JP7242034B2 - フラボノール配糖体含有組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のフラボノール配糖体を含有する組成物、及びその製造方法等に関する。
茶(カメリアシネンシス(Camellia sinensis))には、フラボノールであるケンフェロール、ケルセチン、ミリセチをアグリコンとする配糖体が含まれている。しかしながらその含量はカテキンやカフェインに比べると少なく、茶のマイナー成分とされている。
フラボノールの配糖体のうち一配糖体や二配糖体についてはこれまでに機能性の報告があるが、三配糖体については機能性については未解明の点が多い。
Shingo WADA, et al. : Glycosidic Flavonoids as Rat-Liver Injury Preventing Compounds from Green Tea. Biosci. Biotechnol. Biochem. 64: 2262―2265 (2000) Do Thi Ha, et al. : The selected flavonol glycoside derived from Sophorae Flos improves glucose uptake and inhibits adipocyte differentiation via activation AMPK in 3T3-L1 cells. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 20: 6076―6081 (2010)
本発明は、フラボノール三配糖体の新規機能の解明を主な目的とする。
本発明者らは、フラボノール三配糖体の中でも、ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]が優れた中性脂肪低下効果を奏することを見出した。また、当該フラボノール三配糖体を茶から効率よく抽出する方法についても見出した。そして、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
(1)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]を含有する、血中中性脂肪低下用若しくは上昇抑制用組成物。
項2.
以下の(1)~(4)のフラボノール配糖体の質量含有量のうち、(1)の含有量が最も多い、項1に記載の組成物。
(1)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]
(2)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]
(3)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]
(4)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]
項3.
(2)が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(2)が2以上である、項2に記載の組成物。
項4.
(4)が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(4)が2以上である、項2又は3に記載の組成物。
項5.
(3)が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(3)が1以上である、項2~4のいずれかに記載の組成物。
項6.
(2)が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(2)が10以上である、項2~5のいずれかに記載の組成物。
項7.
(1)~(4)が、茶品種そうふう又はさえみどりの茶葉由来である、項1~6のいずれかに記載の組成物。
項8.
経口組成物である、項1~7のいずれかに記載の組成物。
項9.
医薬品組成物又は食品組成物である、項1~8のいずれかに記載の組成物。
項10.
以下の(1)~(4)のフラボノール配糖体の質量含有量のうち、(1)の含有量が最も多い、茶葉抽出組成物。
(1)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]
(2)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]
(3)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]
(4)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]
項11.
(1)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]とカフェインとの含有質量比((1)/カフェイン)が、0.25以上である、茶葉抽出組成物。
項12.
(1)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]とカフェインとの含有質量比((1)/カフェイン)が、0.25以上である、項10に記載の茶葉抽出組成物。
項13.
以下の(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)からなる群より選択される少なくとも1つの条件を満たす、項10~12のいずれかに記載の組成物。
(i):(2)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(2)が2以上である
(ii):(4)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(4)が2以上である
(iii):(3)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(3)が1以上である
(iv):(2)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(2)が10以上である
項14.
品種そうふう及び/又はさえみどりの茶葉を水抽出することを含む、項10~13のいずれかに記載の組成物の製造方法。
項15.
水抽出が、1時間以上茶葉を水に浸すことを含む、項14に記載の製造方法。
フラボノール三配糖体により、効率よく血中中性脂肪を低下若しくは上昇抑制する手段が提供される。
やぶきた種乾燥茶葉を80℃の水で1時間抽出して得た抽出液のHPLCクロマトグラム(UV235nm)を示す。 やぶきた種乾燥茶葉を80℃の水で1時間抽出して得た抽出液のHPLCクロマトグラム(UV350nm)を示す。 そうふう種乾燥茶葉を80℃の水で1時間抽出して得た抽出液のHPLCクロマトグラム(UV235nm)を示す。 そうふう種乾燥茶葉を80℃の水で1時間抽出して得た抽出液のHPLCクロマトグラム(UV350nm)を示す。 そうふう種乾燥茶葉を4℃の水で2時間抽出して得た抽出液のHPLCクロマトグラム(UV235nm)を示す。 そうふう種乾燥茶葉を4℃の水で2時間抽出して得た抽出液のHPLCクロマトグラム(UV350nm)を示す。
以下、本発明に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。本発明は、ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]を含む組成物、及びその製造方法等を好ましく包含するが、これらに限定されるわけではなく、本発明は本明細書に開示され当業者が認識できる全てを包含する。
本発明に包含される組成物は、ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]を含む。当該組成物を、「本発明の組成物」ということがある。当該組成物は、中性脂肪低下用若しくは上昇抑制用として好ましく用いることができる。
ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]は、グルコース-ラムノース-グルコースの3つの糖が直鎖状に結合したケルセチン配糖体である。その化学構造式を以下に示す。
Figure 0007242034000001
なお、本明細書においては、フラボノール三配糖体のうち、ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]のことを、ケルセチントリグリコシドA、QTG-A、又は配糖体(1)と表記することがある。また、ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]のことを、ケルセチントリグリコシドB、QTG-B、又は配糖体(2)と表記することがある。また、ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]のことを、ケンフェロールトリグリコシドA、KTG-A、又は配糖体(3)と表記することがある。また、ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]のことを、ケンフェロールトリグリコシドB、KTG-B、又は配糖体(4)と表記することがある。
本発明の組成物に含まれる配糖体(1)は、合成品であっても、自然界に存在するものを抽出及び精製したものであってもよい。公知の方法又は公知の方法より容易に想到できる方法により合成して得ることができる。自然界から得る場合には、例えば配糖体(1)は茶(カメリアシネンシス(Camellia sinensis))に存在しており、茶から抽出(及び必要に応じて精製)して得ることができる。より詳細には、例えば茶から水、エタノール、又はこれらの混合液により抽出を行って得ることができる。当該抽出液としては、特に水が好ましい。また、必要に応じてさらに得られた抽出液をさらに分画及び/又は精製してもよい。分画は、例えばカラムクロマトグラフィー(特にイオン交換樹脂カラムクロマトグラフィー及び/又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー)や、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行うことができ、特にHPLCを用いることが好ましい。また、抽出に供する茶の部分も特に制限はされないが、特に葉(茶葉)が好ましい。なお、抽出に供する茶の品種も、特に制限はされないが、例えば「そうふう」又は「さえみどり」が好ましい。
また、本発明の組成物には、配糖体(1)以外のフラボノール三配糖体が含まれていてもよく、この場合、特に配糖体(2)~(4)が含まれていることが好ましい。ただし、本発明の組成物においては、配糖体(1)~(4)の各質量含有量のうち、配糖体(1)の含有量が最も多いことが好ましい。 またさらに、配糖体(2)が含まれないか、あるいは質量比で配糖体(1)/配糖体(2)が2以上で含まれることが好ましい。特に制限はされないが、当該質量比は、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上であることがより好ましい。当該質量比の上限は特に制限されないが、例えば100000以下の整数のいずれかの数が挙げられる。またさらに、配糖体(3)が含まれないか、あるいは質量比で配糖体(1)/配糖体(3)が1以上又は2以上で含まれることが好ましい。当該質量比の上限は特に制限されないが、例えば100000以下の整数のいずれかの数が挙げられる。またさらに、配糖体(4)が含まれないか、あるいは質量比で配糖体(1)/配糖体(4)が2以上で含まれることが好ましい。当該質量比の上限は特に制限されないが、例えば100000以下の整数のいずれかの数が挙げられる。
特に制限はされないが、本発明の組成物としては、配糖体(1)~(4)が含まれ、これらの中で配糖体(1)の質量含有量が最も多く、質量比(1)/(2)が2以上であり、質量比(1)/(3)が1以上であり、且つ質量比(1)/(4)が2以上であるものがさらに好ましい。また、配糖体(1)~(4)が含まれ、これらの中で配糖体(1)の質量含有量が最も多く、質量比(1)/(2)が5以上であり、質量比(1)/(3)が1以上であり、且つ質量比(1)/(4)が2以上であるものや、あるいは、配糖体(1)~(4)が含まれ、これらの中で配糖体(1)の質量含有量が最も多く、質量比(1)/(2)が2以上であり、質量比(1)/(3)が2以上であり、且つ質量比(1)/(4)が2以上であるものが、よりさらに好ましい。
前述の通り、本発明の組成物は、血中の中性脂肪量の低下のため若しくは上昇抑制のために好ましく用いることができる。本発明の組成物の摂取経路としては、例えば経口摂取及び経血管(特に経静脈)摂取が好ましく例示され、特に経口摂取が好ましい。本発明の組成物を摂取する対象者としては、特に制限されない。例えば、中性脂肪が高め、中性脂肪を下げたい、高脂血症(脂質異常症)、又は肥満等に該当する対象が好ましい。また、対象としては、ヒトのみならず、非ヒト哺乳動物にも用いることができる。特にペット及び家畜として飼育される哺乳動物が好ましい。具体的には、イヌ、ネコ、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウサギ、マウス、ラット、ラクダ、リャマ等が例示できる。
本発明の組成物に含まれる配糖体(1)の量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定することができる。例えば、好ましくは0.0005~100質量%、より好ましくは0.005~90質量%、さらに好ましくは0.05~80質量%である。なお、下限は0.1質量%、0.5質量%、1質量%、1.5質量%、2質量%、又は2.5質量%程度であってもよい。また上限は5質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、又は70質量%程度であってもよい。
また本発明の組成物の摂取量も、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限はされない。例えば、配糖体(1)の量が成人一日あたり1~100mg程度、好ましくは2~50mg程度、より好ましくは5~30mg程度となるように調整することができる。
また、本発明の組成物は、例えば、医薬分野及び食品分野で好ましく用いられる。当該組成物は、配糖体(1)及び他の成分(例えば各種基剤、担体、添加剤等)を含む組成物であり得る。なお、配糖体(1)は合成品又は自然化からの単離精製品を用いることができる他、配糖体(1)を含有する茶葉抽出物を本発明に用いることもできる。当該茶葉抽出物については、下に詳述する。
本発明の組成物を医薬分野(医薬品及び医薬部外品を含む)にて用いる場合、当該組成物(以下「本発明に係る医薬組成物」と記載することがある)は、例えば、配糖体(1)又は茶葉抽出物に、必要に応じて薬学的に許容される基剤、担体、添加剤(例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶剤、甘味剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、保湿剤、保存剤、pH調整剤、粘稠化剤等)等を配合することができる。このような基材、担体、添加剤等は、例えば医薬品添加物辞典2016(株式会社薬事日報社)等に具体的に記載されており、例えばこれに記載されるものを用いることができる。また製剤形態も特に制限されず、常法により有効成分及びその他の成分を混合し、例えば錠剤、被覆錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ゼリー剤、チュアブル剤、ソフト錠剤等の製剤に調製することができる。例えば、錠剤の製造は打錠法により行い得る。混合した原料をそのまま打錠する直接打錠法、混合した原料を顆粒にしてから打錠する顆粒打錠法、のいずれも用い得る。また例えば、カプセル剤の場合はソフトカプセル及びハードカプセルのいずれであってもよい。
本発明の学習記憶能力増強組成物を食品組成物(例えば飲食品や食品添加物)として用いる場合、当該組成物(以下「本発明に係る食品組成物」と記載することがある)は、例えば、配糖体(1)又は茶葉抽出物に、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤、その他飲食品として利用され得る成分・材料等が適宜配合されたものであり得る。好ましくは、配糖体(1)を含む、中性脂肪低下用若しくは上昇抑制用の加工食品、飲料、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能性食品、機能性表示食品、又は病者用食品(病院食、病人食又は介護食等)等の食品組成物が例示できる。特に制限はされないが、当該食品組成物に配合される配糖体(1)が生体抽出物(特に茶葉抽出物)である場合は、例えば当該抽出物が配合された加工食品、健康食品、栄養機能食品、特定保健用食品、サプリメント、病者用食品等であってもよい。また、配糖体(1)を例えば粉末状にする等して、飲料類(ジュース等)、菓子類、パン類、スープ類(粉末スープ等を含む)、加工食品等の各種飲食品に含有させたものであってもよい。なお、本発明に係る食品組成物は、近い将来に血中中性脂肪値が高まるおそれが予測される場合に、予防的に用いることもできる。また、病院食とは病院に入院した際に供される食事であり、病人食は病人用の食事であり、介護食とは被介護者用の食事である。本発明に係る食品組成物は、特に入院、自宅療養等されている患者、あるいは介護を受けられている患者であって学習記憶能力低下を感じている対象者用の病院食、病人食又は介護食として好ましく用いることができる。健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品等)、サプリメントとして、本発明に係る食品組成物を調製する場合は、継続的な摂取が行いやすいように、例えば顆粒、カプセル、錠剤(チュアブル剤等を含む)、飲料(ドリンク剤)等の形態に調製することが好ましく、なかでもカプセル、タブレット、錠剤の形態が摂取の簡便さの点からは好ましい。ただし、特にこれらに限定されるものではない。顆粒、カプセル、錠剤等の形態の、本発明に係る食品組成物は、薬学的及び/又は食品衛生学的に許容される担体等を用いて、常法に従って適宜調製することができる。また、他の形態に調製する場合であっても、従来の方法に従えばよい。
また、上述の通り、本発明の組成物には、配糖体(1)を含有する茶葉抽出物を用いることもできる。当該茶葉抽出物をそのまま本発明の組成物として用いてもよいし、当該茶葉抽出物にさらに他の成分を組み合わせた組成物として用いてもよい。このような他の成分としては、例えば賦形剤が好ましく挙げられ、特にデキストリンが好ましい。
以下に、好ましい茶葉抽出物について詳述する。なお、本発明は、当該茶葉抽出物若しくは茶葉抽出組成物及び当該茶葉抽出物若しくは抽出組成物の製造方法も包含する。
茶葉抽出物を調製するために用いる茶葉の品種としては、「そうふう」又は「さえみどり」が好ましく、「そうふう」がより好ましい。また、茶葉としては、乾燥茶葉であることが好ましい。また、茶葉は一番茶、二番茶、三番茶のいずれであってもよいが、含まれるフラボノール配糖体が多いことから、三番茶であることが好ましい。
抽出は、水、エタノール、又はこれらの混合液により行うことが好ましく、水により行うことがより好ましい。これら抽出液の使用量は、特に制限はされないが、例えば用いる茶葉(乾燥質量換算)1質量部に対して、10~500質量部用いることが好ましく、20~300質量部程度用いることがより好ましい。抽出時間としては、例えば0.5時間以上が好ましく、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10時間以上がより好ましい。また、抽出温度としては、水が液体として存在する温度(0~100℃)であればよく、好ましくは4℃以上であり、より好ましくは4~40℃程度である。必要に応じて、抽出操作後に、遠視分離を行って、上清を回収してもよい。
得られた抽出物は、常法(例えばスプレードライ法)によって乾燥させ乾燥物としてもよい。
この抽出方法によれば、極めて簡便に効率よく配糖体(1)の割合が多い茶葉抽出物を得ることができ、好ましい。さらに、当該抽出方法で得られた茶葉抽出物は、渋味成分であるカテキン、及び苦味成分であるカフェインの含有量が比較的少なく、従って渋味及び苦味が抑制されている。この点でも、当該茶葉抽出物は有利であるといえる。また、当該茶葉抽出物には配糖体(1)含有量が比較的多いことから、血中中性脂肪低下用若しくは上昇抑制用組成物に好ましく用いることができ、特に当該組成物を経口組成物として用いる場合には、渋味及び苦味も抑制され得る。
また、当該茶葉抽出物には、配糖体(1)以外のフラボノール三配糖体が含まれていてもよく、この場合、特に配糖体(2)~(4)が含まれていることが好ましい。ただし、配糖体(1)~(4)の各質量含有量のうち、配糖体(1)の含有量が最も多いことが好ましい。 またさらに、配糖体(2)が含まれないか、あるいは質量比で配糖体(1)/配糖体(2)が2以上で含まれることが好ましい。特に制限はされないが、当該質量比は、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上であることがより好ましい。当該質量比の上限は特に制限されないが、例えば100000以下の整数のいずれかの数が挙げられる。またさらに、配糖体(3)が含まれないか、あるいは質量比で配糖体(1)/配糖体(3)が1以上又は2以上で含まれることが好ましい。当該質量比の上限は特に制限されないが、例えば100000以下の整数のいずれかの数が挙げられる。またさらに、配糖体(4)が含まれないか、あるいは質量比で配糖体(1)/配糖体(4)が2以上で含まれることが好ましい。当該質量比の上限は特に制限されないが、例えば100000以下の整数のいずれかの数が挙げられる。
特に制限はされないが、当該茶葉抽出物としては、配糖体(1)~(4)が含まれ、これらの中で配糖体(1)の質量含有量が最も多く、質量比(1)/(2)が2以上であり、質量比(1)/(3)が1以上であり、且つ質量比(1)/(4)が2以上であるものがさらに好ましい。また、配糖体(1)~(4)が含まれ、これらの中で配糖体(1)の質量含有量が最も多く、質量比(1)/(2)が5以上であり、質量比(1)/(3)が1以上であり、且つ質量比(1)/(4)が2以上であるものや、あるいは、配糖体(1)~(4)が含まれ、これらの中で配糖体(1)の質量含有量が最も多く、質量比(1)/(2)が2以上であり、質量比(1)/(3)が2以上であり、且つ質量比(1)/(4)が2以上であるものが、よりさらに好ましい。
また、上述の通り、当該茶葉抽出物は、カテキン及びカフェインの含有量が比較的少ない。カテキンとしては、より具体的には、次の4種類の化合物が挙げられる。(-)-エピカテキン(ECということがある)、(-)-エピカテキンガレート(ECgということがある)、(-)-エピガロカテキン(EGCということがある)、(-)-エピガロカテキンガレート(EGCgということがある)。なお、これら4種のカテキン化合物のなかでも、EGCgが最も渋味を呈する化合物である。
当該茶葉抽出物においては、配糖体(1)とカフェインとの含有質量比((1)/カフェイン)が、0.25以上であることが好ましく、0.3、0.35、0.4、0.45、又は0.5以上であることがより好ましく、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、又は0.8以上であることがさらに好ましい。なお、当該質量比の上限は特に制限されず、例えば100以下のいずれかの整数(例えば1、2、又は3)が挙げられる。
また、当該茶葉抽出物においては、配糖体(1)とEGCgとの含有質量比((1)/EGCg)が、0.3以上であることが好ましく、0.35以上であることがより好ましく、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、又は0.7以上であることがさらに好ましい。なお、当該質量比の上限は特に制限されず、例えば100以下のいずれかの整数(例えば1、2、又は3)が挙げられる。
また、当該茶葉抽出物においては、配糖体(1)と上記4種のカテキン化合物の合計との含有質量比((1)/カテキン)が、0.08以上であることが好ましく、0.09又は0.1以上であることがより好ましい。なお、当該質量比の上限は特に制限されず、例えば100以下のいずれかの整数(例えば1、2、又は3)が挙げられる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、本発明は、本明細書に説明した構成要件を任意の組み合わせを全て包含する。
また、上述した本発明の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本発明に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本発明には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
<実験1>ケルセチントリグリコシドAの単離
緑茶そうふう種の乾燥茶葉(具体的には三番茶の荒茶)6キログラムを80℃の熱水中で抽出してろ過したろ液を乾燥して熱水抽出エキス1350グラムを得た。このエキス150グラムを水2リットルに溶かし、ダイヤイオンHP-20(三菱ケミカル)2リットルを充填したカラムクロマトグラフィーにかけ、水6リットルおよび20%メタノール水溶液6リットルを流したのち、55%メタノール水溶液3リットルを流し、さらに3リットルで溶出させて、55%メタノール溶出部1および2を得た。各溶出部は減圧下溶媒留去し、乾燥させて55%メタノールエキス1を156グラム、55%メタノールエキス2を36グラム得た。55%メタノールエキス1のうち90グラムをシリカゲル(60N、関東化学)カラムクロマトグラフィー(1975ミリリットル)にかけ、AからJの10個のフラクションに分画した(溶出液:クロロホルム-メタノール-水=83.5:15:1.5~72:25:3~66:30:4~59:35:6~53:40:7~0:100:0)。このうち、フラクションF2.6グラムを3回に分けて分取HPLC(カラム:Inertsil ODS-3(5μm),φ30×250mm、ジーエルサイエンス社製)で精製し、化合物1を1.48グラム得た。このシリカゲルカラムクロマトと分取HPLCを繰り返し行い、化合物1を合計4グラム得た。化合物1はNMRスペクトルを測定し、ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]と同定した。本化合物をケルセチントリグリコシドAと称する。ケルセチントリグリコシドAの物性データを以下に示す。
H-NMR(CDOD)δ:1.10(3H,d,J=6Hz)、3.24-3.50(11H,m)、3.62(1H,dd,J=9,3Hz)、3.70(1H,dd,J=12,4.5Hz)、3.75(1H,dd,J=11.5,2Hz)、3.93(1H,dd,J=4,1Hz)、4.42(1H,d,J=7.5Hz)、4.56(1H,d,J=1.5Hz)、5.09(1H,d,J=7.5Hz)、6.21(1H,d,J=2.5Hz)、6.40(1H,d,J=2.5Hz)、6.88(1H,d,J=8.5Hz)、7.62(1H,dd,J=8.5,2.5Hz)、7.68(1H,d,J=2.5Hz)。
13C-NMR(CDOD)δ:17.9、62.2、68.8、69.4、71.0、71.3、71.4、72.7、75.5、75.8、77.2、77.57、77.62、78.3、83.0、95.0、100.0、102.4、104.9、105.6、105.7、116.1、117.8、123.2、123.6、135.7、145.8、149.7、158.6、159.4、163.0、166.0、179.4。
<実験2>
ケルセチントリグリコシドAについて肥満モデルマウスを用いて脂質代謝に関する有効性を評価する試験を実施した。
実験用マウスはC57BL/6J系等雄性マウスを日本チャールスリバー株式会社から購入して用いた。購入後、5日間の検疫期間、その後8日間の馴化期間を設けた。被験物質は1日1回、28日間反復経口投与した。群分け前および投与29日にすべての動物から採血を実施した。具体的には、無麻酔下で各動物の顎骨後部静脈(頬静脈)から、23G翼状針、ヘパリン処理されたキャピラリー及び採血管を用いて血液約150マイクロリットル採取した。採取した血液は、遠心機(CF9RX、日立工機株式会社)を用いて遠心分離 (4℃、2150×g、15分間)し、血漿を得た。得られた血漿について、総コレステロール量及び中性脂肪量を測定した。血漿は、測定時まで超低温フリーザーに凍結保存(管理温度:-90~-70℃)した。総コレステロール量は酵素法(積水メディカル株式会社)、中性脂肪量はGPO・HMMPS法(グリセリン消去法、和光純薬工業株式会社)を用いて、生化学自動分析装置(AU480、ベックマン・コールター株式会社)により測定した。測定結果は群ごとに血中総コレステロール、中性脂肪の平均値及び標準誤差を算出した。
なお、検疫・馴化期間は、CRF-1(オリエンタル酵母工業株式会社)を給餌器に入れ自由に摂取させ、必要に応じて補給した。群分けは馴化最終日に、各群の平均体重がほぼ同じになるようにコンピュータプログラム(IBUKI、株式会社日本バイオリサーチセンター)を用いて行った。ブランク群には普通食摂取+媒体を経口投与、コントロール群には高脂肪食摂取+媒体を経口投与、低用量群には高脂肪食摂取+ケルセチントリグリコシドA20ミリグラム/キログラム投与、高用量群には高脂肪食摂取+ケルセチントリグリコシドA100ミリグラム/キログラム投与した。群分け後は、ブランク群には 普通食(D12450B、Research Diets社)を、その他の群には高脂肪食飼料(D12492:60キロカロリー%fat、Research Diets社)を給餌器に入れて自由に摂取させた。被験物の投与はディスポーザブルマウス用経口ゾンデ(有限会社フチガミ器械)を取り付けたポリプロピレン製ディスポーザブル注射筒(テルモ株式会社)を用いて強制経口投与することにより行った。被験物質の調整はケルセチントリグリコシドAの必要量を秤量(電子天秤:XP205DR、メトラー・トレド株式会社)後、媒体として注射用水(株式会社大塚製薬工場)で10ミリグラム/ミリリットル濃度となるよう撹拌調製した(高用量検体)。その後、10ミリグラム/ミリリットル濃度の調製液を希釈して2ミリグラム/ミリリットル濃度となるように撹拌調製した(低用量検体)。調整頻度は用時とした。なお、陽性対照として、茶成分であって中性脂肪低下作用が知られている没食子酸(SIGMA-ALDRICH)を同様に調整し、同様に検討に用いた。有意差検定はブランク群とコントロール群の2群間比較検定、コントロール群と被験物低用量群、被験物高用量群の多重比較検定を行った。2群間比較検定はF検定による等分散性の検定を行い、等分散の場合はStudentのt検定、不等分散の場合はAspin-Welchのt検定を行った。また、多重比較検定はBartlett検定による等分散性の検定を行い、等分散の場合にはDennett検定を、不等分散の場合にはSteel検定を行った。有意水準は5%とし、5%未満(p<0.05)と1%未満(p<0.01)に分けて表示した。なお、有意差検定には、市販の統計プログラム(SASシステム、SAS Institute Japan株式会社)を使用した。
各群の血液検査結果を以下の表に示す。
Figure 0007242034000002
Figure 0007242034000003
血中中性脂肪量については、高脂肪食負荷したコントロール群は普通食のブランク群に対して有意に増加した(p<0.01)。一方で、ケルセチントリグリコシドA高用量投与群はコントロール群に対して有意な低下を示し(p<0.05)、没食子酸高用量群よりも中性脂肪低下作用は強かった。またケルセチントリグリコシドA低用量投与群においても低下傾向を示した(対コントロール比77.6%)。血中総コレステロール量は、コントロール群はブランク群に対して有意に増加し(p<0.05)、ケルセチントリグリコシドA高用量群においては有意な差ではないもののコントロール群に対して6.3%低下させた。
<実験3>
ケルセチントリグリコシドAを用いることで、少なくとも血中中性脂肪を減少させることができることが分かったが、精製品を調製するためにはコストが大きい。そこで、できる限り効率よくケルセチントリグリコシドAを茶葉から抽出する手法を検討した。
各品種の乾燥茶葉3グラムに100ミリリットルの精製水を加えて各温度、時間で抽出を行い、抽出後遠心分離した上清について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で主要な成分の定量を行った。抽出試験を行った茶葉、温度、時間の組み合わせを次の表に示す。
Figure 0007242034000004
市販の化合物および茶エキスより単離した化合物を定量試験の標準品として用いた。定量試験に用いた標準品を以下に示す。
・(-)-エピカテキン(EC)
・(-)-エピカテキンガレート(ECg)
・(-)-エピガロカテキン(EGC)
・(-)-エピガロカテキンガレート(EGCg)
・カフェイン(Caffeine)
・ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド](ケルセチントリグリコシドA:QTG-A)
・ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド](ケルセチントリグリコシドB:QTG-B)
・ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド](ケンフェロールトリグリコシドA:KTG-A)
・ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド](ケンフェロールトリグリコシドB:KTG-B)
各標準品は0.05、0.10、及び0.50ミリグラム/ミリリットルの濃度に調整して一定量を高速液体クロマトグラフィーに注入した。各ピークの面積値はカテキンおよびカフェインについてはUV235nm、フラボノール配糖体についてはUV350nmで検出した。各ピークの面積値と濃度から検量線を作成して、各種茶抽出液中の成分の含量を算出した。
[HPLC条件]
カラム:Inertsil ODS-3HP(3μm) φ3.0×150ミリメートル、流速:0.75ミリリットル/分、カラム温度:40℃、移動相グラジエント:0~30 分: 13~16%アセトニトリル in 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、検出:UV235、350nm
代表的な抽出液のHPLCチャートを図1~図3に示す。図1aは抽出番号1(やぶきた80℃-1h (UV 235 nm))の結果を、図1bは抽出番号1(やぶきた80℃-1h (UV 350 nm))の結果を、図2aは抽出番号2(そうふう80℃-1h (UV 235 nm))の結果を、図2bは抽出番号2(そうふう80℃-1h (UV 350 nm))の結果を、図3aは抽出番号12(そうふう4℃-2h (UV 235 nm))の結果を、図3bは抽出番号12(そうふう4℃-2h (UV 350 nm))の結果を、それぞれ示す。
また、各化合物の定量結果を次の表に示す。
Figure 0007242034000005
また、当該結果から算出した、ケルセチントリグリコシドA(QTG-A)と他の化合物との代表的な含有量比を、以下の表に示す。
Figure 0007242034000006
<実験4>
実験3で検討した抽出方法を、工業的な生産のスケールにまでスケールアップした場合にも、ケルセチントリグリコシドAを効率的に抽出することが可能か、やぶきた種乾燥茶葉及びそうふう種乾燥茶葉を用いて検討した。
やぶきた茶葉(三番茶、5ミリメートルカット品)300キログラムをバッチ式の仕込みタンクに投入し、5℃に冷却した水道水を4500キログラム注入して2時間放置した(冷温室内でこの間15℃以下を保った)。抽出液を遠心分離後、100メッシュフィルターにかけ、さらに約500リットルまで濃縮して再度42メッシュフィルターにかけ、130℃で殺菌して抽出液449キログラムを得た。この抽出液をスプレードライヤーで粉末化し、乾燥エキスパウダー52.5キログラムを得た。
また、そうふう茶葉(三番茶、5ミリメートルカット品)293キログラムをバッチ式の仕込みタンクに投入し、5℃に冷却した水道水を4395キログラム注入して2時間放置した(冷温室内でこの間15℃以下を保った)。抽出液を遠心分離後、100メッシュフィルターにかけ、さらに約500リットルまで濃縮して再度42メッシュフィルターにかけ、130℃で殺菌して抽出液439キログラムを得た。この抽出液をスプレードライヤーで粉末化し、乾燥エキスパウダー52.7キログラムを得た。
上記のようにして得られた「そうふう」および「やぶきた」由来の冷水抽出エキスパウダーについてHPLC法により成分の定量を行った。結果を次の表に示す。
Figure 0007242034000007
以上の結果から、そうふう茶葉又はさえみどり茶葉を用いた水抽出により、ケルセチントリグリコシドAを比較的多く含み、且つEGCg含有量が低値であるため渋みが無く、カフェイン含有量も低値であるため苦味の少ない、水溶性の高いエキスを作成することができることが分かった。

Claims (6)

  1. (1)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]を含有する、血中中性脂肪低下用若しくは上昇抑制用組成物であって、
    以下の(1)~(4)のフラボノール配糖体:
    (1)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]
    (2)ケルセチン-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]
    (3)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-グルコピラノシド]
    (4)ケンフェロール-3-O-[β-D-グルコピラノシル-(1-3)-α-L-ラムノピラノシル-(1-6)-β-D-ガラクトピラノシド]
    の質量含有量のうち、(1)の含有量が最も多く、
    (2)が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(2)が10以上である、
    組成物。
  2. (4)が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(4)が2以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. (3)が含まれないか、あるいは含有質量比(1)/(3)が1以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (1)~(4)が、茶品種そうふう又はさえみどりの茶葉由来である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
  5. 経口組成物である、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
  6. 医薬品組成物又は食品組成物である、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
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