JP7237821B2 - メチオニンの製造方法および製造設備 - Google Patents

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Description

本特許出願は、日本国特許出願2017-087750号(2017年4月27日出願)に基づくパリ条約上の優先権および利益を主張するものであり、ここに引用することによって、上記出願に記載された内容の全体が、本明細書中に組み込まれるものとする。
本発明は、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンの加水分解反応により、メチオニンを製造する方法に関する。
メチオニンは、動物の体内で合成することができない必須アミノ酸の一種であり、動物用飼料添加剤として広く用いられ、工業的には化学プラントで製造されている。
メチオニンを製造する方法として、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。該方法では、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解した後、二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、メチオニンと母液とに分離する第一晶析工程を行い、該第一晶析工程で得られた母液に溶解しているメチオニン等の有効成分を析出させ、該有効成分と母液とに分離する第二晶工程を行っている。
特許第5307512号公報
上記の第二晶析工程で、有効成分である析出物と母液とを分離する際、該析出物の一部が、沈降せずに母液中に浮遊したり、母液の液面上に浮かび上がったりすることにより、母液に有効成分が残存することがある。このような有効成分のロスは製造コストに影響するため、該ロスを減らすことは重要である。
本発明は、メチオニンの製造方法において、第一晶析工程でのメチオニン分離後の母液に溶解しているメチオニン等の有効成分を効率的に回収し、製造ロスを減らすことを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、第一晶析工程でのメチオニン分離後の母液に溶解しているメチオニン等の有効成分を析出させて固液分離により回収するに際し、該固液分離を遠心分離機とフィルタとを用いて行うことにより該有効成分を効率的に回収し、製造ロスを減らすことができることを見出した。
本願の発明は、以下の態様を包含する。
1.次の工程(1)~(3):
(1)反応工程:アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解し、メチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る工程、
(2)第一晶析工程:前記反応液に二酸化炭素を導入し、前記反応液からメチオニンを析出させ、メチオニン一番晶と一番晶母液とを得る工程、および、
(3)第二晶析工程:前記一番晶母液にアルコールを加えて二酸化炭素を導入して析出したメチオニン二番晶を含む析出物を含むスラリーを得た後、前記スラリーを、遠心分離に供し、メチオニン二番晶と二番晶母液とに固液分離し、得られる二番晶母液に残存する前記析出物を、フィルタを用いて分離する工程、を含む、ことを特徴とするメチオニンの製造方法(以下、本明細書中、「本発明のメチオニンの製造方法」と記すことがある)。
2.前記析出物を前記一番晶母液に溶解させて、前記反応液に加える前項1記載のメチオニンの製造方法。
3.前記二番晶母液の一部を、前記第二晶析工程へリサイクルする、前項1または2記載のメチオニンの製造方法。
4.前記固液分離における遠心力が、重力に対して100倍以上4000倍以下である前項1から3のいずれか1つに記載のメチオニンの製造方法。
5.前記フィルタの材質がポリフェニレンサルファイドまたはポリプロピレンである、前項1から4のいずれか1つに記載のメチオニンの製造方法。
6.アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解して、メチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る反応設備と、
前記反応液に二酸化炭素を導入し、前記反応液からメチオニンを析出させる第一晶析設備と前記第一晶析設備で得られるメチオニンを分離した後に得られる一番晶母液にアルコールを加えて二酸化炭素を導入することにより析出する析出物を含むスラリーを得る第二晶析設備と、
前記析出物を含むスラリーを固液分離するための遠心分離機と、
該遠心分離機により固液分離して得られる二番晶母液に残存する前記析出物を分離するフィルタと、
が設けられている、ことを特徴とするメチオニンの製造設備(以下、本明細書中、「本発明のメチオニンの製造設備」と記すことがある)。
本願発明のメチオニンの製造方法によれば、第二晶析工程で、析出物を含むスラリーを、遠心分離機を用いて固液分離した後、該固液分離により分離された二番晶母液に残存する析出物を、フィルタを用いて分離することにより、遠心分離機で分離できなかった、液体上に浮かび上がったり、液体中に浮遊したりしていた析出物を回収することができ、メチオニンの製造時のロスを減らすことができる。
本願記載の製造方法の実施形態に係るメチオニンの製造方法で用いられている遠心分離機周辺の説明図である。 本願記載の実施形態に係るメチオニンの製造方法内の第二晶析工程前後のフロー図である。 二番晶母液のろ過試験に用いられたろ過性能試験装置の概略構成図である。 フィルタごとのろ過時間とろ過量の関係を示したグラフである。
メチオニンの製造方法を説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、説明のためのメチオニンの製造方法を例示するものであって、メチオニンの製造方法は以下のものに限定されない。
本願のメチオニンの製造方法では、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを原料に用い、これをアルカリ化合物の存在下に加水分解することにより、メチオニンをアルカリ塩として含有する反応液を得る〔(1)反応工程〕。
原料の5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンは、例えば、2-ヒドロキシ-4-メチルチオブタンニトリルを、アンモニアおよび二酸化炭素と、又は炭酸アンモニウムと反応させることにより、調製することができる。
アルカリ化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。アルカリ化合物の使用量は、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオン1モル当たり、カリウムまたはナトリウムとして、通常2~10モル、好ましくは3~6モルである。また、水の使用量は、通常、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオン1重量部当たり2~20重量部である。
反応工程で行われる加水分解反応は、攪拌式または非攪拌式であって、連続式または回分(バッチ)式の反応槽で行われる。
この加水分解反応は、ゲージ圧力で0.5~1MPa程度の加圧下に、150~200℃程度に加熱して行うのがよい。反応時間は通常10分~24時間である。
こうして得られる加水分解反応液からメチオニンを取り出すため、該反応液に二酸化炭素を導入して晶析を行い、得られたスラリーを、濾過やデカンテーションなどで析出物と母液とに分離することにより、析出したメチオニンを一番晶として取得する〔(2)第一晶析工程〕。本明細書において、「一番晶母液」とは、第一晶析工程においてメチオニンを分離して得られる母液を指す。
二酸化炭素の導入により反応液に二酸化炭素が吸収され、メチオニンのアルカリ塩が遊離のメチオニンとなって析出する。
二酸化炭素の導入は、ゲージ圧力で通常0.1~1MPa、好ましくは0.2~0.5MPaの加圧下で行うのがよい。
晶析温度は、通常0~50℃、好ましくは10~30℃である。また、晶析時間は、加水分解反応液が二酸化炭素で飽和されて、メチオニンが十分に析出するまでの時間を目安にすればよいが、通常10分~24時間である。
分離されたメチオニンは、必要に応じて、洗浄やpH調整などを行った後、乾燥することにより製品とすればよい。この乾燥は、微減圧下、大気圧下または加圧下にて、50~160℃程度に加熱して行うのがよく、乾燥時間は通常10分~24時間である。
図2には、本発明の実施形態に係るメチオニンの製造方法内の第二晶析工程前後のフロー図を示す。一番晶母液には、溶解度分のメチオニンが残存しており、また前記アルカリ化合物としてリサイクル可能な化合物が含まれている。本明細書において、有効成分とは、メチオニンと、前記アルカリ化合物としてリサイクル可能な化合物とを指す。前記アルカリ化合物としてリサイクル可能な化合物としては、例えば、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、および有機物と結合したカリウム(メチオニンカリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウムなど)が挙げられる。一番晶母液にはこれらの有効成分が含まれているため、一番晶母液は、工程(1)の加水分解反応にリサイクルするのが望ましいが、一方で、原料中の不純物や加水分解時の副反応に起因する不純物、例えば、グリシン、アラニンの如きメチオニン以外のアミノ酸や、着色成分なども含まれているので、リサイクルにより、これら不純物が加水分解反応に持ち込まれることになる。そこで、一番晶母液のリサイクルは、全量ではなく、不純物が蓄積しない範囲で行う必要があり、その割合は、一番晶母液の全量に対し通常50~90重量%、好ましくは60~85重量%である。
図2には記載していないが、一番晶母液のリサイクルは、該一番晶母液を濃縮し、この濃縮液をリサイクル液として行うのが望ましい。この濃縮により、一番晶母液から二酸化炭素を留去することができ、塩基性が高められた、加水分解反応に有利なリサイクル液を得ることができる。また、この濃縮を100~140℃の高温で行うことにより、一番晶母液中の炭酸水素カリウムが炭酸カリウムに変換される反応(2KHCO→KCO+HO+CO)が促進され、さらに塩基性が高められた、加水分解反応に有利なリサイクル液を得ることができる。この濃縮は、大気圧下、減圧下又は加圧下に行うことができるが、上記の如く高温で行うためには、加圧条件を採用するのが有効である。濃縮率は、通常1.2~4倍、好ましくは1.5~3.5倍であり、ここで、濃縮率とは、濃縮後の液重量に対する濃縮前の液重量の割合(濃縮前の液重量/濃縮後の液重量)を意味し、以下も同様である。
リサイクルされなかった分の一番晶母液(濃縮された母液)の一部または全部は、該一番晶母液に溶解している有効成分を析出させて析出物として回収すべく、晶析に付される。本実施形態では、この晶析を、一番晶母液にアルコールを加えて二酸化炭素を導入することにより行い、得られたスラリーを析出物と二番晶母液とに分離することにより、一番晶母液に溶解している有効成分を回収する〔(3)第二晶析工程〕。
以下、一番晶母液にアルコールを加えて二酸化炭素を導入することにより析出する析出物を、「本析出物」と記す。また、本明細書において、「二番晶母液」とは、第二晶析工程において本析出物を分離して得られる母液を指し、後述する、遠心分離機を用いて固液分離して得られる母液と、フィルタを用いて本析出物を分離して得られる母液の両方を意味する。なお、濃縮された一番晶母液をリサイクルすることなく、その全量をこの晶析に付すこともできる。
図2には記載していないが、第二晶析工程に付される一番晶母液は、リサイクルされる一番晶母液と同様、濃縮されることが好ましい。この濃縮により、本析出物の回収率を高めることができる。この濃縮は、リサイクルされる一番晶母液の濃縮と同様の条件で行うことができ、一番晶母液の全量を濃縮した後、リサイクル用と第二晶析工程用に分けてもよい。
一番晶母液の濃縮では、母液中の塩基性が上昇して、第一晶析工程で変換された遊離のメチオニンがメチオニンのアルカリ塩に戻ってしまう。よって、第二晶析工程でも、濃縮後の一番晶母液とアルコールとの混合液に二酸化炭素を導入することにより、メチオニンのアルカリ塩を再び遊離のメチオニンに変換する。
また、上記の一番晶母液の濃縮後には加熱処理することが好ましく、その中に含まれるメチオニンジペプチド(メチオニン2分子の脱水縮合物)の加水分解によりメチオニンの再生が促進される。この加熱処理は、ゲージ圧力で0.5~2.0MPa程度の加圧下に140~180℃程度の温度で行うのがよく、熱処理時間は通常10分~24時間である。
一番晶母液に加えられる前記アルコールとしては、通常、アルキル基の炭素数が1~5のアルキルアルコールが用いられるが、中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコールの如き、水と任意の割合で混和しうるものの1種または2種以上が好ましく、特にイソプロピルアルコールが好ましい。アルコールの使用量は、晶析に付される一番晶母液に対し、通常0.05~5重量倍、好ましくは0.1~2重量倍である。なお、一番晶母液にアルコールを加える操作は、二酸化炭素の導入の前に行ってもよいし、二酸化炭素の導入と同時に行ってもよい。
第二晶析工程における二酸化炭素の導入は、第一晶析工程と同様、ゲージ圧力で通常0.1~1.0MPa、好ましくは0.2~0.5MPaの加圧下で行うのがよい。
晶析温度は、通常0~50℃、好ましくは5~20℃である。また、晶析時間は、アルコールが加えられた一番晶母液が二酸化炭素で飽和され、本析出物が十分に析出するまでの時間を目安にすればよいが、通常10分~24時間である。
図1には、第二晶析工程において、本析出物を含むスラリーを本析出物と二番晶母液とに連続的に分離する遠心分離機周辺の説明図を示す。図1には、横型の遠心分離機の1つであるデカンタ10の概略断面図等を記載している。デカンタ10は、図1に描かれている中心線を中心に回転する回転胴11と、この回転胴11と回転速度差を持つことができるスクリュー13とが備えられた構成であり、本実施形態では、中心線近傍にスラリーを連続的に流入させ、本析出物を図1の紙面上左側になる第一流出口11aから流出させるとともに、二番晶母液を図1の紙面上回転胴の右側にある第二流出口11bから流出させて、本析出物と二番晶母液とに分離している。なお、遠心分離機の型式については、特に限定されるものではないが、生産規模を拡大する場合、連続式が好ましい。竪型の遠心分離機を用いることもできるし、横型または円筒型のものを採用することもできる。
前記遠心分離機による固液分離における遠心力は、重力に対して100倍以上4000倍以下であることが望ましい。すなわち、遠心効果:Z=mrω/mg、m:質量[kg]、r:回転半径[m]、ω:角速度[rad/s]、g:重力加速度[m/s]の値が、100以上4000以下であることが望ましい。
本実施形態では、遠心分離機による固液分離では分離されずに、二番晶母液に残存する本析出物を、フィルタ12を用いて分離する。上述したように、本析出物を含むスラリーは、遠心分離により本析出物と二番晶母液とに分離される。このとき、本析出物の一部が、沈降せずに液中に浮遊したり、液面上に浮かび上がったりすることにより、二番晶母液に残存する。そこで、本実施形態では、二番晶母液に残存する本析出物を分離するためのフィルタ12が設けられている。
このフィルタの材質はポリプロピレンまたはポリフェニレンサルファイドが好ましく、より好ましくはポリフェニレンサルファイドである。これはスラリーがアルカリ性であるため、該当液をろ過する場合に、フィルタの性能を確保しながらフィルタの寿命を延ばすことができるからである。これによりフィルタ交換のメンテナンス作業が軽減できるとともに、フィルタ交換に伴うコストの低減を図ることができる。また、図示してはいないが、フィルタの運用としては、例えばフィルタを並列に設けて、一定時間ごとに液体が通過するフィルタを交代させることで、液体が通過していないときに、フィルタで捕集したケーキを、例えば一番晶母液で回収することができる。また、フィルタを1台とし母液をタンクなどに一時貯蔵することで1台での運転も可能である。
フィルタは二番晶母液に含まれる析出物を捕集できるサイズであればどんな物でもよい。粒径として0.1~1,000μm、好ましくは1~500μmの析出物が捕集できるフィルタとする。
図2に示すように、回収された本析出物は、工程(1)の加水分解反応にリサイクルされる。その際本析出物は、リサイクル用の一番晶母液に溶解させて、反応液に加えるのが望ましい。
フィルタにより本析出物を分離した後の二番晶母液には、未だ有効成分が溶解して含まれている。図2に示すように、本実施形態では、この二番晶母液から、さらに有効成分を回収すべく、二番晶母液を濃縮した後、その一部を加熱処理[加熱工程]し、そして該加熱処理後の液を(3)第二晶析工程にリサイクルする(好ましくは、一番晶母液の濃縮液と混合する)ことにより、有効成分を回収するのが望ましい。
また、二番晶母液は全量リサイクルするのではなく、一部をリサイクルして、残りは排出することが好ましい。これは一番晶母液と同様に、二番晶母液にも不純物が含まれているためである。二番晶母液の一部を第二晶析工程へリサイクルし、残りは排出することにより、不純物が蓄積することによる反応工程や晶析工程への悪影響を軽減することができる。二番晶母液に残存する本析出物のロスは製造コストの増加につながり、該ロスを減らすことは、二番晶母液の一部をリサイクルして残りを排出する方法においてますます重要になる。
二番晶母液の濃縮により、メチオニンの回収率を高めることができるとともに、第二晶析工程で加えられたアルコールを留去することができる。
また、濃縮後の加熱処理により、その中に含まれるメチオニンジペプチドの加水分解にてメチオニンの再生が促進される。この加熱処理は、ゲージ圧力で0.5~2MPa程度の加圧下に、150~200℃、好ましくは160~180℃の温度で行う。熱処理時間は、好ましくは0.3~10時間、より好ましくは0.5~5時間である。
この加熱処理は、メチオニンに対するメチオニンジペプチドの比が、好ましくは5~50重量%、より好ましくは5~40重量%まで行うのがよい。
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[実施例1]
図3には、本析出物を含む二番晶母液のろ過試験に用いられたろ過性能試験装置20の概略構成図を示す。ろ過性能試験装置20は、ろ過機22の底側に第二晶析工程で用いられているのと同じ、細孔径の平均5μm、通気量5-15L/(dm×min)@20mmW.C.材質ポリプロピレンのろ過試験用フィルタ26が備えられている。ここで、通気量5-15L/(dm×min)@20mmW.C.とは、200Paの条件下で空気を通過させたときに、1分間にフィルタを通過する空気の量がフィルタの単位面積(1dm)当たり5~15Lであることを表す。このろ過試験用フィルタ26が設定されたろ過機中に本析出物を含む二番晶母液を供給し、圧縮空気供給装置21から、所定の流量の圧縮空気を供給する。このとき圧縮空気の圧力の調整は、減圧弁23により行い、圧力の値は、圧力計25により測定される。また供給した圧縮空気の流量は、流量計24により測定される。ろ過試験用フィルタ26を通過した二番晶母液は、ろ過機22の下に滴下される。ろ過試験用フィルタ26上に残った本析出物の重量及び含液率を測定する。含液率は、赤外水分計を用い、乾燥温度を80℃として、30秒間の含液率変化量が0.05重量%以下になるまで乾燥することにより測定される値である。
一番晶母液にアルコールを加えて二酸化炭素を導入することにより析出する析出物を含むスラリーを得た後、該スラリーを遠心分離機により固液分離することにより二番晶母液を得た。該二番晶母液200gを、ろ過機22に供給し、ろ過圧力をゲージ圧力で0.3MPaとし、30分間でろ過を行った。ろ過装置用フィルタ26上の本析出物の重量は7.4g、含液率は23.2重量%であった。これらの値から計算することにより求められる、二番晶母液から回収された本析出物の重量は5.68gであった。また、ろ過前後の二番晶母液の外観の変化を目視により確認した。二番晶母液の外観は、ろ過前は濁っていたが、ろ過後は透明であった。
[実施例2]
図4には、2つのフィルタを用いてろ過した場合の、ろ過時間とろ過量の関係のグラフを、表1には、実験に用いたフィルタの主要諸元を、表2には、実験の結果を示す。本実施例においても、実施例1で用いたろ過性能試験装置を用いた。
Figure 0007237821000001
なお、細孔径はフィルタの細孔径の平均(μm)を表す。また、通気量は、200Paの条件下で空気を通過させたときに、フィルタの単位面積(1dm)当たりの、1分間にフィルタを通過する空気の量(L)を表す。
Figure 0007237821000002
フィルタNo.1は、材質がポリプロピレンであり、他の諸元は表2に示すとおりである。図4の表示では、わかりやすいようにフィルタの材質を記載している。フィルタNo.2は、材質がポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、他の諸元、また実験時の諸元は表2および[0037]に示すとおりである。図4より、通気量と細孔径を適切に選択することで、フィルタとして、どちらの材質を用いても問題ないことが判明した。
10 デカンタ
11 回転胴
12 フィルタ
13 スクリュー
20 ろ過性能試験装置
21 圧縮空気供給装置
22 ろ過機
23 減圧弁
24 流量計
25 圧力計
26 ろ過試験用フィルタ

Claims (6)

  1. 次の工程(1)~(3):
    (1)反応工程:アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解し、メチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る工程、
    (2)第一晶析工程:前記反応液に二酸化炭素を導入し、前記反応液から、メチオニンを析出させ、メチオニン一番晶と一番晶母液とを得る工程、
    (3)第二晶析工程:前記一番晶母液にアルコールを加えて二酸化炭素を導入して析出したメチオニン二番晶を含む析出物を含むスラリーを得た後、
    前記スラリーを、遠心分離に供し、メチオニン二番晶と二番晶母液とに固液分離し、得られる二番晶母液に遠心分離機による固液分離では分離されずに残存する析出物を、フィルタを用いて分離する工程、
    を含む、ことを特徴とするメチオニンの製造方法。
  2. 前記二番晶母液からフィルタを用いて分離した析出物を前記一番晶母液に溶解させて、前記反応液に加える、
    請求項1記載のメチオニンの製造方法。
  3. 前記二番晶母液の一部を、前記第二晶析工程へリサイクルする、
    請求項1または2記載のメチオニンの製造方法。
  4. 前記固液分離における遠心力が、重力に対して100倍以上4000倍以下である、請求項1から3のいずれか1つに記載のメチオニンの製造方法。
  5. 前記フィルタの材質がポリフェニレンサルファイドまたはポリプロピレンである、請求項1から4のいずれか1つに記載のメチオニンの製造方法。
  6. アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解して、メチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る反応設備と、
    前記反応液に二酸化炭素を導入し、前記反応液からメチオニンを析出させる第一晶析設備と、
    前記第一晶析設備で得られるメチオニンを分離した後に得られる一番晶母液にアルコールを加えて二酸化炭素を導入することにより析出する析出物を含むスラリーを得る第二晶析設備と、
    前記析出物を含むスラリーを固液分離するための遠心分離機と、
    該遠心分離機により固液分離して得られる二番晶母液に遠心分離機による固液分離では分離されずに残存する析出物を分離するフィルタと、
    が設けられている、
    ことを特徴とするメチオニンの製造設備。
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