JP7240654B2 - 金属膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の電極形成等に有用な金属膜形成方法に関する。
従来より、金属膜を形成する方法として、蒸着やスパッタリング法が用いられている。蒸着には、電子ビームや高周波を用いる真空蒸着法等がよく用いられており、また、スパッタリング法としては、直流電源または交流電源を用いて、プラズマを発生させ、ついで、プラズマを用いてアノードの金属をスパッタし、カソードに金属を堆積させる手法などがよく用いられている。しかしながら、蒸着やスパッタリング法は、真空プロセスが必要であり、そのため、コストがかかり、大型化・量産化にも課題があった。
また、金属膜を形成する方法としては、塗布方法などもよく知られている。塗布方法としては、金属ペーストを塗布し、乾燥後、焼成する手法などが用いられている。しかしながら、このような塗布方法では、焼成に650℃以上の高温が必要であり、金属膜の形成方法として必ずしも満足のいくものではなかった。なお、有機金属気相成長法なども知られているが、塗布方法と同様、高温プロセスが必要であり、また、密着性も必ずしも十分に得られるものではなかった。
これに対し、近年、超微粒子を分散させたペーストを用いて、基板上に、パターン化した金属膜の形成が試みられている。例えば、特許文献1には、金属コア部と有機物被覆層とからなる複合金属超微粒子を溶媒に分散させて金属ペーストを調整し、該金属ペーストを半導体素子の電極上に付着させ低温焼成して超微粒子電極を形成する手法などが知られている。しかしながら、AgやAuなどの貴金属超微粒子を用いた金属薄膜は、平滑な無機酸化物基板と反応し難いため、充分な密着性が得られず、特に導電性増加のために薄い金属配線上に金属めっき被膜を形成する際に、めっき前処理やめっき液による化学的な処理によって、金属配線が無機酸化物基板から剥離してしまうという問題があった。
また、近年においては、エアロゾルデポジション法による金属膜の形成が検討されている。特許文献2には、金属粒子をエアロゾル化し、前記エアロゾル化した金属粒子を基板上に吹き付けることにより、前記基板上に金属薄膜からなる電極又は配線パターンを形成する方法が記載されており、特許文献3には、透明電極の表面に、エアロゾルデポジション法によって金属薄膜からなる補助電極を形成する方法が記載されている。しかしながら、エアロゾルデポジション法によれば、電極と基板との密着性が非常に悪く、特に電極に必要な厚膜形成に適しておらず、また、成膜時に真空プロセスが必要になったり、成膜後に、高温の熱処理が必要になったりするので、満足のいくものではなかった。
特開2001-168141号公報 特開2011-153329号公報 特開2013-129887号公報
本発明は、密着性に優れた金属膜を工業的有利に成膜できる金属膜の形成方法およびその方法により形成された金属膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、溶媒として、酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒を用いて、ミストCVD法にて金属膜を形成すると、金属酸化物の膜を成膜する場合とは異なり、密着性に優れた金属膜を容易に成膜できることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 基体上に金属膜を形成する金属膜形成方法であって、
酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒中に、金属を溶解または分散させてなる原料溶液を霧化してミストを発生させる霧化工程と、
キャリアガスを前記ミストに供給するキャリアガス供給工程と、
前記キャリアガスによって前記ミストを前記基体へ供給するミスト供給工程と、
前記ミストを熱反応させて、前記基体表面の一部または全部に前記金属膜を積層する金属膜形成工程とを含むことを特徴とする金属膜形成方法。
[2] 前記有機溶媒が、酸化剤を含む前記[1]記載の金属膜形成方法。
[3] 前記酸化剤と前記有機溶媒との体積比が1:99~50:50の範囲内である前記[2]記載の金属膜形成方法。
[4] 前記酸化剤が水または過酸化水素である前記[2]または[3]に記載の金属膜形成方法。
[5] 前記有機溶媒が、アミン化合物を含む前記[1]記載の金属膜形成方法。
[6] 前記アミン化合物が、ジアミンである前記[5]記載の金属膜形成方法。
[7] 前記有機溶媒が、プロトン酸を含む前記[1]記載の金属膜形成方法。
[8] 前記プロトン酸が、ハロゲン化水素酸である前記[7]記載の金属膜形成方法。
[9] 前記熱反応を、200℃~650℃の温度で行う前記[1]~[8]のいずれかに記載の金属膜形成方法。
[10] 前記熱反応を、不活性ガスまたは還元ガスの雰囲気下で行う前記[1]~[9]のいずれかに記載の金属膜形成方法。
[11] 前記金属が、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびアルミニウム(Al)から選ばれる1種または2種以上の金属である前記[1]~[10]のいずれかに記載の金属膜形成方法。
[12] 前記有機溶媒がアルコールである前記[1]~[11]のいずれかに記載の金属膜形成方法。
[13] 前記原料溶液が、酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒と、前記金属を含む金属錯体溶液または金属塩溶液との混合溶液である前記[1]~[12]のいずれかに記載の金属膜形成方法。
[14] 前記[1]~[13]のいずれかに記載の金属膜形成方法を用いて形成された金属膜。
[15] 電極である前記[14]記載の金属膜。
[16] 前記[15]記載の金属膜を電極として備え、さらに半導体層を少なくとも備えている半導体装置。
[17] 酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒中に、金属を溶解または分散させてなることを特徴とする金属膜形成用ミストの前駆体溶液。
[18] 前記有機溶媒が酸化剤を含む前記[17]記載の金属膜形成用ミストの前駆体溶液。
[19] 前記酸化剤と前記有機溶媒との体積比が1:99~50:50の範囲内である前記[18]記載の金属膜形成用ミストの前駆体溶液。
[20] 前記有機溶媒が、アミン化合物またはプロトン酸を含む前記[17]記載の金属膜形成用ミストの前駆体溶液。
本発明の金属膜形成方法によれば、密着性に優れた金属膜を工業的有利に成膜できる。また、本発明の金属膜は密着性に優れている。
実施例で用いたミストエピタキシー装置の構成図である。 実施例における断面SEM像を示す図である。 実施例における金属膜表面のSEM像を示す図である。 実施例4で用いたミストエピタキシー装置の概略構成図である。 実施例におけるXRD測定結果を示す図である。 実施例におけるXRD測定結果を示す図である。 実施例におけるXRD測定結果を示す図である。 実施例における金属膜表面の写真を示す図である。
本発明の金属膜形成方法は、基体上に金属膜を形成する金属膜形成方法であって、酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒中に、金属を溶解または分散させてなる原料溶液を霧化してミストを発生させる霧化工程と、キャリアガスを前記ミストに供給するキャリアガス供給工程と、前記キャリアガスによって前記ミストを前記基体へ供給するミスト供給工程と、前記ミストを熱反応させて、前記基体表面の一部または全部に前記金属膜を積層する金属膜形成工程とを含むことを特徴とする。
前記霧化工程は、酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒中に、金属を溶解または分散させて原料溶液を調整し、前記原料溶液を霧化してミストを発生させる。
本工程で用いられる酸化剤を含む有機溶媒(以下、「酸化剤含有有機溶媒」ともいう)は、有機溶媒中に酸化剤を含んでいれば特に限定されず、例えば、公知の有機溶媒と酸化剤とを混合することにより得られる。前記酸化剤と前記有機溶媒との体積比は、1:99~50:50の範囲内であるのが好ましく、1:99~40:60の範囲内であるのがより好ましく、1:99~10:90の範囲内であるのがさらにより好ましく、1:99~5:95の範囲内であるのが最も好ましい。このような好ましい範囲とすることで、ミストが成膜により適したものになり、かつ膜質もより良好なものとすることができる。
前記酸化剤としては、例えば、水、水溶性または非水溶性の公知の酸化剤などが挙げられるが、本発明においては、前記酸化剤が水または水溶性の酸化剤であるのが好ましく、水または過酸化水素であるのがより好ましく、水であるのが最も好ましい。また、前記酸化剤として、水溶性の酸化剤を用いる場合には、水と混合して水溶液の形態(例えば過酸化水素水等)で用いるのが好ましい。
前記酸化剤としては、より具体的には、例えば、水、過酸化水素(H)、過酸化ナトリウム(Na)、過酸化バリウム(BaO)、過酸化ベンゾイル(CCO)等の過酸化物、次亜塩素酸(HClO)、過塩素酸、硝酸、過酢酸やニトロベンゼン等の有機過酸化物などが挙げられる。
前記水としては、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられ、これらの水に、例えば精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、電解、浸透圧の調整、緩衝化等の処理をした水(例えば、オゾン水、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等)も例として含まれる。
前記有機溶媒は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、このような溶媒としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert-ブタノール等)、エーテル(例、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール-ジメチルエーテル等)、エステル(例、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等)、カルボン酸(例、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、炭化水素(例、n-ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)、アミド(例、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル、プロピオニトリル等)、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。本発明においては、前記有機溶媒が、アルコール、ケトンまたはこれらの混合溶媒であるのが好ましく、アルコールであるのがより好ましく、低級アルコール(好ましくはC1~3)であるのが最も好ましい。
本工程で用いられるアミン化合物を含む有機溶媒(以下、「アミン化合物含有有機溶媒」ともいう)は、有機溶媒中にアミン化合物を含んでいれば特に限定されず、例えば、公知の有機溶媒とアミン化合物とを混合することにより得られる。前記アミン化合物と前記有機溶媒との配合割合は、前記有機溶媒中、前記アミン化合物が0.001モル/L~10モル/Lの範囲内であるのが好ましく、0.005モル/L~1モル/Lの範囲内であるのがより好ましく、0.01モル/L~0.1モル/Lの範囲内であるのが最も好ましい。このような好ましい範囲とすることで、ミストが成膜により適したものになり、かつ膜質もより良好なものとすることができる。
前記アミン化合物は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等を含んだ化合物であってもよい。前記アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、t-ブチルアミン、ヘキシルアミン、2-メトキシエチルアミン、2-エトキシエチルアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-メチルチオプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ラウリルイミノビスプロピルアミン、N,N’-ビスアミノプロピル-1,3-プロピレンジアミン、N,N’-ビスアミノプロピル-1,3-ブチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、ビス-(3-アミノプロピル)エーテル、ビス-(3-アミノプロポキシ)エタン、1,3ビス-(3-アミノプロポキシ)-2,2-ジメチルプロパン、N-ラウリルプロピレンジアミン、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン、N-メチルエチレンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、アリルアミン等のC1~C16の炭素数を有する脂肪族化合物;シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、4-メチルシクロヘキシルアミン、1-シクロヘキシルエチルアミン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルシクロへキサン等のC1~C16の炭素数を有する脂環式化合物;ベンジルアミン、フェネチルアミン、4-メチルベンジルアミン、N-アミノプロピルアニリン、2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール、9-アミノフルオレン、ベンズヒドリルアミン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、N-ベンジルエチレンジアミン、2-アミノピリジン、3-アミノピリジン、4-アミノピリジン、2,3-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,3,6-トリアミノピリジン、N-アミノプロピルアニリン、2-アミノ-3-メチルピリジン、2-アミノ-4-メチルピリジン、2-アミノ-6-メチルピリジン、2-アミノ-3-エチルピリジン、2-アミノ-3-プロピルピリジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、2,6-ジアミノ-4-メチルピリジン、3-アミノ-6-イソプロピルピリジン、2,6-ジアミノピリジン等のC1~C16の炭素数を有する芳香族化合物;ピペラジン、N-アミノプロピルピペラジン、2-メチルピペラジン、2,6-ジメチルピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、3-メチルアミノピペリジン、2-アミノメチルピペラジン、3-アミノピロリジン、ホモピペラジン、N-アミノプロピルピペラジン、1,4-(ビスアミノプロピル)ピペラジン、N-アミノエチルピペリジン、N-アミノプロピルピペリジン、2-アミノメチルピペリジン、4-アミノメチルピペリジン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、3-(メチルアミノ)ピロリジン、5-メチルフルフリルアミン、2-(フルフリルチオ)エチルアミン、2-ピコリルアミン、3-ピコリルアミン、4-ピコリルアミン等のC1~C16の炭素数を有する複素環式化合物;2-ヒドロキシエチルアミン、メチル(2-ヒドロキシエチル)アミン、1-アミノ-2-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノ-2-プロパノール、ジエタノールアミン、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、2-アミノ-1,3-プロパンジオール等の水酸基を1個以上有する化合物等が挙げられる。本発明においては、前記アミン化合物がポリアミンであるのが好ましく、ジアミンであるのがより好ましい。なお、前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N-アミノエチルピペラジン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン等の脂環式ポリアミン;m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、トリレン-2,4-ジアミン、トリレン-2,6-ジアミン、メシチレン-2,4-ジアミン、メシチレン-2,6-ジアミン、3,5-ジエチルトリレン-2,4-ジアミン、3,5-ジエチルトリレン-2,6-ジアミン等の単核ポリアミン;ビフェニレンジアミン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、2,5-ナフチレンジアミン、2,6-ナフチレンジアミン等の芳香族ポリアミン;2-アミノプロピルイミダゾール等のイミダゾール等が挙げられる。
アミン化合物含有有機溶媒に用いられる有機溶媒は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、このような溶媒としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert-ブタノール等)、エーテル(例、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール-ジメチルエーテル等)、エステル(例、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等)、カルボン酸(例、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、炭化水素(例、n-ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。本発明においては、前記有機溶媒が、アルコール、ケトンまたはこれらの混合溶媒であるのが好ましく、アルコールであるのがより好ましく、低級アルコール(好ましくはC1~3)であるのが最も好ましい。
本工程で用いられるプロトン酸を含む有機溶媒(以下、「プロトン酸含有有機溶媒」ともいう)は、有機溶媒中にプロトン酸を含んでいれば特に限定されず、例えば、公知の有機溶媒とプロトン酸とを混合することにより得られる。前記プロトン酸と前記有機溶媒との配合割合は、前記有機溶媒中、前記プロトン酸が0.001モル/L~10モル/Lの範囲内であるのが好ましく、0.005モル/L~1モル/Lの範囲内であるのがより好ましく、0.01モル/L~0.1モル/Lの範囲内であるのが最も好ましい。このような好ましい範囲とすることで、ミストが成膜により適したものになり、かつ膜質もより良好なものとすることができる。
前記プロトン酸は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知のものであってよい。前記プロトン酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。本発明においては、前記プロトン酸が、無機酸であるのが好ましく、ハロゲン化水素酸であるのがより好ましい。ハロゲン化水素酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸などが挙げられる。
プロトン酸含有有機溶媒に用いられる有機溶媒は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、このような溶媒としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert-ブタノール等)、エーテル(例、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール-ジメチルエーテル等)、エステル(例、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。本発明においては、前記有機溶媒が、アルコール、ケトンまたはこれらの混合溶媒であるのが好ましく、アルコールであるのがより好ましく、低級アルコール(好ましくはC1~3)であるのが最も好ましい。
本工程で用いられる金属は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されないが、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびアルミニウム(Al)から選ばれる1種または2種以上の金属であるのが好ましい。
本工程では、前記の酸化剤含有有機溶媒中、アミン化合物含有有機溶媒中またはプロトン酸含有有機溶媒中に、前記金属を溶解または分散させて、原料溶液を調整する。前記原料溶液は、前記金属が、酸化剤含有有機溶媒中、アミン化合物含有有機溶媒中またはプロトン酸含有有機溶媒中に溶解または分散していれば特に限定されないが、本発明においては、酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒と、前記金属を含む金属錯体溶液または金属塩溶液との混合溶液であるのが好ましい。
前記金属の配合割合は、特に限定されないが、原料溶液全体に対して、0.01~70質量%であるのが好ましく、0.1~50質量であるのがより好ましい。
酸化剤、アミン化合物またはプロトン酸を含む有機溶媒中に、金属を溶解または分散させてなる前記原料溶液は、金属膜形成用ミストの前駆体溶液として、特に有用である。
本工程では、前記原料溶液を霧化してミストを発生させる。霧化手段は、前記原料溶液を霧化できさえすれば特に限定されず、公知の霧化手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段であるのが好ましい。
前記キャリアガス供給工程では、キャリアガスを前記ミストに供給する。キャリアガスの種類としては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、キャリアガス濃度を変化させた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。
ミスト供給工程では、前記キャリアガスによって前記ミストを基体へ供給する。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20L/分であるのが好ましく、1~10L/分であるのがより好ましい。
前記基体は、金属膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。
前記基板は、板状であって、膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、導電性基板であってもよいが、前記基板が、絶縁体基板であるのが好ましく、表面に金属膜を有する基板であるのも好ましい。本発明においては、前記基板が、コランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板、またはβ-ガリア構造を有する結晶物を主成分として含む基板であるのも好ましい。コランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板は、基板中の組成比で、コランダム構造を有する結晶物を50%以上含むものであれば、特に限定されないが、本発明においては、70%以上含むものであるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。コランダム構造を有する結晶を主成分とする基板としては、例えば、サファイア基板(例:c面サファイア基板)や、α型酸化ガリウム基板などが挙げられる。β-ガリア構造を有する結晶物を主成分とする基板は、基板中の組成比で、β-ガリア構造を有する結晶物を50%以上含むものであれば、特に限定されないが、本発明においては、70%以上含むものであるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。β-ガリア構造を有する結晶物を主成分とする基板としては、例えばβ-Ga基板、又はGaとAlとを含みAlが0wt%より多くかつ60wt%以下である混晶体基板などが挙げられる。その他の下地基板の例としては、六方晶構造を有する基板(例:SiC基板、ZnO基板、GaN基板)などが挙げられる。六方晶構造を有する基板上には、直接または別の層(例:緩衝層)を介して、膜を形成するのが好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されないが、好ましくは、50~2000μmであり、より好ましくは200~800μmである。
金属膜形成工程では、前記ミストを熱反応させて、前記基体表面の一部または全部に前記金属膜を積層する。前記熱反応は、熱でもって前記ミストが反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、200℃~650℃の温度で行うのが好ましく、300℃~600℃の温度で行うのがより好ましく、400℃~550℃の温度で行うのが最も好ましい。また、前記熱反応を、非酸素雰囲気下で行うのも好ましく、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス、またはフォーミングガスや水素ガス等の還元ガスの雰囲気下で行うのがより好ましく、不活性ガスの雰囲気下で行うのが最も好ましい。また、加圧下、減圧下、常圧下および大気圧下のいずれの条件で反応を行ってもよいが、本発明においては、常圧下または大気圧下で行うのが好ましい。なお、膜厚は成膜時間を調整することにより、設定することができるが、本発明においては、膜を厚くしても密着性に優れているので、成膜時間を長く設定するのが好ましい。好ましい成膜時間は10分間以上であり、より好ましくは30分間以上であり、最も好ましくは1時間以上である。
本発明によれば、断続的に結晶成長できるためなのかどうか等は不明であるが、いずれにせよ、密着性に優れた金属膜を形成することができる。また、本発明によれば、密着性に優れたままで、膜厚200nm以上の金属膜(好ましくは膜厚300nm以上、より好ましくは500nm以上、さらにより好ましくは1μm以上、最も好ましくは10μm以上の金属膜)を容易に形成することができる。そのため、本発明の金属膜形成方法により得られた金属膜は電極やコンタクト層に有用であり、このような金属膜も本発明に含まれ、本発明の金属膜は、電極やコンタクト層として用いることができる。また、本発明の金属膜からなる電極は、半導体装置に有用であり、少なくとも半導体層とともに半導体装置に用いられる。
前記半導体層としては、例えば、酸化物半導体層、窒化物半導体層、ケイ素含有半導体層などが挙げられる。前記酸化物半導体層は、好ましくは、インジウム、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる1種または2種以上の元素を含有する酸化物半導体を主成分として含む半導体層である。前記窒化物半導体層は、好ましくは、インジウム、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる1種または2種以上の元素を含有する窒化物半導体を主成分として含む半導体層である。前記ケイ素含有半導体層は、好ましくは、ケイ素または炭化ケイ素を主成分として含む半導体層である。
本発明の金属膜は、従来の金属膜のように種々の用途に用いることができ、例えば、電極やコンタクト層として、様々な半導体装置に有用であり、とりわけ、パワーデバイスに有用である。また、前記半導体装置は、電極が半導体層の片面側に形成された横型の素子(横型デバイス)と、半導体層の表裏両面側にそれぞれ電極を有する縦型の素子(縦型デバイス)に分類することができるが、本発明の金属膜は、横型デバイスにも縦型デバイスにも好適に用いることができる。本発明においては、前記金属膜を電極として縦型デバイスに用いることが好ましい。
前記半導体装置としては、例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、静電誘導トランジスタ(SIT)、接合電界効果トランジスタ(JFET)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)または発光ダイオードなどが挙げられる。本発明においては、前記半導体装置が、SBD、MOSFET、SIT、JFETまたはIGBTであるのが好ましく、SBD、MOSFETまたはSITであるのがより好ましい。
なお、前記半導体装置は、さらに他の層(例えば絶縁体層、半絶縁体層、導体層、半導体層、緩衝層またはその他中間層等)などが含まれていてもよい。
図1を用いて、本実施例で用いたミストエピタキシー装置19を説明する。図1のミストエピタキシー装置19は、基板20を載置するサセプタ21と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段22aと、キャリアガス供給手段22aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給手段22bと、キャリアガス(希釈)供給手段22bから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23bと、原料溶液24aが収容されるミスト発生源24と、水25aが入れられる容器25と、容器25の底面に取り付けられた超音波振動子26と、内径40mmの石英管からなる供給管27と、供給管27の周辺部に設置されたヒーター28を備えている。サセプタ21は、石英からなり、基板20を載置する面が水平面から傾斜している。成膜室となる供給管27とサセプタ21をどちらも石英で作製することにより、基板20上に形成される膜内に装置由来の不純物が混入することを抑制している。
原料溶液として、ロジウムアセチルアセトナート(0.01mol/L)を、メタノールと水との混合溶媒(メタノール:水=9.5:0.5)に入れて分散させた溶液を用いた。基板として、c面サファイアを用いた。キャリアガスとして、窒素を用いた。キャリアガスの流量は、5L/分とし、キャリアガス(希釈)の流量は、0.5L/分に設定した。成膜は、窒素雰囲気下500℃で行った。
得られた金属膜につき、ロジウム金属膜が形成されていることを、X線回折装置を用いて確認した。また、得られたロジウム膜につき、断面SEMでもって、膜厚を測定した。その結果、約11.7μmであった。なお、この断面SEM像を図2に示す。
また、SEMを用いて、金属膜表面を観察した。その結果、凸凹が少なく、きれいな表面を有していた。なお、この金属膜表面のSEM像を図3に示す。
また、密着性につき、応力を加えて、目視により、剥離状況を観察したが、剥離等は全く生じず、密着性も優れていた。
水とメタノールの配合割合(体積比)を表1に示す比率としたこと以外は実施例1と同様に金属膜を成膜し、その成膜状態を観察し、さらに、密着性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007240654000001
ロジウムアセチルアセトナートに代えてアルミニウムアセチルアセトナートを用いたこと以外、実施例1と同様にして金属膜を成膜した。アルミニウムでもロジウムの場合と同様に成膜できることが分かった。
1.成膜装置
実施例4では、実施例1で用いたミストエピタキシー装置19に代えて、図4に示すミストエピタキシー装置1を用いた。以下、図4を用いて、実施例4で用いたミストCVD装置1を説明する。ミストCVD装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)源2bと、キャリアガス(希釈)源2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、成膜室7と、ミスト発生源4から成膜室7までをつなぐ供給管9と、成膜室7内に設置されたホットプレート8と、熱反応後のミスト、液滴および排気ガスを排出する排気口11とを備えている。なお、ホットプレート8上には、基板10が設置されている。
2.原料溶液の作製
銅アセチルアセトナートが0.05モル/Lとなるように、メタノールに銅アセチルアセトナートを混合し、さらに、キレート剤として、エチレンジアミンを混合溶液中0.5体積%となるように添加し、原料溶液4aを調製した。
3.成膜準備
上記2.で得られた原料溶液4aをミスト発生源4内に収容した。次に、基板10としてガラス基板を用いて、ガラス基板をホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて成膜室7内の温度を500℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3a、3bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段2a、2bからキャリアガスを成膜室7内に供給し、成膜室7の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5.0L/分に、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/分にそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
4.金属膜の形成
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化させてミスト4bを生成させた。このミスト4bが、キャリアガスによって、供給管9内を通って、成膜室7内に導入され、大気圧下、400℃にて、成膜室7内でミストが熱反応して、基板10上に銅膜が形成された。成膜時間は30分間であった。銅膜については、X線測定装置を用いて確認した。XRD測定結果を図5に示す。なお、膜厚は200nmであった。また、実施例1と同様にして、密着性を評価したところ、良好であった。
成膜温度を400℃に代えて500℃にしたこと以外は、実施例4と同様にして銅膜を得た。銅膜については、X線測定装置を用いて確認した。XRD測定結果を図6に示す。なお、膜厚は925nmであった。また、実施例1と同様にして、密着性を評価したところ、良好であった。
銅アセチルアセトナートが0.05モル/Lとなるように、メタノールに銅アセチルアセトナートを混合し、さらに、プロトン酸として、塩酸を混合溶液中0.25体積%となるように添加し、原料溶液を調製した。この原料溶液を実施例4の原料溶液4aに代えて用いたこと以外は、実施例4と同様にして銅膜を得た。銅膜については、X線測定装置を用いて確認した。XRD測定結果を図7に示す。なお、膜厚は799nmであった。また、実施例1と同様にして、密着性を評価したところ、良好であった。
実施例4および5のように、キレート剤を使用した場合には、金属膜の光沢がより良好であった。参考までに、実施例5で得られた銅膜の表面写真を図8に示す。また、実施例6のように、プロトン酸を用いた場合には、成膜レートがより良好であった。
本発明の金属膜形成方法は、半導体(例えば化合物半導体電子デバイス等)、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができるが、優れた電極を形成できるため、特に、半導体装置の製造に有用である。
1 ミストエピタキシー装置
2a キャリアガス源
2b キャリアガス(希釈)源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b ミスト
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
7 成膜室
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板
11 排気口
19 ミストエピタキシー装置
20 基板
21 サセプタ
22a キャリアガス供給手段
22b キャリアガス(希釈)供給手段
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 供給管
28 ヒーター
29 排気口

Claims (13)

  1. 基体上に金属膜を形成する金属膜形成方法であって、
    少なくともポリアミンを含む有機溶媒と、前記有機溶媒中に溶解または分散させた金属と、を含む原料溶液を霧化してミストを発生させること、
    キャリアガスを前記ミストに供給することにより、前記ミストを前記基体へ供給すること、
    前記ミストを熱反応させて、前記基体表面の少なくとも一部に前記金属膜を形成すること、を含む、金属膜形成方法。
  2. 前記有機溶媒が、酸化剤を含む請求項1記載の金属膜形成方法。
  3. 前記熱反応を、200℃~650℃の温度で行う請求項1または2に記載の金属膜形成方法。
  4. 前記熱反応を、不活性ガスまたは還元ガスの雰囲気下で行う請求項1~3のいずれかに記載の金属膜形成方法。
  5. 前記金属が、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびアルミニウム(Al)から選ばれる1種または2種以上の金属である請求項1~4のいずれかに記載の金属膜形成方法。
  6. 前記原料溶液が、前記金属を含む金属錯体溶液または金属塩溶液との混合溶液である請求項1~5のいずれかに記載の金属膜形成方法。
  7. 前記ポリアミンと前記有機溶媒との配合割合は、前記有機溶媒中、前記ポリアミンが0.001モル/L~10モル/Lの範囲内である、請求項1~6のいずれかに記載の金属膜形成方法。
  8. 前記ポリアミンが0.005モル/L~1モル/Lの範囲内である、請求項7記載の金属膜形成方法。
  9. 前記ポリアミンがジアミンである、請求項1~3のいずれかに記載の金属膜形成方法。
  10. 前記有機溶媒が、アルコール、エーテル、エステル、カルボン酸、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、ケトンから選択される少なくとも一つの溶媒を含む、請求項1~9のいずれかに記載の金属膜形成方法。
  11. 前記有機溶媒が、アルコールおよび/またはケトンを含む混合溶媒である、請求項1~10のいずれかに記載の金属膜形成方法。
  12. 請求項1記載の金属膜形成方法を含む、電子部品の製造方法。
  13. 請求項1記載の金属膜形成方法を含む、半導体装置の製造方法。
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