JP2006103287A - 複合フィルム、複合積層体の製造方法、反射鏡の製造方法、画像投影装置および複合フィルムの成形方法 - Google Patents

複合フィルム、複合積層体の製造方法、反射鏡の製造方法、画像投影装置および複合フィルムの成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被成形物であるフィルム(第1部材)が、成形応力によって所定の伸び量だけ伸びた後に、成形応力の対抗力として第2部材の引張応力を働かせ、打ち消すことで、所定の伸び量以上に伸ばされること防止できるため、フィルム(第1部材)の伸びを求める最終形状に依存せず、制御できる複合フィルム、複合積層体の製造方法、複合フィルムの成形方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも第1部材2と第2部材3からなる複合フィルム1において、前記第1部材2が被成形物で、所定の温度/応力下で塑性領域内にある材料で構成され、前記第2部材3が補強物で、所定の温度/応力下で弾性領域内にある材料で構成され、前記第1部材2と前記第2部材3を、伸び量を制御する領域全域に設けてある接合線のみによって接合し、以下の関係、すなわち、(隣接する前記第2部材3によって連結している接合線間の前記第2部材3の総長)≦(隣接する前記第2部材3によって連結している接合線間の直線距離)+(所定の伸び)を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フィルム、およびフィルムを用いた成形品に関し、主にリアプロジェクタに使用するミラーの反射フィルムに使用する複合フィルム、複合積層体の製造方法、複合フィルムの成形方法に関するものである。
従来、樹脂フィルムの、角部や曲面部、あるいは凸凹部を有する形状への成形には、真空成形法や圧空成形法、プレス成形法などが用いられることが知られている(例えば、特許文献1ないし8参照)。
しかしながら、上記の従来の成形法においては、フィルムを均一に延伸することが難しく、成形品の角部や曲面部、あるいは凸凹部にあたる部分では他部分より伸びが大きく、肉厚が極端に薄くなってしまうため、強度にバラツキが生じていた。
とくに、文字や図形を有する加飾シートでは模様の歪みや色の濃度ムラが目立ち易く、また導電性を付与するかまたは金属蒸着層を付与する加飾シート等でも導電性や光学特性などの性能低下、あるいは金属蒸着層の亀裂が目立つという欠点があった。
この欠点を解消し、シートを均一に延伸する成形法としては、プラグアシスト真空成形が一般に知られている。この成形方法はプレス成形と真空成形の組み合わせである。
この方法は加熱した樹脂製シートをプラグ(一種のオス型)によって予め製品の概略形状を作った後に真空成形を行うのであるが、成形機が複雑になるとともに、求める最終形状に合わせてシートの延伸量を制御するためのプラグの形状や動作の設定が困難である。
特許第3359276号 特開平5−96568号公報 特開平6−47770号公報 特開平7−290501号公報 特開平11−115040号公報 特開2000−355077公報 特開2002−18927公報 特開2003−159742公報
また、特許文献1、特許文献5、特許文献7および特許文献8では厚さ分布の不均一な樹脂シートを形成し、真空成形している。真空成形型の凹部形状に応じて延伸量の大きな部分を肉厚にした合成樹脂シートから成形するので、肉厚の均一な形成品が得られる。
しかし、求める最終形状に合わせてシートの延伸量を制御するための厚さの設定が煩雑で困難な上に、これを加飾シートで行った場合、肉厚は均一になっても均一に延伸されている訳ではなく、肉厚部分の延伸量は大きいままなので、肉厚部分の歪みが大きくなり過ぎて、亀裂が入り、加飾フィルムの成形には用いることができない。
また、特許文献2、特許文献3、および特許文献4では、成形品の凹凸形状に対応させた温度分布で加飾シートの加熱を行うことによって、真空成形時の加飾シートの変位量が多い部分の加熱温度を、変位量が少ない部分よりも相対的に低温とすることにより、加飾シートの真空成形時の変位(歪み)を、極力均一にすることが可能であることを開示している。
しかし、加熱機構の構造や制御が複雑になることで高コスト化を招くとともに、求める最終形状に合わせてシートの延伸量を制御するための温度分布の設定が困難である。
また、特許文献3では、加飾シートとして、活性エネルギ線硬化性樹脂シートを用いている。そして活性エネルギ線を照射し、伸ばしたくない部分を硬化させた後に、真空成形することで加飾シートを均一に延伸することができることを開示している。
しかし、活性エネルギ線硬化性樹脂を用いることで加飾シートの材料が限定されてしまい、高コスト化を招くとともに、活性エネルギ線照射工程での求める最終形状に合わせてシートの延伸量を制御するための活性エネルギ線照射量の設定と制御が困難である。
また、特許文献6では、着色フィルムの成形方法として、着色フィルムの樹脂層に強化材を部分的に埋め込みつつ、接着したフィルムを用いることで、伸張される領域が分散され、フィルムを均一に延伸できることを開示している。
しかし、強化材も塑性変形するため、制御が困難であること、また樹脂層に強化材が全面的に接着され、単に剛性が向上しただけなので上記効果を得ることは非常に困難であると予想され、また、構成も不明瞭である。
そこで、本件出願人は、樹脂フィルムの、角部や曲面部、あるいは凸凹部を有する形状への成形において、樹脂フィルムの任意の部分で、成形時の伸びを制御し、樹脂フィルムの性能を維持した成形品が得られる樹脂フィルムを、上記従来技術のように、求める最終形状に依存せず、高コスト化、複雑化をせずに提供することを鋭意検討した。
成形時のフィルムの伸びを制御するためには、成形時のフィルムの強度を制御すればよい。そのため、フィルムの強度を制御するための手段としては、上記従来技術のように、厚さ分布を付ける、温度分布を付ける、材料を変化させるといった手段が考えられるが、どれも求める形状に依存するので、制御方法を変化させる必要があり、煩雑である。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、被成形物であるフィルム(第1部材)が、成形応力によって所定の伸び量だけ伸びた後に、成形応力の対抗力として第2部材の引張応力を働かせ、打ち消すことで、所定の伸び量以上に伸ばされること防止できるため、フィルム(第1部材)の伸びを求める最終形状に依存せず、制御できる複合フィルム、複合積層体の製造方法、複合フィルムの成形方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも第1部材と第2部材からなる複合フィルムにおいて、前記第1部材が被成形物で、所定の温度または応力下で塑性領域内にある材料で構成され、前記第2部材が補強物で、所定の温度または応力下で弾性領域内にある材料で構成され、前記第1部材と前記第2部材を、伸び量を制御する領域全域に設けてある接合線によって接合し、(隣接する前記第2部材によって連結している接合線間の前記第2部材の総長)≦(隣接する前記第2部材によって連結している接合線間の直線距離)+(所定の伸び)の関係を有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、少なくとも第1部材と第2部材からなる複合フィルムにおいて、前記第1部材が被成形物で、所定の温度または応力下で塑性領域内にある材料で構成され、前記第2部材が補強物で、所定の温度または応力下で弾性領域内にある材料で構成され、前記第1部材と前記第2部材を、伸び量を制御する領域全域に設けてある接合点によって接合し、(隣接する前記第2部材によって連結している接合点間の前記第2部材の総長)≦(隣接する前記第2部材によって連結している接合点間の直線距離)+(所定の伸び)の関係を有することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記第2部材が繊維、糸材、棒材、帯材などの長尺状部材である請求項1または2記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記第2部材が繊維、糸材、棒材、帯材からなる格子状部材である請求項1ないし3のいずれか1項記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記接合線もしくは前記接合点を設けた領域、所定の温度において、所定の伸び未満での変形応力に対し、所定の伸び以上の変形応力が2倍以上である請求項1ないし4のいずれか1項記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、隣接する前記第2部材によって連結している前記接合線もしくは前記接合点の距離が等しい請求項1ないし5のいずれか1項記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記第2部材が、金属、樹脂、カーボン、ガラス、天然繊維、およびこれらの混合物である請求項1ないし6のいずれか1項記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記第1部材と前記第2部材の間に接着層を設ける請求項1ないし7のいずれか1項記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記第1部材の、前記第2部材が形成される面と対向する面に加飾層を設ける請求項1ないし8のいずれか1項記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、複合フィルムを所定の形状に変形した後に、前記第1部材から前記第2部材を取り外す請求項1ないし9のいずれか1項記載の複合フィルムを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか1項記載の複合フィルムを製造する複合積層体の製造方法において、前記複合フィルムを所定の形状に変形した後に、支持体を一体化して複合積層体とする複合積層体の製造方法を特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、加飾層の少なくとも1部分が反射膜であって、請求項11記載の複合積層体が反射鏡である反射鏡の製造方法を特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12記載の反射鏡を用いた画像投影装置を特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか1項記載の複合フィルムを成形する複合フィルムの成形方法において、前記第1部材と前記第2部材の軟化温度未満で前記複合フィルムを所定の形状に変形する複合フィルムの成形方法を特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、前記所定の形状への変形を、空気圧成形で行う請求項14記載の複合フィルムの成形方法を特徴とする。
本発明によれば、所定の温度/応力下で所定の伸び量以上の伸びを抑止し、フィルムの伸びを制御できるため、得られる成形品では、所望の厚み、形状を容易に得られるという顕著な効果を奏する。
また、文字や図形などの加飾層や、導電性層、金属蒸着層等の過度に層が伸ばされると性能が得られない機能性層を設けたフィルムを成形する場合においても、所望の部分の伸びを制御できるので、優れた機能性を維持した成形品が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の複合フィルムの第1の実施の形態を示す斜視図である。図1の複合フィルム1において、第1部材2はポリプロピレンフィルムであり、第2部材3はシリコンゴムシートである。
第1部材2に第2部材3が図1に示すような形状で線(接合線)8によって部分的に接合されている。これは第1部材2に接着層4として接着剤を塗布し、第2部材3を圧着させ、一体化している。
図2は複合フィルムを使用して真空成形法により所望の成形品を得る成形品の製造方法の第1の製造段階を示す概略断面図である。図3は図2の製造方法の第2の製造段階を示す概略断面図である。図4は図2の製造方法の第3の製造段階を示す概略断面図である。
図2ないし図4を参照して、上記構成を有する複合フィルム1を使用し、真空成形法を用いて所望の成形品を得る。まず少なくとも1つの転写面5を有する真空成形用の金型6を用意する。
この金型6には、図示しない多数の空気吸引口が開口しており、この空気吸引口は図示しない真空ポンプに連通されている。次に、複合フィルム1を、赤外線ヒータ等の公知の加熱手段9により一定時間加熱して軟化させた後に金型6の上に配置する(図2参照)。
そして、真空ポンプを運転して複合フィルム1と金型6の転写面5との間の空間を負圧にすると、複合フィルム1は背面を大気圧で押されて、金型6の転写面5に密着する(図3参照)。
その後、複合フィルム1を冷却し、金型6から外し、成形品7を取り出す(図4参照)。なお、本実施の形態では、真空成形用の金型6として雌型を用いているが、雄型を用いても構わない。
また、本実施の形態では、複合フィルム1を、直接金型6の上に配置し固定しているが、複合フィルム1の周縁部位をクランプフレームで挟持して、金型6上に配置するなどの公知の構成をとっても構わない。
図5は第1の実施の形態と比較例1で得られた成形品の第1部材の任意の10点の厚さを測定した結果を表で示す図である。比較例1として上記第1の実施の形態の第1部材2のみを、第1の実施の形態と同様の手順で成形した。
第1の実施の形態と比較例1で得られた成形品の第1部材2の任意の10点の厚さを測定した結果を図5に示している。図5からも明らかなように、本発明の複合フィルムはフィルムの厚さバラツキを大幅に低減することができる。
本発明の複合フィルムの効果を説明する。第1の実施の形態の複合フィルム1は以下の特徴を有している。すなわち、少なくとも第1部材2と第2部材3からなる。
第1部材2は被成形物であり、所定の温度/応力下で塑性領域内にある材料である。第2部材3は補強物であり、所定の温度/応力下で弾性領域内にある材料である。第1部材2と第2部材3は線によって接合され、この接合線以外では接合されていない。
接合線は伸び量を制御する領域全域に設けてある。(隣接する(第2部材3によって連結している)接合線8間の第2部材3の総長)≦(隣接する(第2部材3によって連結している)接合線8間の直線距離)+(所定の伸び)の関係を有している。
図6は図1の複合フィルムの断面の延伸過程を示す概略断面図である。図7は図6の延伸過程のたるんだ状態から張られた状態に変化していく過程を示す概略断面図である。
図8は図6の延伸過程において第2部材が完全に張られた状態になり、弾性変形に移った点を示す概略断面図である。図9は伸び(延伸率)a+αに達して或る接合線間の領域がそれ以上に延伸されない状態を示す概略断面図である。
図6ないし図9に示す複合フィルムの断面図の延伸過程おいて、第1の実施の形態の複合フィルム1は、第1部材2にポリプロピレンフィルム、第2部材3にシリコンゴムシートを用い、この第2部材は接着剤を介して接合線8によって部分的に接合している。この複合フィルム1を、真空成形などを用いて延伸した場合の変形過程を説明する。
まず、成形時の温度/応力で第1部材2が塑性変形を起こし、延伸される。そのとき第2部材3は第1部材2の延伸に応じて、たるんだ状態から張られた状態に変化していく(図7参照)。
図10は複合フィルムの伸び(延伸率)−応力曲線をグラフで示す概略図である。次に第1部材2の塑性変形による延伸によって第2部材3が完全に張られた状態に変化した後、第2部材3は弾性変形する。
図10に示すように、複合フィルム1の伸び(延伸率)−応力曲線における或る伸び(延伸率)aにおいて、応力が急激に大きくなり、或る伸び(延伸率)a未満での変形応力に対して、或る伸び(延伸率)a以上での変形応力が2倍以上になっている。このaは、第2部材3が完全に張られた状態になり、弾性変形に移った点である(図8参照)。
さらに、第1部材2が塑性変形、かつ第2部材3が弾性変形して複合フィルム1は延伸されるが、この第2部材3は、成形時の温度/応力で弾性領域にあるように選択されている。したがって、複合フィルム1の或る伸び(延伸率)a以上での変形に必要な応力は伸び量に比例して増加する。
さらにまた、所定の伸び(延伸率)a+α(任意の値)において、変形に必要な応力が、成形時の応力より大きくなるので、複合フィルム1は所定の伸び(延伸率)a+α以上に延伸されることを抑止し、フィルムの伸びを制御することができる。
上記のように所定の伸び(延伸率)a+αに達した、或る接合線8間の領域はそれ以上に延伸されない(図9参照)。そのため、その隣接する領域に応力が集中して延伸されることになるが、その領域もまた伸び(延伸率)a+α以上に延伸されることはない。このようにして、フィルムの伸びを制御する。
上に示したように、本発明に係わる複合フィルムを用いて上記の方法により得られた成形品は、所定の温度、所定の応力下で所定の伸び量以上の伸びを抑止し、フィルムの伸びを制御できるので、所望の厚み、形状を容易に得ることができる。
また、文字や図形などの加飾層や、導電性層、金属蒸着層等の過度に層が伸ばされると性能が得られない機能性層を設けたフィルムを成形する場合においても、所望の部分の伸びを制御できるので、優れた機能性を維持した成形品が得られる。
なお、上記第1の実施の形態では、第1部材2にポリプロピレンフィルム、第2部材3にシリコンゴムシートを用いたが、これに限定されるものではない。
第1部材2の材料としては、所定の応力下で塑性領域内であるように、金属、樹脂、カーボン、ガラス、天然繊維、及びこれらの混合物を用いることができる。
しかしながら、望ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレートなどの熱可塑性樹脂である。
第2部材3の材料としては、所定の応力下で弾性領域内にあるように、金属、樹脂、カーボン、ガラス、ゴム、天然繊維、およびこれらの混合物を用いることができる。これにより所望の応力下で弾性領域内にある第2部材3を容易に得ることができる。
また、第1部材2および、第2部材3は材料に合わせ、公知の加工法(圧延加工や押出成形加工やカレンダ成形加工など)を使用して製造されたものを用いることができる。
また、(隣接する(第2部材3によって連結している)接合線8間の第2部材3の総長)≦(隣接する(第2部材3によって連結している)接合線8間の直線距離)+(所定の伸び)とすることで、或る伸び(所定の伸び+第2部材3の弾性変形量)に達した、接合線8間の領域がそれ以上に延伸されることを確実に防止し、フィルムの伸びを制御することができる。
図11は図1の複合フィルムの第2部材の第1の変形例を示す概略断面図である。図12は図1の複合フィルムの第2部材の第2の変形例を示す概略斜視図である。図13は図1の複合フィルムの第2部材の第3の変形例を示す概略斜視図である。
第1の実施の形態では、図1に示すような形態の複合フィルムを用いているが、図11および図12のような形態でも構わない。とくに、図13に示すように、第2部材3が繊維、糸材、棒材、帯材などの長尺状部材であることにより、複合フィルム1の製造を容易にし、図1に示した形態の場合と同様の効果をより効率的に得ることができる。
第1の実施の形態では、接合線を設けた領域、所定の温度において、所定の伸び未満での変形応力に対し、所定の伸び以上の変形応力が2倍以上になっている。このように変形応力の変化が急激に起こることによって或る伸びでの変形応力が成形時の応力を上回り、それ以上の延伸を防止することをより一層容易にしてくれる。
さらに、第1部材2と第2部材3の間に接着層4を設けることで第1部材2と第2部材3の接合をより強固にするとともに、第1部材2、第2部材3の材料の選択の幅を広げることができる。第1の実施の形態では接着層4としては、公知の接着層を用いることができる。
図14は本発明による複合フィルムの第2の実施の形態を示す斜視図である。この第2の実施の形態においては、複合フィルム1を使用し、ブロー成形法を用いて複合フィルム1を所望の形状へ成形した後に、プレス成形で支持体11(後述の図18参照)と一体化し、反射鏡とする。
この場合、注意しなくてはならないのは、反射鏡の反射面となる反射膜が複合フィルム1の表面に設けられていることである。この反射膜には主に金属蒸着膜が用いられるが、金属膜は延伸によって亀裂が生じ易い。亀裂は反射鏡の光学特性を大きく低下させるため、絶対に回避したい。
第2の実施の形態では、伝達体は反射膜の亀裂を防止するため、複合フィルム1の反射面となるあらゆる箇所が均一に伸び、しかもその伸びを5%以下になるようにしたい。
そのための構成を以下で説明する。図14は、上述したように、本発明の複合フィルムの第2の実施の形態を示している。ここで、第1部材2は、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムでその表面には加飾層15として、真空蒸着によってアルミ反射膜が設けられている。第2部材3はアルミメッシュである。
図14に示すように、第1部材2に第2部材3が点によって部分的に接合されている。これは第1部材2に接着層4として接着剤を塗布した後に第2部材3を配置して圧着し、第2部材3を第1部材2に部分的に埋め込んで一体化した。
このとき、隣接する接合点10と接合点10の距離を等間隔にして、(隣接する接合点10間における第2部材3の長さ)を(隣接する接合点10間の直線距離)の1.05倍とする。
第1部材2およびその上に設けられた加飾層15であるアルミ反射膜が5%以上延伸されないようにした(厳密に言えば、伸び量は5%+アルミメッシュの弾性変形量であるが、アルミメッシュの弾性変形量はごく微量で無視できるのでここでは5%と表記する)。また、支持体11は射出成形によって作られた強化樹脂成形品である。
図15は複合フィルムを使用してブロー成形法により所望の成形品を得る成形品の製造方法の第1の製造段階を示す概略断面図である。図16は図15の製造方法の第2の製造段階を示す概略断面図である。図17は図15の製造方法の第3の製造段階を示す概略断面図である。
図18は図15の製造方法の第4の製造段階を示す概略断面図である。図19は図15の製造方法の第5の製造段階を示す概略断面図である。図20は図15の製造方法の第6の製造段階を示す概略断面図である。
図15ないし図18を参照して、まず、転写面5を有する雌型12と雄型13からなる金型6を用意し、複合フィルム1を、赤外線ヒータ等の公知の加熱手段9においてより一定時間加熱して軟化させた後に雌型12の上に配置する(図15参照)。そして複合フィルム1裏面に圧空を供給してブローし、雌型12の転写面5に密着させて転写する(図16参照)。
次に、複合フィルム1をさらに加熱することによって接着剤を軟化もしくは溶融させ、第1部材2から第2部材3を取り外す(図17参照)。続いて、雌型12と雄型13の間に支持体11を配置し(図18参照)、型締めを行い、所定の温度と圧力を加え、第1部材2と支持体11を熱圧着する(図19参照)。
このとき、複合フィルム1(第1部材2)と支持体11の間に接着層4を設けても構わない。その後、所定の温度まで冷却し、金型6から取り出し、複合フィルム1の不必要な部分をトリミングすると、反射鏡14が得られる(図20参照)。得られた反射鏡14は金属膜層に亀裂などの損傷はなく、良好な外観で、反射鏡として十分な機能を有していた。
図21は本発明の複合フィルムの第2の実施の形態の変形例を示す斜視図である。図21において、複合フィルム1は第1部材2上に接合線10で接合された、図14とは異なった形状の第2部材3を備えている。
比較例2として、複合フィルム1を用いず、真空蒸着によってアルミ反射膜が設けられたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いて、第2の実施の形態と同様の工程で反射鏡を作成したところ、反射鏡中心部のアルミ反射膜に亀裂が発生し、反射鏡として使用することはできなかった。
本発明の複合フィルムの効果を説明する。第2の実施の形態の複合フィルム1は以下の特徴を有している。すなわち、少なくとも第1部材2と第2部材3からなる。
第1部材2は被成形物であり、所定の温度/応力下で塑性領域内にある材料である。第2部材3は補強物であり、所定の温度/応力下で弾性領域内にある材料である。第1部材2と第2部材3は点によって接合され、この接合線以外では接合されていない。
接合点は伸び量を制御する領域全域に設けてある。(隣接する(第2部材3によって連結している)接合点10間の第2部材3の総長)≦(隣接する(第2部材3によって連結している)接合線10間の直線距離)+(所定の伸び)の関係を有している。
第1の実施の形態のように線で接合した場合、その接合線8において直行する方向のフィルムの伸びは制御することができるが、他の方向については制御できない。第2の実施の形態のように、点で接合することによって、任意の方向において、フィルムの伸びを制御することができる。
また、第2部材3が繊維、糸材、棒材、帯材を編んだり織ったり接合したり一体成形することによってなる格子状部材(メッシュ、エキスパンドメタル、織布等)であることによって上記の効果を、効率的に得ることができる。
第2の実施の形態では、隣接する(第2部材3によって連結している)接合点10間の距離を等しくしている。これにより、各接合点10間のフィルムの伸びを制御する精度を均一化することができる。さらに各接合点10間の距離を小さくすることによって、制御精度を向上させることができる。
第2の実施の形態では、第1部材2から第2部材3を取り外している。第2部材3を取り外すことで、複合フィルム成形品の無駄な部分をなくし、軽量化、省スペース化ができる。さらに取り外した第2部材3を再利用することで、低コスト化ができる。
第2の実施の形態では、複合フィルム1と支持体11とを一体化させ、複合積層体としている。複合フィルム1と支持体11とを一体化させることで、複合フィルム1に強度を与え、用途を広げることができる。
支持体11は複合フィルム1と接合可能な部材が選択される。樹脂材やゴム材、金属材、セラミック材などを用いることができ、それらの材料の混合物であってもよい。
第2の実施の形態では、複合フィルム1の表面に加飾層15を設けている。この加飾層15を設けることで、複合フィルム1に様々な機能を付加することができる。さらに第2の実施の形態では、加飾層15にアルミ膜を用いている。
加飾層15の少なくとも1部分が、反射膜であることにより、光学用途に使用できる精度のよい反射鏡14を低コストで製造することができる。またこの反射鏡14を画像投影装置に用いることで、画像の歪みが少ない良好な画像投影装置を製造することができる。
第1の実施の形態では真空成形、そして第2の実施の形態では、ブロー成形を用いて複合フィルム1を成形している。複合フィルム1の成形に空気圧成形を用いることで、容易に効率よく成形を行うことができる。
本発明の複合フィルムの第1の実施の形態を示す斜視図である。 複合フィルムを使用して真空成形法により所望の成形品を得る成形品の製造方法の第1の製造段階を示す概略断面図である。 図2の製造方法の第2の製造段階を示す概略断面図である。 図2の製造方法の第3の製造段階を示す概略断面図である。 第1の実施の形態と比較例1で得られた成形品の第1部材の任意の10点の厚さを測定した結果を表で示す図である。 図1の複合フィルムの断面の延伸過程を示す概略断面図である。 図6の延伸過程のたるんだ状態から張られた状態に変化していく過程を示す概略断面図である。 図6の延伸過程において第2部材が完全に張られた状態になり、弾性変形に移った点を示す概略断面図である。 伸び(延伸率)a+αに達して或る接合線間の領域がそれ以上に延伸されない状態を示す概略断面図である。 複合フィルムの伸び(延伸率)−応力曲線をグラフで示す概略図である。 図1の複合フィルムの第2部材の第1の変形例を示す概略断面図である。 図1の複合フィルムの第2部材の第2の変形例を示す概略斜視図である。 図1の複合フィルムの第2部材の第3の変形例を示す概略斜視図である。 本発明による複合フィルムの第2の実施の形態を示す斜視図である。 複合フィルムを使用してブロー成形法により所望の成形品を得る成形品の製造方法の第1の製造段階を示す概略断面図である。 図15の製造方法の第2の製造段階を示す概略断面図である。 図15の製造方法の第3の製造段階を示す概略断面図である。 図15の製造方法の第4の製造段階を示す概略断面図である。 図15の製造方法の第5の製造段階を示す概略断面図である。 図15の製造方法の第6の製造段階を示す概略断面図である。 本発明の複合フィルムの第2の実施の形態の変形例を示す斜視図である。
符号の説明
1 複合フィルム
2 第1部材
3 第2部材
4 接着層
5 転写面
6 金型
7 成形品
8 接合線
9 加熱手段(赤外線ヒータ)
10 接合点
11 支持体
12 雌型
13 雄型
14 反射鏡
15 加飾層

Claims (15)

  1. 少なくとも第1部材と第2部材からなる複合フィルムにおいて、前記第1部材が被成形物で、所定の温度または応力下で塑性領域内にある材料で構成され、前記第2部材が補強物で、所定の温度または応力下で弾性領域内にある材料で構成され、前記第1部材と前記第2部材を、伸び量を制御する領域全域に設けてある接合線によって接合し、(隣接する前記第2部材によって連結している接合線間の前記第2部材の総長)≦(隣接する前記第2部材によって連結している接合線間の直線距離)+(所定の伸び)の関係を有することを特徴とする複合フィルム。
  2. 少なくとも第1部材と第2部材からなる複合フィルムにおいて、前記第1部材が被成形物で、所定の温度または応力下で塑性領域内にある材料で構成され、前記第2部材が補強物で、所定の温度または応力下で弾性領域内にある材料で構成され、前記第1部材と前記第2部材を、伸び量を制御する領域全域に設けてある接合点によって接合し、(隣接する前記第2部材によって連結している接合点間の前記第2部材の総長)≦(隣接する前記第2部材によって連結している接合点間の直線距離)+(所定の伸び)の関係を有することを特徴とする複合フィルム。
  3. 前記第2部材が繊維、糸材、棒材、帯材などの長尺状部材であることを特徴とする請求項1または2記載の複合フィルム。
  4. 前記第2部材が繊維、糸材、棒材、帯材からなる格子状部材であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の複合フィルム。
  5. 前記接合線もしくは前記接合点を設けた領域、所定の温度において、所定の伸び未満での変形応力に対し、所定の伸び以上の変形応力が2倍以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の複合フィルム。
  6. 隣接する前記第2部材によって連結している前記接合線もしくは前記接合点の距離が等しいことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の複合フィルム。
  7. 前記第2部材が、金属、樹脂、カーボン、ガラス、天然繊維、およびこれらの混合物であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の複合フィルム。
  8. 前記第1部材と前記第2部材の間に接着層を設けることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の複合フィルム。
  9. 前記第1部材の、前記第2部材が形成される面と対向する面に加飾層を設けることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の複合フィルム。
  10. 複合フィルムを所定の形状に変形した後に、前記第1部材から前記第2部材を取り外すことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項記載の複合フィルム。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項記載の複合フィルムを製造する複合積層体の製造方法において、前記複合フィルムを所定の形状に変形した後に、支持体を一体化して複合積層体とすることを特徴とする複合積層体の製造方法。
  12. 加飾層の少なくとも1部分が反射膜であって、請求項11記載の複合積層体が反射鏡であることを特徴とする反射鏡の製造方法。
  13. 請求項12記載の反射鏡を用いたことを特徴とする画像投影装置。
  14. 請求項1ないし10のいずれか1項記載の複合フィルムを成形する複合フィルムの成形方法において、前記第1部材と前記第2部材の軟化温度未満で前記複合フィルムを所定の形状に変形することを特徴とする複合フィルムの成形方法。
  15. 前記所定の形状への変形を、空気圧成形で行うことを特徴とする請求項14記載の複合フィルムの成形方法。
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