JP7237501B2 - 真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シート - Google Patents

真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シート Download PDF

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Description

本発明は、複数種類の樹脂材料を使用した複合樹脂シートに関するものであり、より特定的には、母材となる樹脂シートに他の樹脂材料を部分的に積層した複合樹脂シートに関する。
樹脂シートを金型に密着させて成型する真空成型や圧空成型は、低コストで様々な形状の成型品が得られるため、広く利用されている。
近年、真空成型や圧空成型に用いる金型は、さらに複雑になってきており、この金型に密着される樹脂には、金型形状に対する追随性の高さが求められるようになってきている。
このような中、特許文献1は、真空成型や圧空成型に適した樹脂シートを提案している。また、特許文献2は、押出成型により複合樹脂シートを製造する方法を提案している。
特開平06-155664号公報 特開平11-216757号公報
しかしながら、上記技術を用いても、複雑な形状の金型に対する形状追随性が不十分であった。例えば、高伸度フィルムを使用した場合、伸びる必要性が無い箇所でフィルムが伸びて、フィルムがたるんでしまう問題があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、複雑な形状の金型に密着可能な真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シート(以下、単に複合樹脂シートと称することがある)を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の本発明は、母材となる樹脂シート中または一方の面の上のみに、母材とは異なる樹脂からなり、且つ母材よりも狭幅の帯状樹脂シートを部分的に積層した真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シートである。母材となる樹脂シートの材料は、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂材料からなり、帯状樹脂シートの材料は、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーからなる群より選ばれた少なくとも一種からなる。複合樹脂シートを帯状樹脂シートの幅方向に平行な方向に10~200%伸ばしたとき、積層部分と非積層部分の伸度に一様な違いがあり、且つ、積層部分の伸度は、非積層部分の伸度よりも、2倍以上大きく、積層部分の厚みは、非積層部分の厚みと等しい。
上記課題を解決する第2の本発明は、母材となる樹脂シート中または一方の面の上のみに、母材とは異なる樹脂からなり、且つ母材よりも狭幅の帯状樹脂シートを部分的に積層した真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シートである。母材となる樹脂シートの材料は、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーからなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂材料からなり、帯状樹脂シートの材料は、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂材料からなる。複合樹脂シートを帯状樹脂シートの幅方向に平行な方向に10~200%伸ばしたとき、積層部分と非積層部分の伸度に一様な違いがあり、且つ、非積層部分の伸度は、積層部分の伸度よりも、2倍以上大きく、積層部分の厚みは、非積層部分の厚みと等しい。
本発明では、母材となる樹脂シート(母材樹脂シート)上または中に、母材とは異なる樹脂からなり、母材樹脂シートよりも狭幅の帯状樹脂シート(異種樹脂シート)を部分的に積層配置されている。これにより、複合樹脂シートは、母材樹脂シートのみからなる部分(非積層部分)と、母材樹脂シートと異種樹脂シートとの積層部分と、を備えた構造となる。この構造では、この複合樹脂シートを異種樹脂シートの幅方向に平行な方向に伸ばしたときの伸度は、非積層部分と積層部分とで異なるようにすることができる。成型において金型に密着させるとき、樹脂シートには伸びがほとんど必要のない部分と、高い伸びが求められる部分とがあるが、上記本発明のごとく伸度が10~200%において高伸度のほうの伸度は、低伸度のほうの伸度よりも、2倍以上大きく規制することにより、複雑な形状の金型に追随しやすくすることができる。
ここで、積層部分と非積層部分の伸度に一様な違いがあるとは、10~200%伸ばした場合において、高伸度側と低伸度側の逆転が起きないことを意味する。
また、伸度は、幅10mm、長さ80mm(チャック間距離は初期40mm)のサイズに切りだした試験片を、25℃の条件で引張速度200(mm/min)で引っ張った場合の、長さの増加率((引張後長さ-引張前長さ)÷引張前長さ×100)を意味する。そして本発明では、高伸度側の伸度と、低伸度側の伸度の比(高伸度/低伸度)が、2以上に規制され、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上に規制する。
異種樹脂シートは、複合樹脂シートに1か所のみ積層されていてもよく、2か所以上積層されていてもよい。2か所以上積層される場合、幅方向に平行な方向が1つとなるように、これらは平行に配置されてストライプ(縞)状となる。2か所以上の異種樹脂シートは同一の樹脂からなるものであってもよく、異なる樹脂からなるものであってもよい。また、2以上の異種樹脂シートの幅や間隔は、同一であっても異なっていてもよい。また、積層部、非積層部が2か所以上ある場合には、伸度は、合計長さについての上記長さの増加率を意味する。
また、母材樹脂シート、異種樹脂シートともに、単層構造であってもよく、2以上積層されたものであってもよい。
母材樹脂シート中に異種樹脂シートを積層とは、図2に示すように異種樹脂シート3の両面に母材樹脂シート2にサンドイッチされ、複合樹脂シート1の表面がいずれも母材樹脂シート2である構造を意味し、母材樹脂シート上に異種樹脂シートを積層とは、図1(b)に示すように母材樹脂シート2の一方面に異種樹脂シート3が積層され、複合樹脂シート1の一方の表面(図1(b)では上側の表面)に異種樹脂シート3が存在する構造を意味する。
また、複合樹脂シートの厚みは、5~1000μmであることが好ましく、10~500μmであることがより好ましく、20~300μmであることがさらに好ましい。
上記の複合樹脂シートにおいて、帯状樹脂シートの幅方向に平行な方向に切断した場合の断面における、母材となる樹脂シートと帯状樹脂シートとの断面積比が、2:1~20:1である構成とすることができる。このようにすることにより、より複雑な形状の金型に追随しやすくなる。より好ましくは、材となる樹脂シートと帯状樹脂シートとの断面積比は、3:1~15:1とし、さらに好ましくは5:1~10:1とする。なお、この断面は、帯状樹脂シートの押出方向に垂直な方向の断面とする。
非積層部分と、積層部分と、のいずれが低伸度側となってもよい。たとえば、非積層部分のほうが低伸度側となる場合、異種樹脂シートとして母材よりも高伸度な(柔軟な)樹脂を用いる。他方、非積層部分のほうが高伸度側の場合、異種樹脂シートとして母材よりも低伸度な(柔軟でない)樹脂を用いる。
伸度が高い樹脂材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーからなる群より選択された少なくとも一種を用いる。
ポリエチレン系樹脂としては、分岐鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)又はアイオノマ-等を挙げることができる。
ポリエステル系エラストマーは、ハードセグメントであるポリエステルと、ゴム弾性に富むソフトセグメントであるポリエーテル又はポリエステルとから構成されるものであり、具体的には例えば、ハードセグメントとしての芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとしての脂肪族ポリエーテルとからなるブロック共重合体、又はハードセグメントとしての芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとしての脂肪族ポリエステルとからなるブロック共重合体等が挙げられる。中でも、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。上記ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとしての芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとしてのポリアルキレンエーテルグリコールとからなるブロック共重合体が好ましい。
ポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミド成分によって構成されるハードセグメントとポリオキシアルキレングリコール成分によって構成されるソフトセグメントからなるポリアミド系ブロック共重合体が挙げられる。ハードセグメントのポリアミド成分は、(1)ラクタム、(2)ω-アミノ脂肪族カルボン酸、(3)脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸、又は(4)脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸からなる群から選択され、具体的には、ε-カプロラクタムの如きラクタム、アミノヘプタン酸の如き脂肪族ジアミン、アジピン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸を例示することができる。また、ポリアミド系ブロック共重合体のソフトセグメントを構成するポリオキシアルキレングリコールは、例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシ-1,2-プロピレングリコール等が挙げられる。
ポリオレフィン系エラストマーとしては、特に制限されず、ポリオレフィンをハードセグメントとし、各種ゴム成分をソフトセグメントとするブロック共重合体などが挙げられる。ハードセグメントを構成するポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンなど、炭素数2~20程度のα-オレフィン等の単独重合体又は共重合体などが挙げられる。ポリオレフィンを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。好ましいオレフィンには、エチレン、プロピレンが含まれる。また、ソフトセグメントを構成するゴム成分としては、例えば、エチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR;アクリルニトリル-ブタジエンゴム)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、水素添加NBR(H-NBR)、アクリロニトリル-イソプレンゴム(NIR)、アクリロニトリル-イソプレン-ブタジエンゴム(NBIR)などが挙げられる。これらのゴム成分には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸をコモノマーとして含有させたカルボキシル化ゴム等の酸変性ゴムやその他の変性ゴム、水添物なども含まれる。これらのゴム成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリスチレン系エラストマーとは、ハードセグメントであるポリスチレンと、ソフトセグメントであるポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンとポリイソプレンの共重合体等とからなるものや、これらの水素添加物を意味する。なお、上記水素添加物は、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の一部が水素添加されたものであってもよく、全てが水素添加されたものであってもよい。
伸度が低い樹脂材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群より選択された少なくとも一種を用いる。
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とを縮重合させることにより得られるものが挙げられる。ジカルボン酸成分として、ジカルボン酸成分100モル%のうち、テレフタル酸が55モル%以上である芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。さらに上記ジカルボン酸成分として、上記テレフタル酸以外に、o-フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等を含むことができる。ジオール成分としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコールトリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール)、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール類;2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン系共重合体等を挙げることができる。プロピレン系重合体は、プロピレンとそれ以外のα-オレフィンとの共重合体である。かかるプロピレン以外のα-オレフィンとしては、例えば、炭素数2~20のプロピレン以外のα-オレフィンを挙げることができ、具体的には、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンが挙げられる。この中、炭素数2~4の、例えば、エチレン、ブテンが好ましく、エチレンがより好ましい。これらプロピレン以外のα-オレフィンは、1種であっても、2種以上の併用であってもよい。プロピレン系共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、又は非晶質ポリアミド等を挙げることができる。脂肪族ポリアミドとしては、脂肪族ナイロンおよびその共重合体を挙げることができる。具体的には、例えば、ポリカプラミド(ナイロン-6)、ポリ-ω-アミノヘプタン酸(ナイロン-7)、ポリ-ω-アミノノナン酸(ナイロン-9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン-11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン-12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン-2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン-4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン-6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン-6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン-6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン-8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン-10,8)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン-6/12)、カプロラクタム/ω-アミノノナン酸共重合体(ナイロン-6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン-6,6/6,10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン-6/6,6/6,10)を挙げることができる。これらは1種であっても、2種以上の併用であってもよい。芳香族ポリアミドとしては、例えば、キシリレンジアミン系ポリアミド、具体的にはメタおよび/またはパラキシリレンジアミンとアジピン酸等のジカルボン酸から合成された重合体を挙げることができる。非晶質ポリアミドとしては、例えば、イソフタル酸-テレフタル酸-ヘキサメチレンジアミン重縮合物を挙げることができる。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体、スチレン-共役ジエン共重合体、又はスチレン-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体等を挙げることができる。共役ジエンとしては、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。具体的には、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS樹脂)、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS樹脂)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SIBS樹脂)が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
母材樹脂シートや異種樹脂シートには、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、抗菌剤、安定剤、顔料等、各種公知の添加剤や異なる樹脂等を合目的的に添加してもよい。
部分的に樹脂を積層してなる複合樹脂シートにかかる本発明によれば、積層部分と非積層部分の伸度の違いを利用して様々な形状の金型に密着させることが容易となる。
本発明に係る複合樹脂シートを示す図であって、(a)は平面図、(b)断面図である。 本発明に係る複合樹脂シートの変形例を示す断面図である。
以下、この発明の実施するための形態を、図を用いて説明する。なお、各図中、同一部分には同一の参照番号を付し、その説明を繰り返さない。
(実施の形態1)
図1に、本発明に係る複合樹脂シートを示す。図1(a)の平面図、図1(b)の断面図に示すように、本実施の形態にかかる複合樹脂シート1は、母材となる樹脂シート(母材樹脂シート)2に、母材とは異なる樹脂からなり、狭幅の帯状樹脂シート(異種樹脂シート)3が積層されてなる。これにより、複合樹脂シート1を異種樹脂シート3の幅方向に平行な方向(図面左右方向)に伸ばしたときの伸度が異なるようになっている。本実施の形態では、母材樹脂シートが相対的に低伸度で、異種樹脂シートが相対的に高伸度としている。
このような樹脂シートを異種樹脂シート3の幅方向に平行な方向に引っ張ると、積層部分は高伸度な異種樹脂シート3が積層されているため、非積層部分(母材樹脂シート2のみからなる部分)よりも伸びやすい。本実施の形態では、異種樹脂シート3の幅方向に平行な方向に10~200%伸ばした場合において、積層部分が常に非積層部分よりも2倍以上伸度が高い。
また、伸度は、幅10mm、長さ80mm(チャック間距離は初期40mm)のサイズに切りだした試験片を、25℃の条件で引張速度200(mm/min)で引っ張った場合の、長さの増加率((引張後長さ-引張前長さ)÷引張前長さ×100)を意味する。そして本発明では、高伸度側の伸度と、低伸度側の伸度の比(高伸度/低伸度)が、2以上に規制され、より好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上に規制する。
ここで、複合樹脂シート1は、図1(b)に示すようにたとえば1層の母材樹脂シート2の上に、異種樹脂シート3が積層された構成としてもよく、図2に示すように、異種樹脂シート3が母材樹脂シート2に挟まれた構成であってもよい。
また、このような複合樹脂シート1は、母材樹脂シート2と、異種樹脂シート3とを共押出することにより製造できる。この場合、異種樹脂シート3の幅方向に平行な方向は、流れ方向に垂直なTD方向となる。
また、母材樹脂シート2と異種樹脂シート3とが同質の樹脂からなると、両者の剥離を防止できるため、好ましい。たとえば、ポリエステル系樹脂とポリエステル系エラストマーとの組み合わせ、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂やポリオレフィン系エラストマーとの組み合わせ、ポリアミド系樹脂とポリアミド系エラストマーとの組み合わせ、ポリスチレン系樹脂とポリスチレン系エラストマーとの組み合わせなどを用いることが好ましい。
また、母材樹脂シート2と異種樹脂シート3の剥離を防止する他の方法としては、両者の界面での化学的結合も有効である。たとえば、ポリアミドと接着性ポリオレフィンにおけるグラフト結合や、ポリアミドとエチレン/ビニルアルコール共重合体におけるエステル結合やアミド結合などが挙げられる。
(実施例1)
母材樹脂シートとしては、低伸度なプロピレン単独重合体(サンアロマー(株)製ホモポリプロピレンPC412A)を用い、異種樹脂シートとしては、高伸度なスチレン系エラストマー((株)クラレ製HYBRAR(7311F))を用い、共押出により厚みが100μm(積層部分における厚みは、母材樹脂シート40μm、異種樹脂シート60μm)、幅80mmの複合樹脂シートを得た。なお、異種樹脂シートの幅は2.5から2.9mmで、3mmの等間隔でフィルム中央に7個配置した。また、スチレン系エラストマーには、視認性を高めるために黒色顔料を添加した。
幅10mm、長さ80mm(チャック間距離は初期40mm)のサイズに切りだした試験片(幅方向とMD方向、長さ方向とTD方向とがそれぞれ平行)を、25℃の条件で引張速度200(mm/min)で長さが120mm(伸度が200%)となるまで引っ張った。このときの積層部分の伸度と、非積層部分の伸度とを測定した。この結果を下記表1に示す。なお、伸度は、(伸ばした状態での合計長さ-伸ばす前の合計長さ)÷伸ばす前の合計長さ、であらわされるものであり、チャック間距離に相当する部分における伸ばす前の合計長さは積層部分(黒色部分)で20mm、非積層部分で20mmである。
Figure 0007237501000001
上記表1から、実施例1にかかる複合樹脂シートは、伸度が10~200%の領域において、積層部分の伸度が非積層部分の伸度の2倍以上となっていることが分かる。このように伸度に大きな違いのある樹脂シートは、高伸度部分を適切な位置に配することにより、様々な形状の金型に密着させることが可能となる。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる複合樹脂シートによれば、伸度の違いを利用して様々な金型に密着させることができる。
1 複合樹脂シート
2 母材樹脂シート
3 異種樹脂シート

Claims (3)

  1. 母材となる樹脂シート中または一方の面の上のみに、前記母材とは異なる樹脂からなり、且つ前記母材よりも狭幅の1ないし複数の帯状樹脂シートを部分的に積層した複合樹脂シートであって、
    前記母材となる樹脂シートの材料は、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂材料からなり、
    前記帯状樹脂シートの材料は、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーからなる群より選ばれた少なくとも一種からなり、
    前記複合樹脂シートを前記帯状樹脂シートの幅方向に平行な方向に10~200%伸ばしたとき、積層部分と非積層部分の伸度に一様な違いがあり、且つ、積層部分の伸度は、非積層部分の伸度よりも、2倍以上大きく、
    前記積層部分の厚みは、前記非積層部分の厚みと等しく、
    前記帯状樹脂シートが複数である場合には、それぞれの帯状樹脂シートの厚み、幅が等しく、且つ、これらが平行に配置されている、
    ことを特徴とする真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シート。
  2. 母材となる樹脂シート中または一方の面の上のみに、前記母材とは異なる樹脂からなり、且つ前記母材よりも狭幅の1ないし複数の帯状樹脂シートを部分的に積層した複合樹脂シートであって、
    前記母材となる樹脂シートの材料は、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーからなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂材料からなり、
    前記帯状樹脂シートの材料は、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂材料からなり、
    前記複合樹脂シートを前記帯状樹脂シートの幅方向に平行な方向に10~200%伸ばしたとき、積層部分と非積層部分の伸度に一様な違いがあり、且つ、非積層部分の伸度は、積層部分の伸度よりも、2倍以上大きく、
    前記積層部分の厚みは、前記非積層部分の厚みと等しく、
    前記帯状樹脂シートが複数である場合には、それぞれの帯状樹脂シートの厚み、幅が等しく、且つ、これらが平行に配置されている、
    ことを特徴とする真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シート。
  3. 請求項1または2に記載の複合樹脂シートにおいて、
    前記帯状樹脂シートの幅方向に平行な方向に切断した場合の断面における、前記母材となる樹脂シートと前記帯状樹脂シートとの断面積比が、2:1~20:1であり、
    前記母材となる樹脂シートと前記帯状樹脂シートとの界面での化学的結合がなされている、または、前記母材となる樹脂シートの材料と前記帯状樹脂シートの材料の組み合わせが、一方がポリエステル系樹脂であるとき他方がポリエステル系エラストマー、一方がポリプロピレン系樹脂であるとき他方がポリエチレン系樹脂、一方がポリプロピレン系樹脂であるとき他方がポリオレフィン系エラストマー、一方がポリアミド系樹脂であるとき他方がポリアミド系エラストマー、一方がポリスチレン系樹脂であるとき他方がポリスチレン系エラストマーである、
    ことを特徴とする真空成型又は圧空成型用の複合樹脂シート。
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