁に沿う角筒状の外形を有する。
図6に示すように、外筒部1は、第1端壁1aおよび第2端壁1bと、第1側壁1cおよび第2側壁1dと、を備える。第1端壁1aは、長方形状の底板部4の一方の短辺に相当する第1端縁4aに形成されている。第2端壁1bは、底板部4の他方の短辺に相当する第2端縁4bに形成されている。
第1側壁1cは、底板部4の一方の長辺に相当する第1側縁4cを含む部分に形成されている。第2側壁1dは、底板部4の他方の長辺に相当する第2側縁4dを含む部分に形成されている。
第1側壁1cの内面には、第1中間凸部1eが形成されている。第1中間凸部1eは、第1側壁1cの長さ方向(X方向)の中央に、第2側壁1dに近づく方向に突出して形成されている。第1側壁1cのうち、第1中間凸部1eの頂点を境界として、第1端壁1aに近い部分を第1側壁部分1c1といい、第2端壁1bに近い部分を第2側壁部分1c2という。第1側壁部分1c1は第1端壁1aに連設されている。第2側壁部分1c2は、第2端壁1bに連設されている。
第2側壁1dの内面には、第2中間凸部1fが形成されている。第2中間凸部1fは、第2側壁1dの長さ方向(X方向)の中央に、第1側壁1cに近づく方向に突出して形成されている。第2側壁1dのうち、第2中間凸部1fの頂点を境界として、第1端壁1aに近い部分を第1側壁部分1d1といい、第2端壁1bに近い部分を第2側壁部分1d2という。第1側壁部分1d1は第1端壁1aに連設されている。第2側壁部分1d2は、第2端壁1bに連設されている。
第1被挿入部5は、外筒部1のうち、長さ方向(X方向)の一端を含む部分である。詳しくは、第1被挿入部5は、第1端壁1aと、第1側壁部分1c1と、第1側壁部分1d1とを備える。第1被挿入部5の内部空間は第1挿入孔5aである。第1挿入孔5aは、第1端壁1aと側壁部分1c1,1d1と中間凸部1e,1fとによって形成された空間である。第1挿入孔5aのXY断面は円弧状とされている。
第2被挿入部6は、外筒部1のうち、長さ方向(X方向)の他端を含む部分である。詳しくは、第2被挿入部6は、第2端壁1bと、第2側壁部分1c2と、第2側壁部分1d2とを備える。第2被挿入部6の内部空間は第2挿入孔6aである。第2挿入孔6aは、第2端壁1bと側壁部分1c2,1d2と中間凸部1e,1fとによって形成された空間である。第2挿入孔6aのXY断面は円弧状とされている。
図1および図6に示すように、第1挿入孔5aの内周面5bには、第1キー突起41および第2キー突起42が形成されている。第1キー突起41および第2キー突起42は、例えば、半球状の突起である。第1キー突起41および第2キー突起42は、内周面5bから、第1挿入孔5aの中心軸に近づく方向に突出している。
図6に示すように、第1キー突起41と第2キー突起42は、第1挿入孔5aの中心軸に対して軸周り方向に約180°ずれた位置に形成されている。すなわち、第1キー突起41の頂点と第2キー突起42の頂点との間の第1挿入孔5aの中心軸周りの角度α1(突起間角度α1)は、約180°である。
図6および図7に示すように、第2挿入孔6aの内周面6bには、第1キー突起51および第2キー突起52が形成されている。第1キー突起51および第2キー突起52は、例えば、半球状の突起である。第1キー突起51および第2キー突起52は、内周面6bから、第2挿入孔6aの中心軸に近づく方向に突出している。
図6に示すように、第1キー突起51と第2キー突起52は、第2挿入孔6aの中心軸に対して軸周り方向に約135°ずれた位置に形成されている。すなわち、第1キー突起51の頂点と第2キー突起52の頂点との間の第2挿入孔6aの中心軸周りの角度α2(突起間角度α2)は、約135°である。
図1および図7に示すように、第1内筒部2は、円筒形状に形成されている。図5に示すように、第1内筒部2は、底板部4を貫通している。第1内筒部2の上部は、底板部4の上面から上方(-Z方向)に向けて突出して形成されている。第1内筒部2の下部は、底板部4の下面から下方(+Z方向)に向けて突出して形成されている。第1内筒部2の中心軸はZ方向と平行である。第1内筒部2の中心軸は第1被挿入部5の中心軸と一致する。
図1および図7に示すように、第2内筒部3は、円筒形状に形成されている。図5に示すように、第2内筒部3は、底板部4を貫通している。第2内筒部3の上部は、底板部4の上面から上方(-Z方向)に向けて突出して形成されている。第2内筒部3の下部は、底板部4の下面から下方(+Z方向)に向けて突出して形成されている。第2内筒部3の中心軸はZ方向と平行である。第2内筒部3の中心軸は第2被挿入部6の中心軸と一致する。
図6に示すように、第1内筒部2の内径と第2内筒部3の内径とは等しい。第1内筒部2と第2内筒部3とは、底板部4からの上方への突出長さが等しい。第1内筒部2と第2内筒部3とは、X方向に並んで形成されている。第1内筒部2と第2内筒部3とは、X方向に間隔をおいて形成されている。
図5に示すように、第1注出部材10は、第1容器34の容器本体35の開口部35aに装着されている。第1注出部材10は、基部11と、第1挿入部12とを有する。図1に示すように、基部11は、長さ方向(図1におけるX方向)に沿って中央部から離れるほど幅(Y方向の寸法)が狭くなる形状(いわゆる舟形状)であってよい。図5に示すように、基部11は、容器本体35の開口部35aに取り付けられている。
第1挿入部12は、概略、円筒状とされている。第1挿入部12は、基部11の第1面11a(図5における下面)から、+Z方向(図5における下方)に突出している。C1は、第1注出部材10の中心軸、すなわち、第1挿入部12および流路13,14(図1参照)の中心軸である。
図1に示すように、基部11には、Z方向に沿って流路13が形成されている。第1挿入部12の内部空間は流路14となる。流路13,14は、容器本体35(図5参照)の内容物を、第1挿入部12の先端開口から外部に注出させることができる。
図2~図4に示すように、第1挿入部12の外周面には、第1キー溝43および第2キー溝44が形成されている。第1キー溝43および第2キー溝44は、例えば、長さ方向に直交する断面が半円状の溝である。図3に示すように、第1キー溝43は、第1主溝45と、第1屈折溝47とを有する。第1キー溝43は、第1キー突起41(図1参照)に嵌合する。図4に示すように、第2キー溝44は、第2主溝46と、第2屈折溝48とを有する。第2キー溝44は、第2キー突起42(図1参照)に嵌合する。
図3および図4に示すように、第1主溝45および第2主溝46は、第1挿入部12の先端12aから-Z方向に延びる。第1屈折溝47および第2屈折溝48は、第1主溝45および第2主溝46の各末端45a,46aから屈折した方向に延びる。第1屈折溝47および第2屈折溝48は、中心軸C1周りの螺旋状とされている。第1屈折溝47および第2屈折溝48は、第1主溝45および第2主溝46の各末端45a,46aを起点として、基部11に近づく方向に、中心軸C1に対して傾斜して延びる。第1屈折溝47と第2屈折溝48の傾斜方向は互いに同じである。第1屈折溝47および第2屈折溝48は、例えば、中心軸C1周り方向に45°~180°の範囲に形成されている。
図2に示すように、第1キー溝43と第2キー溝44は、中心軸C1周り方向に約180°ずれた位置に形成されている。すなわち、第1キー溝43の最深部と第2キー溝44の最深部との間の中心軸C1周りの角度β1(溝間角度β1)は、約180°である。溝間角度β1は、第1キー突起41と第2キー突起42との間の突起間角度α1(図6参照)と等しい。
図8は、第2注出部材20の斜視図である。図9は、第2注出部材20の一部の側面図である。図10は、第2注出部材20の一部を図9とは反対側から見た側面図である。図11は、注出部材装置100の一部断面図である。
図11に示すように、第2注出部材20は、第2容器36の容器本体37の開口部37aに装着されている。第2注出部材20は、基部21と、第2挿入部22とを有する。図7に示すように、基部21は、第1注出部材10の基部11と同様の形状(いわゆる舟形状)であってよい。図11に示すように、基部21は、容器本体37の開口部37aに取り付けられている。
第2挿入部22は、概略、円筒状とされている。第2挿入部22は、基部21の第1面21a(図11における下面)から、+Z方向(図11における下方)に突出している。C2は、第2注出部材20の中心軸、すなわち第2挿入部22および流路23,24(図7参照)の中心軸である。
図7に示すように、基部21には、Z方向に沿って流路23が形成されている。第2挿入部22の内部空間は流路24となる。流路23,24は、容器本体37(図11参照)の内容物を、第2挿入部22の先端開口から外部に注出させることができる。
図8~図10に示すように、第2挿入部22の外周面には、第1キー溝53および第2キー溝54が形成されている。第1キー溝53および第2キー溝54は、例えば、長さ方向に直交する断面が半円状の溝である。第1キー溝53は、第1主溝55と、第1屈折溝57とを有する。図9に示すように、第1キー溝53は、第1キー突起51(図7参照)に嵌合する。図10に示すように、第2キー溝54は、第2主溝56と、第2屈折溝58とを有する。第2キー溝54は、第2キー突起52(図7参照)に嵌合する。
図9および図10に示すように、第1主溝55および第2主溝56は、第2挿入部22の先端22aから-Z方向に延びる。第1屈折溝57および第2屈折溝58は、第1主溝55および第2主溝56の各末端55a,56aから屈折した方向に延びる。第1屈折溝57および第2屈折溝58は、中心軸C2周りの螺旋状とされている。第1屈折溝57および第2屈折溝58は、第1主溝55および第2主溝56の各末端55a,56aを起点として、基部21に近づく方向に、中心軸C2に対して傾斜して延びる。第1屈折溝57と第2屈折溝58の傾斜方向は互いに同じである。第1屈折溝57および第2屈折溝58は、例えば、中心軸C2周り方向に45°~180°の範囲に形成されている。
図8に示すように、第1キー溝53と第2キー溝54は、中心軸C2周り方向に約135°ずれた位置に形成されている。すなわち、第1キー溝53の最深部と第2キー溝54の最深部との間の中心軸C2周りの角度β2(溝間角度β2)は、約135°である。溝間角度β2は、第1キー突起51と第2キー突起52との間の突起間角度α2(図6参照)と等しい。
[注出部材挿入構造および注出部材装置の使用方法]
次に、注出部材装置100の使用方法について説明する。まず、図5に示すように、第1容器34に収容されている内容物を、第1内筒部2を通して受け部30の内部に供給する方法について説明する。
図1に示すように、第1注出部材10の第1挿入部12を第1挿入孔5aに合わせる。その際、第1キー溝43(図2参照)および第2キー溝44の位置(中心軸周り方向の位置)を、それぞれ第1キー突起41および第2キー突起42の位置に合わせる。第1注出部材10の中心軸C1は第1挿入孔5aの中心軸に一致させる。
第1注出部材10の溝間角度β1(図2参照。例えば約180°)は、第1被挿入部5の突起間角度α1(図6参照。例えば約180°)と等しい。そのため、第1挿入部12が第1挿入孔5aに挿入されるとともに、第1キー突起41および第2キー突起42は、それぞれ第1キー溝43および第2キー溝44の第1主溝45および第2主溝46に進入する。
第1挿入部12を第1被挿入部5に対して挿入方向に移動させると、第1キー突起41および第2キー突起42は、それぞれ第1主溝45および第2主溝46内を進み、末端45a,46a(図3および図4参照)に達する。次いで、第1挿入部12を中心軸C1周りの螺旋方向に変位させると、第1キー突起41および第2キー突起42は、それぞれ第1屈折溝47および第2屈折溝48に進入する。第1キー突起41および第2キー突起42が、それぞれ第1屈折溝47および第2屈折溝48の終端に達した段階で、第1挿入部12の、第1挿入孔5aへの挿入は完了する。
第1容器34の内容物は第1注出部材10の流路13,14を通して、受け部30を経て貯留容器(図示略)に供給される。
なお、第2注出部材20の溝間角度β2(図8参照。例えば約135°)は、第1被挿入部5の突起間角度α1(図6参照。例えば約180°)と異なるため、第2挿入部22は、第1挿入孔5aに挿入できない。
次いで、図11に示すように、第2容器36に収容されている内容物を、第2内筒部3を通して受け部30の内部に供給する方法について説明する。
図7に示すように、第2注出部材20の第2挿入部22を第2挿入孔6aに合わせる。その際、第1キー溝53および第2キー溝54の位置(中心軸周り方向の位置)を、それぞれ第1キー突起51および第2キー突起52の位置に合わせる。第2注出部材20の中心軸C2は第2挿入孔6aの中心軸に一致させる。
第2注出部材20の溝間角度β2(図8参照。例えば約135°)は、第2被挿入部6の突起間角度α2(図6参照。例えば約135°)と等しい。そのため、第2挿入部22が第2挿入孔6aに挿入されるとともに、第1キー突起51および第2キー突起52は、それぞれ第1キー溝53および第2キー溝54の第1主溝55および第2主溝56に進入する。
第2挿入部22を第2被挿入部6に対して挿入方向に移動させると、第1キー突起51および第2キー突起52は、それぞれ第1主溝55および第2主溝56内を進み、末端55a,56a(図9および図10参照)に達する。
次いで、第2挿入部22を中心軸C2周りの螺旋方向に変位させると、第1キー突起51および第2キー突起52は、それぞれ第1屈折溝57および第2屈折溝58に進入する。第1キー突起51および第2キー突起52が、それぞれ第1屈折溝57および第2屈折溝58の終端に達した段階で、第2挿入部22の、第2挿入孔6aへの挿入は完了する。
第2容器36の内容物は第2注出部材20の流路23,24を通して、受け部30を経て貯留容器(図示略)に供給される。
なお、第1注出部材10の溝間角度β1(図2参照。例えば約180°)は、第2被挿入部6の突起間角度α2(図6参照。例えば約135°)と異なるため、第1挿入部12は、第2挿入孔6aに挿入できない。
[注出部材挿入構造および注出部材装置が奏する効果]
図1および図7に示すように、第1注出部材挿入構造10Aでは、第1注出部材10の溝間角度β1が第1被挿入部5の突起間角度α1と等しいため、第1注出部材10が第1挿入孔5aに挿入可能となる。第2注出部材挿入構造20Aでは、第2注出部材20の溝間角度β2が第2被挿入部6の突起間角度α2と等しいため、第2注出部材20が第2挿入孔6aに挿入可能となる。注出部材10,20は、溝間角度β1,β2が突起間角度α1,α2に等しい場合にのみ被挿入部5,6に挿入可能となるため、被挿入部5,6に対する注出部材10,20の誤接続は起こりにくくなる。よって、例えば、第1容器34の内容物と第2容器36の内容物とが異なる色のインクである場合、注出部材10,20を、当該インクの色に対応した被挿入部5,6に、誤りなく接続することができる。
キー溝43,44,53,54は、主溝45,46,55,56に加えて屈折溝47,48,57,58を有するため、キー突起がキー溝内を進行する過程で進行方向が変化することから、操作者が注出部材の挿入操作の完了を確認しやすい。よって、第1注出部材挿入構造10Aおよび第2注出部材挿入構造20Aは、操作性に優れている。
注出部材装置100では、第1注出部材10の溝間角度β1が第2被挿入部6の突起間角度α2と異なるため、第1注出部材10の第1挿入部12は第2挿入孔6aに挿入できない。注出部材装置100では、第2注出部材20の溝間角度β2が第1被挿入部5の突起間角度α1と異なるため、第2挿入部22は第1挿入孔5aには挿入できない。そのため、被挿入部5,6に対する注出部材10,20の誤接続を起こりにくくすることができる。
第1注出部材挿入構造10Aおよび第2注出部材挿入構造20Aでは、屈折溝47,48および屈折溝57,58は螺旋状とされている。そのため、キー突起41,42,51,52がそれぞれ屈折溝47,48,57,58内にあるときには、第1挿入部12および第2挿入部22は、挿入方向に移動しつつ中心軸周り方向に変位する。そのため、第1挿入部12および第2挿入部22は、キー突起が主溝から屈折溝に移行するときに挿入方向の移動(図1および図7における下降)が停止しない。従って、第1挿入部12および第2挿入部22は、キー突起が屈折溝に進入する際の動作がスムーズとなる。よって、第1挿入孔5aおよび第2挿入孔6aに対する注出部材10,20の挿入操作が容易となる。
注出部材装置100では、第1注出部材挿入構造10Aと第2注出部材挿入構造20Aとは、キー突起およびキー溝の形状が相違する場合に、第2挿入孔6aへの第1挿入部12の挿入が妨げられ、かつ第1挿入孔5aへの第2挿入部22の挿入が妨げられる。「形状の相違」とは、例えば、溝間角度β1,β2および突起間角度α1,α2の相違である。よって、注出部材装置100は、簡単な構造でありながら、被挿入部5,6に対する注出部材10,20の誤接続を阻止できる。
図12は、第3実施形態の注出部材挿入構造の注出部材110の一部の側面図である。図13は、注出部材110の一部を図12とは反対側から見た側面図である。
図12および図13に示すように、注出部材110の第1挿入部112の外周面には、第1キー溝143および第2キー溝144が形成されている。第1キー溝143は、第1主溝145と、第1屈折溝147とを有する。第2キー溝144は、第2主溝146と、第2屈折溝148とを有する。
第1屈折溝147および第2屈折溝148は、第1主溝145および第2主溝146の各末端145a,146aから屈折した方向に延びる。第1屈折溝147および第2屈折溝148は、注出部材110の中心軸C3周りの周方向に沿って形成されている。
屈折溝147,148は注出部材110の中心軸C3周りの周方向に沿って形成されているため、注出部材110に、被挿入部からの引き抜き方向の力が加えられた場合でも、注出部材110が引き抜き方向に移動しにくい。従って、注出部材110の被挿入部からの誤脱離が起こりにくい。
実施形態の注出部材装置では、第1注出部材挿入構造と第2注出部材挿入構造との形状の相違は、溝間角度および突起間角度の相違に限らない。第1注出部材挿入構造と第2注出部材挿入構造との形状の相違は、例えば、キー溝深さの相違であってもよい。
図14は、第4実施形態の第1注出部材挿入構造210Aの第1注出部材210および第1被挿入部205の、XY平面に沿う断面図である。図15は、第5実施形態の第2注出部材挿入構造220Aの第2注出部材220および第2被挿入部206の、XY平面に沿う断面図である。
図14に示すように、第1注出部材210は、第1挿入部212の外周面に、第1キー溝243および第2キー溝244が形成されている。第1キー溝243の深さD1は、第2キー溝244の深さD2より深い。第1被挿入部205の内周面には、第1キー突起241および第2キー突起242が形成されている。第1キー突起241の突出高さH1は第2キー突起242の突出高さH2より高い。
図15に示すように、第2注出部材220は、第2挿入部222の外周面に、第1キー溝253および第2キー溝254が形成されている。第1キー溝253の深さD3は、第2キー溝254の深さD4より浅い。第2被挿入部206の内周面には、第1キー突起251および第2キー突起252が形成されている。第1キー突起251の突出高さH3は第2キー突起252の突出高さH4より低い。
図15に示す第1キー溝253は浅いため、第1被挿入部205(図14参照)の第1キー突起241は第1キー溝253に進入できない。そのため、第2注出部材220は第1被挿入部205の第1挿入孔205aに挿入できない。
図14に示す第2キー溝244は浅いため、第2被挿入部206(図15参照)の第2キー突起252は第2キー溝244に進入できない。そのため、第1注出部材210は第2被挿入部206の第2挿入孔206aに挿入できない。
第1注出部材挿入構造210Aおよび第2注出部材挿入構造220Aは、被挿入部205,206に対する注出部材210,220の誤接続を起こりにくくすることができる。第1注出部材挿入構造210Aおよび第2注出部材挿入構造220Aは、溝間角度および突起間角度を共通化できるため、注出部材および被挿入部の製造が容易である。
本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、図1に示す第1注出部材挿入構造10Aでは、第1被挿入部5にキー突起41,42が形成され、第1注出部材10にキー溝43,44が形成されているが、第1注出部材10および第1被挿入部5の構造はこれに限定されない。注出部材挿入構造は、挿入部の外周面と挿入孔の内周面のいずれか一方に第1キー突起が形成され、他方に、第1キー突起が嵌合する第1キー溝が形成されていればよい。そのため、図1に示す第1注出部材挿入構造10Aとは逆に、被挿入部にキー溝が形成され、注出部材にキー突起が形成されていてもよい。第2注出部材挿入構造においても、図7に示す第2注出部材挿入構造20Aとは逆に、被挿入部にキー溝が形成され、注出部材にキー突起が形成されていてもよい。
図1および図7に示す注出部材挿入構造10A,20Aでは、第1キー突起と第2キー突起はいずれも被挿入部に形成され、第1キー溝と第2キー溝はいずれも注出部材の挿入部に形成されているが、キー突起およびキー溝の構成はこれに限定されない。例えば、第1キー突起と第2キー突起は、これらのうち一方が被挿入部に形成され、他方が注出部材の挿入部に形成されていてもよい。第1キー溝と第2キー溝は、これらのうち一方が被挿入部に形成され、他方が注出部材の挿入部に形成されていてもよい。
図1等に示す受け部30は、2つの被挿入部5,6を有するが、被挿入部の数は2に限らず、1であってもよいし、3以上の任意の数であってもよい。
キー突起の形状は特に限定されない。キー突起の形状は半球状に限らず、直方体状、円錐状、円錐台状、角錘状、角錐台状などであってよい。キー溝の形状は特に限定されない。キー溝の長さ方向に直交する断面の形状は半円状に限らず、矩形状、台形状、円弧状などであってよい。
図1等に示す注出部材挿入構造では、キー突起の数は2であり、キー溝の数も2であるが、キー突起およびキー溝の数は特に限定されない。キー突起の数は1でもよいし、3以上の任意の数でもよい。キー溝の数は1でもよいし、3以上の任意の数でもよい。
第1注出部材挿入構造と第2注出部材挿入構造との形状の相違は、キー突起またはキー溝の数の相違であってもよい。
第1注出部材挿入構造と第2注出部材挿入構造との形状の相違は、溝間角度、キー溝深さ、および、キー突起またはキー溝の数、のうち少なくとも一つの相違であってよい。
図1および図7に示す注出部材挿入構造10A,20Aは、溝間角度および突起間角度が互いに異なる。図14および図15に示す注出部材挿入構造210A,220Aでは、キー溝深さが互いに異なる。第1注出部材挿入構造と第2注出部材挿入構造とは、溝間角度および突起間角度が互いに異なり、かつ、キー溝深さが互いに異なっていてもよい。
図5に示す第1注出部材10と、第1注出部材10が装着される第1容器34とは、包装容器を構成する。図11に示す第2注出部材20と、第2注出部材20が装着される第2容器36とは、包装容器を構成する。
注出部材挿入構造は、例えば、容器の開口部に装着され円筒形状の挿入部を有する注出部材と、前記挿入部が挿入される断面円形状の挿入孔を有する被挿入部と、を備え、前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面のいずれか一方には第1キー突起が形成され、他方には前記第1キー突起が嵌合する第1キー溝が形成され、前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面のいずれか一方には第2キー突起が形成され、他方には前記第2キー突起が嵌合する第2キー溝が形成され、前記第1キー突起と前記第2キー突起との間の前記注出部材の中心軸周りの突起間角度は、前記第1キー溝と前記第2キー溝との間の前記中心軸周りの溝間角度と等しくされ、前記第1キー溝および前記第2キー溝は、第1主溝および第2主溝と、前記第1主溝および前記第2主溝の各末端から屈折した方向に延びる第1屈折溝および第2屈折溝とをそれぞれ有し、前記第1キー突起および前記第2キー突起が、前記第1キー溝および前記第2キー溝に挿入されて、前記第1主溝および前記第2主溝から前記第1屈折溝および前記第2屈折溝へと進入することにより、前記注出部材が前記挿入孔へ挿入可能とされる構造であってよい。
本発明の注出部材挿入構造および注出部材装置は、容器の内容物の詰替えや補充に好適に使用できる。特に、詰替えや補充時に以前の内容物と違う内容物を入れてしまうことが問題となる内容物を用いる場合、例えば、印刷用インキ、トイレタリー用品、調味料、医薬品、医療・検査機器、燃料などを対象とする場合に好適である。
10,210…第1注出部材、10A,210A…第1注出部材挿入構造、5,205…第1被挿入部、5a,205a…第1挿入孔、6,206…第2被挿入部、6a,206a…第2挿入孔、12…第1挿入部、20,220…第2注出部材、20A,220A…第2注出部材挿入構造、22…第2挿入部、34…第1容器、35a…開口部、36…第2容器、37a…開口部、41,51,241,251…第1キー突起、42,52,242,252…第2キー突起、43,53,243,253…第1キー溝、44,54,244,254…第2キー溝、45,55,145…第1主溝、45a,55a,145a…末端、46,56,146…第2主溝、46a,56a,146a…末端、47,57,147…第1屈折溝、48,58,148…第2屈折溝、110…注出部材、C1…第1注出部材の中心軸、C2…第2注出部材の中心軸、α1,α2…突起間角度、β1,β2…溝間角度。

Claims (2)

  1. 注出部材挿入構造を複数有し、
    前記注出部材挿入構造は、容器の開口部に装着され円筒形状の挿入部を有する注出部材と、前記挿入部が挿入される断面円形状の挿入孔を有する被挿入部と、を備え、
    前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面のいずれか一方には、複数のキー突起のうち第1キー突起が形成され、
    前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面の他方には、複数のキー溝のうち、前記第1キー突起が嵌合する第1キー溝が形成され、
    前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面のいずれか一方には、前記複数のキー突起のうち第2キー突起が形成され、
    前記挿入部の外周面と前記挿入孔の内周面の他方には、前記複数のキー溝のうち、前記第2キー突起が嵌合する第2キー溝が形成され、
    前記第1キー突起と前記第2キー突起との間の前記注出部材の中心軸周りの突起間角度は、前記第1キー溝と前記第2キー溝との間の前記中心軸周りの溝間角度と等しくされ、 前記第1キー溝および前記第2キー溝は、第1主溝および第2主溝と、前記第1主溝および前記第2主溝の各末端から屈折した方向に延びる第1屈折溝および第2屈折溝とをそれぞれ有し、
    前記第1キー突起および前記第2キー突起が、前記第1キー溝および前記第2キー溝に挿入されて、前記第1主溝および前記第2主溝から前記第1屈折溝および前記第2屈折溝へと進入することにより、前記注出部材が前記挿入孔へ挿入可能とされ、
    前記第1屈折溝および前記第2屈折溝は、前記中心軸周りの螺旋状とされ、
    前記挿入孔内に、前記容器の内容物を導く円筒状の内筒部が形成され、
    前記複数の注出部材挿入構造は、第1注出部材および第1被挿入部を有する第1注出部材挿入構造と、第2注出部材および第2被挿入部を有する第2注出部材挿入構造とを含み、
    前記第1注出部材挿入構造と前記第2注出部材挿入構造とは、前記キー突起および前記キー溝の形状または個数が相違し、
    前記形状の相違によって、前記第2被挿入部への前記第1注出部材の挿入が妨げられ、かつ前記第1被挿入部への前記第2注出部材の挿入が妨げられる、注出部材装置。
  2. 前記形状の相違は、前記溝間角度、前記キー溝深さ、および、前記キー突起または前記キー溝の数、のうち少なくとも一つの相違である、請求項1記載の注出部材装置。
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