JP7239423B2 - 横締めpc橋の床版補強工法 - Google Patents

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Description

本発明は、横締めPC鋼材によりプレストレスが付与された鉄筋コンクリート床版においてPC鋼材が劣化した際にPC鋼材が破断して突出することを防止する横締めPC橋の床版補強工法に関する。
従来、箱桁橋の床版やPCa桁などに横締めPC鋼材を配置して橋梁の橋軸直角方向にプレストレスが付与されたPC橋(プレストレスコンクリート橋)が知られている。PCa桁の橋としては、T桁橋やプレテン床版橋などが存在する。例えば、特許文献1には、複数のT桁を横締めPC鋼材でプレストレスを付与して一体化したT桁橋が記載されている。
特許文献1に記載のT桁橋をはじめ、床版部分に横締めPC鋼材で橋軸直角方向にプレストレスが付与されたPC橋は、経年劣化により、プレストレスが減少したり、破断して床版側面から横締めPC鋼材の一部が床版から飛び出したりする事故のおそれがある。
特に、大きなスパンに架設可能なPC橋は、広い道路を跨ぐ高架橋として構築され、下方を鉄道や他の道路が走っている状況となっていることが多いものと想定される。このため、破断して飛び出した横締めPC鋼材の一部が下方に落下し、道路を通行している人や自動車、列車に当たるという大事故に繋がる危険性があった。しかし、従来では、このような問題には、破断しても横締めPC鋼材が飛び出さないように、道路面側に繊維材を貼り付けるなど、対処療法でしかない解決方法しか存在しなかった。
また、特許文献1には、横締め用PC鋼材を緊張する際、万一このPC鋼材が切断したとき、側方への飛び出しをコントロールできるPC鋼材横締め緊張用防護装置を設けてPC橋桁を架設することも開示されている(特許文献1の明細書の段落[0009]~[0020]、図面の図1,図2等参照)。
しかし、特許文献1に記載のPC鋼材横締め緊張用防護装置は、PC桁を架設して横締め用PC鋼材を緊張する際の対策であり、経年劣化により破断してPC鋼材の一部が床版側面から飛び出したりする事故を想定したものではなかった。また、破断したPC鋼材が飛び出すことは防止できたとしても、横締めのプレストレスがなくなった際に床版に作用する引張応力に対する耐力不足を補うことができるものではなかった。
これらに鑑み、本願の発明者らは、経年劣化により破断して床版から飛び出すおそれのあるPC鋼材のプレストレスを予め弛緩又は解除して、代わりにプレストレスで圧縮することで負担していた床版に作用する応力に対して予め補強しておくことを考え出した。
特開平11-117231号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、PC鋼材の断裂による飛び出し事故を確実に防止することができるとともに、施工が安全に短時間で安価に行える横締めPC橋の床版補強工法を提供することにある。
請求項1に係る横締めPC橋の床版補強工法は、床版の橋軸直角方向に沿ってPC鋼材が配置されてプレストレスが付与された横締めPC橋の床版補強工法であって、前記床版に配置されていた前記PC鋼材のプレストレスがなくなった際に前記床版に作用する引張応力に対抗する補強部材を設置して補強する補強工程と、前記PC鋼材に付与されたプレストレスを弛緩又は解除するプレストレス解除工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に係る横締めPC橋の床版補強工法は、請求項1に係る横締めPC橋の床版補強工法において、前記プレストレス解除工程では、前記PC鋼材を切断して除去することを特徴とする。
請求項3に係る横締めPC橋の床版補強工法は、請求項1又は2に係る横締めPC橋の床版補強工法において、前記補強工程では、前記床版の上面及び下面に前記補強部材として補強繊維を接着することを特徴とする。
請求項4に係る横締めPC橋の床版補強工法は、請求項3に係る横締めPC橋の床版補強工法において、前記補強工程では、所定間隔を置いて補強繊維を縞状に配置することを特徴とする。
請求項5に係る横締めPC橋の床版補強工法は、請求項3又は4に係る横締めPC橋の床版補強工法において、前記補強工程では、前記床版の上面のコンクリート部分を削り取って溝部を形成し、形成した当該溝部内に補強繊維を接着することを特徴とする。
請求項6に係る横締めPC橋の床版補強工法は、請求項3又は4に係る横締めPC橋の床版補強工法において、前記補強工程の後に、前記補強繊維を保護するコンクリートを打設する保護コンクリート打設工程を有することを特徴とする。
請求項7に係る横締めPC橋の床版補強工法は、請求項1又は2に係る横締めPC橋の床版補強工法において、前記補強工程では、前記補強部材として前記床版を下方から支えるストラット又はリブなどの床版支持部材を設置することを特徴とする。
請求項8に係る横締めPC橋の床版補強工法は、請求項7に係る横締めPC橋の床版補強工法において、前記ストラット又は前記リブは、鋼材であることを特徴とする。
請求項1~7に係る発明によれば、プレストレス解除工程を有するので、横締めPC鋼材の断裂による飛び出し事故を確実に防止することができる。
特に、請求項2に係る発明によれば、横締め用のPC鋼材を切断して除去するので、PC鋼材の断裂による飛び出し事故のおそれを完全に払拭することができる。
特に、請求項3に係る発明によれば、補強部材として床版に補強繊維を接着するので、養生期間がほとんどなく短時間で施工が可能となる。このため、通行止めの期間を短縮することが可能となる。
特に、請求項4に係る発明によれば、所定間隔を置いて補強繊維を縞状に配置するので、補強繊維が不透明な炭素繊維であったとしても、床版におけるひび割れ等の発生の有無等を目視で確認することができる。
特に、請求項5に係る発明によれば、溝部内に補強繊維を接着するので、床版の舗装を重機等で削り取ってやり替える際にも、補強繊維を損傷するおそれを低減することができる。
特に、請求項6に係る発明によれば、補強繊維を保護するコンクリートを打設するので、床版の舗装を重機等で削り取ってやり替える際にも、補強繊維を損傷するおそれを払拭することができる。
特に、請求項7に係る発明によれば、床版の上面に部材を取り付けることがないので、補強作業中の交通規制を最小限にすることができる。
特に、請求項8に係る発明によれば、ストラット又はリブが鋼材であるので、コンクリート製と比べて自重を低減することができるとともに、養生期間が必要なく工期の短縮を達成することができる。
本発明の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。 同上の補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法の溝部形成工程を示す工程説明図である。 同上の横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。 本発明の第3実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。 本発明の第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。 同上のストラットの変形例を模式的に示す鉛直断面図である。 本発明の第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。
以下、本発明に係る横締めPC橋の床版補強工法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1,図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図であり、図2は、その平面図である。
先ず、本発明の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用するPC箱桁橋について簡単に説明する。図1に示すように、PC箱桁橋1は、上床版部10と下床版部11とこれらを繋ぐ左右一対のウェブ部12など、から構成されている。このPC箱桁橋1は、これらの上床版部10と下床版部11とウェブ部12とで囲まれた空間が中空部13となっている。なお、図中のYは、橋軸方向Xに直交する橋軸直角方向Yを指している。
そして、この上床版部10には、橋軸直角方向Yに沿って横締めPC鋼材14(PC鋼材)が挿通されて、この横締めPC鋼材14にプレストレスが負荷されている。このため、横締めPC鋼材14が、劣化した場合は、上床版部10の側面から破断した横締めPC鋼材14の一部が突出するおそれがあった。なお、PC鋼材とは、PC鋼棒、PC鋼線、PC鋼線より線、及びこれらを組み合わせた複合材を指している。
次に、本発明の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法について説明する。
(補強工程)
先ず、本実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法では、上床版部10に補強部材を設置する補強工程を行う。この補強工程では、横締めPC鋼材14が配置されてプレストレスがなくなった際に上床版部10に作用する引張応力に対抗する補強部材として補強繊維を設置する。
補強繊維を設置する範囲は、図1に示すように、横締めPC鋼材14によるプレストレスがなくなった際に、上床版部10の鉛直断面の上下いずれかの縁に引張応力が作用し、内部補強鉄筋の応力度が許容値を超える箇所である。具体的には、上床版部10上面のウェブ部12近傍、及び上床版部10下面中央付近である。断面の縁に圧縮応力が作用する部分は、横締めPC鋼材14が破断した場合でも、補強せずともコンクリート部分だけで対抗できるからである。
本実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法では、補強繊維として炭素繊維2(カーボンファイバー)を用いる。但し、本発明に係る補強繊維は、炭素繊維2に限られず、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、バサルト繊維等とすることもできる。
また、炭素繊維2をコンクリートに接着する接着材は、アルカリ性に強いエポキシ樹脂を採用している。勿論、本発明に係る接着材は、エポキシ樹脂に限られず、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリマーセメント系材料など、用いる補強繊維に応じて適宜選択すればよいことは云うまでもない。
そして、本工程では、図2に示すように、上床版部10の上面及び下面に炭素繊維2を所定間隔を置いて縞状に設置する。縞状に設置する理由は、目視により横締めPC鋼材14が埋設されている部分やその他の上床版部10の外面(特に、上面及び下面)にひび割れ等の発生の有無を確認できるようにするためである。
また、従来、炭素繊維2のコンクリート躯体への定着は、CFアンカー等でなされていた。従来のCFアンカーは、高価である上、本数を数えて広げるなど、施工に非常に手間がかかり、施工期間が増大して工費も増大してしまうという問題があった。その上、CFアンカーの接着強度により全体のせん断補強の強度が決まってしまいせっかくの炭素繊維の繊維強度が生かし切れていないという問題もあった。
そこで、本実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法では、コンクリート躯体である上床版部10の外面への炭素繊維2の定着を、別の炭素繊維からなる定着繊維3を外部(上又は下)から重ねて接着する。これにより、接着面積を稼ぎ必要な接着力を確保し、引張応力に対抗できるようにしている。このため、炭素繊維2の個々の繊維に応力が集中して断裂することを防いで、炭素繊維2の繊維強度を最大限に発揮させることができる。
本実施形態に係る補強工程では、炭素繊維2及び定着繊維3をコンクリート面へ接着樹脂で接着するだけで施工が可能であるため、コンクリートのように養生期間が必要なく、施工性が極めてよく短時間で補強作業を完了することができる。
但し、上床版部10の上面に炭素繊維2(補強繊維)を接着するため、施工時にPC橋(橋梁)の交通規制が必要となる。また、上床版部10の上面にアスファルト舗装をするだけでは、アスファルト舗装をやり替える際に、重機等で炭素繊維2(補強繊維)を損傷するおそれが高い。
なお、炭素繊維2の定着のために、炭素繊維の外部から重ねて接着する部材は、繊維材に限られず、鋼板などの別の板材を外部から接着するようにしてもよい。具体的には、炭素繊維の端部付近に鋼板を接着材で接着し、その鋼板を上床版部10のコンクリート躯体にアンカー止めするようにしてもよい。また、鋼板をステンレス鋼板や耐食性鋼板とすれば、耐食性が向上するため好ましい。このように鋼板を炭素繊維2の上に設置するだけで、重機等で炭素繊維2(補強繊維)を損傷するおそれを低減することもできる。
(プレストレス解除工程)
次に、本実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法では、横締めPC鋼材14に付与されたプレストレスを弛緩又は解除するプレストレス解除工程を行う。
具体的には、本工程では、横締めPC鋼材14又はその定着具部分を切断してプレストレスを解除する。このとき、横締めPC鋼材14を切断する際に、切断した横締めPC鋼材14の一部がプレストレスの張力が急になくなって飛び出さないように防護ネットなどの防護措置を施すことが好ましい。勿論、横締めPC鋼材14の定着具部分を斫り出して、ジャッキ等で定着具部分を緩めてプレストレスを弛緩しても構わない。
要するに、本工程では、前述のように横締めPC鋼材14を切断してプレストレスを解除するか、破断片が飛び出す事故が起こるおそれがない程度に横締めPC鋼材14に付与されたプレストレスを弛緩する。そして、切断した横締めPC鋼材14は除去する。勿論、弛緩する場合は、横締めPC鋼材14はそのまま存置する。切断した場合も存置することも可能である。
本工程の終了により、本実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が終了する。
以上説明した第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、プレストレス解除工程を有するので、横締めPC鋼材14の断裂による飛び出し事故を確実に防止することができる。また、上床版部10に補強繊維(炭素繊維2)を接着するだけで補強が完了するので、養生期間がほとんどなく短時間で施工が可能となる。このため、通行止めの期間を短縮することが可能となる。
その上、第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、所定間隔を置いて炭素繊維2(補強繊維)を縞状に配置するので、上床版部10におけるひび割れ等の発生の有無等を目視で確認することができる。
[第2実施形態]
図3,図4を用いて、本発明の第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法の溝部形成工程を示す工程説明図であり、図4は、第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。
第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が、前述の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法と相違する点は、主に、補強工程の前に、溝部形成工程を有する点である。よって、その点について説明し、同一構成は同一符号を付し、その他の説明は省略する。
(溝部形成工程)
図3に示すように、第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法では、前述の補強工程の前に、上床版部10の上面のコンクリート部分を削り取って凹状の溝部4を形成する。溝部4を形成する範囲は、図3に示すように、前述の補強部材を設置する範囲の内、上床版部10の上面部分だけである。つまり、横締めPC鋼材14によるプレストレスがなくなった際に、上床版部10の鉛直断面の上縁に引張応力が作用し、内部補強鉄筋の応力度が許容値を超える箇所である。上床版部10の下面は、前述のアスファルト舗装をやり替える際に、重機等で炭素繊維2(補強繊維)を損傷するおそれがないからである。
具体的には、ダイアモンドカッターで切削して上床版部10のコンクリート部分に切れ目を入れた上、斫り機で斫り取ったり、剥離機で機械的に持ち上げて引き剥がしたり、して炭素繊維2(補強繊維)を設置する範囲を切り下げて鉛直断面凹状の凹溝を形成する。切り下げる深さは、少なくとも、炭素繊維2及び定着繊維3(補強繊維)が重ねられた部分が溝部4内に収容できる深さとする。
その後、粉塵等を除去して炭素繊維2(補強繊維)を接着できる状態にして前述の補強工程を行い、その後、前述のプレストレス解除工程を行って、第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法の補強作業が終了する。
以上説明した第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、第1実施形態の前記作用効果に加え、上床版部10の上のアスファルト舗装をやり替える際に、重機等で炭素繊維2(補強繊維)を損傷するおそれを大幅に低減することができる。但し、施工時の交通規制は、第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法よりも長くなる。
[第3実施形態]
図5を用いて、本発明の第3実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法について説明する。図5は、第3実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。
第3実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が、前述の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法と相違する点は、主に、補強工程の後に、保護コンクリートを打設する保護コンクリート打設工程を有する点である。よって、その点について説明し、同一構成は同一符号を付し、その他の説明は省略する。
(保護コンクリート打設工程)
前述の補強工程を行って、上床版部10の上面に炭素繊維2及び定着繊維3を接着し、その後、通常、アスファルト混合物を舗装する舗装の基層部分にコンクリートを打設して補強繊維の保護コンクリート層5を形成する。この保護コンクリート層5により、補強繊維である炭素繊維2及び定着繊維3が保護されるため、上床版部10の舗装を重機等で削り取ってやり替える際にも、炭素繊維2及び定着繊維3を損傷するおそれを低減することができる。
なお、保護コンクリート層5には、打設するフレッシュコンクリートに防錆材として亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カルシウムなどの亜硝酸塩を含有させると好ましい。亜硝酸イオンNO2 -が、鉄イオンFe2+と反応することにより不動態皮膜(Fe23)を保護し、長期に亘って防錆効果を発揮でき、既存部分の耐久性が向上するからである。
また、コンクリート中の塩化物イオンを固定化する塩化物イオン固定化材としてCA2(CaO・2Al23)を混合させることも好ましい。コンクリート中の可溶性の塩化物イオンがフリーデル氏塩として固定化され、水中に遊離し易い可溶性の塩化物イオンが減少し、塩化物イオンによる不動態皮膜の損傷を抑える効果を発揮し、既存部分の耐久性が向上するからである。
その後、前述のプレストレス解除工程を行って、第3実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が終了する。
以上説明した第3実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、第1実施形態の前記作用効果に加え、上床版部10の上のアスファルト舗装をやり替える際に、重機等で炭素繊維2(補強繊維)を損傷するおそれを完全に払拭することができる。但し、施工時の交通規制は、コンクリートの養生期間を要するため、第2実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法よりもさらに長くなる。
[第4実施形態]
図6,図7を用いて、本発明の第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法について説明する。図6は、第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図であり、図7は、図6のストラットの変形例を模式的に示す鉛直断面図である。
第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が、前述の第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法と相違する点は、前述の補強工程で補強繊維を接着する代わりに、床版支持部材としてストラットを設置する点である。よって、その点について説明し、同一構成は同一符号を付し、その他の説明は省略する。
(補強工程)
第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法の補強工程では、上床版部10の張出床版10a及び中間床版10bを下方から支える床版支持部材を設置する補強工程を行う。本実施形態では、床版支持部材としH形鋼などの鋼材からなるストラット6を設置する。
具体的には、張出床版10a及び中間床版10bの下面及びウェブ部12に後施工アンカーを設置し、設置したアンカーに鋼材からなるストラット6をボルト止めすることで固定して設置する。
設置するストラットは、図7に示すように、ストラット6’としてウェブ部12ではなく下床版部11に支持するように設置してもよい。
その後、前述のプレストレス解除工程を行って、第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が終了する。
以上説明した第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、第1実施形態の前記作用効果に加え、補強部材を上床版部10の上面に設置しないため、作業に伴う交通規制を最小限にすることができる。また、上床版部10の上のアスファルト舗装をやり替える際にも補強部材に影響はない。このため、重機等で炭素繊維2(補強繊維)を損傷するおそれを完全に払拭することができる。
但し、第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、桁高変化に対応するためにストラット6,6’の形状が設置個所毎に異なることとなり、隙間調整のためモルタル等の充填材を充填する必要がある。このため、補強部材を設置する作業効率は、第1実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法の補強工程よりは、大幅に低下する。また、補強部材であるストラット6,6’の劣化対策や点検を行う方策が別途必要となる。
[第5実施形態]
図8を用いて、本発明の第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法について説明する。図8は、第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法を適用して補強したPC箱桁橋の構成を模式的に示す鉛直断面図である。
第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が、前述の第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法と相違する点は、前述の補強工程で床版支持部材としてストラットを設置する代わりに、リブで補強する点である。よって、その点について説明し、同一構成は同一符号を付し、その他の説明は省略する。
(補強工程)
第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法の補強工程では、上床版部10の張出床版10a及び中間床版10bを下方から支える床版支持部材を設置する補強工程を行う。本実施形態では、床版支持部材とし鋼材からなるリブ7を設置する。
具体的には、張出床版10a及び中間床版10bの下面及びウェブ部12に後施工アンカーを設置し、設置したアンカーに山形鋼などで平鋼などからなるリブ7をボルト止めすることで固定して設置する。
その後、前述のプレストレス解除工程を行って、第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法が終了する。
以上説明した第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、第1実施形態の前記作用効果に加え、補強部材を上床版部10の上面に設置しないため、作業に伴う交通規制を最小限にすることができる。また、上床版部10の上のアスファルト舗装をやり替える際にも補強部材に影響はない。このため、重機等で炭素繊維2(補強繊維)を損傷するおそれを完全に払拭することができる。その上、第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法と比べて、桁高変化に対応するために形状が設置個所毎に異なることはなく、その分、作業効率は向上する。
但し、第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法によれば、第4実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法と同様に、隙間調整のためモルタル等の充填材を充填する必要がある。また、補強部材であるリブ7の劣化対策や点検を行う方策も別途必要である。
以上、本発明の第1~第5実施形態に係る横締めPC橋の床版補強工法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、PC橋としてPC箱桁橋を例示して説明したが、これに限られず、T桁橋やプレテン床版橋などPCa桁が横締めPC鋼材で連結された橋にも適用できる。要するに、本発明は、橋梁の橋軸直角方向にプレストレスが付与されたPC橋(プレストレスコンクリート橋)には、適用可能である。
1:PC箱桁橋(箱桁橋)
10:上床版部(床版)
10a:張出床版
10b:中間床版
11:下床版部(床版)
12:ウェブ部
13:中空部
14:横締めPC鋼材(PC鋼材)
2:炭素繊維(補強繊維:補強部材)
3:定着繊維(補強繊維:補強部材)
4:溝部
5:保護コンクリート層(コンクリート)
6,6’:ストラット(補強部材)
7:リブ(補強部材)

Claims (8)

  1. 床版の橋軸直角方向に沿ってPC鋼材が配置されてプレストレスが付与された横締めPC橋の床版補強工法であって、
    前記床版に配置されていた前記PC鋼材のプレストレスがなくなった際に前記床版に作用する引張応力に対抗する補強部材を設置して補強する補強工程と、
    前記PC鋼材に付与されたプレストレスを弛緩又は解除するプレストレス解除工程と、を有すること
    を特徴とする横締めPC橋の床版補強工法。
  2. 前記プレストレス解除工程では、前記PC鋼材を切断して除去すること
    を特徴とする請求項1に記載の横締めPC橋の床版補強工法。
  3. 前記補強工程では、前記床版の上面及び下面に前記補強部材として補強繊維を接着すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の横締めPC橋の床版補強工法。
  4. 前記補強工程では、所定間隔を置いて補強繊維を縞状に配置すること
    を特徴とする請求項3に記載の横締めPC橋の床版補強工法。
  5. 前記補強工程では、前記床版の上面のコンクリート部分を削り取って溝部を形成し、形成した当該溝部内に補強繊維を接着すること
    を特徴とする請求項3又は4に記載の横締めPC橋の床版補強工法。
  6. 前記補強工程の後に、前記補強繊維を保護するコンクリートを打設する保護コンクリート打設工程を有すること
    を特徴とする請求項3又は4に記載の横締めPC橋の床版補強工法。
  7. 前記補強工程では、前記補強部材として前記床版を下方から支えるストラット又はリブなどの床版支持部材を設置すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の横締めPC橋の床版補強工法。
  8. 前記ストラット又は前記リブは、鋼材であること
    を特徴とする請求項7に記載の横締めPC橋の床版補強工法。
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