JP2023147369A - 乳酸菌を含有する血圧低下効果を有する組成物、飲食品、化粧品、医薬部外品又は医薬品 - Google Patents

乳酸菌を含有する血圧低下効果を有する組成物、飲食品、化粧品、医薬部外品又は医薬品 Download PDF

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Abstract

Figure 2023147369000001
【課題】人体に対して有効な血圧低下作用を有する乳酸菌またはビフィズス菌を提供することを目的とする。
【解決手段】ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを有効成分として含有する、血圧低下組成物を提供する。また、一食当たりの単位摂取形態からなり、該単位中に、ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを有効成分として含有されている、血圧低下組成物を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、乳酸菌を含有する血圧低下効果を有する組成物、飲食品、化粧品、医薬部外品又は医薬品に関するものである。
現在、世界中で12億8000万人々が高血圧症と推定されている。高血圧は脳卒中、心臓病、腎臓病および他の疾患のリスクを高め、早期死亡の主要原因である。国民健康・栄養調査によれば、高血圧有病率は加齢とともに上昇し、50歳代以上の男性および60歳代以上の女性では50%を超えていると言われている。さらに、今後の世界的な高齢化に伴い、高血圧の有病率は益々高まっていくものと予想されている。そこで、非感染性疾患に対する世界目標の一つとして、2010~2030年の間に高血圧の有病率を33%削減することが掲げられている
高血圧は自覚症状がないまま進行することが知られている。さらに、血圧値が高血圧に該当していなくても、血圧値が高くなるにつれて高血圧や脳心血管病の発症リスクが高くなることも報告されている。ここで、高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧とが存在する。本態性高血圧は、体質や塩分の摂り過ぎ、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙などが原因で発症すると考えられている。二次性高血圧は、ホルモン分泌異常、腎臓疾患、薬剤の副作用などが原因で起こると考えられている。
本態性高血圧にしろ二次性高血圧にしろ、高血圧になってしまうと降圧薬による治療が必要となってしまう。そのため、高血圧になる前に対策をとることが必要となる。特に、本態性高血圧は生活習慣が原因で発症すると考えられているため、食生活や運動を含めた生活習慣を改善することで正常血圧を維持することが重要であると考えられている。
血圧改善方法として、ビフィズス菌菌体の水抽出物を有効成分とする血圧低下組成物が報告されている(特許文献1参照)。特許文献1によれば、ビフィズス菌菌体の水抽出物を高血圧自然発症ラットに投与したところ、加齢による血圧上昇が抑制されたことが示されている。
一方で、菌体による効果は菌株ごとに異なった生理作用を示すことも知られている(特許文献2の段落0006参照)。また、仮に動物実験で効果が認められたとしても、人体に同じような効果があるとは限らないことも知られている。
特許第2687229号公報 特開2019-172661
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、人体に対して有効な血圧低下作用を有する乳酸菌またはビフィズス菌がいないかスクリーニングを行った。その結果、IL-17産生抑制能を有するビフィズス菌N714株を摂取すると、血圧低下に効果があることを新たに見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下の特徴を包含する。
(1) ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを有効成分として含有する、血圧低下用組成物。
(2)ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを血圧低下の有効成分として含有する飲食品。
(3) ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを血圧低下の有効成分として含有する化粧品、医薬部外品または医薬品。
ここで、特許請求の範囲記載の「分泌物」とは菌体から培養液中に分泌される物を意味する。「菌体処理物」とは菌体を超音波処理して得られる菌体破砕物、あるいは細胞壁分解酵素処理して得られる菌体溶解産物、凍結乾燥した菌体や固定化菌体などを意味する。「培養液」とは、菌体からの分泌物及び菌体を含んだ培養液または培養上清等を意味する。また必要に応じて遠心分離やプロテアーゼやリパーゼ等の酵素処理を施してもよい。「発酵産物」とは当該乳酸菌による発酵過程で産生された化合物やペプチド等を精製したものを意味する。具体的には、エクオールやGABA等が挙げられる。
本発明によれば、人体、特に55歳以上の正常高値血圧者に対して有効な血圧低下効果を提供することができる。
図1は、55歳以上の正常高値血圧者の評価時点における血圧変化量を表した図であり、(a)は評価時点の収縮期血圧、(b)は摂取開始日からの変化量を示す図である。 図2は、食塩摂取量が少ない正常高値血圧者の評価時点における血圧変化量を表した図であり、(a)は評価時点の収縮期血圧、(b)は摂取開始日からの変化量を示す図である。
本明細書において、「血圧低下」とは、「血圧の上昇を抑制する」、「血圧を改善する」、「血圧値を維持する」等と言い換えることができる。したがって、本実施形態の血圧低下組成物は、「血圧上昇抑制組成物」、「血圧改善組成物」等と言い換えることもできる。
本実施形態の血圧低下組成物は、ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)の菌体を有効成分として含有する組成物が、正常高値血圧者の血圧低下に対して有効であることを見出したことに基づくものである。
(ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株)
ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)である。本発明におけるN714の記号は、日清食品ホールディングス株式会社で独自に菌株に付与した番号である。本発明の菌株は、乳児糞便より本発明者によって初めて分離されたものである。
本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムN714株は、下記の条件で寄託されている。
(1)寄託機関名:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
(2)連絡先:〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室
(3)受託番号:NITE BP-03004
(4)識別のための表示:N714
(5)寄託日:2019年7月10日
本実施形態で用いられるビフィドバクテリウム・ロンガムN714株菌体の調整方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、前培養および本培養はGAM培地 (ニッスイ) を所定の方法で調製し、ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株を接種後37℃、24時間する。本培養液中の菌体を遠心分離や膜濃縮により集菌し、菌体を水で洗浄後加熱殺菌処理する。なお、集菌処理前に殺菌処理しても良い。殺菌、菌体洗浄後凍結乾燥処理により乾燥殺菌体粉末を得ることができる。菌体の粉末化の方法は凍結乾燥に限らず、スプレードライやドラム乾燥などで行っても良い。また、殺菌処理を施さなければ生菌体粉
末を得ることもできる。
本実施形態におけるビフィドバクテリウム・ロンガムN714株の菌体は、生菌を用いても良く、死菌を用いても良い。また、生菌を用いる場合は、死菌が混在していても良い。さらに、菌体を超音波処理して得られる菌体破砕物、あるいは細胞壁分解酵素処理して得られる菌体溶解産物を用いても良い。ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株の菌体は、一日当たり20 mg以上摂取することが好ましい。摂取については、一日当たりの量を一度に摂取しても、数回に分けて摂取してもよく、摂取のタイミングも問わない。例えば、単位摂取形態として一錠当たりビフィドバクテリウム・ロンガムN714株の死菌5 mgを含んだ錠剤がある場合、一度に4錠摂取してもよいし、4錠を何回かに分けて摂取してもよい。また、一錠当たりビフィドバクテリウム・ロンガムN714株の死菌20 mgを含んでいる場合には、一日に1錠摂取すればよい。なお、ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株の菌体の一日当たり摂取量に上限はないが、あえて上限を設けるのであれば、200mg摂取すれば十分であると考える。それ以上摂取しても、効き目に差がないと考えられるためである。また、ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株の菌体は継続して12週間以上摂取することが好ましい。
ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株菌体の摂取方法としては、特に制限されないが、経口摂取であることが好ましい。具体的には、ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株菌体を食品組成物として含有する飲食品、医薬組成物として含有する医薬品、化粧品組成物として含有する化粧品等として摂取することが好ましい。
飲食品として摂取する場合、例えばビフィドバクテリウム・ロンガムN714株菌体を食品組成物として発酵乳及び乳酸菌飲料、バター等の乳製品、マヨネーズ等の卵加工品、バターケーキ等の菓子パン類等の材料としても利用することができる。また、即席麺やクッキー等の加工食品にも好適に利用することができる。さらに、水やジュースなどに溶解させて、飲料として摂取してもよい。なお、ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株菌体単体をそのまま飲食品として摂取してもよい。また、一般の飲料や食品以外にも特定保健用食品、機能性表示食品、栄養補助食品、サプリメント等に含有させてもよい。
医薬品として摂取する場合、添加剤やその他の薬学的に許容される担体とともに用いることができる。医薬品の形状としては、例えば、錠剤、カプセル、顆粒等が挙げられる。なお、製剤化は公知の方法を用いることができる。
医薬品に用いる添加剤としては、ステアリン酸カルシウム等の潤滑剤、ショ糖、乳糖等の甘味剤ほか、香味剤、安定剤、緩衝剤、溶解補助剤、酸化防止剤、防腐剤等が挙げられる。
化粧品として使用する場合、例えば軟膏、クリーム、ローションなどの形態が挙げられる。軟膏であれば、油脂性の基材に対して当該乳酸菌粉末やその懸濁液を混合して調製することが可能である。また、クリームであれば、水中油型(O/W型)や油中水型(W/O型)の液状物に混合することで製造が可能である。さらに、ローションであれば、乳液状のローションや、懸濁液状のローションがある。乳液状は乳化物であって、懸濁液状はアルコール類や水が主剤のローションとなる。
化粧品に用いる添加剤としては、糖類、タンパク質、アミノ酸、脂質、水分、ビタミン、ミネラル等が挙げられる。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[試験食品の製造]
ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株菌体は水洗浄した後、加熱処理により殺菌したものを凍結乾燥により粉末化して用いた。N714カプセルとプラセボカプセルは同じ形状と色のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ハードカプセルを用いた。N714カプセル(実施例食品)はN714株菌体を 20 mg、プラセボカプセル(プラセボ食品)はマルトデキストリン20 mgを含有し、その他の成分については両カプセルとも同配合量で調製した。
[試験の実施]
血圧が高めであることを自覚する年齢が20歳以上の日本人男女を被験者として、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を実施した。応募時アンケートの回答に基づいて345名を選抜した。選択基準および除外基準はAppendixに記載した。参加者に対して研究内容、方法などについて医師により十分な説明を行い、文書による同意が得られた115名を本検査の対象とした。
試験食品割付責任者は年齢、性別、BMIが偏らないように被験者を2群(実施例食品群57名とプラセボ食品群58名)に割り振った。試験食品割付責任者は、キーオープンまで厳密に被験食品割付表を保管し、盲検性は試験食品割付責任者を除く全ての関係者に対して維持された。
本試験開始前に2名が参加を辞退したため、残り113名に対して本試験を実施した。本試験は2020年の8月から12月にかけて実施した。参加者は試験食品1カプセルを1日1回、朝食後に12週間継続して摂取した。摂取期間中はウェブアンケートにより、カプセルの摂取状況を記録した。試験期間中,禁止・注意事項を遵守するよう被験者に指導し,その他は被験者に普段通りの生活習慣を維持させた。
[有効性評価]
被験者の血圧は試験食品の摂取4週間前、摂取開始日、摂取後4、8、12週目に測定した。血圧はクリニックに来場後に10-15分坐位にて休息した後に複数回測定し、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)ともに誤差5 mmHg以内となる3回分の測定値の平均値を採用した。食塩摂取量は田中式に従い、摂取前と摂取後12週目の尿中のナトリウムとクレアチニン量を用いて推定した。
[安全性評価]
被験者体重計測と血液検査は試験食品の摂取4週間前、摂取開始日、摂取後4、8、12週目に実施した。血液検査は、赤血球数、白血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値、血小板数、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、乳酸脱水素酵素 (LD)、尿酸、グルコース、クレアチニン、ナトリウム、クロール、カリウム、総コレステロール(TC)、高比重リポタンパク(HDL)-コレステロール、低比重リポタンパク(LDL)-コレステロール、中性脂肪(TG)、総ビリルビン、総蛋白、尿素窒素を測定した。
[統計解析]
データは平均値±標準誤差で算出した。実施例食品群とプラセボ群との比較は対応のないt検定(両側検定)、摂取開始日と摂取開始後の比較には対応のあるt検定で解析を行った。統計学的な有意水準は5%とし、統計量の算出や検定には、統計解析ソフトRを用いた。
[試験結果]
本検査期間中、体調不良によりプラセボ群の4名が脱落した。そのため、試験終了時はプラセボ群53名、実施例食品群56名、合計109名となった。安全性評価は109名を対象にして解析を行った。有効性評価は、109名から試験期間中に除外基準に該当した3名を除外した106名を対象に実施した。さらに、有効性評価対象とした106名の摂取開始日の血圧を日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」の基準で分類した。結果を表1に示す。
Figure 2023147369000002

さらに、正常高値血圧に該当する89名を解析対象とした。摂取開始前における解析対象者の基本属性を表2に示す。年齢、身長、体重、BMI、血圧は、プラセボ群と実施例食品群との間において有意な差は認められなかった。
Figure 2023147369000003

[有効性評価の結果]
プラセボ群と実施例食品群に群分けした正常高値血圧者89名に対して、試験食品摂取4、8、12週時の摂取前後の血圧の変化量を比較した。その結果、実施例食品群の血圧低下量は、収縮期血圧、拡張期血圧ともにプラセボ群に比べ大きいものとなった。しかし、群間において有意差は認められなかった(表3)。
Figure 2023147369000004

次に、年齢と推定食塩摂取量による層別解析を行った。年齢による層別解析では一般的に血圧が高くなりやすい、より高年齢側での影響を確認するため、解析対象89名の年齢分布の比較的高齢域として上位1/3となる55歳を閾値とした。55歳以上のプラセボ群 (n = 14)と実施例食品群(n = 14)の血圧変化量を比較したところ、摂取8週および12週時の収縮期血圧の変化量はプラセボ群でそれぞれ+6.4 mmHg, +4.4 mmHgであるのに対して、実施例食品群で-5.2 mmHg, -4.0 mmHgとなっており、実施例食品群において有意な低下が認められた(図1(a); P = 0.0013 at 8 weeks and P = 0.047 at 12 weeks)。一方、摂取8週および12週時における実施例食品群の拡張期血圧の血圧低下量はプラセボ群に比べ大きかったが、群間において有意な差は認められなかった(図1(b) 。なお、図面上におけるエラーバーは標準偏差を、『*』はP<0.05をそれぞれ意味する。
続いて、食塩摂取量の層別解析を行った。健康日本21(厚労省)で定められている1日あたりの食塩摂取量の目標値8.0gを境界値として解析を行った。その結果、摂取後12週目の推定食塩摂取量が8.0g未満の群では、摂取12週時の収縮期血圧の血圧低下量はプラセボ群 (n = 13)で-0.2 mmHg、実施例食品群(n = 15)で-8.5 mmHgであり、実施例食品群において有意に大きかった(図2(a); P = 0.022)。さらに、摂取12週時の拡張期血圧の血圧低下量はプラセボ群で+1.8 mmHg、実施例食品群で-3.6 mmHgであり、実施例食品群において有意に大きかった(図2(b); P = 0.033)。なお、図面上におけるエラーバーは標準偏差を、『*』はP<0.05をそれぞれ意味する。
解析対象者の試験期間中の食塩摂取量の変化を調べるため、試験食品摂取開始日と摂取12週時の食塩摂取量を比較した。その結果、解析対象者の食塩摂取量は試験食品摂取前後での変化は認められなかった(摂取開始日 = 9.23 ± 0.2 g , 摂取12週時 = 9.22 ± 0.2 g ; paired t-test:P=0.97)ことから、解析対象者の食塩摂取傾向は試験期間中に変化しておらず、実施例食品群で認められた試験食摂取12週時の血圧低下量の大きさは食塩摂取量の変化に起因するものではないことが示唆された。
[安全性評価の結果]
BMIおよび体重の結果を表4に示す。
Figure 2023147369000005

表4から明らかなように、プラセボ群と実施例食品群において、BMIや体重の変化に有意な差は認められなかった。
次に、血液学および生化学検査の結果を表5、6に示す。なお、表5、6における『#』はP<0.05 (vs 0 W)を、表6における『※』はP<0.05 (実施例食品群 vs プラセボ群)をそれぞれ表す。
Figure 2023147369000006






Figure 2023147369000007

プラセボ群と実施例食品群を比較したところ、摂取12週時の総ビリルビンにおいて有意な差が認められた(表6)。一方で、その他の項目では群間において有意な差は認められなかった(表5、6)。摂取開始日と摂取12週時の差をプラセボ群と実施例食品群においてそれぞれ比較したところ、複数の項目で有意な差が認められた(表5、6)。
以上、説明したように、本発明によれば、高年齢層や日々の食生活で食塩摂取量過多ではないにも関わらず正常高値血圧に分類される成人に対して高めの血圧を下げる効果が認められた。

Claims (3)

  1. ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを有効成分として含有する、血圧低下用組成物。
  2. ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを血圧低下の有効成分として含有する飲食品。
  3. ビフィドバクテリウム・ロンガムN714株(NITE BP-03004)から得られる菌体、分泌物、その培養液又は発酵産物、もしくは菌体成分、菌体処理物のうち少なくとも一つを血圧低下の有効成分として含有する血圧低下用化粧品、医薬部外品または医薬品。
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