JP7241440B2 - 黒色再生インキ - Google Patents

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Description

本発明は、黒色再生インキに関する。
印刷装置へインキ(インクとも称する。)を補充する作業を容易かつ短時間で行う目的等により、着脱可能なインキ容器を着脱するインキ補充方法が利用されている。
しかしながら、着脱可能なインキ容器を着脱するインキ補充方法では、印刷装置から取り外したインキ容器に残留した残インキが廃インキとして廃棄され得る。また、凸版印刷、凹版印刷、及び平版印刷等によって例示される版を用いた印刷では、印刷後の版に残留した余剰のインキ等が廃インキとなり、廃棄され得る。
これらの廃インキは、通常、産業廃棄物として処理される。廃インキを再利用できれば、産業廃棄物の処理費用を軽減し、また、廃インキの処理によって生じる環境への負荷を軽減し得る。
廃インキを再利用することに関し、特許文献1は、インキビヒクルの主溶媒として、グリコ-ル類を使用した印刷インキを使用する印刷に際して、色替え又は印刷終了時に、グリコ-ル類及び水を所定の割合で混合した洗剤を使用して印刷ユニットを洗浄し、その際発生する茶色かグレーに着色された洗浄廃液に補正用インキを加える等して再利用する方法を開示している。
特許文献1によれば、色替え時、又は印刷終了時に発生する印刷ユニットのインキ洗浄廃液を利用して、新しいインキを再生し得る。
特開平6-286121号公報
廃インキを含む洗浄廃液は、廃インキに由来する色味を有し得る。色味を有する洗浄廃液に補正用インキを加えた黒色再生インキは、黒色を印刷する場合において、印刷した箇所において十分な濃度の補正用インキが様々な波長の光を吸収し、色味を有しない黒色となり得る。
しかし、色味を有する洗浄廃液に補正用インキを加えた黒色再生インキは、灰色を印刷する場合において、印刷した箇所における補正用インキの濃度が低くなるため、補正用インキが様々な波長の光を十分に吸収できず、印刷した箇所において洗浄廃液に由来する色味が現れ得る。したがって、このような黒色再生インキを用いて灰色を印刷する場合、期待される無彩色の灰色ではなく、洗浄廃液に由来する色味を有する灰色となり得る。
例えば、洗浄廃液が茶色である場合、該洗浄廃液に補正用インキを加えた黒色再生インキを用いて印刷した灰色は、茶色がかった灰色となり得る。
特許文献1は、茶色かグレーに着色された洗浄廃液を再利用し、洗浄廃液がグレーの場合に黒色の再生インキを得うるにとどまり、有彩色の廃インキ混合物を再利用して灰色を印刷可能な黒色インキを提供する点において、さらなる改良の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも2色以上の廃インキを混合して得られた廃インキ混合物と有彩色着色剤とを混合して灰色混合物を得て、得られた灰色混合物と黒色着色剤とを混合することで、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、以下の黒色再生インキを提供する。CIELAB値(L,a,b)における色差ΔEが以下の式で定められる場合において、RIテスターを用いて0.125mlをnpi上質紙上に展色し、D50光源下、視野2度にて展色した直径2mm範囲を測定される、黒色再生インキのCIELAB値(L ,a ,b )における色差ΔEが0.08以上3.2以下であり、RIテスターを用いて0.125mlをnpi上質紙上に展色し、D50光源下、視野2度にて展色した直径2mm範囲を測定される、メジュームで10倍に希釈した前記黒色再生インキのCIELAB値(L 10D,a 10D,b 10D)における色差ΔE10Dが0.4以上4.8以下である、黒色再生インキ。
Figure 0007241440000001
この黒色再生インキは、以下の製造方法によって得られる。
第1の特徴に係る発明は、バインダーを含有する廃インキであって、少なくとも2色以上の廃インキを混合する第1混合工程と、前記第1混合工程で得られる廃インキ混合物と有彩色着色剤とを混合して灰色混合物を得る第2混合工程と、前記灰色混合物と黒色着色剤とを混合する第3混合工程とを含む、黒色再生インキの製造方法を提供する。
第1の特徴に係る発明によれば、第1混合工程において、廃インキ混合物を得ることができる。この廃インキ混合物は、廃インキに由来する色味を有する有彩色の廃インキ混合物となり得る。
本発明者らは、有彩色の廃インキ混合物に黒色着色剤を加えて製造した黒色再生インキを用いて灰色を印刷する場合において、印刷した箇所において廃インキ混合物に由来する色味が現れ得ることを見出した。これは、灰色を印刷する場合に印刷した箇所における黒色着色剤の濃度が低くなり、黒色着色剤が様々な波長の光を十分に吸収できなくなることによるものと考えられる。
第1の特徴に係る発明によれば、第2混合工程において、第1混合工程で得られる廃インキ混合物と有彩色着色剤とを混合するため、灰色混合物を得られる。これにより、有彩色の廃インキ混合物であっても、無彩色の灰色混合物を得られる。
そして、第1の特徴に係る発明によれば、第3混合工程において灰色混合物と黒色着色剤とを混合し、黒色再生インキを製造できる。廃インキがバインダーを含むため、廃インキが含むバインダーを黒色再生インキのバインダーとして再利用できる。
第1の特徴に係る発明によれば、製造された黒色再生インキは、色味を有しない無彩色の灰色混合物と、色味を有しない無彩色の黒色着色剤との混合物に基づくため、灰色を印刷する場合であっても、廃インキ混合物に由来する色味が現れることを防ぎ得る。したがって、第1の特徴に係る発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても、色味を有しない無彩色の灰色を印刷し得る黒色再生インキを提供できる。
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキの製造方法を提供できる。
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記廃インキが廃顔料インキであり、前記黒色着色剤が黒色顔料を含み、前記黒色再生インキが黒色顔料再生インキである、方法を提供する。
文字は、黒色で印刷される機会が比較的多い。したがって、黒色インキは、文字を好適に印刷可能であることを求められ得る。インキのうち、染料インキは、印刷した箇所の内部に浸透して発色するため、印刷した文字の滲みを軽減する点において、改良の余地がある。
第2の特徴に係る発明によれば、黒色顔料等を用いることで、有彩色の廃顔料インキ混合物を再利用し、黒色顔料再生インキを提供し得る。顔料インキは、印刷した箇所の表面に付着することで発色するため、印刷した文字の滲みを染料インキより軽減し得る。これにより、実質的に無彩色の灰色を印刷可能であることに加え、印刷した文字の滲みを軽減し、文字を好適に印刷可能な黒色顔料再生インキを提供し得る。
したがって、第2の特徴に係る発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキの製造方法を提供できる。
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、前記第2混合工程において混合される前記着色剤は、前記廃インキ混合物の色と実質的に補色の関係である色を有する前記着色剤を含む、方法を提供する。
有彩色の廃インキ混合物に大量の着色剤を混合することにより、無彩色の灰色混合物をより確実に得うる。しかし、大量の着色剤を混合した場合、黒色再生インキにおける廃インキ混合物と着色剤とを混合した灰色混合物の割合が高くなり得る。黒色再生インキにおける廃インキ混合物と着色剤とを混合した灰色混合物の割合が高い場合、黒色着色剤の割合が低くなり、黒色再生インキの品質が下がり得る。
ある有彩色とその補色とを混合することで無彩色をつくれる。したがって、実質的に補色の関係である着色剤と有彩色の混合物とを混合することにより、混合物と同量以下の比較的少ない着色材を用いて混合物が有する色味を抑え、実質的に無彩色とし得ることが知られている。
第3の特徴に係る発明によれば、第2混合工程において混合される着色剤が廃インキ混合物の色と実質的に補色の関係である色を有する着色剤を含むため、廃インキ混合物が有彩色であっても、大量の着色剤を用いることなく廃インキ混合物が有する色味を抑え、実質的に無彩色の灰色混合物を得うる。
したがって、第3の特徴に係る発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキの製造方法を提供できる。
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明であって、前記廃インキは、オフセット印刷用廃インキであり、前記黒色再生インキは、オフセット印刷用黒色再生インキである、方法を提供する。
オフセット印刷は、鮮明な印刷が可能で、版が直接紙に触れないことから胴の磨耗が少なく、大量印刷にも適する印刷方式である。このため、オフセット印刷に用いるインキでは、鮮明な印刷を行うために、所望の色を印刷可能なインキであることが求められ得る。
第4の特徴に係る発明によれば、第1混合工程、第2混合工程、及び第3混合工程によって、灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる。すなわち、所望の灰色を印刷可能なインキを提供できる。廃インキがオフセット印刷用廃インキであるため、オフセット印刷用廃インキに含まれるオフセット印刷用インキのバインダーをオフセット印刷用黒色再生インキのバインダーとして再利用できる。
したがって、第4の特徴に係る発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキの製造方法を提供できる。
第5の特徴に係る発明は、第1の特徴から第4の特徴のいずれかに係る発明であって、前記廃インキは、使用済みのインキ容器より得られる残インキ及び印刷装置の廃インキ貯蔵部より得られる廃インキの1以上を含む方法を提供する。
印刷装置において用いられるインキ容器は、シアン、イエロー、及びマゼンタによって例示される有彩色のインキを含み得る。したがって、使用済みのインキ容器より得られる残インキは、有彩色の残インキを含み得る。また、印刷装置の廃インキ貯蔵部より得られる廃インキは、これら有彩色のインキに由来する色味を有する有彩色の廃インキを含み得る。
第5の特徴に係る発明によれば、廃インキが使用済みのインキ容器より得られる残インキ及び印刷装置の廃インキ貯蔵部より得られる廃インキの1以上を含むため、2以上の廃インキを混合した廃インキ混合物は、有彩色の残インキ及び/又は有彩色の廃インキに由来する色味を有する有彩色の廃インキ混合物となり得る。そして、第2混合工程及び第3混合工程によって、有彩色であるこの廃インキ混合物を、灰色を印刷可能な黒色インキとして再利用し得る。
したがって、第5の特徴に係る発明によれば、有彩色の残インキ及び/又は有彩色の廃インキに由来する色味を有する有彩色の廃インキ混合物を、灰色を印刷可能な黒色インキとして再利用し得る。
したがって、第5の特徴に係る発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキの製造方法を提供できる。
本発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる。
図1は、CIELAB色空間におけるインキの明度Lを示す箱ひげ図である。 図2は、CIELAB色空間におけるインキの色(a,b)を示すグラフであり、横軸をaとし、縦軸をbとした2次元グラフである。
以下、本発明を実施するための好適な形態の一例について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
<黒色再生インキの製造方法>
本実施形態に係る黒色再生インキ(以下、単に「再生インキ」とも称する。)の製造方法は、バインダーを含有する廃インキ(以下、単に「廃インキ」とも称する。)であって、少なくとも2色以上の廃インキを混合する第1混合工程と、第1混合工程で得られる廃インキ混合物と着色剤とを混合して灰色混合物を得る第2混合工程と、第2混合工程で得られる灰色混合物と黒色着色剤とを混合する第3混合工程と、を含む。
〔廃インキ〕
後述する第1混合工程で混合される廃インキは、バインダーを含有する廃インキであれば、特に限定されない。廃インキの色は、特に限定されず、従来技術の印刷で利用される各種の色でよい。
廃インキは、中でも、廃顔料インキであることが好ましい。廃インキが廃顔料インキであることにより、有彩色の廃顔料インキ混合物を再利用し、黒色顔料再生インキを提供し得る。
文字は、黒色で印刷される機会が比較的多い。したがって、黒色インキは、文字を好適に印刷可能であることを求められ得る。インキのうち、染料インキは、印刷した箇所の内部に浸透して発色するため、印刷した文字の滲みを軽減する点において、改良の余地がある。
顔料インキは、印刷した箇所の表面に付着することで発色するため、印刷した文字の滲みを染料インキより軽減し得る。廃インキが廃顔料インキであることにより、実質的に無彩色の灰色を印刷可能であることに加え、印刷した文字の滲みを軽減し、文字を好適に印刷可能な黒色顔料再生インキを提供し得る。
廃インキは、中でも、オフセット印刷に用いるオフセット印刷用廃インキであることが好ましい。廃インキがオフセット印刷用廃インキである場合、オフセット印刷用廃インキに含まれるオフセット印刷用インキのバインダーをオフセット印刷用黒色再生インキのバインダーとして再利用できる。
廃インキがオフセット印刷用廃インキである場合、オフセット印刷用廃インキは、特に限定されず、例えば、ロール紙等に印刷するオフセット輪転印刷に用いるオフセット輪転印刷用廃インキ及び裁断された紙等に印刷するオフセット枚葉印刷に用いる枚葉オフセット用廃インキが挙げられる。
廃インキに関するインキの製造者が再生インキの製造者と異なる製造者である場合、廃インキが再生インキの製造者にとって未知の成分を含む場合があり得る。また、廃インキの組成比等が再生インキの製造者にとって未知である場合があり得る。本実施形態の方法は、後述する第2混合工程及び第3混合工程を含むことから、廃インキが含む成分及び/又は組成比等が未知であっても、実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる。
したがって、本実施形態の方法において、廃インキに関するインキの製造者は、特に限定されず、例えば、再生インキの製造者と同じ製造者でもよく、再生インキの製造者と異なる製造者でもよい。廃インキに関するインキの製造者は、再生インキの製造者と同じ製造者であることが好ましい。これにより、廃インキが含む成分及び/又は組成比等を用いて再生インキの品質を高め得る。
廃インキは、使用済みのインキ容器より得られる残インキ及び印刷装置の廃インキ貯蔵部より得られる廃インキの1以上を含むことが好ましい。
使用済みのインキ容器は、特に限定されず、例えば、容器に入れたワニスに撹拌しながら着色剤を加えてミルベースを得るミルベース作成工程と、ビーズミル及びロールミル等によって例示される分散機を用いて得られたミルベース中の着色剤を分散させる着色剤分散工程と、着色剤分散工程によって得られた着色剤分散済ミルベースにワニス、助剤、溶剤等を投入して濃度及び/又は粘度を調整する調整工程と、調整工程によって得られた調整済インキを容器に充填する充填工程と、を含む従来技術の方法で製造されたインキ容器を各種の印刷で使用して得られた使用済みのインキ容器でよい。
廃インキが使用済みのインキ容器より得られる残インキを含むことにより、インキ容器に残留した残インキを再利用できる。これにより、洗剤等によって例示されるインキ以外の物質に由来する成分によって再生インキの特性が変化することを防ぎ得る。
廃インキが印刷装置の廃インキ貯蔵部より得られる廃インキを含むことにより、廃インキ貯蔵部に残留した廃インキを再利用できる。これにより、洗剤等によって例示されるインキ以外の物質に由来する成分によって再生インキの特性が変化することを防ぎ得る。
[バインダー]
廃インキが含むバインダーは、インキのバインダーであれば、特に限定されない。バインダーは、例えば、樹脂と、空気中の酸素と反応することで硬化し得る不飽和化合物と、印刷の光源として用いられる電磁線によって硬化し得る電磁線硬化性樹脂と、の1以上を含むバインダーでよい。
樹脂は、特に限定されず、ロジン変性フェノール樹脂によって例示されるフェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂によって例示されるアルキド樹脂、塩化ビニル樹脂によって例示されるビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素系樹脂等によって例示される熱可塑性樹脂の1以上を含む樹脂でよい。通常、熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂より靭性に優れる。したがって、バインダーが熱可塑性樹脂を含むことにより、のびのよいインキを実現し得る。樹脂は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂等によって例示される熱硬化性樹脂の1以上を含んでもよい。熱硬化性樹脂は、熱によって硬化する。バインダーが熱硬化性樹脂を含むことにより、熱によって硬化するインキを提供できる。
不飽和化合物は、特に限定されず、亜麻仁油、異性化亜麻仁油、キリ油、脱水ヒマシ油、魚油、及びオイチシカ油等によって例示される(重合)乾性油;これらの乾性油を用いて製造されるウレタン化油、マレイン化油、及び/又はシクロペンタジエニル化油等の乾性油;ロジン変性フェノール樹脂によって例示されるフェノール樹脂;乾性油変性アルキッド樹脂、ウレタン化アルキッド樹脂、アクリル変性アルキッド樹脂、及びフェノール変性アルキッド樹脂等によって例示されるアルキッド樹脂;乾性油脂肪酸変性エポキシエステル樹脂;並びにヨウ素価を呈する不飽和二重結合を有する石油樹脂及びブタジエン等によって例示される共役二重結合を有する化合物より誘導される不飽和炭化水素樹脂の1以上を含む不飽和化合物でよい。
本実施形態において、電磁線とは、所定の波長を有する電磁波をいい、波長の長い順に、電波、光、X線及びガンマ線等が例示される。電波とは、波長が100μm以上であり、周波数が3THz以下である電磁波をいい、波長域によって低周波・超長波・長波・中波・短波・超短波・マイクロ波と細分化される。光とは、波長が1mmから2nm程度の電磁波をいい、波長域によって赤外線・可視光線・紫外線に細分化される。X線とは、電子励起(及び制動放射等の電子由来の機構)から発生する波長が10nm以下の電磁波をいい、ガンマ線とは、核内励起から発生する波長が10pm以下の電磁波をいう。
バインダーが電磁線硬化性樹脂を含むことにより、オフセット印刷の光源から出される電磁線によって硬化する再生インキを提供できる。これにより、例えば、紫外線を照射することで乾燥時間を短縮可能なUVオフセット印刷に利用可能なUVオフセット印刷用黒色再生インキを提供できる。
電磁線硬化性樹脂は、電磁線を吸収して架橋反応を起こし得る反応性化合物であれば特に限定されず、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びオキセタン樹脂等が挙げられる。
中でも、オフセット印刷の光源として頻繁に使用されることから、電磁線硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましく、紫外線硬化性樹脂であることがより好ましい。
バインダーが電磁線重合開始剤を含む場合、バインダーは、電磁線を吸収して得たエネルギーを電磁線重合開始剤に渡すことで電磁線重合を助ける電磁線増感剤を含むことが好ましい。バインダーが電磁線増感剤を含むことにより、LED等の発光波長域が狭い光源を用いる場合等であっても、電磁線重合を好適に行い得る。これにより、例えば、オフセット印刷の光源から出される電磁線によりいっそう確実に硬化するUVオフセット印刷用黒色再生インキを提供し得る。
[着色剤]
廃インキが含む着色剤は、インキの着色剤であれば、特に限定されない。着色剤は、染料、有機顔料及び無機顔料のいずれでもよい。また、着色剤は、形成すべき画像の色等に応じて、例えば、カラーインデックス(Colour Index(登録商標) International)に記載される赤又はマゼンタ、黄、緑、青又はシアン及び黒の顔料等から選択することができる。
有機顔料の例として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等から選択される1種以上が挙げられる。また、無機顔料の例として、酸化チタン、グラファイト、亜鉛華、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(ChinaClay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉、シリコン、及びガラスビーズ等から選択される1種以上が挙げられる。
廃インキが上述の着色剤を含むことにより、後述する第1混合工程で得られる混合物が着色剤を有する混合物となる。この着色剤により、新たに加える黒色着色剤の量を抑え得る。該着色剤がインキの着色剤であるため、印刷装置に適した特性を有する再生インキを得うる。
[金属石鹸]
廃インキは、マンガン系金属石鹸及び/又はコバルト系金属石鹸を含む金属石鹸を含むことが好ましい。これにより、乾燥時間を適度に制御することができ、低臭性及び乾燥性にバランス良く優れる再生インキを得うる。
廃インキは、マンガン系金属石鹸とコバルト系金属石鹸とを共に含む金属石鹸を含むことが好ましい。これにより、多段階で進行する乾燥過程において触媒となるマンガン及びコバルトがそれぞれ異なる反応過程に作用し、印刷後のインク被膜(塗膜)の表面及び内部をバランスよく乾燥させ得る。
マンガン系金属石鹸は、特に限定されず、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ナフテン酸及びオクチル酸等によって例示される脂肪酸のマンガン塩の1以上を含む金属石鹸でよい。
コバルト系金属石鹸は、特に限定されず、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ナフテン酸及びオクチル酸等によって例示される脂肪酸のコバルト塩の1以上を含む金属石鹸でよい。
金属石鹸は、中でも、マンガンのナフテン酸塩又はオクチル酸塩と、コバルトのナフテン酸塩又はオクチル酸と、を共に含む金属石鹸であることが好ましい。これにより、硬化触媒能、耐候性、塗膜着色、費用対効果、溶解性、及び安定性において好適な性能を得うる。
[石油系溶剤]
廃インキは、石油系溶剤を含むことが好ましい。廃インキが石油系溶剤を含むことにより、廃インキを容易に混合し得る。また、廃インキが含む石油系溶剤を再生インキにおいて再利用し、印刷に適した特性を有する再生インキとし得る。
[その他の成分]
廃インキは、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、及び/又はスリキズ防止性を付与する添加剤;インキの保存安定性を付与する添加剤;紫外線吸収剤;赤外線吸収剤;銀イオン含有ゼオライトによって例示される臭い分子吸着剤;ハイドロキノン(HQ)、ターシャリブチルハイドロキノン(TBHQ)、アスコルビン酸(ビタミンC)、シクロヘキサノンオキシム、及びメチルヒドロキノリン等によって例示される酸化防止剤;ワックス、デンプン等によって例示される裏写り防止剤;アミン系有機化合物とケイ酸塩系無機化合物の複合物等によって例示されるアルデヒド捕捉剤;並びに抗菌剤等によって例示される、従来技術のインキが含む各種の成分を含んでもよい。
〔第1混合工程〕
第1混合工程は、バインダーを含有する廃インキであって、少なくとも2色以上の廃インキを混合する工程である。第1混合工程により、2色以上の廃インキに由来するバインダー及び着色剤を含む廃インキ混合物を得ることができる。これにより、廃インキを再利用し得る。
複数の廃インキを混合することに関し、複数の廃インキの色の組合せ及び混合比が無彩色となる組合せ及び混合比であれば、無彩色の廃インキ混合物を得うる。しかし、廃インキの色は、印刷において利用されるインキの色の偏り等により、特定の色が多くなる等の偏りが生じ得る。したがって、廃インキの色の組合せ及び混合比が無彩色となる組合せ及び混合比であることを必須の要件とする方法では、特定の色の廃インキが残り得る。
本実施形態の第1混合工程は、後述する第2混合工程において有彩色着色剤を混合することから、廃インキの色の組合せ及び混合比が無彩色となる組合せ及び混合比であることを必須の要件としない。したがって、特定の色の廃インキが残るリスクを軽減し得る。
第1混合工程は、2色以上の廃インキを混合する手順を含む工程であれば、特に限定されない。第1混合工程が2色以上の廃インキを混合する手順を含む工程であることにより、混合物が1色の廃インキの色味を有する混合物となることを防ぎ得る。これにより、後述する第2混合工程において加える着色剤の量を抑えた場合であっても、黒色の再生インキが1色の廃インキの色味を有することを防ぎ得る。
必須の態様ではないが、2色以上の廃インキを混合する手順は、カラーインデックス名(Colour Index(登録商標) Generic Name)における色合いがイエロー、オレンジ、レッド、バイオレット、ブルー、グリーン、及びブラウンのうち3色以上の廃インキを混合する手順を含むことが好ましい。このような手順として、例えば、色合いがイエローの廃インキ、色合いがバイオレットの廃インキ(例えば、マゼンタの廃インキ)、及び色合いがブルーの廃インキ(例えば、シアンの廃インキ)を混合する手順が挙げられる。
これにより、廃インキ混合物の色味が上述の色合いのいずれかとなることを軽減し、後述する第2混合工程において加える着色剤の量を抑えた場合であっても、黒色再生インキが上述の色合いのいずれかに関する色味を有することを防ぎ得る。
廃インキ混合物の色は、実質的に灰色であることが好ましい。これにより、新たに加える着色剤の量をよりいっそう抑えつつ、黒色再生インキを得うる。
[バインダー]
必須の態様ではないが、第1混合工程は、2色以上の廃インキと所定のバインダーとを混合する手順を含むことが好ましい。第1混合工程が2色以上の廃インキと所定のバインダーとを混合する手順を含むことにより、所定のバインダーに由来する成分によって、よりいっそう印刷装置に適した特性を有する再生インキを得うる。
第1混合工程は、混合した2色以上の廃インキ等を撹拌する手順を含むことが好ましい。これにより、バインダー等がよりいっそう混合され、よりいっそう印刷装置に適した特性を有する再生インキを得うる。混合した2色以上の廃インキ等を撹拌する手段は、特に限定されず、従来技術の撹拌を行う手段でよい。
所定のバインダーは、特に限定されず、従来技術のインキで用いられる上述したバインダーでよい。
[有機溶剤]
第1混合工程は、上述の各種材料に有機溶剤を加えて混合する手順を含んでもよい。有機溶剤を加えて混合することにより、上述の各種材料をよりいっそう混合し得る。これにより、後述する第2混合工程によりいっそう適した混合物を得うる。
本実施形態において、有機溶剤の種類は特に限定されず、炭化水素系溶剤、シリコーン系溶剤、及びアルコール系溶剤等が挙げられる。炭化水素系溶剤として、例えば、工業用ナフサ、灯油、ナフテン系炭化水素溶剤、イソパラフィン等のパラフィン系炭化水素溶剤、及び芳香族系炭化水素溶剤等が挙げられる。また、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、及び2-メチルプロパノール等が挙げられる。
[その他の材料]
第1混合工程は、上述の各種材料にその他の材料を加えて混合する手順を含んでもよい。その他の材料は、特に限定されず、例えば、着色剤;金属石鹸;耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、及び/又はスリキズ防止性を付与する添加剤(例えば、ポリエチレン系有機化合物等を用いたワックス);インキの保存安定性を付与する添加剤;紫外線吸収剤;赤外線吸収剤;銀イオン含有ゼオライトによって例示される臭い分子吸着剤;ハイドロキノン(HQ)、ターシャリブチルハイドロキノン(TBHQ)、アスコルビン酸(ビタミンC)、シクロヘキサノンオキシム、及びメチルヒドロキノリン等によって例示される酸化防止剤;ワックス、デンプン等によって例示される裏写り防止剤;アミン系有機化合物とケイ酸塩系無機化合物の複合物等によって例示されるアルデヒド捕捉剤;並びに抗菌剤等によって例示される、従来技術のインキが含む材料の1以上でよい。
〔第2混合工程〕
第2混合工程は、第1混合工程で得られる廃インキ混合物と着色剤とを混合して灰色混合物を得る工程である。第2混合工程により、第1混合工程で得られた廃インキ混合物が有彩色の廃インキ混合物であっても、実質的に無彩色(以下、単に「無彩色」とも称する。)の灰色混合物を得られる。そして、印刷した箇所における黒色着色剤の濃度が低くなる灰色を印刷する場合であっても、廃インキ混合物に由来する色味が現れることを防ぎ得る。
本実施形態では、RIテスターを用いて対象0.125mlをnpi上質紙上に展色し、D50光源下、視野2度にて直径2mm範囲の展色した対象を測色したときのCIELAB値(L,a,b)を対象の測色結果と称する。また、測色結果に関する黒色インキ(都インキ株式会社製墨プロセスカラー)に対する色差ΔEを、以下の式によって定める。
Figure 0007241440000002
本実施形態において灰色混合物が無彩色であるとは、上述の手順で測定した灰色混合物のCIELAB値(L ,a ,b )に基づく色差ΔEが所定の上限値を下回ることを指す。
第2混合工程によって得られる灰色混合物は、よりいっそう無彩色であることが好ましい。したがって、ΔEに関する所定の上限値は、4.8以下であることが好ましく、3.2以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。これにより、よりいっそう無彩色である灰色混合物とし得る。
無彩色とする色の範囲を狭めた場合、第2混合工程に係る労力が増大し得る。したがって、ΔEに関する所定の上限値は、0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、1.0以上であることがさらに好ましい。これにより、灰色を印刷可能であることと、第2混合工程に係る労力を軽減することとを両立し得る。
[有彩色着色剤]
有彩色着色剤は、特に限定されず、例えば、廃インキ及び未使用のインキ等によって例示されるインキ並びにインキに利用可能な顔料及び/又は染料等によって例示される顔料及び/又は染料の1以上を含む有彩色着色剤でよい。
有彩色着色剤が廃インキを含むことにより、再生黒色インキが含む廃インキの割合を下げることなく、灰色混合物を得ることができる。したがって、廃インキをよりいっそう再利用できる。
有彩色着色剤が未使用のインキを含むことにより、再生黒色インキの品質を下げることなく、灰色混合物を得ることができる。したがって、よりいっそう灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる。
顔料及び/又は染料は、バインダー成分等を含まないため、インキより少量で混合物の色味を変え得る。したがって、有彩色着色剤が顔料及び/又は染料を含むことにより、大量の有彩色着色剤を加えることなく、灰色混合物を得ることができる。これにより、着色剤によって再生黒色インキが含む廃インキの割合を下げることなく、灰色混合物を得ることができる。したがって、廃インキをよりいっそう再利用できる。
着色剤は、廃インキ混合物の色と実質的に補色の関係である色を有する着色剤を含むことが好ましい。
有彩色の廃インキ混合物に大量の有彩色着色剤を混合することにより、無彩色の灰色混合物をより確実に得うる。しかし、大量の有彩色着色剤を混合した場合、黒色再生インキにおける廃インキ混合物と着色剤とを混合した灰色混合物の割合が高くなり得る。黒色再生インキにおける廃インキ混合物と着色剤とを混合した灰色混合物の割合が高い場合、黒色着色剤の割合が低くなり、黒色再生インキの品質が下がり得る。
ある有彩色とその補色とを混合することで無彩色をつくれる。実質的に補色の関係である着色剤と有彩色の混合物とを混合することにより、混合物と略同量又は同量以下の比較的少ない着色材を用いて混合物が有する色味を抑え、実質的に無彩色とし得ることが知られている。
有彩色着色剤が廃インキ混合物の色と実質的に補色の関係である色を有する着色剤を含むことにより、廃インキ混合物が有彩色であっても、大量の有彩色着色剤を用いることなく廃インキ混合物が有する色味を抑え、実質的に無彩色の灰色混合物を得うる。
廃インキ混合物の色と実質的に補色の関係である色の有彩色着色剤を用いる手段は、特に限定されず、例えば、分光光度計を用いて廃インキ混合物の色を測定し、測定された色と実質的に補色の関係である色の着色剤を用いる手段でよい。
本実施形態において、ある色Aと別の色Bとが実質的に補色の関係であるとは、CIELAB色空間において色AがA(L ,a ,b )と表現され、色BがB(L ,a ,b )と表現され、無彩色の基準となる黒KがK(L ,a ,b )と表現されるときに、ab平面において、有向ベクトルKA(a -a ,b -b )と有向ベクトルKB(a -a ,b -b )とがなす角が所定の角度以上であることを指す。後述する黒色インキ(都インキ株式会社製墨プロセスカラー)の測色結果に基づき、無彩色の基準となる黒Kは、CIELAB色空間においてK(32,1.2,3.2)と表現される色であることが好ましい。
所定の角度の下限は、120°以上であることが好ましく、150°以上であることがより好ましく、165°以上であることがさらに好ましい。所定の角度の下限が上述のとおりであるよう実質的に補色の関係を定めることにより、着色剤の量が少ない場合であっても、廃インキ混合物と着色剤とを混合した灰色混合物のCIELAB色空間におけるa及びbのそれぞれをよりいっそう0に近づけうる。
したがって、所定の角度の下限が上述のとおりであるよう実質的に補色の関係を定めることにより、灰色混合物をよりいっそう無彩色とし得る。
廃インキ混合物の色が比較的無彩色に近い色である場合、有彩色着色剤は、インキであることが好ましい。これにより、廃インキ混合物の色が比較的無彩色に近い色である場合において、混合容易なインキを用いて灰色混合物を得うる。
CIELAB色空間における廃インキ混合物の色が無彩色から遠い色である場合、着色剤は、顔料及び/又は染料であることが好ましい。これにより、廃インキ混合物の色が無彩色から遠い色である場合において、大量のインキを混合することを防ぎ、比較的少量の有彩色着色剤を用いて灰色混合物を得うる。
廃インキ混合物の色と実質的に補色の関係である色の着色剤を用いる手段は、測定された廃インキ混合物の色に基づいて混合する着色剤の種類及び/又は量を提供可能な計算手段及び/又は電子的手段を用いる手段でもよい。これにより、混合する着色剤の種類及び/又は量をよりいっそう容易に得うる。
測定された廃インキ混合物の色に基づいて混合する着色剤の種類及び/又は量を提供可能な計算手段及び/又は電子的手段は、2以上の着色剤を含む所定の着色剤グループから2以上の混合する着色剤を選択し、さらに、選択した混合する着色剤それぞれについて混合する量及び/又は比率を提供可能な計算手段及び/又は電子的手段であることが好ましい。これにより、利用可能な着色剤の種類が限られている場合であっても、無彩色の灰色混合物を得うる。
〔第3混合工程〕
第3混合工程は、第2混合工程で得られる灰色混合物と黒色着色剤とを混合する工程である。第3混合工程により、廃インキに由来する成分を含む、灰色を印刷可能な黒色インキとして有彩色の廃インキ混合物を再利用可能とする、黒色再生インキを提供できる。
第3混合工程によれば、灰色混合物の色を黒色着色剤によって黒色にできる。したがって、灰色混合物を用いて新たに加える黒色着色剤の量を抑えつつ、黒色再生インキを得うる。
第3混合工程は、混合する黒色着色剤の量を決定する工程を含むことが好ましい。これにより、大量の黒色着色剤を混合して再利用される廃インキの量を減らすことを防ぎ得る。また、黒色着色剤が不足して灰色の印刷に適さない再生インキとするリスクを軽減し得る。混合する黒色着色剤の量を決定する手段は、特に限定されず、例えば、分光光度計等を用いて測定した灰色混合物の色を用いて黒色着色剤の量を決定する手段でよい。
第3混合工程は、灰色混合物及び黒色着色剤を撹拌する手順を含む工程であることが好ましい。これにより、灰色混合物と黒色着色剤とがよりいっそう混合され、よりいっそう印刷装置に適した特性を有する再生インキを得うる。灰色混合物及び黒色着色剤を撹拌する手段は、特に限定されず、従来技術の撹拌を行う手段でよい。
[黒色着色剤]
黒色着色剤は、黒色の着色剤であれば、特に限定されない。黒色着色剤は、例えば、炭素を含むカーボンブラック顔料、油を燃焼させて得られる成分を含むランプブラック顔料、植物原料を炭化させて得られる成分を含むベジタブルブラック顔料、獣骨を焼成して得られる成分を含むボーンブラック顔料、黒鉛を含むグラファイトブラック顔料、金属等の酸化物を含む酸化物系黒色着色剤、並びに黒色の染料の1以上を含む黒色着色剤でよい。
酸化物系黒色着色剤に含まれる金属の酸化物は、特に限定されず、例えば、鉄の酸化物、銅及びクロムの複合酸化物、銅、クロム及び亜鉛の複合酸化物、並びにチタンの酸化物の1以上でよい。
黒色着色剤が上述の着色剤を含むことにより、印刷装置に適した特性を有する再生インキを得うる。
黒色着色剤は、黒色顔料を含むことが好ましい。黒色着色剤が黒色顔料を含むことにより、廃インキ混合物が廃顔料インキ混合物である場合に、有彩色の廃顔料インキ混合物を再利用し、黒色顔料再生インキを提供し得る。
文字は、黒色で印刷される機会が比較的多い。したがって、黒色インキは、文字を好適に印刷可能であることを求められ得る。インキのうち、染料インキは、印刷した箇所の内部に浸透して発色するため、印刷した文字の滲みを軽減する点において、改良の余地がある。
顔料インキは、印刷した箇所の表面に付着することで発色するため、印刷した文字の滲みを染料インキより軽減し得る。黒色着色剤が黒色顔料を含むことにより、実質的に無彩色の灰色を印刷可能であることに加え、印刷した文字の滲みを軽減し、文字を好適に印刷可能な黒色顔料再生インキを提供し得る。
[有機溶剤]
第3混合工程は、上述の各種材料に有機溶剤を加えて混合する手順を含んでもよい。有機溶剤を加えて混合することにより、上述の各種材料をよりいっそう混合し得る。これにより、よりいっそう印刷に適した黒色再生インキを提供できる。
有機溶剤は、特に限定されず、従来技術のインキで利用可能な上述した有機溶剤でよい。
[その他の材料]
第3混合工程は、上述の各種材料にその他の材料を加えて混合する手順を含んでもよい。その他の材料は、特に限定されず、例えば、バインダー;着色剤;金属石鹸;耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、及び/又はスリキズ防止性を付与する添加剤(例えば、ポリエチレン系有機化合物等を用いたワックス);インキの保存安定性を付与する添加剤;紫外線吸収剤;赤外線吸収剤;銀イオン含有ゼオライトによって例示される臭い分子吸着剤;ハイドロキノン(HQ)、ターシャリブチルハイドロキノン(TBHQ)、アスコルビン酸(ビタミンC)、シクロヘキサノンオキシム、及びメチルヒドロキノリン等によって例示される酸化防止剤;ワックス、デンプン等によって例示される裏写り防止剤;アミン系有機化合物とケイ酸塩系無機化合物の複合物等によって例示されるアルデヒド捕捉剤;並びに抗菌剤等によって例示される、従来技術のインキが含む材料の1以上でよい。
〔その他の工程〕
本実施形態に係る黒色再生インキの製造方法は、上述の第1混合工程、第2混合工程、及び第3混合工程に加えて、従来技術のインキの製造方法に含まれる各種の工程を含んでもよい。
[着色剤分散工程]
本実施形態に係る黒色再生インキの製造方法は、上述の第3混合工程で得られた黒色再生インキについて、分散機を用いて黒色再生インキに含まれる着色剤を分散させる着色剤分散工程を含むことが好ましい。
着色剤分散工程を含むことにより、着色剤が黒色再生インキ中において分散し得る。着色剤が分散した黒色再生インキは、印刷した箇所における着色剤のむらを軽減し得る。したがって、むらなく灰色を印刷可能な黒色インキとして有彩色の廃インキ混合物を再利用し得る。
分散機は、特に限定されず、ビーズミル及びロールミル等によって例示される、インキ中の着色剤を分散させる手段として利用可能な従来技術の分散機でよい。
[調整工程]
本実施形態に係る黒色再生インキの製造方法は、上述の第3混合工程及び/又は着色剤分散工程で得られた黒色再生インキについて、インキ中における着色剤の濃度及び/又はインキの粘度を調整する調整工程を含むことが好ましい。
インキ中における着色剤の濃度及び/又はインキの粘度を調整する方法は、特に限定されず、例えば、黒色再生インキに有機溶剤及び/又はその他の材料を混合してインキ中における着色剤の濃度及び/又はインキの粘度を調整する方法でよい。
[充填工程]
本実施形態に係る黒色再生インキの製造方法は、上述の第3混合工程、着色剤分散工程、及び/又は調整工程で得られた黒色再生インキを容器に充填する充填工程を含むことが好ましい。
これにより、黒色再生インキを充填した黒色再生インキ容器を得られる。黒色再生インキ容器により、黒色再生インキの保存及び/又は印刷装置における黒色再生インキの利用が容易になり得る。
容器は、特に限定されず、従来技術のインキを充填可能な容器でよい。容器は、例えば、5キロ缶及びドラム缶等によって例示される缶でもよく、1tコンテナ等によって例示されるコンテナでもよい。容器は、金属容器であることが好ましい。容器が金属容器であることにより、容器がインキと反応することを防ぎ得る。
容器は、廃インキ等を再利用したインキであることを識別可能な表示を有する容器であることが好ましい。廃インキ等を再利用したインキであることを識別可能な表示は、特に限定されず、例えば、「再生インキ」「インキ再生品」「再利用インキ」「インキ再利用品」「リサイクルインキ」「インキリサイクル品」「リユースインキ」「インキリユース品」等が挙げられる。
<黒色再生インキ>
実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供することができる。実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により製造された黒色再生インキは、廃インキに由来する成分を含む。
実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により製造された黒色再生インキは、廃インキに由来する成分を5%以上含むことが好ましく、10%以上含むことがより好ましく、15%以上含むことがさらに好ましい。これにより、廃インキをよりいっそう利用し得る。
実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により製造された黒色再生インキは、廃インキに由来する成分を80%以下含むことが好ましく、70%以下含むことがより好ましく、60%以下含むことがさらに好ましい。これにより、廃インキに由来する着色剤成分が過剰となり、印刷品質に悪影響を及ぼすリスクを軽減し得る。
廃インキが廃顔料インキであり、黒色着色剤が黒色顔料を含む場合、黒色再生インキは、黒色顔料再生インキであることが好ましい。
文字は、黒色で印刷される機会が比較的多い。したがって、黒色インキは、文字を好適に印刷可能であることを求められ得る。インキのうち、染料インキは、印刷した箇所の内部に浸透して発色するため、印刷した文字の滲みを軽減する点において、改良の余地がある。
顔料インキは、印刷した箇所の表面に付着することで発色するため、印刷した文字の滲みを染料インキより軽減し得る。したがって、黒色再生インキが黒色顔料再生インキであることにより、実質的に無彩色の灰色を印刷可能であることに加え、印刷した文字の滲みを軽減し、文字を好適に印刷可能な黒色再生インキを提供し得る。
黒色再生インキが輪転オフセット印刷用黒色再生インキである場合、より多くの廃インキを再利用することが好ましい。
実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により製造された輪転オフセット印刷用黒色再生インキは、廃インキに由来する成分を20%以上含むことが好ましく、35%以上含むことがより好ましく、40%以上含むことがさらに好ましい。これにより、廃インキをよりいっそう利用し得る。
黒色再生インキが枚葉オフセット印刷用黒色再生インキである場合、廃インキが印刷品質に悪影響を及ぼすリスクを軽減するため、廃インキに由来する成分の上限を低くすることが好ましい。
実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により製造された枚葉オフセット印刷用黒色再生インキは、廃インキに由来する成分を40%以下含むことが好ましく、30%以下含むことがより好ましく、25%以下含むことがさらに好ましい。これにより、廃インキに由来する着色剤成分が過剰となり、印刷品質に悪影響を及ぼすリスクを軽減し得る。
実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により製造された黒色再生インキは、着色剤と、バインダーを含むワニスと、その他の材料(添加剤とも称する。)とを含むことが好ましい。
検品者にとって、本実施形態の測色方法で測定された黒色再生インキのCIELAB値(L ,a ,b )に関する色差ΔEは、黒色再生インキが無彩色であるか否かを判別する指標となり得る。
色差ΔEの上限は、特に限定されるものでなく、適宜設定すればよいが、色差ΔEは、3.2以下であることが好ましく、2.4以下であることが好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。色差ΔEを上述のとおり定めることにより、よりいっそう無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる。
基本的に、色差ΔEは、0に近いほど好ましい。色差ΔEが0に近いほど、新品の黒色着色剤インキに近い品質の再生インキを提供できる。一方で、必要以上に無彩色に近づけようとして着色剤及び/又は黒色着色剤を大量に加えることなく、実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる観点から、色差ΔEは、0.08以上であることが好ましく、0.09以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。また、色差ΔEが0でなく、所定の下限値を有することは、インキが新品インキか、再生インキかを区別する指標にもなり得る。
本実施形態の測色方法で測定された黒色再生インキのCIELAB値(L ,a ,b )に関する明度L の上限は、40以下であることが好ましく、37以下であることがより好ましく、35以下であることがさらに好ましい。明度L の上限を上述のとおり定めることにより、実質的に黒色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる。
本実施形態に係る黒色再生インキをメジュームで10倍に希釈した10倍希釈再生インキのCIELAB値(L 10D,a 10D,b 10D)に関する色差ΔE10Dは、黒色再生インキを希釈してグレーで印刷したときに、印字されたグレーの色が無彩色であるか否かを判別する指標となり得る。メジュームとは、インキ用ワニス単独、又はワニスに体質顔料を分散した無彩色希釈用インキをいう。体質顔料とは、それ自体に着色力、隠蔽力はないが、他の顔料の希釈や増量に用いられる白色顔料をいう。体質顔料の例として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
白色インキの比重は、他のインキの比重に対し2倍程度となり得る。一般に、メジュームは、白色インキに比べて比重が小さい。また、白色インキを混合した場合、混合後のインキが不透明となり、再生インキの性質が変化し得る。したがって、黒色再生インキをメジュームで希釈することにより、再生インキの性質を変えることなく、白色インキで希釈する場合より軽いインキで所望の希釈効果を得うる。また、希釈した再生インキの透明性が変化し、測色に影響を及ぼすことを防ぎ得る。
ΔE10Dを測定するに際し、本発明では、メジュームとして都インキ株式会社製「WVメジューム」を用いるものとする。
色差ΔE10Dの上限は、特に限定されるものでなく、適宜設定すればよいが、色差ΔE10Dは、4.8以下であることが好ましく、3.2以下であることが好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。色差ΔE10Dの上限を上述のとおり定めることにより、灰色の印字を無彩色で表現可能な黒色再生インキを提供できる。
基本的に、色差ΔE10Dは、0に近いほど好ましい。色差ΔE10Dが0に近いほど、新品の黒色着色剤インキを希釈して灰色の印字を表現したときと同等の品質を有する再生インキを提供できる。一方で、必要以上に無彩色に近づけようとして着色剤及び/又は黒色着色剤を大量に加えることなく、実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる観点から、色差ΔE10Dは、0.4以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。また、色差ΔE10Dが0でなく、所定の下限値を有することは、インキが新品インキか、再生インキかを区別する指標にもなり得る。
〔着色剤〕
実施形態に係る黒色再生インキの製造工程により製造された黒色再生インキは、廃インキに由来する着色剤及び黒色着色剤を含む。また、黒色再生インキは、第2混合工程において混合された有彩色着色剤に由来する着色剤を含んでもよい。
黒色再生インキに対する着色剤の割合の下限は、5%以上であることが好ましく、8%以上であることが好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。これにより、印刷する箇所に十分な濃度の着色剤を提供し得る。
黒色再生インキに対する着色剤の割合の上限は、40%以下であることが好ましく、30%以下であることが好ましく、25%以下であることがさらに好ましい。これにより、過剰な着色剤成分が印刷品質に悪影響を及ぼすリスクを軽減し得る。
〔ワニス〕
ワニスは、少なくともインキのバインダーを含む。ワニスは、植物油を含むことが好ましい。植物油を含むことにより、石油系溶剤の使用量を抑え得る。そして、限りある資源である化石燃料の使用量を抑え得る。ワニスは、石油系溶剤を含むことが好ましい。石油系溶剤を含むことにより、インキの粘度を印刷に適した粘度とし得る。また、石油系溶剤を乾燥させることにより、インキを印刷する箇所に定着させ得る。
[バインダー]
バインダーは、特に限定されず、従来技術のインキが含むバインダーでよい。
黒色再生インキに対するバインダーの割合の下限は、10%以上であることが好ましく、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。これにより、インキの粘度が印刷に適した粘度を下回らないようにし得る。
黒色再生インキに対するバインダーの割合の上限は、75%以下であることが好ましく、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。これにより、インキの粘度を印刷に適した粘度を上回らないようにし得る。
[植物油]
植物油は、特に限定されず、大豆油等によって例示される従来技術のインキが含む植物油でよい。
黒色再生インキに対する植物油の割合の下限は、7%以上であることが好ましい。これにより、限りある資源である化石燃料の使用量をよりいっそう抑え得る。
[石油系溶剤]
石油系溶剤は、特に限定されず、従来技術のインキが含む石油系溶剤でよい。
黒色再生インキが印刷したインキを常温より高い温度で熱乾燥させる手順を含むヒートセット印刷で用いられるヒートセット印刷用黒色再生インキである場合、石油系溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。これにより、保管中及び/又は輸送中において石油系溶剤が揮発することを軽減し得る。
ヒートセット印刷用黒色再生インキである場合、石油系溶剤の沸点は、400℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましく、300℃以下であることがさらに好ましい。これにより、熱乾燥において消費されるエネルギー量を軽減し得る。
黒色再生インキに対する石油系溶剤の割合の下限は、20%以上であることが好ましく、25%以上であることが好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。これにより、インキの粘度が印刷に適した粘度を上回らないようにし得る。
黒色再生インキに対する石油系溶剤の割合の上限は、80%以下であることが好ましく、60%以下であることが好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。これにより、インキの粘度を印刷に適した粘度を下回らないようにし得る。
〔その他の材料〕
その他の材料は、特に限定されず、例えば、金属石鹸;耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、及び/又はスリキズ防止性を付与する添加剤(例えば、ポリエチレン系有機化合物等を用いたワックス);インキの保存安定性を付与する添加剤;紫外線吸収剤;赤外線吸収剤;銀イオン含有ゼオライトによって例示される臭い分子吸着剤;ハイドロキノン(HQ)、ターシャリブチルハイドロキノン(TBHQ)、アスコルビン酸(ビタミンC)、シクロヘキサノンオキシム、及びメチルヒドロキノリン等によって例示される酸化防止剤;ワックス、デンプン等によって例示される裏写り防止剤;アミン系有機化合物とケイ酸塩系無機化合物の複合物等によって例示されるアルデヒド捕捉剤;並びに抗菌剤等によって例示される、従来技術のインキが含む材料の1以上でよい。
黒色再生インキに対するその他の材料について、その割合の上限は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。これにより、黒色再生インキが十分な割合の着色剤及び/又はバインダーを含むようにし得る。
〔容器〕
黒色再生インキは、容器に充填されることが好ましい。これにより、黒色再生インキを容易に保管、保存、販売、及び/又は輸送し得る。容器は、特に限定されず、上述の充填工程に記載の容器でよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
本発明の実施形態に係る方法で黒色再生インキを用意した(実施例1)。また、比較例として、廃インキ混合物に黒色着色剤を加えた黒色再生インキ(比較例1)と、廃インキ混合物に補色の着色剤を加えた黒色再生インキ(比較例2)とを用意した。
<実施例1>使用済みのオフセット印刷用インキ容器から得られた複数色の残インキを有彩色着色剤で補色し、その後黒色着色剤を混合して得た黒色再生インキ
オフセット印刷装置から回収された複数のオフセット印刷用顔料インキの残インキ(「回収インキ」とも称する。)を混合する第1混合工程を行い、第1混合工程で得られる有彩色の混合物(例えば、赤色混合物)に補色となる着色剤(例えば、藍色着色剤と緑色着色剤)を加える第2混合工程を行い、第2混合工程で得られる灰色混合物に黒色着色剤を加える第3混合工程を行い、さらにバインダー及び助剤を加え、分散機を用いて着色剤を分散させる着色剤分散工程及びインキ中における着色剤の濃度及び/又はインキの粘度を調整する調整工程を行うことで、実施例1に係るオフセット印刷用黒色再生インキ(以下、単に「実施例1再生インキ」とも称する。)を得た。回収インキを変えてこの手順を繰り返し、5つの実施例1再生インキを得た。
<比較例1>廃インキ混合物に着色剤を加えた黒色再生インキ
第3混合工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ手法にて比較例1に係るオフセット印刷用黒色再生インキ(以下、単に「比較例1再生インキ」とも称する。)を得た。回収インキを変えてこの手順を繰り返し、5つの比較例1再生インキを得た。
<比較例2>廃インキ混合物に黒色着色剤を加えた黒色再生インキ
第2混合工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ手法にて比較例2に係るオフセット印刷用黒色再生インキ(以下、単に「比較例2再生インキ」とも称する。)を得た。回収インキを変えてこの手順を繰り返し、5つの比較例2再生インキを得た。
<測色評価>
実施例及び比較例で得られた各種の再生黒色インキについて、インキの色を測定した(以下、単に「測色」とも称する。)。
〔インキの官能試験〕
[再生した黒色インキの官能試験]
各種の再生黒色インキについて、インキの見かけの色を目視検査した。実施例1再生インキ、比較例1再生インキ、及び比較例2再生インキのそれぞれについて、D50光源下にて4人のモニターによる目視検査を行った。それぞれの再生インキについて、市販の黒色インキ(都インキ株式会社製墨プロセスカラー)と略同じ黒色であるか(評価:+)、及び当該市販の黒色インキより明るい灰色であるか(評価:-)で見かけの色を評価した。評価の結果は、表1のとおりであった。
Figure 0007241440000003
[再生黒色インキを希釈したときの官能試験]
各種の再生黒色インキを希釈し、希釈後のインキについて、見かけの色を目視検査した。上述した通り、希釈後のインキについてΔE10Dを測定する場合、再生黒色インキをメジュームで希釈することが好ましい。それに対し、希釈後のインキについて見かけの色を目視で測色する場合、再生黒色インキを白色インキで希釈することが好ましい。再生黒色インキを白色インキで希釈することにより、希釈後のインキが不透明となり、見かけの色を目視で容易に判断でき得る。
実施例1再生インキを市販の白色インキ(商品名「ビゴラス77白」、都インキ株式会社製)で10倍に希釈した希釈インキと、比較例2再生インキを当該白色インキで10倍に希釈した希釈インキとのそれぞれについて、D50光源下にて4人のモニターによる目視検査を行った。希釈インキのそれぞれについて、上記市販の黒色インキを上記白色インキで10倍に希釈した対照希釈インキと略同じ灰色であるか(評価:++)、及び当該対照希釈インキと異なる色味であるか(評価:--)で見かけの色を評価した。評価の結果は、表2のとおりであった。
Figure 0007241440000004
比較例2再生インキを希釈した希釈インキについて、対照希釈インキと異なる色味である(--)と評価したモニターに、色味がどのように異なるかをヒアリングした。モニター1-4のいずれも、比較例2再生インキを希釈した希釈インキは、対照希釈インキより赤みがかった灰色である点で異なると回答した。
[展色したインキの官能試験]
(黒色印刷)
各種の再生黒色インキについて、黒色を印刷した場合の色を目視検査した。実施例1再生インキ、比較例1再生インキ、及び比較例2再生インキのそれぞれについて、RIテスターを用いてインキ0.125mlをnpi上質紙上に展色し、実施例1再生インキ黒色展色物、比較例1再生インキ黒色展色物、及び比較例2再生インキ黒色展色物を得た。そして、黒色展色物それぞれについて、D50光源下にて4人のモニターによる目視検査を行った。黒色展色物それぞれについて、上記市販の黒色インキを用いて黒色を印刷した対照黒色展色物と略同じ黒色であるか(評価:+)、当該対照黒色展色物より明るい灰色であるか(評価:-)で黒色展色物の色を評価した結果は、表3のとおりであった。
Figure 0007241440000005
(灰色印刷)
各種の再生黒色インキについて、灰色を印刷した場合に相当する色を目視検査した。実施例1再生インキを市販のメジューム(商品名「WVメジューム」、都インキ株式会社製)で10倍に希釈した希釈インキと、比較例2再生インキを当該メジュームで10倍に希釈した希釈インキとのそれぞれについて、黒色印刷と同様の手法にて上質紙上に展色し、実施例1再生インキ灰色展色物、及び比較例2再生インキ灰色展色物を得た。そして、灰色展色物それぞれについて、D50光源下にて4人のモニターによる目視検査を行った。灰色展色物のそれぞれについて、上記市販の黒色インキ上記市販のメジュームで10倍に希釈した対照希釈インキを用いて灰色を印刷した対照灰色展色物と略同じ灰色であるか(評価:++)、当該対照灰色展色物と異なる色味であるか(評価:--)で灰色展色物の色を評価した結果は、表4のとおりであった。
Figure 0007241440000006
比較例2再生インキ灰色展色物について、対照灰色展色物と異なる色味である(--)と評価したモニターに、色味がどのように異なるかをヒアリングした。モニター1-4のいずれも、比較例2再生インキ灰色展色物は、対照灰色展色物より赤みがかった灰色である点で異なると回答した。
[官能試験のまとめ]
再生黒色インキの黒色での官能試験及び黒色に展色した黒色展色物の官能試験において、実施例1再生インキ及び比較例2再生インキは、いずれも市販の黒色インキと略同じ黒色であると評価された。比較例1再生インキは、市販の黒色インキと略同じ黒色ではないと評価された。
また、再生黒色インキを希釈して灰色にした希釈インキの官能試験及び灰色に展色した灰色展色物の官能試験において、実施例1再生インキを希釈したインキは、市販の黒色インキを希釈したインキと略同じ灰色であると評価されたのに対し、比較例2再生したインキは、市販の黒色インキを希釈した希釈インキと異なる色味であると評価された。
したがって、比較例2再生インキでは、黒色を印刷可能であるものの、実質的に無彩色の灰色を印刷できない。それに対し、実施例1再生インキは、黒色を印刷可能であるだけでなく、実質的に無彩色の灰色も印刷可能である。
〔測色機を用いた数値評価〕
官能試験の結果を数値的に確認すべく、測色機を用いた測色試験を行った。実施例1の第1混合工程で得られた赤色混合物、実施例1再生インキ5つ、実施例1再生インキ5つそれぞれを上記市販のメジュームで10倍に希釈した実施例1希釈インキ5つ、比較例1再生インキ、比較例2再生インキ、比較例2再生インキを上記市販のメジュームで10倍に希釈した比較例2希釈インキ、上記市販の黒色インキ(対照黒色インキ)、当該対照黒色インキを上記市販のメジュームで10倍に希釈した対照希釈インキ、市販の黄色インキ(都インキ株式会社製黄色プロセスカラー)、紅色のインキ(都インキ株式会社製紅色プロセスカラー)、及び藍色のインキ(都インキ株式会社製藍色プロセスカラー)のそれぞれについて、RIテスターを用いてインキ0.125mlをnpi上質紙上に展色し、D50光源下、視野2度にて直径2mm範囲の展色したインキのCIELAB値(L,a,b)を市販の測色機(製品名「eXact」(登録商標)、エックスライト社製)で測定した。また、測定したCIELAB値それぞれについて、以下の式によって定められる上記市販の黒色インキ(対照黒色インキ)に対する色差ΔEを求めた。
Figure 0007241440000007
測定した各インキの明度Lを図1に示す。また、実施例1再生インキ、実施例1希釈インキ、比較例2再生インキ、比較例2希釈インキ、対照黒色インキ、対照希釈インキ、及び赤色混合物について、色(a,b)を図2に示す。
[有意差検定]
測定した各インキの明度L*及び色差ΔEに有意水準0.01で有意差があるという仮説を、ウェルチのt検定を用いて検定した。
(実施例1再生インキと対照黒色インキとの間の有意差)
実施例1再生インキの明度Lと対照黒色インキの明度Lとおけるウェルチのtの絶対値は、0.17であり、有意水準0.01における境界値4.60を下回った。したがって、実施例1再生インキの明度Lと対照黒色インキの明度Lとに有意差があるという仮説は、棄却された。
実施例1再生インキの色差ΔEと対照黒色インキの色差ΔEとおけるウェルチのtの絶対値は、3.72であり、有意水準0.01における境界値4.60を下回った。したがって、実施例1再生インキの色差ΔEと対照黒色インキの色差ΔEとに有意差があるという仮説は、棄却された。
したがって、実施例1再生インキは、明度L及び色差ΔEのいずれにおいても、対照黒色インキを用いた場合と略同等の黒色印刷品質を発揮可能なインキであると判断できる。
(実施例1再生インキと比較例1再生インキとの間の有意差)
実施例1再生インキの明度Lと比較例1再生インキの明度Lとおけるウェルチのtの絶対値は、220.46であり、有意水準0.01における境界値4.60を上回った。したがって、実施例1再生インキの明度Lと比較例1再生インキの明度Lとに有意差があるという仮説は、棄却されなかった。
実施例1再生インキの色差ΔEと比較例1再生インキの色差ΔEとおけるウェルチのtの絶対値は、18.56であり、有意水準0.01における境界値4.60を上回った。したがって、実施例1再生インキの色差ΔEと比較例1再生インキの色差ΔEとに有意差があるという仮説は、棄却されなかった。
したがって、比較例1再生インキは、明度L及び色差ΔEのいずれにおいても、実施例1再生インキを用いた場合に比べて黒色印刷品質が劣るインキであると判断できる。
(実施例1再生インキと比較例2再生インキとの間の有意差)
実施例1再生インキの明度Lと比較例2再生インキの明度Lとおけるウェルチのtの絶対値は、28.15であり、有意水準0.01における境界値4.60を上回った。したがって、実施例1再生インキの明度Lと比較例2再生インキの明度Lとに有意差があるという仮説は、棄却されなかった。
実施例1再生インキの色差ΔEと比較例2再生インキの色差ΔEとおけるウェルチのtの絶対値は、7.81であり、有意水準0.01における境界値4.60を上回った。したがって、実施例1再生インキの色差ΔEと比較例2再生インキの色差ΔEとに有意差があるという仮説は、棄却されなかった。
目視では比較例2再生インキでも対照黒色インキに遜色のない印刷性能を発揮していたため、有意差検定では上記仮説が棄却されるものと予想される。しかしながら、有意差検定の結果は予想と異なり、上記仮説は棄却されなかった。そのため、目視で遜色がないように見えていても、実際には比較例2再生インキは、実施例1再生インキを用いた場合に比べて黒色印刷品質が劣るインキであると判断できる。
(実施例1希釈インキと対照希釈インキとの間の有意差)
実施例1希釈インキの色差ΔEと対照希釈インキの色差ΔEとおけるウェルチのtの絶対値は、1.13であり、有意水準0.01における境界値4.60を下回った。したがって、実施例1希釈インキの色差ΔEと対照希釈インキの色差ΔEとに有意差があるという仮説は、棄却された。
したがって、実施例1希釈インキは、色差ΔEにおいて対照希釈インキとの間に有意差がなく、対照黒色インキを希釈した場合と略同等の灰色印刷品質を発揮可能なインキであると判断できる。
(実施例1希釈インキと比較例2希釈インキとの間の有意差)
実施例1希釈インキの色差ΔEと比較例2希釈インキの色差ΔEとおけるウェルチのtの絶対値は、6.89であり、有意水準0.01における境界値4.60を上回った。したがって、実施例1希釈インキの色差ΔEと対照希釈インキの色差ΔEとに有意差があるという仮説は、棄却されなかった。
したがって、比較例2希釈インキは、色差ΔEにおいて実施例1希釈インキを用いた場合に比べて灰色印刷品質が劣るインキであると判断できる。
〔測色評価のまとめ〕
官能試験により、補色のみを加え、黒色顔料を加えていない比較例1再生インキは、黒色を印刷する点において課題を有することが確認された。また、補色を加えず、黒色顔料のみを加えた比較例2再生インキは、黒色を印刷可能であるものの実質的に無彩色の灰色を印刷する点において課題を有することが確認された。一方、比較例1再生インキ及び比較例2再生インキと異なり、本発明の実施例1再生インキは、黒色及び実質的に無彩色の灰色の両方を印刷可能であることが確認された。測色試験においても、ほぼ同じ結果が確認された。
したがって、本発明の黒色再生インキ(実施例1再生インキ)は、黒色を印刷可能であり、印刷の際に適切な調色を施すことで、実質的に無彩色の灰色を印刷することもできる。よって、本発明によれば、有彩色の廃インキ混合物を再利用する場合であっても実質的に無彩色の灰色を印刷可能な黒色再生インキを提供できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限るものではない。また、上述の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したものに過ぎず、本発明による効果は、上述の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。また、上述の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。

Claims (1)

  1. バインダーを含有する廃インキであって、少なくとも2色以上の廃インキを混合する第1混合工程と、
    前記第1混合工程で得られる廃インキ混合物と有彩色着色剤とを混合して灰色混合物を得る第2混合工程と、
    前記灰色混合物と黒色着色剤とを混合する第3混合工程とを含んで製造され、
    CIELAB値(L,a,b)における色差ΔEが以下の式で定められる場合において、
    RIテスターを用いて0.125mlをnpi上質紙上に展色し、D50光源下、視野2度にて展色した直径2mm範囲を測定される、黒色再生インキのCIELAB値(L ,a ,b )における色差ΔEが0.08以上3.2以下であり、
    RIテスターを用いて0.125mlをnpi上質紙上に展色し、D50光源下、視野2度にて展色した直径2mm範囲を測定される、メジュームで10倍に希釈した前記黒色再生インキのCIELAB値(L 10D,a 10D,b 10D)における色差ΔE10Dが0.4以上4.8以下である、黒色再生インキ。
    Figure 0007241440000008
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