JP7237853B2 - 胃抑制ペプチド受容体(gipr)に対する結合タンパク質をglp-1アゴニストと組み合わせて使用する、代謝障害の治療方法又は寛解方法 - Google Patents

胃抑制ペプチド受容体(gipr)に対する結合タンパク質をglp-1アゴニストと組み合わせて使用する、代謝障害の治療方法又は寛解方法 Download PDF

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Description

本開示は、2型糖尿病、グルコースレベルの上昇、インスリンレベルの上昇、肥満、非アルコール性脂肪性肝疾患、又は循環器疾患などの代謝障害の、胃抑制ペプチド受容体(GIPR)に特異的な抗原結合タンパク質を使用する治療又は寛解に関する。
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)は、小腸(十二指腸及び空腸)においてK細胞から分泌される42のアミノ酸の単一ペプチドである。ヒトGIPは、プロGIPがプロセシングを受けて生じるものであり、プロGIPは、染色体17qに局在する遺伝子によってコードされる153のアミノ酸の前駆体である(Inagaki et al.,Mol Endocrinol 1989;3:1014-1021、Fehmann et al.Endocr Rev.1995;16:390-410)。GIPは、以前は胃抑制ポリペプチドと呼ばれていた。
GIPの分泌は、食物摂取によって誘導される。GIPは、組織に対して多くの生理学的作用を及ぼすものであり、こうした作用には、脂肪細胞における脂肪貯蔵の促進並びに膵島β細胞の機能及びグルコース依存性のインスリン分泌の促進が含まれる。GIP及びグルカゴン様ポリペプチド-1(GLP-1)は、インスリン分泌刺激因子(「インクレチン」)として知られている。インタクトなGIPは、DPPIVによって迅速に分解されることで不活性形態となる。2型糖尿病患者では、GIPのインスリン分泌刺激作用は失われているが、GLP-1のインクレチン作用はそのまま残っている(Nauck et al.J.Clinc.Invest.1993;91:301-307)。
GIP受容体(GIPR)は、細胞外N末端、7つの膜貫通ドメイン、及び細胞内C末端を有するGタンパク質共役型受容体(GPCR)のセクレチン-グルカゴンファミリーのメンバーである。このファミリーの受容体のN末端細胞外ドメインは、通常、グリコシル化されており、受容体の認識及び結合ドメインを形成する。GIPRは、膵臓、腸、脂肪組織、心臓、下垂体、副腎皮質、及び脳を含む、多くの組織において高度に発現する(Usdin et al.,Endocrinology.1993,133:2861-2870)。ヒトGIPRは、466のアミノ酸を含み、染色体19q13.3に位置する遺伝子によってコードされる(Gremlich et al.,Diabetes.1995;44:1202-8、Volz et al.,FEBS Lett.1995,373:23-29)。ヒト、ラット、及びマウスでは、mRNAが選択的スプライシングを受ける結果として、長さが異なるGIP受容体変異体が生成することが研究によって示唆されている。
GIPRノックアウトマウス(Gipr-/-)では、高脂肪食誘導性の体重増加に抵抗性が存在し、インスリン感受性及び脂質プロファイルが改善している(Yamada et al.,Diabetes.2006,55:S86、Miyawaki et al.Nature Med.2002,8:738-742)。さらに、新規の小分子GIPRアンタゴニストであるSKL-14959は、肥満及びインスリン抵抗性を阻止する(Diabetologia 2008,51:S373,44th EASD Annual meeting poster)。
グルカゴン様ペプチド-1(「GLP-1」)は、プログルカゴン遺伝子に由来する31のアミノ酸のペプチドである。GLP-1は、小腸L細胞によって分泌されるものであり、食物摂取に応じて放出されることで膵臓β細胞からのインスリン分泌を誘導する(Diabetes 2004,53:S3,205-214)。インクレチン作用に加えて、GLP-1は、グルカゴンの分泌低減、胃内容排出の遅延、及びカロリー摂取の低減も行う(Diabetes Care,2003,26(10):2929-2940)。GLP-1は、GLP-1受容体の活性化によってその作用を発揮し、GLP-1受容体は、クラスBに属するGタンパク質共役型受容体である(Endocrinology.1993,133(4):1907-10)。GLP-1は、DPP-IV酵素による迅速分解によってその機能は限定されており、結果的に半減期は約2分である。エキセナチド、リラグルチド、デュラグルチドなどの持続性のGLP-1受容体アゴニストが最近開発され、2型糖尿病を有する患者の血糖制御を改善するために、現在、臨床的に使用されている。さらに、GLP-1受容体アゴニストは、患者における体重低減並びに血圧及び血漿コレステロールレベルの低減も促進する(Bioorg.Med.Chem.Lett 2013,23:4011-4018)。
まとめると、肥満及びインスリン抵抗性へのこうした結び付きは、GIPRを阻害することが、単独療法としても、GLP-1との組み合わせにおいても、治療介入として有用な手法であることを暗示している。
1つの態様では、本開示は、代謝障害を有する対象の治療方法を提供し、方法は、GIPRのアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質に特異的に結合する抗原結合タンパク質の、治療的に有効な量での対象への投与を含む。1つの態様では、本発明は、代謝障害を有する対象の治療方法を対象とし、方法は、治療的に有効な量のGLP-1受容体アゴニストと、GIPRのアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質に特異的に結合する治療的に有効な量のGIPRアンタゴニストと、の対象への投与を含む。1つの実施形態では、代謝障害は、グルコース代謝の障害である。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、高血糖を含み、抗原結合タンパク質の投与は、血漿グルコースを低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、高インスリン血症を含み、抗原結合タンパク質の投与は、血漿インスリンを低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、耐糖能障害を含み、抗原結合タンパク質の投与は、耐糖能を向上させる。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、インスリン抵抗性を含み、抗原結合タンパク質の投与は、インスリン抵抗性を低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、糖尿病を含む。別の実施形態では、対象は、肥満である。別の実施形態では、抗原結合タンパク質の投与は、肥満対象の体重を低減する。別の実施形態では、抗原結合タンパク質の投与は、肥満対象における体重増加を低減する。別の実施形態では、抗原結合タンパク質の投与は、肥満対象における体脂肪量を低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、インスリン抵抗性を含み、抗原結合タンパク質の投与は、肥満対象におけるインスリン抵抗性を低減する。別の実施形態では、抗原結合タンパク質の投与は、進行した脂肪肝を有する肥満対象における脂肪肝を低減する。別の実施形態では、抗原結合タンパク質の投与は、肝臓脂肪含量が増加した肥満対象における肝臓脂肪含量を低減する。
1つの態様では、本発明は、治療方法を対象とし、方法は、代謝障害の症状を有する対象に投与すると持続型の有益作用を与える少なくとも1つのGIPRアンタゴニストの投与と組み合わせた、少なくとも1つのGLP-1受容体アゴニストの、治療的に有効な量での対象への投与を含む。
1つの実施形態では、少なくとも1つのGIPRアンタゴニストの投与と組み合わせた少なくとも1つのGLP-1受容体アゴニストの投与は、代謝障害の少なくとも1つの症状に持続型の有益作用を与える。
1つの実施形態では、治療的に有効な量のGLP-1受容体アゴニストと、治療的に有効な量のGIPRアンタゴニストとは、対象への投与の前に統合される。
1つの実施形態では、治療的に有効な量のGLP-1受容体アゴニストと、治療的に有効な量のGIPRアンタゴニストとは、連続的に対象に投与される。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストの治療的に有効な量と、GIPR アンタゴニストの治療的に有効な量とは、相乗的に有効な量である。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストとGIPRアンタゴニストとのモル比は、約1:1~1:110、約1:1~1:100、約1:1~1:75、約1:1~1:50、約1:1~1:25、約1:1~1:10、約1:1~1:5、及び約1:1である。1つの実施形態では、GIPRアンタゴニストとGLP-1受容体アゴニストとのモル比は、約1:1~1:110、約1:1~1:100、約1:1~1:75、約1:1~1:50、約1:1~1:25、約1:1~1:10、及び約1:1~1:5である。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストとGIPRアンタゴニストとは、約1:1.5~1:150、好ましくは、1:2~1:50という治療的に有効なモル比で組み合わせて使用される。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニスト及びGIPRアンタゴニストは、病状及び/又は疾患をそれぞれの化合物単独で治療するために必要になる用量と比較して、少なくとも約1.1~1.4倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍少ない用量で存在する。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、GLP-1(7-37)又はGLP-1(7-37)類似体である。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、及びタスポグルチドからなる群から選択される。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、GLP-1(7-37)(配列番号1244)、GLP-1(7-36)-NH(配列番号1245)、リラグルチド、アルビグルチド、タスポグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、LY2428757、デスアミノ-His,Arg26,Lys34(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37)(配列番号1282として開示のコアペプチド)、デスアミノ-His,Arg26,Lys34(Nε-オクタノイル)-GLP-1(7-37)(配列番号1283)、Arg26,34,Lys38(Nε-(ω-カルボキシペンタデカノイル))-GLP-1(7-38)(配列番号1284)、Arg26,34,Lys36(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-36)(配列番号1285として開示のコアペプチド)、Aib8,35,Arg26,34,Phe31-GLP-1(7-36))(配列番号1246)、HXaaEGTFTSDVSSYLEXaa22Xaa23AAKEFIXaa30WLXaa33Xaa34G Xaa36Xaa37(Xaaは、A、V、又はGであり、Xaa22は、G、K、又はEであり、Xaa23は、Q又はKであり、Xaa30は、A又はEであり、Xaa33は、V又はKであり、Xaa34は、K、N、又はRであり、Xaa36は、R又はGであり、且つXaa37は、G、H、P、又は非存在である)(配列番号1247)、Arg34-GLP-1(7-37)(配列番号1248)、Glu30-GLP-1(7-37)(配列番号1249)、Lys22-GLP-1(7-37)(配列番号1250)、Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-37)(配列番号1251)、Val,Glu22,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号1252)、Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34-GLP-1(7-37)(配列番号1253)、Val,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号1254)、Gly8,36,Glu22,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1255)、Val,Glu22,Gly36Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1256)、Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1257)、Val,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1258)、Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-36)(配列番号1259)、Val,Glu22,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号1260)、Val,Glu22,Asn34,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号1261)、及びGly8,36,Glu22,Asn34-GLP-1(7-36)(配列番号1262)からなる群から選択される。
別の実施形態では、対象は、哺乳類である。別の実施形態では、対象は、ヒトである。別の実施形態では、GIPRは、ヒトGIPRである。別の実施形態では、投与は、非経口注射によるものである。別の実施形態では、投与は、皮下注射によるものである。
別の態様では、本開示は、ヒトGIPRポリペプチドに特異的に結合し、GIPリガンドによるGIPRの活性化を阻害する抗原結合タンパク質を提供する。1つの実施形態では、抗原結合タンパク質は、GIPRへのGIPリガンドの結合を阻害する。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、ヒトの抗原結合タンパク質である。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、ヒト抗体である。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、モノクローナル抗体である。
別の態様では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つによる抗原結合タンパク質を少なくとも1つ含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つによる抗原結合タンパク質をコードする核酸分子を提供する。
別の態様では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つによる抗原結合タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターを提供する。
別の態様では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つによる抗原結合タンパク質をコードする核酸分子を含む宿主細胞、又は前述の実施形態のいずれか1つによる抗原結合タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞を提供する。別の態様では、本開示は、ベクターが発現する、ヒトGIPRポリペプチドに特異的に結合する抗原結合タンパク質を提供する。
別の態様では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つによる抗原結合タンパク質の調製方法を提供し、方法は、抗原結合タンパク質を分泌する宿主細胞における抗原結合タンパク質の発現と、その後に実施される、細胞培地からの抗原結合タンパク質の精製と、を含む。別の態様では、本開示は、宿主細胞から精製された、ヒトGIPRポリペプチドに特異的に結合する抗原結合タンパク質を提供する。
別の態様では、本開示は、前述の実施形態のいずれか1つの抗原結合タンパク質、又は治療において使用するための、前述の実施形態のいずれか1つの医薬組成物を提供する。
本開示は、GIPの生物学的活性を遮断又は妨害することによる、グルコース代謝の障害(例えば、2型糖尿病、グルコースレベルの上昇、インスリンレベルの上昇、脂質異常症、メタボリックシンドローム(シンドロームX又はインスリン抵抗性症候群)、糖尿、代謝性アシドーシス、1型糖尿病、肥満、及び肥満によって悪化する病状)などの代謝障害の治療方法を提供する。1つの実施形態では、単離されたヒトGIPR結合タンパク質が、それを必要とする対象に治療的に有効な量で投与される。投与方法及び送達方法も提供される。
実施例を含む、本明細書で使用されるポリペプチド及び核酸の組換え方法は、一般に、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)、又はCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.,Green Publishers Inc.and Wiley and Sons 1994)に示されるものであり、これらの文献は両方共、あらゆる目的を対象として参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成のみを目的としており、記載対象の限定であると解釈されることにはならない。
本明細書では、別段の定義がない限り、本出願と関連して使用される科学用語及び専門用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含むものとする。
一般に、本明細書に記載の細胞及び組織の培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、並びにタンパク質及び核酸の化学、並びにハイブリダイゼーションと関連して使用される命名法、及びそれらの手法は、よく知られているものであり、当該技術分野において一般に使用されるものである。別段の記載がない限り、本出願の方法及び手法は、一般に、当該技術分野においてよく知られる通常の方法に従って実施され、こうした方法及び手法は、本明細書を通して引用及び議論されるさまざまな一般の参考文献及び特定性の高い参考文献に記載されるものである。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992)、及びHarlow and Lane Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1990)を参考のこと。これらの文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。酵素反応及び精製手法は、製造者の説明に従って実施されるか、当該技術分野において一般に達成されるように実施されるか、又は本明細書に記載のように実施される。本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、並びに医薬品化学及び製薬化学と関連して使用される専門用語、並びにそれらの実験室的な手順及び手法は、よく知られているものであり、当該技術分野において一般に使用されるものである。化学合成、化学分析、医薬的な調製物、製剤、及び送達、並びに患者の治療を目的として、標準的な手法を使用することができる。
本発明は、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコール、及び試薬等に限定されず、したがって、変わり得るものであると理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態の説明を目的としているにすぎず、開示の範囲の限定は意図されず、開示の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義される。
実施例又は別の形で記載される場合を除き、本明細書で使用される成分又は反応条件の量を示す数はすべて、すべての場合において「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。「約」という用語は、割合と関連して使用されるとき、±1%を意味し得る。
別段の記載がない限り、本明細書で使用される「a」及び「an」は、慣例に従い、「1つ又は複数」を意味する。
本明細書で使用される「アミノ酸」及び「残基」という用語は、互換的に使用され、ペプチド又はポリペプチドとの関連で使用されるとき、天然起源のアミノ酸と合成のアミノ酸との両方、並びに天然起源のアミノ酸と化学的に類似したアミノ酸類似体、アミノ酸模倣体、及び非天然起源のアミノ酸を指す。
「天然起源のアミノ酸」は、遺伝コードによってコードされるアミノ酸、並びに遺伝コードによってコードされ、合成された後に修飾されるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、及びO-ホスホセリン)である。アミノ酸類似体は、天然起源のアミノ酸と同一の基本化学構造、すなわち、水素に結合したα炭素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基を有する化合物であり、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチルメチオニンスルホニウムである。そのような類似体は、改変されたR基(例えば、ノルロイシン)又は改変されたペプチド骨格を有し得るが、天然起源のアミノ酸と同一の基本化学構造を保持することになる。
「アミノ酸模倣体」は、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、天然起源のアミノ酸と類似の様式で機能する化学化合物である。例には、アミドのメタクリロイル誘導体又はアクリロイル誘導体、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸(ピペリジン-4-カルボン酸など)、及び同様のものが含まれる。
「非天然起源のアミノ酸」は、天然起源のアミノ酸と同一の基本化学構造を有するが、翻訳複合体によって伸長ポリペプチド鎖に組み込まれない化合物である。「非天然起源のアミノ酸」には、限定はされないが、天然にコードされるアミノ酸(限定はされないが、20の共通アミノ酸を含む)が修飾(例えば、翻訳後修飾)されることによって生じるが、翻訳複合体によって伸長ポリペプチド鎖にそれ自体が天然に組み込まれることのないアミノ酸も含まれる。ポリペプチド配列に挿入するか、又はポリペプチド配列における野生型残基の代わりに使用することができる非天然起源のアミノ酸の例のリストには、限定はされないが、β-アミノ酸、ホモアミノ酸、環状アミノ酸、及び側鎖が誘導体化されたアミノ酸が含まれる。例には、シトルリン(Cit)、ホモシトルリン(hCit)、Nα-メチルシトルリン(NMeCit)、Nα-メチルホモシトルリン(Nα-MeHoCit)、オルニチン(Orn)、Nα-メチルオルニチン(Nα-MeOrn又はNMeOrn)、サルコシン(Sar)、ホモリジン(hLys又はhK)、ホモアルギニン(hArg又はhR)、ホモグルタミン(hQ)、Nα-メチルアルギニン(NMeR)、Nα-メチルロイシン(Nα-MeL又はNMeL)、N-メチルホモリジン(NMeHoK)、Nα-メチルグルタミン(NMeQ)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(Tic)、オクタヒドロインドール-2-カルボン酸(Oic)、3-(1-ナフチル)アラニン(1-Nal)、3-(2-ナフチル)アラニン(2-Nal)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(Tic)、2-インダニルグリシン(IgI)、パラ-ヨードフェニルアラニン(pI-Phe)、パラ-アミノフェニルアラニン(4AmP又は4-アミノ-Phe)、4-グアニジノフェニルアラニン(Guf)、グリシルリジン(「K(Nε-グリシル)」又は「K(グリシル)」又は「K(gly)」と略される)、ニトロフェニルアラニン(ニトロphe)、アミノフェニルアラニン(アミノphe又はアミノ-Phe)、ベンジルフェニルアラニン(ベンジルphe)、γ-カルボキシグルタミン酸(γ-カルボキシglu)、ヒドロキシプロリン(ヒドロキシpro)、p-カルボキシル-フェニルアラニン(Cpa)、α-アミノアジピン酸(Aad)、Nα-メチルバリン(NMeVal)、N-α-メチルロイシン(NMeLeu)、Nα-メチルノルロイシン(NMeNle)、シクロペンチルグリシン(Cpg)、シクロヘキシルグリシン(Chg)、アセチルアルギニン(アセチルarg)、α,β-ジアミノプロピオン酸(Dpr)、α,γ-ジアミノブタン酸(Dab)、ジアミノプロピオン酸(Dap)、シクロヘキシルアラニン(Cha)、4-メチル-フェニルアラニン(MePhe)、β,β-ジフェニル-アラニン(BiPhA)、アミノブタン酸(Abu)、4-フェニル-フェニルアラニン(又はビフェニルアラニン、4Bip)、α-アミノ-イソブタン酸(Aib)、ベータ-アラニン、ベータ-アミノプロピオン酸、ピペリジン酸、アミノカプロン酸、アミノヘプタン酸、アミノピメリン酸、デスモシン、ジアミノピメリン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルバリン、4-ヒドロキシプロリン(Hyp)、γ-カルボキシグルタメート、ε-N,N,N-トリメチルリジン、ε-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、ω-メチルアルギニン、4-アミノ-O-フタル酸(4APA)、及び他の類似アミノ酸、並びに具体的に記載のもののいずれかの誘導体化形態が含まれ、これらのものは、L-形態又はD-形態をとり、括弧内には略語が記載される。
「単離された核酸分子」という用語は、5’末端から3’末端へと読まれるデオキシリボヌクレオチド塩基若しくはリボヌクレオチド塩基の一本鎖若しくは二本鎖のポリマー(例えば、本明細書で提供されるGIPR核酸配列)又はその類似体であって、細胞源から全核酸が単離されるときにその核酸と共に天然に見出されるポリペプチド、ペプチド、脂質、糖質、ポリヌクレオチド、又は他の材料の少なくとも約50パーセントが取り除かれているものを指す。好ましくは、単離された核酸分子は、その核酸の天然環境において見出され、ポリペプチド生成におけるその使用、又はその治療的、診断的、予防的、若しくは研究的な使用を妨害すると想定される任意の他の混入核酸分子又は他の分子を実質的に含まない。
「単離されたポリペプチド」という用語は、ポリペプチドが細胞源から単離されるときにそのポリペプチドと共に天然に見出されるポリペプチド、ペプチド、脂質、糖質、ポリヌクレオチド、又は他の材料の少なくとも約50パーセントが取り除かれているポリペプチド(例えば、本明細書で提供されるGIPRポリペプチド配列、又は本発明の抗原結合タンパク質)を指す。好ましくは、単離されたポリペプチドは、その天然環境において見出され、その治療的、診断的、予防的、又は研究的な使用を妨害すると想定される任意の他の混入ポリペプチド又は他の混入物を実質的に含まない。
「コードする」という用語は、1つ又は複数のアミノ酸をコードするポリヌクレオチド配列を指す。用語は、開始コドン又は終始コドンを必要としない。
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列と関連する「同一」及び「同一性」パーセントという用語は、同一である2つ以上の配列又は部分配列を指す。「同一性パーセント」は、比較分子におけるアミノ酸又はヌクレオチドの間で残基が同一であるパーセントを意味し、比較される分子の中で最小のもののサイズに基づいて計算される。こうした計算では、特定の数学モデル又はコンピュータープログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって、アライメントにおけるギャップ(存在する場合)に対処することができる。アライメントされる核酸又はポリペプチドの同一性の計算に使用することができる方法には、Computational Molecular Biology,(Lesk,A.M.,ed.),(1988)New York:Oxford University Press、Biocomputing Informatics and Genome Projects,(Smith,D.W.,ed.),1993,New York:Academic Press、Computer Analysis of Sequence Data,Part I,(Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.),1994,New Jersey:Humana Press、von Heinje,G.,(1987)Sequence Analysis in Molecular Biology,New York:Academic Press、Sequence Analysis Primer,(Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.),1991,New York:M.Stockton Press、及びCarillo et al.,(1988)SIAM J.Applied Math.48:1073に記載のものが含まれる。
同一性パーセントの計算では、比較される配列は、配列間の一致を最大化する方法でアライメントされる。同一性パーセントの決定に使用されるコンピュータープログラムは、GCGプログラムパッケージであり、このプログラムパッケージは、GAP(Devereux et al.,(1984)Nucl.Acid Res.12:387;Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI)を含む。コンピューターアルゴリズムであるGAPは、配列同一性パーセントが決定されることになる2つのポリペプチド又はポリヌクレオチドのアライメントをとるために使用される。配列は、そのそれぞれのアミノ酸又はヌクレオチドの一致が最適となるようにアライメントされる(「一致スパン」は、アルゴリズムによって決定される)。ギャップオープニングペナルティ(3x平均対角要素として計算され、「平均対角要素」は、使用される比較マトリックスの対角要素の平均である。「対角要素」は、特定の比較マトリックスによってそれぞれの完全アミノ酸一致に割り当てられるスコア又は数である)及びギャップ延長ペナルティ(通常、ギャップオープニングペナルティの1/10倍である)、並びにPAM250又はBLOSUM62などの比較マトリックスがアルゴリズムと併せて使用される。ある特定の実施形態では、標準的な比較マトリックス(PAM250比較マトリックスについては、Dayhoff et al.,(1978)Atlas of Protein Sequence and Structure 5:345-352を参照のこと。BLOSUM62比較マトリックスについては、Henikoff et al.,(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:10915-10919を参照のこと)は、アルゴリズムによっても使用される。
GAPプログラムを使用し、ポリペプチド又はヌクレオチド配列の同一性パーセントを決定するための推奨パラメーターには、下記のものが含まれる:
アルゴリズム:Needleman et al.,1970,J.Mol.Biol.48:443-453
比較マトリックス:前出のHenikoff et al.,1992によるBLOSUM62
ギャップペナルティ:12(例外として、末端のギャップにはペナルティなし)
ギャップ長ペナルティ:4
類似性の許容限界値:0
2つのアミノ酸配列のアライメントをとるためのある特定のアライメントスキームを用いると、2つの配列において短い領域のみが一致する可能性がある。アライメントされたこの短い領域は、2つの全長配列の間に顕著な関連性が存在しないとしても非常に高い配列同一性を有する可能性がある。したがって、望まれるであれば、標的ポリペプチドにおいて少なくとも50の連続アミノ酸にまたがるアライメントが得られるように、選択されるアライメント方法(例えば、GAPプログラム)を調整することができる。
「GIPRポリペプチド」及び「GIPRタンパク質」という用語は、互換的に使用され、ヒト又はマウスなどの哺乳類において発現する天然起源の野生型ポリペプチドを意味し、天然起源の対立遺伝子(例えば、ヒトGIPRタンパク質の天然起源の対立遺伝子形態)を含む。本開示の目的では、「GIPRポリペプチド」という用語は、任意の全長GIPRポリペプチドを指すために互換的に使用することができ、こうした全長GIPRポリペプチドは、例えば、配列番号1201(466のアミノ酸残基からなり、配列番号1202のヌクレオチド配列によってコードされる)、又は配列番号1203(430のアミノ酸残基からなり、配列番号1204の核酸配列によってコードされる)、又は配列番号1205(493のアミノ酸残基からなり、配列番号1206の核酸配列によってコードされる)、又は配列番号1207(460のアミノ酸残基からなり、配列番号1208の核酸配列によってコードされる)、又は配列番号1209(230のアミノ酸残基からなり、配列番号1210の核酸配列によってコードされる)である。
「GIPRポリペプチド」という用語は、天然起源のGIPRポリペプチド配列(例えば、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205)が改変されたGIPRポリペプチドも包含する。そのような改変には、限定はされないが、非天然起源のアミノ酸、非天然起源のアミノ酸類似体、及びアミノ酸模倣体での置換を含む、1つ又は複数のアミノ酸置換が含まれる。
さまざまな実施形態において、GIPRポリペプチドは、天然起源のGIPRポリペプチド(例えば、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205)との同一性が少なくとも約85パーセントであるアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、GIPRポリペプチドは、天然起源のGIPRポリペプチドアミノ酸配列(例えば、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205)との同一性が少なくとも約90パーセント、又は約95パーセント、約96パーセント、約97パーセント、約98パーセント、若しくは約99パーセントであるアミノ酸配列を含む。そのようなGIPRポリペプチドは、必ずしも必要ではないが、GIPに結合する能力などの、野生型GIPRポリペプチドの活性を少なくとも1つ有することが好ましい。本発明は、そのようなGIPRポリペプチド配列をコードする核酸分子も包含する。
「GIPR活性アッセイ」(「GIPR機能アッセイ」とも称される)という用語は、細胞状況におけるGIP又はGIP結合タンパク質の活性の測定に使用することができるアッセイを意味する。1つの実施形態では、「活性」(又は「機能」)アッセイ」は、GIPR発現細胞(GIPがcAMPシグナルを誘導することができる)におけるcAMPアッセイであり得、GIP/GIPR結合タンパク質の活性は、GIPリガンドの存在下/非存在下で測定することが可能であり、この場合、阻害/活性化のIC50/EC50及び度合いを得ることができる(Biochemical and Biophysical Research Communications(2002)290:1420-1426)。別の実施形態では、「活性」(又は「機能」)アッセイは、膵臓ベータ細胞(GIPがグルコース依存性のインスリン分泌を誘導することができる)におけるインスリン分泌アッセイであり得、GIP/GIPR結合タンパク質の活性は、GIPリガンドの存在下/非存在下で測定することが可能であり、この場合、阻害/活性化のIC50/EC50及び度合いを得ることができる(Biochemical and Biophysical Research Communications(2002)290:1420-1426)。
「GIPR結合アッセイ」という用語は、GIPRへのGIPの結合の測定に使用することができるアッセイを意味する。1つの実施形態では、「GIPR結合アッセイ」は、GIPR発現細胞への蛍光標識GIPの結合を測定するFMAT又はFACSを使用するアッセイであり得、GIP/GIPR結合タンパク質の活性は、GIPR発現細胞への蛍光標識GIPの結合の置き換えを対象として測定することができる。別の実施形態では、「GIPR結合アッセイ」は、GIPR発現細胞への放射性標識GIPの結合を測定するアッセイであり得、GIP/GIPR結合タンパク質の活性は、GIPR発現細胞への放射性標識GIPの結合の置き換えを対象として測定することができる(Biochimica et Biophysica Acta(2001)1547:143-155)。
「GIP」、「胃抑制ポリペプチド」、「グルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチド」、及び「GIPリガンド」という用語は、互換的に使用され、ヒト又はマウスなどの哺乳類において発現する天然起源の野生型ポリペプチドを意味し、天然起源の対立遺伝子(例えば、ヒトGIPタンパク質の天然起源の対立遺伝子形態)を含む。本開示の目的では、「GIP」という用語は、任意の成熟GIPポリペプチドを指すために互換的に使用することができる。
成熟ヒトGIPの42のアミノ酸の配列は、
YAEGTFISDY SIAMDKIHQQ DFVNWLLAQK GKKNDWKHNI TQ(配列番号1211)
であり、
Figure 0007237853000001
というDNA配列によってコードされる。
成熟マウスGIPの42のアミノ酸の配列は、
YAEGTFISDY SIAMDKIRQQ DFVNWLLAQR GKKSDWKHNI TQ(配列番号1213)
であり、
Figure 0007237853000002
というDNA配列によってコードされる。
成熟ラットGIPの42のアミノ酸の配列は、
YAEGTFISDY SIAMDKIRQQ DFVNWLLAQK GKKNDWKHNL TQ(配列番号1215)
であり、
Figure 0007237853000003
というDNA配列によってコードされる。
本明細書で使用される「抗原結合タンパク質」は、GIPRポリペプチド(例えば、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205で提供されるものなどのヒトGIPRポリペプチド)などの特定の標的抗原に特異的に結合する任意のタンパク質を意味する。用語は、少なくとも2つの全長重鎖及び2つの全長軽鎖を含むインタクトな抗体、並びにその誘導体、変異体、断片、及び変異物を包含する。抗体断片の例には、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、及びFv断片が含まれる。抗原結合タンパク質には、以下にさらに記載されるnanobodies及びscFvなどのドメイン抗体も含まれる。
一般に、GIPR抗原結合タンパク質は、その抗原結合タンパク質が非GIPR分子に対して本質的にバックグラウンドの結合を示すとき、その標的抗原であるGIPRに「特異的に結合する」と言われる。しかしながら、GIPRに特異的に結合する抗原結合タンパク質は、異なる種に由来するGIPRポリペプチドと交差反応し得る。典型的には、GIPR抗原結合タンパク質は、表面プラズマ共鳴(surface plasma resonance)手法(例えば、BIACore,GE-Healthcare Uppsala,Sweden)又は結合平衡除外法(KinExA,Sapidyne,Boise,Idaho)を介して測定される解離定数(KD)が≦10-7Mであるとき、ヒトGIPRに特異的に結合する。GIPR抗原結合タンパク質は、記載の方法を使用して測定されるKDが≦5x10-9Mであるとき、「高い親和性」でヒトGIPRに特異的に結合し、記載の方法を使用して測定されるKDが≦5x10-10Mであるとき、「非常に高い親和性」でヒトGIPRに特異的に結合する。
「抗原結合領域」は、特定の抗原に特異的に結合するタンパク質又はタンパク質の一部を意味する。例えば、抗原と相互作用し、抗原に対するその特異性及び親和性を抗原結合タンパク質に与えるアミノ酸残基を含む抗原結合タンパク質のその部分は、「抗原結合領域」と称される。抗原結合領域は、典型的には、免疫グロブリン、一本鎖免疫グロブリン、又はラクダ科の動物の抗体の「相補的結合領域」(「CDR」)を1つ又は複数含む。ある特定の抗原結合領域は、1つ又は複数の「フレームワーク」領域も含む。「CDR」は、抗原結合の特異性及び親和性に寄与するアミノ酸配列である。「フレームワーク」領域は、CDRの適切な立体構造の維持に役立つことで、抗原結合領域と抗原との間の結合を促進することができる。
組換えGIPR抗原結合タンパク質を含む、「組換えタンパク質」は、組換え手法の使用、すなわち、本明細書に記載の組換え核酸の発現を介して調製されるタンパク質である。組換えタンパク質の生成方法及び生成手法は、当該技術分野においてよく知られている。
「抗体」という用語は、任意のアイソタイプのインタクトな免疫グロブリン、又は標的抗原への特異的結合についてインタクトな抗体と競合することができるその断片を指し、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、及び二重特異性抗体を含む。したがって、「抗体」は、抗原結合タンパク質の一種である。インタクトな抗体は、一般に、少なくとも2つの全長重鎖及び2つの全長軽鎖を含むことになる。抗体は、単一の供給源のみに由来し得るか、又は「キメラ」であり得、キメラは、すなわち、以下にさらに記載されるように、その抗体の異なる部分が、2つの異なる抗体に由来し得るものである。抗原結合タンパク質、抗体、又は結合断片は、ハイブリドーマにおいて、組換えDNA手法によって、又はインタクトな抗体の酵素的若しくは化学的な切断によって生成してよい。
抗体又はその断片に関して使用される「軽鎖」という用語は、全長軽鎖、及び結合特異性を与えるために十分な可変領域配列を有するその断片を含む。全長軽鎖は、可変領域ドメイン(VL)及び定常領域ドメイン(CL)を含む。軽鎖の可変領域ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端に位置する。軽鎖には、カッパー鎖及びラムダ鎖が含まれる。
抗体又はその断片に関して使用される「重鎖」という用語は、全長重鎖、及び結合特異性を与えるために十分な可変領域配列を有するその断片を含む。全長重鎖は、可変領域ドメイン(VH)並びに3つの定常領域ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)を含む。VHドメインは、ポリペプチドのアミノ末端に位置し、CHドメインは、カルボキシル末端に位置し、CH3は、ポリペプチドのカルボキシ末端に最も近い位置に存在する。重鎖は、IgG(IgG1サブタイプ、IgG2サブタイプ、IgG3サブタイプ、及びIgG4サブタイプを含む)、IgA(IgA1サブタイプ及びIgA2サブタイプを含む)、IgM、並びにIgEを含む、任意のアイソタイプのものであり得る。
本明細書で使用される、抗体又は免疫グロブリンの鎖(重鎖又は軽鎖)の「免疫学的に機能性の断片」(又は単に「断片」)という用語は、全長鎖に存在するアミノ酸の少なくともいくつかを欠いているが、抗原に特異的に結合する能力を有する抗体の一部(その部分がどのように得られるか、又は合成されるかは問われない)を含む抗原結合タンパク質である。そのような断片は、それが標的抗原に特異的に結合するという点で生物学的に活性であり、所与のエピトープへの特異的に結合について、インタクトな抗体を含む、他の抗原結合タンパク質と競合することができる。
こうした生物学的に活性な断片は、組換えDNA手法によって生成してよく、又はインタクトな抗体を含む、抗原結合タンパク質の酵素的若しくは化学的な切断によって生成してよい。免疫学的に機能性の免疫グロブリン断片には、限定はされないが、Fab断片、Fab’断片、及びF(ab’)断片が含まれる。
別の実施形態では、Fv、ドメイン抗体、及びscFvであり、これらは、本発明の抗体に由来し得る。
例えば、1つ又は複数のCDRなどの、本明細書に開示の抗原結合タンパク質の機能性部分は、第2のタンパク質又は小分子に共有結合で結合させることで、体における特定の標的を対象とする治療剤を創出し、二機能性の治療特性を持たせるか、又は血清半減期を延長できることがさらに企図される。
「Fab断片」は、1つの軽鎖と、1つの重鎖のCH1及び可変領域と、から構成される。Fab分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。
「Fc」領域は、抗体のCH2ドメイン及びCH3ドメインを含む2つの重鎖断片を含む。2つの重鎖断片は、2つ以上のジスルフィド結合、及びCH3ドメインの疎水性相互作用によって共にまとめられる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体のFc領域に1つ又は複数のアミノ酸改変を導入し得、それによりFc領域変異体が生成される。このFc領域変異体は、1箇所又は複数箇所のアミノ酸位置でアミノ酸改変(例えば置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1 Fc領域、ヒトIgG2 Fc領域、ヒトIgG3 Fc領域、又はヒトIgG4 Fc領域)を含み得る。
ある特定の実施形態では、本発明は、全てではないがいくつかのエフェクター機能を有する抗体変異体を企図しており、これにより、この抗体変異体は、インビボでの抗体の半減期が重要であるが、ある特定のエフェクター機能(例えば補体及びADCC)が不要であるか又は有害である用途の望ましい候補となる。インビトロ及び/又はインビボでの細胞傷害アッセイを行なって、CDC活性及び/又はADCC活性の減少/枯渇を確認し得る。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを行なって、本抗体がFc.ガンマ.R結合を欠いている(従って、ADCC活性を欠いている可能性が高い)がFcRn結合能力を保持することを確認し得る。ADCCの媒介の主要な細胞であるNK細胞はFc(RIIIのみを発現するが、単球はFc(RI、Fc(RII及びFc(RIIIを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464頁の表3にまとめられている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号明細書(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照されたい)、及びHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985);5,821,337(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照されたい)で説明されている。或いは、非放射性アッセイ法を用いてもよい(例えば、フローサイトメトリー用のACTI.TM.非放射性細胞傷害アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,Calif.;及びCytoTox 96.RTM.非放射性細胞傷害アッセイ(Promega,Madison,Wis.)を参照されたい。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞として、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。或いは、又は加えて、目的の分子のADCC活性をインビボで評価し得、例えば、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)で開示されているもの等の動物モデルで評価し得る。同様に、C1q結合アッセイを実行して、本抗体がC1pに結合し得えず、従ってCDC活性を欠いていることを確認し得る。例えば、国際公開第2006/029879号パンフレット及び同第2005/100402号パンフレットにおけるC1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施し得る(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照されたい)。当分野で既知の方法を使用して、FcRn結合及びインビボでのクリアランス/半減期の決定も実施し得る(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体のFc部分に1つ又は複数のアミノ酸改変を導入して、新生児Fc受容体へのIgG結合を増加させ得る。ある特定の実施形態では、この抗体は、EUナンバリングに従って下記の3つの変異を含む:M252Y、S254T、及びT256E(「YTE変異」)(米国特許第8,697,650号明細書;Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514-23524(2006)も参照されたい。ある特定の実施形態では、このYTE変異は、この抗体の、同族抗原に結合する能力に影響を及ぼさない。ある特定の実施形態では、このYTE変異は、天然(即ち非YTE変異体)抗体と比較して、この抗体の血清中半減期を増加させる。いくつかの実施形態では、このYTE変異は、天然(即ち非YTE変異体)抗体と比較して、この抗体の血清中半減期を3倍増加させる。いくつかの実施形態では、このYTE変異は、天然(即ち非YTE変異体)抗体と比較して、この抗体の血清中半減期を2倍増加させる。いくつかの実施形態では、このYTE変異は、天然(即ち非YTE変異体)抗体と比較して、この抗体の血清中半減期を4倍増加させる。いくつかの実施形態では、このYTE変異は、天然(即ち非YTE変異体)抗体と比較して、この抗体の血清中半減期を少なくとも5倍増加させる。いくつかの実施形態では、このYTE変異は、天然(即ち非YTE変異体)抗体と比較して、この抗体の血清中半減期を少なくとも10倍増加させる。例えば、米国特許第8,697,650号明細書を参照されたい;Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514-23524(2006)も参照されたい。
ある特定の実施形態では、YTE変異体は、本抗体の抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)活性を調節する手段を提供する。ある特定の実施形態では、YTEO変異体は、ヒト抗原に対するヒト化IgG抗体のADCC活性を調節する手段を提供する。例えば、米国特許第8,697,650号明細書を参照されたい;Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514-23524(2006)も参照されたい。ある特定の実施形態では、YTE変異体は、血清中半減期、組織分布、及び抗体活性(例えば、IgG抗体のADCC活性)の同時調節が可能である。例えば、米国特許第8,697,650号明細書を参照されたい;Dall’Acqua et al.,Journal of Biological Chemistry 281(33):23514-23524(2006)も参照されたい。
エフェクター機能が低下している抗体として、EUナンバリングに従うFc領域残基238、265、269、270、297、327、及び329の内の1つ又は複数が置換されているものが挙げられる(米国特許第6,737,056号明細書)。そのようなFc変異体として、EUナンバリングに従うアミノ酸位置265、269、270、297、及び327の内の2箇所以上で置換を有するFc変異体(例えば、EUナンバリングに従う残基265及び297のアラニンへの置換(即ち、EUナンバリングに従うD265A及びN297A)を有する、いわゆる「DANA」Fc変異体)が挙げられる(米国特許第7,332,581号明細書)。ある特定の実施形態では、このFc変異体は、下記の2つのアミノ酸置換:D265A及びN297Aを含む。ある特定の実施形態では、このFc変異体は、下記の2つのアミノ酸置換:D265A及びN297Aからなる。
ある特定の実施形態では、野生型ヒトFc領域の329位(EUナンバリング)でのプロリン(P329)は、グリシン、又はアルギニン、又はFcのP329とFcgRIIIのトリプトファン残基W87及びW110との間に形成されるFc/Fcガンマ受容体界面内のプロリンサンドインチを破壊するのに十分な大きさのアミノ酸残基に置換されている(Sondermann et al.:Nature 406,267-273(20 Jul.2000))。さらなる実施形態では、Fc変異体の少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換は、S228P、E233P、L234A、L235A、L235E、N297A、N297D、又はP331Sであり、さらに別の実施形態では、前記少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換は、ヒトIgG1 Fc領域のL234A及びL235A、又はヒトIgG4 Fc領域のS228P及びL235Eであり、全てはEUナンバリングに従う(全てが参照により組み込まれる米国特許第8,969,526号明細書)。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは野生型ヒトIgG Fc領域のFc変異体を含み、このポリペプチドは、グリシンに置換されている、ヒトIgG Fc領域のP329を有し、このFc変異体は、ヒトIgG1 Fc領域のL234A及びL235A又はヒトIgG4 Fc領域のS228P及びL235Eで少なくとも2つのさらなるアミノ酸置換を含み、これらの残基はEUナンバリングに従ってナンバリングされている(全体が参照により組み込まれる米国特許第8,969,526号明細書)。ある特定の実施形態では、P329G置換、L234A置換、及びL235A置換(EUナンバリング)を含むポリペプチドは、野生型ヒトIgG Fc領域を含むポリペプチドにより誘導されるADCCの少なくとも20%へのADCCの下方調節のために、及び/又はADCPの下方調節のために、ヒトFc.ガンマ.RIIIA及びヒトFc.ガンマ.RIIAに対する親和性の低下を示す(全体が参照により組み込まれる米国特許第8,969,526号明細書)。
具体的な実施形態では、野生型ヒトFcポリペプチドのFc変異体を含むポリペプチドは、下記の三重変異:EUナンバリングに従う、Pro329位でのアミノ酸置換、L234A変異、及びL235A変異を含む(P329/LALA)(全体が参照により組み込まれる米国特許第8,969,526号明細書)。具体的な実施形態では、このポリペプチドは、下記のアミノ酸置換:EUナンバリングに従うP329G、L234A、及びL235Aを含む。
FcRへの結合が改善されている又は減少している特定の抗体変異体が説明されている(例えば、米国特許第6,737,056号明細書;国際公開第2004/056312号パンフレット、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照されたい)。
ある特定の実施形態では、抗体変異体は、ADCCを改善する1つ又は複数のアミノ酸置換(例えば、Fc領域の298位、333位、及び/又は334位(EUナンバリング)での置換)を有するFc領域を含む。
いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号明細書、国際公開第99/51642号パンフレット、及びIdusogie et al.J Immunol.164:4178-4184(2000)で説明されているように、Fc領域で変更が行なわれ、その結果、C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)が変更される(即ち、改善されるか又は減少する)。
半減期が延長されており且つ新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善されている(母体IgGの胎児への移動の原因である)抗体(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))が、米国特許出願公開第2005/0014934A1号明細書(Hinton他)で説明されている。
この抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する1つ又は複数の置換を有するFc領域を含む。そのようなFc変異体として、Fc領域の残基:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、又は434の内の1つ又は複数で置換(例えば、EUナンバリングに従うFc領域残基434の置換(米国特許第7,371,826号明細書))を有するものが挙げられる。Fc領域変異体の他の例に関するDuncan & Winter,Nature 322:738-40(1988);米国特許第5,648,260号明細書;米国特許第5,624,821号明細書;及び国際公開第94/29351号パンフレットも参照されたい。
「Fab’断片」は、1つの軽鎖と、VHドメイン及びCH1ドメインに加えてCH1ドメインとCH2ドメインとの間の領域も含む1つの重鎖の一部と、を含み、その結果、2つのFab’断片の2つの重鎖の間に鎖間ジスルフィド結合を形成することでF(ab’)2分子を形成することができる。
「F(ab’)2断片」は、2つの軽鎖と、CH1ドメインとCH2ドメインとの間の定常領域の一部を含む2つの重鎖と、を含み、その結果、鎖間ジスルフィド結合が2つの重鎖の間に形成される。したがって、F(ab’)2断片は、2つの重鎖の間のジスルフィド結合によって共にまとめられた2つのFab’断片から構成される。
「Fv領域」は、重鎖と軽鎖との両方に由来する可変領域を含むが、定常領域を欠いている。
「一本鎖抗体」又は「scFv」は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とが可動性リンカーによって連結されることで単一のポリペプチド鎖を形成しているFv分子であり、この単一のポリペプチド鎖によって抗原結合領域が形成される。scFvは、国際特許出願公開第WO88/01649号、並びに米国特許第4,946,778号及び第5,260,203号において詳細に議論されており、これらの文献の開示内容は、参照によって組み込まれる。
「ドメイン抗体」又は「一本鎖免疫グロブリン」は、重鎖の可変領域のみ又は軽鎖の可変領域のみを含む免疫学的に機能性の免疫グロブリン断片である。ドメイン抗体の例には、Nanobodies(登録商標)が含まれる。いくつかの場合では、2つ以上のVH領域が、ペプチドリンカーを介して共有結合で連結されることで二価のドメイン抗体が創出される。二価のドメイン抗体の2つのVH領域は、同一又は異なる抗原を標的とし得る。
「二価の抗原結合タンパク質」又は「二価の抗体」は、2つの抗原結合領域を含む。いくつかの場合では、2つの結合領域は、同一の抗原特異性を有する。二価の抗原結合タンパク質及び二価の抗体は、二重特異性であり得、これについては以下を参照のこと。
「多特異性抗原結合タンパク質」又は「多特異性抗体」は、複数の抗原又はエピトープを標的とするものである。
「bispecific(二重特異性)」、「dual-specific(二重特異性)」、又は「bifunctional(二機能性)」の抗原結合タンパク質又は抗体は、それぞれハイブリッドの抗原結合タンパク質又は抗体であり、2つの異なる抗原結合部位を有する。二重特異性の抗原結合タンパク質及び抗体は、多特異性抗原結合タンパク質又は多特異性抗体の一種であり、限定はされないが、ハイブリドーマの融合又はFab’断片の連結を含む、さまざまな方法によって生成してよい。例えば、Songsivilai and Lachmann,1990,Clin.Exp.Immunol.79:315-321、Kostelny et al.,1992,J.Immunol.148:1547-1553を参照のこと。二重特異性の抗原結合タンパク質又は抗体の2つの結合部位は、2つの異なるエピトープに結合することになり、こうした2つの異なるエピトープは、同一又は異なるタンパク質標的に存在し得る。
抗原結合タンパク質(例えば、抗体)との関連において使用されるとき、「競合する」という用語は、抗原結合タンパク質間の競合が、共通の抗原(例えば、GIPR又はその断片)への参照抗原結合タンパク質の特異的結合を抗原結合タンパク質(例えば、抗体又はその免疫学的に機能性の断片)が試験下で阻止又は阻害するアッセイによって決定されることを意味する。さまざまな型の競合的結合アッセイを使用することができ、例えば、固相の直接的又は間接的な放射免疫測定法(RIA)、固相の直接的又は間接的な酵素免疫測定法(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ(例えば、Stahli et al.,1983,Methods in Enzymology 9:242-253を参照のこと)、固相直接ビオチン-アビジンEIA(例えば、Kirkland et al.,1986,J.Immunol.137:3614-3619を参照のこと)、固相直接標識アッセイ、固相直接標識サンドイッチアッセイ(例えば、Harlow and Lane,1988,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Pressを参照のこと)、I-125標識を使用する固相直接標識RIA(例えば、Morel et al.,1988,Molec.Immunol.25:7-15を参照のこと)、固相直接ビオチン-アビジンEIA(例えば、Cheung,et al.,1990,Virology 176:546-552を参照のこと)、及び直接標識RIA(Moldenhauer et al.,1990,Scand.J.Immunol.32:77-82)を使用することができる。典型的には、そのようなアッセイでは、固体表面に結合した精製抗原又はこうした抗原のいずれかを有する細胞、非標識試験抗原結合タンパク質、及び標識参照抗原結合タンパク質が使用される。競合的阻害は、試験抗原結合タンパク質の存在下で固体表面又は細胞に結合した標識の量を決定することによって測定される。通常、試験抗原結合タンパク質は過剰に存在する。競合的結合を決定するための方法に関する追加詳細は、本明細書の実施例において提供される。通常、競合する抗原結合タンパク質が過剰に存在すると、競合する抗原結合タンパク質は、共通の抗原への参照抗原結合タンパク質の特異的結合を、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、又は少なくとも75%阻害することになる。いくつかの場合では、結合は、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%以上阻害される。
「抗原」という用語は、抗原結合タンパク質(例えば、抗体を含む)などの選択的結合剤による結合を受ける能力を有し、さらに、その抗原に結合する能力を有する抗体を生成するために動物において使用することが可能な分子又は分子の一部を指す。抗原は、異なる抗原結合タンパク質(例えば、抗体)と相互作用する能力を有する1つ又は複数のエピトープを有し得る。
「エピトープ」という用語は、抗原結合タンパク質(例えば、抗体)による結合を受ける分子の一部である。用語は、抗体などの抗原結合タンパク質に特異的に結合する能力を有する任意の決定基を含む。エピトープは、連続的又は非連続的(不連続的)(例えば、ポリペプチドでは、そのポリペプチド配列においては互いに連続的ではないが、その分子の中で結び付きを有するアミノ酸残基は、抗原結合タンパク質による結合を受ける)であり得る。立体構造エピトープは、活性タンパク質の立体構造には存在するが、変性タンパク質には存在しないエピトープである。ある特定の実施形態では、エピトープは、抗原結合タンパク質を生成するために使用されるエピトープと類似した三次元構造をそれが含むが、抗原結合タンパク質を生成するために使用されるそのエピトープにおいて見られるアミノ酸残基をそれが含まないか、又はそのいくつかのみを含むという点で模倣的であり得る。エピトープは、タンパク質に存在することが最も多いが、場合によっては、核酸などの他の種類の分子に存在し得る。エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、リン酸基又はスルホニル基などの、化学的に活性な表面分類の分子を含み得、特定の三次元構造特性及び/又は特定の電荷特性を有し得る。一般に、特定の標的抗原に特異的な抗原結合タンパク質は、タンパク質及び/又は巨大分子の複合混合物において標的抗原に存在するエピトープを優先的に認識することになる。
本明細書で使用される「実質的に純粋」は、記載の種の分子が主要存在種であり、すなわち、同一の混合物において他のどの個々の種よりもそれがモルベースで豊富に存在することを意味する。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な分子は、目的種が、存在するすべての巨大分子種の少なくとも50%(モルベース)を構成する組成物である。他の実施形態では、実質的に純粋な組成物は、組成物に存在するすべての巨大分子種の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%を構成することになる。他の実施形態では、目的種は、本質的な均一性を有するまで精製され、通常の検出方法によって組成物中に混入種を検出することはできず、したがって組成物は、単一の検出可能な巨大分子種からなる。
「治療」という用語は、損傷、病態、又は病状の治療又は寛解における成功の任意の兆候を指し、こうした兆候には、症状の軽減、緩和、縮小、又は損傷、病態、若しくは病状の患者耐容性の向上、悪化速度又は衰退速度の鈍化、悪化終点の衰弱軽減、患者の身体的又は精神的な健全性の改善などの、任意の客観的又は主観的なパラメーターが含まれる。症状の治療又は寛解は、身体検査、神経精神医学的検査、及び/又は精神医学的評価の結果を含む、客観的又は主観的なパラメーターに基づき得る。例えば、本明細書で提示されるある特定の方法は、循環器疾患の発生率の低減、循環器疾患の緩和誘起、及び/又は循環器疾患と関連する症状の寛解によって、粥状動脈硬化などの循環器疾患を成功裏に治療する。
「有効量」は、一般に、症状の重症度及び/又は頻度の低減、症状及び/又は根底に存在する原因の除去、症状の発症及び/又はその根底に存在する原因の予防、及び/又は疾患病状(例えば、糖尿病、肥満、脂質異常症、グルコースレベルの上昇、インスリンレベルの上昇、若しくは糖尿病性腎症)に起因するダメージ若しくはそれと関連するダメージの改善若しくは治療に十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、治療的に有効な量又は予防的に有効な量である。「治療的に有効な量」は、疾患病状(例えば、粥状動脈硬化)又は症状、具体的には、疾患病状と関連する状態又は症状の治療に十分な量、或いは方法は何であれ、疾患病状又は疾患と関連する任意の他の望ましくない症状の進行の予防、防止、遅延、又は好転に十分な量である。「予防的に有効な量」は、対象に投与されると、意図される予防効果を有することになる医薬組成物の量であり、こうした予防効果は、例えば、疾患病状の発症(若しくは再発)の予防若しくは遅延、又は疾患病状若しくは関連症状の発症(若しくは再発)の可能性の低減である。必ずしも1回用量の投与によって完全な治療効果又は予防効果が生じる必要はなく、完全な治療効果又は予防効果は、一連の用量の投与の後にのみ生じ得る。したがって、治療的に有効な量又は予防的に有効な量は、1回又は複数回の投与で投与してよい。
本明細書で使用される「治療的に有効な用量」及び「治療的に有効な量」という用語は、研究者、医師、又は他の臨床医によって探究されている組織系、動物、又はヒトにおいて、治療中の疾患又は障害の症状の軽減又は寛解を含む、生物学的又は薬用的な応答を誘発するGIPR結合タンパク質の量、すなわち、観測可能なレベルの1つ又は複数の所望の生物学的又は薬用的な応答を支持するGIPR結合タンパク質の量を意味し、こうした応答は、例えば、血中のグルコース、インスリン、トリグリセリド、若しくはコレステロールのレベルの低下、体重の減少、又は耐糖能、エネルギー消費、若しくはインスリン感受性の改善である。
「ポリヌクレオチド」又は「核酸」という用語は、一本鎖のヌクレオチドポリマーと二本鎖のヌクレオチドポリマーとの両方を含む。ポリヌクレオチドを構成するヌクレオチドは、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド、又はいずれかの型のヌクレオチドの改変形態であり得る。改変には、ブロモウリジン及びイノシン誘導体などの塩基改変、2’,3’-ジデオキシリボースなどのリボース改変、並びにホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート(phosphoroanilothioate)、ホスホロアニラデート(phoshoraniladate)、及びホスホロアミデート(phosphoroamidate)などのヌクレオチド間結合の改変が含まれる。
「オリゴヌクレオチド」という用語は、200以下のヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを意味する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~60の塩基長である。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20~40のヌクレオチド長である。オリゴヌクレオチドは、例えば、変異遺伝子の構築において使用するための一本鎖又は二本鎖であり得る。オリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチドは、検出アッセイのための放射標識、蛍光標識、ハプテン、又は抗原性標識を含む、標識を含み得る。オリゴヌクレオチドは、例えば、PCRプライマー、クローニングプライマー、又はハイブリダイゼーションプローブとして使用してよい。
「単離された核酸分子」は、ゲノム、mRNA、cDNA、若しくは合成を起源とするか、又はそれらの何らかの組み合わせであるDNA又はRNAであって、単離されたポリヌクレオチドが天然に見出されるポリヌクレオチドのすべて若しくは一部を伴わないか、又はそれが天然では連結されないポリヌクレオチドに連結されているDNA又はRNAを意味する。本開示の目的では、特定のヌクレオチド配列を「含む核酸分子」は、インタクトな染色体を包含しないと理解されるべきである。特定の核酸配列を「含む」単離された核酸分子は、その特定の配列に加えて、最大で10若しくは最大で20にさえ及ぶ数の他のタンパク質若しくはその一部をコードする配列を含み得、又は記載の核酸配列のコード領域の発現を制御する調節配列を機能可能なように連結して含み得、及び/又はベクター配列を含み得る。
別段の記載がない限り、本明細書で議論される任意の一本鎖ポリヌクレオチド配列の左側末端は、5’末端であり、二本鎖ポリヌクレオチド配列の左側方向は、5’方向と称される。新生RNA転写物が5’から3’へと付加される方向は、転写方向と称される。RNA転写物と同一の配列を有するDNA鎖に存在し、RNA転写物の5’末端に対して5’側に位置する配列領域は、「上流配列」と称される。RNA転写物と同一の配列を有するDNA鎖に存在し、RNA転写物の3’末端に対して3’側に位置する配列領域は、「下流配列」と称される。
「制御配列」という用語は、それが連結されるコード配列の発現及びプロセシングに影響を与えることができるポリヌクレオチド配列を指す。そのような制御配列の性質は、宿主生物に依存し得る。特定の実施形態では、原核生物向けの制御配列は、プロモーター、リボソーム結合部位、及び転写終結配列を含み得る。例えば、真核生物向けの制御配列は、転写因子のための認識部位を1つ又は複数含むプロモーター、転写エンハンサー配列、及び転写終結配列を含み得る。「制御配列」は、リーダー配列及び/又は融合パートナー配列を含み得る。
「ベクター」という用語は、宿主細胞へのタンパク質コード情報の導入に使用される任意の分子又は実体(例えば、核酸、プラスミド、バクテリオファージ、又はウイルス)を意味する。
「発現ベクター」又は「発現構築物」という用語は、宿主細胞の形質転換に適しており、そこに機能可能なように連結される1つ又は複数の異種性コード領域の発現を(宿主細胞と協同して)誘導及び/又は制御する核酸配列を含むベクターを指す。発現構築物は、限定はされないが、転写、翻訳に影響するか、又はそれを制御し、イントロンが存在するのであれば、そこに機能可能なように連結されるコード領域のRNAスプライシングに影響する配列を含み得る。
本明細書で使用される「機能可能なように連結される」は、この用語が適用される構成要素が、適切な条件下でそれがその固有機能を実施することが可能になる関係にあることを意味する。例えば、ベクターにおいてタンパク質コード配列に「機能可能なように連結される」制御配列は、制御配列の転写活性と適合する条件下でタンパク質コード配列の発現が達成されるようにそこに連結される。
「宿主細胞」という用語は、核酸配列で形質転換されており、それによって目的とする遺伝子を発現する細胞を意味する。用語は、親細胞の子孫を含み、目的とする遺伝子が存在する限り、子孫の形態学又は遺伝子構成が起源の親細胞と同一であるか否かは問われない。
「ポリペプチド」又は「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書で互換的に使用される。用語は、1つ又は複数のアミノ酸残基が、対応する天然起源のアミノ酸の類似体又は模倣体であるアミノ酸ポリマー、並びに天然起源のアミノ酸ポリマーにも適用される。用語は、例えば、糖タンパク質を形成するための糖質残基の付加、又はリン酸化によって修飾されたアミノ酸ポリマーも包含し得る。ポリペプチド及びタンパク質は、天然起源及び非天然起源の細胞によって産生し得るか、又は遺伝子操作若しくは組換えられた細胞によって産生し、天然のタンパク質のアミノ酸配列を有する分子を含むか、或いは天然の配列の1つ又は複数のアミノ酸の欠失、それへの付加、及び/又はその置換を有する分子を含む。「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、具体的には、GIPR抗原結合タンパク質、抗体、或いは抗原結合タンパク質の1つ又は複数のアミノ酸の欠失、それへの付加、及び/又はその置換を有する配列を包含する。「ポリペプチド断片」という用語は、全長タンパク質と比較して、アミノ末端の欠失、カルボキシル末端の欠失、及び/又は内部の欠失を有するポリペプチドを指す。そのような断片は、全長タンパク質と比較して改変されたアミノ酸も含み得る。ある特定の実施形態では、断片は、約5~500のアミノ酸長である。例えば、断片は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも14、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも70、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、又は少なくとも450のアミノ酸長であり得る。有用なポリペプチド断片には、結合ドメインを含む、抗体の免疫学的に機能性の断片が含まれる。
「単離されたタンパク質」という用語は、対象タンパク質が、(1)それと共に通常見られると想定される他のタンパク質を少なくともいくつかは含まないか、(2)例えば、同一種などの同一源に由来する他のタンパク質を本質的に含まないか、(3)異なる種に由来する細胞によって発現するか、(4)天然ではそれに付随するポリヌクレオチド、脂質、糖質、若しくは他の材料の少なくとも約50パーセントが取り除かれているか、(5)天然ではそれに付随しないポリペプチドと機能可能なように(共有結合的若しくは非共有結合的な相互作用によって)結び付いているか、又は(6)天然には生じないことを意味する。典型的には、「単離されたタンパク質」は、所与の試料の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、又は少なくとも約50%を構成する。ゲノムDNA、cDNA、mRNA、若しくは合成起源の他のRNA、又はそれらの任意の組み合わせによって、そのような単離されたタンパク質はコードされ得る。好ましくは、単離されたタンパク質は、その天然環境において見出され、その治療的、診断的、予防的、研究的、又は他の用途を妨害すると想定されるタンパク質若しくはポリペプチド又は他の混入物を実質的に含まない。
ポリペプチド(例えば、抗体などの抗原結合タンパク質)の「変異体」は、別のポリペプチド配列と比較して、アミノ酸配列に1つ又は複数のアミノ酸残基の挿入、欠失、及び/又は置換が生じたアミノ酸配列を含む。変異体には、融合タンパク質が含まれる。
ポリペプチドの「誘導体」は、例えば、別の化学部分への複合化を介して、挿入、欠失、又は置換による変異体とは異なる何らかの様式で化学的に改変されたポリペプチド(例えば、抗体などの抗原結合タンパク質)である。
ポリペプチド、核酸、宿主細胞、及び同様のものなどの生物学的材料と関連して本明細書を通して使用される「天然起源」という用語は、天然に見出される材料を指す。
本明細書で使用される「対象」又は「患者」は、任意の哺乳類であり得る。典型的な実施形態では、対象又は患者は、ヒトである。
本明細書に開示のように、本開示によって記載されるGIPRポリペプチドは、標準的な分子生物学的方法論を使用して操作及び/又は生成することができる。さまざまな例では、GIPRをコードする核酸配列は、配列番号1、配列番号3、又は配列番号5のすべて又は一部を含み得るものであり、適切なオリゴヌクレオチドプライマーを使用し、ゲノムDNA又はcDNAから単離及び/又は増幅することができる。プライマーは、標準的な(RT)-PCR増幅手法に従って、本明細書で提供される核酸配列及びアミノ酸配列に基づいて設計することができる。その後、増幅されたGIPR核酸は、適切なベクターへとクローニングし、DNA配列解析によって特徴付けることができる。
本明細書で提供されるGIPR配列のすべて又は一部の単離又は増幅においてプローブとして使用するためのオリゴヌクレオチドは、例えば、自動化DNA合成装置などの標準的な合成手法を使用して設計及び生成することができるか、又はより長いDNA配列から単離することができる。
ヒトGIPRの466のアミノ酸の配列は、(Volz et al.,FEBS Lett.373:23-29(1995)、NCBI参照配列:NP_0001555):
Figure 0007237853000004
であり、下記のDNA配列(NCBI参照配列:NM_000164)によってコードされる:
Figure 0007237853000005
Figure 0007237853000006
ヒトGIPRの430のアミノ酸のアイソフォーム(アイソフォームX1)は、自動化コンピューター解析によって予測されたものであり、配列(NCBI参照配列XP_005258790):
Figure 0007237853000007
を有し、下記のDNA配列によってコードされる:
Figure 0007237853000008
ヒトGIPRの493のアミノ酸のアイソフォームは、選択的スプライシングによって生成するものであり、配列(Gremlich et al.,Diabetes 44:1202-8(1995)、UniProtKB配列識別子:P48546-2):
Figure 0007237853000009
を有し、下記のDNA配列によってコードされる:
Figure 0007237853000010
マウスGIPRの460のアミノ酸の配列は、(NCBI参照配列:NP_001074284、uniprotKB/Swiss-Prot Q0P543-1)(Vassilatis et al.,PNAS USA 2003,100:4903-4908を参照のこと)
Figure 0007237853000011
であり、下記のDNA配列(NCBI参照配列:NM_001080815)によってコードされる:
Figure 0007237853000012
マウスGIPRの230のアミノ酸のアイソフォームは、選択的スプライシングによって生成するものであり、配列(Gerhard et al.,Genome Res,14:2121-2127(2004)、NCBI参照配列:AAI20674):
Figure 0007237853000013
を有し、下記のDNA配列によってコードされる:
Figure 0007237853000014
本明細書に記載の「GIPRポリペプチド」という用語は、例えば、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205のヒトアミノ酸配列などの天然起源のGIPRポリペプチド配列を包含する。しかしながら、「GIPRポリペプチド」という用語は、例えば、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205などの天然起源のGIPRポリペプチド配列のアミノ酸配列と1つ又は複数のアミノ酸が異なり、その結果、配列が、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205と少なくとも85%で同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドも包含する。GIPRポリペプチドは、天然起源又は非天然起源のアミノ酸を使用し、GIPRポリペプチドの特定の位置に対して1つ又は複数のアミノ酸置換(保存的又は非保存的なもの)を導入することによって生成することができる。
「保存的アミノ酸置換」では、天然のアミノ酸残基(すなわち、野生型GIPRポリペプチド配列の所与の位置に見られる残基)と、非天然の残基(すなわち、野生型GIPRポリペプチド配列の所与の位置に見られない残基)と、が置換され得、その結果、その位置のアミノ酸残基の極性又は電荷に対する影響は、ほとんど存在しないか、又は全く存在しない。保存的アミノ酸置換は、典型的には生物学的な系における合成によってではなく、化学的なペプチド合成によって組み込まれる非天然起源のアミノ酸残基も包含する。こうしたものには、ペプチド模倣体、及びアミノ酸部分が逆転又は反転した他の形態が含まれる。
天然起源の残基は、下記の共通の側鎖特性に基づくクラスに分類することができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、
(3)酸性:Asp、Glu、
(4)塩基性:Asn、Gln、His、Lys、Arg、
(5)鎖の配向に影響する残基:Gly、Pro、及び
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
アミノ酸の追加の分類群は、例えば、Creighton(1984)PROTEINS:STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES(2d Ed.1993),W.H.Freeman and Companyに記載の原理を使用して構築することもできる。いくつかの場合では、そのような特性の2つ以上に基づいて置換をさらに特徴付けることが有用であり得る(例えば、Thr残基などの「小極性」残基での置換は、適切な状況では高度に保存的な置換となり得る)。
保存的置換は、こうしたクラスの1つのメンバーと、同一クラスの別のメンバーとの交換を伴い得る。非保存的置換は、こうしたクラスの1つのメンバーと、別のクラスのメンバーとの交換を伴い得る。
上記の分類のものと類似の生理化学的特性を有することが知られる合成アミノ酸残基、希少アミノ酸残基、又は改変アミノ酸残基を、配列における特定のアミノ酸残基を「保存的」に置換するものとして使用することができる。例えば、D-Arg残基は、典型的なL-Arg残基を置換するものとして働き得る。2つ以上の上記のクラスに関して特定の置換を説明することができる場合もあり得る(例えば、小さな疎水性の残基での置換は、上記のクラスの両方に見られる残基(複数可)、又は両方の定義を満たすそのような残基と類似の生理化学的特性を有することが当該技術分野において知られる他の合成残基、希少残基、若しくは改変残基での1つのアミノ酸の置換を意味する)。
本明細書で提供されるGIPRポリペプチドをコードする核酸配列には、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205と縮重関係にあるものと、本開示の他の態様に由来する、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205のポリペプチド変異体をコードするものと、が含まれる。
本明細書で提供されるGIPR核酸配列を発現するために、標準的なクローニング手法及び発現手法に従って、例えば、配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205などの適切なコード配列を適切なベクターにクローニングすることができ、適切な宿主への導入の後、配列が発現することで、コードされるポリペプチドを生成することができ、こうした手法は、当該技術分野において知られている(例えば、Sambrook,J.,Fritsh,E.F.,and Maniatis,T.Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd,ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989に記載される)。本発明は、本発明による核酸配列を含むそのようなベクターにも関する。
「ベクター」は、(a)ポリペプチドをコードする核酸配列の発現を促進する送達媒体、(b)そこからのポリペプチドの生成を促進する送達媒体、(c)それを用いる標的細胞の遺伝子導入/形質転換を促進する送達媒体、(d)核酸配列の複製を促進する送達媒体、(e)核酸の安定性を促進する送達媒体、(f)核酸及び/又は形質転換/遺伝子導入細胞の検出を促進する送達媒体、及び/又は(g)ポリペプチドをコードする核酸に対して有利な生物学的及び/又は生理化学的な機能を別の形で付与する送達媒体を指す。ベクターは、染色体ベクター、非染色体ベクター、及び合成核酸ベクター(適切な一連の発現制御要素を含む核酸配列)を含む、任意の適切なベクターであり得る。そのようなベクターの例には、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAとの組み合わせに由来するベクター、並びにウイルス核酸(RNA又はDNA)ベクターが含まれる。
組換え発現ベクターは、原核細胞(例えば、E.coli)又は真核細胞(例えば、バキュロウイルス発現ベクターを使用する昆虫細胞、酵母細胞、若しくは哺乳類細胞)においてGIPRタンパク質が発現するように設計することができる。1つの実施形態では、宿主細胞は、哺乳類の非ヒト宿主細胞である。代表的な宿主細胞には、典型的にはクローニング及び発現に使用される宿主が含まれ、こうした宿主には、Escherichia coli株であるTOP10F’、TOP10、DH10B、DH5a、HB101、W3110、BL21(DE3)、及びBL21(DE3)pLysS、BLUESCRIPT(Stratagene)、哺乳類細胞株であるCHO、CHO-K1、HEK293、293-EBNApINベクター(Van Heeke & Schuster,J.Biol.Chem.264:5503-5509(1989)、pETベクター(Novagen,Madison Wis.)が含まれる。或いは、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列及びT7ポリメラーゼ及びインビトロの翻訳システムを使用し、インビトロで転写及び翻訳することができる。好ましくは、ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列を含むクローニング部位の上流にプロモーターを含む。スイッチのオンオフが切り替え可能なプロモーターの例には、lacプロモーター、T7プロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、及びtrpプロモーターが含まれる。
したがって、GIPRをコードする核酸配列を含み、組換えGIPRの発現を促進するベクターが本明細書で提供される。さまざまな実施形態において、ベクターは、GIPRの発現を調節するヌクレオチド配列を機能可能なように連結して含む。ベクターは、任意の適切なプロモーター、エンハンサー、及び他の発現促進要素を含み得るか、又はそれと結び付けられ得る。そのような要素の例には、強力な発現プロモーター(例えば、ヒトCMV IEプロモーター/エンハンサー、RSVプロモーター、SV40プロモーター、SL3-3プロモーター、MMTVプロモーター、若しくはHIV LTRプロモーター、EF1アルファプロモーター、CAGプロモーター)、有効なポリ(A)終結配列、E.coliにおけるプラスミド産物のための複製起点、選択可能マーカーとしての抗生物質耐性遺伝子、及び/又は簡便なクローニング部位(例えば、ポリリンカー)が含まれる。ベクターは、CMV IEなどの恒常性プロモーターとは対照的な誘導性プロモーターも含み得る。1つの態様では、肝臓組織又は膵臓組織などの代謝的に関連する組織における配列の発現を促進する組織特異的プロモーターに機能可能なように連結されたGIPRポリペプチドコード配列を含む核酸が提供される。
本開示の別の態様では、本明細書に開示のGIPR核酸及びベクターを含む宿主細胞が提供される。さまざまな実施形態において、ベクター又は核酸は、宿主細胞ゲノムに組み込まれ、他の実施形態では、ベクター又は核酸は、染色体外に存在する。
そのような核酸、ベクター、又はそれらのいずれか若しくは両方の組み合わせを含む酵母細胞、細菌細胞(例えば、E.coli)、及び哺乳類細胞(例えば、不死化哺乳類細胞)などの組換え細胞が提供される。さまざまな実施形態において、GIPRポリペプチドが発現するようにコードされる配列を含む、プラスミド、コスミド、ファージミド、又は直鎖発現要素などの非組み込み核酸を含む細胞が提供される。
本明細書で提供されるGIPRポリペプチドをコードする核酸配列を含むベクターは、形質転換又は遺伝子導入によって宿主細胞に導入することができる。細胞を発現ベクターで形質転換する方法はよく知られている。
GIPRをコードする核酸は、ウイルスベクターを介して宿主細胞又は宿主動物に配置及び/又は送達することができる。この能力を有する任意の適切なウイルスベクターを使用することができる。ウイルスベクターは、単独、或いは所望の宿主細胞における本発明の核酸の送達、複製、及び/又は発現を促進する1つ又は複数のウイルスタンパク質と組み合わせて、任意の数のウイルスポリヌクレオチドを含み得る。ウイルスベクターは、ウイルスゲノムのすべて若しくは一部を含むポリヌクレオチド、ウイルスタンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子(VLP)、又はウイルス核酸及びGIPRポリペプチドをコードする核酸を含むインタクトなウイルス粒子であり得る。ウイルス粒子であるウイルスベクターは、野生型ウイルス粒子又は改変ウイルス粒子を含み得る。ウイルスベクターは、アデノウイルスベクターアンプリコンなどの、複製及び/又は発現のための別のベクター又は野生型ウイルスが存在する必要があるベクターであり得る(例えば、ウイルスベクターは、ヘルパー依存性ウイルスであり得る)。典型的には、そのようなウイルスベクターは、野生型ウイルス粒子からなるか、或いは導入遺伝子容量が増えるか、又は核酸の遺伝子導入及び/又は発現に役立つようにそのタンパク質及び/又は核酸含量が改変されたウイルス粒子からなる(そのようなベクターの例には、ヘルペスウイルス/AAVアンプリコンが含まれる)。典型的には、ウイルスベクターは、通常はヒトに感染するウイルスと類似のもの及び/又はそれに由来するものである。この点に関して適切なウイルスベクター粒子には、例えば、アデノウイルスベクター粒子(アデノウイルス科の任意のウイルス又はアデノウイルス科のウイルスに由来する任意のウイルスを含む)、アデノ随伴ウイルスベクター粒子(AAVベクター粒子)又は他のパルボウイルス及びパルボウイルスベクター粒子、パピローマウイルスベクター粒子、フラビウイルスベクター、アルファウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、レトロウイルスベクター(レンチウイルスベクターを含む)が含まれる。
本明細書に記載されるように発現するGIPRポリペプチドは、標準的なタンパク質精製方法を使用して単離することができる。GIPRポリペプチドは、それを自然に発現する細胞から単離することができるか、又は例えば、GIPRを自然には発現しない細胞などの、GIPRを発現するように操作された細胞から単離することができる。
GIPRポリペプチドを単離するために用いることができるタンパク質精製方法、並びに関連する材料及び試薬は、当該技術分野において知られている。GIPRポリペプチドの単離に有用であり得る追加の精製方法は、Bootcov MR,1997,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:11514-9,Fairlie WD,2000,Gene 254:67-76などの参考文献において見つけることができる。
ヒトGIPR(hGIPR)を含む、GIPRに結合するアンタゴニスト抗原結合タンパク質が本明細書で提供される。1つの実施形態では、ヒトGIPRは、配列番号1201に示されるものなどの配列を有する。別の実施形態では、ヒトGIPRは、配列番号1203に示されるものなどの配列を有する。別の実施形態では、ヒトGIPRは、配列番号1205に示されるものなどの配列を有する。
提供される抗原結合タンパク質は、本明細書に記載の相補性決定領域(CDR)が1つ又は複数組み込まれる及び/又は連結されるポリペプチドである。いくつかの抗原結合タンパク質では、CDRは、「フレームワーク」領域に組み込まれ、この領域によってCDR(複数可)の方向が整えられ、その結果、CDR(複数可)の適切な抗原結合特性が達成される。本明細書に記載のある特定の抗原結合タンパク質は、抗体であるか、又は抗体に由来する。他の抗原結合タンパク質では、CDR配列は、異なる型のタンパク質骨格に組み込まれる。さまざまな構造が以下にさらに記載される。
本明細書に開示の抗原結合タンパク質は、さまざまな有用性を有する。抗原結合タンパク質は、例えば、特異的結合アッセイ、GIPRの親和性精製、及びGIPR活性の他のアンタゴニストを同定するためのスクリーニングアッセイにおいて有用である。抗原結合タンパク質の他の用途には、例えば、GIPRと関連する疾患又は病状の診断、及びGIPRの存在の有無を決定するためのスクリーニングアッセイが含まれる。提供される抗原結合タンパク質がアンタゴニストであることを考慮すると、GIPR抗原結合タンパク質は、体重増加の低減に有用な治療方法において、食物摂取量が維持されるか、又は増加し、体脂肪量%が増加し、除脂肪量%が増加する間でさえも、耐糖能を改善し、インスリンレベルを低減し、コレステロール及びトリグリセリドのレベルを低減することで価値を有する。したがって、抗原結合タンパク質は、例えば、2型糖尿病などの糖尿病、肥満、脂質異常症、グルコースレベルの上昇、又はインスリンレベルの上昇の治療及び予防において有用性を有する。
GIPRの活性の調節に有用なさまざまな選択的結合剤が提供される。こうした薬剤には、例えば、抗原結合ドメインを含み、GIPRポリペプチド、具体的には、ヒトGIPRに特異的に結合する抗原結合タンパク質(例えば、scFv、ドメイン抗体、及び抗原結合領域を有するポリペプチド)が含まれる。こうした薬剤のいくつかは、例えば、GIPRの活性増進に有用であり、GIPRと関連する1つ又は複数の活性を活性化することができる。
一般に、提供される抗原結合タンパク質は、典型的には、本明細書に記載のCDRを1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ)含む。いくつかの場合では、抗原結合タンパク質は、(a)ポリペプチド構造と、(b)ポリペプチド構造に挿入及び/又は連結される1つ又は複数のCDRと、を含む。ポリペプチド構造は、さまざまな異なる形態をとり得る。例えば、ポリペプチド構造は、天然起源の抗体又はその断片若しくは変異体のフレームワークであり得るか、又はそれを含み得、或いは本質的に完全に合成のものであり得る。さまざまなポリペプチド構造の例が以下にさらに記載される。
ある特定の実施形態では、抗原結合タンパク質のポリペプチド構造は、抗体であるか、又は抗体に由来する。したがって、提供されるある特定の抗原結合タンパク質の例には、限定はされないが、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、ドメイン抗体(Nanobodies(登録商標)など)、合成抗体(本明細書では「抗体模倣体」と称されることがある)、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体融合体、及びそれぞれのその一部又は断片が含まれる。いくつかの場合では、抗原結合タンパク質は、完全抗体の免疫学的断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2)である。他の場合では、抗原結合タンパク質は、本発明の抗体に由来するCDRを使用するscFvである。
本明細書で提供される抗原結合タンパク質は、ヒトGIPRに特異的に結合する。特定の実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号1201のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるヒトGIPRに特異的に結合する。特定の実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号1203のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるヒトGIPRに特異的に結合する。特定の実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号1205のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるヒトGIPRに特異的に結合する。
提供される抗原結合タンパク質は、アンタゴニストであり、典型的には、下記の特性の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つすべてを有する:
(a)GIPRへのGIPの結合を阻止又は低減する能力であって、例えば、放射性標識若しくは蛍光標識されたリガンドによる結合試験などの方法、又は本明細書に記載の方法(例えば、cAMPアッセイ若しくは他の機能アッセイ)によってレベルを測定することができる能力。同等条件下での配列番号1201、配列番号1203、又は配列番号1205の事前処理レベルと比較して、低減は、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも100%、又はそれを超える割合となり得る。
(b)血中グルコースを低減する能力、
(c)耐糖能を向上させる能力、
(d)インスリン感受性を向上させる能力、
(e)体重を低減する能力、又は体重増加を低減する能力、
(f)体脂肪量を低減する能力、又は脂肪組織における炎症を低減する能力、
(g)絶食時のインスリンレベルを低減する能力、
(h)循環コレステロールレベルを低減する能力、
(i)循環トリグリセリドレベルを低減する能力、
(j)脂肪肝を低減する能力、又は肝臓におけるトリグリセリドレベルを低減する能力、
(k)AST、ALT、及び/又はALPのレベルを低減する能力。
1つの実施形態では、GIPR抗原結合タンパク質は、下記の活性の1つ又は複数を有する:
(a)ヒトGIPRに結合し、その結果、例えば、表面プラズマ共鳴(surface plasma resonance)又は結合平衡除外法の手法を介して測定すると、KDが、≦200nM、≦150nM、≦100nM、≦50nM、≦10nM、≦5nM、≦2nM、又は≦1nMとなる。
(b)ヒト血清における半減期が少なくとも3日である、
提供される抗原結合タンパク質のいくつかの、GIPRに対する結合速度(ka)は、例えば、後述のように測定すると、少なくとも10/Mx秒、少なくとも10/Mx秒、又は少なくとも10/Mx秒である。提供されるある特定の抗原結合タンパク質が有する解離速度(dissociation rate)又は解離速度(off-rate)は遅い。いくつかの抗原結合タンパク質は、例えば、1x10-2-1、又は1x10-3-1、又は1x10-4-1、又は1x10-5-1というkd(解離乗数)を有する。ある特定の実施形態では、抗原結合タンパク質は、25pM未満、50pM未満、100pM未満、500pM未満、1nM未満、5nM未満、10nM未満、25nM未満、又は50nM未満のKD(平衡結合親和性)を有する。
アッセイによって、抗原結合タンパク質のその標的への結合を、EC50(標的に結合した場合に最大応答の半分を付与する抗原結合タンパク質の濃度)としても測定し得る。本発明の抗GIPR抗原結合タンパク質に関するEC50を、様々な濃度の抗原結合タンパク質とGIPRを発現する細胞とをインキュベートすることにより決定し得る。本発明の抗GIPR抗原結合タンパク質は、EC50が200nM、150nM、125nM、100nM、90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、又は30nM未満であり得る。
IC50(最大阻害濃度の半分:特定の生物学的機能又は生化学的機能の阻害における抗原結合タンパク質の有効性の尺度)も使用して、抗GIPR抗原結合タンパク質の活性を測定し得る。IC50を、機能アッセイを使用して測定し得る。例えば、そのようなアッセイを、ヒトGIPR又はカニクイザルGIPRを発現するHEK293T細胞中におけるcAMPの定量的決定に使用し得る。GIPの結合によりGIPRの立体構造の変化が引き起こされ、Gタンパク質が刺激されてアデニル酸シクラーゼが活性化され、その結果、ATPからcAMPが産生される。GIPRへの抗体の結合によりGIPRへのGIPの結合が妨げられ、その結果、cAMPが減少する。このことはcAMPアッセイにより測定可能である。本発明の抗GIPR抗原結合タンパク質は、IC50が200nM、150nM、125nM、100nM、90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、29nM、28nM、27nM、26nM、25nM、24nM、23nM、22nM、21mM、20nM、19nM、18nM、17nM、16nM、15nM、14nM、13nM、12nM、11mM、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nM、又は1nM未満であり得る。
別の態様では、インビトロ又はインビボ(例えば、ヒト対象に投与されるとき)の半減期が少なくとも1日である抗原結合タンパク質が提供される。1つの実施形態では、抗原結合タンパク質は、少なくとも3日の半減期を有する。さまざまな他の実施形態では、抗原結合タンパク質は、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、15日、20日、25日、30日、40日、50日、又は60日以上の半減期を有する。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、非誘導体化抗体又は非改変抗体と比較してその半減期が長くなるように誘導体化又は改変される。別の実施形態では、血清半減期を増加させるために抗原結合タンパク質に点変異が含められる。そのような変異体及び誘導体化形態に関する詳細は、以下にさらに提供される。
提供される抗原結合タンパク質のいくつかは、典型的には、天然起源の抗体と関連する構造を有する。こうした抗体の構造単位は、典型的には、1つ又は複数の四量体を含み、四量体はそれぞれ、ポリペプチド鎖の2つの同一のカプレットから構成されるが、哺乳類のいくつかの種は、単一の重鎖のみを有する抗体も産生する。典型的な抗体では、それぞれの対又はカプレットは、1つの全長「軽」鎖(ある特定の実施形態では、約25kDa)と、1つの全長「重」鎖(ある特定の実施形態では、約50~70kDa)と、を含む。個々の免疫グロブリン鎖はそれぞれ、いくつかの「免疫グロブリンドメイン」から構成され、「免疫グロブリンドメイン」はそれぞれ、およそ90~110のアミノ酸からなり、特徴的なフォールディングパターンを示す。こうしたドメインは、抗体ポリペプチドを構成する基本単位である。それぞれの鎖のアミノ末端部分は、典型的には、抗原認識を担う可変ドメインを含む。カルボキシ末端部分は、鎖のもう一方の末端と比較して進化的に保存度が高く、「定常領域」又は「C領域」と称される。ヒト軽鎖は、一般に、カッパー軽鎖及びラムダ軽鎖として分類され、こうした軽鎖はそれぞれ、1つの可変ドメイン及び1つの定常ドメインを含む。重鎖は、典型的には、ミュー鎖、デルタ鎖、ガンマ鎖、アルファ鎖、又はイプシロン鎖として分類され、こうした鎖は、それぞれIgM、IgD、IgG、IgA、及びIgEとして抗体のアイソタイプを定義する。IgGは、限定はされないが、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む、いくつかのサブタイプを有する。IgMサブタイプには、IgM及びIgM2が含まれる。IgAサブタイプには、IgA1及びIgA2が含まれる。ヒトでは、IgAアイソタイプ及びIgDアイソタイプは、4つの重鎖及び4つの軽鎖を含み、IgGアイソタイプ及びIgEアイソタイプは、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含み、IgMアイソタイプは、5つの重鎖及び5つの軽鎖を含む。重鎖のC領域は、典型的には、エフェクター機能を担い得るドメインを1つ又は複数含む。重鎖の定常領域ドメインの数は、アイソタイプに依存することになる。IgGの重鎖は、例えば、重鎖のそれぞれが、CH1、CH2、及びCH3として知られる3つのC領域ドメインを含む。提供される抗体は、こうしたアイソタイプ及びサブタイプのいずれかを有し得る。ある特定の実施形態では、GIPR抗体は、IgG1サブタイプ、IgG2サブタイプ、又はIgG4サブタイプのものである。「GIPR抗体」及び「抗GIPR抗体」という用語は、本出願及び図を通して互換的に使用される。用語は両方共、GIPRに結合する抗体を指す。
全長の軽鎖及び重鎖では、可変領域及び定常領域は、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖は、約10以上のアミノ酸の「D」領域も含む。例えば、Fundamental Immunology,2nd ed.,Ch.7(Paul,W.,ed.)1989,New York:Raven Press(あらゆる目的を対象としてその全体が参照によって本明細書に組み込まれる)を参照のこと。それぞれの軽鎖/重鎖対の可変領域は、典型的には、抗原結合部位を形成する。
本明細書で提供される抗体については、免疫グロブリン鎖の可変領域は、一般に、3つの超可変領域(「相補性決定領域」又はCDRと呼ばれることの方が多い)によって連結された相対的に保存されたフレームワーク領域(FR)を含む同一の全体構造を示す。上述のそれぞれの重鎖/軽鎖対の2つの鎖に由来するCDRは、典型的には、フレームワーク領域によって整列されることで、GIPRに存在する特定のエピトープと特異的に結合する構造を形成する。こうした要素は、天然起源の軽鎖可変領域と重鎖可変領域との両方において、典型的には、N末端からC末端にかけて下記の順序で存在する:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4。こうしたドメインのそれぞれの位置を占めるアミノ酸に対して番号を割り当てるための番号付けシステムが考案されている。この番号付けシステムは、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987 and 1991,NIH,Bethesda,Md.)、又はChothia & Lesk,1987,J.Mol.Biol.196:901-917、Chothia et al.,1989,Nature342:878-883において定義されている。
後述の実施例に記載されるように調製及び同定される特定の抗体の配列情報は、表1にまとめられている。したがって、1つの実施形態では、抗原結合タンパク質は、表1の行の1つにおいて特定されるCDR配列、可変ドメイン配列、並びに軽鎖配列及び重鎖配列を有する抗体である。
本発明の抗体及びその断片の可変軽鎖配列、可変重鎖配列、軽鎖配列、重鎖配列、CDRL1配列、CDRL2配列、CDRL3配列、CDRH1配列、CDRH2配列、及びCDRH3配列には配列番号が割り当てられており、こうした配列番号は、表1に示される。本発明の抗体及びその断片の可変軽鎖配列、可変重鎖配列、軽鎖配列、重鎖配列、CDRL1配列、CDRL2配列、CDRL3配列、CDRH1配列、CDRH2配列、及びCDRH3配列をコードするポリヌクレオチドにも配列番号が割り当てられており、こうした配列番号は、表2に示される。本発明の抗原結合タンパク質は、配列番号によって特定することができるが、構築物名(例えば、2C2.005)又は識別子番号(例えば、iPS:336175)によっても特定することができる。以下の表1~5において特定される抗原結合タンパク質は、構築物名に基づくファミリーに分類することができる。例えば、「4B1ファミリー」は、構築物4B1、構築物4B1.010、構築物4B1.011、構築物4B1.012、構築物4B1.013、構築物4B1.014、構築物4B1.015、及び構築物4B1.016を含む。
本明細書で提供されるさまざまな軽鎖可変領域及び重鎖可変領域は、表3に示される。こうした可変領域のそれぞれを重鎖定常領域又は軽鎖定常領域に付加することで、それぞれ完全抗体の重鎖及び軽鎖を構成し得る。さらに、そのようにして生成した重鎖配列及び軽鎖配列のそれぞれを組み合わせることで完全抗体の構造を形成し得る。
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1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号723、727、731、735、739、743、747、751、755、759、763、767、771、775、779、783、787、791、795、799、803、807、811、815、819、823、827、831、835、839、843、847、851、855、859、863、867、871、875、879、883、887、891、895、899、903、907、911、915、919、923、927、931、935、939、943、947、951、955、959、1286、1296、1306、1316、1326、1336、1346、及び1356からなる群から選択される配列を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号724、728、732、736、740、744、748、752、756、760、764、768、772、776、780、784、788、792、796、800、804、808、812、816、820、824、828、832、836、840、844、848、852、856、860、864、868、872、876、880、884、888、892、896、900、904、908、912、916、920、924、928、932、936、940、944、948、952、956、960、1287、1297、1307、1317、1327、1337、1347、及び1357からなる群から選択される配列を含む重鎖可変領域を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号723、727、731、735、739、743、747、751、755、759、763、767、771、775、779、783、787、791、795、799、803、807、811、815、819、823、827、831、835、839、843、847、851、855、859、863、867、871、875、879、883、887、891、895、899、903、907、911、915、919、923、927、931、935、939、943、947、951、955、959、1286、1296、1306、1316、1326、1336、1346、及び1356からなる群から選択される配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号724、728、732、736、740、744、748、752、756、760、764、768、772、776、780、784、788、792、796、800、804、808、812、816、820、824、828、832、836、840、844、848、852、856、860、864、868、872、876、880、884、888、892、896、900、904、908、912、916、920、924、928、932、936、940、944、948、952、956、960、1287、1297、1307、1317、1327、1337、1347、及び1357からなる群から選択される配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号723を含む軽鎖可変領域及び配列番号724を含む重鎖可変領域、配列番号727を含む軽鎖可変領域及び配列番号728を含む重鎖可変領域、配列番号731を含む軽鎖可変領域及び配列番号732を含む重鎖可変領域、配列番号735を含む軽鎖可変領域及び配列番号736を含む重鎖可変領域、配列番号739を含む軽鎖可変領域及び配列番号740を含む重鎖可変領域、配列番号743を含む軽鎖可変領域及び配列番号744を含む重鎖可変領域、配列番号747を含む軽鎖可変領域及び配列番号748を含む重鎖可変領域、配列番号751を含む軽鎖可変領域及び配列番号752を含む重鎖可変領域、配列番号755を含む軽鎖可変領域及び配列番号756を含む重鎖可変領域、配列番号759を含む軽鎖可変領域及び配列番号760を含む重鎖可変領域、配列番号763を含む軽鎖可変領域及び配列番号764を含む重鎖可変領域、配列番号767を含む軽鎖可変領域及び配列番号768を含む重鎖可変領域、配列番号771を含む軽鎖可変領域及び配列番号772を含む重鎖可変領域、配列番号775を含む軽鎖可変領域及び配列番号776を含む重鎖可変領域、配列番号779を含む軽鎖可変領域及び配列番号780を含む重鎖可変領域、配列番号783を含む軽鎖可変領域及び配列番号784を含む重鎖可変領域、配列番号787を含む軽鎖可変領域及び配列番号788を含む重鎖可変領域、配列番号791を含む軽鎖可変領域及び配列番号792を含む重鎖可変領域、配列番号795を含む軽鎖可変領域及び配列番号796を含む重鎖可変領域、配列番号799を含む軽鎖可変領域及び配列番号800を含む重鎖可変領域、配列番号803を含む軽鎖可変領域及び配列番号804を含む重鎖可変領域、配列番号807を含む軽鎖可変領域及び配列番号808を含む重鎖可変領域、配列番号811を含む軽鎖可変領域及び配列番号812を含む重鎖可変領域、配列番号815を含む軽鎖可変領域及び配列番号816を含む重鎖可変領域、配列番号819を含む軽鎖可変領域及び配列番号820を含む重鎖可変領域、配列番号823を含む軽鎖可変領域及び配列番号824を含む重鎖可変領域、配列番号827を含む軽鎖可変領域及び配列番号828を含む重鎖可変領域、配列番号831を含む軽鎖可変領域及び配列番号832を含む重鎖可変領域、配列番号835を含む軽鎖可変領域及び配列番号836を含む重鎖可変領域、配列番号839を含む軽鎖可変領域及び配列番号840を含む重鎖可変領域、配列番号843を含む軽鎖可変領域及び配列番号844を含む重鎖可変領域、配列番号847を含む軽鎖可変領域及び配列番号848を含む重鎖可変領域、配列番号851を含む軽鎖可変領域及び配列番号852を含む重鎖可変領域、配列番号855を含む軽鎖可変領域及び配列番号856を含む重鎖可変領域、配列番号859を含む軽鎖可変領域及び配列番号860を含む重鎖可変領域、配列番号863を含む軽鎖可変領域及び配列番号864を含む重鎖可変領域、配列番号867を含む軽鎖可変領域及び配列番号868を含む重鎖可変領域、配列番号871を含む軽鎖可変領域及び配列番号872を含む重鎖可変領域、配列番号875を含む軽鎖可変領域及び配列番号876を含む重鎖可変領域、配列番号879を含む軽鎖可変領域及び配列番号880を含む重鎖可変領域、配列番号883を含む軽鎖可変領域及び配列番号884を含む重鎖可変領域、配列番号887を含む軽鎖可変領域及び配列番号888を含む重鎖可変領域、配列番号891を含む軽鎖可変領域及び配列番号892を含む重鎖可変領域、配列番号895を含む軽鎖可変領域及び配列番号896を含む重鎖可変領域、配列番号899を含む軽鎖可変領域及び配列番号900を含む重鎖可変領域、配列番号903を含む軽鎖可変領域及び配列番号904を含む重鎖可変領域、配列番号907を含む軽鎖可変領域及び配列番号908を含む重鎖可変領域、配列番号911を含む軽鎖可変領域及び配列番号912を含む重鎖可変領域、配列番号915を含む軽鎖可変領域及び配列番号916を含む重鎖可変領域、配列番号919を含む軽鎖可変領域及び配列番号920を含む重鎖可変領域、配列番号923を含む軽鎖可変領域及び配列番号924を含む重鎖可変領域、配列番号927を含む軽鎖可変領域及び配列番号928を含む重鎖可変領域、配列番号931を含む軽鎖可変領域及び配列番号932を含む重鎖可変領域、配列番号935を含む軽鎖可変領域及び配列番号936を含む重鎖可変領域、配列番号939を含む軽鎖可変領域及び配列番号940を含む重鎖可変領域、配列番号943を含む軽鎖可変領域及び配列番号944を含む重鎖可変領域、配列番号947を含む軽鎖可変領域及び配列番号948を含む重鎖可変領域、配列番号951を含む軽鎖可変領域及び配列番号952を含む重鎖可変領域、配列番号955を含む軽鎖可変領域及び配列番号956を含む重鎖可変領域、配列番号959を含む軽鎖可変領域及び配列番号960を含む重鎖可変領域、配列番号1286を含む軽鎖可変領域及び配列番号1287を含む重鎖可変領域、配列番号1296を含む軽鎖可変領域及び配列番号1297を含む重鎖可変領域、配列番号1306を含む軽鎖可変領域及び配列番号1307を含む重鎖可変領域、配列番号1316を含む軽鎖可変領域及び配列番号1317を含む重鎖可変領域、配列番号1326を含む軽鎖可変領域及び配列番号1327を含む重鎖可変領域、配列番号1336を含む軽鎖可変領域及び配列番号1337を含む重鎖可変領域、配列番号1346を含む軽鎖可変領域及び配列番号1347を含む重鎖可変領域、並びに配列番号1356を含む軽鎖可変領域及び配列番号1357を含む重鎖可変領域、からなる群から選択される軽鎖可変領域と重鎖可変領域との組み合わせを含む。
1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号721、725、729、733、737、741、745、749、753、757、761、765、769、773、777、781、785、789、793、797、801、805、809、813、817、821、825、829、833、837、841、845、849、853、857、861、865、869、873、877、881、885、889、893、897、901、905、909、913、917、921、925、929、933、937、941、945、949、953、955、1377、1379、1381、1383、1385、1387、1389、及び1391からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号722、726、730、734、738、742、746、750、754、758、762、766、770、774、778、782、786、790、794、798、802、806、810、814、818、822、826、830、834、838、842、846、850、854、858、862、866、870、874、878、882、886、890、894、898、902、906、910、914、918、922、926、930、934、938、942、946、950、954、958、1378、1380、1382、1384、1386、1388、1390、及び1392からなる群から選択されるポリヌクレオチドによってコードされる重鎖可変領域を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号721、725、729、733、737、741、745、749、753、757、761、765、769、773、777、781、785、789、793、797、801、805、809、813、817、821、825、829、833、837、841、845、849、853、857、861、865、869、873、877、881、885、889、893、897、901、905、909、913、917、921、925、929、933、937、941、945、949、953、955、1377、1379、1381、1383、1385、1387、1389、及び1391からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域と、配列番号722、726、730、734、738、742、746、750、754、758、762、766、770、774、778、782、786、790、794、798、802、806、810、814、818、822、826、830、834、838、842、846、850、854、858、862、866、870、874、878、882、886、890、894、898、902、906、910、914、918、922、926、930、934、938、942、946、950、954、958、1378、1380、1382、1384、1386、1388、1390、
及び1392からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域と、を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号721を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号722を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号725を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号726を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号729を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号730を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号733を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号734を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号737を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号738を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号741を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号742を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号745を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号746を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号749を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号750を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号753を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号754を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号757を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号758を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号761を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号762を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号765を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号766を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号769を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号770を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号773を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号774を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号777を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号778を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号781を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号782を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号785を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号786を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号789を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号790を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号793を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号794を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号797を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号798を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号801を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号802を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号805を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号806を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号809を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号810を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号813含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号814を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号817を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号818を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号821を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号822を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号825を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号826を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号829を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号830を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号833を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号834を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号837を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号838を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号841を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号842を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号845を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号846を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号849を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号850を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号853を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号854を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号857を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号858を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号861を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号862を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号865を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号866を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号869を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号870を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号873を含むポリヌクレオチド配列によって
コードされる軽鎖可変領域及び配列番号874を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号877を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号878を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号881を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号882を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号885を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号886を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号889を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号890を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号893を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号894を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号897を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号898を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号901を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号902を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号905を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号906を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号909を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号910を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号913を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号914を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号917を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号918を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号921を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号922を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号925を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号926を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号929を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号930を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号933を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号934を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号937を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号938を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号941を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号942を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号945を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号946を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号949を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号950を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号953を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号954を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号957を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号958を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1377を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1378を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1379を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1380を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1381を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1382を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1383を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1384を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1385を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1386を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1387を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1388を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1389を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1390を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、配列番号1391を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖可変領域及び配列番号1392を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖可変領域、からなる群から選択される軽鎖可変領域と重鎖可変領域との組み合わせを含む。
いくつかの抗原結合タンパク質は、表3に記載の抗体の1つを対象とする行の1つに記載の可変軽ドメイン及び可変重ドメインを含む。いくつかの場合では、抗原結合タンパク質は、表3に記載の抗体の1つに由来する2つの同一の可変軽ドメイン及び2つの同一の可変重ドメインを含む。提供される抗原結合タンパク質のいくつかは、表3に記載の抗体の1つを対象とする行の1つに記載の可変軽ドメイン及び可変重ドメインを含むが、例外として、ドメインの1つ又は両方は、その表において特定される配列とは1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、又は15のアミノ酸残基のみが異なり、そのような配列差異はそれぞれ独立して、単一のアミノ酸の欠失、挿入、又は置換のいずれかであり、こうした欠失、挿入、及び/又は置換の結果として、表3において特定される可変ドメイン配列と比較して、1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、5つ以下、6つ以下、7つ以下、8つ以下、9つ以下、10以下、11以下、12以下、13以下、14以下、又は15以下のアミノ酸が変更されている。1つの実施形態では、抗原結合タンパク質は、表3に由来する可変領域配列を含むが、N末端のメチオニンは欠失している。他の抗原結合タンパク質もまた、表3に記載の抗体の1つを対象とする行の1つに記載の可変軽ドメイン及び可変重ドメインを含むが、例外として、ドメインの1つ又は両方は、重鎖可変ドメイン及び/又は軽鎖可変ドメインが、表3において特定される重鎖可変ドメイン配列又は軽鎖可変ドメイン配列のアミノ酸配列との配列同一性が少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるという点において、その表において特定される配列とは異なる。
別の態様では、抗原結合タンパク質は、表3に記載の抗体に由来する可変軽ドメイン又は可変重ドメインのみからなる。さらに別の態様では、抗原結合タンパク質は、表3に記載のものに由来する2つ以上の同一の可変重ドメイン又は2つ以上の同一の可変軽ドメインを含む。そのようなドメイン抗体は、以下により詳細に記載されるリンカーを介して共に融合又は連結することができる。ドメイン抗体は、1つ又は複数の分子(例えば、PEG又はアルブミン)に融合又は連結することで半減期を延長することもできる。
ある特定の実施形態では、この抗原結合タンパク質は、粘度が低下した抗体であることが望ましい。そのような抗原結合タンパク質を、高粘度と関連することが分かっているフレームワーク領域及び/又はFcドメインの配列を変更することにより作成し得る。
そのような低粘度抗原結合タンパク質として、抗体であって、
VH1|1-18生殖系列サブファミリ配列が、82R、94S、及び95Rから選択される1つ又は複数の置換を含み;
VH3|3-33生殖系列サブファミリ配列が、置換1E、17G、及び85Aの内の1つ又は複数を含み;
VK3|L16生殖系列サブファミリ配列が、4L、13L、76D、95R、97E、及び98Pから選択される1つ又は複数の置換を含み;
VK3|L6生殖系列サブファミリ配列が、76D及び95Rから選択される1つ又は複数の置換を含み;
Fcドメイン配列が、253A、440K、及び439Eから選択される1つ又は複数の置換を含み;
FcドメインのC末端が、KP、KKP、KKKP、及びEから選択される配列を含む、抗体が挙げられた。
可変領域中における上述の好ましい粘度低下アミノ酸置換の全ては、Ahoナンバリングシステムにより特定される。Fc等の保存される領域中における全ての粘度低下残基は、EUナンバリングシステムにより特定される。
提供される他の抗原結合タンパク質は、表3に示される重鎖と軽鎖との組み合わせによって形成される抗体の変異体であり、こうした鎖のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性をそれぞれが有する軽鎖及び/又は重鎖を含む。いくつかの場合では、そのような抗体は、少なくとも1つの重鎖及び1つの軽鎖を含む一方で、他の場合では、変異形態は、2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖を含む。
重鎖可変領域のさまざまな組み合わせを、軽鎖可変領域のさまざまな組み合わせのいずれかと組み合わせてよい。
追加の実施形態では、本明細書で提供される単離された抗原結合タンパク質は、表3に示される配列を含むヒト抗体であり、IgG型、IgG型、IgG型、又はIgG型のものである。
本明細書に開示の抗原結合タンパク質は、1つ又は複数のCDRがそこに移植、挿入、及び/又は連結されたポリペプチドである。抗原結合タンパク質は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのCDRを有し得る。したがって、抗原結合タンパク質は、例えば、1つの重鎖CDR1(「CDRH1」)、及び/又は1つの重鎖CDR2(「CDRH2」)、及び/又は1つの重鎖CDR3(「CDRH3」)、及び/又は1つの軽鎖CDR1(「CDRL1」)、及び/又は1つの軽鎖CDR2(「CDRL2」)、及び/又は1つの軽鎖CDR3(「CDRL3」)を有し得る。いくつかの抗原結合タンパク質は、CDRH3とCDRL3との両方を含む。特定の軽鎖CDR及び重鎖CDRは、それぞれ表4A及び表4Bにおいて特定される。
所与の抗体の相補性決定領域(CDR)及びフレームワーク領域(FR)は、Kabat et al.in Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.,US Dept.of Health and Human Services,PHS,NIH,NIH Publication no.91-3242,1991によって記載されるシステムを使用して特定してよい。本明細書に開示のある特定の抗体は、表4A及び表4Bに示されるCDRの1つ又は複数のアミノ酸配列と同一であるか、又はそれとの実質的な配列同一性を有する1つ又は複数のアミノ酸配列を含む。こうしたCDRでは、上記のKabat et al.によって記載されるシステムが使用される。
天然起源の抗体に含まれるCDRの構造及び特性は上述されている。簡潔に記載すると、伝統的な抗体では、CDRは、抗原への結合及び認識を担う領域をそれが構成する場所である重鎖可変領域及び軽鎖可変領域においてフレームワーク内に組み込まれている。可変領域は、フレームワーク領域(前出のKabat et al.,1991によってフレームワーク領域1~4(FR1、FR2、FR3、及びFR4)と命名されている。前出のChothia and Lesk,1987も併せて参照のこと)内に少なくとも3つの重鎖CDR又は軽鎖CDRを含む(前出のKabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Public Health Service N.I.H.,Bethesda,MDを参照のこと。Chothia and Lesk,1987,J.Mol.Biol.196:901-917、Chothia et al.,1989,Nature 342:877-883も併せて参照のこと)。しかしながら、本明細書で提供されるCDRは、伝統的な抗体構造の抗原結合ドメインを定義するために使用してよいだけでなく、本明細書に記載のさまざまな他のポリペプチド構造に組み込んでもよい。
1つの実施形態では、抗体又はその断片は、CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号4、10、16、22、28、34、40、46、52、58、64、70、76、82、88、94、100、106、112、118、124、130、136、142、148、154、160、166、172、178、184、190、196、202、208、214、220、226、232、238、244、250、256、262、268、274、280、286、292、298、304、310、316、322、328、334、340、346、352、358、1290、1300、1310、1320、1330、1340、及び1350からなる群から選択される配列を含むCDRL1を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号5、11、17、23、29、35、41、47、53、59、65、71、77、83、89、95、101、107、113、119、125、131、137、143、149、155、161、167、173、179、185、191、197、203、209、215、221、227、233、239、245、251、257、263、269、275、281、287、293、299、305、311、317、323、329、335、341、347、353、359、1291、1301、1311、1321、1331、1341、及び1351からなる群から選択される配列を含むCDRL2を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号6、12、18、24、30、36、42、48、54、60、66、72、78、84、90、96、102、108、114、120、126、132、138、144、150、156、162、168、174、180、186、192、198、204、210、216、222、228、234、240、246、252、258、264、270、276、282、288、294、300、306、312、318、324、330、336、342、348、354、360、1292、1302、1312、1322、1332、1342、及び1352からなる群から選択される配列を含むCDRL3を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号364、370、376、382、388、394、400、406、412、418、424、430、436、442、448、454、460、466、472、478、484、490、496、502、508、514、520、526、532、538、544、550、556、562、568、574、580、586、592、598、604、610、616、622、628、634、640、646、652、658、664、670、676、682、688、694、700、706、712、718、1293、1303、1313、1323、1333、1343、及び1353からなる群から選択される配列を含むCDRH1を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号365、371、377、383、389、395、401、407、413、419、425、431、437、443、449、455、461、467、473、479、485、491、497、503、509、515、521、527、533、539、545、551、557、563、569、575、581、587、593、599、605、611、617、623、629、635、641、647、653、659、665、671、677、683、689、695、701、707、713、719、1294、1304、1314、1324、1334、1344、及び1354からなる群から選択される配列を含むCDRH2を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号366、372、378、384、390、396、402、408、414、420、426、432、438、444、450、456、462、468、474、480、486、492、498、504、510、516、522、528、534、540、546、552、558、564、570、576、582、588、594、600、606、612、618、624、630、636、642、648、654、660、666、672、678、684、690、696、702、708、714、720、1295、1305、1315、1325、1335、1345、及び1355からなる群から選択される配列を含むCDRH3を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含み、各CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3はそれぞれ、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号364、配列番号365、及び配列番号366;配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号370、配列番号371、及び配列番号372;配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号376、配列番号377、及び配列番号378;配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号382、配列番号383、及び配列番号384;配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号388、配列番号389、及び配列番号390;配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号394、配列番号395、及び配列番号396;配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号400、配列番号401、及び配列番号402;配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号406、配列番号407、及び配列番号408;配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号412、配列番号413、及び配列番号414;配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号418、配列番号419、及び配列番号420;配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号424、配列番号425、及び配列番号426;配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号430、配列番号431、及び配列番号432;配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号436、配列番号437、及び配列番号438;配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号442、配列番号443、及び配列番号444;配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号448、配列番号449、及び配列番号450;配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号454、配列番号455、及び配列番号456;配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号460、配列番号461、及び配列番号462;配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号466、配列番号467、及び配列番号468;配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号472、配列番号473、及び配列番号474;配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号478、配列番号479、及び配列番号480;配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号484、配列番号485、及び配列番号486;配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号490、配列番号491、及び配列番号492;配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号496、配列番号497、及び配列番号498;配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号502、配列番号503、及び配列番号504;配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号508、配列番号509、及び配列番号510;配列番号154、配列番号155、配列番号156、配列番号514、配列番号515、及び配列番号516;配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号520、配列番号521、及び配列番号522;配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号526、配列番号527、及び配列番号528;配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号532、配列番号533、及び配列番号534;配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号538、配列番号539、及び配列番号540;配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号544、配列番号545、及び配列番号546;配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号550、配列番号551、及び配列番号552;配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号556、配列番号557、及び配列番号558;配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号562、配列番号563、及び配列番号564;配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号568、配列番号569、及び配列番号570;配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号574、配列番号575、及び配列番号576;配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号580、配列番号581、及び配列番号582;配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号586、配列番号587、及び配列番号588;配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号592、配列番号593、及び配列番号594;配列番号238、配列番号239、配列番号240、配列番号598、配列番号599、及び配列番号600;配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号604、配列番号605、及び配列番号606;配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号610、配列番号611、及び配列番号612;配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号616、配列番号617、及び配列番号618;配列番号262、配列番号263、配列番号264、配列番号622、配列番号623、及び配列番号624;配列番号268、配列番号269、配列番号270、配列番号628、配列番号629、及び配列番号630;配列番号274、配列番号275、配列番号276、配列番号634、配列番号635、及び配列番号636;配列番号280、配列番号281、配列番号282、配列番号640、配列番号641、及び配列番号642;配列番号286、配列番号287、配列番号288、配列番号646、配列番号647、及び配列番号648;配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号652、配列番号653、及び配列番号654;配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号658、配列番号659、及び配列番号660;配列番号304、配列番号305、配列番号306、配列番号664、配列番号665、及び配列番号666;配列番号310、配列番号311、配列番号312、配列番号670、配列番号671、及び配列番号672;配列番号316、配列番号317、配列番号318、配列番号676、配列番号677、及び配列番号678;配列番号322、配列番号323、配列番号324、配列番号682、配列番号683、及び配列番号684;配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号688、配列番号689、及び配列番号690;配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号694、配列番号695、及び配列番号696;配列番号340、配列番号341、配列番号342、配列番号700、配列番号701、及び配列番号702;配列番号346、
配列番号347、配列番号348、配列番号706、配列番号707、及び配列番号708;配列番号352、配列番号353、配列番号354、配列番号712、配列番号713、及び配列番号714;配列番号358、配列番号359、配列番号360、配列番号718、配列番号719、及び配列番号720;配列番号1290、配列番号1291、配列番号1292、配列番号1293、配列番号1294、及び配列番号1295;配列番号1300、配列番号1301、配列番号1302、配列番号1303、配列番号1304、及び配列番号1305;配列番号1310、配列番号1311、配列番号1312、配列番号1313、配列番号1314、及び配列番号1315;配列番号1320、配列番号1321、配列番号1322、配列番号1323、配列番号1324、及び配列番号1325;配列番号1330、配列番号1331、配列番号1332、配列番号1333、配列番号1334、及び配列番号1335;配列番号1340、配列番号1341、配列番号1342、配列番号1343、配列番号1344、及び配列番号1345;配列番号1350、配列番号1351、配列番号1352、配列番号1353、配列番号1354、及び配列番号1355;並びに配列番号1360、配列番号1361、配列番号1362、配列番号1363、配列番号1364、及び配列番号1365からなる群から選択される配列を含む。
別の態様では、抗原結合タンパク質は、表4A及び表4Bに記載のCDRの変異形態を1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ含み、これらはそれぞれ、表4A及び表4Bに記載のCDR配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの抗原結合タンパク質は、表4A及び表4Bに記載のCDRを1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ含み、これらはそれぞれ又はまとめて、この表に記載のCDRとは1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、又は5つ以下のアミノ酸が異なる。
さまざまな他の実施形態では、抗原結合タンパク質は、そのような抗体に由来する。例えば、1つの態様では、抗原結合タンパク質は、表4A及び表4Bに記載の特定の抗体のいずれかを対象とする行の1つに記載のCDRを1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つすべて含む。別の態様では、抗原結合タンパク質は、表4A及び表4Bの抗体を対象とする行の1つに記載のCDRの変異形態を1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ含み、CDRはそれぞれ、表4A及び表4Bに記載のCDR配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの抗原結合タンパク質は、表4A及び表4Bの行の1つに記載のCDRを1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ含み、これらはそれぞれ、これらの表に記載のCDRとは1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、又は5つ以下のアミノ酸が異なる。別の態様では、抗原結合タンパク質は、表4A及び表4Bの行に記載のCDRを6つすべて含み、CDRに対するアミノ酸の変更総数は、まとめて1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、又は5つ以下のアミノ酸である。
1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号963、967、971、975、979、983、987、991、995、999、1003、1007、1011、1015、1019、1023、1027、1031、1035、1039、1043、1047、1051、1055、1059、1063、1067、1071、1075、1079、1083、1087、1091、1095、1099、1103、1107、1111、1115、1119、1123、1127、1131、1135、1139、1143、1147、1151、1155、1159、1163、1167、1171、1175、1179、1183、1187、1191、1195、1199、1288、1298、1308、1318、1328、1338、1348、及び1358からなる群から選択される配列を含む軽鎖を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号964、968、972、976、980、984、988、992、996、1000、1004、1008、1012、1016、1020、1024、1028、1032、1036、1040、1044、1048、1052、1056、1060、1064、1068、1072、1076、1080、1084、1088、1092、1096、1100、1104、1108、1112、1116、1120、1124、1128、1132、1136、1140、1144、1148、1152、1156、1160、1164、1168、1172、1176、1180、1184、1188、1192、1196、1200、1289、1299、1309、1319、1329、1339、1349、及び1359からなる群から選択される配列を含む重鎖を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号963、967、971、975、979、983、987、991、995、999、1003、1007、1011、1015、1019、1023、1027、1031、1035、1039、1043、1047、1051、1055、1059、1063、1067、1071、1075、1079、1083、1087、1091、1095、1099、1103、1107、1111、1115、1119、1123、1127、1131、1135、1139、1143、1147、1151、1155、1159、1163、1167、1171、1175、1179、1183、1187、1191、1195、1199、1288、1298、1308、1318、1328、1338、1348、及び1358からなる群から選択される配列を含む軽鎖と、配列番号964、968、972、976、980、984、988、992、996、1000、1004、1008、1012、1016、1020、1024、1028、1032、1036、1040、1044、1048、1052、1056、1060、1064、1068、1072、1076、1080、1084、1088、1092、1096、1100、1104、1108、1112、1116、1120、1124、1128、1132、1136、1140、1144、1148、1152、1156、1160、1164、1168、1172、1176、1180、1184、1188、1192、1196、1200、1289、1299、1309、1319、1329、1339、1349、及び1359からなる群から選択される配列を含む重鎖と、を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号963を含む軽鎖及び配列番号964を含む重鎖、配列番号967を含む軽鎖及び配列番号968を含む重鎖、配列番号971を含む軽鎖及び配列番号972を含む重鎖、配列番号975を含む軽鎖及び配列番号976を含む重鎖、配列番号979を含む軽鎖及び配列番号980を含む重鎖、配列番号983を含む軽鎖及び配列番号984を含む重鎖、配列番号987を含む軽鎖及び配列番号988を含む重鎖、配列番号991を含む軽鎖及び配列番号992を含む重鎖、配列番号995を含む軽鎖及び配列番号996を含む重鎖、配列番号999を含む軽鎖及び配列番号1000を含む重鎖、配列番号1003を含む軽鎖及び配列番号1004を含む重鎖、配列番号1007を含む軽鎖及び配列番号1008を含む重鎖、配列番号1011を含む軽鎖及び配列番号1012を含む重鎖、配列番号1015を含む軽鎖及び配列番号1016を含む重鎖、配列番号1019を含む軽鎖及び配列番号1020を含む重鎖、配列番号1023を含む軽鎖及び配列番号1024を含む重鎖、配列番号1027を含む軽鎖及び配列番号1028を含む重鎖、配列番号1031を含む軽鎖及び配列番号1032を含む重鎖、配列番号1035を含む軽鎖及び配列番号1036を含む重鎖、配列番号1039を含む軽鎖及び配列番号1040を含む重鎖、配列番号1043を含む軽鎖及び配列番号1044を含む重鎖、配列番号1047を含む軽鎖及び配列番号1048を含む重鎖、配列番号1051を含む軽鎖及び配列番号1052を含む重鎖、配列番号1055を含む軽鎖及び配列番号1056を含む重鎖、配列番号1059を含む軽鎖及び配列番号1060を含む重鎖、配列番号1063を含む軽鎖及び配列番号1064を含む重鎖、配列番号1067を含む軽鎖及び配列番号1068を含む重鎖、配列番号1071を含む軽鎖及び配列番号1072を含む重鎖、配列番号1075を含む軽鎖及び配列番号1076を含む重鎖、配列番号1079を含む軽鎖及び配列番号1080を含む重鎖、配列番号1083を含む軽鎖及び配列番号1084を含む重鎖、配列番号1087を含む軽鎖及び配列番号1088を含む重鎖、配列番号1091を含む軽鎖及び配列番号1092を含む重鎖、配列番号1095を含む軽鎖及び配列番号1096を含む重鎖、配列番号1099を含む軽鎖及び配列番号1100を含む重鎖、配列番号1103を含む軽鎖及び配列番号1104を含む重鎖、配列番号1107を含む軽鎖及び配列番号1108を含む重鎖、配列番号1111を含む軽鎖及び配列番号1112を含む重鎖、配列番号1115を含む軽鎖及び配列番号1116を含む重鎖、配列番号1119を含む軽鎖及び配列番号1120を含む重鎖、配列番号1123を含む軽鎖及び配列番号1124を含む重鎖、配列番号1127を含む軽鎖及び配列番号1128を含む重鎖、配列番号1131を含む軽鎖及び配列番号1132を含む重鎖、配列番号1135を含む軽鎖及び配列番号1136を含む重鎖、配列番号1139を含む軽鎖及び配列番号1140を含む重鎖、配列番号1143を含む軽鎖及び配列番号1144を含む重鎖、配列番号1147を含む軽鎖及び配列番号1148を含む重鎖、配列番号1151を含む軽鎖及び配列番号1152を含む重鎖、配列番号1155を含む軽鎖及び配列番号1156を含む重鎖、配列番号1159を含む軽鎖及び配列番号1160を含む重鎖、配列番号1163を含む軽鎖及び配列番号1164を含む重鎖、配列番号1167を含む軽鎖及び配列番号1168を含む重鎖、配列番号1171を含む軽鎖及び配列番号1172を含む重鎖、配列番号1175を含む軽鎖及び配列番号1176を含む重鎖、配列番号1179を含む軽鎖及び配列番号1180を含む重鎖、配列番号1183を含む軽鎖及び配列番号1184を含む重鎖、配列番号1187を含む軽鎖及び配列番号1188を含む重鎖、配列番号1191を含む軽鎖及び配列番号1192を含む重鎖、配列番号1195を含む軽鎖及び配列番号1196を含む重鎖、配列番号1199を含む軽鎖及び配列番号1200を含む重鎖、配列番号1288を含む軽鎖及び配列番号1289を含む重鎖、配列番号1298を含む軽鎖及び配列番号1299を含む重鎖、配列番号1308を含む軽鎖及び配列番号1309を含む重鎖、配列番号1318を含む軽鎖及び配列番号1319を含む重鎖、配列番号1328を含む軽鎖及び配列番号1329を含む重鎖、配列番号1338を含む軽鎖及び配列番号1339を含む重鎖、配列番号1348を含む軽鎖及び配列番号1349を含む重鎖、並びに配列番号1358を含む軽鎖及び配列番号1359を含む重鎖、からなる群から選択される軽鎖と重鎖との組み合わせを含む。
1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号961、965、969、973、977、981、985、989、993、997、1001、1005、1009、1013、1017、1021、1025、1029、1033、1037、1041、1045、1049、1053、1057、1061、1065、1069、1073、1077、1081、1085、1089、1093、1097、1101、1105、1109、1113、1117、1121、1125、1129、1133、1137、1141、1145、1149、1153、1157、1161、1165、1169、1173、1177、1181、1185、1189、1193、1197、1361、1363、1365、1367、1369、1371、1373、及び1375からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号962、966、970、974、978、982、986、990、994、998、1002、1006、1010、1014、1018、1022、1026、1030、1034、1038、1042、1046、1050、1054、1058、1062、1066、1070、1074、1078、1082、1086、1090、1094、1098、1102、1106、1110、1114、1118、1122、1126、1130、1134、1138、1142、1146、1150、1154、1158、1162、1166、1170、1174、1178、1182、1186、1190、1194、1198、1362、1364、1366、1368、1370、1372、1374、及び1376からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号961、965、969、973、977、981、985、989、993、997、1001、1005、1009、1013、1017、1021、1025、1029、1033、1037、1041、1045、1049、1053、1057、1061、1065、1069、1073、1077、1081、1085、1089、1093、1097、1101、1105、1109、1113、1117、1121、1125、1129、1133、1137、1141、1145、1149、1153、1157、1161、1165、1169、1173、1177、1181、1185、1189、1193、1197、1361、1363、1365、1367、1369、1371、1373、及び1375からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖と、配列番号962、966、970、974、978、982、986、990、994、998、1002、1006、1010、1014、1018、1022、1026、1030、1034、1038、1042、1046、1050、1054、1058、1062、1066、1070、1074、1078、1082、1086、1090、1094、1098、1102、1106、1110、1114、1118、1122、1126、1130、1134、1138、1142、1146、1150、1154、1158、1162、1166、1170、1174、1178、1182、1186、1190、1194、1198、1362、1364、1366、1368、1370、1372、1374、及び1376からなる群から選択される配列を含む重鎖と、を含む。1つの実施形態では、抗体又はその断片は、配列番号961を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号962を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号965を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号966を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号969を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号970を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号973を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号974を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号977を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号978を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号981を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号982を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号985を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号986を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号989を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号990を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号993を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号994を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号997を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号998を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1001を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1002を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1005を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1006を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1009を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1010を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1013を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1014を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1017を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1018を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1021を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1022を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1025を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1026を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1029を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1030を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1033を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1034を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1037を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1038を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1041を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1042を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1045を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1046を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1049を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1050を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1053を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1054を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1057を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1058を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1061を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1062を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1065を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1066を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1069を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1070を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1073を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1074を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1077を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1078を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1081を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1082を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1085を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1086を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1089を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1090を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1093を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1094を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1097を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1098を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1101を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1102を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1105を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1106を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1109を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1110を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1113を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1114を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1117を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1118を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1121を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1122を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1125を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1126を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1129を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1130を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1133を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1134を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1137を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1138を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1141を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1142を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1145を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1146を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1149を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1150を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1153を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1154を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1157を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1158を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1161
を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1162を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1165を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1166を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1169を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1170を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1173を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1174を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1177を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1178を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1181を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1182を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1185を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1186を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1189を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1190を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1193を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1194を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1197を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1198を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1361を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1362を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1363を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1364を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1365を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1366を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1367を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1368を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1369を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1370を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1371を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1372を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、配列番号1373を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1374を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、並びに配列番号1375を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖及び配列番号1376を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる重鎖、からなる群から選択される軽鎖可変領域と重鎖可変領域との組み合わせを含む。
いくつかの態様では、本発明は、GIPRに結合する抗体を含み、抗体は、GIPRに結合し、GIPRがGIPに結合する可能性を低減する。
別の態様では、抗原結合タンパク質は、表5に記載の抗体の1つを対象とする行の1つに記載の全長軽鎖及び全長重鎖を含む。提供される抗原結合タンパク質のいくつかは、表5に記載の抗体の1つを対象とする行の1つに記載の全長軽鎖及び全長重鎖を含むが、例外として、鎖の1つ又は両方は、その表において特定される配列とは1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、又は15のアミノ酸残基のみが異なり、そのような配列差異はそれぞれ独立して、単一のアミノ酸の欠失、挿入、又は置換のいずれかであり、こうした欠失、挿入、及び/又は置換の結果として、表5において特定される全長配列と比較して、1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、5つ以下、6つ以下、7つ以下、8つ以下、9つ以下、10以下、11以下、12以下、13以下、14以下、又は15以下のアミノ酸が変更されている。1つの実施形態では、抗原結合タンパク質は、表5に由来する全長軽鎖及び/又は全長重鎖を含むが、N末端のメチオニンは欠失している。1つの実施形態では、抗原結合タンパク質は、表5に由来する全長軽鎖及び/又は全長重鎖を含むが、C末端のリジンは欠失している。他の抗原結合タンパク質もまた、表5に記載の抗体の1つを対象とする行の1つに記載の全長軽鎖及び全長重鎖を含むが、例外として、鎖の1つ又は両方は、軽鎖及び/又は重鎖が、表5において特定される軽鎖配列又は重鎖配列のアミノ酸配列との配列同一性が少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるという点において、その表において特定される配列とは異なる。
別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、表5に示される軽鎖ポリペプチド又は重鎖ポリペプチドのみからなる。
さらに別の態様では、表3、表4A、表4B、及び表5に記載のCDR、可変ドメイン、及び/又は全長配列を含む抗原結合タンパク質は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、多特異性抗体、又はこうしたものの抗体断片である。別の実施形態では、本明細書で提供される単離された抗原結合タンパク質の抗体断片は、表5に記載の配列を有する抗体に基づくFab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、Fv断片、ダイアボディ(diabody)、又はscFvである。
さらに別の態様では、表5において提供される単離された抗原結合タンパク質は、標識基にカップリングさせることができ、本明細書で提供される単離された抗原結合タンパク質の1つである抗原結合タンパク質と、GIPRへの結合について競合させることができる。
別の実施形態では、ヒトGIPR(例えば、配列番号1201)への特異的結合について、上記の例示の抗体又は機能性断片の1つと競合する抗原結合タンパク質が提供される。そのような抗原結合タンパク質は、本明細書に記載の抗原結合タンパク質の1つと同一のエピトープに結合し得るか、又は重複エピトープに結合し得る。例示の抗原結合タンパク質と競合する抗原結合タンパク質及び断片は、類似の機能特性を示すと予想される。例示の抗原結合タンパク質及び断片には、表3、表4A、表4B、及び表5に含まれる重鎖及び軽鎖、可変領域ドメイン、並びにCDRを有するものを含む、上記のものが含まれる。したがって、特定の例として、提供される抗原結合タンパク質には、
表4A及び表4Bに記載の抗体のいずれかを対象として記載されるCDRを6つすべて有する抗体と競合するもの、
表3に記載の抗体のいずれかを対象として記載されるVH及びVLを有する抗体と競合するもの、又は
表5に記載の抗体のいずれかを対象として特定される2つの軽鎖及び2つの重鎖を有する抗体と競合するもの、
が含まれる。
提供される抗原結合タンパク質には、GIPRに結合するモノクローナル抗体が含まれる。モノクローナル抗体は、当該技術分野において知られる任意の手法を使用して生成してよく、例えば、免疫化スケジュールの完了後に遺伝子導入動物から収集した脾臓細胞を不死化することによって生成してよい。脾臓細胞は、当該技術分野において知られる任意の手法を使用して不死化することができ、例えば、脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマを生成することよって不死化することができる。ハイブリドーマを生成する融合手順において使用するための骨髄腫細胞は、好ましくは、非抗体産生性であり、高い融合効率を有し、所望の融合細胞(ハイブリドーマ)のみの増殖を支持するある特定の選択培地において増殖することが不可能になる酵素欠損を有する。マウス融合における使用に適した細胞株の例には、Sp-20、P3-X63/Ag8、P3-X63-Ag8.653、NS1/1.Ag41、Sp210-Ag14、FO、NSO/U、MPC-11、MPC11-X45-GTG1.7、及びS194/5XXO Bulが含まれ、ラット融合において使用される細胞株の例には、R210.RCY3、Y3-Ag1.2.3、IR983F、及び4B210が含まれる。細胞融合に有用な他の細胞株は、U-266、GM1500-GRG2、LICR-LON-HMy2、及びUC729-6である。
いくつかの場合では、GIPR免疫原での動物(例えば、ヒト免疫グロブリン配列を有する遺伝子導入動物)の免疫化と、免疫化した動物からの脾臓細胞の収集と、収集した脾臓細胞を骨髄腫細胞株へと融合することによるハイブリドーマ細胞の生成と、ハイブリドーマ細胞からのハイブリドーマ細胞株の確立と、GIPRポリペプチドに結合する抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の同定と、によってハイブリドーマ細胞株が生成される。そのようなハイブリドーマ細胞株、及びそれが産生する抗GIPRモノクローナル抗体は、本出願の態様である。
ハイブリドーマ細胞株によって分泌されるモノクローナル抗体は、当該技術分野において知られる任意の手法を使用して精製することができる。ハイブリドーマ又はmAbは、さらにスクリーニングすることで、GIPR活性を増加させる能力などの特定の特性を有するmAbを同定してよい。
前述の配列に基づくキメラ抗体及びヒト化抗体も提供される。治療剤として使用するためのモノクローナル抗体は、使用前にさまざまな方法で改変してよい。1つの例は、キメラ抗体であり、キメラ抗体は、機能性の免疫グロブリン軽鎖若しくは免疫グロブリン重鎖又はその免疫学的に機能性の部分を生成するために共有結合で連結される異なる抗体に由来するタンパク質セグメントからなる抗体である。一般に、こうした重鎖及び/又は軽鎖の一部は、特定の種に由来する抗体、又は特定の抗体クラス若しくは抗体サブクラスに属する抗体における対応配列と同一又は相同的である一方で、鎖(複数可)の残部は、別の種に由来する抗体、又は別の抗体クラス若しくは抗体サブクラスに属する抗体における対応配列と同一又は相同的である。キメラ抗体に関する方法については、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855を参照のこと。これらの文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。CDR移植については、例えば、米国特許第6,180,370号、第5,693,762号、第5,693,761号、第5,585,089号、及び第5,530,101号に記載されている。
一般に、キメラ抗体を調製する目標は、意図される患者種に由来するアミノ酸の数が最大化したキメラを創出することである。1つの例は、「CDR移植」抗体であり、この抗体は、特定の種に由来する相補性決定領域(CDR)、又は特定の抗体クラス若しくは抗体サブクラスに属する相補性決定領域(CDR)を1つ又は複数含む一方で、抗体鎖(複数可)の残部は、別の種に由来する抗体、又は別の抗体クラス若しくは抗体サブクラスに属する抗体における対応配列と同一又は相同的である。ヒトにおける使用については、げっ歯類抗体に由来する可変領域又はげっ歯類抗体から選択されるCDRがヒト抗体に移植されることが多く、これによって、ヒト抗体の天然起源の可変領域又はCDRが交換される。
キメラ抗体の有用な型の1つは、「ヒト化」抗体である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト動物において最初に産生したモノクローナル抗体から生成される。このモノクローナル抗体におけるある特定のアミノ酸残基は、対応アイソタイプのヒト抗体における対応残基に相同的となるように改変され、改変されるこうしたアミノ酸残基は、典型的には、抗体の非抗原認識部分に由来するものである。ヒト化は、例えば、ヒト抗体の対応領域をげっ歯類可変領域の少なくとも一部で置換することによるさまざまな方法を使用して実施することができる(例えば、米国特許第5,585,089号及び第5,693,762号、Jones et al.,1986,Nature 321:522-525、Riechmann et al.,1988,Nature 332:323-27、Verhoeyen et al.,1988,Science 239:1534-1536を参照のこと)。
1つの態様では、本明細書で提供される抗体の軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のCDRは、同一又は異なる系統種に由来する抗体に由来するフレームワーク領域(FR)に移植される。例えば、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域であるV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12及び/又はV1及びV2のCDRをコンセンサスヒトFRに移植することができる。コンセンサスヒトFRを創出するために、ヒトのいくつかの重鎖アミノ酸配列又は軽鎖アミノ酸配列に由来するFRのアライメントをとることでコンセンサスアミノ酸配列を同定してよい。他の実施形態では、本明細書に開示の重鎖又は軽鎖のFRは、異なる重鎖又は軽鎖に由来するFRと交換される。1つの態様では、GIPR抗体の重鎖及び軽鎖のFRにおける希少アミノ酸は交換されず、残りのFRアミノ酸が交換される。「希少アミノ酸」は、FRにおいて通常ではそれが見られない位置に存在する特定のアミノ酸である。或いは、1つの重鎖又は軽鎖から移植される可変領域を、本明細書に開示のその特定の重鎖又は軽鎖の定常領域とは異なる定常領域と共に使用してよい。他の実施形態では、移植される可変領域は、一本鎖Fv抗体の一部である。
ある特定の実施形態では、ヒト以外の種に由来する定常領域をヒト可変領域(複数可)と共に使用することでハイブリッド抗体を生成することができる。
完全ヒトGIPR抗体も提供される。抗原にヒトを曝露することなく所与の抗原に特異的な完全ヒト抗体を調製するための方法が利用可能である(「完全ヒト抗体」)。完全ヒト抗体の生成を実行するために提供される特定の手段の1つは、マウス体液性免疫系の「ヒト化」である。内在性のIg遺伝子が不活性化したマウスへのヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子座の導入は、任意の所望抗原で免疫化することができる動物であるマウスにおいて完全ヒトモノクローナル抗体(mAb)を産生させる手段の1つである。完全ヒト抗体を使用することで、マウスのmAb又はマウス由来のmAbを治療剤としてヒトに投与することによって生じることがあり得る免疫原性及びアレルギー性の応答を最小化することができる。
完全ヒト抗体は、内在性の免疫グロブリンを産生せず、ヒト抗体のレパートリーを産生する能力を有する遺伝子導入動物(通常はマウス)を免疫化することによって産生することができる。これを目的とする抗原は、典型的には、6つ以上の連続アミノ酸を有し、任意選択でハプテンなどの担体に複合化される。例えば、Jakobovits et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551-2555、Jakobovits et al.,1993,Nature 362:255-258、及びBruggermann et al.,1993,Year in Immunol.7:33を参照のこと。そのような方法の1つの例では、遺伝子導入動物は、マウスの重免疫グロブリン鎖及び軽免疫グロブリン鎖をそこにコードする内在性のマウス免疫グロブリン遺伝子座を無能化し、ヒトの重鎖タンパク質及び軽鎖タンパク質をコードする遺伝子座を含むヒトゲノムDNAをマウスゲノムの大型断片に挿入することによって作製される。部分的に改変された動物は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の補完が完全には至っておらず、その後に交雑させることで所望の免疫系改変のすべてを有する動物が得られる。免疫原が投与されると、こうした遺伝子導入動物は、その免疫原に免疫特異的な抗体を産生するが、こうした抗体は、可変領域を含めて、マウスのアミノ酸配列ではなく、ヒトのアミノ酸配列を有する。そのような方法の追加詳細については、例えば、WO96/33735及びWO94/02602を参照のこと。ヒト抗体の調製するための遺伝子導入マウスに関する追加の方法は、米国特許第5,545,807号、第6,713,610号、第6,673,986号、第6,162,963号、第5,545,807号、第6,300,129号、第6,255,458号、第5,877,397号、第5,874,299号、及び第5,545,806号、PCT公開WO91/10741、WO90/04036、並びにEP546073B1及びEP546073A1に記載されている。
上記の遺伝子導入マウスは、本明細書では「HuMab」マウスと称され、内在性の[ミュー]鎖及び[カッパー]鎖の遺伝子座を不活性化する標的化変異と共に、ヒトの重鎖([ミュー]及び[ガンマ])並びに[カッパー]軽鎖の非再編成免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子の小遺伝子座(minilocus)を含む(Lonberg et al.,1994,Nature 368:856-859)。したがって、このマウスでは、マウスのIgM又は[カッパー]の発現及び免疫化に応じたその発現が低減されており、導入されたヒトの重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子は、クラス転換及び体細胞変異を受けることで高親和性のヒトIgG[カッパー]モノクローナル抗体を生成する(前出のLonberg et al.、Lonberg and Huszar,1995,Intern.Rev.Immunol.13:65-93、Harding and Lonberg,1995,Ann.N.Y Acad.Sci.764:536-546)。HuMabマウスの調製は、Taylor et al.,1992,Nucleic Acids Research 20:6287-6295、Chen et al.,1993,International Immunology 5:647-656、Tuaillon et al.,1994,J.Immunol.152:2912-2920、Lonberg et al.,1994,Nature 368:856-859、Lonberg,1994,Handbook of Exp.Pharmacology 113:49-101、Taylor et al.,1994,International Immunology 6:579-591、Lonberg and Huszar,1995,Intern.Rev.Immunol.13:65-93、Harding and Lonberg,1995,Ann.N.Y Acad.Sci.764:536-546、Fishwild et al.,1996,Nature Biotechnology 14:845-851に詳細に記載されており、これらの参考文献は、参照によってそれらの全体があらゆる目的を対象として本明細書に組み込まれる。さらに、米国特許第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,789,650号、第5,877,397号、第5,661,016号、第5,814,318号、第5,874,299号、及び第5,770,429号、並びに米国特許第5,545,807号、国際公開第WO93/1227号、第WO92/22646号、及び第WO92/03918号を参照のこと。これらすべての文献の開示内容は、参照によってそれらの全体があらゆる目的を対象として本明細書に組み込まれる。こうした遺伝子導入マウスにおけるヒト抗体の産生を利用する技術は、WO98/24893、及びMendez et al.,1997,Nature Genetics 15:146-156においても開示されており、これらの文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。例えば、GIPRに対するヒトモノクローナル抗体を生成するためにHCo7及びHCo12という遺伝子導入マウス系統を使用することができる。遺伝子導入マウスを使用するヒト抗体の産生に関する詳細は、以下にさらに提供される。
ハイブリドーマ技術を使用することで、上記のものなどの遺伝子導入マウスから所望の特異性を有する抗原特異的ヒトmAbを産生及び選択することができる。そのような抗体は、適切なベクター及び宿主細胞を使用してクローニング及び発現させてよい。或いは、抗体は、培養したハイブリドーマ細胞から収集することができる。
完全ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリから得ることもできる(Hoogenboom et al.,1991,J.Mol.Biol.227:381、及びMarks et al.,1991,J.Mol.Biol.222:581に開示されている)。ファージディスプレイ手法は、糸状バクテリオファージの表面での抗体レパートリーのディスプレイと、選択される抗原に対するその結合によるファージのその後の選択と、を介して免疫選択を模倣している。そのような手法の1つは、PCT公開第WO99/10494号(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。
GIPR結合タンパク質は、上記のCDR、可変領域、及び/又は全長鎖を有するGIPR抗原結合タンパク質の構造に基づく変異体、模倣体、誘導体、又はオリゴマーでもあり得る。
1つの実施形態では、例えば、抗原結合タンパク質は、上に開示される抗原結合タンパク質の変異形態である。例えば、抗原結合タンパク質のいくつかは、重鎖若しくは軽鎖、可変領域、又はCDRの1つ又は複数に保存的アミノ酸置換を1つ又は複数有する。
天然起源のアミノ酸は、下記の共通の側鎖特性に基づくクラスに分類し得る:
1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、
2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、
3)酸性:Asp、Glu、
4)塩基性:His、Lys、Arg、
5)鎖の配向に影響する残基:Gly、Pro、及び
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
保存的アミノ酸置換は、こうしたクラスの1つのメンバーと、同一クラスの別のメンバーとの交換を伴い得る。保存的アミノ酸置換は、非天然起源のアミノ酸残基も包含し得、こうした非天然起源のアミノ酸残基は、典型的には、生物学的な系における合成によってではなく、化学的なペプチド合成によって組み込まれる。こうしたものには、ペプチド模倣体、及びアミノ酸部分が逆転又は反転した他の形態が含まれる。
非保存的置換は、上記のクラスの1つのメンバーと、別のクラスに由来するメンバーとの交換を伴い得る。そのような置換残基は、抗体におけるヒト抗体と相同的な領域に導入するか、又はその分子の非相同的な領域に導入してよい。
ある特定の実施形態によれば、そのような変更を実施する場合、アミノ酸のハイドロパシー指数を考慮してよい。タンパク質のハイドロパシープロファイルは、それぞれのアミノ酸に数値(「ハイドロパシー指数」)を割り当てた後、ペプチド鎖に沿ってこうした値を反復して平均化することによって計算される。それぞれのアミノ酸には、その疎水性及び電荷特性に基づいてハイドロパシー指数が割り当てられており、それらは、イソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロイシン(+3.8)、フェニルアラニン(+2.8)、システイン/シスチン(+2.5)、メチオニン(+1.9)、アラニン(+1.8)、グリシン(-0.4)、スレオニン(-0.7)、セリン(-0.8)、トリプトファン(-0.9)、チロシン(-1.3)、プロリン(-1.6)、ヒスチジン(-3.2)、グルタメート(-3.5)、グルタミン(-3.5)、アスパルテート(-3.5)、アスパラギン(-3.5)、リジン(-3.9)、及びアルギニン(-4.5)である。
タンパク質に対して相互作用的な生物学的機能を付与する際のハイドロパシープロファイルの重要性は、当該技術分野において理解されている(例えば、Kyte et al.,1982,J.Mol.Biol.157:105-131を参照のこと)。ある特定のアミノ酸は、類似のハイドロパシー指数又はハイドロパシースコアを有する他のアミノ酸の代わりとなり得、依然として類似の生物学的活性を保持し得ることが知られている。ある特定の実施形態では、ハイドロパシー指数に基づく変更を実施する場合、そのハイドロパシー指数が±2以内のアミノ酸の置換が含められる。いくつかの態様では、±1以内のものが含められ、他の態様では、±0.5以内のものが含められる。
同様のアミノ酸の置換は、親水性に基づいて効率的に実施できることも当該技術分野において理解されており、特に、それによって創出される生物学的に機能性のタンパク質又はペプチドの意図が、今回の場合のように免疫学的な実施形態における使用である場合、当該技術分野においてそのように理解されている。ある特定の実施形態では、タンパク質の局所的な最大平均親水性は、その隣接アミノ酸の親水性によって支配されており、その免疫原性及び抗原結合又は免疫原性、すなわち、タンパク質の生物学的特性と相関する。
下記のアミノ酸残基には、下記の親水性値が割り当てられている:アルギニン(+3.0)、リジン(+3.0)、アスパルテート(+3.0±1)、グルタメート(+3.0±1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、スレオニン(-0.4)、プロリン(-0.5±1)、アラニン(-0.5)、ヒスチジン(-0.5)、システイン(-1.0)、メチオニン(-1.3)、バリン(-1.5)、ロイシン(-1.8)、イソロイシン(-1.8)、チロシン(-2.3)、フェニルアラニン(-2.5)、及びトリプトファン(-3.4)。ある特定の実施形態では、類似の親水性値に基づく変更を実施する場合、その親水性値が±2以内のアミノ酸の置換が含められる。他の実施形態では、±1以内のものが含められ、さらに他の実施形態では、±0.5以内のものが含められる。いくつかの場合では、親水性に基づいて一次アミノ酸配列からエピトープを同定してもよい。こうした領域は、「エピトープコア領域」とも称される。
表6には例示の保存的アミノ酸置換が示される。
Figure 0007237853000166
当業者であれば、よく知られる手法を使用して、本明細書に示されるポリペプチドの適切な変異体を決定することができるであろう。活性に重要ではないと考えられる領域を標的とすることによって活性を損なうことなく変更し得る分子の適切な領域を当業者であれば同定し得る。類似のポリペプチドの間で保存されている分子の残基及び部分も当業者であれば同定することができるであろう。追加の実施形態では、生物学的活性又は構造に重要ではあり得ない領域でさえ、生物学的活性を損なうことなく、又はポリペプチド構造に有害な影響を与えることなく、保存的アミノ酸置換に供し得る。
さらに、類似のポリペプチドにおける活性又は構造に重要な残基を同定する構造-機能試験を当業者であれば評価することができる。そのような比較を考慮することで、類似のタンパク質における活性又は構造に重要なアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基のタンパク質における重要性を予測することができる。重要であると予測されるそのようなアミノ酸残基に対して化学的に類似のアミノ酸置換を当業者であれば選択し得る。
類似のポリペプチドにおける三次元構造及びその構造に関するアミノ酸配列も当業者であれば分析することができる。そのような情報を考慮することで、その三次元構造に関して抗体のアミノ酸残基のアライメントを当業者であれば予測し得る。タンパク質の表面に存在すると予測されるアミノ酸残基は、他の分子との重要な相互作用に関与し得るため、そのような残基に根本的な変化が生じない選択を当業者であればなし得る。さらに、それぞれの所望のアミノ酸残基の位置に単一アミノ酸置換を含む試験変異体を当業者であれば生成し得る。その後、こうした変異体は、GIPR活性のためのアッセイを使用してスクリーニングされ、したがって、どのアミノ酸を変更することができ、どのアミノ酸を変更してはならないのかということに関する情報を得ることができる。換言すれば、そのような日常的な実験から集まる情報に基づくと、単独の置換又は他の変異と組み合わせた置換の追加実施を避けるべきアミノ酸位置を当業者であれば容易に決定することができる。
二次構造の予測に多くの科学刊行物が投入されてきた。Moult,1996,Curr.Op.in Biotech.7:422-427、Chou et al.,1974,Biochem.13:222-245、Chou et al.,1974,Biochemistry 113:211-222、Chou et al.,1978,Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.47:45-148、Chou et al.,1979,Ann.Rev.Biochem.47:251-276、及びChou et al.,1979,Biophys.J.26:367-384を参照のこと。さらに、現在は、二次構造の予測支援にコンピュータープログラムが利用可能である。二次構造の予測方法の1つは、ホモロジーモデリングに基づくものである。例えば、30%を超える配列同一性又は40%を超える類似性を有する2つのポリペプチド又はタンパク質は、類似の構造トポロジーを有し得る。タンパク質構造データベース(PDB)が最近充実したことで、ポリペプチド構造又はタンパク質構造に含まれるフォールドの潜在数を含めて、二次構造の予測性が向上してきた。Holm et al.,1999,Nucl.Acid.Res.27:244-247を参照のこと。所与のポリペプチド又はタンパク質に存在するフォールドの数は限られており、決定的な数の構造が解明されると、構造予測の正確性は劇的に向上することが示唆されている(Brenner et al.,1997,Curr.Op.Struct.Biol.7:369-376)。
二次構造の追加の予測方法には、「スレッディング」(Jones,1997,Curr.Opin.Struct.Biol.7:377-387、Sippl et al.,1996,Structure 4:15-19)、「プロファイル解析」(Bowie et al.,1991,Science 253:164-170、Gribskov et al.,1990,Meth.Enzym.183:146-159、Gribskov et al.,1987,Proc.Nat.Acad.Sci.84:4355-4358)、及び「evolutionary linkage(進化的関連)」(前出のHolm,1999及び前出のBrenner,1997を参照のこと)が含まれる。
いくつかの実施形態では、(1)タンパク質分解に対する感受性の低減、(2)酸化に対する感受性の低減、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性の改変、(4)リガンド若しくは抗原への結合親和性の改変、及び/又は(4)そのようなポリペプチドに対する他の物理化学的特性又は機能特性の付与若しくは改変、が生じるアミノ酸置換が実施される。例えば、天然起源の配列において単一又は複数のアミノ酸置換(ある特定の実施形態では、保存的アミノ酸置換)を実施してよい。置換は、抗体において分子間の接触部を形成するドメイン(複数可)の外側に位置する部分において実施することができる。そのような実施形態では、親配列の構造特性を実質的に変更しない保存的アミノ酸置換(例えば、親又は天然の抗原結合タンパク質を特徴付ける二次構造を損なわない1つ又は複数のアミノ酸の交換)を使用することができる。当該技術分野において認識されているポリペプチドの二次構造及び三次構造の例は、Proteins,Structures and Molecular Principles(Creighton,Ed.),1984,W.H.New York:Freeman and Company、Introduction to Protein Structure(Branden and Tooze,eds.),1991,New York:Garland Publishing、及びThornton et al.,1991,Nature 354:105に記載されており、これらの文献はそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。
好ましい抗体変異体には、システイン変異体が追加で含まれ、システイン変異体では、親又は天然のアミノ酸配列における1つ又は複数のシステイン残基が、欠失しているか、又は別のアミノ酸(例えば、セリン)で置換されている。抗体が生物学的に活性な立体構造へとリフォールディングされなくてはならないときにシステイン変異体はとりわけ有用である。システイン変異体が有するシステイン残基の数は、天然の抗体と比較して少なくあり得、典型的には、不対システインから生じる相互作用を最小化する数でさえあり得る。
開示の重鎖及び軽鎖、可変領域ドメイン、並びにCDRは、GIPRに特異的に結合することができる抗原結合領域を含むポリペプチドの調製に使用することができる。例えば、1つ又は複数のCDRを分子(例えば、ポリペプチド)に共有結合又は非共有結合で組み込むことで免疫接着物を調製することができる。より大きなポリペプチド鎖の一部としてCDR(複数可)を免疫接着物に組み込んでよく、免疫接着物においてCDR(複数可)を別のポリペプチド鎖に共有結合で連結してよく、又はCDR(複数可)を免疫接着物に非共有結合で組み込んでよい。CDR(複数可)によって、目的とする特定の抗原(例えば、GIPRポリペプチド又はそのエピトープ)に免疫接着物が特異的に結合することが可能になる。
本明細書に記載の可変領域ドメイン及びCDRに基づく模倣体(例えば、「peptide mimetic(ペプチド模倣体)」又は「peptidomimetic(ペプチド模倣体)」)も提供される。こうした類似体は、ペプチド、非ペプチド、又はペプチド領域と非ペプチド領域との組み合わせであり得る。Fauchere,1986,Adv.Drug Res.15:29、Veber and Freidinger,1985,TINS p.392、及びEvans et al.,1987,J.Med.Chem.30:1229(これらの文献は、あらゆる目的を対象として参照によって本明細書に組み込まれる)。治療的に有用なペプチドと構造的に類似したペプチド模倣体を、類似の治療効果又は予防効果を得るために使用してよい。そのような化合物は、コンピューター化分子モデリングの支援を得て開発されることが多い。一般に、ペプチド模倣体は、所望の生物学的活性(本明細書ではGIPRに特異的に結合する能力など)を示す抗体と構造的に類似しているが、当該技術分野においてよく知られる方法によって、-CHNH-、-CHS-、-CH-CH-、-CH-CH-(シス及びトランス)、-COCH-、-CH(OH)CH-、及び-CHSO-から選択される結合によって任意選択で交換されたペプチド結合を1つ又は複数有するタンパク質である。ある特定の実施形態では、安定性が向上したタンパク質を生成するために、同一の型のD-アミノ酸(例えば、L-リジンの代わりにD-リジン)で、コンセンサス配列の1つ又は複数のアミノ酸を系統的に置換してよい。さらに、コンセンサス配列又は実質的に同一のコンセンサス配列変種を含む規制ペプチドを、当該技術分野において知られる方法(Rizo and Gierasch,1992,Ann.Rev.Biochem.61:387)、当該文献は、参照によって本明細書に組み込まれる)によって生成してよく、例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を形成する能力を有する内部システイン残基を付加することによって生成してよい。
本明細書に記載の抗原結合タンパク質の誘導体も提供される。誘導体化された抗原結合タンパク質は、抗体又は断片に対して特定用途における半減期の増加などの所望の特性を付与する任意の分子又は物質を含み得る。誘導体化された抗原結合タンパク質は、例えば、検出可能(又は標識)部分(例えば、放射性分子、比色分析分子、抗原性分子、若しくは酵素分子、検出可能なビーズ(磁性若しくは高電子密度の(例えば、金)ビーズなど)、又は別の分子に結合する分子(例えば、ビオチン若しくはストレプトアビジン))、治療的又は診断的な部分(例えば、放射性部分、細胞傷害性部分、又は医薬的に活性な部分)、或いは特定用途(例えば、ヒト対象などの対象への投与、又は他のインビボ若しくはインビトロでの使用)のための抗原結合タンパク質の安定性を向上させる分子を含み得る。抗原結合タンパク質の誘導化に使用することができる分子の例には、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)及びポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。抗原結合タンパク質のアルブミン連結誘導体及びPEG化誘導体は、当該技術分野においてよく知られる手法を使用して調製することができる。ある特定の抗原結合タンパク質は、peg化された本明細書に記載の一本鎖ポリペプチドを含む。1つの実施形態では、抗原結合タンパク質は、トランスサイレチン(TTR)又はTTR変異体に複合化或いは連結される。TTR又はTTR変異体は、例えば、デキストラン、ポリ(n-ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコール(propropylene glycol)ホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、及びポリビニルアルコールからなる群から選択される化学物質で化学的に改変することができる。
他の誘導体には、GIPR抗原結合タンパク質のN末端又はC末端に異種性ポリペプチドを融合して含めた組換え融合タンパク質の発現などによる、GIPR抗原結合タンパク質と他のタンパク質又はポリペプチドとの共有結合性又は集合性の複合体が含まれる。例えば、複合化されるペプチドは、例えば、酵母アルファ因子リーダーなどの異種性のシグナル(若しくはリーダー)ポリペプチド、又はエピトープタグなどのペプチドであり得る。GIPR抗原結合タンパク質を含む融合タンパク質は、GIPR抗原結合タンパク質の精製又は同定を容易にするために付加されたペプチド(例えば、ポリ-His)を含み得る。GIPR抗原結合タンパク質は、Hopp et al.,1988,Bio/Technology6:1204及び米国特許第5,011,912号に記載のFLAGペプチドにも連結することができる。FLAGペプチドは、高度に抗原性であり、特異的なモノクローナル抗体(mAb)が可逆的に結合するエピトープを提供することで迅速なアッセイを可能にすると共に、発現する組換えタンパク質の精製を容易にする。所与のポリペプチドにFLAGペプチドが融合した融合タンパク質の調製に有用な試薬は市販されている(Sigma,St.Louis,MO)。
いくつかの実施形態では、抗原結合タンパク質は、1つ又は複数の標識を含む。「標識基」又は「標識」という用語は、任意の検出可能な標識を意味する。適切な標識基の例には、限定はされないが、下記のものが含まれる:放射性同位体若しくは放射性核種(例えば、H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光基(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドリン光体)、酵素基(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光基、ビオチン基、又は二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体向けの結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)。いくつかの実施形態では、標識基は、潜在的な立体障害を低減するためにさまざまな長さのスペーサーアームを介して抗原結合タンパク質にカップリングされる。タンパク質の標識方法は、当該技術分野においてさまざまなものが知られており、そうしたものを適切となるように使用してよい。
「エフェクター基」という用語は、抗原結合タンパク質にカップリングされ、細胞傷害性物質として作用する任意の基を意味する。適切なエフェクター基の例は、放射性同位体又は放射性核種(例えば、H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)である。他の適切な基には、毒素、治療基、化学療法基が含まれる。適切な基の例には、カリチアマイシン、アウリスタチン、ゲルダナマイシン、及びマイタンシンが含まれる。いくつかの実施形態では、エフェクター基は、潜在的な立体障害を低減するためにさまざまな長さのスペーサーアームを介して抗原結合タンパク質にカップリングされる。
一般に、標識は、それが検出されることになるアッセイに応じてさまざまなクラスに分類される:a)同位体標識(放射性又は重同位体であり得る)、b)磁性標識(例えば、磁性粒子)、c)酸化還元活性部分、d)光学色素;酵素基(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、e)ビオチン化された基、及びf)二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体向けの結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ等)。いくつかの実施形態では、標識基は、潜在的な立体障害を低減するためにさまざまな長さのスペーサーアームを介して抗原結合タンパク質にカップリングされる。タンパク質の標識方法は、当該技術分野においてさまざまなものが知られている。
特定の標識には、光学色素が含まれ、こうした光学色素には、限定はされないが、発色団、リン光体、及びフルオロフォアが含まれ、後者は多くの場合で特異的である。フルオロフォアは、「小分子」蛍光体又はタンパク質性蛍光体のいずれかであり得る。
「蛍光標識」は、その固有の蛍光特性を介して検出し得る任意の分子が意図される。適切な蛍光標識には、限定はされないが、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチル-クマリン、ピレン、マラカイトグリーン(Malacite green)、スチルベン、ルシファーイエロー(Lucifer Yellow)、Cascade BlueJ、Texas Red、IAEDANS、EDANS、BODIPY FL、LC Red640、Cy5、Cy5.5、LC Red705、Oregon green、Alexa-Fluor色素(Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor488、Alexa Fluor546、Alexa Fluor568、Alexa Fluor594、Alexa Fluor633、Alexa Fluor660、Alexa Fluor680)、Cascade Blue、Cascade Yellow、及びR-フィコエリトリン(PE)(Molecular Probes、Eugene、OR)、FITC、ローダミン、並びにTexas Red(Pierce、Rockford、IL)、Cy5、Cy5.5、Cy7(Amersham Life Science、Pittsburgh、PA)が含まれる。フルオロフォアを含む、適切な光学色素については、Molecular Probes Handbook by Richard P.Hauglandに記載されており、当該文献は参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
適切なタンパク質性蛍光標識には、限定はされないが、Renilla種、Ptilosarcus種、又はAequorea種のGFPを含む、緑色蛍光タンパク質(Chalfie et al.,1994,Science 263:802-805)、EGFP(Clontech Labs.,Inc.,Genbank受入番号U55762)、青色蛍光タンパク質(BFP、Quantum Biotechnologies,Inc.,Quebec,Canada;Stauber,1998,Biotechniques 24:462-471、Heim et al.,1996,Curr.Biol.6:178-182)、高感度黄色蛍光タンパク質(EYFP、Clontech Labs.,Inc.)、ルシフェラーゼ(Ichiki et al.,1993,J.Immunol.150:5408-5417)、βガラクトシダーゼ(Nolan et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2603-2607)、及びウミシイタケのもの(Renilla)(WO92/15673、WO95/07463、WO98/14605、WO98/26277、WO99/49019、米国特許第5292658号、第5418155号、第5683888号、第5741668号、第5777079号、第5804387号、第5874304号、第5876995号、第5925558号)もまた含まれる。
本明細書に記載の抗原結合タンパク質又はその一部をコードする核酸も提供され、こうした核酸には、抗体の1つ若しくは両方の鎖、又はその断片、誘導体、変異タンパク質、若しくは変異体をコードする核酸と、重鎖可変領域又はCDRのみをコードするポリヌクレオチドと、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの同定、分析、変異導入、又は増幅のためのハイブリダイゼーションプローブ、PCRプライマー、又はシークエンシングプライマーとしての使用に十分なポリヌクレオチドと、ポリヌクレオチドの発現を阻害するためのアンチセンス核酸と、こうしたものの相補配列と、が含まれる。核酸は、任意の長さであり得る。核酸は、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、750、1,000、1,500、3,000、5,000、又はそれを超える数のヌクレオチド長であり得、及び/又は例えば、調節配列などの追加の配列を1つ若しくは複数含み得、及び/又は例えば、ベクターなどの、より長い核酸の一部であり得る。核酸は、一本鎖又は二本鎖であり得、RNA及び/又はDNAヌクレオチド、及びその人工的な変異体(例えば、ペプチド核酸)を含み得る。本明細書で提供される任意の可変領域をこうした定常領域に付加することで完全な重鎖配列及び軽鎖配列を形成し得る。しかしながら、こうした定常領域配列は、特定の例として提供されるにすぎないことを理解されるべきである。いくつかの実施形態では、可変領域配列は、当該技術分野において知られる他の定常領域配列に連結される。
ある特定の抗原結合タンパク質又はその一部(例えば、全長抗体、重鎖若しくは軽鎖、可変ドメイン、又はCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、若しくはCDRL3)をコードする核酸は、GIPR又はその免疫原性断片で免疫化したマウスのB細胞から単離してよい。核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの通常の手順によって単離してよい。ファージディスプレイは、それによって抗体及び他の抗原結合タンパク質の誘導体を調製し得る既知の手法の別の例である。1つの手法では、目的とする抗原結合タンパク質の構成要素であるポリペプチドは、任意の適切な組換え発現系において発現され、発現したポリペプチドは、会合によって抗原結合タンパク質を形成することが可能である。
1つの態様では、特定のハイブリダイゼーション条件下で他の核酸にハイブリダイズする核酸がさらに提供される。核酸のハイブリダイズ法は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6を参照のこと。本明細書に定義される中程度に厳密なハイブリダイゼーション条件では、5x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、0.5%のSDS、1.0mMのEDTA(pH8.0)を含む事前洗浄液、約50%ホルムアミド、6xSSCを含むハイブリダイゼーション緩衝液、及び約55℃のハイブリダイゼーション温度(又は約50%のホルムアミドを含むものなどの、他の類似のハイブリダイゼーション溶液が42℃のハイブリダイゼーション温度で使用される)、並びに0.5xSSC、0.1%のSDSにおいて60℃で行う洗浄条件が使用される。厳密なハイブリダイゼーション条件では、6xSSCにおいて45℃でハイブリダイゼーションが実施された後、0.1xSSC、0.2%のSDSにおいて68℃で1回又は複数回の洗浄が実施される。さらに、当業者であれば、ハイブリダイゼーションの厳密性が増加又は減少するようにハイブリダイゼーション条件及び/又は洗浄条件を操作することができ、その結果、互いに少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む核酸は、典型的には、互いにハイブリダイズした状態を保持する。
ハイブリダイゼーション条件の選択に影響する基本パラメーター、及び適切な条件を考案するためのガイダンスは、例えば、Sambrook,Fritsch,and Maniatis(前出の2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、及びCurrent Protocols in Molecular Biology,1995,Ausubel et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,sections 2.10 and 6.3-6.4)によって示されており、例えば、核酸の長さ及び/又は塩基組成に基づいて当業者が容易に決定することができる。
核酸への変異導入によって変更を導入することができ、それによってその核酸がコードするポリペプチド(例えば、抗体又は抗体誘導体)のアミノ酸配列に変更が生じる。変異は、当該技術分野において知られる任意の手法を使用して導入することができる。1つの実施形態では、例えば、部位特異的変異導入プロトコールを使用して1つ又は複数の特定のアミノ酸残基が変更される。別の実施形態では、例えば、ランダム変異導入プロトコールを使用し、1つ又は複数の無作為に選択される残基が変更される。実施方法はどうあれ、変異ポリペプチドを発現させ、その所望の特性をスクリーニングすることができる。
変異は、それがコードするポリペプチドの生物学的活性を顕著に改変することなく核酸に導入することができる。例えば、非必須アミノ酸残基位置でのアミノ酸置換につながるヌクレオチド置換を実施することができる。或いは、それがコードするポリペプチドの生物学的活性を選択的に変更する1つ又は複数の変異を核酸に導入することができる。例えば、変異によって生物学的活性を量的又は質的に変更することができる。量的な変更の例には、活性の増加、低減、又は除去が含まれる。質的な変更の例には、抗体の抗原特異性の変更が含まれる。1つの実施形態では、本明細書に記載の抗原結合タンパク質のいずれかをコードする核酸は、当該技術分野においてよく確立された分子生物学手法を使用して変異導入することでアミノ酸配列を改変することができる。
別の態様では、核酸配列の検出のためのプライマー又はハイブリダイゼーションプローブとしての使用に適した核酸分子が提供される。核酸分子は、全長ポリペプチドをコードする核酸配列の一部のみを含み得、例えば、プローブ若しくはプライマーとして使用することができる断片、又はポリペプチドの活性部分をコードする断片である。
核酸の配列に基づくプローブは、核酸又は類似の核酸の検出に使用することができ、こうした類似の核酸は、例えば、1つのポリペプチドをコードする複数の転写物である。プローブは、例えば、放射性同位体、蛍光化合物、酵素、又は酵素の補因子などの標識基を含み得る。そのようなプローブは、ポリペプチドを発現する細胞の同定に使用することができる。
別の態様では、ポリペプチド又はその一部(例えば、1つ若しくは複数のCDR又は1つ若しくは複数の可変領域ドメインを含む断片)をコードする核酸を含むベクターが提供される。ベクターの例には、限定はされないが、プラスミド、ウイルスベクター、非エピソーム哺乳類ベクター、及び発現ベクター(例えば、組換え発現ベクター)が含まれる。組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適した形態の核酸を含み得る。組換え発現ベクターは、発現に使用されることになる宿主細胞に基づいて選択される1つ又は複数の調節配列を含み、こうした調節配列は、発現することになる核酸配列に機能可能なように連結される。調節配列には、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の恒常的な発現を誘導するもの(例えば、SV40初期遺伝子エンハンサー、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、及びサイトメガロウイルスプロモーター)、ある特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配列の発現を誘導するもの(例えば、組織特異的調節配列であり、Voss et al.,1986,Trends Biochem.Sci.11:287、Maniatis et al.,1987,Science 236:1237を参照のこと。当該文献は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる)、並びに特定の処理又は条件に応じてヌクレオチド配列の誘導性の発現を誘導するもの(例えば、哺乳類細胞におけるメタロチオニン(metallothionin)プロモーター、並びに原核生物系と真核生物系との両方におけるテトラサイクリン(tet)応答性及び/又はストレプトマイシン応答性プロモーター(同文献を参照のこと)が含まれる。発現ベクターの設計は、形質転換されることになる宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に依存し得ることを当業者であれば理解するであろう。発現ベクターは、宿主細胞に導入することによって、本明細書に記載の核酸によってコードされる融合タンパク質又はペプチドを含む、タンパク質又はペプチドを生成することができる。
別の態様では、組換え発現ベクターが導入された宿主細胞が提供される。宿主細胞は、任意の原核細胞(例えば、E.coli)又は真核細胞(例えば、酵母、昆虫、若しくは哺乳類細胞(例えば、CHO細胞))であり得る。ベクターDNAは、通常の形質転換手法又は遺伝子導入手法を介して原核細胞又は真核細胞に導入することができる。哺乳類細胞の安定した遺伝子導入は、使用される発現ベクター及び遺伝子導入手法に依存し、僅かな細胞画分のみでそのゲノムへの外来DNAの組み込みが生じ得ることが知られている。こうした組み込み体を同定及び選択するために、選択可能マーカー(例えば、抗生物質耐性のためのもの)をコードする遺伝子が、目的とする遺伝子と共に宿主細胞に導入されることが一般的である。好ましい選択可能マーカーには、G418、ハイグロマイシン、及びメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与するものが含まれる。導入核酸が安定的に遺伝子導入された細胞は、数ある方法の中でも特に、薬物選択によって同定することができる(例えば、選択可能マーカー遺伝子が組み込まれた細胞は生き延びることになるが、その他の細胞は死に至る)。
上記のポリヌクレオチドを少なくとも1つ含む、プラスミド、発現ベクター、転写カセット、又は発現カセットの形態の発現系及び構築物、並びにそのような発現系又は構築物を含む宿主細胞も本明細書で提供される。
本明細書で提供される抗原結合タンパク質は、多くの通常の手法のいずれによって調製してもよい。例えば、GIPR抗原結合タンパク質は、当該技術分野において知られる任意の手法を使用して組換え発現系によって生成し得る。例えば、Monoclonal Antibodies,Hybridomas:A New Dimension in Biological Analyses,Kennet et al.(eds.)Plenum Press,New York(1980)、及びAntibodies:A Laboratory Manual,Harlow and Lane(eds.),Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1988)を参照のこと。
抗原結合タンパク質は、ハイブリドーマ細胞株(例えば、具体的には、抗体をハイブリドーマにおいて発現させてよい)又はハイブリドーマ以外の細胞株において発現させることができる。抗体をコードする発現構築物は、哺乳類宿主細胞、昆虫宿主細胞、又は微生物宿主細胞の形質転換に使用することができる。形質転換は、宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための任意の既知の方法を使用して実施することができ、こうした方法には、例えば、当該技術分野において知られる遺伝子導入手順によってウイルス又はバクテリオファージにポリヌクレオチドをパッケージングし、その構築物で宿主細胞の形質導入を行うものが含まれ、こうした方法は、米国特許第4,399,216号、第4,912,040号、第4,740,461号、第4,959,455号によって例示されている。使用される最適な形質転換手順は、形質転換される宿主細胞がどの型かということに依存することになる。哺乳類細胞への異種性ポリヌクレオチドの導入方法は当該技術分野においてよく知られており、こうした導入方法には、限定はされないが、デキストラン介在型遺伝子導入、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン介在型遺伝子導入、プロトプラスト融合、電気穿孔、リポソームへのポリヌクレオチド(複数可)の封入、核酸と正に荷電した脂質との混合、及び核へのDNAの直接的なマイクロインジェクションが含まれる。
組換え発現構築物は、典型的には、下記のものの1つ又は複数を含むポリペプチドをコードする核酸分子を含む:本明細書で提供されるCDRの1つ若しくは複数、軽鎖定常領域、軽鎖可変領域、重鎖定常領域(例えば、C1、C2、及び/又はC3)、及び/又はGIPR抗原結合タンパク質の別の骨格部分。こうした核酸配列は、標準的な核酸連結手法を使用して適切な発現ベクターに挿入される。1つの実施形態では、重鎖定常領域又は軽鎖定常領域は、抗GIPR特異的な重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のC末端に付加され、発現ベクターに連結される。ベクターは、典型的には、用いられる特定の宿主細胞において機能性となるように選択される(すなわち、ベクターは、宿主の細胞機構と適合し、遺伝子の増幅及び/又は発現を可能にし得る)。いくつかの実施形態では、ジヒドロ葉酸還元酵素などのタンパク質レポーターを使用するタンパク質-断片補完アッセイを用いるベクターが使用される(例えば、米国特許第6,270,964号を参照のこと。当該文献は、参照によって本明細書に組み込まれる)。適切な発現ベクターは、例えば、Invitrogen Life Technologies又はBD Biosciences(以前は「Clontech」)から購入することができる。抗体及び断片のクローニング及び発現に有用な他のベクターには、Bianchi and McGrew,2003,Biotech.Biotechnol.Bioeng.84:439-44に記載のものが含まれ、当該文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。追加の適切な発現ベクターは、例えば、Methods Enzymol.,vol.185(D.V.Goeddel,ed.),1990,New York:Academic Pressにおいて議論されている。
典型的には、宿主細胞のいずれかにおいて使用される発現ベクターは、プラスミドを維持するための配列と、外来性ヌクレオチド配列のクローニング及び発現のための配列と、を含むことになる。そのような配列は、まとめて「隣接配列」と称され、ある特定の実施形態では、典型的には、下記のヌクレオチド配列の1つ又は複数を含むことになる:プロモーター、1つ又は複数のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、ドナースプライス部位及びアクセプタープライス部位を含む完全イントロン配列、ポリペプチドの分泌のためのリーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現することになるポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、並びに選択可能マーカー要素。こうした配列はそれぞれ、以下に議論される。
任意選択で、ベクターは、「タグ」をコードする配列、すなわち、GIPR抗原結合タンパク質をコードする配列の5’末端又は3’末端に位置するオリゴヌクレオチド分子を含み得、こうしたオリゴヌクレオチド配列は、ポリHis(ヘキサHisなど)をコードするか、又はそれに対する市販の抗体が存在する、FLAG(登録商標)、HA(インフルエンザウイルスのヘマグルチニン)、若しくはmycなどの別の「タグ」をコードする。このタグは、典型的には、ポリペプチドの発現に際してポリペプチドに融合され、宿主細胞からのGIPR抗原結合タンパク質の親和性精製又は検出のための手段として役立てることができる。親和性精製は、例えば、タグに対する抗体を親和性マトリックスとして使用するカラムクロマトグラフィーによって達成することができる。その後、任意選択で、切断のためにある特定のペプチダーゼを使用するなど、さまざまな手段によって精製GIPR抗原結合タンパク質からタグを除去することができる。
隣接配列は、同種性(すなわち、宿主細胞と同一の種及び/又は株に由来する)、異種性(すなわち、宿主細胞の種又は株以外の種に由来する)、ハイブリッド(すなわち、複数の供給源に由来する隣接配列の組み合わせ)、合成のもの、或いは天然のものであり得る。したがって、隣接配列の供給源は、任意の原核生物若しくは真核生物、任意の脊椎生物若しくは無脊椎生物、又は任意の植物であり得るが、但し、隣接配列が宿主の細胞機構において機能性であり、宿主の細胞機構によって活性化可能であることが条件である。
ベクターにおいて有用な隣接配列は、当該技術分野においてよく知られるいくつかの方法のいずれによって得てもよい。典型的には、本明細書で有用な隣接配列は、マッピング及び/又は制限エンドヌクレアーゼ消化によって事前に同定されていることになるため、適切な制限エンドヌクレアーゼを使用し、適切な組織源から単離することができる。場合によっては、隣接配列のヌクレオチド配列のすべてが既知であり得る。この場合、核酸合成又はクローニングのための本明細書に記載の方法を使用して隣接配列を合成してよい。
隣接配列のすべてが既知であるか、又はその一部のみが既知であるかを問わず、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して隣接配列を得てよく、及び/又は同一若しくは別の種に由来するオリゴヌクレオチド及び/又は隣接配列断片などの適切なプローブを用いたゲノムライブラリのスクリーニングによって隣接配列を得てよい。隣接配列が未知である場合、隣接配列を含むDNAの断片は、例えば、コード配列又は1つ若しくは複数の別の遺伝子さえ含み得るDNAの大型断片から単離してよい。制限エンドヌクレアーゼで消化することで適切なDNA断片を生成した後、アガロースゲルによる精製、Qiagen(登録商標)のカラムクロマトグラフィー(Chatsworth,CA)、又は当業者に知られる他の方法を使用して単離することによって単離を達成してよい。当業者であればこの目的を達成するための適切な酵素の選択を容易に考えつくであろう。
複製起点は、典型的には、商業的に購入された原核生物発現ベクターの一部であり、起点は、宿主細胞におけるベクターの増幅に役立つ。選択するベクターが複製部位の起点を含まないのであれば、既知の配列に基づいて化学的に合成し、ベクターに連結してよい。例えば、プラスミドpBR322(New England Biolabs,Beverly,MA)に由来する複製起点は、ほとんどのグラム陰性細菌に適しており、さまざまなウイルス性の起点(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、又はHPV若しくはBPVなどのパピローマウイルス)が哺乳類細胞におけるベクターのクローニングに有用である。一般に、複製要素の起点は、哺乳類の発現ベクターには不要である(例えば、SV40の起点は、それがウイルス性の初期プロモーターも含むという理由だけで使用されることが多い)。
転写終結配列は、典型的には、ポリペプチドをコードする領域の末端に対して3’側に位置し、転写の終結に役立つ。通常、原核細胞における転写終結配列は、G-C含量の高い断片であり、ポリ-T配列が後に続く。この配列は、ライブラリから容易にクローニングされるか、又はベクターの一部として商業的に購入さえされる一方で、本明細書に記載のものなどの、核酸合成のための方法を使用しても容易に合成することもできる。
選択可能マーカー遺伝子は、選択培地において増殖する宿主細胞の生存及び増殖に必要なタンパク質をコードする。典型的な選択マーカー遺伝子は、(a)原核宿主細胞については、例えば、アンピシリン、テトラサイクリン、若しくはカナマイシンなどの抗生物質若しくは他の毒素に対する耐性を付与するタンパク質、(b)細胞の栄養要求性の欠損を補完するタンパク質、又は(c)複合培地若しくは定義培地からは利用不可能な重要栄養素を供給するタンパク質をコードする。特定の選択可能マーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、及びテトラサイクリン耐性遺伝子である。好都合なことに、原核宿主細胞と真核宿主細胞との両方における選択にネオマイシン耐性遺伝子を使用してもよい。
発現することになる遺伝子の増幅に他の選択可能遺伝子を使用してよい。増幅は、増殖又は細胞の生存に重要なタンパク質の産生に必要な遺伝子が、組換え細胞の後継世代の染色体内に直列で反復して生じるプロセスである。哺乳類細胞に適した選択可能マーカーの例には、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子、及びプロモーターの存在しないチミジンキナーゼ遺伝子が含まれる。哺乳類細胞の形質転換体は、ベクターに選択可能遺伝子が存在するという理由で形質転換体のみが独特に生存適応する選択圧力下に置かれる。培地中の選択薬剤濃度を連続的に増加させる条件下で形質転換細胞を培養することによって選択圧力をかけ、それによって選択可能遺伝子と、GIPRポリペプチドに結合する抗原結合タンパク質などの別の遺伝子をコードするDNAと、の両方が増幅される。結果として、増幅されたDNAから合成される抗原結合タンパク質などのポリペプチドの量が増加する。
リボソーム結合部位は、通常、mRNAの翻訳の開始に必要であり、シャイン・ダルガーノ配列(原核生物)又はコザック配列(真核生物)によって特徴付けられる。要素は、典型的には、プロモーターに対しては3’側に位置し、発現することになるポリペプチドのコード配列に対しては5’側に位置する。
真核宿主細胞発現系においてグリコシル化が望まれる場合など、場合によっては、グリコシル化又は収量を改善するためにさまざまなプレ配列又はプロ配列の操作を実施してよい。例えば、特定のシグナルペプチドのペプチダーゼ切断部位を改変するか、又はプロ配列を追加してよく、こうしたことは、グリコシル化にも影響を与え得る。最終的なタンパク質産物は、発現に伴って完全には除去されずに残存し得た1つ又は複数の追加のアミノ酸を(成熟タンパク質の最初のアミノ酸に対して)-1の位置に有し得る。例えば、最終的なタンパク質産物には、ペプチダーゼ切断部位に見られるアミノ酸残基がアミノ末端に1つ又は2つ付加されて存在し得る。或いは、酵素による切断部位をいくつか使用すると、成熟ポリペプチド内のそのような領域を酵素が切断するのであれば、結果的に所望のポリペプチドが僅かに切り詰められた形態で生じ得る。
発現及びクローニングは、典型的には、宿主生物によって認識され、GIPR抗原結合タンパク質をコードする分子に機能可能なように連結されたプロモーターを含むことになる。プロモーターは、構造遺伝子(一般に、約100~1000bp以内)の開始コドンの上流(すなわち、5’側)に位置し、構造遺伝子の転写を制御する非転写配列である。プロモーターは、慣例的に、誘導性プロモーター及び恒常性プロモーターという2つのクラスのうちの1つに分類される。誘導性プロモーターは、栄養素の有無又は温度変化などの、培養条件の何らかの変化に応じて、その制御下のDNAからの転写のレベルの増加を引き起こす。一方、恒常性プロモーターは、それが機能可能なように連結された遺伝子を一様に転写し、すなわち、遺伝子の発現は、ほとんど制御されないか、又は全く制御されない。さまざまな潜在的宿主細胞によって認識されるプロモーターは、非常に多くのものがよく知られている。制限酵素消化によって供給源のDNAからプロモーターを取り出し、所望のプロモーター配列をベクターに挿入することによって、GIPR抗原結合タンパク質を構成する重鎖又は軽鎖をコードするDNAに対して適切なプロモーターが機能可能なように連結される。
酵母宿主での使用に適したプロモーターも当該技術分野においてよく知られている。酵母エンハンサーは、酵母プロモーターと共に有利に使用される。哺乳類宿主細胞での使用に適したプロモーターはよく知られており、こうしたプロモーターには、限定はされないが、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2型など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及びサルウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから得られたものが含まれる。他の適切な哺乳類プロモーターには、例えば、熱ショックプロモーター及びアクチンプロモーターなどの異種性の哺乳類プロモーターが含まれる。
GIPR抗原結合タンパク質を構成する軽鎖又は重鎖をコードするDNAの、高等真核生物による転写を増加させるために、ベクターにエンハンサー配列を挿入してよい。エンハンサーは、プロモーターに作用することで転写を増加させるシス作用性のDNA要素であり、通常、その長さは約10~300bpである。エンハンサーは、転写単位の5’側と3’側との両方の位置に見出されており、配向及び位置に相対的に依存性である。哺乳類遺伝子(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、アルファ-胎児タンパク質、及びインスリン)由来の利用可能なエンハンサー配列がいくつか知られている。しかしながら、典型的には、ウイルスに由来するエンハンサーが使用される。SV40のエンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターのエンハンサー、ポリオーマのエンハンサー、及びアデノウイルスのエンハンサーが当該技術分野において知られており、こうしたエンハンサーは、真核生物プロモーターを活性化するための増進要素の例である。エンハンサーは、ベクターにおいてコード配列の5’側又は3’側のいずれに位置してもよいが、典型的には、プロモーターの5’側の部位に位置する。細胞外への抗体の分泌を促進するために、適切な天然又は異種性のシグナル配列(リーダー配列又はシグナルペプチド)をコードする配列を発現ベクターに組み込むことができる。シグナルペプチド又はリーダーの選択は、抗体が産生することになる宿主細胞の型に依存し、天然のシグナル配列を異種性のシグナル配列と交換することができる。哺乳類宿主細胞において機能性であるシグナルペプチドの例には、下記のものが含まれる:米国特許第4,965,195号に記載のインターロイキン-7(IL-7)のシグナル配列、Cosman et al.,1984,Nature 312:768に記載のインターロイキン-2受容体のシグナル配列、EP特許第0367566号に記載のインターロイキン-4受容体のシグナルペプチド、米国特許第4,968,607号に記載のI型のインターロイキン-1受容体のシグナルペプチド、EP特許第0460846号に記載のII型のインターロイキン-1受容体のシグナルペプチド。
1つの実施形態では、リーダー配列は、配列番号1218(atggacatga gagtgcctgc acagctgctg ggcctgctgc tgctgtggct gagaggcgcc agatgc)によってコードされる配列番号1217(MDMRVPAQLL GLLLLWLRGA RC)を含む。別の実施形態では、リーダー配列は、配列番号1220(atggcctggg ctctgctgct cctcaccctc ctcactcagg gcacagggtc ctgggcc)によってコードされる配列番号1219(MAWALLLLTL LTQGTGSWA)を含む。
提供される発現ベクターは、市販のベクターなどの出発ベクターから構築してよい。そのようなベクターは、所望の隣接配列のすべてを含んでも含まなくてもよい。本明細書に記載の隣接配列の1つ又は複数がベクターに最初から存在しない場合、それらを個々に得てベクターに連結してよい。それぞれの隣接配列の取得に使用される方法は、当業者によく知られている。
ベクターを構築し、GIPR抗原結合配列を構成する軽鎖、重鎖、又は軽鎖及び重鎖をコードする核酸分子をベクターの適切な部位に挿入した後、増幅及び/又はポリペプチド発現のための適切な宿主細胞に完成ベクターを挿入してよい。抗原結合タンパク質のための発現ベクターでの選択宿主細胞への形質転換は、遺伝子導入、感染、リン酸カルシウムによる共沈、電気穿孔、マイクロインジェクション、リポフェクション、DEAE-デキストラン介在型遺伝子導入、又は他の既知の手法を含む、よく知られる方法によって達成してよい。選択される方法は、使用されることになる宿主細胞の型に一部依存することになる。こうした方法及び他の適切な方法は、当業者によく知られており、例えば、前出のSambrook et al.,2001に示されている。
宿主細胞は、適切な条件下で培養されると、抗原結合タンパク質を合成し、こうした抗原結合タンパク質は、(宿主細胞がそれを培地に分泌するのであれば)培地から続けて収集するか、又は(それが分泌されないのであれば)それを産生する宿主細胞から直接的に収集することができる。適切な宿主細胞の選択は、さまざまな因子に依存することになり、こうした因子は、所望の発現レベル、活性に望ましいか又は必須のポリペプチド修飾(グリコシル化又はリン酸化など)、及び生物学的に活性な分子へのフォールディングのし易さなどである。
発現のための宿主として利用可能な哺乳類細胞株は、当該技術分野においてよく知られており、こうした哺乳類細胞株には、限定はされないが、American Type Culture Collection(ATCC)から利用可能な不死化細胞株(限定はされないが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、及び多くの他の細胞株を含む)が含まれる。ある特定の実施形態では、GIPR結合特性を有する抗原結合タンパク質をどの細胞株が高レベルで発現し、恒常的に産生するかを決定することによって細胞株を選択してよい。別の実施形態では、それ自体の抗体は産生しないが、異種性抗体を産生及び分泌する能力を有するB細胞系譜由来の細胞株を選択することができる。
1つの実施形態では、本発明は、表2、表3、表4、及び表5において特定されるポリヌクレオチドの1つ又は複数を発現する細胞によって産生される抗原結合タンパク質を対象とする。
1つの態様では、GIPR結合タンパク質は、長期治療のために投与される。別の態様では、結合タンパク質は、救急治療のために投与される。
GIPR抗原結合タンパク質を含む医薬組成物も提供され、こうした医薬組成物は、本明細書に開示の予防方法及び治療方法のいずれにおいても利用することができる。1つの実施形態では、治療的に有効な量の1つ又は複数の抗原結合タンパク質、並びに医薬的に許容可能な希釈剤、担体、可溶化剤、乳化剤、保存剤、及び/又は補助剤も提供される。許容可能な製剤材料は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに無毒なものである。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、組成物の、例えば、pH、モル浸透圧濃度、粘性、透明性、色調、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解速度若しくは放出速度、吸収性、又は透過性の改変、維持、又は保存を目的とする製剤材料を含み得る。そのような実施形態では、適切な製剤材料には、限定はされないが、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、若しくはリジンなど)、抗微生物剤、抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、若しくは亜硫酸水素ナトリウムなど)、緩衝剤(ホウ酸塩、炭酸水素塩、Tris-HCl、クエン酸塩、リン酸塩、若しくは他の有機酸など)、嵩増し剤(マンニトール若しくはグリシンなど)、キレート剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など)、複合化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ-シクロデキストリン、若しくはヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンなど)、増量剤、単糖、二糖、及び他の糖質(グルコース、マンノース、若しくはデキストリンなど)、タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリンなど)、着色剤、香味剤、及び希釈剤、乳化剤、親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど)、低分子量ポリペプチド、造塩対イオン(ナトリウムなど)、保存剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、若しくは過酸化水素など)、溶剤(グリセリン、プロピレングリコール、若しくはポリエチレングリコールなど)、糖アルコール(マンニトール若しくはソルビトールなど)、懸濁剤、サーファクタント若しくは湿潤剤(プルロニック(pluronic)、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート(ポリソルベート20など)、ポリソルベート、トリトン(triton)、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパール(tyloxapal)など)、安定性増進剤(スクロース若しくはソルビトールなど)、浸透圧増進剤(ハロゲン化アルカリ金属などであり、好ましくは、塩化ナトリウム若しくは塩化カリウム、マンニトールソルビトール)、送達媒体、希釈剤、賦形剤、及び/又は医薬補助剤が含まれる。REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES,18”Edition,(A.R.Genrmo,ed.),1990,Mack Publishing Companyでは、医薬組成物に組み込むことができる適切な薬剤についての追加の詳細及び選択肢が提供されている。
ある特定の実施形態では、最適な医薬組成物は、例えば、意図される投与経路、送達形式、及び所望の投与量に応じて当業者によって決定されることになる。例えば、前出のREMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCESを参照のこと。ある特定の実施形態では、そのような組成物は、開示の抗原結合タンパク質の物理的状態、安定性、インビボでの放出速度、及びインビボでの排出速度に影響し得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物における主要な媒体又は担体は、水性又は非水性のいずれかの性質を有し得る。例えば、適切な媒体又は担体は、注射用水又は生理食塩水であり得る。ある特定の実施形態では、GIPR抗原結合タンパク質組成物は、所望の純度を有する選択組成物と、任意選択の製剤化薬剤(前出のREMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES)と、を混合することによって、凍結乾燥ケーキ又は水性溶液の形態における保存を目的として調製してよい。さらに、ある特定の実施形態では、GIPR抗原結合タンパク質は、スクロースなどの適切な賦形剤を使用し、凍結乾燥物として製剤化してよい。
医薬組成物は、非経口送達を目的として選択することができる。或いは、組成物は、吸入、又は経口などの、消化管を介した送達を目的として選択してよい。そのような医薬的に許容可能な組成物の調製は、当該技術分野において知られた技術である。
製剤構成成分は、好ましくは、投与部位に許容可能な濃度で存在する。ある特定の実施形態では、生理学的pH又は若干低めのpH、典型的には、約5~約8のpH範囲内に組成物を維持するために緩衝剤が使用される。
非経口投与が企図されるとき、治療組成物は、医薬的に許容可能な媒体に所望のヒトGIPR抗原結合タンパク質を含む発熱物質非含有の非経口的に許容可能な水性溶液の形態で提供してよい。非経口注射に特に適した媒体は、GIPR抗原結合タンパク質が、適切に保存処理がなされた無菌等張液として製剤化される無菌蒸留水である。ある特定の実施形態では、調製には、薬剤と共に所望の分子を製剤化することが必要であり得、こうした薬剤は、デポ注射を介して送達され得る製品の制御放出又は持続放出を提供し得る注射用微粒子、生物侵食性粒子、ポリマー化合物(ポリ乳酸若しくはポリグリコール酸など)、ビーズ、又はリポソームなどである。ある特定の実施形態では、ヒアルロン酸を使用し、循環期間の持続促進作用を付与してもよい。ある特定の実施形態では、所望の抗原結合タンパク質を導入するために埋め込み可能な薬物送達機器を使用してよい。
ある特定の医薬組成物は、吸入を目的として製剤化される。いくつかの実施形態では、GIPR抗原結合タンパク質は、乾燥した吸入可能な粉末として製剤化される。特定の実施形態では、GIPR抗原結合タンパク質吸入溶液は、エアロゾル送達のための噴霧剤と共に製剤化してもよい。ある特定の実施形態では、溶液を噴霧してよい。経肺の投与、ひいては製剤化方法は、国際特許出願第PCT/US94/001875号(参照によって組み込まれる)にさらに記載されており、当該文献では、化学的に改変されたタンパク質の経肺送達について記載されている。いくつかの製剤は、経口的に投与することができる。この様式で投与されるGIPR抗原結合タンパク質は、錠剤及びカプセルなどの固形剤形の配合において習慣的に使用される担体と共に、又はこうした担体を使用せずに製剤化することができる。ある特定の実施形態では、消化管において生物学的利用率が最大化し、全身循環前分解(pre-systemic degradation)が最小化する時点で製剤の活性部分が放出されるようにカプセルを設計してよい。GIPR抗原結合タンパク質の吸収を促進するために追加の薬剤を含めることができる。希釈剤、香味剤、低融点ワックス、植物油、滑沢剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤、及び結合剤を用いてもよい。
いくつかの医薬組成物は、錠剤の製造に適した無毒の賦形剤と共に1つ又は複数のGIPR抗原結合タンパク質を有効量で混合物中に含む。無菌水又は別の適切な媒体に錠剤を溶解することによって単位用量形態で溶液を調製してよい。適切な賦形剤には、限定はされないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸水素塩、ラクトース、又はリン酸カルシウムなどの不活性な希釈剤、或いはデンプン、ゼラチン、又はアカシアなどの結合剤、或いはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクなどの滑沢剤が含まれる。
医薬組成物には、持続送達製剤又は制御送達製剤にGIPR結合タンパク質を含めた製剤が追加で含まれることが当業者には明らかであろう。リポソーム担体、生物侵食性微粒子又は多孔性ビーズ、及びデポ注射などの、さまざまな他の持続送達手段又は制御送達手段の製剤化手法もまた、当業者に知られている。例えば、国際特許出願第PCT/US93/00829号(参照によって組み込まれる)を参照のこと。当該文献では、医薬組成物を送達するための多孔性ポリマー微粒子の制御放出について記載されている。持続放出調製物は、例えば、フィルム又はマイクロカプセルなどの成形物品の形態の半透性ポリマーマトリックスを含み得る。持続放出マトリックスには、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号及び欧州特許出願公開第EP058481号において開示されており、これらの文献はそれぞれ、参照によって組み込まれる)、L-グルタミン酸とガンマエチル-L-グルタメートとのコポリマー(Sidman et al.,1983,Biopolymers 2:547-556)、ポリ(2-ヒドロキシエチル-イネタクリレート(inethacrylate))(Langer et al.,1981,J.Biomed.Mater.Res.15:167-277、及びLanger,1982,Chem.Tech.12:98-105)、エチレンビニルアセテート(前出のLanger et al.,1981)、又はポリ-D(-)-3-ヒドロキシブタン酸(欧州特許出願公開第EP133,988号)が含まれ得る。持続放出組成物は、当該技術分野において知られるいくつかの方法のいずれかによって調製することができるリポソームも含み得る。例えば、Eppstein et al.,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82:3688-3692、欧州特許出願公開第EP036,676号、第EP088,046号、及び第EP143,949号を参照のこと。これらの文献は、参照によって組み込まれる。
インビボ投与に使用される医薬組成物は、典型的には、無菌調製物として提供される。無菌化は、無菌濾過膜を介す濾過によって達成することができる。組成物が凍結乾燥されるとき、この方法を使用する無菌化は、凍結乾燥及び再構成の前又は後のいずれかに実施してよい。非経口投与のための組成物は、凍結乾燥形態又は溶液で保存することができる。非経口組成物は、一般に、無菌のアクセスポートを有する容器に充填され、こうした容器は、例えば、静脈注射用溶液バッグ、又は皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有するバイアルである。
ある特定の製剤では、抗原結合タンパク質の濃度は、少なくとも10mg/mL、少なくとも20mg/mL、少なくとも30mg/mL、少なくとも40mg/mL、少なくとも50mg/mL、少なくとも60mg/mL、少なくとも70mg/mL、少なくとも80mg/mL、少なくとも90mg/mL、少なくとも100mg/mL、又は少なくとも150mg/mLである。1つの実施形態では、医薬組成物は、抗原結合タンパク質、緩衝剤、及びポリソルベートを含む。他の実施形態では、医薬組成物は、抗原結合タンパク質、緩衝剤、スクロース、及びポリソルベートを含む。医薬組成物の例は、50~100mg/mLの抗原結合タンパク質、5~20mMの酢酸ナトリウム、5~10%w/vのスクロース、及び0.002~0.008%w/vのポリソルベートを含むものである。ある特定の組成物は、例えば、65~75mg/mLの抗原結合タンパク質を含む9~11mMの酢酸ナトリウム緩衝液、8~10%w/vのスクロース、及び0.005~0.006%w/vのポリソルベートを含む。ある特定のそのような製剤のpHは、4.5~6の範囲である。他の製剤のpHは、5.0~5.5(例えば、pHは、5.0、5.2、又は5.4)である。
医薬組成物が製剤化されると、溶液、懸濁液、ゲル、乳濁液、固体、結晶、又は脱水粉末若しくは凍結乾燥粉末として無菌バイアルにおいてそれを保存してよい。そのような製剤は、即時使用が可能な形態か、又は投与前に再構成される形態(例えば、凍結乾燥品)のいずれで保存してもよい。単一用量の投与単位を得るためのキットも提供される。ある特定のキットは、乾燥タンパク質を含む第1の容器と、水性製剤を含む第2の容器と、を含む。ある特定の実施形態では、単一チャンバー及び複数チャンバーを有する充填済シリンジ(例えば、液体シリンジ及び凍結乾燥シリンジ(lyosyringe))を含むキットが提供される。用いられることになるGIPR抗原結合タンパク質含有医薬組成物の治療的に有効な量は、例えば、治療の内容及び目的に依存することになる。治療に適した投与量レベルは、送達される分子、GIPR抗原結合タンパク質が使用される徴候、投与経路、並びに患者のサイズ(体重、体表、若しくは臓器サイズ)及び/又は状態(年齢及び総体的な健康)に一部は応じて変わることになると当業者であれば理解するであろう。ある特定の実施形態では、臨床医は、最適な治療効果を得るために、投与量の力価を判断し、投与経路を改変してよい。
投与頻度は、使用される製剤における特定のGIPR抗原結合タンパク質の薬物動態パラメーターに依存することになる。典型的には、臨床医は、所望の効果を達成する投与量に達するまで組成物を投与する。したがって、組成物は、単一用量として投与するか、又は一定期間にわたって2つ以上の用量(所望の分子を同一量で含んでいても含んでいなくてもよい)として投与するか、又は埋め込み機器若しくはカテーテルを介する連続注入として投与してよい。適切な投与量は、適切な用量応答データを使用して確認してよい。ある特定の実施形態では、抗原結合タンパク質は、長期間にわたって患者に投与することができる。ある特定の実施形態では、抗原結合タンパク質は、2週間ごと、1ヶ月ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、4ヶ月ごと、5ヶ月ごと、又は6ヶ月ごとに投与される。
医薬組成物の投与経路は、例えば、経口によるもの、静脈内経路、腹腔内経路、脳内(実質内)経路、脳室内経路、筋肉内経路、眼内経路、動脈内経路、門脈内経路、又は病巣内経路による注射を介すもの、持続放出システム又は埋め込み機器によるものなどの既知の方法に従う。ある特定の実施形態では、組成物は、ボーラス注射によって投与するか、注入によって連続投与するか、又は埋め込み機器によって投与してよい。
組成物は、所望の分子が吸着又は封入された膜、スポンジ、又は別の適切な材料の埋め込みを介して局所的に投与してもよい。ある特定の実施形態では、埋め込み機器が使用される場合、機器は、任意の適切な組織又は臓器に埋め込んでよく、所望の分子の送達は、拡散、持続放出型ボーラス、又は連続投与を介するものであり得る。
開示のエクスビボに従ってGIPR抗原結合タンパク質医薬組成物を使用することが望ましくもあり得る。そのような場合、患者から取り出された細胞、組織、又は臓器は、GIPR抗原結合タンパク質医薬組成物へと曝露される。その後、続いて細胞、組織、及び/又は臓器は、患者に移植されて戻される。
医師であれば、特定の患者の個々のプロファイルに応じて適切な治療指標及び標的脂質レベルを選択することができるであろう。高脂血症の治療の指針となる広く受け入れられた基準の1つは、Third Report of the National Cholesterol Education Program(NCEP)Expert Panel on Detection,Evaluation,and Treatment of the High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment Panel III)Final Report,National Institutes of Health,NIH Publication No.02-5215(2002)であり、当該文献の印刷刊行物は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
特定の用量の効力は、バイオマーカーの参照、又はある特定の生理的パラメーターの改善によって評価することができる。適切なバイオマーカーの例には、血漿脂質に対する遊離コレステロールの比率、膜タンパク質に対する遊離コレステロールの比率、スフィンゴミエリンに対するホスファチジルコリンの比率、又はHDL-Cレベルが含まれる。
本明細書では、GIPR抗原結合タンパク質と、1つ又は複数の追加の治療剤とを含む組成物、並びに本明細書に開示の予防方法及び治療方法において使用するための、そのような薬剤と、GIPR抗原結合タンパク質との同時又は連続的な投与方法も提供される。1つ又は複数の追加の薬剤は、GIPR抗原結合タンパク質と共に同時製剤化するか、又はGIPR抗原結合タンパク質と共に同時投与することができる。一般に、治療方法、組成物、及び化合物は、同時に投与されている追加の薬剤と共に、さまざまな疾患病状の治療において他の治療方法と組み合わせて用いてもよい。
1つの態様では、本発明は、代謝障害を有する対象の治療方法を対象とし、方法は、治療的に有効な量のGLP-1受容体アゴニストと、GIPRのアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質に特異的に結合する治療的に有効な量のGIPRアンタゴニストと、の対象への投与を含む。
「GLP-1受容体アゴニスト」は、GLP-1受容体活性を有する化合物を指す。そのような化合物の例には、エキセンディン、エキセンディン類似体、エキセンディンアゴニスト、GLP-1(7-37)、GLP-1(7-37)類似体、GLP-1(7-37)アゴニスト、及び同様のものが含まれる。GLP-1受容体アゴニスト化合物は、任意選択でアミド化してよい。「GLP-1受容体アゴニスト」及び「GLP-1受容体アゴニスト化合物」という用語は、同一の意味を有する。
「エキセンディン」という用語は、アメリカドクトカゲの唾液分泌物に見られる天然起源(又は天然起源のものの合成バージョン)のエキセンディンペプチドを含む。特定の目的エキセンディンには、エキセンディン-3及びエキセンディン-4が含まれる。本明細書に記載の方法において使用するためのエキセンディン、エキセンディン類似体、及びエキセンディンアゴニストは、任意選択でアミド化してよく、酸の形態、医薬的に許容可能な塩の形態、又はその分子の任意の他の生理学的活性な形態でもあり得る。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストとGIPRアンタゴニストとのモル比は、約1:1~1:110、約1:1~1:100、約1:1~1:75、約1:1~1:50、約1:1~1:25、約1:1~1:10、約1:1~1:5、及び約1:1である。1つの実施形態では、GIPRアンタゴニストとGLP-1受容体アゴニストとのモル比は、約1:1~1:110、約1:1~1:100、約1:1~1:75、約1:1~1:50、約1:1~1:25、約1:1~1:10、及び約1:1~1:5である。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストとGIPRアンタゴニストとは、約1:1.5~1:150、好ましくは、1:2~1:50という治療的に有効なモル比で組み合わせて使用される。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニスト及びGIPRアンタゴニストは、病状及び/又は疾患をそれぞれの化合物単独で治療するために必要になる用量と比較して、少なくとも約1.1~1.4倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍少ない用量で存在する。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、GLP-1(7-37)又はGLP-1(7-37)類似体である。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、及びタスポグルチドからなる群から選択される。
1つの態様では、本発明は、治療方法を対象とし、方法は、代謝障害の症状を有する対象に投与すると持続型の有益作用を与える少なくとも1つのGIPRアンタゴニストの投与と組み合わせた、少なくとも1つのGLP-1受容体アゴニストの、治療的に有効な量での対象への投与を含む。
1つの実施形態では、少なくとも1つのGIPRアンタゴニストの投与と組み合わせた少なくとも1つのGLP-1受容体アゴニストの投与は、代謝障害の少なくとも1つの症状に持続型の有益作用を与える。
1つの実施形態では、治療的に有効な量のGLP-1受容体アゴニストと、治療的に有効な量のGIPRアンタゴニストとは、対象への投与の前に統合される。
1つの実施形態では、治療的に有効な量のGLP-1受容体アゴニストと、治療的に有効な量のGIPRアンタゴニストとは、連続的に対象に投与される。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストの治療的に有効な量と、GIPRアンタゴニストの治療的に有効な量とは、相乗的に有効な量である。
エキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS-NH(配列番号1223))は、アメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum)の唾液に見られるペプチドであり、エキセンディン-3(HSDGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS-NH(配列番号1224))は、メキシコドクトカゲ(Heloderma horridum)の唾液に見られるペプチドである。エキセンディンは、グルカゴン様ペプチド(GLP)ファミリーのいくつかのメンバーに対して幾分かのアミノ酸配列類似性を有する。例えば、エキセンディン-4は、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)(7-37)(HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号1244))と約53%の配列同一性を有する。しかしながら、エキセンディン-4は、異なる遺伝子から転写され、GLP-1が発現する哺乳類プログルカゴン遺伝子のアメリカドクトカゲ相同体ではない。さらに、GLP-1の構造の配列改変によって合成のエキセンディン-4ペプチドの構造が創出されなかったことから、エキセンディン-4は、GLP-1(7-37)の類似体ではない。Nielsen et al.,Current Opinion in Investigational Drugs,4(4):401-405(2003)。
合成のエキセンディン-4は、エキセナチドとしても知られており、BYETTA(登録商標)(Amylin Pharmaceuticals,Inc.and Eli Lilly and Company)として市販されている。エキセナチドの週1回の製剤がWO2005/102293に記載されており、当該文献の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
「エキセンディン類似体」は、エキセンディン参照ペプチドの生物学的活性を誘発するペプチドを指し、こうしたペプチドは、受容体結合及び/又は競合試験などの、当該技術分野において知られる尺度によって評価すると、エキセンディン参照ペプチド(例えば、エキセンディン-4)以上の効力を有するか、又はエキセンディン参照ペプチドと比較して5桁以内(プラス若しくはマイナス)の効力を有することが好ましく、こうした試験は、例えば、Hargrove et al.,Regulatory Peptides,141:113-119(2007)によって記載されており、当該文献の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。好ましくは、エキセンディン 類似体は、そのようなアッセイにおいて1μM未満の親和性で結合することになり、より好ましくは、3nM未満、1nM未満、又は0.1nM未満の親和性で結合することになる。「エキセンディン類似体」という用語は、「エキセンディンアゴニスト」とも称され得る。好ましい実施形態では、エキセンディン類似体は、エキセンディン-4類似体である。
エキセンディン類似体には、化学的に誘導体化又は改変された本明細書に記載のペプチドも含まれ、こうしたペプチドは、例えば、非天然アミノ酸残基(例えば、タウリン、β-アミノ酸残基、γ-アミノ酸残基、及びD-アミノ酸残基)を有するペプチド、アミド、エステル、及びC末端ケトン改変などのC末端官能基改変を有するペプチド、並びにアシル化アミン、シッフ塩基、又は例えば、アミノ酸であるピログルタミン酸において見られるような環化などのN末端官能基改変を有するペプチドである。エキセンディン類似体は、ペプチド模倣体などの他の化学部分も含み得る。
エキセンディン及びエキセンディン類似体の例は、エキセンディン-4(配列番号1223)、エキセンディン-3(配列番号1224)、Leu14-エキセンディン-4(配列番号1225)、Leu14,Phe25-エキセンディン-4(配列番号1226)、Leu14,Ala19,Phe25-エキセンディン-4(配列番号1227)、エキセンディン-4(1-30)(配列番号1228)、Leu14-エキセンディン-4(1-30)(配列番号1229)、Leu14,Phe25-エキセンディン-4(1-30)(配列番号1230)、Leu14,Ala19,Phe25-エキセンディン-4(1-30)(配列番号1231)、エキセンディン-4(1-28)(配列番号1232)、Leu14-エキセンディン-4(1-28)(配列番号1233)、Leu14,Phe25-エキセンディン-4(1-28)(配列番号1234)、Leu14,Ala19,Phe25-エキセンディン-4(1-28)(配列番号1235)、Leu14,Lys17,20,Ala19,Glu21,Phe25,Gln28-エキセンディン-4(配列番号1236)、Leu14,Lys17,20,Ala19,Glu21,Gln28-エキセンディン-4(配列番号1237)、オクチルGly14,Gln28-エキセンディン-4(配列番号1238)、Leu14,Gln28,オクチルGly34-エキセンディン-4(配列番号1239)、Phe,Leu14,Gln28,Lys33,Glu34,Ile35,36,Ser37-エキセンディン-4(1-37)(配列番号1240)、Phe,Leu14,Lys17,20,Ala19,Glu21,Gln28-エキセンディン-4(配列番号1241)、Val11,Ile13,Leu14,Ala16,Lys21,Phe25-エキセンディン-4(配列番号1242)、エキセンディン-4-Lys40(配列番号1243)、リキシセナチド(Sanofi-Aventis/Zealand Pharma)、CJC-1134(ConjuChem,Inc.)、[N-(17-カルボキシヘプタデカン酸)Lys20]エキセンディン-4-NH(配列番号1268)、[N-(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)Lys32]エキセンディン-4-NH(配列番号1269)、[デスアミノ-His,N-(17-カルボキシヘプタデカノイル)Lys20]エキセンディン-4-NH(配列番号1270)、[Arg12,27,NLe14,N-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)Lys32]エキセンディン-4-NH(配列番号1271)、[N-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)Lys20]-エキセンディン-4-NH(配列番号1272)、[N-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)Lys20]-エキセンディン-4-NH(配列番号1273)、[N-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)Lys20]エキセンディン-4-NH(配列番号1274)、[N-(11-カルボキシ-ウンデカノイル-アミノ)Lys20]エキセンディン-4-NH(配列番号1275)、エキセンディン-4-Lys40(e-MPA)-NH(配列番号1276)、エキセンディン-4-Lys40(e-AEEA-AEEA-MPA)-NH(配列番号1277)、エキセンディン-4-Lys40(e-AEEA-MPA)-NH(配列番号1278)、エキセンディン-4-Lys40(e-MPA)-アルブミン(配列番号1279)、エキセンディン-4-Lys40(e-AEEA-AEEA-MPA)-アルブミン(配列番号1280)、エキセンディン-4-Lys40(e-AEEA-MPA)-アルブミン(配列番号1281)、及び同様のものである。AEEAは、[2-(2-アミノ)エトキシ)]酢酸を指す。EDAは、エチレンジアミンを指す。MPAは、マレイミドプロピオン酸を指す。エキセンディン及びエキセンディン類似体は、任意選択でアミド化してよい。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニスト化合物は、エキセンディン-4(配列番号1223)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するエキセンディン-4類似体、エキセンディン-4(配列番号1223)に対して少なくとも85%の配列同一性を有するエキセンディン-4類似体、エキセンディン-4(配列番号1223)に対して少なくとも90%の配列同一性を有するエキセンディン-4類似体、又はエキセンディン-4(配列番号1223)に対して少なくとも95%の配列同一性を有するエキセンディン-4類似体である。
本明細書に記載の方法において有用な他のエキセンディン及びエキセンディン類似体には、WO98/05351、WO99/07404、WO99/25727、WO99/25728、WO99/40788、WO00/41546、WO00/41548、WO00/73331、WO01/51078、WO03/099314、米国特許第6,956,026号、米国特許第6,506,724号、米国特許第6,703,359号、米国特許第6,858,576号、米国特許第6,872,700号、米国特許第6,902,744号、米国特許第7,157,555号、米国特許第7,223,725号、米国特許第7,220,721号、米国公開第2003/0036504号、及び米国公開第2006/0094652号に記載のものが含まれ、これらの文献の開示内容は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
「GLP-1(7-37)類似体」は、受容体結合アッセイ又はインビボの血中グルコースアッセイなどの、当該技術分野において知られる尺度によって評価すると、GLP-1(7-37)のものと類似の生物学的活性を誘発するペプチドを指し、こうしたアッセイは、例えば、Hargrove et al.,Regulatory Peptides,141:113-119(2007)によって記載されており、当該文献の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。1つの実施形態では、「GLP-1(7-37)類似体」という用語は、GLP-1(7-37)のアミノ酸配列と比較すると、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのアミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、又はそれらの2つ以上の組み合わせを有するアミノ酸配列を有するペプチドを指す。1つの実施形態では、GLP-1(7-37)類似体は、GLP-1(7-36)-NHである。GLP-1(7-37)類似体には、アミド化形態、酸の形態、医薬的に許容可能な塩の形態、及びその分子の任意の他の生理学的活性な形態が含まれる。
GLP-1(7-37)及びGLP-1(7-37)類似体の例には、GLP-1(7-37)(配列番号1244)、GLP-1(7-36)-NH(配列番号1245)、リラグルチド(Novo Nordiskから供給されるVICTOZA(登録商標))、アルビグルチド(GlaxoSmithKlineから供給されるSYNCRIA(登録商標))、タスポグルチド(Hoffman La-Roche)、デュラグルチド(LY2189265(Eli Lilly and Company)としても知られる)、LY2428757(Eli Lilly and Company)、デスアミノ-His,Arg26,Lys34(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37)(配列番号1282として開示のコアペプチド)、デスアミノ-His,Arg26,Lys34(Nε-オクタノイル)-GLP-1(7-37)(配列番号1283)、Arg26,34,Lys38(Nε-(ω-カルボキシペンタデカノイル))-GLP-1(7-38)(配列番号1284)、Arg26,34,Lys36(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-36)(配列番号1285として開示のコアペプチド)、Aib8,35,Arg26,34,Phe31-GLP-1(7-36))(配列番号1246)、HXaaEGTFTSDVSSYLEXaa22Xaa23AAKEFIXaa30WLXaa33Xaa34G Xaa36Xaa37(Xaaは、A、V、又はGであり、Xaa22は、G、K、又はEであり、Xaa23は、Q又はKであり、Xaa30は、A又はEであり、Xaa33は、V又はKであり、Xaa34は、K、N、又はRであり、Xaa36は、R又はGであり、且つXaa37は、G、H、P、又は非存在である)(配列番号1247)、Arg34-GLP-1(7-37)(配列番号1248)、Glu30-GLP-1(7-37)(配列番号1249)、Lys22-GLP-1(7-37)(配列番号1250)、Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-37)(配列番号1251)、Val,Glu22,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号1252)、Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34-GLP-1(7-37)(配列番号1253)、Val,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号1254)、Gly8,36,Glu22,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1255)、Val,Glu22,Gly36Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1256)、Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1257)、Val,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1258)、Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-36)(配列番号1259)、Val,Glu22,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号1260)、Val,Glu22,Asn34,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号1261)、Gly8,36,Glu22,Asn34-GLP-1(7-36)(配列番号1262)が含まれる。GLP-1(7-37)及びGLP-1(7-37)類似体はそれぞれ、任意選択でアミド化してよい。
1つの実施形態では、GLP-1(7-37)又はGLP-1(7-37)類似体は、免疫グロブリン(例えば、IgG、IgE、IgG、及び同様のもの)のFc部分に(直接又は連結基によって)共有結合で連結される。例えば、
Figure 0007237853000167
(Xaa16は、P又はEであり、Xaa17は、F、V、又はAであり、Xaa18は、L、E、又はAであり、Xaa80は、N又はAであり、且つXaa230は、K又は非存在である)(配列番号1263)の配列を含む免疫グロブリンのFc部分に配列番号25~40のいずれか1つを共有結合で連結してよい。連結基は、任意の化学部分(例えば、アミノ酸及び/又は化学基)であり得る。1つの実施形態では、連結基は、(-GGGGS-)(配列番号1264)(xは、1、2、3、4、5、又は6であり、好ましくは、2、3、又は4であり、より好ましくは、3である)である。1つの実施形態では、
Figure 0007237853000168
のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンのFc部分にGLP-1(7-37)類似体が共有結合で連結される。
別の実施形態では、GLP-1(7-37)又はGLP-1(7-37)類似体を、1つ又は2つのポリエチレングリコール分子に(直接又は連結基を介して)共有結合で連結してよい。例えば、GLP-1(7-37)類似体は、HXaaEGTFTSDVSSYLEXaa22QAAKEFIAWLXaa33KGGPSSGAPPPC4546-Z(Xaaは、D-Ala、G、V、L、I、S、又はTであり、Xaa22は、G、E、D、又はKであり、Xaa33は、V又はIであり、且つZは、OH又はNHである)(配列番号1266)というアミノ酸配列を含み得、任意選択で、(i)1つのポリエチレングリコール部分が共有結合でC45に付加されるか、(ii)1つのポリエチレングリコール部分が共有結合でC46に付加されるか、又は(iii)1つのポリエチレングリコール部分がC45に付加され、且つ1つのポリエチレングリコール部分がC46に付加される。1つの実施形態では、GLP-1(7-37)類似体は、HVEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLIKGGPSSGAPPPC4546-NH(配列番号1267)であり、任意選択で、(i)1つのポリエチレングリコール部分が共有結合でCに付加されるか、(ii)1つのポリエチレングリコール部分が共有結合でC46に付加されるか、又は(iii)1つのポリエチレングリコール部分がC45に付加され、且つ1つのポリエチレングリコール部分がC46に付加される。
1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニスト化合物は、GLP-1(7-37)(配列番号1244)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するペプチド、GLP-1(7-37)(配列番号1244)に対して少なくとも85%の配列同一性を有するペプチド、GLP-1(7-37)(配列番号1244)に対して少なくとも90%の配列同一性を有するペプチド、又はGLP-1(7-37)(配列番号1244)に対して少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドである。
GLP-1受容体アゴニスト化合物は、当該技術分野においてよく知られるプロセスによって調製してよく、こうしたプロセスは、例えば、Eng et al.,J.Biol.Chem.,265:20259-62(1990)に記載のペプチド精製、Raufman et al.,J.Biol.Chem.,267:21432-37(1992)に記載の標準的な固相ペプチド合成手法、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d Ed.,Cold Spring Harbor(1989)に記載の組換えDNA手法、及び同様のものである。
Figure 0007237853000169
Figure 0007237853000170
Figure 0007237853000171
Figure 0007237853000172
Figure 0007237853000173
AEEAは、[2-(2-アミノ)エトキシ)]酢酸を指す。
EDAは、エチレンジアミンを指す。
MPAは、マレイミドプロピオン酸を指す。
本開示は、本明細書に記載のGLP-1受容体アゴニスト化合物及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物も提供する。GLP-1受容体アゴニスト化合物は、治療的に有効な量で医薬組成物に存在し得、治療効力に必要なGLP-1受容体アゴニスト化合物の最小血漿レベルを与える量で存在し得る。そのような医薬組成物は、当該技術分野において知られており、例えば、米国特許第7,521,423号、米国特許第7,456,254号、WO2000/037098、WO2005/021022、WO2005/102293、WO2006/068910、WO2006/125763、WO2009/068910、米国公開第2004/0106547号、及び同様のものに記載されており、これらの文献の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載のGLP-1受容体アゴニスト化合物を含む医薬組成物は、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内)、連続注入(例えば、静脈内点滴、静脈内ボーラス、静脈内注入)、局所、経鼻、又は経口による投与などの末梢投与を目的として提供してよい。適切な医薬的に許容可能な担体及びその製剤化は、Remington’s Pharmaceutical Sciences by Martin;and Wang et al.,Journal of Parenteral Science and Technology,Technical Report No.10,Supp.42:2S(1988)などの標準的な製剤専門書に記載されている。本明細書に記載のGLP-1受容体アゴニスト化合物は、注射又は注入のための非経口組成物において提供することができる。GLP-1受容体アゴニスト化合物は、例えば、水、植物油(例えば、ゴマ油、ピーナッツ油、オリーブ油、及び同様のもの)などの不活性な油、又は他の医薬的に許容可能な担体に懸濁することができる。1つの実施形態では、化合物は、例えば、pHが約3.0~8.0又は約3.0~5.0の等張緩衝液などの水性担体に懸濁される。組成物は、通常の無菌化手法によって無菌化してよく、又は濾過によって無菌化してよい。組成物は、生理学的条件に近づくように、必要に応じてpH緩衝剤などの、医薬的に許容可能な補助物質を含み得る。
有用な緩衝剤には、例えば、酢酸緩衝剤が含まれる。皮下注射、経皮注射、又は他の送達方法を実施した後、数時間又は数日にわたって血流に調節物が治療的に有効な量で送達されるように、リポジトリ又は「デポ」の形態の徐放調製物を使用してよい。所望の等張性は、塩化ナトリウム、又はデキストロース、ホウ酸、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール、ポリオール(マンニトール及びソルビトールなど)などの他の医薬的に許容可能な薬剤、又は他の無機溶質若しくは有機溶質を使用して達成してよい。1つの実施形態では、静脈内注入については、製剤は、(i)GLP-1受容体アゴニスト化合物、(2)無菌水、及び任意選択で、(3)塩化ナトリウム、デキストロース、又はそれらの組み合わせを含み得る。
GLP-1受容体アゴニスト化合物の投与を促進にするために担体又は賦形剤を使用することもできる。担体及び賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、グルコース、若しくはスクロースなどのさまざまな糖、又はさまざまな型のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、及び生理学的に適合する溶剤が含まれる。
GLP-1受容体アゴニスト化合物は、医薬的に許容可能な塩(例えば、酸付加塩)及び/又はその複合化物として製剤化することもできる。医薬的に許容可能な塩は、それが投与される濃度で無毒な塩である。医薬的に許容可能な塩には、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、及びキナ酸塩を含むものなどの酸付加塩が含まれる。医薬的に許容可能な塩は、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、及びキナ酸などの酸から得ることができる。そのような塩は、例えば、塩が不溶な溶剤若しくは媒体又はその後に減圧若しくは凍結乾燥によって除去される水などの溶剤において、遊離の酸又は塩基の形態の産物と、1当量又は複数当量の適切な塩基又は酸と、を反応させることによって調製するか、或いは適切なイオン交換樹脂で、現存する塩のイオンを別のイオンと交換することによって調製してよい。
GLP-1受容体アゴニスト化合物の医薬製剤の例は、米国特許第7,521,423号、米国特許第7,456,254号、米国公開第2004/0106547号、WO2006/068910、WO2006/125763、及び同様のものに記載されており、これらの文献の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載の方法において使用するための本明細書に記載のGLP-1受容体アゴニスト化合物の治療的に有効な量は、典型的には、約0.01μg~約5mg、約0.1μg~約2.5mg、約1μg~約1mg、約1μg~約50μg、又は約1μg~約25μgとなる。或いは、GLP-1受容体アゴニスト化合物の治療的に有効な量は、70kgの患者重量に基づくと約0.001μg~約100μgであるか、又は70kgの患者重量に基づくと約0.01μg~約50μgであり得る。こうした治療的に有効な用量の投与頻度は、製剤に応じて、1回/日、2回/日、3回/日、1回/週、2回/週、又は1回/月であり得る。投与されることになる正確な用量は、例えば、即時放出製剤又は持続放出製剤などの製剤によって決定される。経皮剤形、経鼻剤形、又は経口剤形については、投与量は、約5倍~約10倍に増やしてよい。
ある特定の実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、GIPR抗原結合タンパク質と同時に投与されることになる。1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、GIPR抗原結合タンパク質の後に投与されることになる。1つの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、GIPR抗原結合タンパク質の前に投与されることになる。ある特定の実施形態では、対象又は患者は、GIPR抗原結合タンパク質での追加治療を受ける前に、GLP-1受容体アゴニストで既に治療されていることになる。
本明細書で提供されるGIPR抗原結合タンパク質は、生体試料におけるGIPRの検出に有用である。例えば、GIPR抗原結合タンパク質は、例えば、血清における発現GIPRを検出及び/又は定量化するための結合アッセイなどの診断アッセイにおいて使用することができる。
記載の抗原結合タンパク質は、GIPRと関連する疾患及び/又は病状を検出、診断、又は監視する診断目的で使用することができる。開示の抗原結合タンパク質は、当業者に知られる古典的な免疫組織学的方法(例えば、Tijssen,1993,Practice and Theory of Enzyme Immunoassays,Vol15(Eds R.H.Burdon and P.H.van Knippenberg,Elsevier,Amsterdam)、Zola,1987,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,pp.147-158(CRC Press,Inc.)、Jalkanen et al.,1985,J.Cell.Biol.101:976-985、Jalkanen et al.,1987,J.Cell Biol.105:3087-3096)を使用し、試料におけるGIPRの存在を検出するための手段を提供する。GIPRの検出は、インビボ又はインビトロで実施することができる。
本明細書で提供される診断用途には、GIPRの発現を検出するための抗原結合タンパク質の使用が含まれる。GIPRの存在の検出において有用な方法の例には、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)及び放射免疫測定法(RIA)などの免疫アッセイが含まれる。
診断用途については、抗原結合タンパク質は、典型的には、検出可能な標識基で標識されることになる。適切な標識基には、限定はされないが、下記のものが含まれる:放射性同位体若しくは放射性核種(例えば、H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光基(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドリン光体)、酵素基(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光基、ビオチン基、又は二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体向けの結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)。いくつかの実施形態では、標識基は、潜在的な立体障害を低減するためにさまざまな長さのスペーサーアームを介して抗原結合タンパク質にカップリングされる。タンパク質の標識方法は、当該技術分野においてさまざまなものが知られており、そうしたものを使用してよい。
いくつかの実施形態では、GIPR抗原結合タンパク質は、当該技術分野において知られる手法を使用して単離及び測定される。例えば、Harlow and Lane,1988,Antibodies:A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor(ed.1991 and periodic supplements)、John E.Coligan,ed.,1993,Current Protocols In Immunology New York:John Wiley & Sonsを参照のこと。
本開示の別の態様では、GIPRへの結合について、提供される抗原結合タンパク質と競合する試験分子の存在の検出が提供される。そのようなアッセイの1つの例では、試験分子の存在下又は非存在下で、一定量のGIPRを含む溶液における遊離の抗原結合タンパク質の量の検出が行われることが想定される。遊離の抗原結合タンパク質(すなわち、GIPRに結合していない抗原結合タンパク質)の量が増加するのであれば、GIPRへの結合について試験分子が抗原結合タンパク質と競合する能力を有すると示されることになる。1つの実施形態では、抗原結合タンパク質が標識基で標識される。或いは、試験分子が標識され、抗原結合タンパク質の存在下及び非存在下で、遊離の試験分子の量が監視される。
GIPR結合タンパク質は、代謝病状又は代謝障害の治療、診断、又は寛解に使用することができる。1つの実施形態では、治療されることになる代謝障害は、例えば、2型糖尿病などの糖尿病である。別の実施形態では、代謝病状又は代謝障害は、肥満である。他の実施形態では、代謝病状又は代謝障害は、脂質異常症、グルコースレベルの上昇、インスリンレベルの上昇、又は糖尿病性腎症である。例えば、GIPR結合ペプチドを使用して治療又は寛解させることができる代謝病状又は代謝障害には、125mg/dL以上(例えば、130mg/dL、135mg/dL、140mg/dL、145mg/dL、150mg/dL、155mg/dL、160mg/dL、165mg/dL、170mg/dL、175mg/dL、180mg/dL、185mg/dL、190mg/dL、195mg/dL、200mg/dL、又は200mg/dL超)の絶食時血中グルコースレベルを有するヒト対象の状態が含まれる。血中グルコースレベルは、摂食状態若しくは絶食状態において決定するか、又は無作為に決定することができる。代謝病状又は代謝障害は、対象が代謝病状を発症する危険が増加した状態も含み得る。ヒト対象については、そのような病状には、100mg/dLの絶食時血中グルコースレベルが含まれる。GIPR結合タンパク質を含む医薬組成物を使用して治療することができる病状は、American Diabetes Association Standards of Medical Care in Diabetes Care-2011,American Diabetes Association,Diabetes Care Vol.34,No.Supplement 1,S11-S61,2010においても見つけることができ、当該文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
応用においては、治療的に有効な用量のGIPR結合タンパク質を、それを必要とする患者に投与することによって、2型糖尿病、グルコースレベルの上昇、インスリンレベルの上昇、脂質異常症、肥満、又は糖尿病性腎症などの代謝障害又は代謝病状を治療することができる。投与は、静脈内(IV)注射、腹腔内(IP)注射、皮下注射、筋肉内注射、又は錠剤若しくは液体製剤の形態で経口的に行われるものなどによって、本明細書に記載のように実施することができる。状況によっては、GIPR結合タンパク質の治療的に有効又は好ましい用量は、臨床医によって決定することができる。GIPR結合タンパク質の治療的に有効な用量は、数ある中でも特に、投与スケジュール、投与される薬剤の単位用量、GIPR結合タンパク質が他の治療剤と組み合わせて投与されるかどうかということ、レシピエントの免疫状態及び健康に依存することになる。本明細書で使用される「治療的に有効な用量」という用語は、研究者、医師、又は他の臨床医によって探究されている組織系、動物、又はヒトにおいて、治療中の疾患又は障害の症状の軽減又は寛解を含む、生物学的又は薬用的な応答を誘発するGIPR結合タンパク質の量、すなわち、観測可能なレベルの1つ又は複数の所望の生物学的又は薬用的な応答を支持するGIPR結合タンパク質の量を意味し、こうした応答は、例えば、血中のグルコース、インスリン、トリグリセリド、若しくはコレステロールのレベルの低下、体重の減少、又は耐糖能、エネルギー消費、若しくはインスリン感受性の改善である。
GIPR結合タンパク質の治療的に有効な用量は、所望の結果によっても変わり得ることに留意されたい。したがって、例えば、指示される血中グルコースレベルが低い状況では、それに応じてGIPR結合タンパク質の用量は、望まれる血中グルコースレベルが比較的低い用量と比較して高いものとなる。逆に、指示される血中グルコースレベルが高い状況では、それに応じてGIPR結合タンパク質の用量は、望まれる血中グルコースレベルが比較的高い用量と比較して低いものとなる。
さまざまな実施形態において、対象は、100mg/dL以上の血中グルコースレベルを有するヒトであり、GIPR結合タンパク質で治療することができる。
1つの実施形態では、本開示の方法は、対象におけるグルコース、インスリン、コレステロール、脂質などの、1つ又は複数の代謝的に関連する化合物のベースラインレベルの最初の測定を含む。その後、GIPR結合タンパク質を含む医薬組成物が対象に投与される。所望の期間の後、対象における1つ又は複数の代謝的に関連する化合物(例えば、血中のグルコース、インスリン、コレステロール、脂質)のレベルが再度測定される。その後、対象における代謝的に関連する化合物の相対変化を決定するために、2つのレベルを比較することができる。その比較の結果に応じてGIPR結合タンパク質を含む別用量の医薬組成物を投与することで、1つ又は複数の代謝的に関連する化合物の所望のレベルを達成することができる。
GIPR結合タンパク質を含む医薬組成物は、別の化合物と同時投与できることに留意されたい。GIPR結合タンパク質と同時投与される化合物の独自性及び特性は、治療又は寛解することになる病状の性質に依存することになる。GIPR結合タンパク質を含む医薬組成物と組み合わせて投与することができる化合物の例の非限定リストには、ロシグリチゾン(rosiglitizone)、ピオグリチゾン(pioglitizone)、レパグリニド、ナテグリチニド(nateglitinide)、メトホルミン、エキセナチド、シタグリプチン(stiagliptin)、プラムリンチド、グリピジド、グリメピリリドアカルボース(glimeprirideacarbose)、及びミグリトールが含まれる。
開示の方法を実施するためのキットも提供される。そのようなキットは、本明細書で提供されるペプチド又はタンパク質をコードする核酸、そのような核酸を含むベクター及び細胞、並びにそのような核酸を含む化合物を含む医薬組成物を含む、本明細書に記載のものなどの医薬組成物を含み得、こうしたものは、無菌の容器において提供することができる。任意選択で、提供される医薬組成物の代謝障害の治療における利用方法に関する説明を含めることもでき、又はこうした説明を患者若しくは医療サービス提供者が利用できるようにすることもできる。
1つの態様では、キットは、(a)治療的に有効な量のGIPR結合タンパク質を含む医薬組成物と、(b)医薬組成物のための1つ又は複数の容器と、を含む。そのようなキットは、それを使用するための説明も含み得、説明は、治療中の代謝障害に的確なものとなるように変更することができる。説明は、キットにおいて提供される材料の使用及び性質を説明するものであり得る。ある特定の実施形態では、キットは、グルコースレベルの上昇、インスリンレベルの上昇、肥満、2型糖尿病、脂質異常症、又は糖尿病性腎症などの代謝障害を治療するための投与を実施するための、患者向けの説明を含む。
説明は、紙又はプラスチックなどの基材に印刷されたものであり得ると共に、添付文書としてキットに存在し得、キット又はその構成要素の容器のラベル(例えば、パッケージと関連するもの)等に存在し得る。他の実施形態では、説明は、例えば、CD-ROM、ディスケット等の適切なコンピューター可読記憶媒体に存在する電子的な記憶データファイルとして存在する。さらに他の実施形態では、キットには実際の説明は存在せず、インターネットを利用するなど、リモートソースから説明を入手する手段が提供される。この実施形態の例は、説明が閲覧可能なウェブアドレス及び/又は説明がダウンロード可能なウェブアドレスを含むキットである。
キットの構成要素のいくつか又はすべてが、無菌性を維持するための適切なパッケージに梱包されることが望ましい場合が多いであろう。キットの構成要素は、取り扱いが容易な単一単位を提供するキット格納要素に梱包することができ、この場合、例えば、箱又は類似構造などのキット格納要素は、例えば、キットの構成要素のいくつか又はすべての無菌性をさらに保つための気密容器であってもなくてもよい。
実施例1
材料及び方法-酵母ディスプレイ
酵母により提示される分子及びライブラリの構築に、gBlock及び縮重コドンプライマー(IDT DNA)を使用した。Q5 HotStartポリメラーゼ(NEB)を使用して、標準的なPCR及びオーバーラップアセンブリPCR(overlap assembly PCR)を行なった。PCR精製キット(Qiagen)により事前に精製した挿入物及び消化ベクターの相同組換えを使用して、酵母株BJ5464(ATCC)へのエレクトロポレーションによる形質転換を行なった。簡潔に説明すると、YPD寒天プレートからBJ5464細胞を採取し、YPD培地中において30℃にて一晩増殖させた。次いで、細胞を0.2の開始ODまで増やし、30℃にて6時間にわたり増殖させた。室温にてペレット化して再懸濁した後、10mMのTris、100mMのLiOAc、0.6Mのソルビトール、10mMのDTTを添加し、続いて、220rpmで緩やかに振盪しつつRTで30分間インキュベートした。細胞をペレット化し、1Mの冷ソルビトール、1mMのCaClで洗浄し、2×1010個の細胞/mLで再懸濁した。下記の設定:540V;25uF;∞オームを使用した、細胞120uLによる、5uL容積/キュゲット中でのDNA 0.5ugのエレクトロポレーション。YPD 2mL、0.5Mのソルビトール、0.5mMのCaClにより、細胞を迅速に救助した。30℃での1時間の回復の後、細胞を、ロイシン又はウラシルを含まないSCDブドウ糖培地に移し、30℃で2日にわたり継代させた。Gal10プロモーターの活性化を可能にするSCDガラクトース培地への培地交換により、提示されたFab分子の誘導を行なった。細胞を20℃で48時間にわたり誘導した。提示された分子の量を測定するために、Alexafluor 647がコンジュゲートした抗huFab抗体を使用して、表面提示された分子を評価した。ストレプトアビジンPE分子と一緒に、ビオチンがコンジュゲートしたGIPR ECD断片21-129aaを使用して、抗原結合を測定した。蛍光を、BD Cantoを使用して測定するか、又はAriaII FACSを使用して選別した。酵母を選別し、次いでSCD-leu-ura寒天プレート上で増殖させた。30℃での2~3日の増殖の後、クローンを採取し、SCD-leu-ura培地中で増殖させた。Phire Plant Direct PCR(ThermoFisher)を使用して、酵母培養物からPCRを行なった。次いで、PCR試料をGenewizにより配列決定した。
分子生物学/ゴールデンゲートアセンブリ
配列決定に使用したPCR試料を、分子クローニング用のテンプレートとしても使用した。ゲートアセンブリ(GGA)戦略では、PCRを使用して、適合性のあるクローニング末端を添加した。簡潔に説明すると、GGAはII型制限酵素に依存して、切断して複数のDNA断片を途切れなく連結する。この例では、複数のDNA断片は、シグナルをコードする合成核酸配列(gBlock、Integrated DNA Technologies,Coralville,IA)、抗GIPR可変ドメインをコードする別のgBlock、パートベクターから放出された抗体定常ドメイン断片、及び発現ベクター骨格からなる。表9は、これらの代表的な断片を表す。
Figure 0007237853000174
GGA反応物を、パート1 10ng、PCR産物 10ng、パート2 10ng、発現ベクター10ng、10×Fast Digest Reaction Buffer+0.5mMのATP(Thermo Fisher,Waltham,MA)1μl、FastDigest Esp3I(Thermo Fisher,Waltham,MA)0.5μl、T4 DNA Ligase(5U/μl,Thermo Fisher,Waltham,MA)1μl、及び10μlまでの水で構成した。37℃での2分間の消化ステップ及び16℃での3分間のライゲーションステップからなる15サイクルにわたり、反応を実施した。この15サイクルの後に、最後の5分間の37℃での消化ステップ及び80℃での5分間の酵素不活性化ステップが続いた。化学的にコンピテントなTop10細胞(Invitrogen)を使用して、DNA増幅を行なった。コロニーを採取し、37℃にて一晩2XYT培地中で増殖させ、次いでDNAを抽出し、TurboキットQiaRobot(Qiagen)を使用して精製した。DNAの配列を確認した後、哺乳類発現させた。
哺乳類発現
モノクローナル抗体を、対応するcDNAと共に、CHO-K1細胞に適合した懸濁液中で安定的に発現させた。製造業者のプロトコルに従ってLipofectamine LTX(Thermo Fisher)を使用して遺伝子導入を実施した。簡潔に説明すると、哺乳類発現プラスミドDNA 合計2μgを、1:1重鎖/軽鎖比で使用した。それぞれに関して、このプラスミドDNAをOPTI-MEM(Thermo Fisher)0.5mlに添加して混合した。別個のチューブ中において、Lipofectamine LTX 10μlをOPTI-MEM 0.5mlに添加した。これらの溶液を室温で5分にわたりインキュベートした。遺伝子導入複合体を形成するために、それぞれに関してDNA及びLipofectamine LTX混合物を組み合わせ、さらなる10分にわたり室温でインキュベートした。
対数期のCHO-K1細胞を遠心分離(5分にわたる1200~1500RPM)でペレット化し、1×PBS(Thermo Fisher)で1回洗浄し、OPTI-MEMで1.5~2e6個の生存細胞/mLまで再懸濁させた。各遺伝子導入のために、この洗浄した細胞1mLを、24ディープウェルブロック中の遺伝子導入複合体に添加した。このプレートを、6分にわたり225RPMで振盪させつつ、36℃、5%COでインキュベートした。遺伝子導入を停止させるために、各フラスコに増殖培地2mlを添加して48時間にわたりインキュベートした。
選択を開始するために、遺伝子導入の48時間後に遠心分離(5分にわたる1200~1500RPM)により細胞をペレット化し、培地を、抗生物質(ピューロマイシン10mg/L/ハイグロマイシン600mg/L)を補充した増殖培地4mLと交換した。選択培地を1週間当たり2~3回交換し、細胞の生存率及び密度が回復するまで、培養物が増殖しすぎないように(<5~6e6個のvc/mL)必要に応じて培養物を希釈した。
産生(100mL)を、36℃にて振盪フラスコ中で実行した。産物を、産生培地中に2e6個のvc/mLで播種した。遠心分離により7日目に馴化培地を回収し、続いてろ過した(0.45μm)
精製
第1のカラムとしてのMabSelect SuRe(MSS)HiTrap(GE Healthcare Life Sciences)1mLによる、及び第2のカラムとしてのDesalting HiTrap(GE Healthcare Life Sciences)5mLによる、AKTA Purifier(GE Healthcare Life Sciences,Little Chalfont,Buckinghamshire,UK)タンデム液体クロマトグラフィーシステムを使用して、細胞培養培地から分子を精製した。この培地をMSSカラム上に直接ロードし、次いで25mMのTris-HCl、100mMのNaCl、pH7.4 8カラム容積(CV)で洗浄し、100mMの酢酸 2CVで溶出させた。MSSカラム溶出液は脱塩カラムに自動的に送られ、この脱塩カラムでは、10mMの酢酸Na、150mM のNaCl、pH5.2 4CVでタンパク質を均一濃度で溶出させた。試料を、3.0μmのガラス繊維/0.2μmのSuporメンブレン(Pall Corporation,Port Washington,New York,USA)に通して滅菌ろ過した。
タンパク質濃度の決定
各精製済分子のタンパク質濃度を、Multiskan GOマイクロプレート分光光度計(Thermo Fisher Scientific,Rockford,Illinois,USA)を使用して、280nmでのUV吸光度により決定した。
サイズ排除クロマトグラフィー分析
Waters ACQUITY UPLCシステム(Waters Corporation)による280nmでの吸光度の0.4mL/分の観察にて、100mMのNaHPO、50mMのNaCl、7.5%のエタノール、pH6.9中で作動するACQUITY UPLC Protein BEH SECカラム、200Å、1.7μm、4.6×300mm(Waters Corporation,Milford,Massachusetts,USA)を使用するサイズ排除クロマトグラフィーにより、試料を分析した。
LCMS法
LCMS分析を減らすために、材料20μgを8MのグアニジンHCl/TRIS pH8.0(Teknova,Hollister,CA)で変性させ、20分にわたり50℃で10mMのDTT(EMD Millipore,Darmstadt,Germany)により還元させた。試料をトリフルオロ酢酸で酸性化し、Waters Acquity HPLC(Waters Corporation,Milford,MA)を使用して、Waters BEH逆相C4カラムに3μgを注入した。カラム流出液をXevo QTOF質量分析計(Waters Corporation,Milford,MA)のエレクトロスプレー源に導入し、質量スペクトルを収集した。関連するスペクトルを、Waters MassLynxソフトウェアパッケージ内のMaxEntアルゴリズムを使用してデコンボリュートした。結果として得られたLC及びHCの質量スペクトルを、各チェーンの理論的に算出された質量と比較し、合格/不合格として示した。
Tagg法:
Avacta,Optim-1000で段階的熱変成及び凝集研究を実行することにより、熱凝集開示温度を決定した。データ分析及びTaggの決定を、Optim Analysisソフトウェア(Igorバージョン6.31)を使用して実施した。濃度が1mg/mlを超える試料を、Tagg分析の前に製剤緩衝液で1.0mg/mlに正規化した。段階的熱ランプ(step thermal ramp)を、開始温度20℃及び停止温度90℃で適用した。温度ステップは1℃であり、温度保持時間は30秒であった。曝露時間は500m秒であり、中心波長は380nmであり、且つスリットは250μmであった。
cAMP法
方法
この方法は、ヒトGIPR又はカニクイザルGIPRを発現するHEK293T細胞中のcAMPの定量を目的とする。GIPの結合によりGIPRの立体構造の変化が引き起こされ、Gタンパク質が刺激されてアデニル酸シクラーゼが活性化され、その結果、ATPからcAMPが産生される。GIPRへの抗体の結合により、GIPRへのGIPの結合が妨げられる。このことはcAMPアッセイにより測定可能である。
このcAMPアッセイは、GPCRによるアデニリルシクラーゼ活性の調節時に産生されるcAMPを測定するために設計されたHTRFイムノアッセイである。このアッセイは、Eu3+-クリプテートで標識されたcAMP特異的モノクローナル抗体上の結合部位に関する、細胞により産生された天然cAMPと色素d2で標識されたcAMPとの間の競合に基づく。Eu3+-クリプテートがコンジュゲートした抗体がcAMP-d2トレーサーに結合すると、337nmでの光パルスがEu3+-クリプテートを励起させる。励起されたEu3+-クリプテートにより放出されたエネルギーは、FRETによりcAMPトレーサー上のd2分子に伝達され、次いで665nmで光が放出される。Eu3+-クリプテートからの残留エネルギーは620nmで光を生じるだろう。遊離cAMPが存在しない場合には、最大のHTRFシグナルが達成される。刺激された細胞により産生された遊離cAMPは、抗cAMP Eu3+-クリプテートへの結合に関してcAMP-d2トレーサーと競合し、HTRFシグナルの減少が引き起こされる。特定のシグナル(即ちエネルギー伝達)は、試料中におけるcAMPの濃度に反比例する。
実験計画
細胞を、DMEM 10%のFBS、1×ピルビン酸ナトリウム、1×ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン、2~5μg/mLのピューロマイシン中で維持した。実験の前に、細胞をDBPSで洗浄し、DPBS中の0.5mMのEDTAで解離させた。
GIP応答を確立するために、GIPの(HO)溶液を調製し、3倍に連続希釈し(0.1%のBSAを含むHam’s F-12)、96ウェルの黒色の丸底プレート中において30,000個の組換え細胞に添加した。細胞を、30分にわたり5%CO2、37℃にて、0.5mMのIBMXの存在下でインキュベートした。インキュベーションの後、d2-cAMP 25μL、Eu3+-クリプテート-cAMP抗体25μLを添加し、続いて1時間にわたり室温でインキュベートした。EnVision Multilabel Readerを使用して665nm及び620nmでの波長を測定し、比率665/620比を算出した。
被験物質応答を確立するために、抗体の溶液(10mMの酢酸ナトリウム、9%のスクロース、pH5.2)を調製し、3倍に連続希釈し(0.1%のBSAを含むHam’s F-12)、96ウェルの黒色の丸底プレート中において30,000個の組換え細胞に添加し、30分にわたり5%CO2、37℃で細胞をインキュベートした。GIPを、50pMの最終濃度まで添加した。細胞を、30分にわたり5%CO、37℃にて、0.5mMのIBMXの存在下でインキュベートした。インキュベーションの後、d2-cAMP 25μL、Eu3+-クリプテート-cAMP抗体25μLを添加し、続いて1時間にわたり室温でインキュベートした。EnVision Multilabel Readerを使用して665nm及び620nmでの波長を測定し、比率665/620比を算出した。
cAMPレベルに関する2つの複製値(665/620比)の平均に対して横座標上でGIP及び抗体の濃度をプロットすることにより、グラフを作成した。次いで、データ点を、対数(アゴニスト)対応答-変数勾配GraphPad Prismと適合させ、上部、底部、丘の勾配、並びにEC50及びIC50の両方の適合値を得た(表10)。
BIAcore機器、試薬、及びセンサーチップ表面の調製を使用した、2G10親和性成熟ヒットの変異体へのGIPRの結合の検証:
Biacore T200、BiacoreシリーズS-CM5センサーチップ、アミンカップリングキット、界面活性剤P-20、10mMの酢酸ナトリウム、pH4.0、及び10mMのグリシンpH1.5は、GE(Pittsburgh,PA)製であった。リン酸緩衝生理食塩水(PBS、1×、塩化カルシウムなし、塩化マグネシウムなし)は、Thermo Fisher Scientific(Waltham,MA)製であった。ウシ血清アルブミン(BSA、画分V、IgGフリー)は、Sigma-Aldrich Corp.(St.Louis,MO)製であった。ヤギ抗huFc抗体はJackson ImmunoResearch Inc.(West Grove,PA)製であった。
センサーチップ表面の調製
S-CM5センサーチップ表面へのヤギ抗huFc抗体の固定化を、製造業者の指示に従って実施した。Biacore機器用ランニング緩衝液は、0.005%のP20/PBS 1×、pH7.4、塩化カルシウムなし、塩化マグネシウムなしである。簡潔に説明すると、0.2MのN-エチル-N’-(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及び0.05MのN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を含む混合物60μLを注入することにより、センサーチップ表面上のカルボキシル基を活性化した。ヤギ抗huFc抗体を、10mMの酢酸ナトリウム、pH4.0で20μg/mlに希釈し、6分にわたり30uL/分で、活性化したチップ表面上に注入した。1Mのエタノールアミン60μLを注入することにより、表面上の過剰な反応基を不活性化させた。最終的な固定化レベルは約8000レゾナンスユニット(RU)であった。
Biacore T200により、固体化されたヤギ抗huFc抗体表面上で結合アッセイを実行した。この実験を25℃で実施した。機器用ランニング緩衝液は0.005%のP20/PBSであった。フローセルチャネル1~4への標準的なアミンカップリングにより、ヤギ抗huFc捕捉抗体をセンサーチップ表面に共有結合的に付着させた。抗huGIPR抗体を試料緩衝液(0.1mg/mlのBSA、0.005%のP20、PBS)で約10nMまで希釈し、次いでフローセルチャネル2、3、4に捕捉させた。フローセルチャネル1は、抗huGIPR抗体を注入しないブランク参照表面としてであった。捕捉された抗体の応答範囲は約250RUであった。次いで、200nMのhuGIPR ECDを、3分にわたり流速50ul/分で、ヤギ抗huFc抗体で捕捉された抗huGIPR抗体表面上に注入した。10分間の解離の後、10mMのグリシン、pH1.5を30秒にわたり2回注入することにより各表面を再生した。Biacore T200評価ソフトウェア(v.2.0)を使用してセンサーグラムを分析した。各抗体のks(1/秒)を表10に示す。
Figure 0007237853000175
Figure 0007237853000176
Figure 0007237853000177
抗体2G10.248をさらに親和性成熟させ、結果として抗体iPS:529381、iPS:529382、iPS:529397、iPS:529399、iPS:529400、iPS:529403、iPS:529404、及びiPS:529405を得た。これらの抗体は全て、重鎖のM252位(M252Y)、S254位(S254T)及びT256位(T256E)で、半減期が延長するYTE変異を含む。加えて、抗体iPS:529397、iPS:529399、iPS:529400、iPS:529403、iPS:529404、及びiPS:529405は全て、軽鎖中に、粘度が低下する変異M4L、V13L、A76D、S95S、Q97E、S98Pを含む。
Figure 0007237853000178

Claims (36)

  1. ヒトの胃抑制ペプチド受容体(GIPR)ポリペプチドに特異的に結合する、単離された抗原結合タンパク質であって、前記抗原結合タンパク質は、抗体又はその断片であり、前記抗体は、GIPRアンタゴニストであり、CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2及びCDRH3を含み、各CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2及びCDRH3は、それぞれ、配列番号1290、配列番号1291、配列番号1292、配列番号1293、配列番号1294、及び配列番号1295を含む、単離された抗原結合タンパク質。
  2. 前記ヒトGIPRが、配列番号1201、配列番号1203、及び配列番号1205からなる群から選択される配列を含む配列を有する、請求項1に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  3. 前記抗原結合タンパク質が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、多特異性抗体、又はその抗体断片である、請求項2に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  4. 前記抗体断片が、Fab断片、Fab’断片、又はF(ab’)2断片である、請求項3に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  5. 前記抗原結合タンパク質が、モノクローナル抗体である、請求項3に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  6. 前記抗原結合タンパク質が、IgG1型、IgG2型、IgG3型、又はIgG4型のものである、請求項3に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  7. 前記抗原結合タンパク質が、IgG1型又はIgG2型のものである、請求項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  8. 前記抗原結合タンパク質が、標識基にカップリングされる、請求項3に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  9. 前記抗原結合タンパク質が、ヒトGIPRの細胞外部分へのGIPの結合を阻害する、請求項3に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  10. 前記抗原結合タンパク質が、抗体又はその断片であり、前記抗体又はその断片が、配列番号1286を含む軽鎖可変領域及び配列番号1287を含む重鎖可変領域を含む、請求項3に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  11. 前記抗原結合タンパク質が、抗体であり、前記抗体が、配列番号1288を含む軽鎖及び配列番号1289を含む重鎖を含む、請求項3に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  12. 請求項10又は11に記載の抗体又はその断片をコードする、核酸分子。
  13. 前記核酸分子が、作動可能に制御配列に連結される、請求項12に記載の核酸分子。
  14. 請求項13に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  15. 請求項14に記載の核酸分子を含む、宿主細胞。
  16. 請求項15に記載の宿主細胞によって産生される、抗体又はその断片。
  17. 請求項10又は11に記載の抗体又はその断片の調製方法であって、前記抗体を分泌する宿主細胞からの前記抗体又はその断片の調製工程を含む、方法。
  18. 請求項10又は11に記載の抗体又はその断片の少なくとも1つと、医薬的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
  19. ヒトGIPRの細胞外部分への結合について、請求項10又は11に記載の抗体又はその断片と競合する、単離された抗原結合タンパク質。
  20. 治療的に有効な量のGLP-1受容体アゴニストと、治療的に有効な量の請求項1に記載のGIPRアンタゴニストとを含む、組成物。
  21. GLP-1受容体アゴニストとGIPRアンタゴニストとのモル比が、約1:1~1:110、約1:1~1:100、約1:1~1:75、約1:1~1:50、約1:1~1:25、約1:1~1:10、約1:1~1:5、及び約1:1である、請求項20に記載の組成物。
  22. GIPRアンタゴニストとGLP-1受容体アゴニストとのモル比が、約1:1~1:110、約1:1~1:100、約1:1~1:75、約1:1~1:50、約1:1~1:25、約1:1~1:10、及び約1:1~1:5である、請求項20に記載の組成物。
  23. 前記GLP-1受容体アゴニストが、約1:1.5~1:150、好ましくは、1:2~1:50という治療的に有効なモル比で、前記GIPRアンタゴニストと組み合わせて使用される、請求項20に記載の組成物。
  24. 前記GLP-1受容体アゴニスト及び前記GIPRアンタゴニストが、病状及び/又は疾患を治療するために必要になるそれぞれの化合物単独の用量と比較して、少なくとも約1.1~1.4倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍少ない用量で存在する、請求項20に記載の組成物。
  25. 前記GLP-1受容体アゴニストが、GLP-1(7-37)又はGLP-1(7-37)類似体である、請求項20に記載の組成物。
  26. 前記GLP-1受容体アゴニストが、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、及びタスポグルチドからなる群から選択される、請求項25に記載の組成物。
  27. 前記GLP-1受容体アゴニストが、GLP-1(7-37)(配列番号1244)、GLP-1(7-36)-NH(配列番号1245)、リラグルチド、アルビグルチド、タスポグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、LY2428757、デスアミノ-His,Arg26,Lys34(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37)(配列番号1282として開示されたコアペプチド)、デスアミノ-His,Arg26,Lys34(Nε-オクタノイル)-GLP-1(7-37)(配列番号1283)、Arg26,34,Lys38(Nε-(ω-カルボキシペンタデカノイル))-GLP-1(7-38)(配列番号1284)、Arg26,34,Lys36(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-36)(配列番号1285として開示のコアペプチド)、Aib8,35,Arg26,34,Phe31-GLP-1(7-36))(配列番号1246)、HXaaEGTFTSDVSSYLEXaa22Xaa23AAKEFIXaa30WLXaa33Xaa34G Xaa36Xaa37(Xaaは、A、V、又はGであり、Xaa22は、G、K、又はEであり、Xaa23は、Q又はKであり、Xaa30は、A又はEであり、Xaa33は、V又はKであり、Xaa34は、K、N、又はRであり、Xaa36は、R又はGであり、且つXaa37は、G、H、P、又は非存在である)(配列番号1247)、Arg34-GLP-1(7-37)(配列番号1248)、Glu30-GLP-1(7-37)(配列番号1249)、Lys22-GLP-1(7-37)(配列番号1250)、Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-37)(配列番号1251)、Val,Glu22,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号1252)、Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34-GLP-1(7-37)(配列番号1253)、Val,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号1254)、Gly8,36,Glu22,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1255)、Val,Glu22,Gly36Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1256)、Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1257)、Val,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号1258)、Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-36)(配列番号1259)、Val,Glu22,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号1260)、Val,Glu22,Asn34,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号1261)、及びGly8,36,Glu22,Asn34-GLP-1(7-36)(配列番号1262)からなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
  28. ヒトGIPRが、配列番号1201、配列番号1203、及び配列番号1205からなる群から選択される配列を含む配列を有する、請求項20に記載の組成物。
  29. 前記GIPRアンタゴニストが、抗原結合タンパク質である、請求項20に記載の組成物。
  30. 前記抗原結合タンパク質が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、多特異性抗体、又はその抗体断片である、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記抗体断片が、Fab断片、Fab’断片、又はF(ab’)2断片である、請求項30に記載の組成物。
  32. 前記抗原結合タンパク質が、モノクローナル抗体である、請求項30に記載の組成物。
  33. 前記抗原結合タンパク質が、IgG1型、IgG2型、IgG3型、又はIgG4型のものである、請求項30に記載の組成物。
  34. 前記抗原結合タンパク質が、IgG1型又はIgG2型のものである、請求項33に記載の組成物。
  35. 前記抗原結合タンパク質が、標識基にカップリングされる、請求項30に記載の組成物。
  36. 前記抗原結合タンパク質が、ヒトGIPRの細胞外部分へのGIPの結合を阻害する、請求項30に記載の組成物。
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