JP7237973B2 - 1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン系化合物の結晶形及びその製造方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年1月29日出願の第CN201810085704.1号の優先権を主張するものである。
本発明は、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オン系化合物の結晶形及びその製造方法に関し、前記結晶形の、PDE4関連疾患を治療する薬物の製造における応用をさらに含む。
腫瘍壊死因子(TNFα)は、主に単核食細胞が免疫刺激物質に応答するときに放出されるサイトカインである。TNFαは、細胞の分化、リクルート、増殖及びタンパク質の分解などのほとんどの過程を促進することができる。低いレベルの場合、TNFαは、感染性因子、腫瘍及び組織損傷を防止する保護作用を有する。しかし、TNFαは、多すぎて放出されると、疾患を誘発し、例えば、TNFαが哺乳動物又はヒトに投与されると、炎症、発熱、心血管への作用、出血、血液凝固及び急性感染とショック状態に似ている急性反応を誘発するか又は悪化させる。動物体又は人体内に過剰な又は制御されないTNFαが産生すると、通常、内毒素血症及び/又は毒素性ショック症候群、悪液質、成人呼吸窮迫症候群、癌(例えば固形腫瘍及び血液系腫瘍)、心臓病(例えばうっ血性心不全)、ウイルス感染、遺伝性疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患又は自己免疫疾患という疾患に罹患することを提示する。
癌は、特に破壊性がある疾患であり、血液中のTNFαレベルの向上は、癌の罹患又は癌の拡散のおそれがあることを提示する。一般的に、癌細胞は健康体の循環系に生存することができず、その理由の1つは、血管内壁が腫瘍細胞の遊出の障壁となることである。研究から、内皮細胞上のELAM-1は、結腸癌細胞の、サイトカインで処理された内皮への接着促進を仲介できることがわかった。
環状アデノシン一リン酸(cAMP)は、多くの疾患及び病症において役割を果たす。炎症の場合、白血球中のcAMP濃度の上昇は、白血球の活性化を抑制すると共に、TNFα及びNF-κBなどを含む炎症制御因子が放出される。cAMPレベルの向上は、気道平滑筋の弛緩にもつながる。
cAMP不活性化の主な細胞メカニズムとしては、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)と呼ばれるアイソザイムによりcAMPが破壊される。11種類のPDEファミリーが知られている。これまで、PDE4酵素を抑制することが、炎症メディエータの放出や気道平滑筋の弛緩への抑制に特に効果的であることが確認されたため、PDE4酵素は既に薬物標的の一つとして注目を浴びている。異なる遺伝子コードに基づいて、PDE-4ファミリーは、4つのサブタイプ(PDE-4A、B、C、D)に分類することができる。炎症細胞(例えばB細胞、T細胞及び好中球など)におけるPDE-4A、PDE-4B及びPDE-4Dの発現は、PDE-4Cより高い。PDE4酵素を抑制してcAMPレベルを上昇させることで、TNFαレベルを調節し、疾患を治療するという目的を達成する。
本発明は、粉末X線回折パターンが14.10±0.2°、19.07±0.2°、21.79±0.2°である2θ角度に特徴的な回折ピークを有する化合物1のA結晶形を提供する。
Figure 0007237973000001
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形の粉末X線回折パターンは、10.69±0.2°、12.31±0.2°、13.45±0.2°、14.10±0.2°、14.62±0.2°、19.07±0.2°、20.33±0.2°、21.79±0.2°である2θ角度に特徴的な回折ピークを有する。
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形の粉末X線回折パターンは、6.25±0.2°、8.93±0.2°、10.69±0.2°、12.31±0.2°、13.45±0.2°、14.10±0.2°、14.62±0.2°、18.16±0.2°、19.07±0.2°、20.33±0.2°、21.79±0.2°である2θ角度に特徴的な回折ピークを有する。
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形のXRPDパターンは、図1に示すとおりである。
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形のXRPDパターンの解析データは、表1に示すとおりである。
Figure 0007237973000002
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形の示差走査熱量曲線は、201.70℃±2℃に吸熱ピークの開始点を有する。
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形のDSCパターンは、図2に示すとおりである。
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形の熱重量分析曲線における100.00±2℃での減量は0.02039%に達する。
本発明のいくつかの態様では、上記化合物1のA結晶形のTGAパターンは、図3に示すとおりである。
本発明は、化合物1を、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒と水との混合溶媒、ケトン系溶媒と水との混合溶媒又はエーテル系溶媒と水との混合溶媒に添加し、加熱して溶解させ、その後、降温して晶析させることにより製造することを含む、A結晶形の製造方法をさらに提供する。
本発明のいくつかの態様では、上記アルコール系溶媒は、メタノール、エタノール及びイソプロパノールから選択される。
本発明のいくつかの態様では、上記ケトン系溶媒は、アセトン及びブタノンから選択される。
本発明のいくつかの態様では、上記エーテル系溶媒は、エチレングリコールジメチルエーテルから選択される。
本発明のいくつかの態様では、上記アルコール系溶媒と水との混合溶媒は、エタノールと水との混合溶媒から選択される。
本発明のいくつかの態様では、上記アルコール系溶媒と水との混合溶媒において、アルコール系溶媒と水との体積比は、1:0.2~1.5から選択される。
本発明のいくつかの態様では、PDE4受容体関連疾患を治療する薬物の製造における、上記化合物1のA結晶形の使用がさらに提供される。
本発明のいくつかの態様では、上記PDE4関連疾患とは、乾癬、乾癬性関節炎、慢性閉塞性肺疾患、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患を指す。
化合物1のA結晶形は、特性が安定し、吸湿性が低く、製薬化の見通しがよい。化合物1のA結晶形は、アルコール系溶媒、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アルコール系溶媒と水との混合溶媒、アセトニトリルと水との混合溶媒又はアセトンと水との混合溶媒のいずれにおいても良好な安定性を有する。化合物1のA結晶形は40℃/相対湿度75%の加速条件で良好な安定性を有し、化合物1のA結晶形は25℃/相対湿度60%の長期条件下で良好な安定性を有する。
化合物1は、ホスホジエステラーゼ4Bサブタイプ(PDE4B)を抑制する優れたインビトロ活性を示す。化合物1は、hPBMCにおいて、TNFα産生を抑制する優れたインビトロ活性を示し、かつアプレミラストよりも優れる。
化合物1は、0.3、1及び3ミリグラム/キログラムの3つの用量群において、コラーゲン誘発性関節炎の症状に対していずれも顕著な改善作用を有する。かつ1ミリグラム/キログラムと3ミリグラム/キログラムの用量群において、関節炎の病理学的病変に対して顕著な改善を有し、3つの用量群は、関節炎の病理学的スコアにおいて明らかな用量反応関係を示す。3ミリグラム/キログラムの化合物1の治療効果(臨床的スコア及び関節炎の病理学的スコア)は、5ミリグラム/キログラムのアプレミラストより優れる。
定義及び説明
特に断りのない限り、本明細書で使用される以下の用語及び文句は、以下の意味を含むことを意図する。特定の文句又は用語は、特に定義がない限り、不明確又は不明瞭であるとみなされるべきではなく、通常の意味で理解されるべきである。本明細書には商品名が記載される場合、その対応する商品又はその活性成分を意味する。
本発明の中間体化合物は、以下に列挙する具体的な実施形態、それらを他の化学合成方法と組み合わせることによって形成される実施形態、及び当業者に周知の均等な置換形態を含む、当業者に周知の様々な合成方法によって製造でき、好ましい実施形態は、本発明の実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の具体的な実施形態における化学反応は、適切な溶媒中で完成され、前記溶媒は、本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を取得するために、当業者が既存の実施形態に基づいて合成ステップ又は反応流れを変更するか又は選択する必要がある場合がある。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は、本発明を何ら限定するものではない。
本発明で使用される全ての溶媒は市販されており、さらに精製することなく使用することができる。
本発明は、以下の略語を使用する。DMFは、ジメチルホルムアミドを表し、MsOHは、メタンスルホン酸を表し、EtOHは、エタノールを表し、NaOHは、水酸化ナトリウムを表す。
化合物は、人工的に又はChemDrawソフトウェアで命名され、市販の化合物は、サプライヤーによるカタログ名称を採用する。
本発明の粉末X線回折(X-ray powder diffractometer、XRPD)方法
機器型番:ブルカーD8advance X線回折計
試験方法:約10~20mgのサンプルをXRPD検出に使用する。
詳細なXRPDパラメータは以下のとおりである:
X線管:Cu、kα、(λ=1.54056Å)
X線管電圧:40kV、X線管電流:40mA
発散スリット:0.60mm
検出器スリット:10.50mm
散乱防止スリット:7.10mm
走査範囲:4-40deg
ステップ幅:0.02deg
ステップ時間:0.12秒
サンプルプレート回転数:15rpm
本発明の示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)方法
機器型番:TA Q2000示差走査熱量計
試験方法:サンプル(~1mg)をDSCアルミニウムパン内に入れて試験を行い、50mL/minのNの条件で、10℃/minの升温速度で、サンプルを25℃から350℃に加熱する。
本発明の熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)方法
機器型番:TA Q5000IR熱重量分析計
試験方法:サンプル(2~5mg)をTGA白金パン内に入れて試験を行い、25 mL/minのNの条件で、10℃/minの升温速度で、サンプルを室温から350℃に加熱する。
本発明の動的蒸気吸着分析(Dynamic Vapor Sorption、DVS)方法
機器型番:SEM Advantage-1動的蒸気吸着装置
試験条件:サンプル(10~20mg)をDVSサンプルプレート内に入れて試験を行う。
詳細なDVSパラメータは以下のとおりである:
温度:25℃
平衡:dm/dt=0.01%/min(最短:10min、最長:180min)
乾燥:0%RHで120min乾燥させる
RH(%)試験勾配:10%
RH(%)試験勾配範囲:0%-90%-0%
吸湿性の評価分類は以下のとおりである:
Figure 0007237973000003
本発明の含有量測定方法
機器型番:DAD検出器付きアジレント1260高速液体クロマトグラフ又はPDA検出器付き島津LC-20A高速液体クロマトグラフ
クロマトグラフィー条件の具体的なパラメータは以下のとおりである:
クロマトグラフィーカラム:Agilent Eclipse plus C18(4.6mm×150mm、3.5μm)
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
検出波長:230nm
注入量:10μL
稼働時間:60min
移動相A:0.04%トリフルオロ酢酸水溶液(V/V)
移動相B:アセトニトリル
希釈剤:アセトニトリル:純水=3:1(v/v)
ニードル洗浄液:アセトニトリル:純水=3:1(v/v)
勾配溶出手順:
Figure 0007237973000004
化合物1のA結晶形のCu-Kα放射によるXRPDパターンである。 化合物1のA結晶形のDSCパターンである。 化合物1のA結晶形のTGAパターンである。 化合物1のA結晶形のDVSパターンである。
本発明の内容をよりよく理解するために、以下に具体的な実施例を参照してさらに説明するものの、具体的な実施形態は本発明の内容を限定するものではない。
実施例1:化合物1のA結晶形の製造
Figure 0007237973000005
ステップ1:化合物3の合成
室温で、化合物b(10.00g、39.77mmol)、化合物2(9.78g、35.79mmol)及びジイソプロピルアミン(10.28g、79.53mmol、13.89mL)をN,N-ジメチルホルムアミド(200.00mL)に溶解し、窒素ガスで3回置換し、窒素ガス雰囲気下で反応混合物を120℃に加熱し、かつ16時間撹拌反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、反応混合物に水(400mL)を添加し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去し、減圧下で濃縮し、残留物に対してカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/4-1/2、体積比)を行い、目的化合物3を得た。
MS‐ESIm/z: 509.8[M+Na]、511.8[M+Na+2]H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.27(s、1H)、7.27(d、J=6.8Hz、1H)、6.90‐6.86(m、2H)、6.81(d、J=8.0Hz、1H)、5.72(q、J=6.4Hz、1H)、4.04(q、J=6.8Hz、2H)、3.80(s、3H)、3.68(dd、J=6.6、14.6Hz、1H)、3.40(dd、J=6.4、14.8Hz、1H)、2.52(s、3H)、2.45(s、3H)、1.40(t、J=7.0Hz、3H).
ステップ2:化合物4の合成
室温で、化合物3(12.10g、24.78mmol)及びオルトフルオロフェニルボロン酸(5.20g、37.17mmol)をジオキサン(150.00mL)及び水(50.00mL)に溶解し、窒素ガス雰囲気下で炭酸カリウム(10.27g、74.34mmol)と[1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(2.02g、2.48mmol)を添加し、窒素ガス雰囲気下で反応混合物を80℃に加熱し、かつ14時間撹拌反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、反応混合物に水(500mL)を添加し、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去し、減圧下で濃縮し、残留物に対してカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/10‐1/4、体積比)を行い、目的化合物4を得た。
MS‐ESIm/z:504.1[M+H]H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.07(s、1H)、7.42(d、J=6.8Hz、1H)、7.38‐7.30(m、1H)、7.18‐7.06(m、3H)、6.98‐6.89(m、2H)、6.83(d、J=8.4Hz、1H)、5.82(q、J=6.6Hz、1H)、4.13‐4.00(m、3H)、3.81(s、3H)、3.43(dd、J=6.4、14.7Hz、1H)、2.55(s、3H)、2.23(s、3H)、1.41(t、J=7.0Hz、3H).
ステップ3:化合物5の合成
室温で、化合物4(9.20g、18.27mmol)及び塩化アンモニウム(9.77g、182.70mmol)にメタノール(200.00mL)を添加し、0℃で亜鉛粉末(11.95g、182.70mmol)を20バッチに分けて添加し、反応混合物を0℃で16時間撹拌反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過して亜鉛粉末を除去し、濾液を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をジクロロメタン(200mL)に溶解し、懸濁液を濾過して不溶物を除去し、濾液を減圧下で濃縮して化合物5を得た。
MS‐ESIm/z:474.0[M+H]H NMR(400MHz、CDCl)δ:7.55(s、1H)、7.42‐7.32(m、1H)、7.20(d、J=4.8Hz、2H)、7.13(t、J=9.0Hz、1H)、7.08‐7.03(m、2H)、6.88(d、J=8.8Hz、1H)、5.70(s、1H)、4.19‐4.07(m、2H)、4.00‐3.90(m、1H)、3.87(s、3H)、3.58(dd、J=6.0、14.4Hz、1H)、2.78(s、3H)、2.05(s、3H)、1.47(t、J=7.2Hz、3H).
ステップ4:化合物1の合成
室温で、化合物5(9.30g、19.64mmol)及びトリエチルアミン(19.87g、196.40mmol)をテトラヒドロフラン(200.00mL)に溶解し、0℃に冷却し、トリホスゲン(2.33g、7.86mmol)のテトラヒドロフラン(50.00mL)溶液を上記反応液に滴下し、滴下終了後、窒素ガス雰囲気下で反応混合物を0℃で3時間撹拌反応させた。反応終了後、反応混合物に水(200mL)を添加し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去し、減圧下で濃縮し、残留物に対してカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/3‐2/1、体積比)を行い、化合物1を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)δ:10.13‐10.01(m、1H)、7.87(s、1H)、7.39‐7.32(m、1H)、7.31(d、J=1.6Hz、1H)、7.18‐7.15(m、3H)、7.11(t、J=9.2Hz、1H)、6.74(d、J=8.4Hz、1H)、6.14(dd、J=4.8、9.6Hz、1H)、4.86(dd、J=9.4、14.6Hz、1H)、4.09‐3.97(m、2H)、3.88(dd、J=4.4、14.8Hz、1H)、3.76(s、3H)、2.70(s、3H)、2.16(s、3H)、1.35(t、J=7.0Hz、3H).
ステップ5:化合物1のA結晶形の製造
室温で、化合物1(6.45g、12.91mmol)に水(160.00mL)及びエタノール(170.00mL)を添加し、反応混合物を90℃で0.5時間撹拌し、撹拌過程において反応溶液が徐々に清澄になった。反応混合物を撹拌中に20℃まで徐々に冷却し、かつ20℃で16時間撹拌を続け、撹拌期間に白色固体が多く析出した。白色固体を濾過によって収集し、45℃の真空オーブンで18時間乾燥させて化合物1のA結晶形を得た。
MS‐ESIm/z:500.2[M+H]H NMR(400MHz、CDCl)δ:9.97(s、1H)、7.94(s、1H)、7.46‐7.39(m、1H)、7.38(d、J=1.6Hz、1H)、7.26‐7.22(m、3H)、7.17(t、J=9.0Hz、1H)、6.81(d、J=8.0Hz、1H)、6.22(dd、J=4.8、9.6Hz、1H)、4.93(dd、J=9.6、14.8Hz、1H)、4.13‐4.03(m、2H)、3.95(dd、J=4.8、14.8Hz、1H)、3.83(s、3H)、2.77(s、3H)、2.23(s、3H)、1.42(t、J=7.0Hz、3H).
実験例1:A結晶形の異なる溶媒中での安定性試験
50mgのA結晶形を複数分取り、それぞれ下記表中の単一又は混合溶媒に添加し、40℃の条件で2日撹拌した後に遠心分離した。全てのサンプル中の固体を収集し、真空オーブン中(40℃)で一晩乾燥させ、その結晶形の状態をXRPDで検出した。結果を表2に示す。
Figure 0007237973000006
実験結論:化合物1のA結晶形は、アルコール系溶媒、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アルコール系溶媒と水との混合溶媒、ケトン系溶媒と水との混合溶媒、アセトニトリルと水との混合溶媒又はアセトンと水との混合溶媒のいずれにおいても良好な安定性を有する。
実験例2:化合物1のA結晶形の吸湿性に関する研究
実験材料:SEM DVS Advantage-1動的蒸気吸着装置
実験方法:化合物1のA結晶形10~20mgをDVSサンプルプレート内に入れて試験を行う。
実験結果:化合物1のA結晶形のDVSパターンは、図4に示すとおりであり、△W=0.08%である。
実験結論:化合物1のA結晶形の25℃及び80%RHでの吸湿による重量増加は0.08%であり、0.2%より小さく、吸湿性がないか又はほとんどない。
実験例3:化合物1のA結晶形の高温、高湿及び強光条件下での固体安定性試験
『原薬と製剤の安定性試験の指導原則』(中国薬典2015版四部通則9001)に準じ、化合物1のA結晶形の高温(60℃、開口)、高湿(室温/相対湿度92.5%、開口)及び強光(4500±500lux、90μw/cm、封口)条件での安定性を考察した。
化合物1のA結晶形を1.5g秤量し、開口した時計皿に入れ、薄く一層に敷いた。高温及び高湿条件で放置したサンプルをデシケータに入れて考察し、5日目、10日目及び30日目にサンプリングして検出し、検出結果と0日目の初期検出結果とを比較し、強光条件で放置したサンプルに透明な蓋を被せ、パラフィルムで密封し、5日目、10日目にサンプリングして検出し、検出結果と0日目の初期検出結果とを比較した。試験結果を以下の表3に示す。
Figure 0007237973000007
結論:化合物1のA結晶形は、高温、高湿又は強光条件のいずれにおいても良好な安定性を有する。
実験例4:化合物1のA結晶形の加速条件での固体安定性試験
『原薬と製剤の安定性試験の指導原則』(中国薬典2015版四部通則9001)に準じ、化合物1のA結晶形の高温及び高湿の加速条件(40℃/相対湿度75%、密封)での安定性を考察した。
化合物1のA結晶形を1.4g秤量し、二層低密度ポリエチレン袋に入れ、各層の低密度ポリエチレン袋をそれぞれ封口して密封し、さらにアルミ箔袋に入れてヒートシールし、1月目、2月目、3月目及び6月目にサンプリングして検出し、検出結果と0日目の初期検出結果とを比較した。この試験を3回繰り返し、異なるバッチの化合物1のA結晶形を毎回採用し、試験結果を以下の表4に示す。
Figure 0007237973000008
結論:化合物1のA結晶形は40℃/相対湿度75%の加速条件で良好な安定性を有する。
実験例5:化合物1のA結晶形の長期条件での固体安定性試験
『原薬と製剤の安定性試験の指導原則』(中国薬典2015版四部通則9001)に準じ、化合物1のA結晶形の長期条件(25℃/相対湿度60%、密封)での安定性を考察した。
化合物1のA結晶形を1.4g秤量し、二層低密度ポリエチレン袋に入れ、各層の低密度ポリエチレン袋をそれぞれ封口して密封し、さらにアルミ箔袋に入れてヒートシールし、3月目、6月目、9月目、12月目及び18月目にサンプリングして検出し、検出結果と0日目の初期検出結果とを比較した。この試験を3回繰り返し、異なるバッチの化合物1のA結晶形を毎回採用する。試験結果を以下の表5に示す。
Figure 0007237973000009
結論:化合物1のA結晶形は、25℃/相対湿度60%の長期条件で良好な安定性を有する。
試験例1:化合物1のホスホジエステラーゼ4Bサブタイプ(PDE4B酵素)に対する抑制活性
該生物学的実験は、蛍光偏光によってAMP/GMP発現を測定し、すなわちAMP/GMP抗体結合を追跡することにより、酵素の活性を示すものである。
試薬:
実験緩衝溶液:10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン‐塩酸緩衝溶液(Tris-HCl)(pH7.5)、5mM MgCl、0.01%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij35)、1mMジチオスレイトール(DTT)、及び1%DMSO。
酵素:組み換えヒトPDE4B(遺伝子登録番号NM_002600、アミノ酸305末端)は、N末端GSTタグを使用して、Sf9昆虫細胞におけるバキュロウイルスによって発現される。MW=78kDaである。
基質:1μM cAMP
検出:TranscreenerAMP2/GMP2抗体及びAMP2/GMP2AlexaFluor633追跡。
操作ステップ:
1.組み換えヒトPDE4B酵素と基質(1μM cAMP)をそれぞれ新たに調製された実験緩衝溶液に溶解し、
2.上記PDE4B酵素緩衝溶液を反応ウェルに移し、
3.音響技術(エコー550 ナノリットル範囲)により、100%DMSOに溶解された化合物1をPDE4B酵素緩衝溶液の反応ウェルに添加し、かつ室温で10分間インキュベートし、
4.その後、基質緩衝溶液を上記反応ウェルに添加して、反応を開始させ、
5.室温で1時間インキュベートし、
6.検出混合物(TranscreenerAMP2/GMP2抗体及びAMP2/GMP2AlexaFluor633追跡)を添加して、反応を停止させ、かつ徐々に混合しながら90分間インキュベートした。蛍光偏光の測定範囲はEx/Em=620/688である。
データ分析:蛍光偏光シグナルは、AMP/GMP標準曲線及びExcelソフトウェアによって、DMSO対照に対する%酵素活性を計算し、nMに換算した。曲線の当てはめは、GraphPad Prism(作図医学グラフ)を使用した。
Figure 0007237973000010
結論:化合物1は、ホスホジエステラーゼ4Bサブタイプ(PDE4B)を抑制する優れたインビトロ活性を示す。
試験例2:インビトロでヒト末梢血単核細胞(hPBMC)においてTNFα産生を抑制する作用の評価
化合物1の、リポ多糖(LPS)により誘発されるヒト末梢血単核細胞におけるTNFα産生に対する抑制活性
操作ステップ:
1.正常ヒト全血を採取し、EDTA-K2抗凝固チューブで凝固を防止し、
2.Ficoll密度勾配遠心分離によりPBMCを単離し、計数し、細胞濃度を2x10/mLに調整し、
3.U底96ウェルプレートの各ウェルに2x10個の細胞を添加し、1ng/mL LPS、100μM、10μM、1μM、100nM、10nM、1nM、100pM、10pMという異なる濃度の化合物を添加し、1ウェル当たり200μlの反応系を用い、重複ウェルを2つ設け、
4.24時間培養し、上清を採取し、
5.上清中のTNFαのレベルをELISAにより検出し、Graphpad Prismソフトウェアにより抑制曲線を当てはめ、かつIC50を計算する
Figure 0007237973000011
Figure 0007237973000012
結論:化合物1は、hPBMCにおいて、TNFα産生を抑制する優れたインビトロ活性を示し、かつアプレミラストよりも優れる。
試験例3:インビボCIAモデル
実験目的:
コラーゲン誘発性マウス関節炎モデルは、薬物で乾癬性関節炎を治療する薬効を評価するための動物モデルであり、その発症機序及び症状はいずれも乾癬性関節炎疾患と明らかな相関性を有する。モデルについては、II型コラーゲンを注射することで骨コラーゲンに対するB細胞、T細胞の反応性を活性化し、活性化されたB細胞及びT細胞が関節部位に入って関節の炎症を誘発させることにより、関節部位の発赤腫脹、関節軟骨及び関節包の損傷などの症状のような、ヒト乾癬性関節炎に似ている一連の症状を誘発させる。臨床前に薬物で乾癬性関節炎を治療する候補化合物を評価する過程において、コラーゲン誘発性マウス関節炎は、その有効性を評価するために使用されることが多い。
今回の実験の目的は、コラーゲン誘発性マウス関節炎に対する化合物1の治療効果を考察することにより、その後の臨床研究に臨床前の薬力学的関連情報を提供することである。
実験方法:
1.II型コラーゲン/完全フロイントアジュバントで免疫する
酢酸の調製:酢酸を100mMに希釈し、0.22ミクロンの濾過膜で濾過した後、4℃で保存した。
ウシII型コラーゲン溶液:ウシII型コラーゲン(CII)を酢酸溶液に溶解し、かつ4℃で放置して一晩保存した。
乳剤の調製:一晩保存されたCII溶液を等体積の完全フロイントアジュバントと混合し、溶液が安定した乳剤を形成するまで高速ホモジナイザーでホモジネートした。
リポ多糖(LPS)の調製:LPSを秤量し、生理食塩水を添加し、安定した溶液を形成するまで均一に混合し、濃度を0.3mg/kgとした。
2.関節炎の誘発:
マウスを異なる治療群にランダムに割り当てた。1回目の免疫の日を0日目とし、その後の日を順に番号付けした。DBA/1マウスをイソフルランで麻酔した後、調製したコラーゲン乳剤を尾部に皮下注射した。23日目に、100マイクロリットルのLPS溶液を腹腔内注射した。正常群のマウスを免疫する必要がない。
3.投与及び用量設計
27日目に、平均臨床的スコアが1点程度に達すると、発症程度が適切なマウスを60匹選択し、体重及びスコアに基づいて、改めてランダムに群分けし、各群に10匹のマウスがある。
陽性対照薬物としてのデキサメタゾンの0.3ミリグラム/キログラムの用量群は、CIAモデルにおいて一般的に使用された用量であり、また、前期予備実験の結果に基づいて化合物1と対照化合物としてのアプレミラストの関連用量の設計を決定する。第1群は正常マウスであり、如何なる処理もしないものであり、第2群は溶媒対照群であり、溶媒を投与するものであり、第3群にデキサメタゾンが投与され、用量が0.3ミリグラム/キログラムであり、第4群にアプレミラストが投与され、用量が5ミリグラム/キログラムであり、第5群、第6群、第7群に化合物1が投与され、用量がそれぞれ0.3、1及び3ミリグラム/キログラムである。1日1回投与し、合計11日間継続した。胃内投与体積は10ミリリットル/キログラムである。
Figure 0007237973000013
4.関節炎発症指標の測定
臨床観察:免疫前7日から免疫後23日目まで、DBA/1マウスの基本的な健康状態及び体重変化を毎日観察した(1週間に1回記録した)。23日目後、実験が終了するまで、マウスの健康状態、発症状況、及び体重変化を毎日観察した(1週間に少なくとも3回記録した)。
臨床的スコア:LPSの注射後、マウスの発症状況を毎日観察した。マウスが発症し始めた後(関節炎の臨床症状が現れ)、病変の異なる程度(発赤腫脹、関節変形)に基づいて0‐4点の基準に従ってスコアリングし、各肢の最高スコアが4点であり、動物1匹あたりの最高スコアが16点であった。スコア基準を表9に示す。1週間に少なくとも3回スコアリングする
Figure 0007237973000014
病理:38日目にマウスを安楽死させた。マウスの2つの後肢を取り、10%ホルマリン溶液で浸し、ギ酸溶液で脱灰し、パラフィンで包埋し、切片にし、ヘマトキシリン‐エオシン染色(hematoxylin-eosin staining、HE)を行い、顕微鏡で写真を撮影して観察した。関節の損傷程度を炎症性細胞浸潤、パンヌス形成、軟骨損傷、骨吸収などの4つの点から評価し、かつ0‐4点の基準に従ってスコアリングした。
各項目のスコア基準は表10のとおりである:
Figure 0007237973000015
5.統計学的処理
実験データは平均数±標準誤差(Mean±SEM)で表され、体重と臨床的スコアは2元配置分散分析(Two-way ANOVA)を採用し、病理学的スコア及びAUCはt検定を採用し、p<0.05の時に有意差があると考えた。
実験結果:
1.臨床的スコア:
1回目の免疫後25日目(2回目の免疫後2日目)に、マウスに関節炎の臨床症状が現れ始めた。27日目に投与を開始する。溶媒対照群の平均臨床的スコアが徐々に上昇し、36日目に8.3点に達し、コラーゲン誘発性関節炎モデルが成功裏に確立されたことを提示した。
溶媒対照群と比較して、化合物1の0.3、1及び3ミリグラム/キログラムは、いずれも実験終点(37日目)での関節炎マウスの臨床的スコアを顕著に低減することができ、3つの用量での平均臨床的スコアが3.6(p<0.0001)、4.3(p<0.001)及び3.5(p<0.0001)に低下した。したがって、化合物1は0.3ミリグラム/キログラムの低い用量であってもコラーゲン誘発関節炎を効果的に軽減することができる。0.3ミリグラム/キログラムのデキサメタゾンで治療すると、コラーゲン誘発性関節炎の臨床的スコアを顕著に低減することができ、30日目から臨床的スコアが0点に維持され、溶媒対照群との有意差(p<0.0001)が現れ、かつ試験が終了するまで継続し、5ミリグラム/キログラムのアプレミラスト群は、臨床的スコアの上昇をも抑制し、かつ33日目から溶媒対照群との有意差が現れ、かつ試験が終了するまで継続し、37日目に、臨床症状の平均スコアが4.2であり、溶媒対照群と比較して3.7 (p<0.001)低下した。
各群の動物1匹あたりの臨床的スコアの曲線を分析することにより、曲線下面積(AUC)を計算し、群間の曲線下面積の平均値により、溶媒対照群に対する各投与群の抑制率を計算した。溶媒対照群と比較して、デキサメタゾン群及びアプレミラスト群は、関節炎動物の臨床的スコアを顕著に低減し、抑制率はそれぞれ96.4%(p<0.0001)と41.3%(p<0.05)であり、化合物1は0.3、1及び3ミリグラム/キログラムの3つの用量のいずれにおいても関節炎動物の臨床的スコアの曲線下面積を顕著に低減することができ、抑制率はそれぞれ43.9%(p<0.05)、39.4%(p<0.05)、及び51.7%(p<0.01)であった。化合物1の1ミリグラム/キログラム群は、アプレミラストの5ミリグラム/キログラム群の抑制率に相当し(両群はいずれもp<0.05であり)、同時に化合物1の3ミリグラム/キログラム群の抑制率は、アプレミラストの5ミリグラム/キログラム群より優れた(p値はそれぞれ<0.01と<0.05である)。
2.組織の病理学的スコア
各群のマウスの2つの後肢を切片にしてH.E.染色を行い、2つの後肢の総スコアを取った。溶媒対照群の関節炎マウスについて、病理学的スコアの総スコアは、20.20±1.15である。溶媒対照群と比較して、対照化合物としてのアプレミラストは、5ミリグラム/キログラム用量でも関節炎マウスの病理学的スコアを顕著に低減することができ、13.90±1.89(p<0.05)まで低減することができ、化合物1は、1及び3ミリグラム/キログラム用量で関節炎マウスの病理学的スコアを顕著に低減することができ、14.00±2.43(p<0.05)と9.20±1.83(p<0.0001)にそれぞれ低下した。化合物1の1ミリグラム/キログラム群は、アプレミラストの5ミリグラム/キログラム群の関節炎の病理学的スコアの効果に相当し(両群はp<0.05であり)、同時に化合物1の3ミリグラム/キログラム群の関節炎の病理学的スコアの効果は、アプレミラストの5ミリグラム/キログラム群より優れた(p値はそれぞれ<0.0001と<0.05である)。
3.結論
化合物1は、0.3、1及び3ミリグラム/キログラムの3つの用量群において、コラーゲン誘発性関節炎の症状に対していずれも顕著な改善作用を有する。かつ1ミリグラム/キログラムと3ミリグラム/キログラムの用量群において、関節炎病の理学的病変に対して顕著な改善を有し、3つの用量群は、関節炎の病理学的スコアにおいて明らかな用量反応関係を示す。3ミリグラム/キログラムの化合物1の治療効果(臨床的スコア及び関節炎の病理学的スコア)は、5ミリグラム/キログラムのアプレミラストより優れる。

Claims (14)

  1. 粉末X線回折パターンは、14.10±0.2°、19.07±0.2°、21.79±0.2°である2θ角度に特徴的な回折ピークを有する、化合物1のA型結晶
    Figure 0007237973000016
  2. 粉末X線回折パターンは、10.69±0.2°、12.31±0.2°、13.45±0.2°、14.10±0.2°、14.62±0.2°、19.07±0.2°、20.33±0.2°、21.79±0.2°である2θ角度に特徴的な回折ピークを有する、請求項1に記載の化合物1のA型結晶
  3. 粉末X線回折パターンは、6.25±0.2°、8.93±0.2°、10.69±0.2°、12.31±0.2°、13.45±0.2°、14.10±0.2°、14.62±0.2°、18.16±0.2°、19.07±0.2°、20.33±0.2°、21.79±0.2°である2θ角度に特徴的な回折ピークを有する、請求項2に記載の化合物1のA型結晶
  4. XRPDパターンは以下の表:
    Figure 0007237973000017
    で示される解析データのとおりである、請求項3に記載の化合物1のA型結晶
  5. 示差走査熱量曲線は、201.70℃±2℃に吸熱ピークの開始点を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物1のA型結晶
  6. 熱重量分析曲線における100.00±2℃での重量の減量は0.02039%に達する、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物1のA型結晶
  7. 化合物1を、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒と水との混合溶媒、ケトン系溶媒と水との混合溶媒又はエーテル系溶媒と水との混合溶媒に添加し、加熱して溶解させ、その後、降温して晶析させることにより製造することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物1のA型結晶の製造方法。
  8. 前記アルコール系溶媒は、メタノール、エタノール及びイソプロパノールから選択される、請求項に記載の化合物1のA型結晶の製造方法。
  9. 前記ケトン系溶媒は、アセトン及びブタノンから選択される、請求項に記載の化合物1のA型結晶の製造方法。
  10. 前記エーテル系溶媒は、エチレングリコールジメチルエーテルから選択される、請求項に記載の化合物1のA型結晶の製造方法。
  11. アルコール系溶媒と水との混合溶媒は、エタノールと水との混合溶媒から選択される、請求項に記載の化合物1のA型結晶の製造方法。
  12. 前記アルコール系溶媒と水との混合溶媒において、アルコール系溶媒と水との体積比は、1:0.2~1.5から選択される、請求項11に記載の化合物1のA型結晶の製造方法。
  13. PDE4受容体関連疾患を治療する薬物の製造における、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物1のA型結晶の使用。
  14. 前記PDE4受容体関連疾患は、乾癬、乾癬性関節炎、慢性閉塞性肺疾患、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患を意味する、請求項13に記載の使用。
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