JP7240985B2 - ストレスによる下痢の軽減剤及び食品組成物 - Google Patents

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NPMD NITE BP-02958
本発明は、ストレスによる下痢の軽減剤及び食品組成物に関するものである。
現代社会において仕事や日常生活に関する強い不安、悩み、ストレスを抱く労働者は 58.3%と半数を超え、特に20代~60代に掛けて割合が上昇する結果が報告されている (非特許文献1)。ストレスは人体に対し様々な影響を与えるが、そのひとつである腹痛や下痢は不安や苦痛が大きくQOLを著しく損なうことがある。平成28年に厚生労働省が行った性・年齢階級別の有訴者率において下痢症状は男女共に20代から急激に上昇している (非特許文献2)。前述のデータはストレス起因の下痢に限定してはいないものの、データを照らし合わせると、ストレスを抱く世代と下痢の自覚症状を感じている世代は共通していることが分かる。
下痢は、分泌性下痢、浸透圧性下痢及び運動亢進性下痢の3つに分類することができる。分泌性下痢は、食中毒細菌感染による食あたりや、アレルゲン摂取による食物アレルギーの影響で腸粘膜に障害が起こり、腸管内の分泌液が過剰となることで下痢を起こす。浸透圧性下痢は、浸透圧を上げる下剤やソルビトールやキシリトール等の一部の食品の摂取により、腸管内の浸透圧が上昇することで下痢を起こす。運動亢進性下痢は、ストレスなどによって自律神経や免疫のバランスが乱れ、腸運動の過剰な亢進や、腸管の炎症などにより下痢が引き起こされ、腹痛を伴うことが多いのが特徴である。
下痢の原因としてストレスが疑われる疾病に、過敏性腸症候群 (Irritable Bowel Syndrome : IBS)がある。IBSは、検査を行っても炎症や腫瘍などの明らかな異常が認められないにもかかわらず、腹痛や腹部の違和感を伴って下痢や便秘が慢性的に続く疾患である。世界では、成人人口の約11%がIBSに罹患していると推計されており、このうち約1/3が下痢型に分類される。さらに、自覚のない患者や、通院し医師による診断を受けるほど重症でないと考える患者を含めると、その数はさらに増えるものと考えられている。
このように、下痢に悩む人は多い。また、下痢による腹痛や便意切迫は、仕事等に集中できないなどの社会生活に支障をきたす。そのため、下痢症状の改善方法がいくつか提案されている。例えば、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスによる方法(特許文献1参照)や、IBS症状を抑制するべく、生菌剤を用いる方法も提案されている (特許文献2参照)
特開2014-101282号公報 特開2019-064985号公報
平成29年 厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 P23 第25表 平成28年 厚生労働省 国民生活基礎調査の概況 P41 第10表
しかしながら、各人において腸内環境が異なるように、すべての人に先願のプロバイオティックスや生菌剤が効くわけではない。また、特許文献2については、ヒトではなく動物実験による評価データをもとにしており、ヒトに試した場合に同等の効果が得られるとは限らない。
本発明は、ヒトにおける日常的なストレスによる、腹痛および腹部不快感を伴う下痢の軽減剤及び食品組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の特徴を包含する。
(1)ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株(NITE BP-02958)の菌体を有効成分として含有することを特徴とする、ストレスによる下痢の軽減剤。
(2)一食当たりの単位摂取形態からなり、該単位中に、ビフィドバクテリウム・ブレーベN708株が有効成分として含有されていることを特徴とする、ストレスによる下痢の軽減剤。
(3)ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の菌体が死菌である、(1)~(2)のいずれか一項のストレスによる下痢の軽減剤。
(4)ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株(NITE BP-02958)の菌体を有効成分として含有する、ストレスによる下痢の軽減用食品組成物。
(5) 請求項1に記載のストレスによる下痢の軽減用食品組成物を含有する飲食品。
ここで、特許請求の範囲記載の「単位摂取形態」とは、1回当たりに決められた量を摂取しやすいように、所定量が個包、錠剤、カプセル、顆粒などの形態になっていることを意味する。
本発明によれば、ヒトにおいて日常的にストレスを感じ、腹痛および腹部不快感を伴う下痢の軽減剤及び食品組成物を提供することができる。
図1は、出雲スケール問7の「食事をするとすぐにお腹がいっぱいになって困ったこと」の摂取0週のスコアと比較したスコア変化量を表した図である。 図2は、出雲スケール問15の「強いストレスを感じた時に起こる下痢で困ったこと」の摂取0週のスコアと比較したスコア変化量を表した図である。
本明細書において、「ストレスによる下痢を軽減する」とは、「ストレスによる下痢を緩和する」、「ストレスによる下痢を抑制する」、「ストレスによる下痢を改善する」等と言い換えることができる。したがって、本実施形態のストレスによる下痢の軽減剤は、「ストレスによる下痢の緩和剤」、「ストレスによる下痢の抑制剤」、「ストレスによる下痢の改善剤」等と言い換えることもできる。
本実施形態のストレスによる下痢の軽減剤は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株 (NITE-BP02958) の菌体を有効成分として含有する組成物が、ストレスによる下痢の軽減用途に有効であることを見出したことに基づくものである。ここで、下痢とは、運動亢進性下痢のみならず、IBSにおける下痢型も含むものである。
(ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株)
ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株 (NITE-BP02958)は、下記の条件で寄託されている。
(1)寄託機関名:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
(2)連絡先:〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室
(3)受託番号:NITE BP-02958
(4)識別のための表示:N708
(5)寄託日:2019年5月29日
本実施形態で用いられるビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株菌体の調整方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、前培養および本培養はGAM培地 (ニッスイ) を所定の方法で調製し、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株を接種後37℃、24時間する。本培養液中の菌体を遠心分離や膜濃縮により集菌し、菌体を水で洗浄後加熱殺菌処理する。なお、集菌処理前に殺菌処理しても良い。殺菌、菌体洗浄後凍結乾燥処理により乾燥殺菌体粉末を得ることができる。菌体の粉末化の方法は凍結乾燥に限らず、スプレードライやドラム乾燥などで行っても良い。また、殺菌処理を施さなければ生菌体粉
末を得ることもできる。
本実施形態におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の菌体は、生菌を用いても良く、死菌を用いても良い。また、生菌を用いる場合は、死菌が混在していても良い。また、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の菌体は、一日当たり25 mg以上摂取することが好ましい。摂取については、一日当たりの量を一度に摂取しても、数回に分けて摂取してもよく、摂取のタイミングも問わない。例えば、単位摂取形態として一錠当たりビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の死菌5 mgを含んだ錠剤がある場合、一度に5錠摂取してもよいし、5錠を何回かに分けて摂取してもよい。また、一錠当たりビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の死菌25 mgを含んでいる場合には、一日に1錠摂取すればよい。なお、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の菌体の一日当たり摂取量に上限はないが、あえて上限を設けるのであれば、10 g摂取すれば十分であると考える。それ以上摂取しても、効き目に差がないと考えられるためである。また、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の菌体は継続して8週間以上摂取することが好ましい。
ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株菌体の摂取方法としては、特に制限されないが、経口摂取であることが好ましい。具体的には、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株菌体を食品組成物として含有する飲食品、医薬組成物として含有する医薬品等として摂取することが好ましい。
飲食品として摂取する場合、例えばビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株菌体を食品組成物として発酵乳及び乳酸菌飲料、バター等の乳製品、マヨネーズ等の卵加工品、バターケーキ等の菓子パン類等の材料としても利用することができる。また、即席麺やクッキー等の加工食品にも好適に利用することができる。さらに、水やジュースなどに溶解させて、飲料として摂取してもよい。なお、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株菌体単体をそのまま飲食品として摂取してもよい。また、一般の飲料や食品以外にも特定保健用食品、機能性表示食品、栄養補助食品、サプリメント等に含有させてもよい。
医薬品として摂取する場合、添加剤やその他の薬学的に許容される担体とともに用いることができる。医薬品の形状としては、例えば、錠剤、カプセル、顆粒等が挙げられる。なお、製剤化は公知の方法を用いることができる。
医薬品に用いる添加剤としては、ステアリン酸カルシウム等の潤滑剤、ショ糖、乳糖等の甘味剤ほか、香味剤、安定剤、緩衝剤、溶解補助剤、酸化防止剤、防腐剤等が挙げられる。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
日常的にストレスを感じ、腹痛および腹部不快感を伴う下痢に悩んでいる者を被験者として、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を実施した。ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験とは、プラセボ食品によるプラセボ効果(思い込み効果)を排除するために、医師や研究スタッフ等の試験関係者および被験者に、どちらが効果のある被験食品でどちらが効果のないプラセボであるかわからないように試験を進める方法の一つである。なお、二重盲検とは、各被験者がどの群に割付けられたかを、医師や研究スタッフ等の試験関係者および被験者も知らないことを意味する。
[実施例食品の打錠の製造]
ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の菌体粉末および賦形剤を配合した実施例を打錠製造した。賦形剤は、デンプン、ステアリン酸カルシウム、二酸化ケイ素を含有していた。
実施例食品の打錠には、一粒当たり25 mgのビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株の死菌体粉末を配合した。
[プラセボ食品の打錠の製造]
賦形剤のみを配合したプラセボ食品を打錠製造した。賦形剤は、デンプン、ステアリン酸カルシウム、二酸化ケイ素を含有していた。
[試験の実施]
日常的にストレスを感じ、腹痛および腹部不快感を伴う下痢に悩んでいる者20歳以上、65歳以下の日本人男女を募集し、試験内容の説明した上で自由意志に基づいた同意が得られた者133名を選定した。その試験参加志願者133名について、本試験の適格性を判断するために、スクリーニングを実施した。スクリーニングでは、試験参加志願者に対して、1週間のスクリーニング期間中に、排便アンケート (排便回数、排便時間、便の形状、腹痛、腹部不快感)を記録させ、さらに医師による問診、身体測定、バイタルサイン (血圧、脈拍)、排便アンケート、出雲スケール (消化管症状評価)、血液検査、尿検査、生活調査を実施した。なお、医師による問診、身体測定、バイタルサイン、血液検査、尿検査、生活調査は、被験者の選定及び体調管理のために実施した。スクリーニングの結果から、病者ではなく本試験に適格と判断された被験者70名を選定した。選定した被験者70名を、実施例の打錠を摂取する群35名と、プラセボ食品を摂取する群35名に割付けた。
被験者の割付は試験食品割付責任者が実施した。試験食品とは、実施例食品およびプラセボ食品のことを指す。試験食品割付責任者は、被験者の性別、年齢、排便アンケートの形状スコアと腹痛スコアを考慮した層別ランダム化法を用いて、実施例食品およびプラセボ食品の2群に割り付けた。試験食品割付責任者は、キーオープンまで厳密に被験食品割付表を保管し、盲検性は試験食品割付責任者を除く全ての関係者に対して維持された。
試験スケジュールを表1に示した。スクリーニング後1週間の前観察期間を設けた。続いて、試験食品を摂取する本試験を実施し、被験者に実施例食品あるいはプラセボ食品を8週間摂取させた。
Figure 0007240985000001
試験食品は、1日当たり打錠1錠を摂取させた。摂取時間は、飲み忘れを防ぐ目的で朝食後としたが、朝食後に摂取を忘れた場合はその日のうちに摂取することとし、翌日には持ち越さないこととした。
[試験の評価]
試験食品摂取による効果は、以下の評価項目により評価した。
[排便アンケート]
表1のスケジュールに従い、被験者に対し表2に示した排便アンケートを実施した。被験者に、摂取0週の1週間前から試験期間中、毎日排便の有無を記録させるとともに、排便があった場合、「排便回数」、「排便時間」、「便の形状」、「便意を催したときの腹痛」、「便意を催したときの腹部の不快感」、「排便後の腹痛」、「排便後の腹部の不快感」について記録させた。
Figure 0007240985000002
[出雲スケール]
表1のスケジュールに従い、被験者に対し出雲スケールを実施した。出雲スケールは、表3で示す消化管症状の評価問診票であり、「胸やけ」、「胃の痛み」、「胃もたれ」、「便秘」、「下痢」といった消化管症状によるQOLの低下を評価した。
Figure 0007240985000003
[生活調査]
被験者に日々の生活状況を記録させた。生活調査票項目については、表4に従って記録させた。
Figure 0007240985000004
[統計解析]
以下の解析除外基準に抵触する症例を除外した集団について統計解析を実施した。なお、実施例食品群およびプラセボ食品群の群間比較は、Mann-Whitney’s U testにより解析した。
(1)試験食品の摂取率が80%を下回った症例
(2)試験期間中、整腸機能に影響を及ぼす可能性があるサプリメント、健康食品、医薬品(一般用医薬品含む)または医薬部外品を複数回摂取した症例
(3)試験期間中、新たに発酵乳(ヨーグルト)や乳酸菌製剤を摂取開始した症例
(4)試験期間中、コンプライアンス違反が明らかになった症例
(5)試験期間中の臨床検査結果から信頼性を損なう行為が顕著に見られる症例
(6)除外基準に該当していたことが、摂取開始後に明らかになった症例
(7)試験実施計画書からの逸脱が顕著に認められた症例
(8)その他、臨床検査値や生活日誌などの内容から、試験責任医師が不適当と判断した症例
[症例]
試験責任医師の判断により、選択基準に該当し、除外基準に抵触していない70名を本試験に組入れた。0週来院時に3例の辞退があり、2例の予備者を組入れた。試験期間中に1例の辞退があり、1例が摂取4週後の来院をスキップしたため、試験完了症例は68名であった。さらに、症例検討により、高脂血症の可能性があると医師が判断した3名、腎機能障害の可能性があると医師が判断した1名、摂取4週後体調不良により来院をスキップした1名、合計5名が有効性解析対象から棄却され、有効性解析対象はプラセボ食品群32名、実施例食品群31名、合計63名となった。
次に、摂取0週において、試験食品を摂取していないにも関わらず下痢症状の改善がみられた症例が存在したため、当該症例の被験者を除いた。具体的には、スクリーニング時の出雲スケール問15の「強いストレスを感じた時におこる下痢で困った」で、スコアが「全く困らなかった~少し困った」に該当した被験者を除外した。これにより、下痢症状を有する被験者(スコアが「困った~我慢できない位困った」に該当)20名の被験者 (実施例食品群9名、プラセボ食品群11名)について層別解析を実施した。
[排便アンケート]
表2に示した「排便回数」、「排便時間」、「便の形状」、「便意を催した時の腹痛」、「便意を催した時の腹部の不快感」、「排便後の腹痛」、「排便後の腹部の不快感」について、実施例食品群とプラセボ食品群のスコアを群間比較したところ、全試験期間において有意差は認められなかった。
[出雲スケール]
表2に示した項目のスコアを解析した。図1には問15の「強いストレスを感じた時におこる下痢で困った」の結果を示した。白抜きのバーはプラセボ食品群であり、黒塗りバーは実施例食品群である。グラフは平均値、エラーバーは標準誤差を表している。「*」は危険率5%未満で有意差があることを示している。図1に示す通り、摂取8週後において、実施例食品群においてプラセボ食品群に比べて有意な改善が認められた。本結果より、実施例食品のストレスによる下痢の軽減効果を確認できた。
また、本実施例の結果において、下痢の抑制以外に注目すべき結果が得られた。問7の「食事をするとすぐにお腹いっぱいになって困った」のスコア変化量の結果を図2に示した。白抜きのバーはプラセボ食品群であり、黒塗りバーは実施例食品群である。グラフは平均値、エラーバーは標準誤差を表している。「*」は危険率5%未満で有意差があることを示している。図2に示す通り、摂取8週後において、実施例食品群においてプラセボ食品群に比べて有意な改善が認められた。問7は「胃もたれ」に関する問であり、実施例食品の胃もたれ症状軽減効果が確認できた。
胃もたれは,胃粘膜の炎症,消化不良,蠕動運動異常,知覚過敏などによって引き起こされる。胃もたれの原因である炎症と知覚過敏はストレスによる下痢の原因でもあることから,ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株はサイトカイン産生調節により胃や腸管の炎症を抑制することを介して,ストレスによる下痢だけでなく胃もたれも軽減した可能性が考えられた。さらに,交感神経活動優位な被験者において,乳酸菌の経口摂取により副交感神経優位に改善した報告もあることから, ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708が胃腸の蠕動運動等に関わる自律神経の調節に影響を及ぼした可能性も考えられた(Sugawara T, Sawada D, Ishida Y, Aihara K, Aoki Y, Takehara I, Takano K, Fujiwara S. Regulatory effect of paraprobiotic Lactobacillus gasseri CP2305 on gut environment and function. Microb Ecol Health Dis. 2016 Mar 14;27:30259-30269.参照)。
本発明によれば、ヒトにおいてストレスによる下痢を改善する、ストレスによる下痢の軽減剤及び食品組成物を提供することができる。特に、医薬品などによる治療が必要な患者だけでなく、通院や医薬品等による治療が必要ではない中等症から軽症の健常者にも摂取させることができる。

Claims (6)

  1. ビフィドバクテリウム・ブレーベN708株(NITE BP-02958)の菌体を有効成分として含有する、ストレスによる下痢の軽減剤。
  2. 一食当たりの単位摂取形態からなり、該単位中に、ビフィドバクテリウム・ブレーベ N708株が有効成分として含有されている、ストレスによる下痢の軽減剤。
  3. ビフィドバクテリウム・ブレーベN708株の菌体が死菌である、請求項1~2のいずれか一項のストレスによる下痢の軽減剤。
  4. ビフィドバクテリウム・ブレーベN708株(NITE BP-02958)の菌体を有効成分として含有する、ストレスによる下痢の軽減用食品組成物。
  5. ビフィドバクテリウム・ブレーベN708株(NITE BP-02958)の菌体を有効成分として含有する、ストレスによる下痢の軽減用食品組成物
  6. 請求項5に記載のストレスによる下痢の軽減用食品組成物を含有する飲食品
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