<実施形態>
<施設利用システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る施設利用システム9の構成の例を示す図である。図1に示す施設利用システム9は、サーバ装置2と、複数の施設Gにそれぞれ設けられた情報処理装置1と、これらを通信可能に接続する第1通信回線3と、を有する。施設利用システム9は、施設Gの利用者が未納者であると判定した場合、その利用者に未納料金を請求する施設利用システムである。
第1通信回線3は、例えばLAN(Local Area Network)のほか、WAN(Wide Area Network)であってもよいし、インターネットであってもよいし、これらの組合せであってもよい。また、第1通信回線3は、公衆交換通信網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)やサービス統合デジタル網(ISDN:Integrated Services Digital Network)等を含むものでもよい。
図1において、複数の施設Gは、それぞれ交通機関の施設の例であり、例えば、有料の駐車場である。すなわち、図1に示す施設利用システム9は、交通機関の施設の利用者の生体情報と、料金の未納者の生体情報と、を用いて利用者が料金の未納者であると判定した場合、利用者に未納料金を請求する施設利用システムの一例である。
複数の施設Gのそれぞれは、情報処理装置1のほか、撮像装置5Aや収音装置5B等の測定装置5、車外端末装置6Aや車内端末装置6B等の端末装置6、及び精算装置7を有する。それぞれの施設Gにおいて、情報処理装置1、測定装置5、端末装置6、及び精算装置7は、第2通信回線4により通信可能に接続されている。
情報処理装置1は、施設Gの利用状況を管理する装置である。測定装置5は、利用者の生体情報を測定する装置である。端末装置6は、未納者の位置に向けてその未納者に対して料金を請求する装置である。例えば、車外端末装置6Aは、駐車場である施設Gに複数、設けられた車室ごとに設置されたタワー型の端末装置であり、その車室に近い位置に所在する未納者に対して料金を請求する。また、例えば、車内端末装置6Bは、車両に搭載された車載機であって、その車両を運転する未納者に対して料金を請求する。精算装置7は、料金の支払いを受付ける装置である。
情報処理装置1、測定装置5、端末装置6、及び精算装置7は、施設Gにつきそれぞれ1つずつ設けられていてもよいが、複数台が設けられていてもよい。情報処理装置1は、測定装置5、端末装置6、及び精算装置7の構成のうち、いずれか1つ以上の構成を兼ねてもよい。
第2通信回線4は、施設Gに設けられた各構成を互いに通信可能に接続するLANである。情報処理装置1は、第2通信回線4と第1通信回線3とを中継するゲートウェイ装置として機能する。
<測定装置の例>
測定装置5は、施設Gの利用者の生体情報を測定する装置である。測定装置5は、例えば施設Gを利用する利用者が、その施設Gの敷地内の決められた場所に来たときや、決められた行動をとったとき等に、その利用者の生体情報を測定する。
例えば、利用者の姿を示す画像はその利用者の生体情報である。測定装置5のうち図1に示した撮像装置5Aは、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を備え、利用者の姿を撮像して、その姿を示す画像データを生成するカメラ等である。
撮像装置5Aは、利用者の身体表面から放出される可視光又は赤外光等の電磁波を受波して利用者の姿を撮像するパッシブ型のセンサであってもよいが、利用者の身体に電磁波を照射して、その利用者の身体表面から反射される反射波を受波するアクティブ型のセンサであってもよい。
生体情報として測定される画像は静止画像であってもよいし、動画であってもよい。生体情報として測定される動画からは、例えば、利用者の歩行パターンの情報等、歩容解析に用いられる情報が抽出されてもよい。
また、例えば、利用者の声や足音等の音は、その利用者の生体情報である。測定装置5のうち図1に示した収音装置5Bは、利用者に由来する音を収音、収録して、その音を示す音データを生成するマイクロフォン等である。例えば、利用者の声を示す音データからは、利用者の声紋の情報が抽出されてもよい。例えば、利用者の足音を示す音データからは、利用者の歩行パターンの情報等、歩容解析に用いられる情報が抽出されてもよい。
収音装置5Bは、利用者の声や足音等の音を収音するパッシブ型のセンサであってもよいが、利用者に音波・超音波等を照射してその反射波を受波するアクティブ型のセンサであってもよい。
撮像装置5A及び収音装置5Bに代表される測定装置5は、一箇所に存在しているときの利用者の生体情報を測定してもよいが、測定する方向を変化させて、複数箇所にそれぞれ存在している利用者の生体情報を測定してもよい。撮像装置5Aが撮像する方向に同期して収音装置5Bの収音の方向が制御されてもよい。この場合、測定装置5は、測定した生体情報を有する利用者の位置を示す位置情報を、生体情報とともに情報処理装置1に供給すればよい。この位置情報は、利用者が未納者であるときに、この未納者に料金を請求するために用いられる。
<精算装置の構成>
図2は、精算装置7の構成の例を示す図である。精算装置7は、施設Gの利用料金を計算して利用者に提示し、利用者から料金の支払いを受付ける装置である。料金の支払いは、紙幣や硬貨等の物理的・実体的な金銭によって受付けられてもよいし、例えば、暗号技術を利用した電子マネー等の仮想的な金銭によって受付けられてもよい。図2に示す通り、精算装置7は、制御部71、記憶部72、通信部73、操作部74、及び表示部75を有する。
制御部71は、精算装置7の各部の動作を制御する手段である。制御部71は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置を備え、これらの記憶装置や記憶部72に記憶されたプログラムを実行する。
通信部73は、第2通信回線4を介して、図1に示した情報処理装置1、測定装置5、又は端末装置6と接続し、これらと制御部71とのやり取りを中継する。
操作部74は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル等の操作子を備えており、利用者による操作を受付けてその操作内容に応じた信号を制御部71に送る。
また、操作部74は、投入された紙幣や硬貨を選別してそれらの計数を行う選別機741を備えており、計数された紙幣又は硬貨の枚数の情報を制御部71に供給する。制御部71は、操作部74の選別機741から供給された情報に基づいて利用者が支払った料金の額を特定する。また、操作部74は、選別機741に加えて又は代えて、電子マネー等の情報が記憶されたICカードを読み書きするカードリーダライタ(図示せず)を有してもよい。
表示部75は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、制御部71の制御の下、画像を表示する。表示画面の上には、操作部74の透明のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。
記憶部72は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等の記憶手段であり、制御部71のCPUに読み込まれる各種のプログラム、データ等を記憶する。また、記憶部72は、料金DB721を記憶する。
<料金DBの構成>
図3は、記憶部72が記憶する料金DB721の一例を示す図である。料金DB721は、駐車場である施設Gの利用に応じた料金を算出するためのデータベースである。料金DB721は、駐車時刻表7211と、料金表7212とを含む。
駐車時刻表7211は、駐車場である施設Gに設けられた複数の車室をそれぞれ識別する車室IDと、その車室IDで識別される車室にいずれかの車両が駐車しはじめた時刻を示す駐車時刻と、を対応付けて記憶する。
料金表7212は、駐車時間の区分を示す駐車時間区分と、その駐車時間区分に示す時間の範囲内の駐車に対して定められた料金と、を対応付けて記憶する。
制御部71は、車両が車室に駐車しはじめた時刻である「駐車時刻」を取得して、その車室を示す車室IDに対応付けて、料金DB721の駐車時刻表7211に記憶する。駐車時刻は、例えば、図示しない駐車検知装置により検知される。
駐車検知装置は、例えば、車室の床面下に設けられたロードセルにより車室上に駐車された車両の重量を測定することで、その車室に駐車した車両の存在を検知してもよい。
また、駐車検知装置は、例えば、レーザー光の照射装置と受光装置とを備え、車室内に照射されたレーザー光の光路が車両によって遮られたことにより、その車室に駐車した車両の存在を検知してもよい。
制御部71は、駐車時刻表7211に記憶された駐車時刻からの経過時間に応じた料金を料金表7212に基づいて算出し、これに応じた料金の支払いがされたときに、この駐車時刻を駐車時刻表7211から削除する。
<情報処理装置の構成>
図4は、情報処理装置1の構成を示す図である。図4に示す情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を有する。この情報処理装置1は、施設Gの利用状況を管理する装置である。
制御部11は、CPU、ROM、RAMを有し、CPUがROM及び記憶部12に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより情報処理装置1の各部を制御する。
通信部13は、有線又は無線により第1通信回線3及び第2通信回線4にそれぞれ接続する通信回路である。図1に示した通り、情報処理装置1は、通信部13により第1通信回線3に接続されたサーバ装置2と情報をやり取りする。また、情報処理装置1は、通信部13により第2通信回線4に接続された測定装置5、端末装置6、又は精算装置7と情報をやり取りする。
記憶部12は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等の記憶手段であり、制御部11のCPUに読み込まれる各種のプログラム、データ等を記憶する。また、記憶部12は、車室DB121を記憶する。
<車室DBの構成>
図5は、記憶部12が記憶する車室DB121の一例を示す図である。車室DB121は、駐車場である施設Gが有する複数の車室と、その車室に対応付けて設けられた車外端末装置6A(図1参照)とを対応付けるデータベースである。車室DB121は、車室の識別情報を示す車室IDと、端末装置6の識別情報を示す端末装置IDと、を対応付けて記憶する。
例えば、車室ごとに測定装置5(図1参照)が設けられている場合、車室DB121は、図5に示す通り、車室IDと、測定装置5の識別情報である測定装置IDと、を対応付けて記憶してもよい。この場合、生体情報を測定した測定装置5は、自装置を示す測定装置IDを、生体情報とともに情報処理装置1に供給する。情報処理装置1の制御部11は、生体情報とともに取得した測定装置IDと、車室DB121に記憶されている測定装置IDと、を比較して、測定装置5において生体情報が測定された利用者の所在する車室を特定する。
また、車室DB121は、測定装置IDに加えて又は代えて、車室IDで識別される車室の施設G内における座標の情報を、車室IDに対応付けて記憶してもよい。この場合、測定装置5は、測定した生体情報を有する利用者の所在する座標を、その生体情報とともに情報処理装置1に供給する。情報処理装置1の制御部11は、生体情報とともに取得した座標と、車室DB121に記憶されている座標と、を比較して、測定装置5において生体情報が測定された利用者の所在する車室を特定する。
<サーバ装置の構成>
図6は、サーバ装置2の構成を示す図である。図6に示すサーバ装置2は、制御部21、記憶部22、及び通信部23を有する。このサーバ装置2は、複数の施設Gにおける未納者の生体情報の特徴を示す特徴量を記憶する装置である。
なお、サーバ装置2は、上述した特徴量として、測定装置5によって測定された未納者の生体情報そのものを記憶してもよい。
制御部21は、CPU、ROM、RAMを有し、CPUがROM及び記憶部22に記憶されているプログラムを読み出して実行することによりサーバ装置2の各部を制御する。
通信部23は、有線又は無線により第1通信回線3に接続する通信回路である。サーバ装置2は、通信部23により第1通信回線3に接続された情報処理装置1(図1参照)のそれぞれと情報をやり取りする。
記憶部22は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等の記憶手段であり、制御部21のCPUに読み込まれる各種のプログラム、データ等を記憶する。また、記憶部22は、特徴量DB221を記憶する。
<特徴量DBの構成>
図7は、記憶部22が記憶する特徴量DB221の一例を示す図である。特徴量DB221は、未納者表2211と、未納履歴2212とを有する。未納者表2211は、未納者を識別する未納者IDと、その未納者の特徴量と、を対応付けて記憶する表である。
未納履歴2212は、未納者表2211に記述される未納者IDごとに、その未納者IDで識別される未納者が料金を支払わなかった施設利用の履歴(未納履歴という)を記憶する表である。未納履歴は、未納者が料金を支払わなかった施設Gを示す施設IDと、その施設Gにおいて料金を支払わずに利用された車室を示す車室IDと、その利用の日時と、その利用に対して支払われなかった金額である未納額と、を対応付けたレコードである。
例えば、図6に示した制御部21は、情報処理装置1から未納者か否かを判定するよう要求された利用者の特徴量を取得すると、取得した特徴量との関係が、決められた条件を満たす特徴量を、特徴量DB221から検索する。この条件を満たした特徴量を特徴量DB221の未納者表2211から見つけた場合、制御部21は、その特徴量に対応付けられた未納者IDを特定し、特定した未納者IDに対応付けられている未納履歴2212を読み出して、未納額を集計する。そして制御部21は、集計した未納額を情報処理装置1に通知する。情報処理装置1は、サーバ装置2による未納額の通知により、利用者が未納者であるか否かを判定する。
また、制御部21は、情報処理装置1から、未納者の特徴量とともに、その未納者の履歴を記憶(登録)するよう指示を受けた場合、受け取った特徴量に対応付けられた未納者IDが未納者表2211に存在していれば、その未納者IDに対応する未納履歴2212に、この未納者の履歴を追加する。
一方、受け取った特徴量に対応付けられた未納者IDが未納者表2211に存在していなければ、制御部21は、未納者表2211に新たな未納者IDを割り当てたレコードを追加して、この新たな未納者IDに上述した特徴量を対応付けて記憶する。そして、制御部21は、新たな未納者IDに対応する未納履歴2212を生成し、この未納履歴2212に、この未納者の履歴を記憶する。
<端末装置の構成>
図8は、端末装置6の構成を示す図である。図8に示す端末装置6は、制御部61、記憶部62、通信部63、操作部64、及び表示部65を有する。この端末装置6は、施設Gにおいて未納者として特定された利用者に料金を請求する装置、又は料金の支払いの請求をする装置である。
制御部61は、CPU、ROM、RAMを有し、CPUがROM及び記憶部62に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより端末装置6の各部を制御する。
通信部63は、有線又は無線により第2通信回線4に接続する通信回路である。端末装置6は、通信部63により第2通信回線4に接続された情報処理装置1や他の端末装置6と情報をやり取りする。また、通信部63は、近距離無線通信の機能を備えていてもよい。通信部63は、特に近距離無線通信により他の端末装置6と情報をやり取りしてもよい。
操作部64は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル等の操作子を備えており、利用者による操作を受付けてその操作内容に応じた信号を制御部61に送る。
端末装置6の制御部61は、操作部64で利用者から操作を受付けたときに、通信部63及び第2通信回線4を介して、その操作を示す操作情報を情報処理装置1に供給してもよい。
表示部65は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、制御部61の制御の下、画像を表示する。表示画面の上には、操作部64の透明のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。また、表示部65は、発光するとともに回転して周囲にいる人物に警告を行う警告灯を有してもよい。端末装置6は、スピーカ等の、音声を出力する出力部を有してもよい。
記憶部62は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等の記憶手段であり、制御部61のCPUに読み込まれる各種のプログラム、データ等を記憶する。
なお、図1に示す端末装置6のうち車内端末装置6Bは、施設利用システム9に最初から備えられたものではなく、車両に搭載された端末装置である車載機が、第2通信回線4と接続したときに、施設利用システム9に加えられるものである。この車内端末装置6Bは、上述した車載機と第2通信回線4との接続が切れたときに、施設利用システム9から除外される。
情報処理装置1は、未納者の乗った車両を特定したときに、第1通信回線3に接続された外部装置(図示せず)に問い合わせて、特定したその車両の車内端末装置6Bの識別情報を取得する。そして、情報処理装置1は、取得したこの識別情報を用いて、車内端末装置6Bに指示を送ってもよい。
また、端末装置6のうち車外端末装置6Aは、決められた1つの車室に固定的に対応付けられなくてもよく、例えば、移動可能に構成され、その移動に伴って対応する車室が変化してもよい。車外端末装置6Aは、例えば、ドローンや車輪付き自走装置等、自律型の移動装置に設けられてもよい。
この場合、例えば、車外端末装置6Aから周期的に通知される位置の情報や、車外端末装置6Aの移動のスケジュールを示す情報等により、情報処理装置1が車外端末装置6Aの現在の位置を把握していればよい。この情報処理装置1は、未納者の所在するいずれかの車室が特定されたときにその車室の位置に対応する位置(例えば、最も近い位置)に所在する車外端末装置6Aを特定する。
また、図8に示す端末装置6は、操作部64及び表示部65のいずれかを有しなくてもよい。
<情報処理装置の機能的構成>
図9は、情報処理装置1の機能的構成を示す図である。
制御部11は、上述のプログラムを実行することにより、取得部111、抽出部112、送信部113、受信部114、判定部115、及び指示部116として機能する。
取得部111は、測定装置5が測定した、施設Gの利用者の生体情報を取得する。
抽出部112は、取得部111が取得した生体情報から、その生体情報の特徴を示す特徴量を抽出する。
測定装置5が測定した生体情報が、利用者の全身を撮像した画像を示す画像データである場合、抽出部112は、例えば、その画像における局所領域の輝度勾配についてのヒストグラムを算出して画像に写った人物の特徴を表す、HOG(Histograms of Oriented Gradients)特徴量を抽出してもよい。測定された生体情報から特徴量を抽出する手法としては様々な手法が実用化されており、それらのいずれが採用されてもよい。
送信部113は、取得した生体情報から抽出された特徴量をサーバ装置2に送信し、この生体情報を有する利用者についての過去の未納額の情報を要求する。
受信部114は、サーバ装置2に要求した未納額の情報を受信する。
判定部115は、上述した生体情報を有する利用者についての過去の未納額の情報に基づき、利用者が未納者であるか否かを判定する。判定部115は、利用者についての過去の未納額が存在すれば、この利用者を未納者と判定する。
また、判定部115は、車室DB121を参照し、例えば、生体情報とともに取得した座標や生体情報とともに取得した測定装置ID等に基づいて、生体情報が測定された利用者の所在する車室を特定する。そして、判定部115は、精算装置7に問い合わせて、特定した車室の利用に対する未払いの料金が有るか否かを判定する。
指示部116は、取得した生体情報を有する利用者が未納者であると判定した場合、この未納者が所在する車室に応じた端末装置6に、料金の請求をするよう指示する。
また、外部から制御可能な自動運転車等の車両に未納者が搭乗している場合に、指示部116は、その車両に搭載された車内端末装置6B(図1参照)に向けて、料金の請求等に加えて又は代えて、車両の走行を禁止するよう指示してもよい。走行を禁止するとは、例えば、車両のエンジンがかからないようにして、その車両が走行できないようにすること、である。
例えば、精算装置7を介して施設Gの今回の利用料金と過去の未納料金とが未納者によって支払われると、精算装置7は、その情報を情報処理装置1に伝える。情報処理装置1の判定部115は、精算装置7から、未納者の精算の情報を受け取って、未納料金がなくなったため、利用者が未納者ではなくなった、と判定すると、送信部113にその旨を伝える。このとき、送信部113は、サーバ装置2に対して、未納料金を全て支払った利用者の情報を特徴量DB221から削除するよう指示する。
一方、利用者が、精算装置7を介して施設Gの今回の利用料金や過去の未納料金を支払わずに施設Gを出たとき、精算装置7は、この利用者に未納料金があることを情報処理装置1に伝える。判定部115は、この利用者が未納者であると判定し、送信部113にその旨を伝える。このとき、送信部113は、サーバ装置2に対して、この利用者を未納者として、未納履歴を特徴量DB221に登録するよう指示する。
この構成により、情報処理装置1を有する施設利用システム9は、施設の利用者の生体情報と、料金の未納者の生体情報と、を用いて利用者が料金の未納者であると判定した場合、利用者に未納料金を請求する施設利用システムとして機能する。
施設Gは、例えば、電車の駅や、バス、船等、他の交通機関の施設であってもよい。また、施設Gは、映画館やコンサートホール等、交通機関以外の施設であってもよい。
図10は、ゲート端末装置6Cが未納者に請求を行う様子の例を示した図である。図10に示す施設Gは、利用客がゲートを経由して出入りする駅や遊園地等である。この施設Gは、壁Wにより隔てられたエリアRaとエリアRbとを有し、壁Wのない部分には、エリアRaからエリアRbに移動するための通路が設けられている。
図1に示した端末装置6は、図10において、上述した通路に設けられたゲートの開閉を制御するゲート端末装置6Cである。ゲートが開放されたとき、利用者Uはこの通路を通過してエリアRaからエリアRbに移動することができる。ゲートが閉鎖されたとき、利用者Uはこのゲートによって通過を阻止され、エリアRaからエリアRbに移動することができない。
例えば、エリアRbは、駅や遊園地等、利用者Uがサービスを受けるための領域であり、エリアRaは、その外側の領域であって、利用者Uがサービスを受けない領域である。
利用者Uは、施設GのエリアRbにおいてサービスを受けるために、エリアRaに設置された精算装置7に硬貨等を投入してサービスの対価を支払う。そして、利用者Uは、いずれかのゲート端末装置6Cの通路を通過してエリアRbに入ろうとする。
撮像装置5Aは、施設Gにおいていずれかの通路を通過しようとする利用者Uの姿を撮像して、その姿を示す画像データを利用者Uの生体情報として情報処理装置1に送る。
情報処理装置1は、取得した画像データから利用者Uの特徴量を抽出し、その特徴量をサーバ装置2(図1参照)に送信して、利用者Uの検索を要求する。サーバ装置2は、情報処理装置1から送信された特徴量を、記憶している未納者の生体情報の中から検索して、その検索の結果を情報処理装置1に応答する。そして、情報処理装置1は、サーバ装置2からの応答に基づいて、利用者Uが未納者であるか否かを判定する。
情報処理装置1は、利用者Uが未納者であると判定した場合、利用者Uの位置の情報に基づいて、利用者Uが通過しようとしているゲートを制御するゲート端末装置6Cを特定し、このゲート端末装置6Cに支払いの請求をするよう指示する。
図11は、ゲート端末装置6Cの表示部65に表示される請求の例を示した図である。この表示部65には図11に示す通り「このゲートは過去の利用料金未納のため通過できません。××遊園地にて△年△月△日に利用した利用料金が支払われていませんので、精算機にてお支払いください。料金は◎◎◎◎円です。」といった請求文が表示される。
<情報処理装置の動作>
図12は、情報処理装置1が生体情報を取得したときの動作の流れを示すフロー図である。
情報処理装置1の制御部11は、測定装置5から利用者の生体情報を取得すると、取得した生体情報から特徴量を抽出する(ステップS201)。
制御部11は、抽出した特徴量をサーバ装置2に送信して、上述した生体情報を有する利用者の検索を要求する(ステップS202)。制御部11は、サーバ装置2からの応答に基づいて、上述した利用者が未納者であるか否かを判定する(ステップS203)。
上述した利用者が未納者でないと判定した場合(ステップS203;NO)、制御部11は、処理を終了する。
一方、上述した利用者Uが未納者であると判定した場合(ステップS203;YES)、制御部11は、この未納者の所在する位置を特定する。そして、制御部11は、その位置に基づいてこの未納者が通過しようとしているゲートを特定し(ステップS204)、このゲートを開閉するゲート端末装置6Cに対し、支払いの請求をするように指示する(ステップS205)。この指示をされたとき、ゲート端末装置6Cは、自装置が開閉を制御するゲートにおいて未納者と判定された利用者Uに対して支払いの請求(図11参照)をするとともに、ゲートを閉鎖してこの利用者Uの通過を阻止する。
制御部11は、精算装置7に問い合わせて、上述した未納者から未納料金の支払いがあったか否かを確認する(ステップS206)。上述した未納者から未納料金の支払いがあったと判定した場合(ステップS206;YES)、制御部11は処理を終了する。一方、上述した未納者から未納料金の支払いがなかったと判定した場合(ステップS206;NO)、制御部11は、サーバ装置2に未納者の履歴を記憶するよう指示する(ステップS207)。
以上、説明した動作によれば、駅や遊園地等のサービスを受けようとする利用者Uが未納者である場合に、サービスを受ける前に利用者Uの入場を阻止することができる。要するに、施設利用システム9は、施設の利用者の生体情報と、料金の未納者の生体情報と、を用いて利用者が料金の未納者であると判定した場合、この利用者に未納料金を請求する施設利用システムであればよい。
なお、上述した例では、図10に示すようにエリアRbがサービスを受けるための領域であり、エリアRaがその外側の領域であったが、サービスを受けるための領域がエリアRaであり、その外側の領域がエリアRbであってもよい。
この場合、利用者UはエリアRaでサービスを受けた後に、その外側であるエリアRbに出ようとして通路を通過しようとする。撮像装置5Aは、外側に出ようとする利用者Uの姿を撮像し、その姿が写った画像を示す画像データを情報処理装置1に送る。
情報処理装置1は、画像データから利用者Uの特徴量を抽出し、サーバ装置2に利用者Uが未納者であるか否かを問い合わせる。そして、情報処理装置1は、利用者Uが未納者であると判定すると、ゲート端末装置6Cに指示してゲートを閉鎖させ、利用者Uに対して支払いの請求を行わせればよい。この場合、エリアRaでサービスを受けた未納者である利用者Uは、未納料金を支払うまでエリアRaから出られない。
また、撮像装置5Aは、通路を通過しようとする利用者Uの姿のほか、精算装置7にサービスの対価を支払っている利用者Uの姿を撮像して、その姿を示す画像データを情報処理装置1に送ってもよい。
この場合、情報処理装置1は、サーバ装置2からの応答に加えて、精算装置7の前にいる時に撮像された利用者Uの画像を示す画像データに基づいて、この利用者Uが未納者であるか否かを判定してもよい。
また、上述したゲート端末装置6Cは、ゲートの開閉をする機能を有していたが、端末装置6は、利用者Uへサービスの提供の可否を決定する他の機能を有してもよい。端末装置6は、例えば、利用者Uが座ってサービスを享受するための変形シートの形状を制御する装置であってもよい。変形シートとは、例えば、背もたれと座面とを連結する蝶番を中心にして折りたたむことが可能な椅子等である。利用者Uが未納者であると判定した情報処理装置1から未納料金の支払いの請求をするよう指示されたとき、端末装置6は、例えば上述した変形シートを変形させて利用者Uが座れないようにすればよい。
<施設利用システムの動作>
施設Gは、上述した通り、交通機関の施設であってもよい。以下、有料の駐車場である施設Gに適用される施設利用システム9について説明する。図13は、施設利用システム9の各構成のやり取りの一例を示すシーケンス図である。測定装置5は、有料の駐車場である施設Gの利用者の生体情報を測定すると(ステップS101)、測定した生体情報を情報処理装置1に送信する(ステップS102)。
情報処理装置1は、測定装置5から取得した生体情報から特徴量を抽出し(ステップS103)、サーバ装置2にこの特徴量を送信して、この生体情報を有する利用者が未納者であるか否かを問い合わせ、未納者である場合の未納額の集計を要求する(ステップS104)。
サーバ装置2は、特徴量DB221を参照して、送信された特徴量に基づき、情報処理装置1が取得した生体情報を有する利用者を検索する(ステップS105)。この生体情報を有する利用者が特徴量DB221に未納者として登録されている場合、サーバ装置2は、その未納者の未納額を集計して情報処理装置1に通知する。この生体情報を有する利用者が未納者として登録されていない場合、サーバ装置2は、その旨を情報処理装置1に通知する(ステップS106)。
情報処理装置1は、サーバ装置2の応答に基づいて、測定装置5から取得した生体情報を有する利用者が未納者であるか否かを判定する(ステップS107)。情報処理装置1は、精算装置7からこの利用者が所在する車室を示す車室IDを取得する(ステップS108)。
情報処理装置1は、ステップS107において上述した利用者が未納者であると判定した場合に、ステップS108で取得した車室IDで示される車室に駐車している車両を未納者の車両として特定する(ステップS109)。
情報処理装置1は、未納者の車両の位置に応じた端末装置6に向けて料金を請求するよう指示をする(ステップS110)。この指示は、例えば、精算装置7から取得した車室IDで示される車室に応じた車外端末装置6Aや、特定した未納者の車両に搭載された車内端末装置6Bに送信される。また、情報処理装置1は、車外端末装置6Aに指示を送り、この指示を受けた車外端末装置6Aが、例えば近距離無線通信によって車内端末装置6Bに指示を送ってもよい。
端末装置6は、情報処理装置1から受け取った指示に応じて、未納者と判定された利用者に対し、例えば、支払いの請求文を表示し(ステップS111)、料金の請求をする。
また、端末装置6は、未納者の車両を制御可能な場合に、その車両の走行を禁止する制御をする(ステップS112)。
情報処理装置1は、上述した未納者の車両が駐車している車室に対する支払いの情報を精算装置7から取得し(ステップS113)、その支払いの有無を判定する(ステップS114)。支払いがなかったと判定した場合、情報処理装置1は、サーバ装置2に向けて、上述した未納者からの支払いがなかったことを通知する(ステップS115)。サーバ装置2は、この未納者が支払わなかった未納額を利用の履歴とともに記憶する(ステップS116)。
図14は、情報処理装置1が生体情報を取得したときの動作の流れを示すフロー図である。図14で、施設Gは有料の駐車場である。
図14に記載されたステップのうち、図12に示したものについては、同じ符号が付され、その説明が省かれる。
ステップS203において、情報処理装置1の制御部11は、サーバ装置2からの応答に基づいて、上述した利用者Uが未納者であるか否かを判定し、利用者Uが未納者でないと判定した場合(ステップS203;NO)、処理を終了する。
一方、上述した利用者が未納者であると判定した場合(ステップS203;YES)、制御部11は、この未納者の所在する位置を特定して、その位置に基づいてこの未納者の車両を特定し(ステップS301)、この車両に向けて支払いの請求を指示する(ステップS302)。そして、制御部11は、処理をステップS206に進める。
図15は、端末装置6(図1参照)が未納者に請求を行う様子の例を示した図である。図15に示す例で、端末装置6は、駐車場である施設Gにおいて車室ごとに設置された車外端末装置6Aである。図15では、測定装置5(図1参照)が生体情報の収集を行う様子の例を示している。駐車場である施設Gに設置された撮像装置5Aは、施設Gの利用者Uの姿を撮像して、その姿を示す画像データを利用者Uの生体情報として情報処理装置1に送る。
また、測定装置5は、例えば利用者が車室に駐車された車両に乗り込んだ、又はその車両から降りたときに利用者の生体情報を測定してもよい。利用者が未納者である場合に、情報処理装置1が、未納者の乗り込んだ、又は降りた車両に搭載されている車内端末装置6B(図1参照)に未納料金を請求するよう指示をすることで、他の端末装置6で料金を請求するよりも、未納者がその請求に気づき易くなる。
ここで、利用者が乗り込んだ、又は降りた車両により、未納額が発生していることが判明している場合、情報処理装置1は、この利用者を未納者として特定してもよい。この場合、施設利用システム9(図1参照)は、駐車場の利用者であって、駐車料金が未納の車両に乗った利用者又はこの車両から降りた利用者を未納者として特定する施設利用システムの一例である。
さらに、情報処理装置1は、利用者が乗り込んだ、又は降りたときに開け閉めをしたドアや、利用者が車両の内部で着席する位置等の情報から、利用者の乗車位置を特定してもよい。そして、情報処理装置1は、利用者がその車両において決められた乗車位置に乗車した場合、利用者が運転者であると特定してもよい。この場合、施設利用システム9は、車両における利用者の乗車位置に基づいて、この車両の運転者を特定する施設利用システムの一例である。
情報処理装置1は、例えば、利用者が未納者であると判定された場合であっても、運転者として特定されなかった場合には料金の請求を指示しなくてもよい。また、複数人が搭乗した車両による施設Gの利用に対して料金が支払われなかった場合に、情報処理装置1は、その車両の運転者の生体情報に対応付けて未納履歴をサーバ装置2に記憶させてもよい。
情報処理装置1は、利用者Uの位置の情報に基づいて、利用者の所在する車室を精算装置7(図1参照)に問い合わせる。図15に示す例で、情報処理装置1は、利用者Uが所在する車室の番号として「2」と書かれた車室を特定し、この車室の位置に応じて設置された車外端末装置6Aを特定して、この車外端末装置6Aに支払いの請求をするよう指示する。この場合、施設利用システム9は、未納者の車両の位置を特定し、この位置に応じた場所に設置された端末から未納料金の請求を行う施設利用システムの一例である。
その結果、図15に示す通り、車外端末装置6Aの表示部65のうち、上部に設けられた警告灯が点灯し、車室向きの側面に設けられた液晶ディスプレイには支払いの請求を示す文章・画像等が表示される。また、車外端末装置6Aに音声を出力する出力部が備えられている場合、利用者Uに向けての請求は、音声によって伝えられてもよい。
また、端末装置6は、利用者Uの車両に搭載された車内端末装置6Bであってもよい。図16は、車内端末装置6Bが未納者に請求を行う様子の例を示した図である。図16に示す通り、車内端末装置6Bの表示部65は、車両の内装のうち、例えばダッシュボードやインストルメントパネル等、運転席等から見える部位に設けられている。図17は、車内端末装置6Bの表示部65に表示される請求の例を示した図である。
情報処理装置1(図1参照)は、利用者Uが所在する車室を特定し、この車室に駐車されている車両を特定する。そして、情報処理装置1は、例えば、その車両に搭載された車内端末装置6B(図1参照)を特定し、この車内端末装置6Bに向けて、支払いの請求をするよう指示する。
車室に駐車されている車両の特定には、撮像装置5A(図1参照)等で撮像された車両の画像が用いられてもよい。この場合、車両の画像から、車両の特徴量が抽出されてもよいし、車両に割り振られたナンバープレートに記載されている車両番号が抽出されてもよい。
また、車両に、その車両を識別する識別情報を示した信号を発信するビーコン等の発信機が取り付けられている場合、情報処理装置1は、この発信機から発信される信号を受信して車両を特定してもよい。
また、車両には車両に乗った利用者の情報を取得するセンサ等の取得装置と、さらに、取得装置が取得した情報を外部のサーバ装置に転送する転送装置と、が備えられていてもよい。取得装置は、例えば、利用者が車両に乗ったことを検知したタイミングや、利用者が車両に対して操作をしたタイミング等に利用者の情報(生体情報や氏名・年齢・性別等の情報)を取得する。転送装置は、取得装置が情報を取得したタイミングや、周期的なタイミングで例えば無線通信によりサーバ装置にその情報を転送する。
情報を転送されたサーバ装置は、例えば第1通信回線3(図1参照)を介して情報処理装置1と通信可能に接続されている。情報処理装置1は、このサーバ装置に問い合わせて、車両の利用者の情報を取得し、未納者を確認すればよい。この場合、施設利用システム9は、車両の利用者の情報をこの車両から収集するサーバ装置に問い合わせて、未納者を確認する施設利用システムの一例である。
この構成によれば、未納者として特定された利用者の生体情報と、その利用者の氏名等の情報とが対応付けられる。特に、車両に備えられた取得装置が、車両を運転する運転者の情報を取得する場合、情報処理装置1は、運転者の生体情報と、サーバ装置から取得した運転者の情報と、を関連付けることができる。
図16に示す車内端末装置6Bは、上述した請求の指示を情報処理装置1(図1参照)から、直接に、又は車外端末装置6A(図1、図15参照)を介して受け取ると、表示部65に図17に示す請求文を表示させ、未納者である利用者Uに対して料金を請求する。利用者は、例えば、図17に示す通り、過去の未納の履歴とその未納額とを示した支払いの請求を受け、駐車料金未納のため発進できないことを告げられる。この場合、施設利用システム9(図1参照)は、未納者の乗った車両を特定し、この車両に搭載された端末から請求を行う施設利用システムの一例である。
なお、この車内端末装置6Bが、未納者の車両を制御可能な場合に、情報処理装置1は、この車内端末装置6Bに対し、料金の請求に加えて又は代えて、この車両の走行を禁止する制御を指示してもよい。この指示により車内端末装置6Bがこの車両の走行を禁止すると、この車両は施設Gの外に出場することを阻止される。この場合、施設利用システム9は、未納者の乗った車両を特定し、この車両の駐車場からの出場を阻止する施設利用システムの一例である。
その後、制御部11(図4参照)は、利用者Uによる未納料金の支払いの有無を確認し、この支払いがなかったと判定した場合に、サーバ装置2に未納者の履歴を記憶するよう指示する。
以上の動作により、施設利用システム9は、未納者の生体情報に基づいて料金を請求するので、例えば、ナンバープレートが変更される場合や、カーシェアリングが利用される場合等、車両と未納者との関係が変化する場合であっても、未納者を特定することができる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ及び配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は組み合わされてもよい。
<変形例1>
上述した実施形態において、図1に示す施設利用システム9は、1台のサーバ装置2を有していたが、複数のサーバ装置2Aで構成されるサーバ装置群でサーバ装置2の機能を提供してもよい。
図18は、変形例における施設利用システム9Aの構成を示す図である。図18に示す施設利用システム9Aでは、1台のサーバ装置2に代えて、サーバ装置群2Cが備えられている。
サーバ装置群2Cは、複数のサーバ装置2Aと、少なくとも1台のゲートウェイ装置2Bと、これらを繋ぐ第3通信回線2Nと、を有する。
第3通信回線2Nは、インターネット等の公衆が利用可能な通信回線である。ゲートウェイ装置2Bは、第3通信回線2Nを介して、例えばVPN(Virtual Private Network)等と呼ばれる仮想的な専用回線を構築して、第1通信回線3に対してサーバ装置2Aの機能の提供を仲介する装置である。
この場合、複数のサーバ装置2Aのうち、トラブル等によって、いずれかが機能しなくても、サーバ装置群2Cは、上述した施設利用システム9Aにおけるサーバ装置2Aに相当する機能を提供する。
<変形例2>
上述した実施形態において、図10や図15に示した撮像装置5Aは、利用者の全身を示す画像を撮像していたが、指や瞳等、利用者の身体の一部を示す画像を撮像してもよい。この場合、例えば、利用者が施設Gに設置されたドアを開けるときに指で触れるドアノブに撮像装置5Aを設置し、この撮像装置5Aが利用者の指を撮像してもよい。例えば、利用者の指を示す画像からは指紋の情報が抽出されてもよい。
また、利用者が施設Gを利用する際に通行する通路に撮像装置5Aを設置し、この撮像装置5Aが利用者の瞳を撮像してもよい。例えば、利用者の瞳を示す画像からは虹彩の情報が抽出されてもよい。
また、上述した実施形態において、測定装置5(撮像装置5A、収音装置5B等)は、利用者を示す画像を撮像し、又は、利用者に由来する音声を収音することで、利用者の生体情報を測定していたが、利用者に関する他の生体情報を測定してもよい。例えば、測定装置5は、利用者の体重の移動を、例えばロードセル等を用いて測定してもよい。例えば、利用者の体重の移動を示す情報からは、歩容解析に用いられる情報が抽出されてもよい。
また、測定装置5は、利用者の身体から分泌される物質を測定してもよいし、利用者の身体から発される信号を測定してもよい。測定装置5は、利用者の身体に触れずに利用者の生体情報を測定してもよいし、利用者の身体に触れて利用者の生体情報を測定してもよい。また、測定装置5は、心拍計、脈拍計、歩数計、活動量計等の利用者が所有して身体に装着するウェアラブル装置であってもよい。測定装置5は、これら複数の生体情報を測定して情報処理装置1に送信してもよい。情報処理装置1は、測定装置5から取得した複数の生体情報の組み合わせから特徴量を抽出し、サーバ装置2にこの特徴量を送信して問い合わせ、サーバ装置2の応答に基づいて、利用者が未納者であるか否かを判定してもよい。
<変形例3>
上述した実施形態において、図2に示す精算装置7は、表示部75を有していたが、これを有していなくてもよい。この場合、精算装置7は、通信部73を介して、表示機能を備えた外部装置に画像を表示させればよい。また、精算装置7は、利用者に向けた案内を、音声によって行うスピーカや、点字形成によって行う点字ディスプレイ等の出力部を有してもよい。
<変形例4>
情報処理装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどの通信回線経由でダウンロードさせることも可能である。なお、上述した制御部11によって例示した制御手段としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサなどが用いられる。